JP5083321B2 - 光ファイバ電流計測装置および電流計測方法 - Google Patents

光ファイバ電流計測装置および電流計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、光ファイバを用いた電流の計測方法および電流計測装置に関する。
本願は、2007年9月10日に出願された特願2007−234542号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
電流または電圧の計測装置として、光センサを用いた装置が注目されている。光センサの例としては、測定対象によって変調された信号光に、それとは異なる周波数の局部発信信号を混合して生じる干渉を光電検出器で受光・検出する、いわゆる光ヘテロダイン方式のセンサなど、高精度のものがある(例えば、非特許文献1参照)。
しかし前述のセンサは、構成が複雑であるなどの欠点がある。よって近年は、光センサの検出原理であるファラデー効果やポッケルス効果を光強度の変調に変換して電流や電圧を検出する方法や装置の開発・実用化が進められている。
例えば、電流の計測方法や装置としては、測定対象である導体に流れる電流Iに基づく磁界の作用によって、センサファイバの中を伝播する直線偏光の偏波面が回転するファラデー効果の原理を利用したものが知られている。より具体的には、光ファイバを用いた電流計測装置(以下、「光ファイバ電流計測装置」という。)では、磁性媒質中を伝搬する光の偏波面がその伝搬方向における磁界の大きさに比例して回転するファラデー効果を利用して、電流を測定する。光ファイバも磁性媒質の一種である。センサとして用いる光ファイバに直線偏光を入射して被測定電流が流れる導体、即ち磁界発生源の近くに置くと、ファラデー効果によって光ファイバ中の直線偏光に偏波面の回転(ファラデー回転)が与えられる。この時、電流に比例した磁界が発生しているので、ファラデー効果による偏波面の回転角度(ファラデー回転角)は、被測定電流の大きさに比例する。そこで、このファラデー回転角を測定することで、電流の大きさを求めることができる。これが光ファイバ電流計測装置の原理である。
ファラデー効果を利用した電流の測定方法には、電磁ノイズの影響を受けないなどの利点がある。そのため、このようなファラデー効果を利用した電流の計測方法は、変電設備、送電設備などの高電圧設備における電流計測などに好適に用いられている。
光ファイバ電流計測装置の構成には、大きく分けて2種類の方式が存在する。第一の方式は、センサファイバの一端から直線偏光を入射し、センサファイバの他端から出射する光の偏波面の回転角度を測定する方式である。これは、透過型と呼ばれている。
第二の方式は、センサファイバの一端から直線偏光を入射し、その光をセンサファイバの他端で反射させ、戻ってきた光(センサファイバの前記入射端から出射する光)の偏波面の回転角度を測定する方式である。これは、反射型と呼ばれている。
図3および図4を参照してこれらにつき簡単に説明する。
図3は、従来例における透過型の光ファイバ電流計測装置の構成の概要を示した図である(例えば、特許文献1参照)。図3において、透過型の光ファイバ電流計測装置は、偏光子15と、センサファイバ11Aと、検光子16と、を有している。センサファイバ11Aは、測定しようとしている被測定電流Iが流れる電線等の導体100の周囲を周回するようにして配置される。そして、センサファイバ11Aの一端には偏光子15が取り付けられ、他端には検光子16が取り付けられる。
このように構成された透過型の光ファイバ電流計測装置において、光源1から発せられた光が、送光ファイバ71を介して偏光子15へ入射される。この入射された光は、偏光子15によって電界の振動方向が一方向(偏光子15の主軸方向)にそろった直線偏光に変換されて、センサファイバ11Aへ入力される。次に、センサファイバ11Aの周回部分において、ファイバ中を伝搬する直線偏光は、導体100を流れる被測定電流Iの周囲に生じた磁界によってファラデー効果を受け、その偏波面が磁界の大きさに比例したファラデー回転角だけ回転した状態で、検光子16へと導かれる。そして、センサファイバ11Aから検光子16への出射光は、検光子16によって、偏光方向の互いに直交(検光子16の主軸方向とそれに垂直な方向)する2つの偏光成分に分離され、それぞれが検出信号光となる。分離された一方の光は信号伝送ファイバ72Aを介して受光素子13Aによって受光され、電気信号S1に変換される。もう一方の光は信号伝送ファイバ72Bを介して受光素子13Bによって受光され、電気信号S2に変換される。
センサファイバ11Aの周回部分で伝搬する直線偏光に与えられたファラデー回転角に応じて、受光素子13Aと13Bで受光されるそれぞれの検出信号光の光量が変化する。この変化を反映した電気信号S1およびS2を信号処理回路141で処理することによって、付与されたファラデー回転角を求めることができる。そしてこの求められたファラデー回転角から、被測定電流Iが計算される。なお、図3の例では、受光素子13A,13Bと信号処理回路141とから信号処理部14が構成されているが、これらを一体としなくてもよい。
このように構成された透過型の光ファイバ電流計測装置において、センサファイバ11Aにおけるファラデー回転角をθとする。また、被測定電流I=0の場合にセンサファイバ11Aから検光子16へ出射される直線偏光の偏光方向と検光子16の主軸方向とのなす角度(いいかえれば、偏光子15の主軸方向と検光子16の主軸方向とがなす角度)をθとする。このとき、偏光子15の主軸方向と検光子16の主軸方向のなす角度θを調整して、およそθ=π/4(45度)となるように光学バイアスの設定を行う。
理由であるが、検光子16から出力されて受光素子13Aと13Bで受光される検出信号光の強度Psは、cos(2θ−2θ)に従って変化することが知られている。この式から、角度θを変えることで、被測定量であるファラデー回転角θを測定する際の動作点を適宜設定できることが分かる。この動作点を定めるために、角度θを変更し設定することを、光学バイアスを設定するという。光学バイアスを適切に設定することは、計測の精度を高める上で極めて重要である。例えば、ファラデー回転角θが微小量変化したときに、上記式で与えられる光の強度の変化の割合(検出感度)が最も大きくなるようにするためには、θ=π/4とすればよい。よって、図3の光ファイバ電流計測装置では、偏光子15と検光子16両者の主軸方向のなす角度が、およそθ=π/4(45度)となるように設定される。
図4は、従来における反射型の光ファイバ電流計測装置の構成の概要を示した図である(例えば、特許文献2参照)。
図4において、反射型の光ファイバ電流計測装置は、光サーキュレータ19と、偏光分離素子18と、ファラデー回転子102と、センサファイバ11Bと、反射部111Aとを有している。センサファイバ11Bは、透過型と同様に、測定しようとしている被測定電流Iが流れる送電線等の導体100の周囲を周回するようにして配置される。そして、センサファイバ11Bの一端にはファラデー回転子102が取り付けられ、他端には反射部111Aが形成されている。なお、一般に反射部111Aは、例えばセンサファイバ11Bの端面に蒸着によって誘電体多層膜や金属蒸着膜を形成したり、単純に鏡を設置して構成している。通常は、反射部111Aを付けるセンサファイバ11Aの端面は、垂直に研磨するなどの方法により、反射率および透過率に偏波特性が無いが、あっても小さくなるように加工する。
ファラデー回転子102と偏光分離素子18、偏光分離素子18と光サーキュレータ19はそれぞれ光ファイバで接続される。光サーキュレータ19は、光源1からの光がセンサファイバ11B側へ透過する向きに配置される。なお、偏光分離素子18とファラデー回転子102は光ファイバで接続せずに一体的に形成する場合もある。
このように構成された反射型の光ファイバ電流計測装置に対して、光源1から発せられた光が、送光ファイバ71および光サーキュレータ19を介して偏光分離素子18へ入射される。この光から、偏光分離素子18によって電界の振動方向が一方向(偏光分離素子18の主軸方向)にそろった直線偏光の成分が、ファラデー回転子102へ入力される。ファラデー回転子102は、これを通過する光に、片道およそ22.5度のファラデー回転を付与する。これを実現するためのファラデー回転子102構成の一例として、図4では、永久磁石104と、この永久磁石104によって磁気飽和させられた強磁性体結晶である強磁性ガーネット103とから構成した場合を記載した。しかし、片道およそ22.5度のファラデー回転を与えることができればどのような構成で実現してもかまわない。通過させる光の波長種類によっては強磁性ガーネット103ではなく、別の手段を用いる場合もある。
ファラデー回転子102を通過した直線偏光は、センサファイバ11Bへ入力され、センサファイバ11Bの周回部分において、導体100を流れる被測定電流Iの周囲に生じた磁界によってファラデー効果を受ける。その直線偏光の偏波面は磁界の大きさに比例したファラデー回転角だけ回転する。
センサファイバ11Bを伝搬する光は、反射部111Aで反射されて再び周回部分を通る。ここで、反射部111Aは、信号強度の損失をなるべく生じさせないように、反射率の高いものを選択し設置する必要がある。再び周回部分を通過する光は、導体100を流れる被測定電流Iによって更にファラデー回転を受け、センサファイバ11Bからファラデー回転子102へ出射される。光は、ファラデー回転子102を再び通過することで、更におよそ22.5度のファラデー回転が与えられる。従って、このファラデー回転子102により、往復でおよそ45度の光学バイアスが設定される。
ファラデー回転子102を通過した光は、再び偏光分離素子18へと導かれ、偏光方向の互いに直交(偏光分離素子18の主軸方向とそれに垂直な方向)する2つの偏光成分に分離して出射される。偏光分離素子18によって分離された光の一方は、光サーキュレータ19と信号伝送ファイバ72Aを介して受光素子13Aによって受光され、電気信号S1に変換される。もう一方の光は信号伝送ファイバ72Bを介して受光素子13Bによって受光され、電気信号S2に変換される。
透過型の光ファイバ電流計測装置と同様に、センサファイバ11Bの周回部分で、ファイバ中を伝搬する直線偏光に与えられたファラデー回転角に応じて、受光素子13Aと13Bで受光されるそれぞれの検出信号光の光量(強度)が変化する。従って、この変化を反映した電気信号S1およびS2を信号処理回路141で処理することによって、付与されたファラデー回転角を求めることができる。そしてこの求められたファラデー回転角から、被測定電流Iが計算される。なお、この例でも受光素子13A,13Bと信号処理回路141とから信号処理部14が構成されているが、一体としなくても良い。
信号処理部14での信号処理の方法については、様々ある。いずれの方法を採用するにせよ、所定の信号処理を行って、所望の被測定電流Iを求めればよい。一例としては、特許文献3に開示された、変調度を用いる方法がある。この方法では、例えば、電気信号S1、S2を、信号処理回路141に内蔵されている分離手段で、それぞれの交流成分と直流成分とに分離し、これを除算手段で規格化する。これにより、受光素子13A、13Bの特性のアンバランスによる誤差や、信号伝送ファイバ72A、72Bなど、各素子を接続する伝送路のアンバランスによる誤差などを除去され、測定精度が高められる。
より具体的には、分離手段は、BPF(バンドバスフィルター)とLPF(ローパスフィルター)を備える。BPFによって交流成分を、また、LPFによって直流成分を分離する。次に、除算手段で、交流成分と直流成分の比を取るように信号処理する。ここで、交流成分と直流成分の比を変調度と呼ぶ。また、交流成分と直流成分の比をとることを規格化するといい、除算手段からの出力信号を変調信号もしくは、規格化信号と呼ぶ。電気信号S1または電気信号S2に基づくそれぞれの規格化信号を演算器によって処理をして、計測装置の出力信号Soutが導き出される。
このようにセンサファイバ11Aまたは11Bからの出射光を、偏光方向が互いに直交する2つの偏光成分に分離し、これら2つの検出信号光の両方を用いて、導体100に流れる被測定電流Iを求める方式を2信号方式と呼ぶ。
2信号方式を用いることで、各電気信号S1,S2に含まれる受光素子の特性等のアンバランスによる誤差や、基準偏光方位の変動による誤差を除去できる。よって、高精度の電流あるいは磁場の計測が可能な光ファイバ電流計測装置となる。一方で、光学素子を多く必要としたり、それらの主軸方向の相互位置を調整する必要が生じるため、回路構成や設定が複雑になるという欠点もあった。
そこで、これらの2信号方式とは異なる方法として、1信号方式と呼ばれるものもある。これは、センサファイバ11Aまたは11Bからの出射光に含まれる、偏光方向が互いに直交する2つの偏光成分のうち、1つのみを計測に用いる方法である。よって、光学素子やその調整の手間を削減することができる。
この方式では、例えば、図3もしくは図4における信号伝送ファイバ72Aを通過する検出信号光か、もしくは、信号伝送ファイバ72Bを通過する検出信号光のどちらか一方を計測に用いる。2信号方式に比べ1信号方式による光ファイバ電流計測装置では、以下の欠点が生じる。
(i)透過型の光ファイバ電流計測装置では、温度によって材料が膨張するなどするため、センサファイバ11Aまたは11Bの曲線の変形させる力の付加や、光ファイバの材料に応力やゆがみを発生させる力の付加によって誤差が生じる。
(ii)透過型および反射型の光ファイバ電流計測装置とも、光源そのものの発光状態の変動による測定誤差が生じる。
ここでは、(ii)について更に詳細に説明する。
ファラデー効果を利用する光ファイバ電流計測装置の検出感度を制限する原因の1つに、光源の発光状態の変動に起因するノイズがある。従来からの研究によれば、光源としては例えばSuper Luminescent Diode光源(SLD)やエルビウムドープファイバ用いたAmplified Spontaneous Emission光源(ASE)などの、誘導放出により光の増幅機構を有するとともに、共振器をとりつけずにレーザ発振させない高輝度・広帯域光源を用いることが有効であることが知られている。これらの光源は、光の波面がそろっていることから空間的可干渉性が高く、光ファイバへ十分な光量を導入できる。また、スペクトル幅が広く、時間的可干渉性が低いため、光学系の内部における光の干渉に起因するノイズを防止できる。
一方、このような光源を用いる際、ノイズの原因となる発光状態の変動として、次の2つを考慮する必要がある。
(A)発光強度の変動:電源のリップルなどに起因する発光強度の変動
(B)偏光状態の変動:偏光状態のランダムで高速な変動(光子の発生およびその偏波状態がランダムであることによる原理的な変動)
上記のうち出願人は、(A)発光強度の変動を補償するものを提案している(特許文献4参照)。この提案方式を図5に示すが、その要点は次の通りである。
光源1から導かれた光の一部を、光学部品4に内蔵されている偏光分離素子18に入射する前に取り出し、参照信号光として用いる。この参照信号光の強度Prは、前述した(A)項の発光強度の変動と、(B)項の偏光状態の変動により、一定の直流成分の上に交流ノイズ成分が重畳している。
一方、参照信号光以外の光は、光学部品4に含まれる偏光分離素子18を通過してセンサファイバ11Bに入射される。光は、偏光分離素子18を通過すると直線偏波になる。しかし、やはり前述した(A)および(B)の原因により、直線偏波の強度は変動している。この光は、センサファイバ11Bの他端に取り付けた反射部111Aで反射してセンサファイバ内を往復し、その間に被測定電流のつくる磁界の印加によるファラデー効果を受け、偏波面が回転する。その結果、再度偏光分離素子を通過した光の強度は、偏波面の回転角に応じて変化し、被測定電流の情報を保有する検出信号光となる。
なお、4は光源1から出射された光を直線偏光にする偏光分離素子18、および、光バイアスを設定するためのファラデー回転子102等からなる光学部品である。111Aは反射部を示し、光学部品4,反射部111Aおよびセンサファイバ11Bからなる部分を反射型のセンサヘッドとも呼んでいる。
上記の構成では、はじめに光源1から導かれて偏光分離素子18を通過した光の強度がノイズを含んでいる。そのため、信号伝送ファイバ72Bを通過する検出信号光の強度Psは、一定の直流成分の上にファラデー効果による変調成分が重畳しているほか、信号伝送ファイバ72Cを通過する参照信号光の強度Prと同様に交流ノイズ成分が重畳している。これらの検出信号光および参照信号光は図示のように受光素子13B,13Cに導かれ、それぞれ電気信号S2,R1に変換される。電気信号S2,R1は、分離手段91,92に含まれるBPF91A,92A、LPF91B,92Bによって、交流成分と直流成分とに分離される。次に、割算器94A,94Bを用いて、規格化信号Xs,Xr(より詳細に表現すれば、規格化検出信号Xs、規格化参照信号Xr)を得る。そして、減算器95により、電気信号S2に基づいて得られる規格化検出信号Xsから電気信号R1に基づいて得られる規格化参照信号Xrを差し引いた値が、計測装置の出力信号Soutとして出力される。これにより、ファラデー効果の計測ができるので、導体100に流れる被測定電流が計測できる。
「光ヘテロダイン法を応用した光電流変成器の基本特性の検討」電気学会論文誌B Vol.117,No.3,1989,pp356−363 特許第3415972号公報 特許第3685906号公報 特許第3300184号公報 国際公開第WO2006/095619号パンフレット
図5の構成によれば、光源の発光状態の変動に起因して検出信号に含まれているノイズ成分のうち、(A)の発光強度の変動に起因する成分については補償されることが可能となった。しかし、(B)の偏光状態の変動に起因する成分については、以下に述べる理由から、依然として十分な補償は困難である。
各信号,成分を以下のように定義する。
Xs:規格化検出信号
Ss:ファラデー効果による変調信号成分
N1s:Xsに含まれる、(A)の発光強度変動によるノイズ成分
N2s:Xsに含まれる、(B)の偏光状態変動によるノイズ成分
Xr:規格化参照信号
N1r:Xrに含まれる、(A)の発光強度変動によるノイズ成分
N2r:Xrに含まれる、(B)の偏光状態変動によるノイズ成分
Sout:計測装置の出力信号
上記各信号と各成分の間には次のような関係式が成立する。
Xs=Ss+N1s+N2s (1a)
Xr= N1r+N2r (1b)
N1s=N1r (1c)
N2s≠N2r (1d)
上記(1a)〜(1d)式より、次式が導かれる。
Sout=Ss+(N2s−N2r) (2)
上記(1c),(1d)のように考えられる理由は、次の通りである。
(a)N1s=N1rとなる理由
電源リップルなどがあると、光源から放射される光の強度はリップルに応じて変動するが、偏光度は変動しないと仮定できる。ここで、「偏光度が変動しない」とは、偏光を直交する2つの成分強度を最大の成分と最小の成分に分けたときの、両成分の強度の比と方位が変動しないことをいう。したがって、光源のスペクトル幅が広いことを合わせて考慮すると、光源から放射される光から参照信号光として取り出している光の偏光成分の強度Pr(光のエネルギー)の変動率と、偏光子を通過してセンサファイバに入射する光の強度の変動率は等しい。従って、受光素子13Bに導かれる検出信号光の強度Psの変動率と、参照信号光の強度Prの変動率は等しくなる。
(b)N2s≠N2rとなる理由
一方、信号を分析する時間間隔を短くし、より高周波まで検出の対象とした場合、光子の発生とその各光子の偏波がランダムであることから、光源が発する光の偏光状態はランダムに変動すると考えられる。ここで「偏光状態」とは、偏光を直交する2つの成分に分けたときの、両者の振幅の比と、両成分の位相差のことをいう。この場合、受光素子13Bに導かれる検出信号光の強度Psの変動率と、参照信号光の強度Prの変動率を等しくすることは困難である。なぜなら、光源から放射される光から、参照信号光として取り出している光の偏光成分と、検出信号用として偏光子を用いて取り出している光の偏光成分は、通常は異なるからである。
原理上は、検出信号光および参照信号光として取り出す偏光成分を等しくできないわけではない。例えば、光源から偏光子へ光を導くファイバに偏波面保持ファイバを用い、偏波面保持ファイバの主軸方位と偏光子の方位を正確に合わせ、さらに参照信号の取り出しに偏波面保持カプラを用いれば、可能である。しかし、このような対策を、工業製品において原理通りに精密に実施することは困難を伴なう。
本発明の目的は、上述のような反射式光ファイバ電流計測装置におけるノイズ成分のうち、光源の偏光状態の変動に起因するノイズ成分についても、簡便な方法で除去できるようにすることにある。
本発明における第1の態様は、偏光分離素子を透過してセンサファイバに入射される直線偏光に対するファラデー回転効果を利用する反射型の光ファイバ電流計測装置において、前記偏光分離素子と、前記センサファイバの一端に設けられた反射部との間に、参照信号光抽出部を設け、前記参照信号光抽出部は、前記直線偏光の一部を分離して参照信号光とすることを特徴とする。
ここで、参照信号光抽出部を設ける「前記偏光分離素子と、前記センサファイバの一端に設けられた反射部との間」には、偏光分離素子および反射部も含まれる。
反射型の光ファイバ電流計測装置において、反射部が参照信号光抽出部をかねていることができる。また、反射部と参照信号光抽出部とをかねるため、反射部を一部透過ミラーで構成することができる。
本発明における第2の態様は、偏光子を透過してセンサファイバに入射される直線偏光に対するファラデー回転効果を利用する透過型の光ファイバ電流計測装置において、前記偏光子と、前記センサファイバの一端に設けられた検光子との間に、参照信号光抽出部を設け、前記参照信号光抽出部は、前記直線偏光の一部を分離して参照信号光とすることを特徴とする。なお、ここで、参照信号光抽出部を設ける「前記偏光子と、前記センサファイバの一端に設けられた検光子との間」には、偏光子および検光子も含まれる。
上述した反射型および透過型の光ファイバ電流計測装置において、参照信号光抽出部をビームスプリッタで構成することが可能である。また、参照信号光抽出部を、光カプラで構成することが可能である。
本発明における第3の態様は、偏光分離素子を透過して得られる直線偏光に対するファラデー回転効果を利用する反射型の光ファイバ電流計測方法において、光源から出射されて前記偏光分離素子を透過した後センサファイバに入射され、その後、センサファイバの一端に設けられた反射部で反射し、再びセンサファイバを通過した後、前記偏光分離素子を通過した光を検出信号光とし、前記偏光分離素子と、前記センサファイバの一端に設けられた前記反射部との間(偏光分離素子および反射部も含む。)に設けられた参照信号光抽出部によって、前記偏光分離素子を透過してセンサファイバに入射され、かつ、センサファイバの一端に設けられ反射部に到達する光の一部を分離して参照信号光とし、前記検出信号光から受光素子を介して得られる電気信号に基づいて規格化検出信号を求め、前記参照信号光から受光素子を介して得られる電気信号に基づいて規格化参照信号を求め、前記規格化検出信号から前記規格化参照信号を減算して、被測定電流を検出することを特徴とする。
本発明における第4の態様は、偏光子を透過して得られる直線偏光に対するファラデー回転効果を利用する透過型の光ファイバ電流計測方法において、光源から出射され、前記偏光子を透過してセンサファイバに入射され、かつ、センサファイバの一端に設けられ検光子を通過した光を検出信号光とし、前記偏光子と、前記センサファイバの一端に設けられた前記検光子との間(偏光子および検光子も含む。)に設けられた参照信号光抽出部によって、前記偏光子を透過してセンサファイバに入射され、かつ、センサファイバの一端に設けられ検光子を通過する前の光の一部を分離して参照信号光とし、前記検出信号光から受光素子を介して得られる電気信号に基づいて規格化検出信号を求め、前記参照信号光から受光素子を介して得られる電気信号に基づいて規格化参照信号を求め、前記規格化検出信号から前記規格化参照信号を減算して、被測定電流を検出することを特徴とする。
光ファイバ電流計測方法において、センサファイバを通過した後、偏光分離素子または検光子を通過した光において、偏光方向が互いに直交する2つの偏光成分のうちのいずれか一方を検出信号光として用いることができる。
この発明によれば、偏光分離素子や偏光子を通過した直線偏光をセンサファイバに入射し、その光が同ファイバ中を通過する際に受けるファラデー効果の大きさを測定することにより電流を検出する光ファイバ電流計測装置において、前記直線偏光の一部を取り出して参照信号光を得ることで、光源の偏光状態の変動に起因するノイズ成分も除去することが可能となり、測定精度が一段と向上するという効果が得られる。
発明の実施の形態を示す構成図 発明の別の実施の形態を示す構成図 従来の2信号方式による透過型の光ファイバ電流計測装置の構成図 従来の2信号方式による反射型の光ファイバ電流計測装置の構成図 従来の1信号方式による反射型の光ファイバ電流計測装置の構成図
符号の説明
1…光源
2…ファイバカプラ
72A、72B、72C…信号伝送ファイバ
4…光学部品
13A,13B、13C…受光素子
14…信号処理部
141…信号処理回路
15…偏光子
16…検光子
18…偏光分離素子
19…光サーキュレータ
102…ファラデー回転子
11…センサヘッド
11A,11B…センサファイバ
111,111A、111B…反射部
100…導体
91,92…分離手段
91A,92A…帯域通過フィルタ(BPF)
91B,92B…低域通過フィルタ(LPF)
94A、94B…割算器
95…減算器
図1はこの発明の実施の形態の一例を示す構成図であり、光源から出射され偏光分離素子を透過した光を、偏光分離素子から反射部との間に設けた参照信号光抽出部において、その光の一部を分離して参照信号光とすることを特徴とする反射式の光電流センサ装置を用いた電流測定装置の構成図である。
図1に示すように、本実施形態において、光ファイバ電流計測装置は、送光ファイバ71と、信号伝送ファイバ72B、72Cと、偏光分離素子18とファラデー回転子102とを含む光学素子4と、センサファイバ11Bと、を有している。ここで、ファラデー回転子102と偏光分離素子18は、図4のように光学的に接続された一体的な構造で形成されている。なお、光ファイバで接続しなくても、ファラデー回転子102と偏光分離素子18が光学的に接続されていればよい。センサファイバ11Bは、測定しようとしている被測定電流Iが流れる送電線等の導体100の周囲を周回する(囲む)ようにして配置される。センサファイバ11Bの一端にはファラデー回転子102が取り付けられ、他端には反射部(ミラー)111Bが形成されている。偏光分離素子18と光源1はそれぞれ送光ファイバ71で接続される。センサファイバ11Bの一端に形成されている反射部111Bは、例えばセンサファイバ11Bの端面に蒸着によって誘電体多層膜や金属蒸着膜を形成するなどして実現する。ただし、図1に示すように、本実施形態において、反射部111Bは参照信号光抽出部をかねており、図4に示した従来の反射型の光ファイバ電流計測装置の反射部111Aと異なる構成を有する。すなわち、図4に示した従来の反射型の光ファイバ電流計測装置では、反射時の光の損失を最小とするために、反射部111Aは、全反射ミラーもしくはそれに近い反射率を確保できるミラーによって構成していた。一方、図1に示すように、本実施形態において、反射部111Bは参照信号光抽出部をかねており、反射部111Bで参照信号光を抽出する必要がある。従って、本実施形態において、反射部111Bとして、到達した光の一部を信号伝送ファイバ72C側へ通過させるミラー(一部透過ミラー)が採用される。このような一部透過ミラーは、誘電体多層膜の層数や金属蒸着膜の膜厚を調整する(より具体的には、膜厚を通常よりも薄くする)ことによって実現される。なお、本実施形態において、一部透過ミラーによって構成されている反射部111Bには信号伝送ファイバ72Cが接続されている。このことも、従来の反射型の光ファイバ電流計測装置の構成と異なる。
このように構成された光ファイバ電流計測装置において、光源1から発せられた光は、送光ファイバ71を介して光学素子4中の偏光分離素子18へ入射される。この光から、偏光分離素子18によって電界の振動方向が一方向(偏光分離素子18の主軸方向)にそろった直線偏光成分が、ファラデー回転子102へ入力される。ファラデー回転子102は、これを通過する光に、片道およそ22.5度のファラデー回転を付与する。ファラデー回転子102を出た直線偏光は、センサファイバ11Bへ入力される。センサファイバ11Bの周回部分において、直線偏光は、導体100を流れる被測定電流Iの周囲に生じた磁界によってファラデー効果を受け、その偏波面が磁界の大きさに比例したファラデー回転角だけ回転する。
センサファイバ11Bを伝搬する光の一部は、反射部111Bで反射される。従来において、反射部111Bは、信号強度の損失がなるべく生じさせないように、光の反射率の高いものが選択されていた。本実施形態において、図1に示すように、反射部111Bは、一部の光を透過させるために一部透過ミラーを用いることは前述のとおりである。
反射部111Bで反射された光は、従来と同様に再び前述の周回部分を通過する。周回部分を通過する光は、導体100を流れる被測定電流Iによって更にファラデー効果を受け、ファラデー回転子102へ入力される。そして光は、ファラデー回転子102を再び通過することで、更におよそ22.5度のファラデー回転が与えられる。従って、従来と同様にファラデー回転子102により、往復でおよそ45度の光学バイアスが設定される。
ファラデー回転子102を通過した光は、再び偏光分離素子18へと導かれ、偏光方向の互いに直交(偏光分離素子18の主軸方向とそれに垂直な方向)する2つの偏光成分に分離される。偏光分離素子18によって分離された光の一方は、信号伝送ファイバ72Bを介して受光素子13Bによって受光され、電気信号S2に変換される。
一方、反射部111Bで反射せずに透過した光は、信号伝送ファイバ72Cを介して受光素子13Cによって受光され、電気信号R3に変換される。すなわち、本実施形態において、反射部111Bが参照信号光抽出部を兼ねており、反射部111Bで光の一部が透過することによって、偏光分離素子を通過した直線偏光の一部を分離することを実現している。
本実施形態において、従来の光ファイバ電流計測装置と同様に、センサファイバ11Bの周回部分で、ファイバ中を伝搬する直線偏光に与えられたファラデー回転角に応じて、受光素子13Bで受光される光量は変化する。反射部111Bを透過し、受光素子13Cで受光される光量はセンサファイバ11Bの周回部分で、ファイバ中を伝搬する直線偏光に与えられたファラデー回転角に応じて変化しない。
反射部111Bを透過した光も、ファラデー回転を与えられ、直線偏光の偏波面は変動している。しかし、反射部111Bを透過した光は、偏光子や検光子といった光学素子を通過しない。よって、本実施形態において、これらの光学素子の主軸方向と一致した光もしくはこれに直交する光を取り出すわけではなく、双方の光が含まれた全体の光の強度を利用する。よって、参照信号光は検出信号光とは別であり、参照信号光の光量は、ファラデー回転に依存して実質的に変化をしない。
以上により、導体100に流れる電流Iに応じて変動する検出信号光の強度Psから受光素子を介して電気信号S2は得られる。また、導体100に流れる電流Iとは関係なく存在する参照信号光の強度Prから受光素子を介して電気信号R3は得られる。
電気信号S2およびR3を信号処理部14に含まれる信号処理回路141で処理することによって、出力信号Soutは得られる。すなわち、検出信号光および参照信号光は受光素子13B,13Cに導かれ、それぞれ電気信号S2,R3に変換される。電気信号S2,R3は、分離手段91,92に含まれるBPF91A,92A、LPF91B,92Bによって、交流成分と直流成分とに分離される。次に、割算器94A,94Bを用いて、規格化信号Xs,Xr(より詳細に表現すれば、規格化検出信号Xs、規格化参照信号Xr)を得る。そして、減算器95により、電気信号S2に基づいて得られる規格化検出信号Xsから電気信号R3に基づいて得られる規格化参照信号Xrを差し引いた値が、計測装置の出力信号Soutとして出力される。よって、付与されたファラデー回転角を求めることができ、この求められたファラデー回転角から、被測定電流Iが計算される。
図4および図5と比較すれば明らかなように、図1ではセンサファイバ11Bの先端に入射光を部分的に透過する反射部111Bを設け、この反射部111Bを透過する光を参照信号として用いて、出力信号に含まれる(A)発光強度の変動に起因するノイズと、(B)偏光状態の変動に起因するノイズの両方を除去する。参照信号を利用する測定方式および信号処理方法は前述のとおりであるが、以下では従来技術との相違点について主として説明する。
図1において、反射部111Bを透過し信号伝送ファイバ72Cを通過する参照信号光の強度Prは、光源1から偏光分離素子18を通過した光の強度に比例する。そのため、反射部111Bで反射し、偏光分離素子18を再度通過した検出信号光に基づいて得られた規格化検出信号Xsに含まれる偏光状態変動によるノイズ成分N2sと、反射部111Bを透過した参照信号光に基づいて得られた規格化参照信号Xrに含まれる偏光状態変動によるノイズ成分N2rとは実質的に等しい。規格化検出信号Xsから規格化参照信号Xrを差し引くことによって偏光状態変動に起因するノイズは除去される。そのため、本実施形態において、前述した(A)発光強度の変動に起因するノイズについて補償できるだけでなく、(B)偏光状態の変動に起因するノイズについても補償することが可能となる。
更に詳しく説明すると、上記(1)式は下記(3a)〜(3d)式のように変化する。
Xs=Ss+N1s+N2s (3a)
Xr= N1r+N2r (3b)
N1s=N1r (3c)
N2s=N2r (3d)
上記(3a)〜(3d)式より、(2)式に変わって、次の(4)式が得られる。
Sout=Ss+(N2s−N2r)
=Ss (4)
以上のとおり、本実施形態において、光源の(A)発光強度の変動に起因するノイズについて補償できるだけでなく、(B)偏光状態の変動に起因するノイズについても除去できる。
なお、図1では、反射型の光ファイバ電流計測装置に対して、反射部111Bを一部透過ミラーを用いる例を示した。しかし、偏光分離素子18を通過して、センサファイバ11Bへ出射し、反射部111Bで反射した後に再び偏光分離素子18を通過するまでの光であれば、他の方法で抽出した参照信号光を使用することができる。つまり、参照信号光抽出部が、反射部111Bと兼ねている形態に限られない。例えば、光を分離する方法として、ビームスプリッタや光カプラを用いる方法などを適用することができる。なお、反射部111Bで光の一部を透過させることによって参照信号光を分離せず、その他の方法で参照信号光を抽出する場合は、反射部111Bは従来のように光の損失の少ないミラーを用いるのが望ましい。
以下、図1に示した本実施形態における光ファイバ電流計測装置の動作が従来の透過型の光ファイバ電流計測装置の動作と相違する点について説明する。
図3に示した従来の透過型の光ファイバ電流計測装置では、センサファイバを透過した光を検光子に通し、ファラデー効果を受けた光の偏光状態を測定する。この検光子の存在は、偏光子を通過させることによって得た直線偏光の偏波面の変動分、すなわち、導体100に流れる電流Iによって与えられるファラデー回転角を計測する上で不可欠である。一方、本実施形態において、参照信号光は、直線偏光の光強度に関する情報を有すればよく、従来の透過型の装置では必須であった検光子を不要にできる。
また、本実施形態においては、反射部111Bを通過した光は検光子に入射することなく、信号伝送ファイバ72Cで受光素子13Cに送られ、偏光分離素子18を通過してセンサファイバ11Bに入射した光のパワーのモニター(ノイズを除去するための参照信号)として用いられる。導体を流れる電流値に依存してセンサファイバの中で生じるファラデー回転角の検出は、反射部111Bで反射された光(反射光)を用いて、センサファイバ11Bの入射端に設けられた偏光分離素子18により行われる。一方、従来の透過型装置では、センサファイバ11Aを通過した後、検光子16を通過した光は、検出信号光としてファラデー回転角の検出に用いられる。従って、本実施形態において、光を反射部111Bにおいて透過させる目的が従来の透過型装置と異なる。また、本実施形態では、従来の透過型装置のように、反射部111Bが存在しない場合には、反射光(検出信号光)が得られない。つまり、本実施形態において、反射部111Bが省略されると、導体を流れる電流値に依存してセンサファイバの中で生じるファラデー回転角を検出できない。また、本実施形態において、検光子がないので、反射部111Bを透過する光(参照信号光)からファラデー回転角を検出することはできない。従って、本実施形態における光ファイバ電流計測装置は、透過型の光ファイバ電流計測装置としての機能は果たせない。
センサファイバを通過して入射端とは異なる端部から出射する光を用いる点で、本実施形態における装置は従来の透過型装置と似ている。しかしながら、光学構成(検光子の有無など)、及びセンサファイバを通過して入射端とは異なる端部から出射する光の利用する目的などの点で、本実施形態における装置は従来の透過型装置と異なる。両者は明確に異なる。
更に、従来の透過型装置では、原理上、その出力はセンサファイバのなす曲線の形にも実質的に依存する。曲線の形を一定に保つため、センサファイバを丈夫な枠に固定する必要がある。一方、本実施形態において、センサファイバを往復した光を偏光分離素子に通し、光の偏光状態を測定する。そのため、その光の出力はセンサファイバのなす曲線に実質的に依存しないという反射型の利点を享受できる。本実施形態において、センサファイバを枠に固定する必要が無く、センサファイバを単に被測定電流の流れる導体に巻きつけるだけで電流を精度よく測定できる。つまり従来の透過型装置と比較して、本実施形態における装置は小型でフレキシブルにできる。
次に図1に示した本実施形態における光ファイバ電流計測装置と従来の反射型の光ファイバ電流検出装置とを比較する。図1の装置は、従来の装置では除去が十分ではなかった、(B)偏光状態の変動に起因するノイズが除去できるという利点を有する。これは、ファラデー回転角の計測に用いる偏光分離素子を通過してセンサファイバ11Bに入射される直線偏光の一部を、参照信号光抽出部によって分離し、光のパワーのモニター(ノイズを除去するための参照信号)として用いることによって実現する。この点において、図1の装置は従来の反射型装置と相違する。構成の相違として、従来の装置は信号損失を少なくするために反射率の高い反射部111Aを採用しており、図1の装置は一部の光が通過する反射部111Bを採用している。本実施形態において、直線偏光の一部を参照信号光抽出部によって分離して取り出すという構成は、(A)光源の発光強度の変動に起因するノイズに加えて(B)光源の偏光状態の変動に起因するノイズを除去できる。
なお、図1のように反射部を参照信号光抽出部を兼ねさせて、反射部111Bで参照信号光を分離する場合には、センサファイバの一端に「一部透過ミラー」が設置されなければならず、従来技術で設置していた全反射ミラーでは機能を果たさない。
なお先に述べたとおり、本実施形態において、偏光子または偏光分離素子を通過してセンサファイバに入射した直線偏光の一部を参照信号光抽出部において分離し、分離した光を参照信号光として用いる。これにより、本実施形態において、従来の装置で除去ができなかった光源の(B)偏光状態の変動に起因するノイズの除去が可能である。
なお、検出信号光の取り出し方としては、図2のような構成を採用できる。図2は図1の変形例を示す構成図である。図2に示す構成において、検出信号光の取り出しに光サーキュレータ10を用いた点が図1の構成と異なる。図2において、他の構成は図1と実質的に同じなので詳細な説明は省略する。図2では、偏光分離素子18の主軸方向にそろった直線偏光の強度変化を検出に用いる。いいかえると、図2における検出信号光の直線偏光は、図1における検出信号光の直線偏光と直交する方向を有する。光源1、送光ファイバ71、光サーキュレータ19、偏光分離素子18、信号伝送ファイバ72Aの接続や光の通過の状態は、前述した従来の反射型の光ファイバ電流計測装置と同様であるので詳細な説明は省略する。代替的に、光サーキュレータに代えて光ファイバカプラを用いることができる。
図1および図2の双方において、反射部111Bが参照信号光抽出部を兼ねている。しかしながら、反射部111Bで参照信号光を抽出する例に限られない。偏光分離素子18を通過し、反射部111Bに向かう光の一部を、偏光分離素子18から反射部111Bまでの間で分離して参照信号光として用いることができる。あるいは、反射部111Bで反射し、再度、偏光分離素子18に向かう光の一部を、反射部111Bから偏光分離素子18までの間で分離して参照信号光として用いることができる。
図示は省略するが、参照信号光抽出部は、他の様々な構成を採用できる。反射部111B以外を参照信号光抽出部とする一例として、参照信号光抽出部を、ビームスプリッタや光カプラで構成することができ、この場合も、偏光分離素子18を通過した光の一部を分離できる。ビームスプリッタは、直線偏光を分離できる位置ならばいずれの場所に設置してもよい。ビームスプリッタの設置箇所は、被測定電流によるファラデー効果を受ける前の位置にした方が光軸の設定が行いやすい。例えば、ビームスプリッタの設置位置は、偏光分離素子やファラデー回転子の近傍であることが好ましい。光カプラもいずれの場所に設置してもよい。被測定電流の影響を考えれば、光カプラの設置位置は、反射部の近傍や偏光分離素子の近傍とするのが好ましい。参照信号光抽出部にビームスプリッタや光カプラなどが採用され、反射部を参照信号光抽出部としない場合は、反射部111Bは従来装置のように反射率の高いミラーを用いるのが、光損失を低減させる上で好ましい。
以上説明した本実施形態及びその変形例において、光ファイバ電流計測装置は反射型である。他の実施形態において、光ファイバ電流計測装置を透過型にできる。例えば、図3に示す従来の透過型装置において、偏光子15と検出子16との間に参照信号抽出部を追加的に設けた構成を採用できる。この場合、光が偏光子15を通過してから検光子16から出射するまでの間で、その光の一部が参照信号光抽出部で分離(抽出)される。この抽出した光を参照信号光として用いることにより、光源の(A)発光強度の変動に起因するノイズだけでなく(B)偏光状態の変動に起因するノイズの除去が可能となる。この場合も、参照信号光抽出部は、様々な構成を適用できる。例えば、参照信号光抽出部として、ビームスプリッタや光カプラを用いることができる。
なお、被測定電流Iが高周波である場合は、検出信号光と参照信号光がそれぞれの受光素子に到達する時間の差異が測定誤差を生じさせる原因となる場合がある。よって、到達する時間差が周波数から鑑みた許容範囲内となるように、信号伝送ファイバの長さを調整することが望ましい。

Claims (9)

  1. 偏光分離素子と、センサファイバと、反射部とを有し、前記偏光分離素子を透過してセンサファイバに入射される直線偏光に対するファラデー回転効果を利用する光ファイバ電流計測装置において、
    前記偏光分離素子と、前記センサファイバの一端に設けられた前記反射部との間に、参照信号光抽出部を設け、
    前記参照信号光抽出部は、前記直線偏光の一部を分離して参照信号光とすること、
    を特徴とする反射型の光ファイバ電流計測装置。
  2. 請求項1に記載の光ファイバ電流計測装置において、
    前記反射部が、前記参照信号光抽出部でもあること
    を特徴とする反射型の光ファイバ電流計測装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光ファイバ電流計測装置において、
    前記反射部は一部透過ミラーであること
    を特徴とする反射型の光ファイバ電流計測装置。
  4. 偏光子と、センサファイバと、検光子とを有し、前記偏光子を透過してセンサファイバに入射される直線偏光に対するファラデー回転効果を利用する光ファイバ電流計測装置において、
    前記偏光子と、前記センサファイバの一端に設けられた前記検光子との間に、参照信号光抽出部を設け、
    前記参照信号光抽出部は、前記直線偏光の一部を分離して参照信号光とすること、
    を特徴とする透過型の光ファイバ電流計測装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光ファイバ電流計測装置において、
    前記参照信号光抽出部はビームスプリッタであることを特徴とする光ファイバ電流計測装置。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光ファイバ電流計測装置において、
    前記参照信号光抽出部は光カプラであることを特徴とする光ファイバ電流計測装置。
  7. 偏光分離素子を透過して得られる直線偏光に対するファラデー回転効果を利用する光ファイバ電流計測方法において、
    光源から出射され、
    前記偏光分離素子を透過してセンサファイバに入射され、
    センサファイバの一端に設けられた反射部で反射し、
    再度、センサファイバを通過して前記偏光分離素子を通過した光を検出信号光とし、
    前記偏光分離素子と、前記センサファイバの一端に設けられた前記反射部との間に設けられた参照信号光抽出部によって前記直線偏光の一部を分離して参照信号光とし、
    前記検出信号光から受光素子を介して得られる電気信号に基づいて規格化検出信号を求め、
    前記参照信号光から受光素子を介して得られる電気信号に基づいて規格化参照信号を求め、
    前記規格化検出信号から前記規格化参照信号を減算して、
    被測定電流を検出すること
    を特徴とする反射型の光ファイバ電流計測方法。
  8. 偏光子を透過して得られる直線偏光に対するファラデー回転効果を利用する光ファイバ電流計測方法において、
    光源から出射され、
    前記偏光子を透過してセンサファイバに入射され、
    センサファイバの一端に設けられた検光子を通過した光を検出信号光とし、
    前記偏光子と、前記センサファイバの一端に設けられた前記検光子との間に設けられた参照信号光抽出部によって前記直線偏光の一部を分離して参照信号光とし、
    前記検出信号光から受光素子を介して得られる電気信号に基づいて規格化検出信号を求め、
    前記参照信号光から受光素子を介して得られる電気信号に基づいて規格化参照信号を求め、
    前記規格化検出信号から前記規格化参照信号を減算して、
    被測定電流を検出すること
    を特徴とする透過型の光ファイバ電流計測方法。
  9. 請求項7または請求項8に記載の光ファイバ電流計測方法において、
    前記検出信号光は偏光方向が互いに直交する2つの偏光成分のうちのいずれか一方とすること、
    を特徴とする光ファイバ電流計測方法。
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