JP5083080B2 - 画像マッチング装置、およびカメラ - Google Patents

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本発明は、テンプレートマッチングを行うための画像マッチング装置、および画像マッチング機能を備えたカメラに関する。
次のようなパターン・マッチング方法が知られている。このパターン・マッチング方法は、画像を複数の領域に分割し、各領域ごとにテンプレートマッチング処理を行って、最も類似度が高い領域をマッチング領域として抽出する(例えば、特許文献1)。
特開平5−81433号公報
しかしながら、従来のパターン・マッチング方法を用いた場合には、テンプレート画像とターゲット画像との間で画像の明るさが変化した場合には、その両画像間の輝度成分の値に違いが生じるため、テンプレートマッチングの精度が低下するという問題があった。
請求項1の発明の画像マッチング装置は、各画素が輝度成分と色差成分とを有する入力画像内に設定した探索枠内のターゲット画像と、各画素が輝度成分と色差成分とを有するテンプレート画像とを比較して、テンプレート画像の色差成分の値と、ターゲット画像の色差成分の値とに基づく類似度を算出する第1の類似度算出手段と、各画素が輝度成分と色差成分とを有する入力画像内に設定した探索枠内のターゲット画像と、各画素が輝度成分と色差成分とを有するテンプレート画像とを比較して、テンプレート画像の輝度成分の値と、ターゲット画像の輝度成分の値と、テンプレート画像の色差成分の値とターゲット画像の色差成分の値との比率とに基づく類似度を算出する第2の類似度算出手段と、テンプレート画像の色成分の範囲が予め定められた無彩色の範囲にあるか否かを判定する第1の判定手段と、第1の判定手段によりテンプレート画像が無彩色の範囲にないことが判定された場合に、第1の類似度算出手段で算出された類似度に基づいて、テンプレート画像とターゲット画像とのテンプレートマッチング処理を行うか否かを判定する第2の判定手段と、第1の判定手段によりテンプレート画像が無彩色の範囲にあることが判定された場合に、第2の類似度算出手段で算出された類似度に基づいて、テンプレート画像とターゲット画像とのテンプレートマッチング処理を行うか否かを判定する第3の判定手段と、第2の判定手段または第3の判定手段によってテンプレートマッチング処理を行うと判定された場合に、テンプレート画像とターゲット画像とのテンプレートマッチング処理を実行する実行手段とを備えることを特徴とする。
請求項の発明の画像マッチング装置は、各画素が輝度成分と色差成分とを有する入力画像内に設定した探索枠内のターゲット画像と、各画素が輝度成分と色差成分とを有するテンプレート画像とを比較して、テンプレート画像の輝度成分の値と、ターゲット画像の輝度成分の値と、テンプレート画像の色差成分の値とターゲット画像の色差成分の値との比率とに基づく類似度を算出する類似度算出手段と、テンプレート画像の色成分の範囲が予め定められた無彩色の範囲にあるかを判定する第1の判定手段と、 第1の判定手段によりテンプレート画像が無彩色の範囲にあることが判定された場合に、算出された類似度に基づいて、テンプレート画像とターゲット画像とのテンプレートマッチング処理を行うか否かを判定する第2の判定手段と、第2の判定手段によってテンプレートマッチング処理を行うと判定された場合に、テンプレート画像とターゲット画像とのテンプレートマッチング処理を実行する実行手段とを備えることを特徴とする。
請求項の発明のカメラは、被写体像を撮像して、各画素が輝度成分と色差成分とを有する画像を取得する撮像手段と、撮像手段によって取得された画像内に設定した探索枠内のターゲット画像と、各画素が輝度成分と色差成分とを有するテンプレート画像とを比較して、テンプレート画像の色差成分の値と、ターゲット画像の色差成分の値とに基づく類似度を算出する第1の類似度算出手段と、撮像手段によって取得された画像内に設定した探索枠内のターゲット画像と、各画素が輝度成分と色差成分とを有するテンプレート画像とを比較して、テンプレート画像の輝度成分の値と、ターゲット画像の輝度成分の値と、テンプレート画像の色差成分の値とターゲット画像の色差成分の値との比率とに基づく類似度を算出する第2の類似度算出手段と、テンプレート画像の色成分の範囲が予め定められた無彩色の範囲にあるか否かを判定する第1の判定手段と、第1の判定手段によりテンプレート画像が無彩色の範囲にないことが判定された場合に、第1の類似度算出手段で算出された類似度に基づいて、テンプレート画像とターゲット画像とのテンプレートマッチング処理を行うか否かを判定する第2の判定手段と、第1の判定手段によりテンプレート画像が無彩色の範囲にあることが判定された場合に、第2の類似度算出手段で算出された類似度に基づいて、テンプレート画像とターゲット画像とのテンプレートマッチング処理を行うか否かを判定する第3の判定手段と、第2の判定手段または第3の判定手段によってテンプレートマッチング処理を行うと判定された場合に、テンプレート画像とターゲット画像とのテンプレートマッチング処理を実行する実行手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、テンプレート画像とターゲット画像との間で画像の明るさが変化した場合でも、テンプレートマッチング処理の精度が低下することを防ぐことができる。
―第1の実施の形態―
図1は、第1の実施の形態におけるカメラの一実施の形態の構成を示すブロック図である。カメラ100は、操作部材101と、レンズ102と、撮像素子103と、制御装置104と、メモリカードスロット105と、モニタ106とを備えている。操作部材101は、使用者によって操作される種々の入力部材、例えば電源ボタン、レリーズボタン、ズームボタン、十字キー、決定ボタン、再生ボタン、削除ボタンなどを含んでいる。
レンズ102は、複数の光学レンズから構成されるが、図1では代表して1枚のレンズで表している。撮像素子103は、例えばCCDやCMOSなどのイメージセンサーであり、レンズ102により結像した被写体像を撮像する。そして、撮像によって得られた画像信号を制御装置104へ出力する。
制御装置104は、撮像素子103から入力された画像信号に基づいて所定の画像形式、例えばJPEG形式の画像データ(以下、「本画像データ」と呼ぶ)を生成する。また、制御装置104は、生成した画像データに基づいて、表示用画像データ、例えばサムネイル画像データを生成する。制御装置104は、生成した本画像データとサムネイル画像データとを含み、さらにヘッダ情報を付加した画像ファイルを生成してメモリカードスロット105へ出力する。
メモリカードスロット105は、記憶媒体としてのメモリカードを挿入するためのスロットであり、制御装置104から出力された画像ファイルをメモリカードに書き込んで記録する。また、メモリカードスロット105は、制御装置104からの指示に基づいて、メモリカード内に記憶されている画像ファイルを読み込む。
モニタ106は、カメラ100の背面に搭載された液晶モニタ(背面モニタ)であり、当該モニタ106には、メモリカードに記憶されている画像やカメラ100を設定するための設定メニューなどが表示される。また、制御装置104は、使用者によってカメラ100のモードが撮影モードに設定されると、撮像素子103から時系列で取得した画像の表示用画像データをモニタ106に出力する。これによってモニタ106にはスルー画が表示される。
制御装置104は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路により構成され、カメラ100を制御する。なお、制御装置104を構成するメモリには、SDRAMやフラッシュメモリが含まれる。SDRAMは、揮発性のメモリであって、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリとして使用されたり、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。また、フラッシュメモリは、不揮発性のメモリであって、制御装置104が実行するプログラムのデータや、プログラム実行時に読み込まれる種々のパラメータなどが記録されている。
本実施の形態では、制御装置104は、撮像素子103から入力されるスルー画の各フレームに対して、あらかじめ用意したテンプレート画像を用いたテンプレートマッチング処理を行うことによって、フレーム内からテンプレート画像と類似する画像領域を特定する。そして、制御装置104は、特定した領域をフレーム間で追跡することによって、被写体追跡処理を行う。
具体的には、制御装置104は、テンプレートマッチング処理の基準となるテンプレート画像と、撮像素子103から時系列で入力される各フレームとのマッチング演算を行う。例えば、制御装置104は、図2に示すように、テンプレート画像Aを用いて画像I内における被写体位置を特定する。ここで用いるテンプレート画像Aは、あらかじめ使用者からの指示に基づいて取得される。例えば、使用者は、スルー画の最初のフレームがモニタ106に表示されたときに、操作部材101を操作して、最初のフレーム内で、フレーム間で追跡したい被写体を含む範囲を指定する。制御装置104は、使用者によって指定された範囲内の画像をテンプレート画像Aとして抽出して、SDRAMに記憶する。
制御装置104は、撮像素子103からのスルー画の入力が開始されると、各フレーム(コマ)を対象として、この画像I内の所定の位置にテンプレート画像と同じ大きさのターゲット枠を設定し、設定したターゲット枠内のターゲット画像Bをテンプレートマッチングの対象とする。すなわち、制御装置104は、ターゲット枠を画像I内で移動させながら、各ターゲット枠位置におけるターゲット画像Bと、テンプレート画像Aとのマッチング演算を行なう。マッチング演算の結果、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとの類似度が最も高い合致領域の画像I内における座標値を被写体位置として特定する。
なお、制御装置104は、画像Iの全体ではなく、画像内からテンプレート画像Aを抽出した位置を含む所定範囲内(探索対象領域内)を対象としてテンプレートマッチングを行うようにしてもよい。これによって、テンプレートマッチングを行う範囲を画像I内の被写体が存在している可能性が高い範囲に限定することができ、処理を高速化することができる。本実施の形態では、制御装置104は、画像I内に設定した探索対象領域内を対象としてテンプレートマッチングを行う例について説明する。
図3(a)はテンプレート画像Aの具体例を示す図であり、図3(b)はターゲット画像Bの具体例を示す図である。図3(a)および(b)の各図においては、画像内の複数の領域のそれぞれが1つの画素を表しており、図3に示す例では、テンプレート画像Aとターゲット画像Bは、それぞれ横10画素×縦8画素の大きさの画像であることを示している。
ここで、テンプレート画像A内の各画素は、テンプレート画像A内における横方向の画素位置を示すmと、縦方向の画素位置を示すnとを用いて、Amnと表される。例えば、テンプレート画像Aにおける左上端の画素はA11と表される。また、ターゲット画像B内の各画素は、ターゲット画像B内における横方向の画素位置を示すmと、縦方向の画素位置を示すnとを用いて、Bmnと表される。例えば、ターゲット画像Bにおける左上端の画素はB11と表される。
テンプレートマッチングの手法としては、一般的に、公知の残差逐次検定法などが用いられる。この残差逐次検定法では、次式(1)に示す残差和により類似度を算出し、算出した類似度に基づいてテンプレートマッチングを行う。この次式(1)により算出される類似度rは、その値が小さいほどテンプレート画像Aとターゲット画像Bとの類似度が高いことを示し、その値が大きいほどテンプレート画像Aとターゲット画像Bとの類似度が低いことを示す。
Figure 0005083080
本実施の形態では、テンプレート画像Aとターゲット画像Bは、いずれも輝度Y、色差Cb・CrのYCbCr表色系で表される画像データであるものとし、制御装置104は、Y、Cb、Crの各成分について式(1)を用いて類似度rを算出する。すなわち、制御装置104は、式(1)を用いて、テンプレート画像Aとターゲット画像Bの各画素のY成分の画素濃度の差の絶対和をY成分の類似度rとして算出する。
また、制御装置104は、式(1)を用いて、テンプレート画像Aとターゲット画像Bの各画素のCb成分の画素濃度の差の絶対和をCb成分の類似度rとして算出する。また、制御装置104は、式(1)を用いて、テンプレート画像Aとターゲット画像Bの各画素のCr成分の画素濃度の差の絶対和をCr成分の類似度rとして算出する。そして、制御装置104は、式(1)によって算出した各成分の類似度rの合計値を、第1の類似度とし、この第1の類似度を用いてテンプレートマッチング処理を行う。
本実施の形態では、制御装置104は、上記第1の類似度を用いたテンプレートマッチングを行う前に、各ターゲット枠位置において以下に説明する第2の類似度を算出し、この第2の類似度の算出結果に基づいて、そのターゲット枠位置におけるターゲット画像Bを対象としたテンプレートマッチングを行うか否かを判断する。すなわち、制御装置104は、次式(2)によりテンプレート画像Aとターゲット画像Bとの第2の類似度を算出する。なお、次式(2)において、S22は次式(3)により算出され、S24は次式(4)により算出される。
Figure 0005083080
Figure 0005083080
Figure 0005083080
ここで、制御装置104は、第2の類似度は、Y、Cb、Crの成分のうち、Y成分以外の成分、すなわちCb成分またはCr成分について算出する。これは、以下の理由による。例えば、図4(a)から(d)に示すように、時系列で入力される画像Iの明るさが変化した場合には、追尾対象の被写体を含むターゲット画像Bの明るさも変化することになる。この場合、上記式(2)を用いて第2の類似度を算出するときに、輝度成分であるY成分についての第2の類似度を算出した場合には、その算出結果は、ターゲット画像Bの明るさの影響を受け、フレームごとに大きく変化してしまうことになる。
これに対して、色差成分であるCb成分やCr成分についての第2の類似度は、ターゲット画像Bの明るさの影響が少ない。これはY成分は8ビットの0〜255の値を持っているのに比して、Cb成分やCr成は7ビットの−127〜127の値にオフセット値128を加算しているためである。例えば、本実施の形態では、制御装置104は、Cr成分について第2の類似度を算出することとし、以下、図5と図6を用いて、Cr成分について第2の類似度を算出すべき理由について説明する。
本実施の形態では、制御装置104は、図5(a)に示すテンプレート画像Aまたはターゲット画像Bを、図5(b)に示すように、複数のブロック、例えば9つのブロック(領域)に分割する。例えば、テンプレート画像Aの大きさとターゲット画像Bの大きさをそれぞれ9×9画素の大きさとし、1つのブロックの大きさが3×3画素となるようにテンプレート画像Aとターゲット画像Bとを9つのブロックに分割する。本実施の形態では、各ブロックを図5(b)に示す番号を用いて表すこととし、例えば、左上のブロックはブロック1と表記する。そして、制御装置104は、各ブロックごとに上記第2の類似度を算出する。
図6(a)は、明るい被写体を撮影して得られる明るい画像の具体例を示す図である。一方、図6(c)は、暗い被写体を撮影して得られる暗い画像の具体例を示す図である。例えば、図6(a)に示す画像内からテンプレート画像Aが抽出され、図6(c)に示す画像内のターゲット画像Bとテンプレートマッチングを行う場合には、このテンプレート画像Aとターゲット画像Bとに基づいて、上述した第2の類似度を用いた判定が行われることになる。
図6(b)は、図6(a)に示すテンプレート画像Aを対象として、ブロック1から9のそれぞれについて、Y成分の値の合計値、Cb成分の値の合計値、およびCr成分の値の合計値を算出した場合の具体例を示している。なお、テンプレート画像A内の各ブロックについての各成分ごとの値の合計値は、ブロックごとに式(3)を適用してブロック内の各画素のY成分、Cb成分、およびCr成分のそれぞれをブロック内の全画素について合計することにより算出される。この図6(b)に示す例では、テンプレート画像A全体のY成分についてのS22は、全ブロックのY成分の値の合計値6a、すなわち8034となる。また、テンプレート画像A全体のCr成分についてのS22は、全ブロックのCr成分の値の合計値6b、すなわち10585となる。
一方、図6(d)は、図6(c)に示すターゲット画像Bを対象として、ブロック1から9のそれぞれについて、Y成分の値の合計値、Cb成分の値の合計値、およびCr成分の値の合計値を算出した場合の具体例を示している。なお、ターゲット画像B内の各ブロックについての各成分ごとの値の合計値は、ブロックごとに式(4)を適用してブロック内の各画素のY成分、Cb成分、およびCr成分のそれぞれをブロック内の全画素について合計することにより算出される。この図6(d)に示す例では、ターゲット画像B全体のY成分の値の合計値6cは2585となる。また、ターゲット画像B全体のCr成分の値の合計値6bは10419となる。
図6(b)に示すテンプレート画像AのY成分の値の合計値6aと、図6(d)に示すターゲット画像BのY成分の値の合計値6cとを比較すると、テンプレート画像Aの明るさとターゲット画像Bの明るさの違いに起因して、それぞれの算出結果は大きく異なっている。これに対して、図6(b)に示すテンプレート画像AのCr成分の値の合計値6bと、図6(d)に示すターゲット画像BのCr成分の値の合計値6dとを比較すると、テンプレート画像Aの明るさとターゲット画像Bの明るさが違うにも関わらず、それぞれの算出結果はそれほど変化していない。
これは、上述したように、Y成分は8ビットの0〜255の値を持っているのに比して、Cb成分やCr成は7ビットの−127〜127の値にオフセット値128を加算しているためである。また、色差は色成分と輝度成分(Y成分)との差分なので、値がY成分と比較して小さくなるためである。
このため、制御装置104が第2の類似度に基づいてテンプレートマッチングを行うか否かの判定を行う場合に、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとの間での比較の対象にY成分の値を含めてしまうと、テンプレート画像A内の被写体とターゲット画像B内の被写体の類似度が高い場合であっても、両画像の明るさが異なるために、テンプレートマッチングを行わないと誤判定されてしまう可能性が生じる。これに対して、両画像のCr成分の値は、両画像の明るさの違いの影響を受けないため、これを判定材料としてテンプレートマッチングを行うか否かの判定を行うようにしても、上記問題は生じない。
このような理由から、本実施の形態では、第2の類似度を用いた判定処理を行うに当たって、Y成分は対象とせずに、Cr成分についての第2の類似度を算出することにする。なお、本実施の形態では、Cr成分の第2の類似度を用いる例について説明するが、Cb成分の第2の類似度を用いても、テンプレート画像Aとターゲット画像Bの明るさの違いの影響を受けずに、テンプレートマッチングを行うか否かの判定を行うことができる。
制御装置104は、図5および図6を用いて説明した方法により算出したテンプレート画像AにおけるCr成分の値の合計値6bを式(2)におけるA22とし、ターゲット画像BにおけるCr成分の値の合計値6dを式(2)におけるA24として第2の類似度を算出する。そして、制御装置104は、式(2)により算出した第2の類似度が所定の閾値αより小さい場合には、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとは類似していると判定し、テンプレートマッチングを行うと判定する。
これに対して、制御装置104は、式(2)により算出した第2の類似度が所定の閾値α以上である場合には、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとは類似しないと判定し、テンプレートマッチングを行わないと判定する。なお、判定に用いる閾値αは、テンプレート画像Aの大きさ(面積)と、マッチング演算を行う輝度値の範囲とに基づいて算出される。例えば、テンプレート画像Aの大きさが、上述したように9(画素)×9(画素)=81であり、マッチング演算を行う輝度値の範囲が50である場合には、α=81×50=4050となる。
これによって、第1の類似度を用いたテンプレートマッチングを行う前に、第2の類似度を用いてテンプレート画像Aとターゲット画像Bとの類似度が高いか否かを判定し、類似度が低い場合には、テンプレートマッチングを行わないようにすることができ、テンプレートマッチングの速度を高速化することができる。
制御装置104は、テンプレートマッチングを行うと判定した場合に、上記式(1)により、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとの類似度、すなわち上述した第1の類似度を算出する。そして、制御装置104は、画像I内に設定した探索対象領域内でターゲット枠を移動させながら上記処理を繰り返し、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとの類似度が最も高い合致領域の画像I内における座標値を被写体位置として特定する。制御装置104は、スルー画の各フレームを対象として上記処理を行って被写体位置を特定し、フレーム間で被写体位置を追跡することによって、被写体追跡を行う。
図7は、第1の実施の形態におけるテンプレートマッチング処理の流れを示すフローチャートである。図7に示す処理は、撮像素子103から画像データが入力されると起動するプログラムとして、制御装置104によって実行される。
ステップS1において、制御装置104は、入力画像I内の探索対象領域内にターゲット枠を設定し、ターゲット枠内の部分画像をターゲット画像Bとして抽出する。その後、ステップS2へ進む。
ステップS2では、制御装置104は、上述した式(2)によりテンプレート画像Aとターゲット画像BとのCr成分についての第2の類似度を算出し、その算出結果が所定の閾値αより小さいか否かを判断する。ステップS2で否定判断した場合には、以下に説明するステップS3およびステップS4のテンプレートマッチング処理をスキップして、後述するステップS5へ進む。
これに対して、ステップS2で肯定判断した場合には、ステップS3へ進む。ステップS3では、制御装置104は、式(1)により、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとのマッチング演算を行なって、ステップS4へ進む。ステップS4では、式(1)によるマッチング演算の結果として算出される類似度rを、そのときの画像I内におけるターゲット枠位置と対応付けてSDRAMに記録し、ステップS5へ進む。
ステップS5では、制御装置104は、探索対象領域内の全範囲についてターゲット枠の移動が完了したことにより、探索が完了したか否か、すなわち探索対象領域の全範囲についてテンプレートマッチング処理が完了したか否かを判断する。ステップS5で否定判断した場合には、ステップS7へ進み、制御装置104は、探索対象領域内でのターゲット枠の設定位置をずらすことによって、ターゲット画像の抽出位置を移動させる。その後、ステップS1へ戻って処理を繰り返す。
これに対して、ステップS5で肯定判断した場合には、ステップS6へ進む。ステップS6では、制御装置104は、ステップS4でSDRAMに記録しておいた、各位置ごとの類似度を比較して、その中で最大の類似度が算出されたターガット画像Bの抽出位置を特定する。そして、制御装置104は、特定したターゲット画像Bの抽出位置を、そのフレームにおけるテンプレート画像Aとの合致位置として特定し、処理を終了する。
制御装置104は、図7に示す処理を、撮像素子103から入力される各フレームに対して実行することにより、各フレーム内で被写体位置を特定して、被写体追跡を行うことができる。例えば、制御装置104は、モニタ106に表示しているスルー画の各コマ上に、被写体位置を枠で囲って表示することにより、使用者が被写体追跡結果を視覚的に把握することができるようになる。
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)制御装置104は、各画素が輝度成分と色差成分とを有するYcbCr表色系の入力画像I内に設定した探索枠内のターゲット画像Bと、各画素が輝度成分と色差成分とを有するYcbCr表色系のテンプレート画像Aとを比較して、テンプレート画像AのCr成分の値と、ターゲット画像BのCr成分の値とに基づく第2の類似度を算出する。そして、制御装置104は、第2の類似度の算出結果に基づいて、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとのテンプレートマッチング処理を行うか否かを判定し、テンプレートマッチング処理を行うと判定した場合に、第1の類似度に基づくテンプレート画像Aとターゲット画像Bとのテンプレートマッチング処理を実行するようにした。これによって、テンプレートマッチングを行う前に、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとの類似度が高いか否かを判定し、類似度が低い場合には、テンプレートマッチングを行わないようにすることができ、テンプレートマッチングの速度を高速化することができる。
(2)制御装置104は、第2の類似度が所定の閾値α以上である場合にテンプレートマッチング処理を行うと判定するようにした。これによって、第2の類似度と閾値とを比較することによって、テンプレート画像Aとターゲット画像Bの類似度が高いか否かを容易に判定することができる。
―第2の実施の形態―
第1の実施の形態では、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとの明るさが異なる場合でも、テンプレートマッチングを行うか否かの判定を的確に行うために、Y成分以外の成分、すなわちCb成分またはCr成分について算出した第2の類似度を用いて、上記判定を行う例について説明した。しかしながら、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとがいずれも無彩色に近い被写体を包含している場合には、第1の実施の形態で上述した判定方法によりテンプレートマッチングを行うか否かの判定を行った場合に、正しい判定結果が得られない可能性がある。
なお、本実施の形態においては、テンプレート画像Aまたはターゲット画像Bを構成するほとんどの画素において、Cb成分およびCr成分の値が無彩色を示す128を基準として所定の範囲内、例えば118から128の範囲内にある場合に、そのテンプレート画像Aまたはターゲット画像Bは無彩色に近い画像であると判定する。また、テンプレート画像Aまたはターゲット画像Bを構成するほとんどの画素において、Cb成分およびCr成分の値が上記無彩色に近い画像と判定される値の範囲内にない場合には、そのテンプレート画像Aまたはターゲット画像Bは有彩色の画像であると判定する。
具体例を図8および図9を用いて説明する。例えば、図8(a)に示す画像内に含まれる人物の黒髪を含む範囲がテンプレート画像Aとして抽出された場合について説明する。この場合、テンプレート画像Aは、無彩色である黒色に近い色の画素で構成されることになり、9画素×9画素で構成されるテンプレート画像Aの各画素におけるY成分の値、Cb成分の値、およびCr成分の値は、図8(b)に示すようになる。また、図8(b)に示す各画素の各成分の値を図5(b)に示した各ブロックごとに合計して、各ブロックごとのY成分の値、Cb成分の値、およびCr成分の値を算出すると図8(c)に示すようになる。
一方、図9(a)に示す画像内に含まれるガラス面を含む範囲がターゲット画像Bとして抽出された場合について説明する。この場合、ターゲット画像Bは、無彩色である白色に近い色の画素で構成されることになり、9画素×9画素で構成されるターゲット画像Bの各画素におけるY成分の値、Cb成分の値、およびCr成分の値は、図9(b)に示すようになる。また、図9(b)に示す各画素の各成分の値を図5(b)に示した各ブロックごとに合計して、各ブロックごとのY成分の値、Cb成分の値、およびCr成分の値を算出すると図9(c)に示すようになる。
ここで、図8(b)と図9(b)とを比較すると、テンプレート画像Aは黒色でターゲット画像Bは白色であるため、各画素のY成分の値は、両画像間で大きく異なっている。これに対して、両画像とも無彩色に近い色であることから、ほとんどの画素のCb成分とCr成分は、上述した無彩色に近いと判定できる値の範囲内となっており、両者間に大きな差はない。その結果、図8(c)と図9(c)に示すように、各ブロックごとにY成分の値、Cb成分の値、およびCr成分の値を合計し、さらにそれを全ブロックについて合計した場合に、S22に相当するテンプレート画像AのCr成分の合計値8aと、S24に相当するターゲット画像BのCr成分の合計値9aとに大きな差は生じない。
このため、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとが無彩色に近い画像である場合には、一方が黒髪で一方がガラス面といったように、全く異なる被写体を含んでいる場合であっても、Cr成分についての第2の類似度を式(2)により算出した場合には、その算出結果は上述した閾値αより小さい値となるため、テンプレートマッチングをすると判定されることになる。この場合、最終的に式(1)を用いてテンプレートマッチングを行った場合には、両画像の類似度は低く算出されるものであり、本来であればスキップすべきテンプレートマッチングを無駄に実行することになってしまう。
よって、第2の実施の形態では、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとの明るさが異なる場合でも的確にテンプレートマッチングを行うか否かの判定を行うことができるという第1の実施の形態における効果を維持しつつ、さらに両画像が無彩色に近い画像である場合であっても、上記判定を的確に行うことができるような判定方法について説明する。なお、図1から図5の各図は、第1の実施の形態と同様のため、説明を省略する。
図8(c)および図9(c)に示すように、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとが無彩色に近い画像である場合であっても、テンプレート画像AのY成分の合計値8bとターゲット画像BのY成分の合計値9bとには差があるため、これらを用いてテンプレートマッチングを行うか否かの判定を行えば、的確に判定を行うことができる。しかしながら、Y成分について第2の類似度を式(2)を用いて算出し、これに基づいて該判定を行った場合には、第1の実施の形態で上述したように、画像の明るさが変化した場合に、正しく判定を行うことができないという問題がある。
このため、第2の実施の形態では、制御装置104は、次式(5)に示すように、テンプレート画像AのY成分の値の合計値(S22)から、ターゲット画像BのY成分の値の合計値(S24)に次式(6)により算出される色差比βを掛けた値を減算したものを第2の類似度として算出し、この第2の類似度と閾値αとを比較することにより、テンプレートマッチングを行うか否かの判定を行う。
Figure 0005083080
Figure 0005083080
なお、色差比βは、式(6)に示すように、テンプレート画像Aの各画素のCr成分の値から色差のオフセット量に相当する128を減算したものをテンプレート画像Aの全画素分加算した値を、ターゲット画像Bの各画素のCr成分の値から色差のオフセット量に相当する128を減算したものをターゲット画像Bの全画素分加算した値で割った値の絶対値である。
よって、第2の実施の形態の処理を図7に示した第1の実施の形態におけるフローチャートに当てはめて説明すると、制御装置104は、ステップS2において、上記式(6)により色差比βを算出し、算出した色差比βを用いて式(5)による判定を行う。そして、制御装置104は、ステップS2以外のステップについては、第1の実施の形態と同様の処理を行う。
例えば、図8と図9に示す例においては、式(5)の左辺は、|1721―β×18894|となり、式(6)よりβ=310/112となる。よって、第2の類似度は50323となり、これは第1の実施の形態で上述した閾値α(4050)以上となる。このため、式(5)を満たさないことから、制御装置104は、図8(a)に示すテンプレート画像Aと図9(a)に示すターゲット画像Bとのテンプレートマッチングは行わないと判定することができる。すなわち、制御装置104は、式(5)を用いて判定を行うことにより、両画像が無彩色に近い画像である場合であっても、テンプレートマッチングを行うか否かの判定を的確に行うことができる。
なお、この式(5)を用いることにより、第1の実施の形態における効果を維持できること、すなわち、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとの明るさが異なる場合でも的確にテンプレートマッチングを行うか否かの判定を行うことができることを、図6に示した図を用いて説明する。
図6(b)と(d)に示す例においては、式(5)の左辺は、|8034―β×2585|となり、式(6)よりβ=217/51となる。よって、第2の類似度は2965となり、これは第1の実施の形態で上述した閾値α(4050)より小さい。このため、式(5)を満たすことから、制御装置104は、図6(a)に示すテンプレート画像Aと図6(b)に示すターゲット画像Bとのテンプレートマッチングを行うと判定する。
このように、式(5)を用いた判定を行うことにより、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとの明るさが異なる場合でも的確にテンプレートマッチングを行うか否かの判定を行うことができるという第1の実施の形態における効果を維持しつつ、さらに両画像が無彩色に近い画像である場合であっても、判定を的確に行うことができる。
次に、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとがいずれも無彩色に近い画像であって、かつ両画像の明るさが異なる場合にも、式(5)を用いることによって的確な判定を行うことができることを、図10と図11とを用いて説明する。図10(a)に示す画像から抽出されたテンプレート画像Aと、図11(a)におけるターゲット画像Bは、いずれも黒髪を含む無彩色に近い画像である。また、テンプレート画像Aは明るい画像であり、ターゲット画像Bは暗い画像である。このテンプレート画像Aとターゲット画像Bは、それぞれ同じ人物の頭部を含んでいるので、テンプレートマッチングを行うと判定されることが好ましい。
図10(b)は、テンプレート画像Aの各画素におけるY成分の値、Cb成分の値、およびCr成分の値を示しており、図10(c)は、図10(b)に示す各画素の各成分の値をブロックごとに合計した結果を示している。また、図11(b)はターゲット画像Bの各画素におけるY成分の値、Cb成分の値、およびCr成分の値を示しており、図11(c)は、図11(b)に示す各画素の各成分の値をブロックごとに合計した結果を示している。
図10(c)と図11(c)に示す例においては、式(5)の左辺は、|2544―β×1427|となり、式(6)よりβ=204/133となる。よって、第2の類似度は355となり、これは第1の実施の形態で上述した閾値α(4050)より小さい。このため、式(5)を満たすことから、制御装置104は、図10(a)に示すテンプレート画像Aと図11(a)に示すターゲット画像Bとのテンプレートマッチングを行うと判定する。
最後に、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとがいずれも有彩色の画像であって、かつ両画像の明るさに大きな変化がない場合にも、式(5)を用いることによって的確な判定を行うことができることを、図12と図13とを用いて説明する。図12(a)に示す画像から抽出されたテンプレート画像Aと、図13(a)におけるターゲット画像Bは、いずれも洋服を含む有彩色の画像であって、両画像間の明るさの差はほとんどない。このテンプレート画像Aとターゲット画像Bは、それぞれ同じ人物の背中部分を含んでいるので、テンプレートマッチングを行うと判定されることが好ましい。
図12(b)は、テンプレート画像Aの各画素におけるY成分の値、Cb成分の値、およびCr成分の値を示しており、図12(c)は、図12(b)に示す各画素の各成分の値をブロックごとに合計した結果を示している。また、図13(b)はターゲット画像Bの各画素におけるY成分の値、Cb成分の値、およびCr成分の値を示しており、図13(c)は、図13(b)に示す各画素の各成分の値をブロックごとに合計した結果を示している。
図12(c)と図13(c)に示す例においては、式(5)の左辺は、|11419―β×12556|となり、式(6)よりβ=1257/1206となる。よって、第2の類似度は1507となり、これは第1の実施の形態で上述した閾値α(4050)より小さい。このため、式(5)を満たすことから、制御装置104は、図12(a)に示すテンプレート画像Aと図13(a)に示すターゲット画像Bとのテンプレートマッチングを行うと判定する。
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態における作用効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。すなわち、制御装置104は、第1の実施の形態で上述した第2の類似度に代えて、テンプレート画像AのY成分の値と、ターゲット画像BのY成分の値と、テンプレート画像Aの色差成分の値とターゲット画像Bの色差成分の値との比率とを加味した類似度を第2の類似度として算出するようにした。これによって、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとが無彩色に近い画像である場合であっても、テンプレートマッチングを行うか否かの判定を的確に行うことができる。
―第3の実施の形態―
第3の実施の形態では、制御装置104は、画像内からテンプレート画像Aを抽出したときに、抽出したテンプレート画像Aが有彩色の画像か無彩色に近い画像かを判定する。制御装置104は、その結果、テンプレート画像Aが有彩色の画像であると判定した場合には、第1の実施の形態で上述した方法でテンプレートマッチングを行うか否かの判定を行うように判定式を設定する。これに対して、制御装置104は、テンプレート画像Aが無彩色であると判定した場合には、第2の実施の形態で上述した方法でテンプレートマッチングを行うか否かの判定を行うように判定式を設定する。なお、図1から図5の各図は、第1の実施の形態と同様のため、説明を省略する。
具体的には、制御装置104は、第2の実施の形態で色差比βを算出するために用いた式(6)の分子の算出結果が所定の閾値γ、例えば10以下の場合には、テンプレート画像Aは無彩色に近い画像であると判定する。一方、式(6)の分子の算出結果が所定の閾値γ、例えば10より大きい場合には、テンプレート画像Aは有彩色の画像であると判定する。
そして、制御装置104は、テンプレート画像Aが有彩色の画像であると判定した場合には、図7に示したフローチャートのステップS2で用いる判定式を第1の実施の形態で上述した判定式、すなわち|S22−S24|<αに設定する。これに対して、制御装置104は、テンプレート画像Aが無彩色に近い画像であると判定した場合には、図7に示したフローチャートのステップS2で用いる判定式を式(5)に設定する。
以上説明した第3の実施の形態によれば、テンプレート画像Aとターゲット画像Bの明るさが異なっても、テンプレートマッチングを行うか否かの判断を的確に行うことができるという第1の実施の形態、および第2の実施の形態における共通の効果を維持した上で、テンプレート画像Aが有彩色の画像である場合には、式差比βの算出を必要としない判定式を用いてテンプレートマッチングを行うか否かの判定を行うことによって、判定処理を高速化することができる。また、テンプレート画像Aが無彩色に近い画像である場合には、第2の実施の形態で上述したように、式(5)を用いることによって、的確に上記判定を行うことができる。
―変形例―
なお、上述した実施の形態のカメラは、以下のように変形することもできる。
(1)上述した第1から第3の実施の形態では、制御装置104は、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとをそれぞれ9分割し、9つのブロックをのそれぞれについてY成分の値の合計値、Cb成分の値の合計値、およびCr成分の値の合計値を算出する例について説明した。しかしながら、制御装置104は、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとを分割するブロック数を9以外としてもよい。また、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとはそれぞれ9×9画素であり、分割後の各ブロックは3×3画素である例について説明したが、テンプレート画像Aとターゲット画像Bの大きさ、および分割後の各ブロックの大きさも上記サイズに限定されない。
(2)上述した第1から第3の実施の形態では、制御装置104は、式(1)を用いた残差逐次検定法により、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとのマッチング演算を行なう例について説明した。しかしながら、テンプレートマッチングの方法は、他の方法を用いてもよい。例えば、式(7)を用いた正規化相関法により、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとのマッチング演算を行なうようにしてもよい。なお、次式(7)により算出される類似度rは、その値が大きいほどテンプレート画像Aとターゲット画像Bとの類似度が高いことを示し、その値が小さいほどテンプレート画像Aとターゲット画像Bとの類似度が低いことを示す。
Figure 0005083080
(3)上述した第1から第3の実施の形態では、カメラ100上でパターンマッチング処理を行って被写体追跡を行う例について説明したが、パーソナルコンピューター(パソコン)等を用いて上記処理を行ってもよい。例えば、動画再生が可能なパソコンにおいて、動画の各コマを上記ターゲット画像とし、あらかじめ用意されたテンプレート画像を用いてテンプレートマッチングを行う場合にも本発明は適用可能である。
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。
カメラ100の一実施の形態の構成を示すブロック図である。 テンプレート画像A、画像I、およびターゲット画像Bの具体例を示す図である。 テンプレート画像Aとターゲット画像Bの具体例を示す図である。 画像の明るさが変化した場合の具体例を示す図である。 テンプレート画像Aとターゲット画像Bを9つのブロックに分割した場合の具体例を示す図である。 テンプレート画像Aとターゲット画像Bとの明るさが異なる場合の具体例を示す図である。 第1の実施の形態におけるテンプレートマッチング処理の流れを示すフローチャートである。 テンプレート画像Aとターゲット画像Bとがいずれも無彩色に近い画像である場合の具体例を示す第1の図である。 テンプレート画像Aとターゲット画像Bとがいずれも無彩色に近い画像である場合の具体例を示す第2の図である。 、テンプレート画像Aとターゲット画像Bとがいずれも無彩色に近い画像であって、かつ両画像の明るさが異なる場合の具体例を示す第1の図である。 テンプレート画像Aとターゲット画像Bとがいずれも無彩色に近い画像であって、かつ両画像の明るさが異なる場合の具体例を示す第2の図である。 テンプレート画像Aとターゲット画像Bとがいずれも有彩色の画像であって、かつ両画像の明るさに大きな変化がない場合の具体例を示す第1の図である。 テンプレート画像Aとターゲット画像Bとがいずれも有彩色の画像であって、かつ両画像の明るさに大きな変化がない場合の具体例を示す第2の図である。
符号の説明
100 カメラ、101 操作部材、102 レンズ、103 撮像素子、104 制御装置、105 メモリカードスロット、106 モニタ

Claims (6)

  1. 各画素が輝度成分と色差成分とを有する入力画像内に設定した探索枠内のターゲット画像と、各画素が輝度成分と色差成分とを有するテンプレート画像とを比較して、前記テンプレート画像の色差成分の値と、前記ターゲット画像の色差成分の値とに基づく類似度を算出する第1の類似度算出手段と、
    各画素が輝度成分と色差成分とを有する入力画像内に設定した探索枠内のターゲット画像と、各画素が輝度成分と色差成分とを有するテンプレート画像とを比較して、前記テンプレート画像の輝度成分の値と、前記ターゲット画像の輝度成分の値と、前記テンプレート画像の色差成分の値と前記ターゲット画像の色差成分の値との比率とに基づく類似度を算出する第2の類似度算出手段と、
    前記テンプレート画像の色成分の範囲が予め定められた無彩色の範囲にあるか否かを判定する第1の判定手段と、
    前記第1の判定手段により前記テンプレート画像が前記無彩色の範囲にないことが判定された場合に、第1の類似度算出手段で算出された前記類似度に基づいて、前記テンプレート画像と前記ターゲット画像とのテンプレートマッチング処理を行うか否かを判定する第2の判定手段と、
    前記第1の判定手段により前記テンプレート画像が前記無彩色の範囲にあることが判定された場合に、第2の類似度算出手段で算出された前記類似度に基づいて、前記テンプレート画像と前記ターゲット画像とのテンプレートマッチング処理を行うか否かを判定する第3の判定手段と、
    前記第2の判定手段または前記第3の判定手段によって前記テンプレートマッチング処理を行うと判定された場合に、前記テンプレート画像と前記ターゲット画像とのテンプレートマッチング処理を実行する実行手段とを備えることを特徴とする画像マッチング装置。
  2. 請求項1記載の画像マッチング装置において、
    前記第2の判定手段または前記第3の判定手段は、前記類似度が所定の閾値より小さい場合に前記テンプレートマッチング処理を行うと判定することを特徴とする画像マッチング装置。
  3. 各画素が輝度成分と色差成分とを有する入力画像内に設定した探索枠内のターゲット画像と、各画素が輝度成分と色差成分とを有するテンプレート画像とを比較して、前記テンプレート画像の輝度成分の値と、前記ターゲット画像の輝度成分の値と、前記テンプレート画像の色差成分の値と前記ターゲット画像の色差成分の値との比率とに基づく類似度を算出する類似度算出手段と、
    前記テンプレート画像の色成分の範囲が予め定められた無彩色の範囲にあるかを判定する第1の判定手段と、
    前記第1の判定手段により前記テンプレート画像が前記無彩色の範囲にあることが判定された場合に、前記算出された類似度に基づいて、前記テンプレート画像と前記ターゲット画像とのテンプレートマッチング処理を行うか否かを判定する第2の判定手段と、
    前記第2の判定手段によって前記テンプレートマッチング処理を行うと判定された場合に、前記テンプレート画像と前記ターゲット画像とのテンプレートマッチング処理を実行する実行手段とを備えることを特徴とする画像マッチング装置。
  4. 請求項に記載の画像マッチング装置において、
    前記第2の判定手段は、前記類似度が所定の閾値より小さい場合に前記テンプレートマッチング処理を行うと判定することを特徴とする画像マッチング装置。
  5. 被写体像を撮像して、各画素が輝度成分と色差成分とを有する画像を取得する撮像手段と、
    前記撮像手段によって取得された画像内に設定した探索枠内のターゲット画像と、各画素が輝度成分と色差成分とを有するテンプレート画像とを比較して、前記テンプレート画像の色差成分の値と、前記ターゲット画像の色差成分の値とに基づく類似度を算出する第1の類似度算出手段と、
    前記撮像手段によって取得された画像内に設定した探索枠内のターゲット画像と、各画素が輝度成分と色差成分とを有するテンプレート画像とを比較して、前記テンプレート画像の輝度成分の値と、前記ターゲット画像の輝度成分の値と、前記テンプレート画像の色差成分の値と前記ターゲット画像の色差成分の値との比率とに基づく類似度を算出する第2の類似度算出手段と、
    前記テンプレート画像の色成分の範囲が予め定められた無彩色の範囲にあるか否かを判定する第1の判定手段と、
    前記第1の判定手段により前記テンプレート画像が前記無彩色の範囲にないことが判定された場合に、第1の類似度算出手段で算出された前記類似度に基づいて、前記テンプレート画像と前記ターゲット画像とのテンプレートマッチング処理を行うか否かを判定する第2の判定手段と、
    前記第1の判定手段により前記テンプレート画像が前記無彩色の範囲にあることが判定された場合に、第2の類似度算出手段で算出された前記類似度に基づいて、前記テンプレート画像と前記ターゲット画像とのテンプレートマッチング処理を行うか否かを判定する第3の判定手段と、
    前記第2の判定手段または前記第3の判定手段によって前記テンプレートマッチング処理を行うと判定された場合に、前記テンプレート画像と前記ターゲット画像とのテンプレートマッチング処理を実行する実行手段とを備えることを特徴とするカメラ。
  6. 請求項に記載のカメラにおいて、
    前記判定手段は、前記類似度が所定の閾値より小さい場合に前記テンプレートマッチング処理を行うと判定することを特徴とするカメラ。
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