JP5081452B2 - 低寸法係留部を有する骨固定システム - Google Patents

Description

本発明は、外科整形手術に関し、特に、身体の骨および関節を安定させかつ固定するための装置および人工補充物に関する。

２００３年８月７日に公開された特許文献１は、人工股関節の構成要素を接続する圧縮力を加えるための直線的移動の利用を教示する。
２００３年９月３０日に発行されたYoungによる特許文献２は、クランプにより脊椎アンカーに取り付ける脊椎ロッドを教示する。このクランプは、クランプにねじ込まれたコレットにより、アンカー周囲に締め付けられる。ロッドは、コレットにより大きさを縮小されたスプリットリングによってクランプに保持される。アンカーはトルクによって骨に設置され、追加トルクによってコレットが締め付けられる。
２００３年８月２６日に発行されたKumar他による特許文献３、２００３年８月２６日にBailey他に発行された特許文献４、２００３年５月２０日にYuan他に発行された特許文献５、２００２年４月１６日にRalph他に発行された特許文献６、２００２年１１月１２日にHowlandに発行された特許文献７、１９９６年１２月１７日にErrico他に発行された特許文献８は、クランプによって複数の骨アンカーに連結され、骨ネジが骨に着座した後に組立構造体に追加トルクを付加する必要のある１つの脊椎ロッドを教示する。

通常の技術では、骨ネジはそれぞれ、ネジ山と骨との間の最大許容力に近い特定量のトルクによって骨に固定される。そして骨ネジは、十分な剛性を有するロッドによって接続され、所望の骨格方向を維持する。ロッドと骨ネジとの間の接続は、移動不可能なように十分に強くなければならない。
これら従来技術の脊椎固定装置は全て、骨ネジのそれぞれにロッドを締め付け、固定するため、組立構造体に追加トルクを与え、それにより骨ネジに追加トルクを加える結果となる。この追加印加によって骨と骨ネジのネジ山との間の引っかかりをすり減らすことがある。このような結果を防ぐため、ロッドとネジを係止するトルクに対抗する何らかの道具を用いなければならない。トルク対抗道具の利用は、外科医による調整や、外科医がずれを防ぐことを必要とする。
この技術に必要なのは、トルクではなく圧縮力を用いて１つのロッドと１つの埋め込み骨ネジを接続するシステムである。
米国特許出願２００３／０１４９４８７ Ａ１ 米国特許第６６２６９０６号 米国特許第６６１００６３号 米国特許第６６１００６２号 米国特許第６５６５５６５号 米国特許第RE３７６６５号 米国特許第６４７８７９８号 米国特許第５５８４８３４号

（発明の概要）
外傷や疾病による骨格要素の位置を補正するため、特定の空間関係で骨および骨片を安定および固定しなければならない場合が多くある。ある装置群は、骨の１つの所定の空間位置を維持するため、１つのロッドで接続された、骨折、または隣接する椎骨、または関節など、骨または骨片の１つの不連続部分を横切る骨の内部に配置される、多数の骨ピン、アンカーまたはネジを設置する。これらの装置は、ある場合には一時的でその後取り外し、または人工補充物の形の恒久的な場合もある。装置は、体内または体外でもよい。本発明の装置はこれら用途に用いることもできる。しかしながら、好適な実施例は脊椎固定に関し、例としてこれを説明するが、これに限定されない。

（図面の簡単な説明）
図１は、本発明の外科整形装置のある脊椎の一部の斜視図である。
図２は、本発明の外科整形装置の一実施例の斜視図である。
図３は、圧縮リングを開位置とした本発明の外科整形装置の部分断面端面図である。
図４は、圧縮リングを閉位置とした本発明の外科整形装置の部分断面端面図である。
図５は、図３の断面図である。
図６は、図４の断面図である。
図７は、本発明のクランプ本体の平面図である。
図８は、本発明のクランプ本体の部分断面側面図である。
図９は、本発明のクランプ本体の斜視図である。
図１０は、本発明の圧縮リングの斜視図である。
図１１は、本発明の圧縮リングの上面図である。
図１２は、本発明の圧縮リングの断面図である。
図１３は、本発明の別の実施例の斜視図である。
図１４は、本発明の別の実施例の斜視図である。
図１５は、本発明の別の実施例の斜視図である。
図１６は、圧縮リングを開位置で示す図１５の断面図である。
図１７は、圧縮リングを閉位置で示す図１５の断面図である。
図１８は、圧縮リングを開位置とした本発明の別の実施例の斜視図である。
図１９は、圧縮リングを閉位置とした図１８の側面図である。
図２０は、圧縮リングを開位置とした本発明の別の実施例の斜視図である。
図２１は、圧縮リングを閉位置とした図２０の側面図である。
図２２は、本発明の別の実施例の斜視図である。
図２３は、図２２の断面図である。

（発明の詳細説明）
図１は、より自然な湾曲を維持するため、椎骨を互いの椎骨および仙骨に関して安定させかつ固定するための１つの片側性外科整形固定装置１０を配置した腰椎Sの一部を示す。必要に応じて両側性設置を用いることができる。図２により詳細に示すように、細長いコネクタバー１１が椎骨と骨ネジ１３との間の不連続部分を繋ぐ。図に示すように、このバーは円形の断面を有するが、図１３のリンク２９に示すように、他の形状も使用可能である。骨アンカーは、図５および図６に示す外部螺旋状ネジ山６０を有し、これにより骨ネジ１３はトルクの印加中、海綿質の骨の中で引っかかりを得る。

このトルクは、ネジの頭１５中の凹部６１と係合し、ネジを長手方向の軸の周りに回転させる１つの工具（図示せず）を用いて、外科医によってネジに印加される。トルク量は、小さすぎるとネジが固定せずに緩んだり後退したりし、大きすぎると骨中のネジ山経路をすり減らし、引っかかりが失われるため、設置および人工補充物の長寿命にとって重要である。外科医は、骨にネジを設置する際、最適トルクを印加しようとし、骨ネジへの追加トルクを避ける。図５および図６に示すように、凹部６１はクランプ本体１２を介してアクセス可能で、必要に応じて骨への設置前にネジとクランプの事前組立を可能にする。

脊椎の固定中に、複数の骨ネジが各椎骨の構造に従って異なる椎骨に通される。これにより、一連のネジは角度や位置が均一に揃わない。この不均一を補償するため、ネジの頭とクランプ本体との間の接続が旋回または揺動してコネクタロッドを捕捉する。場合によっては、ネジが直線上から外れていたり、意図する補正が厳しかったりするため、ロッドが曲げられなければならない。また、骨ネジに関してロッドを固定するため、リンクを用いる場合がある。骨ネジにそれ以上トルクを印加することを避けるため、ロッド１１とネジの頭１５にクランプ１２を介して圧縮力を印加する直線運動により、骨ネジにコネクタロッド１１が固定される。

クランプ本体１２の外壁２４は、１つのソケット２５を一端に、１つのスロット２３を他端に有する全体として管状に図８に示される。ソケットは、骨ネジの頭１５を収納する大きさである。スロット２３は、それぞれコネクタロッド１１を把持するための上側および下側の長手方向稜線１７および１８を有する。図５および図６に示すように、頭１５は球形で、ソケットの内面１６は自在または揺動接続を可能にするため補完的形状である。この外科整形装置は、コネクタロッド１１がクランプ１２のスロット２３に埋め込まれているため、低寸法を有する。

クランプ１２の外壁２４は先細か、または長さ方向に外部直径が変化する形状とすることができる。壁２４もまた、クランプの半径方向柔軟性を増すため、図８および図９に示す外周スロット２７および２８によって緩められる。圧縮リング１４は、管状の壁を曲げることによりクランプ１２の外壁２４に圧力嵌めされる。圧縮リング１４は外壁に沿って開位置から閉位置に移動可能である。図５、図１８および図２０に示す開位置において、クランプ１２内のネジ山の揺動移動とコネクタロッドの摺動移動が可能である。図６、図１９および図２１に示す閉位置では、圧縮リング１４はクランプ１２とロッド１１とネジ１３との間に圧縮力を印加し、接続部を移動不可能にする。圧縮リング１４は、間隔をあけた内側環状稜線１９および２１を有するスカート２６を有し、これらが閉位置でクランプ１２の外壁２４の環状の膨らみ２０および２２とそれぞれ係合する。

外科整形装置の構成部品を移動不可能にする圧縮力の印加は、クランプの外壁に関して圧縮リングを直線移動させることにより生成される。この閉位置への移動は、ネジに応力をかけることなく、同じ大きさの反対方向の力で圧縮リングを移動させるために、クランプと圧縮リングを係合させる（図示しない）１つの単純な伸縮器具を用いて実行する。矯正手術の場合、クランプは同様に開位置へ移動されうる。

図１３に示すリンク２９は、コネクタロッドがクランプ１２のスロット２３に直接接触することができない状況において、外科整形装置の範囲を拡張する。このリンク２９は異なる長さで提供され、又は特定の患者に必要なサイズにカスタマイズすることができる。リンク２９は、コネクタロッドの寸法と同様であるが、台形形状のアームを有し、また他の形状を用いることもできる。アームは、一端に１つのジャーナル３０を有する。ジャーナル３０は閉じたリングとして示されるが、一部開いていてもよい。ジャーナルは、コネクタロッドにリンク２９を固定するためのセットねじ３１を有する１つのネジを切られた穴からなる。リンク２９の他端は、クランプ１２と圧縮リング１４によって骨ネジに固定される。図１４においては、リンク２９’アームはコネクタロッドと同一または同様の形状である。このリンク２９’は、コネクタロッド１１との接続を固定するためのセットねじ３１’のあるジャーナル３０’を有する。

図１５、図１６および図１７に、一端にジャーナル３０’’のある別のリンク２９’’を示す。このリンクはコネクタロッドに類似している。ジャーナル３０’’は、圧縮リング１４’が分割スリーブを取り囲む１つの分割スリーブである。圧縮リング１４’は、図１７に示す開位置と、図１６に示す閉位置とを有する。リンク２９’’とコネクタロッド１１との間の接続を調整した後、圧縮リングを閉位置に動かし、リンク２９’’をコネクタロッド１１に固定する。リンク２９’’の他端は、クランプ１２のスロットに固定され、外科整形装置の締め付けを完了する。

図１８から図２３は外科整形装置１０の実施例を示し、ここでは、クランプ１２が、コネクタロッド１１のクランプからの予期せぬ脱離を防ぐ１つの保持機構を含む。これらクランプと保持機構の利用は、外科医の裁量である。図１８および図１９では、クランプ１２の外壁は、対向する半円形突起としてスロット２３の上に存在する。半円形突起には外溝４１が形成され、末端リップ４２となる。保持機構リング４０が嵌めこまれ、外溝４１によってその場に保持される。

図２０および図２１は、開放スロット２３上に拡がり、これを覆う１つのクリップ５０の形の別の１つの保持機構を示す。クリップの端部５３は逆側に折り込まれ、リップ５２上に嵌めこまれ、溝５１に着座する。

図２２および図２３は、コネクタロッド１１の通路として穴２３’を持つクランプ１２’を示す。穴２３’は、コネクタロッド１１とクランプ１２’を共に保持するセットねじ保持機構６１のあるネジ通路６０と交差する。ロッド１１を外科整形装置のクランプに通した後、圧縮リングを閉位置まで移動してロッドとネジの向きを係止する。そして、セットスクリュを締め付け、ロッドをクランプに固定する。このように、セットスクリュの締め付けトルクはロッドによって吸収される。クランプ１２’は、閉位置で示される圧縮リング１４によってネジ１３に係止される。

本発明の多くの実施例を説明したが、発明の精神および範囲から逸脱せずに、各種修正が可能なことが理解されよう。したがって、本発明は特定の図示例によって限定されるものではなく、添付の請求の範囲によってのみ限定されることが理解される。

本発明の外科整形装置のある脊椎の一部の斜視図である。 本発明の外科整形装置の一実施例の斜視図である。 圧縮リングを開位置とした本発明の外科整形装置の部分断面端面図である。 圧縮リングを閉位置とした本発明の外科整形装置の部分断面端面図である。 図３の断面図である。 図４の断面図である。 本発明のクランプ本体の平面図である。 本発明のクランプ本体の部分断面側面図である。 本発明のクランプ本体の斜視図である。 本発明の圧縮リングの斜視図である。 本発明の圧縮リングの上面図である。 本発明の圧縮リングの断面図である。 本発明の別の実施例の斜視図である。 本発明の別の実施例の斜視図である。 本発明の別の実施例の斜視図である。 圧縮リングを開位置で示す図１５の断面図である。 圧縮リングを閉位置で示す図１５の断面図である。 圧縮リングを開位置とした本発明の別の実施例の斜視図である。 圧縮リングを閉位置とした図１８の側面図である。 圧縮リングを開位置とした本発明の別の実施例の斜視図である。 圧縮リングを閉位置とした図２０の側面図である。 本発明の別の実施例の斜視図である。 図２２の断面図である。

１０外科整形装置 １１コネクタバー １２クランプ １３骨ネジ １４圧縮リング １５頭 ２４外壁

Claims (11)

1. 骨に侵入するための軸を有する、一端に頭を持つ１つの骨ピンと、
   １つの細長いコネクタに前記骨ピンを係止するための第１のクランプと、
   を有する骨を安定させるための外科整形装置において、
   前記第１のクランプは、
   前記頭を包むよう適合された内側ソケットを形成する外壁を含む本体と、
   １つの位置において前記外壁の外側を取り囲む１つの圧縮リングと、
   前記本体の前記外壁を介して前記ソケットに対向する１つのスロットと、
   ここにおいて前記スロットは前記コネクタと摺動可能に接触するよう適合され、
   前記圧縮リングは前記外壁の前記外側に沿って第２の位置に直線移動可能であり、これにより、前記ソケットと前記スロットの前記外壁は、前記第１のクランプを前記頭と前記コネクタの周りに確実に係止するよう適合された圧縮力を印加し、
   前記スロットを覆う１つの保持手段と、を有し、
   前記外壁は前記スロットと前記圧縮リングを超えて伸長し、また外溝を有し、
   ここにおいて前記保持手段は、前記外壁の前記外溝と係合し、前記コネクタの上方で前記スロットを閉鎖するように適合される、
   ことを特徴とする装置。
2. 前記コネクタは細長いロッド形状を有し、前記ロッドはその長さに沿って複数のリンクと骨ピンと接続するよう適合され、前記コネクタと前記複数の骨ピンは、１つの固定位置で骨を安定させるよう適合されることを特徴とする請求項１に記載の外科整形装置。
3. 前記第１のクランプは、一つの端に前記スロットと摺動可能に接触するよう適合された１つのリンクと、前記リンクの他の端の１つのジャーナルとを含み、前記ジャーナルは前記コネクタをその中に固定するための第２のクランプを有し、これにより、前記コネクタが前記骨ピンの位置から離れて配置されることが出来る、ことを特徴とする請求項１に記載の外科整形装置。
4. 前記リンクは、１つの分割スリーブと、前記分割スリーブ周囲の１つの圧縮リングとを有し、前記圧縮リングは、１つの開位置から１つの閉位置に前記分割スリーブに沿って移動可能で、前記開位置は、前記第２のクランプ内での前記コネクタの調整を可能にし、前記閉位置は、前記コネクタと前記ジャーナルを共に固定する、ことを特徴とする請求項３に記載の外科整形装置。
5. 前記骨ピンの前記頭はほぼ球形で、前記ソケットは１つの補完的形状を有し、これにより、前記骨ピンと前記クランプは自在に方向を向くことができることを特徴とする請求項１に記載の外科整形装置。
6. 前記コネクタは細長い棒状であり、前記ロッドはその長さに沿って複数の前記クランプ及び前記骨ピンと接続するよう適合され、前記コネクタと前記複数の骨ピンは、１つの固定位置で骨を安定させるよう適合されることを特徴とする請求項５に記載の外科整形装置。
7. 前記第１のクランプは、一端で前記スロットと摺動可能に接触するよう適合された１つのリンクと、前記リンクの他の一端にある１つのジャーナルとを含み、前記ジャーナルは前記コネクタをその中に固定するための手段を含み、これにより、前記コネクタが前記ピンからずれることが出来ることを特徴とする請求項５に記載の外科整形装置。
8. 前記ジャーナルは、前記リンクを囲む１つの分割スリーブと、前記分割スリーブ周囲の１つの圧縮リングとを有し、前記圧縮リングは、１つの開位置から１つの閉位置に前記分割スリーブに沿って移動可能であり、前記開位置は、前記ジャーナル内での前記コネクタの調整を可能にし、前記閉位置は、前記コネクタと前記ジャーナルを共に固定する、ことを特徴とする請求項７に記載の外科整形装置。
9. 前記軸は１つの外部螺旋状ネジ山を有して形成されることを特徴とする請求項１に記載の外科整形装置。
10. 前記スロットが前記ソケットに隣接し、これにより、前記頭と前記コネクタが近接して低い高さ寸法を形成することを特徴とする請求項１に記載の外科整形装置。
11. 前記保持手段は前記外壁にスナップ適合で係合し、前記スロットを前記コネクタの上方で閉鎖する、ことを特徴とする請求項１に記載の外科整形装置。

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