JP5080732B2 - 電線・ケーブルの断線検出方法及び断線検出装置 - Google Patents

電線・ケーブルの断線検出方法及び断線検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、課電状態にある電線やケーブルの導体の断線を検出する電線・ケーブルの断線検出方法及び断線検出装置に関する。
例えば、ケーブルは、一般に複数の素線を撚り合わせて構成されている。このようなケーブルを、例えば溶接ロボットや組み立てロボット等の生産機器の電力供給や制御に供する、いわゆる移動ケーブルに用いた場合、屈曲動作が頻繁に加わるため、素線に部分断線、さらには完全断線が生じ易い。素線に部分断線が生じた場合、移動ケーブルの断面積の減少によりインピーダンスが上昇して生産機器の誤動作を生じたり、完全断線に至れば生産機器が動作しなくなる。そのため、生産機器の保守管理においては、素線の断線状態を早期に検出することが重要になる。
断線の検出方法として、例えば、非活線状態にあるケーブル導体と遮蔽層間にパルス電圧を印加し、前記ケーブルの複数の劣化点から戻ってくる反射パルスの情報を処理して、各反射パルスの伝送時間及び振幅を求め、劣化位置と劣化の程度を診断する診断方法が知られている(特許文献1参照。)。
また、異なる原理によるものとして、環状の一対の電極を、静電結合により絶縁被覆電線の表面に所定の間隔で装着し、この電極間に高周波の交流電圧を印加して、一対の電極間のインピーダンスを測定し、このインピーダンスの変化に基づいて金属撚線の素線の断線を検出する探傷装置が知られている(特許文献2参照。)。
特許第3247049号公報 特開2000−28669号公報
しかし、特許文献1の方法では、生産機器への課電を停止して非活線状態で診断を行わなければならないため、活線状態で生産機器等の保守管理をしたい用途には適用できない。また、特許文献2の構成は、一対の電極を移動させながらケーブル等の途中の狭い範囲で探傷を行うものであるため、断線を早期に検出することができない。
従って、本発明は、活線状態にある電線やケーブルの終端近傍を含む全域で断線の検出を早期に検出することのできる電線・ケーブルの断線検出方法及び断線検出装置を提供することにある。
本発明の第1の態様は、上記目的を達成するため、高周波パルス電流を複数の導体を有する電線またはケーブルの少なくとも2本の導体の一端側からそれぞれ注入し、この注入による前記高周波パルス電流が前記2本の導体の他端側からそれぞれ反射パルス電流として反射してくる波形を前記2本の導体の前記一端側でそれぞれ測定し、この波形に基づいて前記電線またはケーブルの前記2本の導体の少なくとも何れかの導体の断線を検出する電線・ケーブルの断線検出方法であって、前記2本の導体の他端側のみに前記2本の導体を接続する負荷インピーダンスが設けられ、前記負荷インピーダンスは、前記高周波パルス電流の周波数帯域において前記電線またはケーブルの伝送インピーダンスより小さくなる値に設定されていると共に、前記高周波パルス電流の周波数帯域における値が、前記電線またはケーブルの伝送インピーダンスの1/10以下であることを特徴とする電線・ケーブルの断線検出方法を提供する。
本発明の第2の態様は、上記目的を達成するため、複数の導体を有する電線またはケーブルの少なくとも2本の導体の一端のパルス入射端から高周波パルス電流を前記電線またはケーブルの前記2本の導体にそれぞれ注入する高周波パルス電流発生器と、前記2本の導体の終端のみに設けられ、前記2本の導体を接続する負荷インピーダンスと、前記高周波パルス電流発生器から前記2本の導体のそれぞれに注入された前記高周波パルス電流が前記2本の導体の他端側からそれぞれ反射してくる反射パルス電流を含む波形を前記パルス入射端において検出する電流センサと、前記電流センサが検出した波形を記録する波形記録測定器と、を有し、前記負荷インピーダンスは、前記高周波パルス電流の周波数帯域において前記電線またはケーブルの伝送インピーダンスより小さくなる値に設定されていると共に、前記高周波パルス電流の周波数帯域における値が、前記電線またはケーブルの伝送インピーダンスの1/10以下であることを特徴とする電線・ケーブルの断線検出装置を提供する。
本発明によれば、活線状態にある電線やケーブルの終端近傍を含む全域で断線の検出を早期に行うことのできる電線・ケーブルの断線検出方法及び断線検出装置を得ることができる。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る断線検出装置を示す。断線検出装置10は、高周波パルスの注入にともなう反射パルスを用いて溶接ロボット等の機器1に接続された移動ケーブル2の断線を検出する。この移動ケーブル2は3本の導体を有し、その一端が3本のケーブル4A,4B,4Cを介して電源装置3に接続され、他端が3本のケーブル5A,5B,5Cを介して機器1に接続されている。また、ケーブル4C,5Cは接地される。
なお、ケーブル4A,4B,4Cの内、断線検出装置10が接続される2本(ここでは、ケーブル4A,4Bの2本。)のパルス注入部4a,4bには、断線検出装置10からの高周波パルスが電源側に流入しないように、高周波阻止用インダクタ6A,6Bを介在させている。同様に、機器1側にも高周波パルスが機器1に流入しないように、ケーブル4A,4Bに対応するケーブル5A,5Bに高周波阻止用インダクタ7A,7Bを介在させている。この高周波阻止用インダクタ6A,6B,7A,7Bは、電源装置3及び機器1が、高周波パルスの流入を阻止する機能を備えている場合には、設けなくともよい。
断線検出装置10は、高周波の単発パルス(以下、高周波パルスという。)を発生する高周波パルス発生器11と、前記高周波パルスをケーブル4A,4Bのパルス注入部4a,4bに印加するための2つの高周波パルス注入用コンデンサ12A,12Bと、高周波パルスによって移動ケーブル2から反射してくるパルス電流を検出する非接触式の2つの電流センサ(以下、高周波CTという)13A,13Bと、高周波CT13A,13Bで検出したパルス電流の波形の記録等を行う波形記録測定器14と、移動ケーブル2の他端の終端(機器1側の端部)に接続される負荷インピーダンス部30とを備える。
高周波パルス発生器11は、機器1の入力部が有するノイズカット機能でカットできるノイズと同等の高周波の単発パルスを発生する。
高周波パルス注入用コンデンサ12A,12Bは、高周波パルス発生器11による高周波パルスの注入がしやすくなるように、高周波域でのインピーダンスが小さい値のものを用いている。
高周波CT13A,13Bは、商用周波数の電流をカットし、非接触で高周波パルス信号のみを検出できるように、高周波タイプを用いている。
波形記録測定器14は、高周波パルス発生器11により移動ケーブル2に高周波パルスを注入した際に発生する移動ケーブル2からのパルス電流を高周波CT13A,13Bを介して取り込み、その波形を記録するとともに、その経時変化を調べて運転中の移動ケーブル2の素線の部分断線または完全断線を検出する構成を有している。
負荷インピーダンス部30は、例えば、コンデンサを用いて構成され、そのインピーダンスは、測定ケーブルである移動ケーブル2が使用する商用周波数の周波数帯域に対しては十分に大きく、高周波パルスの周波数帯域に対しては十分に小さくなるように設定されている。なお、負荷インピーダンス部30は、移動ケーブル2の終端に接続するものであるため、使い勝手を考慮して断線検出装置10から分離した単体の構成にしてもよい。
ここで、移動ケーブル2の伝送インピーダンスをZとすると、負荷インピーダンス部30のインピーダンス(以下、負荷インピーダンスという。)Z(f)は、以下の2つの条件を満たすインピーダンス値であることが望ましい。
(1)Z(f)>10×Z
(ただし、周波数fは移動ケーブル2で使用する周波数帯域)
(2)Z(f)<1/10×Z
(ただし、周波数fは高周波パルスの周波数帯域)
負荷インピーダンスZ(f)が、上記(1)の条件に示す値に設定されていれば、周波数fで使用される機器1が高周波パルスの影響を受けることがない。また、負荷インピーダンスZ(f)が、上記(2)の条件に示す値に設定されていれば、負荷インピーダンス部30は高周波パルスの周波数帯域において終端短絡の役割を果たすことになる。
(断線検出装置の概略動作)
図1において、電源装置3から移動ケーブル2を通して機器1に電力供給や信号伝送が行われている活線状態のとき、高周波パルス発生器11から高周波パルスが出力されると、この高周波パルスは、高周波CT13A,13B、パルス注入部4a,4bを通過してケーブル4A,4Bに印加される。さらに高周波パルスは、ケーブル4A,4Bから移動ケーブル2内を伝搬して、ケーブル5A,5Bに伝搬する。
ケーブル5A,5Bを伝搬した高周波パルスは、高周波阻止用インダクタ7A,7Bのインピーダンス変化部で反射する。この反射によるパルス電流は、ケーブル5A,5B、移動ケーブル2、ケーブル4A,4Bを順次伝搬して、さらに高周波パルス注入用コンデンサ12A,12Bに到達した後、高周波CT13A,13Bへ伝搬する。
波形記録測定器14は、高周波パルス発生器11による高周波パルスの注入開始から、高周波阻止用インダクタ7A,7Bから反射したパルス電流が高周波CT13A,13Bで検出されるまでの時間、高周波CT13A,13Bで検出される信号を記録する。このような測定が、波形記録測定器14によって一定時間ごとに行われ、初回に波形記録測定器14で記録した初期波形と、所定時間が経過後の記録波形との変化を比較することにより、移動ケーブル2の断線の有無を判定する。さらに、測定波形と初期波形との間に波形差が生じた位置までの時間に基づいて断線位置を推定する。
次に、伝送路モデルを示して断線検出の詳細を説明する。
図2は、伝送路の健全時及び断線時の伝送路モデルを示す。同図中、(a)は伝送路が健全時の伝送路モデル、(b)は伝送路が断線時の伝送路モデルである。図2において、伝送路23は移動ケーブル2に相当する。
また、図3は、図2に示す伝送路の健全時と断線時の測定波形を示す。図3において、測定波形22は健全な伝送路の波形、測定波形21は伝送路に断線が生じたときの波形である。なお、図3においては、高周波パルスが高周波CT13A,13Bを通過した時点を原点にしている。
図2の(a)のように、伝送路23が健全であれば、その終端23bには負荷インピーダンス部30が接続されているため、終端23bは短絡状態にある。このとき、図3に示す測定波形22が得られる。
この測定波形22について説明する。高周波パルス発生器11から高周波パルスが出力されると、これが高周波CT13A,13Bで検出され、入射波形28として波形記録測定器14に記録される。その後に、150nsの少し前から後にかけての方向にピークが生じるようにして波形29が発生する。この波形29は、終端23bを短絡状態にする負荷インピーダンス部30が設けられているので、終端23bで反射してきたパルス電流が、高周波CT13A,13Bの取り付け箇所を通過したことにより検出されたものである。つまり、この測定波形22において、入射波形28と波形29のピーク間の時間が、高周波パルスが高周波CT13A,13Bの位置から伝送路23を一往復して高周波CT13A,13Bの位置に戻ってきた時間Taになる。
次に、断線により伝送路23に断線部25が発生すると、負荷インピーダンス部30が接続されていても、高周波パルス注入側から見た終端23b側は開放状態になる。このとき、図3の測定波形21に示すように、終端23bから反射してきたパルス電流の波形29の方向になる。このように、伝送路23の健全時と断線時では、波形29a,29bが互いに逆相になる。この違いから、伝送路23が健全であるか断線であるかを明確に判別できる。
(第1の実施の形態の効果)
第1の実施の形態によれば、下記の効果を奏する。
(イ)被測定ケーブルである移動ケーブル2の終端23bに負荷インピーダンス部30を接続して断線検出を行うようにしたため、断線位置が終端付近であっても、断線を明確に検出することができる。
(ロ)負荷インピーダンス部30の負荷インピーダンスZ(f)を、使用周波数領域及び高周波パルスの周波数領域に応じて、移動ケーブル2の伝送インピーダンスZに対し、Zo/10〜Z×10の範囲に設定することにより、移動ケーブル2を介しての機器1の動作に影響を与えず、しかも高周波パルスを用いての断線検出を支障なく実施することができる。
(ハ)移動ケーブル2を伝搬する高周波パルスは、移動ケーブル2のLCによるインピーダンスの影響が大きいため、断線時のLCRのインピーダンス変化を検出することができる。この結果、直流や商用周波信号によるRの変化のみの従来の検出と比較して、検出感度を向上させることができる。また、移動ケーブル2の屈曲による断線は、ケーブル導体の最外周部から起こり、高周波信号が表皮効果でケーブル導体の外表面を流れることから、これによっても、従来の直流や商用周波信号より断線を検出する場合に比べ、検出感度を向上させることができる。
なお、上記実施の形態においては、溶接ロボットや組み立てロボット等の生産機器の移動ケーブルを対象にしたが、ロボット等の生産機器以外の用途に用いられる各種の電線やケーブルであってもよい。
[第2の実施の形態]
図4は、第2の実施の形態に係る伝送路の断線時及び短絡時の波形図である。同図中、測定波形22は断線時の波形、測定波形26はZ(f)=Zにおける伝送路23での終端反射の波形、測定波形27は短絡時の波形である。なお、この第2の実施の形態の伝送路モデルは、図2に示した通りである。
本実施の形態は、負荷インピーダンス部30の負荷インピーダンスZ(f)を、高周波パルスの周波数帯域で使用される伝送路23の伝送インピーダンスZにほぼ等しい値にしたものである。この場合、以下の関係が成立する。
(Z/2)<Z(f)<2Z
(ただし、周波数fは高周波パルスの周波数帯域)
Z(f)=Zのとき、図4の測定波形26に示すように、高周波パルスに対して伝送路23の終端反射は起こらず、平坦な波形になる。これに対し、断線発生時には、測定波形22に示すように、終端部からのパルス電流による波形29aが150nsの近傍で負方向に発生する。また、終端部での短絡発生時には、測定波形27に示すように、終端部からのパルス電流の波形29bは、150nsの近傍で正方向に発生する。この波形29a,29bの発生方向の違いから、伝送路23の断線と短絡を判定することができる。
第2の実施の形態によれば、負荷インピーダンス部30の負荷インピーダンスZ(f)を、高周波パルスの周波数帯域で使用される移動ケーブル2の伝送インピーダンスZに対して、(1/2)Z〜2Zにすることにより、断線と短絡を区別して検出することができる。その他の効果は、第1の実施の形態と同様である。
[比較例]
次に、第1の実施の形態の比較例について説明する。
図5は、比較例の伝送路モデルを示す。同図中、(a)は伝送路が健全なときの伝送路モデルであり、(b)は伝送路に断線が生じたときの伝送路モデルである。ここでの伝送路は、上記実施の形態と同様に、移動ケーブル2に相当する。
また、図6は、比較例におけるケーブル健全時と断線時の測定波形を示す。図6において、時間軸上0nsにおけるピークが注入された高周波パルス、150nsにおけるピークがケーブル遠端から反射した高周波パルスである。
比較例は、図5から明らかなように、負荷インピーダンス部30を有していない。したがって、伝送路23の終端23bは、開放状態にある。なお、比較例における断線検出装置の構成は、図1の断線検出装置10から負荷インピーダンス部30を除去した構成になる。
伝送路23は、例えば、長さが15mであり、パルス伝播速度が2×10m/sという特性を有している。
伝送路23が図5の(a)に示す健全な状態にあれば、図6に示す測定波形21が得られる。また、図5の(b)に示すように、断線による断線部25が伝送路23の終端23bの近傍に生じた場合、図6に示す測定波形22が得られる。この測定波形22は、断線部25から反射してきたパルス電流の波形29bの発生時間領域(150ns近辺)が、健全なときの終端23bからの反射してきたパルス電流の波形29aの発生時間領域と同じになり、しかも、波形のピーク発生方向が同じになる。
このように、比較例では、断線部25から反射してきたパルス電流の波形29bの発生時間領域と健全時の終端23bで反射してきたパルス電流の波形29aの発生時間領域とが重なるため、断線を判別しにくくなる。これは、高周波阻止用インダクタ7A,7Bが高インピーダンスであるために、負荷側(機器1側)が既に開放状態になっており、断線部25による線路開放が終端23bに近い場所に生じた場合、断線前と殆ど変わらない波形になるためである。
これに対し、本発明は、図2に示したように、伝送路23の終端23bに負荷インピーダンス部30が接続されているため、高周波パルスに対しては、常に終端23bが短絡状態にあり、断線時には、終端23b側が開放になる結果、図3のような波形を得ることができる。
なお、比較例では、図6に示すように、健全時と断線時の終端近傍から反射してきたパルス電流の波形29a,29bの2つの波形が重なるため、両者の区別ができない。そこで、伝送路23に部分断線が生じた場合に生じる波形変化部Dに着目して判定を行っている。つまり、素線の断線箇所においては、インピーダンス変化が生じるため、その箇所から高周波パルスの一部が反射する。この反射パルスは、高周波阻止用インダクタ7A,7Bで反射した高周波パルスよりも早く高周波CT13A,13Bに戻ってくる。
図6では、約110nsの時点で、断線箇所からの反射パルスが高周波CT13A,13Bに到着している。断線箇所で反射しなかった大部分の高周波パルスは健金時の場合と同様に伝搬するので、断線時の測定波形22は波形変化部Dの部分を除いて、健全時の測定波形21と殆ど同じになる。従って、測定波形21,22の差を取ると波形変化部Dだけが残り、この波形変化部Dが有意の大きさであれば、断線有りを判定できる。
次に、本発明の実施例について説明する。
図7は、本発明の実施例を示す。ここでは、機器1として板金溶接機40を用いている。板金溶接機40は、電流電圧変換トランス(以下、トランスという。)41と、このトランス41に接続されたスポット溶接ガン42とを備える。この板金溶接機40は、AC400V、及び商用周波数の50Hzにより動作する。また、移動ケーブル2として、伝送インピーダンスZが50Ωのものを用いている。
トランス41は、1次側捲線41aと2次側捲線41bとを備え、ここでは1次側捲線41aが100μHのインダクタンス有している。
負荷インピーダンス部30は、0.1μFのコンデンサであり、1次側捲線41aに並列に接続される。
図7において、断線検出装置10から移動ケーブル2に入射する高周波パルスの帯域を1MHz〜100MHzとすると、1次側捲線41aのインピーダンス(jωL)は、次のようになる。
|jωL|>2π×1MHz×100μH≒600Ω
この値は、伝送インピーダンスZ=50Ωの10倍以上であるので、高周波パルスの終端反射波形はオープンのときと同じになる。このため、負荷インピーダンス部30を設けなかった場合、移動ケーブル2が断線しても、従来と同様に断線検出が困難になる。
しかし、負荷インピーダンス部30を設けた場合には、トランス41の1次側捲線41aに並列接続した負荷インピーダンス部30のインピーダンス(1/jωC)は、次のようになる。
1/|jωC|<1/(2π×1MHz×0.1μF)≒1Ω
この値は、Z=50Ωの1/10以下であるから、高周波パルスの終端からの反射パルスは、短絡のときと同じように見える。従って、ケーブル断線時の開放波形を明確に検出することができる。また、商用周波数(50Hz)における負荷インピーダンス部30のインピーダンスは、次のようになる。
1/|jωC|=1/(2π・50Hz・0.1μF)≒30kΩ
この値は、十分に大きな値であるため、板金溶接機40の動作に障害を与えることはない。
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想を逸脱あるいは変更しない範囲内で種々な変形が可能である。例えば、上記実施の形態においては、完全断線を例にしたが、これに限らず、素線が部分断線した場合の検出に本発明を適用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る断線検出装置を示す接続図である。 伝送路の健全時及び断線時の伝送路モデルを示し、(a)は伝送路が健全時の伝送路モデル、(b)は伝送路が断線時の伝送路モデルである。 図2に示す伝送路の健全時と断線時の測定波形を示す波形図である。 本発明の第2の実施の形態に係る断線時及び短絡時の波形を示す波形図である。 比較例の伝送路モデルを示し、(a)は伝送路が健全なときの伝送路モデル、(b)は伝送路に断線が生じたときの伝送路モデルである。 比較例におけるケーブル健全時と断線時の測定波形を示す波形図である。 本発明の実施例を示す接続図である。
符号の説明
1 機器
2 移動ケーブル
3 電源装置
4A〜4C ケーブル
4a,4b パルス注入部
5A〜5C ケーブル
6A,6B,7A,7B 高周波阻止用インダクタ
10 断線検出装置
11 高周波パルス発生器
12A,12B 高周波パルス注入用コンデンサ
13A,13B 高周波CT
14 波形記録測定器
23 伝送路
23a パルス入射端
23b 終端
25 断線部
30 負荷インピーダンス部
40 板金溶接機
41 トランス
41a 1次側捲線
41b 2次側捲線
42 スポット溶接ガン

Claims (4)

  1. 高周波パルス電流を複数の導体を有する電線またはケーブルの少なくとも2本の導体の一端側からそれぞれ注入し、この注入による前記高周波パルス電流が前記2本の導体の他端側からそれぞれ反射パルス電流として反射してくる波形を前記2本の導体の前記一端側でそれぞれ測定し、この波形に基づいて前記電線またはケーブルの前記2本の導体の少なくとも何れかの導体の断線を検出する電線・ケーブルの断線検出方法であって、
    前記2本の導体の他端側のみに前記2本の導体を接続する負荷インピーダンスが設けられ、
    前記負荷インピーダンスは、前記高周波パルス電流の周波数帯域において前記電線またはケーブルの伝送インピーダンスより小さくなる値に設定されていると共に、前記高周波パルス電流の周波数帯域における値が、前記電線またはケーブルの伝送インピーダンスの1/10以下であることを特徴とする電線・ケーブルの断線検出方法。
  2. 前記負荷インピーダンスは、前記電線またはケーブルで用いられる商用周波数の周波数帯域において前記電線またはケーブルの伝送インピーダンスより大きくなる値に設定されていると共に、前記電線またはケーブルの使用する商用周波数の周波数帯域における値が、前記電線またはケーブルの伝送インピーダンスの10倍以上であることを特徴とする請求項1記載の電線・ケーブルの断線検出方法。
  3. 複数の導体を有する電線またはケーブルの少なくとも2本の導体の一端のパルス入射端から高周波パルス電流を前記電線またはケーブルの前記2本の導体にそれぞれ注入する高周波パルス電流発生器と、
    前記2本の導体の終端のみに設けられ、前記2本の導体を接続する負荷インピーダンスと、
    前記高周波パルス電流発生器から前記2本の導体のそれぞれに注入された前記高周波パルス電流が前記2本の導体の他端側からそれぞれ反射してくる反射パルス電流を含む波形を前記パルス入射端において検出する電流センサと、
    前記電流センサが検出した波形を記録する波形記録測定器と、
    を有し、
    前記負荷インピーダンスは、前記高周波パルス電流の周波数帯域において前記電線またはケーブルの伝送インピーダンスより小さくなる値に設定されていると共に、前記高周波パルス電流の周波数帯域における値が、前記電線またはケーブルの伝送インピーダンスの1/10以下であることを特徴とする電線・ケーブルの断線検出装置。
  4. 前記負荷インピーダンスは、更に、前記電線またはケーブルで用いられる商用周波数の周波数帯域において前記電線またはケーブルの伝送インピーダンスより大きな値のインピーダンスに設定されていると共に、前記電線またはケーブルの使用する商用周波数の周波数帯域における値が、前記電線またはケーブルの伝送インピーダンスの10倍以上であることを特徴とする請求項3に記載の電線・ケーブルの断線検出装置。
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