JP5079453B2 - 車両のクラッチ制御装置 - Google Patents

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この発明は、車両のクラッチ制御装置に関する。
従来、エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路中に設けられて外部からの供給油圧により接続状態となる油圧式のクラッチを備える車両のクラッチ制御装置において、前記クラッチを徐々に接続状態とするべく、該クラッチへの供給油圧を制御するソレノイドバルブにパルス状の駆動電流を供給するものがある(例えば、特許文献1,2参照。)。
特開昭59−219549号公報 実開昭63−161036号公報
ところで、上記クラッチ制御装置においては、クラッチ接続動作を開始してから実際にクラッチ接続状態になるまでの間に、ソレノイドバルブの応答性の影響等による遅れが生じることがあり、迅速かつスムーズな発進及び変速を行うことが難しかった。
そこでこの発明は、エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路中に油圧式のクラッチを備える車両のクラッチ制御装置において、クラッチ接続時の動作遅れを抑えて迅速かつスムーズな発進及び変速を可能とすることを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、エンジン(13)と駆動輪(11)との間の動力伝達経路中に設けられて外部からの供給油圧により接続状態となる油圧式のクラッチ(26)を備える車両のクラッチ制御装置において、前記クラッチ(26)を接続状態とする以前に、該クラッチ(26)にこれを切断状態に保ちつつ間欠的な油圧を加え、その後に該クラッチ(26)に所定油圧を加えて接続状態へ移行させ、前記クラッチ(26)への供給油圧を制御するソレノイドバルブ(91a)を備え、前記ソレノイドバルブ(91a)への供給電流の制御により前記クラッチ(26)への供給油圧を制御し、
前記クラッチ(26)を接続状態とする以前に、前記ソレノイドバルブ(91a)にパルス状の駆動電流を供給し、該パルス状の駆動電流は、印可後に、前記クラッチ(26)への油圧が一旦0となる程度に設定し、前記パルス状の駆動電流の振幅値を徐々に小さくすることを特徴とする。
請求項に記載した発明は、前記クラッチは、一対のクラッチ本体(51a,51b)の持ち替えにより変速段を切り替えるツインクラッチ式変速制御システムのツインクラッチであることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、間欠的な油圧の供給により、切断状態にあるクラッチへの供給油圧に適宜脈動が付与されることで、クラッチ接続時の動作遅れが抑えられ、迅速かつスムーズな発進及び変速を行うことが可能となり、車両のドライバビリティの向上を図ることができる。
また、クラッチへの供給油圧を容易かつ確実に制御することができる。さらに、クラッ
チへの供給油圧に適度な脈動を付与でき、該クラッチの接続動作の遅れを効率よく抑える
ことができる。
さらに、クラッチ接続初期の動きを早め、その後に油圧脈動を徐々に抑えることによって、クラッチの接続動作を安定した油圧で素早く行うことができる。また、ソレノイドバルブの消費電力もさらに低減させることができる。
請求項に記載した発明によれば、クラッチ接続前の待機状態が存在しうるツインクラッチにおいて、クラッチ持ち替え時の動作遅れを抑え、クラッチの接続動作がスムーズになり、車両のドライバビリティの向上を図ることができる。
以下、この発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ車両における向きと同一とする。また、図中矢印FRは車両前方を、矢印LHは車両左方を、矢印UPは車両上方をそれぞれ示す。
図1に示すように、自動二輪車(鞍乗り型車両)1の前輪2を軸支するフロントフォーク3の上部は、ステアリングステム4を介して車体フレーム5前端部のヘッドパイプ6に操舵可能に枢支される。ステアリングステム4(又はフロントフォーク3)の上部には操向ハンドル4aが取り付けられる。ヘッドパイプ6からはメインフレーム7が後方に延びてピポットプレート8に連なる。ピボットプレート8にはスイングアーム9の前端部が上下揺動可能に枢支され、該スイングアーム9の後端部には後輪11が軸支される。スイングアーム9と車体フレーム5との間にはクッションユニット12が介設される。車体フレーム5の内側には、自動二輪車1の原動機であるエンジン(内燃機関)13が懸架される。
図2を参照し、エンジン13は、クランクシャフト21の回転中心軸線C1を車幅方向(左右方向)に沿わせた並列四気筒エンジンであり、そのクランクケース14上にはシリンダ15が立設され、該シリンダ15内には各気筒に対応するピストン18が往復動可能に嵌装され、該各ピストン18の往復動がコンロッド19を介してクランクシャフト21の回転動に変換される。シリンダ15の後部にはスロットルボディ16が接続され、シリンダ15の前部には排気管17が接続される。
クランクケース14の後方にはミッションケース22が一体に連なり、該ミッションケース22内にはツインクラッチ式変速機23及びチェンジ機構24が収容される。ミッションケース22の右側部はクラッチケース25とされ、該クラッチケース25内にはツインクラッチ式変速機23のツインクラッチ26が収容される。エンジン13の動力源であるクランクシャフト21の回転動力は、前記ツインクラッチ式変速機23を介してミッションケース22左側に出力された後、例えばチェーン式の動力伝達機構を介して後輪11に伝達される。なお、図中符号C2,C3はツインクラッチ式変速機23のメインシャフト28及びカウンタシャフト29の回転中心軸線をそれぞれ示す。
図3に示すように、自動二輪車1には、エンジン13に連設される前記ツインクラッチ式変速機23と、前記チェンジ機構24に駆動機構39を設けてなるギヤシフト装置41と、前記ツインクラッチ式変速機23及びギヤシフト装置41を作動制御する電子コントロールユニット(ECU)42とを主にツインクラッチ式変速制御システムが構成される。
図4を併せて参照し、ツインクラッチ式変速機23は、内外シャフト43,44からなる二重構造の前記メインシャフト28と、該メインシャフト28と平行に配置される前記カウンタシャフト29と、メインシャフト28及びカウンタシャフト29に跨って配置される変速ギヤ群45と、メインシャフト28の右端部に同軸配置される前記ツインクラッチ26と、該ツインクラッチ26に作動用油圧を供給する油圧供給装置46とを有してなる。以下、メインシャフト28、カウンタシャフト29及び変速ギヤ群45からなる集合体をトランスミッション47とする。
メインシャフト28は、ミッションケース22の左右に渡る内シャフト43の右側部を外シャフト44内に相対回転可能に挿通してなる。内外シャフト43,44の外周には、変速ギヤ群45における六速分の駆動ギヤ48a〜48fが振り分けて配置される。一方、カウンタシャフト29の外周には、変速ギヤ群45における六速分の従動ギヤ49a〜49fが配置される。各駆動ギヤ48a〜48f及び従動ギヤ49a〜49fは、対応する変速段同士で互いに噛み合い、それぞれ各変速段に対応する変速ギヤ対45a〜45fを構成する。なお、各変速ギヤ対45a〜45fは、一速から六速の順に減速比が小さくなる(高速ギヤとなる)。
内シャフト43の左端部はミッションケース22の左側壁22aに至り、該左側壁22aにボールベアリング73を介して回転可能に支持される。
一方、内シャフト43の右側部は、ミッションケース22の右側壁22bを貫通してクラッチケース25内に臨み、該内シャフト43の左右中間部が、同じく右側壁22bを貫通する外シャフト44の左右中間部及びボールベアリング77を介して、ミッションケース22の右側壁22bに回転可能に支持される。
外シャフト44は内シャフト43よりも短く、その左端部はミッションケース22の左右中間部で終端する。外シャフト44における前記右側壁22bよりも左方に位置する部位には、変速ギヤ群45における偶数変速段(二,四,六速)に対応する駆動ギヤ48b,48d,48fが、左側から四速用、六速用、二速用の順に支持される。一方、内シャフト43における外シャフト44の左端部よりも左方に位置する部位には、変速ギヤ群45における奇数変速段(一,三,五速)に対応する駆動ギヤ48a,48c,48eが、左側から一用、五速用、三速用の順に支持される。
カウンタシャフト29の左右端部は、ミッションケース22の左右側壁22a,22bにそれぞれボールベアリング82,86を介して回転可能に支持される。カウンタシャフト29の左端部は左側壁22aの左方に突出し、該左端部には前記後輪11への動力伝達機構のドライブスプロケット83が取り付けられる。
カウンタシャフト29におけるミッションケース22の内側に位置する部位には、変速ギヤ群45における各変速段に対応する従動ギヤ49a〜49fが、前記各駆動ギヤ48a〜48fと同様の順に支持される。
メインシャフト28(内シャフト43)及びカウンタシャフト29の内部には、エンジン13内各部へのオイル圧送用のメインオイルポンプ(不図示)からの油圧を供給可能な主供給油路71,72がそれぞれ形成され、該各主供給油路71,72を介して変速ギヤ群45に適宜エンジンオイルが供給される。
ツインクラッチ26は、互いに同軸に隣接配置される油圧式の第一及び第二ディスククラッチ(以下、単にクラッチということがある)51a,51bを有してなり、これら各クラッチ51a,51bに前記内外シャフト43,44がそれぞれ同軸に連結される。各クラッチ51a,51bが共有するクラッチアウタ56には、クランクシャフト21のプライマリドライブギヤ58aに噛み合うプライマリドリブンギヤ58が同軸に設けられ、これら各ギヤ58,58aを介して、クラッチアウタ56にクランクシャフト21からの回転駆動力が入力される。クラッチアウタ56に入力された回転動力は、各クラッチ51a,51bの断続状態に応じて内外シャフト43,44に個別に伝達される。各クラッチ51a,51bの断続状態は、前記油圧供給装置46からの油圧供給の有無により個別に制御される。
そして、前記各クラッチ51a,51bの一方を接続状態とすると共に他方を切断状態とし、内外シャフト43,44の一方に連結された何れかの変速ギヤ対を用いてトランスミッション47内の動力伝達を行うと共に、内外シャフト43,44の他方に連結された変速ギヤ対の中から次に用いるものを予め選定し、この状態から前記各クラッチ51a,51bの一方を切断状態とすると共に他方を接続状態とすることで、トランスミッション47の動力伝達が前記予め選定した変速ギヤ対を用いたものに切り替わり、もってトランスミッション47のシフトアップ又はシフトダウンがなされる。
図3に示すように、油圧供給装置46は、ツインクラッチ26用の油圧発生源であるクラッチ用オイルポンプ32と、該クラッチ用オイルポンプ32の吐出口から延びる送給油路35と、該送給油路35の下流側に接続される第一及び第二クラッチアクチュエータ91a,91bと、該各クラッチアクチュエータ91a,91bから各クラッチ51a,51bの接続側油圧室54a,54b(図4参照)に至る第一及び第二供給油路92a,92bとを有してなる。
クラッチ用オイルポンプ32は前記メインオイルポンプとは別個に設けられ、クランクケース14下のオイルパン36内のエンジンオイルを吸入して送給油路35内に吐出する。送給油路35には該油路専用のオイルフィルタ89が設けられる。
なお、図中符号S6,S7は送給油路35内の油圧及び油温を検出する油圧センサ及び油温センサを、符号Rは送給油路35内の油圧の上昇を制御するリリーフバルブを、符号S8,S9は各供給油路92a,92b内の油圧すなわち各クラッチ51a,51bへの供給油圧を検出する油圧センサをそれぞれ示す。
送給油路35と第一及び第二供給油路92a,92bとは、各クラッチアクチュエータ91a,91bの作動により個別に連通可能であり、送給油路35と第一供給油路92aとが第一クラッチアクチュエータ91aを介して連通した際には、クラッチ用オイルポンプ32からの比較的高圧の油圧が第一供給油路92aを介して第一クラッチ51aの接続側油圧室54aに供給されて該第一クラッチ51aが接続状態となる。一方、送給油路35と第二供給油路92bとが第二クラッチアクチュエータ91bを介して連通した際には、クラッチ用オイルポンプ32からの油圧が第二供給油路92bを介して第二クラッチ51bの接続側油圧室54bに供給されて該第二クラッチ51bが接続状態となる。
送給油路35からは油圧逃がしバルブ95を有する油圧逃がし油路96aが分岐する。油圧逃がしバルブ95はバルブアクチュエータ95aにより作動し、油圧逃がし油路96aの開通、遮断を切り替える。バルブアクチュエータ95aは前記電子コントロールユニット42により作動制御され、例えばエンジン始動時には油圧逃がし油路96aを開通してクラッチ用オイルポンプ32からのフィード油圧をオイルパン36に戻し、エンジン始動後には油圧逃がし油路96aを遮断してツインクラッチ26に前記フィード油圧を供給可能とする。
なお、各クラッチアクチュエータ91a,91bには、送給油路35と第一及び第二供給油路92a,92bとの連通を遮断した際にクラッチ用オイルポンプ32からの油圧をオイルパン内に戻す戻し油路93a,93bがそれぞれ設けられる。
図3,5に示すように、チェンジ機構24は、各シャフト28,29と平行に配置されたシフトドラム24aの回転により複数(この実施例では四つ)のシフトフォーク24bを軸方向で移動させ、メインシャフト28及びカウンタシャフト29間の動力伝達に用いる変速ギヤ対(変速段)を切り替える。
各シフトフォーク24bは、メインシャフト28側に延びるものとカウンタシャフト29側に延びるものとでそれぞれ対をなし、これらの基端側が一対のシフトフォークロッド24cにそれぞれ軸方向で移動可能に支持される。各シフトフォーク24bの基端側には、シフトドラム24a外周の複数のカム溝24dの何れかに係合する摺動突部24eがそれぞれ設けられる。各シフトフォーク24bは、メインシャフト28側及びカウンタシャフト29側においてその先端部を変速ギヤ群45における後述のスライドギヤに係合させる。そして、シフトドラム24aの回転時には、各カム溝24dのパターンに沿って各シフトフォーク24bを軸方向で移動させ、前記スライドギヤを軸方向で移動させてトランスミッション47の変速段を変化させる。
シフトドラム24aの一端側には前記駆動機構39が設けられる。駆動機構39は、チェンジ機構24のシフトドラム24aに同軸固定されるピンギヤ39aと、該ピンギヤ39aに係合するウォーム状のバレルカム39bと、該バレルカム39bに回転駆動力を付与する電気モータ39cとを有してなり、前記電気モータ39cの駆動によりシフトドラム24aを適宜回転させてトランスミッション47の変速段を変化させる。
なお、図中符号S1はトランスミッション47の変速段検知用に駆動機構39の作動量を検出するセンサを、符号DSはシフトドラム24aの実際の回転角度を検出する回転角度センサを、符号DTはシフトドラム24aの変速段毎の回転角度を規定するディテントをそれぞれ示す。
図4に示すように、トランスミッション47は、各変速段に対応する駆動ギヤ48a〜48fと従動ギヤ49a〜49fとが常に噛み合った常時噛み合い式とされる。各ギヤは、その支持軸(各シャフト28,29)に対して一体回転可能な固定ギヤと、支持軸に対して相対回転可能なフリーギヤと、シャフトに対して一体回転可能かつ軸方向で移動可能なスライドギヤとに大別される。
具体的には、駆動ギヤ48a,48bは固定ギヤとされ、駆動ギヤ48c,48dはスライドギヤとされ、駆動ギヤ48e,48fはフリーギヤとされる。また、従動ギヤ49a〜49dはフリーギヤとされ、従動ギヤ49e,49fはスライドギヤとされる。以下、各ギヤ48c,48d,49e,49fをスライドギヤ、各ギヤ48e,48f,49a〜49dをフリーギヤという。
そして、前記チェンジ機構24により任意のスライドギヤを適宜スライド(軸方向で移動)させることで、何れかの変速段に応じた変速ギヤ対を用いた動力伝達が可能となる。
スライドギヤ48c,48dの一側には、これらと同様に支持軸に対して一体回転可能かつ軸方向で移動可能なスライドリングSc,Sdがそれぞれ一体に設けられる。各スライドリングSc,Sdは、フリーギヤ48e,48fにそれぞれ軸方向で隣接して設けられる。各スライドリングSc,Sdには、それぞれスライド側ドッグ(ダボ)D1c,D1dが設けられ、各フリーギヤ48e,48fには、それぞれ各スライド側ドッグD1c,D1dに対応するフリー側ドッグ(ダボ)D1e,D1fが設けられる。
また、スライドギヤ49e,49fの一側には、これらと同様に支持軸に対して一体回転可能かつ軸方向で移動可能なスライドリングSe,Sfが一体に設けられる。各スライドリングSe,Sfは、フリーギヤ49c,49dにそれぞれ軸方向で隣接して設けられる。各スライドリングSe,Sfには、それぞれスライド側ドッグ(ダボ)D2e,D2fが設けられ、各フリーギヤ49c,49dには、それぞれ各スライド側ドッグD2e,D2fに対応するフリー側ドッグ(ダボ)D2c,D2dが設けられる。
さらに、各スライドギヤ49e,49fの他側には、それぞれスライド側ドッグ(ダボ)D3e,D3fが設けられ、これらに軸方向で隣接するフリーギヤ49a,49bには、それぞれ各スライド側ドッグD3e,D3fに対応するフリー側ドッグ(ダボ)D3a,D3bが設けられる。
各スライド側ドッグ及びフリー側ドッグは、対応するスライドギヤ(スライドリング含む)及びフリーギヤ同士が近接した際に互いに相対回転不能に係合し、前記スライドギヤ及びフリーギヤ同士が離間した際に前記係合を解除する。
そして、各ドッグを介して各スライドギヤの何れかと対応するフリーギヤとが相対回転不能に係合することで、メインシャフト28及びカウンタシャフト29間で何れかの変速ギヤ対を選択的に用いた動力伝達が可能となる。
なお、各スライドギヤ及びフリーギヤ間の係合が全て解除された状態(図4に示す状態)では、両シャフト28,29間の動力伝達が不能となり、この状態がトランスミッション47のニュートラル状態となる。
図3に示すように、電子コントロールユニット42は、前記各センサからの情報の他に、スロットルボディ16のスロットルバルブの開度センサTS、サイドスタンド(又はセンタスタンド)の格納センサ(スイッチ)SS、及び前輪2の車輪速センサWS、並びに例えば操向ハンドル4aに設けたモードスイッチSW1、ギヤセレクトスイッチSW2、ニュートラル−ドライブ切り替えスイッチSW3等からの情報に基づき、ツインクラッチ式変速機23及びギヤシフト装置41の作動を制御してトランスミッション47の変速段(シフトポジション)を変化させる。
前記モードスイッチSW1により選択される変速モードは、車速(車輪速)及びエンジン回転数等の車両情報に基づきトランスミッション47の変速段を自動で切り替えるフルオートマチックモードと、運転者の意志に基づき前記セレクトスイッチSW2の操作のみでトランスミッション47の変速段を切り替え可能とするセミオートマチックモードとがある。現在の変速モード及び変速段は、例えば操向ハンドル4a近傍に設けたメータ装置Mに表示される。また、前記ニュートラル−ドライブスイッチSW3の操作により、トランスミッション47を所定の変速段で動力伝達が可能な状態とニュートラル状態との間で切り替え可能である。
なお、図中符号S2は車速検知用にメインシャフト28の回転数を検出する(カウンタシャフト29と一体回転する従動ギヤ49eに噛み合う駆動ギヤ48eの回転数を検出する)車速センサを、符号S3はエンジン回転数(クランクシャフト21の回転数)検知用にプライマリドリブンギヤ58の回転数を検出する回転数センサをそれぞれ示す。電子コントロールユニット42は、燃料噴射装置用のECU42aと各センサからの情報を共有する。
図4に示すように、ツインクラッチ26は、奇数変速段用の変速ギヤ対に連結される第一クラッチ51aをクラッチケース25内の右側(車幅方向外側)に、偶数変速段用の変速ギヤ対に連結される第二クラッチ51bをクラッチケース25内の左側(車幅方向内側)にそれぞれ配置してなる。各クラッチ51a,51bは、その軸方向で交互に重なる複数のクラッチ板(各クラッチプレート61a,61b及び各クラッチディスク66a,66b)を有する湿式多板クラッチとされる。
各クラッチ51a,51bは、外部からの供給油圧によりプレッシャプレート52a,52bを軸方向で変位させて所定の係合力を得る油圧式とされ、前記プレッシャプレート52a,52bをクラッチ切断側に付勢する戻しスプリング53a,53bと、プレッシャプレート52a,52bにクラッチ接続側への押圧力を付与する接続側油圧室54a,54bと、プレッシャプレート52a,52bにクラッチ切断側への押圧力を付与してその戻り動作を補助する切断側油圧室55a,55bとをそれぞれ有する。
切断側油圧室55a,55bには、前記メインオイルポンプからの比較的低圧な油圧が常時供給され、接続側油圧室54a,54bには、油圧供給装置46(クラッチ用オイルポンプ32)からの比較的高圧な油圧が選択的かつ個別に供給される。
各クラッチ51a,51bは、単一のクラッチアウタ56を共有して略同一径に構成される。クラッチアウタ56は右方に開放する有底円筒状をなし、その底部中央部が外シャフト44の左右中間部に相対回転可能に支持される。クラッチアウタ56の内側には第一クラッチ51a用のクラッチセンタ57aが配置され、クラッチアウタ56の内側には第二クラッチ51b用のクラッチセンタ57bが配置される。クラッチセンタ57aは内シャフト43の右端部に一体回転可能に支持され、クラッチセンタ57bは外シャフト44の右端部に一体回転可能に支持される。
クラッチアウタ56の底部左側には、スプリングダンパー59を介してプライマリドリブンギヤ58が取り付けられ、該プライマリドリブンギヤ58には、前記クランクシャフト21のプライマリドライブギヤ58aが噛み合う。すなわち、クラッチアウタ56には、クランクシャフト21の回転動力がスプリングダンパー59を介して入力される。クラッチアウタ56は、クランクシャフト21の回転に伴いメインシャフト28とは個別に回転する。
クラッチアウタ56におけるプライマリドリブンギヤ58よりも左側には、前記各オイルポンプ駆動用のドライブスプロケット56bが一体回転可能に設けられる。クラッチアウタ56の右内周には第一クラッチ51a用の複数のクラッチプレート61aが一体回転可能に支持され、クラッチアウタ56の左内周には第二クラッチ51b用の複数のクラッチプレート61bが一体回転可能に支持される。
クラッチアウタ56の外周には軸方向に沿う複数の係合溝が形成されると共に、各クラッチプレート61a,61bの外周には前記各係合溝に対応する複数の係合突部が形成され、前記各係合溝に前記各係合突部が相対回転不能に係合することで、各クラッチプレート61a,61bがクラッチアウタ56に一体回転可能に支持される。
第一クラッチ51aのクラッチセンタ57a左側のフランジ部64aには、右方に向けて起立する内壁部65aが設けられ、該内壁部65aの外周には複数のクラッチディスク(フリクションプレート)66aが一体回転可能に支持される。
クラッチセンタ57aの外周には軸方向に沿う複数の係合溝が形成されると共に、各クラッチディスク66aの内周には前記係合溝に対応する複数の係合突部が形成され、前記各係合溝に前記各係合突部が相対回転不能に係合することで、各クラッチディスク66aがクラッチセンタ57aに一体回転可能に支持される。
フランジ部64aの右方には前記プレッシャプレート52aが対向配置され、このプレッシャプレート52aの外周側とフランジ部64aの外周側との間には、前記各クラッチプレート61a及び各クラッチディスク66aが、軸方向で交互に重なった積層状態で配置される。
プレッシャプレート52aの内周側とフランジ部64aの内周側との間には、前記切断側油圧室55aが形成されると共に、プレッシャプレート52aを右方(フランジ部64aから離間する側、クラッチ切断側)に付勢する戻しスプリング53aが配置される。
プレッシャプレート52aの内周側の右方には、クラッチセンタ57a右側の中央筒部62aの外周に設けられたサポートフランジ部67aが対向配置され、このサポートフランジ部67aとプレッシャプレート52aの内周側との間に、前記接続側油圧室54aが形成されると共に戻しスプリング53aが配置される。
一方、第二クラッチ51bのクラッチセンタ57b左側のフランジ部64bには、右方に向けて起立する内壁部65bが設けられ、該内壁部65bの外周には複数のクラッチディスク66bが一体回転可能に支持される。
クラッチセンタ57bの外周には軸方向に沿う複数の係合溝が形成されると共に、各クラッチディスク66bの内周には前記係合溝に対応する複数の係合突部が形成され、前記各係合溝に前記各係合突部が相対回転不能に係合することで、各クラッチディスク66bがクラッチセンタ57bに一体回転可能に支持される。
フランジ部64bの右方には前記プレッシャプレート52bが対向配置され、このプレッシャプレート52bの外周側とフランジ部64bの外周側との間には、前記各クラッチプレート61b及び各クラッチディスク66bが、軸方向で交互に重なった積層状態で配置される。
プレッシャプレート52bの内周側とフランジ部64bの内周側との間には、前記切断側油圧室55bが形成されると共に、プレッシャプレート52bを右方(フランジ部64bから離間する側、クラッチ切断側)に付勢する戻しスプリング53bが配置される。
プレッシャプレート52bの内周側の右方には、クラッチセンタ57b右側の中央筒部62bの外周に設けられたサポートフランジ部67bが対向配置され、このサポートフランジ部67bとプレッシャプレート52bの内周側との間に、前記接続側油圧室54bが形成されると共に戻しスプリング53bが配置される。
前記クラッチケース25の右側を構成するクラッチカバー69には、第一供給油路92a、第二供給油路92b、及びカバー内主供給油路71aがそれぞれ設けられる。また、内シャフト43の右中空部43a内には、前記各油路92a,92b,71aと個別に連通する油路が適宜形成される。
そして、第二供給油路92b等を通じてクラッチ用オイルポンプ32からの油圧が第二クラッチ51bの接続側油圧室54bに供給可能となり、カバー内主供給油路71a等を通じて前記メインオイルポンプからの油圧が第一クラッチ51aの切断側油圧室55aに供給可能となり、第一供給油路92a等を通じてクラッチ用オイルポンプ32からの油圧が第一クラッチ51aの接続側油圧室54aに供給可能となる。なお、第二クラッチ51bの切断側油圧室55bには、主供給油路71等を通じて前記メインオイルポンプからの油圧が供給可能となる。
各クラッチ51a,51bは、エンジン停止状態(前記各オイルポンプの停止状態)では、各戻しスプリング53a,53bの付勢力によりプレッシャプレート52a,52bが右方に変位し、各クラッチプレート61a,61b及び各クラッチディスク66a,66bの摩擦係合が解除されたクラッチ切断状態となる。また、エンジン運転状態であっても油圧供給装置46からの油圧供給が停止した状態では、プレッシャプレート52a,52bに戻しスプリング53a,53bの付勢力及び各切断側油圧室55a,55bの油圧が作用し、前記同様にクラッチ切断状態となる。
一方、第一クラッチ51aにおいて、エンジン運転状態かつ油圧供給装置46から接続側油圧室54aに比較的高圧の油圧が供給される状態では、切断側油圧室55aの油圧及び戻しスプリング53aの付勢力に抗してプレッシャプレート52aが左方(フランジ部64a側、クラッチ接続側)に移動し、各クラッチプレート61a及び各クラッチディスク66aが挟圧されてこれらが摩擦係合することで、クラッチアウタ56とクラッチセンタ57aとの間でのトルク伝達が可能となったクラッチ接続状態となる。
同様に、第二クラッチ51bにおいて、エンジン運転状態かつ油圧供給装置46から接続側油圧室54bに比較的高圧の油圧が供給される状態では、切断側油圧室55bの油圧及び戻しスプリング53bの付勢力に抗してプレッシャプレート52bが左方(フランジ部64b側、クラッチ接続側)に移動し、各クラッチプレート61b及び各クラッチディスク66bが挟圧されてこれらが摩擦係合することで、クラッチアウタ56とクラッチセンタ57bとの間でのトルク伝達が可能となったクラッチ接続状態となる。
なお、各クラッチ51a,51bのクラッチ接続状態から接続側油圧室54a,54bへの油圧供給が停止すると、切断側油圧室55a,55bの油圧及び戻しスプリング53a,53bの付勢力によりプレッシャプレート52a,52bが方に変位し、各クラッチプレート61a,61b及び各クラッチディスク66a,66bの摩擦係合が解除され、クラッチアウタ56とクラッチセンタ57a,57bとの間のトルク伝達が不能となった前記クラッチ切断状態となる。


各クラッチ51a,51bの切断側油圧室55a,55bに供給されたエンジンオイルは、内壁部65a,65b等に適宜形成された油路を介して油圧室外に導かれ、内壁部65a,65b外周の各クラッチプレート61a,61b及び各クラッチディスク66a,66bに適宜供給される。このように切断側油圧室55a,55b内の作動油を逃がすことで、切断側油圧室55a,55b内の油圧を所定の低圧状態に保ち、かつ切断状態にある各クラッチ51a,51bにおける各クラッチプレート61a,61b及び各クラッチディスク66a,66bの潤滑性及び冷却性を向上させる。
上記ツインクラッチ式変速機23において、自動二輪車1のエンジン始動後であっても、サイドスタンドが起立している等により停車状態であると判断される場合には、各クラッチ51a,51bの両者がクラッチ切断状態に保たれる。そして、例えばサイドスタンドが格納されたり各スイッチSW1,SW2,SW3が操作された場合には、自動二輪車1の発進準備としてトランスミッション47がニュートラル状態から一速ギヤ(発進ギヤ、変速ギヤ対45a)を用いての動力伝達を可能とした一速状態となり、この状態から例えばエンジン回転数が上昇することで、第一クラッチ51aが半クラッチを経てクラッチ接続状態となって自動二輪車1を発進させる。
自動二輪車1の走行時には、各クラッチ51a,51bにおける現在のシフトポジションに対応する一方のみが接続状態となり、他方は切断状態のままとなる。これにより、内外シャフト43,44の一方及び各変速ギヤ対45a〜45fの何れかを介しての動力伝達が行われる。このとき、車両情報に基づき電子コントロールユニット42がツインクラッチ式変速機23の作動を制御し、次のシフトポジションに対応する変速ギヤ対を用いての動力伝達が可能な状態を予め作り出す。
具体的には、現在のシフトポジション(変速段)が例えば奇数段(又は偶数段)であれば、次のシフトポジションは偶数段(又は奇数段)となるので、偶数段(又は奇数段)の変速ギヤ対を用いての動力伝達が可能な状態を予め作り出す。
このとき、第一クラッチ51aは接続状態だが第二クラッチ51b(又は第一クラッチ51a)は切断状態にあり、外シャフト44(又は内シャフト43)及び偶数段(又は奇数段)の変速ギヤ対にはエンジン出力(クランクシャフト21の回転動力)が伝達されない。
その後、電子コントロールユニット42がシフトタイミングに達したと判断した際には、前記第一クラッチ51a(又は第二クラッチ51b)を切断状態とすると共に前記第二クラッチ51b(又は第一クラッチ51a)を接続状態とすることのみで、予め選定した次のシフトポジションに対応する変速ギヤ対を用いた動力伝達に切り替わる。これにより、変速時のタイムラグや動力伝達の途切れを生じさせない迅速かつスムーズな変速が可能となる。
ここで、各クラッチアクチュエータ91a,91bはソレノイドバルブであり、特に供給電流の変化に対して比例的に作動量を変化させるリニアソレノイドバルブとされ、少ない電流値でも応答性よく作動可能である。これら各クラッチアクチュエータ91a,91bへの供給電流を制御することで、ツインクラッチ26の各ディスククラッチ51a,51bへの供給油圧を制御可能である。
ツインクラッチ式変速機23において、自動二輪車1の発進準備がなされた状態(すなわちトランスミッション47が一速ギヤ(発進ギヤ、変速ギヤ対45a)を用いての動力伝達が可能となった状態)では、発進ギヤに連なる第一ディスククラッチ51aが切断状態となって待機する。この状態において、第一クラッチアクチュエータ91aには、図6(a)に示すように、パルス状の駆動電流Dが制御電流として供給される。
図6(a)に示す駆動電流Dの振幅値及び周波数は一定であり、この駆動電流Dが第一クラッチアクチュエータ91aに供給されることで、第一ディスククラッチ51aの接続側油圧室54aには、該第一ディスククラッチ51aの制御油圧として、駆動電流Dのパルス毎に急峻に立ち上がる間欠的な油圧Yが供給される。なお、前記駆動電流Dの振幅値及び周波数(パルス間隔)は、前記間欠的な油圧Yを一旦0に戻すことが可能な程度に設定されており、第一ディスククラッチ51aの制御油圧が駆動電流Dのパルス毎に増加し続けることはない。そして、前記間欠的な油圧Yの供給により、第一クラッチアクチュエータ91aよりも下流側の第一供給油路92a及び接続側油圧室54a内の作動油(エンジンオイル)に適宜脈動が付与されることとなる。
前記間欠的な油圧Yが第一ディスククラッチ51aに供給されることで、該第一ディスククラッチ51aのプレッシャプレート52aは、その動作量(ストローク量)Sを前記間欠的な油圧Yが供給される毎(すなわち前記駆動電流Dのパルス毎)に波状に増減させるように作動する。なお、前記駆動電流Dの振幅値及び周波数は、前記波状の動作量Sを一旦0に戻すことが可能な程度に設定されており、該動作量Sが駆動電流Dのパルス毎に増加し続けることはない。また、第一ディスククラッチ51aに供給される油圧Yの振幅値は、該第一ディスククラッチ51aを接続状態とはしない(切断状態に保つ)程度に設定される。
この状態から、エンジン回転数やスロットル開度が所定値以上になると、電子コントロールユニット42に発進フラグ(クラッチ接続フラグ)が立ち、第一クラッチアクチュエータ91aへの所定電流の供給が開始され、これに伴い第一ディスククラッチ51aの接続側油圧室54aへの所定油圧の供給が開始され、もって第一ディスククラッチ51aのプレッシャプレート52aがクラッチ接続側へストロークする。これにより、第一ディスククラッチ51aがクラッチ接続状態となり、自動二輪車1が発進可能となる。
このとき、第一ディスククラッチ51aの接続側油圧室54a及び第一供給油路92a内の作動油に脈動が付与されていることで、電子コントロールユニット42から発進命令(クラッチ接続命令)が出力された際には、第一ディスククラッチ51aへの油圧供給が速やかに開始され、第一ディスククラッチ51aの接続動作の遅れが抑えられる。
なお、図6(b)は、第一ディスククラッチ51aの接続待機状態において、第一クラッチアクチュエータ91aに駆動電流を供給せず、すなわち第一ディスククラッチ51aに油圧を供給せず、もって該第一ディスククラッチ51aをクラッチ接続フラグが立つまで作動させない場合を示し、クラッチ接続命令後に第一ディスククラッチ51aの接続動作に遅れLが生じる場合を示す。
一方、ツインクラッチ式変速機23において、自動二輪車1の走行時等にトランスミッション47の変速段を切り替える場合には、切断状態で待機する一方のクラッチのクラッチアクチュエータに対し、自動二輪車1の発進時の場合と同様のパルス状の駆動電流Dを供給し、当該クラッチの接続側油圧室に間欠的な油圧Yを供給して、該クラッチへの供給油圧に脈動を付与する。
この状態から、車速やエンジン回転数等が所定値以上になると、電子コントロールユニット42に変速フラグが立ち、当該クラッチのクラッチアクチュエータへの所定電流の供給が開始され、該クラッチがクラッチ接続状態となると共に、他方のクラッチのクラッチアクチュエータへの所定電流の供給が停止し、該クラッチがクラッチ切断状態となる。これにより、予め選定した次のシフトポジションに対応する変速ギヤ対を用いた動力伝達に切り替え可能となる。
このときも、一方のクラッチの接続側油圧室及び第一供給油路内の作動油に脈動が付与されていることで、電子コントロールユニット42から変速命令が出力された際には、当該クラッチへの油圧供給が速やかに開始され、該クラッチの接続動作の遅れが抑えられる。
以上説明したように、上記実施例における自動二輪車1のクラッチ制御装置は、エンジン13と後輪11との間の動力伝達経路中に設けられて外部からの供給油圧により接続状態となる油圧式のツインクラッチ26を備えるものであって、前記ツインクラッチ26の一方のクラッチを接続状態とする以前に、該クラッチにこれを切断状態に保ちつつ間欠的な油圧Yを加え、その後に該クラッチに所定油圧を加えて接続状態へ移行させるものである。
この構成によれば、間欠的な油圧Yの供給により、切断状態にあるクラッチへの供給油圧に適宜脈動が付与されることで、クラッチ接続時の動作遅れが抑えられ、迅速かつスムーズな発進及び変速を行うことが可能となり、自動二輪車1のドライバビリティの向上を図ることができる。
また、上記クラッチ制御装置においては、前記ツインクラッチ26への供給油圧を制御するクラッチアクチュエータ91a,91bを備え、前記クラッチアクチュエータ91a,91bへの供給電流の制御により前記ツインクラッチ26への供給油圧を制御することで、ツインクラッチ26への供給油圧を容易かつ確実に制御することができる。
さらに、上記クラッチ制御装置においては、前記ツインクラッチ26の一方のクラッチを接続状態とする以前に、該クラッチに対応する前記クラッチアクチュエータにパルス状の駆動電流Dを供給することで、前記一方のクラッチへの供給油圧に適度な脈動を付与でき、該クラッチの接続動作の遅れを効率よく抑えることができる。
さらにまた、上記クラッチ制御装置においては、前記ツインクラッチ26は、一対のクラッチ51a,51bの持ち替えにより変速段を切り替えるツインクラッチ式変速制御システムに用いられるものであることで、クラッチ接続前の待機状態が存在しうるツインツインクラッチ26において、クラッチ持ち替え時の動作遅れを抑え、ツインクラッチ26の接続動作をスムーズにし、自動二輪車1のドライバビリティの向上を図ることができる。
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、例えば図7に示すように、前記パルス状の駆動電流Dの振幅値を徐々に小さくするようにしてもよい。この場合、前記間欠的な油圧Y及び波状の動作量Sも同様に徐々に減少することとなる。この構成によれば、クラッチ接続初期の動きを早め、その後に油圧脈動を徐々に抑えることによって、ツインクラッチ26の接続動作を安定した油圧で素早く行うことができる。また、クラッチアクチュエータ91a,91bの消費電力もさらに抑えることができる。
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、例えば、例えばツインクラッチではなく単独のクラッチを有するものであってもよい。
また、適用するエンジンは、単気筒エンジン、V型エンジン、水平対向エンジン等であってもよく、かつクランクシャフトを車両前後方向に沿わせた縦置きエンジン等であってもよい。
さらに、自動二輪車に限らず、三輪又は四輪の鞍乗り型車両、あるいは低床の足載せ部を有するスクータ型車両に適用してもよい。
そして、上記実施例における構成はこの発明の一例であり、四輪の乗用車等にも適用できることはもちろん、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
この発明の実施例における自動二輪車の右側面図である。 上記自動二輪車のエンジンの右側面図である。 上記自動二輪車のツインクラッチ式変速制御システムの構成図である。 上記自動二輪車のツインクラッチ式変速機の断面図である。 上記ツインクラッチ式変速機を作動させるチェンジ機構の断面図である。 上記ツインクラッチ式変速制御システムにおけるクラッチアクチュエータの制御電流、クラッチの制御油圧、クラッチの動作量、及びクラッチ接続フラグの時間変化を示すグラフであり、(a)は当該実施例の制御を適用したものを、(b)は当該実施例の制御を適用しないものをそれぞれ示す。 この実施例の変形例を示す図6(a)に相当するグラフである。
符号の説明
1 自動二輪車(鞍乗り型車両)
11 後輪(駆動輪)
13 エンジン
26 ツインクラッチ(油圧式のクラッチ)
51a,51b 第一及び第二ディスククラッチ(一対のクラッチ本体)
91a,91b 第一及び第二クラッチアクチュエータ(ソレノイドバルブ)
D パルス状の駆動電流
Y 間欠的な油圧

Claims (2)

  1. エンジン(13)と駆動輪(11)との間の動力伝達経路中に設けられて外部からの供給油圧により接続状態となる油圧式のクラッチ(26)を備える車両のクラッチ制御装置において、
    前記クラッチ(26)を接続状態とする以前に、該クラッチ(26)にこれを切断状態に保ちつつ間欠的な油圧を加え、その後に該クラッチ(26)に所定油圧を加えて接続状態へ移行させ、
    前記クラッチ(26)への供給油圧を制御するソレノイドバルブ(91a)を備え、前記ソレノイドバルブ(91a)への供給電流の制御により前記クラッチ(26)への供給油圧を制御し、
    前記クラッチ(26)を接続状態とする以前に、前記ソレノイドバルブ(91a)にパルス状の駆動電流を供給し、該パルス状の駆動電流は、印可後に、前記クラッチ(26)への油圧が一旦0となる程度に設定し、前記パルス状の駆動電流の振幅値を徐々に小さくすることを特徴とする車両のクラッチ制御装置。
  2. 前記クラッチは、一対のクラッチ本体(51a,51b)の持ち替えにより変速段を切り替えるツインクラッチ式変速制御システムのツインクラッチであることを特徴とする請求項に記載の車両のクラッチ制御装置。
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