以下、本発明を実施するための最良の形態について、実施形態として図を参照して説明を行なう。なお、本発明は、これら実施形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施可能である。
(実施形態1)
実施形態1として、端末装置と、この端末装置に対してコンテンツを配信するコンテンツサーバ装置とからなるコンテンツ配信システムであって、端末装置は、コンテンツサーバ装置に対して機種識別情報を送信し、コンテンツサーバ装置は、端末装置に配信すべきコンテンツの候補を複数保持し、コンテンツの配信先の端末装置の機種識別情報を取得し、取得した機種識別情報に応じ、保持しているコンテンツを選択して、配信するコンテンツ配信システムについて説明を行なう。
図1は、実施形態1に係るコンテンツ配信システムの機能ブロック図を例示する。コンテンツ配信システム100は、端末装置101と、コンテンツサーバ装置102とからなり、端末装置101とコンテンツサーバ装置102とは、インターネットなどの通信網103を介して接続されている。端末装置101は、通信網103を介して情報の送受信が可能な装置である。例を挙げれば、パーソナルコンピュータ、情報家電、携帯電話機、などがある。情報家電には、例えばデジタルテレビが含まれる。コンテンツサーバ装置102は、端末装置101に対してコンテンツを配信するインターネットサイトなどとなる装置である。コンテンツとは、ここでは、主にデジタル情報を想定しており、静止画像情報、動画情報、音声情報など、再生を行なうことにより、人間の五感により知覚できるものをいう。また、コンテンツの表わす情報には、小説、脚本、論文、講演などの言語を専ら伴うもの、音楽などの音声を専ら伴うもの、舞踊など動きにより視覚に訴える情報を伴うもの、絵画、彫刻などの専ら静止画像情報を伴うもの、映画など、映像情報と音声情報を組み合わせたもの、プログラムなどダウンロードの後に実行されることを目的としたものなどがある。また、コンテンツには、視聴などする際には対価の支払を要するものもあるが、広告のように広告主がコンテンツサーバ装置102の運営者や、コンテンツを視聴した端末装置の利用者などに対価を支払うものもある。
図1では、コンテンツサーバ装置102自らがコンテンツを端末装置101に送信して配信する形態が例示されているが、複数のコンテンツサーバ装置からコンテンツ配信システムが構成されていてもよい。
図2(a)は、複数のコンテンツサーバ装置からコンテンツ配信システムが構成されている場合の機能ブロック図を例示する。この場合、コンテンツ配信システム200は、端末装置201と、ポータルサーバ装置となるコンテンツサーバ装置202とが通信網203で接続され、コンテンツサーバ装置202が、複数のコンテンツサーバ装置204、205に接続されている。端末装置201にコンテンツを配信するためには、端末装置201は、まず、コンテンツサーバ装置202に接続され。そして、コンテンツサーバ装置202を介して、コンテンツサーバ装置204などからコンテンツが端末装置201にコンテンツが配信される。「コンテンツサーバ装置202を介して」とは、コンテンツという情報が、コンテンツサーバ装置202により、コンテンツサーバ装置204、205から端末装置へと中継されて伝達される。また図2(b)に例示されるコンテンツ配信システム206のように、例えば、ポータルサーバとなるコンテンツサーバ装置206から提供されるコンテンツに、他のコンテンツに対するリンク情報を含む場合、そのリンク情報をたどる操作(例えば、コンテンツサーバ装置210へのリンク情報の選択を行なう操作)を端末装置207で行なうと、コンテンツサーバ装置210へコンテンツの要求がされ、要求を受けたコンテンツサーバ装置210から端末装置207へコンテンツが送信される。コンテンツサーバ装置210のリンク情報が端末装置207で選択されたとき、端末装置201は、コンテンツサーバ装置208へ、コンテンツサーバ210へアクセスした履歴を送付するようになっていてもよい。
なお、図1、図2(a)(b)それぞれでは、端末装置は1台しか例示されていないが、複数の端末装置がインターネットなどの通信網に接続され、コンテンツサーバ装置から個々の端末装置にコンテンツが配信されるようになっていてもよい。
図3は、端末装置とコンテンツサーバ装置との間の通信の過程を示すシーケンス図を例示する。通常は、端末装置の電源が投入されるなどして、端末装置が通信可能な状態になると、デフォルトのコンテンツや、日時や周囲の状況(気温、湿度などの気象状況や、端末装置の周囲にいる人や操作を行なう人の状況(例えば体温、脳波の状況)など)に応じて決定されるコンテンツの要求が端末装置からコンテンツサーバ装置に対してされ、それに応じて、コンテンツがコンテンツサーバ装置から端末装置へ返信される。そして、次のコンテンツの要求が端末装置からコンテンツサーバ装置に対してされ、それに応じて、コンテンツがコンテンツサーバ装置から端末装置へ次のコンテンツが返信される。また、最初のコンテンツが、HTMLのFRAME属性を用いて記述されたコンテンツなどである場合には、各FRAMEに含まれるコンテンツへのリンクを検出し、端末装置のユーザなどが操作しなくても、各FRAMEに含まれるコンテンツのリンクに応じた要求が端末装置から次々とコンテンツサーバ装置に送信され、コンテンツが返信されるようになっている場合もある。このような場合には、端末装置101の表示画面などに複数のコンテンツが異なる位置に同時に表示などされて、再生されることになる。
図4は、端末装置101にコンテンツが表示されている一例を示す。この例では、コンテンツは上述のFRAME属性を用いて記述され、端末装置の有するあるいは端末装置に接続されたディスプレイなどの表示画面に表示されている。最上欄には、プラズマテレビの広告というコンテンツが表示されており、下欄の左側に画面には、その右側の画面に表示するコンテンツを選択するためのコンテンツが表示されており、下欄の右側の画面には、選択されたコンテンツが表示されている。例えば、ディプレイ上に表示されたカーソル401を、「テレビ欄」と表示された下欄の左側の画面に移動させることで、カーソルの形状が符号402のように変化して、クリックが可能であることを端末装置のユーザに知らせる。クリックを行なうと、テレビ欄に対応するコンテンツの要求が端末装置からコンテンツサーバ装置に対して行なわれ、その要求に対する返信としてのコンテンツが受信され、下欄の右側の画面にテレビ欄としてそのコンテンツの表示がされる。
図5は、端末装置のハードウェアのモジュール構成図を例示する。端末装置501は、表示モジュール502と、入力モジュール503と、要求送信モジュール504と、コンテンツ受信モジュール505と、制御モジュール506とから構成される。表示モジュール502は、コンテンツの再生のために、端末装置501が有するディスプレイ又は端末装置501に接続されたディスプレイに表示などを行なうモジュールである。入力モジュール503は、リモコン、マウスなどのポインティングデバイスの操作やキーボードやボタンなどを介した入力の検出などを扱うためのモジュールである。要求送信モジュール504は、コンテンツの要求などの情報の送信をコンテンツサーバ装置などに向けて行なうモジュールである。コンテンツ受信モジュール505は、コンテンツサーバ装置などから返信されるコンテンツなどの情報を受信するためのモジュールである。制御モジュール506は、端末装置501の他のモジュールを制御するためのものである。例えば、入力モジュール503で検出されたリモコン操作に応じて、表示モジュール502に表示されるカーソルを移動させ、クリックなどの操作を検出すると、そのときカーソルの位置するリンクに対応するコンテンツの要求を要求送信モジュール504を用いて送信し、返信されるコンテンツをコンテンツ受信モジュールを用いて受信して、表示モジュール502を用いて、そのコンテンツを再生のために表示などする制御を行なう。
図6は、コンテンツサーバ装置のハードウェアのモジュール構成図を例示する。コンテンツサーバ装置601は、要求受信モジュール602と、コンテンツ送信モジュール603と、ログ記録モジュール604と、コンテンツ記憶モジュール605と、制御モジュール606などからなる。要求受信モジュール602は、コンテンツの要求などの情報を受信する。このコンテンツの要求は、端末装置から送信される。コンテンツ送信モジュール603は、受信された要求に対応するコンテンツを送信する。なお、要求とそれに対応するコンテンツとは、必ずしも一対一に定まっているわけではなくてもよい。例えば、どの端末装置から要求が送信されたか、要求が送信された時刻、などによって、要求に対応するコンテンツは変化し得る。ログ記録モジュール604は、コンテンツの要求などが要求受信モジュール602により受信された履歴や、コンテンツ送信モジュール603により送信されたコンテンツの履歴などから構成されるログなどを記録する。コンテンツ記憶モジュール605は、要求受信モジュール602により受信された要求に応じて送信されるコンテンツを記憶して保持するモジュールである。制御モジュール606は、コンテンツサーバ装置の他のモジュールを制御するためのものである。例えば、要求受信モジュール602により、コンテンツの要求が受信されると、受信の履歴をログ記録モジュール604に記録させ、コンテンツの要求に応じてコンテンツを選択して、コンテンツ記憶モジュール605から読み出して、読み出したコンテンツをコンテンツ送信モジュール603により送信を行ない、送信されたコンテンツの識別子などをログ記録モジュール604に記録させるなどの制御を行なう。
図7は、実施形態1に係るコンテンツ配信システムの端末装置の機能ブロック図を例示する。端末装置701は、機種識別情報送信部702を有する。
「機種識別情報送信部」702は、コンテンツサーバ装置に対して機種識別情報を送信する。「機種識別情報」とは、端末装置701の機種を識別するための情報である。「機種」とは、端末装置の種類である。端末装置の製造会社の中での端末装置の形式である。「機種を識別するための情報」とは、端末装置の形式を特定する情報である。例えば、端末装置の形式の名称である。また、端末装置の中でコンテンツを閲覧するためのブラウザなどのプログラムが動作するのであれば、そのプログラムの名称、バージョン番号なども機種に含められていてもよい。また、機種が識別できればよいので、製造会社の工場のどのラインにより何月何日の何番目に製造された端末装置であるかなどを示す情報でもよい。また、端末装置の個体を識別する情報が機種識別情報に含まれていてもよい。このように機種識別情報に個体を識別する情報が含まれている場合、コンテンツ配信システムが図2に示す構成のようになっている場合、コンテンツサーバ装置202が、端末装置201の個体を識別する情報により、端末装置201を認証(個体を識別する情報が正規に登録された端末装置だけにコンテンツの閲覧などを許すなどの措置)するようになっていてもよい。
機種識別情報送信部702が機種識別情報を送信するタイミングとしては、コンテンツの要求を送信するときを挙げることができる。この場合、機種識別情報送信部702は、要求送信モジュール504に含まれているのが好適である。そして、機種識別情報は、コンテンツの要求という情報のヘッダ部分に含まれていてもよい。図7において、「User−Agent:」という部分が、ヘッダ部分における機種識別情報が現れるフィールド名を示し、「Gorilla/4.0(Natiom)…」が機種識別情報を表わしている。例えば、「Natiom」が製造会社を示し、「Gorilla/4.0」がその製造会社が製造した製品の形式を特定する名称である。
また、機種識別情報は、コンテンツの要求という情報に含まれるのではなく、コンテンツの要求に付加されるようになっており、その付加は、端末装置がコンテンツサーバ装置と通信を行なうためのレイヤ(例えば、OSI参照モデルでのレイヤ)において、コンテンツの要求が生成されるレイヤと異なっていてもよい。例えば、コンテンツの要求は、アプリケーションレイヤで生成され、機種識別情報は、アプリケーションレイヤの下位のレイヤであるセッションレイヤなどで、コンテンツの要求に付加されるようになっていてもよい。このように、コンテンツの要求が生成されるレイヤと異なるレイヤで機種識別情報が付加されることにより、コンテンツの要求には暗号化を施さず、一方、機種識別情報には暗号化を施すなどが可能となる。機種識別情報を集計することにより機種のシェアなどが計算できることから、機種識別情報は、企業にとっては重要な情報である。このため、機種識別情報を暗号化することにより、端末装置がコンテンツサーバ装置との通信のために利用するインターネットサービスプロバイダなどに、シェアなどを知られることを防止することができる。
図8は、実施形態1に係るコンテンツ配信システムのコンテンツサーバ装置の機能ブロック図を例示する。コンテンツサーバ装置801は、コンテンツ保持部802と、機種識別情報取得部803と、第一コンテンツ選択部804と、コンテンツ配信部805と、を有する。
「コンテンツ保持部」802は、配信するべきコンテンツの候補を複数保持する。「保持」とは、読出し可能に記憶することである。コンテンツ保持部802は、コンテンツ記憶モジュールに含まれ、例えば、ハードディスク装置などを用いてコンテンツ保持が行なわれる。「候補」とあるので、保持されているコンテンツの全てが、必ず配信される必要はない。「配信するべき」とは、端末装置から送信される要求に応じて特定され得ることをいう。
図9は、コンテンツ保持部901に、コンテンツ1(902)、コンテンツ2(903)、コンテンツ3(904)などが保持されている様子を例示する模式図である。コンテンツ1などは、コンテンツ保持部901を構成するハードディスク装置などに、ファイルなどとして格納されることで保持される。コンテンツを読み出す場合には、例えばファイルの格納された位置であるシリンダ番号、セクタ番号、ブロック番号などを指定することにより、コンテンツが読み出される。また、コンテンツ保持部901は、ファイルシステムを構成し、ファイルシステムでのファイルなどのパスを、ファイルシステムを構成するための情報から、シリンダ番号、セクタ番号、ブロック番号などに変換するデバイスドライバを含んでいてもよい。
「機種識別情報取得部」803は、コンテンツ配信先の端末装置の機種識別情報を取得する。例えば、コンテンツの配信先となる端末装置から送信された機種識別情報を取得する。機種識別情報がコンテンツの要求などに含まれたり付加されたりする場合には、機種識別情報取得部803は、要求受信モジュール602に含まれる。
「第一コンテンツ選択部」804は、取得した機種識別情報に応じ、保持しているコンテンツを選択する。「取得した機種識別情報」とは、機種識別情報取得部803が取得した機種識別情報をいい、「保持しているコンテンツ」とは、コンテンツ保持部802が保持しているコンテンツをいう。「応じ」とは、機種識別情報と、選択されたコンテンツとの間に何らかの関係が成立することをいう。機種識別情報以外の情報が選択に際して参照されるようになっていてもよい。第一コンテンツ選択部804は、制御モジュール606に含まれる。
図10は、第一コンテンツ選択部1001が、機種識別情報に応じ、コンテンツを選択するためのテーブルを保持などして管理している様子を例示する模式図である。そのテーブルは、「機種識別情報」という名の列1002と、「コンテンツID」という名の列1003とから構成されている。例えば、機種識別情報がGorilla/4.0であれば、コンテンツ25で識別されるコンテンツを選択し、機種識別情報がFox/5.5であれば、コンテンツ26で識別されるコンテンツを選択する。図10に例示されたテーブルを用いると、どのコンテンツが要求されたかによらず、機種識別情報のみからコンテンツが選択可能である。このようなテーブルは、例えば、端末装置に電源が投入され、電源が投入されたことにより機種識別情報が端末装置から送信された場合、機種ごとに定まったデフォルのコンテンツを選択するために用いることができる。機種識別情報に加えて、要求されたコンテンツのIDを参照して、コンテンツを選択するためのテーブルについては、後で例示する。
「コンテンツ配信部」805は、選択したコンテンツを端末装置に配信する。「選択したコンテンツ」とは、第一コンテンツ選択部804が選択したコンテンツである。また、「端末装置」は、機種識別情報取得部803にその機種識別情報を取得させた端末装置がもっぱら想定される。もし、機種識別情報や、コンテンツの要求など、端末装置から送信された情報に、コンテンツの配信先が含まれたり付加されたりしている場合には、その配信先がここでいう「端末装置」になることも想定される。コンテンツ配信部805は、コンテンツ送信モジュール603に含まれる。
図11は、コンテンツを配信するために、取得した機種識別情報を参照して、図10に例示されたテーブルを用いてコンテンツを選択する際の処理のフローチャートを例示する。ステップS1101において、「行番号」という変数に、1を代入する。ステップS1101において、「行番号」という変数の値が、図10に例示されたテーブルの行数以下であるかどうかを判断する。もし、変数の値がテーブルの行数を超えていれば、ステップS1104以下の説明から判読できるように、取得した機種識別情報は、「機種識別情報」という名の列1002に格納された情報のどれともマッチしなかったのであるから、そのような場合の機種識別情報に対するデフォルトのコンテンツを選択する。ここにいうデフォルトのコンテンツの例としては、どのような端末装置でも表示などの再生が可能なコンテンツである。例えば、テキスト情報で表現されるコンテンツ(顔文字などのアスキーアートなど)である。
もし、「行番号」という変数の値が、図10に例示されたテーブルの行数以下であれば、ステップS1104に処理を移行し、取得した機種識別情報が、「行番号」という変数の値で示される番号の行の「機種識別情報」という名の列に格納されている情報にマッチするかどうかを判断する。「マッチするかどうか」の判断とは、同一であるかどうかの判断を含み、例えば、「機種識別情報」という名の列に格納されている情報がワイルドカードなどを用いて表現されている場合に、そのワイルドカードなどに適合するかどうかを判断することも含まれる。もし、マッチすれば、ステップS1105へ処理を移行させ、「行番号」という変数の値で示される番号の行の「コンテンツID」という名の列1103に格納されるコンテンツIDで示されるコンテンツを選択する。もし、マッチしなければ、ステップs1106へ処理を移行させ、「行番号」という変数の値を1増やして、ステップS1102へ戻る。
図12は、機種識別情報に加えて、要求されたコンテンツの識別情報(ID)などを参照して、コンテンツを選択するためのテーブルを例示する。このテーブルは、「要求コンテンツID」という名の列1201と、「機種識別情報」という名の列1202と、「選択コンテンツID」という名の列1203とから構成される。そして、このテーブルは、列1201の値によってグループ化されている。例えば、「コンテンツA」が端末装置から要求された場合、取得した機種識別情報が、Gorilla/4.0であれば、コンテンツ1が選択され、Fox/5.5であれば、コンテンツ2が選択され、その他であれば、コンテンツ3が選択される。同様に、「コンテンツB」が端末装置から要求された場合、取得した機種識別情報が、Gorilla/4.0であれば、コンテンツ12が選択され、Fox/5.5であれば、コンテンツ11が選択され、その他であれば、コンテンツ10が選択される。
図13は、第一コンテンツ選択部でコンテンツが選択された後、コンテンツ配信部でコンテンツが配信される処理を説明するフローチャートを例示する。ステップS1301において、第一コンテンツ選択部で選択されたコンテンツIDを取得する。ステップS1302において、取得されたコンテンツIDで識別されるコンテンツの取得を行なう。例えば、コンテンツ保持部にコンテンツIDを渡して得られるコンテンツをメモリに一時的に格納する。ステップS1303において、取得されたコンテンツを配信する。例えば、一時的にコンテンツが格納されたメモリのアドレスをコンテンツ送信モジュール602に渡して、送信を行なう。
図14は、図13に例示されたフローチャートを実行するためのコンテンツ配信部の機能ブロック図を例示する。コンテンツ配信部1401は、コンテンツID取得手段1402と、コンテンツ取得手段1403と、コンテンツ配信手段1404とを有する。コンテンツID取得手段1402は、ステップS1301に対応し、第一コンテンツ選択部で選択されたコンテンツID1405を取得する。コンテンツ取得手段1403は、ステップS1302に対応し、取得されたコンテンツID1405を、コンテンツ保持部が受け付け可能な形式などで表わされたコンテンツID1406に変換して(例えば、ファイル名にルートディレクトリからのディレクトリ名の列などを付加する)、コンテンツID1406として要求を行ない、保持されているコンテンツ1407を取得する。コンテンツ配信手段1404は、ステップS1403に対応し、コンテンツ1407を配信し、配信されたコンテンツ1408とする。
このように本実施形態に係るコンテンツ配信システムによれば、機種識別情報から推測されるユーザのプロフィールや属性などの関係を、図12などに例示されるテーブルとして表現しておくことにより、プロフィールなどが登録されていないユーザであっても、機種識別情報から、ユーザの嗜好などに合った適切なコンテンツを配信することが可能である。
(実施形態2)
実施形態2として、実施形態1のコンテンツ配信システムであって、機種識別情報には、端末装置の画面サイズ情報が関連付けられており、コンテンツサーバ装置は、取得した機種識別情報に関連付けられた画面サイズ情報に応じてコンテンツを選択して配信するように構成したコンテンツ配信システムについて説明する。
図15は、実施形態2に係るコンテンツ配信システムを構成する端末装置の機能ブロック図を例示する。端末装置1501は、機種識別情報送信部1502を有し、機種識別情報送信部1502は、画面サイズ機種識別情報送信手段1503を有している。
「画面サイズ機種識別情報送信手段」1503は、端末装置1501の画面サイズを示す画面サイズ情報が関連付けられた機種識別情報を送信する手段である。「端末装置1501の画面サイズ」とは、端末装置1501が有する表示装置、あるいは、端末装置1501が接続された表示装置の画面(ディスプレイ)の大きさである。表示装置は、例えば、プラズマディスプレイパネルや、液晶パネルなどを用いて実現される。もちろん、ブラウン管などの旧来の技術を用いても実現される。画面サイズは、通常は、表示装置の画面の対角線の長さにより表現されるが、走査線の数や、例えば、1024×768ドットのように画素数を用いて表現されてもよい。図15において、「User−Agent: Fox/5.5 (Natiom LX−50)」に含まれる「LX−50」の「50」が画面サイズを示しており、例えば、対角線の長さが50インチあることを示す。また、機種識別情報に画面サイズが含まれている必要はなく、例えば、コンテンツサーバ装置などに、機種識別情報と、画面サイズ情報とを対応付けるテーブルなどの情報が格納されており、コンテンツサーバ装置などは、そのような情報を参照して、機種識別情報から、画面サイズ情報を得ることができるようになっていてもよい。
図16は、機種識別情報と、画面サイズ情報とを対応付けるテーブルの一例を示す。列1601は、「機種識別情報」という名前が付いており、機種識別情報が格納される。列1602は、「画面サイズ」という名前が付いており、画面サイズ情報が格納される。例えば、Gorilla/4.0という機種識別情報を有する端末装置の画面サイズは、例えば、25インチであり、Fox/5.5という機種識別情報を有する端末装置の画面サイズは、50インチであることが示されている。
また、画面サイズ情報には、画面がどのような部材を用いて実現されているかの情報が含まれていてもよい。例えば、図15において、「LX−50」が機種識別情報に含まれているが、「LX」の「L」は液晶パネルを意味しており、端末装置1501の画面が液晶パネルという部材を用いて実現されていることを示している。部材には、液晶パネルの他に、プラズマディスプレイパネル、表面電界ディスプレイパネル、有機ELパネル、ブラウン管、などがある。どのような部材が用いられるかは、後に説明するように端末装置の販売価格などを推測する参考の情報とすることができる。
図17は、実施形態2に係るコンテンツ配信装置のコンテンツサーバ装置の機能ブロック図を例示する。コンテンツサーバ装置1701は、実施形態1におけるように、コンテンツ保持部1702と、機種識別情報取得部1703と、第一コンテンツ選択部1704と、コンテンツ配信部1705と、を有する。本実施形態では、第一コンテンツ選択部1704が、画面サイズ依存コンテンツ選択手段1706を有している構成となっている。
「画面サイズ依存コンテンツ選択手段」1706は、機種識別情報に関連付けられた画面サイズ情報を取得し、取得した画面サイズ情報に応じてコンテンツを選択する。すなわち、機種識別情報取得部1703により取得された機種識別情報に、画面サイズ情報が含まれている場合には、機種識別情報から画面サイズ情報の部分を抽出することで、画面サイズ情報を取得する。また、画面サイズ情報が機種識別情報に含まれておらず、図16に例示されるテーブルなどの情報により、画面サイズ情報が機種識別情報に関連付けられている場合には、機種識別情報をキーとしてそのテーブルなどの情報を検索して、画面サイズ情報を取得する。そして、画面サイズ依存コンテンツ選択手段1706は、画面サイズ情報に応じて、コンテンツを選択する。
図18は、画面サイズ依存コンテンツ選択手段1706が、画面サイズ情報に応じてコンテンツを選択するために用いるテーブルを例示する。そのテーブルは、「要求コンテンツID」という名前の列1801、「画面サイズ」という名前の列1802、「選択コンテンツID」という名前の列1803からなる。列1801には、端末装置から要求されるコンテンツのIDが、コンテンツA、コンテンツBなどとして格納されている。列1802には、画面サイズ情報が要求コンテンツIDごとに格納され、それぞれのコンテンツのIDを要求として送信した端末装置の画面サイズ情報が検索可能になっている。そして、列1803には、コンテンツのIDと画面サイズ情報とに関連づけて、選択するべきコンテンツのIDが格納されている。このようなテーブルにより、例えば、端末装置から要求されたコンテンツのIDが、コンテンツAであり、その端末装置の画面サイズ情報の示す画面のサイズが、25インチ未満であれば、コンテンツ7を選択し、25インチ以上30インチ未満であれば、コンテンツ3を選択し、30インチ以上35インチ未満であれば、コンテンツ5を選択し、35インチ以上であれば、コンテンツ6を選択する。
本実施形態において、画面サイズ情報に応じて、コンテンツを選択する理由は、画面サイズ情報が示す画面サイズによって、端末装置の販売価格がおおよそ推定できるからである(例えば、薄型テレビなどの端末装置では、一インチあたり5000円のようにインチ数から端末装置の価格が推定できる)。端末装置は、一般には、日用品のように購入できるものではなく、消費者により頻繁に購入されるものではない。このため、端末装置の価格は、購入した消費者の可処分所得など、所得額や収入額と関連性があると考えられる。そこで、本実施形態では、画面サイズ情報から、端末装置の所有者の所得額や収入額を推定し、その所得額や収入額を有する消費者層に合ったコンテンツを提供する。
図19は、画面サイズ情報と、その画面サイズを有する端末装置を購買した消費者の平均所得額とを関連付けるテーブルであり、「画面サイズ」という名前の列1901と、「平均所得」という名前の列1902からなる。例えば、25インチ未満の画面サイズを有する端末装置を購入した消費者の年間の平均所得額は、500万円であり、25インチ以上から30インチ未満の画面サイズを有する端末装置を購入した消費者の年間の平均所得額は、550万円であることが例示されている。平均所得額は、例えば、端末装置を購入した消費者に対するアンケートを実施することで知ることができる。このようなテーブルを用いることにより、例えば、所得額が700万円を超える高所得者層には、別荘などの不動産の広告というコンテンツを選択し、所得額が550万円以下の低所得者層には、賃貸マンションなどの広告というコンテンツを選択することができる。また、画面サイズの大きな端末装置を有するユーザは、広い間取りの家に住んでいることが多いので、家の広さに応じた装備、例えば、システムキッチンや、大型の家電製品などの広告のコンテンツを選択してもよい。
以上のように、現在急速に普及しつつある薄型テレビなどでは、画面サイズに応じて価格が設定されており、購買できる価格が、ユーザの所得などに関連していると考えられるので、実施形態2によれば、画面サイズからユーザの所得などを推測することができ、ユーザ層に適切なコンテンツを選択して配信することが可能となる。
(実施形態3)
実施形態3として、実施形態1または2に係るコンテンツ配信システムにおいて、機種識別情報には、端末装置の製造時期情報が関連づけられており、コンテンツサーバ装置は、取得した機種識別情報に関連付けられた製造時期情報に応じてコンテンツを選択して配信するコンテンツ配信システムについて説明する。
図20は、実施形態3に係るコンテンツ配信システムの端末装置の機能ブロック図を例示する。端末装置2001は、機種識別情報送信部2002を有し、機種識別情報送信部2002は、製造時期機種識別情報送信手段2003を有している。また、実施形態2におけるように、機種識別情報送信部2002は、画面サイズ機種識別情報送信手段を有していてもよい。
「製造時期機種識別情報送信手段」2003は、端末装置2001の属する機種の製造時期を示す製造時期情報が関連付けられた機種識別情報を送信する手段である。「端末装置2001の属する機種の製造時期」とは、端末装置2001の形式の端末装置が製造された期間であり、例えば、端末装置2001の属する機種が、1996年1月から3月まで製造されていたのであれば、1996年第1四半期などとして表現される。図20において、「User−Agent: Dog/6.0 (Natiom; 1996)」に含まれる「1996」が製造時期を示しており、端末装置2001の属する機種の製造時期が1996年であることを示している。また、機種識別情報に、製造時期を示す情報が含まれている必要はなく、例えば、コンテンツサーバ装置などに、機種識別情報と、製造時期情報とを対応付けるテーブルなどの情報が格納されており、コンテンツサーバ装置などは、そのような情報を参照して、機種識別情報から製造時期情報を得ることができるようになっていてもよい。
図21は、機種識別情報と、製造時期情報とを対応付けるテーブルの一例を示す。列2101は、「機種識別情報」という名前がついており、機種識別情報が格納される。列2102は、「製造時期」という名前がついており、製造時期情報が格納される。例えば、Gorilla/4.0という機種識別情報を有する機種に属する端末装置の製造時期は1997年であり、Fox/5.5という機種識別情報を有する機種に属する端末装置の製造時期は2000年であることが示されている。このようなテーブルを用いる場合には、そのテーブルは、コンテンツサーバ装置が保持していたり、他のサーバに保持され、コンテンツサーバ装置により通信などにより参照可能とする。
図22は、実施形態3に係るコンテンツ配信システムのコンテンツサーバ装置の機能ブロック図を例示する。コンテンツサーバ装置2201は、実施形態1におけるようにコンテンツ保持部2202と、機種識別情報取得部2203と、第一コンテンツ選択部2204と、コンテンツ配信部2205と、を有する。本実施形態では、第一コンテンツ選択部2204が、製造時期依存コンテンツ選択手段2206を有する構成となっている。また、実施形態2のように、第一コンテンツ選択部2204が、画面サイズ依存コンテンツ選択手段を有していてもよい。
「製造時期依存コンテンツ選択手段」2206は、機種識別情報に関連付けられた製造時期情報を取得し、取得した製造時期情報に応じてコンテンツを選択する。すなわち、機種識別情報取得部2203により取得された機種識別情報に、製造時期情報が含まれている場合には、機種識別情報から製造時期情報を抽出することで、製造時期情報を取得する。また、製造時期情報が機種識別情報に含まれておらず、図21に例示されるテーブルなどの情報により、製造時期情報が機種識別情報に関連付けられている場合には、機種識別情報をキーとしてそのテーブルなどの情報を検索して、機種識別情報を取得する。そして、製造時期依存コンテンツ選択手段2206は、機種識別情報に応じてコンテンツを選択する。これにより、例えば、端末装置の想定された耐用年数前頃に製造された端末装置に対して、新しい機種の広告のコンテンツを選択して配信し、買い替えを奨励することなどができる。
図23は、製造時期依存コンテンツ選択手段2206が、製造時期情報に応じて、コンテンツを選択するために用いるテーブルを例示する。そのテーブルは、「要求コンテンツID」という名前の列2301と、「製造時期」2302という名前の列と、「選択コンテンツID」と名前の列2303とからなる。列2301には、端末装置から要求されるコンテンツのIDが、コンテンツA、コンテンツBなどとして格納されている。列2302には、製造時期情報が、要求コンテンツIDごとに格納され、それぞれのコンテンツのIDを要求として送信した端末装置の製造時期情報により検索可能になっている。そして、列2303には、コンテンツのIDと製造時期とに関連付けて、選択するべきコンテンツのIDが格納されている。このようなテーブルにより、例えば、端末装置から要求されたコンテンツのIDが、コンテンツAであり、その端末装置の製造時期が、1993年以前であれば、コンテンツ10を選択し、1994年以降1998年以前であれば、コンテンツ9を選択し、1999年以降であれば、コンテンツ8を選択する。
また、第一コンテンツ選択部2204が、実施形態2のように画面サイズ依存コンテンツ選択手段1706を有するような場合には、端末装置の製造時期から、その当時の液晶ディスプレイ装置やプラズマディスプレイ装置などの表示装置の画面サイズあたりの単価(例えば、2000年は、1インチあたり、1万円程度の単価だったなど)を読み出して、端末装置の価格を推定して、利用者の収入額、可処分所得などを推定して、コンテンツを選択するようになっていてもよい。
また、製造時期が端末装置という商品のライフサイクルにおいて立ち上がりの時期などの早期の段階であれば、そのような早期の段階で購入したユーザは、端末装置などの電子機器に興味を持つユーザ層に属すると考えて、そのようなユーザ層に適合したコンテンツを選択することが可能である。
以上のように、製造時期と販売時期とは対応関係にあり、製造時期によっては、特定の端末装置に興味を持って購入した層を構成するユーザの嗜好などの属性を特定することが可能であり、実施形態3によれば、適切なコンテンツを選択して配信することが可能となる。
(実施形態4)
実施形態4として、実施形態1から3のいずれかのコンテンツ配信システムにおいて、他のコンテンツに対するリンク情報を含むコンテンツを端末装置に配信し、そのようなコンテンツを介してアクセスされたコンテンツの履歴を、その端末装置の機種識別情報と関連付けて保持し、コンテンツに対する機種識別情報ごとのアクセス傾向を算出する構成について説明する。
図24は、実施形態4に係るコンテンツ配信システムのコンテンツサーバ装置の機能ブロック図を例示する。コンテンツサーバ装置2401は、実施形態1から3のいずれかのコンテンツサーバ装置のように、コンテンツ保持部2402と、機種識別情報取得部2403と、第一コンテンツ選択部2404と、コンテンツ配信部2405とを有する。本実施形態では、コンテンツサーバ装置2401は、さらに、コンテンツ履歴保持部2407と、アクセス傾向算出部2408とを有する。また、コンテンツ配信部2405は、リンカブルコンテンツ配信手段2406を有する。また、実施形態2のように、第一コンテンツ選択部2404は、画面サイズ依存コンテンツ選択手段を有していたり、実施形態3のように、第一コンテンツ選択部2404は、製造時期依存コンテンツ選択手段を有していてもよい。
「リンカブルコンテンツ配信手段」2406は、他のコンテンツに対するリンク情報を含むコンテンツを配信する。ここでは、そのようなコンテンツを「リンカブルコンテンツ」と呼ぶことにする。リンカブルコンテンツの例としては、HTML(Hypertext Mark−up Language)などで記述されたウェブページなどがある。HTMLでは、「<A HREF=”a url ”>」と「</A>」という記述により、「 a url 」で示される他のコンテンツへのリンクを記述することができる。ウェブページが表示された場合に、この部分に相当する部分をリモコン装置などを用いてクリックすることにより、他のコンテンツを再生や表示などすることができる。
「コンテンツ履歴保持部」2407は、配信されたリンカブルコンテンツを介してアクセスしたコンテンツの履歴を、その端末装置の機種識別情報と関連付けて保持する部である。例えば、ハードディスク装置などで実現される。
本実施形態に係るコンテンツサーバ装置は、例えば、図2(a)のコンテンツサーバ装置202として実現されるのが好適である。この場合、本実施形態に係るコンテンツサーバ装置が配信するリンカブルコンテンツのリンクの記述は、例えば、<A HREF=”http://www.example1.com/?goto=http://www.example.com/content1.htm”>などのように、www.example1.comが、本実施形態に係るコンテンツサーバ装置202、208を指し示し、「?goto=」の後に、本来、表示などするべきコンテンツのURLとすることが望ましい。これにより、本実施形態に係るコンテンツサーバ装置が配信したリンカブルコンテンツを表示などした状態で、リンクをクリックなどすると、そのクリックによる要求が、本実施形態に係るコンテンツサーバ装置へ送信されるようにすることができる。そのクリックによる要求を受信した本実施形態に係るコンテンツサーバ装置は、要求に含まれる機種識別情報と、「?goto=」の後のURLとをコンテンツ保持部2402に保持させる。そして、www.example.comに対して、content1.htmの要求を転送する。
図25は、コンテンツ保持部2402において、アクセスしたコンテンツの履歴を機種識別情報と関連付けて保持するためのテーブルの構造を例示する。このテーブルは、「機種識別情報」という名を有する列2501と、「要求コンテンツID」という名を有する列2502とからなり、それぞれ、コンテンツを要求した端末装置の機種識別情報とそのコンテンツのURLなどの識別子が格納される。図25では、例えば、Gorilla/4.0という機種識別情報を有する端末装置から、コンテンツAで識別されるコンテンツが要求され、次にFox/5.5という機種識別情報を有する端末装置から、コンテンツBの要求がされていることなどが例示されている。
また、図25に例示されたテーブルには、要求があった時刻なども格納するようになっていてもよい。
図26は、機種識別情報取得部2403とコンテンツ履歴保持部2407との動作を説明するフローチャートを例示する。ステップS2601において、要求コンテンツIDを取得する。ステップS2602において、機種識別情報を取得する。ここまでは、機種識別情報取得部2403などでの処理である。次に、コンテンツ履歴保持部2407での処理として、ステップS2603において、履歴として保持を行なう。
「アクセス傾向算出部」2408は、コンテンツ履歴保持部2407に保持された履歴に基づいて、端末装置のコンテンツに対するアクセス傾向を算出するための部である。例えば、アクセス傾向算出部2408は、コンテンツ履歴保持部2407に保持された履歴を読出し、端末装置の機種識別情報ごとに、アクセス数の多かったコンテンツの識別情報の上位100位などを求める。例えば、Gorilla/4.0という機種識別情報を有する端末装置からは、コンテンツ124の要求が最も頻度が多く取得され、次いで、コンテンツ512、などがあり、Fox/5.5という機種識別情報を有する端末装置からは、コンテンツ2048の要求が最も頻度が高く取得され、次いで、コンテンツ128という具合である。また、機種識別情報から得られる画面サイズ情報や製造時期情報などごとに、アクセス数の多かったコンテンツの識別情報の上位100位などを求めるようになっていてもよい。アクセス傾向算出部2408は、定期的に、このようなアクセス傾向を算出して、メールなどにより企業のマーケティング部門の者に送付したり、あるいは、コンテンツサーバ装置2401のオペレータなどにより手動で操作などされて、算出されたアクセス傾向を、記憶機器に保持したり、メールで送付したりする。
実施形態4では、コンテンツに対するアクセス傾向が、機種識別情報ごとに求めることができ、或る広告のバナーなどが表示された場合、クリックされる割合が高い機種識別情報を得ることができ、機種識別情報を基にして、効果的な広告などのコンテンツの配信を行なうことができる。
また、本実施形態に係るコンテンツ配信システムは、図2(a)に示すように、ポータルサーバとなるコンテンツ配信装置202の配下に、コンテンツサーバ創始h204、205以外にも、図2(b)に示すようなポータルサーバ装置208から独立したコンテンツサーバ装置210、211の場合であってもよい。図2(b)の場合、ポータルサーバ装置208が配信するリンカブルコンテンツのリンクの記述は、例えば、<A HREF=“http://www.example1.com/?goto=http://www.example.com/content1.htm”>となっている。このように記述されるリンクをクリックなどすると、端末装置207がhttp://www.example.com/content1.htmというURLで示されるコンテンツを要求していることを、www.example1.com(ポータルサーバ装置208のFQDN)に対して伝え、且つ、www.example.comに対して、content1.htmで特定されるコンテンツを要求する。このようにして、コンテンツ履歴保持部2407は、リンカブルコンテンツを介してアクセスされたコンテンツの履歴をその端末装置の機種別情報と関連付けて保持することができる。
(実施形態5)
実施形態5として、実施形態1から4のいずれかのコンテンツ配信システムにおいて、端末装置は、ユーザ識別情報を送信可能となっており、コンテンツサーバ装置は、端末装置から送信されたユーザ識別情報を取得可能であれば、そのユーザ識別情報に応じて保持しているコンテンツを選択可能とし、機種識別情報に応じたコンテンツの選択と、ユーザ識別情報に応じたコンテンツの選択とを制御して配信するように構成されているコンテンツ配信システムについて説明する。
図27は、実施形態5に係るコンテンツ配信システムの端末装置の機能ブロック図を例示する。端末装置2701は、実施形態1などのように機種識別情報送信部2702を有し、さらに、ユーザ識別情報送信部2703を有する構成となっている。
「ユーザ識別情報送信部」2703は、コンテンツサーバ装置に対して、ユーザ識別情報を送信可能な部である。「ユーザ識別情報」とは、端末装置2701のユーザを識別する情報である。例えば、住所、氏名からなったり、会員番号から構成されていたりする。また、ユーザはユーザ識別情報で直接的に特定される必要はなく、端末装置以外の例えばコンテンツ配信システムの運営会社が機器識別情報と、その機器識別情報で特定される端末装置の購入者などの利用者とを関連付けた情報を管理する場合の機器識別情報のように、間接的にユーザを特定できる情報であってもよい。また、ユーザ識別情報送信部2703は、「送信可能」とあるので、常にユーザ識別情報を送信するとは限らず、例えば、端末装置2701にユーザの住所、氏名などのユーザ識別情報が設定されている場合にのみ送信するようになっていてもよい。
なお、ユーザ識別情報は、例えば、機種識別情報が送信されるときに、その機種識別情報と伴って送信されるようになっていてもよい。あるいは、最初に端末装置がコンテンツ配信サーバと通信を開始したときのみに送信されるようになっていてもよい。
図28は、実施形態5に係るコンテンツ配信システムのコンテンツサーバ装置の機能ブロック図を例示する。コンテンツサーバ装置2801は、実施形態1などのように、コンテンツ保持部2802と、機種識別情報取得部2803と、第一コンテンツ選択部2804と、コンテンツ配信部2805と、を有し、さらにユーザ識別情報取得部2806と、第二コンテンツ選択部2807と、選択方法制御部2808と、を有する。
「ユーザ識別情報取得部」2806は、コンテンツ配信先の端末装置のユーザの識別情報が取得可能であれば、取得する。例えば、コンテンツの要求に、ユーザ識別情報が含まれているかどうかを、要求を構成するフィールド名の有無などにより判断し、ユーザ識別情報が含まれていれば、そのフィールド名の値を取得する。
「第二コンテンツ選択部」2807は、取得したユーザ識別情報に応じて、保持しているコンテンツを選択する。例えば、ユーザ識別情報ごとにユーザの属性などのテーブルが保持されていれば、そのテーブルに保持されているユーザの属性に適したコンテンツを選択する。例えば、ユーザの年齢と婚姻の有無という属性が、20代独身であれば、結婚紹介所などの広告のコンテンツを選択し、30代既婚者であれば、分譲マンションなどの広告のコンテンツを選択する。
「選択方法制御部」2808は、第一コンテンツ選択部2804によりコンテンツを選択するか、第二コンテンツ選択部2807によりコンテンツを選択するかを制御する。例えば、ユーザ識別情報取得部2806により、ユーザ識別情報が取得されれば、第二コンテンツ選択部2807によりコンテンツの選択を行ない、そうでなければ、第一コンテンツ選択部2804によりコンテンツの選択を行なう。また、コンテンツサーバ装置2801が、実施形態4のようにコンテンツ履歴保持部などを有する場合には、ユーザ識別情報取得部2806が取得したユーザ識別情報で識別されるユーザのコンテンツのアクセス履歴を参照し、集中してアクセスするコンテンツがないアクセス傾向が得られた場合、第一コンテンツ選択部2804によるコンテンツを選択するようにしてもよい。これにより、ユーザの属性などに基づいたコンテンツの選択がうまくいっていないことがアクセス傾向から得られた場合、コンテンツの選択方法を変えることで、そのユーザに提供されるコンテンツの種類を変更することができる。
図29は、実施形態5に係るコンテンツ配信システムのコンテンツサーバ装置の処理の流れを説明するフローチャートを例示する。ステップS2901において、コンテンツ要求を受信する。このステップは、例えば、要求受信モジュール602により行なわれる。次にステップS2902において、機種識別情報を取得する。このステップは、機種識別情報取得部2803にて行なわれる。次のステップS2903とS2904において、ユーザ識別情報が、ユーザ識別情報取得部2806にて取得されたかどうかを判断する。例えば、ステップS2903において、ユーザ識別情報を取得し、ステップS2904にて、会員などとしてそのユーザ識別情報が登録されているかどうかを判断する。なお、ユーザ識別情報が端末装置から受信できず、ユーザ識別情報取得部2806にて、ユーザ識別情報が取得できなかった場合には、ステップS2903において、ダミーの値としてNULLなどがユーザ識別情報として取得されるようになっているとする。
ステップS2904にて、会員などとして登録されていると判断されれば、ステップS2905へ処理を移行させ、会員プロフィールなどをデータベース管理システムなどの記憶装置から読出し、ステップS2906にて、第二コンテンツ選択部2807を動作させて、会員プロフィールに応じたコンテンツの選択を行なうなどとする。また、ステップS2904にて、会員などとして登録されていないと判断されれば、ステップS2907へ処理を移行させ、第一コンテンツ選択部2804を動作させて、機種識別情報に応じたコンテンツ選択を行なう。その後、コンテンツ配信部2805を動作させて、選択されたコンテンツの配信を行なう。
図30は、実施形態5に係るコンテンツ配信システムの機能の一例を説明する図である。図30の左半分は端末装置の側を例示し、右半分は、コンテンツサーバ装置の側を例示している。端末装置3001が、会員などとして登録されているユーザの利用する端末装置であれば、コンテンツサーバ装置にユーザ識別情報が送信され、会員プロフィールデータベース3002を、ユーザ識別情報で検索などを行ない、ユーザのプロフィールを得て、その属性に適した会員向けのコンテンツ3003を選択して、配信を行なう。一方、端末装置3004が非会員のユーザの利用する端末装置であれば、機種データベース3005を、機種識別情報により検索を行ない、その検索結果により、機種別購買層分類データベース3006を検索する。機種別購買層分類データベースとは、例えば、端末装置の属する機種の製造時期などから、その端末装置のユーザ層の傾向を検索するためのデータベースである。例えば、5歳ごとの区間で年齢を区切った場合、どの区間のユーザが製造時期に対する購買時期が最も多いかなどの情報を格納するデータベースである。そして、機種別購買層分類データベース3006の検索結果から、例えば年齢層に適合した広告データベース3009から広告のコンテンツを選択して、端末装置3004へ配信する。例えば、20代前半のユーザの端末装置には、アイドルが出演する広告を選択して配信し、60代後半のユーザの端末装置には、演歌歌手が出演する広告を選択して配信するなどである。
また、広告データベースからコンテンツを選択する場合には、機種別アクセスログ3007と機種別関心分野データベース3008を参照してもよい。機種別アクセスログ3007は、例えば、コンテンツ履歴保持部2407が保持するデータから構成されるデータベースであり、端末装置の機種識別情報ごとに、どのようなコンテンツの要求が多いか少ないかを示す情報、あるいは多いか少ないかが得られる情報を保持する。機種別関心分野データベース3008は、コンテンツのアクセス数の多寡から、端末装置の機種識別情報ごとにそのユーザが関心を寄せている分野を特定するための情報を格納する。例えば、ここ2年ほど前までに製造された端末装置からは、アイドルが関係するコンテンツのアクセスが多く、そのような端末装置のユーザは、アイドルに関心を寄せていることが機種別関心分野データベース3008に格納される。一方、5年ほど前に製造された端末装置からは、計算機のアーキテクチャを解説するコンテンツのアクセスが多く、そのような端末装置のユーザは、いわゆる計算機オタクであることが機種別関心分野データベース3008に格納される。広告データベース3009からコンテンツを選択する際には、機種別購買層分類データベース3006に格納された情報を参照するとともに、機種別関心分野データベースに格納されている情報を参照することにより、アイドルが関係するコンテンツのアクセスが多い機種の端末装置には、アイドル系の広告が多く選択されるようにし、ユーザが計算機オタクと思われる端末装置へは、新製品のゲーム機器などの広告が選択されるようにすることで、効果的な広告コンテンツの配信を行なうことができる。