JP5076817B2 - 熱交換器および冷却方法 - Google Patents

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Description

本発明は、室内の空気の温度を調節する熱交換器および冷却方法に関する。
空気調和機(エアーコンディショナーともいう。以下「エアコン」と略称する。)に代表される熱交換器は、家庭や会社等に広く普及し、室内の温度を調節している。一般的なエアコンは、室内機と室外機で構成され、室内機と室外機の間で熱伝達媒体(冷媒)を循環させ、熱伝達媒体を凝縮したり蒸発させたりすることによって発生する熱伝達媒体の潜熱を利用することで暖房機となったり、冷房機となったりする。
例えばエアコンを冷房機として利用する場合、室外機に熱伝達媒体を凝縮する凝縮器を備え、室内機に熱伝達媒体を蒸発させる蒸発器を備える。室外機においては凝縮熱を放出し、室内機においては気化熱を吸収する。これにより室内の熱と外気の熱とを交換し、室内を冷却することができる。
冷房機としてのエアコンを効率的に利用するには、消費電力あたりの冷房能力(成績係数:COP:Coefficient Of Performance)を向上させる必要がある。COPを向上させる手段の一つとして、凝縮器の放熱効率を上昇させる、すなわち凝縮器を冷却することにより、ポンプ(圧縮器)の仕事を低減させる方法が最も有効である。そこで冷房機の凝縮器は水冷式または空冷式によって冷却しているが、大型の業務用凝縮器を除けば空冷式を採用する場合が多い。空冷式においては、熱伝達媒体を循環する管にフィンを設け、このフィンの間に空気を流通させるファンを設けることにより熱伝達媒体を冷却する方法が一般的である。
また凝縮器をより効率的に冷却する技術として、フィンに水道水を噴霧し、フィンに付着した水道水の気化熱を利用して放熱効率を向上させるものが提案されている。しかし、水道水を噴霧する技術では、フィンの表面に水道水に含まれる炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等硬度成分が析出、堆積し、フィンの冷却効率を著しく低下させたり、噴霧した水道水が空気中の腐食性水溶性物質を吸収してフィンが損傷してしまったりすることがあった。そこでフィンに噴霧する水道水に防錆剤や洗浄剤を加え、フィンに損傷を与えないようにする技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかし、水道水を噴霧する技術では、水道水および防錆剤、洗浄剤を別途使用するため、コスト高になったり、環境上好ましくなかったりといった問題がある。そこで、冷房機における熱伝達媒体を気化吸熱させる蒸発器において発生したドレン水をフィンに吹きかける技術が提案されている(例えば、特許文献2)。
上述したドレン水は、元来廃棄されていたものであり、コスト面において有利である。またドレン水は室内の空気中の水分が凝縮したものであるため、硬度成分が含まれていないため、フィンの表面に析出、堆積するおそれがない。また蒸発器で結露したドレン水はすぐに機内に回収されてしまうため、空気に触れる表面積が少なく、空気中の水溶成分をほとんど吸収しない。このため、ドレン水を用いて凝縮器を冷却することは、多くの利点を備えている。
特開2000−018771号公報 特開2002−005468号公報
しかし、特許文献2に記載のようなフィンにドレン水を吹きかける技術では、吹きかけるためにドレン水をポンプによって圧送する必要がある。このためポンプ仕事が効率を低下させる原因となると共に、設置体積やコスト面でも無駄が多い。また凝縮器に吹きかける構成では、液滴を大きくして吹きかけると凝縮器の水膜が厚くなり、熱伝達性が悪くなる上、大部分の水が蒸発する前に流れてしまい無駄が多い。一方液滴を小さくして吹きかけると飛散してしまい、凝縮器での熱伝達には寄与しなくなってしまう。また周囲に飛散して周囲の機器に損傷を与えたり、美観を損ねたりするという問題があった。
そこで、本発明は、熱交換器が有する上記問題に鑑み、専用の機器を設置することなく凝縮器を効率的に冷却し、もって成績係数のよい運転をすることが可能な熱交換器および冷却方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる熱交換器の代表的な構成は、熱伝達媒体を循環させて室外の熱と室内の熱を交換する熱交換器であって、熱伝達媒体を気化吸熱させる蒸発器と、熱伝達媒体を圧縮する圧縮器と、圧縮された熱伝達媒体を放熱させ液化させる凝縮器と、凝縮器の外表面を覆い吸水する湿潤層と、湿潤層に水を供給する水供給部と、凝縮器に空気を流通させ湿潤層が吸水した水の気化を促進するファンと、を備えたことを特徴とする。
上記構成により、湿潤層に供給された水の気化熱によって、湿潤層に覆われている凝縮器を冷却することができ、凝縮器の内部を循環する熱伝導媒体の凝縮効率を上昇させることが可能となる。また、ファンを備えたことにより湿潤層に供給された水の気化速度が上昇するため、凝縮器の気化吸熱効率が増加する。したがって、簡単かつ安価に凝縮器を冷却することができ、熱伝達媒体を凝縮することが可能となる。
また、水供給部は、凝縮器の下方に配置され、当該凝縮器の下部の湿潤層を水に浸漬するように構成してもよい。これにより、湿潤層の毛細管現象を利用して効率よくかつ連続的に湿潤層に水を供給することができる。
また、水供給部に供給される水は、蒸発器において発生したドレン水であってもよい。
ドレン水は、元来廃棄されていたものであり、また室内の空気中の水分が凝縮したものであるため、硬質成分も含まれていなければ、腐食性成分も含まれるおそれがない。したがって、ドレン水を利用することにより、効率的かつ安価に凝縮器を冷却することができる。
また、水供給部は、複数のトレイで構成され、当該複数のトレイは上下方向に多段構造を有し、かつ、当該複数のトレイのそれぞれにおいて凝縮器の下部の湿潤層を水に浸漬してもよい。
これにより、揚水高さに限界のある毛細管現象を利用しつつ、広面積で冷却することができる。特に横方向の占有幅を小さくすることができ、凝縮器の設置面積の省スペース化を図ることが可能となる。
また、凝縮器には、熱伝達媒体と空気との熱を交換するフィンチューブをさらに備えてもよい。これにより、凝縮器に湿潤層のみを備えた場合と比較して、さらに効率よく凝縮器を冷却することができる。
また、フィンチューブの外表面に湿潤層を設けてもよい。これにより、凝縮器のみならずフィンチューブの熱伝導率も向上させることができる。
また、湿潤層は、繊維を植毛して構成されてもよい。これにより、湿潤層は水供給部から供給された水を満遍なく保持することができる。
また、湿潤層は、金属または炭素もしくはその両方を含んでもよい。これにより、熱伝導率が向上するため、効率よく凝縮器およびフィンチューブに保持された熱と外気の熱を交換することができる。
上記課題を解決するために、本発明にかかる冷却方法の代表的な構成は、熱交換器における冷却方法であって、凝縮器の外表面に湿潤層を設け、凝縮器の下部の湿潤層を水に浸漬し、凝縮器の外表面に表面張力を利用して水の薄膜を形成し、凝縮器に空気を流通させることによって水を蒸発させることを特徴とする。
上述した熱交換器の技術的思想に基づく構成要素やその説明は、当該冷却方法にも適用可能である。
以上説明したように本発明の熱交換器によれば、凝縮器において効率的に冷却することができ、熱交換器としての効率を高めることが可能となる。
(第一実施形態)
本発明にかかる熱交換器および冷却方法の第一実施形態について説明する。ここでは、理解を容易にするために、熱交換器としてエアコンを挙げて説明する。なお、以下の実施形態に示す、寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。また本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(エアコン100)
図1は、第一実施形態にかかる熱交換器の例としてのエアコン100を説明するための概略図である。かかるエアコン100は、冷房または暖房として機能し、室内機110と、室外機200と、媒体循環器102とを含んで構成される。エアコン100では、媒体循環器102が室内機110と室外機200に接続されている。
媒体循環器102は、管形状を有し、内部に熱伝達媒体(冷媒)を封入されている。熱伝達媒体は図1中矢印で示すように、室内機110と室外機200の間を循環している。エアコン100を暖房装置として機能させる場合は、冷房装置として機能させる場合と逆の方向に熱伝達媒体を循環させる。以下、エアコン100を主に冷房装置として動作させる場合について説明する。
(室内機110)
室内機110は、蒸発器112と、ドレン水取得部114と、送風部116とを含んで構成される。
蒸発器112は、媒体循環器102を循環する熱伝達媒体の圧力を下げて蒸発させ、このときに必要となる気化熱を室内の空気から吸熱する。
ドレン水取得部114は、蒸発器112にて発生(結露)するドレン水(室内の空気中の水分が凝縮したもの)を取得し、室外機200に設けられた水供給部212へ移送する。
送風部116は、室内空気を蒸発器112に向かって送風し、気化熱を供給する。また蒸発器112にて冷却された空気を室内に送風することにより、室内に冷風を送ることができる。
(室外機200)
室外機200は、圧縮器202と、凝縮器204と、水供給部212と、ファン216とを含んで構成される。
圧縮器202は、室内機110に設けられた蒸発器112によって気化した熱伝達媒体を高圧に圧縮する。圧縮した熱伝達媒体は高熱になり、凝縮器204において冷却(放熱)することによって凝縮(液化)される。凝縮器204はファン216によって外気を流通することによって空冷される。本実施形態では、ファン216は、図1中白抜き矢印で示すように、凝縮器204付近の空気を吸う方向に回転している。
図2は、凝縮器204付近を上から見た平面図である。図1および図2に示すように、本実施形態において凝縮器204は凝縮管206およびフィンチューブ210で構成され、圧縮器202にて圧縮された熱伝達媒体から発生する凝縮熱を放熱させ、液化させる。
フィンチューブ210はアルミニウム等の伝熱性の高い金属によって形成された多数枚の羽根(板部材)を備えている。フィンチューブ210は表面積を大きくすることにより放熱量を増大させ、ファン216によって通風される外気と熱伝達媒体との熱伝達効率(冷房の時は放熱、暖房の時は吸熱)を高めるために設けられている。ここで従来の凝縮器においては、フィンチューブとファンのみによって外気との熱伝達を行っており、次に述べる凝縮管206を設けることが本実施形態において特徴的である。
図3は凝縮器204のうち凝縮管206を説明するための説明図である。図3(a)は凝縮器204の全体図を示し、図3(b)は図3(a)のA−A断面を示し、図3(c)に図3(b)の一部を拡大した図を示す。図3においては、説明を明確にするため、フィンチューブ210を構成するフィンは省略している。
図3(a)に示すように、凝縮管206は、外表面を湿潤層208で覆われた管形状を有しかつ上下方向に蛇行してなる。
そして凝縮管206の下方には、水供給部212としての複数のトレイ214が配置され、凝縮管206の下部は水に浸漬される(トレイ214の水面高さが、凝縮管206の下部しか浸漬しない高さに設定されている)。これによりトレイ214に供給された水は、毛細管現象により湿潤層208を上昇し、凝縮管206の表面に効率よくかつ連続的に供給することができる。凝縮管206の表面に供給された水は、蒸発する際に気化熱(潜熱)を奪うため、凝縮管206を介して熱伝達媒体の熱を放熱することができる。ファン216による通風は、凝縮管206の表面の水を蒸発させるために極めて有効に作用する。
本実施形態において、凝縮管206は上下方向に約20cm程度の高さを有して構成されている。これは、湿潤層208による毛細管現象を利用して水を揚水する場合、水が上昇し凝縮管206を覆う限界高さで決定している。したがって、湿潤層208の材質によって、凝縮管206の上下高さは適宜設定することができる。
また水供給部212は、複数のトレイ214を上下方向に多段にした構造を有する。かかる構成により、上のトレイから下のトレイへと順に水を供給する経路を形成することができ、装置構成が簡略となる。また、仮に1つのトレイで必要分の冷却面積を得ようとすれば、揚水高さに限界があることから広い設置面積が必要となるが、上記構成とすることにより設置面積を広げることなく広面積で冷却することができ、凝縮器204の設置面積の省スペース化を図ることが可能となる。
また本実施形態において、水供給部212には、室内機110のドレン水取得部114から移送されたドレン水が供給される。
ドレン水は、元来廃棄されていたものであり、また室内の空気中の水分が凝縮したものである。従って水道水と比較すると、水の料金がかからないためランニングコストの低減を図ることができると共に、硬度成分が含まれていないためこれが析出、堆積して凝縮管206の湿潤層208の目を詰まらせてしまうおそれがない。したがって、ドレン水を利用することにより、効率的かつ安価に凝縮器を冷却することができる。
また、ドレン水には室内の空気中のゴミが含まれている場合があるが、本実施形態では湿潤層208による毛細管現象を利用して給水するため、ゴミはトレイ214に残ることとなる。したがって、凝縮管206にゴミが付着することは無く、凝縮管206の熱交換性能が低下することはない。なお、トレイ214へのゴミの堆積を防ぐために、エアコン100停止時にトレイ214に供給されたドレン水を排出したり、ドレン水の一部をトレイ214からオーバーフローさせたりしてもよい。
さらに、従来技術のように空気中に散布するものではなく、空気に触れるのは蒸発器112において発生(結露)してから回収するまで、および凝縮管206の表面で蒸発する際のみである。このため空気中の水溶成分(腐食性成分)を吸収する量が極めて少なく、凝縮器204を痛めてしまうおそれがない。
本実施形態において、湿潤層208は、凝縮管206の外表面に親水性の繊維を植毛して構成している。繊維の植毛は、凝縮管206の外表面に接着剤を塗布した後に、繊維を吹き付けて行う静電植毛法を利用することができる。本実施形態において湿潤層208の繊維は、約1mm長のレーヨンを用いているが、親水性の繊維であれば好適に用いることができる。なお湿潤層208としては繊維の植毛に限らず、毛細管現象が得られれば足り、帯状の布や不織布を巻き付けたり、発泡樹脂の層を形成したり、多孔質のセラミックを凝縮管206の外表面に焼結して形成してもよい。
図4は本実施形態にかかる湿潤層208以外の湿潤層の例を説明するための図であり、特に図4(a)は不織布を、図4(b)は布を、図4(c)は発泡樹脂を湿潤層に用いた場合をそれぞれ示す。また図4中、水を斜線で示す。図4に示すように、不織布、布および発泡樹脂でも毛細管現象を利用し、水を吸い上げることが可能となる。したがって、不織布、布および発泡樹脂でも湿潤層として好適に用いることができる。
また、繊維に防カビ剤を塗布したり、繊維に防カビ剤を含有させたりすることで防カビ性能を持たせることもできる。
また、図3(c)に示すように、水の表面張力により湿潤層208を形成する繊維1本1本にメニスカス(毛管現象によって水面が凹凸になる現象)が形成される。したがって、湿潤層208の繊維1本1本に満遍なく水(ドレン水)の薄膜が形成されることとなる。ここで凝縮管206と水の伝熱性および水と空気の伝熱性は、凝縮管206と空気との間の伝熱性より高いため、水の薄膜の中には凝縮管206の温度から空気の温度へと連続する温度勾配が形成される。そして水の薄膜が薄ければ薄いほど、凝縮管206と空気の温度勾配が大きくなり、水を介して凝縮管206から空気へと放熱する際の熱伝達効率が向上する。すなわち、多量の水を散布するよりもむしろ、凝縮管206の表層に水の薄膜を形成することによって、外気への放熱を促進することができる。
ここで上記構成における作用について考察すれば、従来技術のように水を散布する場合には、水自体の比熱(顕熱)および気化熱(潜熱)によって凝縮器204を冷却していると考えられる。これに対し本実施形態の構成では、凝縮管206の表面に供給される水の総量は少ないため、主として気化熱によって冷却を行っていると考えられる。ただし気化熱は熱量が大きく、かつ水が薄膜を形成することから蒸発しやすい状態になっているため、効率よく冷却が可能となっていると考えられる。
さらに本実施形態においては、図2に示したように、ファン216による気流の方向において、フィンチューブ210よりも上流側に凝縮管206を設けている。従って水の蒸発により湿った冷たい空気がフィンチューブ210を通過することとなり、フィンチューブ210の冷却効率をも向上させることができる。
モデル装置を用いて冷却実験を行った結果について説明する。比較例は、フィンチューブ210のみを用いた構成である。実施例1は凝縮管206のみを用いた構成であって、凝縮管206の長さは比較例のフィンチューブと同じ長さとする。実施例2はフィンチューブ210と凝縮管206を直列に設けた構成である。図5は実験結果を説明するPH線図である。
実験の結果、外気温28℃湿度60%において、実施例1では比較例の1.5倍の熱伝達率を得ることができた。さらに同条件において、比較例では55℃の熱伝達媒体を35℃まで冷却することができたが、実施例2では熱伝達媒体を30℃まで過冷却することができた。これを図5のPH線図で説明すれば、比較例のフィンチューブ210のみではPH線図内の飽和液線より右側のポイントBまでしか冷却できなかったが、実施例2では飽和液線の左側のポイントAまで過冷却できている。これは、気化熱によって強制的に冷却したことによるものと考えられる。
以上説明したように、本実施形態にかかるエアコン100は、湿潤層208に供給された水の気化熱によって、湿潤層208に覆われている凝縮管206冷却することができ、凝縮管206の内部を循環する熱伝導媒体の凝縮効率を上昇させることが可能となる。また、ファン216を備えたことにより湿潤層208に供給された水の気化速度が上昇するため、凝縮管206の気化吸熱効率が増加する。したがって、簡単かつ安価に凝縮器204を冷却することができ、熱伝達媒体を凝縮することが可能となる。
(冷却方法)
続いて、上述したエアコン100を用いた冷却方法を説明する。図6は、エアコン100を用いた冷却方法の流れを示したフローチャートである。
まず、ドレン水取得部114にてドレン水を回収し(S300:ドレン水回収工程)、凝縮管206の下部を水に浸漬する(S302:水浸漬工程)。水浸漬工程S302にて表面張力により湿潤層208に水が浸潤し、凝縮管206全体に薄膜を形成させる(S304:水薄膜形成工程)。さらに、ファン216を用いて凝縮器204に空気を流通させ(S306:空気流通工程)、水を蒸発させる(S308:水蒸発工程)。
水浸漬工程S302を含むことにより、毛細管現象により湿潤層208に水が供給され、水薄膜形成工程S304にて凝縮管206全体に水の薄膜が形成されることとなる。これにより、水の気化熱によって、湿潤層208に覆われている凝縮管206を冷却することができ、凝縮管206の内部を循環する熱伝導媒体の凝縮効率を上昇させることが可能となる。
さらに、空気流通工程S306および水蒸発工程S308にて、凝縮管206の外表面に形成された水の薄膜を蒸発させることから、湿潤層208に供給された水の気化速度が上昇するため、凝縮管206の気化吸熱効率が増加する。
(第二実施形態)
本発明にかかる熱交換器および冷却方法の第二実施形態について説明する。上記第一実施形態においては、凝縮器204を構成する凝縮管206に湿潤層208を設け、凝縮器204を効率的に冷却し、もって成績係数のよい運転をすることが可能な熱交換器および冷却方法ついて説明した。しかし、凝縮管だけでなくフィンチューブにも湿潤層を設けて凝縮器全体を効率的に冷却することも可能である。第二実施形態においては、かかる凝縮器による構成に関して説明する。なお、上述したエアコン100と機能が実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
(凝縮器500)
図7は、凝縮器500を説明するための説明図である。図7(a)は凝縮器500の全体図を示し、図7(b)は図7(a)のB−B断面を示し、図7(c)に図7(b)の一部を拡大した図を示す。なお本実施形態においては、上記第一実施形態に示した凝縮管206に相当する構成は備えていない。
図7に示すように、本実施形態において凝縮器500はフィンチューブ510で構成され、第一実施形態と同様に圧縮器202にて圧縮された熱伝達媒体から発生する凝縮熱を放熱させ、液化させる。
図7(a)に示すように、フィンチューブ510は、外表面を湿潤層508で覆われている。そしてフィンチューブ510の下部は、トレイ214に貯留されたドレン水に浸漬される。これにより、湿潤層508の毛細管現象を利用して、フィンチューブ510の表面に、水供給部212から供給された水を満遍なく保持することができる。
また本実施形態において湿潤層508は、金属粉を含んだ(混入した)繊維をフィンチューブ510の外表面に植毛して構成されている(図7(b))。繊維に金属粉を混入することにより熱伝導率を向上させることができる。なお熱伝導率は導電率とほぼ比例関係にあるため、導電率を基準として混入する金属粉の割合を調節することもできる。これにより、さらに冷却効率を高めることができる。
また湿潤層508を構成する繊維には金属粉に代えて炭素粉を含んでもよいし、金属粉および炭素粉を両方を適宜組み合わせてもよい。また繊維状結晶を成す金属(例えば酸化チタンなど)を用いて、湿潤層を構成してもよい。
また湿潤層508の熱伝導率を向上させたことにより、フィンチューブ510に給水しない場合であっても、熱伝達媒体と空気との間の熱伝導性の低下を防止することができる。すなわち湿潤層508に給水しない場合は、乾いた湿潤層508内に形成される空気の層が断熱性を有するため、熱伝達媒体からの放熱を阻害してしまうおそれがある。しかし上記構成のように湿潤層508の熱伝導率を向上させたことにより、エアコン100を暖房として利用するときでも支障なく熱交換を行うことができる。
また本実施形態において湿潤層508の繊維は、約1mm長のレーヨンを用いているが、親水性の繊維であれば好適に用いることができる。また、本実施形態において、フィンチューブ510の外表面への植毛は静電植毛法を用いているが、これに限定されず、他の植毛法も好適に用いることができる。また、湿潤層508は毛細管現象が得られればよく、布や発泡樹脂、セラミックなどを用いてもよいことは上述の通りである。なお、上述した第一実施形態同様、繊維に防カビ剤を塗布したり、繊維に防カビ剤を含有させたりすることで防カビ性能を持たせることもできる。また、植毛しても空気の流通を阻害しないように、植毛しない場合よりもフィン同士の間隔を広めに設定することが好ましい。
本実施形態において、フィンチューブ510は上下方向に約20cm程度の高さを有して構成されている。これは、湿潤層508による毛細管現象を利用して水を揚水する場合、水が上昇しフィンチューブ510を覆う限界高さで決定している。したがって、湿潤層508の材質によって、フィンチューブ510の上下高さは適宜設定することができる。
さらに、水の表面張力により湿潤層508を形成する繊維1本1本にメニスカス(毛管現象によって水面が凹凸になる現象)が形成される(図7(c))。したがって、湿潤層508の繊維1本1本に満遍なく水(ドレン水)の薄膜が形成されることとなる。フィンチューブ510と空気の間形成される水の薄膜が薄ければ薄いほど温度勾配が大きくなり、熱伝達効率が向上する。
以上説明したように、フィンチューブ510に湿潤層508を備える構成により、表面積を拡大して冷却効率をさらに向上させることができる。また湿潤層508に金属または炭素を混入して熱伝導率を高めることにより、さらに効率を向上できると共に、別途の(湿潤層を設けていない)フィンチューブを設けることなく、暖房にも用いることができる。
(他の実施形態)
上記した実施形態においては、熱交換器としてエアコンを用いているがこれに限定されず、冷蔵庫や冷凍庫等の冷凍装置、および二次冷却装置などにおいても好適に用いることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、本明細書の冷却方法における各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むとしても良い。
本発明は、熱交換器および冷却方法に利用することができる。
第一実施形態にかかるエアコンを説明するための概略図である。 凝縮器付近を上から見た図である。 凝縮器を説明するための説明図である。 第一実施形態にかかる湿潤層以外の湿潤層の例を説明するための図である。 実験結果を説明するPH線図である。 エアコンを用いた冷却方法の流れを示したフローチャートである。 第二実施形態にかかる凝縮器を説明するための図である。
符号の説明
100 …エアコン
102 …媒体循環器
110 …室内機
112 …蒸発器
114 …ドレン水取得部
116 …送風部
200 …室外機
202 …圧縮器
204、500 …凝縮器
206 …凝縮管
208、508 …湿潤層
210、510 …フィンチューブ
212 …水供給部
214 …トレイ
216 …ファン

Claims (5)

  1. 熱伝達媒体を循環させて室外の熱と室内の熱を交換する熱交換器であって、
    前記熱伝達媒体を気化吸熱させる蒸発器と、
    前記熱伝達媒体を圧縮する圧縮器と、
    前記圧縮された熱伝達媒体を放熱させて液化させる凝縮器と、
    前記凝縮器の外表面を覆うように繊維を植毛した湿潤層と、
    前記蒸発器において発生したドレン水が供給される複数のトレイを上下方向に多段にした構造を有し、それぞれの該トレイが前記凝縮器の下方に配置され該凝縮器の下部の湿潤層を水に浸漬する水供給部と、
    前記凝縮器に空気を流通させ前記湿潤層が吸水した水の気化を促進するファンと、
    を備えたことを特徴とする熱交換器。
  2. 前記凝縮器には、熱伝達媒体と空気との熱を交換するフィンチューブをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記フィンチューブの外表面に湿潤層を設けたことを特徴とする請求項に記載の熱交換器。
  4. 前記湿潤層は、金属および/または炭素を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換器。
  5. 熱交換器における冷却方法であって、
    凝縮器の外表面を覆うように繊維を植毛した湿潤層を設け、
    蒸発器において発生したドレン水が供給される複数のトレイを上下方向に多段にして、それぞれの該トレイが該凝縮器の下方に配置され該凝縮器の下部の湿潤層を水に浸漬するようにし、
    前記凝縮器の外表面に表面張力を利用して水の薄膜を形成し、
    前記凝縮器に空気を流通させることによって水を蒸発させることを特徴とする冷却方法。
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