JP5076445B2 - 印刷装置及びその印刷制御方法 - Google Patents

印刷装置及びその印刷制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5076445B2
JP5076445B2 JP2006292659A JP2006292659A JP5076445B2 JP 5076445 B2 JP5076445 B2 JP 5076445B2 JP 2006292659 A JP2006292659 A JP 2006292659A JP 2006292659 A JP2006292659 A JP 2006292659A JP 5076445 B2 JP5076445 B2 JP 5076445B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing
print
timing data
control method
printing apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006292659A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007290348A (ja
Inventor
智明 林
聖介 小野瀬
Original Assignee
リコープリンティングシステムズ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by リコープリンティングシステムズ株式会社 filed Critical リコープリンティングシステムズ株式会社
Priority to JP2006292659A priority Critical patent/JP5076445B2/ja
Publication of JP2007290348A publication Critical patent/JP2007290348A/ja
Priority to HK08102302.1A priority patent/HK1108409A1/xx
Application granted granted Critical
Publication of JP5076445B2 publication Critical patent/JP5076445B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Character Spaces And Line Spaces In Printers (AREA)

Description

本発明は、クランクを用いたシャトル機構部を有する印刷装置の印刷制御方法に関するものである。
クランクを用いたシャトル機構部を有し、このシャトル機構部で複数の印字素子(例えばドット印字ハンマ)を備えたハンマバンクを往復運動させる印刷装置においては、シャトル機構部と動作が同期する部材に配設される直進運動位置センサ(以下、リニアセンサと呼ぶ)の位置信号を用いて印字素子の実際の位置を予測し、印字素子駆動タイミングを生成するという方法が開発されている(特許文献1、特許文献2参照)。
また、印刷開始位置の調整(以下、フェージング調整と呼ぶ)を行うことにより、部品のガタや取付誤差による印刷品質低下を防止するための調整方法も開発されている(特許文献3参照)。
図2にリニアセンサを用いたクランク方式のシャトル機構部の構成の一例を示す。モータ31によってモータ軸に取り付けられた偏心カム22を矢印Aの方向に回転させ、シャトル機構部と一体であるハンマバンク20と偏心カム22に取り付けられたクランク21によって、ハンマバンク20を矢印Bに示すように桁方向に往復運動させる。図2左上に示したような、クランク中心位置とモータシャフト中心との距離差(以下、クランク偏心量と呼ぶ)を半径とする円の直径が、ハンマバンク20の往復運動の振幅量となる。
リニアセンサ32はハンマバンク20と動作が同期する部材(本例ではアーム33)に配設され、ハンマバンク20の直線運動と同期することにより、ハンマバンク20の正確な位置を認識できる。よって、ハンマバンク20が移動すると一定の変位毎にリニアセンサ32から出力される信号を元に印字素子駆動タイミングを生成し、印字素子駆動回路によって印刷用紙へ向けて、生成された印字素子駆動タイミングによって印字素子が駆動され、印刷がなされる。
図3に1/180インチ間隔でリニアセンサ32のセンサ信号が出力され、1/180インチ間隔、すなわち180dpiで印字素子の駆動タイミングを生成する場合の一例を示す。1/180インチ間隔で時間を計測し、計測した時間(例えばt1、t2、t3)から印字素子の駆動タイミングを生成する。リニアセンサ32を用いることにより、ハンマバンク20の往復運動から直接的に印刷位置を監視できるため、偏心カム22の寸法公差等によって生じるハンマバンク20の往復運動における振幅量の偏差によらず、所定位置への印刷が可能となる。
特開2000−127509号公報 特開2002−337412号公報 特開平10−16303号公報
従来のクランクを用いたシャトル機構部を有する印刷装置では、リニアセンサの位置信号を用いて、印字素子駆動タイミングを生成しているが、印刷品質の確保に必要とされる高分解能のリニアセンサは一般に高価であり、機器が高コストとなるという問題があった。この問題を解決するために、高価なリニアセンサを使用せずに、モータ軸等に取り付けられた安価なロータリーエンコーダーを用いて、印字素子の駆動タイミングを生成する方法が考えられる。
図10にロータリーエンコーダーを用いたクランク方式のシャトル機構部の構成の一例を示す。モータ31によってモータ軸に取り付けられた偏心カム22を矢印Aの方向に回転させ、シャトル機構部と一体であるハンマバンク20と偏心カム22に取り付けられたクランク21によって、ハンマバンク20を矢印Bに示すように桁方向に往復運動させる。前述のリニアセンサの構成と同様に、図中、左上に示したようなクランク偏心量を半径とする円の直径が、ハンマバンク20の往復運動の振幅量となる。
ロータリーエンコーダー30はモータ31の回転運動と同期することにより、ハンマバンク20の反転位置を認識することができる。よって、図4に示すように、ロータリーエンコーダー30のホーム信号により、ハンマバンク20の反転位置を検出し、反転位置を基準として、設定された印字素子の駆動タイミングデータをもとに、印字素子の駆動タイミングを出力して印刷する。なお、ロータリーエンコーダー30の信号を任意の間隔で出力するようにし、これを元に印字素子の駆動タイミングを生成してもよい。このようにして、ハンマバンク20の移動に伴い、ロータリーエンコーダー30から出力される信号を元に印字素子の駆動タイミングを生成し、生成された印字素子駆動タイミングによって印字素子駆動回路を通して印字素子が印刷用紙へ向けて駆動され、印刷がなされる。
しかし、高価なリニアセンサを使用せずに安価なロータリーエンコーダーを用いた場合、モータの回転角は認識できるが、ハンマバンクの振幅量を検出できないため、部品加工時あるいは組立時に生じる、クランク偏心量の寸法公差によるハンマバンクの振幅量の偏差がそのまま印刷結果に現れ、印刷範囲が変動し、印刷品質の低下を招いていた。このクランク偏心量の寸法公差による印刷品質の低下については、偏心カム、クランク等の部品の寸法精度を厳しくすることにより解決できるが、この場合、部品単価の増大につながりコストアップとなってしまう。
なお、図5に示すように、印刷範囲の補正、例えば印刷範囲を狭める補正(a)→(c)を行う場合には、全印字素子駆動タイミングの夫々の間隔において個別調整が必要となる。これに対し、印刷品質低下防止を目的として従来より用いられていたフェージング調整(b)では、印字素子駆動タイミングの間隔は不変であり、個別調整ができない。従って、クランク偏心量の寸法公差に基づく印刷範囲の補正を行うことができず、印刷品質の低下を防止できない。
以上から、本発明は、コストアップすることなく、クランク偏心量の寸法公差による印刷範囲の偏差を補正し、印刷品質の低下を防止することを課題とする。更に、機内温度変化、あるいは経時変化による印刷範囲の偏差を補正し、印刷品質の低下を防止することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の請求項1記載の発明は、複数個の印字素子を搭載し、桁方向に沿って往復運動するハンマバンクと、前記ハンマバンクを往復運動させるためのクランクを用いたシャトル機構部と、前記複数個の印字素子を駆動させるための複数個の印字素子駆動タイミングデータを有するデータ保持手段とを備えた印刷装置の印刷制御方法において、前記クランクの寸法公差による各印字素子の印刷範囲の偏差を検出する工程と、前記検出工程の検知結果に基づき、前記複数個の印字素子駆動タイミングデータから最適な印字素子駆動タイミングデータを選択する工程と、前記最適な印字素子駆動タイミングデータに基づき前記複数個の印字素子を駆動する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記検出程では隣り合う印字素子の間の印刷範囲の偏差に基づき検出することを特徴とする。
本発明の請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記印刷装置は複数の印刷モードを備え、印刷モード毎に複数種の印字素子駆動タイミングデータを備えることを特徴とする。
本発明の請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の発明において、印刷装置の機内温度変化に対応して上記印字素子駆動タイミングデータに温度変化に対する補正値を加える工程を更に備えることを特徴とする
本発明の請求項5記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の発明において、印刷装置の経時変化に対応して上記印字素子駆動タイミングデータに経時変化に対する補正値を加える工程を更に備えることを特徴とする。
本発明の請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、累積印刷時間カウンタを持ち、前記経時時間の変化に対応した補正値に累積印刷時間に応じた補正を加えることを特徴とする。
本発明の請求項7記載の発明は、請求項5記載の発明において、累積ホーム信号カウンタを持ち、前記経時時間の変化に対応した補正値に、累積ホーム信号数から求められる累積モータ回転数に応じた補正を加えることを特徴とする。
本発明の請求項8記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記経時時間の変化に対応した補正値に、累積印刷時間と累積モータ回転数の組み合わせに応じた補正を加えることを特徴とする。
本発明の請求項9に記載の発明は、複数個の印字素子を搭載し、桁方向に沿って往復運動するハンマバンクと、前記ハンマバンクを往復運動させるためのクランクを用いたシャトル機構部と、前記複数個の印字素子を駆動させるための複数個の印字素子駆動タイミングデータを有するデータ保持手段とを備えた印刷装置において、前記クランクの寸法公差による各印字素子の印刷範囲の偏差を検出する検出手段と、前記検出工程の検知結果に基づき、前記複数個の印字素子駆動タイミングデータから最適な印字素子駆動タイミングデータを選択する選択手段と、前記最適な印字素子駆動タイミングデータに基づき前記複数個の印字素子を駆動する駆動手段とを備えることを特徴とする。
更に、本発明の請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明において、桁方向と垂直な方向に印刷用紙を搬送する紙送り機構部と、前記ハンマバンクの印字力を支持するプラテンとを備え、前記ハンマバンクの往復運動の過程で印字素子を駆動することによって、インクリボンを介して配置された印字用紙に印刷を行うものであることを特徴とする。
本発明により、高価なリニアセンサを使用せずに、また部品の寸法精度を厳しくすることなく、クランク偏心量の寸法公差に起因した印刷品質の低下を防止することができる。また、印刷装置内の温度変化、あるいは経時変化による印刷範囲の変動に対しても補正でき、印刷品質を保つことができる。
まず、本発明で使用するクランクを用いたシャトル機構部を有し、このシャトル機構部によって複数の印字素子を備えたハンマバンクを往復運動させる印刷装置の概要について説明する。
図11に印刷装置の概略構成の一例を示す。複数の印字素子(図示せず)を有するハンマバンク51は、モータ59によってモータ軸に取り付けられた偏心カム60を矢印Eの方向に回転させ、ハンマバンク51と偏心カム60に取り付けられたクランク61によって、ハンマバンク51を矢印Cに示すように桁方向に往復運動させる。また、ハンマバンク51はインクリボン52及び印字用紙53を介して、印字力を支持するためのプラテン54と対向した状態で配置されている。複数の印字素子は、ハンマバンク51の往復運動の過程で適時駆動される毎に、ドットマトリックスの形で文字、図形等を印字用紙53に印刷する。印字用紙53は、その印刷過程において、トラクタ55および紙送りモータ57等により構成される紙送り機構部56により、適時、行方向(図中D方向)へ送られる。これらの動作の制御は後述する制御装置62によって行われる。
図12にハンマバンク51の概略構成について示す。ハンマバンク51は複数の印字素子からなり、印字素子はそれぞれ板バネ70の先端にハンマピン71を取り付けた構成となっており、板バネ70に予め持たせた撓みエネルギーを釈放用電磁コイル72により開放し、インクリボン75を介して印字用紙76にドット印字を行う。そして、永久磁石73の磁気吸引力の復帰により板バネ70はコムヨーク74との接触位置に戻るまでの一連の動作を繰返して印刷を行う。
上記構成の印刷装置においては、複数種類の印刷モードを有する。例えば、第1の印刷モードは16ドットサイズの文字を200行/分の速度で印刷する通常印刷モード、第2の印刷モードは24ドットサイズの文字を100行/分の速度で印刷する高品質印刷モード、第3の印刷モードは12ドットサイズの文字を350行/分の速度で印刷する高速印刷モードである。これらを適宜使い分けることにより、目的に合った印刷を行うことが可能となる。
次に、先に説明した制御装置62のうち、本発明に関与する部分の制御回路を抜き出したものを図1に示す。
本例の制御回路では、ロータリーエンコーダー1に接続されホーム信号入力からの時間測定を行うタイマ4、タイマ4により測定した時間データと印字素子駆動タイミングデータの比較を行い、値が一致したタイミングで印字素子駆動タイミング生成手段7に信号を出力する比較器6、比較器6からの信号を受けて印字素子を駆動する印字素子駆動タイミング生成手段7、及び印字素子駆動タイミングデータに対して必要に応じて補正を行い、その印字素子駆動タイミングデータを比較器6に出力する印字素子駆動タイミング補正部2を有する。
更に、印字素子駆動タイミング補正部2の構成は、印刷モード別に複数の印字素子駆動タイミングデータを保持し、またそれらの印字素子駆動タイミングデータに対応してあらかじめ設定しておいた値(例えば印刷モード別に0〜24)から、選択した印字素子駆動タイミングデータに対応する値を設定値として格納しておく印刷モード別印字素子駆動タイミングデータ保持手段及び設定値保持手段3と、印刷モード別印字素子駆動タイミングデータ保持手段及び設定値保持手段3から出力された印字素子駆動タイミングデータに、必要に応じて補正値を加える加算器5と、機内温度を感知してその温度の値を温度変化補正データ保持手段11に送る機内温度感知手段8、機内温度感知手段8から送られてきた機内温度に対して、保持している閾値から補正の要否を判断し、補正が必要な場合は保持している機内温度に対応した補正データから最適な補正データを選択し、その補正データを加算器5に送って補正を加える温度変化補正データ保持手段11、ホーム信号の入力数をカウントし経時変化補正データ保持手段12に累積ホーム信号入力数を送る累積ホーム信号カウンタ9と、印刷時間数をカウントして経時変化補正データ保持手段12に累積印刷時間数を送る累積印刷時間カウンタ10と、累積ホーム信号カウンタ9と累積印刷時間カウンタ10からの値に対して、保持している閾値から補正の要否を判断し、補正が必要な場合は保持している補正データから最適な補正データを選択して加算器5に送り、補正を加える経時変化補正データ保持手段12からなる。
また、クランク偏心量補正モード自動設定部13は、以下に述べるクランク偏心量補正モードの印刷結果を認識するクランク偏心量補正モード検知手段15、クランク偏心量補正モード検知手段15によって認識されたクランク偏心量補正モードの印刷結果から最適なクランク偏心量補正モードの設定値を選択し、印刷モード別印字素子駆動タイミングデータ保持手段および設定値保持手段3に印刷モード毎にその設定値を設定するクランク偏心量補正モード設定値選択手段14からなる。
上記構成において、印字素子駆動タイミング補正部2によって、前述した各印刷モード毎に最適な印字素子駆動タイミングデータに設定しておき、ロータリーエンコーダー1のホーム信号を基準に設定した印字素子駆動タイミングデータに従って印字素子駆動タイミングを生成して印刷することで、印刷範囲の偏差を補正する。
具体的には、印刷モード別印字素子駆動タイミングデータ保持手段及び設定値保持手段3に各印刷モード毎に複数種(例えば25種類ずつ)の印字素子駆動タイミングデータを入れておき、ロータリーエンコーダー1より出力されるホーム信号によってタイマ4をリセットし、図6に示す印刷位置に対応した全印字素子駆動タイミングデータの値を各印刷モード毎に全印字素子駆動タイミングデータから読み込み、比較器6においてタイマ4の値と印字素子駆動タイミングデータの値が一致した時間で、印字素子駆動タイミング生成手段7を用いて印字素子駆動タイミングを生成し、印字素子を駆動して図6に示すような印刷を実施する。すなわち、印字素子A、Bで示したような印刷範囲の隣り合う印字素子を用いて、ハンマバンクの第1の方向への移動で印字素子Aを印刷し、続いて所定量の紙送りを行い、更に、第1の方向と逆方向の第2の方向へハンマバンクを移動して先に印字素子Aで印刷した位置と同一位置に隣接する印字素子Bの印刷を行い、以上を繰り返す(クランク偏心量補正モードという)。
そして、その印刷結果からクランク偏心量補正モード自動設定部13により、印刷モード毎に最適な印字素子駆動タイミングデータを設定し、ロータリーエンコーダー1より出力されるホーム信号によってタイマ4をリセットし、印刷モード別印字素子駆動タイミングデータ保持手段および設定値保持手段3から設定後の印字素子駆動タイミングデータの値を順次読み込み、比較器6においてタイマ4の値と設定後の印字素子駆動タイミングデータの値が一致した時間で、印字素子駆動タイミング生成手段7を用いて印字素子駆動タイミングを生成し、印字素子を駆動して印刷することにより、各印刷モードにおけるクランク偏心量の寸法公差による印刷範囲の偏差を補正することができる。
なお、本例ではクランク偏心量補正モード自動設定部13を設けて自動補正を行うこととしたが、目視により印刷モード毎に最適な印字素子駆動タイミングデータを選び、選択した印字素子駆動タイミングデータに対応した設定値をある入力手段(例えばボタン入力)によって直接的に印字素子駆動タイミング補正部に設定するようにしてもよい。
以下、クランク偏心量補正モード及びその補正方法につき説明する。なお、クランク偏心量補正モードは印刷モード毎に複数種ずつ(例えば25種類ずつ)持つこととする。
図7及び図8にクランク偏心量補正モードの一例を示す。図7、図8の上側に示した図は、基準となるクランク径の場合であり、寸法公差がない理想的なクランク径において補正をしていない印字素子駆動タイミングデータ(クランク偏心量補正モードB)を用いて印刷したときには桁方向の印刷位置ずれは生じない。
しかし、例えば図7下側に示したように、クランク偏心量の寸法公差の中央値である基準クランク径(図中点線で示す)よりもクランク偏心量が小さい場合、通常の印字素子駆動タイミングデータ(基準となる印刷タイミング)を用いると印刷範囲が狭くなり、隣り合う印字素子の印刷範囲との間に隙間ができることによって印刷結果にずれが生じる。そこで、図7の場合は印刷範囲が基準印刷範囲よりも狭いため、矢印Xで示すように、各印字素子駆動タイミングの間隔を広げることにより印刷範囲を広げる補正を行った印字素子駆動タイミングデータ、すなわちクランク偏心量補正モードAを使用して適正な印刷範囲に補正する。
一方、図8に示したように、基準クランク径よりもクランク偏心量が大きい場合、通常の印刷タイミングでは印刷範囲が広くなり、隣り合う印字素子の印刷範囲が重なることによって印刷結果にずれが生じるため、クランク偏心量に対応した印刷位置の角度から求めた印字素子駆動タイミングに設定し直すことにより印刷範囲を補正する。図8の場合は印刷範囲が基準印刷範囲よりも広いため、矢印Yで示すように印刷範囲を狭める補正を行った印字素子駆動タイミングデータ、すなわちクランク偏心量補正モードCを使用して適正な印刷範囲に補正する。
なお、印刷範囲の補正は、図9に示す考え方に従い、クランク偏心量に対応した印刷位置の角度から求めた印字素子駆動タイミングを設定し直すことにより行う。すなわち、基準クランク径の印刷範囲を基準印刷範囲(180°−2θ)とし、印刷位置に対応した角度を決めて印字素子駆動タイミングを求めると、AやBのようにクランク偏心量の大小によって印刷範囲も変化する。そこで、クランク偏心量に応じて印刷範囲を各々
(180°−2θ):偏心量大に対する印刷範囲補正例
(180°−2θ):偏心量小に対する印刷範囲補正例
とし、更に個々の印刷位置についても印刷範囲の補正に準じて印刷素子駆動タイミングの角度を再設定することにより、クランク偏心量の変化に対応した印刷タイミングとなるように調整することが可能となる。
そして、上記のような桁方向の印刷位置ずれが最小となるような印字素子駆動タイミングデータを、印刷結果から目視または図1下側に示したクランク偏心量補正モード自動設定部13、つまりクランク偏心量補正モード検知手段15によってクランク偏心量補正モードの印刷結果を認識し、その印刷結果からクランク偏心量補正モード設定値選択手段14によって最適なクランク偏心量補正モードの設定値を選択し、印刷モード別印字素子駆動タイミングデータ保持手段および設定値保持手段3に印刷モード毎にその設定値を設定して、そのクランク偏心量補正モードの設定値に対応した印刷モード別の印字素子駆動タイミングデータを用いて、ロータリーエンコーダー1より出力されるホーム信号によってタイマ4をリセットし、印刷モード別印字素子駆動タイミングデータ保持手段および設定値保持手段3から設定後の印字素子駆動タイミングデータの値を順次読み込み、比較器6においてタイマ4の値と設定後の印字素子駆動タイミングデータの値が一致した時間で、印字素子駆動タイミング生成手段7を用いて印字素子駆動タイミングを生成し、印字素子を駆動して印刷することにより、各印刷モードにおけるクランク偏心量の寸法公差による印刷範囲の偏差を補正することができる。なお、上記クランク偏心量補正モードによる補正は一般的に出荷時、あるいは保守時に行うものとした。
また、機内温度感知手段8が感知した機内温度の値において、値が温度変化補正データ保持手段11の持っている閾値(例えば50℃)を超えた場合には、ロータリーエンコーダー1のホーム信号を基準にして温度変化補正データ保持手段11から順次補正データの値を加算器5に送り、加算器5によって、印字素子駆動タイミングデータの値に自動的に加算し、比較器6においてタイマ4の値と変更した印字素子駆動タイミングデータの値が一致した時間で、印字素子駆動タイミング生成手段7を用いて印字素子駆動タイミングを生成し、印字素子を駆動して印刷することによって、機内温度変化による印刷範囲の偏差を補正することができる。
一方、経時変化については2通りあり、印刷時間とともに部品が劣化していく累積印刷時間によるものと、シャトル機構部往復運動の累積つまりモータ回転数の累積による部品の磨耗等による経時変化が考えられるが、本例においては、複数種の印刷モードを持つため、累積印刷時間と累積モータ回転数の対応関係が成立しない。そこで、本例では累積印刷時間カウンタ10の値がある値(例えば1000時間ごと)以上となった場合、あるいは累積ホーム信号カウンタ9から求められる累積モータ回転数がある値(例えば4億回転ごと)以上となった場合という両方の値を経時変化補正データ保持手段12が閾値として持ち、どちらか片方の閾値を超えたときに、ロータリーエンコーダー1のホーム信号を基準にして経時変化補正データ保持手段12から順次補正データの値を加算器5に送り、加算器5によって印字素子駆動タイミングデータに自動的に加算し、比較器6においてタイマ4の値と変更した印字素子駆動タイミングデータの値が一致した場所で、印字素子駆動タイミング生成手段7を用いて印字素子駆動タイミングを生成し、印字素子を駆動して印刷することによって、経時変化による印刷範囲の偏差を補正する。なお、累積印刷時間または累積モータ回転数のいずれか一方によって、経時変化による印刷範囲の補正を実施しても構わない。
以上の構成により、高価なリニアセンサを用いることなく、また部品の寸法精度を厳しくすることなく、クランク偏心量の寸法公差に起因した印刷範囲の偏差による印刷品質の低下を防止することができる。更に、印刷装置内の温度変化、あるいは経時変化による印刷範囲の変動に対しても補正でき、印刷品質を保つことができる。
クランクを用いたシャトル機構部を備えた印刷装置において、クランク偏心量の寸法公差に応じて、複数種の印字素子駆動タイミングデータを備え、個々の装置のクランク偏心量に応じた最適な印字素子駆動タイミングデータを設定して印刷範囲を補正することによって、クランク偏心量の寸法公差に起因した印刷範囲の偏差による印刷品質の低下を、高価なリニアセンサを用いることなく、また部品の寸法精度を厳しくすることなく防止することができる。また、機内温度変化、あるいは経時変化による印刷範囲の変動に対しても補正でき、印刷品質を保つことができる。
本発明の印刷制御方法を実施するための制御ブロック図。 リニアセンサを用いたクランク方式のシャトル機構部の構成の一例を示す概略図。 リニアセンサを用いた場合の印字素子駆動タイミング生成方法のタイミングチャート。 ロータリーエンコーダーを用いた場合の印字素子駆動制御方法のタイミングチャート。 本発明の印刷範囲補正と従来のフェージング調整との相違を示す説明図。 本発明のクランク偏心量補正モード時に実施する印刷パターン例。 本発明のクランク偏心量補正モードの具体例(偏心量小)を示す説明図。 本発明のクランク偏心量補正モードの具体例(偏心量大)を示す説明図。 印刷範囲(及び印字素子駆動タイミング)の補正方法についての説明図。 ロータリーエンコーダーを用いたクランク方式のシャトル機構部の構成の一例を示す概略図。 印刷装置の概略構成の一例を示す斜視図。 ハンマバンク51の概略構成を示す断面図。
符号の説明
1…ロータリーエンコーダー、2…印字素子駆動タイミング補正部、3…印刷モード別印字素子駆動タイミングデータ保持手段および設定値保持手段、4…タイマ、5…加算器、6…比較器、7…印字素子駆動タイミング生成手段、8…機内温度感知手段、9…累積ホーム信号カウンタ、10…累積印刷時間カウンタ、11…温度変化補正データ保持手段、12…経時変化補正データ保持手段、13…クランク偏心量補正モード自動設定部、14…クランク偏心量補正モード設定値選択手段、15…クランク偏心量補正モード検知手段、20…ハンマバンク、21…クランク、22…偏心カム、30…ロータリーエンコーダー、31…モータ、32…リニアセンサ、51…ハンマバンク、52…インクリボン、53…印字用紙、54…プラテン、55…トラクタ、56…紙送り機構部、57…紙送りモータ、59…モータ、60…偏心カム、61…クランク、62…制御装置、70…板バネ、71…ハンマピン、72…釈放用電磁コイル、73…永久磁石、74…コムヨーク、75…インクリボン、76…印字用紙。

Claims (10)

  1. 複数個の印字素子を搭載し、桁方向に沿って往復運動するハンマバンクと、前記ハンマバンクを往復運動させるためのクランクを用いたシャトル機構部と、前記複数個の印字素子を駆動させるための複数個の印字素子駆動タイミングデータを有するデータ保持手段とを備えた印刷装置の印刷制御方法において、
    前記クランクの寸法公差による各印字素子の印刷範囲の偏差を検出する工程と、
    前記検出工程の検知結果に基づき、前記複数個の印字素子駆動タイミングデータから最適な印字素子駆動タイミングデータを選択する工程と、
    前記最適な印字素子駆動タイミングデータに基づき前記複数個の印字素子を駆動する工程と、を備えること特徴とする印刷装置の印刷制御方法。
  2. 請求項1記載の印刷装置の印刷制御方法において、前記検出程では隣り合う印字素子の間の印刷範囲の偏差に基づき検出することを特徴とする印刷装置の印刷制御方法。
  3. 請求項1記載の印刷装置の印刷制御方法であって、前記印刷装置は複数の印刷モードを備え、印刷モード毎に複数種の印字素子駆動タイミングデータを備えることを特徴とする印刷装置の印刷制御方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の印刷装置の印刷制御方法であって、印刷装置の機内温度変化に対応して上記印字素子駆動タイミングデータに温度変化に対する補正値を加える工程を更に備えることを特徴とする印刷装置の印刷制御方法。
  5. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の印刷装置の印刷制御方法であって、印刷装置の経時変化に対応して上記印字素子駆動タイミングデータに経時変化に対する補正値を加える工程を更に備えることを特徴とする印刷装置の印刷制御方法。
  6. 請求項5記載の印刷装置の印刷制御方法であって、累積印刷時間カウンタを持ち、前記経時時間の変化に対応した補正値に、累積印刷時間に応じた補正を加えることを特徴とする印刷装置の印刷制御方法。
  7. 請求項5記載の印刷装置の印刷制御方法であって、累積ホーム信号カウンタを持ち、前記経時時間の変化に対応した補正値に累積ホーム信号数から求められる累積モータ回転数に応じた補正を加えることを特徴とする印刷装置の印刷制御方法。
  8. 請求項5記載の印刷装置の印刷制御方法であって、前記経時時間の変化に対応した補正値に、累積印刷時間と累積モータ回転数の組み合わせに応じた補正を加えることを特徴とする印刷装置の印刷制御方法。
  9. 複数個の印字素子を搭載し、桁方向に沿って往復運動するハンマバンクと、前記ハンマバンクを往復運動させるためのクランクを用いたシャトル機構部と、前記複数個の印字素子を駆動させるための複数個の印字素子駆動タイミングデータを有するデータ保持手段とを備えた印刷装置において、
    前記クランクの寸法公差による各印字素子の印刷範囲の偏差を検出する検出手段と、
    前記検出工程の検知結果に基づき、前記複数個の印字素子駆動タイミングデータから最適な印字素子駆動タイミングデータを選択する選択手段と、
    前記最適な印字素子駆動タイミングデータに基づき前記複数個の印字素子を駆動する駆動手段とを備えること特徴とする印刷装置。
  10. 請求項9記載の印刷装置において、桁方向と垂直な方向に印刷用紙を搬送する紙送り機構部と、前記ハンマバンクの印字力を支持するプラテンとを備え、前記ハンマバンクの往復運動の過程で印字素子を駆動することによって、インクリボンを介して配置された印字用紙に印刷を行うものであることを特徴とする印刷装置。
JP2006292659A 2006-03-31 2006-10-27 印刷装置及びその印刷制御方法 Expired - Fee Related JP5076445B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006292659A JP5076445B2 (ja) 2006-03-31 2006-10-27 印刷装置及びその印刷制御方法
HK08102302.1A HK1108409A1 (en) 2006-03-31 2008-02-29 Printing device and printing control method therefor

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006096607 2006-03-31
JP2006096607 2006-03-31
JP2006292659A JP5076445B2 (ja) 2006-03-31 2006-10-27 印刷装置及びその印刷制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007290348A JP2007290348A (ja) 2007-11-08
JP5076445B2 true JP5076445B2 (ja) 2012-11-21

Family

ID=38761444

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006292659A Expired - Fee Related JP5076445B2 (ja) 2006-03-31 2006-10-27 印刷装置及びその印刷制御方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5076445B2 (ja)
HK (1) HK1108409A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009166402A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Ricoh Printing Systems Ltd 印刷装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ATE29982T1 (de) * 1984-08-01 1987-10-15 Mannesmann Tally Gmbh Verfahren und opto-elektronische abtasteinrichtung zum steuern des ausloesezeitpunktes fuer druckelemente beim matrixdrucken.

Also Published As

Publication number Publication date
HK1108409A1 (en) 2008-05-09
JP2007290348A (ja) 2007-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0693382A1 (en) Printer having a movable print head
US7810901B2 (en) Driving apparatus
US4077505A (en) Printing device for calculating, accounting and similar printing machines
JP5076445B2 (ja) 印刷装置及びその印刷制御方法
EP0500116B1 (en) Position detecting apparatus
JP5076481B2 (ja) 印刷装置の印刷制御方法
JP3972946B2 (ja) 印字位置適否判定方法および印字装置
US4507002A (en) Printing timing correction device in shuttle type dot line printer
JP4779811B2 (ja) 印刷装置の印刷制御方法
KR100687686B1 (ko) 인쇄 도트 어긋남 보정 제어 방법 및 그 인쇄 장치
JP2005297253A (ja) 画像形成装置
US6109802A (en) Dot line printer for preventing the overheating of printing elements by selectively activating the printing elements
JP2006224559A (ja) インクジェットプリンタ
CN100556704C (zh) 印刷装置及印刷装置的印刷控制方法
JP3330342B2 (ja) ドットプリンタおよびドットプリンタの制御方法
JP2009166402A (ja) 印刷装置
JP3576730B2 (ja) プリンタ
JP4253693B2 (ja) ドットラインプリンタの印刷制御方法
JP2006240231A (ja) インクジェットプリンタ
JP2000255135A (ja) ペーパーギャップ検出機能付ドットプリンタ
JP2001199108A (ja) ドットラインプリンタのギャップ調整方法
JP2009126026A (ja) ドットラインプリンタの印刷制御方法
JPS59140071A (ja) シヤトル型ドツトラインプリンタの印字タイミング補正装置
JP2003191530A (ja) 印刷装置およびその製造方法
JPH08197755A (ja) シャトルプリンタ

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20081016

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20081016

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090821

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120515

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120706

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120731

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120813

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150907

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5076445

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150907

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees