JP5075763B2 - 磁気式温度調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気熱量効果を利用して熱交換を行う磁気式温度調整装置に関する。
この種の磁気熱量効果を利用して熱交換を行う技術が供されている(例えば、特許文献1参照)。この技術は、磁気作業物質に磁界(磁場)を印加したり磁界を取り去ったりすることで、磁気エントロピーを大きく変化させて磁気熱量効果を生じさせ、熱交換器により熱交換する技術である。特許文献1に記載された技術思想によれば、磁場発生器が永久磁石と電磁石とから構成され、永久磁石で生じた磁場に電磁石で生じた磁場を重畳させ、永久磁石で発生した磁場と電磁石で発生した磁場をそのまま加算した磁場を磁気作業物質に印加し熱交換を行っている。しかしながら、特許文献1の技術思想では、磁場発生器を構成する電磁石に巻線を用いて構成しているが、巻線に対する通電時間が、磁気作業物質に磁場を与える期間中に連続して通電しており消費電力が大きくなってしまう。また巻線の電力消費により発熱し、磁気作業物質の冷熱を温め、冷熱温度作業を妨げている。
特開2004−317040号公報
本発明の目的は、消費電力を低減でき、温度調整範囲を拡大できるようにした磁気式温度調整装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、印加される外部磁場の変化に応じて温度変化する磁気作業物質の冷熱および温熱を熱交換する熱交換器と、所定の残留磁化および第1の保磁力を備えた第1の永久磁石と、前記第1の保磁力よりも大きな第2の保磁力を備えた第2の永久磁石と、前記第1の永久磁石に印加する磁場を変化させることで当該第1の永久磁石の残留磁化を反転させる磁石特性変更手段と、前記熱交換器で発生した熱を伝達する媒体を循環するポンプと、を備え、前記磁石特性変更手段により残留磁化を反転させることで、前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石の合成磁場を前記磁気作業物質に印加する場合と、前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石との間で閉磁路を形成して前記磁気作業物質に印加する磁場を減少させる場合とを順に発生させ、前記ポンプの作動は、前記磁石特性変更手段により第1の永久磁石に印加する磁場を止めた状態で行うことを特徴としている。
本発明の一態様によれば、消費電力を低減でき、温度調整範囲を拡大できる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を冷却装置に適用した第1の実施形態について図1ないし図4を参照しながら説明する。図2(a)は、冷却装置の平面図を概略的に示しており、図1は図2(a)のA−A線に沿う縦断面図を概略的に示している。また、図2(b)は、主に冷熱/温熱の循環系構造を概略的に示している。尚、X方向、Y方向、Z方向は互いに3次元的に交差する方向(例えば直交交差方向)を示しており、特に断らない限り図1中の右方向をX方向の正方向、左方向をX方向の負方向、上方向をZ方向の正方向、下方向をZ方向の負方向と規定し、掲載面の奥行方向をY方向の正方向、掲載面の手前方向をY方向の負方向と規定する。また、図2中の右方向をX方向の正方向、左方向をX方向の負方向、上方向をY方向の正方向、下方向をY方向の負方向、掲載面の手前方向をZ方向の正方向、掲載面の奥行方向をZ方向の負方向と規定する。
図2(a)に示すように、磁気式温度調整装置としての冷却装置1は、ハウジング2内に磁気コア3、高保磁力磁石4、低保磁力磁石5、熱交換器6、ポンプ7、巻線8、配管9等を備えて構成されている。
磁気コア3は、鉄、フェライトコア等の磁性材料により構成されている。低保磁力磁石5は、所定の保磁力を有する永久磁石(例えばアルニコ磁石)により構成されており、高保磁力磁石4は、例えば低保磁力磁石5よりも大きな保磁力(例えば2倍以上の保磁力)を備えた永久磁石(例えばネオジム磁石)により構成されている。
図1に概略的な縦断面を示すように、磁気コア3は、X方向に延伸した延伸部3aaと当該延伸部3aaのX方向両端に位置してZ方向の負方向に突設した突設部3ab、3adおよび当該突設部3ab、3ad間のX方向の中間部(例えば中央)に位置して突設部3ab、3adの突設方向と同一のZ方向に突設した突設部3acを備えたE型部3aと、X方向に延伸したI型部3bとによって成型されている。
図1および図2(a)に示すように、高保磁力磁石4、低保磁力磁石5、熱交換器6の順に所定の一方向(図2中のX方向)に互いに離間して配設されている。高保磁力磁石4、低保磁力磁石5の磁化方向は、Z方向の正方向になるように形成されている。高保磁力磁石4の一端は突設部3abの突設端に磁気結合するように例えば構造的に接触して構成されている。低保磁力磁石5の一端は突設部3acの突設端に磁気結合するように例えば構造的に接触して構成されている。
高保磁力磁石4の他端は、磁気コア3のI型部3bの延伸部の一端3baと磁気結合するように例えば構造的に接触して構成されている。低保磁力磁石5の磁化方向の他端は磁気コア3のI型部3bの延伸部の例えばほぼ中央の中間部3bbと磁気結合するように例えば構造的に接触して構成されている。
E型部3aの突設部3adの突設端とI型部3bの延伸部の他端3bcとの間には熱交換器6の一部が配設されている。当該領域に配設された熱交換器6のシリンダは、多数の通孔を有するアクリルなどによって構成され当該シリンダ内には磁気作業物質6aが充填されている。磁気作業物質6aは例えばガドリニウム(Gd)強磁性体、もしくは、ランタン−鉄−シリコン(La−Fe−Si)系等の磁性体によって多数の粒子(球状粒子、細粒子(粒体))によって構成されている。これらの磁気作業物質6aは、外部から磁界(磁場)を加えると温度が上昇し、磁界(磁場)を取り去るとその温度が下降するという磁気熱量効果を有する材料である。
図2(a)および図2(b)に示すように、熱交換器6はポンプ7をXY方向に延びる配管9で接続して構成され、ポンプ7は配管9を通じて熱交換器6内外に媒体9aを流動可能に構成されている。媒体9aは例えば水などの液体であり多数粒体の磁気作業物質6aを通じて流動(流入/流出)可能になっている。図2(b)に示すように、熱交換器6の両端にそれぞれ接続された配管9、9にはそれぞれ排熱部10、冷熱部11(図2(a)には図示せず)が接続されており、排熱部10は温熱を排熱可能な熱回収部として機能し、冷熱部11は冷熱を蓄積または排気する熱回収部として機能する。これにより磁気作業物質6aが冷熱/温熱を発生すると媒体9aを通じて冷熱部11、排熱部10にポンプ7により輸送することで熱交換可能に構成されている。
図1および図2(a)に示すように、巻線8が、磁気コア3、低保磁力磁石5に巻回されており、電流印加回路12が巻線8に電流を通電可能に構成されている。電流印加回路12および巻線8が磁石特性変更手段として機能する。図1に示すように、巻線8は、突設部3abおよび3ac間、突設部3acおよび3ad間の空間を利用して磁気コア3、低保磁力磁石5に巻回されており、電流印加回路12からの電流印加に応じて低保磁力磁石5の残留磁化を変更可能に構成されている。特に、低保磁力磁石5の磁化方向をZ方向(図1中の上下方向)に逆転可能に構成されている。巻線8は、突設部3abおよび3ac間、突設部3acおよび3ad間の空間を利用して巻回されているため余剰空間を有効利用することができ、低保磁力磁石5に磁界を高効率に印加することができ小型化できる。このようにして磁気回路Cが構成されている。
尚、低保磁力磁石5、高保磁力磁石4の残留磁化は、その厚さ、大きさ等に応じて変更可能であり、当該パラメータを適宜変更して構成すると良い。また、巻線8の巻数は、低保磁力磁石5の残留磁化を変更するのに必要なアンペア・ターン数に応じて適宜決定すると良い。
上記構成の動作について説明する。電流印加回路12が巻線8に適切な電流を通電することで、低保磁力磁石5周辺のZ方向に磁界を発生させることができるため、高保磁力磁石4の磁化方向(Z方向の正方向)を変更することなく低保磁力磁石5のみの磁化方向をZ方向の正方向(図1の上方向)、逆方向(図1の下方向)に反転制御できる。
図3(a)は熱交換時の巻線に対する通電タイミングを概略的に示しており、図3(b)は、磁気作業物質に印加される磁場の時間的変化と熱輸送タイミングとを概略的に示している。図3(a)に示すように、巻線8に対し正方向にパルス(例えば、数ms)で通電すると、低保磁力磁石5の磁化方向をZ方向の正方向に制御できる。巻線8への通電を中止しても低保磁力磁石5の残留磁化は保持される。
低保磁力磁石5の磁化方向がZ方向の正方向の場合、図4(a)に示すように、磁気回路Cは、高保磁力磁石4から突設部3ab、延伸部3aa、突設部3ad、さらに、熱交換器6内の磁気作業物質6a、延伸部3bの他端3bc、中間部3bb、一端3baの磁路を経て高保磁力磁石4に戻る閉磁路B1を構成する。また、磁気回路Cは、低保磁力磁石5から突設部3ac、延伸部3aa、突設部3ad、さらに、熱交換器6内の磁気作業物質6a、延伸部3bの他端3bc、中間部3bbに至る磁路を経て低保磁力磁石5に戻る閉磁路B2を構成する。
したがって、閉磁路B1およびB2による磁場は、互いに強め合い、熱交換器6内に充填された磁気作業物質6aに強い磁束密度(例えば1T)の磁場を形成する。すると、磁気作業物質6aはその粒子の格子系の電子スピンが磁場の方向に揃った状態になるため磁気エントロピーが小さくなり、エネルギーが格子系に与えられるようになり格子振動が激しくなり磁性体の温度が上昇することで温熱を発生する。
尚、巻線8に流す電流を非通電状態としても低保磁力磁石5および高保磁力磁石4の残留磁化のみで閉磁路B1およびB2を常時形成できるため、巻線に常時電流を印加する構成に比較して消費電力を低減できる。
その後、図3(b)に示すようにポンプ7が作動し磁気作業物質6aに発生した温熱を媒体9aにより配管9を通じて排熱部10に輸送する。温熱を輸送後、ポンプ7は停止する。図3(a)に示すように、巻線8に対し負方向にパルス(例えば、数ms)を通電すると、低保磁力磁石5の磁化方向をZ方向の逆方向に制御できる。巻線8への通電を中止しても当該残留磁化は保持される。
低保磁力磁石5の残留磁化の方向がZ方向の逆方向の場合、図4(b)に示すように、磁気回路Cは、高保磁力磁石4から突設部3ab、延伸部3aa、突設部3ac、低保磁力磁石5、延伸部3bの中間部3bb、一端3baの磁路を経て高保磁力磁石4に戻る閉磁路B3を構成する。特に、高保磁力磁石4および低保磁力磁石5の残留磁化がほぼ一致するように巻線8に対する通電電流を調整すれば、閉磁路B3は高保磁力磁石4および低保磁力磁石5間のみに形成されることになり、熱交換器6内の磁気作業物質6aに磁場が印加されなくなる。
すると、磁気作業物質6aに与えられる磁束密度が減少する(例えば0T)ため、磁気作業物質6aはその粒子の格子系の電子スピンがランダムな向きの状態をとり、磁気エントロピーが大きくなり、磁気作業物質6aは吸熱することで冷却される。この場合も同様に、巻線8に流す電流を非通電としても残留磁化のみで閉磁路B3が形成されるため電力を消費することなく磁気作業物質6aに与える磁場を調整できる。
その後、ポンプ7が作動し冷熱を冷熱部11に輸送する。このような温熱輸送/冷熱輸送の熱サイクルが所定時間(例えば約1秒程度)毎に繰り返されることで温熱/冷熱を効率よく輸送することができる。
本実施形態によれば、電流印加回路12が巻線8に電流を印加することに応じて低保磁力磁石5の残留磁化を変更し、低保磁力磁石5の残留磁化を変化させることで低保磁力磁石5および高保磁力磁石4の合成磁場によって磁気作業物質6aに鎖交する磁束を変化させているため、磁場を変化させる際の巻線8への通電時間を短くすることができ、消費電力を低減できる。また、巻線8への通電時間が短くなるため磁気作業物質6aの冷熱を温めてしまう虞を極力なくすことができ、温度調整範囲を拡大できる。
また、巻線8に印加するパルス状の電流の向きを変更することで低保磁力磁石5の磁化方向をZ方向の正逆方向に反転制御し、低保磁力磁石5および高保磁力磁石4による合成磁場を変化させることで磁気作業物質6aに印加する磁場を変化させているため、前述と同様の作用効果が得られる。
また、低保磁力磁石5の残留磁化を変化させることで、低保磁力磁石5と高保磁力磁石4とによる合成磁場を磁気作業物質6aに印加させる場合と、低保磁力磁石5と高保磁力磁石4との間で閉磁路を形成して磁気作業物質6a中の磁場を取り去る場合とを順に発生させるようにしているため、冷熱/温熱を順に繰り返し発生させることができる。
電流印加回路12が巻線8にパルス(数ミリ秒)で通電し、ポンプ7は、巻線8が発生する磁界を止めた状態で作動して温熱輸送/冷熱輸送しているため、磁気作業物質6aに磁界を変化させながら常時印加するための常時通電を必要としなくなり、低電力消費化を図ることができる。
高保磁力磁石4、低保磁力磁石5、磁気作業物質6aがこの順でX方向に離間して並設され、巻線8が低保磁力磁石5の配設領域付近に巻回されているため、巻線8の巻回スペースを省スペース化でき小型化できる。
(第2の実施形態)
図5および図6は、本発明の第2の実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、磁気コアの形状、および当該磁気コア、高保磁力磁石、低保磁力磁石の配置形態を変更したところにある。前述実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。尚、図5および図6中のX方向、Y方向、Z方向は互いに3次元的に交差する方向(例えば直交交差方向)を示しており、特に断らない限り図5および図6中の右方向をX方向の正方向、左方向をX方向の負方向、上方向をZ方向の正方向、下方向をZ方向の負方向、掲載面の奥行方向をY方向の正方向、掲載面の手前方向をY方向の負方向と規定する。
図5は、磁気コアの形状、および当該磁気コア、高保磁力磁石、低保磁力磁石の配置形態を概略的に示している。図5および図6に示すように、磁気回路Cに代わる磁気回路C2は、磁気コア3に代えて磁気コア13内を通過する閉磁路B4〜B7を主として形成されている。磁気コア13は、C字型部(逆コ字型部)13a、中縦延設部13b、中横延設部13cを備えている。
図5に示すように、C字型部13aは例えば図5中の左上部および左下部の2つのコーナーが例えば直角に屈曲または湾曲した形状をなしており、上側をX方向(図5中左右方向)に延伸した延伸部を上横延設部13aa、Z方向(図5中左側上下方向)に延伸した延伸部を左縦延設部13ab、下側をX方向(図5中左右方向)に延伸した延伸部を下横延設部13acとそれぞれ規定する。
上横延設部13aaの一端は左縦延設部13abの一端と連結されており、左縦延設部13abの他端は下横延設部13acの一端と連結されている。上横延設部13aaの中間部と中縦延設部13bの一端とは連結されており、中縦延設部13bはC字部13aの内側に向けて延伸形成され、中縦延設部13bの他端は中横延設部13cの一端と連結されている。中横延設部13cはX方向(図5中左右方向)に延伸している。上横延設部13aaの他端と中横延設部13cの他端との間には、熱交換器6の一部(磁気作業物質6aの配設領域)が介在している。
中縦延設部13bの一端と他端との間の中間部には巻線8が巻回されており、電流印加回路12が巻線8に電流を通電可能に構成されている。中横延設部13cのX方向全体部と下横延設部13acのうち中間部から他端側の延伸部分との間に高保磁力磁石4が介在して構成されている。高保磁力磁石4はZ方向の正方向に磁化されている。
中縦延設部13bおよび中横延設部13c間の連結部と左縦延設部13abの中間部との間には低保磁力磁石5が配設されている。低保磁力磁石5の磁化方向はX方向であり、この磁化方向は、電流印加回路12から巻線8に通電されることによりX方向の正方向/負方向に切替可能になっている。高保磁力磁石4は磁束が通過する断面積が低保磁力磁石5の磁束通過断面積よりも広く形成されている。
図6(a)は発熱時および温熱輸送時の磁場の状態を示しており、図6(b)は吸熱時および冷熱輸送時の磁場の状態を示している。
電流印加回路12が、パルス状の電流を巻線8に通電することにより低保磁力磁石5がX方向の正方向に磁化されると、図6(a)に示すように、磁気回路C2は、低保磁力磁石5から中縦延設部13b、上横延設部13aa、左縦延設部13abの中間部に至る磁路を経て低保磁力磁石5に戻る閉磁路B4を構成する。
また、磁気回路C2は、高保磁力磁石4から中縦延設部13bおよび中横延設部13cの連結部、上横延設部13aaの中間部、当該上横延設部13aaおよび左縦延設部13abの連結部、左縦延設部13ab、下横延設部13acからその中間部に至る磁路を経て高保磁力磁石4に戻る閉磁路B6を構成する。
さらに、磁気回路C2は、高保磁力磁石4から中横延設部13cの他端、熱交換器6bの磁気作業物質6aの配設領域、上横延設部13aa、左縦延設部13ab、下横延設部13acからその他端に至る磁路を経て高保磁力磁石4に戻る閉磁路B5を構成する。したがって、閉磁路B5によって強い磁束密度の磁場が熱交換器6内に充填された磁気作業物質6aに印加される。すると、前述実施形態と同様に磁気作業物質6aは温熱を発生し、ポンプ7が温熱を輸送する。
逆に、電流印加回路12がパルス電流を巻線8に通電することにより低保磁力磁石5がX方向の負方向に磁化されると、図6(b)に示すように、磁気回路C2は、高保磁力磁石4から中縦延設部13bおよび中横延設部13c間の連結部、低保磁力磁石5、左縦延設部13abの中間部から下横延設部13acに至る磁路を経て高保磁力磁石4に戻る閉磁路B7を構成する。したがって、主たる閉磁路B7は高保磁力磁石4および低保磁力磁石5間の最短経路に沿って形成されることになり、熱交換器6内に充填された磁気作業物質6aに鎖交する磁束がほとんど発生しなくなる。すると、前述実施形態と同様に磁気作業物質6aは吸熱することで冷却され、ポンプ7が冷熱を輸送する。このような温熱輸送/冷熱輸送の熱サイクルが所定時間(例えば約1秒程度)毎に順に繰り返されることで温熱/冷熱を効率よく輸送することができる。
本実施形態によれば、電流印加回路12が巻線8にパルス状の電流を印加して低保磁力磁石5に印加する磁界を変化させることで低保磁力磁石5の残留磁化(磁化方向)を変化させ、磁気コア13の上横延設部13aaの他端と中横延設部13cの他端との間に配設された磁気作業物質6aに与える磁場を変化させることができるため、前述実施形態とほぼ同様の作用効果を生じる。
高保磁力磁石4に磁束が通過する断面積が、低保磁力磁石5に磁束が通過する断面積よりも広いため磁束量を増加することができ高保磁力磁石4による磁場を安定して保持することができる。
(第3の実施形態)
図7および図8は、本発明の第3の実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、磁気コアの形状、および当該磁気コア、高保磁力磁石、低保磁力磁石の配置形態についての別の態様を示しているところにある。
磁気回路Cに代わる磁気回路C3としては、磁気コア3に代わる磁気コア23内を通過する閉磁路B8〜B10を主として形成される。磁気コア23は、C字型部(逆コ字型部)23a、I字型部23bを備えている。図7に示すように、C字型部23aは、例えば図7中の左上部および左下部の2つのコーナーが例えば直角に屈曲または湾曲した形状をなしており、上側をX方向(図7中左右方向)に延伸した延伸部を上横延設部23aa、Z方向(図7中左側上下方向)に延伸した延伸部を左縦延設部23ab、下側をX方向(図7中左右方向)に延伸した延伸部を下横延設部23acとそれぞれ規定する。
上横延設部23aaの一端は左縦延設部23abの一端と連結されており、左縦延設部23abの他端は下横延設部23acの一端と連結されている。上横延設部23aaの他端と下横延設部23acの他端との間には、熱交換器6の一部(磁気作業物質6aの配設領域)、I字型部23bの延設部、高保磁力磁石4が順に配設されている。高保磁力磁石4はZ方向の正方向に磁化されている。左縦延設部23abの中間部とI字型部23bの中間部との間には低保磁力磁石5が配設されている。低保磁力磁石5の磁化方向はX方向であり、この磁化方向は電流印加回路12が巻線8に通電することによりX方向の正方向/負方向に切替可能になっている。
電流印加回路12がパルス電流を巻線8に通電することにより低保磁力磁石5がX方向の正方向に磁化されると、図8(a)に示すように、磁気回路C3は、低保磁力磁石5からI字型部23bの中間部、熱交換器6、上横延設部23aa、左縦延設部23acの中間部に至る磁路を経て低保磁力磁石5に戻る閉磁路B8を構成する。
さらに、磁気回路C3は、高保磁力磁石4からI字型部23bの延設部、熱交換器6、上横延設部23aa、左縦延設部23ab、下横延設部23acに至る磁路を経て高保磁力磁石4に戻る閉磁路B9を構成する。したがって、強い磁束密度の磁場が熱交換器6内に充填された磁気作業物質6aに印加される。すると、前述実施形態と同様に磁気作業物質6aは温熱を発生し、ポンプ7が温熱を輸送する。
逆に、電流印加回路12がパルス状の電流を巻線8に通電することにより低保磁力磁石5がX方向の負方向に磁化されると、図8(b)に示すように、磁気回路C3は、高保磁力磁石4からI字型部23bの中間部、低保磁力磁石5、左縦延設部23acの中間部、下横延設部23acに至る磁路を経て高保磁力磁石4に戻る閉磁路B10を構成する。したがって、主たる閉磁路B10は高保磁力磁石4および低保磁力磁石5間のみに形成されることになり、熱交換器6内に充填された磁気作業物質6aに磁場がほとんど形成されなくなる。すると、前述実施形態と同様に磁気作業物質6aは吸熱することで冷却され、ポンプ7が冷熱を輸送する。このような温熱輸送/冷熱輸送の熱サイクルが所定時間(例えば約1秒程度)毎に繰り返されることで温熱/冷熱を効率よく輸送することができる。
本実施形態によれば、電流印加回路12が巻線8にパルス状の電流を印加して低保磁力磁石5に印加する磁界を変化させることで低保磁力磁石5の残留磁化(磁化方向)を変化させ、磁気コア23の上横延設部23aaの他端とI型部23bとの間に配設された磁気作業物質6aに与える磁場を変化させることができるため、前述実施形態とほぼ同様の作用効果を生じる。
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形または拡張が可能である。
ポンプ7についてはハウジング2内に設置されている実施形態を示したが、ハウジング2外に設置した態様に適用しても良い。
冷却のみを行う冷却装置1に適用したが、排熱部10を温熱に利用することができるため、磁気式温熱装置に適用しても良い。すなわち、冷却および温熱の両効果または何れか一方の効果を備えた磁気式温度調整装置に適用できる。
電流印加回路12が巻線8に電流を通電すると巻線8は熱を発するため、特に熱交換器6による冷熱交換を重視する場合に熱交換の高効率化を考慮すると、巻線8を熱交換器6から遠ざける配置にした方が良い場合がある。この場合、図9の磁気回路C4に示すように、巻線8の通電に応じて残留磁化を変化させる低保磁力磁石5の配置位置を、第1の実施形態の高保磁力磁石4の配設位置であるX方向の一端側に代えて配置し、X方向に離間して、高保磁力磁石6、熱交換器6の磁気作業物質6aの順に並べて配置すると良い。
すなわち、低保磁力磁石5、高保磁力磁石4、磁気作業物質6aがこの順でX方向に離間して並設され、巻線8が高保磁力磁石4の配置領域を挟んで磁気作業物質6aから離間した位置に配設されていると良い。すると、巻線8を熱交換器6から遠ざける配置にすることができ、特に冷熱を輸送する冷却機能を強化した冷却装置1に適用した場合に効率的に冷却できる。
本発明の第1の実施形態について要部の構成を概略的に示す縦断面図 磁気式温度調整装置の内部を概略的に示す平面図 熱交換時の巻線に対する通電タイミングと磁気作業物質に印加する磁界の時間的変化と熱輸送タイミングとを概略的に示す説明図 熱交換サイクル時の磁路の変化を概略的に示す説明図 本発明の第2の実施形態を示す図1相当図 図4相当図 本発明の第3の実施形態を示す図1相当図 図4相当図 本発明の他の実施形態を示す図1相当図
符号の説明
図面中、1は冷却装置(磁気式温度調整装置)、4は高保磁力磁石(第2の永久磁石)、5は低保磁力磁石(第1の永久磁石)、6は熱交換器、6aは磁気作業物質、8は巻線(磁石特性変更手段)、12は電流印加回路(磁石特性変更手段)を示す。

Claims (6)

  1. 印加される外部磁場の変化に応じて温度変化する磁気作業物質の冷熱および温熱を熱交換する熱交換器と、
    所定の残留磁化および第1の保磁力を備えた第1の永久磁石と、
    前記第1の保磁力よりも大きな第2の保磁力を備えた第2の永久磁石と、
    前記第1の永久磁石に印加する磁場を変化させることで当該第1の永久磁石の残留磁化を反転させる磁石特性変更手段と、
    前記熱交換器で発生した熱を伝達する媒体を循環するポンプと、を備え、
    前記磁石特性変更手段により残留磁化を反転させることで、前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石の合成磁場を前記磁気作業物質に印加する場合と、前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石との間で閉磁路を形成して前記磁気作業物質に印加する磁場を減少させる場合とを順に発生させ、
    前記ポンプの作動は、前記磁石特性変更手段により第1の永久磁石に印加する磁場を止めた状態で行うことを特徴とする磁気式温度調整装置。
  2. 前記磁気作業物質に印加する磁場を減少させる場合には、前記磁気作業物質中の磁場を取り去ることを特徴とする請求項1記載の磁気式温度調整装置。
  3. 前記熱交換器に接続され、熱交換器で発生した熱を伝達する媒体が流れる配管と、
    前記配管に接続され、前記媒体を循環するポンプと、
    前記ポンプを作動することで、媒体からの熱を回収する熱回収部とを備えたことを特徴とする請求項1または2記載の磁気式温度調整装置。
  4. 前記磁石特性変更手段は電流印加回路および巻線を含んで構成され、
    前記電流印加回路が巻線にパルス状の電流を印加することで前記第1の永久磁石に磁場を印加することを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の磁気式温度調整装置。
  5. 前記第2の永久磁石、第1の永久磁石、磁気作業物質の順に所定方向に離間して並設され、
    前記磁石特性変更手段は、前記第2の永久磁石および前記磁気作業物質間において前記第1の永久磁石の配設領域付近に巻回された巻線を備えていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の磁気式温度調整装置。
  6. 前記第1の永久磁石、第2の永久磁石、磁気作業物質の順に所定方向に離間して並設され、
    前記磁石特性変更手段は電流印加回路および巻線を含み前記電流印加回路が巻線に電流を印加することにより構成され、
    前記巻線は、前記第1の永久磁石の配置領域を挟んで前記磁気作業物質から離間した位置に配設されていることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の磁気式温度調整装置。
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