JP5074557B2 - データ配信システムおよびデータ配信方法 - Google Patents

データ配信システムおよびデータ配信方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5074557B2
JP5074557B2 JP2010131563A JP2010131563A JP5074557B2 JP 5074557 B2 JP5074557 B2 JP 5074557B2 JP 2010131563 A JP2010131563 A JP 2010131563A JP 2010131563 A JP2010131563 A JP 2010131563A JP 5074557 B2 JP5074557 B2 JP 5074557B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
retransmission
packet
time
retransmission request
request
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010131563A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011259183A (ja
Inventor
充 野村
成哲 小河原
正義 鍋島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2010131563A priority Critical patent/JP5074557B2/ja
Publication of JP2011259183A publication Critical patent/JP2011259183A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5074557B2 publication Critical patent/JP5074557B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Two-Way Televisions, Distribution Of Moving Picture Or The Like (AREA)
  • Detection And Prevention Of Errors In Transmission (AREA)
  • Data Exchanges In Wide-Area Networks (AREA)
  • Communication Control (AREA)

Description

本発明は,複数の受信装置にリアルタイムデータを配信するデータ配信システムおよびデータ配信方法に関するものである。
ネットワーク伝送速度の向上に伴い,従来,ネットワークでは配信することのできなかった映像コンテンツ等の広帯域データをリアルタイムにストリーミング配信することが可能となっている。リアルタイム配信では,データが誤りなく伝送されるとともに,配信先において連続的にデータが出力できるよう,一定時間内にデータが到着することを保証することが必要である。
誤りのないデータ伝送を実現する1つの手段として,再送がある。再送方式は,廃棄が検出されたパケットを送信側から再送することにより補償を行なう方法であるが,簡単な仕組みで訂正が可能であり,かつ,パケットの廃棄率が高い場合においても,再送要求を繰り返せば誤りのないデータを伝送できるため,リアルタイム性を要求しないデータ転送では広く利用されている。たとえば,信頼性を必要とするデータ転送に用いられる代表的なプロトコルであるTCPは,再送方式を用いたプロトコルの代表的なものである。
一方,リアルタイム伝送に再送を適用した場合,再送に要する処理遅延が,受信装置におけるデータのバッファリング時間,すなわち遅延制約と比較して大きい場合には,再送によるパケット廃棄の補償ができないという問題がある。したがって,双方向通信など,遅延を小さく抑えることが必須であって,配信先までの往復遅延時間が大きい場合には,再送方式を用いることができない。これに対して,片方向の配信など,リアルタイム性を要求するアプリケーションにおいても,比較的大きな遅延が許容される場合には,再送方式による廃棄補償の適用が可能である(非特許文献1,2参照)。
さらに,配信先の一部で,データ収録を行う場合には,収録データにはエラーがないことが望まれる。
リアルタイム伝送に再送方式を適用した場合,受信側における出力に間に合わない再送データは破棄されるため,無駄なデータを再送してしまうことがある。また,配信ネットワークの帯域が限られる場合には,再送を行うデータ帯域を一定以下に抑える必要があり,すべての再送データを所要時間に間に合うように送信することができない場合がある。これらの問題を解決する手段として,受信側で再生タイミングを送信側に通知することにより,間に合うことが予想されるデータのみを選択的に再送する方法,パケットのデータ内容により重要度の高いパケットを選択的に再送する方法が提案されている(非特許文献3参照)。
さらに,マルチキャスト配信においては,同じパケットに対する複数の再送要求をマージして効率的に配信する必要がある。この問題を解決する方法としては,再送要求をマルチキャストすることにより,重複した再送要求を抑圧する方法,再送要求を集計しながら中継する方法,再送要求を送信側でマージする方法,一定時間内に同じ再送データを重複送信しない方法などが挙げられる。
"Survey of Error Recovery Techniques for IP-based AudioVisual Multicast Applications ", Georg Carle and Ernst W. Biersack, IEEE Network November/December 1997. "RTP Retransmission Payload Format ",RFC4558, July 2006. "Playtime-Oriented Retransmission Control Method for Multimedea Streaming", Hiroaki Hagino, Masaaki Taniguchi, Hirotaka Komaki, et al., IBM Research Report October 21, 2003.
上記のように,リアルタイム性を要求されるマルチキャスト配信では,配信先ごとに異なる再送要求に対して,再送処理を,再送先ごとに異なる許容遅延時間の制約のもとで,廃棄による影響を最小化するように制御する必要がある。しかし,現在知られている再送方式は,このような意味で最適化されていないという課題があった。
本発明において解決しようとする課題は,マルチキャスト環境におけるリアルタイムデータ配信において,配信先ごとに異なる遅延制約のもとで,遅延制約を満足するようにデータを再送することで,許容遅延の範囲内で受信されたデータの品質を最大化することである。
本発明のデータ配信システムでは,誤りのないデータ配信を実現するため,パケット廃棄を再送により補償する手段として,パケット廃棄を検出する廃棄検出手段,パケット廃棄が検出されたときに送信装置に対して再送要求を通知する再送要求手段,送信済パケットを再送用に蓄積する再送バッファ手段,再送要求をバッファリングする手段,および,再送要求されたパケットを再送バッファ手段から取り出して受信装置に送信する再送手段が設けられる。また,本システムでは,配信先における許容遅延を保証するため,タイムスタンプの付いたパケットを送信する手段,および,受信パケットをタイムスタンプから一定時間を経過するまで遅延させて出力する受信バッファ手段が設けられる。
特に,本データ配信システムにおける送信装置は,受信装置と送信装置間で送受信されるパケットの往復遅延時間を推定する遅延推定手段と,受信装置で廃棄が検出されたパケットに対し,少なくとも当該受信装置においてそのパケットを出力するまでの時間と,往復遅延時間とから,送信装置においてパケットを再送するタイミングを決定する手段と,再送されるパケットが受信装置においてそのパケットを出力するまでの時間に間に合わない場合に,再送要求を破棄する手段とを備える。
これにより,受信装置ごとの再送要求レベル(遅延制約など)に応じてデータ再送(再送しないことを含む)が処理されるので,システム全体としての再送データ処理の負荷分散,輻輳発生の回避が実現される。
また,本システムでは,さらに前記受信装置が備える再送要求手段において,パケットの廃棄が検出されたとき,廃棄パケットに前後するパケットから廃棄パケットのタイムスタンプ値を推定する手段,廃棄パケットの出力までの時間Tおよび往復遅延時間Rとの比率X=T/Rを求める手段,Xが1より小さい場合には再送要求を破棄し,そうでない場合には,再送要求の送信をXの大きさに応じて遅延させる手段が設けられる。
これらの手段により,本システムは,再送パケットの到着がパケット出力に間に合わないと判定される場合には,再送要求を送出しない。さらに,時間に余裕のない再送要求が先行して通知されることにより,遅延制約の厳しい配信先からの再送要求を優先して処理するように動作する。また,遅延制約の緩い配信先では再送要求の送信を遅延させるため,送信側に再送要求が集中することを避けることが可能であり,さらに,遅延時間内に再送パケットが到着した場合には,再送要求の送出自体を抑圧することができる。
また,本システムの他の一例では,再送要求送信時のパケット出力までの時間T,および,往復遅延時間Rを,再送要求とともに受信装置から送信装置に通知する手段が設けられ,前記再送手段は,受信装置から通知された再送要求をバッファリングするとともに,再送要求受信からの経過時間Sと,前記時間Tおよび前記時間Rを用いることにより,X=(T−S)/Rを求め,Xが1より小さくなった場合には再送要求を破棄し,そうでない場合には,Xが小さいものから順に再送を行う。また,すでに送信済の再送要求を往復遅延時間Rmin の間保持し,同じパケットに対する再送要求が保持されている場合または到着した場合には,これを廃棄する。ここで,Rmin は,複数の配信先における往復遅延時間の最小値である。
これらの手段により,本システムは,送信装置において,再送要求の処理順序が最適化され,無駄な再送を行うことがない。
また,本システムの一例では,受信装置における出力遅延時間を管理する手段,受信装置までの往復遅延時間を推定する手段と,受信装置における時刻を同期させる手段,再送要求をバッファリングする手段が設けられ,前記再送手段においては,再送パケットのタイムスタンプに受信装置の出力遅延時間を加算し,往復遅延時間を差し引くことにより,パケットを再送するまでに許容される許容送信時間Tを算出し,受信装置までの往復遅延時間Rとの比率X=T/Rを算出し,Xの小さいものから再送処理を行うとともに,Xが1以下となった再送要求を破棄する。
これらの手段により,本システムは,パケット送出までの時間余裕のない配信要求を優先して処理するように動作し,また,冗長な再送処理を行うことがない。
また,本システムの一例では,さらに前記再送手段において,許容送信時間Tを時間スロットに分割することで,再送要求を時間スロットごとに管理するとともに,同一時間スロット内にある同一パケットに対する複数の再送要求を1つの再送要求にまとめ,まとめた再送要求数を管理する手段が設けられる。また,時間スロットの早いものから順に再送処理を実行すること,および,同じ時間スロットの中では,再送要求数の多いものから順に再送処理を実行することを特徴とし,さらに,再送時間スロット内の全パケットを時間スロットの許容再送時刻よりも前に送信することが不可能となった場合には,送信できなかった再送要求を破棄するように動作する。
これらの手段により,本システムは,多数の配信先からの再送要求を効率的に管理することが可能であり,かつ,再送が間に合わない場合には,影響度の大きな再送要求を優先して伝送することにより,廃棄の影響を最小化することができる。
本発明によれば,複数の受信装置にリアルタイム性を要求されるデータを配信するシステムにおいて,配信先ごとに異なる許容遅延の範囲内で受信されたデータの品質を最大化することができる。また,パケットロスが発生した場合に,受信装置ごとの再送要求レベル(遅延制約)に応じてデータ再送要求またはデータ再送(再送しないことを含む)が処理されるので,システム全体としての再送データ処理の負荷分散,輻輳発生の回避が可能になる。
本発明のデータ配信システムの全体構成例を示す図である。 送信装置および受信装置の構成例を示す図である。 再送要求の送出タイミングの制御例を示す図である。 送信装置における許容再送遅延時間の推定方法を説明する図である。 再送要求の処理順序の管理説明図である。 時間スロットへの再送要求の登録方法を説明する図である。 時間スロット内の再送要求の管理を説明する図である。
以下,本発明の実施形態を,図面を用いて詳細に説明する。
図1は,本発明のデータ配信システムの全体構成例を示している。本システムは,送信装置10,10A,…,複数の受信装置20,20A,…,配信ネットワーク60により構成される。送信装置10,10Aには,カメラ30,30A等の配信データの入力装置が接続され,受信装置20,20A,20Bには,配信データを表示するための表示装置40,40A,40Bが接続されている。また,配信先Cにおける受信装置20Cには,配信データを収録するための記録装置50Cが接続されている。
図1に示す例では,配信元Xのコンサート会場から複数の配信先に対してリアルタイムデータ配信が行われているが,配信元Xと配信先A間では,コンサート会場同士で双方向の通信を行っており,遅延時間はきわめて小さいことが要求される。配信先Bでは,上映のための片方向の配信が行われているが,片方向の配信であるため,配信先Aと比べると遅延制約は大きくない。配信先Cは,収録だけを行っているが,遅延制約はない代わりに,誤りのないデータを配信することが要求される。
本システムは,このように,遅延やデータの品質に対する要求条件が大きく異なる複数の配信先に対してリアルタイムデータ配信を行うことを目的とする。
図2は,送信装置および受信装置の内部構成例を示している。ここでは,配信元Xの送信装置10と配信先Aの受信装置20Aの構成例を示すが,他の送信装置および受信装置も同様に構成される。
送信装置10は,送信済パケットを再送用に蓄積する再送バッファ11と,受信装置から再送要求されたパケットを再送バッファ11から取り出して受信装置に送信する再送手段12と,再送要求をバッファリングする再送要求バッファ13と,パケットの往復遅延時間を推定する遅延推定手段14と,受信装置の時刻を送信装置10と同期させる時刻同期手段15とを備える。他に,受信装置における出力遅延時間を管理する手段を備えることもある。
受信装置20Aは,受信パケットをタイムスタンプから一定時間を経過するまで遅延させて出力する受信バッファ21と,送信装置から送信されたパケットの廃棄を検出する廃棄検出手段22と,パケットの廃棄が検出されたときに送信装置に対して再送要求を通知する再送要求手段23と,パケットの往復遅延時間を推定する遅延推定手段24と,自装置の時刻を送信装置と同期させる時刻同期手段25とを備える。
図2を用いて,本システムにおけるパケットの送受信の基本動作を説明する。なお,受信装置としては,主に受信装置20Aについて説明するが,図1に示す受信装置20B,20C等についても受信装置20Aの動作と同様である。
送信装置10に入力されたデータパケットは,配信ネットワーク60を介して受信装置20A,20B,…に送信されるとともに,再送のために再送バッファ11に蓄積される。パケットには,送信装置10,または,送信装置10にパケットを入力する装置において,タイムスタンプが付与される。リアルタイムデータ配信で用いられるプロトコル,たとえば,RTP(Realtime Transport Protocol )は,パケットヘッダにタイムスタンプとシーケンス番号を付与する機能を有している。
受信装置20Aでは,受信されたパケットを,受信バッファ21内に蓄積し,タイムスタンプ時刻から一定の時間が経過してから出力する。この機能により,本システムでは,受信装置20Aから一定の遅延時間をもってデータが送出されることを保証することができる。受信バッファ21における遅延時間は,配信の前に,送信装置10から受信装置20A,受信装置20Aから送信装置10,あるいは,本システムの外部にある制御装置(図示省略)から送信装置10,受信装置20Aに通知される。
受信装置20Aでは,廃棄検出手段22において,パケットの廃棄を監視し,パケット廃棄が検出された場合には,再送要求手段23により再送要求を送信装置10に通知する。パケット廃棄の検出には,パケットに付加されたシーケンス番号の抜けを観測する方法を用いることができる。
送信装置10では,受信装置20Aから再送要求が通知されると,再送バッファ11から再送要求対象のパケットを読み出し,配信ネットワーク60に送出する。本システムでは,再送パケットもマルチキャストにより全配信先に送信することを想定する。
受信装置20Aでは,再送パケットの到着をモニタし,要求している再送パケットを受信したときには,受信バッファ21内にこれを格納し,再送要求を破棄する。再送パケットが一定時間以内に来ない場合には,再度,再送要求を送信装置10に通知するが,これは一般的な再送処理で用いられる手段である。ここで,再送要求手段23で,待ち合わせているパケットのシーケンス番号が,受信バッファ21より出力されたパケットのシーケンス番号より小さい場合には,出力済となっていると判断されるため,再送要求を破棄する。これは,再送処理をリアルタイム配信に適用する際に用いられる一般的な手段である。
次に,本システムの種々の実施例について,それぞれ説明する。
〔第1の例〕
前記のように,本システムでは,受信装置20Aからのパケット出力はパケットのタイムスタンプに基づいて制御されるため,パケットを受信したとき,そのタイムスタンプを参照することで,受信装置20Aからパケットを送出するまでの残り時間を判定することができる。廃棄パケットに関しては,パケットを受信していないため,タイムスタンプ値を知ることはできないが,後続するパケットのタイムスタンプを用いる,あるいは,前後のパケットのタイムスタンプの平均値を算出するといった手段により推定が可能である。また,固定レート配信の場合には,伝送レートとパケットサイズからタイムスタンプ値を求めることも可能である。
次に,再送要求手段23における再送要求の通知タイミングの制御に関して説明する。まず,上記のように推定した廃棄パケットのタイムスタンプより,パケット出力までの時間Tを求める。次に,パケット出力までの時間Tと,遅延推定手段24により推定した送信装置10までの往復遅延時間Rに対する比率X=T/Rを算出する。Xは,再送処理に許容される時間を配信ネットワーク60の往復遅延時間で割った値であり,再送手続きを何回繰り返せるかという指標を示している。1回の再送手続きにかかる時間は,送信装置10における処理オーバーヘッド時間,受信待ちのタイムアウト時間にも依存するため,上式の算出において,往復遅延時間Rとして,これらの値を加算した値を用いることもできる。
図3は,再送要求の送出タイミングの制御例を示す図であり,Xの値により,再送要求の通知タイミングをどのように制御するかを示している。まず,Xが1より小さい場合,データ出力までの時間が再送データが到着するまでの時間より短いと予想されるため,再送要求を行わない。正しいデータが取得できるまでN回の再送処理が必要であると想定される場合,XがN以下の場合には,できるだけ速やかに再送処理を開始する必要がある。このため,X<Nでは,再送要求は直ちに送信する。
一方,XがNより大きい場合,本配信システムは,再送要求の通知を保留し,遅延を持たせて送信する。遅延時間は,再送がデータ出力に間に合うように設定されるため,再送要求に遅延を持たせても,再送処理がデータ出力に間に合わなくなることはない。
このような制御を行うことにより,本システムでは,遅延制約の厳しい配信先における再送要求が優先して通知されるように制御する。また,複数の配信先で同じパケットが廃棄された場合,遅延時間の緩やかな受信装置(たとえば受信装置20C)では,再送要求の通知を行わずに再送データを受信することが可能であり,再送要求を通知するためのオーバーヘッドを低減することができる。さらに,再送要求の通知タイミングが分散されるため,送信装置10に多数の再送要求が同時に通知されることで,輻輳が発生することを避けることもできる。
なお,ここでは説明を分かりやすくするために,比率X=T/Rを算出し,Xが1より小さいかどうかの判定を行うと説明したが,例えばTとRの大小を比較し,TがRより小さいかどうかなどの判定を行ってもよく,技術的思想として実質的に同等である。したがって,本発明の実施においては,上記数式および判定方法等の技術的な意味が同等の範囲内において,これらを適宜変更可能であり,そのような場合も本発明の技術的範囲に含まれる。以下の他の例についても同様である。
〔第2の例〕
第2の例では,再送要求手段23は,再送要求送信時のパケット出力までの時間T,および,往復遅延時間Rを,再送要求とともに送信装置10に通知する。したがって,再送手段12は,通知された時間Tと,配信要求を受信してからの経過時間Sにより,各再送要求通知に対して許容される再送遅延時間(T−S)を求めることができる。送信装置10では,受信装置20Aと同様,許容遅延時間と往復遅延時間の比率X=(T−S)/Rを求め,その値の小さなものから優先的にパケットの再送順序を決定する。Xが1以下の場合,再送が間に合わないと判定されるため,その再送要求は破棄する。
一時的に多量の再送要求が発生した場合,本システムは,遅延制約の厳しい再送要求を優先して処理することで,再送が間に合わなくなる確率を低減するように動作する。また,遅延制約の緩い配信先においては,すべての再送データを送信することが可能となるため,遅延が許容される配信先に対しては,品質は最大化される。
マルチキャスト配信では,複数の配信先から同じパケットに対する再送要求が到着することがあるが,本システムでは,再送要求を往復遅延時間Rの間,保持し,同じパケットに対する再送要求が保持されている,あるいは到着した場合には,これを廃棄することにより,冗長な再送処理を防止する。
〔第3の例〕
第3の例では,送信装置10において受信装置20Aにおける出力遅延を管理し,さらに,時刻同期を行い,受信装置20Aまでの遅延時間を評価することで,受信側からのパケット出力タイミングを送信側で推定する。図4にその手続きを示す。以下,図4に従って,送信装置10における許容再送遅延時間の推定方法を説明する。
時刻同期手段15により時刻同期を行う方法としては,NTP(Network Time Protocol )などがある。ネットワーク上で時刻同期を行う処理は,通常,受信側までの往復遅延時間を推定する手続きを含むため,時刻同期手段15による時刻同期と遅延推定手段14による受信装置20Aまでの往復遅延時間の推定は同時に行うことができる。GPSなどの手段により,より高精度の同期をとることも可能であるが,この場合,時刻情報を利用することで遅延時間の評価が可能である。再送要求が到着したとき,再送パケットのタイムスタンプ値と,タイムスタンプと時刻の対応情報および受信装置20Aにおける遅延設定により,パケットの出力までの時間余裕T,すなわち許容再送時間を推定することができる。
再送手段12においては,再送パケットのタイムスタンプに受信装置20Aの出力遅延時間を加算し,往復遅延時間を差し引くことにより,パケットを再送するまでに許容される許容送信時間T′を算出し,その許容送信時間T′と,送信装置10と受信装置20A間の往復遅延時間Rとの比率X=T′/Rを算出し,Xの小さいものから再送処理を行う。
図5は,再送順序の制御例を示している。再送要求はXの順序によりソートされるが,Xが1より小さい場合,その再送要求に対する再送処理は,受信側のデータ出力に間に合わない可能性が高いため破棄する。図5の例では,再送要求1は廃棄されることになる。再送要求4は再送要求1と同じパケット#1に対する再送要求であるが,再送要求2,3が処理された後,パケット#1は,再送要求4に対する再送処理として再送される。つまり,遅延制約の厳しい再送要求1の受信装置(たとえば受信装置20A)に対しては補償を行わないが,遅延制約の緩い再送要求4の受信装置(たとえば受信装置20B,20C)に関しては補償を行う。このように,本システムは,遅延制約の許す範囲で品質を最大化するように動作する。再送要求4と再送要求5は,同じパケットに対する再送要求であるが,再送要求4が処理された時点で再送要求5は廃棄される。
本システムでは,再送済の再送要求に対しては,往復遅延時間の最小値Rmin の間,同じパケットに対する再送要求を破棄する。これは,すでにパケットが再送済であり,到着した再送要求が再送要求の再送信ではないことが保証されるためである。ここで,再送要求の再通知の処理は,受信側での再送パケット受信タイムアウトにより行われるため,Rmin にはタイムアウト値を反映した値を用いることもできる。
〔第4の例〕
第4の例では,再送要求は,再送処理を行うまでの許容遅延時間Tの大きさにより,時間スロット単位にまとめて管理される。
図6は,時間スロットへの再送要求の登録方法を説明する図であって,再送要求の管理手続きの例を示している。まず,再送要求に対して,前述と同じ手続きにより許容再送遅延時間Tを算出する。次にTの大きさに応じて,対応する時間スロットを求める。管理情報は,時間スロットごとに,再送要求のリストを管理するように構成され,同じ再送パケットに対する再送要求が存在しない場合には,再送要求がリストに新規登録される。一方,同じパケットに対する再送要求がすでに登録されている場合には,再送要求数が加算される。時間スロットの分割単位としては,たとえば,各受信装置までの往復遅延時間の最大値Rmax を用いることができる。この場合,最初の時間スロットは,1回の再送が可能な再送要求のリストということになる。
図7は,再送要求の管理データの構成を示した例である。時間スロットごとに再送対象となるパケットと再送要求先数が管理される。図7に示すように,本システムでは,時間スロットの中で,再送要求を再送要求先数の大きい順に実行する。したがって,要求元の数が多い,つまりパケット廃棄の影響が大きな再送要求を優先して実行される。時間スロットに指定されている許容遅延時間内にパケットの再送が終了しない場合,処理できなかった再送要求は破棄される。なお,許容再送遅延時間に達していない時間スロットの再送要求も処理を実行することが可能である。また,1時間スロットを単位として,リストの内容は更新される。
本発明のデータ配信システムおよびデータ配信方法は,信頼性とリアルタイム性が要求されるデータの伝送に用いられ,特に,配信先ごとに要求される遅延制約が異なる場合に用いられる。
10,10A 送信装置
11 再送バッファ
12 再送手段
13 再送要求バッファ
14,24 遅延推定手段
15,25 時刻同期手段
20,20A,20B,20C 受信装置
21 受信バッファ
22 廃棄検出手段
23 再送要求手段
30,30A カメラ
40,40A,40B 表示装置
50C 記録装置

Claims (5)

  1. 送信装置,複数の受信装置および配信ネットワークにより構成され,前記送信装置から前記複数の受信装置に対し,タイムスタンプの付いたパケットをマルチキャストによって配信するデータ配信システムであって,
    前記受信装置は,
    受信パケットをタイムスタンプから一定時間を経過するまで遅延させて出力する受信バッファ手段と,
    前記送信装置から送信されたパケットの廃棄を検出する廃棄検出手段と,
    パケットの廃棄が検出されたときに前記送信装置に対して再送要求を通知する再送要求手段とを備え,
    前記送信装置は,
    送信済パケットを再送用に蓄積する再送バッファ手段と,
    前記受信装置と前記送信装置間で送受信されるパケットの往復遅延時間を推定する遅延推定手段と,
    前記受信装置で廃棄が検出されたパケットに対し,少なくとも当該受信装置においてそのパケットを出力するまでの時間と,前記往復遅延時間とから,前記パケットを再送するタイミングを決定する手段と,
    前記受信装置から再送要求されたパケットを前記再送バッファ手段から取り出して前記受信装置に送信する再送手段と,
    送されるパケットが前記受信装置においてそのパケットを出力するまでの時間に間に合わない場合に,前記再送要求を破棄する手段とを備え,
    かつ,前記受信装置が備える前記再送要求手段は,パケットの廃棄が検出されたとき,廃棄パケットに前後するパケットをもとに廃棄パケットのタイムスタンプ値を推定することにより,パケット出力までの時間T1および往復遅延時間Rとの比率X=T1/Rを求め,Xが1より小さい場合には再送要求を破棄し,そうでない場合には,再送要求の送信を遅延させ,さらに,Xが大きくなるほど再送要求の遅延量を大きく制御し,かつ,遅延時間内に再送要求に対応する再送パケットが到着した場合には,再送要求を破棄する
    ことを特徴とするデータ配信システム。
  2. 請求項1記載のデータ配信システムにおいて,
    前記受信装置が備える前記再送要求手段は,再送要求送信時のパケット出力までの時間T2,および,往復遅延時間Rを,再送要求とともに前記送信装置に通知し,
    前記送信装置が備える前記再送手段は,前記受信装置から通知された再送要求に対し,再送要求受信からの経過時間Sと,前記パケット出力までの時間T2と,前記往復遅延時間Rを用いることにより,X=(T2−S)/Rを求め,Xが小さいのもから順に再送を行い
    かつ,前記送信装置が備える再送要求を破棄する手段は,Xが1より小さくなった場合には再送要求を破棄し,送信済の再送要求を前記往復遅延時間Rの間保持し,再送済パケットと同じパケットに対する再送要求が存在する場合には,その再送要求を破棄する
    ことを特徴とするデータ配信システム。
  3. 請求項1記載のデータ配信システムにおいて,
    前記送信装置は,
    前記受信装置の時刻を当該送信装置と同期させる時刻同期手段と,
    前記受信装置における出力遅延時間を管理する手段と,
    再送要求をバッファリングする手段とをさらに備え,
    前記送信装置が備える再送手段は,再送パケットのタイムスタンプに前記受信装置の出力遅延時間を加算し,往復遅延時間を差し引くことにより,パケットを再送するまでに許容される許容送信時間T3を算出し,前記受信装置までの往復遅延時間Rとの比率X=T3/Rを算出することにより,Xの小さいものから再送処理を行い,
    前記送信装置が備える再送要求を破棄する手段は,Xが1以下となった再送要求を破棄し,さらに,すでに送信済の再送要求を往復遅延時間の最小値Rmin の間保持し,再送済パケットと同じパケットに対する再送要求が存在する場合には,その再送要求を破棄する
    ことを特徴とするデータ配信システム。
  4. 請求項記載のデータ配信システムにおいて,
    前記送信装置が備える再送手段は,許容送信時間T3を時間スロットに分割することで,再送要求を時間スロットごとに管理するとともに,同一時間スロット内にある同一パケットに対する複数の再送要求を1つの再送要求にまとめ,まとめた再送要求数と再送対象パケットを再送要求として管理し,時間スロットの早いものから順に再送処理を実行し,同じ時間スロットの中では,再送要求数の多いものから順に再送処理を実行し,さらに,再送時間スロット内の全パケットを時間スロットの許容再送時刻よりも前に送信することが不可能となった場合に,送信できなかった再送要求を破棄する
    ことを特徴とするデータ配信システム。
  5. 送信装置,複数の受信装置および配信ネットワークにより構成され,前記送信装置から前記複数の受信装置に対し,タイムスタンプの付いたパケットをマルチキャストによって配信するデータ配信システムにおけるデータ配信方法であって,
    前記受信装置は,
    受信パケットをタイムスタンプから一定時間を経過するまで,受信バッファ手段により遅延させて出力する処理と,
    前記送信装置から送信されたパケットの廃棄を検出する処理と,
    パケットの廃棄が検出されたときに前記送信装置に対して再送要求を通知する処理とを実行し,
    前記送信装置は,
    送信済パケットを再送用に再送バッファ手段に蓄積する処理と,
    前記受信装置と前記送信装置間で送受信されるパケットの往復遅延時間を推定する遅延推定処理と,
    前記受信装置で廃棄が検出されたパケットに対し,少なくとも当該受信装置においてそのパケットを出力するまでの時間と,前記往復遅延時間とから,前記パケットを再送するタイミングを決定する処理と,
    前記受信装置から再送要求されたパケットを前記再送バッファ手段から取り出して前記受信装置に送信する再送処理と,
    送されるパケットが前記受信装置においてそのパケットを出力するまでの時間に間に合わない場合に,前記再送要求を破棄する処理とを実行し
    かつ,前記受信装置が再送要求を通知する処理では,パケットの廃棄が検出されたとき,廃棄パケットに前後するパケットをもとに廃棄パケットのタイムスタンプ値を推定することにより,パケット出力までの時間T1および往復遅延時間Rとの比率X=T1/Rを求め,Xが1より小さい場合には再送要求を破棄し,そうでない場合には,再送要求の送信を遅延させ,さらに,Xが大きくなるほど再送要求の遅延量を大きく制御し,かつ,遅延時間内に再送要求に対応する再送パケットが到着した場合には,再送要求を破棄する
    ことを特徴とするデータ配信方法。
JP2010131563A 2010-06-09 2010-06-09 データ配信システムおよびデータ配信方法 Active JP5074557B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010131563A JP5074557B2 (ja) 2010-06-09 2010-06-09 データ配信システムおよびデータ配信方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010131563A JP5074557B2 (ja) 2010-06-09 2010-06-09 データ配信システムおよびデータ配信方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011259183A JP2011259183A (ja) 2011-12-22
JP5074557B2 true JP5074557B2 (ja) 2012-11-14

Family

ID=45474879

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010131563A Active JP5074557B2 (ja) 2010-06-09 2010-06-09 データ配信システムおよびデータ配信方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5074557B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB201005328D0 (en) 2010-03-30 2010-05-12 Nokia Corp Apparatus, methods, computer readable storage mediums and computer programs
JP5732498B2 (ja) * 2013-09-04 2015-06-10 株式会社京三製作所 鉄道用通信システム、車上装置、地上装置及び通信制御方法
WO2021157381A1 (ja) * 2020-02-07 2021-08-12 ソニーグループ株式会社 情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002204279A (ja) * 2001-11-16 2002-07-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd データ送信装置及びデータ送信方法
JP3912091B2 (ja) * 2001-12-04 2007-05-09 ソニー株式会社 データ通信システム、データ送信装置、データ受信装置、および方法、並びにコンピュータ・プログラム
JP4433281B2 (ja) * 2004-01-07 2010-03-17 ソニー株式会社 受信装置および方法、記録媒体、並びにプログラム
JP4969342B2 (ja) * 2007-07-03 2012-07-04 パナソニック株式会社 受信端末及び受信方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011259183A (ja) 2011-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7643480B2 (en) Method and system for reliably and efficiently transporting data over a network
US8223807B2 (en) Synchronizing data transmission over wireless networks
US7522528B2 (en) Low-latency automatic repeat request packet recovery mechanism for media streams
KR102411983B1 (ko) 미디어 데이터 전달 제어를 위한 방법 및 장치
US6629318B1 (en) Decoder buffer for streaming video receiver and method of operation
CN102859950B (zh) 估计拥塞的方法
US20040186877A1 (en) Method and device for multimedia streaming
EP1301041A1 (en) Video data transmission method and apparatus
JP4653011B2 (ja) 中継装置及び中継方法
US8867340B2 (en) Discarded packet indicator
CN103096183B (zh) 一种高效流媒体传输方法
EP3420658A1 (en) Retransmission of data in packet networks
JP4969342B2 (ja) 受信端末及び受信方法
US10666568B2 (en) Timing transport method in a communication network
JP5074557B2 (ja) データ配信システムおよびデータ配信方法
EP3108631B1 (en) Buffer bloat control
CN115348336A (zh) 异构数据流的通用传输架构
JP7253940B2 (ja) 受信装置、サーバシステム及び受信プログラム
JP3848222B2 (ja) 再送方法
JP6569450B2 (ja) 情報処理装置および情報処理システム
EP3907943B1 (en) Round-trip estimation
Oh et al. One-way delay estimation using packet intervals for efficient retransmission

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120821

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120823

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5074557

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150831

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350