JP5074466B2 - 防錆性及び低摩擦性にすぐれた生分解性潤滑油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、防錆性及び低摩擦性にすぐれ、特にチェーンソー用潤滑油として好適な生分解性潤滑油組成物に関する。
チェーンソーは、チェーン状の外歯を動力で回転させて木の伐採や木材の切断等を行なう器具であり、回転部等に用いられるチェーンソー用潤滑油は、鋸屑と共に周囲環境へ飛散する。このため、チェーンソー用潤滑油が微生物等によって分解されないと土壌汚染や水質汚染を引き起こす。
この問題を解決するために、出願人は、以前に、基油として植物油を含有する生分解性チェーンソー用潤滑油を提案した(特許文献1)。
特許第3513132号
しかしながら、チェーンソー用潤滑油は、回転部等の潤滑性能を確保するために低摩擦性を必要とし、また、回転部等の発錆を防止するために防錆性を必要とする。
それゆえ、チェーンソー用潤滑油には、低摩擦化添加剤や防錆添加剤を含有させることが行われているが、添加剤の種類によっては植物油の生分解性が損なわれるので、使用可能な添加剤の種類はある程度制限される。ところが、植物油の生分解性を損なわない添加剤としてこれまで一般的に知られている摩擦調整剤や防錆剤では、所定の潤滑性及び防錆性を具備させることができなかった。
例えば、防錆添加剤として知られているアルコール型アミンの場合、防錆性は向上しても潤滑性が低下する。また、ギ酸やミリスチン酸の如き脂肪酸を添加すると、潤滑性は向上するが防錆性を低下させる。
発明者らは、界面活性剤として一般的に知られているエーテル型アミンを脂肪酸と共に用いると、防錆性能と潤滑性能が向上することを見出した。
本発明の目的は、植物油による生分解性を具備すると共に、すぐれた低摩擦性及び防錆性を有する生分解性潤滑油組成物を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は、防錆性及び低摩擦性を具えた生分解性潤滑油組成物であって、植物油及び/又は植物油由来合成エステルからなる基油80〜99.7重量%と、Cn2n+1COOH(但し、n=1〜11)で表される脂肪酸0.1〜10.0重量%と、式(1)で表され、式(1)中、Rはシクロヘキサン、n及びmは正の整数、n+mは3又は4である環状アミンのアルキレンオキシド付加物0.2〜10.0重量%とを含有している。
本発明はまた、防錆性及び低摩擦性を具えた生分解性潤滑油組成物であって、植物油及び/又は植物油由来合成エステルからなる基油59.7〜96.0重量%と、C2n+1COOH(但し、n=1〜11)で表される脂肪酸1.0〜5.3重量%と、式(2)で表され、式(2)中、Rは炭素数1までのアルキル基、n及びmは正の整数、n+mは5〜15である直鎖アミンのアルキレンオキシド付加物3.0〜35.8重量%とを含有している。
本発明の前記生分解性潤滑油組成物をチェーンソー用潤滑油として使用する場合、前記生分解性潤滑油組成物と、前記生分解性潤滑油組成物100重量部に対し、水35〜1000重量部と、(i)ソルビタン又はその誘導体、(ii)アルキルエーテルのエチレンオキシド付加物、及び(iii)ひまし油又はひまし硬化油のエチレンオキシド付加物、からなる群から選択される界面活性剤2〜70重量部とを含有し、前記生分解性潤滑油組成物は、基油に少なくともひまし油を5.0〜40.0重量%を含有することが好ましい。
本発明の生分解性潤滑油組成物は、生分解性を具備し、優れた低摩擦性及び防錆性を具備することができる。
具体的には、摩擦性については、曽田振り子式試験を、温度20℃、両端80g及び中心40gの荷重条件で行なったときの静摩擦係数が0.13未満、リングディスク試験を、回転数200rpm、単位荷重1kg/cm2の条件で行なったときの動摩擦係数が0.039未満の低摩擦性を具えている。
また、防錆性については、防錆試験を、温度35℃、湿度47%の条件で濃度5%の塩水噴霧を行なったときに、面積率で5%の発錆が観察されるまでの時間が15分以上の防錆性を具えている。
前記生分解性潤滑油に水と界面活性剤とをさらに含有するチェーンソー用潤滑油では、低摩擦性及び防錆性に加えて、次の効果をさらに有することができる。
(i)水の冷却効果でチェーンやバーの温度上昇を抑制できる。
(ii)松の木やくぬぎ等を伐採する際、チェーンに付着する脂(やに)の量を洗浄作用によって減らすことができ、作業性が向上する。
(iii)分散性が向上し、油が土壌に飛散しても速やかに分散され、土壌中の細菌による分解が促進される。
図1は、表1及び表2に示す供試用試料に使用した合成エステル及びアミンの化学式を示す図である。 図2は、表3に示す供試用試料に使用した界面活性剤及び酸化防止剤の化学式を示す図である。 図3は、試料No.1004を水及び界面活性剤で希釈した後の乳化状態を示す写真である。 図4は、試料No.1005を水及び界面活性剤で希釈した後の乳化状態を示す写真である。
本発明の生分解性潤滑油組成物は、植物油及び/又は植物油由来合成エステルからなる基油と、脂肪酸と、環状又は直鎖のアミンとを含有する組成物である。
植物油及び/又は植物油由来合成エステルは、生分解性を確保するために、例えば下記に列挙したものを使用する。
<植物油>
植物油として、大豆油、菜種油、ひまわり油、サフラワー油、落花生油、とうもろこし油、綿実油、米ぬか油、カポック油、ごま油、オリーブ油、あまに油、ひまし油、カカオ脂、シャー脂、パーム油、パーム核油、ヤシ油、麻実油、米油及び茶種油のうちの少なくとも1種を用いることができる。なお、これらに限定されるものではなく、潤滑油の基油として適当なものであれば、他の植物油も使用可能である。
<植物油由来合成エステル>
植物油由来合成エステルとして、脂肪族アルコール、ポリオール及びポリオールエーテルを挙げることができ、具体的には、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、重合ひまし油のアルキルエステル、ポリグリセリンのアルキルエステル、リシノレイン酸の縮合物及びそのエステルを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
脂肪酸と、環状又は直鎖のアミンは、防錆性と低摩擦性を確保するために、例えば下記に列挙したものを使用する。
<脂肪酸>
使用する脂肪酸は、一般式Cn2n+1COOHで表され、n=1〜11である。n=1は酢酸、n=2はプロピオン酸、n=3は酪酸、n=4は吉草酸、n=5はカプロン酸、n=6はエナント酸、n=7はカプリル酸、n=8はペラルゴン酸、n=9はカプリン酸、n=11はラウリン酸である。
<環状アミン>
使用する環状アミンは、式(1)で表され、式(1)中、Rはシクロヘキサン、n及びmは正の整数、n+mは3又は4である環状アミンのアルキレンオキシド付加物である。
<直鎖アミン>
使用する直鎖アミンは、式(2)で表され、式(2)中、Rは炭素数1までのアルキル基、n及びmは正の整数、n+mは5〜15である直鎖アミンのアルキレンオキシド付加物である。
<環状アミンを用いるときの配合量>
本発明の生分解性潤滑油組成物は、環状アミンを使用するとき、所定の防錆性及び低摩擦性を確保するために、環状アミンのアルキレンオキシド付加物が0.2〜10.0重量%、脂肪酸が0.1〜10.0重量%であり、所定の生分解性を確保するために、植物油及び/又は植物油由来合成エステルが80〜99.7重量%である。
環状アミンの配合量は2.0〜5.0重量%が好ましい。
併用する脂肪酸はn=1〜7が好ましく、その配合量は0.2〜5.0重量%が好ましい。
<直鎖アミンを用いるときの配合量>
本発明の生分解性潤滑油組成物は、直鎖アミンを使用するとき、所定の防錆性及び低摩擦性を確保するために、直鎖アミンのアルキレンオキシド付加物が3.0〜35.8重量%、脂肪酸が1.0〜5.3重量%であり、所定の生分解性を確保するために、植物油及び/又は植物油由来合成エステルが59.7〜96.0重量%である。
直鎖アミンは、アミンのエチレンオキシド付加モル数(n+m)が10〜15モルが好ましい。なお、直鎖アミンの配合量は3.0〜10.0重量%が好ましい。
なお、併用する脂肪酸はn=7〜11が好ましく、その配合量は1.0〜3.0重量%が好ましい。
本発明の生分解性潤滑油組成物は、上記のとおり配合することにより、所定の防錆性と低摩擦性を具備することができ、用途に応じて、下記に示す添加剤等を、生分解性、防錆性及び低摩擦性の特性を損なわない範囲でさらに含有させることができる。
<水と界面活性剤の添加>
チェーンソーは、使用時、チェーンやバーが温度上昇する。このため、潤滑油組成物の生分解性、防錆性及び低摩擦性が損なわれない範囲で、冷却作用の大きな水を加えることが好ましい。また、水を加えると、分散性が向上するので、潤滑油が土壌に飛散しても雨や土壌中の水分によって速やかに分散され、土壌中の細菌による生分解の促進が期待できる。
しかし、水を加える場合、水単独では植物油等と混和しないため、界面活性剤を一緒に添加する必要がある。界面活性剤は、(i)ソルビタン又はその誘導体、(ii)アルキルエーテルのエチレンオキシド付加物、及び(iii)ひまし油又はひまし硬化油のエチレンオキシド付加物からなる群から選択されるものを使用する。
界面活性剤を添加すると、その洗浄作用により、松の木やくぬぎ等を伐採する際にチェーンに付着する脂(やに)の付着量を少なくすることができるので、作業性が向上する。
ソルビタン又はその誘導体は、式(3)又は式(4)で示されるものを使用することができる。
アルキルエーテルのエチレンオキシド付加物は式(5)で示されるものを使用することができる。
ひまし油のエチレンオキシド付加物は式(6)で示されるものを使用することができる。
ひまし硬化油のエチレンオキシド付加物は式(7)で示されるものを使用することができる。
水と界面活性剤の含有量は、前記生分解性潤滑油組成物(基油としての植物油又は植物油由来合成エステルと、環状又は直鎖のアミンと、脂肪酸とからなるもの)100重量部に対し、水が35〜1000重量部、界面活性剤が2〜70重量部である。なお、水は300〜800重量部が好ましく、界面活性剤は20〜40重量部が好ましい。
界面活性剤は、水を添加するときには必ず必要であるが、水を添加しない場合でも、洗浄作用を得るために、界面活性剤を添加することもできる。この界面活性剤は、あまりに多く加えると潤滑油組成物に濁りが生じて、潤滑性能に悪影響を及ぼすので、添加量は2〜10重量部が好ましい。
ところで、水を加えると、エマルジョン液にクリーム層(オイルを多量に含んだ乳化層)が生成され易く、これが給油ホース等の詰まりの原因となる。
このため、水と界面活性剤を加える場合は、基油として用いる植物油の一部にひまし油を使用することが好ましい。ひまし油の含有によって、相溶性が改善され、クリーム層の発生が抑制される。また、界面活性剤添加によって生じる濁りについても、ひまし油の含有によって解消される。
これらの効果を得るために、ひまし油は5.0重量%以上含有させる。しかし、あまり多く含有すると、チェーンソー用潤滑油としては粘度が高くなり過ぎること、また、水と混ざり難くなって乳化層の生成が困難となることから、上限は40.0重量%とする。
<酸化防止剤の添加>
本発明の潤滑油組成物は、酸化安定性の向上を図るために、生分解性、防錆性及び低摩擦性を損なわない範囲で、酸化防止剤を加えることができる。
酸化防止剤は、BHT(2,6-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエン)、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、アスコルビン酸、トコフェロール、トリフェニルホスファイト及びトリデシルホスファイトからなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。
酸化防止剤の含有量は、前記生分解性潤滑油組成物(基油としての植物油又は植物油由来合成エステルと、環状又は直鎖のアミンと、脂肪酸とからなるもの)100重量部に対し、0.1〜6.0重量部が好ましく、0.5〜3.0重量部がより好ましい。
酸化防止剤による酸化安定性の向上により、酸化環境に曝されても基油の重合が起こり難く、重合による樹脂化が防止される。
<流動点降下剤の添加>
本発明の潤滑油組成物は、基油の植物油の結晶点を低下させるために、又は増粘作用を得るために、生分解性、防錆性及び低摩擦性を損なわない範囲で流動点降下剤を加えることができる。
流動点降下剤として、ポリメタアクリレートを用いることができ、その含有量は、前記生分解性潤滑油組成物(基油としての植物油又は植物油由来合成エステルと、環状又は直鎖のアミンと、脂肪酸とからなるもの)100重量部に対し、0.1〜17.0重量部が好ましく、結晶点低下のためには0.1〜3.0重量部、増粘のためには5.0〜10.0重量部とすることがより好ましい。
ポリメタアクリレートとして、式(8)、式(9)及び式(10)で示すものを使用することができる。
供試用に種々組成の組成物試料を調製し、防錆試験による防錆性と、曽田振り子式試験及びリングディスク試験による低摩擦性を評価した。
試験方法は次のとおりである。
<防錆試験>
温度35℃、湿度47%の条件で濃度5%の塩水噴霧を行なったときに、面積率で5%の発錆が観察されるまでの時間を調べた。
<曽田振り子式試験>
曽田式振り子型油性試験機二型を使用して静摩擦係数を測定した。試験条件は、温度20℃、負荷した荷重は、両端80g及び中心40gである。
<リングディスク試験>
リングディスク試験機を使用して動摩擦係数を測定した。試験条件は、回転数200rpm、単位荷重1kg/cm2である。
各試料の組成と、防錆試験、曽田振り子式試験及びリングディスク試験の試験結果を表1及び表2に示す。
表1は発明例の供試用試料No.1〜No.25、表2は比較例の供試用試料No.101〜No.119に関するデータである。
表1及び表2において、脂肪酸1は発明例の脂肪酸、脂肪酸2は比較例の脂肪酸であり、アミン1は発明例のアミン、アミン2は比較例のアミンである。
なお、試験に使用した合成エステル#1、アミン#11〜#13、アミン#21〜#26については、それらの化学式を図1に示している。
試験結果より、発明例の試料No.1〜No.25は、塩水噴霧後、面積率5%の発錆が観察されるまでの時間が15分以上の防錆性を具えると共に、曽田振り子式試験による静摩擦係数が0.13未満、リングディスク試験による動摩擦係数が0.039未満の低摩擦性を具えている。
これに対し、脂肪酸2及びアミン2を用いた試料、並びに、脂肪酸1又はアミン1の何かの含有量が本発明で規定した範囲から逸脱する比較例の試料は、前記の3つの要件である、防錆性15分以上、曽田振り子式静摩擦係数0.13未満、及びリングディスク式動摩擦係数0.039未満のうちの少なくとも何れかの要件を充足することができなかった。
<生分解性試験>
試料No.10、No.18及びNo.23について、OECD301C法(修正MITI法)により生分解性試験を行ない、28日経過後の生分解率を調べた。試料No.10の生分解率は76.1%、試料No.18の生分解率は81.9%、試料No.23の生分解率は72.5%であり、何れも良好な結果を示した。
<急性毒性試験>
試料No.10及びNo.18について、OECD203法により、ヒメダカに対する急性毒性試験を行ない、濃度100ppmにて96時間経過後の生存率を調べた。試料No.10及びNo.18の生存率は両方とも100%であり、良好な結果を示した。
<添加剤等の添加による防錆性及び低摩擦性への影響>
生分解性潤滑油組成物(基油としての植物油又は植物油由来合成エステルと、環状又は直鎖のアミンと、脂肪酸とからなるもの)に対し、水、界面活性剤、酸化防止剤及び流動点降下剤を種々添加した供試用試料No.1001〜No.1020を調製し、実施例1と同じ要領にて、防錆試験による防錆性と、曽田振り子式試験及びリングディスク試験による低摩擦性を評価した。
各試料の組成と、防錆試験、曽田振り子式試験及びリングディスク試験の試験結果を表3に示す。
表3中、試験に使用した界面活性剤#31〜#33及び酸化防止剤#41の化学式を図2に示す。
なお、界面活性剤#34は、式(7)に示すヒマシ硬化油のエチレンオキシド付加物におけるn1、n2、n3、m1、m2及びm3の合計量が20のもの、界面活性剤#35は、式(7)におけるヒマシ硬化油のエチレンオキシド付加物n1、n2、n3、m1、m2及びm3の合計量が40のものである。
また、流動点降下剤#51は、式(9)に示すポリメタアクリレートにおけるnが140(平均値)、RがC12のアルキル基のものである。
試験結果より、試料No.1001〜No.1020は、塩水噴霧後、面積率5%の発錆が観察されるまでの時間が15分以上の防錆性を具えると共に、曽田振り子式試験による静摩擦係数が0.13未満、リングディスク試験による動摩擦係数が0.039未満の低摩擦性を具えている。
なお、生分解性潤滑油組成物への添加は、上記のものに限定されることはなく、生分解性、防錆性及び低摩擦性の特性を損なわない範囲でその他添加剤を加えることができる。
<ひまし油の含有効果>
試料No.1004とNo.1005は両方とも、水と界面活性剤とを含有する例であるが、試料No.1004は植物油中にひまし油を含有し、試料No.1005は植物油中にひまし油を含有していない。
これらの試料No.1004とNo.1005について、希釈後の乳化状態を観察した。図3は、試料No.1004の1週間経過後の乳化状態を示しており、図4は試料No.1005の48時間経過後の乳化状態を示している。図3の試料No.1004は、クリーム層0ml、乳化層100ml、水層0mlであるのに対し、図4の試料No.1005はクリーム層5ml、乳化層24ml、水層71mlであった。
この結果より、植物油にひまし油を含有させると、希釈したときの乳化安定性が良く、分離が起こり難いことを示している。発明者らは、上記以外にも実験を行ない、ひまし油による乳化安定性向上効果は、植物油中にひまし油を5.0%以上含有させることで得られることを確認した。
本発明の生分解性潤滑油組成物は、生分解性を具備すると共に、すぐれた低摩擦性及び防錆性を具備しており、チェーンソーを始めとする各種動力工具、機械等の潤滑油として好適に使用することができる。
なお、水と界面活性剤をさらに含有させることにより、チェーンソー用潤滑油としてより好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. 植物油及び/又は植物油由来合成エステルからなる基油80〜99.7重量%と、
    2n+1COOH(但し、n=1〜11)で表される脂肪酸0.1〜10.0重量%と、
    式(1)で表される環状アミンのアルキレンオキシド付加物0.2〜10.0重量%と、
    を含有し、防錆性及び低摩擦係数を有する生分解性潤滑油組成物。
    但し、式(1)中、Rはシクロヘキサンであって、n及びmは正の整数、n+mは3又は4である。
  2. 植物油及び/又は植物油由来合成エステルからなる基油59.7〜96.0重量%と、
    2n+1COOH(但し、n=1〜11)で表される脂肪酸1.0〜5.3重量%と、
    式(2)で表される直鎖アミンのアルキレンオキシド付加物3.0〜35.8重量%と、
    を含有し、防錆性及び低摩擦係数を有する生分解性潤滑油組成物。
    但し、式(2)中、Rは炭素数1までのアルキル基であり、n及びmは正の整数、n+mは5〜15である。
  3. 基油に少なくともひまし油5.0〜40.0重量%を含有する請求項1又は2に記載の生分解性潤滑油組成物と、前記生分解性潤滑油組成物100重量部に対し、水35〜1000重量部と、(i)ソルビタン又はその誘導体、(ii)アルキルエーテルのエチレンオキシド付加物、及び(iii)ひまし油又はひまし硬化油のエチレンオキシド付加物、からなる群から選択される界面活性剤2〜70重量部とを含有するチェーンソー用生分解性潤滑油。
  4. 請求項1又は2に記載の生分解性潤滑油組成物と、酸化防止剤とを含有し、前記酸化防止剤は、BHT(2,6-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエン)、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、アスコルビン酸、トコフェロール、トリフェニルホスファイト及びトリデシルホスファイトからなる群から選択される少なくとも1種であって、前記生分解性潤滑油組成物100重量部に対し、0.1〜6.0重量部含まれる生分解性潤滑油組成物。
  5. 請求項1又は2に記載の生分解性潤滑油組成物と、流動点降下剤とを含有し、前記流動点降下剤は、ポリメタアクリレートであって、前記生分解性潤滑油組成物100重量部に対し、0.1〜17.0重量部含まれる生分解性潤滑油組成物。
  6. 請求項1又は2に記載の生分解性潤滑油組成物と、界面活性剤とを含有し、前記界面活性剤は、(i)ソルビタン又はその誘導体、(ii)アルキルエーテルのエチレンオキシド付加物、及び(iii)ひまし油又はひまし硬化油のエチレンオキシド付加物、からなる群から選択され、前記生分解性潤滑油組成物100重量部に対し、2〜70重量部含まれる生分解性潤滑油組成物。
  7. 請求項3に記載のチェーンソー用生分解性潤滑油と、酸化防止剤とを含有し、前記酸化防止剤は、BHT(2,6-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエン)、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、アスコルビン酸、トコフェロール、トリフェニルホスファイト及びトリデシルホスファイトからなる群から選択される少なくとも1種であって、前記チェーンソー用生分解性潤滑油100重量部に対し、0.1〜6.0重量部含まれるチェーンソー用生分解性潤滑油。
  8. 請求項3に記載のチェーンソー用生分解性潤滑油と、流動点降下剤とを含有し、前記流動点降下剤は、ポリメタアクリレートであって、前記チェーンソー用生分解性潤滑油100重量部に対し、0.1〜17.0重量部含まれるチェーンソー用生分解性潤滑油。
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