JP5072203B2 - 燃焼室圧力の測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特に内燃機関における燃焼室圧力を測定するための方法に関する。
内燃機関の燃焼室圧力を測定するための方法は既に幾つか知られている。そのためには例えば、内燃機関のシリンダ内の燃焼室圧力を測定し、それに対応した測定信号を送り出す燃焼室圧力センサを用いることができる。しかしながら、燃焼室圧力センサの信号にはエラーが含まれている。そのエラーが補正されなければ、燃焼室圧力センサの信号は、測定された燃焼室圧力値から計算されたシリンダ圧力の特徴を歪曲し、このシリンダ圧力の特徴の決定の際に誤った絶対値をもたらし、それによって内燃機関のシリンダ相互間の不調をもたらす。その際、燃焼室圧力の変化から異なるシリンダ圧力の特徴、例えば指示平均圧力pmi(indicated mean pressure)或いは燃焼過程における特定の転換点等のような、様々なシリンダ圧力の特徴を計算することができる。次いで、これ等のシリンダ圧力の特徴にシリンダの個別制御を重ねることができる。例えば、シリンダの燃焼室指示平均圧力の制御によって、全ての運転領域内において規定トルクのより精確な調節およびシリンダのより良い調整を達成することができる。
燃焼室圧力センサ或いはシリンダ圧力センサのオフセットを補正するために、例えば、EP0411 580 A1 から、シリンダの吸入過程でシリンダ圧力値を求めて、予め与えられている基準最小値と比較するということが知られている。次いで、求められたシリンダ圧力値と予め与えられている基準最小値との間の差がオフセット補正値として用いられる。
本発明の課題は、測定された燃焼室圧力の簡単且つ正確な校正のために役立つ、内燃機関の燃焼室圧力を測定するための方法を提供することである。
本発明によれば、特に内燃機関の、燃焼室圧力の測定方法において、燃焼室圧力の第一の時間的変化が、燃焼室圧力の第二の時間的変化と比較され、該比較の結果に応じて、補正係数が求められ、求められた燃焼室圧力が、補正係数を用いて補正される。
このようにすることによって、補正係数の形成は単に、予め与えられた基準値に基づいてだけでなく、燃焼室圧力の二つの時間的変化の比較に基づいて行われるので、補正係数の形成において、障害に対する感受性が低減される。かくして、シリンダ圧力或いは燃焼室圧力の評価の精度を高めることができる。
更に、本発明による方法の有利な拡張および改良が可能となる。
本発明によれば、
両方の時間的変化に関して前もって与えられた複数の同じ基準位置における燃焼室圧力の第一の時間的変化と第二の時間的変化からそれぞれ燃焼室圧力が求められ、
少なくとも二つの基準位置について第一の時間的変化と第二の時間的変化の、対応する燃焼室圧力が互いに関係付けられ、
少なくとも二つの基準位置にわたってそれぞれ互いに対応する両方の時間的変化の燃焼室圧力の間の関係を表している補正直線が求められ、該直線の勾配に応じて補正係数が形成される。
このようにすることによって、補正係数は、数学的に、特にグラフによって、極めて簡単且つ精確に求められる。更に、補正直線の利用によって、少なくとも二つの基準位置について第一の時間的変化と第二の時間的変化の、それぞれ互いに対応する燃焼室圧力の関係の測定が行われるので、このようにすることによって、障害に対する感受性が低減され、それ故、シリンダ圧力或いは燃焼室圧力の評価の精度を高めることができる。
基準位置として、クランクシャフト角度或いは絶対時点が選ばれると、特に有利である。燃焼室圧力の時間的変化は通常何れにせよクランクシャフト角度或いは絶対時点を介して図示されるから、基準位置を簡単に確定することができる。
しかし、基準位置として、燃焼室の対応するシリンダの燃焼過程において、燃焼室圧力の両方の時間的変化に関して予め与えられた同じ特徴的状況の異なる時間間隔或いは角度間隔が選ばれると、これも又有利である。このようにすることによって、基準位置の測定中に両方の時間的変化の校正が暗黙裡に含まれることになるので、両方の時間的変化に関して選ばれた基準位置は、それぞれ対応するシリンダの燃焼過程における同じ状況を示す。かくして、両方の時間的変化の追加的校正は不要となる。
しかしまた、燃焼室圧力第一の時間的変化と第二の時間的変化を、内燃機関の対応するシリンダの燃焼過程における特徴的状況に基づいて校正することも、有利である。燃焼室圧力の両方の時間的変化におけるそのような校正が行われれば、その後で、基準位置の簡単な測定が、単に対応する絶対クランクシャフト角度或いは絶対時点の指定だけによって可能となる。
もう一つの利点は、燃焼過程の中の特徴的状況として最大燃焼室圧力が選ばれたときに、認められる。このようにすることによって、暗黙裡の或いは明示的な校正が簡単且つ精確に行われる。
もう一つの利点は、燃焼室圧力の第一の時間的変化と第二の時間的変化を、それ等がそれぞれ最大の燃焼室圧力を含むように選ぶときに、認められる。このようにすることによって、補正係数の確定のために、基礎として用いられた燃焼室圧力の第一の時間的変化と第二の時間的変化が可能最大限の高い分解能を持つことになるので、補正係数を測定する際の測定精度と雑音に対する障害が低減され、補正係数の測定が更に高い精度で可能となる。
同様の利点は、燃焼室圧力の第一の時間的変化と第二の時間的変化を、それ等がそれぞれピストン上死点を含むように選ぶときに認められる。ピストン上死点は、少なくとも圧縮行程では最大燃焼室圧力と結び付いている。
本発明の実施例が図面に示されており、以下の明細の中で詳しく説明される。
図1には、内燃機関が参照符号1で示されており、内燃機関1は、例えば、ディーゼルエンジンとして或いは火花点火エンジンとして構成することができるが、一般性を排除するものではない。その際、この内燃機関は、例えば、自動車を駆動しているが、一般性を排除するものではない。そこで図1に示されている例によれば、内燃機関1は、エンジンブロック45を含んでおり、該エンジンブロックには四つのシリンダ10、15、20、25が配置されており、当業者に既知の手法で、例えば四ストロークの原理に基づいて内燃機関1を運転することが想定されている。その際、例えば図1に示されている例では、第一のシリンダ10の燃焼室内には第一の燃焼室圧力センサ50が配置され、第二のシリンダ15の燃焼室内には第二の燃焼室圧力センサ55が配置され、第三のシリンダ20の燃焼室内には第三の燃焼室圧力センサ60が配置され、第四のシリンダ25の燃焼室内には第四の燃焼室圧力センサ65が配置されている。その際、燃焼室圧力センサ50、55、60、65は、当業者には既知手法で、それぞれ割り当てられているシリンダの燃焼室内の圧力を測定し、それぞれ対応する測定信号を内燃機関1の制御装置(エンジン制御装置)40へ送る。吸気ダクト30を通して、内燃機関1のシリンダ10、15、20、25は、空気を供給される一方、燃焼の際にシリンダ10、15、20、25内で生成された排気ガスは、排気ガスダクト35を通して排出される。燃料噴射と、(火花点火エンジンの場合には)火花点火とは、図1には図を見易くするという観点から示されていないが、同じく当業者に既知の手法で行われる。
本発明に基づく方法が、以下に例として第一のシリンダ10と第一の燃焼室圧力センサ50について説明されるが、この方法は、他の燃焼室圧力センサ55、60、65を備えたその他のシリンダ15、20、25に対しても同様に適用される。本発明に基づく方法は、次のように実行される。
例えば、内燃機関1の新規状態である内燃機関1の第一の状態で、第一の燃焼室圧力センサ50は、図2に示されているように、第一のシリンダ10内の燃焼室圧力の第一の時間的変化70を測定する。図2には、クランクシャフト角度KW(単位:度)に対する燃焼室圧力の第一の時間的変化70が示されている。その際、図2に示されている例に基づく本発明の実施のために、第一のシリンダ10の圧縮段階における圧力最大値、好ましくは絶対圧力最大値を含んでいる、燃焼室圧力の第一の時間的変化70の一部が好ましい手法で利用される。このようにすることによって、本発明に基づく方法は、障害に対する感受性が低減され又それによってより精確となる。その際、第一のシリンダ10の圧縮段階における燃焼室圧力の最大値を含む、第一の時間的変化70或いは図2に示されている部分は、制御装置40に記憶される。内燃機関1の時間的にその後に続く状態に関して第一の燃焼室圧力センサ50によって測定された、第一のシリンダ10内の燃焼室圧力の第二の時間的変化75もまた、制御装置40に記憶され、同じく図2のダイヤグラムに示されている。これ等の二つの時間的変化70、75は、例えばそれぞれ内燃機関1の惰走運転の際に測定することができる。その際、図2には、再び第一のシリンダ10の圧縮段階における燃焼室圧力の絶対最大値を含む、燃焼室圧力の第二の時間的変化75からの一部が示されている。そこでは、第二の時間的変化75の圧力値は、(同じクランクシャフト角度KWの下での)第一の時間的変化70の圧力値と比較すると、小さいということが理解される。但し、図2には同じクランクシャフト角度KWに対する第一の時間的変化70と第二の時間的変化75の両方の絶対最大値が示されている。その際には、第一の時間的変化70の記録と第二の時間的変化75の記録との間の時間的経過の間に、燃焼室圧力の時間的変化のドリフトが生じるので、第一の時間的変化70の最大値が最早第二の時間的変化75の最大値と一致しないということが起こり得る。この場合には、両方の時間的変化70、75の校正が必要となる。この校正はまた、例えば第一のシリンダ10の燃焼過程の特徴的状況によっても行うことができ、その場合に、燃焼過程のこの特徴的状況は、例えば、圧縮段階にある第一のシリンダ10の最大燃焼室圧力或いはピストン上死点の存在に対応するように、選ぶことができる。この特徴的状況は、内燃機関1の惰走運転の際に、特に簡単に実現可能である。しかしながら、燃焼室圧力の時間的変化における別の任意の位置、例えば約50%の信号上昇を伴う正の上昇信号フランク、即ち燃焼室圧力の対応する時間的変化の絶対最大燃焼室圧力のおよそ二分の一に相当する圧力、を選ぶこともできる。図2に示されているダイヤグラムによれば、両方の時間的変化70、75が、第一の時間的変化70に対する第二の時間的変化75の上述のドリフトが生じなかったか或いは両方の時間的変化70、75が既に上述の手法で校正されたという理由で、既に同位相となっている。
次いで、本発明によれば、燃焼室圧力両方の時間的変化70、75が互いに比較される。この比較の結果に応じて補正係数が求められる。次いで、第一の燃焼室圧力センサ50を用いて求められた第一のシリンダ10の燃焼室圧力がこの補正係数を掛け合わせることによって補正される。かくして、第一の燃焼室圧力センサ50によって測定され、上記のようにして補正された第一のシリンダ10の燃焼室圧力は、内燃機関1の上述の第一の状態の下で、即ち本例の場合には第一の時間的変化70に基づく新規状態の下で、測定された燃焼室圧力となる。
燃焼室圧力の第一の時間的変化70と比較して小さい、燃焼室圧力の第二の時間的変化75の圧力値は、例えば、第一のシリンダ10の燃焼室での第一の燃焼室圧力の変化および/または汚れによって生じるが、その際、該圧力値の変化は、特に第一のシリンダ10の燃焼室内の第一の燃焼室圧力センサ50の熱負荷および圧力負荷によって引き起こされる。
本発明に基づく方法は、例えば次のように実現することができる。
燃焼室圧力の第一の時間的変化70と第二の時間的変化75から、両方の変化70、75に対して等しく予め与えられている複数の基準位置で、それぞれ燃焼室圧力値が求められる。そこで、図2に基づく両方の同位相の変化70、75を、予め与えられたクランクシャフト角度の下で検知することができる。かくして、検知された各々のクランクシャフト角度KWに対して、対応するクランクシャフト角度の下での第一の時間的変化70の第一の燃焼室圧力値と、同じ対応するクランクシャフト角度の下での第二の時間的変化75の第二の燃焼室圧力値とから成る、燃焼室圧力値対が得られる。かくして、本例の場合、上述の燃焼室圧力値対の形成のために、図2に基づく第一の時間的変化70と第二の時間的変化75が検知された、絶対クランクシャフト角度が上述の基準位置として用いられる。クランクシャフト角度の代わりに絶対時点も基準位置として選ぶことができ、その場合には、クランクシャフト角度に対する両方の時間的変化70、75の代わりに、時間に対する両方の時間的変化70、75をプロットすることができる。
次のステップでは、用いられた基準位置の燃焼室圧力値対が、図3に基づく例に示されているダイヤグラムにプロットされる。その際には、基準位置で求められた、第一の時間的変化70の第一の燃焼室圧力値に対する、基準位置で求められた、第二の時間的変化75の第二の燃焼室圧力値が、用いられた少なくとも二つの基準位置についてプロットされる。しかしながら、図3によれば、多数の基準位置での燃焼室圧力値対が測定点の形でプロットされている。それ等の測定点のうちの幾つかには、代表として参照符号80が付けられている。このようにして、図3のダイヤグラムを用いて、従って、少なくとも二つの基準位置について、第一の時間的変化70の対応する燃焼室圧力と第二の時間的変化75の対応する燃焼室圧力とが互いに関係付けられる。
別のステップでは、図3に示されているダイヤグラムに示されている測定点80によって、少なくとも二つの基準位置に対してそれぞれ互いに割り当てられている両方の時間的変化70、75の燃焼室圧力相互の間の関係を示す、補正直線5が求められる。その際、測定点80は一般に該補正直線5の線上には無いので、補正直線5は第二の時間的変化75の第二の燃焼室圧力値と第一の時間的変化70の第一の燃焼室圧力値との間の関係の平均を示しており、これによって、第一の燃焼室圧力センサ50により測定値を測定する際のその他の障害や雑音が低減される。
次いで、補正直線5の勾配に応じて補正係数が形成される。該補正係数は、本例の場合、補正直線5の勾配の逆数から得られる。図3に基づいて説明されている例の場合、補正直線の勾配は、0.8であるから、補正係数の値は、1.25となる。
代替実施例によれば、基準位置として、燃焼室圧力の両方の時間的変化70、75に対して予め等しく与えられている、特に内燃機関1の惰走運転の下での、対応する第一のシリンダ10の燃焼過程における特徴的状況からの様々な時間間隔或いは角度間隔を選ぶことができると、考えることができる。その際、第一のシリンダ10の燃焼過程における特徴的状況は、先に述べられたように、例えば最大燃焼室圧力として選ぶことができ、その場合第一のシリンダ10の圧縮段階での相対最大値と絶対最大値のどちらでも選ぶことができる。絶対最大値は、内燃機関1の惰走運転の下で簡単に求められる。以下の説明では、例として、燃焼過程での特徴的状況として、燃焼室圧力の絶対値が選ばれると仮定することとする。該絶対値は、シリンダ10の圧縮過程でのピストン上死点で現れる。図4のダイヤグラムによれば、燃焼室圧力の両方の時間的変化70、75の絶対最大値からの時間間隔或いは角度間隔に対する燃焼室圧力の両方の時間的変化70、75がプロットされている。これ等の時間間隔或いは角度間隔は、Δによって示されている。例えば、図4には、基準位置として、一方では、Δ=0に対する両方の変化70、75の絶対最大値が、また他方では、第一の時間的変化70の絶対最大値から、また第二の時間的変化75の絶対最大値からの第一の正の時間間隔或いは角度間隔Δ1、これに対応する、量的に等しい負の間隔−Δ1、量的により大きな正の時間間隔或いは角度間隔+Δ2、およびこれに対応する、量的に等しい第二の負の時間間隔或いは角度間隔−Δ2、が示されている。その際、間隔は、常に第一の時間的変化70の絶対最大値の時間或いはクランクシャフト角度から、また第二の時間的変化75の絶対最大値の時間或いはクランクシャフト角度から、計算される。もっと多い或いはもっと少ない基準位置を使用することもできるが、基準位置の数は最小でも2箇所とする。上記の代替実施例に基づいて、予め与えられた基準位置にはまた、図2で述べられたような、第一の時間的変化70と第二の時間的変化75の燃焼室圧力値対が割り当てられる。即ち、各々の基準位置に、第一の時間的変化70の第一の燃焼室圧力値と第二の時間的変化75の第二の燃焼室圧力値とが割り当てられる。これによって、第一の実施例でも述べられたように、その時の場合と同様の手法で、図2に示されているように、第一の燃焼室圧力値に対する第二の燃焼室圧力値がプロットされ、同様の手法で、補正直線が、形成された測定点を通して描かれ、且つ該補正直線から勾配と補正係数が上述の手法で形成される。その際、図4に示されている代替実施例は、両方の時間的変化70、75の追加の校正を避けることができる。何故なら、そのような校正は、対応する第一のシリンダ10の燃焼過程で両方の時間的変化70、75に対して予め等しく与えられた特徴的状況から時間間隔或いは角度間隔としての基準位置を選択することによって暗黙裡に行われる、という利点を持っている。
第一のシリンダ10における絶対最大燃焼室圧力は、一般に第一のシリンダ10のピストン上死点で生じるから、燃焼室圧力の第一の時間的変化70と第二の時間的変化75を、本発明に基づく方法のために、両方の時間的変化70、75が第一のシリンダ10の圧縮過程でのそれぞれピストン上死点を含むように選ぶ、ということを考えることもできる。
図5の流れ図によって、本発明に基づく方法の一つの例示的流れが説明される。その際、該流れ図は、制御装置40によって制御される。
プログラムのスタートの後、制御装置40が、第一の燃焼室圧力センサ50の測定信号から第一のシリンダ10内の燃焼室圧力の第一の時間的変化70を求め、第一の燃焼室圧力値を得るために、制御装置40によって予め与えられている基準位置で該変化を既に述べられた手法で探す。次いで、プログラムステップ105へ進められる。
プログラムステップ105では、制御装置40が、第一の燃焼室圧力センサ50の測定信号から第一のシリンダ10内の燃焼室圧力の第二の時間的変化75を求め、予め与えられている基準位置で該変化を探す。その際、両方の時間的変化70、75は、図4に示されている実施例に基づく代替的基準位置設定の利用によって、明示的に或いは黙示的に校正されているものと仮定する。予め与えられている基準位置で、第二の時間的変化75を探すことによって、制御装置40は、第二の燃焼室圧力値を、既に述べられた手法で求める。次いで、プログラムステップ110へ進められる。
プログラムステップ110では、制御装置40は既に述べられ手法で、第二の燃焼室圧力値を、図3に示されている測定点80に従って、第一の燃焼室圧力値と関係付ける。次いで、プログラムステップ115へ進められる。
プログラムステップ115では、制御装置40が測定点80によって既に述べられた手法で補正直線5を作り出す。次いで、プログラムステップ120へ進められる。
プログラムステップ120では、制御装置40が補正直線5の勾配を求め、該勾配の逆数から、第一のシリンダ10における第一の燃焼室圧力センサ50によって測定された燃焼室内の燃焼室圧力を補正するための補正係数を求める。これでプログラムは終了される。
以上説明された方法は、他のシリンダ15、20、25の他の燃焼室圧力センサ55、60、65に対しても同様の手法で適用できるので、全ての燃焼室圧力センサ50、55、60、65に対して用いればエンジン運転中の全ての燃焼室圧力センサ50、55、60、65の測定信号の補正が行われ、全てのシリンダ10、15、20、25の燃焼室圧力補正或いはシリンダ圧力補正の精度を高めることができる。これによって、燃焼室圧力センサ50、55、60、65も相互に校正され、その際、その校正は、燃焼室圧力センサ50、55、60、65の各々について、既に述べられたように、他の燃焼室圧力センサの校正とは無関係に行われるので、他の燃焼室圧力センサの測定信号による燃焼室圧力センサの測定信号の校正とは異なり、燃焼室圧力センサ50、55、60、65の絶対校正と言うことさえできる。両方の時間的変化70、75は、信頼性のある比較を行うために、内燃機関のできる限り同じ運転条件(特に、回転数と負荷に関して)の下で求められるべきである。
本発明に基づく方法は、燃焼室圧力センサの測定信号のオフセットとは係わり無しに、該燃焼室圧力センサによって測定された燃焼室圧力の補正係数を求めることを可能にする。
以上、燃焼室圧力センサを利用した燃焼室圧力の両方の時間的変化70、75の求め方が説明された。代わりの手法として、当業者には既知の手法で、燃焼室圧力を内燃機関1の運転パラメータに従ってモデル化することもできるので、両方の時間的変化70、75は、上に説明されたように燃焼室圧力センサの測定信号からではなく、内燃機関1の運転パラメータからモデル化によって得ることもできる。
燃焼室圧力の変化或いはシリンダ圧力の変化から、例えば指示平均圧力pmi(indicated mean pressure)或いは燃焼過程での特定の転換点等のような、様々のメルクマール或いはシリンダ圧力の特徴を、当業者に既知の手法で計算することができる。次いで、これ等のシリンダ圧力の特徴にシリンダの個別制御を重ねることができる。例えば、シリンダ10、15、20、25の指示平均圧力の制御によって、内燃機関の全ての運転領域内において規定トルクのより精確な調節およびシリンダのより良い調整を達成することができる。その際、指示平均圧力pmiは、対応するシリンダの排気量に対する、燃焼室容積を用いて加重平均された燃焼室圧力から得られ、特に指示平均圧力pmiは、次の式によって得られる。
Figure 0005072203
ここで、pは、クランクシャフト角度に対する、対応するシリンダのシリンダ圧力或いは燃焼室圧力の関数であり、Vは、クランクシャフト角度に対する、対応するシリンダの燃焼室容積の関数ある。また、分母は、対応するシリンダの全排気量(Hubvolumen)である。
本発明に基づく方法は更に、対応する燃焼室圧力センサのヒステリシス或いはピストンスラップ等のエラーを検知するためにも役立つ。
ヒステリシス或いはピストンスラップ等のエラーによって、測定点80は、通常の場合よりも補正直線5から大きくずれる。それ故、補正直線からの間隔が、エンジン試験台の上で定めることのできる適用値を超えたときに、エラーの発生を検知することができる。ヒステリシスを伴っている圧力信号は、図2および図4の時間的変化のグラフの上昇側で実際の圧力よりも低くなり、また図2および図4の時間的変化のグラフの下降側で実際の圧力よりも高くなる。ピストンスラップは圧力信号に振動を生じさせる。
補正係数はまた、指示平均圧力pmiに補正係数を掛けることによって、指示平均圧力pmiを補正するためにも利用することができる。このことは、指示平均圧力pmiを求めるために用いられた燃焼室圧力の変化に未だ補正係数が掛けられておらず、また該燃焼室圧力の変化が補正係数によって既に補正されてもいない、ということを前提としている。かくして、指示平均圧力pmiはまた、補正係数を用いて補正可能な燃焼室圧力を意味してもいる。このように、補正係数を用いて、燃焼室圧力センサによる測定に係わる或いは内燃機関1の運転パラメータからのモデル化に係わる任意の燃焼室圧力或いはシリンダ圧力を上述の手法で補正することができる。
両方の時間的変化70、75が内燃機関1の運転パラメータからのモデル化によって得られる場合、第一の時間的変化70のモデル化に対する第二の時間的変化75のモデル化の際の燃焼室圧力値の低下は、例えば、モデル化のために必要とされた内燃機関1の運転パラメータを測定するために用いられたセンサ類もまた、或る程度の老化、或る程度の損耗、また一般に或る程度の汚損を受けているということによって理由付けられる。
本発明に基づく方法は、内燃機関への適用に限定されるものではなく、任意の燃焼室に対してしかるべき手法で適用可能である。
内燃機関の概略図である。 クランクシャフト角度を通して見た二つの燃焼室圧力の変化を示す。 補正直線を示す。 燃焼室ピーク圧力からのずれから見た二つの燃焼室圧力の変化を示す。 本発明に基づく方法の説明のための流れ図である。
符号の説明
1…内燃機関
10、15、20、25…シリンダ
30…吸気ダクト
35…排気ダクト
40…制御装置(エンジン制御装置)
45…エンジンブロック
50、55、60、65…燃焼室圧力センサ

Claims (7)

  1. 燃焼室圧力の第一の時間的変化(70)と第二の時間的変化(75)から、両方の時間的変化に関して予め等しく与えられた複数の基準位置において、それぞれ一つの燃焼室圧力が求められること、
    少なくとも二つの基準位置について、割り当てられている、第一の時間的変化(70)と第二の時間的変化(75)の燃焼室圧力が、互いに関係付けられること、および
    少なくとも二つ基準位置に対してそれぞれ互いに割り当てられた両方の時間的変化の燃焼室圧力の間の関係を示している補正直線(5)が求められ、且つ該補正直線の勾配に応じて補正係数が形成されること、
    求められた燃焼室圧力が、前記補正係数を用いて補正されること、
    を特徴とする内燃機関の燃焼室圧力の測定方法。
  2. 基準位置として、クランクシャフト角度或いは絶対時点が選ばれることを特徴とする請求項に記載の測定方法。
  3. 基準位置として、内燃機関(1)の対応するシリンダ(10、15、20、25)の燃焼過程の、燃焼室圧力の両方の時間的変化に関して予め等しく与えられた特徴的情況の、様々な時間間隔或いは角度間隔が選ばれることを特徴とする請求項記載の測定方法。
  4. 燃焼室圧力の第一の時間的変化(70)と第二の時間的変化(75)が、内燃機関(1)の対応するシリンダ(10、15、20、25)の燃焼過程の特徴的状況に基づいて、校正されることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の測定方法。
  5. 燃焼過程における特徴的状況として、最大燃焼室圧力が選ばれることを特徴とする請求項またはに記載の測定方法。
  6. 燃焼室圧力の第一の時間的変化(70)と第二の時間的変化(75)が、それ等がそれぞれ最大燃焼室圧力を含んでいるように選ばれることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の測定方法。
  7. 燃焼室圧力の第一の時間的変化(70)と第二の時間的変化(75)が、それ等がそれぞれピストン上死点を含んでいるように選ばれることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の測定方法。
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