JP5069850B2 - 撮像レンズ及び撮像装置 - Google Patents

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Description

この発明は、撮像レンズ及び撮像装置に関し、特に液晶可変偏向プリズムを有し、光軸と垂直方向のレンズの形状精度、レンズ組み込み時の位置精度を補償し、主にレンズ組込み誤差によるレンズ解像度の低下を防いだ撮像レンズ及び撮像装置に関する。
近時、デジタルカメラ機能を備えた携帯電話機(以下、カメラ付き携帯電話機とする)が普及している。携帯性の点で、携帯電話機は、小型軽量で、かつ薄型であることが望まれている。従って、カメラ付き携帯電話機に搭載される撮像レンズにも、小型軽量であることと、薄型であることが要求される。また、カメラに搭載されるCCDセンサーやCMOSセンサー等の固体撮像素子の画素数は、百万画素を越え、数百万画素の撮像素子が製品化されつつあるなど、高画素数化、微細画素化が進み、撮像レンズに要求される解像度も高くなっている。
一般的に、撮像レンズは、複数の凸レンズ、凹レンズを組み合わせることにより、各レンズ単体の収差をキャンセルし、撮像レンズ全体として収差を低減し、高解像度化を図っている。従って、レンズ枚数を増やすことにより、設計の自由度が高まり、高性能な撮像レンズを設計することができる。
それに対して、撮像レンズの薄型化の要求は、撮像レンズ光学長の制限を厳しくし、レンズ構成の自由度を低下させ、撮像レンズの高性能化を困難にしている。レンズ光学長を短く制限し、高性能化を両立させた場合、レンズ形状誤差、レンズ組込み位置誤差に対するレンズ性能の変化が鋭敏となる傾向があり、レンズ形状精度、レンズ組込み精度の高精度化が要求される。特に、レンズ組込み精度、すなわち複数のレンズを鏡筒に組込んだときの各レンズ間の位置精度の高精度化が困難であり、レンズ性能の低下を招いている。
このレンズ組込み精度を高精度化し、レンズ性能の低下を防ぐために、調芯作業が行われている。一般的な調芯作業は、レンズ保持部材にレンズもしくはレンズ群を組込み、2体からなるレンズ保持部材を専用の調芯装置に組み込み、撮影像を確認しながら調芯を行い、良好な性能が得られた位置で、短時間硬化型の接着剤で2体のレンズ保持部材を固定し、各レンズの位置精度を保証している。
この調芯作業には、比較的長い作業時間がかかり、また、専用の調芯装置を用意しなければならず、組み立てコストが上昇する。また、専用のレンズ保持部材を用いるため、撮像レンズの大型化を招くという問題点を有している。
また、他の手法としてレンズ鏡筒を工夫し、レンズを保持する保持部材とそれを収容する収容部材から構成し、それぞれの部材にレンズを保持するとともに、互いに勘合する凸部と凹部の組み合わせを複数設け、その組み合わせにより調芯できる構成とした鏡筒が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
更に他の手法として液晶補正レンズを用いて、撮像レンズの収差を補正する手法が提案されている。ここで開示された液晶補正レンズは、カマボコ状の空間に液晶を封入し、液晶層の上下に設けられた電極間に電圧を印加し、液晶層に印加する電圧の値を変調することにより、レンズパワーが可変のシリンドリカルレンズとして機能させている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平11−183770号公報(第3−6頁、第1−4図) 特開平3−4211号公報(第3−7頁、第1図)
しかしながら、上記特許文献1に開示された撮像レンズでは、鏡筒が2体から構成され、一方を他方に収容する構造としているとともに、勘合のための凸部や凹部を複数設ける必要があり、撮像レンズの大型化を招き、小型軽量化が要求される携帯電話機用のカメラに採用することはできない。
また、上記特許文献2に開示された撮像レンズにおいて、液晶補正レンズは、上述した構造を持ち、液晶層に印加する電圧の値を変調することにより、液晶分子の方向を調整し、屈折率を変調し、レンズパワー可変のシリンドリカルレンズとして機能させている。このような原理のため、液晶補正レンズでは、一軸結晶性の材料を用いた可変焦点レンズの非点収差を補正することしかできず、レンズ形状精度、位置精度によるレンズ性能の劣化の補償には使うことができない。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、液晶可変偏向プリズムにより光線を偏向し、主に光軸と直交する方向のレンズ形状精度、位置精度の補償を行い、小型で、高解像度の撮像レンズ及び撮像装置を供給することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる撮像レンズは、複数の光学レンズと、入射光線の、光軸に垂直な平面内のある1つの軸に平行な偏光成分の光線方向を偏向する第1の液晶可変偏向プリズムと、第1の液晶可変偏向プリズムと重ねて配置され、入射光線の1つの軸に直交する偏光成分の光線方向を偏向する第2の液晶可変偏向プリズムと、を備え、第1の液晶可変偏向プリズムは、向かい合う一対の電極を備え、第2の液晶可変偏向プリズムも、向かい合う一対の電極を備え、第1と第2の液晶可変偏向プリズムにおける、それぞれ一対の電極のうち、一方の電極は、いずれもストライプ電極であり、それぞれのストライプ電極は、第1と第2の液晶可変偏向プリズムの液晶層に入射する入射光線の光軸と垂直な平面内で、リニアな電圧分布を形成できるようになっており、また、第1と第2の液晶可変偏向プリズムにおける、他方の電極は、いずれも輪帯電極であり、第1、第2の液晶可変偏向プリズムは、それぞれ可変偏向プリズムと可変焦点レンズの両方の機能を兼ね備えることを特徴とする。
また、この発明にかかる撮像装置は、先の撮像レンズと、この撮像レンズを通して結像する光学像を撮像する撮像素子とを有することを特徴とする。
これらの発明によれば、液晶プリズムにより可変のプリズムが構成でき、レンズの組込み位置に対応して最もレンズ性能を高めるように偏向角度を調整でき、レンズ性能の向上を図ることができる。また、同様に、レンズ性能を確保するための、レンズ形状精度、レンズ組込み精度は緩和され、保留まりを向上させ、製造コストの低減を図ることができる
さらに、レンズ設計においては、一般的にレンズ偏芯精度を緩和するため、偏芯によるレンズ性能への影響を低減させる設計を行っており、この誤差感度低減のための設計により、レンズ性能のピーク値は低下している。従って、液晶可変偏向プリズムによる補償を前提に設計を行えば、このような設計手法が不要となるため、レンズピーク性能の向上を図ることができる。
さらに、上述の液晶可変偏向プリズムを、ストライプ電極の方向を直交して積層すれば、光線偏向角度だけでなく、光線偏向方向も任意に設定でき、レンズ形状精度、レンズ位置精度の補償の自由度を高めることができる。
さらに、液晶層を挟持する2つの電極の構造を工夫し、一方をストライプ状電極、他方を輪帯状電極とし、ストライプ状の電極でリニアな電圧分布を、輪帯状の電極により中心対称な電圧分布を実現すれば、それぞれ、可変プリズム、可変レンズとして機能し、両者の複合的な屈折率分布により、レンズとプリズムの2つの機能を同時に持つ液晶素子を構成することができる。
本発明によれば、撮像レンズの大型化を防ぎながら、光軸と垂直方向のレンズ形状精度、レンズ位置精度によるレンズ性能の劣化を防ぐことができる。これにより、小型軽量でありながら、解像度等の性能の高い撮像レンズ及び撮像装置が得られるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる撮像レンズの好適な実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明にかかる撮像レンズ及び撮像装置の一例について説明する。図1は、本発明にかかる撮像レンズ及び撮像装置の一例を示す断面図である。
図1に示すように、撮像レンズ1は、外部から光が入射する第1の光学レンズ2、第1の光学レンズ2を通過した光が入射する液晶可変偏向プリズム3、液晶可変偏向プリズム3を通過した光が入射する第2の光学レンズ4、および第2の光学レンズ4を通過した光が入射する第3の光学レンズ5を備えている。第3の光学レンズ5を透過した光は、Irフィルター6を透過し、固体撮像素子8の撮像面7に結像している。このIrフィルター6は、赤外線をカットし、赤外線に感度のある撮像素子による像質の悪化を少なくする目的で挿入されている。
次に、液晶可変偏向プリズム3の詳細を、図2を用いて説明する。図2(a)は、液晶可変偏向プリズム3の一例を示す断面図である。
図2(a)に示すように、液晶可変偏向プリズム3は、例えば3枚の対向する透明基板21a,21b,21cを有している。前側、すなわち第1の光学レンズ2側に配置される透明基板21aの後側の面には、透明導電膜からなる対向電極23aが形成されている。中央の透明基板21bの前側の面には、透明導電膜からなるストライプ電極24aが形成され、中央の透明基板21bの後側の面には、透明導電膜からなるストライプ電極24bが形成されている。
また、後側、すなわち第2の光学レンズ4側に配置される透明基板21cの前側の面には、透明導電膜からなる対向電極23bが形成されている。それぞれの対向電極23a、23bとストライプ電極24a、24bの間には、それぞれ、例えばホモジニアス配向の
液晶層25a、25bが封入されている。つまり、液晶可変偏向プリズム3は、対向電極23a、液晶層25aおよびストライプ電極24aよりなる前側の液晶パネルと、ストライプ電極24b、液晶層25bおよび対向電極23bよりなる後側の液晶パネルの2層構成となっている。
また、前側の液晶パネルおよび後側の液晶パネルは、それぞれ配向方向が直交しており、液晶分子長軸が直交している。図2(a)においては、前側の液晶パネルでは、液晶分子長軸が、紙面と垂直となっており、後側の液晶パネルでは、液晶分子長軸が、紙面と平行となっている。液晶分子が電圧印加により立つ場合、液晶分子長軸に平行な偏光成分の屈折率が変化する。これにより、前側の液晶パネルでは、紙面と垂直方向の偏光成分の位相変調を行い、後側の液晶パネルでは、紙面と平行方向の偏光成分の位相変調を行うことができるようになる。
また、前側の液晶パネルと後側の液晶パネルは、同じ波形の駆動電圧によって駆動される。ここで用いる駆動電圧は、例えばパルス高さ変調(PHM)またはパルス幅変調(PWM)された交流電圧である。
また、透明基板21a、21b、21c間には、図に示すように周縁部にスペーサー22a、22bが設けられており、各液晶層25a、25bの厚さは、一定に保たれている。
次に、上述した液晶パネルに配するストライプ電極の配置形態について説明をする。図2(b)は、前述した液晶パネルにおけるストライプ電極24a、24bの構造を示す平面図である。
図2(b)に示すように、ストライプ電極24a、24bは、ストライプ状の電極構造を持っており、各ストライプ電極24a、24b間は、ストライプ電極に比較して、大きな電気抵抗を持つ高抵抗体(斜線で図示している)で接続されており、電極引き出し部27a、27bに供給される電圧差を、抵抗分割によりリニアな電圧勾配が生じるように調整されている。ここで、引き出し電極数を減少させるため、抵抗分割により各ストライプ電極24a、24bへ印加される電圧を調整する方法について示したが、各ストライプ電極に個別に電圧を提供し、電圧勾配を構成しても構わない。
そして、ストライプ電極24a、24bに接続された2個の電極引き出し部27a、27bには種々の電圧が印加され、その印加電圧に応じて、紙面左右で電位勾配を持つ。つまり、ストライプ電極24a、24bによって液晶層25a、25bに電圧分布が生じる。この電圧分布を変化させることによって、液晶分子長軸方向の屈折率の分布が変化する。これにより、液晶分子長軸に平行な偏光成分の偏向角度を変えることができる。ここで、各液晶層25a、25bは2層になっており、互いに液晶分子長軸は直交しているため、1層目で偏向されなかった偏光成分に関しては、2層目で同様に偏向され、結局全ての光線を偏向する事ができる。
ここで、ストライプ電極24a、24bは、模式的に少ない本数で表記したが、ストライプ電極の本数が少ないと、屈折率分布が階段状となり、撮像レンズ解像度の劣化をもたらしてしまうため、電極本数はなるべく多く、滑らかな屈折率分布が得られるように構成することが望ましい。
さらに、図1に戻り、撮像レンズの説明を行う。
上述した液晶可変偏向プリズム3の作用により、図1に示す実線を点線で示すように光線方向を偏向することができる。ここで、実線で示した線は、液晶可変偏向プリズム3に電圧を印加せず素ガラス状態にしたときの光線を示している。
この図1に示した例の場合、電圧印加により、光線は紙面下方方向に偏向されている。液晶可変偏向プリズム3の前後で、光学レンズが偏芯しており、例えば液晶可変偏向プリズム3より前の第1の光学レンズ2が上に、液晶可変偏向プリズム3より後ろの第2の光学レンズ4、及び第3の光学レンズ5が下に相対的に偏芯しているような場合に、このような偏向をすると、解像度劣化防止の効果がある。
次に、液晶可変偏向プリズムを配した本発明の撮像レンズのレンズ特性について説明をする。
図3にMTF(Modulation Transform Function)のシミュレーションデータを示す。ここに示すMTFは、レンズ性能を表す尺度として一般的に広く使われており、ある空間周波数の繰り返しパターンを、撮像レンズにより結像したときのコントラストの伝達度合いを表しており、MTFが高いほど、高解像度のレンズであることを表している。そして、図3は、本実施例におけるレンズのMTFのグラフを示しており、横軸に空間周波数(cycle/mm)、縦軸にMTF(%)を取っており、ここでは、画角15度の光線のMTFを示しており、図3(a)では、設計データにおけるMTFを示し、図3(b)は、第2の光学レンズ4が10μm偏芯した場合のMTFを示し、図3(c)では、液晶可変偏向プリズムを動作させたときのMTFを示している。
ここで、画角は像側の画角であり、レンズ光軸に対して、15度の角度で入射する光線を意味している。例えば、画角±30度のレンズの場合、ちょうど50%の位置の光線を意味している。また、グラフの実線と一点鎖線は、それぞれ子午方向と球欠方向のMTF値を示している。この子午方向とは、入射光線と光軸のなす平面に平行な方向であり、球欠方向とは、それに直交する方向を意味する。また、グラフの点線はこのレンズの回折限界を示している。
図3(b)から、設計データ(図3(a)参照)に比べてMTFが悪化しており、特に子午方向のMTFが顕著に劣化している様子が分かる。これに対して、本発明の撮像レンズに備えている液晶可変偏向プリズム3で所定の方向に入射する光線を偏向させることにより、上述の偏芯があっても、図3(c)のようにMTFを改善する効果を得ることができる。ここで液晶可変偏向プリズム3に与えた屈折率差Δnは、0.15であり、十分実現可能な数字である。
ここで、本実施例にて適用した第1〜第3の光学レンズ、液晶可変偏向プリズム、Irカットフィルターのレンズデータを示す。
本実施例について、上記シミュレーションに用いた数値を下記表1に示す。この表に示す値において、「曲率半径」および「面間隔」の単位はミリメートル(mm)である。また、「面間隔」は、光軸の中心における間隔である。また、第1の光学レンズ2については、前側の面も後側の面も非球面とした。第2の光学レンズ4および第3の光学レンズ5についても同様である。
Figure 0005069850
以上の説明において、第2の光学レンズ4の偏芯に対してのみ、その効果を示したが、その他のレンズの偏芯や、偏芯のみならず、チルトやウェッジ等の面の傾きに対しても、液晶可変偏向プリズム3に適切な屈折率分布を与えることにより、MTFの改善の効果を得ることができる。特に、液晶可変偏向プリズム3より前の光学レンズに関しては、チルトやウェッジ等の面の傾きの補正、後のレンズに関しては、偏芯の補正に対して効果が大きい。
また、上述の説明はある一つの断面に対しての説明であるが、一般的な光学レンズは、回転対称な形状をしており、偏芯や面の傾きも任意の方向で生じることが考えられる。そこで、液晶可変偏向プリズム3と、その他の光学レンズの相対角度を任意に可変とすることで、より広範囲の製造誤差、組込み誤差の補償に対応できる。
図4は、その一例を説明する図であり、光学レンズは、円筒状のレンズ鏡筒42に組み込み、レンズ鏡筒42は、ベース43と勘合し、光軸を回転軸に任意の角度に配置できるようになっている。
これにより、液晶可変偏向プリズムホルダー41に組み込んだ液晶可変偏向プリズム3と光学レンズは、任意の角度で配置できる。この例では、液晶可変偏向プリズム3は、光学レンズの前に位置している。
この装置構成におけるレンズ鏡筒42と液晶可変偏向プリズムホルダー41の相対角度の決定は、画像を映しながら最適な位置を決めるのが望ましい。一般的に、レンズ系の組み立てにおいては、センサーとレンズ系の間隔を、映像を見ながら調整する作業があるので、このときに同時に角度の決定を行えば良い。また、第1〜第3の光学レンズ2、4、5は、金型による射出成型により製造するため、設計値通りの精度を達成するには困難が伴うが、一旦金型、成型条件を決定すれば、個々の光学レンズ間の形状誤差は小さい。従って、鏡筒に組み込み、最適な補正角度の条件だしを行えば、以降の光学レンズに関してはそれを踏襲すれば良く、撮像レンズ個別に補正角度等を調整する必要は無く、このような1軸のプリズムによる補正でも十分な効果が得られる。
次に、本発明の撮像レンズにおける他の実施例について説明をする。
先の実施例においては、液晶層25a、25bに電圧を印加する電極構造として、一方
がストライプ電極24a、24bであり、他方はベタ構造の対向電極23a、23bとなっている。従って、液晶層25a、25bには、リニアな電圧勾配のみが印加される。ここで、対向電極23a、23bとして、図5に示すような輪帯電極構造とした場合の効果について述べる。図5は、対向電極構造を示しており、同心円状の電極の集合である輪帯電極構成を表している。
本実施例に示す各輪帯電極51の電圧は、中心輪帯から引き出された電極引き出し部53bと最外周輪帯から引き出された電極引き出し部53aに電圧を供給することにより与えられる。各輪帯電極51間は、斜線で示した接続部52で接続されており、接続部の抵抗値を各輪帯電極に比べて高く調整することにより、抵抗分割により各輪帯電極の電圧値が決定される。ここでは、引き出し電極数を減少させるために、中心と最外周の2本としたが、各輪帯電極51に独立に電圧を供給しても構わない。また、模式的に輪帯電極数51は少なく示したが、滑らかな屈折率分布を与えるために、輪帯電極数は、多いほうが望ましい。
この電圧引き出し部53a、53bに印加する電圧値により、液晶層25a、25bの屈折率が変わり、電圧の高い方が屈折率を低くコントロールできるとすると、中心の電圧を周辺に比べて高くコントロールすることにより、凹レンズが、逆にコントロールすれば、凸レンズを構成することができる。これにより、レンズ系全体としてレンズパワーを調整することができ、共役となる物体側の距離を調整することができ、オートフォーカスを達成することができる。すなわち、凸レンズとすることにより、より近距離の物体にフォーカスが合い、レンズパワー可変範囲に余裕があれば、マクロ等の機能も可能となる。
これにより、可動部無しにオートフォーカスが可能な液晶可変パワーレンズと、レンズ形状誤差、光学レンズ組込み誤差によるレンズ性能の劣化の補償が可能な液晶可変偏向プリズムを同時に達成できる液晶素子となり、複合機能を持った液晶素子が達成でき、メリットが大きい。
次に、本発明の撮像レンズにおけるさらに他の実施例について説明をする。
実施例1、実施例2に示した液晶可変偏向プリズムは、1軸性の偏向素子であるが、この液晶可変偏向プリズムを2個積層し、互いに直交するように配置すると、直交する2軸X、Y軸の偏向のコントロールが可能となり、任意の方向、大きさの偏向のコントロールが可能となる。
2軸のコントロールが可能な液晶可変偏向プリズムを説明する模式図を図6に示す。
X軸方向の液晶可変偏向プリズム61とY軸方向の液晶可変偏向プリズム62が積層され、X軸、Y軸の偏向がなされている様子が示されている。2つの液晶可変偏向プリズム61、62は、同一の構成で良く、直交配置するだけで良い。また、各液晶可変偏向プリズム61、62は、2層の液晶層を持ち各偏光成分の偏向を担当しているが、図6では、簡単のために省略した図になっている。
このように直交した2層の構成とすることにより、一方向に入射する光線を偏向させる先の実施例とは異なり、任意の方向、大きさの偏向のコントロールが可能となり、上述の実施例で示した、光学レンズ系との相対回転配置等の作業が不要となる。
以上において本発明は、上述した実施例に限らず、種々変更可能である。例えば、各実施例中に記載した寸法などは一例であり、本発明はそれらの値に限定されるものではない。また、撮像レンズの仕様に応じて、第1の光学レンズ2が2枚以上の光学レンズで構成されていてもよいし、第2の光学レンズ4が1枚または3枚以上の光学レンズで構成され
ていてもよい。
以上のように、本発明にかかる撮像レンズは、小型・薄型化の制約が大きく、なおかつ高解像度が要求される撮像レンズに適し、特に、カメラ付き携帯電話機に適している。また、本発明は、通常の銀塩写真用のカメラ、デジタルカメラ、ムービーカメラまたは車等の後方確認用カメラなどのカメラにも適用可能な技術である。
本発明にかかる撮像レンズ及び撮像装置の一例を示す断面図である。 本発明にかかる撮像レンズを構成する液晶可変偏向プリズムの一例を示す断面図と電極構造を示す平面図である。 本発明にかかる撮像レンズのMTFを示すグラフである。 本発明にかかる撮像装置の一例を示す分解斜視図である。 本発明にかかる液晶可変偏向プリズムの電極構造の他の一例を示す平面図である。 本発明にかかる液晶可変偏向プリズムの他の一例を示す模式的な分解斜視図である。
符号の説明
1 撮像レンズ
2 第1の光学レンズ
3 液晶可変偏向プリズム
4 第2の光学レンズ
5 第3の光学レンズ
6 Irフィルター
7 撮像面
8 固体撮像素子
21a、21b、21c 透明基板
22a、22b スペーサー
23a、23b 対向電極
24a、24b ストライプ電極
25a、25b 液晶層
27a、27b 電極引き出し部
41 液晶可変偏向プリズムホルダー
42 レンズ鏡筒
43 ベース
51 輪帯電極
52 接続部
53a、53b 電極引き出し部
61、62 液晶可変偏向プリズム

Claims (2)

  1. 複数の光学レンズと、
    入射光線の、光軸に垂直な平面内のある1つの軸に平行な偏光成分の光線方向を偏向する第1の液晶可変偏向プリズムと、
    該第1の液晶可変偏向プリズムと重ねて配置され、前記入射光線の前記1つの軸に直交する偏光成分の光線方向を偏向する第2の液晶可変偏向プリズムと、を備え、
    前記第1の液晶可変偏向プリズムは、向かい合う一対の電極を備え、
    前記第2の液晶可変偏向プリズムも、向かい合う一対の電極を備え、
    前記第1と第2の液晶可変偏向プリズムにおける、それぞれ一対の電極のうち、一方の電極は、いずれもストライプ電極であり、
    それぞれの前記ストライプ電極は、前記第1と第2の液晶可変偏向プリズムの液晶層に入射する前記入射光線の光軸と垂直な平面内で、リニアな電圧分布を形成できるようになっており、
    また、前記第1と第2の液晶可変偏向プリズムにおける、他方の電極は、いずれも輪帯電極であり、
    前記第1、第2の液晶可変偏向プリズムは、それぞれ可変偏向プリズムと可変焦点レンズの両方の機能を兼ね備えることを特徴とする撮像レンズ。
  2. 請求項1の撮像レンズと、
    前記撮像レンズを通して結像する光学像を撮像する撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。
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