JP5069633B2 - 既設天井設置機器の交換方法 - Google Patents

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Description

この発明は、クリーンルームの天井部に設置されているファンフィルタユニット(以下、「FFU」という)などの既設天井設置機器の交換方法に関する。
クリーンルームの天井部には、クリーンルーム内の空気を浄化するFFUや照明パネルなどが設置されている。クリーンルームにおいては、天井側に張り渡した天井フレーム枠に多数のFFUを据付けることにより、天井部を構成している。天井部におけるFFUや照明パネルが据付けられない部位は、フレーム枠にブランクパネルを装着させることにより塞がれている。FFUは、空気を浄化するフィルタと空気を循環させるファンを有しており、長期使用により浄化能力が低下することから、一定期間使用したFFUは交換することが必要となる。
図10および図11は、クリーンルームおよび従来におけるFFUの交換方法を示している。例えば精密電子部品を製造する工場10には、クリーンルーム11と、プレナムチャンバー12、CRピット階(ユーティリティーゾーン)13が形成されている。リーンルーム11の天井裏に位置するプレナムチャンバー12の空気は、クリーンルーム11の天井部11aに設置された多数のFFU30aを介してクリーンルーム11内に流入し、クリーンルーム11内に流入した空気は、クリーンルーム11から床下のCRピット階13へ排出される。CRピット階13へ排出された空気は、プレナムチャンバー12に戻され、再びFFU30aを介してクリーンルーム11に流入する。このように、クリーンルーム11内の空気は一定方向に循環するようになっている。
既設のFFU30aの交換作業に際しては、クリーンルーム11の天井部11aに機器類を搬入および搬出するための開口部A1〜A3を設ける必要がある。図11に示すように、開口部A1は、天井フレーム枠20に支持された既設のFFU30aなどを取外すことにより形成される。他の開口部A2、A3も同様にFFU30aなどを取外すことにより形成される。つぎに、新品のFFU30bは、エレベータ1を経由して空気が浄化されていない前室2へ搬入され、空気が浄化されているクリーンルーム前室11cを経由した後、クリーンルーム11内に搬入される。クリーンルーム11内には、予め揚重装置5が搬入されており、FFU30bは揚重装置5によって保護ケース6に収納された状態で天井側に向けて持ち上げられ、搬入口A1から天井裏に搬入される。各搬入口A1〜A3からは、順次FFU30bが天井裏に搬入され、既設のFFU30aは新品のFFU30bと交換される。
クリーンルームの天井部にFFUなどを据付ける技術として、伸縮自在のロッドを有するリフトを用いてFFUなどの天井設置機器を天井部の開口部に搬入する方法(例えば、特許文献1参照。)や、予めクリーンルームの天井裏にレールを敷設し、このレールに沿って自走する駆動台車を利用してFFUなどを搬送する方法(例えば、特許文献2参照。)が知られている。
特許2816776号 特開平11−253728号公報
しかし、図10、11および上記特許文献1の方法では、クリーンルーム11内にFFU30bや揚重装置5を搬入し、天井開口部から天井裏にFFUなどの機器類を搬入する必要があることから、クリーンルーム11内に工事監督者Kを多数配置しなければならず、交換作業も夜間や休日に限定されるという問題があった。また、クリーンルーム11内には、精密電子部品を製造するための複数の生産装置12a〜12fが配置されており、FFU30bの交換に際しては、複数の生産装置12a〜12fを塵埃から確実に保護するために、シートなどによって二重の養生を施す必要がある。さらに、クリーンルーム11の天井部11aには多量のFFU30aが設置されており、作業量との関係から年末年始などの長期休日を利用して交換作業を実施せざるを得なかった。そのため、作業人員の確保が難しく、交換コストも増大するという問題が生じていた。
また、特許文献2の方法では、クリーンルームの天井裏に通常使用することのないレールや自走台車を設置することになり、スペースや設備費が無駄になるという問題がある。
ところで、クリーンルーム11の天井部11aにおけるブランクパネル25は、クリーンルーム11内の圧力によって浮上しにくい質量を有しており、強度も十分有していることから、このブランクパネル25を有効利用した天井設置機器の搬入方法の開発が望まれる。
そこでこの発明は、クリーンルームの稼動中であっても天井設置機器を天井裏に搬入することを可能にし、しかも天井設置機器の搬入時に稼動中のクリーンルーム内に発塵を生じさせない既設天井設置機器の交換方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、クリーンルームの非生産エリアから前記クリーンルームの天井裏へ天井設置機器および外力によって容易に弾性変形する走行タイヤを有する台車を搬入し、前記天井設置機器が搭載された前記台車を天井裏の天井フレーム枠で支持されたブランクパネルの上を走行させて前記天井設置機器を既設天井設置機器が配置される前記天井裏の交換位置まで搬送する、ことを特徴とする既設天井設置機器の交換方法である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の既設天井設置機器の交換方法において、前記天井設置機器の前記台車による前記交換位置までの搬送は前記クリーンルームの稼動中に行い、前記天井設置機器と前記既設天井設置機器との交換は前記クリーンルームの休止中に行う、ことを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の既設天井設置機器の交換方法において、前記クリーンルームの非生産エリアにおける前記天井裏への搬入箇所は、クリーンルームからの清浄空気を天井裏へ導くレターンシャフトであることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の既設天井設置機器の交換方法において、前記台車の車輪は、充填空気量が所定範囲内に低減された走行タイヤから構成されている、ことを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の既設天井設置機器の交換方法において、前記台車の荷台には、搬送時に前記既設天井設置機器が滑るのを防止する滑り止め部材が設けられている、ことを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の既設天井設置機器の交換方法において、前記天井設置機器は、前記クリーンルーム内の空気を浄化するためのファンフィルタユニットである、ことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、クリーンルームの非生産エリアからクリーンルームの天井裏へ天井設置機器を搬入するようにしているので、クリーンルームの稼動中であっても天井裏への天井設置機器の搬入が可能となり、天井設置機器の搬入作業がクリーンルームの生産工程の動線(流れ)に影響を与えることはない。また、天井設置機器が搭載された台車は、天井フレーム枠で支持されたブランクパネルの上を走行できるので、天井裏に専用レールを敷設する必要がなく、設備費用を低減することができる。さらに、台車は外力によって容易に弾性変形する車輪を有しているので、台車がブランクパネルを支持する天井フレーム枠を乗り越える際の衝撃を十分に吸収することができ、台車の走行によるクリーンルーム内の発塵を防止することができる。
請求項2に記載の発明によれば、天井設置機器の台車による交換位置までの搬送はクリーンルームの稼動中に行うようにしているので、休日の搬入作業が不要となり、作業者の確保が容易になるとともに、休日作業に伴う作業コストを低減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、クリーンルームの非生産エリアにおける天井裏への搬入箇所を、クリーンルームからの清浄空気を天井裏へ導くレターンシャフトとしているので、従来から存在するスペースを利用して天井設置機器の搬入経路を確保することができ、搬入経路を新設する必要がなくなる。
請求項4に記載の発明によれば、走行タイヤの充填空気量を所定範囲内に低減することにより、外力によって容易に弾性変形する車輪を低コストで得ることができ、台車の製作コストを低減することができる。
請求項5に記載の発明によれば、台車の荷台に滑り止め部材を設けているので、台車による天井設置機器の搬送時に、台車に対する天井設置機器のずれや台車からの天井設置機器の脱落することを防止することができ、搬入作業の安全性を高めることができる。
請求項6に記載の発明によれば、天井設置機器であるFFUは、使用により浄化能力が低下するためで照明パネルなどの他の機器に比べて交換頻度が高く、それだけ交換作業に伴うクリーンルームの生産ラインの停止リスクが高まるが、クリーンルーム内へ入ることなくFFUの交換が可能となるので、従来に比べて生産ラインの停止リスクを著しく低減でき、FFUの交換作業に対する不安要素を排除することができる。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1ないし図9は、この発明の実施の形態を示している。図1に示すように、例えば精密電子部品を製造する工場10には、クリーンルーム11と、プレナムチャンバー12、CRピット階13が、上方から下方に順に形成されている。クリーンルーム11の天井裏に位置するプレナムチャンバー12の空気は、クリーンルーム11の天井部11aに設置された多数のFFU30aを介してクリーンルーム11内に流入し、クリーンルーム11内に流入した空気は、クリーンルーム11から床下のCRピット階13へ排出される。CRピット階13へ排出された空気は、プレナムチャンバー12に戻され、再びFFU30aを介してクリーンルーム11に流入する。クリーンルーム11の生産エリア11bには、精密電子部品を製造するための複数の生産装置12a〜12fが配置されている。クリーンルーム11の稼動中は、クリーンルーム11内の空気は多数のFFU30aにより一定方向に循環するようになっており、クリーンルーム11内の清浄度が一定に保たれている。
図2は、クリーンルーム11の天井裏の構造を示している。クリーンルーム11の天井部11aは、水平方向に張り渡された天井フレーム枠20を有している。天井フレーム枠20は、格子状に形成されており、天井フレーム枠20の格子角部20aには吊り金具21が取付けられている。天井裏には、工場10の屋根側の鉄骨材(図示略)から天井フレーム20に向かって多数の吊材22が延びており、吊材22の下端部が吊り金具21と連結されている。これによって、天井フレーム枠20は多数の吊材22を介して工場10の屋根側の鉄骨材に吊下げられている。吊材22の途中には、天井部11aを水平に調整するためのターンバックル23が設けられている。また、天井フレーム枠20の格子角部20aは、斜め方向に延びる筋交い24によって工場10の頂部側と連結されている。これにより、天井部11aの耐震が図られている。クリーンルーム11の稼動時には、クリーンルーム11内の圧力は、天井裏に位置するプレナムチャンバー12の圧力よりも高くなるが、天井部11aの天井フレーム枠20に載置される部材は、FFU30aの吸引力によって浮上しないように、ブランクパネル25などの質量が考慮された構造となっている。
天井部11aには、クリーンルーム11内の所定の清浄度に保つのに必要な数量のFFU30aが設置されている。FFU30aは、天井フレーム枠20を利用して固定されている。FFU30aは、図4に示すように、天井フレーム枠20の各格子に装着可能な大きさに形成されており、上面側にファン30b1と制御ボックス30b2が設けられている。天井フレーム枠20には、クリーンルーム11内を照らす照明パネル(図示略)も取付けられている。天井フレーム枠20のうちFFU30aまたは照明パネルが取付けられない部位は、ブランクパネル25によって塞がれている。
ブランクパネル25は、図3に示すように、鋼板の表面25aに合成樹脂の薄膜を形成した平板状のラミネート鋼板から構成されている。ブランクパネル25の周縁部は、図7に示すように、天井フレーム枠20によって支持されている。ブランクパネル25の板厚Tは、例えば10mmに設定されており、後述する台車40が走行するのに十分な強度を有している。天井フレーム枠20は、枠本体20aと、押え板20bと、ボルト20c、20dとを有している。ブランクパネル25は、底面側周縁部が逆T字状の枠本体20aの底部によって受け止められている。ブランクパネル25の上面側周縁部は、一方のボルト20dを介して押え板20bに連結されている。押え板20bは他方のボルト20cを介して枠本体20aの上部に連結されている。このように、ブランクパネル25は、周縁部の全周にわたって天井フレーム枠20によって支持されており、外力が作用しても天井フレーム枠20に対して位置ずれしない構造となっている。この実施の形態におけるブランクパネル25は、板厚10mmのラミネート鋼板で構成されているが、折り曲げ加工などにより強度が十分に高められた構造であれば、板厚Tが10mmよりも薄い鋼板を使用することも可能である。
図5は、FFU30bを搬送するために用いられる台車40を示している。台車40は、主として荷台41と、滑り止め部材43と、車輪45を有している。荷台41は、軽量化およびFFU30aの積載性を向上させるため、平板状のアルミニウム合金板から構成され、側方は開放空間になっているが、FFU30bが収納可能な籠状としてもよい。荷台41の上面側の走行方向両端部には、FFU30aを受け止める滑り止め部材43が取付けられている。滑り止め部材43は、台車40の走行時に荷台41に対する位置ずれや、荷台41からFFU30aが脱落するのを防止するため、FFU30aとの摩擦抵抗が大きくなるように、ゴム板から構成されている。荷台41の下面側の四隅には、車輪(キャスタ)45が取付けられている。車輪45は、荷台41に固定される固定金具46と、固定金具46に対して軸心周り(矢印C方向)に回動自在な自在金具47を有している。自在金具47には車軸48を介してホイール49が取付けられている。ホイール49には、走行タイヤ50が装着されている。
走行タイヤ50は、外力によって容易に弾性変形するゴムタイヤから構成されている。走行タイヤ50は、クリーンルーム11の天井部11aを構成する天井フレーム枠20を乗り越える際の衝撃を十分に吸収することが可能なように、充填空気量が所定値に設定されている。ここでは、充填空気量は、タイヤ内充満状態(推奨タイヤ圧)に対して70%程度となっている。走行タイヤ50は、充填空気量が60〜90%であれば、段差に対して容易に変形することが可能であるが、充填空気量がタイヤ内の充満状態に対して60%未満であると、走行抵抗が増加して台車40を移動させるのに大きな力が必要となるので、充填空気量は上記範囲に設定するのが望ましい。このように、走行タイヤ50の充填空気量を所定範囲内に低減することにより、外力によって容易に弾性変形する車輪45を低コストで得ることができ、台車40の製作コストを低減することができる。
つぎに、この発明に関する既設天井設置機器の交換方法について説明する。
既設のFFU30aの交換作業を開始するに際し、まず工場10の天井裏における搬入経路に位置する吊材22や筋交い24を取外す。天井部11aは、多数の吊材22や筋交い24により支持されているので、FFU30bの搬入経路に位置する吊材22や筋交い24を取外しても、とくに問題は生じない。続いて、梱包解除された新品のFFU30bを、エレベータ1を経由してクリーンルーム階の空気が浄化されていない前室2へ搬入し、空気が浄化されているクリーンルーム前室11cを経由した後、クリーンルーム11内の非生産エリア11dのレターンシャフト(RAシャフト)11eに搬入し、ここに仮置きする。レターンシャフト11eは、クリーンルーム11からの清浄空気を天井裏へ導くダクトとしての機能を有しており、クリーンルーム11としては当然必要なものである。したがって、レターンシャフト11eという従来から存在するスペースを利用することにより、新たな搬入経路を新設することなく、FFU30bの搬入経路を確保することができる。
つぎに、図8に示すように、レターンシャフト11eに仮置きされたFFU30bを、直上に位置する開口部Bに引き上げ、FFU30bを天井裏に搬入する。この実施の形態では、FFU30bの引き上げはロープ35を用いて行うようにしているが、リフトを用いた作業にしてもよい。レターンシャフト11eは、非生産エリア11dであるので、クリーンルーム11が稼動していても生産上の動線を邪魔することはなく、クリーンルーム11における精密電子部品の生産に支障はない。また、レターンシャフト11eには清浄気流が循環しているため、養生なしにそのままFFU30bを天井裏に搬入することができる。同様に、FFU30bの搬送するための台車40も開口部Bを介してクリーンルーム11の天井裏に搬入する。
図6に示すように、天井裏に搬入されたFFU30bは、作業者によって台車40に積載される。台車40の荷台41には、ゴム板からなる滑り止め部材43が設けられているので、FFU30bは滑り止め部材43にて受け止められることになる。そして、FFU30bは、ブランクパネル25によって形成された走行経路S1〜S4を走行する台車40によって交換位置まで搬送される。台車40の荷台41には滑り止め部材43が設けられているので、FFU30bの搬送作業において、格別の固定手段を用いなくても、FFU30bの台車40に対する位置ずれや、台車40からのFFU30bの脱落を防止することができ、搬送作業の安全性を高めることができる。
ブランクパネル25を支持する天井フレーム枠20は、図6および図7に示すように、ブランクパネル25の上面よりも上方に突出しているので、台車40の走行経路S1〜S4には天井フレーム枠20によって段差が生じるが、この段差による台車40に作用する衝撃は走行タイヤ50の弾性変形によって確実に吸収される。つまり、走行タイヤ50は、充填空気量がタイヤ内充満状態に対して70%程度となっているので、台車40が天井フレーム枠20を乗り越える際には、走行タイヤ50は弾性変形によりブランクパネル25の上面から僅かに高さHだけ浮き上がることになり、台車40の荷台41はほとんど上下動することがない。したがって、台車40が天井フレーム枠20を通過する際でも、天井部11aが振動することはほとんどなく、台車40の走行によるクリーンルーム11内の発塵を防止することができる。
ブランクパネル25は、クリーンルーム11内の圧力によって浮上しない質量を有しており、強度も十分有していることから、台車40が頻繁にブランクパネル25の上を走行しても、ブランクパネル25が変形することもない。また、ブランクパネル25の上を作業者も歩行することになるが、ブランクパネル25は十分な強度を有しているので、FFU30bの搬入作業における作業の安全性も確保できる。
FFU30bが交換位置まで搬送されると、FFU30bは台車40から降ろされ、図9に示すように、既設のFFU30aの近傍に仮置きされる。クリーンルーム11の稼動時は、既設のFFU30aも稼動しているので、既設のFFU30aと新品のFFU30bとの交換は、クリーンルーム11の稼動が停止する夜間または休日に行われる。夜間または休日は、FFU30bの交換作業と配線作業のみに集中できるので、一日で例えば200台以上の交換が可能となる。撤去されたFFU30aは、交換位置に仮置きし、平日のクリーンルーム11の稼動時に搬入作業と逆の順序で搬出する。
このように、クリーンルーム11の非生産エリア11dからクリーンルーム11の天井裏へFFU30bを搬入するようにしているので、クリーンルーム11の稼動中であっても天井裏へのFFU30bの搬入が可能となり、FFU30bの搬入作業がクリーンルーム11の生産工程の動線に影響を与えることはない。そして、クリーンルーム11内への搬入が解消されるので、クリーンルーム11内に工事監督者Kを多数配置する必要もなくなる。また、FFU30bが搭載された台車40は、天井フレーム枠20で支持されたブランクパネル25の上をスムーズに走行できるので、従来技術のように天井裏に専用レールを敷設する必要がなく、設備費用を低減することができる。さらに、休日はFFU30bの搬入が不要となるので、作業者の確保が容易になるとともに、休日作業に伴う作業コストを低減することができる。
FFU30aは、使用により浄化能力が低下するためで照明パネルなどの他の機器に比べて交換頻度が高く、それだけ交換作業に伴うクリーンルーム11の生産ラインの停止リスクが高まるが、クリーンルーム11内へ入ることなくFFU30aの交換が可能となるので、従来に比べて生産ラインの停止リスクを著しく低減でき、FFU30bの交換作業に対する不安要素を排除することができる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、既設天井設置機器としてFFUの交換の場合を説明したが、既設天井設置機器はこれに限らず、FFUのファン、FFUのフィルタ、レターンユニット、HEPAフィルタユニットなどの交換にも、本発明は適用可能である。また、台車40の走行タイヤ50は、充填空気量を調整することにより外力に対して弾性変形しやすい構造としているが、空気圧を利用することなく弾性変形しやすく、しかも耐久性を有する素材を用いた構造を採用してもよい。さらに、台車40の滑り止め部材43をゴム板から構成したが、滑り止め効果を有する部材であれば、FFU30bを保護するクッション材などを用いてもよい。
以上のように、この発明に係る既設天井設置機器の交換方法は、クリーンルーム内の発塵を回避しながら、クリーンルームの操業に影響を与えることなく、しかも短い工期で既設天井設置機器の交換ができるので、産業上極めて有用である。
この発明の実施の形態に係る既設天井設置機器の交換方法を示す工場の透視斜視図である。 図1の工場の天井裏の構造を示す斜視図である。 図2の天井部を構成するブランクパネルの斜視図である。 図1の工場の天井部に取付けられるFFUの斜視図である。 図4のFFUを搬送するための台車の斜視図である。 図4のFFUを積載した状態の台車の正面図である。 図5の台車の走行時における走行タイヤの弾性変形状態を示す拡大図である。 図4のFFUをクリーンルームの天井裏に搬入する状態を示す斜視図である。 図4のFFUをクリーンルームの天井裏の交換位置に仮置きした状態を示す斜視図である。 従来における既設天井設置機器の交換方法を示す工場の透視斜視図である。 図10の既設天井設置機器の交換方法によるクリーンルーム内の作業状態を示す斜視図である。
符号の説明
10 工場
11 クリーンルーム
11a 天井部
11b 生産エリア
11d 非生産エリア
11e レターンシャフト
20 天井フレーム枠
22 吊材
25 ブランクパネル
30a 既設の天井設置機器
30b 新品の天井設置機器
40 台車
41 荷台
43 滑り止め部材
45 車輪
50 走行タイヤ

Claims (6)

  1. クリーンルームの非生産エリアから前記クリーンルームの天井裏へ天井設置機器および外力によって容易に弾性変形する車輪を有する台車を搬入し、
    前記天井設置機器が搭載された前記台車を天井裏の天井フレーム枠で支持されたブランクパネルの上を走行させて前記天井設置機器を既設天井設置機器が配置される前記天井裏の交換位置まで搬送する、
    ことを特徴とする既設天井設置機器の交換方法。
  2. 前記天井設置機器の前記台車による前記交換位置までの搬送は前記クリーンルームの稼動中に行い、
    前記天井設置機器と前記既設天井設置機器との交換は前記クリーンルームの休止中に行う、
    ことを特徴とする請求項1に記載の既設天井設置機器の交換方法。
  3. 前記クリーンルームの非生産エリアにおける前記天井裏への搬入箇所は、クリーンルームからの清浄空気を天井裏へ導くレターンシャフトであることを特徴とする請求項1または2に記載の既設天井設置機器の交換方法。
  4. 前記台車の車輪は、充填空気量が所定範囲内に低減された走行タイヤから構成されている、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の既設天井設置機器の交換方法。
  5. 前記台車の荷台には、搬送時に前記既設天井設置機器が滑るのを防止する滑り止め部材が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の既設天井設置機器の交換方法。
  6. 前記天井設置機器は、前記クリーンルーム内の空気を浄化するためのファンフィルタユニットである、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の既設天井設置機器の交換方法。
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