JP5069384B1 - アスファルト抽出方法及びアスファルト抽出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用すべき溶剤量を極力、低減すると共に、全体としての処理時間を短縮できるアスファルト抽出方法を提供する。
【解決手段】遠心分離容器19の回転状態として、アスファルト混合物及び溶剤をアスファルト抽出液と骨材とに遠心分離する主回転状態に加えて、主回転状態の前段階において、主回転状態の回転速度よりも低速として、遠心分離容器19内においてアスファルト混合物と溶剤とを混合する混合回転状態を実行する。これにより、遠心分離容器19の混合回転状態においてアスファルト抽出液が該遠心分離容器19外に排出されることをなくし、その次に行われる遠心分離の本処理において、溶剤を遠心分離容器19内に新たに充填しなくても、直ちに、遠心分離容器19内に溶剤の注入を行いつつその遠心分離容器19を主回転状態で回転させる処理に移行できるようにする。
【選択図】図4

Description

本発明は、遠心分離法によりアスファルト混合物からアスファルトを抽出するアスファルト抽出方法及びアスファルト抽出装置に関する。
道路舗装においては、基準によりアスファルトの含有量や骨材粒度が定められており、施工現場やプラントからアスファルト混合物をサンプリングし、アスファルト含有量及び骨材粒度を検査することが行われている。このため、サンプルとしてのアスファルト混合物からアスファルト成分及び骨材を検査対象として的確に回収すべく、遠心分離法を用いたアスファルト抽出装置が広く用いられている。例えば特許文献1には、内部空間を抽出室として保有する抽出容器を備え、その抽出容器内に、アスファルト混合物及び溶剤を収納するための遠心分離容器を配置し、その遠心分離容器に、その遠心分離容器の軸心を中心とした回転を付与するための回転駆動源を関係付けたものが示されている。
このものにおいては、遠心分離容器内にアスファルト混合物をサンプルとして取り込むと共に溶剤を充填した後、遠心分離の本処理として、遠心分離容器内に溶剤を注入しつつ該遠心分離容器を高速回転状態で回転させることが行われる。これにより、アスファルト混合物と溶剤との混合物(アスファルト抽出液(アスファルト成分が溶剤に溶解したもの)と骨材)からアスファルト抽出液と骨材とが遠心分離され、そのうちアスファルト抽出液については、さらに気化装置(蒸留装置)を用いることによりアスファルト成分と溶剤とに分離される。この結果、検査対象として骨材とアスファルト成分とが回収される。
ところで、上記のようなアスファルト抽出装置においては、アスファルト混合物からアスファルト成分を溶剤に、より的確に溶解させるべく、前記遠心分離の本処理に先立ち、前処理が行われる。その前処理においては、遠心分離容器内に注入した静止状態の溶剤中にアスファルト混合物を一定時間浸し(浸漬処理)、その後、遠心分離容器を高速回転状態で回転させて、浸漬処理により生成されたアスファルト抽出液(溶剤にアスファルト成分が溶出したもの)を遠心分離作用に基づき外部に排出することが行われる(アスファルト抽出液の抽出容器への回収)。これは、浸漬処理の下でアスファルト混合物からアスファルト成分を溶剤に溶出させてアスファルト混合物の全てを溶剤(又はアスファルト抽出液)に浸るようにし(アスファルト成分の溶剤への溶出に伴って各アスファルト混合物の体積を減少させることにより全てのアスファルト混合物が溶剤に浸るようにすること)、溶剤へ所望量のアスファルト成分を溶出させようとする場合には、アスファルト混合物と溶剤とを混合状態の下でアスファルト成分を溶出させる場合に比して処理時間が長くなり、それに伴い、溶剤(揮発性)の気化に基づく溶剤の減少によって、遠心分離容器内におけるアスファルト抽出液の濃度(アスファルト成分の濃度)が比較的高くなること(アスファルト混合物のアスファルト成分が溶出しにくくなること)から、浸漬処理後に高速回転遠心分離処理を行って、遠心分離容器内のアスファルト抽出液全てを一旦、抽出室内に排出することとしているのである。
特公平4−3791号公報
しかし、上記のように、遠心分離容器内における静止状態の溶剤中にアスファルト混合物を一定時間浸し(浸漬処理)、その後、遠心分離容器を高速回転状態で回転させて、浸漬処理に基づき生成されたアスファルト抽出液の全てを遠心分離作用に基づき外部に排出することとした場合、その高速回転処理の後には、遠心分離容器内にはアスファルト抽出液が存在しないことになり、次工程の遠心分離の本処理を行うに当たり、先ず、遠心分離容器内に溶剤を新たに充填しなければならない。このため、上記アスファルト抽出装置においては、遠心分離容器内に充填すべき溶剤量と、その充填に要する注入時間とが必要となる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、使用すべき溶剤量を極力、低減すると共に、全体としての処理時間を短縮できるアスファルト抽出方法を提供することにある。
第2の目的は、上記アスファルト抽出方法を使用するアスファルト抽出装置を提供することにある。
前記目的を達成するために本発明(請求項1に係る発明)にあっては、
内部空間を抽出室として保有する抽出容器が備えられ、該抽出容器内に、アスファルト混合物及び溶剤を収納するための遠心分離容器が配置され、該遠心分離容器に回転駆動源が関係付けられ、該回転駆動源が前記遠心分離容器を該遠心分離容器内に前記アスファルト混合物及び溶剤を収納した状態で該遠心分離容器の軸心を中心とした回転状態とするアスファルト抽出方法において、
前記遠心分離容器の前記回転状態として、前記アスファルト混合物及び溶剤を前記アスファルト抽出液と前記骨材とに遠心分離する主回転状態に加えて、該主回転状態の前段階において、該主回転状態の回転速度よりも低速として、該遠心分離容器内において該アスファルト混合物と該溶剤とを混合する混合回転状態を実行し、
前記抽出容器の隔壁を貫通させて、該抽出容器の外側から該抽出容器内に案内ダクトを導き、
前記案内ダクトを介して供給される空調風を用いることにより、前記遠心分離容器の温度調整を行う構成とされている
前記第2の目的を達成するために本発明(請求項に係る発明)にあっては、
内部空間を抽出室として保有する抽出容器が備えられ、該抽出容器内に、アスファルト混合物及び溶剤を収納するための遠心分離容器が配置され、該遠心分離容器に回転駆動源が関係付けられ、該回転駆動源が該遠心分離容器を該遠心分離容器内に前記アスファルト混合物及び溶剤を収納した状態で該遠心分離容器の軸心を中心とした回転状態とするアスファルト抽出装置において、
前記遠心分離容器は、前記回転駆動源に基づき、前記回転状態として、前記アスファルト混合物及び溶剤を前記アスファルト抽出液と前記骨材とに遠心分離する主回転状態に加えて、該主回転状態の前段階において、該主回転状態の回転速度よりも低速とされて、該遠心分離容器内において該アスファルト混合物と該溶剤とを混合する混合回転状態を実行するように設定され、
前記回転駆動源を制御する制御機構が備えられ、
前記制御機構が、前記遠心分離容器内に前記アスファルト混合物が取り込まれた後、該遠心分離容器内に前記溶剤が充填されたことを検出条件として、前記回転駆動源を制御し、該遠心分離容器を、前記主回転状態の回転速度よりも遅い回転速度であって、該遠心分離容器内の前記アスファルト混合物と前記溶剤とが混合状態となるような回転速度とするように設定され、
前記抽出容器の外側に、空調風を送り出す空調風供給装置が配設され、
前記空調風供給装置に、前記空調風を案内しつつ送り出す案内ダクトが備えられ、
前記案内ダクトが、前記抽出容器の隔壁を貫通して、該案内ダクトの先端開口が前記抽出室内における遠心分離容器に臨んでいる構成とされている
請求項1に係る発明によれば、遠心分離容器の回転状態として、アスファルト混合物及び溶剤をアスファルト抽出液と前記骨材とに遠心分離する主回転状態に加えて、主回転状態の前段階において、主回転状態の回転速度よりも低速として、遠心分離容器内においてアスファルト混合物と溶剤とを混合する混合回転状態を実行することから、遠心分離容器の混合回転状態においてアスファルト抽出液が該遠心分離容器外に排出されることがなくなり、その次に行われる遠心分離の本処理において、溶剤を遠心分離容器内に新たに充填しなくても、直ちに、遠心分離容器内に溶剤の注入を行いつつその遠心分離容器を主回転状態(高速回転状態)で回転させる処理に移行させることができる。このため、溶剤を遠心分離容器内に新たに充填する必要がなくなることに基づき、使用すべき溶剤量を低減できると共に、全体としての処理時間を短縮できる。
勿論この場合、遠心分離容器の混合回転状態において、アスファルト混合物と溶剤とを混合することから、その混合作用に基づき、遠心分離容器内において、アスファルト成分を溶剤に十分に溶解させたアスファルト抽出液を生成できる。
また、抽出容器の隔壁を貫通させて、該抽出容器の外側から該抽出容器内に案内ダクトを導き、案内ダクトを介して供給される空調風を用いることにより、遠心分離容器の温度調整を行うことから、遠心分離容器の温度調整を行うときには、抽出容器の機能(遠心分離容器から排出されるアスファルト抽出液を貯留する機能)を阻害することなく、空調風をもって遠心分離容器の温度調整を直接的且つ的確に行うことができる。
しかも、抽出室を画成する抽出容器の隔壁に対して空調装置の案内ダクトを貫通させるだけで、遠心分離容器の温度調整を行うことができることから、遠心分離容器の温度調整を行う構造を極めて簡素にすることができ、複雑で、大掛かりな循環加熱、冷却システムを不要にできる。
請求項に係る発明によれば、遠心分離容器は、回転駆動源に基づき、回転状態として、アスファルト混合物及び溶剤をアスファルト抽出液と骨材とに遠心分離する主回転状態に加えて、主回転状態の前段階において、主回転状態の回転速度よりも低速とされて、遠心分離容器内においてアスファルト混合物と溶剤とを混合する混合回転状態を実行するように設定されていることから、遠心分離容器の混合回転状態においてアスファルト抽出液が該遠心分離容器外に排出されることがなくなり、次工程で行われる遠心分離の本処理において、溶剤を遠心分離容器内に新たに充填しなくても、直ちに、遠心分離容器内に溶剤の注入を行いつつその遠心分離容器を高速回転状態で回転させる処理に移行することができる
また、回転駆動源を制御する制御機構が備えられ、制御機構が、遠心分離容器内にアスファルト混合物が取り込まれた後、遠心分離容器内に溶剤が充填されたことを検出条件として、回転駆動源を制御し、遠心分離容器を、主回転状態の回転速度よりも遅い回転速度であって、遠心分離容器内のアスファルト混合物と溶剤とが混合状態となるような回転速度とするように設定されていることから、遠心分離容器の主回転状態の前段階において、具体的且つ的確に、アスファルト混合物と溶剤とを混合できる一方、アスファルト抽出液(溶剤)が遠心分離容器内から排出されること防ぐことができ、新たに溶剤を遠心分離容器内に充填しなくても直ちに遠心分離の本処理に移行することができる。このため、確実に、使用すべき溶剤量を低減できると共に、全体としての処理時間を短縮できる。
さらに、抽出室の外側に、空調風を送り出す空調供給装置が配設され、空調風供給装置に、空調風を案内しつつ送り出す案内ダクトが備えられ、案内ダクトが抽出容器の隔壁を貫通して、案内ダクトの先端開口が抽出室内における遠心分離容器に臨んでいることから、遠心分離容器の温度調整を行うときには、抽出室の機能(遠心分離容器から排出されるアスファルト抽出液を貯留する機能)を阻害することなく、空調風をもって遠心分離容器の温度調整を直接的且つ的確に行うことができる。
しかも、抽出室を画成する抽出容器の隔壁に対して空調装置の案内ダク
トを貫通させるだけで、遠心分離容器の温度調整を行うことができることから、遠心分離容器の温度調整を行う構造を極めて簡素にすることができ、複雑で、大掛かりな循環加熱、冷却システムを不要にできる。
実施形態に係るアスファルト抽出装置を示す全体構成図。 実施形態に係るアスファルト抽出装置の要部を説明する説明図。 回転軸上端の装着部に対する遠心分離容器の装着を説明する平面図。 実施形態に係るアスファルト抽出方法を説明する工程図。 遠心分離容器内に溶剤を充填した状態を説明する説明図。 従前に係るアスファルト抽出方法を説明する工程図。 実施形態に係るアスファルト抽出装置の制御例を示すフローチャート。
図1において、符号1は、本発明に係るアスファルト抽出方法を使用するアスファルト抽出装置1を示す。このアスファルト抽出装置1は、構成部品として抽出容器2を備えている。この抽出容器2は、上部が開口する抽出容器本体3と、その抽出容器本体3の上部開口を開閉する開閉蓋4と、を有している。
抽出容器本体3は、底壁3aと、その底壁3a周縁部から起立する周壁(側壁)3bとにより形成されており、その抽出容器本体3内には、内部空間として平面視略正方形状とされた抽出室5が形成されている。この抽出容器本体3には、その底壁3aにおいて、抽出容器本体3の内外を連通する2つの抽出液排出口6が形成され、その周壁3bには、外部に開口する排気口7が形成されている。
開閉蓋4は、抽出容器本体3の上部に揺動可能に支持されている。このため、開閉蓋4が抽出容器本体3の上部に支持されて略水平状態となっているときには、抽出容器本体3の上部開口が開閉蓋4により覆われる一方、開閉蓋4を抽出容器本体3の支持部を中心として上方に揺動させたときには、抽出容器本体3の上部開口が外部に開放されることになっている。この開閉蓋4の内面には、溶剤供給用のノズル8が取付けられている。このノズル8は、開閉蓋4が抽出容器本体3の上部開口を覆っているときには、その先端供給口(図1中、ノズルの下端)が、溶剤を該ノズル8内に導入するための溶剤導入口(図1中、上端)よりも下方に位置することになっている。
前記抽出容器2の上方には、図1に示すように、溶剤タンク9が配設されている。溶剤タンク9は、溶剤を貯留する機能を有しており、その溶剤としては、アスファルト成分を溶解できるもの(一般的には揮発性を有するもの)が用いられている。このため、溶剤としては、アスファルト成分を溶解する限り、具体的にどのようなものを用いてもよい。この溶剤タンク9は、その内部の溶剤をノズル8に供給すべく、溶剤供給ホース10を介してノズル8(溶剤導入口)に接続されている。この溶剤供給ホース10には、電磁弁11が介装されており、その電磁弁11の開閉に基づきノズル8への溶剤の供給の有無が決定されることになっている。勿論この場合、溶剤供給ホース10は、可撓性を有すると共に、十分な長さが確保されており、これに基づき、開閉蓋4の開閉に対して溶剤供給ホース10が阻害原因とならないようになっている。
前記抽出容器2の底壁3aには、図1、図2に示すように軸受け12を介して回転軸13が回転可能に支持されている。回転軸13は、底壁3aを上下に貫通して延びており、その上端部には装着部14が設けられ、その下端部には回転駆動源としてのモータ15が連結されている。
装着部14は、有底円筒形状をしており、その円筒部14aがその底部14bよりも上方に位置した状態でその底部14bに回転軸13の上端部が連結されている。この装着部14の円筒部14aには、図2、図3に示すように一対の保持溝16が対向するようにして形成されている。各保持溝16は、円筒部14aの上端からその軸心延び方向内方に延びる案内溝部17と、その案内溝部17の下端から上方に延びつつ回転軸13の回転方向とは逆方向に延びる係止溝部18と、を有している。
モータ15は、図示を略す調整手段を介して回転数を調整できることになっている。このモータ15は、図示を略す支持枠に固定されており、そのモータ15の調整された回転数は回転軸13の回転数として反映されることになっている。本実施形態においては、モータ15は、回転軸13の回転数を、低速回転数(例えば20rpm〜100rpm)から高速回転数(例えば3000rpm前後)までの広い範囲で調整できることになっている。
前記抽出容器2内の抽出室5内には、図1に示すように、遠心分離容器19が配置されている。この遠心分離容器19は、上部が開口した容器本体20と、その上部開口を覆う蓋体21とを有する。容器本体20は、円板状の底部20aと、その底部20a周縁部から立ち上がる周壁部20bと、を有している。底部20aは、その外面が平坦面とされている一方、その外面を基準とした内面の高さは、その径方向外方に向かうに従って肉厚を薄くすることにより、径方向外方側が径方向内方側よりも低くなるように傾斜されている。周壁部20bは、その内周面、外周面共に、底部から離間するに従って拡径されることになっており、その周壁部20bの上端部には、径方向外方に張り出すフランジ部20cが設けられている。この容器本体20の底部20a外面には、その径方向中央部において円柱状のガイド部22が下方に向けて突出され、そのガイド部22の外周面には、対向配置関係をもって一対の案内軸部23が突出されている。
蓋体21は、容器本体20のフランジ部20c上に着脱可能に保持されている。蓋体21は、その周縁部内面が容器本体のフランジ部20c上に載置された状態で、容器本体20の上部開口を覆っており、このとき、蓋体21は、図示を略す固定手段により容器本体20に固定できることになっている。この蓋体21には、図2に示すように、その径方向中央部において溶剤導入路24が形成されている。この溶剤導入路24は、容器本体20の内外を連通しており、その溶剤導入路24と前記ノズル8とを利用することにより蓋体21の上方から容器本体20内に溶剤を導入できることになっている。また、蓋体21内面と容器本体20のフランジ部20cとの間には、ろ紙25(便宜上、蓋体21内面と容器本体20のフランジ部20cとの間を符号で示す)が介在されている。このろ紙25は、容器本体20内の溶剤ないしそれにアスファルト成分が溶出したアスファルト抽出液を、ろ過した後、容器本体20のフランジ部20cと蓋体21内面との間を流出領域(遠心分離容器19の所定高さ)26として遠心分離容器19の周囲に流出させる機能を有しており、この流出領域26は、遠心分離容器19の上部に位置されている。このため、遠心分離容器19の大部分は、その流出領域26よりも下側において占められている。
前記回転軸13上端部の装着部14には、図2、図3に示すように、前記遠心分離容器19が着脱可能に支持されている。すなわち、装着部14における各保持溝16の案内溝部17内に遠心分離容器19における各案内軸部23がそれぞれ入り込み、案内軸部23は各案内溝部17の下端にそれぞれ至っている。このため、回転軸13が回転されない場合には、上述の状態が維持されるが、この状態で回転軸13が回転されると、その回転に伴い、各係止溝部18内に各案内軸部23がそれぞれ入り込み、その各係止溝部18の区画端面18aが各案内軸部23に当接するように押し付けられることになる。これにより、一対の保持溝16内に遠心分離容器19における一対の案内軸部23を入れ込んだ状態で、回転軸13が回転した場合には、その回転軸13の回転に伴い、回転軸13の回転力が遠心分離容器19に伝達されると共に、遠心分離容器19が上方に移動されることが規制されることになり、遠心分離容器19と回転軸13とは、一体的に回転することになっている。このとき、モータ15の振動が回転軸13を介して遠心分離容器19に伝達されることになっており、モータ15は振動付与手段を構成している。
前記抽出容器2の下側には、図1に示すように、アスファルト成分回収装置27が配設されている。アスファルト成分回収装置27は、収容容器部28と、その収容容器部28を加熱するヒータ29と、を備えている。
収容容器部28は、抽出容器2内からのアスファルト抽出液を収容するべく、内部空間を有しており、その収容容器部28内の内部空間上部と前記抽出室5の抽出液排出口6とは、抽出液回収管30を介して連通されている。この抽出液回収管30には弁(例えば電磁弁)31が介装されており、その弁31の開閉により抽出室5と収容容器部28内との連通、遮断が決定される。また、収容容器部28の下部にはアスファルト成分回収管32が接続されており、そのアスファルト成分回収管32の先端部には弁33が取付けられている。
ヒータ29は、収容容器部28の下部に内蔵されている。このヒータ29は、収容容器部28を下側から加熱して、収容容器部28内に収容されるアスファルト抽出液中の溶剤を気化させる機能を有している。
前記アスファルト成分回収装置27における収容容器部28には、図1に示すように、溶剤回収タンク34が溶剤回収管35を介して接続されている。
溶剤回収管35は、その一端が収容容器部28内にその上部において開口されており、その他端は溶剤回収タンク34内にその上部から開口されている。この溶剤回収管35の外周側には、間接熱交換に基づき溶剤蒸気を凝縮させるべく熱交換器36が取付けられている。このため、熱交換器36には、冷却液体(例えば水)を給排するための循環冷却システム37が関係付けられており、その循環冷却システム37には、冷却液体を貯留するための冷却液体タンク38、その冷却液体を循環させるための循環ポンプ39、冷却液体の循環路を形成するための循環配管40等が備えられている。
溶剤回収タンク34は、その下部が溶剤戻し管41を介して前記溶剤タンク9の上部に接続されている。この溶剤戻し管41には、ポンプ42が介装されており、そのポンプ42により溶剤回収タンク34内の溶剤が強制的に溶剤タンク9に戻すことができることになっている。
前記抽出容器2の側方には、図1に示すように空調風供給装置43が配置されている。この空調風供給装置43は、強制送風装置44と、ヒータ45と、ヒータ調整装置46と、を備えている。強制送風装置44は、モータ44aの駆動力を利用して強制風を送り出す機能を有しており、その強制送風装置44には、強制風を案内する案内ダクト47が備えられている。案内ダクト47は、略水平状態を維持しつつ、抽出容器2の周壁(側壁)3bを貫通して該抽出容器2内(抽出室5)に入り込んでおり、その先端開口は、抽出室5内にセットされた遠心分離容器19の側面に、前記アスファルト抽出液の流出領域26よりも下側にオフセットされた状態で臨んでいる。これにより、遠心分離容器19から排出されるアスファルト抽出液(図2において矢印で示す)が案内ダクト47内にその先端開口から入り込むことが抑制される。本実施形態においてはさらに、この案内ダクト47の先端部に、抽出液進入規制部47aが形成されている。この抽出液進入規制部47は、案内ダクト47の下部を略水平に維持した状態で延ばす一方、案内ダクト47の上部をその先端に向かうに従って下部に近づくように傾斜させることにより構成されており、この抽出液進入規制部47aも、遠心分離容器19から排出されるアスファルト抽出液(図2において矢印で示す)を案内ダクト47の先端開口からその内部に入り込むことを規制する。
この場合、遠心分離容器19におけるアスファルト抽出液の流出領域26が遠心分離容器19の上部に位置して、その流出領域よりも下側に遠心分離容器19の大部分が存在することから、抽出液進入規制部47aにより強制風の向きが斜め下向きに変えられても、その強制風を遠心分離容器19の側面に的確に当てることができる。尚、この案内ダクト47の先端開口は、円形状、四角形状等、種々の形状とすることができる。
ヒータ45は、前記強制送風装置44内においてその送風域に配置されている。このヒータ45は、通電により熱を発生するものであり、このヒータ45と強制送風装置44とは、協働して熱風(温風)を発生させることができることになっている。このヒータ45としては、遠心分離容器19を加熱して該遠心分離容器19内の骨材を乾燥させる観点から最良のものが選択されることになっている。
ヒータ調整装置46は、ヒータ45に対する通電量を調整するものである。本実施形態においては、ヒータに対する通電の有無(ON,OFF)を調整することになっており、ON時には、空調風として熱風(温風)を発生し、OFF時には、空調風として強制風(冷却風)を発生することになっている。
前記アスファルト抽出装置1は、図1に示すように、制御機構Uにより制御される。このため、制御機構Uには、抽出室5での遠心分離容器19のセット信号、開閉蓋4の開閉信号等の各種信号が各種センサ群(代表符号としてを50を用いる)から入力される一方、電磁弁11、モータ15(回転軸13)、モータ44a(空調風供給装置43)、ヒータ調整装置46に対して制御信号が出力されることになっている。
制御機構Uは、概略的には、次のような制御を行う。その制御内容について、図4を参照しつつ、本実施形態に係るアスファルト抽出方法と共に説明する。
先ず、遠心分離容器19を抽出容器2外で準備し、その遠心分離容器19内にサンプリングしたアスファルト混合物を取り込む。そして、その遠心分離容器19を抽出室5における回転軸13上端部の装着部14にセットする(図4中、遠心分離容器のセット)。
回転軸13上端部の装着部14に遠心分離容器19がセット(支持)されると、一定時間だけ、電磁弁11が開き、溶剤タンク9内の溶剤が、一定量だけ、ノズル8、溶剤導入路24を介して遠心分離容器19内に注入される(図4中、溶剤注入)。この場合、溶剤は、遠心分離容器19内に極力、多く充填されるように注入されるが、それでも、図5に示すように、遠心分離容器19における上部領域のアスファルト混合物49は、溶剤に浸ることはできず、アスファルト混合物の全てが完全に溶剤に浸ることはない。
遠心分離容器19内に一定量の溶剤が充填されると、直ちに、回転軸13が回転されて、遠心分離容器19が、所定時間(例えば5〜15分)、低速回転状態で回転される。この低速回転状態は、遠心分離処理の前処理であり、遠心分離容器19内において、アスファルト混合物と溶剤とを混合させる状態であって、溶剤ないしアスファルト抽出液(アスファルト成分が溶剤に溶解したもの)が、そのアスファルト抽出液の流出領域26(容器本体フランジ部20cと蓋体21との間)から流出しない状態とするものである。これは、アスファルト混合物全体と溶剤とを混合させて、溶剤に浸ることがないアスファルト混合物をなくす一方(図5参照)、アスファルト混合物からアスファルト成分が溶剤に溶出し易くすることを目的としている。具体的には、遠心分離容器19の回転状態は、20〜100rpmが好ましく、55〜70rpmがより好ましい。上述の内容を確実に実現できるからである(図4中、低速回転処理)。
遠心分離容器19の低速回転状態が開始から所定時間経過すると、遠心分離容器19の回転が停止され、直ちに、溶剤を遠心分離容器19内に注入しつつその遠心分離容器19が高速回転状態(主回転状態)で回転される。この高速回転状態は、遠心分離の本処理(仕上げ処理)であり、遠心分離容器19内に溶剤が充填された状態の下で、注入される溶剤とアスファルト混合物とを混合しつつ、ろ紙25を介して蓋体21と容器本体フランジ部20cとの間、すなわちアスファルト抽出液の流出領域26からアスファルト抽出液を排出する状態とするものである。これは、仕上げ処理として、アスファルト混合物(骨材)から溶剤にアスファルト成分を溶出させると共に、そのアスファルト成分が溶出したアスファルト抽出液を遠心分離容器19内から抽出室5内に排出することを目的としている。この場合、遠心分離容器19の回転状態は、2000〜3000rpmが好ましく、より好ましくは2700〜2900rpmとされる(図4中、第1高速回転処理)。
遠心分離容器19の高速回転状態がその開始から第1所定時間(例えば10〜20分)経過すると、遠心分離容器19の高速回転状態(主回転状態)が維持される一方、電磁弁11が閉じられて遠心分離容器19内への溶剤の供給が停止される。これにより、遠心分離容器19内の溶剤ないしアスファルト抽出液の全てが該遠心分離容器19内から抽出室5内に排出され、遠心分離容器19内には骨材のみが残留する(図4中、第2高速回転処理)。
遠心分離容器19の高速回転状態がその開始から第2所定時間(例えば10〜20分)経過すると、遠心分離容器19の高速回転状態が停止され、続いて、遠心分離容器19は、低速回転状態(例えば55〜70rpm)とされると共に、空調風供給装置43のヒータ45がONとされて熱風が案内ダクト47を通じてその遠心分離容器19に対して直接に当てられる。これにより、極めて簡素な構成の乾燥システムとしつつ、遠心分離容器19内の骨材を迅速に乾燥できる(図4中、低速回転乾燥処理)。
遠心分離容器19に対する熱風の供給が所定時間(例えば50〜70分)、行われると、遠心分離容器19の低速回転状態が維持される一方、ヒータ45がOFFとされて、強制風が案内ダクト47から送り出され、遠心分離容器19は、その強制風により直接的に冷却される。これにより、乾燥システム、冷却ステムを併せ持つものの構成を極めて簡素なものにしつつ、遠心分離容器19内の骨材を迅速に冷却してサイクルタイムの短縮を図ることができる(図4中、低速回転強制風冷却処理)。
この後、遠心分離容器19に対する強制風の送風が所定時間(例えば10〜20分)経過すると、空調風供給装置43による送風が停止され、骨材が検査対象として遠心分離容器19から取り出される(図4中、骨材取出し)。
一方、抽出室5内のアスファルト抽出液は、抽出液回収管30を介してアスファルト成分回収装置27における収容容器部28内に送られる。アスファルト抽出液が収容容器部28内に送られると、ヒータ29によりアスファルト抽出液が加熱され、アスファルト抽出液中の溶剤が気化される(図4中、溶剤気化処理)。本実施形態においては、この処理は、遠心分離容器19内及び抽出室5内にアスファルト抽出液が存在しなくなった後(収容容器部28内に全アスファルト抽出液が回収された後)、実行される。これにより、収容容器部28にはアスファルト抽出液中、アスファルト成分が残り、それがアスファルト成分回収管32から検査対象として取り出される(図4中、アスファルト成分取出し)。
気化した溶剤については、熱交換器36により凝縮されて、再び、液状の溶剤に戻され、それは、溶剤回収タンク34に貯留される。その溶剤回収タンク34内の溶剤は、必要に応じて、溶剤戻し管41、ポンプ42により溶剤タンク9に戻される。勿論この場合、気化した溶剤を凝縮させるために、循環冷却システム37が作動することになる。
したがって、上記低速回転処理(遠心分離の前処理)において、アスファルト抽出液が遠心分離容器19外に排出されることがなくなり、その次に行われる第1高速回転処理(遠心分離の本処理)において、溶剤を遠心分離容器19内に新たに充填しなくても、直ちに、遠心分離容器19内に溶剤の注入を行いつつその遠心分離容器を高速回転状態で回転させる処理に移行することができる。このため、溶剤を遠心分離容器19内に新たに充填する必要がなくなることに基づき、使用すべき溶剤量を低減できると共に、全体としての処理時間を短縮できる。
これに対して、従前のアスファルト抽出方法においては、図6に示すような制御等が実行されており、下記点が相違している。
すなわち、遠心分離容器内への溶剤の注入後、溶剤へアスファルト成分を溶出させるべく、所定時間(一般的には30分位)、アスファルト混合物は浸漬処理され(図5の状態)、続いて、遠心分離容器が高速回転状態とされて、その遠心分離容器内のアスファルト抽出液の全てが遠心分離容器内から抽出室内に排出される(図6中、高速回転遠心分離処理)。これは、次の理由による。浸漬処理の下でアスファルト混合物からアスファルト成分を溶剤に溶出させてアスファルト混合物の全てを溶剤(又はアスファルト抽出液)に浸るようにし(アスファルト成分の溶剤への溶出に伴って各アスファルト混合物の体積を減少させることにより全てのアスファルト混合物を溶剤(又はアスファルト抽出液)に浸るようにすること)、溶剤へ所望量のアスファルト成分を溶出させようとする場合には、アスファルト混合物と溶剤とを混合状態の下でアスファルト成分を溶出させる場合に比して処理時間が長くなり、それに伴い、溶剤の気化に基づく溶剤の減少によって、遠心分離容器内におけるアスファルト抽出液の濃度(アスファルト成分の濃度)が高くなる。このため、仮に、この後直ちに(濃度が高くなったアスファルト抽出液を排出することなく)、第1高速回転処理として、溶剤を遠心分離容器19内に注入しつつ遠心分離容器19を高速回転させても、その新たな溶剤の注入に基づくアスファルト成分の溶出効果はあまり期待できない(遠心分離容器19内における濃度の高いアスファルト抽出液量に比して溶剤注入量が少ない状態が続くこと)。このことから、従前のアスファルト抽出方法においては、浸漬処理後に高速回転遠心分離処理(図6参照)を行い、遠心分離容器19内のアスファルト抽出液全てを一旦、抽出室5内に排出している。
このため、第1高速回転処理(遠心分離容器内に溶剤が充填された状態の下で、注入される溶剤とアスファルト混合物とを混合しつつ、アスファルト抽出液の流出領域(本実施形態に係る容器本体フランジ部20cと蓋体21との間に相当)からアスファルト抽出液を排出する処理)を行うためには、予備処理として、溶剤の注入処理が必要となる(図6参照)。このため、従前のアスファルト抽出方法においては、上述の実施形態に係るアスファルト抽出方法に比して、注入のための溶剤量と、注入のための注入時間とが多くならざるを得ない。
また、骨材の乾燥、冷却処理においては、一般に、遠心分離容器を低速回転させながら、間接熱交換式の循環加熱、冷却システムを用いて抽出室内が乾燥、冷却されている。このため、骨材の乾燥、冷却にかなりの時間を要するばかりか、乾燥、冷却システムは、複雑で大掛かりなものにならざるを得ない(図6参照)。
次に、実施形態に係るアスファルト抽出装置の制御例を図7に示すフローチャートに基づいて説明する。尚、Sはステップを示す。
先ず、S1において、遠心分離容器19が抽出室5における回転軸13上端の装着部14にセットされたか否かが判別される。遠心分離容器19に所定の動作を行わせて、適正な抽出処理を行うためである。この場合、遠心分離容器19の適正なセット状態の有無を判断するに際しては、遠心分離容器19の存在の検出に加えて、遠心分離容器19内にアスファルト混合物が収容されていることを、その遠心分離容器19の重量等により検出することが好ましい。このS1がNOのときには、S1の判別が繰り返される一方、S1がYESのときには、S2に進む。
次のS2においては、開閉蓋4が閉じられたか否かが判別される。ノズル8から遠心分離容器19内への溶剤の注入等、抽出処理を的確に実行するためである。このため、S2がNOのときには、S2の判別が繰り返される一方、S2がYESのときには、電磁弁11が開とされ、溶剤タンク9内の溶剤が溶剤供給ホース10、ノズル8を介して遠心分離容器19内に供給される。これに伴い、S4において、タイマーがセット(時間T=0)され、次のS5,S6により、所定時間Ts1だけ溶剤(所定量の溶剤)が遠心分離容器19内に注入される(図5に示す状態参照)。S6がYESと判定されて、所定量の溶剤が遠心分離容器19内に充填されると、S7において電磁弁11が閉じられて、遠心分離容器19内への溶剤の供給が停止される。
次いで、S8において遠心分離容器19の低速回転が開始され、これに伴い、タイマーがリセットされる(T=0)。そして、遠心分離容器19が、所定時間Ts2、低速回転され、遠心分離容器19内において、アスファルト混合物と溶剤とが混合され、アスファルト混合物中のアスファルト成分を溶剤に溶出させることにより、アスファルト抽出液が生成される。このとき、アスファルト抽出液は、遠心分離容器19内にとどまり、遠心分離容器19外に排出されることはない。この遠足分離容器19の低速回転は、その開始から所定時間Ts2が経過すると、その遠心分離容器19の低速回転は停止される(S9〜S12:図4中、低速回転処理)。
次いで、S13において遠心分離容器19の高速回転が開始され、S14において電磁弁11が開かれて、溶剤が遠心分離容器19内に注入され始める。これにより、遠心分離容器19内においては、溶剤を注入しつつ遠心分離が行われることになり、アスファルト混合物中のアスファルト成分は溶剤に溶出し、その溶出により生成されるアスファルト抽出液は、遠心分離容器19外に排出される(図4中、第1高速回転処理)。この遠心分離容器19の第1高速回転処理は所定時間Ts3実行され(S15〜S17)、その所定時間Ts3が経過すると、S18において電磁弁11が閉じられ、遠心分離容器19内への溶剤の注入は停止される。これにより、遠心分離容器19は、溶剤の注入を受けることなく高速回転することになり、遠心分離容器19内のアスファルト抽出液は、その高速回転処理状態だけが所定時間Ts4−Ts3(Ts3<Ts4)維持されることにより、やがて全てが抽出室5内に排出され、遠心分離容器19内には骨材だけが残留する(S19:図4中、第2高速回転処理)。
遠心分離容器19の第2高速回転処理が所定時間Ts4−Ts3だけ実行されると、その第2高速回転処理が停止され(S20)、遠心分離容器19は低速回転が開始される(S21)。そして、S22においてモータ44aがONとされて強制送風装置44により強制風が供給され始めると共にS23においてヒータ45がONとされて、熱風が生成され、その熱風は、遠心分離容器19内の骨材を効果的に乾燥すべく、所定時間Ts5、案内ダクト47を通じて遠心分離容器19の周壁3bに直接、供給される(S24〜S26)。
熱風が遠心分離容器19に所定時間Ts5、供給されて、骨材が乾燥されると、S27においてヒータ45だけがOFFとされ、そのヒータ45がOFFとされたときから所定時間Ts6だけ強制風の供給が維持される(S28〜S31)。これにより、遠心分離容器19内の骨材は、取り出し可能になるまで冷却されることになる。
以上実施形態について説明したが本発明にあっては、次の態様も好ましい。
(1)前述の請求項5において、
前記遠心分離容器19は、該遠心分離容器19の軸心が上下方向に向くように配置されていると共に、該遠心分離容器19が前記主回転状態にあるとき、該遠心分離容器19の所定高さ位置において周囲に前記アスファルト抽出液を排出するように設定され、
前記案内ダクト47の先端開口が、前記所定高さ(流出領域)26に対して上側又は下側のいずれかにオフセットされた状態で位置されている、
ことを特徴とするアスファルト抽出装置1。
これによれば、抽出室5を画成する抽出容器2の隔壁(抽出容器本体3の周壁3b)に対して空調風供給装置43の案内ダクト47を貫通させる構成であっても、アスファルト抽出液が案内ダクト47の先端開口を介して入り込むことを、より抑制できる。
(2)上記(1)の場合において、
前記案内ダクト47の先端開口が、前記所定高さ26よりも下側にオフセットするように位置され、
前記案内ダクト47の先端開口周縁部のうち、上部に、前記遠心分離容器19に近づくに従って下方に延びるように傾斜する抽出液進入規制部47aが設けられている、
ことを特徴とするアスファルト抽出装置1。
これによれば、所定高さ26に対するオフセット配置によるだけでなく、抽出液侵入規制部47aによってもアスファルト抽出液の案内ダクト47内への進入を抑制できる。
(3)上記(2)の場合において、
前記遠心分離容器19の所定高さ26が、前記遠心分離容器19の上部である、
ことを特徴とするアスファルト抽出装置1。
これによれば、遠心分離時に遠心力と遠心分離容器19の内周壁とを利用して遠心分離容器19の上部から的確にアスファルト抽出液を排出して抽出室5に貯留できる一方、抽出液進入規制部47aにより空調風が斜め下方に傾斜した向きに案内されるとしても、その空調風を遠心分離容器19の大部分に当てることができることになる。このため、抽出室5の機能を阻害することなく、遠心分離容器19の温度調整をより的確に行うことができる。
(4)前述の請求項5において、
前記空調風供給装置43が、加熱装置として、前記遠心分離容器19に対して温風(熱風)を供給できるよう設定されている、
ことを特徴とするアスファルト抽出装置1。
これによれば、遠心分離容器19にとどまるように分離される骨材を遠心分離容器19を介して加熱して、該骨材に付着する溶剤を迅速に揮発(飛散)させることができ、検査対象として的確な骨材を早期に得ることができる。
(5)前述の請求項5において、
前記空調風供給装置43が、空冷装置として、前記遠心分離容器19に対して冷却風を供給できるよう設定されている、
ことを特徴とするアスファルト抽出装置1。
これによれば、骨材に付着する溶剤を加熱により揮発(飛散)させた後、その骨材を迅速に冷却して取り出すことができる。このため、この観点からも、検査対象としての骨材を早期に得ることができる。
(6)前述の請求項3〜5、上記(1)〜(5)のいずれかにおいて、
前記遠心分離容器19に振動付与手段(モータ15)が関係付けられて、該振動付与手段が、該遠心分離容器19が前記混合回転状態にあるときに該遠心分離容器19に振動を付与するように設定されている、
ことを特徴とするアスファルト抽出装置1。
これによれば、アスファルト混合物中におけるアスファルト成分の溶剤への溶解を一層、促進することができることになり、その溶解のための時間を、より低減できる。
(7)制御機構Uを、主としてシーケンス制御回路をもって構成すること。
1 アスファルト抽出装置
2 抽出容器
3b 容器本体の周壁(隔壁)
5 抽出室
15 モータ(回転駆動源)
19 遠心分離容器
43 空調風供給装置
47 案内ダクト
47a 抽出液進入規制部
U 制御機構

Claims (2)

  1. 内部空間を抽出室として保有する抽出容器が備えられ、該抽出容器内に、アスファルト混合物及び溶剤を収納するための遠心分離容器が配置され、該遠心分離容器に回転駆動源が関係付けられ、該回転駆動源が前記遠心分離容器を該遠心分離容器内に前記アスファルト混合物及び溶剤を収納した状態で該遠心分離容器の軸心を中心とした回転状態とするアスファルト抽出方法において、
    前記遠心分離容器の前記回転状態として、前記アスファルト混合物及び溶剤を前記アスファルト抽出液と前記骨材とに遠心分離する主回転状態に加えて、該主回転状態の前段階において、該主回転状態の回転速度よりも低速として、該遠心分離容器内において該アスファルト混合物と該溶剤とを混合する混合回転状態を実行し、
    前記抽出容器の隔壁を貫通させて、該抽出容器の外側から該抽出容器内に案内ダクトを導き、
    前記案内ダクトを介して供給される空調風を用いることにより、前記遠心分離容器の温度調整を行う、
    ことを特徴とするアスファルト抽出方法。
  2. 内部空間を抽出室として保有する抽出容器が備えられ、該抽出容器内に、アスファルト混合物及び溶剤を収納するための遠心分離容器が配置され、該遠心分離容器に回転駆動源が関係付けられ、該回転駆動源が該遠心分離容器を該遠心分離容器内に前記アスファルト混合物及び溶剤を収納した状態で該遠心分離容器の軸心を中心とした回転状態とするアスファルト抽出装置において、
    前記遠心分離容器は、前記回転駆動源に基づき、前記回転状態として、前記アスファルト混合物及び溶剤を前記アスファルト抽出液と前記骨材とに遠心分離する主回転状態に加えて、該主回転状態の前段階において、該主回転状態の回転速度よりも低速とされて、該遠心分離容器内において該アスファルト混合物と該溶剤とを混合する混合回転状態を実行するように設定され、
    前記回転駆動源を制御する制御機構が備えられ、
    前記制御機構が、前記遠心分離容器内に前記アスファルト混合物が取り込まれた後、該遠心分離容器内に前記溶剤が充填されたことを検出条件として、前記回転駆動源を制御し、該遠心分離容器を、前記主回転状態の回転速度よりも遅い回転速度であって、該遠心分離容器内の前記アスファルト混合物と前記溶剤とが混合状態となるような回転速度とするように設定され、
    前記抽出容器の外側に、空調風を送り出す空調風供給装置が配設され、
    前記空調風供給装置に、前記空調風を案内しつつ送り出す案内ダクトが備えられ、
    前記案内ダクトが、前記抽出容器の隔壁を貫通して、該案内ダクトの先端開口が前記抽出室内における遠心分離容器に臨んでいる、
    ことを特徴とするアスファルト抽出装置。
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