JP5068950B2 - トナー及びこれを用いた画像形成方法 - Google Patents
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Description
(1)非水系エマルジョン相分離法により、金属粒子の導電性を抑えて現像性を向上させることが提案されている(特許文献1参照)。
(2)結着樹脂にシクロオレフィン共重合体を用いてトナーの導電性を抑えることが提案されている(特許文献2参照)。
(3)一成分現像により電子写真で回路パターンを作成することが提案されている(特許文献3参照)。
(4)金属粒子をカプセル化し、トナー帯電量を揃えることが提案されている(特許文献4参照)。
(5)トナー粒子の割合を50〜90%に高めた回路パターン用液体トナーが提案されている(特許文献5参照)。
(6)金属粒子をコアシェル法でカプセル化した液体トナーが提案されている(特許文献6参照)。
(7)導電性高分子化合物を用いた導電性トナーによる回路作成法が提案されている(特許文献7参照)。
乾式トナーの場合には、液体トナーのように絶縁性分散媒が存在しないため、トナー粒子の導電性制御が困難である。そこで、導電性を上げるため金属比率を高くすると画像が乱れてしまうという問題があり、金属光沢性の高い画像や抵抗の低い優れた回路パターンは得られていない。
一方、液体トナーの場合には、上記の点で乾式トナーに比べて有利である。しかし、前記(5)では、トナー粒子の割合を高めているため、液の抵抗が低下し現像が不十分になる傾向がある。また、前記(6)では、金属粒子をカプセル化しているが、金属の導電性を樹脂により抑えることは困難である。
<1> 少なくとも金属粒子、樹脂、及び分散媒を含有するトナーにおいて、
前記金属粒子が銀粒子を含有し、該銀粒子は、BET比表面積が0.2〜2.2m2/gであり、ISO3953−1977に基づくタップ密度が1.0〜2.5g/cm3であり、レーザー回折法による平均粒径が0.5〜9.0μmであることを特徴とするトナーである。該<1>に記載のトナーにおいては、銀粒子のBET比表面積、タップ密度、平均粒径が適正であるため、該トナーを用いて、優れた金属光沢画像、回路パターンを形成することができる。
<2> 銀粒子の純度が98%以上である前記<1>に記載のトナーである。該<2>に記載のトナーにおいては、銀粒子の純度が高いため、該銀粒子を含むトナーを用いて、更に優れた金属光沢画像、回路パターンを形成することができる。
<3> 銀粒子が化学還元法により得られる前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。該<3>に記載のトナーにおいては、化学還元法により優れた品質の銀粒子が得られる。
<4> トナー中における銀と樹脂との質量比率(銀:樹脂)が65:35〜95:5である前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。該<4>に記載のトナーにおいては、樹脂と銀との質量比率が適正であるため、該トナーを用いて、更に優れた金属光沢画像、回路パターンを形成することができる。
<5> 樹脂が少なくとも第1樹脂及び第2樹脂を含有し、該第1樹脂と第2樹脂の質量比率(第1樹脂:第2樹脂)が95:5〜50:50である前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。該<5>に記載のトナーにおいては、第1樹脂と第2樹脂の比率が適正であるため、該トナーを用いて、更に優れた金属光沢画像、回路パターンを形成することができる。
<6> 第1樹脂がポリオレフィン系樹脂である前記<5>に記載のトナーである。該<6>に記載のトナーにおいては、第1樹脂がポリオレフィン系樹脂であるため、該ポリオレフィン系樹脂を含むトナーを用いて、更に優れた金属光沢画像、回路パターンを形成することができる。
<7> 第1樹脂が銀を包含し、該第1樹脂に第2樹脂が吸着されている前記<5>から<6>のいずれかに記載のトナーである。該<7>に記載のトナーにおいては、機能の異なる第1樹脂及び第2樹脂を用いているため、該第1樹脂及び第2樹脂を含むトナーを用いて、更に優れた金属光沢画像、回路パターンを形成することができる。
<8> 第2樹脂がアクリル系樹脂である前記<5>から<7>のいずれかに記載のトナーである。該<8>に記載のトナーにおいては、第2樹脂がアクリル系樹脂であるため、該アクリル系樹脂を含むトナーを用いて、更に優れた金属光沢画像、回路パターンを形成することができる。
<9> 第2樹脂が、分散媒に親和性の高い部分と、分散媒に親和性の低い部分と、電荷を保持する部分とからなる前記<5>から<8>のいずれかに記載のトナーである。該<9>に記載のトナーにおいては、第2樹脂が機能分離されているため、該第2樹脂を含むトナーを用いて、更に優れた金属光沢画像、回路パターンを形成することができる。
<10> 分散媒が、脂肪族炭化水素、シリコーンオイル、及びポリアルファオレフィンから選択される少なくとも1種である前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーである。該<10>に記載のトナーにおいては、分散媒が高絶縁性の液体であるため、該分散媒を含むトナーを用いて、更に優れた金属光沢画像、回路パターンを形成することができる。
<11> 感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を現像ローラを用いて前記<1>から<10>のいずれかに記載のトナーで現像して可視像を形成する現像工程と、感光体に付与された過剰のトナー中の分散媒をスクイズローラで除去する分散媒除去工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記現像ローラの線速が前記感光体の線速の1.2〜6倍であり、かつ前記スクイズローラの線速が前記感光体の線速の1.2〜4倍であることを特徴とする画像形成方法である。該<11>に記載の画像形成方法においては、適正な現像条件で画像出力されるため、優れた金属光沢画像、配線パターン画像が得られる。
<12> 転写後のトナーの乾燥付着量が0.2〜1.5mg/cm2である前記<11>に記載の画像形成方法である。該<12>に記載の画像形成方法においては、乾燥後のトナー付着量が適正範囲にあるため、優れた金属光沢画像、配線パターン画像が得られる。
<13> 感光体から可視像を記録媒体に直接転写する前記<11>から<12>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<14> 記録媒体上の転写像を10〜80kg/cm2の圧力で処理する前記<11>から<13>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<15> 記録媒体上の転写像を定着後、更に加熱処理する前記<11>から<14>のいずれかに記載の画像形成方法である。
前記<13>から<15>のいずれかに記載の画像形成方法においては、更に優れた金属光沢画像、配線パターン画像が得られる。
本発明のトナーは、少なくとも金属粒子、樹脂、及び分散媒を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記金属粒子は銀粒子を主成分として含有し、更に必要に応じてその他の金属粒子を含有してなる。ここで、銀粒子を主成分として含有するとは、銀粒子を金属粒子中に90質量%以上含有することを意味する。
前記その他の金属粒子としては、例えば銅、ニッケル、白金(プラチナ)などが挙げられる。
ここで、前記BET比表面積はBET流動法により求めた値であり、該BET流動法は粉体粒子の表面に占有面積の分かった分子(通常、N2ガス)を吸着させて、その量から試料粉体のBET比表面積を求める方法である。
ここで、前記タップ密度はISO3953−1977(E)「Metallic powder Determination」により求めた値であり、所定の質量の銀粒子に振動を与えて充填した容積で銀粒子質量を割って算出する。
ここで、前記平均粒径はレーザー回折法により求めた値であり、銀粒子をトナーに使用する溶媒中(アイソパー等)にレーザー光が透過できる濃度程度に分散させ、セルに入れて測定する。
このような化学還元法による銀粒子としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えばシルコートAgC−BO、シルコートAgC−74、AgC−H、AgC−B、AgC−BW、AgC−GS(いずれも、福田金属社製);Ag−025、Ag−110、Ag−119、Ag−128、Ag−520、Ag−531、Ag−532(いずれも、昭栄化学社製)などが挙げられる。
前記樹脂は2種以上の樹脂からなることが好ましく、例えば、第1樹脂が銀粒子を包含し、第2樹脂が第1樹脂に結合、吸着している構造であることがより好ましい。第1樹脂は銀粒子を包含する目的及び記録媒体に定着させる目的で、第2樹脂はトナー粒子同士が分散媒中での凝集を防止する目的及びトナーの電荷を高める目的で処方される。更に第2樹脂だけでは電荷向上効果が低い場合は第3の樹脂を加えることが好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体としては、三井・デュポンポリケミカル株式会社製のエバフレックスシリーズ、例えば45X、Y−W、150、210、220、250、260、310、360、410、420、450、460、550、560等が挙げられる。また、東洋曹達工業株式会社製のウルトラセン・シリーズ、例えば510X、515F、530、537、537L、537S、525、520F、540、540F、541、541L、625、630、630F、682、627、631、633、680、681、635、634、710、720、722、725、751、760等が挙げられる。また、住友化学工業株式会社製のスミテート・シリーズ、例えばDD−10、HA−20、HC−10、HE−10、KA−20、KA−31、KC−10、KE−10、MB−11、RB−11等が挙げられる。また、日本合成工業株式会社製のソアグレン・シリーズ、例えばBH、CH、CI、DH等が挙げられる。同ソアレックスシリーズ、例えばRBH、RCH、RDH等が挙げられる。また、武田薬品工業株式会社製のデュミラン・シリーズ、例えばデュミランD−219、D−229、D−251S、C−2280、C−2270、C−1590、C−1570、C−1550等が挙げられる。また、三菱油化株式会社製のユカロン−エバ;米国デュポン社製のエルパックス等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂を変性しカルボキシル基を導入した樹脂としては、例えば日本石油化学株式会社製のNポリマー;東燃石油化学株式会社製の東燃CMP−HAシリーズ;三菱油化株式会社製のMODIC:製鉄化学工業株式会社製のザイクセン;三井東圧化学株式会社製のロンプライ;三井石油化学工業株式会社製のアドマー等が挙げられる。
エチレンとアクリル酸との共重合体としては、例えばダウケミカル社製ダウEAAコポリマー;三菱油化株式会社製のユカロンEAA;三井・デュポンポリケミカル株式会社製のニュクレル;住友化学株式会社製のアクリフト等が挙げられる。
エチレンとアクリル酸又はメタアクリル酸との共重合体、或いはそれらを架橋させた所謂アイオノマーとしては、例えば米国デュポン社製サーリン;三井・デュポンポリケミカル株式会社製のハイミラン;旭ダウ株式会社製のコーボレンラテックス等;BASF社製のEVA1ワックス添加などが挙げられる。
エチレンとアクリル酸エステルとの共重合体としては、例えば日本ユニカー株式会社製のDPD−6169などが挙げられる。
カルボキシル性のカルボニル基を含有するポリオレフィン系樹脂等を挙げることができる。
また、重合後、分散媒に難溶で第1樹脂に親和性の高いモノマーとしては、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、スチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
負の電荷を与えやすい極性基を含むモノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、スチレンスルフォン酸又はその塩などが挙げられる。
正の電荷を与える極性基を含むモノマーとしては、例えばジメチルアミノエチルメタクリレート、ビニルピロリドン、ビニルピペリジン、ビニルラクタム、ビニルピリジン等が挙げられる。
前記分散媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電気抵抗1010Ωcm以上であり、かつ誘電率が3以下の溶媒が好適であり、例えば、脂肪族炭化水素、シリコーンオイル、ポリアルファオレフィンなどが挙げられる。
前記脂肪族炭化水素としては、例えば、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーV(いずれもエクソンモービル社製)などが挙げられる。
前記シリコーン系オイルとしては、例えばKF96 1〜10000cSt(いずれも信越シリコン社製);SH200、SH344(いずれも東レ・シリコン社製);TSF451(いずれも東芝シリコン社製)など挙げられる。
前記ポリアルファオレフィンとしては、例えばSHF−20、SHF−21、SHF−23、SHF−41、SHF−61、SHF−63、SHF−82、SHF−83、SHF−101、SHF−403、SHF−1003、supersyn2150、supersyn2300、supersyn21000、supersyn23000(いずれもエクソンモービル社製)などが挙げられる。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばレシチン、アマニ油、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉄、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸マグネシウム、オクチル酸マンガン、オクチル酸カルシウム、オクチル酸ジルコニウム、オクチル酸鉄、オクチル酸鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸マグネシウム等の金属石鹸;n−デシルアミン等の有機アミン類などが挙げられる。これらは1種単独あるいは2種以上を併用してもよい。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、分散媒除去工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
前記静電潜像形成工程は、感光体上に静電潜像を形成する工程である。
前記感光体としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記感光体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記トナーを用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナーを用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程である。
前記転写工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(1)直接記録媒体に転写する方法、(2)中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様があるが、(1)直接記録媒体に転写する方法が好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記感光体上に残留する前トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
感光体11は、セレン感光体、有機感光体(OPC)、アモルファスシリコン感光体等が使用できる。感光体11の表面電圧は、400〜1600Vの範囲が良好である。
感光体11の電荷の残っている潜像に現像ローラ13から供給される本発明の前記液体トナーを用いて現像され、スクイズローラ14で余剰の液体トナーが除去され、転写電圧付与部材17によりトナー1の電荷と逆電荷の電圧が印加されて記録媒体に転写される。
記録媒体に付着した乾燥後のトナー付着量は0.2〜1.5mg/cm2が好ましく、0.4〜1.2mg/cm2がより好ましい。前記トナー付着量が0.2mg/cm2未満であると、付着量が少なすぎて金属粒子どうしのつながりが悪くなり、抵抗が上がり、金属光沢画像においても金属光沢性が低下することがあり、1.5mg/cm2を超えると、付着量がいくら多くなっても抵抗値は変わらず、また、画像つぶれにより解像性が低下する。1回の現像、転写サイクルで、0.2mg/cm2以上の付着量が得られない時は、位置ずれに注意して重ね画像を得ることが好ましい。タンデムで二重、三重現像転写することも付着量向上に効果がある。転写は感光体から記録媒体に直接転写させることが好ましい。中間転写体などを用いると転写溶媒が減少することによりトナー粒子の比電荷量が低下し、転写性に悪影響を与える場合がある。
BET比表面積は、BET流動法により求めた値であり、該BET流動法は粉体粒子の表面に占有面積の分かった分子(通常、N2ガス)を吸着させて、その量からBET比表面積を測定した。具体的には、BET比表面積測定装置(島津製作所製、V−2380)を使用して、温度25℃で測定した。
タップ密度は、ISO3953−1977(E)「Metallic powder Determination」により求めた値であり、タップ密度測定装置(セイシン企業株式会社製、KYT−3000)を用いて、所定の質量の銀粒子に振動を与えて充填した容積で銀粒子質量を割って算出した。なお、温度は25℃で測定した。
前記平均粒径はレーザー回折法により求めた値であり、平均粒径測定装置(島津製作所製、SALD−2200)を用いて、銀粒子をトナーに使用する溶媒(アイソパー)中にレーザー光が透過できる濃度程度に分散させ、セルに入れて測定した。なお、温度は25℃で測定した。
−第1樹脂で包含された銀粒子の作製−
下記組成を約100℃でフラッシャー(ニーダー)中でよく混合し、冷却後粉砕を行い第1樹脂で包含された銀粒子を作製した。
・AgC−AO(BET比表面積:1.1m2/g、ISO3953−1977に基づくタップ密度:1.50g/cm3、レーザー回折法による平均粒径:1.4μm、純度99.5%、化学還元粉、福田金属社製)・・・41質量部
・ポリエチレン(エバフレックス260、三井デュポン社製)・・・5質量部
・脂肪族炭化水素(アイソパーV、エクソンモービル社製)・・・5質量部
次に、3Lフラスコ内に脂肪族炭化水素(アイソパーH、エクソンモービル社製)1500質量部を投入し、90℃に保ち、ラウリルメタクリレート500質量部、グリシジルメタクリレート10質量部、アリルメタクリレート5質量部、アクリル酸2質量部、及びLPO(開始剤)3質量部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下後約1時間反応させて、メチルメタクリレート50質量部、LPO(開始剤)3質量部の混合液を約1時間かけて滴下した。滴下後約3時間反応させて、第2樹脂を作製した。
得られた濃縮トナー100gを、脂肪族炭化水素(アイソパーH、エクソンモービル社製)1Lで希釈し、図1に示すような画像形成装置(現像ローラの線速が前記感光体の線速の3.0倍であり、スクイズローラの線速が感光体の線速の2.0倍である)で画像を出力し、出力した画像に150℃の熱を与えて、定着した。その後更に200℃で5秒間加熱した。
−第1樹脂で包含された銀粒子の作製−
下記組成を約110℃でフラッシャー(ニーダー)中でよく混合し、冷却後粉砕を行い第1樹脂で包含された銀粒子を作製した。
・AgC−BO(BET比表面積:1.2m2/g、ISO3953−1977に基づくタップ密度:1.40g/cm3、レーザー回折法による平均粒径:1.3μm、純度99.2%、化学還元粉、福田金属社製)・・・44質量部
・ポリエチレン(サンワックス161P、三洋化成社製、200℃粘度:110mPa・s)・・・10質量部
・脂肪族炭化水素(アイソパーV、エクソンモービル社製)・・・5質量部
次に、3Lフラスコ内に脂肪族炭化水素(アイソパーH、エクソンモービル社製)1300質量部を投入し、90℃に保ち、2エチルヘキシルメタクリレート600質量部、グリシジルメタクリレート15質量部、アリルメタクリレート5質量部、アクリル酸2質量部、及びLPO(開始剤)3質量部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下後約1時間反応させ、メチルメタクリレート70質量部、LPO(開始剤)3質量部の混合液を約1時間かけて滴下した。滴下後約3時間反応させて、第2樹脂を作製した。
得られた濃縮トナー100gをシリコーンオイル5cSt(信越化学工業社製)1Lで希釈し、図1に示すような画像形成装置(現像ローラの線速が前記感光体の線速の3.5倍であり、スクイズローラの線速が感光体の線速の2.5倍である)で画像を出力し、出力した画像に150℃の熱を与えて、定着した。その後更に200℃で5秒間加熱した。
−第1樹脂で包含された銀粒子の作製−
下記組成を約100℃でフラッシャー(ニーダー)中でよく混合し、冷却後粉砕を行い第1樹脂で包含された銀粒子を作製した。
・AgC−74(BET比表面積:0.3m2/g、ISO3953−1977に基づくタップ密度:2.2g/cm3、レーザー回折法による平均粒径:3.9μm、純度99.3%、化学還元粉、福田金属社製)・・・35質量部
・ポリエチレン(エバフレックス260、三井デュポン社製、200℃粘度:120mPa・s)・・・7質量部
・脂肪族炭化水素(アイソパーM、エクソンモービル社製)・・・3質量部
次に、3Lフラスコ内に脂肪族炭化水素(アイソパーH、エクソンモービル社製)1500質量部を投入し、90℃に保ち、ラウリルメタクリレート500質量部、グリシジルメタクリレート10質量部、アリルメタクリレート5質量部、アクリル酸2質量部、及びLPO(開始剤)3質量部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下後約1時間反応させて、メチルメタクリレート50質量部、及びLPO(開始剤)3質量部の混合液を約1時間かけて滴下した。滴下後約3時間反応させて、第2樹脂を作製した。
得られた濃縮トナー100gを、脂肪族炭化水素(アイソパーH、エクソンモービル社製)1Lで希釈し、図1に示すような画像形成装置(現像ローラの線速が前記感光体の線速の4.0倍であり、スクイズローラの線速が感光体の線速の3.0倍である)で画像を出力し、出力した画像に150℃の熱を与えて、定着した。その後更に200℃で30秒間加熱した。
−第1樹脂で包含された銀粒子の作製−
下記組成を約100℃でフラッシャー(ニーダー)中でよく混合し、冷却後粉砕を行い第1樹脂で包含された銀粒子を作製した。
・Ag−119(BET比表面積:1.0m2/g、ISO3953−1977に基づくタップ密度:1.8g/cm3、レーザー回折法による平均粒径:3.0μm、純度98.5%、化学還元粉、昭栄化学社製)・・・55質量部
・ポリエチレン(エバフレックス220、三井デュポン社製、200℃粘度:130mPa・s)・・・4質量部
・ポリアルファオレフィンSFH−20(エクソンモービル社製)・・・5質量部
次に、3Lフラスコ内に脂肪族炭化水素(アイソパーH、エクソンモービル社製)1500質量部を投入し、90℃に保ち、ステアリルメタクリレート400質量部、グリシジルメタクリレート10質量部、アリルメタクリレート5質量部、アクリル酸2質量部、及びLPO(開始剤)3質量部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下後約1時間反応させ、メチルメタクリレート50質量部、及びLPO(開始剤)3質量部の混合液を約1時間かけて滴下した。滴下後約3時間反応させ、第2樹脂を作製した。
得られた濃縮トナー100gを、ポリアルファオレフィンSFH−20(エクソンモービル社製)1Lで希釈し、図1に示すような画像形成装置(現像ローラの線速が前記感光体の線速の3.5倍であり、スクイズローラの線速が感光体の線速の2.5倍である)で画像を出力し、出力した画像に150℃の熱を与えて、定着した。その後更に200℃で10秒間加熱した。
実施例1の第1樹脂で包含された銀粒子の作製工程において、ポリエチレンをエポキシ樹脂(エピコート1002、ジャパンエポキシレジン社製、200℃粘度:220mPa・s)に代えた以外は、実施例1と同様にして、第1樹脂を作製した。
得られた第1樹脂を用いて、実施例1と同様にして、液体銀濃縮トナーを作製し、同様に画像形成を行った。
実施例1において、定着後の画像サンプルを60kg/cm2の圧力でキャレンダー処理した以外は、実施例1と同様にして、画像形成を行った。
実施例1において、定着後の画像サンプルを再度同様に現像し、転写(2回重ね)した以外は、実施例1と同様にして、画像形成を行った。
−第1樹脂で包含された銀粒子の作製−
下記組成を約100℃でフラッシャー(ニーダー)中でよく混合し、冷却後粉砕を行い第1樹脂で包含された銀粒子を作製した。
・Ag−110(BET比表面積:0.4m2/g、ISO3953−1977に基づくタップ密度:1.7g/cm3、レーザー回折法による5.0μm、純度99.2%、化学還元粉、昭栄化学社製)・・・38質量部
・ポリエチレン(エバフレックス260、三井デュポン社製、200℃粘度:120mPa・s)・・・31質量部
・脂肪族炭化水素(アイソパーV、エクソンモービル社製)・・・5質量部
得られた濃縮トナー100gを、脂肪族炭化水素(アイソパーH、エクソンモービル社製)1Lで希釈し、図1に示すような画像形成装置(現像ローラの線速が前記感光体の線速の3.0倍であり、スクイズローラの線速が感光体の線速の2.5倍である)で画像を出力し、出力した画像に150℃の熱を与えて、定着した。その後更に200℃で3秒間加熱した。
−第2樹脂の作製−
3Lフラスコ内に脂肪族炭化水素(アイソパーH、エクソンモービル社製)1500質量部を投入し、90℃に保ち、ラウリルメタクリレート500質量部、グリシジルメタクリレート10質量部、アリルメタクリレート5質量部、アクリル酸2質量部、及びLPO(開始剤)3質量部の混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下後約1時間反応させ、メチルメタクリレート50質量部、LPO(開始剤)3質量部の混合液を約1時間かけて滴下した。滴下後約3時間反応させ、第2樹脂を作製した。
得られた濃縮トナー100gを脂肪族炭化水素(アイソパーH、エクソンモービル社製)1Lで希釈し、図1に示す画像形成装置(現像ローラの線速が前記感光体の線速の3.5倍であり、スクイズローラの線速が感光体の線速の2.0倍である)で画像を出力し、出力した画像に150℃の熱を与え、定着後更に200℃で5秒間加熱した。
実施例1において、定着後、200℃で5秒間加熱を行わない以外は、実施例1と同様にして、画像形成を行った。
実施例1の第1樹脂で包含された銀粒子の作製工程において、AgC−AOをAgC−153(BET比表面積:6.8m2/g、ISO3953−1977に基づくタップ密度:1.50g/cm3、レーザー回折法による平均粒径:0.8μm、純度99.0%、化学還元粉、福田金属社製)変えた以外は、実施例1と同様にして、第1樹脂を作製した。得られた第1樹脂を用いて、実施例1と同様にして、液体銀濃縮トナーを作製し、同様に画像形成を行った。
実施例2の第1樹脂で包含された銀粒子の作製工程において、AgC−BOをAgC−74T(BET比表面積:0.3m2/g、ISO3953−1977に基づくタップ密度:5.10g/cm3、レーザー回折法による平均粒径:8.5μm、純度99.0%、化学還元粉、福田金属社製)に変えた以外は、実施例2と同様にして、第1樹脂を作製した。得られた第1樹脂を用いて、実施例2と同様にして、液体銀濃縮トナーを作製し、同様に画像形成を行った。
実施例3の第1樹脂で包含された銀粒子の作製工程において、AgC−74をAg−025(BET比表面積:2.5m2/g、ISO3953−1977に基づくタップ密度:4.5g/cm3、レーザー回折法による平均粒径:0.3μm、純度98.8%、化学還元粉、昭和栄化学社製)に変えた以外は、実施例3と同様にして、第1樹脂を作製した。得られた第1樹脂を用いて、実施例3と同様にして、液体銀濃縮トナーを作製し、同様に画像形成を行った。
実施例4の第1樹脂で包含された銀粒子の作製工程において、Ag−119をAgC−232(BET比表面積:0.6m2/g、ISO3953−1977に基づくタップ密度:2.5g/cm3、レーザー回折法による平均粒径:12.3μm、純度98.3%、化学還元粉、福田金属社製)に変えた以外は、実施例4と同様にして、第1樹脂を作製した。得られた第1樹脂を用いて、実施例4と同様にして、液体銀濃縮トナーを作製し、同様に画像形成を行った。
各トナーを用いて作成したベタ画像について、トルエンを含有させたコットン(充分に乾燥させたもの)で、セルロイド製のマスクで囲んだ3cm×5cm=15cm2の面積部分の付着トナーを取り除いた。トナーが付着したコットンを乾燥させて質量を測定し、15cm2で割り、単位面積当たりの乾燥後トナー付着量を求めた。
各画像プリントについて、画像濃度は金属光沢用カラーテクノシステム(JX888、カラーテクノシステム社製)により測定した。
各画像プリントについて、光沢度(%)は日本光学社製の光沢度計により測定した。
各トナーについて、体積抵抗は、三菱MCP−T400、4深針プローブ(株式会社ダイアインスツルメンツ製)により測定した。
各画像プリントについて、解像力は、解像性評価チャート(タケノコチャート)を用いて評価した。
これに対し、比較例1〜4は、本発明の特定の銀粒子を使用していないため、導電性、及び光沢度が劣るものである。
11 感光体
12 帯電電圧付与部材
13 現像ローラ
14 スクイズローラ
15 クリーニングブレード
16 クリーニングローラ
17 転写電圧付与部材
20 記録媒体
21 銀粒子
22 樹脂
Claims (14)
- 少なくとも金属粒子、樹脂、及び分散媒を含有するトナーにおいて、
前記金属粒子が銀粒子を含有し、該銀粒子は、BET比表面積が0.2〜2.2m2/gであり、ISO3953−1977に基づくタップ密度が1.0〜2.5g/cm3であり、レーザー回折法による平均粒径が0.5〜9.0μmであり、
前記樹脂が少なくとも第1樹脂及び第2樹脂を含有し、前記第1樹脂と前記第2樹脂の質量比率(第1樹脂:第2樹脂)が95:5〜50:50であることを特徴とするトナー。 - 銀粒子の純度が98%以上である請求項1に記載のトナー。
- 銀粒子が化学還元法により得られる請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
- トナー中における銀と樹脂との質量比率(銀:樹脂)が65:35〜95:5である請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
- 第1樹脂がポリオレフィン系樹脂である請求項1から4のいずれかに記載のトナー。
- 第1樹脂が銀を包含し、該第1樹脂に第2樹脂が吸着されている請求項1から5のいずれかに記載のトナー。
- 第2樹脂がアクリル系樹脂である請求項1から6のいずれかに記載のトナー。
- 第2樹脂が、分散媒に親和性の高い部分と、分散媒に親和性の低い部分と、電荷を保持する部分とからなる請求項1から7のいずれかに記載のトナー。
- 分散媒が、脂肪族炭化水素、シリコーンオイル、及びポリアルファオレフィンから選択される少なくとも1種である請求項1から8のいずれかに記載のトナー。
- 感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を現像ローラを用いて請求項1から9のいずれかに記載のトナーで現像して可視像を形成する現像工程と、感光体に付与された過剰のトナー中の分散媒をスクイズローラで除去する分散媒除去工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記現像ローラの線速が前記感光体の線速の1.2〜6倍であり、かつ前記スクイズローラの線速が前記感光体の線速の1.2〜4倍であることを特徴とする画像形成方法。 - 転写後のトナーの乾燥付着量が0.2〜1.5mg/cm 2 である請求項10に記載の画像形成方法。
- 感光体から可視像を記録媒体に直接転写する請求項10から11のいずれかに記載の画像形成方法。
- 記録媒体上の転写像を10〜80kg/cm 2 の圧力で処理する請求項10から12のいずれかに記載の画像形成方法。
- 記録媒体上の転写像を定着後、更に加熱処理する請求項10から13のいずれかに記載の画像形成方法。
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