JP5068682B2 - ネガ型平版印刷版原版 - Google Patents
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Description
特に、親水性支持体上に、感光スピードに優れる光重合開始剤、付加重合可能なエチレン性不飽和化合物、及びアルカリ現像液に可溶なバインダーポリマーを含有する光重合型の画像形成層、並びに必要に応じて酸素遮断性の保護層を設けた平版印刷版原版(例えば、特許文献1参照)は、生産性に優れ、更に現像処理が簡便であり、解像度や着肉性もよいといった利点から、望ましい印刷性能を有するものである。
この問題に対し、画像形成層上に水溶性ポリマーを含有する保護層を設ける方法、或いは、無機質の層状化合物と水溶性ポリマーを含有する保護層を設ける方法(例えば、特許文献3参照。)が知られている。これらの保護層の存在により、重合阻害が防止され、画像形成層の硬化反応が促進され、画像部の強度を向上させることが可能となる。
しかしながら、従来の中間層を用いた場合には、長時間、特には、高温高湿条件下で長時間保存した場合の現像除去性が低下したり、中間層の上層に画像形成層を塗布する際に画像形成層の溶媒により中間層が溶解或いは膨潤することにより耐刷性や汚れ性に悪影響が生じる場合があり、近年の高耐刷化と低汚れ性の要求レベル向上に対しては不十分であった。
しかしながら、この文献には、酸基としてカルボン酸を有し、その一部がカルボン酸塩を形成し、これ以外の構造単位が共重合した高分子化合物を中間層に用いる例については開示されていない。
本発明の目的は、非画像部の汚れ防止性とその持続性、及び、画像部と支持体との密着性に起因する耐刷性のいずれにも優れたネガ型平版印刷版原版を提供することにある。
本発明のネガ型平版印刷版原版は、支持体上に、下記一般式(1)で表される構造単位、下記一般式(2)で表される構造単位、及び下記一般式(3)で表される構造単位を含む共重合体を少なくとも一種含有する中間層と、重合型の画像形成層と、をこの順で有することを特徴とする。
また、一般式(4)におけるZが、カルボン酸エステル基を有する置換基であることが好ましい。
また、一般式(1)で表される構造単位の含有量、及び、一般式(2)で表される構造単位の含有量の合計と、一般式(3)で表される構造単位の含有量と、のモル比が0.99:0.01〜0.1:0.9であることが好ましい。
また、重合型の画像形成層が、重合開始剤、重合性化合物、及びバインダーポリマーを含有することも好ましく、更に赤外線吸収剤を含有することがより好ましい。
また、重合型の画像形成層上に、ポリビニルアルコール、有機樹脂からなる微粒子、及び雲母を含有する保護層を有することも好ましい態様である。
以下、本発明の平版印刷版原版を構成する支持体、中間層、及び画像形成層について説明する。
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状物であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルム及びアルミニウム板が挙げられる。中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
次に、本発明の平版印刷版原版における中間層について詳しく説明する。
本発明における中間層は、下記一般式(1)で表される構造単位、下記一般式(2)で表される構造単位、及び、下記一般式(3)で表される構造単位を含む共重合体を含有する。つまり、カルボキシル基の一部が塩基によって中和された共重合体を少なくとも1種含有することを特徴としている。
以下、本発明における中間層に用いられる共重合体を、適宜、「特定共重合体」と称し、説明する。
R1〜R4は、それぞれ、水素原子、炭素数1〜30の置換基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、アセトキシ、プロピオニルオキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、シアノ)又はハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)を表す。より好ましくは、水素原子、メチル、エチル、フッ素原子、塩素原子であり、特に好ましくは、水素原子、メチルである。
L1、及びL2は、それぞれ、単結合を表す。
Mとして更に好ましくは、アルカリ金属イオン、特に好ましくは、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、アンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオンを挙げることができる。
Yの好ましい構造について、下記一般式(5)で表される構造単位と合わせて説明する。
例えば、(p+1)価の連結基が2価の連結基であれば、好ましくは、−CR2−、−O−、−(CO)−、−S−、−(SO)−、−(SO2)−、−NR−、ビニレン、フェニレン、シクロアルキレン、ナフチレン、ビフェニレン、(ここで、Rは水素原子又は置換基を表す。)の構造単位が、単独で、又は、組合わされて構成されるものを挙げることができる。
また、(p+1)価の連結基が3価の連結基であれば、その例としては、ベンゼン環から3つの水素原子を除いてなる基や、−C6H4−CH2−N−(CH2−)2、−N−(CH2−)2、(p+1)価の連結基が4価の連結基であれば、その例としては、ベンゼン環から3つの水素原子を除いてなる基が挙げられる。
なお、下記具体例において最も左側の結合手が主鎖に結合し、最も右側の結合手がエチレン性不飽和結合に結合する。
また、下記具体例において、2価の脂肪族基又は芳香族基の場合はq及びrが1であり、3価の脂肪族基又は芳香族基の場合はr及びsが2である。更に、下記具体例においては、右側の結合手が複数となる場合があるが、この場合、その全ての結合手がエチレン性不飽和結合に結合していることになる。
L1:
−CO−NH−2価若しくは3価の脂肪族基−(O−CO−)r、又は、−CO−NH−2価若しくは3価の脂肪族基−
L2:
−CO−2価若しくは3価の脂肪族基−(O−CO−)r、又は、−CO−2価、3価、若しくは4価の脂肪族基−
L3:
−CO−O−2価若しくは3価の脂肪族基−(O−CO−)r、又は、−CO−O−2価若しくは3価の脂肪族基−
L4:
−2価若しくは3価の脂肪族基−(O−CO−)r、又は、−2価若しくは3価の脂肪族基−
L5:
−CO−NH−2価若しくは3価の芳香族基−(O−CO−)r、又は、−CO−NH−2価若しくは3価の芳香族基−
L6:
−CO−2価若しくは3価の芳香族基−(O−CO−)r、又は、−CO−2価若しくは3価の芳香族基−
L7:
−2価若しくは3価の芳香族基−(O−CO−)r、又は、−2価若しくは3価の芳香族基−
−CO−2価若しくは3価の脂肪族基−[CO−O−2価若しくは3価の脂肪族基−(O−CO−)s]r、又は、−CO−2価若しくは3価の脂肪族基−[CO−O−2価若しくは3価の脂肪族基−]r
L9:
−CO−2価若しくは3価の脂肪族基−[O−CO−2価若しくは3価の脂肪族基−(O−CO−)s]r、又は、−CO−2価若しくは3価の脂肪族基−[O−CO−2価若しくは3価の脂肪族基−]r
L10:
−CO−2価若しくは3価の芳香族基−[CO−O−2価若しくは3価の脂肪族基−(O−CO−)s]r、又は、−CO−2価若しくは3価の芳香族基−[CO−O−2価若しくは3価の脂肪族基−]r
L11:
−CO−2価若しくは3価の芳香族基−[O−CO−2価若しくは3価の脂肪族基−(O−CO−)s]r、又は、−CO−2価若しくは3価の芳香族基−[O−CO−2価若しくは3価の脂肪族基−]r
L12:
−CO−2価若しくは3価の脂肪族基−[CO−O−2価若しくは3価の芳香族基−(O−CO−)s]r、又は、−CO−2価若しくは3価の脂肪族基−[CO−O−2価若しくは3価の芳香族基−]r
−CO−2価若しくは3価の脂肪族基−[O−CO−2価若しくは3価の芳香族基−(O−CO−)s]r、又は、−CO−2価若しくは3価の脂肪族基−[O−CO−2価若しくは3価の芳香族基−]r
L14:
−CO−2価若しくは3価の芳香族基−[CO−O−2価若しくは3価の芳香族基−(O−CO−)s]r、又は、−CO−2価若しくは3価の芳香族基−[CO−O−2価若しくは3価の芳香族基−]r
L15:
−CO−2価若しくは3価の芳香族基−[O−CO−2価若しくは3価の芳香族基−(O−CO−)s]r、又は、−CO−2価若しくは3価の芳香族基−[O−CO−2価若しくは3価の芳香族基−]r
L16:
−CO−O−2価若しくは3価の芳香族基−[O−CO−NH−2価の脂肪族基−(O−CO−)s]r、又は、−CO−O−2価若しくは3価の芳香族基−[O−CO−NH−2価の脂肪族基−]r
L17:
−CO−O−2価若しくは3価の脂肪族基−[O−CO−NH−2価の脂肪族基−(O−CO−)s]r、又は、−CO−O−2価若しくは3価の脂肪族基−[O−CO−NH−2価の脂肪族基−]r
−2価若しくは3価の芳香族基−(CO−O−)r
L19:
−2価若しくは3価の脂肪族基−(CO−O−)r
L20:
−2価若しくは3価の芳香族基−[CO−O−2価若しくは3価の芳香族基−(O−CO−)s]r
L21:
−2価若しくは3価の芳香族基−[CO−O−2価若しくは3価の脂肪族基−(O−CO−)s]r
L22:
−2価若しくは3価の脂肪族基−[CO−O−2価若しくは3価の芳香族基−(O−CO−)s]r
L23:
−2価若しくは3価の脂肪族基−[CO−O−2価若しくは3価の脂肪族基−(O−CO−)s]r
また、2価若しくは3価の脂肪族基は、環状構造よりも鎖状構造の方が好ましく、更に分岐を有する鎖状構造よりも直鎖状構造の方が好ましい。
2価若しくは3価の脂肪族基の炭素数は、1〜28であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜12であることが更に好ましく、1〜10であることが更にまた好ましく、1〜8であることが最も好ましい。
2価若しくは3価の脂肪族基に導入しうる置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、及びジアリールアミノ基等が挙げられる。
2価若しくは3価の芳香族基に導入しうる置換基の例としては、上記2価若しくは3価の脂肪族基に導入しうる置換基の例に加えて、アルキル基が挙げられる。
Yで表される基が高分子構造を有する場合、この高分子構造を構成する繰り返し単位の構造としては、公知のいかなる構造を有していても良いが、好ましくは、ポリアルキレン構造(例えば、ポリエチレン構造、ポリプロピレン構造、ポリアクリル酸構造、ポリメタクリル酸構造、ポリスチレン構造、ポリビニルアルコール構造、ポリ酢酸ビニル構造、ポリアクリルアミド構造など)、ポリエステル構造、ポリエーテル構造、ポリアミド構造、ポリイミド構造などであり、更に好ましくは、ポリアルキレン構造(例えば、ポリエチレン構造、ポリプロピレン構造、ポリアクリル酸構造、ポリメタクリル酸構造、ポリスチレン構造、ポリビニルアルコール構造、ポリ酢酸ビニル構造など)、ポリエステル構造、ポリエーテル構造であり、特に好ましくは、ポリアルキレン構造(例えば、ポリアクリル酸構造、ポリメタクリル酸構造、ポリスチレン構造など)である。
繰り返し単位の重合度としては、好ましくは、2〜300であり、更に好ましくは4〜200であり、特に好ましくは6〜100である。
また、好ましいエチレン性不飽和基の例としては、上述の一般式(5)で表される構造単位中のエチレン性不飽和基と同様のものが挙げられ、好ましい例も同様である。
中でも、炭素数2〜30、好ましくは炭素数2〜20、更に好ましくは炭素数2〜10のカルボン酸エステル基、又はカルボン酸アミド基を有する置換基が好ましい。
Zの好ましい例としては、カルボン酸アルキルエステル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プルピルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、2−ヒドロキシエトキシカルボニル、2−メトキシエトキシカルボニルなど)、カルボン酸アリールエステル基(例えば、フェノキシカルボニル基、4−メトキシフェノキシカルボニル基、ナフタレンオキシカルボニル基)など、カルボン酸アルキルアミド基(例えば、N−メチルカルボン酸アミド基、N−エチルカルボン酸アミド基、N−プロピルカルボン酸アミド基、N−イソプロピルカルボン酸アミド基、N−ベンジルカルボン酸アミド基、N−ブチルカルボン酸アミド基、N−へキシルカルボン酸アミド基、N−オクチルカルボン酸アミド基、N−シクロヘキシルカルボン酸アミド基、2−エチルへキシルカルボン酸アミド基、N−(2−ヒドロキシ)メチルカルボン酸アミド、N−(2−ヒドロキシ)エチルカルボン酸アミド)カルボン酸アリールアミド基(例えば、N−フェニルカルボン酸アミド、N−(4−メトキシフェニル)カルボン酸アミド基など)などを挙げることができる。
具体的には、アニオン重合、ラジカル重合、カチオン重合、高分子反応法、などの公知の方法から選択される任意の合成法が単独又は組み合わせて採用される。好ましくは、ラジカル重合や、高分子反応法である。
なお、特定共重合体中に含まれる未反応モノマー量は任意であるが、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることが更に好ましく、5質量%以下であることが特に好ましい。
なお、本発明の化合物の合成法はこれらに限定されるものではない。
反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテル20.5質量部を取り、80℃に昇温して窒素気流下で30分間攪拌した。別途、メタクリル酸メチル17.4質量部、メタクリル酸15.0質量部、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル1.8質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル82.0質量部の混合溶液を調製し、反応溶液に2時間を要して滴下した。80℃で4時間反応させた後、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル3.0質量部を加え、90℃に昇温して更に2時間攪拌した。反応溶液にグリシジルメタクリレート9.9質量部、パラメトキシフェノール0.088質量部、テトラエチルアンモニウムブロミド0.884質量部を加え90℃に昇温して9時間攪拌した。
反応溶液を20℃以下に冷却した後、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液26.1質量部を加えて攪拌し、特定共重合体(a−1)の溶液(固形分濃度24.3%)を得た。得られた特定共重合体(a−1)のGPC法による重量平均分子量は23400であった。
反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテル34.4質量部を取り、70℃に昇温して窒素気流下で30分間攪拌した。別途、プロピレングリコールモノメチルエーテル172.0質量部、メタクリル酸メチル17.4質量部、アクリル酸9.0質量部、メタクリル酸アリル8.8質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロ二トリル)2.6質量部の混合溶液を調製し、反応溶液に2時間を要して滴下した。70℃で2時間30分反応させた。
反応溶液を20℃以下に冷却した後、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液15.6質量部を加えて攪拌し、特定共重合体(a−2)の溶液(固形分濃度17.7%)を得た。得られた特定共重合体(a−2)のGPC法による重量平均分子量は34400であった。
本発明における特定共重合体の平均分子量は以下のようにして測定することができる。
即ち、標準試料としてPEG(東ソー製)を用い、以下の分析条件により平均分子量を測定した。
カラム :Shodex OHpak SB−806M HQ 8×300mm
Shodex OHpak SB−806M HQ 8×300mm
Shodex OHpak SB−802.5 HQ 8×300mm
移動層 :50mMリン酸水素二ナトリウム溶液(アセトニトリル/水=1/9)
流量 :0.8ml/min.
検出器 :RI
注入量 :100μl
試料濃度:0.1質量%
本発明における中間層は、支持体上に種々の方法により塗布することで設けられる。
具体的には、中間層は次のような方法で設けることができる。
メタノール、エタノール、メチルエチルケトン、アセトニトリル、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどの有機溶剤、それらの混合溶剤、或いは、これら有機溶剤と水との混合溶剤に、本発明における特定共重合体を溶解させた溶液を、支持体上に塗布、乾燥する方法と、メタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤、それらの混合溶剤、或いは、これら有機溶剤と水との混合溶剤に、本発明における特定共重合体を溶解させた溶液に、支持体を浸漬して特定共重合体を吸着させ、しかる後、必要により水などによって洗浄、乾燥する方法である。
前者の方法では、特定共重合体の、好ましくは0.005質量%〜20質量%、更に好ましくは0.01質量%〜10質量%、特に好ましくは0.05質量%〜5質量%の濃度の溶液を、種々の方法で塗布する方法が用いられる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布などいずれの方法を用いてもよい。
また、後者の方法では、特定共重合体の溶液中の濃度は好ましくは0.01質量%〜20質量%であり、より好ましくは0.05質量%〜5質量%である。また、浸漬温度は好ましくは20℃〜90℃、より好ましくは25℃〜50℃であり、浸漬時間は好ましくは0.1秒〜20分、より好ましくは2秒〜1分である。
本発明の平版印刷版原版は、前述の中間層上に、重合型の画像形成層を有する。
この画像形成層としては、画像部が重合反応により形成される態様のものであれば、既知の任意のものであってよいが、中間層の効果が十分に得られるといった点から、赤外線レーザで記録可能な画像形成層であることが好ましい。
特に、本発明における画像形成層としては、後述の(B)重合開始剤、(C)重合性化合物、及び(D)バインダーポリマーを含有する重合硬化層(以下、ネガ型画像形成層と称する場合がある。)であることが好ましく、特に、更に(A)赤外線吸収剤を含有することが好ましい。
また、画像形成層は単層構造であっても、複数の層からなる積層構造を有したものであってもよい。
以下に、画像形成層の種類の異なる各種の平版印刷版原版について説明する。
本発明の平版印刷版原版を、760nm〜1200nmの赤外線を発するレーザーを光源により画像形成する場合には、通常、(A)赤外線吸収剤を用いることが必須である。
赤外線吸収剤は、吸収した赤外線を熱に変換する機能と赤外線により励起して後述する(B)重合開始剤(ラジカル発生剤)に電子移動/エネルギー移動する機能を有する。
本発明において使用される赤外線吸収剤は、波長760nm〜1200nmに吸収極大を有する染料又は顔料である。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、本発明の赤外線吸収色素の好ましい他の例としては、以下に例示するような特開2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
また、特に好ましい他の例として更に、前記した特開2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
本発明に用いられる(B)重合開始剤としては、光、熱或いはその両方のエネルギーによりラジカルを発生し、後述する(C)重合性化合物の重合を開始、促進する化合物を示す。
本発明に使用できる重合開始剤(ラジカル発生剤)としては、公知の熱重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物、光重合開始剤などを使用することができる。これらの重合開始剤は、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
また、これらの重合開始剤は他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。
本発明において、(C)重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
上記一般式(x)中、R及びR’は、それぞれ、H又はCH3を示す。
また、本発明における重合性化合物は、平版印刷版原版の支持体や後述の保護層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
その他、重合性化合物は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量に応じて任意に選択でき、更に場合によっては下記の下塗り層等の層構成・塗布方法にも用いることができる。
本発明における画像形成層は、更に(D)バインダーポリマーを含有する。
本発明において用いられるバインダーポリマーとしては、画像形成層の皮膜形成剤として機能するポリマーであり、線状有機高分子重合体であることが好ましい。このような「線状有機高分子重合体としては、従来公知の如何なるものを使用しても構わない。
バインダーポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の主鎖中又は側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよいし、高分子反応によって導入してもよい。
上記の中でも、側鎖に架橋性基を有する(メタ)アクリル酸共重合体及びポリウレタンがより好ましい。
現像処理がアルカリ現像液を用いて行われる態様においては、バインダーポリマーはアルカリ現像液に溶解する必要があるため、アルカリ水に可溶性又は膨潤性である有機高分子重合体が好ましく使用される。特に、pHが10以上のアルカリ現像液を用いる場合には、アルカリ可溶性のバインダーポリマーが好適に用いられる。
更に、アルカリ可溶性バインダーポリマーは、画像部の皮膜強度を向上するために、上記のように架橋性をもたせることができる。バインダーポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の主鎖中又は側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよいし、高分子反応によって導入してもよい。
また、アルカリ可溶性のバインダーポリマーは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
以下、一般式(i)で表される繰り返し単位を有するバインダーポリマーを、適宜、特定バインダーポリマーと称し、詳細に説明する。
一般式(i)におけるR2で表される連結基は、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子からなる群より選択される2以上の原子を含み構成され、その総原子数が2〜82であり、好ましくは2〜50であり、より好ましくは2〜30である。ここで示す総原子数は、当該連結基が置換基を有する場合には、その置換基を含めた原子数を指す。より具体的には、R2で表される連結基の主骨格を構成する原子数が、1〜30であることが好ましく、3〜25であることがより好ましく、4〜20であることが更に好ましく、5〜10であることが最も好ましい。なお、本発明における「連結基の主骨格」とは、一般式(i)におけるAと末端COOHとを連結するためのみに使用される原子又は原子団を指し、特に、連結経路が複数ある場合には、使用される原子数が最も少ない経路を構成する原子又は原子団を指す。したがって、連結基内に環構造を有する場合、その連結部位(例えば、o−、m−、p−など)により算入されるべき原子数が異なる。
鎖状構造の連結基としては、エチレン、プロピレン等が挙げられる。また、これらのアルキレンがエステル結合を介して連結されている構造もまた好ましいものとして例示することができる。
R2で表される連結基に導入可能な置換基としては、水素を除く1価の非金属原子団を挙げることができ、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基及びその共役塩基基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその共役塩基基、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、N−アシルスルファモイル基及びその共役塩基基、N−アルキルスルホニルスルファモイル基(−SO2NHSO2(alkyl))及びその共役塩基基、N−アリールスルホニルスルファモイル基(−SO2NHSO2(aryl))及びその共役塩基基、N−アルキルスルホニルカルバモイル基(−CONHSO2(alkyl))及びその共役塩基基、N−アリールスルホニルカルバモイル基(−CONHSO2(aryl))及びその共役塩基基、アルコキシシリル基(−Si(Oalkyl)3)、アリーロキシシリル基(−Si(Oaryl)3)、ヒドロキシシリル基(−Si(OH)3)及びその共役塩基基、ホスホノ基(−PO3H2)及びその共役塩基基、ジアルキルホスホノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−PO3H(alkyl))及びその共役塩基基、モノアリールホスホノ基(−PO3H(aryl))及びその共役塩基基、ホスホノオキシ基(−OPO3H2)及びその共役塩基基、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPO3H(alkyl))及びその共役塩基基、モノアリールホスホノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役塩基基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルボリル基(−B(alkyl)2)、ジアリールボリル基(−B(aryl)2)、アルキルアリールボリル基(−B(alkyl)(aryl))、ジヒドロキシボリル基(−B(OH)2)及びその共役塩基基、アルキルヒドロキシボリル基(−B(alkyl)(OH))及びその共役塩基基、アリールヒドロキシボリル基(−B(aryl)(OH))及びその共役塩基基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
アルケニル基の具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基等の炭素数1〜10までの直鎖状、分枝状、又は環状のアルケニル基が挙げられる。
一般式(i)におけるAは、合成が容易であることから、酸素原子又は−NH−であることが好ましい。
以下に、一般式(i)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、このようなアルカリ可溶性のバインダーポリマーの酸価(meq/g)としては、2.00〜3.60の範囲であることが好ましい。
本発明の平版印刷版原版の画像形成層、又は画像形成層用の組成物中には、更にその用途、製造方法等に適したその他の成分を適宜添加することができる。以下、好ましい添加剤について説明する。
本発明における画像形成層にある種の添加剤を用いることで、感度を更に向上させることができる。このような化合物を以後、共増感剤という。これらの作用機構は、明確ではないが、多くは次のような化学プロセスに基づくものと考えられる。即ち、熱重合開始剤により開始される光反応、と、それに引き続く付加重合反応の過程で生じる様々な中間活性種(ラジカル、カチオン)と、共増感剤が反応し、新たな活性ラジカルを生成するものと推定される。これらは、大きくは、(i)還元されて活性ラジカルを生成し得るもの、(ii)酸化されて活性ラジカルを生成し得るもの、(iii)活性の低いラジカルと反応し、より活性の高いラジカルに変換するか、若しくは連鎖移動剤として作用するもの、に分類できるが、個々の化合物がこれらのどれに属するかに関しては、通説がない場合も多い。
炭素−ハロゲン結合結合を有する化合物:還元的に炭素−ハロゲン結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、トリハロメチル−s−トリアジン類や、トリハロメチルオキサジアゾール類等が好適に使用できる。
窒素−窒素結合を有する化合物:還元的に窒素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的にはヘキサアリールビイミダゾール類等が好適に使用される。
酸素−酸素結合を有する化合物:還元的に酸素−酸素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、有機過酸化物類等が好適に使用される。
オニウム化合物:還元的に炭素−ヘテロ結合や、酸素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、N−アルコキシピリジニウム(アジニウム)塩類等が好適に使用される。
フエロセン、鉄アレーン錯体類:還元的に活性ラジカルを生成し得る。
アルキルアート錯体:酸化的に炭素−ヘテロ結合が解裂し、活性ラジカルを生成すると考えられる。具体的には、例えば、トリアリールアルキルボレート類が好適に使用される。
アルキルアミン化合物:酸化により窒素に隣接した炭素上のC−X結合が解裂し、活性ラジカルを生成するものと考えられる。Xとしては、水素原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、ベンジル基等が好適である。具体的には、例えば、エタノールアミン類、N−フェニルグリシン類、、N−フェニルイミノジ酢酸及びその誘導体、N−トリメチルシリルメチルアニリン類等が挙げられる。
含硫黄、含錫化合物:上述のアミン類の窒素原子を硫黄原子、錫原子に置き換えたものが、同様の作用により活性ラジカルを生成し得る。また、S−S結合を有する化合物もS−S解裂による増感が知られる。
スルフィン酸塩類:還元的に活性ラジカルを生成し得る。具体的は、アリールスルフィン駿ナトリウム等を挙げることができる。
中でも、下記一般式(α)で表されるN−アリールポリカルボン酸、又は、一般式(β)で表される化合物が好ましい。
ここで、アリール基に導入可能な置換基としては、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のチオアルキル基及びハロゲン原子が挙げられる。このアリール基は、1つから3つの、同一又は異なる置換基を有するものが好ましい。mは好ましくは1であり、また、Arは好ましくはフェニル基を表す。
nは1であることが好ましく、R1は水素原子が好ましい。最も好ましいポリカルボン酸はアニリノ二酢酸である。
これらのうち、最も好ましいのは、前記一般式(α)又は一般式(β)で表される化合物である。
これらの共増感剤は、単独で又は2種以上併用して用いることができる。
使用量は重合性化合物100質量部に対し、0.05質量部〜100質量部、好ましくは1質量部〜80質量部、更に好ましくは3質量部〜50質量部の範囲が適当である。
また、本発明における画像形成層用の組成物には、その製造中又は保存中において重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t―ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t―ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量は、全組成物の質量に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。
また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、支持体への塗布後の乾燥の過程でその画像形成層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
更に、本発明における画像形成層には、着色を目的として染料若しくは顔料を添加してもよい。これにより、印刷版としての、製版後の視認性や、画像濃度測定機適性といったいわゆる検版性を向上させることができる。着色剤としては、多くの染料は光重合系画像形成層の感度の低下を生じるので、着色剤としては、特に顔料の使用が好ましい。具体例としては、例えば、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料などの染料がある。染料及び顔料の添加量は全組成物の約0.5質量%〜約5質量%が好ましい。
更に、本発明における画像形成層には、硬化皮膜の物性を改良するための無機充填剤や、その他、可塑剤、画像形成層表面のインク着肉性を向上させうる感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
その他、画像形成層と支持体との密着性向上や、未露光画像形成層の現像除去性を高めるための添加剤を用いることも可能である。例えば、ジアゾニウム構造を有する化合物や、ホスホン化合物、等、基板と比較的強い相互作用を有する化合物の添加により、密着性が向上し、耐刷性を高めることが可能であり、一方、ポリアクリル酸や、ポリスルホン酸のような親水性ポリマーの添加により、非画像部の現像性が向上し、汚れ性の向上が可能となる。
本発明における画像形成層は、良好な機上現像性を得るといった観点から、マイクロカプセル及び/又はミクロゲルを含有する態様をとることが好ましい。すなわち、前述の画像形成層の構成成分をマイクロカプセルやミクロゲルに内包させる態様である。
上記界面重合を利用する方法としては、上述した公知のマイクロカプセル製造方法を応用することができる。
ここで使用する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N―ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ―ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。
これらの溶媒は、単独或いは混合して使用することができる。そして、塗布溶液中の固形分の濃度は、2質量%〜50質量%が適当である。
本発明の平版印刷版原版における画像形成層の塗布量は、耐刷性、露光感度、及び現像性の観点から、一般的には、乾燥後の質量で約0.l10g/m2〜約10g/m2の範囲が適当である。より好ましくは0.510g/m2〜5g/m2である。
本発明の平版印刷版原版には、画像形成層上に保護層が設けられることが好ましい。以下、本発明における保護層について説明する。
本発明における保護層は、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、画像形成層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できることが望ましい。このような保護層に関する工夫は従来、種々なされており、例えば、米国特許第3,458,311号明細書及び特開昭55−49729号公報に詳しく記載されている。このような保護層を本発明の平版印刷版原版にも適用することができる。
本発明においては、雲母を含有する保護層が好ましく、水溶性高分子化合物としてポリビニルアルコール、フィラーとして有機樹脂からなる微粒子(有機フィラー)、及び無機質の層状化合物として雲母を含有する保護層がより好ましい。
保護層に主成分として用いられる材料としては、比較的、結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いることが好ましく、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸などのような水溶性ポリマーが当業界でよく知られている。これらの中で、ポリビニルアルコールを主成分として用いることが、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性に最も良好な結果を与える。保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要とされる酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル、及びアセタールで置換されていてもよい。また、同様に一部が他の繰り返し単位を有する共重合体であってもよい。
具体的には、(株)クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げられる。上記の共重合体としては、88%〜100%加水分解されたポリビニルアセテートクロロアセテート又はプロピオネート、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール及びそれらの共重合体が挙げられる。その他有用な水溶性高分子化合物としてはポリビニルピロリドン、ゼラチン及びアラビアゴム等が挙げられ、これらは単独又は併用して用いてもよい。
画像形成層に用いうる市販のポリビニルアルコールとしては、具体的には、株式会社クラレ製の、PVA−102、PVA−103、PVA−104、PVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−120、PVA−124、PVA−117H、PVA−135H、PVA−HC、PVA−617、PVA−624、PVA−706、PVA−613、PVA−CS、PVA−CST、日本合成化学工業株式会社製の、ゴーセノールNL−05、NM−11、NM−14、AL−06、P−610、C−500、A−300、AH−17、日本酢ビ・ポバール株式会社製の、JF−04、JF−05、JF−10、JF−17、JF−17L、JM−05、JM−10、JM−17、JM−17L、JT−05、JT−13、JT−15等が挙げられる。
具体的な酸変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、株式会社クラレ製の、KL−118、KM−618、KM−118、SK−5102、MP−102、R−2105、日本合成化学工業株式会社製の、ゴーセナールCKS−50、T−HS−1、T−215、T−350、T−330、T−330H、日本酢ビ・ポバール株式会社製の、AF−17、AT−17等が挙げられる。
上記水溶性高分子化合物は、少なくとも1種を用いればよく、複数種を併用してもよい。複数種の水溶性高分子化合物を併用した場合でも、その合計の量が上記の質量範囲であることが好ましい。
本発明に係る保護層には、前記高分子化合物に加え、フィラーを含有することが好ましい。フィラーを含有することによって、画像形成層表面の耐キズ性の向上が図れ、更には、平版印刷版原版を、合紙を介することなく積層した場合に生じる隣接する平版印刷版原版との接着が抑制され、平版印刷版原版同士の剥離性を優れたものとしうるため、ハンドリング性が向上するという利点をも有することになる。かかるフィラーとしては、有機フィラー、無機フィラー、無機−有機複合フィラー等のいずれでもよく、またこれらのうち、2種以上を混合して用いてもよい。好ましくは無機フィラーと有機フィラーの併用である。
フィラーの形状は、目的に応じて適宜選択されるが、例えば、繊維状、針状、板状、球状、粒状(なお、ここで「粒状」とは「不定形状の粒子」を指し、以下、本明細書において同じ意味で用いる。)、テトラポット状及びバルーン状等が挙げられる。これらのうち、好ましいものは板状、球状、粒状である。
保護層に添加する有機フィラーに好適な市販のフィラーとしては、具体的には、三井化学製の、ケミパールW100、W200、W300、W308、W310、W400、W401、W4005、W410、W500、WF640、W700、W800、W900、W950、WP100、綜研化学製の、MX−150、MX−180、MX−300、MX−500、MX−1000、MX−1500H、MX−2000、MR−2HG、MR−7HG、MR−10HG、MR−3GSN、MR−5GSN、MR−2G、MR−7G、MR−10G、MR−20G、MR−5C、MR−7GC、SX−130H、SX−350H、SX−500H、SGP−50C、SGP−70C、積水化成品工業製の、MBX−5、MBX−8、MBX−12、MBX−15、MBX−20、MB20X−5、MB30X−5、MB30X−8、MB30X−20、SBX−6、SBX−8、SBX−12、SBX−17等が挙げられる。
有機フィラーの含有量は、保護層の全固形分量に対し、好ましくは0.1質量%〜20質量%、より好ましくは1質量%〜15質量%、更に好ましくは、2質量%〜10質量%である。
好ましくは、雲母化合物、硝子、アルミナ、チタン酸カリウム、チタン酸ストロンチウム、硼酸アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。
これらのうち、保護層に特に好適なものとして、雲母化合物が挙げられる。この雲母に代表される無機質の層状化合物について以下に詳述する。
本発明の保護層は、無機質の層状化合物を含有することが好ましい。無機質の層状化合物を併用することにより、酸素遮断性は更に高まり、また、保護層の膜強度が一層向上して耐キズ性が向上する他、保護層にマット性を付与することができる。
その結果、保護層は、上記の酸素等の遮断性に加え、変形などによる劣化やキズの発生を抑制することが可能となる。更に、保護層にマット性を付与することによって、平版印刷版原版を積層した場合に、平版印刷版原版の保護層表面と隣接する平版印刷版原版の支持体裏面との接着を抑制することが可能となる。
無機質の層状化合物以外の無機フィラーの保護層に含有される量も同様に、保護層の全固形分量に対し、5質量%〜50質量%の範囲であることが好ましく、10質量%〜40質量%の範囲が特に好ましい。
また、無機−有機複合フィラーを用いることもできる。無機−有機複合フィラーとしては、例えば、上記有機フィラーと無機フィラーの複合化物が挙げられ、複合化に用いられる無機フィラーとしては、金属粉体、金属化合物(例えば、酸化物、窒化物、硫化物、炭化物及びこれらの複合化物等)の粒子が挙げられ、好ましくは酸化物及び硫化物等であり、より好ましくはガラス、SiO2、ZnO、Fe2O3、ZrO2、SnO2、ZnS、CuS等の粒子が挙げられる。無機−有機複合フィラーの保護層への含有量としては、保護層の全固形分量に対し、5質量%〜50質量%の範囲であることが好ましく、10質量%〜40質量%の範囲がより好ましい。
本発明において、保護層は単層に限らず、互いに異なる組成を有する複数の保護層を重層構造で設けることも可能である。重層構造の保護層の好ましい態様としては、画像形成層に近接して無機質の層状化合物を含有する保護層を下部保護層として設け、その表面にフィラーを含有する保護層を上部保護層として、これらを順次積層する態様が挙げられる。
このような積層構造の保護層を設けることによって、最上層の保護層において、フィラーに起因する耐傷性、耐接着性の利点を十分に生かしながら、下部保護層の優れた酸素遮断性と相俟って、傷の発生及び所望されない酸素透過のいずれに起因する画像欠損も効果的に防止することができる。
本発明における保護層は、25℃−1気圧における酸素透過度が、0.5ml/m2・
day以上100ml/m2・day以下であることが好ましく、このような酸素透過度
を達成するように、塗布量を調整することが好ましい。
保護層の塗布方法は、特に制限されるものではなく、上記成分を含む保護層用塗布液を、画像形成層上に塗布することで実施される。例えば、米国特許第3,458,311号又は特開昭55−49729号に記載されている方法も適用することができる。
保護層に用いる雲母化合物等の無機質の層状化合物の分散方法の例について述べる。まず、水100質量部に先に雲母化合物の好ましいものとして挙げた膨潤性雲母化合物を5質量部〜10質量部添加し、充分水になじませ、膨潤させた後、分散機にかけて分散する。ここで用いる分散機としては、機械的に直接力を加えて分散する各種ミル、大きな剪断力を有する高速攪拌型分散機、高強度の超音波エネルギーを与える分散機等が挙げられる。具体的には、ボールミル、サンドグラインダーミル、ビスコミル、コロイドミル、ホモジナイザー、ティゾルバー、ポリトロン、ホモミキサー、ホモブレンダー、ケディミル、ジェットアジター、毛細管式乳化装置、液体サイレン、電磁歪式超音波発生機、ポールマン笛を有する乳化装置等が挙げられる。一般には、上記の方法で分散した雲母化合物の2質量%〜15質量%の分散物は高粘度或いはゲル状であり、保存安定性は極めて良好である。この分散物を用いて保護層用塗布液を調製する際には、水で希釈し、充分攪拌した後、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子化合物(又は、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子化合物を溶解した水溶液)と配合して調製するのが好ましい。
重層構造の保護層を設ける場合の塗布方法には特に制限はなく、同時重層塗布を行う方法、逐次塗布して重層する方法のいずれも適用することができる。
重層塗布を行う場合の、無機質の層状化合物を含有する下部保護層とフィラーを含有する上部保護層との塗布量は、下部保護層が0.1g/m2〜1.5g/m2が好ましく、0.2g/m2〜1.0g/m2がより好ましく、上部保護層が0.1g/m2〜4.0g/m2が好ましく、0.2g/m2〜3.0g/m2がより好ましい。両者のバランスとしては、1:1〜1:5であることが好ましい。
以下、本発明の平版印刷版原版の製版方法について説明する。
本発明の平版印刷版原版は、該平版印刷版原版を複数枚積層してなる積層体を、プレートセッター内にセットし、該平版印刷版原版を1枚ずつ自動搬送した後に、露光処理した後、現像処理を行なうことで製版される。
本発明の平版印刷版原版が前述のように雲母などを含む保護層を有する態様の場合には、原版間に合紙を挟み込むことなく積層しても、平版印刷版原版の間の密着性や、保護層へのキズの発生が抑制される。特に、原版間を合紙を挟み込むことなく積層した積層体を用いることができれば、合紙の除去が不必要となり、製版工程における生産性が向上する。
本発明における露光処理に用いられる光源としては、画像形成層に応じて決定されればよい。画像形成層が前述のように赤外線吸収剤を含有していれば、750nm〜1400nmの波長で露光し得るものであれば、如何なる光源でも用いることができるが、赤外線レーザーが好適なものとして挙げられる。中でも、本発明においては、750nm〜1400nmの波長の赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーにより画像露光されることが好ましい。レーザーの出力は100mW以上が好ましく、露光時間を短縮するため、マルチビームレーザデバイスを用いることが好ましい。また、1画素あたりの露光時間は20μ秒以内であることが好ましい。平版印刷版原版に照射されるエネルギーは10mJ/cm2〜300mJ/cm2であることが好ましい。露光のエネルギーが低すぎると画像形成層の硬化が十分に進行しない。また、露光のエネルギーが高すぎると画像形成層がレーザーアブレーションされ、画像が損傷することがある。
本発明における現像処理では、現像液を用いて、画像形成層の非画像部を除去する。
以下、本発明に用いられる現像液について説明する。
本発明に用いられる現像液は、pH14以下のアルカリ水溶液であることが好ましく、また、芳香族アニオン界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明における現像液に用いられる芳香族アニオン界面活性剤は、現像促進効果、重合性ネガ型の画像形成層成分及び保護層成分の現像液中での分散安定化効果があり、現像処理安定化において好ましい。中でも、本発明に用いられる芳香族アニオン界面活性剤としては、下記一般式(A)又は一般式(B)で表される化合物であることが好ましい。
m、nは、それぞれ独立に、1〜100から選択される整数を表し、中でも、1〜30が好ましく、2〜20がより好ましい。また、mが2以上の場合、複数存在するR1は同
一でも異なっていてもよい。同じく、nが2以上の場合、複数存在するR3は同一でも異
なっていてもよい。
t、uは、それぞれ独立に、0又は1を表す。
p、qはそれぞれ、0〜2から選択される整数を表す。Y1、Y2は、それぞれ単結合、又は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、具体的には、単結合、メチレン基、エチレン基が好ましく、特に単結合が好ましい。
(Z1)r+、(Z2)s+は、それぞれ独立に、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、或いは、無置換又はアルキル基で置換されたアンモニウムイオンを表し、具体例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、アンモニウムイオン、炭素数1〜20の範囲の、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基が置換した2級〜4級のアンモニウムイオンなどが挙げられ、特に、ナトリウムイオンが好ましい。r、sはそれぞれ、1又は2を表す。
以下に、具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
これらその他の界面活性剤の現像液中における含有量は有効成分換算で、0.1から10質量%が好ましい。
本発明に係る現像液には、例えば、硬水に含まれるカルシウムイオンなどによる影響を抑制する目的で、2価金属に対するキレート剤を含有させることが好ましい。2価金属に対するキレート剤としては、例えば、Na2P2O7、Na5P3O3、Na3P3O9、Na2O4P(NaO3P)PO3Na2、カルゴン(ポリメタリン酸ナトリウム)などのポリリン酸塩、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、そのアミン塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、ナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1,3−ジアミノ−2−プロパノールテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのようなアミノポリカルボン酸類の他2−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;2−ホスホノブタノントリカルボン酸−2,3,4、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ホスホノエタントリカルボン酸−1,2、2、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類を挙げることができ、中でも、エチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、そのアミン塩;エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、そのアンモニウム塩、そのカリウム塩、;ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、そのアンモニウム塩、そのカリウム塩が好ましい。
このようなキレート剤の最適量は使用される硬水の硬度及びその使用量に応じて変化するが、一般的には、使用時の現像液中に0.01質量%〜5質量%、より好ましくは0.01質量%〜0.5質量%の範囲で含有させる。
本発明に係る現像液に用いられるアルカリ剤としては、例えば、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、硼酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、及び同リチウムなどの無機アルカリ剤及び、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの有機アルカリ剤等が挙げられる。本発明においては、これらを単独で用いてもよいし、若しくは2種以上を組み合わせて混合して用いてもよい。
M2Oのモル比)は、支持体の陽極酸化皮膜が過度に溶解(エッチング)されることに起
因する放置汚れや、溶解アルミニウムと珪酸塩との錯体形成に起因する不溶性ガスの発生を抑制するといった観点から、好ましくは0.75〜4.0の範囲であり、より好ましくは0.75〜3.5の範囲で使用される。
ここで、導電率を調整するための導電率調整剤として、有機酸のアルカリ金属塩類、無機酸のアルカリ金属塩類等を添加することが好ましい。
現像後の加熱には非常に強い条件を利用することができる。通常は、加熱温度が200℃〜500℃の範囲で実施される。現像後の加熱温度が低いと十分な画像強化作用が得られず、高すぎる場合には支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じるおそれがある。
印刷時、版上の汚れ除去のため使用するプレートクリーナーとしては、従来より知られているPS版用プレートクリーナーが使用され、例えば、マルチクリーナー、CL−1、CL−2、CP、CN−4、CN、CG−1、PC−1、SR、IC(富士写真フイルム株式会社製)等が挙げられる。
本発明の平版印刷版原版は、画像形成層の構成成分によっては機上現像を行うことができる。
下記に、本発明の平版印刷版原版における画像形成層が機上現像可能な場合の印刷方法について、説明する。
まず、前述のようにして、本発明の平版印刷版原版を画像様に露光した後、露光後の平版印刷版原版になんらの現像処理を施すことなく、印刷インキと湿し水とを供給して印刷を行う。機上現像では、この印刷を繰り返す途上において平版印刷版原版の未露光部分が除去される。
このようにして、平版印刷版原版はオフセット印刷機上で機上現像され、そのまま多数枚の印刷に用いられる。
(実施例1〜4)
<アルカリ現像型の平版印刷版原版>
[支持体の作成]
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径30μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm3)を用いブラシ回転数250rpmでアルミ表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、更に60℃で20%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。
次に、60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。硝酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量175C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
次に、塩酸0.5質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃の電解液にて、アルミニウム板が陽極時の電気量50C/dm2の条件で、硝酸電解と同様の方法で、電気化学的な粗面化処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。 この板を15%硫酸(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)を電解液として電流密度15A/dm2で2.5g/m2の直流陽極酸化被膜を設けた後、水洗、乾燥し支持体Aとした。この基板の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.51μmであった。
次に、このアルミニウム支持体表面に下記中間層用塗布液をワイヤーバーにて塗布し、100℃10秒間乾燥した。塗布量は10mg/m2であった。
・表1に記載の特定共重合体(下記構造の(a−1)〜(a−4)) 0.05g
・メタノール 27g
・イオン交換水 3g
この上に、下記組成の画像形成層用塗布液を調製し、にワイヤーバーを用いて乾燥後の塗布量が0.9g/m2となるように塗布し、温風式乾燥装置にて115℃で34秒間乾燥して画像形成層を形成した。
・赤外線吸収剤(下記構造のIR−1) 0.038g
・重合開始剤A(下記構造のS−1) 0.061g
・重合開始剤B(下記構造のI−1) 0.094g
・メルカプト化合物(下記構造のSH−1) 0.015g
・増感助剤(下記構造のT−1) 0.081g
・付加重合性化合物(下記構造のM−1) 0.428g
・バインダーポリマーA(下記構造のB−1) 0.311g
・バインダーポリマーB(下記構造のB−2) 0.250g
・バインダーポリマーC(下記構造のB−3) 0.062g
・重合禁止剤(下記構造のQ−1) 0.0012g
・銅フタロシアニン顔料分散物 0.159g
・フッ素系界面活性剤 0.0081g
(メガファックF−780−F 大日本インキ化学工業(株)、
メチルイソブチルケトン(MIBK)30質量%溶液)
・メチルエチルケトン 5.886g
・メタノール 2.733g
・1−メトキシ−2−プロパノール 5.886g
<下部保護層>
画像形成層表面に、合成雲母(ソマシフMEB−3L、3.2%水分散液、コープケミカル(株)製)、ポリビニルアルコール(ゴーセランCKS−50:ケン化度99モル%、重合度300、スルホン酸変性ポリビニルアルコール日本合成化学工業株式会社製)界面活性剤A(日本エマルジョン社製、エマレックス710)及び界面活性剤B(アデカプルロニックP−84:旭電化工業株式会社製)の混合水溶液(保護層用塗布液)をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃で30秒間乾燥させた。
この混合水溶液(保護層用塗布液)中の合成雲母(固形分)/ポリビニルアルコール/界面活性剤A/界面活性剤Bの含有量割合は、7.5/89/2/1.5(質量%)であり、塗布量は(乾燥後の被覆量)は0.5g/m2であった。
下部保護層表面に、有機フィラー(アートパールJ−7P、根上工業(株)製)、合成雲母(ソマシフMEB−3L、3.2%水分散液、コープケミカル(株)製)、ポリビニルアルコール(L−3266:ケン化度87モル%、重合度300、スルホン酸変性ポリビニルアルコール日本合成化学工業株式会社製)、増粘剤(セロゲンFS−B、第一工業製薬(株)製)、下記構造の高分子化合物A、及び界面活性剤(日本エマルジョン社製、エマレックス710)の混合水溶液(保護層用塗布液)をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃で30秒間乾燥させた。
この混合水溶液(保護層用塗布液)中の有機フィラー/合成雲母(固形分)/ポリビニルアルコール/増粘剤/高分子化合物A/界面活性剤の含有量割合は、4.7/2.8/67.4/18.6/2.3/4.2(質量%)であり、塗布量は(乾燥後の被覆量)は1.8g/m2であった。
このようにして、実施例1〜4の平版印刷版原版を得た。
実施例1において、中間層に使用した特定共重合体を、下記表1に示すように、下記構造の比較用化合物(c−1)〜(c−3)に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、比較例1〜3の平版印刷版を得た。
(1)感度評価
得られた平版印刷版原版を、水冷式40W赤外線半導体レーザを搭載したCreo社製Trendsetter3244VXにて、解像度175lpi、外面ドラム回転数150rpm、出力0〜8Wの範囲でlogEで0.15ずつ変化させて露光した。なお、露光は25℃50%RHの条件下で行った。露光後、富士フイルム(株)社製LP−1310Newsを用い、30℃12秒で現像した。現像液は、富士フイルム(株)社製DH−Nの1:4水希釈水を用い、フィニッシャーは、富士フイルム(株)社製GN−2Kの1:1水希釈液を用いた。
現像して得られた平版印刷版の画像部濃度をマクベス反射濃度計RD−918を使用し、該濃度計に装備されている赤フィルターを用いてシアン濃度を測定した。測定した濃度が0.8を得るのに必要な露光量の逆数を感度の指標とした。なお、評価結果は、実施例1で得られた平版印刷版の感度を100とし、他の平版印刷版の感度はその相対評価とした。値が大きいほど、感度が優れていることになる。結果を表1に示す。
作製された平版印刷版原版に、水冷式40W赤外線半導体レーザーを搭載したCreo社製Trendsetter3244VXにて、解像度175lpiの80%平網画像を、出力8W、外面ドラム回転数206rpm、版面エネルギー100mJ/cm2で露光した。露光後、水道水による水洗により保護層を除去した後、(1)感度評価の現像工程と同じ方法で現像した。そして、得られた平版印刷版を、小森コーポレーション(株)製印刷機リスロンを用いて印刷を行い、ベタ画像部の印刷物を観察し、画像がかすれはじめた枚数(刷了枚数)を耐刷性の指標とした。印刷汚れ性は1000枚印刷し、1時間後に再度印刷した非画像部のインキ汚れを目視で5段階評価した。数字が大きいほど耐汚れ性に優れることを示す。評価が4以上は実用的なレベルであり、評価3では許容される下限である。結果を表1に示す。
また、平版印刷版原版を60℃、75%Rhで2日間強制経時した後、同様の方法で平版印刷版を作製して、経時してないものと同様に印刷を行った。
(実施例5〜8)
(1)支持体の作製
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm3)を用いアルミニウム表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、更に60℃で20質量%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。
次に、60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温は50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。硝酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量175C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
更に、下記中間層用塗布液を乾燥塗布量が12mg/m2になるよう塗布して、中間層を形成した。
・本発明の特定共重合体(表2に記載、前記(a−1)〜(a−4)) 0.01g
・メタノール 9.00g
・水 1.00g
上記のようにして中間層が形成された支持体上に、下記組成の画像形成層用塗布液をバー塗布した後、100℃で60秒間オーブン乾燥し、乾燥塗布量1.0g/m2の画像形成層を形成した。
引き続き、下記組成の保護層用塗布液を前記画像形成層上にバー塗布し、120℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量0.160g/m2の保護層を形成することで平版印刷版原版を得た。
なお、画像形成層用塗布液は、下記感光液及びミクロゲル液を塗布直前に混合し、攪拌することにより得た。
・バインダーポリマー(1) 0.177g
・ラジカル発生剤(1) 0.142g
・赤外線吸収剤(1) 0.0308g
・重合性化合物(アロニックスM−215(東亜合成(株)製) 0.319g
・フッ素系界面活性剤(1) 0.004g
・イオン系界面活性剤(1) 0.125g
・メチルエチルケトン 2.554g
・1−メトキシ−2−プロパノール 7.023g
・ミクロゲル分散液(1) 1.800g
・水 1.678g
油相成分として、トリメチロールプロパンとキシレンジイソシアナート付加体(三井武田ケミカル(株)製、タケネートD−110N、75質量%酢酸エチル溶液)10.0g、重合性化合物としてアロニックスM−215(東亜合成(株)製)6.00g、パイオニンA−41C(竹本油脂(株)製)0.12gを酢酸エチル16.67gに溶解した。水相成分としてPVA−205の4質量%水溶液37.5gを調製した。油相成分及び水相成分を混合し、ホモジナイザーを用いて12,000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物を、蒸留水25gに添加し、室温で30分攪拌後、40℃で2時間攪拌した。このようにして得られたミクロゲル分散液の固形分濃度を、21質量%になるように蒸留水を用いて希釈し、ミクロゲル分散液(1)を得た。平均粒径は0.23μmであった。
・下記層状化合物分散液(1) 1.5g
・ポリビニルアルコール 0.06g
(PVA105、(株)クラレ製、けん化度98.5モル%、重合度500)
・ポリビニルピロリドン 0.01g
(ポリビニルピロリドンK30、東京化成工業(株)製、分子量Mw=4万)
・ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体 0.01g
(LUVITEC VA64W、ISP社製、共重合比=6/4)
・ノニオン系界面活性剤 0.013g
(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製)
・イオン交換水 6.0g
イオン交換水193.6gに合成雲母ソマシフME−100(コープケミカル(株)製)6.4gを添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)が3μmになるまで分散した。得られた分散無機粒子のアスペクト比は100以上であった。
実施例5における中間層に使用した特定共重合体を、下記表2に示すように、比較用化合物(c−1)〜(c−3)に変更した以外は、実施例5と同様の方法により比較例4〜6の平版印刷版原版を得た。
得られた平版印刷版原版を水冷式40W赤外線半導体レーザー搭載のCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力11.7W、外面ドラム回転数250rpm、解像度2400dpiの条件で露光した後、下記のようにして、機上現像性、着肉性、耐刷性、及び耐汚れ性を評価した。結果をまとめて表2に示す。
露光済みの平版印刷版原版を現像処理することなく、ハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mのシリンダーに取り付け、湿し水(EU−3(富士フイルム(株)製エッチ液)/水/イソプロピルアルコール=1/89/10(容量比))とTRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業(株)製)とを用い、湿し水とインキを供給した後、毎時6,000枚の印刷速度で印刷を行った。この時、画像形成層の未露光部(非画像部)に、インキが転写しない状態になるまでに要した印刷用紙の枚数を機上現像性として評価した。枚数が少ないほど、機上現像性に優れると評価する。
更に、印刷を続け、印刷枚数を増やしていくと徐々に画像形成層が磨耗しインキ受容性が低下するため、印刷用紙におけるインキ濃度が低下する。インキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数により、耐刷性を評価した。枚数が多いほど、耐刷性に優れると評価する。
露光済みの平版印刷版原版を温度60℃、湿度70%の条件下2.5日保存した後、印刷機にかけて印刷物を作製し、印刷物の非画像部であるべき部分(印刷版の未露光部)に発生した微小点状汚れについて80cm2あたりの個数を数えた。個数が少ないほど、微小点状汚れ防止性に優れると評価する。
表2から明らかなように、カルボン酸及びカルボン酸塩を有し、更に、重合性基を有する特定共重合体を中間層に用いた平版印刷版原版(実施例5〜8)は、カルボン酸、その中和体、及び重合性基のいずれも持たない共重合体を中間層に用いた平版印刷版原版(比較例4)と比較して、微小点状汚れ防止性及び耐刷性のいずれにも向上が見られ、また、重合性基を持たない共重合体を中間層に用いた平版印刷版原版(比較例5)に対しては耐刷性に向上が見られる。更に、実施例5〜8の平版印刷版原版は、重合性基を有し、カルボン酸基を有するが中和していない共重合体を中間層に用いた平版印刷版原版(比較例6)と比較して、微小点状汚れ防止性において向上が見られる。
(実施例9〜12及び比較例7〜9)
[アルミニウム支持体]
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質:JIS A1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm3)を用いアルミニウム表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、更に60℃で20質量%硝酸水溶液に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。
次に、60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。硝酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量175C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
このようにして得られた支持体の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.51μmであった。
上記のようにして得られたアルミニウム支持体上に、以下の組成を有する中間層用塗布液を塗布し、100℃にて3分間乾燥した。得られた中間層の塗布量は、10mg/m2であった。
・下記表3に示す共重合体を含む溶液(20質量%MFG溶液) 2.5g
(前記特定共重合体(a−1)〜(a−4)、比較用化合物(c−1)〜(c−3))
・N−メチルピロリドン 49.0g
・メタノール 450.0g
・水 1.5g
上記のようにして得られた中間層上に、以下の組成を有する画像形成層用塗布液を塗布し、80℃にて1分間乾燥した。
得られた画像形成層の塗布量は1.2g/m2であった。
・下記バインダーポリマー(A) 0.54g
・重合性化合物 0.48g
(イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート、アロニックスM−315、東亜合成(株)製)
・下記増感色素(A) 0.06g
・下記重合開始剤(A) 0.10g
・下記共増感剤(A) 0.07g
・ε―フタロシアニン顔料の分散物 0.40g
〔顔料:15質量部、分散剤としてアリルメタクリレート/メタクリル酸(80/20)共重合体:10質量部、溶剤としてシクロヘキサノン/メトキシプロピルアセテート/1−メトキシ−2−プロパノール=15質量部/20質量部/40質量部〕
・メチルエチルケトン 4.80g
・ジメチルスルホキシド 4.80g
上記のようにして得られた画像形成層上に、以下の組成を有する保護層用塗布液をバーを用いて塗布した後、125℃で70秒間乾燥して、塗布量が0.50g/m2の保護層を形成した。
・ポリビニルアルコール(ケン化度:98モル%、重合度:500) 40g
・ポリビニルピロリドン(分子量:5万) 5g
・ポリ〔ビニルピロリドン/酢酸ビニル(1/1)〕(分子量:7万) 0.5g
・界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製) 0.5g
・水 950g
得られた平版印刷版原版の各々について、出力100mWの405nm半導体レーザーを用いて、エネルギー密度を変えて画像様露光を行った。
その後、下記水溶液Aを用い、図1に示す構造の自動現像処理機にて、現像処理を実施し平版印刷版(加熱なし)を作製した。自動現像処理機は、回転ブラシロールを2本有し、1本目の回転ブラシロールは、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径90mmのブラシロールで、搬送方向と同一方向に毎分200回転(ブラシの先端の周速0.94m/sec)させ、2本目の回転ブラシロールは、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径60mmのブラシロールで、搬送方向と反対方向に毎分200回転(ブラシの先端の周速0.63m/sec)させた。平版印刷版原版の搬送は、搬送速度100cm/minにて実施した。
・水 100.00g
・ベンジルアルコール 1.00g
・ポリオキシエチレンナフチルエーテル(オキシエチレン平均数n=13) 1.00g
・ジオクチルスルホコハク酸エステルのナトリウム塩 0.50g
・エチレングリコール 0.50g
・第1リン酸アンモニウム 0.05g
・クエン酸 0.05g
耐刷性及び耐汚れ性を下記のように評価した。結果を表3に示す。
上記の印刷を行い、印刷枚数が増加すると、徐々に画像形成層が磨耗しインキ受容性が低下するため、印刷物におけるインキ濃度が低下した。同一露光量(エネルギー密度)で露光した印刷版において、インキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数により耐刷性を相対評価した。即ち、比較例7を基準(100)とし、以下の式に従い計算した。数字が大きいことは耐刷性が高いことを表している。
耐刷性=(対象平版印刷版の耐刷枚数)/(基準平版印刷版の耐刷枚数)×100
印刷開始後500枚目の印刷物を抜き取り、非画像部に付着しているインキ濃度により耐汚れ性を相対評価した。即ち、比較例7を基準(100)とし、以下の式に従い計算した。数字が大きいことは非画像部に付着しているインキ濃度が低いこと、即ち、耐汚れ性が良好であることを表す。
耐汚れ性=(基準平版印刷版の非画像部インキ濃度)/(対象平版印刷版の非画像部インキ濃度)×100
[画像形成層及び保護層]
実施例9〜12及び比較例7〜9における画像形成層用塗布液を下記の画像形成層用塗布液に、また、保護層用塗布液を下記の保護層用塗布液に変更した以外は、実施例9〜12及び比較例7〜9とそれぞれ同様にして平版印刷版原版を作製した。
・下記バインダーポリマー(B) 0.54g
・下記重合性化合物(B) 0.48g
・前記増感色素(A) 0.06g
・前記重合開始剤(A) 0.18g
・前記共増感剤(A) 0.07g
・ε―フタロシアニン顔料の分散物 0.40g
〔顔料:15質量部、分散剤としてアリルメタクリレート/メタクリル酸(80/20)共重合体:10質量部、溶剤としてシクロヘキサノン/メトキシプロピルアセテート/1−メトキシ−2−プロパノール=15質量部/20質量部/40質量部〕
・熱重合禁止剤 0.01g
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩
・下記フッ素系界面活性剤(B) 0.001g
・ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物 0.04g
(旭電化工業(株)製、プルロニックL44)
・テトラエチルアミン塩酸塩 0.01g
・1−メトキシ−2−プロパノール 3.5g
・メチルエチルケトン 8.0g
・下記雲母分散液(1) 13.00g
・ポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度500) 1.30g
・2−エチルヘキシルスルホコハク酸ソーダ 0.20g
・ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル=1/1)(分子量7万) 0.05g
・界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製) 0.05g
・水 133.00g
水368gに合成雲母(「ソマシフME−100」:コープケミカル社製、アスペクト比:1000以上)32gを添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)0.5μmになるまで分散し、雲母分散液(1)を得た。
前記実施例5〜8及び比較例4〜6で作製された機上現像型の平版印刷版原版を、実施例9に同様にして、露光、現像、及び印刷を行った。また、得られた平版印刷版を、実施例9と同様の方法で評価した。この結果を表5に示す。但し、相対評価の基準(100)としては、比較例7を用いた。
2:受けロール
3:搬送ロール
4:搬送ガイド板
5:スプレーパイプ
6:管路
7:フィルター
8:給版台
9:排版台
10:現像液タンク
11:循環ポンプ
12:版
Claims (10)
- 支持体上に、下記一般式(1)で表される構造単位、下記一般式(2)で表される構造単位、及び下記一般式(3)で表される構造単位を含む共重合体を少なくとも一種含有する中間層と、重合型の画像形成層と、をこの順で有することを特徴とするネガ型平版印刷版原版。
[一般式(1)中、R1は水素原子、炭素数1〜30の置換基、又はハロゲン原子を表す。L1は、単結合を表す。nは1を表す。]
[一般式(2)中、R2は水素原子、炭素数1〜30の置換基、又はハロゲン原子を表す。L2は、単結合を表す。Xはカルボン酸イオンを表し、Mは電荷を中和するのに必要な対カチオンを表す。mは1を表す。]
[一般式(3)中、R3は水素原子、炭素数1〜30の置換基、又はハロゲン原子を表す。Yはエチレン性不飽和基を含有する基を表す。] - 前記共重合体が、更に、一般式(4)で表される構造単位を含むことを特徴とする請求項1に記載のネガ型平版印刷版原版。
[一般式(4)中、R4は水素原子、炭素数1〜30の置換基、又はハロゲン原子を表す。Zは、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、カルバモイル基、芳香族基、ヒドロキシ基、及びアシルオキシ基から選択される1種の基を有する置換基を表す。] - 前記一般式(4)におけるZが、カルボン酸エステル基を有する置換基であることを特徴とする請求項2に記載のネガ型平版印刷版原版。
- 前記一般式(1)で表される構造単位の含有量と、前記一般式(2)で表される構造単位の含有量と、のモル比が0.8:0.2〜0.2:0.8であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のネガ型平版印刷版原版。
- 前記一般式(1)で表される構造単位の含有量、及び、前記一般式(2)で表される構造単位の含有量の合計と、前記一般式(3)で表される構造単位の含有量と、のモル比が0.99:0.01〜0.1:0.9であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のネガ型平版印刷版原版。
- 前記重合型の画像形成層が赤外線レーザーで記録可能であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のネガ型平版印刷版原版。
- 前記重合型の画像形成層が、重合開始剤、重合性化合物、及びバインダーポリマーを含有することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のネガ型平版印刷版原版。
- 前記重合型の画像形成層が、更に赤外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項7に記載のネガ型平版印刷版原版。
- 前記重合型の画像形成層上に、雲母を少なくとも含有する保護層を有することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のネガ型平版印刷版原版。
- 前記重合型の画像形成層上に、ポリビニルアルコール、有機樹脂からなる微粒子、及び雲母を含有する保護層を有することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のネガ型平版印刷版原版。
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