JP5067757B2 - 内面露光装置および内面露光方法 - Google Patents

内面露光装置および内面露光方法 Download PDF

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    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/703Non-planar pattern areas or non-planar masks, e.g. curved masks or substrates

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒、角筒等の内面を所定のパターン形状に露光するための露光装置および露光方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィは、可視光、紫外光、遠紫外光、真空紫外光、極端紫外光、X線、電子ビーム、イオンビーム等の光線または粒子線を、レジスト等の感光性物質に所望の形状を指定して照射することにより該感光性物質を感光させ、その後に行う現像によって、ポジ型感光性物質の場合には感光部、ネガポジ型感光性物質の場合には未感光部を除去し、所望の形状を有する該感光性物質の微細パターンを得る技術である。
【0003】
リソグラフィは半導体集積回路や光エレクトロニクスデバイス、液晶パネルや、マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS)と総称される微細構造体やセンサ、アクチュエータ等の製造に広く利用されている。
【0004】
リソグラフィにおいて、感光性物質を所望のパターン形状に感光させる露光工程の露光方法には様々な方式があるが、大別すると、マスクまたはレチクルを原図として用いる方式と、単一または複数の光線ビームまたは粒子線ビームを被露光物に対して走査する方式とがある。
【0005】
光線ビームまたは粒子線ビームの被露光物に対する走査は相対的でよく、光線ビームまたは粒子線ビームを走査しても、被露光物を走査しても、光線ビームまたは粒子線ビームと被露光物の双方を走査してもよい。
【0006】
また、場合によっては、マスクまたはレチクルを用いる露光と、光線ビームまたは粒子線ビームによる露光とを組み合わせて露光を行うこともある。
【0007】
マスクまたはレチクルを用いる露光には、感光性物質を付した被露光物に原図とするマスクを接触させて露光を行う密着露光、感光性物質を付した被露光物と原図とするマスクとを近接させて露光を行う近接露光、原図とするレチクル上のパターンを、レンズまたはミラーを用いた投影光学系、またはレンズとミラーを組み合わせた投影光学系により被露光物上に投影し、該レチクル上のパターンの投影像を作って露光する投影露光等がある。
【0008】
そして、これらの投影露光においては、従来、スピンコート、ブレードスキャン、噴霧等の方法によって、比較的容易に均一膜厚で感光性物質が塗布できる、半導体ウエハやガラス基板等の平面度がかなり良い平面基板が被露光物として利用されてきた。
【0009】
これに対し、最近になって、円柱状や円筒状等の被露光物の外表面上にリソグラフィを施す方法および装置が開発された。
【0010】
例えば、特許文献1および非特許文献1には、可視光を露光光線とし、投影レンズを介してレチクル上のパターンを円柱状の被露光物の外表面上に投影して該パターンの光像を形成し、該被露光物の外表面上に塗布したレジストを感光させてパターンを形成する、投影露光方法および装置が開示されている。
【0011】
また、非特許文献2には、円柱の表面または円筒の表面に可視光を露光走査してパターンを形成する方法および装置が開示されている。
【0012】
非特許文献2に開示された方法および装置においては、露光光線束を円柱状または円筒状の被露光物に当て、該被露光物に円柱軸または円筒軸方向の直線運動、および/または、円柱軸または円筒軸のまわりの回転運動をさせることにより露光光線束を被露光物に対して相対的に走査して露光を行っている。
【0013】
さらに、非特許文献3には、X線近接露光によって、円柱の表面にレジストパターンを形成する方法が開示されている。
【0014】
非特許文献3に開示されている露光方法および露光装置においては、円柱状の被露光物にラインアンドスペース状のパターンを持つX線用マスクを近接させ、該被露光物を円柱軸まわりに回転しながら、該回転に同期させて軸方向に動かし、螺旋状に露光を行っている。
【0015】
上記に開示された円柱状や円筒状等の被露光物の外表面上にリソグラフィを施す方法および装置によれば、円柱状や円筒状等の被露光物の外表面上にレジストパターンを形成することができ、該レジストパターンをマスキング材として円柱状や円筒状等の被露光物の外表面をエッチングしたり、該レジストパターンを雌型としてめっきを施すことができる。
【0016】
しかし、これらの従来の方法では、円筒、角筒等、周囲を囲まれた構造物の内面にリソグラフィを施すことができない。
【0017】
このため、上記のように、円柱状や円筒状の被露光物の外表面上にレジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスキング材として被露光物の外表面をエッチングしたり、該レジストパターンを雌型としてめっきを施すことによって、ねじ状部品やスプライン状の部品を製作しても、それに噛み合うナット状の部品やスプライン状の部品を製作できないので、折角製作できる円柱状や円筒状等の被露光物外表面の微細形状を十分に活用することができなかった。
【0018】
すなわち、前記のリソグラフィで円柱状や円筒状の被露光物の外表面上に形成できるパターンと同等の高精細なパターンを筒状や穴状の内面を持つ被露光物の内面に形成する方法は開示されていない。
【0019】
筒状や穴状の内面を持つ被露光物の内面に加工を施す従来技術としては、図29に示すように、レーザビーム61を集光レンズ62で絞って反射ミラー63で向きを変え、小径円筒状の軸受スリーブ64の内面に当て、円筒の内面を選択的に溶融蒸発させる方法が特許文献2に開示されている。
【0020】
そして、この方法によれば、軸受スリーブ64の内面に幅30〜50μmの溝を形成できることが開示されている。
【0021】
また、特許文献3には、回転可能なプローブにより中空体の内面にレーザスポットを生じさせ、搬送・保護ガス中に含有される合金粉を溶融させて合金化するレーザ加工法が開示されている。
【0022】
しかし、このようにレーザビームの熱エネルギによって被露光物の内面を直接加工する方法では、被露光物から溶融蒸散した材料が被露光物の内面に再付着し、被露光物の内径が小さい場合には、特に溶融蒸散した蒸気の排気が十分になされないため、溶融部より温度の低い周辺の未照射部への再付着が顕著となる。また、加工形状が滑らかでなく、加工部に凹凸ができるほか、加工部の縁がぎざぎざになったり、加工部の縁に盛り上がりができたりする。
【0023】
このため、特許文献3に比して高精度と考えられる特許文献2の場合でも、切削加工と比較すれば高精細であるものの、加工部である溝以外の部分に付着物が付いたり、突起があったりすることは軸受の性質上禁物であることから、溝加工ができてもそのままでは製品とすることは困難である。特許文献2には、「5μm程度の軸受隙間領域でも特性が劣化しない静圧軸受スピンドルが実現された。」と記載されているが、現在はさらに軸受隙間の小さい軸受が要求されており、開示された技術では必要な精細度が不足している。
【0024】
また、被加工物を溶融できるほど大出力のレーザでは、ビーム径をあまり小さくできないため、リソグラフィほど高精細な加工はできない。本発明は、上記問題点に鑑みて鋭意検討の結果なされたものである。
【特許文献1】
特願2004−171896号公報
【特許文献2】
特開平6−315784号公報
【特許文献3】
特開平11−320136号公報
【非特許文献1】
第65回応用物理学会学術講演会講演予稿集、p.618、2004年9月
【非特許文献2】
2002年度精密工学会春季大会講演予稿集、p.564、2002年3月
【非特許文献3】
Digest of Papers, Mcroprcesses and Nanotechnology 2003, pp.156-157、2003年10月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
従来、高エネルギのレーザ光を照射して熱反応により表面の一部を溶融蒸発させる加工において見られる、溝底の加工不均一や溝縁のぎざつきや盛り上がりがなく、再付着物による突起も出ない加工を、光化学反応を利用した低エネルギの光照射により実現し、従来の被加工物より遥かに細い内径1mm以下の被露光物の内面に、上記特許文献2の開示例の「幅30〜50μm」より遥かに微細な幅10μm以下迄の高精細な感光性物質のパターンを形成できる装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記目的を達成するために、本発明は、露光光源を含む、露光光線を供給する露光光線供給手段と、非感光光源を含む、露光光線の照射スポットを検知するための非感光光線を供給する非感光光線供給手段と、露光光線を導光する光ファイバーが配索され、かつ被露光物に対して露光光線が入射される側と同じ側または反対側から該被露光物の軸方向に入射される非感光光線を被露光物の内面方向に導光するための少なくとも1個の反射素子が配置されたガイドロッドを含む導光手段と、ガイドロッドと被露光物の相対位置および/または相対角度を変えるように該被露光物および/またはガイドロッドを移動させる移動手段とを有し、非感光光線を被露光物の極微細な筒状もしくは穴状の空洞をなす内面に付着された感光性物質に照射し、露光光線の照射スポットの焦点合わせおよび/または露光開始位置合わせをした後に、露光光線を被露光物の所定の位置に照射し、該被露光物の内面に付着された感光性物質を所定のパターンに感光せしめることを特徴とする内面露光装置である。
【0027】
また、本発明は、露光光源を含む、露光光線を供給する露光光線供給手段と、非感光光源を含む、露光光線の照射スポットを検知するための非感光光線を供給する非感光光線供給手段と、露光光線を被露光物の内面に直交する方向に反射する反射素子と、該被露光物に対して露光光線が入射される側と同じ側または反対側から該被露光物の軸方向に入射される非感光光線を被露光物の内面方向に導光するための少なくとも1個の反射素子が配置されたガイドロッドを含む導光手段と、ガイドロッドと被露光物の相対位置および/または相対角度を変えるように被露光物および/またはガイドロッドを移動させる移動手段と、を有し、非感光光線を被露光物の極微細な筒状もしくは穴状の空洞をなす内面に付着された感光性物質に照射し、露光光線の照射スポットの焦点合わせおよび/または露光開始位置合わせをした後に、露光光線を被露光物の所定の位置に照射し、該被露光物の内面に付着された感光性物質を所定のパターンに感光せしめることを特徴とする内面露光装置である。
【0028】
また、本発明は、露光光源を含む、露光光線を供給する露光光線供給手段と、非感光光源を含む、露光光線の照射スポットを検知するための非感光光線を供給する非感光光線供給手段と、露光光線と非感光光線とを合成する合成手段と、露光光線と非感光光線との合成光線を被露光物の内面に直交する方向に反射する反射素子が設けられたガイドロッドを含む導光手段と、ガイドロッドと被露光物の相対位置および/または相対角度を変えるように被露光物および/またはガイドロッドを移動させる移動手段と、を有し、露光光線と非感光光線が、合成手段で合成された後に、ガイドロッドの内部を軸方向に進行し、ガイドロッドに設けられた反射素子により、被露光物の内面に直交する方向に反射されるようになし、非感光光線を被露光物の極微細な筒状もしくは穴状の空洞をなす内面に付着された感光性物質に照射し、露光光線の照射スポットの焦点合わせおよび/または露光開始位置合わせをした後に、露光光線を被露光物の所定の位置に照射し、該被露光物の内面に付着された感光性物質を所定のパターンに感光せしめることを特徴とする内面露光装置である。
【0029】
また、本発明は、露光光源を含む、露光光線を供給する露光光線供給手段と、非感光光源を含む、露光光線の照射スポットを検知するための非感光光線を供給する非感光光線供給手段と、極微細な筒状もしくは穴状の空洞をなす被露光物の内部空間内に、露光光線が入射される側の反対側から挿入され、露光光線を被露光物の内面に直交する方向に反射する反射素子と、被露光物に対して露光光線と同じ側または反対側から該被露光物の軸方向に入射される非感光光線を被露光物の内面方向に導光するための少なくとも1個の反射素子が先端部配置されたガイドロッドを含む導光手段と、ガイドロッドと被露光物の相対位置および/または相対角度を変えるように被露光物および/またはガイドロッドを移動させる移動手段と、を有し、非感光光線を被露光物の極微細な筒状もしくは穴状の空洞をなす内面に付着された感光性物質に照射し、露光光線の照射スポットの焦点合わせおよび/または露光開始位置合わせをした後に、露光光線を被露光物の所定の位置に照射し、該被露光物の内面に付着された感光性物質を所定のパターンに感光せしめることを特徴とする内面露光装置である。
【0030】
また、本発明は、露光光源を含む、露光光線を供給する露光光線供給手段と、非感光光源を含む、露光光線の照射スポットを検知するための非感光光線を供給する非感光光線供給手段と、露光光線と非感光光線を合成する合成手段と、筒状もしくは穴状の空洞をなす被露光物の内部空間内に、露光光線が入射される側の反対側から挿入され、露光光線と非感光光線との合成光線を被露光物の内面に直交する方向に反射する反射素子が先端部に設けられたガイドロッドを含む導光手段と、ガイドロッドと被露光物の相対位置および/または相対角度を変えるように被露光物および/またはガイドロッドを移動させる移動手段と、を有し、露光光線と非感光光線が、合成手段で合成された後に、被露光物の内部空間内を軸方向に進行し、ガイドロッドの先端部に設けられた反射素子により、被露光物の内面に直交する方向に反射されるようになし、非感光光線を被露光物の極微細な筒状もしくは穴状の空洞をなす内面に付着された感光性物質に照射し、露光光線の照射スポットの焦点合わせおよび/または露光開始位置合わせをした後に、該露光光線を該被露光物の所定の位置に照射し、該被露光物の内面に付した感光性物質を所定のパターンに感光せしめることを特徴とする内面露光装置である。
【0031】
また、本発明は、露光光源を含む、露光光線を供給する露光光線供給手段と、非感光光源を含む、露光光線の照射スポットを検知するための非感光光線を供給する非感光光線供給手段と、露光光源となる発光ダイオードが装着され、かつ該発光ダイオードに電力を供給するリード線が配索されたガイドロッドを含む導光手段と、ガイドロッドと被露光物の相対位置および/または相対角度を変えるように被露光物および/またはガイドロッドを移動させる移動手段と、を有し、非感光光線を被露光物の極微細な筒状もしくは穴状の空洞をなす被露光物の内面に付着された感光性物質に照射し、露光光線の照射スポットの焦点合わせおよび/または露光開始位置合わせした後に、露光光線を被露光物の所定の位置に照射し、該被露光物の内面に付着された感光性物質を所定のパターンに感光せしめることを特徴とする内面露光装置である。
【0054】
第16の発明は、筒状のもしくは穴状の空洞を有する被露光物の内部空間内に露光光線を射出するためガイドロッドを位置せしめる工程と、露光開始前に露光光線の照射スポットの焦点合わせおよび/または露光開始位置を検知する工程と、前記被露光物と前記ガイドロッドとの相対位置および/または相対角度を連続的または間欠的に変更しつつ、該ガイドロッドの露光光線の射出口から露光光線を該被露光物の内面に付着された感光性物質に照射を開始し、停止する工程とを有し、前記被露光物の筒状もしくは穴状の空洞をなす内面に付着された感光性物質に前記露光光線の照射スポットの焦点合わせおよび/または露光開始位置合わせをした後に、前記露光光線を該感光性物質の所定の位置に照射し、該感光性物質を所定のパターンに感光せしめる内面露光方法である。
発明の効果
[0056]
本発明によると、円筒状や角筒状等中空の被露光物の内表面にリソグラフィを施して感光性物質のパターンを形成することができ、またその感光性物質をレジストとし、該レジストのパターンをマスキング材として被露光物の内表面をエッチングしたり、該レジストのパターンを雌型としてめっきを施すことによって、ナット状部品やスプライン筒状の部品等のマイクロ部品を製作できる。また、小径の軸受ボスの潤滑溝や空気軸受溝等の加工を高精度に行うことができる。
[0057]
また、該レジストのパターンをマスキング材とする被露光物内表面のエッチングをウェットエッチングで行うと、エッチング溝の断面形状を半円形にすることができ、ボールナットやボールスプライン筒を作ることができる。
[0058]
さらに、リソグラフィでパターンを形成するので、露光によってレジスト等の感光性物質を光化学反応で感光させればよく、被露光物の内表面を溶融蒸発させる場合に比して与えるエネルギ量がはるかに小さくて済むという効果がある。
[0059]
また、リソグラフィにおいては、露光後に現像を行ってパターンを形成するため、不要な感光性物質は完全に除去され、滑らかな輪郭線を有する感光形状が得られる。
[0060]
また、閾値となる露光量を境に急に現像液に溶け、あるいは不溶となる感光性物質を用いれば、該感光性物質のパターンの側壁は垂直側壁かそれに近いシャープな形状とすることができる。
【0061】
また、露光・現像により得た感光性物質のパターンをマスキング材としてエッチングしたり、該感光性物質のパターンをめっきの雌型としてめっきを行えば、非加工部が感光性物質のパターンで覆われているため、被露光物の素材に余分の付着物が付いたり、加工形状の縁に盛り上がりが出たりすることがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態(形態1−1)に係る内面露光装置
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態(形態1−1)を変形した形態1−2に係る内面露光装置
【図3】図3は、本発明の第1の実施の形態(形態1−1)を変形した形態1−3に係る内面露光装置
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態(形態1−2)を変形した形態1−4に係る内面露光装置
【図5】図5は、本発明の第1の実施の形態(形態1−4)を変形した形態1−5に係る内面露光装置
【図6】図6は、本発明の第1の実施の形態(形態1−5)を変形した形態1−6に係る内面露光装置
【図7】図7は、本発明の第1の実施の形態(形態1−1)を変形した形態1−7に係る内面露光装置
【図8】図8は、本発明の第2の実施の形態(形態2−1)に係る内面露光装置
【図9】図9は、本発明の第2の実施の形態(形態2−1)を変形した形態2−2に係る内面露光装置
【図10】図10は、本発明の第2の実施の形態(形態2−2)を変形した形態2−3に係る内面露光装置
【図11】図11は、本発明の第2の実施の形態(形態2−3)を変形した形態2−4に係る内面露光装置
【図12】図12は、本発明の第2の実施の形態(形態2−3)を変形した形態2−5に係る内面露光装置
【図13】図13は、本発明の第2の実施の形態(形態2−3)を変形した形態2−6に係る内面露光装置
【図14】図14は、本発明の第3の実施の形態(形態3−1)に係る内面露光装置
【図15】図15は、本発明の第3の実施の形態(形態3−1)を変形した形態3−2に係る内面露光装置
【図16】図16は、本発明の第3の実施の形態(形態3−2)を変形した形態3−3に係る内面露光装置
【図17】図17は、本発明の第3の実施の形態(形態3−2)を変形した形態3−4に係る内面露光装置
【図18】図18は、本発明の第3の実施の形態(形態3−4)を変形した形態3−5に係る内面露光装置
【図19】図19は、本発明の第3の実施の形態(形態3−3)を変形した形態3−6に係る内面露光装置
【図20】図20は、本発明の第4の実施の形態(形態4−1)に係る内面露光装置
【図21】図21は、本発明の第4の実施の形態(形態4−1)を変形した形態4−2に係る内面露光装置
【図22】図22は、本発明の第4の実施の形態(形態4−2)を変形した形態4−3に係る内面露光装置
【図23】図23は、本発明の第5の実施の形態に係る内面露光装置
【図24】図24は、ピンホールの直列配置に関する説明図
【図25】図25は、像形成のためのレンズ配置に関する説明図
【図26】図26は、本発明の実施例1に係る直線状レジストパターンの電子顕微鏡写真
【図27】図27は、本発明の実施例2に係る螺旋状レジストパターン(図(a))と文字パターン(図(b))の電子顕微鏡写真
【図28】図28は、本発明の実施例3に係る螺旋状微細レジストパターンの顕微鏡写真
【図29】図29は、従来例(特許文献2に記載)に係る軸受スリーブの溝加工の説明図
【符号の説明】
【0063】
1 被露光物
2 感光性物質
3 チャック
4a ガイドロッド(露光光源側)
4a ガイドロッド(露光光源と反対側)
5 露光光線
6 光ファイバー
7 ピンホール
8a、8b、8c レンズ
9a、9b、9c レンズホルダ
10a ミラー(平面)
10b ミラー(凹面)
10c 反射面(平な鏡面)
10d 反射面(凹形の鏡面)
11 光源(発光ダイオード等任意の露光光源)
12 光源(レーザ等略平行光線を発する露光光源)
13 フェルール
14 回転ステージ
15 Yステージ
16 支持台(回転ステージ用)
17 支持台
18 Xステージ
19 ζステージ
20 ξステージ
21 ηステージ
22 Zステージ
23a、23b 基台
24 コンピュータ
25a、25b、25c、25d、25e 制御回路
30 シャッター
31 発光ダイオード
32 リード線
33 回路(発光ダイオード用)
35 発光部(発光ダイオード)
41 支持台
42 支持台(チャック用)
43 支持部材(ピンホール用)
44 支柱
51 非感光光源
52 非感光光線
53 ビームスプリッタ(非感光光線用)
54 ミラー(非感光光線用)
55 ミラー(非感光光線用)
56 レンズ(非感光光線用)
57 カメラ
58 モニタ
59 ビームスプリッタ
【発明を実施するための最良の形態】
【0064】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
【0065】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態(形態1−1)に係る内面露光装置である。図1において、1は円筒状や角筒状等の内部に空洞(内部空間)がある所定の形状からなる被露光物であり、内面にレジストや紫外線硬化樹脂等の感光性物質2が塗布、噴霧、電着、接着等によって付着されている。
【0066】
4aは露光光線5と非感光光線52を被露光物1の内面に付着された感光性物質2に導光するための筒状のガイドロッドであり、その内部空間内に露光光線5を導光する光ファイバー6が挿通され、その先端部において略直角に曲げられた光ファイバー6がその壁面孔を挿通している。そして、光ファイバー6が挿通するガイドロッド4aの壁面部にピンホール7とレンズホルダ9aを介してレンズ8aが装着されている。
【0067】
ピンホール7およびレンズ8aは光ファイバー6の射出端から照射される露光光線5を絞って感光性物質2上に円形、楕円形、正多角形、長方形、またはそれらの擬似形状等、所定の形状・大きさの照射スポットを形成している。
【0068】
54、55はガイドロッド4aの上壁に設けられた一対のミラーであり、後述の通り、感光性物質2上に形成された露光光線5の照射スポットおよびその近傍に非感光光線52を導光するためのものである。
【0069】
11は露光光源となる発光ダイオードであり、フェルール13を介して光ファイバー6の他端に接続されている。
【0070】
14は回転ステージであり、チャック3に保持された被露光物1をその長手方向の軸(Y軸)回りに回転させる。表記の都合上、座標軸を装置構成図から離した位置に示しているが、被露光物1とガイドロッド4aの各座標軸の原点の位置は任意であり、Y軸は、被露光物1の中心軸に合わせるのが一般的である。
【0071】
15はYステージであり、被露光物1をその長手方向(Y方向)に移動させるステージである。16はYステージ15上に回転ステージ14を保持するための保持台である。18は、被露光物1を、図1の紙面に垂直な方向(X方向)に移動させるXステージである。なお、上記の回転ステージ14、Yステージ15、Xステージ18の積み上げ順序は任意でよい。
【0072】
19乃至22は、ガイドロッド4aの移動ステージであり、19はZ軸まわりの角度整用のζステージ、20はX軸回りの伏仰角調整用のξステージ、21はY軸回りのローリング角調整用のηステージである。これらのステージが上下方向に順次積み上げられ、最上位のζステージ19の上にガイドロッド4aと発光ダイオード11が固定されている。
【0073】
ζステージ19、ξステージ20、ηステージ21を積み上げる順序は任意でよく、ξステージ20およびηステージ21の代りに、Y軸回りのローリング角調整およびX軸回りの伏仰角調整を同時に行う傾斜調整ステージを設けてもよい。
【0074】
22は、ガイドロッド4aのZ方向の位置を調整するZステージであり、23aはその上にXステージ18とZステージ22が設置される基台である。
【0075】
なお、ηステージ21によるガイドロッド4aのY軸まわりの回転と、回転ステージ14による被露光物1のY軸回りの回転とは相対的に同じ運動となる場合もある。ηステージ21は、ガイドロッド4aをY軸回りに回転させ、露光光線5の射出方向を調整するために設けたものであり、露光光線5の射出方向を変える必要がなければ、省略してもよい。
【0076】
24は被露光物1の回転ステージ14、Yステージ15、Xステージ18を制御し、ガイドロッド4aのζステージ19、ξステージ20、ηステージ21、Zステージ22を制御するコンピュータである。
【0077】
25a、25b、25c、25dは上記各ステージおよび発光ダイオード11をコンピュータ24によりプログラム通りに動作させるための、インターフェイスを含む制御回路である。
【0078】
51は非感光光源、53はビームスプリッタ、56はレンズ、57はカメラである。非感光光源51から出射された非感光光線52は、レンズ56、ビームスプリッタ53と、ガイドロッド4a上に設けられた一対のミラー54、55を介して、感光性物質2上に形成された露光光線5の照射スポットおよびその近傍に場所に導光される。そして、非感光光線の反射光がカメラ57で捉えられモニタ58により画像が形成される。
【0079】
モニタ58の画像データは、インターフェイスを含む制御回路25dを介してコンピュータ24に送られ、感光性物質2上の露光光線5の照射スポットの形状・大きさ、位置が所定値になるように被露光物1内面とガイドロッド4aとの間の相対距離や相対傾斜角がコンピュータ24により制御される。
【0080】
簡便には、ガイドロッド4aが被露光物1の内面の感光性物質2に対して所定の間隙で保持されるように自動制御してもよい。被露光物1内面上への露光光線5の照射スポットの形状・大きさの制御は、露光中も継続して行えばさらによい。
【0081】
露光光線5が感光性物質2上の所定の正確な位置に照射されるようにするには、まず、被露光物1内面の端や、被露光物1内面に付けた位置合わせマークが、露光光線5の照射スポットの中心と合致するようにした後、被露光物1またはガイドロッド4aを所定の距離および/または角度だけ動かし、露光光線5の照射スポット中心が感光性物質2上の露光開始点に来るようにするとよい。
【0082】
非感光光線52を用いないで、露光光線5を感光性物質2に強く当て過ぎると感光性物質を不要に感光してしまうため、露光光線5とは異なる波長帯を有する感光性物質2が感光しにくい非感光光線51を射出する非感光光源52を用いている。
【0083】
非感光光線51として露光光線5と同じ波長帯や露光光線5に近い波長帯の光線を用いる場合には、非感光光線51を、感光性物質2が感光しない短時間のみ照射するか、照射強度を感光性物質2が感光しない弱い強度として照射する。短時間ずつ断続的に供給するようにしてもよい。
【0084】
露光光源11と非感光光源51とは、必ずしも別々に設けなくてもよく、同じ光源から分けて取り出したり、フィルターによってそれぞれ必要な波長帯の光線を取り出してもよい。
【0085】
感光性物質2上の非感光光線52の照射範囲は、露光光線5の照射スポットおよびその近傍の広い範囲が観察できるように露光光線5の照射スポットより大きくする。被露光物1はチャック3により片側で外周面を保持するに限られず、被露光物1の両端の外周面を保持しても、被露光物1の下面を保持してもよい。
【0086】
また、光ファイバー6から出射される露光光線5は、ガイドロッド4aの先端部から出射するに限られずガイドロッド4aの中央部等いずれから出射してもよく、出射方向も上方向に限られず水平方向、下方向等いずれでもよい。
【0087】
露光光線5をガイドロッド4aの射出口に導くために、筒状のガイドロッド4aの内部空間内に光ファイバー6を挿通する。この場合、光ファイバー6の先端の露光光線の出射方向を感光性物質2に対して直角方向に向けることが重要である。一般的に、露光光線5の照射スポットの形状は、露光走査方向に関して対称であることが好ましく、光ファイバー6の先端の露光光線の出射方向を感光性物質2に対して直角方向に向けると、被露光物1の軸まわりに回転する走査に対して、露光光線5の照射スポットの形状を該露光走査方向に関して対称とすることができる。
【0088】
ガイドロッド4aは円筒状または角筒状に限られず、中実板状または棒状として、その外側に沿って光フィバー6を配索したり、断面をU字状にして、その溝内に光ファイバー6を配索したりしてもよい。
【0089】
光ファイバー6の断面の形状・寸法、コア径は任意でよく、先端部で断面寸法が徐々に減じる光ファイバー6を用いてもよい。
【0090】
露光光線5によって感光性物質2を微細なパターン形状に感光させるため、露光光線5を絞った方がよいことはいうまでもない。
【0091】
ピンホール7とレンズ8aは露光光線5を円形、楕円形、正多角形、長方形、またはそれらの擬似形状に整形して絞るために配置したものであり、該レンズ8aは球形であるかのように描いてあるが、任意の凸レンズでよく、1枚のレンズに限定されるものではなく組み合わせレンズでもよいことは言うまでもない。
【0092】
またピンホールおよびレンズの位置・個数は図示したものに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0093】
レンズ8aとレンズホルダ9aは一体にしてもよく、光ファイバー6の射出端は平滑な鏡面とするのが一般的であるが、球面、2次曲面等、レンズの有無やレンズの特性を考えて、露光光線5を効率よく集光できる形状にするのがよい。
【0094】
光ファイバー6の入射端に、フェルール13を付けると、光ファイバー6の入射端を平滑に磨き易くなり、発光ダイオード11の発光部の直近にフェルール13を付けて磨いた光ファイバー6の入射端を配置すると、露光光線の集光効率がよくなる。発光ダイオード11と、フェルール13を付けて磨いた光ファイバー6の入射端とを十分離し、その間にレンズ等の集光光学系を配置してもよい。
【0095】
露光光線5による感光性物質2の走査は、被露光物1とガイドロッド4aの相対移動で行われるから、被露光物1とガイドロッド4aのいずれか一方、または双方を移動・回転させて行う。
【0096】
各種ステージを、被露光物1のチャック3による固定側に配置するか、ガイドロッド4aの側に配置するかはいずれでもよく、どちらか片方の側に全てのステージを集合させてもよく、同じ移動方向(軸方向)または同じ回転方向のステージを、被露光物1の側とガイドロッド4aの側の両方に重複して配置してもよい。
【0097】
また、各種ステージは必要に応じて設ければよく、必ずしも回転ステージ14、Yステージ15、Xステージ18、ζステージ19、ξステージ20、ηステージ21、Zステージ22の全部を設けなくてもよい。
【0098】
被露光物1側のステージの制御回路25aと、ガイドロッド4a側のステージの制御回路を25bと、発光ダイオード11の制御回路を25c、とは分離するものに限られず、その一部または全部を一体に製作してもよい。
【0099】
なお、簡単な形状のパターンを露光するのみの用途ならば、コンピュータ24で全体を制御しないで、ジョイスティクやスイッチ類により各種ステージを適宜駆動してもよく、一部のステージを手動としてもよい。また、ピンホール7およびレンズ8aはどちらか片方だけでもよく、露光するパターンが大きい場合には配置しなくてもよい。
【0100】
露光光源は必ずしも発光ダイオード11に限られず、水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ等のランプ光源や、ブルーレーザ、バイオレットレーザ等のレーザ光源等、各種の光源を用いることができる。
【0101】
本発明の感光性物質2の露光は光化学反応であり、露光後に行う現像によってパターンを形成するため、露光時に与える光エネルギは、図29に示した従来例に係る軸受スリーブの溝加工等に使用される材料を熱反応によって溶融蒸発させるアブレーション加工に比して遥かに少なくてもよい。
【0102】
具体的な数値を示せば、従来例の溶融蒸発加工用のレーザとしては、特許文献3に「レーザ光の出力が1.3〜6kWであると、より好ましい発明になる。」と記載されていることからも分かるように、出力が数W〜数kWのレーザが必要であるのに対して、本発明では、射出光の指向性が良い発光ダイオードやレーザ光源の場合には、数10mW〜数100mW程度の小出力光源でよい。レーザ光源は、小型安価な半導体レーザでも出力的には十分であり、露光装置を小型、簡便、安価に製作できる。
【0103】
本実施の形態(形態1−1)においては、円筒状や角筒状等内部空間を有する被露光物の内表面にリソグラフィを施して感光性物質のパターンを形成することができ、またその感光性物質をレジストとし、該レジストのパターンをマスキング材として被露光物の内表面のエッチングをしたり、該レジストのパターンをめっきの雌型としてめっきしたりすることによって、ナット状部品やスプライン筒状の部品等のマイクロ部品の製作を少ないエネルギ量で高効率、高精度に行うことができるという効果がある。
【0104】
図2は第1の実施の形態を変形した形態1−2に係る内面露光装置である。図1に示した第1の実施の形態(形態1−1)に対して、レンズ8aを省略して、ピンホール7だけとし、被露光物1に対して、非感光光源51を露光光源11と反対側(被露光物1のチャック3により保持された側)に設け、一対の反射ミラー54、55も反対側に設けたものであり、形態1−1と同一の部位には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0105】
第1の実施の形態(形態1−1)に対して、レンズ8aを省略して、ピンホール7だけとしているので、図2に示すように、ピンホール7の射出口をできるだけ被露光物1の内面に付着させた感光性物質2に近付けた方が好ましく、ピンホール7の射出口を感光性物質2に軽く押し付けてもよい。ピンホール7の射出口を感光性物質2に近付けるほど、露光光線5は小さい照射スポットで感光性物質2に当たることになる。
【0106】
形態1−1に対して、レンズ8aを省略し、ピンホール7のガイドロッド4aの上面からの飛び出しを最小限に抑えているので、内径が小さい円筒状の被露光物1等、内部空間が小さい被露光物1を露光することができるという効果がある。
【0107】
図3は、第1の実施の形態(形態1−1)を変形した形態1−3に係る内面露光装置である。形態1−1に対して、ガイドロッド4aの円筒の内部に配索される光ファイバー6の射出端をガイドロッドの途中までとし、その先に露光光線を収束するための凸レンズ8bを配置し、さらにその先に露光光線5を直角に反射するミラー10aを配置したものである。レンズ8bによって、ピンホール7の射出口の光像を作り、ミラー10aで光路を略直角に曲げて、光像が感光性物質2上に形成されるようにしたものであり、形態1−1と同一の部位については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0108】
本実施の形態においては、図25(a)に示すように1つのレンズ66で像を形成する結像光学系を用いており、図25(a)のレンズ66に相当するレンズ8bとピンホール7の射出口との間の距離aを、レンズ8bと光像を作る感光性物質2との距離bより大幅に長くでき、光像の倍率はm=b/aとなるので、レンズ8bの位置を適宜選定することにより、ピンホール7の射出口の寸法よりかなり小さい照射スポットを得ることができるという効果がある。
【0109】
結像性能を上げるため、レンズ8aを単レンズではなく組み合わせレンズとしてもよいことは言うまでもない。
【0110】
なお、ミラー10aは二等辺三角形のミラーに限られるものではなく、板状等、直角に反射するものであればよい。
【0111】
図4は、第1の実施の形態(形態1−2)を変形した形態1−4に係る内面露光装置である。形態1−2において、ピンホール7を省略し、光ファイバー6からの射出光を露光光線5として直接感光性物質2を感光するようにしたものであり、形態1−2と同一の部位については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0112】
本実施の形態においては、レンズ8bもピンホール7も設けていないので、ガイドロッド4aに取り付ける光学部品が少なくなるので、より内部空間の小さい被露光物1を露光することができる。光ファイバー6としてコア径が小さく、開口数の小さいものを用いれば、さらに露光光線5を狭い範囲に射出することができ、微細なパターンに露光することができるという効果がある。
【0113】
図5は、第1実施の形態(形態1−4)を変形した形態1−5に係る内面露光装置である。形態1−4において、光ファイバー6を曲げて配索する代わりにミラー10aを設け、光ファイバー6の先端をミラー10aの直近に配置したものであり、形態1−4と同一の部位については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0114】
本実施の形態においては、形態1−4のように光ファイバー6の先端を直角に曲げる必要がなく、光ファイバー6の先端部が、ロッドガイド4aの上壁を挿通することもないので装置の製作が容易であり、より内部空間の小さい被露光物1の内面を露光することができるという効果がある。
【0115】
図6は、第1の実施の形態(形態1−5)を変形した形態1−6に係る内面露光装置である。形態1−5において、平面ミラー10aを、凹面ミラー10bに代え、光ファイバー6から射出される光を集光するか、もしくは、光ファイバー6の射出口の光像を感光性物質2上に形成するようにしたものであり、形態1−5と同一の部位については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0116】
本実施の形態においては、凸レンズ8aやピンホール7を省略して構成を簡素化しながら、凹面ミラー10bによって露光光線を絞るので、内部空間の小さい被露光物1の内面を小さい照射スポットで露光できるという効果がある。
【0117】
図7は、第1の実施の形態(形態1−1)を変形した形態1−7に係る内面露光装置である。形態1−1において、露光光源11と、光ファイバー6の入射端に付けたフェルール13との間に、露光光線の供給、非供給を制御するためのシャッター30を設けたものであり、形態1−1と同一の部位については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0118】
シャッター30の開閉制御は、コンピュータ24によって制御回路25eを介して行われる。
【0119】
シャッター30の方式は、機械式の開閉シャッターのほか、音響光学素子を利用したシャッター、ミラーの傾き角により光の取り込み有無を制御するシャッター等いずれでよい。また、シャッター30の配置場所も、露光光源11の直前に限られず、露光光線5の供給・非供給を切り換えることができる位置ならばいずれでもよい。
【0120】
本実施の形態においては、露光光源が点灯、消灯を頻繁に繰り返すことが好ましくない、ランプ光源やレーザ光源を用いる場合に、露光光線5の供給・非供給に制約が生じないという効果がある。
【0121】
なお、図7に示した露光光線5の供給・非供給をシャッター30により制御する仕組みを、図2乃至図6に示した形態1−2乃至形態1−6の変形形態とできることは、改めて図示するまでもなく明らかである。
【0122】
(第2の実施形態)
図8は本発明の第2の実施の形態(形態2−1)に係る内面露光装置である。第1の実施の形態(形態1−7)に対して、光ファイバー6を省略して、露光光源12から発せられる露光光線5がガイドロッド4aに沿って進行し、ピンホール7を介してミラー10aに達し、ミラー10aで感光性物質2上に所定の照射スポットを形成するものである。また非感光光線52はガイドロッド4a上に装着された一対のミラー54、55によって、感光性物質2上に形成された露光光線5の照射スポットおよびその近傍を照射するものであり、形態1−7と同一の部位については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0123】
本実施の形態においては、露光光源12として、レーザ等、略平行な光束を出射する光源が用いられ、露光光源12から出射された露光光線5がピンホール7によって円形、楕円形、正多角形、長方形、またはそれらの擬似形状に整形された後、ミラー10aによって直角に反射され、レンズホルダ9bで支持されたレンズ8bによって、ピンホール7の光像が、照射スポットとして感光性物質2上に形成される。
【0124】
ランプや発光ダイオードを光源11とし、発散光をミラーやレンズにより集光して光軸に平行な光束を得てもよいし、図24に示すように、2つのピンホール7、7を、距離を隔てて直列に配置することにより、ほぼ平行な光束を得て、それを露光光線5としてもよい。65は遮光筒である。
【0125】
レーザ光はほぼ平行な光束ではあるが、発散角を有しており、また、ビームの強度分布が必ずしも点対称でないため、単にレンズで集光すると、露光光線5の照射スポットをあまり小さくできず、また、照射スポットの形状を円形や矩形等に整形することができないが、ピンホール7を設けることにより、露光光線5の照射スポットをより小さくでき、かつ射出口の形状と相似形に整形することができる。
【0126】
このため、本実施の形態では、特許文献3に開示されているようにレーザ光を単にレンズで集光する場合に比して露光光線5の照射スポットがより小さく、かつピンホール7の射出口の形状と相似形に整形され、微細なパターンの露光を行うことができるという効果がある。
【0127】
図9は本発明の第2の実施の形態(形態2−1)を変形した形態2−2に係る内面露光装置である。形態2−1に対して、ビームスプリッタ59によって、露光光線5と非感光光線52が合成され、その合成光線が、ロッドガイド4aの内部空間内を進行し、ロッドガイド4aに装着されたピンホール7を介してミラー10aで直角に反射され、レンズ8bによってピンホール7の射出口の光像が感光性物質2上に形成されるようにしたものである。形態2−1と同一の部位については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0128】
本実施の形態においては、感光性物質2上から反射される非感光光線52は、ガイドロッド4a上のビームスプリッタ59まで、合成光線の出射経路と同じ経路を逆に進行し、ビームスプリッタ59で反射されて、カメラ57で捉えられモニタ58で観察される。またモニタ58の画像データが、インターフェイスを含む制御回路25dを介してコンピュータ24に送られる。
【0129】
合成光線に含まれる非感光光線52の感光性物質2上における照射スポットの形状・大きさは、露光光線5の照射スポット形状・大きさと同じにする必要はなく、露光光線5の照射スポットおよびその近傍が照射され、十分観察できる大きさになるようにレンズ56の焦点距離を選定する。
【0130】
本実施の形態においては、露光光線と非感光光線が、ビームスプリッタ59で合成されるので、非感光光線を導光するための一対のミラー54、55等が不要となり、装置の簡素化、小型化が図られ、内部空間の小さい被露光物1の内面露光が容易になるという効果がある。
【0131】
図10は、本発明の第2の実施の形態(形態2−2)を変形した形態2−3に係る内面露光装置であり、実施の形態2−2におけるガイドロッド4aの先端部に配置されたピンホール7をシャッター30の直前に移動させたものである。形態2−2と同一の部位については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0132】
本実施の形態においては、ピンホール7をレンズ8bから離すことにより、非感光光線52とは独自に感光性物質2上に形成されるピンホールの光像、即ち感光性物質2上の露光光線5の照射スポットが小さくできるという効果がある。また、ピンホール7が非感光光線52の供給光路および反射光の観察光路に入らないため、露光光線5の照射スポットをより明るく鮮明に観察できるという効果がある。
【0133】
図11は、本発明の第2の実施の形態(形態2−3)を変形した形態2−4に係る内面露光装置である。形態2−3におけるレンズ8bとミラー10aとを凹面ミラー10bに代えたものであり、形態2−3と同一の部位については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0134】
本実施の形態においては、構成を簡素化しながら実施の形態2−2と同一の効果を得ることができるという効果がある。
【0135】
図12は、本発明の第2の実施の形態(形態2−3)を変形した形態2−5に係る内面露光装置である。実施の形態2−3に対して、凸レンズ8bを省略し、ガイドロッド4aの先端部で、かつ被露光物1の内面の直近にピンホール7を移動させたものであり、形態2−3と同一の部位については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0136】
43はピンホール7の支持部材であり、ピンホール7の射出口を感光性物質2に軽く押し付けてもよい。
【0137】
本実施の形態においては、形態2−3に対して、レンズ8bが省略され、装置の簡素化が図られるという効果がある。
【0138】
図13は、本発明の第2の実施の形態(形態2−3)を変形した形態2−6に係る内面露光装置である。実施の形態2−3に対して、レンズ8bをビームスプリッタ59の前方かつ被露光物1の内部空間の外側に移動したものであり、形態2−3と同一の部位については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0139】
本実施の形態においては、実施の形態2−3に対して、レンズ8bを被露光物1の内部空間の外側に配置しているので、レンズ8bの寸法に対する制約が除かれる。一方、被露光物1の内部空間内に挿入される光学部品の大きさが小さくなり、内部空間の大きさがより小さい被露光物1の内面を露光することができるという効果がある。
【0140】
(第3の実施の形態)
図14は、本発明の第3実施の形態(形態3−1)に係る内面露光装置である。
【0141】
図14において、41は支持台であり、光源12、シャッター30、ピンホール7、一対のレンズ8b、8cと非感光光学系部品(光源51、レンズ56等)を支持している。16は回転テージ14を支持する支持台であり、この支持台16がYステージ15上に固定されている。被露光物1は回転ステージ14、Yステージ15、Xステージ18によりY軸回りの回転と、Y方向とX方向の移動が可能である。
【0142】
ガイドロッド4bはその一端にミラー10aが装着され、露光光源12の反対側から被露光物1内に挿入されている。そしてガイドロッド4bの他端は積み上げられたζステージ19、ηステージ20、ξステージ21、Zステージ22の最上位に固定されている。支持台41、Xステージ18、Zステージ22は基台23上にそれぞれ固定されている。
【0143】
露光光源12から出射された露光光線5は、シャッター30、ピンホール7、一対のレンズ8b、8cを介してガイドロッド4bの先端のミラー10aに達し、ミラー10aによって、直角に反射され感光性物質2上に照射スポットが形成される。レンズ8b、8cにより、図25(b)に示す光学系を用いてピンホール7の像を感光性物質2の上に作ることが好ましく、結像性能を上げるため、レンズ8b、8cはそれぞれ組み合わせレンズとしてもよい。非感光光線52は、支持台41上に固定されたミラー54とガイドロッドの先端上部に装着されたミラー55によって、感光性物質2上の露光光線5の照射スポットおよびその近傍を照射する。その他、実施の形態2−1と同一の部位には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0144】
本実施の形態においては、ガイドロッド4bにはミラー10a、55が装着されるのみなので、ガイドロッド4bの構成が簡素化され、簡素化されたガイドロッド4bが被露光物1の内部空間内に挿入されるので内部空間の小さい被露光物1の内面を露光できるという効果がある。
【0145】
図15は、本発明の第3の実施の形態(形態3−1)を変形した形態3−2係る内面露光装置である。
【0146】
実施の形態3−1に対して、一対のレンズ8b、8cの間にビームスプリッタ59が配置されている。そして光源12から出射され、シャッター30、ピンホール7、レンズ8bを通過した後の露光光線5と、非感光光線52とがビームスプリッタ59で合成され、合成光線はレンズ8cを通過し、その後は形態3−1と同様にガイドロッド4bの先端部のミラー10aで直角に反射され、感光性物質2上に所定の照射スポットが形成される。
【0147】
レンズ像を形成する場合、図25(a)に示すように、1つのレンズ66で直接像を形成する方法と、図(b)のごとく、無限遠補正の2つのレンズ67、68を用いて像を形成する方法とがあるが、本実施の形態は2つのレンズを用いて像を形成するものであり、点Pがピンホール7の開口に相当する物点、点P’が感光性物質2上の像点に相当する。その他、形態3−1と同一の部位には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0148】
図14、15(後述の図16,17、18を含む)においては、感光性物質2上の像点とレンズ8bや8cとの距離は不変に保つ必要がある。従って、露光中はガイドロッド4bを固定し、被露光物1を移動および/または回転させて走査する。なお、被露光物1が円筒の場合には、露光光線5が円筒の中心軸上を通るようにすれば、ガイドロッド4bを回転させ、被露光物1をY方向に移動させるか、もしくは、被露光物1を固定し、ガイドロッド4bを回転・移動して走査してもよい。
【0149】
本実施の形態では、レンズ8bと8cを被露光物1の内部空間内に入れず、また形態3−1(図14)に対して、ミラー10aのみを装着したガイドロッド4bを被露光物1の内部空間内に挿入するので、さらに内部空間の小さい被露光物1の内面を露光できるという効果がある。
【0150】
図16は、本発明の第3の実施の形態(形態3−2)を変形した形態3−3に係る内面露光装置である。形態3−2においてはガイドロッド4bに取り付けた別体のミラー10aを、ガイドロッド4bの先端を斜めに成形して鏡面に研磨した反射面10cに代えたものであり、形態3−2と同一の部位については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0151】
細いガイドロッド4bの先端の鏡面に銀やアルミニウム等の高反射率の金属膜や、露光光線の波長に合わせた高反射誘電体多層膜を付加すれば、反射率を一層高めることができる。
【0152】
本実施の形態においては、形態3−2に対して、別体のミラー10aが省略され、装置のコスト低減を図ることができるという効果がある。また、被露光物1の内部空間内に入れるガイドロッド4bが単純なロッドだけとなるため、非常に内部空間の小さい被露光物1の内面を露光することができるという効果がある。
【0153】
図17は、本発明の第3の実施の形態(形態3−2)を変形した形態3−4に係る内面露光装置であり、形態3−2のガイドロッド4bの先端の平面ミラー10aを凹面ミラー10bに代えたものである。形態3−2と同一の部位については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0154】
本実施の形態では、実施の形態3−2に対して、レンズ8b、8cが省略できるので、装置のコスト低減が図れ、凹面ミラー10bが装着されたガイドロッド4bのみが、被露光物1の内部空間内に挿入されるので、形態3−2と同様に内部空間の小さい被露光物1の内面を露光できるという効果がある。
【0155】
図18は、本発明の第3の実施の形態(形態3−4)を変形した形態3−5に係る内面露光装置である。形態3−4においてガイドロッド4bに取り付けた別体のミラー10bを、ガイドロッド4bの先端部を凹面形状の鏡面に研磨した反射面10dに代えたものである。形態3−4と同一の部位については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0156】
本実施の形態では、実施の形態3−4に対して、ガイドロッド4bの先端部の別体の凹面ミラー10bが省略できるので、装置のコスト低減が図れ、被露光物1の内部空間内にその細いガイドロッド4bだけが挿入されるので、内部空間の非常に小さい被露光物1の内面を露光ができるという効果がある。
【0157】
図19は、本発明の第3の実施の形態(形態3−3)を変形した形態3−6に係る内面露光装置である。
【0158】
実施の形態3−3(図16)では、被露光物1が回転ステージ14、Yステージ15、Xステージ18によって移動・回転されるのに対して、本実施の形態では、被露光物1はチャック3で保持され、支持台42上に固定されている。
【0159】
一方、ガイドロッド4bは保持台16を介してYステージ15上に設置された回転ステージ14により回転可能に取り付けられている。
【0160】
そして、露光光線5を照射する光源12、シャッター30、ピンホール7、非感光光線52の光源51、レンズ56、ビームスプリッタ59、カメラ57等は保持台17上に取り付けられ、その保持台17は回転ステージ14と同じYステージ15上に固定されている。
【0161】
また、Yステージ15は順次積み上げられたXステージ18、ζステージ19、ξステージ20、ηステージ21、Zステージ22の最上位に設置されており、その結果、保持台17上の光源12等が駆動されるとガイドロッド4bもそれに伴って一緒に駆動される。その他、形態3−3と同一の部位については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0162】
本実施の形態では、移動・回転ステージの全てのステージがガイドロッド側に集約されているので、感光性物質2上への露光光線5の焦点合わせ等、露光動作の初期段階における装置の微調整が容易になるという効果がある。
【0163】
なお、第3の実施の形態3−2乃至3−6(図15乃至図19)においても、形態3−1(図14)と同様に、反射素子54、55を設け、非感光光線52を露光光線5とは別の光路で導くようにしてもよいことは、図を示すまでもなく明らかである。
【0164】
図20は本発明の第4の実施の形態(形態4−1)に係る内面露光装置であり、第1の実施の形態(形態1−1)と同一の部位については同一の符号を付しその説明を省略する。本実施の形態は、第1の実施の形態(形態1−1)において、ガイドロッド4aの先端部に発光ダイオード31を装着し、この発光ダイオードに電力を供給するリード線32がガイドロッド4aに沿って、ζステージ19上に設置された点灯回路33まで配索されている。
【0165】
そして、発光ダイオード31は点灯回路33およびその制御回路25cを介してコンピュータ24に接続され、コンピュータ24によって点灯、消灯が制御される。7はピンホール、8aはレンズ、9cはレンズホルダである。
【0166】
発光ダイオード31の発光部35から出射された露光光線5はピンホール7とレンズ8aを通り、感光性物質2上に所定の照射スポットを形成する。
【0167】
本実施の形態では、第1の実施の形態(形態1−1)に対して、光ファイバー6が不要となりガイドロッド4aの製作が容易になるという効果がある。また、露光光線5を導光するためのレンズ8b、8c、ビームスプリッタ59、反射ミラー10a、10b等の光学部品が不要となり、ガイドロッド4aのアライメント調整が不要になるという効果がある。
【0168】
図21は、本発明の第4の実施の形態(形態4−1)を変形した形態4−2に係る内面露光装置である。第4の実施の形態(形態4−1)において、非感光光源51を点灯回路33と反対側に配置し、ミラー55を発光ダイオード31に対して、非感光光源51側となるガイドロッド4aの先端部に装着し、さらにレンズ8aを省略したものである。第4の実施の形態(形態4−1)と同一の部位については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0169】
本実施の形態では、第4の実施の形態(形態4−1)と同様に、光ファイバー6が不要となりガイドロッド4aの製作が容易になるという効果と、露光光線5に関するレンズ、ミラー等の光学部品が不要となり、ガイドロッド4aのアライメント調整が容易になるという効果がある。
【0170】
図22は、本発明の第4の実施の形態(形態4−2)を変形した形態4−3に係る内面露光装置である。実施の形態4−2に対して、ピンホール7を省略したものであり、形態4−2と同一の部位については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0171】
本実施の形態では、形態4−2(図21)に対して、ガイドロッドの製作がさらに容易になるという効果がある。
【0172】
図23は、本発明の第5の実施の形態に係る内面露光装置である。本発明の第1の実施の形態(形態1−1)において、被露光物1、ガイドロッド4aの長手方向を上下方向としたものであり、形態1−1における基台23の代わりに支柱44を設け、その支柱44を基台23b上に取り付けたものである。その他、形態1−1と同一の部位には、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0173】
被露光物1とガイドロッド4aの配置は、被露光物1が下側、ガイドロッド4aが上側に限定されるものではなく、被露光物1を上側、ガイドロッド4aを下側に配置してもよい。また被露光物1、ガイドロッド4aの長手方向は、上下方向に限定されるものではなく、所定の傾斜を有するものとすることができる。
【0174】
また、被露光物1、ガイドロッド4aの長手方向に所定の角度を付与する配置は、第1の実施の形態乃至第4の実施の形態の全ての実施の形態(図1乃至図22)に適用することができる。
【0175】
本実施の形態では、装置のレイアウトの自由度が増すという効果がある。
【0176】
次に、第1の実施の形態および第4の実施の形態(図1〜7および図20〜図22)に係る発光ダイオード11を露光光源とする装置の内面露光動作について説明する。
【0177】
内面露光装置の動作は、コンピュータによる自動制御によって行われるが、その主要なものは次の通りである。
【0178】
(1)最初に、被露光物1が、チャック3を介して、回転ステージ14にセットされる。
【0179】
(2)発光ダイオード11を消灯にした状態で、ガイドロッド4aの露光光線5の射出口が、所定の距離を隔てて、被露光物1の内面に近接または接触される。
【0180】
(3)非感光光線51による光学系によって、露光光線5の感光性物質2上の照射スポットおよびその近傍が照射され、露光光線5の照射スポットの形状や大きさが観察される。
【0181】
(4)一方、モニタ58の画像データが、インターフェイスを含む制御回路25dを介してコンピュータ24に送られ、被露光物1内面とガイドロッド4aとの間の相対距離や相対傾斜角が調整され、被露光物1内面上に形成される露光光線5の照射スポットの形状・大きさが所定値になるように、自動制御される。
【0182】
この場合、露光光線5の感光性物質2上への照射スポットの径が最小になるように、自動制御をかけてもよい。また、簡便には、ガイドロッド4aが被露光物1の内面に対して所定の間隙で保持されるように自動制御してもよい。
【0183】
(5)被露光物1とガイドロッド4aとの相対位置および姿勢角の調整は、コンピュータの指令により、回転ステージ14、Yステージ15、Xステージ18、ζステージ19、ξステージ20、ηステージ21、Zステージ22の各ステージにより行われる。
【0184】
(6)露光光線5を感光性物質2上の正しい露光開始位置に合致させるために、まず、被露光物1内面の端部や、被露光物1内面に付けた位置合わせマークに、露光光線5の照射スポットの中心を合致させた後、被露光物1またはガイドロッド4aを所定の距離および/または角度だけ動かして、被露光物1内面の露光開始点に合わせられる。
【0185】
(7)次に、所定のステージを移動・回転させて、感光性物質2が所定の形状に感光される。
【0186】
(i)被露光物1が円筒の場合には、発光ダイオード11を点灯・消灯させながら、回転ステージ14とYステージ15を所定量動かして、ガイドロッド4aと被露光物1を相対的に移動させることによって、感光性物質2が所定のパターンに露光される。
【0187】
各種ステージのうち少なくとも回転ステージ14の回転とYステージ15の移動と、発光ダイオード11の点灯・消灯と、その点灯・消灯時間または被露光物1上の露光位置に応じた露光・非露光の区別の指定とが、コンピュータ24によって制御されて、感光性物質2が所定のパターンに露光される。
【0188】
(ii)パターンが、螺旋形状、円筒の軸直角面の円やその繰り返し形状、円筒軸方向の直線やその繰り返し形状の場合には、回転ステージ14および/またはYステージ15が等速駆動され、駆動と同時に発光ダイオード11が点灯され上記各パターンに露光される。
【0189】
(iii)被露光物1が角筒等回転中心に対して点対称でない断面形状(以下「非対称形状」という。)の場合には、感光性物質2と、ガイドロッド4aの露光光線5の射出口との距離が一定になるように、Zステージ22を用いて、その距離(Z方向)が調整される。露光光線5の射出方向を一定としたままで、非対称形状の被露光物1を、回転中心を一定にして回転すると、感光性物質2に照射される露光光線5の方向が変化し、必ずしも被露光面に直角な方向から照射されなくなる。
【0190】
また、これらの非対称形状の被露光物1を回転速度一定で回転させると、感光性物質2に対するガイドロッド4aの相対移動速度が変化し露光光線の走査速度も一定でなくなる。
【0191】
従って、被露光物1が非対称形状の場合には、露光光線の照射角度や走査速度を勘案して、感光性物質2が内面に直角な方向から均一の露光量で露光されるように、回転ステージ14および/またはYステージ15および/またはXステージ18が駆動される。
【0192】
例えば、角筒の場合には、各内平面毎に、Yステージ15および/またはXステージ18によって、被露光物1をガイドロッド4aに対して移動させて走査露光される。
【0193】
被露光物1とガイドロッド4aとを相対的に移動させて行う走査は、移動と照射を連続して行うものに限られず、連続移動と間欠照射とを組合わせ、または間欠移動と間欠照射とを組合わせて、小領域の露光の集合として、および/または、照射スポットによる露光点の集合として、所定のパターンを得てもよい。
【0194】
(9)被露光物1内面の感光性物質2が所定のパターンに感光されると露光動作は終了し、露光終了点で発光ダイオード11が消灯され、駆動された各ステージも停止される。
【0195】
次に、露光光源として、発光ダイオード11の代りに、点灯・消灯を頻繁に繰り返すことができないランプ光源やレーザ光源12を用いる第2および第3の実施の形態(図8〜図19)に係る装置の内面露光動作について説明する。
【0196】
この内面露光動作においては、露光光源を点灯・消灯する代りに、光源から露光点までの間に設けたシャッター30を開閉して露光光線の供給・非供給が制御される。その他は、第1および第4の実施の形態(図1〜7および図20〜22)に係る内面露光装置により露光する場合と同じである。
【0197】
また、第1乃至第4の実施の形態に係る内面露光装置を傾斜してレイアウトした第5の実施の形態に係る内面露光装置の場合も、上記の第1乃至第4の実施の形態に係る露光装置により露光する場合と同様に行うことができる。
【0198】
(実施例1)
図2に示した内面露光装置を用いて下記条件の下、直線状レジストパターンの内面露光を行った。
【0199】
被露光物 アルミニウム合金製円筒
外径:6mm、内径:5mm、長さ:50mm
被露光物内面の感光性物質
東京応化工業株式会社製レジストPMER P−AR900
厚さ:約10μm
露光パターン
円筒形の内面の長手軸方向の直線状のレジストパターン
露光光源 発光ダイオード(波長395nm)
ガイドロッド アルミニウム合金円筒パイプ
外径:2.6mm、内径:2mm、長さ:58mm
光ファイバー プラスチック製
外径:750μm、コア径:738μm
ピンホール ニッケル製
穴径:約170μm、厚さ:20μm
現像液 PMER P−7G
被露光物とガイドロッド(露光光線)との相対速度
8μm/s、70μm/s の2種
【0200】
まず、被露光物であるアルミニウム合金製円筒をY方向に動かして露光し、続けて、現像液に4min間浸漬し、純水で4minリンスし、純水を乾燥除去した。その後パターンが形成されたアルミニウム合金製円筒を軸方向に切断し、その内面を電子顕微鏡で観察した。
【0201】
図26(a)はアルミニウム合金製円筒とガイドロッドとの相対速度を8μm/sとした場合、図26(b)はアルミニウム合金製円筒とガイドロッドとの相対速度を70μm/sとした場合のレジストパターンの電子顕微鏡写真であり、写真中央部の縦方向に白く見える部分がレジストパターン、周囲の黒く見える部分が現像後に残っているレジスト部分、写真下部中央の横線は、長さ500μmのスケールである。
【0202】
被露光物と露光光線との相対移動速度が大きい方が、他の現像条件が同一でもレジストを現像する時に得られるレジストパターンの線幅が狭くなっていることが判る。
【0203】
(実施例2)
図2に示した内面露光装置を用いて下記条件の下、螺旋状レジストパターンと文字パターンの2種類の内面露光を行った。
【0204】
被露光物 アルミニウム合金製円筒
外径:6mm、内径:5mm、長さ:50mm
被露光物内面の感光性物質
東京応化工業株式会社製レジストPMER P−AR900
厚さ:約10μm
露光パターン
螺旋状レジストパターン、文字パターンの2種
露光光源 発光ダイオード
波長:395nm
ガイドロッド アルミニウム合金円筒パイプ
外径:2.6mm、内径:2mm、長さ:58mm
光ファイバー プラスチック製
外径:750μm、コア径:738μm
ピンホール ニッケル製
穴径:約100μm、厚さ:20μm、
現像液 PMER P−7G
被露光物とガイドロッド(露光光線)との相対速度:
Y方向:0.5μm/s、
回転方向(Y軸回り):約0.15deg/s
【0205】
まず、被被露光物であるアルミニウム合金製円筒をY方向の移動とY軸回りの回転を同時に行って露光し、続けて被露光物を現像液に4min間浸漬し、純水で4minリンスし、純水を乾燥除去した。その後パターンが形成されたアルミニウム合金製円筒の上半分を切断除去し、その内面を電子顕微鏡で観察した。図27は本発明の実施例2に係る螺旋状レジストパターン(図(a))と文字パターン(図(b))の電子顕微鏡写真である。写真の中で白っぽく見える部分がレジストパターン、黒っぽく見える部分が現像後に残っているレジスト部分であり、図(a)の右上と左側、図(b)の上下にアルミニウム合金製円筒の切断面が写っている。写真下部に示したスケールから分かるように、レジストパターンの線幅は約200μmである。
【0206】
(実施例3)
図16に示した内面露光装置を用いて露光光源として、レーザ光を用いて螺旋状のレジストパターンの露光を行った。
【0207】
被露光物 アルミニウム合金製円筒
外径:1.4mm、内径:1mm、長さ:30mm
被露光物内面の感光性物質
東京応化工業株式会社製レジスト THMR−iP3300
厚さ:約10μm
露光パターン
円筒形の内面に形成する螺旋状のレジストパターン
露光光源 半導体レーザ
波長:406nm、最大出力:50mW、実効出力:35mW
ガイドロッド ステンレス製丸棒(直径0.5mm)
先端を45度に切断・研磨
ピンホール ニッケル製
穴径:約170μm、厚さ:20μm
現像液 PMER NMD−W
被露光物とガイドロッド(露光光線)との相対速度
Y方向/回転方向(Y軸回り):
4μm/s/5.8deg/s、32μm/s/11.1deg/sの2種
【0208】
まず、被被露光物であるアルミニウム合金製円筒をY方向の移動とY軸回りの回転を同時に行って露光し、続けて被露光物を現像液に2min間浸漬し、純水で1minリンスし、純水を乾燥除去した。その後パターンが形成されたアルミニウム合金製円筒の上半分を切断除去し、その内面を電子顕微鏡で観察した。
【0209】
図28は本発明の実施例3に係る螺旋状微細レジストパターンの顕微鏡写真である。上下の白い帯状の部分がアルミニウム合金製円筒の円筒壁、斜めに白く見える部分が螺旋状レジストパターンであり、ピッチ約250μm、線幅約12μmである。本実施例において、不図示であるが、ピッチ約1mm、線幅約9μmの螺旋状レジストパターンも得られた。
【0210】
内径1mm、長さ30mmという非常に細くて長い円筒被露光試料に対し、特許文献2に開示されている「30〜50μm」という線幅より大幅に微細なパターンを得ることができた。
【産業上の利用可能性】
【0211】
本発明を用いれば、細い軸受ボスの内面に潤滑溝や空気軸受溝等の加工を、高効率・高精度に行うことができ、従来不可能であった極細径のボールねじやボールスプラインを得ることができる。

Claims (15)

  1. 露光光源を含む、露光光線を供給する露光光線供給手段と、
    非感光光源を含む、前記露光光線の照射スポットを検知するための非感光光線を供給する非感光光線供給手段と、
    前記露光光線を導光する光ファイバーが配索され、かつ被露光物に対して前記露光光線が入射される側と同じ側または反対側から該被露光物の軸方向に入射される前記非感光光線を前記被露光物の内面方向に導光するための少なくとも1個の反射素子が配置されたガイドロッドを含む導光手段と、
    前記ガイドロッドと前記被露光物の相対位置および/または相対角度を変えるように該被露光物および/またはガイドロッドを移動させる移動手段と、を有し、
    前記非感光光線を前記被露光物の極微細な筒状もしくは穴状の空洞をなす内面に付着された感光性物質に照射し、前記露光光線の照射スポットの焦点合わせおよび/または露光開始位置合わせをした後に、前記露光光線を前記被露光物の所定の位置に照射し、該被露光物の内面に付着された感光性物質を所定のパターンに感光せしめることを特徴とする内面露光装置。
  2. 露光光源を含む、露光光線を供給する露光光線供給手段と、
    非感光光源を含む、前記露光光線の照射スポットを検知するための非感光光線を供給する非感光光線供給手段と、
    前記露光光線を被露光物の内面に直交する方向に反射する反射素子と、該被露光物に対して前記露光光線が入射される側と同じ側または反対側から該被露光物の軸方向に入射される前記非感光光線を前記被露光物の内面方向に導光するための少なくとも1個の反射素子が配置されたガイドロッドを含む導光手段と、
    前記ガイドロッドと前記被露光物の相対位置および/または相対角度を変えるように前記被露光物および/またはガイドロッドを移動させる移動手段と、を有し、
    前記非感光光線を前記被露光物の極微細な筒状もしくは穴状の空洞をなす内面に付着された感光性物質に照射し、前記露光光線の照射スポットの焦点合わせおよび/または露光開始位置合わせをした後に、前記露光光線を前記被露光物の所定の位置に照射し、該被露光物の内面に付着された感光性物質を所定のパターンに感光せしめることを特徴とする内面露光装置。
  3. 露光光源を含む、露光光線を供給する露光光線供給手段と、
    非感光光源を含む、前記露光光線の照射スポットを検知するための非感光光線を供給する非感光光線供給手段と、
    前記露光光線と前記非感光光線とを合成する合成手段と、
    前記露光光線と前記非感光光線との合成光線を前記被露光物の内面に直交する方向に反射する反射素子が設けられたガイドロッドを含む導光手段と、
    前記ガイドロッドと前記被露光物の相対位置および/または相対角度を変えるように前記被露光物および/またはガイドロッドを移動させる移動手段と、を有し、
    前記露光光線と前記非感光光線が、前記合成手段で合成された後に、前記ガイドロッドの内部を軸方向に進行し、前記ガイドロッドに設けられた前記反射素子により、前記被露光物の内面に直交する方向に反射されるようになし、
    前記非感光光線を前記被露光物の極微細な筒状もしくは穴状の空洞をなす内面に付着された感光性物質に照射し、前記露光光線の照射スポットの焦点合わせおよび/または露光開始位置合わせをした後に、前記露光光線を前記被露光物の所定の位置に照射し、該被露光物の内面に付着された感光性物質を所定のパターンに感光せしめることを特徴とする内面露光装置。
  4. 露光光源を含む、露光光線を供給する露光光線供給手段と、
    非感光光源を含む、前記露光光線の照射スポットを検知するための非感光光線を供給する非感光光線供給手段と、
    極微細な筒状もしくは穴状の空洞をなす被露光物の内部空間内に、前記露光光線が入射される側の反対側から挿入され、前記露光光線を前記被露光物の内面に直交する方向に反射する反射素子と、被露光物に対して前記露光光線と同じ側または反対側から該被露光物の軸方向に入射される前記非感光光線を前記被露光物の内面方向に導光するための少なくとも1個の反射素子が先端部配置されたガイドロッドを含む導光手段と、
    前記ガイドロッドと前記被露光物の相対位置および/または相対角度を変えるように前記被露光物および/またはガイドロッドを移動させる移動手段と、を有し、
    前記非感光光線を前記被露光物の極微細な筒状もしくは穴状の空洞をなす内面に付着された感光性物質に照射し、前記露光光線の照射スポットの焦点合わせおよび/または露光開始位置合わせをした後に、前記露光光線を前記被露光物の所定の位置に照射し、該被露光物の内面に付着された感光性物質を所定のパターンに感光せしめることを特徴とする内面露光装置。
  5. 露光光源を含む、露光光線を供給する露光光線供給手段と、
    非感光光源を含む、前記露光光線の照射スポットを検知するための非感光光線を供給する非感光光線供給手段と、
    前記露光光線と前記非感光光線を合成する合成手段と、
    筒状もしくは穴状の空洞をなす被露光物の内部空間内に、前記露光光線が入射される側の反対側から挿入され、前記露光光線と前記非感光光線との合成光線を前記被露光物の内面に直交する方向に反射する反射素子が先端部に設けられたガイドロッドを含む導光手段と、
    前記ガイドロッドと前記被露光物の相対位置および/または相対角度を変えるように前記被露光物および/またはガイドロッドを移動させる移動手段と、を有し、
    前記露光光線と前記非感光光線が、前記合成手段で合成された後に、前記被露光物の内部空間内を軸方向に進行し、前記ガイドロッドの先端部に設けられた前記反射素子により、前記被露光物の内面に直交する方向に反射されるようになし、前記非感光光線を前記被露光物の極微細な筒状もしくは穴状の空洞をなす内面に付着された感光性物質に照射し、前記露光光線の照射スポットの焦点合わせおよび/または露光開始位置合わせをした後に、該露光光線を該被露光物の所定の位置に照射し、該被露光物の内面に付した感光性物質を所定のパターンに感光せしめることを特徴とする内面露光装置。
  6. 前記露光光線が、レーザ光であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の内面露光装置。
  7. 露光光源を含む、露光光線を供給する露光光線供給手段と、
    非感光光源を含む、露光光線の照射スポットを検知するための非感光光線を供給する非感光光線供給手段と、
    前記露光光源となる発光ダイオードが装着され、かつ該発光ダイオードに電力を供給するリード線が配索されたガイドロッドを含む導光手段と、
    前記ガイドロッドと被露光物の相対位置および/または相対角度を変えるように前記被露光物および/またはガイドロッドを移動させる移動手段と、を有し、
    前記非感光光線を前記被露光物の極微細な筒状もしくは穴状の空洞をなす被露光物の内面に付着された感光性物質に照射し、前記露光光線の照射スポットの焦点合わせおよび/または露光開始位置合わせした後に、前記露光光線を前記被露光物の所定の位置に照射し、該被露光物の内面に付着された感光性物質を所定のパターンに感光せしめることを特徴とする内面露光装置。
  8. 前記被露光物とガイドロッドの軸線が所定の傾斜角で配置されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1に記載の内面露光装置。
  9. 前記ガイドロッドに沿って配索された光ファイバーの一端が前記被露光物の内面に直交するように曲げて配索され、他端が前記露光光源に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の内面露光装置。
  10. 前記光ファイバーが、前記ガイドロッドに沿って配索され、かつ該光ファイバーの射出端部の前方所定の位置に前記露光光線を前記被露光物の内面に直交する方向に反射する反射素子を設けたことを特徴とする請求項1に記載の内面露光装置。
  11. 前記ガイドロッドの先端に設けられた反射素子が、該ガイドロッドの先端を斜めに形成し、鏡面研磨して反射面となしたことを特徴とする請求項4または5に記載の内面露光装置。
  12. 前記露光光源から前記被露光物の露光面までの露光光線経路の途中にピンホールを配置し、該ピンホール射出口の像点を前記被露光物の露光面またはその近傍に結像させる光学系を配置したことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1に記載の内面露光装置。
  13. 前記被露光物の内部空間内かつガイドロッドの先端部で、前記露光光線が前記被露光物に向かって照射される該被露光物内面の直近部に、照射する露光光線の照射スポットの大きさを絞るためのピンホールまたはレンズを設けたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1に記載の内面露光装置。
  14. 前記光ファイバーの露光光線の射出端部かつ前記ロッドガイドの先端部に、照射する露光光線の照射スポットの大きさを絞るためのピンホールまたはレンズを設けたことを特徴とする請求項1に記載の内面露光装置。
  15. 前記非感光光線が、前記露光光線とは異なる波長帯の光線であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1に記載の内面露光装置。
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