JP5065974B2 - マイクロホンユニット及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロホンユニット及びその製造方法に関する。
電子機器の小型化が進み、音声入力装置を小型化する技術が重要になっている。このような技術としては、例えば、シリコン基板上にコンデンサ型マイクロホンを形成する技術などが開発されている。
特開2006−157863号公報
このように小型化した音声入力装置では、小型化が進むほど所望の位置にマイクロホンを配置することが難しくなる。しかし、所望の特性の音声入力装置を製造するためには、マイクロホンの位置も重要な設計要素となる。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、マイクロホンを所望の位置に容易に配置することができるマイクロホンユニット及びその製造方法を提供することを目的とする。
(1)本発明に係るマイクロホンユニットは、
振動板を含む振動板ユニットと、
振動板ユニット配置部を有するマイク基板とを含み、
前記振動板ユニット配置部は、前記マイク基板に凹部として構成され、
前記振動板ユニットは、前記振動板ユニット配置部に配置され、
前記マイク基板は、前記振動板ユニット配置部の開口面側を表面側とした場合の裏面側と前記振動板の一方の振動面とを繋ぐ貫通孔を有すること特徴とする。
振動板ユニットは、いわゆるメムス(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)として構成されてもよい。また、振動板については無機圧電薄膜、あるいは有機圧電薄膜を使用して、圧電効果により音響−電気変換するようなものであってもよいし、エレクトレット膜を使用しても構わない。また、マイク基板については、絶縁成形基材、焼成セラミックス、ガラスエポキシ、プラスチック等の材料により構成されるものであってよい。
本発明によれば、マイクロホンとして機能する振動板ユニットを所望の位置に容易に配置することができるマイクロホンユニットが実現可能になる。
(2)このマイクロホンユニットにおいて、
前記振動板ユニットは、前記振動板ユニット配置部にはめ込まれていてもよい。
(3)このマイクロホンユニットにおいて、
前記貫通孔の前記振動板ユニット配置部側の開口面は、前記振動板ユニット配置部の底部に設けられていてもよい。
(4)このマイクロホンユニットにおいて、
前記振動板の一方の振動面全体が前記貫通孔に通じる空間に面して配置されていてもよい。
(5)このマイクロホンユニットにおいて、
前記振動板ユニット配置部は、開口面に向かって広がった錘台状に構成されていてもよい。
(6)このマイクロホンユニットにおいて、
前記振動板ユニット配置部は、テーパ状に開口して構成されていてもよい。
例えば、振動板ユニット配置部の側面全体をテーパ状に開口するように構成してもよいし、振動板ユニット配置部の開口面付近をテーパ状に開口するように構成してもよい。
(7)このマイクロホンユニットにおいて、
前記振動板ユニット配置部の開口面を塞ぐマイクカバー部を含んでもよい。
(8)このマイクロホンユニットにおいて、
前記振動板ユニットは、前記振動板の前記貫通孔と逆側の振動面側を塞ぐマイクカバー部を含んでもよい。
(9)このマイクロホンユニットにおいて、
前記振動板ユニット配置部の開口面が多角形であってもよい。
(10)このマイクロホンユニットにおいて、
前記振動板ユニット配置部の開口面が円形であってもよい。
(11)このマイクロホンユニットにおいて、
前記振動板ユニットの全体が前記振動板ユニット配置部の内部に配置されていてもよい。
(12)このマイクロホンユニットにおいて、
前記振動板ユニットからの出力信号を処理する信号処理部を含み、
前記マイク基板は、凹部として構成されている信号処理部配置部を有し、
前記信号処理部は、前記信号処理部配置部に配置されていてもよい。
(13)このマイクロホンユニットにおいて、
前記マイク基板は、前記振動板ユニット配置部の開口面と前記信号処理部配置部の開口面とを同一面側に有してもよい。
(14)このマイクロホンユニットにおいて、
前記マイク基板は、前記振動板ユニット配置部の開口面と同一面側に、前記信号処理部と電気的に接続した電極部を含んでもよい。
(15)このマイクロホンユニットにおいて、
前記マイク基板は、前記振動板ユニット配置部の開口面側を表面側とした場合の裏面側に、前記信号処理部と電気的に接続した電極部を含んでもよい。
(16)このマイクロホンユニットにおいて、
複数の前記振動板ユニットと、
前記複数の振動板ユニットにそれぞれ対応する前記振動板ユニット配置部を含んでもよい。
(17)本発明に係るマイクロホンユニットの製造方法は、
振動板を含む振動板ユニットと、
振動板ユニット配置部を有するマイク基板とを含むマイクロホンユニットの製造方法において、
前記振動板ユニット配置部を前記マイク基板に凹部として構成する手順と、
前記振動板ユニットを前記振動板ユニット配置部に配置する手順と、
前記マイク基板に、前記振動板ユニット配置部の開口面側を表面側とした場合の裏面側と前記振動板の一方の振動面とを繋ぐ貫通孔を設ける手順とを含むことを特徴とする。
以下、本発明を適用した実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、本発明は、以下の内容を自由に組み合わせたものを含むものとする。
図1(A)及び図1(B)は、本実施の形態に係るマイクロホンユニットの構成の一例を示す図である。図1(A)は本実施の形態に係るマイクロホンユニット1の平面図、図1(B)は本実施の形態に係るマイクロホンユニット1の断面図を模式的に表した図である。
本実施の形態に係るマイクロホンユニット1は、マイク基板10を含む。マイク基板10は、凹部として構成された振動板ユニット配置部11を有している。
振動板ユニット配置部11となる凹部の開口面12の形状は特に限定されるものではないが、例えば矩形、多角形や円形としてもよい。本実施の形態においては、開口面12の形状は正方形としている。
また、本実施の形態においては、振動板ユニット配置部11となる凹部は、開口面12と平行な平行面13を底部に有した四角柱状に構成されている。
マイク基板10は、絶縁成形基材、焼成セラミックス、ガラスエポキシ、プラスチック等の材料で形成されてもよい。また、振動板ユニット配置部11となる凹部を有するマイク基板10は、例えば、凸部を有する型を絶縁成形基材に押圧することによって製造したり、所望の型を用いて焼成セラミックスによって製造したり、貫通孔を有する基板と貫通孔を有さない基板を複数貼り合わせることによって製造したりすることが可能である。
本実施の形態に係るマイクロホンユニット1は、振動板ユニット20を含む。振動板ユニット20は、マイク基板10の振動板ユニット配置部11となる凹部に配置される。
振動板ユニット20は、その一部に振動板22を含む。また、振動板ユニット20は、振動板22を保持する保持部24を有していてもよい。
振動板22は、音波が入射すると法線方向に振動する部材である。そして、マイクロホンユニット1では、振動板22の振動に基づいて電気信号を抽出することで、振動板22に入射した音声を示す電気信号を取得する。すなわち、振動板22は、マイクロホンの振動板である。
以下、本実施の形態に適用可能なマイクロホンの一例として、コンデンサ型マイクロホン200の構成について説明する。図2は、コンデンサ型マイクロホン200の構成を模式的に示した断面図である。
コンデンサ型マイクロホン200は、振動板202を有する。なお、振動板202が、本実施の形態に係るマイクロホンユニット1の振動板22に相当する。振動板202は、音波を受けて振動する膜(薄膜)で、導電性を有し、電極の一端を形成している。コンデンサ型マイクロホン200は、また、電極204を有する。電極204は、振動板202と対向、近接して配置されている。これにより、振動板202と電極204とは容量を形成する。コンデンサ型マイクロホン200に音波が入射すると、振動板202が振動して、振動板202と電極204との間隔が変化し、振動板202と電極204との間の静電容量が変化する。この静電容量の変化を、例えば電圧の変化として取り出すことによって、振動板202の振動に基づく電気信号を取得することができる。すなわち、コンデンサ型マイクロホン200に入射する音波を、電気信号に変換して出力することができる。なお、コンデンサ型マイクロホン200では、電極204は、音波の影響を受けない構造をなしていてもよい。例えば、電極204はメッシュ構造をなしていてもよい。
ただし、本発明に適用可能なマイクロホン(振動板22)は、コンデンサ型マイクロホンに限られるものではなく、既に公知となっているいずれかのマイクロホンを適用することができる。例えば、振動板22は、動電型(ダイナミック型)、電磁型(マグネティック型)、圧電型(クリスタル型)等の、種々のマイクロホンの振動板であってもよい。
あるいは、振動板22は、半導体膜(例えばシリコン膜)であってもよい。すなわち、振動板22は、シリコンマイク(Siマイク)の振動板であってもよい。シリコンマイクを利用することで、マイクロホンユニット1の小型化、及び、高性能化を実現することができる。
なお、振動板22の形状は特に限定されるものではない。本実施の形態においては、振動板22の振動面は正方形をなしているが、例えば円形であっても多角形であってもよい。
マイク基板10は、振動板ユニット配置部11の開口面12側を表面側とした場合の裏面側と、振動板22の一方の振動面とを繋ぐ貫通孔14を有する。これにより、マイク基板10の裏面側からの音圧を入力することができる。また、マイク基板10の表面側からの音圧も入力することができるため、1つの振動板22を有する構成で差動マイクとして動作させることが可能になる。
なお、振動板ユニット配置部11が開口面12と平行な平行面13を底部に有し、貫通孔14の振動板ユニット20側の開口面は、平行面13に設けられていてもよい。これにより、平行面13を利用して振動板ユニット20を固定することができる。
さらに、振動板22の一方の振動面全体が内部空間14に面して配置されることにより、振動板22がマイク基板10に接して振動を妨げられなくなり、振動板22の全体をマイクロホンの振動板として有効に機能させることができる。
貫通孔14の2つの開口面の形状は特に限定されるものではない。本実施の形態においては、貫通孔14の2つの開口面の形状はいずれも正方形をなしているが、例えば円形であっても多角形であってもよい。
なお、貫通孔14の2つの開口面は、大きさや形状が異なっていてもよい。例えば、図3(A)に平面図を、図3(B)に断面図を示すマイクロホンユニット1’のように、振動板22の一方の振動面全体が貫通孔14’に通じる空間に面して配置されるように、振動板22側の開口面を、振動板ユニット配置部11の開口面側を表面側とした場合の裏面側の開口面に比べて大きくしてもよい。
さらに、本実施の形態に係るマイクロホンユニット1は、振動板ユニット20からの出力信号を処理する信号処理部40を含んでもよい。加えてマイク基板10は、凹部として構成されている信号処理部配置部30を有し、信号処理部40は、信号処理部30に配置されてもよい。
振動板ユニット配置部11の平行面13上には電極端子205(図示せず)があり、振動板ユニット20の電極端子206(図示せず)と半田等により電気的に結合されている。また、信号処理配置部30の底面33には電極端子207(図示せず)があり、信号処理部40の電極端子208(図示せず)と半田等により電気的に結合されている。
振動板ユニット配置部11の電極端子205と、信号処理配置部30の電極端子207とはマイク基板10の基板内あるいは表面に設けられた配線パターンにより結線されており、また信号処理配置部30の電極端子207と電極部50あるいは電極部50aとはマイク基板10の基板内あるいは表面に設けられた配線パターンにより結線されている。
このような構成とすることにより、信号処理部40をマイク基板10の表面に直接配置する場合に比べ、薄型化が可能になるマイクロホンユニットが実現できる。
本実施の形態に係るマイクロホンユニット1によれば、マイク基板10に凹部として構成される振動板ユニット配置部11に配置する構成とすることにより、マイクロホンとして機能する振動板ユニット20を所望の位置に容易に配置することができるマイクロホンユニットが実現可能になる。
また、マイク基板10の振動板ユニット配置部11となる凹部以外の部分は、肉厚に形成することが可能になるため、マイクロホンユニット1の剛性が大きくなる。したがって、より取り扱いが容易なマイクロホンユニットを実現することができる。
さらに、本実施の形態においては、振動板ユニット配置部11の凹部を開口面12側から見た形状は、振動板ユニット20を開口面12側から見た形状と略同形状、同サイズに形成し、振動板ユニット20が振動板ユニット配置部11に嵌め込まれるようにすることで、製造時の位置決めを容易かつ確実にしている。
また、振動板ユニット20、信号処理部40の部品は一辺が1〜2mm程度の非常に小さい部品であるため、実装時の取り扱いが困難である。特に、振動板ユニット配置部11の電極端子205と振動板ユニット20の電極端子206とをリフロー工程を用いて半田接合する際に、部品が回転あるいは位置ずれするといったトラブルが発生しやすい。
しかしながら、上記の構成によれは、振動板ユニット20と信号処理部40はマイク基板10の凹部で位置決めされているため、振動板ユニット配置部11の電極端子205と振動板ユニット20の電極端子206とをリフロー工程においても、部品が回転あるいは位置ずれするような問題を防止し、工程歩留まりを向上させることができる。
さらに、振動板ユニットには実装方向の認識が可能なマーキングをする、あるいは一部に切り欠きを設けても構わない。これにより、画像認識等を用いて、実装不良を未然に防止することが可能である。
加えて、本実施の形態においては、振動板ユニット20の全体が振動板ユニット配置部11となる凹部の内部に配置されている。このような構成により、開口面12と平行な方向からの衝撃に強く、より取り扱いが容易なマイクロホンユニットが実現できる。
また、振動板ユニット20をマイク基板10の表面に直接配置する場合には、取り扱い中に振動板ユニット20が破損することを防ぐため、マイク基板10及び振動板ユニット20を覆うカバーを用いることが多い。本実施の形態に係るマイクロホンユニット1のように振動板ユニット20の全体が振動板ユニット配置部11となる凹部の内部に配置することにより、特に開口面12と平行な方向からの衝撃により振動板ユニット20が破損する可能性が小さくなる。したがって、カバーを用いない構成も可能になり、薄型化が可能になるとともに,カバー部により形成される空間の音響インピーダンスが発生しないため、高品質な特性を有するマイクロホンユニットが実現できる。
加えて、本実施の形態においては、マイク基板10は、振動板ユニット配置部11となる凹部の開口面12と、信号処理部配置部30となる凹部の開口面32とを同一面側に有している。これにより、マイク基板10の同一面側から振動板ユニット20と信号処理部40を配置することが可能になるため、製造工程が容易になる。
なお、種々の必要に応じて、マイク基板10は、振動板ユニット配置部11となる凹部の開口面12と、信号処理部配置部30となる凹部の開口面32とを異なる面に有していてもよい。
〔変形例1〕
図1に示すマイクロホンユニット1及び図3に示すマイクロホンユニット1’においては、マイク基板10の表裏両側から音圧を入力可能とし、1つの振動板22を有する構成で差動マイクとして動作させることのできる構成であったが、無指向性マイクとして動作させる構成とすることも可能である。
例えば、図4(A)に断面図を示すマイクロホンユニット2aのように、振動板ユニット配置部11の開口面12を塞ぐマイクカバー部80を含む構成としてもよい。また例えば、図4(B)に断面図を示すマイクロホンユニット2bのように、振動板ユニット20が、振動板22の貫通孔14と逆側の振動面側を塞ぐマイクカバー部81を含む構成としてもよい。
このように構成することにより、貫通孔14を通じた音圧のみが振動板22に入力されることになるため、マイクロホンユニット2a及び2bは、無指向性マイクとして動作する。
〔変形例2〕
図1に示すマイクロホンユニット1、図3に示すマイクロホンユニット1’、図4(A)に示マイクロホンユニット2a及び図4(B)に示すマイクロホンユニット2bにおいては、振動板ユニット配置部11となる凹部の形状は、開口面12と平行面13が同じ形状となる柱状に構成しているが、他の形状で構成することも可能である。特に、振動板ユニット配置部11となる凹部の形状を、平行面13よりも広い開口面11を有し、開口面12の真上から見たときに平行面13の全てが見える形状にすることにより、振動板ユニット20の挿入が容易になり、かつ、振動板ユニット20を所望の位置に容易に配置することができるマイクロホンユニットが実現可能になる。
例えば、図5(A)に平面図を、図5(B)に断面図を示すマイクロホンユニット1aのように、振動板ユニット配置部11aとなる凹部の形状は、開口面12aに向かって広がった錘台状、すなわち、開口面12aから平行面13に向かって断面が狭くなる錘台状に構成してもよい。また例えば、図6(A)に平面図を、図6(B)に断面図を示すマイクロホンユニット1bのように、振動板ユニット配置部11bは、開口面12b付近をテーパ状に開口して構成してもよい。
信号処理部配置部30となる凹部の形状についても同様である。図1に示すマイクロホンユニット1、図3に示すマイクロホンユニット1’、図4(A)に示マイクロホンユニット2a及び図4(B)に示すマイクロホンユニット2bにおいては、信号処理部配置部30となる凹部の形状は、開口面32と底面33が同じ形状となる柱状に構成しているが、信号処理部配置部30となる凹部の形状を、底面33よりも広い開口面32を有し、開口面32の真上から見たときに底面33の全てが見える形状にすることにより、信号処理部40の挿入が容易になる。
例えば、図5に示すマイクロホンユニット1aのように、信号処理部配置部30aとなる凹部の形状は、開口面32aに向かって広がった錘台状、すなわち、開口面32aから底面33に向かって断面が狭くなる錘台状に構成してもよい。また例えば、図6に示すマイクロホンユニット1bのように、振動板ユニット配置部30bは、開口面32b付近をテーパ状に開口して構成してもよい。
なお、図5及び図6ではマイクロホンユニット1を基に変形例を示しているが、マイクロホンユニット1’、2a及び2bについても、同様の変形が可能である。
〔変形例3〕
マイクロホンユニット1、1’、1a、1b、2a及び2bの構成に加えて、マイク基板10は、振動板ユニット配置部11となる凹部の開口面12を表面側とした場合の裏面側に、信号処理部40と電気的に接続した電極部50を含んでもよい。
図7(A)は、電極部50を含んだマイクロホンユニット1の平面図、図7(B)は、電極部50を含んだマイクロホンユニット1の断面図、図7(C)は、電極部50を含んだマイクロホンユニット1を配線基板60に接続した場合の断面図を示す。
配線基板60は、図示しない他の電気回路への配線を含んでおり、電極部50と電気的に接続する。また配線基板60は、振動板22に音波を導く貫通孔62を、貫通孔14と重複する位置に備えていてもよい。
配線基板60とマイク基板10の接合は、配線基板60の一方の面において貫通孔62を全方向に囲む領域と、マイク基板10の裏面側において貫通孔14を全方向に囲む領域が対向して接合されていてもよい。例えば、配線基板60の一方の面において貫通孔62の周囲を途切れることなく囲み、マイク基板10の裏面側において貫通孔14の周囲を途切れることなく囲む、配線基板60とマイク基板10とを接合するシール部70を含んでもよい。これにより、マイク基板10と配線基板60の隙間から貫通孔14に入り込む音声(音響リーク)を防ぐことができる。
シール部70は、例えば半田により形成されてもよい。また例えば、銀ペーストのような導電性接着剤や、特に導電性のない接着剤により形成されてもよい。また例えば、粘着シール等気密性を確保できる材料により形成されてもよい。
このような構成とすることにより、配線基板60の裏側にマイクロホンユニット1を配置することが可能になる。
なお、マイクロホンユニット1、1’、1a、1b、2a及び2bの構成に加えて、マイク基板10は、振動板ユニット配置部11となる凹部の開口面と同一面側に、信号処理部40と電気的に接続した電極部50aを含んでもよい。
図8(A)は、電極部50aを含んだマイクロホンユニット1の平面図、図8(B)は、電極部50aを含んだマイクロホンユニット1の断面図、図8(C)は、電極部50aを含んだマイクロホンユニット1を配線基板60aに接続した場合の断面図を示す。
配線基板60aは、図示しない他の電気回路への配線を含んでおり、電極部50aと電気的に接続する。
配線基板60aは、開口面12を全方向に囲む領域と接合されていてもよい。例えば、開口面12の周囲を途切れることなく囲み、マイク基板10と配線基板60aを接合するシール部70aを含んでもよい。これにより、マイク基板10と配線基板60aの隙間から開口面12に入り込む音声(音響リーク)を防ぐことができる。
このような構成とすることにより、図示しない他の電気回路と同じく配線基板60の表側にマイクロホンユニット1を配置することが可能になる。
なお、図7及び図8ではマイクロホンユニット1を基に変形例を示しているが、マイクロホンユニット1’、1a、1b、2a及び2bについても、同様の変形が可能である。
〔変形例4〕
図1乃至図8を用いて説明した例では、1つの振動板ユニット20を含む例で説明したが、複数の振動板ユニットと、それらの複数の振動板ユニットにそれぞれ対応する振動板ユニット配置部及び貫通孔を含んで構成してもよい。また、信号処理部40は、複数の振動板ユニットのいずれか2つからの出力信号を用いて差分信号を生成する処理を含む信号処理を行ってもよい。
図9(A)は、2つの振動板ユニット20及び25を含むマイクロホンユニット3の平面図、図9(B)は、マイクロホンユニット3の断面図を示す。
マイク基板10は、振動板ユニット20に対応する振動板ユニット配置部11及び貫通孔14と、振動板ユニット25に対応する振動板ユニット配置部16及び貫通孔18を含んで構成されている。
例えば、2つのマイクロホンからの出力信号の差を示す差分信号を生成して利用する差動マイクにおいては、2つのマイクロホンの位置関係は音声入力装置の特性を左右する重要な設計要素となるが、本変形例の構成によれば、マイクロホンとして機能する振動板ユニット20及び25を所望の位置に容易に配置することができるマイクロホンユニットが実現可能になる。
なお、図9に示すマイクロホンユニット3では、マイクロホンユニット1を基に変形例を示しているが、マイクロホンユニット1’、1a、1b、2a及び2bについても、同様の変形が可能である。また、変形例3で説明した電極部を含む構成を適宜組み合わせてもよい。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
本発明の実施の形態に係るマイクロホンユニットの構成例。 コンデンサ型マイクロホンの構成例。 本発明の実施の形態に係るマイクロホンユニットの構成例。 本発明の実施の形態に係るマイクロホンユニットの構成例。 本発明の実施の形態に係るマイクロホンユニットの構成例。 本発明の実施の形態に係るマイクロホンユニットの構成例。 本発明の実施の形態に係るマイクロホンユニットの構成例。 本発明の実施の形態に係るマイクロホンユニットの構成例。 本発明の実施の形態に係るマイクロホンユニットの構成例。
符号の説明
1,1’,1a,1b,2a,2b,3 マイクロホンユニット、10 マイク基板、11,11a,11b,16 振動板ユニット配置部、12,12a,12b 開口面、13 平行面、14,14’,18 貫通孔、20,25 振動板ユニット、22,26 振動板、24,28 保持部、30,30a,30b 信号処理部配置部、32,32a,32b 開口面、33 底面、40 信号処理部、50,50a 電極部、60,60a 配線基板、62 貫通孔、70,70a シール部、80,81 マイクカバー部、200 コンデンサ型マイクロホン、202 振動板、204 電極

Claims (17)

  1. 振動板を含む振動板ユニットと、
    振動板ユニット配置部を有するマイク基板とを含み、
    前記振動板ユニット配置部は、前記マイク基板に凹部として構成され、
    前記振動板ユニットは、前記振動板ユニット配置部に配置され、
    前記マイク基板は、前記振動板ユニット配置部の開口面側を表面側とした場合の裏面側と前記振動板の一方の振動面とを繋ぐ貫通孔を有すること特徴とするマイクロホンユニット。
  2. 請求項1に記載のマイクロホンユニットにおいて、
    前記振動板ユニットは、前記振動板ユニット配置部にはめ込まれることを特徴とするマイクロホンユニット。
  3. 請求項1及び2のいずれかに記載のマイクロホンユニットにおいて、
    前記貫通孔の前記振動板ユニット配置部側の開口面は、前記振動板ユニット配置部の底部に設けられていることを特徴とするマイクロホンユニット。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のマイクロホンユニットにおいて、
    前記振動板の一方の振動面全体が前記貫通孔に通じる空間に面して配置されていることを特徴とするマイクロホンユニット。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のマイクロホンユニットにおいて、
    前記振動板ユニット配置部は、開口面に向かって広がった錘台状に構成されていることを特徴とするマイクロホンユニット。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載のマイクロホンユニットにおいて、
    前記振動板ユニット配置部は、テーパ状に開口して構成されていることを特徴とするマイクロホンユニット。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載のマイクロホンユニットにおいて、
    前記振動板ユニット配置部の開口面を塞ぐマイクカバー部を含むことを特徴とするマイクロホンユニット。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のマイクロホンユニットにおいて、
    前記振動板ユニットは、前記振動板の前記貫通孔と逆側の振動面側を塞ぐマイクカバー部を含む特徴とするマイクロホンユニット。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載のマイクロホンユニットにおいて、
    前記振動板ユニット配置部の開口面が多角形であることを特徴とするマイクロホンユニット。
  10. 請求項1乃至8のいずれかに記載のマイクロホンユニットにおいて、
    前記振動板ユニット配置部の開口面が円形であることを特徴とするマイクロホンユニット。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載のマイクロホンユニットにおいて、
    前記振動板ユニットの全体が前記振動板ユニット配置部の内部に配置されていることを特徴とするマイクロホンユニット。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載のマイクロホンユニットにおいて、
    前記振動板ユニットからの出力信号を処理する信号処理部を含み、
    前記マイク基板は、凹部として構成されている信号処理部配置部を有し、
    前記信号処理部は、前記信号処理部配置部に配置されていることを特徴とするマイクロホンユニット。
  13. 請求項12に記載のマイクロホンユニットにおいて、
    前記マイク基板は、前記振動板ユニット配置部の開口面と前記信号処理部配置部の開口面とを同一面側に有することを特徴とするマイクロホンユニット。
  14. 請求項12及び13のいずれかに記載のマイクロホンユニットにおいて、
    前記マイク基板は、前記振動板ユニット配置部の開口面と同一面側に、前記信号処理部と電気的に接続した電極部を含むことを特徴とするマイクロホンユニット。
  15. 請求項12及び13のいずれかに記載のマイクロホンユニットにおいて、
    前記マイク基板は、前記振動板ユニット配置部の開口面側を表面側とした場合の裏面側に、前記信号処理部と電気的に接続した電極部を含むことを特徴とするマイクロホンユニット。
  16. 請求項1乃至15のいずれかに記載のマイクロホンユニットにおいて、
    複数の前記振動板ユニットと、
    前記複数の振動板ユニットにそれぞれ対応する前記振動板ユニット配置部及び前記貫通孔を含むことを特徴とするマイクロホンユニット。
  17. 振動板を含む振動板ユニットと、
    振動板ユニット配置部を有するマイク基板とを含むマイクロホンユニットの製造方法において、
    前記振動板ユニット配置部を前記マイク基板に凹部として構成する手順と、
    前記振動板ユニットを前記振動板ユニット配置部に配置する手順と、
    前記マイク基板に、前記振動板ユニット配置部の開口面側を表面側とした場合の裏面側と前記振動板の一方の振動面とを繋ぐ貫通孔を設ける手順とを含むことを特徴とするマイクロホンユニットの製造方法。
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