JP5065439B2 - 低温引張試験機 - Google Patents

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Description

本発明は、低温引張試験機に関し、詳しくは、各種材料の試験片を超低温に冷却した状態で引張試験を行う低温引張試験機に関する。
低温下で試験片の引張試験を行う低温引張試験機では、試験片の把持具などを収容した恒温槽内に乾燥空気を供給することにより、0℃以下の低温下でも恒温槽内各部で水分が凍結しないようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
近年は、200K以下の低温状態で、各種材料の残留応力、強度・変形特性解析や機械部品の内部の応力状態などを測定する際に低温引張試験機が使用されている。例えば、低温状態で試験片に中性子を照射する中性子回折法によって、原子間距離を定量的に評価することができるので、引張試験機により材料を引張り(圧縮し)ながら回折線を測定すれば、引張(圧縮)負荷中の材料の変形挙動を原子レベルのミクロ的な視点から評価することができる。
低温引張試験機を用いて30〜300Kの低温状態で中性子散乱測定を行った結果が報告されている。このとき使用した低温引張試験機は、試験片をそれぞれ把持する可動側把持部材と固定側把持部材とを収容した真空断熱筐体の内部に2台の2段式機械式冷凍機の冷却ヘッドを挿入したものであって、2段式機械式冷凍機の第1段冷却部が試験片及び把持部材を覆うように設けられた輻射シールドを冷却し、第2段冷却部が伝熱用銅部材を介して両把持具を冷却するように形成されている(例えば、非特許文献1参照。)。
特開2004−156933号公報
Edward Oliver, Beth Evans, Mohammad Chowdhury, Robert Major, Oleg Kirichek and Zoe Bowden 著 「Novel testing chamber for neutron scattering measurements of internal stresses in engineering materials at cryogenic temperatures」 MEASUREMENT SCIENCE AND TECHHNOLOGY 19(2008)
しかし、従来の低温引張試験器では、固定側把持具を所定位置に固定するための部材や、可動側把持具を移動させる機構部分からの熱浸入によって30K以下の超低温状態にまで試験片を冷却することができなかった。
そこで本発明は、外部からの熱侵入を極力排除し、30K以下の超低温状態でも安定して試験を行うことができる低温引張試験機を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の低温引張試験機は、試験片の一端を把持する固定把持具及び前記試験片の他端を把持する可動把持具と、両把持具を覆う輻射シールドと、把持具を覆った状態の輻射シールドを収容する真空断熱筐体と、該筐体内に冷却ヘッド部を挿入した2段式機械式冷凍機と、該2段式機械式冷凍機の第1段冷却ヘッドの冷熱を前記輻射シールドに伝達する第1伝熱手段と、前記2段式機械式冷凍機の第2段冷却ヘッドの冷熱を前記固定把持具及び前記可動把持具に伝達する第2伝熱手段とを備えた低温引張試験機において、前記試験片の軸線方向に配置されて前記輻射シールドの一側方を貫通し、更に前記筐体の一側壁を気密状態で貫通する引張軸と、前記筐体の外部側で前記引張軸を介して前記試験片に引張荷重又は圧縮荷重を与える駆動手段と、筐体の前記一側壁の内面から前記試験片の軸線方向に対して平行に筐体の他側壁の方向に向かって設けられた複数の支持軸と、筐体の前記他側壁から離れた位置で前記支持軸に保持された固定板と、該固定板に前記固定把持具を固定する固定把持具支持用ネジ部材と、前記2段式機械式冷凍機の第1段冷却ヘッドの冷熱を前記固定板に伝達する第3伝熱手段と、前記2段式機械式冷凍機の第2段冷却ヘッドに設けられたヒータとを備えていることを特徴としている。
さらに、本発明の低温引張試験機は、前記固定板と前記輻射シールドとは、非接触状態で設置されていることを特徴としている。
本発明の低温引張試験機によれば、固定把持具を固定する固定板を複数の支持軸を介して保持し、固定板と筐体とが直接接触しないようにしているので、固定板を介して固定把持具に至る外部からの熱侵入を極力排除することができるとともに、2段式機械式冷凍機の第1段冷却ヘッドの冷熱によって固定板を冷却しているので、固定把持具を5K以下の超低温まで冷却することが可能となり、2段式機械式冷凍機とヒータとを制御することによって30K以下の超低温状態での引張試験や圧縮試験も安定した状態で行うことが可能となる。また、固定板と輻射シールドとを非接触状態とすることにより、両者の熱伸縮が試験片に影響することを回避することができる。
本発明の低温引張試験機の一形態例を示す断面正面図である。 筐体の断面側面図である。 低温引張試験機の側面図である。
本形態例は中性子回折測定用の低温引張試験機の一形態例を示すもので、低温引張試験機は、天板11a、底板11b、前面板11c、後面板11d、左側面板11e及び右側面板11fの6枚を気密に接合した六面体形状の真空断熱筐体11と、試験片12の両端をそれぞれ把持する固定把持具13及び可動把持具14と、両把持具13,14を覆うように配設した輻射シールド15と、前記固定把持具13を真空断熱筐体11の内部の所定位置に固定するための固定板16及び複数の支持軸17と、可動把持具14を試験片12の軸線方向(引張方向)に移動させるための駆動手段18と、前記真空断熱筐体11内の各部材を冷却するための2段式機械式冷凍機19とを備えている。
前面板11c及び後面板11dには、試験片12の位置に対応した位置に中性子を照射・測定するための測定窓20が形成されるとともに、該測定窓20を外部から覆うようにして中性子透過板21が設けられている。この中性子透過板21は、中性子を透過可能な材料で形成されており、照射・測定用の中性子が透過する部分には、測定窓20に対応するようにして薄肉部21aが設けられている。
前記2段式機械式冷凍機19は、ヘリウムを利用して超低温を得るものであって、第1段冷却ヘッド19aと、該第1段冷却ヘッド19aより低温になる第2段冷却ヘッド19bとを有している。この2段式機械式冷凍機19は、真空断熱筐体11の天板11aに開口した冷凍機取付口22に冷凍機取付筒23を介して気密に取り付けられており、第2段冷却ヘッド19bは、前記冷凍機取付口22及び輻射シールド15の上面板15aに設けた冷却ヘッド挿入口24を通って両把持具13,14の近傍まで挿入されている。さらに、第2段冷却ヘッド19bには、該第2段冷却ヘッド19bの温度調節を行うためのヒータ25が設けられている。
輻射シールド15は、上面板15a、底面板15b、前後一対の側面板15c及び左右一対の端面板15dを直方体状に組み合わせたものであって、上面板15aには前記冷却ヘッド挿入口24が設けられ、両端面板15dには、固定把持具13及び可動把持具14を保持する部材が貫通する部材貫通口26がそれぞれ設けられている。また、側面板15cは、ビスなどの固定手段によって他の面板に対して着脱可能に形成されている。
この輻射シールド15は、2段式機械式冷凍機19の前記第1段冷却ヘッド19aと前記冷却ヘッド挿入口24の開口縁とを連結する筒状連結部材27により、2段式機械式冷凍機19に吊り下げられた状態で真空断熱筐体11の内部に配置されている。また、筒状連結部材27は、第1段冷却ヘッド19aの冷熱を上面板15aを介して輻射シールド15に伝達するための伝熱部材(第1伝熱手段)を兼ねている。
固定把持具13は、固定把持具支持用ネジ部材28を介して前記固定板16に固定され、固定板16は、4本の前記支持軸17により、固定板16の設置位置から最も遠く離れた位置にある筐体11の一側壁(本形態例では左側壁11e)に固定されている。
左側壁11eの内面側の4箇所には、支持軸17の一端部(左側壁11e側の端部)に形成された雄ねじ17aが螺合する雌ねじ穴が非貫通状態で形成されており、支持軸17は、雄ねじ17aを雌ねじ穴に螺着することにより、試験片12の軸線方向に対して平行な方向に植設された状態となる。
固定板16の四隅部には、支持軸17の他端部(右側壁11f側の端部)に形成された雄ねじ17bが貫通する通孔がそれぞれ形成されており、各通孔を貫通した雄ねじ17bの先端部にナット17cをそれぞれ螺着することにより、試験片12の軸線方向に対して垂直な方向に固定板16が固定された状態となる。このとき、固定板16と輻射シールド15とは非接触状態になるように、固定板16と輻射シールド15との間には、数mm乃至十数mmの間隔が設けられる。
さらに、固定板16の中央部には、前記固定把持具支持用ネジ部材28の基端部が貫通する通孔が形成されており、輻射シールド15の前記部材貫通口26を貫通し、更に固定板16の通孔を貫通した固定把持具支持用ネジ部材28を、固定板16の両側から一対のナット29,29で締め付けることにより、固定把持具支持用ネジ部材28が固定板16に対して垂直に固定され、ナット29,29を緩めることによって固定把持具支持用ネジ部材28を軸線方向に位置調整することができるように形成されている。固定把持具13は、該固定把持具13の基部側に形成した雌ねじ部を固定把持具支持用ネジ部材28の先端部に螺着し、固定ナット28aで締め付けることにより固定されており、試験片12に対応した把持部13aを有する固定把持具13が着脱交換可能な状態に形成されている。
前記可動把持具14の駆動手段18は、前記試験片12の軸線方向に配置されて、筐体11の左側面板11eに設けた開口30を通って筐体内外に貫通する引張軸31と、前記筐体11の外部に配置された駆動装置32とを備えている。引張軸31は、先端に可動把持具14が取り付けられる可動把持具取付軸33と、駆動装置32の雌ねじ部材34に螺合するネジ軸35と、可動把持具取付軸33とネジ軸35との間に配置されたロードセル36とを備えている。
可動把持具14は、該可動把持具14の基部側に形成した雌ねじ部を可動把持具取付軸33の先端部に形成された雄ねじ部33aに螺着し、固定ナット33bで締め付けることにより固定されており、試験片12に対応した把持部14aを有する可動把持具14が着脱交換可能な状態に形成されている。可動把持具取付軸33は、前記輻射シールド15の部材貫通口26を貫通し、更に前記左側壁11eの開口30を、ベローズ37及びリング状摺動部材38を介して断熱状態かつ気密状態で軸線方向に移動可能に貫通している。
駆動装置32は、2本の駆動装置支持軸39及び駆動装置装着板40を介して筐体11の左側壁11eに固定されている。
左側壁11eの外面側の2箇所には、駆動装置支持軸39の基端に形成された雄ねじ39aを螺着する雌ねじ穴が非貫通状態でそれぞれ形成されており、両雌ねじ穴に雄ねじ39aを螺着することにより、駆動装置支持軸39は、前記試験片12の軸線方向に対して平行な状態で左側壁11eに固定されている。駆動装置装着板40の2箇所には、駆動装置支持軸39の先端に形成された雄ねじ39bが貫通する通孔が形成されており、該通孔を貫通した雄ねじ39bにナット39cを螺着することにより、駆動装置装着板40が前記試験片12の軸線方向に対して垂直な方向に固定されている。駆動装置装着板40には、軸受部材40aにより回転可能に保持された前記雌ねじ部材34の外周に設けられたウオームホイール34aに螺合するウオームギア41と、該ウオームギア41を継手42を介して回転駆動するモータ43とが設けられている。
そして、前記2段式機械式冷凍機19の第1段冷却ヘッド19aと前記固定板16との間には、第1段冷却ヘッド19aの冷熱を固定板16に伝達するための伝熱部材(第3伝熱手段)44が伝熱部材取付具44a、44bを介して取り付けられている。さらに、第1段冷却ヘッド19aと前記可動把持具取付軸33との間には、第1段冷却ヘッド19aの冷熱を可動把持具取付軸33に伝達するための伝熱部材45が伝熱部材取付具45a、45bを介して取り付けられている。
また、2段式機械式冷凍機19の第2段冷却ヘッド19bと固定把持具13及び可動把持具14との間には、第2段冷却ヘッド19bの冷熱を固定把持具13及び可動把持具14にそれぞれ伝達するための伝熱部材(第2伝熱手段)46が伝熱部材取付具46a、46bを介して取り付けられるとともに、第2段冷却ヘッド19bと固定把持具13とには、温度センサ(図示せず)がそれぞれ取り付けられている。なお、伝熱部材45は、可動把持具取付軸33と同時に輻射シールド15の端面板15dを冷却するように形成することができる。
さらに、真空断熱筐体11の外部には、前記温度センサにより測定した第2段冷却ヘッド19bの温度及び固定把持具13の温度に基づいて、2段式機械式冷凍機19の運転状態を制御したり、前記ヒータ25の発熱量を制御したりするための温度制御を行ったり、前記ロードセル36の測定荷重に基づいて駆動手段18のモータ43を制御したりするための制御手段(図示せず)が設けられている。また、本形態例に示す低温引張試験機では、駆動装置32に、可動把持具14を手動で移動させることができる手動操作部47が設けられている。さらに、真空断熱筐体11の上部には、低温引張試験機を吊り上げる際に用いるアイボルト48が設けられている。
なお、固定把持具13及び可動把持具14は、ステンレス鋼で形成することもできるが、熱伝導性が良好な銅で形成することによって試験片12を効果的に冷却することができ、輻射シールド15や固定板16も熱伝導性が良好な金属、例えばアルミニウム(合金を含む、以下同じ。)で形成することにより、輻射シールド効果を高めることができる。同様に、筒状連結部材27や各伝熱部材44,45,46も熱伝導性が良好な金属で形成することが好ましく、特に伝熱部材44,45,46は、取付状態を考慮すると、複数の導線を束ねたものを用いることが好ましい。また、中性子透過板21は、中性子を透過し易いアルミニウムで形成することが好ましく、薄肉部21aを設けることによって中性子の透過性を向上させることができる。他の構成部材は、一般的なステンレス鋼にて形成することができ、真空断熱筐体11の断熱構造は、真空断熱構造に他の断熱構造を組み合わせることができる。
また、2段式機械式冷凍機19は、所望の低温を得ることができれば任意の形式冷凍機を使用することが可能であり、2段式機械式冷凍機19を複数台設置することもできる。さらに、ヒータ25の構造は、第2段冷却ヘッド19bを過熱することができれば、任意のものを用いることができ、ヒータ発熱量の制御も任意の制御手段で行うことが可能である。
次に、本形態例に示す低温引張試験機を使用して試験片12の中性子回折測定を行う手順を説明する。まず、真空断熱筐体11内が常温、常圧状態において、真空断熱筐体11の前面板11cを取り外して筐体11の前面を開放し、さらに、輻射シールド15の前面側の側面板15cを取り外して固定把持具13及び可動把持具14を露出させ、必要に応じて固定把持具13及び可動把持具14を試験片12に対応したものに交換する。
次に、固定把持具支持用ネジ部材28のナット29を操作して固定把持具支持用ネジ部材28を適宜軸方向に移動させ、試験片12の長さに応じた位置に固定把持具13を固定する。さらに、駆動手段18のモータ43を作動させたり、手動操作部47を操作して可動把持具14を適当な位置に移動させながら、固定把持具13及び可動把持具14の把持部13a,14aに試験片12の両端を把持させる。なお、把持部がねじ込み形式の場合には、試験片12の両端をねじ込んで固定把持具13及び可動把持具14で試験片12を保持する。また、必要に応じて試験片12に歪みゲージや伸び計を装着しておくこともできる。
固定把持具13及び可動把持具14に試験片12をセットした後、側面板15cを取り付けて輻射シールド15を試験片12や把持具13,14を覆う状態に戻した後、前面板11cを取り付けて真空断熱筐体11を気密に密閉された状態とする。このとき、必要に応じて中性子透過板21を試験片12に応じたものに交換することができる。なお、真空断熱筐体11や輻射シールド15は、操作性を考慮して前後両面を開放することもできる。
次に、図示しない真空ポンプを作動させて真空断熱筐体11内の真空引きを開始し、真空断熱筐体11内があらかじめ設定された真空度に達した後、2段式機械式冷凍機の運転を開始して真空断熱筐体11内の各部を冷却する。各部の温度、特に、試験片12の温度は、第2段冷却ヘッド19b及び固定把持具13に設けた温度センサからの信号に基づいて制御され、あらかじめ設定された測定温度を保持するように制御手段がヒータ25の発熱量を制御する。例えば、第2段冷却ヘッド19bから伝熱部材46及び把持具13,14を介して冷却される試験片12の温度を5Kにする場合、第1段冷却ヘッドから筒状連結部材27を介して冷却される輻射シールド15の温度や、伝熱部材44,45を介して冷却される固定板16や可動把持具取付軸33の温度は約70Kに保持される。
この冷却状態において、固定把持具支持用ネジ部材28は、伝熱部材44を介して冷却されている固定板16に取り付けられており、固定板16は、支持軸17によって固定板16から離れた真空断熱筐体11の左側面板11eに取り付けられているので、外部から真空断熱筐体11を介して固定把持具支持用ネジ部材28への熱浸入を極力排除することができ、固定把持具13を超低温に冷却した状態で保持することができる。同様に、可動把持具取付軸33を伝熱部材45を介して冷却することにより、可動把持具取付軸33から固定把持具13への熱浸入を極力排除することができる。
試験片12が設定温度になった後、制御装置によってモータ43を作動させ、引張軸31を介して可動把持具14を軸線方向に移動させることにより、試験片12に引張荷重又は圧縮荷重を与える。試験片12に与えられた引張荷重又は圧縮荷重は、ロードセル36によって検出され、ロードセル36で測定した値は、制御手段に送信されて随時記録される。
中性子の照射は、原子炉等の中性子発生源から連続的又はパルス状に発生する熱中性子を中性子導管、モノクロメーター結晶を利用し、中性子透過板21を介して試験片12に導くことで行われる。中性子の照射は、試験片12からの信号が十分積算されるまで行われる。なお、単位時間当たりの照射量は、中性子発生源の能力に依存する。中性子の照射量の測定は、単色中性子を利用する場合、試験片12からの回折中性子は、試験片12の回折角近傍に設置した中性子検出器によって回折角に対する中性子強度のスペクトルを観測することで測定する。また、白色光のパルス中性子を利用する場合は、対面する中性子検出器群により、中性子飛行時間と中性子強度のスペクトルとして測定する。
ロードセル36の測定値と試験片12の断面積とによって試験片12に加わる応力を測定し、任意の荷重における中性子回折により、試験片12を構成する結晶の格子面間隔を、中性子の回折現象を利用して測定することができる。また、非晶質試験片の場合には、中性子回折現象によるハローパターンを測定することができる。さらに、求められた格子面間隔等から歪み量を算出することにより、応力−ひずみ線図から試験片12の弾性定数を求めることもできる。さらに、歪みゲージや伸び計を試験片12に装着しておくことにより、試験片全体の変形情報を中性子回折と同時に測定することができる。
このようにして測定を行う際に、固定板16と輻射シールド15とを非接触状態に配置しておくことにより、筒状連結部材27の熱伸縮によって輻射シールド15が試験片12の軸線方向に対して直角方向に移動することによる影響を無くすことができ、試験片12に荷重をかける工程である負荷過程における測定値と、試験片12にかけた荷重を徐々に減じる工程である除荷過程における測定値との誤差の発生を防止できる。これにより、超低温下における高精度の測定が可能となる。
このように、本発明の低温引張試験機は、各種材料の中性子回折による残留応力(引っ張り・圧縮・曲げ・熱処理等の外力に対して物体内部に生じ、外力を除いたあとにも保留される応力)を、5K以下の超低温状態において測定することで、材料内部の残留応力分布や歪み等の状態を知ることができ、材料の強化や安全性確保等の目的に利用することができ、様々な産業利用分野に活用できる。
11…真空断熱筐体、11a…天板、11b…底板、11c…前面板、11d…後面板、11e…左側面板、11f…右側面板、12…試験片、13…固定把持具、13a…把持部、14…可動把持具、14a…把持部、15…輻射シールド、15a…上面板、15b…底面板、15c…側面板、15d…端面板、16…固定板、17…支持軸、17a…雄ねじ、17b…雄ねじ、17c…ナット、18…駆動手段、19…2段式機械式冷凍機、19a…第1段冷却ヘッド、19b…第2段冷却ヘッド、20…測定窓、21…中性子透過板、21a…薄肉部、22…冷凍機取付口、23…冷凍機取付筒、24…冷却ヘッド挿入口、25…ヒータ、26…部材貫通口、27…筒状連結部材(第1伝熱手段)、28…固定把持具支持用ネジ部材、28a…固定ナット、29…ナット、30…開口、31…引張軸、32…駆動装置、33…可動把持具取付軸、33a…雄ねじ部、33b…固定ナット、34…雌ねじ部材、34a…ウオームホイール、35…ネジ軸、36…ロードセル、37…ベローズ、38…リング状摺動部材、39…駆動装置支持軸、39a…雄ねじ、39b…雄ねじ、39c…ナット、40…駆動装置装着板、40a…軸受部材、41…ウオームギア、42…継手、43…モータ、44…伝熱部材(第3伝熱手段)、44a、44b…伝熱部材取付具、45…伝熱部材、45a、45b…伝熱部材取付具、46…伝熱部材(第2伝熱手段)、46a、46b…伝熱部材取付具、47…手動操作部、48…アイボルト

Claims (2)

  1. 試験片の一端を把持する固定把持具及び前記試験片の他端を把持する可動把持具と、両把持具を覆う輻射シールドと、把持具を覆った状態の輻射シールドを収容する真空断熱筐体と、該筐体内に冷却ヘッド部を挿入した2段式機械式冷凍機と、該2段式機械式冷凍機の第1段冷却ヘッドの冷熱を前記輻射シールドに伝達する第1伝熱手段と、前記2段式機械式冷凍機の第2段冷却ヘッドの冷熱を前記固定把持具及び前記可動把持具に伝達する第2伝熱手段とを備えた低温引張試験機において、前記試験片の軸線方向に配置されて前記輻射シールドの一側方を貫通し、更に前記筐体の一側壁を気密状態で貫通する引張軸と、前記筐体の外部側で前記引張軸を介して前記試験片に引張荷重又は圧縮荷重を与える駆動手段と、筐体の前記一側壁の内面から前記試験片の軸線方向に対して平行に筐体の他側壁の方向に向かって設けられた複数の支持軸と、筐体の前記他側壁から離れた位置で前記支持軸に保持された固定板と、該固定板に前記固定把持具を固定する固定把持具支持用ネジ部材と、前記2段式機械式冷凍機の第1段冷却ヘッドの冷熱を前記固定板に伝達する第3伝熱手段と、前記2段式機械式冷凍機の第2段冷却ヘッドに設けられたヒータとを備えていることを特徴とする低温引張試験機。
  2. 前記固定板と前記輻射シールドとは、非接触状態で設置されていることを特徴とする請求項1記載の低温引張試験機。
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