JP5064866B2 - 表面検査装置及び表面検査方法 - Google Patents
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Description
また、本発明の他の目的は、一度に広範囲を検査することが可能であって、かつ、検査に要するコストの低減を図った表面検査方法を提供することにある。
本実施形態の表面検査装置1は、回転電機(モータ)のケースを検査するために使用されるが、検査対象としてはモータのケースに限定されず、他の物品に適用できることはいうまでもない。
板バネ12は、長方形の板状部材で構成され、弾性を有する部材である。板バネ12は、長手方向の一端側から分岐する複数のバネ部12a,12a,・・・と、これらのバネ部12a,12a,・・・が合流して一体となった合流部12bとを備えている。バネ部12a,12a,・・・は、それぞれが同じ長さ、板厚、横幅を有し、等間隔で配列された櫛歯形状に形成されている。合流部12bはバネ部12a,12a,・・・の基端部側に形成されている。板バネ12は、このように片持ち梁構造をなすように構成されている。
なお、接触端子11の材料としてゴムなどの弾性材料を用いることも可能である。弾性部材を用いることで、接触端子11を被測定物Sの表面に確実に圧着させることができるとともに、被測定物Sの表面に傷を付けにくくすることができる。
上述した複数の接触端子11,11,・・・と複数のバネ部12a,12a,・・・は本発明の検出子に相当する。
また、加速度センサ13の種類としては上述した半導体式に限定されず、圧電式、動電式、歪みゲージ式など、他の種類でもよい。
アンプ4で増幅された電気信号は、A/D変換器5に出力され、デジタル信号に変換される。
コンピュータ6は、CPUなどの演算装置とメモリなどの記憶装置を備えた一般的なコンピュータの構成を備えている。記憶装置には、A/D変換器5から出力されたデジタル信号を波形データに変換する波形処理プログラムと、波形データから特徴波形を抽出する波形解析プログラムが格納されている。
検査素子2の複数の接触端子11,11,・・・を被測定物Sの表面に圧接した状態で、移動機構3により検査素子2を被測定物Sの表面に沿って一定の速度で掃引する(図1、矢印Xa−Xbで示すライン)。複数の接触端子11,11,・・・は並列に並んでいるため、それぞれ異なるラインに沿って被測定物Sの表面を摺接移動する。図1では、一番手前の接触端子11のラインのみをXa−Xbで示している。
この図に示すように、接触端子11,11,・・・のいずれか少なくとも1つが傷Dが接触したとき、板バネ12全体が大きく振動して加速度センサ13で検知される加速度が急激に大きくなり、図に点線の丸で囲んだように波形の急激な変化が観測される(図中の点線で囲まれた領域A)。
また、コンピュータ6は、特徴波形における加速度の急激な変化が、予め記憶された時間以上継続するか否かを判別する。その結果、所定時間続いた場合は、傷Dが大きいと判断し、エラー信号を出力する。
コンピュータ6は、エラー信号を出力するとディスプレイにエラー表示を行う。オペレータは、ディスプレイに表示されるエラー表示により、被測定物Sに大きな傷Dがあるか否かを容易に確認することができる。
このように、傷Dの大きさや深さが予め定めた基準値以上の場合、エラー表示を行うことで、被測定物Sの不良品を的確に判別することができる。逆に、傷Dの大きさや深さが基準値未満の場合、傷Dが無いか、あったとしても許容範囲内の小さなものであると判断し、正常品として判別することができる。
この実施形態では、板バネのバネ部のバネ定数を接触端子ごとに変えて、振動周波数の違いによりどの接触端子で傷が検知されたかを判別する点を特徴としている。
図4は第1の実施形態に係る表面検査装置の検出素子の斜視図である。この図に示すように、検査素子20は、複数のバネ部22a−1〜22a−4と、バネ部22a−1〜22a−4が合流した合流部22bを備えている。
バネ部22a−1〜22a−4は、それぞれ長さが異なるように構成されている点を特徴としている。バネ部22a−1〜22a−4は同じ材料で形成され、板厚と横幅がいずれも略同一となっているため、長さが異なることでその長さに応じてバネ定数が異なっている。
バネ部22a−1〜22a−4は、バネ定数が異なっているため、物品の表面の傷Dにより接触端子21−1〜21−4が変位したときに振動する振動周波数が異なっている。すなわち、バネ部22a−1〜22a−4の長さが長くバネ定数が小さいほど振動周波数が大きく、バネ部22a−1〜22a−4の長さが短くバネ定数が大きいほど振動周波数が大きい。
加速度センサ23で検知された検知信号は、コンピュータ6に出力される。コンピュータ6では、加速度センサ23から出力された検知信号に基づいて波形分析を行う。
このように、バネ部22a−1〜22a−4ごとにバネ定数を異ならせることで傷Dを検出した接触端子を特定することが可能となり、より詳細に傷Dの位置を特定することができる。
バネ定数は、バネ部の長さのみならず、バネ部の板厚や横幅を変えることによっても異なるように設定することができる。この実施形態では、バネ部の板厚を変えることで、バネ部ごとにバネ定数が異なるように設定している。
この実施形態では、バネ部の横幅を変えることで、バネ部ごとにバネ定数が異なるように設定している。
Claims (8)
- 物品の表面の凹凸形状を検出する表面検査装置であって、
所定のバネ定数を有するバネ部を各々備え、異なるラインに沿って前記物品の表面を摺接移動する複数の検出子と、
該複数の検出子の前記バネ部の一端側が一体となった合流部と、
該合流部に設けられるとともに前記複数の検出子からの検出信号を感知する単一のセンサと、
該センサからの信号を解析して前記物品の凹凸形状に応じた波形信号を生成する解析装置と、を備え、
前記複数の検出子は、各々の前記バネ部のバネ定数が異なるように設定され、
前記解析装置は、各々のバネ定数に対応した周波数帯ごとに波形処理を行って前記物品の凹凸を検知した前記検出子を特定することを特徴とする表面検査装置。 - 前記複数の検出子は、前記バネ部の長さ、板厚、横幅の少なくともいずれか一つを変えることでバネ定数が異なるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の表面検査装置。
- 前記解析装置は、予め設定された波形条件と前記波形信号とを比較して前記物品の凹凸の大きさが所定の許容値を超えているか否かを判別する判別機能を具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の表面検査装置。
- 前記物品は、回転電機のケースであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面検査装置。
- 物品の表面の凹凸形状を検出する表面検査方法であって、
前記物品の表面の異なるラインに沿って前記物品の凹凸形状に応じた振動を検出する検出工程と、
前記異なるラインで検出された複数の振動を単一のセンサで感知する感知工程と、
前記センサで感知された振動を解析して前記物品の凹凸形状に応じた波形情報を生成する解析工程と、を行い、
前記検出工程では、前記異なるラインごとにバネ定数が異なるように設定されたバネ部により振動が検出され、
前記解析工程では、それぞれのバネ定数に対応した周波数帯ごとに波形処理を行って、前記異なるラインのうちどのラインで凹凸が検知されたかを特定することを特徴とする表面検査方法。 - 前記バネ部の長さ、板厚、横幅の少なくともいずれか一つを変えることでバネ定数が異なるように設定されていることを特徴とする請求項5に記載の表面検査方法。
- 前記解析工程は、予め設定された波形条件と前記波形信号とを比較して前記物品の凹凸の大きさが所定の許容値を超えているか否かを判別することを特徴とする請求項5又は6に記載の表面検査方法。
- 前記物品は、回転電機のケースであることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の表面検査方法。
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