JP5064452B2 - 保護回路、及び電池パック - Google Patents

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Description

本発明は、二次電池の保護回路、及びこの保護回路を備える電池パックに関する。
従来、二次電池を備えた電池パックにおいて、二次電池と直列に温度ヒューズが接続されたものが知られている。このような電池パックは、二次電池の異常を検出した場合に、二次電池の出力電圧によってヒータを発熱させて、この温度ヒューズを溶断させることで、電池パックを永続的に使用できなくするようになっている。
しかしながら、二次電池の電池電圧が低いと、電池電圧をヒータに印加しても、ヒータの発熱量が不足して温度ヒューズが溶断しない場合がある。このような場合、温度ヒューズを溶断できないのみならず、電池パック内でヒータが発熱し続けるため電池パックの温度が上昇してしまうという不都合があった。
そこで、二次電池の電池電圧が、温度ヒューズを溶断できる所定電圧に満たないときは、二次電池が充電されて電池電圧が所定電圧に到達するのを待って、ヒータを発熱させ、温度ヒューズを溶断させるようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−215310号公報
ところで、温度ヒューズは、温度が高いと溶断し易く、温度が低いと溶断しにくくなる。そのため、温度が高いときはヒータの発熱量が少なくても、すなわち電池電圧が低くても温度ヒューズを溶断させることができる一方、温度が低いときはヒータの発熱量が少ないと、すなわち電池電圧が低いと、温度ヒューズを溶断させることができない。
従って、特許文献1に記載の技術では、温度に関わりなく温度ヒューズを溶断させる必要から、上記所定電圧を、温度ヒューズが溶断しにくい低温時においても温度ヒューズを溶断させることができる高い電圧に設定しておく必要があった。
しかしながら、上記所定電圧を、低温時に温度ヒューズを溶断できるように高い電圧に設定すると、高温時には、温度ヒューズを溶断可能な電池電圧があるにもかかわらず、上記所定電圧に満たないために、二次電池が充電されて電池電圧が所定電圧に到達するまで温度ヒューズの溶断が遅れてしまうという、不都合があった。
また、温度ヒューズを溶断させようとするときは、二次電池に何らかの異常が生じているのであるから、ユーザが電池パックの充電を行わない場合もあり、このような場合、電池電圧が所定電圧に到達するのを待っていると、温度ヒューズを溶断できる機会が失われてしまう、という不都合があった。
このように、特許文献1に記載の技術では、温度ヒューズの温度によっては、電池電圧が所定電圧に満たなくても温度ヒューズを溶断できる機会があるにもかかわらず、このような機会を逃してしまい、温度ヒューズの溶断が遅れたり、温度ヒューズが溶断できなくなってしまったりするおそれが増大する、という不都合があった。
本発明の目的は、特許文献1に記載の技術よりも、温度ヒューズの溶断が遅れたり、温度ヒューズが溶断できなくなってしまったりするおそれを低減することができる二次電池の保護回路、及びこれを備える電池パックを提供することである。
本発明に係る保護回路は、二次電池の一方の極に導電経路を介して接続される第1接続端子と、前記二次電池の他方の極に接続される第2接続端子と、前記導電経路を遮断するための温度ヒューズと、前記温度ヒューズを溶断するためのヒータと、前記二次電池の電池電圧を検出する電池電圧検出部と、前記温度ヒューズに関する温度を検出する温度検出部と、前記二次電池の異常を検出する異常検出部と、前記異常検出部によって前記異常が検出され、かつ前記電池電圧検出部によって検出された電圧が所定の閾値電圧を超えるとき、前記導電経路に印加されている電圧を前記ヒータへ供給させ、前記電池電圧検出部によって検出された電圧が前記閾値電圧に満たないとき、前記導電経路からの前記ヒータへの電圧供給を遮断するヒータ制御部と、前記温度検出部によって検出された温度が高いほど前記閾値電圧が低下するように、当該閾値電圧を設定する閾値電圧設定部とを備える。
この構成によれば、異常検出部によって二次電池の異常が検出された場合において、電池電圧検出部によって検出された二次電池の電池電圧が閾値電圧設定部により設定された閾値電圧を超え、電池電圧に基づくヒータの発熱量で温度ヒューズを溶断できると考えられるときは、二次電池の電池電圧が導電経路を介してヒータへ供給され、ヒータの発熱によって温度ヒューズが溶断される。これにより、二次電池と第1接続端子との間の導電経路が遮断されるので、二次電池に異常が生じた場合に二次電池の使用を禁止することができる。
このとき、閾値電圧設定部によって、温度検出部によって検出された温度ヒューズに関する温度、例えば温度ヒューズの温度や環境温度が高いほど閾値電圧が低下するように閾値電圧が設定されているので、温度ヒューズに関する温度が高く溶断しやすい状態のときは、ヒータ制御部によって、電池電圧が低くても温度ヒューズの溶断が実行される。従って、背景技術のようにヒューズの溶断を実行するか否かの基準となる所定電圧が固定値である場合と比べて、温度ヒューズの溶断が遅れたり、温度ヒューズが溶断できなくなってしまったりするおそれを低減することができる。
一方、異常検出部によって二次電池の異常が検出された場合であっても、電池電圧検出部によって検出された電圧が閾値電圧に満たず、すなわち電池電圧に基づくヒータの発熱量では温度ヒューズを溶断できないと考えられるときは、ヒータへの電圧供給が遮断されてヒータが発熱しないので、温度ヒューズを溶断できない発熱量でヒータの発熱が継続するおそれが低減される。
ここで、温度ヒューズに関する温度が低いときは温度ヒューズが溶断しにくいから、もし仮に閾値電圧が高温時と同じ電圧値であるとすると、低温時においては温度ヒューズを溶断できない電池電圧であるにも関わらず、ヒータを発熱させてしまうおそれがある。しかしながら、この構成によれば、閾値電圧設定部によって、温度検出部によって検出された温度ヒューズに関する温度が低いほど閾値電圧が上昇するように閾値電圧が設定されるので、低温で溶断しにくい状態のときは、高温時よりも電池電圧が高くないと、ヒータ制御部によるヒータへの電圧供給が行われない。これにより、温度ヒューズに関する温度に関わらず、温度ヒューズを溶断できない発熱量でヒータの発熱が継続するおそれを低減することができる。
また、前記第1接続端子と前記第2接続端子との間の電圧を検出する端子電圧検出部をさらに備え、前記ヒータ制御部は、前記導電経路に印加されている電圧の前記ヒータへの電圧供給が開始されてからの経過時間が前記温度ヒューズを溶断できる時間として設定された閾値時間を超え、かつ、前記端子電圧検出部により検出された電圧が、当該電圧がゼロではないことを判定するために予め設定された判定電圧を超える場合、前記温度ヒューズが溶断しないと判定し、前記導電経路からの前記ヒータへの電圧供給を遮断することが好ましい。
この構成によれば、第1接続端子が導電経路を介して二次電池の一方の極に接続されているので、導電経路を遮断するための温度ヒューズが溶断していなければ、第1及び第2接続端子間に、電池電圧が供給されることとなる。そして、ヒータへの電圧供給が開始されてからの経過時間が温度ヒューズを溶断できる時間として設定された閾値時間を超えたときに、端子電圧検出部により検出された第1及び第2接続端子間の電圧が、判定電圧を超えてゼロではない場合、本来であれば温度ヒューズが溶断するはずの時間、ヒータの発熱を継続しても温度ヒューズが溶断しなかったことになる。このような場合、これ以上ヒータの発熱を継続しても温度ヒューズは溶断しない可能性が高いので、ヒータ制御部は、導電経路からのヒータへの電圧供給を遮断する。これにより、温度ヒューズを溶断できないままヒータの発熱が継続するおそれを低減することができる。
また、前記電池電圧検出部によって検出される電圧が高いほど前記閾値時間を短い時間に設定する閾値時間設定部をさらに備えることが好ましい。
ヒータは、供給される電圧が高いほど発熱量が増大し、温度ヒューズを溶断できる時間が短くなる。そこで、閾値時間設定部は、電池電圧検出部によって検出される電圧が高いほど閾値時間を短い時間に設定することで、閾値時間の精度を向上することができる結果、温度ヒューズを溶断できないままヒータの発熱が継続したり、ヒータの発熱を停止させるのが早すぎて、温度ヒューズを溶断できる機会を逃してしまったりするおそれを低減することができる。
また、前記温度検出部によって検出される温度が高いほど前記閾値時間を短い時間に設定する閾値時間設定部をさらに備えることが好ましい。
温度ヒューズは、温度検出部によって検出される温度が高いほど溶断にかかる時間が短くなる。そこで、閾値時間設定部が、温度検出部によって検出される温度が高いほど閾値時間を短い時間に設定することで、閾値時間の精度を向上することができる結果、温度ヒューズを溶断できないままヒータの発熱が継続したり、ヒータの発熱を停止させるのが早すぎて、温度ヒューズを溶断できる機会を逃してしまったりするおそれを低減することができる。
また、前記電池電圧検出部によって検出される電圧が高いほど前記閾値時間を短く、かつ前記温度検出部によって検出される温度が高いほど前記閾値時間を短い時間に設定する閾値時間設定部をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、閾値時間設定部が、電池電圧検出部によって検出される電圧と、温度検出部によって検出される温度との両方に基づいて閾値電圧を設定するので、いずれか一方を用いる場合よりもさらに閾値時間の精度を向上することができる。
また、前記ヒータ制御部は、前記温度ヒューズが溶断しないと判定して前記電圧供給を遮断した後、予め設定された待ち時間が経過し、かつ前記電池電圧検出部によって検出された電圧が前記閾値電圧設定部によって設定された閾値電圧を超える場合、前記導電経路に印加されている電圧を前記ヒータへ供給させることが好ましい。
ヒータ制御部が、閾値時間を超えてヒータを発熱させてもヒューズを溶断できず、温度ヒューズが溶断しないと判定して電圧供給を遮断した場合であっても、その後の環境温度や二次電池の電池電圧の変化など、条件が変化すれば、温度ヒューズが溶断可能になることがある。そこで、ヒータ制御部は、このような条件の変化が期待できる待ち時間が経過した後、電池電圧検出部によって検出された電圧が閾値電圧を超えていれば、再びヒータへの電圧供給を行うことで、温度ヒューズを溶断する機会を増大させることができる。
また、前記ヒータの発熱を制御するためのヒータ用スイッチング素子をさらに備え、前記温度ヒューズは、前記ヒータによって溶断される二つの温度ヒューズが直列接続されたものであり、前記二つの温度ヒューズの接続点は、前記ヒータとヒータ用スイッチング素子とを介して前記第2接続端子と接続され、前記ヒータ制御部は、前記ヒータ用スイッチング素子をオンさせることにより前記導電経路に印加されている電圧を前記ヒータへ供給させ、前記ヒータ用スイッチング素子をオフさせることにより前記ヒータへの電圧供給を遮断させることが好ましい。
この構成によれば、ヒータ用スイッチング素子のオン、オフによって、ヒータへの電圧供給を制御できる。そして、二つの温度ヒューズが直列接続され、その接続点がヒータとヒータ用スイッチング素子とを介して第2接続端子の接続端子に接続されているので、ヒータの発熱により二つの温度ヒューズが溶断すると、二次電池からヒータへの電圧供給経路と第1接続端子からのヒータへの電圧供給経路との両方が遮断され、ヒータの発熱が停止するので、温度ヒューズの溶断後にヒータが発熱し続けることがない。
また、本発明に係る電池パックは、上述の保護回路と、前記二次電池とを備える。
この構成によれば、二次電池を備えた電池パックにおいて、背景技術のようにヒューズの溶断を実行するか否かの基準となる所定電圧が固定値である場合と比べて、温度ヒューズの溶断が遅れたり、温度ヒューズが溶断できなくなってしまったりするおそれを低減することができる。
このような構成の保護回路は、異常検出部によって二次電池の異常が検出された場合において、電池電圧検出部によって検出された二次電池の電池電圧が閾値電圧設定部により設定された閾値電圧を超え、電池電圧に基づくヒータの発熱量で温度ヒューズを溶断できると考えられるときは、二次電池の電池電圧が導電経路を介してヒータへ供給され、ヒータの発熱によって温度ヒューズが溶断される。これにより、二次電池と第1接続端子との間の導電経路が遮断されるので、二次電池に異常が生じた場合に二次電池の使用を禁止することができる。
このとき、閾値電圧設定部によって、温度検出部によって検出された温度ヒューズに関する温度、例えば温度ヒューズの温度や環境温度が高いほど閾値電圧が低下するように閾値電圧が設定されているので、温度ヒューズに関する温度が高く溶断しやすい状態のときは、ヒータ制御部によって、電池電圧が低くても温度ヒューズの溶断が実行される。従って、背景技術のようにヒューズの溶断を実行するか否かの基準となる所定電圧が固定値である場合と比べて、温度ヒューズの溶断が遅れたり、温度ヒューズが溶断できなくなってしまったりするおそれを低減することができる。
また、このような構成の電池パックは、二次電池を備えた電池パックにおいて、背景技術のようにヒューズの溶断を実行するか否かの基準となる所定電圧が固定値である場合と比べて、温度ヒューズの溶断が遅れたり、温度ヒューズが溶断できなくなってしまったりするおそれを低減することができる。
本発明の一実施形態に係る保護回路を備えた電池パックの構成の一例を示すブロック図である。 図1に示す保護回路の動作の一例を示すフローチャートである。 図1に示す保護回路の動作の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本発明の一実施形態に係る保護回路2を備えた電池パック1の構成の一例を示すブロック図である。
電池パック1は、保護回路2と、二次電池14とを備えている。また、保護回路2は、接続端子11(第1接続端子)、接続端子12(第2接続端子),接続端子13、温度センサ15,16、電流検出抵抗17、電池電圧検出部18、電池温度検出部19、通信部20、温度検出部21、端子電圧検出部22、制御部201、放電用スイッチング素子SW1、充電用スイッチング素子SW2、ヒータ用スイッチング素子SW3、温度ヒューズF1,F2、ヒータRh、及び抵抗Rを備えている。
なお、保護回路2は、必ずしも電池パックに内蔵されている必要はなく、例えば保護回路2が、車載用のECU(Electric Control Unit)として構成されていてもよく、電池搭載機器に内蔵されていていてもよい。
接続端子11,12,13は、電池搭載機器や充電装置等の図略の外部機器と接続される接続端子である。接続端子11,12,13が外部機器と接続されると、二次電池14の放電電流が、接続端子11,12を介して外部機器へ供給されたり、外部機器から出力された充電電圧が、接続端子11,12を介して二次電池14へ印加されたりする。
通信部20は、接続端子13を介して外部機器との間でデータ送受信可能に構成された通信インターフェイス回路である。
接続端子11は、温度ヒューズF1,F2、充電用スイッチング素子SW2、及び放電用スイッチング素子SW1を介する導電経路L1によって、二次電池14の正極に接続されている。
放電用スイッチング素子SW1及び充電用スイッチング素子SW2としては、例えばpチャネルのFET(Field Effect Transistor)が用いられる。
放電用スイッチング素子SW1は、寄生ダイオードのカソードが二次電池14の方向にされており、オフすると二次電池14の放電方向の電流のみを遮断するようになっている。また、充電用スイッチング素子SW2は、寄生ダイオードのカソードが接続端子11の方向にされており、オフすると二次電池14の充電方向の電流のみを遮断するようになっている。
また、接続端子12は、電流検出抵抗17を介して二次電池14の負極に接続されており、接続端子11から温度ヒューズF1,F2、充電用スイッチング素子SW2、放電用スイッチング素子SW1、二次電池14、及び電流検出抵抗17を介して接続端子12に至る電流経路が構成されている。
なお、接続端子11,12,13は、電池パック1と、外部機器や外部回路とを電気的に接続するものであればよく、例えば電極やコネクタ、端子台等であってもよく、ランドやパッド等の配線パターンであってもよい。
そして、ヒータRhの一端が、導電経路L1の一点、例えば温度ヒューズF1と温度ヒューズF2との接続点に接続され、他端が、抵抗R、及びヒータ用スイッチング素子SW3を介して接続端子12に接続されている。
なお、温度ヒューズF1,F2が直列接続され、かつ温度ヒューズF1,F2の接続点にヒータRhが接続された状態で、1パッケージに封止されたヒータ付き温度ヒューズFを用いるようにしてもよい。また、温度ヒューズは一つであってもよい。
電流検出抵抗17は、二次電池14の充電電流および放電電流を電圧値に変換する。
二次電池14は、例えば単電池であってもよく、例えば複数の二次電池が直列接続された組電池であってもよく、例えば複数の二次電池が並列接続された組電池であってもよく、直列と並列とが組み合わされて接続された組電池であってもよい。二次電池14としては、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池等、種々の二次電池が用いられる。
電池電圧検出部18、電池温度検出部19、温度検出部21、及び端子電圧検出部22は、例えばアナログデジタル変換回路を用いて構成されている。
電池電圧検出部18は、二次電池14の電池電圧Vbを検出し、その電圧値を示す信号を制御部201へ出力する。
端子電圧検出部22は、接続端子11,12間の端子電圧Vtを検出し、その電圧値を示す信号を制御部201へ出力する。端子電圧検出部22は、抵抗Rとヒータ用スイッチング素子SW3との直列回路の両端電圧を検出するようになっているが、ヒータ用スイッチング素子SW3がオフしていれば、抵抗Rh,Rにおける電圧降下は生じないので、接続端子11,12間の端子電圧Vtをできる。
また、ヒータ用スイッチング素子SW3がオンすると、端子電圧検出部22は、電池電圧Vb、又は端子電圧Vtが、抵抗Rhと抵抗Rとで分圧された電圧を検出することとなる。この場合、抵抗Rh,Rの抵抗値をそれぞれRh、Rとすると、後述する判定電圧Vj、閾値電圧Vthに対して、Vj<Vth×R/(Rh+R)の関係が成り立つように、抵抗Rh,Rの抵抗値が設定されている。
抵抗Rは、ヒータ用スイッチング素子SW3がオンして温度ヒューズF1,F2が開放状態になったときに、開放状態となった接続端子11,12間の電圧は不安定になるため、端子電圧検出部22が安定して0Vを検出できるようにするため設けられている。
なお、端子電圧検出部22は、例えば内部インピーダンスを小さな値、例えば1MΩ以下の値としておけば、接続端子11,12が開放状態となったとき、0Vを検出することができるので、抵抗Rを備えず、直接接続端子11,12間の電圧Vtを検出する構成としてもよい。
温度センサ15,16は、例えばサーミスタや熱電対等を用いて構成された温度センサである。
温度センサ15は、例えば二次電池14に密着して、あるいは二次電池14の近傍に配設されて、二次電池14の温度を検出し、その温度値を示す電圧信号を電池温度検出部19へ出力する。電池温度検出部19は、温度センサ15から出力された電圧信号に基づき、二次電池14の温度を示す信号を制御部201へ出力する。
温度センサ16は、例えば温度ヒューズF1,F2(又はヒータ付き温度ヒューズF)に密着して、あるいは温度ヒューズF1,F2(又はヒータ付き温度ヒューズF)の近傍に配設されて、温度ヒューズF1,F2に関する温度tを検出し、その温度値を示す電圧信号を温度検出部21へ出力する。温度検出部21は、温度センサ16から出力された電圧信号に基づき、温度tを示す信号を制御部201へ出力する。
温度tは、温度ヒューズF1,F2の温度そのものに限られず、温度ヒューズF1,F2の近傍の環境温度等、温度ヒューズF1,F2の温度と関連する温度であればよい。以下の説明においては、温度tは、温度ヒューズF1,F2の温度として説明する。
制御部201は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、アナログデジタル変換回路と、タイマ回路と、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。
そして、制御部201は、ROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、異常検出部211、閾値電圧設定部212、閾値時間設定部213、ヒータ制御部214、保護制御部215、及び電流検出部216として機能する。
電流検出部216は、電流検出抵抗17の両端間の電圧Vrを検出し、この電圧Vrを電流検出抵抗17の抵抗値Rで除算することにより、二次電池14に流れる充放電電流値Icを取得する。
保護制御部215は、回復可能な範囲内の異常が生じた場合に、放電用スイッチング素子SW1、又は充電用スイッチング素子SW2をオフさせて、二次電池14の放電又は充電を禁止することで、二次電池14を劣化から保護する。
例えば、保護制御部215は、電池電圧検出部18によって検出された電池電圧Vbが、二次電池14の満充電電圧を超えたとき、充電用スイッチング素子SW2をオフさせて充電を禁止することで、二次電池14の過充電を防止する。
また、保護制御部215は、例えば、電池電圧検出部18によって検出された電池電圧Vbが、二次電池14の過放電を防止するために予め設定された放電禁止電圧Voff以下になった場合、放電用スイッチング素子SW1をオフさせて放電を禁止することで、二次電池14の過放電による劣化を防止するようになっている。
異常検出部211は、回復困難な異常が生じた場合や、二次電池14が寿命に達した場合等に、異常の発生を検出する。
例えば、異常検出部211は、電池温度検出部19によって検出された二次電池14の温度が、二次電池14内部のセパレータが溶融するおそれがある温度として予め設定された温度判定値ts以上になると、異常を検出し、ヒータ制御部214に通知する。
また、異常検出部211は、例えば、電池電圧検出部18によって検出された電池電圧Vbが、二次電池14の満充電電圧を超えて、さらに二次電池14に回復困難な損傷を生じるおそれのある電圧として予め設定された電圧判定値Vs以上になると、異常を検出し、ヒータ制御部214に通知する。
閾値電圧設定部212は、二次電池14の電池電圧Vbが、ヒータRhを発熱させることによって温度ヒューズF1,F2を溶断させることが可能であるか否かを判定するための閾値電圧Vthを、温度検出部21によって検出された温度tが高いほど、低下するように設定する。
温度ヒューズは、温度が高いと溶断し易く、温度が低いと溶断しにくくなる。そこで、温度ヒューズF1,F2の温度tに応じて、ヒータRhによって温度ヒューズF1,F2を溶断できる発熱量が得られる最低限の電池電圧Vbを、例えば予め実験的に求めてデータテーブルとしてROMに記憶しておく。
閾値電圧設定部212は、例えばこのデータテーブルを参照し、温度検出部21によって検出された温度tに基づき、この温度tにおいて温度ヒューズF1,F2を溶断できる最低限の電池電圧Vbを取得して閾値電圧Vthとし設定するようにしてもよい。これにより、温度ヒューズは、温度が高いと溶断し易く、温度が低いと溶断しにくいから、閾値電圧Vthは、温度tが高いほど、低い電圧値に設定されることになる。
閾値時間設定部213は、ヒータRhの発熱を実際に開始した後の経過時間によって、これ以上発熱を継続しても温度ヒューズF1,F2が溶断しないと判定するための閾値時間Tthを設定する。
温度ヒューズF1,F2は、温度(環境温度)が高いと溶断し易く、温度が低いと溶断しにくいから、温度ヒューズF1,F2は、温度が高いほど短時間で溶断し、温度が低いほど溶断にかかる時間が長くなる。同様に、温度ヒューズF1,F2は、電池電圧Vbが高くヒータRhの発熱量が多いほど短時間で溶断し、電池電圧Vbが低くヒータRhの発熱量が少ないほど溶断にかかる時間が長くなる。
そこで、閾値時間設定部213は、電池電圧検出部18によって検出される電池電圧Vbが高いほど閾値時間Tthを短い時間に設定し、温度検出部21によって検出される温度tが高いほど閾値時間Tthを短い時間に設定することによって、今現在の電池電圧Vbと温度tとに応じて、これ以上発熱を継続しても温度ヒューズF1,F2が溶断しないと判定するための閾値時間Tthを設定することができる。
具体的には、電池電圧Vbと温度tとの組み合わせに応じて、温度ヒューズF1,F2を溶断できる時間を予め実験的に求めておき、このようにして得られた電池電圧Vbと温度tとの組み合わせに対応する溶断時間をデータテーブルとしてROMに記憶しておいてもよい。閾値時間設定部213は、このようなデータテーブルを参照して得られた溶断時間を閾値時間Tthとして設定するようにしてもよい。
なお、閾値時間設定部213は、電池電圧Vbと温度tとのうち、いずれか一方のみを用いて閾値時間Tthを設定してもよい。
ヒータ制御部214は、異常検出部211によって異常が検出され、かつ電池電圧検出部18によって検出された電圧が閾値電圧設定部212によって設定された閾値電圧Vthを超えるとき、放電用スイッチング素子SW1を強制的にオンさせると共に、ヒータ用スイッチング素子SW3をオンさせることで、二次電池14の電池電圧Vbを、導電経路L1を介してヒータRhへ供給させ、ヒータRhを発熱させる。
一方、ヒータ制御部214は、異常検出部211によって異常が検出された場合であっても、電池電圧検出部18によって検出された電圧が閾値電圧設定部212によって設定された閾値電圧Vthに満たないとき、ヒータ用スイッチング素子SW3を遮断したままオンさせない。
ここで、温度ヒューズF1,F2が導通している間は、放電用スイッチング素子SW1がオンしているので、二次電池14の電池電圧Vbが放電用スイッチング素子SW1、充電用スイッチング素子SW2、及び温度ヒューズF1,F2を介して接続端子11へ供給されている。
そして、ヒータRhの発熱により、温度ヒューズF1,F2が溶断すると、二次電池14の電池電圧Vbは接続端子11へ供給されない(端子電圧検出部22へ供給されない)ので、接続端子11,12間の電圧(端子電圧検出部22の検出電圧)は略ゼロとなる。
そこで、ヒータ制御部214は、ヒータ用スイッチング素子SW3をオンさせた後の経過時間T1を図略のタイマ回路を用いて計時させると共に、端子電圧検出部22によって検出される接続端子11,12間の端子電圧Vt(電池電圧Vb又は端子電圧Vtが、抵抗Rhと抵抗Rとで分圧された電圧)を監視する。
なお、端子電圧検出部22は、ヒータ用スイッチング素子SW3がオンしているときは、端子電圧Vtを直接検出しているわけではないが、抵抗Rhと抵抗Rとで分圧された電圧を検出することで、間接的に端子電圧Vtを検出しているので、以下の記載においては、説明を簡単にするため、ヒータ用スイッチング素子SW3がオンしている場合においても、端子電圧検出部22は端子電圧Vtを検出するものとして説明する。
そして、ヒータ制御部214は、タイマ回路により計時された経過時間T1が閾値時間設定部213により設定された閾値時間Tthを超えても、端子電圧検出部22により検出された端子電圧Vtが予め設定された判定電圧Vjを超えている場合、これ以上ヒータRhの発熱を継続しても温度ヒューズF1,F2は溶断しないと判定し、ヒータ用スイッチング素子SW3をオフさせる。
判定電圧Vjとしては、例えば端子電圧検出部22の計測誤差やノイズの影響等により生じるおそれのある電圧より僅かに大きい電圧値が予め設定されている。従って、端子電圧Vtが判定電圧Vjを超えていれば、二次電池14の電池電圧Vbが、温度ヒューズF1,F2を介して接続端子11へ供給されており、すなわち温度ヒューズF1,F2が溶断していないと考えられる。
さらにヒータ制御部214は、ヒータRhの発熱を継続しても温度ヒューズF1,F2は溶断しないと判定してヒータ用スイッチング素子SW3をオフさせた後の、経過時間T2を図略のタイマ回路を用いて計時させる。
そして、タイマ回路により計時された経過時間T2が、電池パック1の環境温度が変化したり、二次電池14が充電されて電池電圧Vbが増大したりする可能性があると考えられる時間、例えば1時間程度に予め設定された待ち時間Tw以上となり、かつ電池電圧検出部18によって検出された電池電圧Vbが閾値電圧Vthを超える場合、ヒータ用スイッチング素子SW3を再びオンさせて温度ヒューズF1,F2の溶断を試みる。
次に、上述のように構成された保護回路2の動作について説明する。図2、図3は、図1に示す保護回路2の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、異常検出部211によって、二次電池14を永続的に使用禁止にすべき異常の発生の有無が、確認される(ステップS1)。そして、異常検出部211によって、このような異常の発生が検出されると(ステップS1でYES)、閾値電圧設定部212によって、閾値電圧Vthが、温度検出部21により検出された温度tが高いほど、低い電圧値に設定される(ステップS2)。
次に、閾値時間設定部213によって、閾値時間Tthが、電池電圧検出部18により検出される電池電圧Vbが高いほど短く、かつ、温度検出部21によって検出される温度tが高いほど短い時間に設定される(ステップS3)。
次に、ヒータ制御部214によって、電池電圧検出部18により検出される電池電圧Vbと閾値電圧設定部212により設定された閾値電圧Vthとが比較され(ステップS4)、電池電圧Vbが閾値電圧Vth以上であれば(ステップS4でYES)、電池電圧Vbによって温度ヒューズF1,F2を溶断させることが可能であるから、ヒータ制御部214によって、放電用スイッチング素子SW1がオンされ(ステップS5)、さらにヒータ用スイッチング素子SW3がオンされる(ステップS6)。
一方、電池電圧Vbが閾値電圧Vthに満たなければ(ステップS4でNO)、再びステップS2〜S4を繰り返し、電池電圧Vbが閾値電圧Vth以上になって、電池電圧VbによるヒータRhの発熱量で温度ヒューズF1,F2を溶断させることが可能になるまで、ヒータ用スイッチング素子SW3をオンしない。
これにより、電池電圧Vbが低いためにヒータ用スイッチング素子SW3をオンしても、ヒータRhの発熱量が不足して温度ヒューズF1,F2を溶断させることが出来ないと考えられるときは、ヒータRhを発熱させないので、温度ヒューズF1,F2が溶断しないまま電池パック1の温度を上昇させてしまうおそれが低減できる。
また、ステップS2において、閾値電圧設定部212によって、閾値電圧Vthが、今現在の温度ヒューズF1,F2の温度tが高いほど、低い電圧値に設定され、例えば温度tの条件下でヒータRhによって温度ヒューズF1,F2を溶断できる発熱量が得られる最低限の電池電圧Vbが、閾値電圧Vthとして設定されているので、背景技術のように閾値電圧Vthが固定値である場合と異なり、温度tが高く、電池電圧Vbが低くても温度ヒューズF1,F2を溶断可能な状態であるにもかかわらず、電池電圧Vbが、温度tが低いときに合わせて設定された閾値電圧Vthに満たないために温度ヒューズF1,F2の溶断を行わず、温度ヒューズF1,F2を溶断出来る機会を失ってしまう、というおそれを低減できる。
このように、ステップS1〜S6の処理によれば、閾値電圧Vthが固定値である背景技術よりも、温度ヒューズF1,F2を溶断可能な機会を増大させることが可能となる。
次に、ヒータ制御部214は、ステップS6においてヒータ用スイッチング素子SW3をオンさせてからの経過時間T1を、図略のタイマ回路を用いて計時させる(ステップS7)。
また、ヒータ制御部214は、端子電圧検出部22によって検出される端子電圧Vtを、判定電圧Vjと比較する(ステップS8)。そして、端子電圧Vtが判定電圧Vj以下であれば(ステップS8でYES)、温度ヒューズF1,F2が溶断したと考えられるから、処理を終了する。
ここで、温度ヒューズF1,F2は直列接続され、かつ温度ヒューズF1,F2の接続点にヒータRhが接続されているので、温度ヒューズF1,F2が溶断すると、二次電池14からヒータRhに電圧が供給される経路(温度ヒューズF2)、及び接続端子11からヒータRhに電圧が供給される経路(温度ヒューズF1)の両方が遮断され、ヒータRhの発熱が停止するので、温度ヒューズF1,F2の溶断後にヒータRhが発熱し続けることがない。
一方、端子電圧Vtが判定電圧Vjを超えていれば(ステップS8でNO)、温度ヒューズF1,F2はまだ溶断していないと考えられるから、ヒータ制御部214は、ステップS9へ移行し、タイマ回路により計時された経過時間T1と閾値時間設定部213により設定された閾値時間Tthとを比較する(ステップS9)。
そして、経過時間T1が閾値時間Tthに満たなければ(ステップS9でNO)、まだヒータRhの発熱を継続することで温度ヒューズF1,F2を溶断できる可能性があるから、ヒータ制御部214は、ヒータ用スイッチング素子SW3をオンしたままステップS8〜S9を繰り返す。
一方、経過時間T1が閾値時間Tth以上であれば(ステップS9でYES)、ヒータRhの発熱を継続しても温度ヒューズF1,F2は溶断しないと考えられるから、ヒータ制御部214は、ヒータ用スイッチング素子SW3をオフしてヒータRhの発熱を停止させ(ステップS10)、放電用スイッチング素子SW1をステップS5でオンさせる前の状態に戻す(ステップS11)。
ステップS4において電池電圧Vbが閾値電圧Vth以上であっても、例えば温度ヒューズF1,F2やヒータRhの特性バラツキや、環境温度の変化、あるいは電池電圧Vbの変化によって、電池電圧Vbを印加してヒータRhを発熱させても温度ヒューズF1,F2が溶断しない場合がある。
このような場合、もし仮に、ヒータRhの発熱を継続すると、温度ヒューズF1,F2を溶断できないまま電池パック1の温度が上昇し続けるおそれがある。しかしながら、ヒータ制御部214は、経過時間T1が閾値時間Tth以上であれば、ヒータ用スイッチング素子SW3をオフしてヒータRhの発熱を停止させるので、温度ヒューズF1,F2を溶断できないまま電池パック1の温度が上昇し続けるおそれを低減することができる。
また、閾値時間Tthは、閾値時間設定部213によって、電池電圧Vbが高いほど閾値時間Tthが短い時間に設定され、温度tが高いほど閾値時間Tthが短い時間に設定されるので、例えば電池電圧Vbが高かったり温度tが高かったりして、本来短時間で温度ヒューズF1,F2が溶断するはずである場合には、閾値時間Tthが短い時間に設定されている。これにより、温度ヒューズF1,F2が溶断しないという判定を、閾値時間Tthが固定値である場合と比べて短時間で行うことができる結果、不必要にヒータRhの発熱を継続するおそれが低減できる。
次に、ヒータ制御部214は、ステップS10においてヒータ用スイッチング素子SW3をオフさせてからの経過時間T2を、図略のタイマ回路を用いて計時させる(ステップS12)。そして、経過時間T2が待ち時間Tw以上になると(ステップS13でYES)、ヒータ制御部214は、再びステップS2以降の処理を繰り返すことで、温度ヒューズF1,F2の溶断を試みる。
すなわち、ステップS9において、ヒータRhを発熱させても温度ヒューズF1,F2が溶断しないと判定された場合であっても、その後待ち時間Tw以上の時間が経過し、その間に環境温度が上昇して温度tが上昇したり、二次電池14が充電されて電池電圧Vbが上昇したりした場合には、再びステップS2以降の処理を繰り返すことで、温度ヒューズF1,F2を溶断できる場合がある。これにより、温度ヒューズF1,F2を溶断できる機会を増大させることができる。
なお、温度ヒューズF1,F2が、充電用スイッチング素子SW2と接続端子11との間に介設されている例を示したが、温度ヒューズF1,F2は、二次電池14と放電用スイッチング素子SW1との間に設けられていてもよい。この場合、ステップS5、S11は不要である。また、温度ヒューズF1,F2、放電用スイッチング素子SW1、及び充電用スイッチング素子SW2は、接続端子12と二次電池14との間に設けられていてもよい。
本発明に係る二次電池の保護回路、及びこの保護回路を備える電池パックは、携帯型パーソナルコンピュータやデジタルカメラ、携帯電話機等の電子機器、電気自動車やハイブリッドカー等の車両、太陽電池や発電装置と二次電池とを組み合わされた電源システム等、種々の電池搭載装置に用いられる二次電池の保護回路、及び電池パックとして好適に利用することができる。
1 電池パック
2 保護回路
11〜13 接続端子
14 二次電池
15,16 温度センサ
17 電流検出抵抗
18 電池電圧検出部
19 電池温度検出部
20 通信部
21 温度検出部
22 端子電圧検出部
201 制御部
211 異常検出部
212 閾値電圧設定部
213 閾値時間設定部
214 ヒータ制御部
215 保護制御部
216 電流検出部
F ヒータ付き温度ヒューズ
F1,F2 温度ヒューズ
L1 導電経路
Rh ヒータ
SW1 放電用スイッチング素子
SW2 充電用スイッチング素子
SW3 ヒータ用スイッチング素子
T 閾値時間
T1,T2 経過時間
Tth 閾値時間
Tw 時間
Vb 電池電圧
Vj 判定電圧
Vs 電圧判定値
Vt 端子電圧
Vth 閾値電圧
ts 温度判定値

Claims (8)

  1. 二次電池の一方の極に導電経路を介して接続される第1接続端子と、
    前記二次電池の他方の極に接続される第2接続端子と、
    前記導電経路を遮断するための温度ヒューズと、
    前記温度ヒューズを溶断するためのヒータと、
    前記二次電池の電池電圧を検出する電池電圧検出部と、
    前記温度ヒューズに関する温度を検出する温度検出部と、
    前記二次電池の異常を検出する異常検出部と、
    前記異常検出部によって前記異常が検出され、かつ前記電池電圧検出部によって検出された電圧が所定の閾値電圧を超えるとき、前記導電経路に印加されている電圧を前記ヒータへ供給させ、前記電池電圧検出部によって検出された電圧が前記閾値電圧に満たないとき、前記導電経路からの前記ヒータへの電圧供給を遮断するヒータ制御部と、
    前記温度検出部によって検出された温度が高いほど前記閾値電圧が低下するように、当該閾値電圧を設定する閾値電圧設定部と
    を備えることを特徴とする保護回路。
  2. 前記第1接続端子と前記第2接続端子との間の電圧を検出する端子電圧検出部をさらに備え、
    前記ヒータ制御部は、
    前記導電経路に印加されている電圧の前記ヒータへの電圧供給が開始されてからの経過時間が前記温度ヒューズを溶断できる時間として設定された閾値時間を超え、かつ、前記端子電圧検出部により検出された電圧が、当該電圧がゼロではないことを判定するために予め設定された判定電圧を超える場合、前記温度ヒューズが溶断しないと判定し、前記導電経路からの前記ヒータへの電圧供給を遮断すること
    を特徴とする請求項1記載の保護回路。
  3. 前記電池電圧検出部によって検出される電圧が高いほど前記閾値時間を短い時間に設定する閾値時間設定部をさらに備えること
    を特徴とする請求項2記載の保護回路。
  4. 前記温度検出部によって検出される温度が高いほど前記閾値時間を短い時間に設定する閾値時間設定部をさらに備えること
    を特徴とする請求項2記載の保護回路。
  5. 前記電池電圧検出部によって検出される電圧が高いほど前記閾値時間を短く、かつ前記温度検出部によって検出される温度が高いほど前記閾値時間を短い時間に設定する閾値時間設定部をさらに備えること
    を特徴とする請求項2記載の保護回路。
  6. 前記ヒータ制御部は、
    前記温度ヒューズが溶断しないと判定して前記電圧供給を遮断した後、予め設定された待ち時間が経過し、かつ前記電池電圧検出部によって検出された電圧が前記閾値電圧設定部によって設定された閾値電圧を超える場合、前記導電経路に印加されている電圧を前記ヒータへ供給させること
    を特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の保護回路。
  7. 前記ヒータの発熱を制御するためのヒータ用スイッチング素子をさらに備え、
    前記温度ヒューズは、
    前記ヒータによって溶断される二つの温度ヒューズが直列接続されたものであり、
    前記二つの温度ヒューズの接続点は、
    前記ヒータとヒータ用スイッチング素子とを介して前記第2接続端子と接続され、
    前記ヒータ制御部は、
    前記ヒータ用スイッチング素子をオンさせることにより前記導電経路に印加されている電圧を前記ヒータへ供給させ、前記ヒータ用スイッチング素子をオフさせることにより前記ヒータへの電圧供給を遮断させること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の保護回路。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の保護回路と、
    前記二次電池と
    を備えることを特徴とする電池パック。
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