JP5064168B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5064168B2
JP5064168B2 JP2007273019A JP2007273019A JP5064168B2 JP 5064168 B2 JP5064168 B2 JP 5064168B2 JP 2007273019 A JP2007273019 A JP 2007273019A JP 2007273019 A JP2007273019 A JP 2007273019A JP 5064168 B2 JP5064168 B2 JP 5064168B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
resin
viewpoint
weight
preferable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007273019A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009103760A (ja
Inventor
智史 國井
征人 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2007273019A priority Critical patent/JP5064168B2/ja
Publication of JP2009103760A publication Critical patent/JP2009103760A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5064168B2 publication Critical patent/JP5064168B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
近年、電子写真技術では、高速・高画質化に対応してトナーの表面形状を積極的に制御する(球形化する)ことで保存安定性、耐久性、転写性を改善する検討が注目されている。そこで、表面形状を制御するための具体的な手段として、例えば、特許文献1のように重合法によりトナーを得る方法、特許文献2、3のように得られたトナー粉末を、熱気流中に分散させて一時的に軟化点以上の温度にする方法、特許文献4、5のように得られたトナー粉末を固気二相流中で機械的衝撃力を与える方法等が検討されている。
特開昭61−18965号公報 特開昭61−249710号公報 特開平3−179363号公報 特開昭63−249155号公報 特開平2−167566号公報
しかしながら、重合法では流動性ばかりでなくほかの特性も大きく変化する可能性が高い。その上、方法の性質上使用できる原料が限られてしまう。また、熱式形状制御法では、一時的に軟化点以上の非常に高い温度がトナーにかかるため、トナー中に分散していたワックスなどの成分が表面上に染み出すいわゆるブリードアウト現象を招き、トナーの帯電性等に悪影響を及ぼす。さらに、機械式の形状制御法では所望の形状を得るのにかなりのエネルギーと時間を費やすため、コスト的に課題がある。
本発明の課題は、短時間でトナーの特性を損なうことなく、簡便にトナーの表面形状を制御することができ、保存安定性、耐久性及び転写性に優れた静電荷像現像用トナーが得られる方法を提供することにある。
本発明は、結着樹脂及び着色剤を含むトナー母粒子の原料を溶融混練して溶融混練物を得る工程、得られた溶融混練物を粉砕して粉砕物を得る工程、得られた粉砕物を分級して、トナー母粒子を得る分級工程、及び得られたトナー母粒子と外添剤とを混合して外添トナーを得る外添工程を少なくとも含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、さらに、前記粉砕工程以降の処理物に、加湿条件下で、マイクロ波を照射する工程を含む、静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
本発明の方法により、短時間でトナーの特性を損なうことなく、簡便にトナーの表面形状を制御する(球形化する)ことができ、保存安定性、耐久性及び転写性に優れた静電荷像現像用トナーを得ることができる。
本発明は、結着樹脂及び着色剤を含むトナー原料を溶融混練する工程、得られた溶融混練物を粉砕する工程、得られた粉砕物を分級して、トナー母粒子を得る分級工程、及び得られたトナー母粒子と外添剤とを混合する外添工程を少なくとも含む方法によりトナーを製造する際に、さらに、粉砕工程以降の処理物に、加湿条件下で、マイクロ波を照射する工程を行う点に大きな特徴を有する。加湿された処理物は、誘電損失の高い水分を多く含むため、マイクロ波をより効率的に吸収することができる。そのため、予め加湿された処理物にマイクロ波を照射することにより、加湿されていないものに照射する場合と比べて短時間で、かつトナーの特性を損なうことなく、簡便にトナーの表面形状を制御(球形化)することができる。
本発明において、結着樹脂は、結晶性樹脂を含有することが好ましい。溶融混練工程で結晶性樹脂の結晶構造がくずれても、マイクロ波を照射することにより、結晶性樹脂の結晶構造が再結晶化され、低温定着性、保存安定性及び耐久性のいずれにも優れた静電荷像現像用トナーを、短時間で、簡便に製造することができる。また、トナーの保存性の観点から、さらに非晶質樹脂を含有することが好ましい。
本発明において、「結晶性樹脂」とは、結晶性指数が0.6〜1.3、好ましくは0.8〜1.2である樹脂をいう。一般に、結晶性指数が1.3を超える樹脂は非晶質であり、0.6未満の樹脂は結晶性が低く、非晶質部分が多い。「非晶質樹脂」とは、結晶性指数が1.3より大きいか、0.6未満、好ましくは1.3より大きく、4.0以下である樹脂をいう。ここで、結晶性指数とは、樹脂の結晶化の度合いの指標となる物性であり、軟化点と示差走査熱量計による吸熱の最高ピーク温度との比(軟化点/吸熱の最高ピーク温度)により定義されるものである。結晶化の度合いは、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。なお、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。最高ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば融点とし、軟化点との差が20℃を超えるピークはガラス転移に起因するピークとする。
結晶性樹脂及び非晶質樹脂は、トナーの低温定着性の観点から、いずれもポリエステルが好ましい。ポリエステルの総含有量は、結着樹脂中、80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましい。
結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステルは、いずれも原料モノマーとしてアルコール成分とカルボン酸成分とを用い、それらを縮重合させて得られる。原料モノマーの縮重合は、溶融混練物の粉砕性及び生産性向上の観点から、ワックスの存在下で行ってもよい。好ましいワックスとしては、ポリプロピレンワックスが挙げられる。
結晶性ポリエステルにおけるアルコール成分には炭素数2〜8の脂肪族ジオール等の樹脂の結晶性を促進させるモノマーが含有されていることが好ましい。
炭素数2〜8の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール等が挙げられ、高い結晶性が得られる観点から、特にα,ω−直鎖アルカンジオールが好ましい。これらは単独で又は2種以上を混合して含有されていても良い。
炭素数2〜8の脂肪族ジオールの含有量は、結晶性ポリエステルの結晶性を高める観点から、アルコール成分中、80モル%以上が好ましく、85モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。さらに、2種以上の炭素数2〜8の脂肪族ジオールを用いている場合にはその中の1種の脂肪族ジオールが、アルコール成分中の70モル%以上、好ましくは80〜95モル%を占めているのが望ましい。なかでも、1,4-ブタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールが好ましく、1,6-ヘキサンジオールがより好ましく、これらはアルコール成分中、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上含有されているのが望ましい。
非晶質ポリエステルにおけるアルコール成分としては、ポリオキシプロピレン-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等の式(I):
Figure 0005064168
(式中、ROはオキシアルキレン基であり、Rはエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の平均値は1〜16が好ましく、1〜8がより好ましく、1.5〜4がさらに好ましい)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール等の樹脂の非晶質化を促進させるモノマーが含有されていることが好ましい。
式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、帯電安定性の観点から、アルコール成分中、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。
カルボン酸成分に含まれるカルボン酸化合物としては、フマル酸、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、セバシン酸、アゼライン酸、n-ドデシルコハク酸、n-ドデセニルコハク酸等の炭素数2〜30、好ましくは2〜8の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸、これらの酸の無水物、及び酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。これらの中では、高い結晶化度が得られる観点から、脂肪族ジカルボン酸化合物が好ましく、結晶性ポリエステルにおいては、結晶化度を高める観点から、炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物が、非晶質ポリエステルにおいては、結晶性ポリエステルの分散性の観点から、フマル酸がより好ましい。
脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量は、結晶性ポリエステルの分散性の観点から、カルボン酸成分中、70モル%以上が好ましく、80〜100モル%がより好ましく、90〜100モル%がさらに好ましい。
なお、結晶性ポリエステルにおけるカルボン酸成分とアルコール成分のモル比(カルボン酸成分/アルコール成分)は、結晶性ポリエステルの高分子量化を図る際には、カルボン酸成分よりもアルコール成分が多い方が好ましく、さらに減圧反応時、アルコール成分の留去によりポリエステルの分子量を容易に調整できるため、0.9〜1が好ましく、0.95〜1がより好ましい。
また、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、分子量調整等のために、適宜含有されていてもよい。
ポリエステルは、アルコール成分とカルボン酸成分とを、例えば、不活性ガス雰囲気中、要すればエステル化触媒の存在下で縮重合させて得られる。反応温度は、結晶性ポリエステルの製造においては、120〜230℃が好ましく、非晶質ポリエステルの製造においては、180〜250℃が好ましい。
結晶性ポリエステルの製造においては、樹脂の強度を上げるために全単量体を一括仕込みしたり、低分子量成分を少なくするために2価の単量体を先ず反応させた後、3価以上の単量体を添加して反応させたりする等の方法を用いてもよい。また、重合の後半に反応系を減圧することにより、反応を促進させてもよい。
また、さらに高分子量化した結晶性ポリエステルを得るためには、前記のようにカルボン酸成分とアルコール成分のモル比を調整したり、反応温度を上げる、触媒量を増やす、減圧下、長時間脱水反応を行う等の反応条件を選択したりすればよい。なお、高い攪拌所要動力下では、高分子量化した高粘度の結晶性ポリエステルを製造することもできるが、製造設備を特に選択せずに製造する際には、原料モノマーを非反応性低粘度樹脂や溶媒とともに反応させる方法も有効な手段である。
結晶性ポリエステルの軟化点は、トナーの低温定着性の観点から、70〜140℃が好ましく、80〜130℃がより好ましく、105〜130℃がさらに好ましい。
結晶性ポリエステルの融点は、トナーの定着性の観点から、60〜140℃が好ましく、70〜130℃がより好ましく、80〜120℃がさらに好ましい。
非晶質ポリエステルの軟化点は、トナーの低温定着性と耐久性の観点から、80〜150℃が好ましく、85〜145℃がより好ましく、90〜145℃がさらに好ましい。
非晶質ポリエステルのガラス転移点は、溶融混練物の粉砕性及びトナーの保存性の観点から、40〜80℃が好ましく、50〜70℃がより好ましい。
また、非晶質ポリエステルの酸価は、トナーの環境安定性の観点から、1〜50mgKOH/gが好ましく、10〜30mgKOH/gがより好ましく、水酸基価は、環境安定性の観点から、1〜50mgKOH/gが好ましく、10〜30mgKOH/gがより好ましい。
結晶性ポリエステルの酸価は、結晶性ポリエステルの分散性の観点から、0.1〜30mgKOHが好ましく、0.5〜10mgKOHがより好ましく、水酸基価は、結晶性ポリエステルの分散性の観点から、1〜50mgKOH/gが好ましく、5〜30mgKOH/gがより好ましい。
結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルは、結晶性ポリエステルの分散性の観点から、少なくとも1種の共通の化合物を原料モノマーとして得られるものであることが好ましい。かかる共通の化合物は、カルボン酸成分であることが好ましく、結晶性ポリエステルの結晶化度を高める観点から、フマル酸及びフタル酸がより好ましく、フマル酸がさらに好ましい。
なお、本発明において、ポリエステルは、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステルであってもよい。変性されたポリエステルとしては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステルや、ポリエステルユニットを含む2種以上の樹脂ユニットを有する複合樹脂が挙げられる。
結晶性樹脂の含有量は、トナーの低温定着性と耐久性の観点から、結着樹脂中、2〜35重量%が好ましく、3〜30重量%がより好ましい。
また、結着樹脂が非晶質樹脂を含有する場合、結晶性樹脂と非晶質樹脂の重量比(結晶性樹脂/非晶質樹脂)は、結晶性ポリエステルの分散性の観点から、3/97〜35/65が好ましく、5/95〜30/70がより好ましい。
なお、結晶性樹脂及び非晶質樹脂は、いずれも複数の樹脂からなるものであってもよい。
結着樹脂には、ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等のポリエステル以外の樹脂が適宜含有されていてもよい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、イソインドリン、ジスアゾエロー等が用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。
着色剤の含有量は、画像濃度の維持と低温定着性の観点から、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましい。
トナー母粒子には、さらに、離型剤、荷電制御剤、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が含有されていてもよい。
本発明の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂及び着色剤を含むトナー母粒子の原料を溶融混練する工程、得られた溶融混練物を粉砕する工程、得られた粉砕物を分級して、トナー母粒子を得る分級工程、及び得られたトナー母粒子と外添剤とを混合する外添工程を経て得られ、さらに、前記粉砕工程以降の処理物に、加湿条件下で、マイクロ波を照射する工程を行う。なお、粉砕工程以降の処理物は、粉砕工程以降に得られる製造中間品を意味し、粉砕工程により得られる粉砕物、分級工程により得られる分級物(トナー母粒子)、外添工程後の外添トナー及び各工程中の処理物等が含まれる。本発明においては、表面形状を制御し、耐久性を向上させる観点から、分級工程以降の処理物にマイクロ波を照射することが好ましく、トナー同士の凝集を防ぐ観点から、外添工程後にマイクロ波を照射することがより好ましい。
マイクロ波とは、波長が3〜30cm(周波数1000MHz〜10000MHz)程度の電磁波の総称である。本発明で用いるマイクロ波としては、現在工業用加熱(高周波誘導加熱)に利用し得る周波数915MHz又は2450MHzの電磁波が挙げられるが、2450MHzは家庭用電子レンジとして最も普及している周波数で、発振端子が安価に手に入るため、本発明においては、2450MHzの周波数が好ましい。
マイクロ波の出力は、効率性と安全性の観点から、100〜1200Wが好ましく、300〜1000Wがより好ましい。
マイクロ波の照射時間は、出力により異なるため一概には決定できないが、形状制御及びトナー粒子の凝集防止の観点から、1〜30分が好ましく、3〜20分がより好ましい。
マイクロ波を照射する処理物を加湿する方法は特に限定されない。例えば、蒸留水を処理物に噴霧する方法等が挙げられる。また、処理物を予め加湿した後に、マイクロ波を照射しても、処理物を加湿しながらマイクロ波を照射してもよく、いずれの場合も加湿条件下でのマイクロ波照射に含まれるが、マイクロ波の吸収効率の観点からは、加湿後、静置等により、水分が処理物内部まで浸透する程度保持した後、マイクロ波照射に供することが好ましい。
マイクロ波を照射する前の処理物中の水分量は、マイクロ波の吸収効率、トナーの保存安定性及び転写性向上の観点から、0.8重量%以上が好ましく、1.0〜6.0重量%がより好ましく、2.0〜4.0重量%がさらに好ましい。
マイクロ波を照射する処理物の温度は、処理物が溶融せず、かつ効果的に処理できることから、好ましくは(Tg〜Tg+50)℃、より好ましくは(Tg〜Tg+30)℃に調整することが望ましい。ここで、Tgとは、マイクロ波を照射する処理物、即ちマイクロ波照射前の処理物のガラス転移点である。
以降、マイクロ波照射工程以外の各工程について説明する。
トナー母粒子の原料の溶融混練は、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機又はオープンロール型混練機等の公知の混練機を用いて行うことができるが、結晶性ポリエステルの分散性の観点から、2軸押出機を用いることが好ましい。溶融混練の温度は、各原料が十分に混ざり合える程度の温度であれば特に限定されない。なお、溶融混練工程に供する結着樹脂及び着色剤、さらに適宜用いられる離型剤、荷電制御剤等の原料は、ヘンシェルミキサー等を用いて混合した後、溶融混練工程に供することが好ましい。
溶融混練工程により得られた溶融混練物を、圧延し、冷却する。圧延、冷却の方法は特に限定されない。圧延手段としては、圧延ロールや圧延ドラム等が、冷却手段としては、空冷方式、水冷方式、スチール製の冷却ベルト方式等が、それぞれ挙げられる。圧延ロールや圧延ドラムの間隔を調整することにより、圧延後の厚みを調整することができる。
圧延後、冷却に供される溶融混練物の厚みは、ワックスの分散性向上と生産性の観点から、3mm以上が好ましく、4〜6mmがより好ましい。
粉砕工程は、耐久性の向上の観点から、得られた溶融混練物を粉砕可能な程度まで冷却し、好ましくは体積中位粒径が20μm以下、より好ましくは10μm以下に粉砕する工程である。
粉砕工程は、多段階に分けて行ってもよい。例えば、溶融混練物を粗粉砕した後、さらに微粉砕してもよい。粗粉砕物は、粒径1〜10mm程度であることが好ましく、微粉砕物は、体積中位粒径1〜10μmであることが好ましい。また、粉砕、分級工程時の生産性を向上させるために、溶融混練物を疎水性シリカ等の無機微粒子と混合した後、粉砕してもよい。
粉砕工程に用いられる粉砕機は特に限定されないが、例えば、粗粉砕に好適に用いられる粉砕機としては、アトマイザー、ロートプレックス等が挙げられるが、ハンマーミル等を用いてもよい。また、微粉砕に好適に用いられる粉砕機としては、ジェットミル、衝突板式ミル、回転型機械ミル等が挙げられる。
なお、粉砕工程を多段階に分けて行う場合、粗粉砕工程等の途中の粉砕工程で得られた粉砕物、例えば、粉砕工程が粗粉砕工程と微粉砕工程とからなる場合には粗粉砕物も、前記処理物に含まれる。
分級工程に用いられる分級機としては、風力分級機、慣性式分級機、篩式分級機等が挙げられる。分級工程の際、粉砕が不十分で除去された粉砕物は再度粉砕工程に供してもよく、必要に応じて粉砕工程と分級工程と繰り返してもよい。
溶融混練工程の後、粉砕工程及び分級工程を経て得られたトナー母粒子を外添剤と混合する外添工程を行い、外添剤をトナー表面に外添する。トナー母粒子の体積中位粒径(D50)は、3〜12μmが好ましく、4〜10μmがより好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
外添剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化亜鉛等の無機微粒子等が挙げられ、これらの中では、埋め込み防止の観点から、比重の小さいシリカが好ましい。
シリカは、環境安定性の観点から、疎水化処理された疎水性シリカであるのが好ましい。疎水化の方法は特に限定されず、疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)、シリコーンオイル、メチルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらの中では、環境安定性の観点から、ヘキサメチルジシラザンが好ましい。疎水化処理剤の処理量は、無機微粒子の表面積当たり1〜7mg/m2が好ましい。
外添剤としては、シリカの埋没防止と遊離シリカ防止の観点から、平均粒径が好ましくは12〜120nm、より好ましくは35〜80nm、さらに好ましくは40〜60nmのシリカ(シリカA)を用いることが好ましく、トナーの流動性付与の観点から、シリカAとともに、シリカAよりも平均粒径が小さいシリカ(シリカB)を用いることがより好ましい。
シリカAの外添量は、トナーの転写性を維持し、機内汚染を防止する観点からトナー母粒子100重量部に対して、0.3重量部以上が好ましく、0.3〜5.0重量部がより好ましく、0.5〜2.0重量部がさらに好ましい。
シリカBの平均粒径は、トナーの流動性付与の観点から、10〜30nmが好ましく、10〜20nmがより好ましい。
また、シリカAとシリカBの平均粒径の比(シリカA/シリカB)は、トナーに適度な流動性を付与する観点から、1.2〜10が好ましく、1.5〜5がより好ましく、2〜3がさらに好ましい。
シリカBの外添量は、トナーの帯電性及び定着性の観点から、トナー母粒子100重量部に対して、0.1重量部以上が好ましく、0.1〜4重量部がより好ましく、0.2〜2重量部がさらに好ましい。
外添工程は、外添剤とトナー母粒子とをヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速攪拌機、V型ブレンダー等を用いる乾式混合法が好ましい。複数種の外添剤を用いる場合は、あらかじめ混合して高速攪拌機やV型ブレンダーに添加してもよく、また別々に添加してもよい。
なお、外添工程を複数回行う場合は、外添工程の間にマイクロ波を照射する工程を行ってもよい。また、外添工程後は、トナーを篩にかけて粗粉(凝集物)を除去する篩工程を行うことが好ましく、外添工程後に前記マイクロ波照射工程と篩工程を行う場合、マイクロ波照射に伴う凝集物を除去する観点から、マイクロ波照射工程は外添工程と篩工程の間に行うことが好ましい。
本発明では、マイクロ波照射工程により球形度の高いトナーが得られる。本発明により得られるトナーの平均円形度は、転写性と耐久性を向上させる観点から0.940〜0.980が好ましく、0.950〜0.970がより好ましい。トナーの平均円形度は、次式:
Figure 0005064168
により算出される円形度の平均値であり、「粒子の投影像と同じ面積を有する円の周囲長」及び「粒子投影像の周囲長」は、例えばフロー式粒子像分析装置(FPIA-1000、FPIA-2000又はFPIA-3000;シスメックス社製)を用いてトナーの水分散系で測定を行って得られる。また、上記の分析装置による値は、数千個、少なくとも3000個の平均値として得られる値であるため、本発明における平均円形度の信頼性は極めて高い。なお、本明細書中において、平均円形度の測定装置は上記装置に限定されるものではなく、同様の原理により、平均円形度を上式に基づいて求めることができる装置であればいかなる装置によって測定されてもよい。
トナーの軟化点は、耐久性と低温定着性観点から、80〜140℃が好ましく、90〜130℃がより好ましい。また、トナーのガラス転移点は、保存安定性と低温定着性の観点から、40〜80℃が好ましく、40〜70℃がより好ましい。
トナーの誘電率(ε)は、現像機中で絶縁破壊を避ける観点からの観点から、2.0〜6.0が好ましく、3.0〜5.0がより好ましい。トナーの誘電率は、カーボンブラックの添加や、導電剤の添加により調整することができる。
また、トナーの誘電正接(tanδ)は、現像機中で絶縁破壊を避ける観点からの観点から、0.0020〜0.0200が好ましく、0.0050〜0.0150がより好ましい。トナーの誘電正接は、カーボンブラックの添加や、導電剤の添加により調整することができる。
本発明により得られる静電荷像現像用トナーは、そのまま一成分現像用トナーとして使用することもできるが、本発明のトナーは、耐久性に優れ、キャリアへのトナースペントの抑制に対して本発明の効果がより顕著に発揮されるため、キャリアと混合して二成分現像剤として使用することが好ましい。
本発明において、キャリアとしては、画像特性の観点から、磁気ブラシのあたりが弱くなる飽和磁化の低いキャリアが用いられるのが好ましい。キャリアの飽和磁化は、磁気ブラシの固さを調節し、階調再現性を保持する観点から、100Am2/kg以下が好ましく、キャリア付着やトナー飛散を防止する観点から、40Am2/kg以上が好ましい。従って、飽和磁化は、40〜100Am2/kgが好ましく、50〜90Am2/kgがより好ましい。
キャリアのコア材としては、公知の材料からなるものを特に限定することなく用いることができ、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト、銅-亜鉛-マグネシウムフェライト、マンガンフェライト、マグネシウムフェライト等の合金や化合物、ガラスビーズ等が挙げられ、これらの中では、帯電性の観点から、鉄粉、マグネタイト、フェライト、銅-亜鉛-マグネシウムフェライト、マンガンフェライト及びマグネシウムフェライトが好ましく、画質の観点から、フェライト、銅-亜鉛-マグネシウムフェライト、マンガンフェライト及びマグネシウムフェライトがより好ましい。
キャリアの表面は、スペント防止の観点から、樹脂で被覆されていることが好ましい。キャリア表面を被覆する樹脂としては、トナー材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂、ポリエステル、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂などが挙げられ、これらは単独であるいは2種以上を併用して用いることができるが、トナーが負帯電性である場合には、帯電性及び表面エネルギーの観点から、シリコーン樹脂が好ましい。樹脂によるコア材の被覆方法は、例えば、樹脂等の被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁させて塗布し、コア材に付着させる方法、単に粉体で混合する方法等、特に限定されない。
トナーとキャリアとを混合して得られる二成分現像剤において、トナーとキャリアの重量比(トナー/キャリア)は、1/99〜10/90が好ましく、2/98〜8/92がより好ましい。
また、本発明のトナーは、転写性に優れ、かつ高耐久性であることから、トナーの消費量が多く、トナーへのストレスが強くかかる、線速が750mm/sec以上、好ましくは850〜2000mm/secの高速の現像装置を用いた画像形成方法にも好適に用いることができる。
〔樹脂、処理物及びトナーの軟化点(Tm)〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂の吸熱の最高ピーク温度及びガラス転移点〕
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、DSC Q20)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度を求める。また、非晶質樹脂特有のガラス転移点は、前記測定で、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔樹脂の酸価及び水酸基価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。ただし、結晶性ポリエステルについては、クロロホルムを測定溶媒として使用した。
〔処理物及びトナーのガラス転移点(Tg)〕
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、DSCQ20)を用いて-20℃まで冷却し、その温度から昇温速度10℃/分で160℃まで昇温した時における吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔トナーの誘電率(ε)及び誘電正接(tanδ)〕
処理物5gに、1.2トンの圧力を10秒間かけ、直径60.0mm、厚さ1.8mmの表面が平滑なペレットを調整する。得られたペレットを、プレジョンLCRメータ「HP4284A」及び誘電体測定用電極「HP16451B」(ともに横河ヒューレットパッカード社製)を用い、温度25℃、湿度50%の環境下、1kHzで測定した時の誘電率(ε)、誘電正接(tanδ)を採用する。
〔処理物の水分量〕
処理物5gを試料とし、赤外線水分計(株式会社ケツト科学研究所:FD-230)を用いて、乾燥温度150℃,測定モード96(監視時間2.5分/変動幅0.05%)にて、ウェットベースの水分量(重量%)を測定する。
〔トナー母粒子の体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
〔トナーの平均円形度〕
測定機:FPIA-3000(シスメックス社製)
標準ユニット(対物レンズ10倍)
測定モード HPFモード
バージョン 00-10
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB13.6)5重量%電解液
分散条件:分散液10mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、蒸留水10mlを添加し、さらに、超音波分散機にて2分間分散させる。
測定条件:分散液に分散したトナーを、粒子濃度1800〜2200個になる濃度で20℃で測定する。
〔外添剤の平均粒径〕
外添剤の平均粒径とは個数平均粒径を指し、走査電子顕微鏡(SEM)写真から500個の粒子の粒径(長径と短径の平均値)を測定し、それらの平均値を平均粒径とする。
〔キャリアの飽和磁化〕
(1) 外径7mm(内径6mm)、高さ5mmの蓋付プラスティックケースにキャリアをタッピングしながら充填し、プラスティックケースの重量とキャリアを充填したプラスティックケースの重量の差から、キャリアの質量を求める。
(2) 理研電子(株)の磁気特性測定装置「BHV-50H」(V.S.MAGNETOMETER)のサンプルホルダーにキャリアを充填したプラスティックケースをセットし、バイブレーション機能を使用して、プラスティックケースを加振しながら、79.6kA/mの磁場を印加して飽和磁化を測定する。得られた値は充填されたキャリアの質量を考慮し、単位質量当たりの飽和磁化に換算する。
結晶性ポリエステルの製造例(樹脂A)
表1に示すアルコール成分、カルボン酸成分、エステル化触媒及び重合禁止剤を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、160℃で5時間かけて反応させた後、200℃まで段階昇温して1時間反応させ、さらに8.3kPaにて1時間反応させて、結晶性ポリエステル(樹脂A)を得た。
非晶質ポリエステルの製造例(樹脂B)
表1に示すアルコール成分、カルボン酸成分、エステル化触媒及び重合禁止剤を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃に昇温して反応率が90%に達するまで反応させ、さらに8.3kPaにて1時間反応させて、非晶質ポリエステル(樹脂B)を得た。なお、本発明において反応率とは、反応水量(mol)/理論生成水量(mol)×100の値をいう。
Figure 0005064168
実施例1〜6
樹脂A 20重量部、樹脂B 80重量部、カーボンブラック「NIPEX-60」(デグサ社製)6重量部、負帯電性荷電制御剤「T-77」(保土ヶ谷化学工業社製)2重量部及び離型剤「カルナウバワックス C−1」(加藤洋行社製)2重量部をヘンシェルミキサーにて60秒間混合した。得られた混合物を二軸押出機により溶融混練し、冷却後、ハンマーミルを用いて1mm程度に粗粉砕した。得られた粗粉砕物をエアージェット方式の粉砕機により微粉砕後、分級し、表2に示す体積中位粒径(D50)の負帯電性のトナー母粒子を得た。
得られたトナー母粒子100重量部と、疎水性シリカ「R972」(日本アエロジル社製、平均粒径 16nm、疎水化処理剤 DMDS)0.9重量部と疎水性シリカ「NAX50」(日本アエロジル社製、平均粒径 40nm、疎水化処理剤 HMDS)1.0重量部とをヘンシェルミキサーで3分間混合して、外添処理をしたトナー(外添トナー)を得た。得られた外添トナーの軟化点(Tm)は98℃、ガラス転移点(Tg)は31℃であった。
トナーをトレイに拡げ、霧吹きで数回から数十回満遍なく蒸留水を拭きかけた後、トレイをラップフィルムで覆い、一晩静置した。
静置後、外添トナー中の水分量を測定した後、キャビティ型マイクロ波反応装置(四国計測工業社製、周波数:2450MHz、最高出力:1.5kW)を用いて、サンプル温度を55℃に制御し、出力を一定(350W)にして、表2に示す条件下でトナーにマイクロ波を照射した。
比較例1、2
外添処理をしたトナーを加湿することなく、マイクロ波照射に供した以外は、実施例1、2と同様にして、トナーを得た。
比較例3
マイクロ波照射工程を行わなかった以外は、比較例1と同様にして、トナーを得た。
試験例1〔保存安定性〕
トナー5gを50ml容のポリビンに入れ、温度50℃、相対湿度60%の環境で48時間放置した。その後、そのトナーを目開き100μmのメッシュで篩い、メッシュ上の残存トナーを計量し、以下の評価基準に従って、保存安定性を評価した。残存トナーの量が少ないほど、保存安定性が良好であることを示す。結果を表2に示す。
〔評価基準〕
A:残存トナーが0.1g未満
B:残存トナーが0.1g以上、0.3g未満
C:残存トナーが0.3g以上、0.7g未満
D:残存トナーが0.7g以上
試験例2〔転写効率〕
トナー6重量部と、フェライトキャリア(体積平均粒径:60μm、飽和磁化:68Am2/kg)94重量部とを混合し、二成分現像剤を得た。
得られた二成分現像剤を非接触定着方式の画像形成装置「Vario stream 9000」(オセ・プリンティングシステムズ社製)に実装し、印字率9%で2時間耐刷した。その後、印字率0.15%で3時間耐刷し、プリンターを緊急停止させ、感光体上のトナー量(To)と紙上のトナー量(Tp)を計量し、Tp/To×100から算出された値を転写効率とした。結果を表2に示す。
試験例3〔耐久性〕
試験例2と同様にして得られた二成分現像剤を、二成分現像方式の画像形成装置「Vario stream 9200」(オセプリンティングシステム社製)に実装し、印字率9%、線速1000mm/secで30時間耐刷した後、以下の方法に従ってスペント量を測定した。結果を表2に示す。
(1) 二成分現像剤を掃除機により目開き20μmのメッシュに通し、残ったキャリアのカーボン量を炭素分析装置(カーボンアナライザー:HORIBA社製)で測定する。
(2) (1)でカーボン量を測定したキャリアをクロロホルムにて洗浄し、キャリアに付着しているトナーを除去する。洗浄後、キャリアのカーボン量を測定する。
(3) (1)で測定したカーボン量から、(2)で測定したカーボン量を引いた値をトナーのスペント量とする。表中は、キャリアの重量に対する重量%で示す。
Figure 0005064168
以上の結果より、実施例1〜6で得られたトナーは、比較例1〜3で得られたトナーと対比して、保存安定性及び転写性に優れ、また、トナースペントが少なく耐久性も良好であり、予め加湿した処理物にマイクロ波を照射した実施例の方法によれば、短時間でトナーの特性を損なうことなく、簡便にトナーの表面形状を制御できることが分かる。
本発明により得られる静電荷像現像用トナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられるものである。

Claims (2)

  1. 軟化点と吸熱の最高ピーク温度の比(軟化点/吸熱の最高ピーク温度)が0.6〜1.3である結晶性樹脂を含有してなる結着樹脂及び着色剤を含むトナー母粒子の原料を溶融混練して溶融混練物を得る工程、得られた溶融混練物を粉砕して粉砕物を得る工程、得られた粉砕物を分級して、トナー母粒子を得る分級工程、及び得られたトナー母粒子と外添剤とを混合して外添トナーを得る外添工程を少なくとも含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、さらに、前記外添工程後に、加湿処理により0.8重量%以上の水分を含ませた処理物にマイクロ波を照射する工程を含む、静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 結晶性樹脂が結晶性ポリエステルである、請求項記載の製造方法。
JP2007273019A 2007-10-19 2007-10-19 静電荷像現像用トナーの製造方法 Active JP5064168B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007273019A JP5064168B2 (ja) 2007-10-19 2007-10-19 静電荷像現像用トナーの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007273019A JP5064168B2 (ja) 2007-10-19 2007-10-19 静電荷像現像用トナーの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009103760A JP2009103760A (ja) 2009-05-14
JP5064168B2 true JP5064168B2 (ja) 2012-10-31

Family

ID=40705527

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007273019A Active JP5064168B2 (ja) 2007-10-19 2007-10-19 静電荷像現像用トナーの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5064168B2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07160042A (ja) * 1993-12-02 1995-06-23 Konica Corp 静電荷像現像用トナー及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009103760A (ja) 2009-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108107692B (zh) 调色剂
JP5246917B2 (ja) 電子写真用トナーの製造方法
JP5410033B2 (ja) 電子写真用トナー
US8163457B2 (en) Process for preparing toner for electrophotography
JP2011028055A (ja) 画像形成方法、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP6679865B2 (ja) 光輝性トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP2015176068A (ja) 画像形成装置
JP4953880B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2007328043A (ja) 電子写真用トナー
US20160195828A1 (en) Toner, toner stored unit, and image forming apparatus
JP5454998B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP4813346B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2019070736A (ja) 二成分系現像剤
CN109557778B (zh) 色调剂和色调剂组
JP5059542B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
US9885969B2 (en) Carrier for two-component developer, two-component developer, and method of preparing carrier for two-component developer
JP5064168B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP2010211016A (ja) 静電荷像現像トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成方法、並びに、画像形成装置
JP2009069212A (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP6782623B2 (ja) トナーの製造方法
JP2017090713A (ja) 電子写真用粉砕トナーの製造方法
JP4864807B2 (ja) 二成分現像剤
JP6642077B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法
JP2006258963A (ja) 電子写真用トナー
JP5235365B2 (ja) 電子写真用トナーの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100914

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120528

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120807

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120808

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5064168

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150817

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250