JP5061968B2 - 色温度設定装置、色温度設定プログラム、および色温度設定方法 - Google Patents

色温度設定装置、色温度設定プログラム、および色温度設定方法 Download PDF

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Description

本発明は表示装置の色温度を設定するための色温度設定装置、色温度設定プログラム、および色温度設定方法に関し、特にユーザの好みに応じた色温度を設定するための色温度設定装置、色温度設定プログラム、および色温度設定方法に関する。
最近のコンピュータは多階調のカラー画像を表示することができる。例えば、1つの画素(ピクセル)について24ビットまたは32ビットの色情報を持たせることで、フルカラーと呼ばれる程の多数の色を表示可能となる。表示可能色が増加したことにより、コンピュータの使用環境やユーザの好みに応じて、画像の色を適宜微調整する技術が考えられている。例えば、使用環境に応じて変換用マトリクスを生成し、変換用マトリクスを用いて画像の色を変換する技術がある(特許文献1参照)。
特開2002−209229号公報
ところで、コンピュータのモニタに画像を表示する場合に、色温度を正確に再現することが求められている。色温度とは、物体の色を、その色の光を放射するときの物体の温度で表したものである。物体は、その物体の温度に応じて放射する光の色が変化する。そのため、人が物体を見たときに感じる色は、そのときの物体の温度によって異なってくる。そこで、色の正確な再現のためには、画像の色温度を適切な値にすることが重要となる。特にコンピュータでテレビ画像を表示する場合、映像の美しさに対する要求も厳しくなり、より厳密に色温度を調整することが求められる。
しかし、適切な色温度はコンピュータを使用するユーザによっても異なる。そのため、コンピュータ内で最適な色温度を固定的に決めておくことは適切ではない。すなわち、コンピュータを使用するユーザの虹彩の色の違いにより、視覚として受ける色の印象がユーザごとに異なる。そのため、コンピュータでは、白を基準として色温度を適宜調整可能としている。各ユーザが自己の虹彩の色に合った色温度に設定することで、ユーザによる色の印象の差をなくすことができる。コンピュータにおける色温度の設定は、初期設定値と、その他の数種類の推奨値からユーザが適当な色温度を選択するものや、ユーザが任意の色温度の値を設定するものがある。
ただし、このような色温度の設定をユーザが行うには、どのような色温度が適切なのかをユーザ自身が知っている必要がある。しかも、色温度の設定画面による操作が伴うため、ユーザに対して煩雑な作業を強いることとなる。
なお、虹彩の色が何色の人が多いかは、地域によって異なる。例えば、日本では虹彩が黒色に近い濃い色の住人が多数派であっても、欧米では虹彩が青などの薄い色の人が多数派であると思われる。そこで、現状のテレビ機能が搭載されたコンピュータは、出荷する地域の多数派の虹彩の色に合わせた色温度が設定されている。ただし、この状態では出荷する地域ごとに設定の異なる装置を作成しなくてはならず、在庫管理や製造上のコストの増大を招いている。
また地域ごとに色温度を設定しておいたとしても、その色温度は、虹彩の色が該当地域の多数派となる居住者の好みに合わせてある。そのため、虹彩の色が居住地域で少数派に属するユーザは、適切な色温度で画像を見るには、コンピュータを購入後に色温度の設定を変更する必要があった。前述したように、このようなユーザによる色温度の設定変更はユーザにとって面倒であり、コンピュータに詳しいユーザしか行っていないのが現状である。そのため、かなり多くのユーザが、不適切な色温度で表示された画像を見ているものと考えられる。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、ユーザの虹彩の色に応じた色温度を自動で設定することができる色温度設定装置、色温度設定プログラム、および色温度設定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、表示装置の色温度を設定するための色温度設定装置が提供される。この色温度設定装置において、撮影部は、ユーザによる操作入力に応答してカメラでユーザを撮影する。虹彩色判別部は、撮影したユーザの画像を解析して、ユーザの虹彩の色を判別する。色温度決定部は、虹彩の色と色温度との対応関係が登録された虹彩・色温度対応テーブルを参照し、ユーザの虹彩の色に対応する色温度を、表示装置の色温度に決定し、表示装置で表示される画像の色温度を記憶する色温度設定値記憶部に対して、決定された色温度を設定する。
このような色温度設定装置によれば、操作入力に応答してユーザが撮影される。次に、撮影されたユーザの画像からユーザの虹彩の色が判別される。さらに、ユーザの虹彩の色に対応する色温度が、表示装置の色温度に決定される。そして、表示装置で表示される画像の色温度を記憶する色温度設定値記憶部に対して、決定された色温度が設定される。
また、上記色温度設定装置の機能をコンピュータで実現させることができる色温度設定プログラムが提供される。さらに、上記色温度設定装置で実行される処理と同様の処理を行う色温度設定方法が提供される。
上記色温度設定装置により、表示装置の色温度として、ユーザの虹彩の色に応じた色温度が自動的に設定される。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、実施の形態の概要を示す図である。色温度設定装置1は、顔撮影部1a、虹彩色判別部1b、虹彩・色温度対応テーブル1c、色温度決定部1d、および色温度設定値記憶部1eを有している。
顔撮影部1aは、ユーザ4,5の顔がコンピュータに接続されたカメラ3の前にある状況下で、操作入力に応答してカメラ3でユーザ4,5の顔を撮影する。この撮影では、少なくとも、顔の中の目が撮影されていることが必要である。例えば、ユーザ4,5がカメラ3を覗き込むような姿勢を取り、その状態で撮影を行うことで、必要な画像を取得できる。
虹彩色判別部1bは、撮影した顔の画像4a,5aを解析して、ユーザ4,5の虹彩の色4b,5bを判別する。虹彩は、角膜と水晶体の間にある薄い膜である。一般に、虹彩の色は、茶、青、緑などがある。
虹彩・色温度対応テーブル1cは、虹彩の色と色温度との対応関係が登録されている。すなわち、虹彩の色に応じて、該当するユーザに適切な色温度が予め虹彩・色温度対応テーブル1cに設定されている。
色温度決定部1dは、虹彩・色温度対応テーブル1cを参照し、ユーザ4,5の虹彩の色4b,5bに対応する色温度4c,5cを、表示装置2の色温度に決定する。そして、色温度決定部1dは、表示装置2で表示される画像4d,5dの色温度を記憶する色温度設定値記憶部1eに対して、決定された色温度4c,5cを設定する。
このような色温度設定装置1によれば、操作入力に応答してユーザ4,5の顔が撮影される。次に、撮影された顔の画像4a,5aからユーザ4,5の虹彩の色4b,5bが判別される。さらに、ユーザ4,5の虹彩の色4b,5bに対応する色温度4c,5cが、表示装置2の色温度に決定される。そして、表示装置2で表示される画像4d,5dの色温度を記憶する色温度設定値記憶部1eに対して、決定された色温度4c,5cが設定される。
このようにして、ユーザ4,5の虹彩の色4b,5bに基づいて、ユーザ4,5の好みに合うと推定される色温度を自動で設定することができる。色温度が設定された色温度設定値記憶部1eは、表示装置2に画像を表示するアプリケーションソフトウェアなどによって参照される。そして、それらのアプリケーションソフトウェアが表示装置2に画像4d,5dを表示する際には、色温度設定値記憶部1eに設定された色温度で表示する。ここで、色温度の数値が小さいほど、表示装置2に表示される画像の白が赤っぽく表示される。また、色温度の数値が大きいほど、表示装置2に表示される画像の白が青っぽく表示される。
なお、図1の例では、色温度設定値記憶部1eが色温度設定装置1内に設けられているが、多くの場合、表示装置2内にも色温度設定値記憶部が存在する。例えば、表示装置2の色温度として、K(ケルビン)の単位を用いて、5000K、6500K、7500K、9300Kなどの設定が可能である。表示装置2は、外部からの色温度の指定がなければ、内部の色温度設定値記憶部に設定されている色温度(表示装置2のデフォルト値)で画面を表示する。そこで、色温度設定装置1では、表示装置2内に設定されている色温度の値を直接変更するようにしてもよい。
画像の色温度の好みは、虹彩の色が濃いほど高い色温度を好み、虹彩の色が薄いほど低い色温度を好むことが知られている。具体的には、日本人などのアジア系の人種は虹彩の色が濃く(黒に近い)、7500Kなどの高めの色温度を好む傾向にある。また、ヨーロッパ系の人種は虹彩の色が薄く(青や茶に近い)、6500Kなど低めの色温度を好む傾向にある。そこで、虹彩・色温度対応テーブル1cにおいて、濃い色に対しては7500K、薄い色に対しては6500Kの色温度を対応付ける。
ここで、図1に示すユーザ4がアジア系の人種であれば、ユーザの虹彩の色4bは、例えば濃い茶色である。すると、対応する色温度4cは7500Kとなる。この場合、ユーザ4が表示装置2を用いて画像4dを見るときは、白が青っぽくなる色合いで表示される。
また、図1に示すユーザ5がヨーロッパ系の人種であれば、ユーザの虹彩の色5bは、例えば青色である。すると、対応する色温度5cは6500Kとなる。この場合、ユーザ5が表示装置2を用いて画像5dを見るときは、白が赤っぽくなる色合いで表示される。
ところで、図1に示した色温度設定装置1の機能は、コンピュータに内蔵させることができる。現在のノート型のコンピュータでは、カメラを内蔵したモデルも多い。このようなコンピュータであれば、色温度設定装置1が有すべき処理機能を有するソフトウェアを実装することで、色温度の自動設定が可能となる。なお、カメラが内蔵されていないコンピュータであっても、USB(Universal Serial Bus)などのインタフェースを利用し簡単にカメラを接続することが可能である。そのような外部接続のカメラを利用して、色温度の自動設定機能を実現することもできる。
また、色温度の調整は、テレビ放送などの映像を表示する際に特に必要となる。しかも、最近のコンピュータは、テレビ表示機能を内蔵するものが多数存在する。そこで、テレビ表示機能を有するノート型のコンピュータに色温度設定機能を実装した場合を例に採り、以下に実施の形態を詳細に説明する。
図2は、本実施の形態に係るコンピュータの外観図である。本実施の形態に係るコンピュータ100は、ノート型のコンピュータである。コンピュータ100には、カメラ114が内蔵されている。
なお、図2に示すコンピュータ100はカメラ114を内蔵しているが、カメラ機能を内蔵しないコンピュータもある。そのようなコンピュータでは、USBなどのインタフェースを利用して、カメラを接続することができる。
図3は、本実施の形態に用いるコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。コンピュータ100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス108を介してRAM(Random Access Memory)102、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、テレビチューナ106、および通信インタフェース107が接続されている。
RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。HDD103には、OSやアプリケーションプログラムが格納される。
グラフィック処理装置104には、液晶ディスプレイ111が接続されている。グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像を液晶ディスプレイ111の画面に表示させる。
入力インタフェース105には、キーボード112、ポインティングデバイス113、およびカメラ114が接続されている。入力インタフェース105は、キーボード112やポインティングデバイス113から送られてくる信号を、バス108を介してCPU101に送信する。また、入力インタフェース105は、カメラ114が撮影した画像を取り込み、RAM102やHDD103に転送する。
テレビチューナ106は、テレビ電波を受信し、テレビの画像を生成することができる。テレビチューナ106が生成したテレビ画像は、グラフィック処理装置104を介して液晶ディスプレイ111に表示される。
通信インタフェース107は、ネットワーク10に接続されている。通信インタフェース107は、ネットワーク10を介して、他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う。
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。
図4は、コンピュータの色温度調整機能を示すブロック図である。コンピュータ100には、虹彩・色温度対応テーブル121、顔撮影部122、虹彩色判別部123、色温度決定部124、およびテレビ表示部125を有している。
虹彩・色温度対応テーブル121は、ユーザの虹彩の色と色温度との対応関係を記憶するデータテーブルである。虹彩・色温度対応テーブル121は、例えば、RAM102内に設けられる。
顔撮影部122は、カメラ114を制御して、ユーザの顔の画像を取得する。具体的には、顔撮影部122は、ユーザからの色温度調整指示の操作入力に応答して、カメラを近接撮影モードで起動する。次に、顔撮影部122は、ユーザに対して「カメラに目を近づけてください」というメッセージを表示する。そして、顔撮影部122は、ユーザからの「OK」の操作入力に応じてカメラ114でユーザの顔を撮影し、撮影した画像を虹彩色判別部123に渡す。
虹彩色判別部123は、顔撮影部122から受け取った画像から虹彩の領域を判定する。そして、虹彩色判別部123は、虹彩の領域の色を取得する。取得した虹彩の色は、色温度決定部124に渡される。
色温度決定部124は、虹彩・色温度対応テーブル121を参照し、虹彩の色に応じた色温度を選択する。すなわち、色温度決定部124は、ユーザの虹彩の色に対応付けられた色温度を自動的に選択する。色温度決定部124は、選択した色温度をテレビ表示部125の色温度設定値記憶部125aに設定する。
テレビ表示部125は、テレビチューナ106を制御して、ユーザが選択した周波数のテレビ放送を受信し、液晶ディスプレイ111に画像を表示する。また、テレビ表示部125は、色温度設定値記憶部125aを有している。色温度設定値記憶部125aは、色温度の設定を記憶するための記憶機能である。例えば、RAM102の記憶領域の一部が、色温度設定値記憶部125aとして使用される。テレビ表示部125は、テレビ画像を液晶ディスプレイ111に表示する際には、色温度設定値記憶部125aに設定された色温度となるように画質を調整する。
なお、図4における虹彩・色温度対応テーブル121、顔撮影部122、虹彩色判別部123、および色温度決定部124の機能は、例えば、コンピュータ100におけるユーティリティアプリケーションソフトウェア(コンピュータの機能向上などのために用意されたソフトウェア)をコンピュータ100が実行することで実現される。また、テレビ表示部125の機能は、コンピュータ100でテレビを視聴するためのアプリケーションソフトウェアをコンピュータ100が実行することで実現される。
次に、図4に示した構成のコンピュータ100で色温度を調整する方法を、詳細に説明する。まず、顔の画像から虹彩の色を判別する方法の一例について説明する。
図5は、顔の画像を示す図である。画像20には、ユーザの目の周辺が示されている。目には、中央に瞳孔21がある。瞳孔21の周辺が虹彩22である。虹彩22の外側は、一般に白目と呼ばれる強膜23,24である。
そこで、虹彩色判別部123は、画像の中から2カ所の白い領域を抽出する。顔の画像における白い部分は目の強膜23,24の部分である。強膜23,24の領域に挟まれた部分に虹彩22がある。そこで、虹彩色判別部123は、白い部分に挟まれた領域内の中央の黒い部分(瞳孔21)を除いた領域を虹彩22と判定する。
虹彩色判別部123は、画像20から虹彩22の領域の色を特定する。通常は、カメラ114から撮影された画像データは、色がRGBで表されている。従って、虹彩色判別部123はRGBの値により、虹彩22の色を認識できる。
次に、虹彩の色から色温度を求める方法を説明する。本実施の形態では、虹彩の色を示すLab表色系での値を求め、Lab表色系における値から色温度を求めるものとする。
図6は、Lab表色系色座標を示す図である。図6(A)は、Lab表色系の色空間を示す球体を示している。色空間は、L軸、a軸、b軸で表される。L軸は、明るさを表している。a軸は、赤〜緑の色の変化を表している。b軸は、黄〜青の色の変化を表している。ここで、点Cにおける色のL値、a値、b値を求めるものとする。
図6(B)は、色空間の球体から、点Cが属する領域を全体の1/4だけ切り取ったものである。点CからL軸に垂線をおろしたときにL軸と垂線との交わる位置のL軸の値が、点Cの色のL値となる。
図6(C)は、色空間をX−X方向から見たときの断面図である。点Cについては、断面上に投影している。この断面図上で点Cからa軸に垂線をおろしたときにa軸と垂線との交わる位置のa軸の値が、点Cの色のa値となる。また、断面図上で点Cからb軸に垂線をおろしたときに、b軸と垂線との交わる位置のb軸の値が、点Cの色のb値となる。
虹彩色判別部123は、RGB値と、Lab表色系の色空間における座標値(Lab値)との対応関係を予め記憶している。虹彩色判別部123は、カメラ114より取得した画像の虹彩の色(RGB値)を色立体と比較確認する。そして、虹彩色判別部123は、虹彩の色がL値、a値、b値からなる座標のどこに最も近いかを判定し、そのLab値を取得する。
ここで、Lab値のうち、L値は明るさを表す値である。明るさは、撮影したときの照明などの外界の明るさに左右される。そのため、虹彩の色に応じた色温度の判定には、明るさの影響を除外して、a値、b値のみが用いられる。すなわち、a値、b値と色温度との対応関係が、虹彩・色温度対応テーブル121に登録されている。
図7は、虹彩・色温度対応テーブルのデータ構造例を示す図である。虹彩・色温度対応テーブル121には、絶対値a、絶対値b、およびモニタ色温度の欄が設けられている。
絶対値aの欄には、a値の絶対値が設定されている。絶対値bの欄には、b値の絶対値が設定されている。絶対値aと絶対値bとの欄の横方向に対応する値の組みが、1つの組合せパターンを構成している。そして、絶対値aと絶対値bとの欄には、a値の絶対値とb値の絶対値との間のすべての組合せパターンが設定されている。
モニタ色温度の欄には、絶対値aと絶対値bとの組合せパターンに応じた適切な色温度が設定されている。虹彩・色温度対応テーブル121では、虹彩の色が、Lab表色系を示す色立体のa軸−b軸平面における座標の原点に近いほど、高い値の色温度が設定されている。
色温度決定部124は、このような虹彩・色温度対応テーブル121を参照することで、虹彩の色に応じた適切な色温度を決定する。決定した色温度は、テレビ表示部125内の色温度設定値記憶部125aに設定される。
以下、色温度調整処理の手順についてフローチャートを参照して説明する。
図8は、色温度調整処理の手順を示すフローチャートである。以下、図8に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS11]顔撮影部122は、ユーザからの色温度調整指示の操作入力に応答して、ユーザの顔の近接画像を撮影する。撮影した画像は、虹彩色判別部123に渡される。
[ステップS12]虹彩色判別部123は、ユーザの顔の画像から虹彩の領域を判定する。さらに、虹彩色判別部123は、虹彩の色を判定する。そして、虹彩色判別部123は、虹彩の色を示す情報を色温度決定部124に渡す。
[ステップS13]色温度決定部124は、虹彩・色温度対応テーブル121を参照し、虹彩の色に応じた適切な色温度を判定する。
[ステップS14]テレビ表示部125は、色温度設定値記憶部125aに、色温度決定部124で判定された色温度を設定する。
その後、ユーザによってテレビ視聴を示す操作入力が行われると、テレビ表示部125によって、色温度設定値記憶部125aに設定された色温度の画質によるテレビ画像が液晶ディスプレイ111に表示される。
このようにして、コンピュータの出荷地域ごとに色温度の設定を変える必要がなくなる。すなわち、全世界共通の環境設定でコンピュータの製造が可能となる。その結果、製造時のコストダウンが図れる。また、各ユーザの虹彩の色に応じた色温度を自動で設定することが可能になり、ユーザビリティ(ユーザによる使いやすさ)の向上が図れる。さらに、ユーザにとっては、自己の好みに合った色温度を容易に設定することができ、煩雑な手間をかけずにテレビ放送の映像を好みの色合いで視聴できる。
なお、上記の例では、映像を表示する機能の代表例としてテレビ表示部125の色温度を設定しているが、テレビ表示部125に代えて、DVD(Digital Versatile Disk)による映画などの映像再生機能を用い、映像再生機能の色温度を設定することもできる。
また、CG(Computer Graphics)の分野でも、画像の色合いの調整は重要である。そのため、テレビ表示部125に代えてCG機能の色温度を設定することで、CGの画像を適切な色合いにすることができる。
また、コンピュータが有すべき機能の処理内容を記述したプログラムを、コンピュータに実行させることで実現できる。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disc)などがある。
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
なお、本発明は、上述の実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
実施の形態の概要を示す図である。 本実施の形態に係るコンピュータの外観図である。 本実施の形態に用いるコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。 コンピュータの色温度調整機能を示すブロック図である。 顔の画像を示す図である。 Lab表色系色座標を示す図である。 虹彩・色温度対応テーブルのデータ構造例を示す図である。 色温度調整処理の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 色温度設定装置
1a 顔撮影部
1b 虹彩色判別部
1c 虹彩・色温度対応テーブル
1d 色温度決定部
1e 色温度設定値記憶部
2 表示装置
3 カメラ
4,5 ユーザ
4a,5a,4d,5d 画像
4b,5b 色
4c,5c 色温度

Claims (8)

  1. 表示装置の色温度をコンピュータに設定するための色温度設定装置であって、
    ユーザによる操作入力に応答してカメラで前記ユーザを撮影する撮影部と、
    撮影したユーザの画像を解析して、前記ユーザの虹彩の色を判別する虹彩色判別部と、
    虹彩の色と色温度との対応関係が登録された虹彩・色温度対応テーブルを参照し、前記ユーザの虹彩の色に対応する色温度を、前記表示装置の色温度に決定し、前記表示装置で表示される画像の色温度を記憶する色温度設定値記憶部に対して、決定された色温度を設定する色温度決定部と、
    を有する色温度設定装置。
  2. 前記虹彩・色温度対応テーブルには、虹彩の色を示す値から明るさの影響を除去した値に対応する色温度が設定されており、
    前記色温度決定部は、前記ユーザの虹彩の色を示す値から明るさの影響を除去した値に応じた色温度を、前記表示装置の色温度に決定することを特徴とする請求項1記載の色温度設定装置。
  3. 前記虹彩・色温度対応テーブルには、虹彩の色が濃いほど高い色温度が設定されていることを特徴とする請求項1記載の色温度設定装置。
  4. 前記虹彩色判別部は、前記ユーザの虹彩の色をRGB値で判別し、
    前記虹彩・色温度対応テーブルには、Lab表色系における虹彩の色のa値とb値との組合せに対応する色温度が設定されており、
    前記色温度決定部は、RGBの値で示される色とLab表色系における色空間の色との対応関係が予め定義されており、前記ユーザの虹彩の色に応じたLab表色系におけるa値とb値とを判断し、前記虹彩・色温度対応テーブルを参照して、前記ユーザの虹彩の色に応じたa値とb値との組合せに対応する色温度を、前記表示装置の色温度に決定することを特徴とする請求項1記載の色温度設定装置。
  5. 前記虹彩・色温度対応テーブルには、a値とb値とが色空間の中心に近いほど高い色温度が設定されていることを特徴とする請求項4記載の色温度設定装置。
  6. 前記虹彩色判別部は、顔の画像の白の領域を強膜と判定し、強膜に挟まれた領域を虹彩と判定することを特徴とする請求項1記載の色温度設定装置。
  7. 表示装置の色温度をコンピュータで設定するための色温度設定プログラムであって、
    前記コンピュータを、
    ユーザによる操作入力に応答してカメラで前記ユーザを撮影する撮影部、
    撮影したユーザの画像を解析して、前記ユーザの虹彩の色を判別する虹彩色判別部、
    虹彩の色と色温度との対応関係が登録された虹彩・色温度対応テーブルを参照し、前記ユーザの虹彩の色に対応する色温度を、前記表示装置の色温度に決定し、前記表示装置で表示される画像の色温度を記憶する色温度設定値記憶部に対して、決定された色温度を設定する色温度決定部、
    として機能させる色温度設定プログラム。
  8. 表示装置の色温度をコンピュータで設定するための色温度設定方法であって、
    前記コンピュータが、
    ユーザによる操作入力に応答してカメラで前記ユーザを撮影し、
    撮影したユーザの画像を解析して、前記ユーザの虹彩の色を判別し、
    虹彩の色と色温度との対応関係が登録された虹彩・色温度対応テーブルを参照し、前記ユーザの虹彩の色に対応する色温度を、前記表示装置の色温度に決定し、
    前記表示装置で表示される画像の色温度を記憶する色温度設定値記憶部に対して、決定された色温度を設定する、
    色温度設定方法。
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