以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1実施形態によるインクジェットプリンタの概略側面図である。図2は、図1に示す搬送ベルトを上方から見たときの平面図である。なお、図2においては、インクジェットヘッド2、画像センサ40、及び、2つの押さえローラ31,32の外形を2点鎖線で示している。
インクジェットプリンタ1は、図1に示すように、4つのインクジェットヘッド2を有するカラーインクジェットプリンタである。このインクジェットプリンタ1には、図1中左方に給紙装置10が、図1中右方に排紙部15がそれぞれ設けられている。これら給紙装置10と排紙部15との間には、給紙装置10から搬送されてきた用紙(記録媒体)Pを排紙部15に向けて搬送するベルト搬送装置20が設けられている。また、プリンタ1には、これらの動作を制御する制御装置4が設けられている。
給紙装置10は、積層された複数の用紙Pを収納可能な用紙収納部11と、用紙収納部11内において最も上方にある用紙Pをベルト搬送装置20に向けて送り出す給紙ローラ12と、制御装置4に制御され給紙ローラ12を駆動する給紙モータ13(図3参照)とを有している。この構成において、制御装置4の制御により、給紙ローラ12が用紙Pと接触した状態で回転することによって、ベルト搬送装置20に用紙Pが送り出される。
4つのインクジェットヘッド2は、4色のインク(マゼンタ、イエロー、シアン、ブラック)に対応して、搬送方向A(図1中矢印A方向)に沿って並べて設けられている。すなわち、このインクジェットプリンタ1は、ライン式プリンタである。インクジェットヘッド2は、図2に示すように、長手方向が搬送方向Aに直交する方向(図2中上下方向)に伸びた細長い直方体形状となっている。また、インクジェットヘッド2は、圧力室を含むインク流路が形成された流路ユニットと、圧力室のインクに圧力を与えるアクチュエータとが貼り合わされた積層体(ともに図示せず)を有しており、底面であるインク吐出面2aに形成された多数のノズル(吐出口)2bからインクが吐出される。
ベルト搬送装置20は、図1に示すように、一対のローラ21,22と、両ローラ21,22よりも下方に配置されたテンションローラ19と、テンションローラ19及び両ローラ21,22に架け渡されるように巻回されたエンドレスの搬送ベルト23と、2つの押さえローラ(挟持部)31,32と、制御装置4に制御されローラ22を回転させる搬送モータ22a(図3参照)とを有しており、用紙Pを循環搬送可能に構成されている。テンションローラ19は、図1中上下方向に移動可能に配置されており、搬送ベルト23がテンションローラ19及び両ローラ21,22に架け渡された後、搬送ベルト23が弛まないように下方に付勢され、搬送ベルト23に張力を付与する。
搬送ベルト23の外周面、すなわち、無端状の搬送面24には、図2に示すように、用紙Pを支持する支持領域25と、インクジェットヘッド2からインクが吐出されることによってノズルの吐出不良を検知するためのテストパターンが形成されるテストパターン形成領域26と、搬送面24から突出した2つの凸部(解除機構)27,28とが形成されている。支持領域25は、テストパターン形成領域26及び凸部27,28を除く搬送面24全体に形成されており、その表面にシリコーン処理が施されて粘着性を有している。
テストパターン形成領域26には、シリコーン処理が施されておらず、吐出されたインクが滲まないような表面処理が行われており、さらに後述の画像センサ40によってテストパターンを読み取ることができるように、例えば、白色に形成されている。また、テストパターン形成領域26は、搬送ベルト23の幅方向に長尺であってインク吐出面2aとほぼ同じ大きさの長方形平面形状を有している。テストパターン形成領域26の形状及びサイズは、インク吐出面2aの大きさに限定するものではなく、インク吐出面2aに形成された複数のノズル2bがなすノズル領域2cの長手方向の長さ以上のサイズを有しておればよい。なお、ノズル領域2cは、用紙Pに対して印字可能な範囲であって、本実施形態においては、搬送ベルト23の幅方向に関して、用紙Pの幅よりも若干長くなっている。これにより、用紙Pの全面に印字可能となる。
2つの凸部27,28は、搬送面24からの突出量が用紙Pの厚みよりも大きく、且つ、搬送ベルト23の幅方向に関して、テストパターン形成領域26を挟む位置に配置されている。凸部27,28の搬送方向Aの両端部には、テーパ部27a,27b,28a,28bが形成されている。このようにテーパ部27a,27b,28a,28bが形成されていることで、搬送ベルト23が回転し凸部27,28と押さえローラ31,32とが接触したときに、押さえローラ31,32が上下方向に移動しやすくなる。
押さえローラ31は、ローラ21の上方であってローラ21との間において搬送ベルト23を挟む位置に配置されている。また、押さえローラ31は、搬送ベルト23の幅よりも長く形成されている。また、押さえローラ31は、上下方向に移動可能に配置されており、バネによって搬送面24に向かって付勢されている。すなわち、搬送面24との間で用紙Pを挟持可能に構成されている。そして、給紙装置10から支持領域25上に搬送されてきた用紙Pを支持領域25に押さえ付けながら、搬送ベルト23の回転に伴って回転する。
押さえローラ32は、ローラ22の上方であってローラ22との間において搬送ベルト23を挟む位置に配置されている。また、押さえローラ32は、搬送ベルト23の幅よりも長く形成されている。また、押さえローラ32は、上下方向に移動可能に配置されており、バネによって搬送面24に向かって付勢されている。これにおいても、搬送面24との間で用紙Pを挟持可能に構成されている。そして、搬送されてきた用紙Pを支持領域25に押さえ付けながら、搬送ベルト23の回転に伴って回転する。
また、搬送ベルト23によって囲まれた領域内には、インクジェットヘッド2と対向する位置、つまり上側にある搬送ベルト23の下面と接触することによって内周側からこれを支持するほぼ直方体形状のプラテン29が配置されている。
この構成において、制御装置4の制御により、ローラ22が所定方向(図1中時計回り方向であって矢印B方向)に回転することによって、搬送面24が搬送方向Aに移動する。このとき、給紙装置10から用紙Pが送り出されると、用紙Pが押さえローラ31によって支持領域25に押され付けられ、当該用紙Pがその粘着力により保持され搬送方向Aに搬送される。
そして、搬送ベルト23によって搬送される用紙Pが、4つのインクジェットヘッド2のすぐ下方側を順に通過する際に、この用紙Pの上面(印刷面)に向けてノズル2bから各色のインクが吐出されて所望のカラー画像が形成される。
インクジェットヘッド2と押さえローラ31との間であってインクジェットヘッド2よりも搬送方向Aの上流側には、制御装置4に接続された画像センサ(読取部)40が設けられている。また、画像センサ40は、用紙Pの搬送経路(ベルト搬送装置20によって用紙Pが搬送される経路)に対向するように配置されている。画像センサ40は、図1及び図2に示すように、インクジェットヘッド2と同様な直方体形状を有するライン型センサである。画像センサ40の底面であって搬送面24と対向する読取面41は、搬送ベルト23の幅方向に関して、インク吐出面2aとほぼ同じ長さを有する長方形平面形状となっている。このため、画像センサ40は、テストパターン形成領域26及び用紙Pの全幅に亘って撮像することができ、搬送ベルト23のテストパターン形成領域26及び用紙Pのいずれかに形成されたテストパターンを撮像するために主に用いられる。
また、画像センサ40は、その読取面41と搬送面24との離隔距離がテストパターン形成領域26に形成されたテストパターンの画像及び用紙Pに形成されたテストパターンの画像を撮像可能な距離となるように、プリンタ本体に固定されている。なお、画像センサ40は、同位置において、用紙Pの前端を撮像し、その前端位置を検出することが可能である。このため、用紙Pの前端を検出した位置に基づいて、制御装置4がインクジェットヘッドからのインク吐出タイミングを制御することができ、用紙Pの所望位置に画像及びテストパターンを確実に形成することができる。また、画像センサ40は、テストパターン形成領域26を撮像し、そのテストパターン形成領域26の位置も検出することが可能である。これにおいても、上述と同様に、テストパターン形成領域26にテストパターンを確実に形成することができる。
給紙装置10の上方には、搬送ベルト23によって搬送方向Aとは逆方向に搬送されてきた用紙Pを反転させる反転経路50が設けられている。反転経路50の中間部には、送りローラ対51が設けられている。送りローラ対51は、一方の送りローラ(図1中上方に位置する送りローラ)を駆動する送りモータ51a(図3参照)が制御装置4によって制御され、その回転が制御される。なお、他方の送りローラ(図1中下方に位置する送りローラ)は一方の送りローラの回転に伴って回転する従動ローラである。この構成において、制御装置4の制御により一方の送りローラが回転することによって、搬送ベルト23から搬送されてきた用紙Pを送りローラ対51で挟持しながら互い逆方向に回転し、反転経路50から用紙Pを搬送ベルト23上に送り出す。また、反転経路50の入口部分には、揺動部材52が設けられている。揺動部材52は、給紙装置10から送り出された用紙P及び反転経路50から送り出された用紙Pと接触することで、点53を揺動支点として図1中2点鎖線で示すように搬送方向Aに揺動する。一方、用紙Pとの接触がなくなると、図1中実線で示す元の位置に戻る。そして、この状態で、搬送ベルト23から搬送方向Aとは逆方向に搬送されてきた用紙Pと接触することで、当該用紙Pが反転経路50内に導かれる。
プリンタ1には、搬送面24を清掃するクリーニング機構55が設けられている。クリーニング機構55は、テンションローラ19とローラ22との間の領域にある搬送ベルト23の搬送面24と接触可能なクリーニングローラ56と、クリーニングローラ56を回転可能に支持する支持部材57と、クリーニングローラ56とともに支持部材57を移動させるソレノイド58とを有している。
クリーニングローラ56は、柔軟性を有する多孔質部材、例えば、スポンジがその外周に設けられている。スポンジは、インクを洗浄するための洗浄液を含んでいる。また、クリーニングローラ56は、搬送ベルト23の幅方向に関して、テストパターン形成領域26よりも若干短い長さを有している。これにより、テストパターン形成領域26がクリーニングローラ56と対向する領域に配置されても凸部27,28とクリーニングローラ56とが接触しない。そのため、クリーニングローラ56によってテストパターン形成領域26を清掃することが可能となる。支持部材57は、ソレノイド58のロッド58aに固定されている。ソレノイド58は、制御装置4によって制御される。
この構成において、制御装置4の制御により、ソレノイド58が駆動されることで、図1に示すように、ソレノイド58のロッド58aが伸び、クリーニングローラ56と搬送面24とが接触する接触位置にクリーニングローラ56が移動する。一方、ソレノイド58の駆動が停止されると、ロッド58aが縮み、クリーニングローラ56と搬送面24とが離隔する離隔位置にクリーニングローラ56が移動する(図4(a)参照)。
次に、インクジェットプリンタ1の制御系について、図3を参照して説明する。図3は、制御装置の概略を示すブロック図である。制御装置4は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行する制御プログラム及び制御プログラムに使用されるデータが記憶されているROM(Read Only Memory)と、プログラム実行時にデータを一時記憶するためのRAM(Random Access Memory)とを有している。これらは、図3に示す印刷制御部4a、搬送制御部4b、クリーニング制御部4c、送りローラ制御部4d、解析部4eなどとして機能する。印刷制御部4a及び搬送制御部4bが第1及び第3制御手段を構成し、搬送制御部4bが第2制御手段を構成する。
印刷制御部4aは、制御装置4がPC(パーソナルコンピュータ)などの外部装置から印刷データを受信したときに、インクジェットヘッド2を制御し、当該印刷データに基づいて対応するインクジェットヘッド2からインクを吐出させる。また、印刷制御部4aは、制御装置4がPCなどから後述する第1〜第6動作のいずれかを行う信号を受信したときに、インクジェットヘッド2を制御し、当該信号に基づいて、テストパターン領域26及び用紙Pのいずれかにテストパターンを形成するように、インクジェットヘッド2からインクを吐出させる。なお、印刷制御部4aは、画像センサ40によって検出されたテストパターン領域26及び用紙Pの前端の位置に基づいて、インクジェットヘッド2からインクを吐出させる。
搬送制御部4bは、制御装置4がPCなどから印刷データ及び第4〜第6動作のいずれかを行う信号を受信したときに、給紙モータ13及び搬送モータ22aを制御し、用紙Pを搬送ベルト23上に送り出すように給紙ローラ12を回転させるとともに、搬送ベルト23上の用紙Pを印刷データ及び各動作に応じて搬送するように、搬送ベルト23を走行させる。また、搬送制御部4bは、制御装置4がPCなどから第1〜第3動作のいずれかを行う信号を受信したときに、搬送モータ22aを制御し、各動作に応じて搬送ベルト23を走行させる。
クリーニング制御部4cは、制御装置4がPCなどから印刷データ及び第1、第4動作のいずれかを行う信号を受信したときに、ソレノイド58を制御し、クリーニングローラ56と搬送面24とを離隔させる。
送りローラ制御部4dは、制御装置4がPCなどから第5、第6動作のいずれかを行う信号を受信したときに、送りモータ51aを制御し、反転経路50に搬送されてきた用紙Pを搬送ベルト23上に再給紙させる。
解析部4eは、画像センサ40によって撮像されたテストパターンの画像データを解析し、インクの不吐出、吐出量変動又は吐出方向ズレといった吐出不良が生じているかどうかを判定する。
続いて、ノズル2bの吐出不良を検知するための動作について以下に説明する。まずは、搬送ベルト23のテストパターン形成領域26に形成されたテストパターンを検知する第1〜第3動作から説明し、その後に、搬送ベルト23によって搬送された用紙Pに形成されたテストパターンを検知する第4〜第6動作について説明する。
まず、テストパターン形成領域26を搬送方向Aに移動させながらテストパターン形成領域26に形成されたテストパターンを、同方向に移動させながら画像センサで撮像する第1動作について説明する。図4は、第1動作における動作状況図である。
制御装置4がPCなどから送信された第1動作を行う信号を受信すると、搬送制御部4bの制御により、ローラ22を矢印B方向に回転させて、搬送ベルト23を回転させる。このとき、図4(a)に示すように、テストパターン形成領域26が読取面41と対向したときに、画像センサ40によってテストパターン形成領域26が撮像されその位置が検出される。また、このとき、クリーニング制御部4cの制御により、クリーニングローラ56と搬送面24とが離隔するように、ソレノイド58の駆動が停止される。
次に、画像センサ40によって検出された位置に基づく、印刷制御部4aの制御により、搬送方向Aに移動するテストパターン形成領域26にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクが吐出される。このように、制御装置4が、テストパターン形成領域26にテストパターンを形成するべくインク吐出のタイミングを知ることができるので、確実にテストパターン形成領域26にテストパターンを形成することができる。
この後、図4(b)に示すように、テストパターン形成領域26が押さえローラ32と対向するときに、凸部27,28と押さえローラ32とが接触し、押さえローラ32がテストパターン形成領域26と離隔するように、凸部27,28が押さえローラ32を上方に移動させる。すなわち、凸部27,28が押さえローラ32による挟持を解除する。これにより、テストパターン形成領域26に形成されたテストパターンと押さえローラ32とが接触しなくなって、テストパターンが乱れなくなる。
そして、テストパターン形成領域26がローラ22を周回し、クリーニングローラ56と対向する位置を通過しても、クリーニングローラ56は既に搬送面24と離隔する離隔位置に配置されているので、テストパターンとクリーニングローラ56とが接触せず、テストパターンが乱れなくなる。
次に、テストパターン形成領域26がテンションローラ19及びローラ21を周回し、図4(c)に示すように、テストパターン形成領域26が押さえローラ31と対向するときに、凸部27,28と押さえローラ31とが接触し、押さえローラ31がテストパターン形成領域26と離隔するように、凸部27,28が押さえローラ31を上方に移動させる。すなわち、凸部27,28が押さえローラ31による挟持を解除する。これにより、テストパターン形成領域26に形成されたテストパターンと押さえローラ31とが接触しなくなって、テストパターンが乱れなくなる。
そして、テストパターンと読取面41とが対向し、画像センサ40によってテストパターンが撮像される。こうして、画像センサ40によって撮像されたテストパターンの画像データが制御装置4の解析部4eにおいて、4つのインクジェットヘッド2に係る複数のノズル2bについて、インクの不吐出、吐出量変動又は吐出方向ズレといった吐出不良が生じているかどうかを判定される。なお、吐出不良が生じている場合には、制御装置4の制御により、図示しないヘッドメンテナンス機構によるメンテナンス処理(パージやインク吐出面2aのワイピングなど)が行われる。
次に、テストパターン形成領域26を搬送方向Aとは逆方向に移動させながらテストパターン形成領域26形成されたテストパターンを、同方向に移動させながら画像センサで撮像する第2動作について説明する。図5は、第2動作における動作状況図である。
第2動作においても、制御装置4がPCなどから送信された第2動作を行う信号を受信すると、搬送制御部4bの制御により、ローラ22を矢印B方向に回転させて、搬送ベルト23を回転させる。このとき、図5(a)に示すように、テストパターン形成領域26が読取面41と対向したときに、画像センサ40によってテストパターン形成領域26が撮像されその位置が検出される。
次に、画像センサ40によって検出された位置に基づく、搬送制御部4bの制御により、図5(b)に示すように、テストパターン形成領域26が押さえローラ32の手前で停止するように、ローラ22の回転が一旦停止される。そして、図5(c)に示すように、搬送制御部4bが、搬送方向Aとは逆方向にテストパターン形成領域26が移動するようにローラ22を回転させ、印刷制御部4aが、逆方向に移動するテストパターン形成領域26にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクを吐出させる。このときも、印刷制御部4aは画像センサ40によって検出された位置に基づいてインクジェットヘッド2を制御する。このように、テストパターン形成領域26を逆方向に移動させながらテストパターンを形成することで、テストパターン形成後、画像センサ40でテストパターンを撮像するまでの時間を第1動作と比して、より一層短くすることが可能になる。
この後、テストパターン形成領域26に形成されたテストパターンと読取面41とが対向し、画像センサ40によってテストパターンが撮像される。こうして、上述と同様に、吐出不良が生じているかどうかを判定され、吐出不良が生じている場合には、メンテナンス処理が行われる。
次に、テストパターン形成領域26を搬送方向Aに移動させながらテストパターン形成領域26に形成されたテストパターンを、搬送方向Aとは逆方向に移動させながらテストパターンを画像センサ40で撮像する第3動作について説明する。
第3動作においても、制御装置4がPCなどから送信された第3動作を行う信号を受信すると、搬送制御部4bの制御により、ローラ22を矢印B方向に回転させて、搬送ベルト23を回転させる。このとき、テストパターン形成領域26が読取面41と対向したときに、画像センサ40によってテストパターン形成領域26が撮像されその位置が検出される。次に、画像センサ40によって検出された位置に基づく、印刷制御部4aの制御により、搬送方向Aに移動するテストパターン形成領域26にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクを吐出する。
そして、搬送制御部4bが、テストパターンが形成されたテストパターン形成領域26が押さえローラ32の手前で停止するように、ローラ22の回転を一旦停止する。次に、搬送制御部4bが、搬送方向Aとは逆方向にテストパターン形成領域26が移動するように、ローラ22を制御する。この後、テストパターン形成領域26に形成されたテストパターンと読取面41とが対向し、画像センサ40によってテストパターンが撮像される。こうして、上述と同様に、吐出不良が生じているかどうかを判定され、吐出不良が生じている場合には、メンテナンス処理が行われる。これにおいても、テストパターン形成後、画像センサ40でテストパターンを撮像するまでの時間を第1動作と比して、より短くすることが可能になる。
次に、第4〜第6動作について以下に説明する。まず、用紙Pの前端部を搬送方向Aに移動させながら当該前端部に形成されたテストパターンを、同方向に移動させながら画像センサ40で撮像する第4動作について説明する。図6は、第4動作における動作状況図である。
制御装置4がPCなどから送信された第4動作を行う信号を受信すると、搬送制御部4bの制御により、ローラ22を矢印B方向に回転させて、搬送ベルト23を回転させる。このとき、搬送制御部4bが、図6(a)に示すように、用紙Pの前端部がちょうどテストパターン形成領域26と重なる位置に送り出されるように、給紙ローラ12を回転させる。
次に、用紙Pの前端が読取面41と対向したときに、画像センサ40によって用紙Pの前端がテストパターン形成領域26と同様に撮像されその位置が検出される。このとき、クリーニング制御部4cの制御により、クリーニングローラ56と搬送面24とが離隔するように、ソレノイド58の駆動が停止される。
次に、画像センサ40によって検出された位置に基づく、印刷制御部4aの制御により、搬送方向Aに移動する用紙Pの前端部(テストパターン形成領域26と重なる領域)にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクが吐出される。これにより、制御装置4が、用紙Pの前端部にテストパターンを形成するべくインク吐出のタイミングを知ることができるので、確実に当該用紙Pの前端部にテストパターンを形成することができる。
この後、図6(b)に示すように、用紙Pの前端部が押さえローラ32と対向するときに、凸部27,28と押さえローラ32とが接触し、押さえローラ32が用紙Pの前端部と離隔するように、凸部27,28が押さえローラ32を上方に移動させる。これにより、テストパターンと押さえローラ32とが接触しなくなって、テストパターンが乱れなくなる。
そして、前端部がローラ22を周回し、クリーニングローラ56と対向する位置を通過しても、クリーニングローラ56は既に搬送面24と離隔する離隔位置に配置されているので、テストパターンとクリーニングローラ56とが接触せず、テストパターンが乱れなくなる。
次に、用紙Pの前端部がテンションローラ19及びローラ21を周回し、図6(c)に示すように、前端部が押さえローラ31と対向するときに、凸部27,28と押さえローラ31とが接触し、押さえローラ31が前端部と離隔するように、凸部27,28が押さえローラ31を上方に移動させる。これにより、テストパターンと押さえローラ31とが接触しなくなって、テストパターンが乱れなくなる。
そして、テストパターンと読取面41とが対向し、画像センサ40によってテストパターンが撮像される。こうして、上述と同様に、吐出不良が生じているかどうかを判定され、吐出不良が生じている場合には、メンテナンス処理が行われる。
次に、用紙Pの前端部を搬送方向Aとは逆方向に移動させながら当該前端部に形成されたテストパターンを、同方向に移動させながら画像センサで撮像する第5動作について説明する。図7は、第5動作における動作状況図である。
第5動作においても、制御装置4がPCなどから送信された第5動作を行う信号を受信すると、搬送制御部4bの制御により、ローラ22を矢印B方向に回転させて、搬送ベルト23を回転させる。このとき、搬送制御部4bが、図7(a)に示すように、用紙Pの前端部がちょうどテストパターン形成領域26と重なる位置に送り出されるように、給紙ローラ12を回転させる。そして、用紙Pの前端が読取面41と対向したときに、画像センサ40によって用紙Pの前端が撮像されその位置が検出される。
次に、画像センサ40によって検出された位置に基づく、搬送制御部4bの制御により、図7(b)に示すように、用紙Pの前端部が押さえローラ32の手前で停止するように、ローラ22の回転が一旦停止される。そして、図7(b)に示すように、搬送制御部4bが、搬送方向Aとは逆方向に用紙Pの前端部が移動するようにローラ22を回転させ、印刷制御部4aが、逆方向に移動する前端部にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクを吐出させる。このときも、印刷制御部4aは画像センサ40によって検出された位置に基づいてインクジェットヘッド2を制御する。このように、用紙Pの前端部を逆方向に移動させながらテストパターンを形成することで、テストパターン形成後、画像センサ40でテストパターンを撮像するまでの時間を第4動作と比して、より一層短くすることが可能になる。
この後、用紙Pの前端部に形成されたテストパターンと読取面41とが対向し、画像センサ40によってテストパターンが撮像される。こうして、上述と同様に、吐出不良が生じているかどうかを判定され、吐出不良が生じている場合には、メンテナンス処理が行われる。
また、用紙Pの前端部が搬送方向Aとは逆方向に移動させるときに、送りローラ制御部4dが、送りローラ対51を回転させる。これによって、図7(c)及び(d)に示すように、ベルト搬送装置20から反転経路50に搬送されてきた用紙Pが送りローラ対51に挟持されながら搬送され、反転経路50においてその表裏が反転されて搬送ベルト23上に再給紙される。この後、搬送制御部4bが、ローラ22を矢印B方向に回転させて、搬送ベルト23を回転させる。こうして、反転経路50から再給紙された用紙Pが搬送ベルト23によって搬送方向Aに搬送される。
次に、用紙Pの前端部を搬送方向Aに移動させながら当該前端部に形成されたテストパターンを、搬送方向Aとは逆方向に移動させながら画像センサ40で撮像する第6動作について説明する。
第6動作においても、制御装置4がPCなどから送信された第6動作を行う信号を受信すると、搬送制御部4bの制御により、ローラ22を矢印B方向に回転させて、搬送ベルト23を回転させる。このとき、搬送制御部4bが、用紙Pの前端部がちょうどテストパターン形成領域26と重なる位置に送り出されるように、給紙ローラ12を回転させる。そして、用紙Pの前端が読取面41と対向したときに、画像センサ40によって用紙Pの前端が撮像されその位置が検出される。
次に、画像センサ40によって検出された位置に基づく、印刷制御部4aの制御により、搬送方向Aに移動する用紙Pの前端部にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクを吐出する。そして、搬送制御部4bが、テストパターンが形成された前端部が押さえローラ32の手前で停止するように、ローラ22の回転を一旦停止する。
次に、搬送制御部4bが、搬送方向Aとは逆方向に用紙Pの前端部が移動するように、ローラ22を制御する。この後、前端部に形成されたテストパターンと読取面41とが対向し、画像センサ40によってテストパターンが撮像される。こうして、上述と同様に、吐出不良が生じているかどうかを判定され、吐出不良が生じている場合には、メンテナンス処理が行われる。これにおいても、画像センサ40でテストパターンを撮像するまでの時間を第4動作と比して、より短くすることが可能になる。また、搬送方向Aとは逆方向に搬送された用紙Pは、第5動作と同様に、反転経路50を通ってから搬送ベルト23上に再給紙される。この後、搬送ベルト23によって搬送方向Aに搬送される。
以上のように、本実施形態によるインクジェットプリンタ1によると、用紙Pを搬送方向Aに搬送することによって搬送方向Aに気流が生じても、画像センサ40がインクジェットヘッド2よりも搬送方向Aにおける上流側に配置されているので、インクミストが画像センサ40の読取面41に付着して汚れるのを抑制することができる。そのため、画像センサ40によるテストパターンの撮像(読取)精度が維持される。
また、第1及び第4動作においては、テストパターンが形成されてから当該テストパターンと画像センサ40とが対向するまでの間に、テストパターンと押さえローラ31,32とが対向するが、このとき、凸部27,28が押さえローラ31,32とテストパターンとが接触しないように、押さえローラ31,32よる挟持を解除するので、押さえローラ31,32との接触によるテストパターンの乱れが生じない。さらに、第2,3,5,6動作においては、テストパターンが形成されてから当該テストパターンと画像センサ40とが対向するまでの間に、テストパターンと押さえローラ31,32とが対向しない。すなわち、押さえローラ31,32との接触によるテストパターンの乱れが生じない。これらより、第1〜第6動作においても、画像センサ40によるテストパターンの撮像精度が確実に維持される。加えて、凸部27,28が設けられていることで、上述のように、第1及び第4動作においてもテストパターンが乱れないので、テストパターンを画像センサ40の読取面41と対向させるまでの経路の自由度が増す。
なお、第1及び第4動作だけを行う場合は、ベルト搬送装置20は搬送面24を搬送方向Aに沿って移動させるだけの回転をすればよい構成となるため、ベルト搬送装置20の構成が簡易になる。
本実施形態の第4〜第6動作においては、用紙Pの前端部にテストパターンを形成するので、搬送面24にテストパターン形成領域が設けられていなくてもよい。この場合、テストパターン形成領域26の換わりに支持領域が設けられておればよい。こうすることで、用紙Pの前端部が確実に搬送面24に保持することができる。そのため、用紙Pの前端部が搬送面24から浮き上がるのを確実に防ぐことができる。
また、本実施形態の第2、第3、第5及び第6動作においては、凸部27,28と押さえローラ31,32とが接触しない。そのため、これらの動作だけを行う場合においては、搬送面24に凸部27,28が設けられていなくてもよい。
ここで、凸部27,28の変形例について、図8を参照しつつ以下に説明する。図8は、本発明の第1実施形態による凸部27,28の変形例である2つの移動機構を示し、且つ、これら移動機構を用いたときの第1動作における動作状況を示す図である。なお、この変形例の場合では、制御装置4には押さえローラ制御部(不図示)を有している。この押さえローラ制御部は、制御装置4がPCなどから第1及び第4動作のいずれかを行う信号を受信したときに、ソレノイド35b,36bを制御し、押さえローラ31,32と搬送面24とを離隔させる。
この変形例におけるプリンタ1は、凸部27,28の換わりに、押さえローラ31を移動させる移動機構(解除機構)35、及び、押さえローラ32を移動させる移動機構(解除機構)36を有している。移動機構35は、押さえローラ31を回転可能に支持する支持部材35aと、押さえローラ31と共に支持部材35aを上下方向に移動させるソレノイド35bとを有している。支持部材35aは、ソレノイド35bのロッドに固定されている。ソレノイド35bは、制御装置4によって制御される。
移動機構36は、押さえローラ32を回転可能に支持する支持部材36aと、押さえローラ32と共に支持部材36aを上下方向に移動させるソレノイド36bとを有している。支持部材36aは、ソレノイド36bのロッドに固定されている。ソレノイド36bは、制御装置4によって制御される。
この構成において、制御装置4の制御により、ソレノイド35b,36bが駆動されることで、図7(a)に示すように、各ソレノイド35b,36bのロッドが伸び、押さえローラ31,32と搬送面24とが接触する接触位置に押さえローラ31,32が移動する。一方、ソレノイド35b,36bの駆動が停止されると、図7(b)に示すように、各ソレノイド35b,36bのロッドが縮み、押さえローラ31,32と搬送面24とが離隔する離隔位置に押さえローラ31,32が移動する。
続いて、ノズル2bの吐出不良の検知するための動作について以下に説明する。本変形例においては、第1動作だけを説明するが、上述の第2〜第6動作における動作も同様に行うことが可能である。ただし、第2、第3、第5及び第6動作においては、押さえローラ31,32とテストパターンとが対向することがないので、特に押さえローラ31,32を移動させる制御を行わなくてもよい。
制御装置4がPCなどから送信された第1動作を行う信号を受信すると、搬送制御部4bの制御により、ローラ22を矢印B方向に回転させて、搬送ベルト23を回転させる。このとき、図8(a)に示すように、テストパターン形成領域26が読取面41と対向したときに、画像センサ40によってテストパターン形成領域26が撮像されその位置が検出される。
次に、画像センサ40によって検出された位置に基づいて、印刷制御部4aが、搬送方向Aに移動するテストパターン形成領域26にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2のインク吐出を制御する。このとき、押さえローラ制御部及びクリーニング制御部4cが、図8(b)に示すように、押さえローラ31,32及びクリーニングローラ56が搬送面24と離隔するように、ソレノイド35b,36b,58の駆動が停止される。これにより、テストパターン形成領域26が押さえローラ32、クリーニングローラ56及び押さえローラ31と順に対向する位置を通過しても、これらは既に搬送面24と離隔する離隔位置に配置されているので、テストパターンとこれらのローラ31,32,56とが接触せず、テストパターンが乱れなくなる。
そして、テストパターンと読取面41とが対向し、画像センサ40によってテストパターンが撮像される。こうして、上述と同様に、吐出不良が生じているかどうかを判定され、吐出不良が生じている場合には、メンテナンス処理が行われる。
また、搬送ベルト23の変形例について以下に説明する。図9は、本発明の第1実施形態による搬送ベルト23の変形例である搬送ベルト123の要部拡大図である。なお、図9においては、押さえローラ31及び画像センサ40の一部も描いている。上述の搬送ベルト23においては、テストパターン形成領域26と支持領域25とが同一平面に形成されていたが、本変形例においては、搬送ベルト123に凹部29を設け、その底面にテストパターン形成領域26が形成されている。また、搬送ベルト123には、凸部27,28が設けられておらず、これら以外は第1実施形態の搬送ベルト23とほぼ同じ構成である。
テストパターン形成領域26が、凹部29の底面に形成されていることで、第1実施形態の第1動作を行っても、押さえローラ31,32を上下動させる必要がなくなる。すなわち、凹部29の開口は、テストパターン形成領域26と同サイズに形成されており、テストパターン形成領域26と押さえローラ31,32とが対向しても、搬送ベルト123の幅方向に関する凹部29の側壁の上端面(支持領域25と同一平面に形成された上端面)と押さえローラ31,32とが接触するので、テストパターン形成領域26と押さえローラ31,32とが常に離隔する。これにより、本変形例における第1動作においても、テストパターン形成領域26と押さえローラ31,32とが接触せず、テストパターンが乱れない。
続いて、本発明の第2実施形態によるインクジェットプリンタについて以下に説明する。図10は、本発明の第2実施形態によるインクジェットプリンタの概略側面図である。なお、第1実施形態と同様なものについては、同符号を示し説明を省略する。本実施形態によるインクジェットプリンタ201は、その配置形態は異なるものの第1実施形態と同様な4つのインクジェットヘッド2を有するカラーインクジェットプリンタである。このプリンタ201には、図1中下方に給紙装置210が、図1中上方に排紙部215がそれぞれ設けられている。そして、プリンタ201には、給紙装置210から送り出された用紙Pを排紙部215に向けて搬送するドラム搬送装置220が設けられている。また、プリンタ201には、これらの動作を制御する制御装置204が設けられている。
給紙装置210は、第1実施形態の給紙装置10と同様な構成であり、用紙収納部211と、給紙ローラ212と、制御装置204に制御される給紙モータ213(図11参照)とを有している。この構成において、制御装置204の制御により、給紙ローラ212が用紙Pと接触した状態で回転することによって、搬送ガイド214を通してドラム搬送装置220に用紙Pが送り出される。
4つのインクジェットヘッド2は、後述するドラム221の回転軸方向(幅方向:図10中紙面垂直方向)に長尺な直方体形状を有している。また、4つのインクジェットヘッド2は、インク吐出面2aとドラム221の搬送面224との法線方向が一致するように且つ用紙Pの搬送方向C(図10中矢印C方向)に配列されている。
ドラム搬送装置220は、図10中紙面垂直方向に延在した筒形状のドラム221と、押さえローラ(挟持部)231と、制御装置204に制御されドラム221を回転させる搬送モータ221a(図11参照)とを有し、用紙Pを循環搬送可能に構成されている。
ドラム221の延在方向の両端は閉塞しており、これら閉塞部分においてドラム221が回転可能に支持されている。ドラム221の外周面、すなわち、無端状の搬送面224には、用紙Pを支持する支持領域225と、第1実施形態のテストパターン形成領域26と同様なテストパターン形成領域226と、第1実施形態の凸部27,28と同様な2つの凸部227とが形成されている。支持領域225は、テストパターン形成領域226及び凸部227を除く搬送面224全体に形成されている。なお、図10中においては、凸部227が1つしか描かれていないが、もう1つの凸部が図10中紙面手前側であって、テストパターン形成領域226を凸部227との間において挟む位置に形成されている。
ドラム221の支持領域225を含む周壁には、図10に示すように、内部空間222と連通する複数の貫通孔223が形成されている。ドラム221には、内部空間222内のエアを吸引するエア吸引装置228(図11参照)が接続されており、制御装置204の制御によりエア吸引装置228が駆動されることで、貫通孔223から外部のエアが吸い込まれ、ドラム221の搬送面224に用紙Pを吸着することが可能になる。
押さえローラ231は、ドラム221の下方に配置されている。また、押さえローラ231は、ドラム221の幅方向に関してドラム221の幅よりも若干長く形成されている。また、押さえローラ231は、上下方向に移動可能に配置されており、バネによって搬送面224に向かって付勢されている。すなわち、搬送面224との間で用紙Pを挟持可能に構成されている。そして、搬送ガイド214を通って給紙装置210から送り出され用紙Pをドラム221の支持領域225に押さえ付けながら、ドラム221の回転に伴って回転する。
この構成において、制御装置204の制御により、ドラム221が図10中反時計回り方向(すなわち、搬送方向Cであって矢印C方向)に回転することによって、搬送面224が搬送方向Cに移動する。このとき、制御装置204がエア吸引装置228を駆動し、給紙装置210から用紙Pが送り出されると、用紙Pが搬送面224に吸着保持された状態で搬送方向Cに搬送される。
そして、ドラム221によって搬送される用紙Pが、4つのインクジェットヘッド2のすぐ下方側を順に通過する際に、この用紙Pの上面に向けてノズル2bから各色のインクが吐出されて所望のカラー画像が形成される。その後、搬送ガイド216を通って排紙部215に用紙Pが排出される。
インクジェットヘッド2と押さえローラ231との間であってインクジェットヘッド2よりも搬送方向Cの上流側には、第1実施形態の画像センサ40と同様の画像センサ240が設けられている。また、画像センサ240は、用紙Pの搬送経路(ドラム搬送装置220によって用紙Pが搬送される経路)に対向するように配置されている。画像センサ240は、読取面241とドラム221の搬送面224との法線方向が一致するように配置されている。
プリンタ1には、搬送面224を清掃するクリーニング機構255が設けられている。なお、クリーニング機構255は、第1実施形態のクリーニング機構55と同じ構成を有し、クリーニングローラ56と、支持部材57と、ソレノイド58からなる。
次に、インクジェットプリンタ201の制御系について、図11を参照して説明する。図11は、制御装置の概略を示すブロック図である。制御装置204は、第1実施形態の制御装置4と同様に、CPU、ROM、RAMを有し、これらは、図11に示す印刷制御部4a、搬送制御部204b、クリーニング制御部4c、解析部4eなどとして機能する。印刷制御部4a及び搬送制御部204bが第1及び第3制御手段を構成し、搬送制御部204bが第2制御手段を構成する。
搬送制御部204bは、制御装置204がPCなどから印刷データ及び第4〜第6動作のいずれかを行う信号を受信したときに、給紙モータ213及び搬送モータ221aを制御し、用紙Pをドラム221の搬送面224上に送り出すように給紙ローラ212を回転させるとともに、搬送面224上の用紙Pを印刷データ及び各動作に応じて搬送するように、ドラム221を回転させる。また、搬送制御部204aは、制御装置204がPCなどから印刷データ及び第4〜第6動作のいずれかを行う信号を受信したときに、エア吸引装置228も制御し、搬送面224に用紙Pを吸着させる。また、搬送制御部204bは、制御装置204がPCなどから第1〜第3動作のいずれかを行う信号を受信したときに、搬送モータ221aを制御し、各動作に応じてドラム221を回転させる。
続いて、ノズル2bの吐出不良を検知するための動作について以下に説明する。なお、本実施形態においても、第1実施形態と同様な第1〜第6動作を行うことができる。まずは、ドラム221のテストパターン形成領域226に形成されたテストパターンを検知する第1〜第3動作から説明し、その後に、ドラム221によって搬送された用紙Pに形成されたテストパターンを検知する第4〜第6動作について説明する。
まず、第1動作について説明する。図12は、本発明の第2実施形態による第1動作における動作状況図である。制御装置204がPCなどから送信された第1動作を行う信号を受信すると、搬送制御部204bの制御により、ドラム221を図12中反時計回り方向に回転させる。このとき、図12(a)に示すように、テストパターン形成領域226が読取面241と対向したときに、画像センサ240によってテストパターン形成領域226が撮像されその位置が検出される。また、このとき、クリーニング制御部4cの制御により、クリーニングローラ56と搬送面224とが離隔するように、ソレノイド58の駆動が停止される。
次に、画像センサ240によって検出された位置に基づく、印刷制御部4aの制御により、搬送方向Cに移動するテストパターン形成領域226にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクを吐出する。これにより、制御装置204が、テストパターン形成領域226にテストパターンを形成するべくインク吐出のタイミングを知ることができるので、確実にテストパターン形成領域226にテストパターンを形成することができる。
この後、テストパターン形成領域226がクリーニングローラ56と対向する位置を通過しても、クリーニングローラ56は既に搬送面224と離隔する離隔位置に配置されているので、テストパターンとクリーニングローラ56とが接触せず、テストパターンが乱れなくなる。
次に、図10(b)に示すように、テストパターン形成領域226が押さえローラ231と対向するときに、凸部227と押さえローラ231とが接触し、押さえローラ231がテストパターン形成領域226と離隔するように、凸部227が押さえローラ231を上方に移動させる。すなわち、凸部227が押さえローラ231による挟持を解除する。これにより、テストパターン形成領域226に形成されたテストパターンと押さえローラ231とが接触しなくなって、テストパターンが乱れなくなる。
そして、テストパターンと読取面241とが対向し、画像センサ240によってテストパターンが撮像される。こうして、画像センサ240によって撮像されたテストパターンの画像データが制御装置204の解析部4eにおいて、4つのインクジェットヘッド2に係る複数のノズル2bについて、インクの不吐出、吐出量変動又は吐出方向ズレといった吐出不良が生じているかどうかを判定される。なお、吐出不良が生じている場合には、第1実施形態と同様にメンテナンス処理が行われる。
次に、第2動作について説明する。図13は、本発明の第2実施形態による第2動作における動作状況図である。第2動作においても、制御装置204がPCなどから送信された第2動作を行う信号を受信すると、搬送制御部204bの制御により、ドラム221を図11中反時計回り方向に回転させる。このとき、図13(a)に示すように、テストパターン形成領域226が読取面241と対向したときに、画像センサ240によってテストパターン形成領域226が撮像されその位置が検出される。
次に、画像センサ240によって検出された位置に基づく、搬送制御部204bの制御により、図13(b)に示すように、テストパターン形成領域226が搬送方向Cの最も下流側にあるインクジェットヘッド2を越えた所で停止するように、ドラム221の回転が一旦停止される。そして、搬送制御部204bが、搬送方向Cとは逆方向にテストパターン形成領域226が移動するようにドラム221を回転させ、印刷制御部4aが、逆方向に移動するテストパターン形成領域226にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクを吐出させる。このとき、印刷制御部4aは画像センサ240によって検出された位置に基づいてインクジェットヘッド2を制御する。このように、テストパターン形成領域226を逆方向に移動させながらテストパターンを形成することで、テストパターン形成後、画像センサ240でテストパターンを撮像するまでの時間を第1動作と比して、より一層短くすることが可能になる。
この後、テストパターン形成領域226に形成されたテストパターンと読取面241とが対向し、画像センサ240によってテストパターンが撮像される。こうして、上述と同様に、吐出不良が生じているかどうかを判定され、吐出不良が生じている場合には、メンテナンス処理が行われる。
次に、第3動作について説明する。第3動作においても、制御装置204がPCなどから送信された第3動作を行う信号を受信すると、搬送制御部204bの制御により、ドラム221を第1動作と同様に回転させる。このとき、テストパターン形成領域226が読取面241と対向したときに、画像センサ240によってテストパターン形成領域226が撮像されその位置が検出される。次に、画像センサ240によって検出された位置に基づいて、印刷制御部4aの制御により、搬送方向Cに移動するテストパターン形成領域226にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクを吐出する。
そして、搬送制御部204bが、テストパターンが形成されたテストパターン形成領域226が搬送方向Cの最も下流側にあるインクジェットヘッド2を越えた所で停止するように、ドラム221の回転を一旦停止する。次に、搬送制御部204bが、搬送方向Cとは逆方向にテストパターン形成領域226が移動するように、ドラム221の回転を制御する。この後、テストパターン形成領域226に形成されたテストパターンと読取面241とが対向し、画像センサ240によってテストパターンが撮像される。こうして、上述と同様に、吐出不良が生じているかどうかを判定され、吐出不良が生じている場合には、メンテナンス処理が行われる。これにおいても、テストパターン形成後、画像センサ240でテストパターンを撮像するまでの時間を第1動作と比して、より短くすることが可能になる。
次に、第4動作について説明する。図14は、第4動作における動作状況図である。制御装置204がPCなどから送信された第4動作を行う信号を受信すると、搬送制御部204bの制御により、ドラム221を図14中反時計回り方向に回転させる。このとき、搬送制御部204bが、図14(a)に示すように、用紙Pの前端部がちょうどテストパターン形成領域226と重なる位置に送り出されるように、給紙ローラ212を回転させる。また、このとき、搬送制御部204bが、用紙Pが搬送面224に吸着されるように、エア吸引装置228を制御する。
次に、用紙Pの前端が読取面241と対向したときに、画像センサ240によって用紙Pの前端がテストパターン形成領域226と同様に撮像されその位置が検出される。このとき、クリーニング制御部4cの制御により、クリーニングローラ56と搬送面224とが離隔するように、ソレノイド58の駆動が停止される。
次に、画像センサ240によって検出された位置に基づく、印刷制御部4aの制御により、搬送方向Cに移動する用紙Pの前端部(テストパターン形成領域226と重なる領域)にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクを吐出する。これにより、制御装置204が、用紙Pの前端部にテストパターンを形成するべくインク吐出のタイミングを知ることができるので、確実に当該用紙Pの前端部にテストパターンを形成することができる。
この後、用紙Pの前端部がクリーニングローラ56と対向する位置を通過しても、クリーニングローラ56は既に搬送面224と離隔する離隔位置に配置されているので、テストパターンとクリーニングローラ56とが接触せず、テストパターンが乱れなくなる。
次に、図14(b)に示すように、用紙Pの前端部が押さえローラ231と対向するときに、凸部227と押さえローラ231とが接触し、押さえローラ231が前端部と離隔するように、凸部227が押さえローラ231を上方に移動させる。これにより、テストパターンと押さえローラ231とが接触しなくなって、テストパターンが乱れなくなる。
そして、テストパターンと読取面241とが対向し、画像センサ240によってテストパターンが撮像される。こうして、上述と同様に、吐出不良が生じているかどうかを判定され、吐出不良が生じている場合には、メンテナンス処理が行われる。
次に、第5動作について説明する。図15は、本発明の第2実施形態による第5動作における動作状況図である。第5動作においても、制御装置204がPCなどから送信された第5動作を行う信号を受信すると、搬送制御部204bの制御により、ドラム221を図15中反時計回り方向に回転させる。このとき、搬送制御部204bが、図15(a)に示すように、用紙Pの前端部がちょうどテストパターン形成領域226と重なる位置に送り出されるように、給紙ローラ212を回転させる。また、このとき、搬送制御部204bが、用紙Pが搬送面224に吸着されるように、エア吸引装置228を制御する。そして、用紙Pの前端が読取面241と対向したときに、画像センサ240によって用紙Pの前端が撮像されその位置が検出される。
次に、画像センサ240によって検出された位置に基づく、搬送制御部204bの制御により、図15(b)に示すように、前端部が搬送方向Cの最も下流側にあるインクジェットヘッド2を越えた所で停止するように、ドラム221の回転が一旦停止される。そして、搬送制御部204bが、搬送方向Cとは逆方向に用紙Pの前端部が移動するようにドラム221を回転させ、印刷制御部4aが、逆方向に移動する前端部にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクを吐出させる。このように、用紙Pの前端部を逆方向に移動させながらテストパターンを形成することで、テストパターン形成後、画像センサ240でテストパターンを撮像するまでの時間を第4動作と比して、より一層短くすることが可能になる。
この後、用紙Pの前端部に形成されたテストパターンと読取面241とが対向し、画像センサ240によってテストパターンが撮像される。こうして、上述と同様に、吐出不良が生じているかどうかを判定され、吐出不良が生じている場合には、メンテナンス処理が行われる。
次に、第6動作について説明する。第6動作においても、制御装置204がPCなどから送信された第6動作を行う信号を受信すると、搬送制御部204bの制御により、ドラム221を第1動作と同様に回転させる。このときも、搬送制御部204bが、第4及び第5動作と同様に、用紙Pの前端部とテストパターン形成領域226とが重なるように、給紙ローラ212を回転させる。また、このとき、搬送制御部204bが、用紙Pが搬送面224に吸着されるように、エア吸引装置228を制御する。そして、用紙Pの前端が読取面241と対向したときに、画像センサ240によって用紙Pの前端が撮像されその位置が検出される。
次に、画像センサ240によって検出された位置に基づく、印刷制御部4aの制御により、搬送方向Cに移動する用紙Pの前端部にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクが吐出される。そして、搬送制御部204bが、テストパターンが形成された前端部が搬送方向Cの最も下流側にあるインクジェットヘッド2を越えた所で停止するように、ドラム221の回転を一旦停止する。
次に、搬送制御部204bが、搬送方向Cとは逆方向に用紙Pの前端部が移動するように、ドラム221の回転を制御する。この後、前端部に形成されたテストパターンと読取面241とが対向し、画像センサ240によってテストパターンが撮像される。こうして、上述と同様に、吐出不良が生じているかどうかを判定され、吐出不良が生じている場合には、メンテナンス処理が行われる。これにおいても、テストパターンが復路を通過する必要がなくなるので、テストパターン形成後、画像センサ240でテストパターンを撮像するまでの時間を第4動作と比して、より短くすることが可能になる。
以上のように、本実施形態によるインクジェットプリンタ201においても、第1実施形態と同様に、画像センサ240がインクジェットヘッド2よりも搬送方向Cにおける上流側に配置されているので、インクミストが画像センサ240の読取面241に付着して汚れるのを抑制することができる。そのため、画像センサ240によるテストパターンの撮像(読取)精度が維持される。この他においても、第1実施形態と同様な構成を有する部分は、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に第4〜第6動作においては、用紙Pの前端部にテストパターンを形成するので、搬送面224にテストパターン形成領域226が設けられていなくてもよい。
また、本実施形態の第2、第3、第5及び第6動作においては、凸部227と押さえローラ231とが接触しない。そのため、これらの動作だけを行う場合においては、搬送面224に凸部227が設けられていなくてもよい。
また、本実施形態においても、上述の凸部の変形例として押さえローラ231を移動させる移動機構が設けられていてもよい。また、ドラム221に搬送面224に凹部を設け、その底面にテストパターン形成領域を形成してもよい。これらにおいても、上述と同様の効果を得ることができる。
続いて、本発明の第3実施形態によるインクジェットプリンタについて以下に説明する。図16は、本発明の第3実施形態によるインクジェットプリンタの概略側面図である。図17は、本発明の第3実施形態によるインクジェットプリンタの概略平面図である。本実施形態によるインクジェットプリンタ301は、給紙装置10から送り出された用紙Pを排紙部15に搬送する搬送形態が、第1実施形態と異なるだけでそれ以外はほとんど同様である。なお、第1実施形態と同様なものに関しては同符号で示し説明を省略する。
プリンタ301には、図16に示すように、給紙装置10から送り出された用紙Pを排紙部15に向けて搬送するプラテン搬送装置320が設けられている。また、プリンタ301には、給紙装置10、インクジェットヘッド2及びプラテン搬送装置320などを制御する制御装置304が設けられている。
プラテン搬送装置320は、図16及び図17に示すように、用紙Pを支持する平坦な搬送面324を有するプラテン321と、給紙装置10から送り出された用紙Pを受け取る受取位置(図16中実線で示すプラテン位置)と排紙部15に用紙Pを排出する排出位置(図16中2点鎖線で示すプラテン位置)との間においてプラテン321を往復移動させる移動機構335と、受取位置に配置されたプラテン321と対向する位置に配置された送りローラ(挟持部)331と、排出位置に配置されたプラテン321と対向する位置に配置された送りローラ(挟持部)332と、制御装置304に制御され送りローラ331,332をそれぞれ回転させる2つの送りモータ331a,332a(図18参照)とを有している。
プラテン321は、内部に電極が内蔵されており、直流電圧供給装置322(図18参照)が制御装置304の制御により、その電極に直流電圧を供給することでプラテン自体が帯電し、搬送面324に送り出された用紙Pが搬送面324に吸着する。プラテン321は、受取位置から排出位置に用紙Pを搬送する搬送方向D(図14中矢印D方向)に長手方向を有する矩形平面形状を有している。また、プラテン321の一側面には、後述のベルト338に固定された突出部321aが形成されている。
プラテン321の搬送面324には、用紙Pを支持する支持領域325と、第1実施形態のテストパターン形成領域26と同様なテストパターン形成領域326と、第1実施形態の凸部27,28と同様な2つの凸部327,328とが形成されている。テストパターン形成領域326は、受取位置に配置されたプラテン321のインクジェットヘッド2に最も近い前端部に形成されている。支持領域325は、テストパターン形成領域326及び凸部327,328を除く搬送面324全体に形成されている。
移動機構335は、図15に示すように、給紙装置10近傍に配置されたローラ336と、排紙部15近傍に配置されたローラ337と、これら両ローラ336,337に架け渡されたベルト338と、制御装置304に制御されローラ337を回転させる搬送モータ337a(図18参照)と、搬送方向Dに沿って延在した一対のガイドレール339とを有している。一対のガイドレール339は、搬送面324とインク吐出面2aとが常に平行になるように、プラテン321の幅方向の両端部を摺動可能に支持している。
送りローラ331は、プラテン321の搬送方向Dと直交する幅よりも長く形成されている。また、送りローラ331は、上下方向に移動可能に配置されており、バネによって搬送面324に向かって付勢されている。すなわち、搬送面324との間で用紙Pを挟持可能に構成されている。
送りローラ332も、プラテン321の搬送方向Dと直交する幅よりも長く形成されている。また、送りローラ332は、上下方向に移動可能に配置されており、バネによって搬送面324に向かって付勢されている。すなわち、搬送面324との間で用紙Pを挟持可能に構成されている。
この構成において、送りローラ331と搬送面324との間に給紙装置10から用紙Pが送り出されたときに、制御装置304の制御により、送りローラ331が図16中反時計回り方向に回転し、用紙P全体が搬送面324上に搬送される。本実施形態においては、用紙Pの前端部がテストパターン形成領域326とちょうど重なる位置まで用紙Pが送りローラ331によって送られる。用紙Pが搬送面324上に搬送された後、制御装置304の制御により、プラテン自体を帯電させて用紙Pを搬送面324に吸着する。この後、制御装置304の制御により、ローラ337が所定方向に回転することによって、プラテン321が受取位置から排出位置に移動する。このとき、用紙Pが4つのインクジェットヘッド2のすぐ下方側を順に通過する際に、この用紙Pの上面に向けてノズル2bから各色のインクが吐出されて所望のカラー画像が形成される。そして、プラテン321が排出位置に到達したときに、制御装置304の制御により、プラテン自体の帯電が停止され、且つ、送りローラ332が図16中反時計回り方向に回転し、搬送面324から排紙部15に向けて用紙Pが排出される。この後、制御装置304の制御により、ローラ337が所定方向とは逆方向に回転することによって、プラテン321が搬送方向Dとは逆方向Eに移動し排出位置から受取位置に戻る。なお、プラテン搬送装置320は、プラテン321が排出位置にあるときもプラテン自体の帯電を停止せずに、排出位置から受取位置にプラテン321を移動させることが可能になっている。すなわち、プラテン搬送装置320は、用紙Pを往復搬送可能な構成となっている。
インクジェットヘッド2と送りローラ331との間であってインクジェットヘッド2よりも搬送方向Dの上流側には、第1実施形態の画像センサ40と同様の画像センサ340が設けられている。また、画像センサ340は、その読取面341が用紙Pの搬送経路(プラテン搬送装置320によって用紙Pが搬送される経路)に対向するように配置されている。画像センサ340は、読取面341と搬送面324とが平行になるように配置されている。
プリンタ301には、搬送面324を清掃するクリーニング機構355がインクジェットヘッド2と送りローラ332との間に設けられている。なお、クリーニング機構355は、第1実施形態のクリーニング機構55と同じ構成を有し、クリーニングローラ56と、支持部材57と、ソレノイド58からなる。
次に、インクジェットプリンタ301の制御系について、図18を参照して説明する。図18は、制御装置の概略を示すブロック図である。制御装置304は、第1実施形態の制御装置4と同様に、CPU、ROM、RAMを有し、これらは、図18に示す印刷制御部4a、搬送制御部304b、クリーニング制御部304c、解析部4eなどとして機能する。印刷制御部4a及び搬送制御部304bが第1及び第3制御手段を構成し、搬送制御部304bが第2制御手段を構成する。
搬送制御部304bは、制御装置304がPCなどから印刷データ及び第4〜第6動作のいずれかを行う信号を受信したときに、給紙モータ13及び送りモータ331aを制御し、用紙Pをプラテン321の搬送面324上に送り出すように給紙ローラ12を回転させるとともに、用紙P全体が搬送面324上の搬送されるように送りローラ331を回転させる。また、搬送制御部304bは、制御装置304がPCなどから印刷データ及び第4〜第6動作のいずれかを行う信号を受信したときに、直流電圧供給装置322及び搬送モータ337aを制御し、搬送面324に用紙Pが吸着するようにプラテン自体を帯電させるとともに、用紙Pを印刷データ及び各動作に応じて搬送するようにローラ337を回転させる。また、搬送制御部304bは、制御装置304がPCなどから第1〜第3動作のいずれかを行う信号を受信したときに、搬送モータ337aを制御し、各動作に応じてローラ337を回転させる。
クリーニング制御部304cは、制御装置304がPCなどから印刷データ及び第1〜第6動作のいずれかを行う信号を受信したときに、ソレノイド58を制御し、クリーニングローラ56と搬送面324とを離隔させる。
続いて、ノズル2bの吐出不良を検知するための動作について以下に説明する。なお、本実施形態においても、第1実施形態と同様な第1〜第6動作を行うことができる。まずは、プラテン321のテストパターン形成領域326に形成されたテストパターンを検知する第1〜第3動作から説明し、その後に、プラテン321によって搬送された用紙Pに形成されたテストパターンを検知する第4〜第6動作について説明する。
まず、第1動作について説明する。図19は、本発明の第3実施形態による第1動作における動作状況図である。制御装置304がPCなどから送信された第1動作を行う信号を受信すると、搬送制御部304bの制御により、図19(a)に示すように、受取位置からプラテン321を搬送方向Dに移動させる。このとき、テストパターン形成領域326が読取面341と対向したときに、画像センサ340によってテストパターン形成領域326が撮像されその位置が検出される。また、このとき、クリーニング制御部304cの制御により、クリーニングローラ56と搬送面324とが離隔するように、ソレノイド58の駆動が停止される。
次に、画像センサ340によって検出された位置に基づく、印刷制御部4aの制御により、搬送方向Dに移動するテストパターン形成領域326にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクを吐出する。これにより、制御装置304が、テストパターン形成領域326にテストパターンを形成するべくインク吐出のタイミングを知ることができるので、確実にテストパターン形成領域326にテストパターンを形成することができる。
この後、テストパターン形成領域326がクリーニングローラ56と対向する位置を通過しても、クリーニングローラ56は既に搬送面324と離隔する離隔位置に配置されているので、テストパターンとクリーニングローラ56とが接触せず、テストパターンが乱れなくなる。
また、図19(b)に示すように、テストパターン形成領域326が送りローラ332と対向するときに、凸部327,328と送りローラ332とが接触し、送りローラ332がテストパターン形成領域326と離隔するように、凸部327,328が送りローラ332を上方に移動させる。すなわち、凸部327,328が送りローラ332による挟持を解除する。これにより、テストパターン形成領域326に形成されたテストパターンと送りローラ332とが接触しなくなって、テストパターンが乱れなくなる。
次に、プラテン321が排出位置に到達したときに、搬送制御部304bの制御により、プラテン321の移動が一旦停止される。そして、搬送制御部304bが、プラテン321が逆方向Eに移動するようにローラ337を回転させる。このとき、テストパターン形成領域326と送りローラ332及びクリーニングローラ56とが対向する位置を通過しても、先と同様に、テストパターンと送りローラ332及びクリーニングローラ56とが接触しないので、テストパターンが乱れない。
この後、図19(c)に示すように、テストパターンと読取面341とが対向し、画像センサ340によってテストパターンが撮像される。こうして、画像センサ340によって撮像されたテストパターンの画像データが制御装置304の解析部4eにおいて、4つのインクジェットヘッド2に係る複数のノズル2bについて、インクの不吐出、吐出量変動又は吐出方向ズレといった吐出不良が生じているかどうかを判定される。なお、吐出不良が生じている場合には、第1実施形態と同様にメンテナンス処理が行われる。
次に、第2動作について説明する。図20は、本発明の第3実施形態による第2動作における動作状況図である。第2動作においても、制御装置304がPCなどから送信された第2動作を行う信号を受信すると、搬送制御部304bの制御により、図20(a)に示すように、受取位置からプラテン321を搬送方向Dに移動させる。このとき、テストパターン形成領域326が読取面341と対向したときに、画像センサ340によってテストパターン形成領域326が撮像されその位置が検出される。また、このとき、クリーニング制御部304cの制御により、クリーニングローラ56と搬送面324とが離隔するように、ソレノイド58の駆動が停止される。このため、第1動作と同様に、テストパターンとクリーニングローラ56とが接触せず、テストパターンが乱れなくなる。
次に、画像センサ340によって検出された位置に基づく、搬送制御部304bの制御により、図20(b)に示すように、テストパターン形成領域326が送りローラ332と対向する手前で一旦停止される。そして、搬送制御部304bが、プラテン321を逆方向Eに移動するようにローラ337を回転させ、印刷制御部4aが、逆方向Eに移動するテストパターン形成領域326にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクを吐出させる。このとき、テストパターン形成領域326がクリーニングローラ56と対向する位置を通過しても、先と同様に、テストパターンとクリーニングローラ56とが接触しないので、テストパターンが乱れない。また、テストパターン形成領域326を逆方向Eに移動させながらテストパターンを形成することで、テストパターン形成後、画像センサ340でテストパターンを撮像するまでの時間を第1動作と比して、より一層短くすることが可能になる。
この後、図20(c)に示すように、テストパターンと読取面341とが対向し、画像センサ340によってテストパターンが撮像される。こうして、上述と同様に、吐出不良が生じているかどうかを判定され、吐出不良が生じている場合には、メンテナンス処理が行われる。
次に、第3動作について説明する。第3動作においても、制御装置304がPCなどから送信された第3動作を行う信号を受信すると、搬送制御部304bの制御により、プラテン321を搬送方向Dに移動させる。このとき、テストパターン形成領域326が読取面341と対向したときに、画像センサ340によってテストパターン形成領域326が撮像されその位置が検出される。また、このとき、クリーニング制御部304cの制御により、クリーニングローラ56と搬送面324とが離隔するように、ソレノイド58の駆動が停止される。
次に、画像センサ340によって検出された位置に基づく、印刷制御部4aの制御により、搬送方向Dに移動するテストパターン形成領域326にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクを吐出する。
この後、テストパターン形成領域326がクリーニングローラ56と対向する位置を通過しても、クリーニングローラ56は既に搬送面324と離隔する離隔位置に配置されているので、テストパターンとクリーニングローラ56とが接触せず、テストパターンが乱れなくなる。
そして、搬送制御部304bの制御により、テストパターンが形成されたテストパターン形成領域326が送りローラ332と対向する手前で停止するように、プラテン321の移動が一旦停止される。そして、搬送制御部304bが、プラテン321が逆方向Eに移動するようにローラ337を回転させる。このとき、テストパターン形成領域326がクリーニングローラ56と対向する位置を通過しても、先と同様に、テストパターンとクリーニングローラ56とが接触しないので、テストパターンが乱れない。この後、テストパターンと読取面341とが対向し、画像センサ340によってテストパターンが撮像される。こうして、上述と同様に、吐出不良が生じているかどうかを判定され、吐出不良が生じている場合には、メンテナンス処理が行われる。これにおいても、テストパターン形成後、画像センサ340でテストパターンを撮像するまでの時間を第1動作と比して、より短くすることが可能になる。
次に、第4動作について説明する。図21は、本発明の第3実施形態による第4動作における動作状況図である。制御装置304がPCなどから送信された第4動作を行う信号を受信すると、図21(a)に示すように、用紙Pの前端部がちょうどテストパターン形成領域326と重なる位置に配置されるように、給紙ローラ12及び送りローラ321の回転が搬送制御部304bによって制御される。そして、搬送制御部304bの制御により、プラテン321で用紙Pを吸着した後、プラテン321を搬送方向Dに移動させる。
次に、用紙Pの前端が読取面341と対向したときに、画像センサ340によって用紙Pの前端がテストパターン形成領域326と同様に撮像されその位置が検出される。このとき、クリーニング制御部304cの制御により、クリーニングローラ56と搬送面224とが離隔するように、ソレノイド58の駆動が停止される。
次に、画像センサ340によって検出された位置に基づく、印刷制御部4aの制御により、搬送方向Dに移動する用紙Pの前端部(テストパターン形成領域326と重なる領域)にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクを吐出する。これにより、制御装置304が、用紙Pの前端部にテストパターンを形成するべくインク吐出のタイミングを知ることができるので、確実に当該用紙Pの前端部にテストパターンを形成することができる。
この後、用紙Pの前端部がクリーニングローラ56と対向する位置を通過しても、クリーニングローラ56は既に搬送面324と離隔する離隔位置に配置されているので、テストパターンとクリーニングローラ56とが接触せず、テストパターンが乱れなくなる。
また、図21(b)に示すように、用紙Pの前端部が送りローラ332と対向するときに、凸部327,328と送りローラ332とが接触し、送りローラ332が用紙Pの前端部と離隔するように、凸部327,328が送りローラ332を上方に移動させる。すなわち、凸部327,328が送りローラ332による挟持を解除する。これにより、テストパターンと送りローラ332とが接触しなくなって、テストパターンが乱れなくなる。
次に、プラテン321が排出位置に到達したときに、搬送制御部304bの制御により、プラテン321の移動が一旦停止される。そして、搬送制御部304bが、プラテン321を逆方向Eに移動するようにローラ337を回転させる。このとき、用紙Pの前端部と送りローラ332及びクリーニングローラ56とが対向する位置を通過しても、先と同様に、テストパターンと送りローラ332及びクリーニングローラ56とが接触しないので、テストパターンが乱れない。
この後、図21(c)に示すように、テストパターンと読取面341とが対向し、画像センサ340によってテストパターンが撮像される。こうして、上述と同様に、吐出不良が生じているかどうかを判定され、吐出不良が生じている場合には、メンテナンス処理が行われる。
次に、第5動作について説明する。図22は、本発明の第3実施形態による第5動作における動作状況図である。第5動作においても、制御装置304がPCなどから送信された第5動作を行う信号を受信すると、図22(a)に示すように、用紙Pの前端部がちょうどテストパターン形成領域326と重なる位置に配置されるように、給紙ローラ12及び送りローラ321の回転が搬送制御部304bによって制御される。そして、搬送制御部304bの制御により、プラテン321で用紙Pを吸着した後、プラテン321を搬送方向Dに移動させる。
次に、用紙Pの前端が読取面341と対向したときに、画像センサ340によって用紙Pの前端が撮像されその位置が検出される。このとき、クリーニング制御部304cの制御により、クリーニングローラ56と搬送面324とが離隔するように、ソレノイド58の駆動が停止される。このため、第4動作と同様に、テストパターンとクリーニングローラ56とが接触せず、テストパターンが乱れなくなる。
次に、画像センサ340によって検出された位置に基づく、搬送制御部304bの制御により、図22(b)に示すように、用紙Pの前端部が送りローラ332と対向する手前で一旦停止される。そして、搬送制御部304bが、プラテン321を逆方向Eに移動するようにローラ337を回転させ、印刷制御部4aが、逆方向に移動する用紙Pの前端部にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクを吐出させる。また、用紙Pを逆方向Eに移動させながらテストパターンを形成することで、テストパターン形成後、画像センサ340でテストパターンを撮像するまでの時間を第4動作と比して、より一層短くすることが可能になる。
この後、図22(c)に示すように、テストパターンと読取面341とが対向し、画像センサ340によってテストパターンが撮像される。こうして、上述と同様に、吐出不良が生じているかどうかを判定され、吐出不良が生じている場合には、メンテナンス処理が行われる。
次に、第6動作について説明する。第6動作においても、制御装置304がPCなどから送信された第6動作を行う信号を受信すると、用紙Pの前端部がちょうどテストパターン形成領域326と重なる位置に配置されるように、給紙ローラ12及び送りローラ321の回転が搬送制御部304bによって制御される。そして、搬送制御部304bの制御により、プラテン321で用紙Pを吸着した後、プラテン321を搬送方向Dに移動させる。
次に、用紙Pの前端が読取面341と対向したときに、画像センサ340によって用紙Pの前端が撮像されその位置が検出される。このとき、クリーニング制御部304cの制御により、クリーニングローラ56と搬送面324とが離隔するように、ソレノイド58の駆動が停止される。このため、第4動作と同様に、テストパターンとクリーニングローラ56とが接触せず、テストパターンが乱れなくなる。
次に、画像センサ340によって検出された位置に基づく、印刷制御部4aの制御により、搬送方向Dに移動する用紙Pの前端部にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクを吐出する。
次に、搬送制御部304bの制御により、用紙Pの前端部が送りローラ332と対向する手前で停止するように、プラテン321の移動が一旦停止される。そして、搬送制御部304bが、プラテン321を逆方向Eに移動するようにローラ337を回転させる。この後、テストパターンと読取面341とが対向し、画像センサ340によってテストパターンが撮像される。こうして、上述と同様に、吐出不良が生じているかどうかを判定され、吐出不良が生じている場合には、メンテナンス処理が行われる。これにおいても、テストパターン形成後、画像センサ340でテストパターンを撮像するまでの時間を第4動作と比して、より短くすることが可能になる。
以上のように、本実施形態によるインクジェットプリンタ301においても、上述の実施形態と同様に、画像センサ340がインクジェットヘッド2よりも搬送方向Dにおける上流側に配置されているので、インクミストが画像センサ340の読取面341に付着して汚れるのを抑制することができる。そのため、画像センサ340によるテストパターンの撮像(読取)精度が維持される。この他においても、上述の実施形態と同様な構成を有する部分は、同様な効果を得ることができる。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に第4〜第6動作においては、用紙Pの前端部にテストパターンを形成するので、搬送面324にテストパターン形成領域326が設けられていなくてもよい。
また、本実施形態の第2、第3、第5及び第6動作においては、凸部327,328と送りローラ331,332とが接触しない。そのため、これらの動作だけを行う場合においては、搬送面324に凸部327,328が設けられていなくてもよい。
また、本実施形態においても、上述の凸部の変形例として送りローラ332を移動させる移動機構が設けられていてもよい。また、プラテン321の搬送面324に凹部を設け、その底面にテストパターン形成領域を形成してもよい。これらにおいても、上述と同様の効果を得ることができる。
続いて、本発明の第4実施形態によるインクジェットプリンタについて以下に説明する。図23は、本発明の第4実施形態によるインクジェットプリンタの概略平面図である。本実施形態によるインクジェットプリンタ401は、プラテン421の移動経路及びプラテン421を移動させる移動機構430の構成が第3実施形態のプラテン搬送装置320と異なるプラテン搬送装置340を有しており、これら以外は、第3実施形態とほぼ同様なものである。なお、第3実施形態と同様なものに関しては同符号で示し説明を省略する。
プリンタ401は、プラテン421の移動経路として、受取位置から排出位置に向かう往路、及び、排出位置から受取位置に戻る復路を含む、環状の閉じた移動経路が設けられている。プラテン搬送装置420は、後述する車輪422,423が設けられたプラテン421、移動機構430、及び、第3実施形態の送りローラ331,332などを有している。プラテン421は、第3実施形態のプラテン321に車輪422,423が設けられているだけであり、搬送面424には、支持領域325と同様な支持領域425と、テストパターン形成領域326と同様なテストパターン形成領域426と、凸部327,328と同様な凸部427,428とが形成されている。
移動機構430は、かかる移動経路に沿ってプラテン421が移動できるように敷設された、8本のレール432a〜432d,433a〜433dと、プラテン421の搬送面424とは反対側の面側に設けられた8つの車輪422,423と、制御装置404に制御され車輪422,423を駆動する駆動モータ422a,423a(図24参照)とを有している。
レール432a〜432d,433a〜433dは鉛直方向(図23中紙面垂直方向)に関して互いに同じ高さであって、いずれも水平方向に伸びている。レール432a〜432dはいずれも搬送方向Dに沿って延びており、レール433a〜433dは搬送方向Dと直交する方向F(図23中上下方向)に沿って延びている。レール432a,432bは、プラテン421の移動経路のうち往路に配置されており、レール432c,432dは、復路に配置されている。レール433a〜433dはいずれもレール432b,432cの両方に交差するように配置されている。これらのレールの交差部分は、車輪422,423が通過することができるように構成されている。レール433a,433bは、搬送方向Dに関して排出位置側に配置されており、レール433c,433dは、搬送方向Dに関して受取位置側に配置されている。
車輪422は、レール432a〜432d上を、搬送方向Dに平行に走行できるように構成されている。車輪423は、レール433a〜433d上を方向Fに平行に走行することができるように構成されている。
なお、レール432a〜432dは、プラテン421が方向Fに平行に移動する際に、車輪422,423が方向Fに沿ってスライドするのを妨げることがないように構成されている。レール433a〜433dは、プラテン421が搬送方向Dに平行に移動する際に、車輪422,423が搬送方向Dに沿ってスライドするのを妨げることがないように構成されている。
この構成において、第3実施形態と同様に、プラテン421上に用紙Pが搬送され当該用紙Pを吸着保持した後、制御装置404の制御により、車輪422を駆動してレール432a,432b上を走行させることにより、プラテン421が往路において受取位置から排出位置まで搬送方向Dに移動する。このとき、車輪423は、レール上を走行せずに、搬送方向Dにスライドする。また、このとき、第3実施形態と同様に、用紙Pの上面にインクが吐出され画像が形成される。そして、プラテン421が排出位置に到達すると、車輪422の走行が停止されるとともに、車輪423はレール433a,433b上に到達する(図25(b)参照)。このとき、制御装置404の制御により、プラテン自体の帯電が停止され、且つ、送りローラ332が回転し、搬送面424から排紙部15に向けて用紙Pが排出される。この後、制御装置404の制御により、車輪423を駆動してレール433a,433bを走行させる。これによって、プラテン421が排出位置から復路の一端へと移動する。このとき、車輪422はレール上を走行せずに、方向Fにスライドする。そして、プラテン421が復路の一端に到達すると、車輪423の駆動が停止されるとともに、車輪422はレール432c,432d上に到達する。
次に、制御装置404の制御により、車輪422を駆動してレール432c,432d上を走行させることにより、プラテン421が復路において一端から他端まで逆方向Eに移動する。このとき、車輪423は、レール上を走行せずに、逆方向Eにスライドする。そして、プラテン421が復路の他端に到達すると、車輪422の走行が停止されるとともに、車輪423はレール433c,433d上に到達する(図25(c)参照)。この後、制御装置404の制御により、車輪423を駆動してレール433c,433d上を走行させる。これによって、プラテン421が復路の他端から受取位置へと移動する。このとき、車輪422はレール上を走行せず、方向Fと逆方向Gにスライドする。そして、プラテン421が受取位置に到達すると、車輪423の駆動が停止されるとともに、車輪422はレール432a,432b上に到達する。なお、本実施形態においては、プラテン421が1つしか設けられていないが、プラテン421が受取位置に存在するときに、同様の別のプラテンが復路の一端、又は、排紙位置及び復路の一端及び他端に配置されていてもよい。そして、プラテン421が移動するに伴って他のプラテンも移動すればよい。また、プラテン搬送装置420は、プラテン421が排出位置にあるときもプラテン自体の帯電を停止せずに、排出位置から復路を通って受取位置にプラテン321を移動させることが可能になっている。さらに、排出位置から往路を通って受取位置にプラテン321を移動させることが可能になっている。すなわち、プラテン搬送装置420は、用紙Pを往路及び復路を通過させる循環搬送、及び、往路を往復搬送可能な構成となっている。
次に、インクジェットプリンタ401の制御系について、図24を参照して説明する。図24は、制御装置の概略を示すブロック図である。制御装置404は、第1実施形態の制御装置4と同様に、CPU、ROM、RAMを有し、これらは、図24に示す印刷制御部4a、搬送制御部404b、クリーニング制御部304c、解析部4eなどとして機能する。印刷制御部4a及び搬送制御部404bが第1及び第3制御手段を構成し、搬送制御部404bが第2制御手段を構成する。
搬送制御部404bは、制御装置404がPCなどから印刷データ及び第4〜第6動作のいずれかを行う信号を受信したときに、給紙モータ13及び送りモータ331aを制御し、用紙Pをプラテン421の搬送面424上に送り出すように給紙ローラ12を回転させるとともに、用紙P全体が搬送面424上に搬送されるように送りローラ331を回転させる。また、搬送制御部404bは、制御装置404がPCなどから印刷データ及び第4〜第6動作のいずれかを行う信号を受信したときに、直流電圧供給装置322及び駆動モータ422a,423aを制御し、搬送面424に用紙Pが吸着するようにプラテン自体を帯電させるとともに、印刷データ及び各動作に応じてプラテン421を移動させる。また、搬送制御部404bは、制御装置404がPCなどから第1、第4動作のいずれかを行う信号を受信したときに、駆動モータ422a,423aを制御し、各動作に応じてプラテン421を循環移動させる。
続いて、ノズル2bの吐出不良を検知するための動作について以下に説明する。なお、本実施形態においても、第3実施形態と同様な第1〜第6動作を行うことができる。まずは、プラテン421のテストパターン形成領域426に形成されたテストパターンを検知する第1〜第3動作から説明し、その後に、プラテン421によって搬送された用紙Pに形成されたテストパターンを検知する第4〜第6動作について説明する。
まず、第1動作について説明する。図25は、本発明の第4実施形態による第1動作における動作状況図である。制御装置404がPCなどから送信された第1動作を行う信号を受信すると、第3実施形態の第1動作と同様に、搬送制御部404bの制御により、図25(a)に示すように、受取位置からプラテン421を搬送方向Dに移動させる。このとき、テストパターン形成領域426が読取面341と対向したときに、画像センサ340によってテストパターン形成領域326が撮像されその位置が検出される。また、このとき、クリーニング制御部304cの制御により、クリーニングローラ56と搬送面424とが離隔するように、ソレノイド58の駆動が停止される。
次に、画像センサ340によって検出された位置に基づく、印刷制御部4aの制御により、往路において、搬送方向Dに移動するテストパターン形成領域426にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクを吐出する。この後、往路において、テストパターン形成領域426がクリーニングローラ56と対向する位置を通過しても、クリーニングローラ56とテストパターンとが接触せず、テストパターンが乱れなくなる。
また、テストパターン形成領域426が送りローラ332と対向するときに、凸部427,428と送りローラ332とが接触し、送りローラ332がテストパターン形成領域426と離隔するように、凸部427,428が送りローラ332を上方に移動させる。すなわち、凸部427,428が送りローラ332による挟持を解除する。これにより、テストパターン形成領域426に形成されたテストパターンと送りローラ332とが接触しなくなって、テストパターンが乱れなくなる。
次に、図25(b)に示すように、プラテン421が排出位置に到達したときに、搬送制御部404bの制御により、プラテン421の移動が一旦停止される。そして、搬送制御部404bの制御により、プラテン421が復路の一端に配置されるように、プラテン421を方向Fに移動させる。
次に、図25(c)に示すように、搬送制御部404bの制御により、プラテン421が復路の一端から復路の他端に移動するように、プラテン421を復路において逆方向Eに移動させる。そして、搬送制御部404bの制御により、プラテン421が復路の一端に到達したときに、プラテン421の移動が一旦停止される。
次に、搬送制御部404bの制御により、プラテン421が受取位置に移動するように、プラテン421を逆方向Gに移動させる。この後、搬送制御部404bの制御により、プラテン421を搬送方向Dに移動させる。このとき、テストパターンと読取面341とが対向し、画像センサ340によってテストパターンが撮像される。こうして、画像センサ340によって撮像されたテストパターンの画像データが制御装置404の解析部4eにおいて、4つのインクジェットヘッド2に係る複数のノズル2bについて、インクの不吐出、吐出量変動又は吐出方向ズレといった吐出不良が生じているかどうかを判定される。なお、吐出不良が生じている場合には、第1実施形態と同様にメンテナンス処理が行われる。
次に、第2動作について説明する。図26は、本発明の第4実施形態による第2動作における動作状況図である。第2動作においても、制御装置404がPCなどから送信された第2動作を行う信号を受信すると、搬送制御部404bの制御により、図26(a)に示すように、受取位置からプラテン421を搬送方向Dに移動させる。このとき、テストパターン形成領域426が読取面341と対向したときに、画像センサ340によってテストパターン形成領域426が撮像されその位置が検出される。また、このとき、クリーニング制御部304cの制御により、クリーニングローラ56と搬送面424とが離隔するように、ソレノイド58の駆動が停止される。このため、第1動作と同様に、テストパターンとクリーニングローラ56とが接触せず、テストパターンが乱れなくなる。
次に、画像センサ340によって検出された位置に基づく、搬送制御部404bの制御により、図26(b)に示すように、テストパターン形成領域426が送りローラ332と対向する手前で一旦停止される。そして、搬送制御部404bが、往路において、プラテン421を逆方向Eに移動させ、印刷制御部4aが、逆方向Eに移動するテストパターン形成領域426にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクを吐出させる。このとき、テストパターン形成領域426がクリーニングローラ56と対向する位置を通過しても、先と同様に、テストパターンとクリーニングローラ56とが接触しないので、テストパターンが乱れない。また、往路において、テストパターン形成領域426を逆方向Eに移動させながらテストパターンを形成することで、テストパターン形成後、画像センサ340でテストパターンを撮像するまでの時間を第1動作と比して、より一層短くすることが可能になる。
この後、図26(c)に示すように、テストパターンと読取面341とが対向し、画像センサ340によってテストパターンが撮像される。こうして、上述と同様に、吐出不良が生じているかどうかを判定され、吐出不良が生じている場合には、メンテナンス処理が行われる。このように、本実施形態における第2動作は、第3実施形態の第2動作とほぼ同様である。また、第3、第5及び第6動作も第3実施形態とほぼ同様となるため、以下説明を省略する。
次に、第4動作について説明する。なお、第5及び第6動作については上述したようにその説明を省略する。図27は、本発明の第4実施形態による第4動作における動作状況図である。
制御装置404がPCなどから送信された第4動作を行う信号を受信すると、第3実施形態の第4動作と同様に、図27(a)に示すように、用紙Pの前端部がちょうどテストパターン形成領域426と重なる位置に配置されるように、給紙ローラ12及び送りローラ321の回転が搬送制御部404bによって制御される。そして、搬送制御部404bの制御により、プラテン421で用紙Pを吸着した後、プラテン421を搬送方向Dに移動させる。
次に、用紙Pの前端が読取面341と対向したときに、画像センサ340によって用紙Pの前端がテストパターン形成領域426と同様に撮像されその位置が検出される。このとき、クリーニング制御部304cの制御により、クリーニングローラ56と搬送面224とが離隔するように、ソレノイド58の駆動が停止される。
次に、画像センサ340によって検出された位置に基づく、印刷制御部4aの制御により、往路において、搬送方向Dに移動する用紙Pの前端部(テストパターン形成領域426と重なる領域)にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクを吐出する。この後、往路において、用紙Pの前端部がクリーニングローラ56と対向する位置を通過しても、テストパターンとクリーニングローラ56とが接触せず、テストパターンが乱れなくなる。
また、用紙Pの前端部が送りローラ332と対向するときに、凸部427,428と送りローラ332とが接触し、送りローラ332が用紙Pの前端部と離隔するように、凸部427,428が送りローラ332を上方に移動させる。すなわち、凸部427,428が送りローラ332による挟持を解除する。これにより、テストパターンと送りローラ332とが接触しなくなって、テストパターンが乱れなくなる。
次に、図27(b)に示すように、プラテン421が排出位置に到達したときに、搬送制御部404bの制御により、プラテン421の移動が一旦停止される。そして、搬送制御部404bの制御により、プラテン421が復路の一端に配置されるように、プラテン421を方向Fに移動させる。
次に、図27(c)に示すように、搬送制御部404bの制御により、プラテン421が復路の一端から復路の他端に移動するように、プラテン421を復路において逆方向Eに移動させる。そして、搬送制御部404bの制御により、プラテン421が復路の一端に到達したときに、プラテン421の移動が一旦停止される。
次に、搬送制御部404bの制御により、プラテン421が受取位置に移動するように、プラテン421を逆方向Gに移動させる。この後、搬送制御部404bの制御により、プラテン421を搬送方向Dに移動させる。このとき、テストパターンと読取面341とが対向し、画像センサ340によってテストパターンが撮像される。こうして、上述と同様に、吐出不良が生じているかどうかを判定され、吐出不良が生じている場合には、メンテナンス処理が行われる。
以上のように、本実施形態によるインクジェットプリンタ401においても、上述の実施形態と同様に、画像センサ340がインクジェットヘッド2よりも搬送方向Dにおける上流側に配置されているので、インクミストが画像センサ340の読取面341に付着して汚れるのを抑制することができる。そのため、画像センサ340によるテストパターンの撮像(読取)精度が維持される。この他においても、上述の実施形態と同様な構成を有する部分は、同様な効果を得ることができる。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に第4〜第6動作においては、用紙Pの前端部にテストパターンを形成するので、搬送面424にテストパターン形成領域426が設けられていなくてもよい。
また、本実施形態の第2、第3、第5及び第6動作においては、凸部427,428と送りローラ331,332とが接触しない。そのため、これらの動作を行う場合においては、搬送面424に凸部427,428が設けられていなくてもよい。
また、本実施形態においても、上述の凸部の変形例として送りローラ332を移動させる移動機構が設けられていてもよい。また、プラテン421の搬送面424に凹部を設け、その底面にテストパターン形成領域を形成してもよい。これらにおいても、上述と同様の効果を得ることができる。
続いて、本発明の第5実施形態によるインクジェットプリンタについて以下に説明する。図28は、本発明の第5実施形態によるインクジェットプリンタの概略側面図である。本実施形態によるインクジェットプリンタ501は、第1実施形態のベルト搬送装置20に換えて2つの搬送ローラ対を含む搬送装置520を有しているだけでそれ以外は第1実施形態とほぼ同様である。なお、第1実施形態と同様なものに関しては同符号で示し説明を省略する。
搬送装置520は、搬送方向Aに沿って4つのインクジェットヘッド2を挟む2つの搬送ローラ対(挟持部)521,522と、4つのインクジェットヘッド2と対向する位置に移動不可能に配置されたプラテン523と、制御装置504によって制御され搬送ローラ対521,522をそれぞれ駆動する駆動モータ521a,522a(図29参照)とを有している。
搬送ローラ対521は、互いに対向する2つの搬送ローラ521a,521bによって構成されており、これら搬送ローラ521a,521bが給紙装置10から送り出されてきた用紙Pを挟持しながら、互いに逆方向に回転することによって搬送方向Aに用紙Pを搬送する。また、搬送ローラ対521は、給紙装置10と搬送方向Aの最も上流側に位置するインクジェットヘッド2との間に配置されている。
搬送ローラ対522も、互いに対向する2つの搬送ローラ522a,522bによって構成されており、これら搬送ローラ522a,522bが搬送ローラ対521によって搬送されてきた用紙Pを挟持しながら、互いに逆方向に回転することによって用紙Pを排出部15に排出する。また、搬送ローラ対522は、搬送方向Aの最も下流側に位置するインクジェットヘッド2と排紙部15との間に配置されている。
プラテン523は、上面524がすべてのインク吐出面2aと対向することが可能な大きさを有する略直方体形状となっている。上面524は、インク吐出面2aと平行な平面に形成されており、搬送ローラ対521によって搬送されてきた用紙Pを下方から支持する。
この構成において、制御装置504の制御によって、搬送ローラ対521が回転することで、給紙装置10から搬送されてきた用紙Pを挟持しながらプラテン523上に搬送する。このとき、搬送されてきた用紙Pが、4つのインクジェットヘッド2のすぐ下方側を順に通過する際に、この用紙Pの上面に向けてノズル2bから各色のインクが吐出されて所望のカラー画像が形成される。この後、搬送ローラ対522が回転することで、画像が形成された用紙Pが挟持されながら排紙部15に排出される。
本実施形態のプリンタ501は、後述のノズル2bの吐出不良を検知するための動作において、用紙Pにテストパターンを形成するので、クリーニング機構55が設けられていない。また、画像センサ40は、搬送ローラ対521と搬送方向Aの最も上流側に位置するインクジェットヘッド2との間に配置されている。また、第1実施形態と同様な位置に反転経路50が設けられている。
次に、インクジェットプリンタ501の制御系について、図29を参照して説明する。図29は、制御装置の概略を示すブロック図である。制御装置504は、第1実施形態の制御装置4と同様に、CPU、ROM、RAMを有し、これらは、図29に示す印刷制御部504a、搬送制御部504b、送りローラ制御部4d、解析部4eなどとして機能する。印刷制御部504a及び搬送制御部504bが第1及び第3制御手段を構成し、搬送制御部504bが第2制御手段を構成する。
印刷制御部504aは、制御装置504がPCなどから印刷データを受信したときに、インクジェットヘッド2を制御し、当該印刷データに基づいて対応するインクジェットヘッド2からインクを吐出させる。また、印刷制御部504aは、制御装置504がPCなどから後述する第5、第6動作のいずれかを行う信号を受信したときに、インクジェットヘッド2を制御し、当該信号に基づいて、用紙Pにテストパターンを形成するように、インクジェットヘッド2からインクを吐出させる。
搬送制御部504bは、制御装置504がPCなどから印刷データ及び第5、第6動作のいずれかを行う信号を受信したときに、給紙モータ13及び駆動モータ521a,522aを制御し、用紙Pを搬送ローラ対521に送り出すように給紙ローラ12を回転させるとともに、印刷データ及び各動作に応じて用紙Pを搬送方向A及びその逆方向に搬送するように、搬送ローラ対521,522を回転させる。
続いて、ノズル2bの吐出不良を検知するための動作について以下に説明する。なお、本実施形態においては、搬送装置520によって搬送された用紙Pに形成されたテストパターンを検知するため、第1実施形態と同様な第1〜第3動作は行われず、第4〜第6動作のうちの第5及び第6動作が行われる。まず、用紙Pの前端部を搬送方向Aとは逆方向に移動させながら当該前端部に形成されたテストパターンを、同方向に移動させながら画像センサで撮像する第5動作について説明する。図30は、本発明の第5実施形態による第5動作における動作状況図である。
制御装置504がPCなどから送信された第5動作を行う信号を受信すると、搬送制御部504bの制御により、給紙装置10から用紙Pが送り出されるように、給紙ローラ12を回転させる。そして、搬送制御部504bの制御により、図30(a)に示すように、搬送ローラ対521を回転させて用紙Pを挟持しながら搬送方向Aに搬送する。このとき、用紙Pの前端部が読取面41と対向したときに、画像センサ40によって用紙Pの前端が撮像されその位置が検出される。
次に、画像センサ40によって検出された位置に基づく、搬送制御部504bの制御により、図30(b)に示すように、用紙Pの前端部が搬送ローラ対522の手前で停止するように、搬送ローラ対521の回転が一旦停止される。そして、搬送制御部504bが、搬送方向Aとは逆方向に用紙Pの前端部を移動させるように搬送ローラ対521を回転させ、印刷制御部504aが、逆方向に移動する前端部にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクを吐出させる。このときにおいても、制御装置504が、用紙Pの前端部にテストパターンを形成するべくインク吐出のタイミングを知ることができるので、確実に当該用紙Pの前端部にテストパターンを形成することができる。また、用紙Pの前端部を逆方向に移動させながらテストパターンを形成することで、テストパターン形成後、画像センサ40でテストパターンを撮像するまでの時間を短くすることが可能になる。
この後、図30(c)に示すように、用紙Pの前端部に形成されたテストパターンと読取面41とが対向し、画像センサ40によってテストパターンが撮像される。こうして、第1実施形態と同様に、吐出不良が生じているかどうかを判定され、吐出不良が生じている場合には、メンテナンス処理が行われる。
また、用紙Pの前端部が搬送方向Aとは逆方向に移動させるときに、第1実施形態と同様に、送りローラ制御部4dが、送りローラ対51を回転させる。これによって、図30(c)及び(d)に示すように、搬送ローラ対521から反転経路50に搬送されてきた用紙Pが送りローラ対51に挟持されながら搬送され、反転経路50においてその表裏が反転されて、再度搬送ローラ対521に再給紙される。この後、搬送制御部504bが、再給紙された用紙Pが搬送方向Aに搬送されるように搬送ローラ対521,522を回転させる。こうして、用紙Pが排紙部15に排出される。
次に、用紙Pの前端部を搬送方向Aに移動させながら当該前端部に形成されたテストパターンを、搬送方向Aとは逆方向に移動させながら画像センサ40で撮像する第6動作について説明する。
第6動作においても、制御装置504がPCなどから送信された第6動作を行う信号を受信すると、搬送制御部504bの制御により、給紙装置10から用紙Pが送り出されるように、給紙ローラ12を回転させる。そして、搬送制御部504bの制御により、搬送ローラ対521を回転させて用紙Pを挟持しながら搬送方向Aに搬送する。このとき、用紙Pの前端部が読取面41と対向したときに、画像センサ40によって用紙Pの前端が撮像されその位置が検出される。
次に、画像センサ40によって検出された位置に基づく、印刷制御部504aの制御により、搬送方向Aに移動する用紙Pの前端部にテストパターンが形成されるように、各インクジェットヘッド2からインクを吐出する。そして、搬送制御部504bが、テストパターンが形成された前端部が搬送ローラ対522の手前で停止するように、搬送ローラ対521の回転を一旦停止する。
次に、搬送制御部504bが、搬送方向Aとは逆方向に用紙Pの前端部を移動させるように搬送ローラ対521を回転させる。この後、前端部に形成されたテストパターンと読取面41とが対向し、画像センサ40によってテストパターンが撮像される。こうして、上述と同様に、吐出不良が生じているかどうかを判定され、吐出不良が生じている場合には、メンテナンス処理が行われる。これにおいても、テストパターン形成後、画像センサ40でテストパターンを撮像するまでの時間を短くすることが可能になる。また、搬送方向Aとは逆方向に搬送された用紙Pは、第5動作と同様に、反転経路50を通ってから搬送ローラ対521に再給紙される。この後、用紙Pは搬送方向Aに搬送される。
以上のように、本実施形態によるインクジェットプリンタ501においても、上述の実施形態と同様に、画像センサ40がインクジェットヘッド2よりも搬送方向Aにおける上流側に配置されているので、インクミストが画像センサ40の読取面41に付着して汚れるのを抑制することができる。そのため、画像センサ40によるテストパターンの撮像(読取)精度が維持される。この他においても、上述の実施形態と同様な構成を有する部分は、同様な効果を得ることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述した第1〜第4の実施形態においては、形成されたテストパターンが押さえローラなどに接触させないような構成を有しているが、これら構成全般を有していなくてもよい。すなわち、画像センサ(読取部)が、インクジェットヘッド2よりも用紙搬送方向における上流側であって搬送経路又は搬送面に対向する位置に配置されており、インクジェットヘッド2によって形成されたテストパターンを画像センサと対向させることができればよい。