JP5060908B2 - 櫛付きキャップ - Google Patents

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Description

本発明は、ボトルの口部に取り付け可能な櫛付きキャップに関する。
この種の櫛付きキャップとして、従来、例えば下記特許文献1、2に示されているような、複数の櫛歯を有する櫛部が設けられた構成が知られている。詳しく説明すると、櫛付きキャップは、ボトル口部に螺着されるキャップ本体と、毛髪を梳かすための櫛部と、から構成されている。櫛部は、キャップ本体の天板部の上面に突設された中空の基台部と、基台部に突設された複数の櫛歯と、から構成されている。複数の櫛歯は、櫛歯の先端側からみて直線的に並べて設けられている。また、各櫛歯の上部には、ボトル内に収容された内容物を吐出するための吐出口がそれぞれ形成されている。また、各櫛歯には、櫛歯の中心軸線方向に延在する連通孔が形成されており、この連通孔の一端は上記吐出口に連通されており、他端は中空の基台部の内側に連通されている。このような構成からなる櫛付きキャップによれば、吐出口から内容物を吐出させるとともに櫛部で毛髪を梳かすことにより、毛髪に内容物を塗布することができる。
特開2002−345542号公報 実開平1−158729号公報
しかしながら、上記した従来の櫛付きキャップでは、頭部が非平面的(曲面或いは起伏面)であるため、複数の櫛歯の先端を頭皮にフィットさせることができず、内容物の塗布ムラが生じ易いという問題がある。すなわち、櫛部で頭髪を梳かす際に、全ての櫛歯の先端を頭皮に当てることができず、櫛歯の先端と頭皮との間に隙間があいた部分ができる。例えば、櫛歯を並べた方向(以下、櫛歯整列方向)の中央部分の櫛歯の先端を頭皮に当てると、櫛歯整列方向の両端部の櫛歯の先端と頭皮との間に隙間があく。この場合、上記した両端部分では、毛髪の根元部分にまで櫛歯が通らず、内容物の塗布範囲の頭皮からの高さが上記した中央部分よりも高くなり、内容物の塗布ムラが生じ易くなる。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、非平面的な頭皮に生えた毛髪に対して内容物をムラ無く塗布することができる櫛付きキャップを提供することを目的としている。
本発明に係る櫛付きキャップは、内容物を収容したボトルの口部に取り付け可能であり、前記内容物を吐出するための吐出口が形成されているとともに複数の櫛歯を有する櫛部が設けられた櫛付きキャップにおいて、前記複数の櫛歯が、該櫛歯の先端側からみて曲線的に並べて設けられていることを特徴としている。
このような特徴により、吐出口から内容物を吐出させるとともに、櫛歯の先端を頭皮に当てた状態で、櫛歯が並べられた方向と直交する方向に櫛部を移動させ、櫛部で毛髪を梳かす。このとき、櫛歯は、頭皮に対して垂直に当てられずに、移動方向(梳かす方向)に傾けた状態で頭皮に当てられる。このため、曲線的に並べて設けられた複数の櫛歯の先端は、非平面的な形状の頭皮にフィットする。
また、本発明に係る櫛付きキャップは、前記複数の櫛歯が、該櫛歯の先端側からみて円弧状に並べて設けられていることが好ましい。
これにより、毛髪を櫛部で梳かす際、上記円弧の中心側の方向に櫛歯を傾けて、その方向に梳かすことにより、複数の櫛歯の先端が頭部の曲面的な部分にフィットされるとともに、梳かされた毛髪が櫛歯整列方向の中央側に寄せ集められる。
また、本発明に係る櫛付きキャップは、少なくとも前記櫛歯の先端部の表層部が弾性材料によって形成されていることが好ましい。
これにより、頭皮に櫛歯の先端を当てた際、弾性材料により形成された表層部によって、頭皮に対する緩衝作用が発揮される。
本発明に係る櫛付きキャップによれば、櫛部で毛髪を梳かす際に、櫛歯の先端が非平面的な形状の頭皮にフィットするため、非平面的な部分に生えた毛髪に内容物をムラ無く塗布することができる。
以下、本発明に係る櫛付きキャップの実施の形態について、図面に基いて説明する。
図1は本実施の形態における櫛付きキャップ1を備えた吐出容器2の部分縦断面図であり、図2は図1における右側からみた前記吐出容器2の側面図であり、図3は前記櫛付きキャップ1を上方からみた平面図である。
なお、本実施の形態では、吐出容器2のボトル3からみて櫛付きキャップ1側(図1における上側)を上方とし、その反対側(図1における下側)を下方とする。また、後述する櫛歯22が並べられた方向(図3における横方向)をX方向とし、X方向に直交する方向(図3における縦方向)をY方向とする。また、上下方向に延在する図1に示す符号Lは、櫛付きボトル容器2の中心軸線であるボトル軸Lを示している。
図1、図2に示すように、櫛付きキャップ1は、ボトル3の口部30に取り付けられたポリプロピレン(以下、PPと記す。)等の合成樹脂製の部材であり、その概略構成としては、上記口部30に螺着されるキャップ本体部10と、毛髪を梳かすための櫛部20と、を備えている。なお、上記ボトル3は、内部に毛染め剤等の内容物が収容されたスクイズボトルであり、その胴部31がスクイズ変形可能で復元自在な可撓性を有している。
キャップ本体部10は、円環状の天板部11と、天板部11の外縁部から下方に向かって垂下された外筒部12と、天板部11の内縁部から下方に向かって垂下された内筒部13と、を備えている。外筒部12は、上記口部30の外側に被せられる円筒形状のものであり、その内周面には、上記口部30の外周面に形成された雄ネジ30aに螺着される雌ネジ12aが形成され、また、その外周面には、上下方向に延在する凸条部12bがキャップ周方向に間隔をあけて複数配設されている。内筒部13は、上記口部30の内側に挿入される円筒形状のものであり、その外周面は、口部30の上端部の内周面に摺接されている。
櫛部20は、キャップ本体10の天板部11の上面に設けられた中空の基台部21と、基台部21の上面に突設された複数の櫛歯22と、を備えている。
基台部21は、天板部11の内縁部から上方に向けて膨出された略ドーム状の形状になっており、図3に示すように平面視においてX方向に長い楕円形状になっており、その下端面は開口されており、内筒部13の内側に連通されている。
櫛歯22は、ボトル軸Lと平行に延在する平板状のものであり、図2に示すように上方に向かうに従い漸次縮幅された尖形状になっている。櫛歯22の先端部及び側端部はそれぞれ断面視円弧形状になっている。複数の櫛歯22は、図3に示すように、櫛歯22の先端側(上側)からみて、それぞれY方向に沿って配置されているとともにX方向に一定間隔をおいて曲線的に並べて設けられている。具体的に説明すると、複数の櫛歯22は、櫛歯22の先端側からみて、円弧状に並べられている。すなわち、各櫛歯22の中心位置が円弧線上にそれぞれ位置するように、隣り合う櫛歯22同士がY方向に徐々にずらして配置されており、複数の櫛歯22のうちの櫛歯整列方向(X方向)の中央部分の櫛歯22がY方向の一方側(Y1側)に配置され、櫛歯整列方向(X方向)の両端部分の櫛歯22がY方向の他方側(Y2側)に配置されている。
また、櫛歯22には、ボトル3内の内容物を吐出するための吐出口23と、この吐出口23と基台部21の内側空間とを連結する連通孔24と、がそれぞれ形成されている。具体的に説明すると、吐出口23は、櫛歯22の中心軸線方向に直交する方向(X方向)に延在する断面形状円形の貫通孔であり、櫛歯22の上部に形成されている。ただし、吐出口23は、櫛歯22の先端よりも下方(櫛歯根元側)の位置に配設されている。なお、各櫛歯22にそれぞれ形成された複数の吐出口23は、図3に示すように、櫛歯22の先端側からみて直線的に配設されている。つまり、複数の吐出口23は、X方向に延在する共通軸線P上にそれぞれ配設されている。連通孔24は、櫛歯22の中心軸線方向(上下方向)に延在する貫通孔であり、その上端が吐出口23に連通されており、その下端が基台部21の内側に連通されている。
次に、上記した構成からなる櫛付きキャップ1の作用について説明する。
まず、櫛歯22の先端を頭皮に当てる。詳しく説明すると、ボトル3の胴部31を把持し、吐出容器2を上下反転させて櫛歯22の先端を頭皮に当接させる。
次に、吐出口23から所定量の内容物を吐出させながら、櫛部20により毛髪を梳かし、上記した内容物を毛髪に塗布する。詳しく説明すると、ボトル3の胴部31を指等で押圧してスクイズ変形させる。これにより、ボトル3の内圧が上昇し、ボトル3内の内容物が、基台部21内から連通孔24内を通って吐出口23から吐出される。また、櫛歯22が並べられた方向(X方向)と直交する方向(前記円弧の中心側。つまり図3におけるY2側。)に頭皮に沿って移動させる。これにより、吐出口23から吐出された内容物が毛髪に塗布される。
このとき、櫛歯22は、頭皮に対して垂直に当てられずに、移動方向(Y2側)に傾けた状態で頭皮に当てられる。これにより、円弧状に並べて設けられた複数の櫛歯22の先端は、曲面形状の頭皮にフィットする。また、複数の櫛歯22が、櫛歯22の先端側からみて円弧形状に並べて設けられているので、毛髪を櫛部20で梳かす際、梳かされた毛髪がX方向(櫛歯整列方向)の中央側に寄せ集められる。また、吐出口23は、櫛歯22の先端よりも櫛歯根元側に形成されているので、吐出口23から吐出された内容物が頭皮に直接付着しにくくなっている。また、上記スクイズ変形を解除して、ボトル3の内圧を低下させることにより、内容物の吐出が停止される。
上記した構成からなる櫛付きキャップ1によれば、櫛部20で毛髪を梳かす際に、櫛歯22の先端が頭皮にフィットするため、内容物の塗布範囲の頭皮からの高さが均一になり、曲面状の部分に生えた毛髪に内容物をムラ無く塗布することができる。
また、毛髪を櫛部20で梳かす際、梳かされた毛髪がX方向(櫛歯整列方向)の中央側に寄せ集められるので、内容物を効率良く毛髪に塗布することができる。
また、内容物が頭皮に直接付着しにくくなっているので、頭皮に対する内容物によるダメージを軽減或いは防止することができる。
以上、本発明に係る櫛付きキャップの実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記した実施の形態では、櫛付きキャップ1全体がPP等の硬質の合成樹脂により形成されているが、本発明は、少なくとも櫛歯22の先端部の表層部が弾性材料で形成されていることが好ましい。これにより、頭皮に櫛歯22の先端を当てた際、上記した弾性材料により形成された表層部によって、頭皮に対する緩衝作用が発揮され、頭皮に与えるダメージを軽減させることができる。
具体的に説明すると、図4に示すように、櫛歯122の表層部全体にエラストマーからなる表層部122aが形成された構成にすることができる。この表層部122aは、櫛歯122の本体部122bの表面に被覆されており、エラストマーからなる表層部122aとPP等の合成樹脂からなる本体部122bとは二色成形やインサート成形等により一体化されている。また、図5に示すように、櫛歯222の先端にエラストマーからなる先端部222aが形成された構成にすることもできる。この先端部222aの基端面には凹部222cが形成されており、この凹部222cには、櫛歯222の本体部222bの先端に形成された凸部222dが嵌合されている。また、図6に示すように、櫛歯322の先端にエラストマーからなる先端部322aが形成されるとともに、櫛歯322の表層部全体にエラストマーからなる表層部322bが形成された構成にすることができる。また、基台部21が硬質材で形成され、複数の櫛歯22の全体がエラストマーにより形成された構成にすることも可能であり、或いは、櫛部20全体がエラストマーにより形成された構成にすることも可能である。
図5と図6については、図4と同様に二色成形やインサート成形等により本体部とエラストマーを一体化させてもよい。
なお、エラストマー以外の弾性材料を用いることも可能であり、例えば、ミラストマーやシリコンゴム等を用いることができる。
また、上記した実施の形態では、複数の櫛歯22が、櫛歯22の先端側からみて円弧状に並べて設けられているが、本発明は、複数の櫛歯が、櫛歯の先端側からみて曲線的に並べて設けられていればよく、例えば、図7に示すように、複数の櫛歯22が、櫛歯22の先端側からみて、略S字状に並べて設けられていてもよい。また、複数の櫛歯が、櫛歯の先端側からみて、略M字状や略U字状に並べて設けられていてもよい。これにより、起伏面等のように非平面的な頭皮に生えた毛髪に対して内容物をムラ無く塗布することができる。
また、上記した実施の形態では、櫛歯22の上部に円形の吐出口23が形成されているが、本発明は、吐出口の形状は適宜変更可能であり、例えば、図8に示すように、矩形の吐出口123が櫛歯22に形成されていてもよい。また、本発明は、吐出口の位置は適宜変更可能であり、例えば、櫛歯22の中間部分や根元部分に吐出口が形成されていてもよく、或いは、基台部21の上面のうちの隣り合う櫛歯間の位置に吐出口が形成されていてもよい。
また、上記した実施の形態では、複数の櫛歯22がボトル軸Lに対する仮想垂直面に沿って並べられており、複数の櫛歯22がボトル軸L方向に突出されているが、本発明は、櫛歯の向きは適宜変更可能である。例えば、複数の櫛歯がボトル軸Lと平行な仮想平面に沿って並べられ、複数の櫛歯がボトル軸Lに直交する方向に突出されていてもよく、或いは、複数の櫛歯がボトル軸Lに対して傾斜した仮想平面に沿って並べられ、複数の櫛歯がボトル軸Lに対して傾斜した方向に突出されていてもよい。
また、上記した実施の形態では、スクイズボトルであるボトル3に櫛付きキャップ1が取り付けられているが、本発明に係る櫛付きキャップをスクイズボトル以外のボトルに取り付けることも可能である。例えば、シリンダ内をピストンが往復移動する構成のポンプにより内容物を吐出させる吐出容器やエアゾール容器等に本発明に係る櫛付きキャップ適用することも可能であり、その他の構成の吐出容器に適用することも可能である。
また、上記した実施の形態では、複数の櫛歯22が一列に並べられているが、本発明は、複数の櫛歯が、二列以上に並べられていてもよい。
また、上記した実施の形態では、平板形状の櫛歯22が備えられているが、本発明は、櫛歯の形状を適宜変更することが可能であり、例えば、棒状の櫛歯が設けられていてもよい。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
本発明の実施の形態を説明するための部分縦断面図である。 本発明の実施の形態を説明するための側面図である。 本発明の実施の形態を説明するための平面図である。 本発明の他の実施の形態を説明するための櫛歯の断面図である。 本発明の他の実施の形態を説明するための櫛歯の断面図である。 本発明の他の実施の形態を説明するための櫛歯の断面図である。 本発明の他の実施の形態を説明するための平面図である。 本発明の他の実施の形態を説明するための部分縦断面図である。
符号の説明
1 櫛付きキャップ
3 ボトル
30 口部
20 櫛部
22、122、222、322 櫛歯

Claims (3)

  1. 内容物を収容したボトルの口部に取り付け可能であり、前記内容物を吐出するための吐出口が形成されているとともに複数の櫛歯を有する櫛部が設けられた櫛付きキャップにおいて、
    前記複数の櫛歯が、該櫛歯の先端側からみて曲線的に並べて設けられていることを特徴とする櫛付きキャップ。
  2. 請求項1記載の櫛付きキャップにおいて、
    前記複数の櫛歯が、該櫛歯の先端側からみて円弧状に並べて設けられていることを特徴とする櫛付きキャップ。
  3. 請求項1または2記載の櫛付きキャップにおいて、
    少なくとも前記櫛歯の先端部の表層部が弾性材料によって形成されていることを特徴とする櫛付きキャップ。
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