JP5060712B2 - 油性固形化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、形状保持性等の経時保存安定性、使用感、化粧仕上がり感に優れる有機色素で着色された油性固形化粧料に関する。
従来、口紅やマスカラ等の油性固形化粧料には、固形状油として各種ワックス類が用いられている。中でもキャンデリラワックスは、油性固形化粧料の形状保持、塗布感の心地よさ(肌なじみ)等の使用感の向上等のために好まれて配合されている(特許文献1、2、3、4参照)。
さらに、固形状油として植物由来の固形状油のみを配合して調製された油性固形化粧料は、肌なじみがよく、滑らかでのびのよい感触が得られる。これらの感触はさらに配合される液状油等全ての油分を植物由来のものにするとさらによくなる。
一方、それらの化粧料には、着色成分として有機色素が配合され、製品に鮮やかな色を与え、製品の外観、塗布時の色合いを調整するにあたり重要な働きを果たしている。
しかしながら、固形状油としてキャンデリラワックス及び他の植物由来のもののみを含有した油性固形化粧料に有機色素を配合すると油性固形化粧料の経時保存安定性に問題があらわれ、キャンデリラワックス添加による形状保持性の効果も損なわれるようになる。これらの問題点は油分の全てを植物由来のものにするとさらに悪化する。
油性固形化粧料の安定性改善技術については、いくつか開示されているが(特許文献5、6、7参照)、その効果は充分でなく、またこれらは塗布後の皮膚が粉っぽい感触(乾燥感)となったり化粧仕上がり感が悪い等満足されるものではない。
特開2004−224707号公報 特開2004−238381号公報 特開平10−182500号公報 特開2002−179524号公報 特開平6−299190号公報 特開平7−179718号公報 特開平10−17432号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、油性固形化粧料にキャンデリラワックスを含む植物由来の固形状油のみからなる固形状油と有機色素を配合して油性固形化粧料を調製すると経時保存安定性が悪くなり、形状保持性向上のために添加されるキャンデリラワックスの添加効果も損なわれるようになるという欠点を改善することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、植物由来の固形状油のうちのキャンデリラワックスとして特定組成のキャンデリラワックスを用い、特定物性値を有する液状油とともに配合して油性固形化粧料を調製することにより形状保持性等の経時保存安定性がよくなることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、少なくともキャンデリラワックスを含む植物由来の固形状油のみからなる固形状油及び液状油を含む油分、並びに有機色素を含有する油性固形化粧料において、前記キャンデリラワックス成分中の炭化水素含有量が60%以上であり、かつ前記液状油の無機性/有機性が0.3以下であることを特徴とする油性固形化粧料である。
本発明においては、さらに、固形状油として水素添加ホホバエステルを配合することが好ましい。
本発明においては、全ての油分を植物由来のものを用いた場合、特に高度に悪化する問題点を効果的に解決するので、油分の全てを植物由来の油分を用いて調製された油性固形化粧料に本発明を適用することが本発明の好ましい態様となる。
本発明において、液状、半固形状、固形状、固形等の用語は常温での状態を示す。なお、液状油、半固形状油、固形状油、油性固形化粧料等はそれぞれ当業者で認識されているものであり、例えば固形状油としては、融点45℃以上のものが一般的であり、好ましくは55℃以上のものである。
本発明において、植物由来の物質とは、植物からの抽出物のような、いわゆる植物由来のものであり、これには植物抽出物そのもの以外に、例えば植物抽出物を水素添加するとか精製するような植物抽出物を変性したものや、前記植物抽出物や前記植物抽出物の変性物同士を反応させた化合物や、あるいは前記植物抽出物や前記植物抽出物の変性物をそれら以外の化合物と反応させた化合物の一部が植物由来のものも含まれる。
本発明によれば、キャンデリラワックスと有機色素を配合して、固形状油として植物由来のもののみを用いて調製した油性固形化粧料に見られる経時保存安定性が悪くなるという欠点が改善され、キャンデリラワックス添加による形状保持性の効果が損なわれることもない。本発明の油性固形化粧料は、形状保持性等の経時保存安定性、使用感、化粧仕上がり感等に優れたものであり、その商品価値は高い。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳述する。
本発明において用いられる固形状油は、植物由来のものである。
本発明において用いられるキャンデリラワックスについて説明する。
天然のキャンデリラワックス中には、炭素数31の炭化水素を主成分とした炭素数28〜33の炭化水素が約40〜50%含まれている。本発明においては、キャンデリラワックス中に存在する前記炭化水素含有量を60%以上に調整したものが用いられる。
炭化水素含有量の調整に当たっては、キャンデリラワックスから炭化水素部分を高濃度で抽出する等公知の方法が用いられるが、炭化水素含有量60%以上のキャンデリラワックスが市販されているので市販品を用いることが可能である。本発明に用いられるキャンデリラワックスの市販品の例としては、例えば、精製キャンデリラワックスNO.1、精製キャンデリラワックスNC1630(以上、株式会社セラリカ野田製)、精製キャンデリラワックスCG−7、精製キャンデリラワックスSR−3、精製キャンデリラワックスMD−21、精製キャンデリラワックスFC−31(以上、横関油脂工業株式会社製)、精製キャンデリラワックススーパーリファイン(以上、ミツバ貿易株式会社製)等が挙げられる。
本発明においては、天然キャンデリラワックス中に約10〜15%含有されるロウエステル含有量を前記炭化水素含有量60%以上の範囲で3〜8%に調整されたものを用いることが原料の調達の面から好ましく、調製される油性固形化粧料も安定する。この場合の炭化水素含有量は60〜90%の範囲が好ましい。
なお、天然のキャンデリラワックス中には、樹脂分が10〜15%程度含有されているが、本発明においては樹脂含有量を少なくしたキャンデリラワックスを用いることが好ましく、これにより保存安定性がさらに優れるようになる。キャンデリラワックスの樹脂含有量はキャンデリラワックス中5%以下に押えることが好ましい。さらに好ましくは、2%以下である。下限は0であることが好ましいが、0.1%が実際的である。
本発明においては、さらに、天然キャンデリラワックス中に存在する、遊離アルコール、遊離脂肪酸の含有量を押えるとさらによい。これにより保存安定性がさらに優れるようになる。遊離アルコール、遊離脂肪酸は、それぞれキャンデリラワックス中10%以下に押えることが好ましい。
本発明に用いられる前記キャンデリラワックスの含有量は、油性固形化粧料全量中0.1〜20質量%が好ましい。キャンデリラワックスをこの範囲で含有することにより、本発明の目的を充分に達成することができる。前記キャンデリラワックスの含有量は1〜15質量%の範囲がさらに好ましい。
本発明においては、固形状油としてさらに水素添加ホホバエステルを配合することが好ましい。
水素添加ホホバエステルの配合により、本発明の目的を充分に達成することができ、特に優れた使用感と、優れた塗布後の仕上がり感が得られる。
本発明において用いられる前記水素添加ホホバエステルは、ホホバ油を水素添加し、ホホバ油中の炭素炭素間二重結合(以下、単に二重結合という。)の一部または全部を飽和結合にしたものである。すなわち、水素添加ホホバエステルには、水素添加の度合により、二重結合を残した水素添加物である部分水素添加ホホバエステル、及び完全に二重結合が飽和された完全水素添加ホホバエステルが存在するが、いずれも用いることができる。本発明においては、水素添加率が高い水素添加ホホバエステルを用いることが好ましい。
水素添加ホホバエステルは水素添加の度合により融点が変化し、水素添加率が高くなる程融点が上昇するので、好ましい水素添加ホホバエステルは融点が45℃以上になる迄水素添加された水素添加ホホバエステルである。さらに好ましい水素添加ホホバエステルは融点50℃以上のものであり、特に完全水素添加ホホバエステルが好ましく、その融点は66〜70℃である。
本発明の水素添加ホホバエステルは、市販品を用いることが可能であり、市販品の例としては、例えば、FLORAESTERS20(分子中に二重結合を2つ持つ総炭素数40のエステル及び分子中に二重結合を2つ持つ総炭素数42のエステルを主成分とする部分水素添加ホホバエステル;融点42〜48℃)、FLORAESTERS30(分子中に二重結合を1つ持つ総炭素数40及び42のエステル、並びに分子中に二重結合を2つ持つ総炭素数40及び42のエステルを主成分とする部分水素添加ホホバエステル;融点47〜51℃)、FLORAESTERS60(分子中に二重結合を1つ持つ総炭素数40のエステル及び分子中に二重結合を1つ持つ総炭素数42のエステルを主成分とする部分水素添加ホホバエステル;融点56〜60℃)、FLORAESTERS70(分子中に二重結合のない総炭素数42のエステルを主成分とする完全水素添加ホホバエステル;融点66〜70℃)(以上、INTERNATIONAL FLORA TECHNOLOGIES製)等が挙げられる。
前記水素添加ホホバエステルを配合する場合の含有量は、油性固形化粧料全量中0.1〜20質量%が好ましい。水素添加ホホバエステルをこの範囲で含有することにより、水素添加ホホバエステルの添加効果を充分に発揮することができる。水素添加ホホバエステルの含有量は1〜10質量%の範囲が特に好ましい。
本発明においては、固形状油としてキャンデリラワックス、水素添加ホホバエステル以外に他の植物由来の固形状油をさらに配合することができる。
配合し得る他の植物由来の固形状油としては、通常化粧料に用いられる植物由来の固形状油であれば特に制限されず、例えば、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ核油、モクロウ、硬化ヒマシ油等の固体油脂、綿ロウ、カルナウバロウ(ワックス)、ベイベリーロウ、ヌカロウ、硬化ヌカロウ、サトウキビロウ等のロウ類、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール等の高級アルコール等が挙げられる。これらの他の植物由来の固形状油は1種または2種以上を任意に選択して配合される。
本発明においては、植物由来の固形状油のうち、植物抽出物そのもの及び植物抽出物の変性物を用いた場合、特に高度に悪化する問題点を効果的に解決するので、前記固形状油を用いて調製された油性固形化粧料に本発明を適用することが本発明の好ましい態様となる。
本発明においては植物由来の固形状油の含有量が油性固形化粧料全量中5〜30質量%であることが好ましい。
本発明に用いられる液状油は、無機性/有機性が0.3以下のものである。無機性/有機性が0.3以下の液状油を本発明に係るキャンデリラワックスと組み合わせて用いることにより、形状保持性等の経時保存安定性、使用感、化粧仕上がり感等に優れる油性固形化粧料を得ることができる。
ここでいう無機性、有機性とは有機化合物の構造から非化学結合分子間力を非極性:極性という2つの値として求め、有機化合物の物理的性状の指標となるものである。具体的には、有機性は炭素数の大小の比較で、無機性値は炭素同数の炭化水素との沸点の比較でその大小が得られる。
無機性値、有機性値の計算に当たっては、炭素(C)1個を有機性値20と決め、無機性は有機性値が20であるとき、水酸基(OH)が沸点へ及ぼす影響力よりその無機性値100を基準として、他の置換基も求められる。具体的には、例えば、甲田善生著「有機概念図」−基礎と応用−(三共出版;1984)の記載に従って計算され、同書第13頁の「無機性基表」の数値(例えば、エステル基、OH基、エーテル基、二重結合はいずれも無機性基であり、その無機性基の数値は、エステル基が60、OH基が100、エーテル基が20、二重結合が2であり、またiso分岐は有機性兼無機性基であり、その有機性基の数値は−10、無機性基の数値は0である。)に基づいて計算される。なお、「無機性基表」にない数値については同書記載の方法によって計算される。
例えばトリイソステアリン酸グリセリルは、有機性値については、総炭素数57で、Iso分枝が3個あるので、20×57−10×3=1110と計算される。また、無機性値については、エステル基3個であるので、60×3=180と計算される。したがって、無機性値/有機性値は0.162となる。
無機性/有機性が0.3以下の液状油の例としては、例えば、植物由来の液状油として、大豆油、アボガド油、オリーブ油、植物性スクワラン、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ヒマワリ油、パーム油、アルモンド油、ココナッツ油、コメヌカ油、ピーナッツ油、ローズヒップ油、ツバキ油、トリイソステアリン酸グリセリル等の植物由来のトリグリセライド、トリイソステアリン酸ポリグリセリル等の植物由来のポリグリセリンエステル、ダイマージオールまたはダイマー酸のエステル、炭化水素類、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル等の低級アルコールの脂肪酸エステル、イソノナン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル等の高級アルコールの脂肪酸エステル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジイソステアリン酸プロピレングリコール等の多価アルコールの脂肪酸エステル、高級脂肪酸、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール類等が挙げられる。
その他、鎖状ポリシロキサン、環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、シリコーン油、フッ素油等が挙げられる。
なお、前記本発明に係る液状油の無機性/有機性の具体的な値は、例えば、大豆油が0.163、オリーブ油が0.231、植物性スクワランが0、ホホバ油が0.068、ココナッツ油が0.231、トリイソステアリン酸グリセリルが0.162、ミリスチン酸イソプロピルが0.182、イソステアリン酸イソプロピルが0.150、ミリスチン酸オクチルドデシルが0.089、オレイン酸オクチルドデシルが0.082、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコールが0.261、ジイソステアリン酸プロピレングリコールが0.158、オレイルアルコールが0.283、イソステアリルアルコールが0.286である。
前記本発明に係る液状油は、1種または2種以上が任意に選択されて配合される。
本発明においては、前記本発明に係る液状油として植物由来のものを用いた場合、特に高度に悪化する問題点を効果的に解決するので、植物由来の前記本発明に係る液状油を用いた系に本発明を適用することが本発明の好ましい態様となる。本発明においては、植物由来の前記本発明に係る液状油のうち、植物抽出物そのもの及び植物抽出物の変性物を用いて調製された油性固形化粧料に本発明を適用することが、さらに好ましい態様である。
本発明に用いられる前記本発明に係る液状油の含有量は、油性固形化粧料全量中10〜80質量%が好ましい。前記液状油をこの範囲で含有することにより、本発明の目的を充分に達成することができる。前記液状油の含有量は、油性固形化粧料全量中15〜70質量%の範囲が特に好ましい。
本発明においては、さらに半固形状油を配合することができる。半固形状油としては、通常化粧料に用いられる半固形状油を用いることができ、例えば、植物由来の半固形状油として、ステアリン酸硬化ヒマシ油、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリル、シア脂、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸ジヒドロコレステリル、リシノレイン酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、ダイマージリノール酸ジ(フィトステリル・イソステアリル・セチル・ステアリル・ベヘニル)エステル、水添野菜油等が挙げられる。半固形状油は必要に応じて1種または2種以上が用いられる。
本発明においては、半固形状油も含めて全ての油分を植物由来のものを用いた場合、特に高度に悪化する問題点を効果的に解決するので、植物由来の油分を用いて調製された油性固形化粧料に本発明を適用することが本発明の好ましい態様となる。
半固形状油を配合する場合、その含有量は油性固形化粧料全量中1〜40質量%であることが好ましい。半固形状油をこの範囲で含有することにより、半固形状油の添加効果を充分に発揮することができる。半固形状油の含有量は、油性固形化粧料全量中3〜30質量%の範囲が特に好ましい。
本発明において用いられる有機色素としては、通常化粧料に用いられる有機色素であり、特に限定されないが、例えば、赤色227号、赤色2号、赤色102号、黄色203号、黄色5号、黄色4号、緑色204号、青色2号、赤色104号(1)、青色1号、赤色201号、赤色202号、赤色223号、赤色226号、赤色228号、赤色230号等が挙げられる。有機色素は、1種または2種以上が任意に選択されて配合される。
本発明に用いられる有機色素の含有量は、油性固形化粧料全量中0.1〜10質量%であることが好ましい。前記有機色素をこの範囲で含有することにより、本発明の目的を充分に達成することができる。
本発明においては、前記成分の他に通常の化粧料に使用されるパール剤、白色顔料、体質顔料、無機顔料、酸化防止剤、防腐剤、多価アルコール類、香料、美容成分、無機物で覆われた有機粉体等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択して用いることができる。
本発明の油性固形化粧料は常法に従って製造することができ、その形態としては特に限定されず、広く各種化粧品基剤として利用できる。例えば、口紅、リップクリーム、フェースカラー、ファンデーション、頬紅、アイカラー、アイシャドウ等が挙げられる。
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。配合量は特に断りのない限り質量%である。実施例の説明に先立ち本発明で用いた効果試験方法、評価基準などについて説明する。
[経時保存安定性(形状保持性等)]
試験試料(油性固形化粧料)を、40℃(湿度85%)に保持された恒温槽、50℃に保持された恒温槽、−5℃で8時間保持した後に、20℃(湿度85%)で4時間保持し、次いで40℃(湿度85%)で8時間保持し、さらに20℃(湿度85%)で4時間保持するというサイクルで内部の雰囲気が変化する恒温槽(サイクルの恒温槽)の3つの恒温槽それぞれに1ヶ月保存された試験試料につき、状態の変化の有無を下記の基準に従って評価した。
(評価基準)
○:いずれの恒温槽に保存された試験試料も変化がみられなかった。
△:40℃、50℃、サイクルの恒温槽のいずれか1つで変化が見られた。
×:40℃、50℃、サイクルの恒温槽のいずれか2つ以上で変化が見られた。
[使用感・化粧仕上がり感]
試験試料(油性固形化粧料)を皮膚に塗布したときの塗布感の心地よさ(肌なじみ)、塗布の滑らかさ、皮膚上でののびのよさ等の使用感、塗布後の皮膚の乾燥感のなさ等の化粧仕上がり感について、10名の女性パネルに、皮膚に塗布した時の肌なじみ、塗布の滑らかさ、試験試料の皮膚上でののびのよさを下記の評価基準に従って評価してもらい、評価の結果は、下記の判断基準に基づいて3ランクに分けた。
(評価基準)
肌なじみ :悪い 0←1←2→3→4 良い(なじむ)
塗布の滑らかさ:悪い 0←1←2→3→4 良い(滑らか)
のびのよさ :悪い 0←1←2→3→4 良い(のびる)
乾燥感のなさ :乾燥感がある 0←1←2→3→4 乾燥感がない(粉っぽい感触がなく、しっとりしている)
0:非常に 1:割合 2:どちらともいえない 3:割合 4:非常に
(判断基準)
○:10名の評価の平均値が3以上4以下
△:10名の評価の平均値が1以上3未満
×:10名の評価の平均値が0以上1未満
(実施例1、比較例1〜3)
表1に示す処方のリップスティック(油性固形化粧料)を以下の方法で調製した。成分1〜11を加熱溶解した後、混合分散し、リップスティックバルクを得た。次いで、該リップスティックバルクを85℃で溶解し、金型に流し込み、冷却し、金型からリップスティックを取り出し、容器に装着してリップスティックを得た。
表1中、
注1;精製キャンデリラワックスNC1630(炭化水素含有量60%以上)(樹脂含有量2%以下)(株式会社セラリカ野田製)
注2;FLORAESTERS70(INTERNATIONAL FLORA TECHNOLOGIES製)
注3;精製キャンデリラワックス特号(炭化水素含有量60%未満)(株式会社セラリカ野田製)
実施例1及び比較例1〜3の評価結果を表2に示した。
表2から明らかなように、本発明のキャンデリラワックスと無機性/有機性が0.3以下の液状油を配合した実施例1のリップスティックは、経時保存安定性(形状保持性)に優れ、使用感、化粧仕上がり感の良いものであることが分かる。さらに、実施例1のリップスティックは、キャンデリラワックス添加による形状保持性、使用感の向上の効果が発揮されていることが分かる。なお、本実施例においては、油分の全てを植物由来のものを用いて調製されている。
一方、比較例1〜3のリップスティックにおいて、本発明のキャンデリラワックスを配合しても液状油として無機性/有機性が0.3を超えたものが配合されたリップスティック(比較例1)、本発明の範囲外のキャンデリラワックスを配合したリップスティック(比較例2〜3)は、いずれも本発明の効果を発揮し得ないものであった。なお、比較例2のリップスティックにおいては、無機性/有機性が0.3以下の液状油を配合しているが、本発明の効果は得られていない。
以下、常法に従って製造した種々の処方の本発明油性固形化粧料を実施例として示す。なお、上記の効果試験をこれらにおいて行ったところ、いずれも優れた結果が得られた。
〔実施例2〕 リップスティック
成分 配合量(質量%)
キャンデリラワックス(注1) 9.0
水素添加ホホバエステル(注2) 1.0
カルナウバワックス 4.0
植物性スクワラン(注3) 35.7
ホホバ油 26.0
イソステアリン酸硬化ひまし油 20.0
黄色4号 1.0
赤色202号 3.0
酸化防止剤 0.1
防腐剤 0.1
香料 0.1
注1:精製キャンデリラワックスNC1630(炭化水素含有量60%以上)(樹脂含有量2%以下)(株式会社セラリカ野田製)
注2:FLORAESTERS70(INTERNATIONAL FLORA TECHNOLOGIES製)
注3:フィトスクワラン(ソフィム社製)
〔実施例3〕 スティックファンデーション
成分 配合量(質量%)
キャンデリラワックス(注1) 10.0
水素添加ホホバエステル(注2) 4.0
ステアリン酸硬化ひまし油(注3) 5.0
マカデミアナッツ油(注4) 4.0
植物性スクワラン 24.7
ホホバ油 8.0
シリコーン処理酸化鉄 1.7
シリコーン処理酸化チタン 8.0
シリコーン処理タルク 8.3
シリコーン処理マイカ 23.0
赤色202号 1.0
紫外線吸収剤 2.0
酸化防止剤 0.1
防腐剤 0.1
香料 0.1
注1:精製キャンデリラワックスNC1630(炭化水素含有量60%以上)(樹脂含有量2%以下)(株式会社セラリカ野田製)
注2:FLORAESTERS70(INTERNATIONAL FLORA TECHNOLOGIES製)
注3:キャストライドMS(ナショナル美松株式会社製)
注4:NIKKOL マカデミアンナッツ油(日本サーファクタント工業株式会社製)
〔実施例4〕 フェースカラー
成分 配合量(質量%)
ホホバ油 29.2
キャンデリラワックス(注1) 3.0
水素添加ホホバエステル(注2) 2.0
オリーブ油(注3) 0.5
植物性スクワラン(注4) 16.0
マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル(注5) 4.0
シリコーン処理酸化チタン 12.0
シリコーン処理タルク 9.5
シリコーン処理マイカ 14.5
シリコーン処理酸化鉄 4.0
黄色5号 0.7
赤色202号 1.3
紫外線吸収剤 3.0
酸化防止剤 0.1
防腐剤 0.1
香料 0.1
注1:精製キャンデリラワックスNC1630(炭化水素含有量60%以上)(樹脂含有量2%以下)(株式会社セラリカ野田製)
注2:FLORAESTERS70(INTERNATIONAL FLORA TECHNOLOGIES製)
注3:クロピュアOL(クローダジャパン株式会社製)
注4:フィトスクワラン(ソフィム社製)
注5:YOFCO MAS(日本精化株式会社製)
〔実施例5〕 リップスティック
成分 配合量(質量%)
キャンデリラワックス(注1) 8.0
キャンデリラワックス(注2) 1.0
キャンデリラワックス(注3) 1.0
水素添加ホホバエステル(注4) 2.0
カルナウバワックス 2.0
植物性スクワラン(注5) 14.4
ホホバ油 15.0
ヒマワリ油 6.0
トリイソステアリン酸グリセリル 16.0
ダイマージリノール酸ジ(フィトステリル・イソステアリル・セチル・ステアリル・ベヘニル)エステル 16.0
マカデミアナッツ油脂肪酸ジヒドロコレステリル 14.0
黄色4号 1.8
赤色202号 2.0
赤色201号 0.5
酸化防止剤 0.1
防腐剤 0.1
香料 0.1
注1:精製キャンデリラワックスNC1630(炭化水素含有量60%以上)(樹脂含有量2%以下)(株式会社セラリカ野田製)
注2:精製キャンデリラワックスCG−7(炭化水素含有量60%以上)(樹脂含有量10%以下)(横関油脂工業株式会社製)
注3:精製キャンデリラワックスMD−21(炭化水素含有量80%以上)(樹脂含有量10%以下)(横関油脂工業株式会社製)
注4:FLORAESTERS70(INTERNATIONAL FLORA TECHNOLOGIES製)
注5:フィトスクワラン(ソフィム社製)

Claims (2)

  1. 油分の全てが植物由来の油分である油性固形化粧料において、少なくともキャンデリラワックス成分中の炭化水素含有量が60質量%以上のキャンデリラワックスを化粧料全量中1〜15質量%含む固形状油を化粧料全量中5〜30質量%及液状油を化粧料全量中10〜80質量%、並びに有機色素を化粧料全量中0.1〜10質量%含有し、かつ前記液状油の無機性/有機性が0.3以下であることを特徴とする油性固形化粧料。
  2. さらに、固形状油として水素添加ホホバエステルを配合することを特徴とする請求項1
    記載の油性固形化粧料。
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