JP5060589B2 - 収音再生装置、方法及びプログラム、ハンズフリー装置 - Google Patents

収音再生装置、方法及びプログラム、ハンズフリー装置 Download PDF

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Description

この発明は、音声会議等のハンズフリー方式で音声や楽音などの音を取得する装置に関するもので、特にスピーカからマイクへの音の周り込みによるエコーやハウリングの発生を防止するために、特定の方向から到来する音を抑圧するための技術に関する。
特許文献1に記載されたハンズフリー装置は、1個のスピーカと、このスピーカを中心とする円周上に等間隔で配置されたN個のマイクとを備え、N個のマイクで収音された音信号の位相を2π/N[rad]ずつずらしている。このように位相をずらすことによりスピーカから発せられる音を抑圧しつつ他の地点から発せられる音を収音することが可能となる。
特許第3740313号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたハンズフリー装置は、自身のスピーカから発せされる音を抑圧することはできるが、他の地点から発せられる音を抑圧することができないという課題があった。例えば大人数での会議や広いスペースで用いるために特許文献1に記載されたハンズフリー装置を同一スペースに複数配置した場合には、他のハンズフリー装置のスピーカから発せられた音を抑圧することができないという課題があった。
上記の課題を解決するために、ハンズフリー装置は、スピーカを中心とする円周上に90度間隔で配置された4個のマイクのそれぞれで収音された音信号の位相を90度ずつずらす移相器と、上記4個のマイクの内上記スピーカ以外の他のスピーカに向いているマイクで収音された音信号を低減又は除去する制御部と、位相がずらされ少なくとも1つが低減又は除去された音信号を加算する加算部と、を備えるまた、ハンズフリー装置は、加算部が出力した信号を複数の周波数領域信号に変換する周波数領域変換部と、4個のマイクで収音された音信号を用いて特定方向からの音信号を抑圧する各周波数領域信号に対応する利得係数を計算する特定方向抑圧ゲイン算出部と、各周波数領域信号とその各周波数領域信号に対応する利得係数とを乗算する複数の乗算部と、乗算部が出力した信号を時間領域信号に変換する逆周波数領域変換部と、を更に備える。
自身のスピーカで発せられた音を抑圧するのみならず、自身のスピーカ以外の他のスピーカに向いているマイクで収音された音信号を低減又は除去することにより、その他のスピーカで発せられた音を抑圧することができる。
第一実施形態のハンズフリー装置の例の機能ブロック図。 重みの付け方を説明するための図。 重みの付け方を説明するための図。 重みの付け方を説明するための図。 ハンズフリー装置を直列に接続することにより構成した収音再生装置の例の機能ブロック図。 移相器の例の機能ブロック図。 制御部の例の機能ブロック図。 制御部の他の例の機能ブロック図。 収音再生装置の他の例の機能ブロック図。 第二実施形態の収音再生装置の例の機能ブロック図。 特定方向抑圧ゲイン算出部の例の機能ブロック図。 ビームフォーマー部の例の機能ブロック図。 信号量推定部の例の機能ブロック図。 ビームフォーマー部の指向特性を説明するための図。 利得係数算出部の例の機能ブロック図。 従来技術による実験結果を示す図。 第一実施形態の収音再生方法による実験結果を示す図。 収音再生方法の例を示す流れ図。 第一実施形態のハンズフリー装置の例の他の機能ブロック図。 重みの付け方を説明するための図。
[第一実施形態]
第一実施形態のハンズフリー装置は、図1に示すように、ネットワーク1から送られてきた音信号に基づいて音を再生するスピーカ2と、周囲の音を収音する4つのマイク31,32,33,34と、収音された音信号の少なくとも1つを低減又は除去する制御部4と、収音された音信号の位相をずらす移相器5と、位相がずらされ少なくとも1つが低減又は除去された音信号を加算する加算部6とを例えば備える。収音再生装置は、少なくとも2つのハンズフリー装置を直列に接続したものである。
マイク31,32,33,34は、スピーカ2を中心とする円周上に等間隔、すなわち90度間隔で配置されている。この例では、マイク31,32,33,34は、スピーカ2を中心とする円の外周方向に向けられている。マイク31,32,33,34で収音された音信号は、制御部4に送られる(ステップS1、図18)。
制御部4は、マイク31,32,33,34の内、スピーカ2以外の他のスピーカに向いているマイクで収音された音信号を低減又は除去する(ステップS2)。ここで、他のスピーカとは、例えば、同一スペース内に設置された他のハンズフリー装置のスピーカを意味する。また、マイクがスピーカに向いているとは、そのマイクの指向性の方向が他のスピーカと同じ方向であること、そのマイクの指向性の方向がそのマイク以外の何れのマイクの指向性の方向より他のスピーカの方向に近いこと、そのマイクを含む2つのマイクの指向性の方向が他の2つのマイクの指向性の方向よりも他のスピーカの方向に近いこと、の何れかを意味する。
この例では、制御部4は、マイク31,32,33,34と加算部6との間にそれぞれ配置された重み付加器41,42,43,44で構成されている。重み付加器41,42,43,44には、それぞれ重みw,w,w,wが設定されている。重みw,w,w,wは、指向性の方向がスピーカ2以外の他のスピーカの方向であるマイクの重みの絶対値が他のマイクの重みの絶対値よりも小さくなるように設定される。重み付加器41,42,43,44は、設定された重みw,w,w,wと入力された音信号とを乗算する。
図2から図4において、ドットで示した領域が発せられる音を収音したい領域であり、ドットがない領域は発せられる音を抑圧したい領域であるとする。図2のように、マイク34の方向から発せられる音を抑圧したい場合には、マイク34に対応する重みwの絶対値を他のマイク31,32,33に対応する重みw,w,wの絶対値よりも小さくする。図3のように、マイク32,33,34の方向から発せられる音を抑圧したい場合には、マイク32,33,34にそれぞれ対応する重みw,w,wの絶対値を他のマイク31に対応する重みwの絶対値よりも小さくする。図4のように、マイク32,34の方向から発せられる音を抑圧したい場合には、マイク32,34にそれぞれ対応する重みw,wの絶対値を他のマイク31,33に対応する重みw,wの絶対値よりも小さくする。図20のように、他のスピーカSが2つのマイク31,32の指向性の方向の真ん中にあり、マイク31,32の方向から発せられる音を抑圧したい場合には、マイク31,32にそれぞれ対応する重みw,wの絶対値を、他のマイク33,34にそれぞれ対応する重みw,wの絶対値よりも小さくする。例えば、w=w=0,w=w=1とする。
また、図5に例示するように、収音再生装置が直列に接続された3個のハンズフリー装置H1,H2,H3から構成されているとする。各ハンズフリー装置H1,H2,H3は、図1に例示したハンズフリー装置と同様の構成を備える。ハンズフリー装置H1,H2,H3のそれぞれのスピーカはネットワーク1から送られてきた音信号に基づいて音を再生し、ハンズフリー装置H1,H2,H3のそれぞれのマイクで収音された音信号は制御部、移相器及び加算部による処理を経た後に、全てのハンズフリー装置の加算部6の出力信号をミキシングした信号が、ネットワーク1を介して他のスペースにあるハンズフリー装置に送られる。この場合は、例えば、図19に示すように、図1のハンズフリー装置の各構成に加え、同一スペースにある他のハンズフリー装置の加算部6の出力信号を入力する入力部112と、入力部112からの信号と自装置の加算部6の出力信号をミキシングするミキシング部111と、を備えるようにしてもよい。
以下、ハンズフリー装置H3のマイク3m(m=1,2,3,4)に対応する重み付加器4mの重みをwと表記する。この場合、ハンズフリー装置H2のスピーカ2に向いている、ハンズフリー装置H3のマイク34に対応する重み付加器44の重みwの絶対値を、他の重みw,w,wの絶対値よりも小さく設定する。例えば、重みw=w=w=1,w=0と設定する。このようにして、部屋Rのドットで示した領域からの音を収音し、ドットで示さなかった領域からの音を低減又は除去する。
図1及び図6を用いて、移相器5の説明を行う。移相器5は、マイク31,32,33,34で収音された音信号の位相を90度ずつずらす(ステップS3)。移相器5は、例えば図6に示すように、入力された一方の信号を他方の信号に対して90度ずらすいわゆる90度ハイブリッド回路である移相器51,52と、入力された信号の位相を反転する位相反転器53,54とから構成される。位相がずらされた音信号は、加算部6に送られる。移相器5に入力される4つの音信号の位相がα度であるとすると、移相器51,52のそれぞれから位相α度の音信号と位相α+90度の音信号とが出力される。位相反転器53は移相器52が出力した位相α度の音信号の位相を反転して位相(α+180)度の音信号を出力する。位相反転器54は移相器52が出力した位相α+90度の音信号の位相を反転して位相(α+270)度の音信号を出力する。加算部6による加算の結果、位相αの音信号と位相(α+180)の音信号とが逆相の関係になり打ち消しあい、位相α+90度の音信号と位相(α+270)度の音信号とが逆相の関係になり打ち消しあう。
加算部6は、制御部4により少なくとも1つの音信号が低減又は除去され、移相器5により位相がずらされた音信号を加算する(ステップS4)。加算された音信号は、ネットワーク1を介して他のハンズフリー装置に送られる。
このように、マイク31,32,33,34で収音された音信号の位相をずらすことにより自身のスピーカ2から発せられた音を低減しつつ、自身のスピーカ以外の他のスピーカに向いているマイクで収音された音信号を低減又は除去することによりその他のスピーカで発せられた音信号も抑圧することができる。
[第二実施形態]
第二実施形態のハンズフリー装置は、第一実施形態のハンズフリー装置に特開2009−44588に記載された構成を加えたものである。具体的には、第二実施形態のハンズフリー装置は、第一実施形態のハンズフリー装置の構成に加えて、図10に例示するように、特定方向抑圧ゲイン算出部7、周波数領域変換部8、乗算部9−1,9−2,…,9−Ω、逆周波数領域変換部10を更に含む。これらの追加した構成により、他のスピーカで発せられた音信号を更に抑圧する。以下では、第一実施形態と異なる部分を中心にして説明をする。同様の部分については重複説明を略する。
図10に示す周波数領域変換部8は、加算部6が出力した信号をフーリエ変換により周波数領域信号に変換する(ステップS5、図18)。全周波数帯域がΩ個の周波数帯域1,2,…,x,…,Ωに分割されているとして、周波数帯域xに含まれる全ての周波数領域信号が乗算部9−xに入力される。すなわち、周波数帯域1に含まれる全ての周波数領域信号が乗算部9−1に入力され、周波数帯域2に含まれる全ての周波数領域信号が乗算部9−2に入力され、…、周波数帯域Ωに含まれる全ての周波数領域信号が乗算部9−Ωに入力される。
特定方向抑圧ゲイン算出部7は、マイク31,32,33,34で収音された音信号を用いて特定方向からの音信号を抑圧する各上記周波数領域信号に対応する利得係数を計算する(ステップS6)。計算されたΩ個の利得係数は、それぞれ乗算部9−1,9−2,…,9−Ωに送られる。
特定方向抑圧ゲイン算出部7は、図11に例示するように、ビームフォーマー部12−1,12−2,…,12−Q、周波数領域変換部13−1,13−2,…,13−Q,帯域分割部19−1,19−2,…,19−Q、信号量推定部14−1,14−2,…,14−Ω、利得係数算出部16−1,16−2,…,16−Ωを含む。
図12はビームフォーマー部12−1,12−2,…,12−Qの中の一つであるビームフォーマー部12−xの構成を示している。同様の処理がすべてのビームフォーマー部において行われる。入力された信号x(n)(m=1,2,…,M)はフィルタ処理部FC1〜FCMに入力される。フィルタ処理部FC1〜FCMではあらかじめ与えられた(決定方法は後述する)フィルタ係数Wqm(n)を、式(1)に示す畳み込み演算に代入して得られる信号x’qm(n)を出力する。この発明では、マイクの数が4であるのでM=4である。
各フィルタ処理部FC1〜FCMの出力信号は加算部ADDに入力される。加算部ADDでは入力信号を式(2)のように加算し、ビームフォーマー部の出力信号y(n)(q=1,…,Q)を得る。
ここでフィルタ係数Wqm(n)は、それぞれのビームフォーマー部12−1,12−2,…,12−Qの指向特性D(ω,θ)が、あらかじめ与えられた第Q方向領域Θで発せられる音を強調して受音し、それ以外の方向で発せられる音を抑圧するように設計される。ビームフォーマー部12−1,12−2,…,12−Qには、それぞれ異なる方向領域Θ〜Θが予め与えられている。ビームフォーマー部12−1,12−2,…,12−Qの出力信号y(n),y(n),…,y(n)は、それぞれ周波数領域変換部13−1,13−2,…,13−Qに入力される。
図11に示す周波数領域変換部13−1,13−2,…,13−Qは、入力された信号を短い時間長(例えばサンプリング周波数16000Hzの場合には256サンプル程度)のフレームに分解し、それぞれのフレームにおいて離散フーリエ変換を行って、得られた周波数成分を出力信号Y(ω,l),Y(ω,l),…,Y(ω,l)として出力する。周波数領域変換された出力信号Y(ω,l),Y(ω,l),…,Y(ω,l)は、それぞれ帯域分割部19−1,19−2,…,19−Qにそれぞれ入力される。
全周波数帯域がΩ個の周波数帯域1,2,…,x,…,Ωに分割されているとして、帯域分割部19−1,19−2,…,19−Qは、それぞれ出力信号Y(ω,l),Y(ω,l),…,Y(ω,l)を周波数帯域に分割する。これにより、例えば、周波数帯域1に含まれる出力信号Y(ω,l),Y(ω,l),…,Y(ω,l)が、言い換えればω∈周波数帯域1であるすべてのY(ω,l),Y(ω,l),…,Y(ω,l)が、信号量推定部14−1に入力される。同様にして、周波数帯域xに含まれる出力信号Y(ω,l),Y(ω,l),…,Y(ω,l)が、言い換えればω∈周波数帯域xであるすべてのY(ω,l),Y(ω,l),…,Y(ω,l)が、信号量推定部14−xに入力される。
図13は信号量推定部14−1,14−2,…,14−Ωの中の一つである信号量推定部14−xの構成を示している。同様の処理がすべての信号量推定部において行われる。信号量推定部14−xに入力される周波数成分Y(ω,l),Y(ω,l),…,Y(ω,l)は、それぞれパワー演算部PW−1,PW−2,…,PW−Qに入力され、それぞれ信号のパワー値|Y(ω,l)|,|Y(ω,l)|,…,|Y(ω,l)|が出力され、領域集約部14Aに入力される。領域集約部14Aは、あらかじめ決められた収音したい領域の集合Sから発せられる信号のパワー値の平均と、抑圧したい領域の集合Nから発せられる信号のパワー平均を求め、その結果からなる集約パワーベクトルY(ω,l)を出力する。
ただし、Nは集合Sに含まれる領域の数、Nは集合Nに含まれる領域の数を示している。また、Nは周波数帯域xに含まれる周波数ビンの数である。なお、すべての方向領域(1〜Q)を集合Sまたは集合Nに所属するようにあらかじめ定めておく。例えば、Q=4のとき、集合Sと集合NをS={1,2}、N={3,4}のように決めればよい。
集約パワーベクトルY(ω,l)は乗算部14Bに入力される。乗算部14Bのもう一方の入力であるパワー推定行列T −1(ω)は、逆行列演算部14Cの出力信号である。
逆行列演算部14Cには式(4)により定義される集約ゲイン行列T(ω)が入力され、その逆行列T −1(ω)を出力する。
集約ゲイン行列T(ω)の各要素は、図14に示すように各ビームフォーマー部の各方向領域に対する指向特性の平均値から求められるパラメータであり、例えば、式(5)に示すよう指向特性の方向に関する平均値を用いる。
αpqはビームフォーマー部12−pの第q方向領域に対する指向特性の平均値である。なお、指向特性は、例えば参考文献1に記載されている技術を用いてフィルタ係数W(n)より求めることができる。
〔参考文献1〕大賀寿郎、山崎芳男、金田豊共著、音響システムとディジタル処理、電子情報通信学会 P.181〜P.186 7.1.2.
図13に示す乗算部14Bは、式(6)に示すように、入力された集約パワーベクトルY(ω,l)とパワー推定行列T −1(ω)の乗算を、推定信号パワーベクトルXxest(ω,l)を出力する。
xest(ω,l)=T −1(ω)Y(ω,l) (6)
図15は利得係数算出部16−1,16−2,…,16−Ωの中の一つである利得係数算出部16−xの構成を示している。同様の処理がすべての利得係数算出部において行われる。信号量推定部14より入力された推定信号パワーベクトルXxest(ω,l)はベクトル要素抽出部16Aに入力される。推定信号パワーベクトルXxest(ω,l)は、式(7)に示すように、入力された集約パワーベクトルの収音領域信号推定パワー|S(ω,l)|を第1成分、入力された集約パワーベクトルの抑圧領域信号推定パワー|N(ω,l)|を第2成分とする。
xest(ω,l)=[|S(ω,l)|,|N(ω,l)| (7)
ベクトル要素抽出部16Aは、収音領域信号推定パワー|S(ω,l)|及び抑圧領域信号推定パワー|N(ω,l)|のそれぞれを出力し、それらをSN比推定部16Bに入力する。SN比推定部16Bでは式(8)を用いて所望方向領域の信号を強調する利得係数R(ω,l)を計算し、乗算部9−xに出力する。
ここで、αは利得係数R(ω,l)によって所望方向領域の信号の強調を調整するパラメータであって、例えばα=1/2とすればよい。
乗算部9−1,9−2,…,9−Ωは、各周波数領域信号とその各周波数領域信号に対応する利得係数とを乗算する(ステップS7)。周波数帯域xに含まれる周波数領域信号に対応する利得係数はR(ω,l)である。すなわち、乗算部9−xは、周波数帯域xに含まれる各周波数領域信号と利得係数R(ω,l)とを乗算する。乗算結果は、逆周波数領域変換部10に送られる。他の乗算部においても同様の処理が行われる。
逆周波数領域変換部10は、逆離散フーリエ変換を行って時間信号に復元された信号y(n)が出力される(ステップS8)。
このように、第一実施形態以外の他の信号強調抑圧装置及び方法を並行して実行してもよい。これにより、更に効果的にその他のスピーカで発せられた音を抑圧することができる。第一実施形態で説明した信号抑圧手段と、第二実施形態で追加した信号抑圧手段の何れか一方で信号を強く抑圧しようとすると出力音が歪む可能性がある。異なる信号抑圧手段を組み合わせることで、この出力音の歪みを防止することができる。
[変形例等]
上記の実施形態では、制御部4は重み付加器41,42,43,44から構成されるとしたが、重みが0か1のいずれかを取る場合には、図7に例示するように、重み付加器41,42,43,44の代わりにスイッチ45,46,47,48を用いてもよい。この場合、スピーカ2以外の他のスピーカに向けられているマイクに対応するスイッチがオフとされる。スイッチがオンの場合には音信号は加算部6に出力されるが、スイッチがオフの場合には音信号は加算部6に出力されないため、音信号が除去されることになる。
また、図8に例示するように、制御部4を、重み付加器とスイッチとを組み合わせることにより構成してもよい。重み付加器の代わりにスイッチを用いることで、重み乗算に要する演算コストを削減することができる。
上記の実施形態では、移相器5の前段に制御部4を位置させたが、図9に例示するように移相器5の後段に制御部4を位置させても良い。すなわち、図1のステップS3をステップS2の前に行っても良い。また、移相器5が図6に例示するように移相器51,52と位相反転器53,54とから構成される場合には、移相器51,52と位相反転器53,54との間に制御部4を位置させてもよい。
収音再生装置は、コンピュータによって実現することができる。この場合、この装置が備えるスピーカ2及びマイク31,32,33,34以外の部分の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、この装置における各部が、コンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、これらの装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
[実験例]
以下、図5に例示した収音再生装置のハンズフリー装置H1に対して、従来技術及び第一実施形態の収音再生方法のそれぞれを適用した場合の指向性を示す。図16は、従来技術を用いた場合のハンズフリー装置H1の指向性を示す。図17は、ハンズフリー装置H1のマイク31,32,33,34の重みをそれぞれw=1/√2,w=0,w=1/√2,w=1として、第一実施形態の収音再生方法を用いた場合のハンズフリー装置H1の指向性を示す。図16、図17において、感度の強さは色の濃淡で表されており、色が薄いほど感度が高いことを表している。また、横軸の方向はハンズフリー装置H1のマイク34の方向が0度であり、反時計回り方向に角度が大きくなるものとする。
図16及び図17を比較すると、従来技術ではハンズフリー装置H1のマイクロホンアレーの感度はハンズフリー装置H2がある方向とは別の方向(例えば90度や270度の方向)に死角が形成されており所望の指向特性が実現されていない。一方、第一実施形態による方法では、ハンズフリー装置H2がある方向(180度の方向)に死角が形成されており所望の特性が実現されていることがわかる。
一方、上述の実験と同じ条件下でハンズフリー装置H1のマイクアレーの、ハンズフリー装置H1自身のスピーカに対する感度も測定したところ、それぞれ−350dB(従来技術)、−22dB(本発明)であった。従来技術と比較すると第一実施形態による収音再生方法では自身のスピーカに対する感度は高くなり、エコーの抑圧性能は劣化するものの−22以上の抑圧効果は得られており、自装置のスピーカから発せられる音を抑圧するだけでなく、直列に接続されている他の装置から発せられる音も抑圧し、エコーやハウリングの発生を防止する効果があることが確認できる。

Claims (8)

  1. スピーカと、上記スピーカを中心とする円周上に90度間隔で配置された4個のマイクと、上記4個のマイクで収音された音信号の位相を90度ずつずらす移相器と、上記4個のマイクで収音された音信号の少なくとも1つを低減又は除去する制御部と、位相がずらされ少なくとも1つが低減又は除去された上記音信号を加算する加算部と、を備えるハンズフリー装置を複数含み、
    各上記ハンズフリー装置の制御部は、上記各ハンズフリー装置と同一スペースに設置された他のハンズフリー装置のスピーカに向いているマイクで収音された音信号を低減又は除去し、
    上記ハンズフリー装置は、上記加算部が出力した信号を複数の周波数領域信号に変換する周波数領域変換部と、上記4個のマイクで収音された音信号を用いて特定方向からの音信号を抑圧する各上記周波数領域信号に対応する利得係数を計算する特定方向抑圧ゲイン算出部と、各上記周波数領域信号とその各周波数領域信号に対応する利得係数とを乗算する複数の乗算部と、上記乗算部が出力した信号を時間領域信号に変換する逆周波数領域変換部と、を更に含む、
    ことを特徴とする収音再生装置。
  2. 請求項1に記載の収音再生装置において、
    上記制御部は、上記4個のマイクで収音された音信号のそれぞれに重みを付ける重み付加器である、
    ことを特徴とする収音再生装置。
  3. 請求項1に記載の収音再生装置において、
    上記制御部は、上記4個のマイクで収音された音信号のそれぞれを上記加算部に出力するかどうかを選択可能なスイッチである、
    ことを特徴とする収音再生装置。
  4. 請求項1に記載の収音再生装置において、
    上記制御部は、上記4個のマイクの内の少なくとも1個のマイクで収音された音信号に重みを付ける重み付加器と、上記4個のマイクの内の他のマイクで収音された音信号を上記加算部に出力するかどうかを選択可能なスイッチとである、
    ことを特徴とする収音再生装置。
  5. スピーカと、上記スピーカを中心とする円周上に90度間隔で配置された4個のマイクと、上記4個のマイクで収音された音信号の位相を90度ずつずらす移相器と、上記4個のマイクで収音された音信号の少なくとも1つを低減又は除去する制御部と、位相がずらされ少なくとも1つが低減又は除去された上記音信号を加算する加算部と、を備えるハンズフリー装置であって、
    上記制御部は、上記ハンズフリー装置と同一スペースに設置された他のハンズフリー装置のスピーカに向いているマイクで収音された音信号を低減又は除去する機能を有し、
    記ハンズフリー装置は、上記加算部が出力した信号を複数の周波数領域信号に変換する周波数領域変換部と、上記4個のマイクで収音された音信号を用いて特定方向からの音信号を抑圧する各上記周波数領域信号に対応する利得係数を計算する特定方向抑圧ゲイン算出部と、各上記周波数領域信号とその各周波数領域信号に対応する利得係数とを乗算する複数の乗算部と、上記乗算部が出力した信号を時間領域信号に変換する逆周波数領域変換部と、を更に含む、
    ことを特徴とするハンズフリー装置。
  6. 請求項に記載のハンズフリー装置において、
    上記制御部は、上記4個のマイクで収音された音信号のそれぞれに重みを付ける重み付加器である、
    ことを特徴とするハンズフリー装置。
  7. 請求項に記載のハンズフリー装置において、
    上記制御部は、上記4個のマイクで収音された音信号のそれぞれを上記加算部に出力するかどうかを選択可能なスイッチである、
    ことを特徴とするハンズフリー装置。
  8. 請求項に記載のハンズフリー装置において、
    上記制御部は、上記4個のマイクの内の少なくとも1個のマイクで収音された音信号に重みを付ける重み付加器と、上記4個のマイクの内の他のマイクで収音された音信号を上記加算部に出力するかどうかを選択可能なスイッチとである、
    ことを特徴とするハンズフリー装置。
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