JP5058569B2 - ダニ駆除用水性液体組成物およびこれを使用したダニ駆除方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、気密性の高い現在の住居環境は、チリダニも生育し易いものになってきており、布団やカーペットをはじめ、住居内の多くがダニアレルゲンで汚染されるようになってきている。また、家畜やペットに寄生したり吸血したりするダニも絶滅には至らず、ペットブームなどを背景として、これらのダニがヒトに対しても影響を及ぼすことが危惧されている。
例えば、非特許文献1には、50℃以上の熱水で加熱することにより殺ダニできることが報告されている。
特許文献1には、繊維製品に対する柔軟化効果や静電気防止効果などを有することが知られ、しかも安全性も高いモノ/またはジ長鎖炭化水素基含有第4級アンモニウム塩を主基剤として、ダニ駆除効果を得る技術が開示されている。
一方、特許文献2には、ダニ駆除用の油性組成物として、カチオン性界面活性剤系抗菌剤と、防ダニ性を有する有機リン系殺虫剤、ピレスロイド系殺虫剤などの化合物、及び非イオン性界面活性剤を併用して、さらに有機溶剤を用いて組成化したものが開示されている。
G.Lindy,「J.Allergy Clin.Immnol.」,vol.90,599(1992)
また、本発明者らが詳細な検討を加えた結果、カチオン性界面活性剤または脂肪族カルボン酸エステル化合物を夫々単独で用いる特許文献1、4の技術では、充分なダニ駆除効果が得られないことが判明した。さらに、特許文献2に開示された組成物は、有機リン系殺虫剤、ピレスロイド系殺虫剤などを使用するとともに、有機溶剤を必須とする油性のものであり、人体安全性、環境適合性の点から好ましいものではない。
また、特許文献3の実施例10において、ジ長鎖炭化水素基含有第4級アンモニウム塩に環状脂肪族カルボン酸エステルであるジヒドロジャスモン酸メチルを併用した水性組成物が開示されているが、本発明者らの評価によれば、このような環状脂肪族カルボン酸エステルをカチオン性界面活性剤と併用しても、その相乗効果は不充分である。
本発明のダニ駆除用水性液体組成物は、カチオン性界面活性剤(A)と、炭素数が5〜33である非環状脂肪族カルボン酸エステル化合物であるカルボン酸エステル化合物(B)とを含有し、前記カチオン性界面活性剤(A)と前記カルボン酸エステル化合物(B)との質量比は、(A)/(B)=3/1〜100/1であることを特徴とする。
前記カチオン性界面活性剤(A)は、分子内に炭素数が8〜22の直鎖状または分岐状の炭化水素基を1個以上有する3級アミン、該3級アミンの中和物、該3級アミンの4級化物からなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
前記カルボン酸エステル化合物(B)は、非環状脂肪族ジカルボン酸ジエステル化合物であることが好ましい。
本発明のダニ駆除方法は、前記ダニ駆除用水性液体組成物を繊維製品の洗濯すすぎ工程で使用するか、対象物の表面に直接付着させることを特徴とする。
本発明のダニ駆除用水性液体組成物(以下、水性液体組成物という場合もある。)は、カチオン性界面活性剤(A)と、特定のカルボン酸エステル化合物(B)とを含有し、溶媒として、水や水に溶解性のある水溶性有機溶剤(以下、まとめて水性溶媒という場合もある。)を含むものである。
カチオン性界面活性剤(A)(以下、(A)成分という場合もある。)としては特に制限はないが、高いダニ駆除効果が得られる点から、分子内に炭素数が8〜22の直鎖状または分岐状の炭化水素基を1個以上有する3級アミン、該3級アミンの中和物、該3級アミンの4級化物からなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。なかでも、3級アミンの中和物、3級アミンの4級化物が好ましく、より好ましくは3級アミンの4級化物、すなわち第4級アンモニウム塩である。
さらに、ここでの炭化水素基は、鎖中にエステル基(−COO−)、アミド基(−NHCO−)、エーテル基(−O−)のうちの1種以上の分断基を有し、これら分断基により鎖が分断されたものであってもよい。なお、鎖中にこれら分断基を有する場合、分断基の炭素数は炭化水素基の炭素数にカウントする。
また、ベンゼン環は、カチオン性界面活性剤(A)中、炭素数8〜22の炭化水素基とは別に存在していてもよい。
なお、炭化水素基が不飽和である場合、二重結合の位置はいずれの箇所にあっても構わないが、二重結合が1個の場合には、その二重結合の位置は炭化水素基の中央であるか、中央値を中心に分布していることが好ましい。
一方、R6はエステル基、アミド基、エーテル基のうちの少なくとも1種の分断基を鎖中に有し、この分断基で分断された炭素数8〜22、特に10〜20の飽和又は不飽和の直鎖状又は分岐状の炭化水素基である。R7及びR8は、それぞれ独立にR6又はR4である。)
また、3級アミン、該3級アミンの中和物、該3級アミンの4級化物の中では、4級化物、すなわち第4級アンモニウム塩が最も好ましく、具体的には、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化パルミチルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム(塩化ステアリルトリメチルアンモニウムと塩化パルミチルトリメチルアンモニウム混合物、アーカードT−800(ライオンアクゾ社製))、N,N−ジアルカロイル(アルカロイル基の炭素数;C16:20質量%、C18:40質量%、C18F1:40質量%の混合物)、オキシエチル−N−ヒドロキシエチルアンモニウムサルフェート(TES−85E(ライオンアクゾ社製))などが挙げられる。
本発明で使用されるカルボン酸エステル化合物(B)は、エステル基を1個以上有し、合計炭素数が5〜33である非環状脂肪族カルボン酸エステル化合物か、エステル基を1個以上有し、合計炭素数が8〜33である芳香族カルボン酸エステル化合物のうちの少なくとも1種である。これら非環状脂肪族カルボン酸エステル化合物や芳香族カルボン酸エステル化合物の合計炭素数は、より好ましくは10〜26、さらに好ましくは12〜18である。炭素数が少ないと揮発性であるために目的とする効果が持続せず、炭素数が多いとたとえ液体でも流動性が悪くなる場合や、高融点物質となって製造しにくくなる場合があり、しかもダニ駆除効果が弱くなる傾向にある。
該芳香族カルボン酸エステルとしては、(i)芳香族モノカルボン酸エステル:安息香酸エステル、o−トルイル酸エステル、m−トルイル酸エステル、p−トルイル酸エステル、キシリル酸エステル、クミン酸エステル、メシチレン酸エステル、サリチル酸エステル、m−ヒドロキシ安息香酸エステル、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、没食子酸エステル、o−アニス酸エステル、m−アニス酸エステル、p−アニス酸エステル、クレオソート酸エステル、2−フランカルボン酸エステル、3−フランカルボン酸エステル、ピコリン酸エステル、(ii)芳香族ジカルボン酸エステル:フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジピコリン酸のモノエステル及びジエステル、(iii)ヒドロケイ皮酸エステル、ケイ皮酸エステル、などを挙げることができる。
具体的には、ジカルボン酸ジエステル化合物としては、フタル酸ジエステル、イソフタル酸ジエステル、テレフタル酸ジエステル、スベリン酸ジエステル、アゼライン酸ジエステル、セバシン酸ジエステル、ウンデカン二酸ジエステル、ドデカン二酸ジエステルなどが好ましい。フェノール性水酸基を有する芳香族カルボン酸エステル化合物のフェノール性水酸基の数に制限は無く、1つのベンゼン環上に1〜5のいずれであってもよいが、エステル基に対し1つ水酸基がついたモノヒドロキシ安息香酸エステルが好ましい。
ジカルボン酸ジエステル化合物の中では、非環状脂肪族ジカルボン酸ジエステル化合物であるアゼライン酸ジエステル、セバシン酸ジエステル、ウンデカン二酸ジエステルが好ましく、モノヒドロキシ安息香酸エステルの中では、サリチル酸エステル、m−ヒドロキシ安息香酸エステル、p−ヒドロキシ安息香酸エステルが最も望ましい。
フェノール性水酸基を有する芳香族カルボン酸エステル類の最も好適な具体例としては、サリチル酸n−ペンチル、サリチル酸イソペンチル、サリチル酸シクロペンチル、サリチル酸n−ヘキシル、サリチル酸シクロヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸3−ヘキセニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸p−トリル、サリチル酸n−ヘプチル、サリチル酸サリチル、サリチル酸フェネチル、サリチル酸n−オクチル、サリチル酸2−エチルヘキシル、サリチル酸n−ノニル、サリチル酸4−t−ブチルフェニル、サリチル酸ナフチル、サリチル酸ボルニル、サリチル酸シトロネリル、サリチル酸ゲラニル、サリチル酸メンチル、サリチル酸ロジニル、m−ヒドロキシ安息香酸n−ペンチル、m−ヒドロキシ安息香酸イソペンチル、m−ヒドロキシ安息香酸シクロペンチル、m−ヒドロキシ安息香酸n−ヘキシル、m−ヒドロキシ安息香酸シクロヘキシル、m−ヒドロキシ安息香酸フェニル、m−ヒドロキシ安息香酸3−ヘキセニル、m−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、m−ヒドロキシ安息香酸p−トリル、m−ヒドロキシ安息香酸n−ヘプチル、m−ヒドロキシ安息香酸サリチル、m−ヒドロキシ安息香酸フェネチル、m−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、m−ヒドロキシ安息香酸2−エチルヘキシル、m−ヒドロキシ安息香酸n−ノニル、m−ヒドロキシ安息香酸4−t−ブチルフェニル、m−ヒドロキシ安息香酸ナフチル、m−ヒドロキシ安息香酸ボルニル、m−ヒドロキシ安息香酸シトロネリル、m−ヒドロキシ安息香酸ゲラニル、m−ヒドロキシ安息香酸メンチル、m−ヒドロキシ安息香酸ロジニル、p−ヒドロキシ安息香酸n−ペンチル、p−ヒドロキシ安息香酸イソペンチル、p−ヒドロキシ安息香酸シクロペンチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−ヘキシル、p−ヒドロキシ安息香酸シクロヘキシル、p−ヒドロキシ安息香酸フェニル、p−ヒドロキシ安息香酸3−ヘキセニル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸p−トリル、p−ヒドロキシ安息香酸n−ヘプチル、p−ヒドロキシ安息香酸サリチル、p−ヒドロキシ安息香酸フェネチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、p−ヒドロキシ安息香酸2−エチルヘキシル、p−ヒドロキシ安息香酸n−ノニル、p−ヒドロキシ安息香酸4−t−ブチルフェニル、p−ヒドロキシ安息香酸ナフチル、p−ヒドロキシ安息香酸ボルニル、p−ヒドロキシ安息香酸シトロネリル、p−ヒドロキシ安息香酸ゲラニル、p−ヒドロキシ安息香酸メンチル、p−ヒドロキシ安息香酸ロジニルなどを挙げることができる。
なお、これら非環状脂肪族ジカルボン酸ジエステル化合物やフェノール性水酸基を有する芳香族カルボン酸エステル化合物は、(A)成分であるカチオン性界面活性剤の存在下において、他のエステルに比べてダニ駆除の対象物に吸着しやすいため、(A)成分と併用した際には高い相乗効果が発現し、優れたダニ駆除効果が得られるものと考えられるが、詳細は不明である。
本発明のダニ駆除用水性液体組成物は、溶媒として水性溶媒を含有するものであって、保存安定性に優れ、安全性も高いものである。
水性溶媒としては、水や、水溶性有機溶剤を含有する水を使用できる。本明細書において、水溶性有機溶剤とは、25℃の温度条件下において該溶剤をイオン交換水に溶解し、濃度1質量%の水溶液とした際に、その調製直後(調製から1分間以内)の水溶液が透明であることを示す。ここで「透明」とは、測定セルとして光路長が10mmのガラスセルを使用し、対照側のセルにイオン交換水を入れた場合、波長660nmの光透過率が95%以上であることを意味する。
水溶性有機溶剤としては低級アルコール、グリコール系溶剤を使用できる。低級アルコールとしては、炭素数1〜4のアルコールを使用でき、具体的にはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノールが挙げられる。低級アルコールのなかではエタノールが好ましく、発酵エタノールや合成エタノールが使用できる。また、各種の変性剤を添加した変性アルコールも使用できる。
一方、グリコール系溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(重量平均分子量100〜3000のものが好ましい)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(例えば、重量平均分子量150〜500のものが好ましい)、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等を挙げることができる。これらの水溶性有機溶剤は、1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
本発明のダニ駆除用水性液体組成物は、上述した(A)成分および(B)成分を必須成分とするとともに、水性溶媒を含有するものであって、例えば、寝具、衣料、カーペット、じゅうたん、畳、ぬいぐるみ、ソファー、マット、家具や床などの木質表面、プラスチック製品の表面など、住居内でダニが存在すると考えられる対象物であれば、いかなるものに対しても使用できる。
具体的なダニ駆除方法としては、(1)繊維製品の洗濯すすぎ工程中に本発明の水性液体組成物を使用する方法、(2)ダニ駆除の対象物の表面に本発明の水性液体組成物を直接付着させる方法、などが挙げられる。(2)の方法において、水性液体組成物を直接付着させる具体的な方法としては、水性液体組成物をスプレー容器などに収納して、対象物の表面に直接噴霧する方法や、水性液体組成物を対象物の表面に綿棒、ハケ、ローラーなどで塗布する方法、ティッシュペーパーやキッチンペーパーなどの紙や布に水性液体組成物を含ませてダニ駆除の対象物の表面に塗布する方法などが挙げられる。
さらには、(A)/(B)の質量比が3/1〜100/1であると、さらに高い相乗効果により充分なダニ駆除効果が得られ、しかも適度な粘度で且つ安定な水性液体組成物とし易い。より好ましい(A)/(B)の質量比は3/1〜50/1であり、(A)/(B)の質量比が高いと相乗効果が低くなり、(A)/(B)の質量比が低いと(B)成分と水との相溶性が低くなり、安定性が低下する場合がある。
具体的には、前記(1)のダニ駆除方法の場合、(A)成分の濃度が10質量%および(B)成分の濃度が3質量%の水性液体組成物であれば、その50mLを50Lのすすぎ水に加えて希釈し使用すればよい。この場合には、希釈処理液中の(A)成分の濃度は100ppm、(B)成分の濃度は30ppmとなる。
一方、上記(2)のように使用する場合には、pHが6.0〜8.0の範囲であることが好ましい。
pH調整には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。
水性液体組成物の粘度を調整するためには、水性液体組成物に無機又は有機の水溶性塩類を含有させる方法が挙げられる。このような水溶性塩類としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム等を用いることができるが、中でも塩化カルシウム、塩化マグネシウムが好ましい。これらの水溶性塩類の濃度は、上記(1)のようにすすぎ工程で使用する水性液体組成物の場合には、該水性液体組成物中、通常0〜1質量%程度とする。
特に(A)成分として、長鎖炭化水素基を2つ以上有するカチオン性界面活性剤を用いた場合は、その水性液体組成物中の含有量に応じて、水性液体組成物の粘度が急激に増加することがある。その場合には、これら水溶性塩類を添加したり、後述の非イオン性界面活性剤を添加したりして、粘度調整することが好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましく、オキシアルキレン基が平均2〜100モル付加されたものがより好ましい。特に、下記一般式(V)で表される非イオン性界面活性剤が好ましい。
多価アニオン性物質の具体例としては、シュウ酸、酒石酸、クエン酸などの多価カルボン酸や、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、アミノトリメチレンホスホン酸、及びこれらの塩が挙げられる。これらのなかでは、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、アミノトリメチレンホスホン酸やそれらの塩がより好ましい。また、塩の種類としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩などが挙げられる。
なお、以上説明した各任意成分は、水性液体組成物の調製時において、いかなるタイミングで加えられてもよい。
表1に示した試薬を用いて、各試薬が表2〜4に示す濃度(質量%)になるように水性液体組成物を調製した。なお、各表に記載の各成分の合計が100質量%となるようにした。試薬は50℃に保温したものを用いた。(A)及び(B)成分を混合し、それにエタノールまたはエタノールとエチレングリコールとの混合物を添加混合し、最後に水を加えて各水性液体組成物を調製した。水を配合する際には、必要に応じて、高速撹拌を加えながらゆっくり配合した。そして、この水性液体組成物を室温とした後、0.1N塩酸または0.1N水酸化ナトリウムを用いて、pH7.0に調整した。pH測定は、ガラス電極式pHメーター(ホリバF−22)を用いて測定した(25℃)。測定方法はJISK3362−1998に準拠して行った。
得られた水性液体組成物を、表2および3の例では水道水を用いて1000倍の希釈倍率で希釈して希釈処理液とし、得られた各希釈処理液を用いて、下記に示す方法でダニ忌避率を求めた。表4の例では、得られた水性液体組成物を希釈せずに使用した。
なお、表2および3に記載の例は、繊維製品の洗濯すすぎ工程で水性液体組成物を使用する場合を想定したもので、一方、表4に記載の例は、水性液体組成物を対象物の表面に直接付着させて使用する場合を想定したものである。
「動物忌避剤の開発と応用(シーエムシー、(1999))」の126頁に記載された方法に準じて、ダニ忌避効果を判定した。
具体的には、表2および3の例では希釈処理液を、表4の例では希釈していないものを0.2mL滴下して乾燥させた直径4cmのろ紙を直径4cmのシャーレ(1)に置き、この上にダニを含まない培地を0.05g置いた。ついで、このシャーレ(1)を、直径9cmのシャーレ(2)の中央に置き、シャーレ(1)とシャーレ(2)の間にヤケヒョウヒダニ約1万匹を生育させた培地を均一に広げ、25℃、75%RH、全暗状態で24時間放置した。24時間後にシャーレ(1)内に存在するダニ匹数を実体顕微鏡で観察してカウントした(試料試験)。
一方、希釈処理液などの代わりに蒸留水を滴下して乾燥させたろ紙をシャーレ(1)に置いて、上記試料試験と同じように試験を行った(対照試験)。
そして、下記式により、ダニ忌避率(%)を求めた。
本試験により求められる忌避率は、約50%以上であることが望ましく、このような忌避率であると、有意な効果を有していると判断できる。結果を表2〜4に記載する。
Claims (5)
- カチオン性界面活性剤(A)と、
炭素数が5〜33である非環状脂肪族カルボン酸エステル化合物であるカルボン酸エステル化合物(B)とを含有し、
前記カチオン性界面活性剤(A)と前記カルボン酸エステル化合物(B)との質量比は、(A)/(B)=3/1〜100/1であることを特徴とするダニ駆除用水性液体組成物。 - 前記カチオン性界面活性剤(A)は、分子内に炭素数が8〜22の直鎖状または分岐状の炭化水素基を1個以上有する3級アミン、該3級アミンの中和物、該3級アミンの4級化物からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のダニ駆除用水性液体組成物。
- 前記カルボン酸エステル化合物(B)は、非環状脂肪族ジカルボン酸ジエステル化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のダニ駆除用水性液体組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のダニ駆除用水性液体組成物を、繊維製品の洗濯すすぎ工程で使用することを特徴とするダニ駆除方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のダニ駆除用水性液体組成物を、対象物の表面に直接付着させることを特徴とするダニ駆除方法。
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