JP5057176B2 - 金属配線評価用パターン、半導体装置及び評価方法 - Google Patents
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Description
上記第1配線部及び第2配線部にはそれぞれパッド部が接続されていると好ましい。
金属配線評価用パターンは、好ましくは、半導体装置内に配設されている。
さらに、金属配線評価用パターンは、好ましくは、寿命測定用の金属配線評価用パターン部を備えており、寿命測定用の金属配線評価用パターン部は、細線からなる配線部と配線部の両端に接続されるパッド部とからなる。
この金属配線評価用パターンは、寿命測定用の金属配線評価用パターン部を備えていてもよく、この寿命測定用の金属配線評価用パターン部は、細線からなる配線部と該配線部の両端に接続されるパッド部とからなる。
寿命測定用の金属配線評価用パターン部を用いて、高温下で金属配線の寿命を測定し、金属配線の寿命と活性化エネルギーとから、金属配線の平均寿命を求めることができる。
図1は、本発明の実施の形態である金属配線評価用パターンの構成を示す模式的な断面図である。図2は図1の模式的な部分平面図である。
金属配線評価用パターン1は、半導体からなる基板11の表面側に設けられ絶縁膜12の表面に配設されている。半導体は半導体装置に用いられる基板であれば何でもよく、シリコン(Si)やGaAsやSiC等の化合物半導体からなる。
金属配線評価用パターン1は、狭窄部2と、この狭窄部2を両側で挟むように配置された左側の第1配線部3と右側の第2配線部4と、から構成されている。図示の場合、第1配線部3及び第2配線部4は三角形のパターンを有している。各三角形の頂点同士が対向しており、この頂点同士の接続する位置に狭窄部2が設けられている。狭窄部2は、後述するように、第1配線部3及び第2配線部4へ電源を接続し、電流を流すことによって最終的には損傷させ、第1配線部3と第2配線部4との電気的接続を無くすために設けている。後述するが、金属配線評価用パターン1によれば、金属配線の破壊におけるエレクトロマイグレーションの活性化エネルギーを測定することができる。
金属配線評価用パターン1Aは半導体装置10の所定の領域に配置され、所謂評価用パターン(TEGとも呼ばれている)として配置されている。半導体装置10は、半導体からなる基板11の表面側に設けられた絶縁膜12と、基板11又は基板11の表面近傍に形成された素子13と、素子用の金属配線14を備えている。図示の場合、金属配線評価用パターン1Aは素子用の金属配線14と同じ材料から構成され、絶縁膜12の表面に配置されている。
これにより、金属配線評価用パターン1Bによれば、狭窄部2が断線の評価対象となる第2配線層8だけで構成されるので、第1配線層7の影響を受けずに第2配線層8の断線評価を正確に行うことができる。
図7は、本発明の金属配線評価用パターンを用いた金属配線の評価を行う金属配線評価装置のブロック図である。金属配線評価装置20は、測定試料となる金属配線評価用パターン1の試料載置部22と、金属配線評価用パターン1に接続端子24を介して電圧を印加する電圧発生部26と、金属配線評価用パターン1に電圧を印加したときに流れる電流を測定する電流検出部28と、制御部30と、から構成されている。
ここで、電流検出部28の他端と接続端子24の一端との間には、雑音除去用のフィルタ32が挿入されていてもよい。フィルタ32としては、例えば高周波除去用のローパスフィルタを用いることができる。
次に、本発明の金属配線評価用パターン1を用いた金属配線の評価方法について説明する。
しかしながら、微分コンダクタンスがある閾値よりも小さいG(i)になったときには、ランプ電圧Vがエレクトロマイグレーション工程で安定するように、急激に減少させた。減少度合いは、例えば10%である。
Rj=R−Rs (1)
金属配線評価用パターン1のコンダクタンスGjは、下記(2)式で定義される。
Gj=(R−Rs)−1=1/Rj (2)
Vj=I/Gj (3)
ここで、Iは、金属配線評価用パターン1を流れる電流である。
初期のコンダクタンスの非常に緩やかな減少の後、電圧帰還制御が開始される。そしてG−V特性は、狭窄部2の破壊工程の進展につれて、電圧Vが減少するという傾向を有した複雑なパターンを示し始める。相1では、Gjが、G0の数百倍大きい初期段階では、電圧のストレス及び緩和の制御に同期して、Gjは、急激な減少と完全でない復帰を繰り返し示す。G0は1量子コンダクタンスであり下記(4)式で表わされる。
G0=2e2/h (4)
ここで、eは電子の単位電荷であり、hはプランク定数である。
図9に示すように、Rjが小さいときは、RjとVcとの関係(Rj−Vc特性とも呼ぶ)は、従来のジュール加熱モデルであるRj=Vc2/P*で良く表わされる。ここで、P*は定数であり、接合におけるエレクトロマイグレーションが生起するときの臨界電力消費として説明することができる。
金属配線評価用パターン1の狭窄部2におけるエレクトロマイグレーションの活性化エネルギーは、相2における臨界接合電圧Vcのヒストグラムを作成し、最も頻度の高い電圧から求めることができる。つまり、最頻値の電位差×(電荷素量q:1.6×10−19C)として活性化エネルギーの値が求められる。
これにより、金属配線評価用パターン1の狭窄部2において、相2の臨界接合電圧のヒストグラムによってピーク値を求めることによって、配線材料に用いる原子の表面自己拡散過程の活性化エネルギーを求めることができる。
次に、金属配線の平均故障寿命(MTTF)の測定方法について説明する。
上記した評価方法によって金属配線評価用パターン1,1A,1Bを用いて、金属配線のエレクトロマイグレーションにおける活性化エネルギーを求めることができる。さらに、金属配線評価用パターン1Cを用いることで、MTTFを測定することができる。
金属配線評価用パターン1の測定は、以下の工程によって求めることができる。
工程1:金属配線評価用パターン1Cにおいて、上記の方法によって、金属配線評価用パターン1,1A,1Bの何れかに用いる金属材料のエレクトロマイグレーションの活性化エネルギーを求める。以下の説明では、金属配線評価用パターン1として説明する。
具体的には、金属配線評価用パターン1に通電を行い、狭窄部2の切断を行い、相2における臨界接合電圧を取得し、臨界接合電圧のヒストグラムを作成し、金属配線評価用パターン1に用いる金属材料のエレクトロマイグレーションの活性化エネルギーを求める。活性化エネルギーの精度を高めるためには、多数の金属配線評価用パターン1,1Aで活性化エネルギーを測定し、その平均値を活性化エネルギーとすることが望ましい。
工程2:金属配線評価用パターン1C内に金属配線評価用パターン1と共に配置されている寿命測定のための金属配線評価用パターン部15を用い、通常の寿命試験である劣化試験を高温(Th)で行い、劣化するまでの寿命を測定する。寿命測定の精度を向上させるには、高温は1点ではなく、複数の高温で行ってもよい。
工程4:寿命tfは、下記(5)式で与えられる。
tf=Aexp(−Ea/(kT)) (5)
ここで、Aは定数、Eaはエレクトロマイグレーションの活性化エネルギー、kはボルツマン定数、Tは絶対温度(K)である。
従って、図10に示すように、片対数グラフへプロットした寿命の点を基準として、工程1で求めた活性化エネルギーを有する直線を低温側まで外挿線を描く。温度Thから低温側への外挿線を用い、低温側の寿命を得る。
(金属配線評価用パターン1の作製)
金属配線評価用パターン1は、高不純物密度添加のp+Si基板11の表面に形成された酸化膜(SiO2膜)上に形成した弱いナノ接合である狭窄部2を備えている。酸化膜12の厚さは100nmである。金属配線評価用パターン1は、材料として金を用い、電子ビーム露光と引き続きの影蒸着で行った。
図11から明らかなように、ランプ電圧を精度良く繰り返し印加することで、ナノ接合及びナノギャップ電極を形成することができた。
図12は、実施例に関し、金属配線評価用パターンのランプ電圧印加直後におけるコンダクタンスと印加電圧の関係を示す図である。図12の横軸は電圧(V)を示し、図12の縦軸はコンダクタンス(mS)を示している。
図12に示すように、ランプ電圧印加直後の初期のコンダクタンスは、非常に緩やかに減少させた後、電圧帰還制御を開始した。コンダクタンスと電圧の特性(G−V特性とも呼ぶ)は、破壊工程の進展につれて、電圧Vが減少するという傾向を有している複雑なパターンを呈し始める。
図13に示すように、狭窄部2のコンダクタンスGjは、ランプ電圧の変化によって220G0〜195G0まで減少する場合を示している。このように、GjがG0の百倍から数百倍と大きい初期段階では、ランプ電圧の上昇(ストレス)及び下降(緩和)の制御に同期して、狭窄部2のコンダクタンスGjは急激な減少と完全ではない増加(復帰)を繰り返し示すと共に、徐々に減少する。
図14に示すように、狭窄部2の破壊工程における相2はGjがG0の数十倍になると生じる相であり、相1からエレクトロマイグレーションモードの相2へ変化することが分かる。図14では、狭窄部2のコンダクタンスがランプ電圧の変化によって42G0〜30G0まで減少する場合を示している。相2では、Gjが量子化コンダクタンスの平坦部を有するようになり、連続的にG0ずつ階段状に減少するようになる。これは、相2で生起するエレクトロマイグレーションでは、金の原子の連続的な1個ずつの剥離が進行していることを示している。
図15から明らかなように、Rjが小さい場合は、接合抵抗Rjと臨界接合電圧Vcの特性(Rj−Vc特性と呼ぶ)は図示する点線の傾きでRjが増加する。この領域が狭窄部2の接合における相1であり、RjとVcとの関係は、従来のジュール加熱モデルで表わされる。Rjが約0.02R0以上では、相1とは異なる傾きとなり、Rj−Vc特性から相2へ移行することが分かる。このように、相2では、狭窄部2の接合の幅が数十原子位に狭くなり、Rj−Vc特性は一定電力の線からずれるようになる。
図16から明らかなように、臨界接合電圧Vcは0.25Vから0.6Vまでの範囲に分布し、ピークが0.42Vであることを示している。ピークの位置は、金線に対する信頼性試から経験的に決定された活性化エネルギーである0.42±0.02eV(非特許文献6参照)と等しいことが判明した。
図17から明らかなように、Vjが0.32Vの場合には、Gjは変化しないことが分かる。一方、Vjが0.46Vの場合のGjは、時間と共に急激に減少していることが分かる。
2:狭窄部
3:第1配線部
4:第2配線部
5,6:パッド部
7:第1配線層
8:第2配線層
10:半導体装置
11:基板
12:絶縁膜
13:素子
14:金属配線
15:寿命測定用の金属配線評価用パターン部
16:配線部
20:金属配線評価装置
22:試料載置部
24:接続端子
26:電圧発生部
28:電流検出部
30:制御部
32:恒温槽(冷凍器)
34:フィルタ
36:ディスプレー部
Claims (11)
- 半導体基板に配設された絶縁膜上の金属配線評価用パターンであって、
狭窄部と、該狭窄部の一端に接続される第1配線部と、該狭窄部の他端に接続される第2配線部と、を備えており、
上記第1配線部と上記第2配線部とが密着層上に形成され、該密着層が上記絶縁膜上に形成され、
上記狭窄部が上記絶縁膜上に直接形成されていることを特徴とする、金属配線評価用パターン。 - 前記金属配線評価用パターンは、該金属配線評価用パターンに使用される金属材料のエレクトロマイグレーションの活性化エネルギーを測定するためのパターンであることを特徴とする、請求項1に記載の金属配線評価用パターン。
- さらに、前記第1配線部及び前記第2配線部にそれぞれ接続されるパッド部を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の金属配線評価用パターン。
- 前記金属配線評価用パターンが、半導体装置内に配設されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の金属配線評価用パターン。
- 前記金属配線評価用パターンは、さらに寿命測定用の金属配線評価用パターン部を備えており、
上記寿命測定用の金属配線評価用パターン部は、細線からなる配線部と該配線部の両端に接続されるパッド部とからなることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の金属配線評価用パターン。 - 金属配線評価用パターンを備えた半導体装置であって、
上記金属配線評価用パターンは、半導体基板に配設された絶縁膜上に配設され、狭窄部と、該狭窄部の一端に接続される第1配線部と、該狭窄部の他端に接続される第2配線部と、を備え、
上記第1配線部と上記第2配線部とが密着層上に形成され、該密着層が上記絶縁膜上に形成され、
上記狭窄部が上記絶縁膜上に直接形成されており、
上記金属配線評価用パターンは、該金属配線評価用パターンに使用される金属材料のエレクトロマイグレーションの活性化エネルギーを測定するためのパターンであることを特徴とする、半導体装置。 - 前記金属配線評価用パターンは、さらに寿命測定用の金属配線評価用パターン部を備えており、
上記寿命測定用の金属配線評価用パターン部は、細線からなる配線部と該配線部の両端に接続されるパッド部とからなることを特徴とする、請求項6に記載の半導体装置。 - 金属配線評価用パターンを用いた金属配線の評価方法であって、
半導体基板上に配設された絶縁膜上に、狭窄部と該狭窄部の一端に接続される第1配線部と、該狭窄部の他端に接続される第2配線部と、からなる上記金属配線評価用パターンを形成し、
上記第1配線部及び第2配線部にランプ電圧を繰り返し印加し、
上記ランプ電圧によって上記第1配線部と上記第2配線部との間に流れる電流から上記狭窄部のコンダクタンスを計算し、
上記ランプ電圧によって、上記コンダクタンスが100G0から数百G0(ここで、G0は1量子コンダクタンスである。)の相1の状態から上記コンダクタンスが10〜60G0の相2の状態を経て、上記狭窄部を破壊しナノ接合を形成し、
上記相2のランプ電圧の最大値である臨界接合電圧(Vc)のヒストグラムを作成し、
該ヒストグラムの最頻値の電圧に電荷素量(q)を乗じた値を、上記金属配線評価用パターンにおけるエレクトロマイグレーションの活性化エネルギーの値として求めることを特徴とする、金属配線の評価方法。 - 前記ランプ電圧を前記第1配線部と前記第2配線部との間に繰り返し印加する際に、前記金属配線評価用パターンを冷却することを特徴とする、請求項8に記載の金属配線の評価方法。
- 前記金属配線評価用パターンと共に、さらに細線からなる配線部と該配線部の両端に接続されるパッド部とからなる寿命測定用の金属配線評価用パターン部を形成することを特徴とする、請求項8又は9に記載の金属配線の評価方法。
- 前記寿命測定用の金属配線評価用パターン部を用いて、高温下で金属配線の寿命を測定し、
上記金属配線の寿命と前記活性化エネルギーとから、金属配線の平均寿命を求めることを特徴とする、請求項8〜10の何れかに記載の金属配線の評価方法。
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