JP5056722B2 - 回路基板の製造方法及び回路基板 - Google Patents

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Description

本発明は、回路基板の製造方法及び回路基板に関し、特に、配線などに用いる無電解めっきを有する回路基板の製造方法及び回路基板に関する。
従来、半導体装置や回路基板の多層配線形成時において、絶縁樹脂層や配線層を平坦化する手法として、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法が用いられてきた。しかし、加工装置が高価であり、スループットも低く、製造コストが高くなる問題があった。
そのため、近年、CMP法に代わる平坦化技術として、低コストで、短時間での加工が可能な研削法が適用され始めてきている。
研削法は、ダイヤモンド、cBN(立方晶窒化ホウ素)または超硬材料からなる研粒をボンドで固定した砥石や研磨剤を、研削面に押し当てて被研削物を除去する技術である。研削法では、高速加工が可能な上、磨滅した研粒は脱落して新しい研粒が露出するため、表面粗さの小さい平坦面を安定して得ることが可能である。
なお、研削法は、CMPなど遊離砥粒による研磨と比較すると、砥粒をボンドにより密に充填した砥石により研削を行うため、研削屑の逃げる空間が少なく、目詰まりがしやすいという欠点がある。そのため、被研削物としては、シリコンやガラスなど靭性が低く、硬くて脆い脆性材料が適している。
一方、本発明者は、安価な無電解めっき法を用いて、絶縁樹脂層の表面に密着性の優れた金属配線層を形成する回路基板の製造方法を提案している。
特開2008−41720号公報 特開2008−181976号公報
しかし、従来の回路基板の製造方法では、絶縁樹脂層に密着性の優れた無電解めっき膜を形成する目的で、絶縁樹脂層に弾性率の低い樹脂フィラー(添加剤)を分散させていた。そのため、絶縁樹脂層も低弾性率化し、研削による平坦化処理を行う際に、砥石が研削屑による目詰まりを起こしやすいという問題があった。
柔らく、粘性を有する樹脂材料の目詰まりは除去しにくく、通常の水洗などによる砥面洗浄では除去できない。また、高圧水洗すると、砥石そのものを破壊してしまうという問題があった。
また、目詰まりが発生すると、加工面にも悪影響を与えるほか、砥石負荷の増大による砥石破壊の危険性も生じやすくなる。そのために目詰まりが発生するたびにドレッシング(砥石表面の目直し)が必要となり、被研削物を連続的に効率よく加工することが困難になりスループットが低下し、加工コストが増加するという問題もある。
なお、セラミックスの粉末を絶縁樹脂層に添加し、研削中に砥石に目詰まりした樹脂を除去させる手法が考えられるが、樹脂フィラーとセラミックスでは比重が大きく違うため、絶縁樹脂層中に均一に分散しくい。
上記の点を鑑みて、本発明者は、無電解めっきを形成する絶縁樹脂層表面の平坦化の際に砥石の目詰まりを防止するとともに、密着性のよい無電解めっき膜を形成可能な回路基板の製造方法を提供することを目的とする。
また、砥石の目詰まりの発生が少なく研削できる絶縁樹脂層と、その絶縁樹脂層に形成される密着性のよい無電解めっき膜を有した回路基板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、以下のような工程を有する回路基板の製造方法が提供される。この回路基板の製造方法は、不飽和炭素結合、カルボニル基、アルコキシ基のうち少なくとも1つを含む第1の樹脂、または不飽和炭素結合を含有し、他にシアノ基、アリール基のうち少なくとも1つを含む第2の樹脂と、セラミックスとを同一粒子中に含有した添加剤を、ベース樹脂中に分散させた絶縁樹脂層を形成する工程と、前記絶縁樹脂層の表面を研削により平坦化するとともに、前記第1の樹脂または前記第2の樹脂を前記表面に露出させる工程と、酸化処理により、前記表面に、前記第1の樹脂または前記第2の樹脂の官能基として、ヒドロキシル基、カルボニルまたはカルボキシル基を生成する工程と、前記官能基にシランカップリング剤を結合させる工程と、前記絶縁樹脂層上に前記シランカップリング剤及び金属触媒を介して無電解めっき膜を析出させる工程と、を有する。
また、上記目的を達成するために、以下のような回路基板が提供される。この回路基板は、不飽和炭素結合、カルボニル基、アルコキシ基のうち少なくとも1つを含む第1の樹脂、または不飽和炭素結合を含有し、他にシアノ基、アリール基のうち少なくとも1つを含む第2の樹脂と、セラミックスとを同一粒子中に含有した添加剤を、ベース樹脂中に分散させた絶縁樹脂層と、前記第1の樹脂または前記第2の樹脂に対して、シランカップリング剤及び金属触媒を介して化学的に結合された無電解めっき膜と、を有する。
無電解めっき膜の下地層となる絶縁樹脂層表面を研削により平坦化する際に、砥石の目詰まりを防止することができるとともに、密着性のよい無電解めっき膜を有した回路基板を提供できる。
まず、本実施の形態の概要を、図面を参照して説明する。
図1は、フィラーの拡大図及び無電解めっき形成工程を示す断面図である。
本実施の形態において用いるフィラー10は、1粒子中に樹脂10aとセラミックス10bとを含有させたものである。図1(A)では、その一形態として、多孔質のセラミックス10bに樹脂10aを含浸させたものを示している。他の形態については後述する。
無電解めっき形成工程では、まず、このようなフィラー10をベース樹脂11中に分散させた絶縁樹脂層12を、図示しない基材または下層の絶縁層上に成膜し、加熱硬化する(図1(B))。
フィラー10に含有される樹脂10aは、不飽和炭素結合、カルボニル基、アルコキシ基のうち少なくとも1つを含む樹脂、または不飽和炭素結合を含有し、他にシアノ基、アリール基のうち少なくとも1つを含む樹脂を用いる。
不飽和炭素結合、カルボニル基、アルコキシ基のうち少なくとも1つを含む樹脂として、アクリル樹脂、ブタジエン樹脂、ニトリル樹脂、ウレタン樹脂などが適用可能である。
また、不飽和炭素結合を含有し、他にシアノ基、アリール基のうち少なくとも1つを含む樹脂として、アクリルニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムなどが適用可能である。
これらの樹脂10aは、ベース樹脂11よりも弾性率が低い。
セラミックス10bは、たとえば、シリカ、アルミナ、ジルコニアなどである。
ベース樹脂11は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂またはフェノール樹脂、BCB(ベンゾシクロブテン)などである。
同一粒子中に樹脂10aとセラミックス10bとを含有したフィラー10をベース樹脂11に分散させて絶縁樹脂層12を形成することで、樹脂10aとセラミックス10bを絶縁樹脂層12に均一に含有させることができる。
次に、たとえば、ダイヤモンド砥粒を有する砥石により、絶縁樹脂層12を所望の厚さまで研削し、表面を平坦化する(図1(C))。
このとき、ベース樹脂11中のフィラー10は、砥石(砥粒)により粉砕され、研削後の絶縁樹脂層12の表面には、フィラー10中の樹脂10aが露出した状態になっている。
また、研削中には、フィラー10が粉砕されたときに発生するセラミックス10bの破片が、砥石表面に付着した樹脂を削り取り、除去することができる。
図2は、図1(C)で示した無電解めっき形成工程の続きの工程における断面図である。
研削工程後、酸素プラズマ処理またはUV(紫外線)オゾン処理などによる酸化処理を行う。絶縁樹脂層12の表面には、樹脂10aが露出しているので、酸化によりヒドロキシル基、カルボニル基またはカルボキシル基である官能基13が生成される(図2(A))。
次に、官能基13にシランカップリング剤14を吸着または反応により結合させる(図2(B))。
そして、絶縁樹脂層12上に、シランカップリング剤14とPd(パラジウム)などの金属触媒15を介してCu(銅)などの無電解めっき膜16を析出させる(図2(C))。
以上のような手法によれば、弾性率の低い樹脂10aを用いた場合でも、絶縁樹脂層12の表面の平坦化の際に、砥石の目詰まりを防止できる。また、絶縁樹脂層12の樹脂10aと無電解めっき膜16とが、シランカップリング剤14と金属触媒15を介して化学結合しているため、密着性のよい無電解めっき膜16を形成できる。
次に、上記の手法を、プリント基板やインターポーザ基板などの回路基板の、配線を形成する際に適用した場合を例にして具体的に説明する。
図3乃至図5は、回路基板の製造時の配線層形成工程における断面図を示す図である。
まず、基材(シリコンウェハ、セラミックス基板、プリント板など)20上に、シリコン酸化膜などの絶縁膜21を形成し、その上に下部電極22を形成する。なお、基材20上に配線を設け、ビアなどで下部電極22と電気的に接続されていてもよい。そして、下部電極22上に上層の配線層とのコンタクトを図るためのビアポスト23を形成する。下部電極22やビアポスト23は、たとえば、電気めっき、またはスタッドバンプを用いて形成される(図3(A))。
その後、下部電極22やビアポスト23を覆うように、ベース樹脂24aにフィラー24bを分散させた絶縁樹脂層24を形成する(図3(B))。
ベース樹脂24aとして、たとえば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、BCBなどを用いる。
フィラー24bは、前述したフィラー10と同様のものを用いる。フィラーの粒径は、要求される絶縁樹脂層24の厚さが10〜50μm程度である場合、セラミックスと樹脂とを均一に絶縁樹脂層24に含有させるため、10μm以下とすることが望ましく、より好ましくは1μm以下とすることが望ましい。また、フィラー24bの添加量は、無電解めっきを密着性よく形成するとともに、研削工程で砥石の目詰まりを防止するために、ベース樹脂24aの5〜60wt%とすることが望ましい。フィラー24b中のセラミックスと樹脂との比率は、無電解めっき膜を密着性よく形成するとともに、研削工程で砥石の目詰まりを防止するために、セラミックス:樹脂=1:1〜1:4程度とすることが望ましい。
次に、絶縁樹脂層24を加熱硬化後、研削により平坦化加工を行い研削面にビアポスト23を露出させる(図3(C))。研削は、フィラー24b中のセラミックス片が砥石に付着した樹脂を除去しながら行われるので、砥石が樹脂により目詰まりすることを防止することができる。研削面には、ビアポスト23と同時に、フィラー24bに含まれる不飽和炭素結合、カルボニル基、アルコキシ基のうち少なくとも1つを含む樹脂、または不飽和炭素結合を含有し、他にシアノ基、アリール基のうちの少なくとも1つを含む樹脂が露出される。研削面の粗さは、たとえば、粒度が#2000番である砥石を用いると、1μm以下となる。
次に、酸素プラズマまたはUVオゾンなどによる酸化処理を行うことで、絶縁樹脂層24の表面に、主にフィラー24bに含まれる樹脂の官能基25として、ヒドロキシル基、カルボニル基またはカルボキシル基が生成される(図4(A))。
その後、絶縁樹脂層24の表面に露出した官能基25にシランカップリング剤(R1−Si(OR2)3)26を吸着または反応させる(図4(B))。シランカップリング剤26のR1は金属捕捉能を有する官能基であり、たとえば、メルカプト基、アゾール基、またはトリアジンチオール基であることが望ましい。シランカップリング剤26を加水分解して生成したシラノール基は、絶縁樹脂層24の表面に露出した官能基25と反応し、加熱脱水により結合される。
次に、シランカップリング剤26に金属触媒27を介して無電解めっき膜28を形成する(図4(C))。
具体的には、たとえば、Sn(錫)/Pdコロイド触媒付与液に代表されるPd付与液に浸漬し、金属触媒27であるPdをシランカップリング剤26の金属補足能を有する官能基に結合させる。Pdの還元後、無電解めっき膜28を析出させるが、金属触媒27と絶縁樹脂層24がシランカップリング剤26を介して強固に化学的に結合しているため、密着性のよい無電解めっき膜28を形成することができる。
その後、フォトレジストを無電解めっき膜28上に塗布し、乾燥後にフォトリソグラフィプロセスにより、配線を形成する無電解めっき膜28表面を露出させたフォトレジストパターン29を形成する(図5(A))。次に、無電解めっき膜28を通電層としてCuなどの電解めっき膜30を、露出している無電解めっき膜28上に成長させる(図5(B)。そして、フォトレジストパターン29を除去し、配線箇所以外の無電解めっき膜28をエッチングすることで配線パターンを形成することができる(図5(C))。
以上のような工程で回路基板の配線を形成することで、絶縁樹脂層24の表面の平坦化の際に、砥石の目詰まりを防止できるとともに、密着性のよい無電解めっき膜28の上に電解めっき膜30を成長させるので、密着性のよい配線を形成できる。
なお、上記では、フィラー24bとして、多孔質のセラミックスに樹脂を含浸させたものを用いた場合について説明したが、これに限定されない。
図6は、フィラーの例を示す図である。
セラミックスと樹脂とを同一粒子中に含むフィラーの他の例として、3種類のフィラー24c,24d,24eを図示している。
フィラー24cは、樹脂フィラー31中にセラミックス微粒子32を混合させたものである。
フィラー24dは、セラミックス粒子33を芯材として樹脂34をコーティングしたものである。
フィラー24eは、樹脂粒子35をセラミックス36でコーティングしたものである。このようなフィラー24eは、たとえば、樹脂粒子35と、セラミックス粉末としてアルミナ微粒子及びシリカ超微粒子を回転チャンバー中で高速回転させ、粒子同士を回転壁に高圧で押し付け、複合化することで形成できる。
たとえば、樹脂粒子35の粒径を、0.5〜5μm、アルミナ微粒子の粒径を0.1μm程度、シリカ超微粒子の粒径を十数〜数十nmとした場合、粒径1〜7μm程度のフィラー24eが形成される。
以上のようなフィラー24c,24d,24eを用いても、フィラー24bをベース樹脂24aに分散させた場合と同様の効果を得ることができる。
また、フィラーとして、化粧品や医薬などに使われるマイクロカプセル内にセラミックスを混入させたものを用いてもよい。
ところで、上記のように無電解めっき膜を形成する手法を、ウェハレベルパッケージなどの半導体装置の製造方法に適用してもよい。
以下では、ウェハレベルパッケージなどの半導体装置の上層の配線を、無電解めっき膜を利用して形成する場合について説明する。
なお、以下では、半導体基板として、半導体ウェハを用いた場合について説明するが、半導体チップに対して以下の工程を行ってもよいし、基板上に単数または複数の半導体チップが接着されたものに対して以下の工程を行ってもよい。
図7乃至図10は、半導体装置の製造方法の各工程における断面図を示す図である。
まず、一般的な半導体装置の製造プロセスを用いて、半導体ウェハ(たとえば、シリコンウェハ)40に、MOSFET(Metal-Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)構造と、多層配線層を形成する(図7(A))。
MOSFETは、半導体ウェハ40において、素子分離領域41で画定された領域に形成されたソース領域42、ドレイン領域43、半導体ウェハ40上にソース領域42とドレイン領域43に跨るように形成されたゲート酸化膜44を有している。さらにゲート酸化膜44上に形成されたゲート電極45と、ゲート電極45の側面を覆うように形成されたサイドウォール46を有している。
多層配線層は、MOSFETを覆うように形成された層間絶縁膜47上に積層された層間絶縁膜48,49,50を有している。層間絶縁膜47には、コンタクトプラグ51が形成されておりソース領域42とドレイン領域43と、層間絶縁膜48に形成された配線52との電気的接続を図っている。また、また層間絶縁膜49にはビア53が形成されており、配線52と層間絶縁膜50の配線54との電気的接続を図っている。なお、配線52,54とビア53は、バリアメタル55により覆われている。また、配線52,54が形成される層間絶縁膜48,50上には、拡散防止層56,57が形成されている。
なお、以降の図では、図7(A)に示したMOSFET及び多層配線層の図示を省略する。
次に、図7(A)で示したような多層配線層上にさらに層間絶縁膜58を形成し、層間絶縁膜58の上部に電極パッド59を埋め込み、図示しないビアにより、多層配線層との電気的接続を図る。また、層間絶縁膜58上に、電極パッド59が露出するように開口部が設けられたパシベーション膜60を形成する(図7(B))。
なお、電極パッド59は、半導体ウェハ40の各チップ領域の周辺部にペリフェラル型で複数配置されている。また、電極パッド59は、たとえば、Al(アルミニウム)またはAl合金であり、パシベーション膜60は、たとえば、SiN(シリコン窒化)膜である。電極パッド59の大きさは、たとえば、60〜100μm□である。
次に、電極パッド59上に、スタッドバンプ61を形成したのち、前述したようなフィラー62aを分散させた絶縁樹脂層62を、パシベーション膜60上に形成する(図7(C))。
スタッドバンプ61は、たとえば、Au(金)またはCuなどであり、バンプサイズは、たとえば、直径が40〜80μmで、高さは30〜60μmである。絶縁樹脂層62には、たとえば、フィラー62aを、20〜50wt%で分散させたエポキシ樹脂シートを用いる。このエポキシ樹脂シートをパシベーション膜60上にラミネートし、エポキシ樹脂の耐熱性と硬化に必要な温度を考慮し、170〜200℃、30〜90分で加熱し、硬化させる。加熱硬化後の絶縁樹脂層62の厚さは、たとえば、40〜80μmとする。
フィラー62aは、多孔質シリカ粒子に、不飽和炭素結合、カルボニル基、アルコキシ基のうち少なくとも1つを含む樹脂、または不飽和炭素結合を含有し、他にシアノ基、アリール基のうちの少なくとも1つを含む樹脂を含浸させたものを用いる。使用する多孔質シリカ粒子の粒径は、たとえば、1〜5μmである。
加熱硬化後、たとえば、粒度が#2000番である砥石を用いて、絶縁樹脂層62の厚さが、たとえば、20〜40μm程度となるまで研削し、研削面にスタッドバンプ61を露出させる(図8(A)))。
このとき研削面には、フィラー62aの粉砕面も現れ、不飽和炭素結合、カルボニル基、アルコキシ基のうち少なくとも1つを含む樹脂、あるいは不飽和炭素結合を含有し、他にシアノ基、アリール基のうちの少なくとも1つを含む樹脂が露出している。
砥石は、たとえば、ダイヤモンドからなる砥粒と各砥粒を接着するビトリファイドボンドを有している。上記の製造条件の例で研削を行った結果、研削後の砥石面には、樹脂の目詰まりは観察されなかった。これは研削中に粉砕されたシリカ片が、目詰まりを除去したものと考えられる。
その後、以下のような工程により図8(B)のような無電解めっき膜63を形成する。
まず、絶縁樹脂層62の表面を、酸素プラズマ処理装置またはUVオゾン発生機により酸化処理し、絶縁樹脂層62の表面に、フィラー62a中の樹脂の官能基として、ヒドロキシル基、カルボニル基またはカルボキシル基を生成する。次に、シランカップリング剤を上記の官能基に吸着または反応させ、その後、シランカップリング剤に金属触媒を介して無電解めっき膜63を形成する。
無電解めっき膜63の具体的な製造条件の一例を以下に示す。なお、以下の製造条件は、前述した回路基板の製造の際にも適用可能なものである。
酸素プラズマ処理装置を用いて酸化処理を行う場合には、100〜300Wの電力で発生させた酸素プラズマ中で、試料を3〜8分間曝す。
UVオゾン発生機を用いて酸化処理を行う場合には、20〜60Wの電力で発生させたオゾン中で、試料を1〜5分間曝す。
シランカップリング剤には、たとえば、信越シリコーン社製のγ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(商品名:KBM−802)を用いる。そして、たとえば、1wt%のシランカップリング剤の水溶液に、試料を1分間浸漬したのち、120℃のオーブンで、10〜30分間脱水処理する。これにより、絶縁樹脂層62の表面に露出した官能基とシランカップリング剤とを結合することができる。
シランカップリング剤に、金属触媒を介して無電解めっきを形成するために、たとえば、ロームアンドハース社製のPd触媒溶液(商品名:キャタポジット44)を用い、55℃に加熱し、試料を3分間浸漬させる。その後、ロームアンドハース社製の触媒活性化処理液(商品名:アクセレレータ19E)を用い、室温で6分間の活性化処理を行う。次に、ロームアンドハース社製のめっき液(商品名:カッパーミックス)を用いて、室温で、試料を20分間浸漬することで、無電解めっき膜63を約0.5μm析出させることができる。
次に、フォトレジストを無電解めっき膜63上に塗布する。そして、乾燥後にフォトリソグラフィプロセスにより、スタッドバンプ61と電気的に接続する配線を形成する領域を開口したフォトレジストパターン64を形成する。その後、無電解めっき膜63を通電層として、Cuなどの電解めっき膜65を、たとえば、5〜10μmの厚さで成長させる(図8(C))。
その後、フォトレジストパターン64を除去する(図9(A))。
次に、再び、フォトレジストを絶縁樹脂層62及び電解めっき膜65上に塗布し、乾燥後にフォトリソグラフィプロセスにより、電気めっき膜65の表面の一部を開口したフォトレジストパターン66を形成する。その後、めっきにより、たとえば、40〜50μmの高さのビアポスト67を形成する(図9(B))。
その後、フォトレジストパターン66を除去し、配線パターンとなる電解めっき膜65の下部以外の無電解めっき膜63をエッチングにより除去する(図9(C))。そして、絶縁樹脂層62と同様にフィラーを分散させた絶縁樹脂層68を形成し(図10(A))、ビアポスト67を覆う。その後は、図8、図9で示した工程を繰り返すことで所望の層数の配線層を形成することできるが、以下では簡略化のため、絶縁樹脂層68を多層配線層の最上層として説明を進める。
図10(A)で示しているように、最上層の絶縁樹脂層68上には、ビアポスト67と電気的に接続する電極パッド69を形成する。そして、絶縁樹脂層68の上部にソルダーレジストを塗布し、フォトリソグラフィプロセスにより電極パッド69を露出させるようにソルダーレジストパターン70を形成する。
次に、露出した電極パッド69上に半田バンプ71を形成する(図10(B))。
その後は、図示を省略するが、ダイシングによりチップ化する。
以上の工程により、半導体装置の配線を形成することで、絶縁樹脂層62の表面の平坦化の際に、砥石の目詰まりを防止できる。また、密着性のよい無電解めっき膜63の上に電解めっき膜65を成長させるので、密着性のよい配線を形成できる。
なお、上記では、無電解めっき膜を用いて配線を形成する場合について説明したが、配線に限らず、電極パッドを形成するようにしてもよい。
以上の実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1) 不飽和炭素結合、カルボニル基、アルコキシ基のうち少なくとも1つを含む第1の樹脂、または不飽和炭素結合を含有し、他にシアノ基、アリール基のうち少なくとも1つを含む第2の樹脂と、セラミックスとを同一粒子中に含有した添加剤を、ベース樹脂中に分散させた絶縁樹脂層を形成する工程と、
前記絶縁樹脂層の表面を研削により平坦化するとともに、前記第1の樹脂または前記第2の樹脂を前記表面に露出させる工程と、
酸化処理により、前記表面に、前記第1の樹脂または前記第2の樹脂の官能基として、ヒドロキシル基、カルボニルまたはカルボキシル基を生成する工程と、
前記官能基にシランカップリング剤を結合させる工程と、
前記絶縁樹脂層上に前記シランカップリング剤及び金属触媒を介して無電解めっき膜を析出させる工程と、
を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
(付記2) 前記添加剤は、多孔質セラミックス粒子に前記第1の樹脂または前記第2の樹脂を含浸させたものであることを特徴とする付記1記載の回路基板の製造方法。
(付記3) 前記添加剤は、前記第1の樹脂または前記第2の樹脂を前記セラミックスでコーティングしたものであることを特徴とする付記1記載の回路基板の製造方法。
(付記4) 前記添加剤は、前記セラミックスを、前記第1の樹脂または前記第2の樹脂でコーティングしたものであることを特徴とする付記1記載の回路基板の製造方法。
(付記5) 前記添加剤は、前記第1の樹脂中または前記第2の樹脂中に、前記セラミックスを混合したものであることを特徴とする付記1記載の回路基板の製造方法。
(付記6) 不飽和炭素結合、カルボニル基、アルコキシ基のうち少なくとも1つを含む第1の樹脂、または不飽和炭素結合を含有し、他にシアノ基、アリール基のうち少なくとも1つを含む第2の樹脂と、セラミックスとを同一粒子中に含有した添加剤を、ベース樹脂中に分散させた絶縁樹脂層と、
前記第1の樹脂または前記第2の樹脂に対して、シランカップリング剤及び金属触媒を介して化学結合された無電解めっき膜と、
を有することを特徴とする回路基板。
(付記7) 不飽和炭素結合、カルボニル基、アルコキシ基のうち少なくとも1つを含む第1の樹脂、または不飽和炭素結合を含有し、他にシアノ基、アリール基のうち少なくとも1つを含む第2の樹脂と、セラミックスとを同一粒子中に含有した添加剤を、ベース樹脂中に分散させた絶縁樹脂層を形成する工程と、
前記絶縁樹脂層の表面を研削により平坦化するとともに、前記第1の樹脂または前記第2の樹脂を前記表面に露出させる工程と、
酸化処理により、前記表面に、前記第1の樹脂または前記第2の樹脂の官能基として、ヒドロキシル基、カルボニルまたはカルボキシル基を生成する工程と、
前記官能基にシランカップリング剤を結合させる工程と、
前記絶縁樹脂層上に前記シランカップリング剤及び金属触媒を介して無電解めっき膜を析出させる工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記8) 不飽和炭素結合、カルボニル基、アルコキシ基のうち少なくとも1つを含む第1の樹脂、または不飽和炭素結合を含有し、他にシアノ基、アリール基のうち少なくとも1つを含む第2の樹脂と、セラミックスとを同一粒子中に含有した添加剤を、ベース樹脂中に分散させた絶縁樹脂層と、
前記第1の樹脂または前記第2の樹脂に対して、シランカップリング剤及び金属触媒を介して化学的に結合された無電解めっき膜と、
を有することを特徴とする半導体装置。
フィラーの拡大図及び無電解めっき形成工程を示す断面図である。 図1(C)で示した無電解めっき形成工程の続きの工程における断面図である。 回路基板の製造時の配線層形成工程における断面図を示す図である(その1)。 回路基板の製造時の配線層形成工程における断面図を示す図である(その2)。 回路基板の製造時の配線層形成工程における断面図を示す図である(その3)。 フィラーの例を示す図である。 半導体装置の製造方法の各工程における断面図を示す図である(その1)。 半導体装置の製造方法の各工程における断面図を示す図である(その2)。 半導体装置の製造方法の各工程における断面図を示す図である(その3)。 半導体装置の製造方法の各工程における断面図を示す図である(その4)。
符号の説明
10 フィラー
10a 樹脂
10b セラミックス
11 ベース樹脂
12 絶縁樹脂層
13 官能基
14 シランカップリング剤
15 金属触媒
16 無電解めっき膜

Claims (5)

  1. 不飽和炭素結合、カルボニル基、アルコキシ基のうち少なくとも1つを含む第1の樹脂、または不飽和炭素結合を含有し、他にシアノ基、アリール基のうち少なくとも1つを含む第2の樹脂と、セラミックスとを同一粒子中に含有した添加剤を、ベース樹脂中に分散させた絶縁樹脂層を形成する工程と、
    前記絶縁樹脂層の表面を研削により平坦化するとともに、前記第1の樹脂または前記第2の樹脂を前記表面に露出させる工程と、
    酸化処理により、前記表面に、前記第1の樹脂または前記第2の樹脂の官能基として、ヒドロキシル基、カルボニルまたはカルボキシル基を生成する工程と、
    前記官能基にシランカップリング剤を結合させる工程と、
    前記絶縁樹脂層上に前記シランカップリング剤及び金属触媒を介して無電解めっき膜を析出させる工程と、
    を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
  2. 前記添加剤は、多孔質セラミックス粒子に前記第1の樹脂または前記第2の樹脂を含浸させたものであることを特徴とする請求項1記載の回路基板の製造方法。
  3. 前記添加剤は、前記第1の樹脂または前記第2の樹脂を前記セラミックスでコーティングしたものであることを特徴とする請求項1記載の回路基板の製造方法。
  4. 前記添加剤は、前記セラミックスを、前記第1の樹脂または前記第2の樹脂でコーティングしたものであることを特徴とする請求項1記載の回路基板の製造方法。
  5. 不飽和炭素結合、カルボニル基、アルコキシ基のうち少なくとも1つを含む第1の樹脂、または不飽和炭素結合を含有し、他にシアノ基、アリール基のうち少なくとも1つを含む第2の樹脂と、セラミックスとを同一粒子中に含有した添加剤を、ベース樹脂中に分散させた絶縁樹脂層と、
    前記第1の樹脂または前記第2の樹脂に対して、シランカップリング剤及び金属触媒を介して化学的に結合された無電解めっき膜と、
    を有することを特徴とする回路基板。
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