以下、図面を用いて、本発明の実施例に係るパチンコ機(遊技台)について詳細に説明する。
まず、図1を用いて、本発明の実施例1に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、ガラス製または樹脂製の透明板部材152および透明部材保持枠154からなる扉部材156の奥側にガラスを通して視認可能に配設した後述する遊技盤(盤面)102を備えている。扉部材156は、ヒンジ158に略鉛直方向に設けられた軸に対して回転可能に設けられている。
扉部材156の下方には、後で説明する発射モータ602によって回動する発射杆138と、この発射杆138の先端部に取り付けて球を後述する遊技領域104に向けて打ち出す発射槌140と、この発射槌140によって打ち出す球を後述する外レール106に導くための発射レール142とが設けられている。また、球を一時的に貯留すると共に、貯留している球を順次、発射レール142に供給するための貯留皿144と、遊技者による押下操作が可能であり、所定の時期にその操作を検出した場合に後述する装飾図柄表示装置110等による演出表示を変化させるためのチャンスボタン146と、発射杆138および発射槌140の下方に設けられた発射杆138を制御して遊技領域104に向けて球の発射強度の操作を行うための操作ハンドル148と、貯留皿144の下方には、貯留皿144に貯留できない溢れ球を貯留するための下皿150を設けた下皿ユニット147が設けられている。下皿ユニット147は図示しないヒンジ構造によって、扉部材156とは別に略鉛直方向に設けられた軸に対して回転可能に設けられている。なお、本実施例では扉部材156と下皿ユニット147を個別に開閉可能に構成したが、実施形態はこれに限られず、一体的に開閉可能にしてもよい。
また、前述した遊技盤102や発射モータ602、発射杆138及び発射槌140等を内設し、前述した扉部材156と係着する内枠160と、この内枠160とヒンジ158で連結された外枠170が設けられている。内枠160は、ヒンジ158を略鉛直方向に設けられた軸として外枠170に対して開閉方向に回転可能に構成されている。
図2は、遊技盤102を正面から見た略示正面図である。
遊技盤102には、外レール106と内レール108とを配設し、遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある。)が転動可能な遊技領域104を区画形成している。
遊技領域104の略中央には、演出装置200を配設している。この演出装置200には、略中央に横長の装飾図柄表示装置110を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置112と、特別図柄表示装置114と、普通図柄保留ランプ116と、特別図柄保留ランプ118と、高確中ランプ120を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
演出装置200は、可動部を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。
装飾図柄表示装置110は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な画像を表示するための表示装置であり、本実施例では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置110は、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cおよび演出表示領域110dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110bおよび右図柄表示領域110cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域110dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域110a、110b、110c、110dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置110の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置110は、液晶表示装置に代えて、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、EL(ElectroLuminescence)表示装置、ドラム式表示装置、リーフ式表示装置等他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置112は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。特図表示装置114は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ116は、保留している普図変動遊技の数を示すためのランプであり、本実施例では、普図変動遊技を2つまで保留することを可能としている。特図保留ランプ118は、保留している特図変動遊技の数を示すためのランプであり、本実施例では、特図変動遊技を4つまで保留することを可能としている。高確中ランプ120は、遊技状態が高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、この演出装置200の周囲には、一般入賞口122と、普図始動口124と、第1特図始動口126と、第2特図始動口128と、可変入賞口130を配設している。
一般入賞口122は、本実施例では遊技盤102に複数配設しており、この一般入賞口122への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口122に入賞した場合)、払出装置552を駆動し、所定の個数(本実施例では10個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。貯留皿144に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口122に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施例では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口124は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施例では遊技盤102の左側に1つ配設している。普図始動口124を通過した球は一般入賞口122に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口124を通過したことを所定の玉検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置112による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口126は、本実施例では遊技盤102の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口126への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(本実施例では3個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口126に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口128は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施例では第1特図始動口126の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口128は、左右に開閉自在な羽根を備え、羽根の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置112が当たり図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口128への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(本実施例では5個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口128に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口130は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施例では遊技盤102の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口130は、開閉自在な扉部材を備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選し、特図表示装置114が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口130への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(本実施例では15球)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。なお、可変入賞口130に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材132や、遊技釘134を複数個、配設していると共に、内レール108の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口136を設けている。
このパチンコ機100は、遊技者が貯留皿144に貯留している球を発射レール142の発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドル148の操作量に応じた強度で発射モータ602を駆動し、発射杆138および発射槌140によって外レール106、内レール108を通過させて遊技領域104に打ち出す。そして、遊技領域104の上部に到達した球は、打球方向変換部材132や遊技釘134等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口122、可変入賞口130)や始動口(第1特図始動口126、第2特図始動口128)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口124を通過するのみでアウト口136に到達する。
<演出装置>
次に、パチンコ機100の演出装置200について説明する。
この演出装置200の前面側には、ワープ装置230およびステージを配設し、演出装置200の背面側には、装飾図柄表示装置110および遮蔽手段250を配設している。すなわち、演出装置200において、装飾図柄表示装置110および遮蔽手段250は、ワープ装置230およびステージの後方に位置することとなる。
ワープ装置230は、演出装置200の左上方に設けた入球口232に入った遊技球を演出装置200の前面下方の前面ステージ234に排出し、さらに、前面ステージ234に排出した遊技球が前面ステージ234の中央部後方に設けた第2の入球口236に入った場合は、遊技球を、第1特図始動口126の上方である演出装置200の下部中央に設けた排出口238から第1特図始動口126に向けて排出するものである。この排出口238から排出した遊技球は特図始動口126に入球しやすくなっている。
遮蔽手段250は、格子状の左扉250aおよび右扉250bからなり、装飾図柄表示装置110および前面ステージ234の間に配設する。左扉250aおよび右扉250bの上部には、図示しない2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉250aおよび右扉250bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。
遮蔽手段250は、左右扉250a、250bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置110を視認し難いように遮蔽する。左右扉250a、250bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置110の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置110の表示の全てを視認可能である。
また、左右扉250a、250bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左右扉250a、250bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置110の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置110による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置110を全く視認不可にしてもよい。
<図柄の種類>
次に、図3(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の特図表示装置114、装飾図柄表示装置110、普図表示装置112が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
図3(a)は特図の停止表示態様の一例を示したものである。本実施例の特図の停止表示態様には、大当たり図柄である「特図1」と、特別大当たり図柄である「特図2」と、外れ図柄である「特図3」の3種類がある。第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として特図変動遊技を開始した場合には、特図表示装置114は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図の変動表示」を行う。そして、特図の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図変動遊技の当選を報知する場合には「特図1」または「特図2」を停止表示し、特図変動遊技の外れを報知する場合には「特図3」を停止表示する。なお、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
図3(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施例の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置110の左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。そして、大当たりを報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに大当たりに対応する図柄組合せ(本実施例では、同一の数字の装飾図柄の組合せ(例えば、「装飾2−装飾2−装飾2」))を停止表示し、特別大当たりを報知する場合には、特別大当たりに対応する図柄組合せ(本実施例では、同一の奇数番号数字の装飾図柄の組合せ(例えば、「装飾1−装飾1−装飾1」))を停止表示する。なお、大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、大当たり遊技または特別大当たり遊技を開始し、特別大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、特別大当たり遊技を開始する。また、外れを報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに大当たりに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示した後で、保留している装飾図柄の変動表示があれば、その変動表示を開始する。
図3(c)は普図の停止表示態様の一例を示したものである。本実施例の普図の停止表示態様には、当たり図柄である「普図1」と、外れ図柄である「普図2」の2種類がある。普図始動口124を球が通過したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として普図表示遊技を開始した場合には、普図表示装置112は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図1」を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には「普図2」を停止表示する。
<制御部>
次に、図4を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主に演出の制御を行う副制御部400と、主制御部300が送信するコマンドに応じて、主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部550と、遊技球の発射制御を行う発射制御部600と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部650によって構成している。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発信器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発信器314a、314bが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路316(この回路には2つのカウンタを内臓しているものとする)と、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ318が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路316および基本回路302に出力するためのセンサ回路320と、特図表示装置114の表示制御を行うための表示回路322と、普図表示装置112の表示制御を行うための表示回路324と、各種状態表示部326(普図保留ランプ116、特図保留ランプ118、高確中ランプ118等)の表示制御を行うための表示回路328と、第2特図始動口128や可変入賞口130等を開閉駆動する各種ソレノイド330を制御するためのソレノイド回路332を接続している。
なお、第1特図始動口126に球が入賞したことを球検出センサ318が検出した場合には、センサ回路320は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路316に出力する。この信号を受信したカウンタ回路316は、第1特図始動口126に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口126に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路316は、第2特図始動口128に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口128に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口128に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300には、電源管理部650から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路336を設けており、この電圧監視回路336は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部550にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、副制御部400および払出制御部550との通信を可能としている。なお、主制御部300と副制御部400および払出制御部550との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400および払出制御部550にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、副制御部400および払出制御部550からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、パチンコ機100の副制御部400について説明する。
副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM406と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発信器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路402には、スピーカ416(およびアンプ)の制御を行うための音源IC418と、各種ランプ420の制御を行うための表示回路422と、演出装置200の演出用可動体等を駆動する駆動装置であるソレノイドまたはモータ等が含まれる各種演出用駆動装置424の制御を行うための演出用駆動装置制御回路426と、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)110および遮蔽手段250の制御を行うための副制御部500と、チャンスボタン146の押下を検出して信号を出力するチャンスボタン検出回路380を接続している。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部550、発射制御部600、電源管理部650について説明する。
払出制御部550は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置552を制御すると共に、払出センサ554が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部556を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット654との通信を行う。
発射制御部600は、払出制御部550が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、操作ハンドル148内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による発射ハンドル148の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆138および発射槌140を駆動する発射モータ602の制御や、貯留皿144から発射レール142に球を供給する球送り装置604の制御を行う。
電源管理部650は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、副制御部400等の各制御部や払出装置552等の各装置に供給する。さらに、電源管理部650は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
<主制御部メイン処理>
次に、図5を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って処理を実行する。
ステップS101では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割り込みマスクの設定、I/Oポート310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT313への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施例では、WDT313に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップS102では、WDT313のカウンタの値をクリアし、WDT313による時間計測を再始動する。
ステップS103では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路336が、電源管理部650から主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS102に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS104に進む。
ステップS104では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割り込み処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタ・タイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS105では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)にはステップS107に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS108に進む。
具体的には、最初に、電源基板に設けた操作部を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS107に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)は、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS107に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS106に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS107に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS107に進む。
ステップS106では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタを読み出し、スタックポインタに再設定する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割り込み許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割り込み処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS108、ステップS109内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。
ステップS107では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割り込み禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。
ステップS108では、割り込み禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、特図タイマ乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜20とすると、RAM308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。また、この基本乱数初期値更新処理の終了後に割り込み許可の設定を行ってステップS109に進む。
ステップS109では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割り込み処理を行っている間を除いて、ステップS108およびS109の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割り込み処理>
次に、図6を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割り込み処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施例では約2msに1回)でタイマ割り込み信号を発生するカウンタ・タイマ312を備えており、このタイマ割り込み信号を契機として主制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割り込みスタート処理を行う。このタイマ割り込みスタート処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS202では、WDT313のカウント値が初期設定値(本実施例では32.8ms)を超えてWDT割り込みが発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施例では、主制御部タイマ割り込みの周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS203では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、上述のガラス枠開放センサ、前枠開放センサ、下皿満タンセンサ、複数の球検出センサを含む各種センサ318の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。本実施例では、前々回のタイマ割り込み処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割り込み処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS203では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が一致するか否かを判定する。そして、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施例では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、入賞口(一般入賞口122、可変入賞口130)や始動口(第1特図始動口126、第2特図始動口128)への入球、または普図始動口124の通過があったと判定する。例えば、一般入賞口122への入球を検出する球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口122へ入球したと判定し、以降の一般入賞口122への入球に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口122への入球に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。
ステップS204およびステップS205では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS109で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する普図当選乱数値および特図乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。なお、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。
ステップS206では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
ステップS207では、タイマ更新処理を行う。詳細は後述するが、このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置112に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、特別図柄表示装置114に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS208では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口(一般入賞口122、第1、第2特図始動口126、128、および可変入賞口130)に入賞(入球)があった場合に、RAM308に各入賞口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
また、ステップS209では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1、第2特図始動口126、128に入賞があり、且つ、保留している特図変動遊技の数が4未満である場合には、入賞した始動口に対応するカウンタ回路316のカウンタ値記憶用レジスタから値を特図当選乱数値として取得する。また、上述の特図乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図乱数値として取得し、RAM308に設けた乱数値記憶領域に特図当選乱数値と共に記憶する。また、普図始動口124を球が通過したことを検出し、且つ、保留している普図変動遊技の数が2未満の場合には、そのタイミングにおける普図当選乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図当選乱数値として取得し、RAM308に設けた上述の特図用とは別の乱数値記憶領域に記憶する。また、この入賞受付処理では、所定の球検出センサにより第1、第2特図始動口126、128、普図始動口124、または可変入賞口の入賞(入球)を検出した場合に、副制御部400に送信すべき送信情報に、第1、第2特図始動口126、128、普図始動口124、および可変入賞口の入賞(入球)の有無を示す入賞受付情報を設定する。
ステップS210では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部550に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS211では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動中(後述する普図汎用タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、図3(c)に示す普図1の態様となるように普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、図3(c)に示す普図2の態様となるように普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行うと共に、その後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により普図の停止表示を行い、普図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。
また、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口128の羽根部材の開閉駆動用のソレノイド330に、羽根部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド330に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間を経過したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、普図の状態を非作動中に設定する。普図の状態が非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS212に移行するようにしている。
ステップS212では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口128の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置112に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
ステップS213では、特図状態更新処理を行う。この特図状態更新処理は、特図の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図変動中(後述する特図汎用タイマの値が1以上)における特図状態更新処理では、特図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。
また、特図変動表示時間が経過したタイミング(特図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、大当たりフラグがオンで確変フラグがオフの場合には特図表示装置114に図3(a)に示す特図1、大当たりフラグがオンで確変フラグがオンの場合には特図表示装置114に図3(b)に示す特図2、大当たりフラグがオフの場合には、図3(c)に示す特図3の態様となるように特図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行うと共に、その後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により特図の停止表示をおこない、特図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に02Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、大当たりフラグがオンの場合には、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置110による大当たりを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に04Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口130に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド330に、扉部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に10Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド330に、扉部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に20Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(例えば15ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置110による大当たりを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に08Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、特図の状態を非作動中に設定する。特図の状態が非作動中の場合における特図状態更新処理では、何もせずに次のステップS214に移行するようにしている。
ステップS214では、特図関連抽選処理を行う。この特図関連抽選処理では、特図変動遊技および可変入賞口130の開閉制御を行っておらず(特図の状態が非作動中)、且つ、保留している特図変動遊技の数が1以上である場合に、大当たり判定テーブル(図示省略)、高確率状態移行判定テーブル(図示省略)、タイマ番号決定テーブル(図示省略)などを使用した各種抽選のうち、最初に大当たり判定を行う。具体的には、ステップS203で乱数値記憶領域に記憶した特図当選乱数値が、大当たり判定テーブルの第1特図始動口用抽選データの数値範囲であるか否かを判定し、特図当選乱数値が第1特図始動口用抽選データの数値範囲である場合には、特図変動遊技の当選と判定してRAM308に設けた大当たりフラグの格納領域に大当たりとなることを示す情報を設定する(ここで、大当たりの情報をRAM308に設定することを大当たりフラグをオンに設定するという)。一方、特図当選乱数値が第1特図始動口用抽選データの数値範囲以外である場合には、特図変動遊技の外れと判定してRAM308に設けた大当たりフラグの格納領域に外れとなることを示す情報を設定する(ここで、外れの情報をRAM308に設定することを大当たりフラグをオフに設定するという)。なお、保留している特図変動遊技の数は、RAM308に設けた特図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している特図変動遊技の数から1を減算した値を、この特図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また、当り判定に使用した乱数値を消去する。
大当たりフラグにオンを設定した場合には、次に確変移行判定を行う。具体的には、ステップS209で乱数値記憶領域に記憶した特図乱数値が、移行判定乱数(図示省略)の数値範囲であるか否かを判定し、特図乱数値が抽選データの数値範囲である場合には、RAM308に設けた確変(確率変動)フラグの格納領域に、特別大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する。(ここで、特別大当たり遊技開始の情報をRAM308に設定することを確変フラグをオンに設定するという)。一方、特図乱数値が抽選データの数値範囲以外である場合には、上述の確変フラグの格納領域に、大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、大当たり遊技開始の情報をRAM308に設定することを確変フラグをオフに設定するという)。例えば、取得した特図乱数値が20の場合には確変フラグをオフに設定する。一方、取得した特図乱数値が特図乱数値が80の場合には確変フラグをオンに設定する。
大当たり判定の結果に関わらず、次にタイマ番号を決定する処理を行う。具体的には、上述の特図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を特図タイマ乱数値として取得する。大当たりフラグの値、および取得した特図タイマ乱数値を含むタイマ乱数(図示省略)の数値範囲に対応するタイマ番号を選択し、RAM308に設けた所定のタイマ番号格納領域に記憶する。さらに、そのタイマ番号に対応する変動時間を、特図変動表示時間として、上述の特図表示図柄更新タイマに記憶し、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド回転開始設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に01Hを送信情報(一般情報)として追加記憶してから処理を終了する。
例えば、大当たりフラグがオフで、取得した特図タイマ乱数値が50000の場合には、特図タイマ乱数値は0〜60235の範囲であることから、タイマ番号決定テーブルのそれらの条件に対応する1行目に記憶しているタイマ番号を示すタイマ1、および変動時間を示す5を選択し、RAM308に設けたそれぞれの記憶領域に記憶する。一方、大当たりフラグがオンで、取得した特図タイマ乱数値が64000の場合には、特図タイマ乱数値は0〜15535の範囲ではないことからタイマ2は選択せず、15536〜24535ではないことからタイマ3は選択せず、24536〜62535ではないことからタイマ4は選択しないが、62536〜65535の範囲内であることから、タイマ番号決定テーブルのそれらの条件に対応する8行目に記憶しているタイマ番号を示すタイマ5、および変動時間を示す50を選択し、RAM308に設けたそれぞれの記憶領域に記憶する。なお、割り込み処理の開始周期である2msを考慮して、選択した変動時間の値に500(1000ms/2ms)を掛けた値を変動時間記憶領域にセットする。例えば、変動時間が5秒の場合には、変動時間記憶領域には2500の値を初期値としてセットし、ステップS207のタイマ更新処理を実行する度に、この変動時間記憶領域の値を1だけ減算するようにすることで、割り込み処理の実行回数により時間の経過を計測できるようにしている。また、複数回(例えば5回)のタイマ割込処理の実行ごと(例えば2ms周期)に変動時間記憶領域の値を減算する場合には、変動時間が10秒の場合であれば、10秒が10000msであることから周期(2ms×5)で割り算して1000を変動時間記憶領域に設定する。
ステップS215では、コマンド設定送信処理を行う(詳細は後述する)。なお、副制御部400に送信する出力予定情報は16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(00Hの場合は基本コマンド、01Hの場合は図柄変動開始コマンド、04Hの場合は図柄変動停止コマンド、05Hの場合は入賞演出開始コマンド、06Hの場合は終了演出開始コマンド、07Hの場合は大当たりラウンド数指定コマンド、0EHの場合は復電コマンド、0FHの場合はRAMクリアコマンドをそれぞれ示すなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、大当たりフラグの値、確変フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、大当たりフラグの値、確変フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、確変フラグの値などを含み、大当たりラウンド数指定コマンドの場合であれば確変フラグの値、大当たりラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口126への入賞の有無、第2特図始動口128への入賞の有無、可変入賞口130への入賞の有無などを含む。また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンド種別に01H、コマンドデータにRAM308に記憶している大当たりフラグの値、確変フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンド種別に04H、コマンドデータにRAM308に記憶している大当たりフラグの値、確変フラグの値などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド入賞演出設定送信処理では、コマンド種別に05H、コマンドデータにRAM308に記憶している入賞演出期間中に装飾図柄表示装置110・各種ランプ420・スピーカ416に出力する演出制御情報、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド終了演出設定送信処理では、コマンド種別に06H、コマンドデータにRAM308に記憶している演出待機期間中に装飾図柄表示装置110・各種ランプ420・スピーカ416に出力する演出制御情報、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンド種別に07H、コマンドデータにRAM308に記憶している大当たりラウンド数、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンド種別に08H、コマンドデータにRAM308に記憶している大当たりラウンド数、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS216では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS217では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップ203において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、ガラス枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、または下皿満タンエラーの有無などを監視し、ガラス枠開放エラー、前枠開放エラー、または下皿満タンエラーを検出した場合に、副制御部400に送信すべき送信情報に、ガラス枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド330を駆動して第2特図始動口128や、可変入賞口130の開閉を制御したり、表示回路322、324、328を介して普図表示装置112、特図表示装置114、各種
状態表示部326などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS210)で設定した出力予定情報を出力ポート310を介して副制御部400に出力する。
ステップS218では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS220に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS219に進む。
ステップS219では、タイマ割り込みエンド処理を行う。このタイマ割り込みエンド処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割り込み許可の設定などを行う。
ステップS220では、電源管理部650から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路が、所定の値以下である場合に電圧が低下したことを示す電圧低下信号を出力しているか否か、すなわち電源の遮断を検知したか否かを監視し、電源の遮断を検知した場合には、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行う。
<副制御部メイン処理>
次に、図7(a)を用いて、副制御部400のCPU404が実行する副制御部メイン処理について説明する。なお、同図は副制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部400には、電源が投入されるとリセット信号を出力するリセット信号出力回路を設けている。このリセット信号を入力した基本回路402のCPU404は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM406に予め記憶した制御プログラムに従って処理を実行し、まず、ステップS301で各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポートの初期設定や、各種変数の初期化等を行う。
ステップS302では、コマンド入力処理(詳細は後述)を行う。
ステップS303では、I/O410の出力ポートを介して液晶制御回路(図示省略)にコマンドを出力する。
ステップS304では、後述するタイマ変数記憶領域の値が10以上であるか否かを判定する。タイマ変数記憶領域の値が10以上である場合はステップS305に進み、タイマ変数記憶領域の値が10未満である場合にはステップS302に進む。
ステップS305では、タイマ変数記憶領域に0を格納する。
ステップS306では、演出データ更新処理を行う。この演出データ更新処理では、後述する変動パターン選択処理で記憶する変動番号、仮停止図柄の組合せ、および停止図柄の組合せの種別の更新を行うと共に、装飾図柄の変動表示を開始してからの経過時間に基づいて装飾図柄表示装置110、遮蔽手段250、スピーカ416、各種ランプ420および演出装置200の演出用可動体等による演出を制御するための動作制御データの更新を行う。
ステップS306では、決定された演出情報が示している態様で装飾図柄変動表示を行うように次回実行する上記ステップS303の処理で副制御部に出力するコマンド(例えば左に装飾7を停止することを指示するコマンドや遮蔽手段250を動作させるコマンド等)をRAM408に設けた液晶コマンド格納領域に格納する等、後述するステップS305、306、307によるスピーカ416、各種ランプ420、および演出用可動体を制御する準備を行う。また、所定の条件が成立している場合には所定の演出を実行するか否か、例えばチャンスボタンを用いた演出を行うか否か等の抽選を行う。
ステップS307では、音出力処理を行う。この音出力処理では、上記ステップS306で取得したスピーカ制御用の情報に含まれるスピーカ416に出力する音声データをI/O410の出力ポートに設定し、スピーカ416の出力制御を音源IC418に行わせる。
ステップS308では、ランプ制御処理を行う。このランプ制御処理では、上記ステップS306で取得した各種ランプ制御用の情報に含まれる各種ランプ420に出力するランプの点灯・消灯を示すデータ等をI/O410の出力ポートに設定し、各種ランプ420の点灯や消灯の制御を表示回路422に行わせる。
ステップS309では、演出用駆動装置制御処理を行う。この演出用駆動装置制御処理では、上記ステップS306で取得した演出用可動体の制御用の情報に含まれる動作タイミングを示すデータ等をI/O410の出力ポートに設定し、演出用可動体等を駆動する各種演出用駆動装置424の制御を演出用駆動装置制御回路426に行わせる。
副制御部400は、後述するストローブ処理、チャンスボタン処理、または副制御部タイマ割り込み処理による中断を除いて、以降、ステップS302〜S304の処理を繰り返し実行する。
<コマンド入力処理>
次に、図7(b)を用いて、上記副制御部メイン処理におけるコマンド入力処理(ステップS302)について説明する。同図はコマンド入力処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS401では、後述するコマンド記憶領域の内容を確認し、未処理のコマンドが残っているか否かを判断する。そして、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っている場合にはステップS402に進み、未処理コマンドに応じた処理を行うように、各未処理コマンドの処理へ移動する。その後、処理を終了して副制御部メイン処理に復帰する。
図7(c)は変動パターン選択処理の流れを示すフローチャートであり、同図(d)は図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。ステップS402では、コマンド記憶領域に記憶している未処理コマンドのうちの次に処理するべき未処理コマンドの種類に基づいて、図7(c)に示す変動パターン選択処理(例えば未処理コマンドが上記変動開始コマンドに基づいて実行する)や、同図(d)に示す図柄停止処理等を行う。未処理コマンドに基づく処理は他にも備えている。例えば、大当たり中に可変入賞口130の開放制御を開始するたびに主制御部300が出力し、大当たり開始後の可変入賞口130の開放回数を示す情報を含むラウンド開始コマンドが未処理コマンドである場合に行うラウンド開始処理等である。その他の処理は、ここでは割愛する。
変動パターン選択処理のステップS501では、未処理コマンドに含まれている上記大当たりフラグの値、確変フラグの値、およびタイマ番号を抽出し、RAM408のそれぞれの記憶領域に記憶した後、処理を終了する。
図柄停止処理のステップS601では、上記図柄記憶領域に記憶している停止図柄の組合せを構成する3つの装飾図柄を装飾図柄表示装置110の左、中、右図柄表示領域110a〜110cの3つの表示領域に表示するように設定して処理を終了する。また、上記ラウンド開始処理では未処理コマンドに含まれている上記大当たり開始後の可変入賞口130の開放回数を示す情報を抽出し、RAM408の記憶領域に記憶する。
<ストローブ割り込み処理>
次に、図7(e)を用いて、副制御部400のストローブ割り込み処理について説明する。なお、同図はストローブ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
このストローブ割り込み処理は、副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。ストローブ割り込み処理のステップS701では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けた上記コマンド記憶領域に記憶する。
<チャンスボタン割り込み処理>
次に、図7(f)を用いて、副制御部400のチャンスボタン割り込み処理について説明する。なお、同図はチャンスボタン割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
このチャンスボタン割り込み処理は、副制御部400がチャンスボタン検出回路380によってチャンスボタン146の操作を検出した場合に実行する処理である。
チャンスボタン割り込み処理のステップS801では、RAM408の検知カウンタ記憶領域に記憶している、チャンスボタン146の押下回数を計測するための検知カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算してから元の検知カウンタ記憶領域に記憶する。
<副制御部タイマ割り込み処理>
次に、図7(g)を用いて、副制御部400のCPU404によって実行する副制御部変数更新割り込み処理について説明する。なお、同図は副制御部変数更新割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割り込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割り込みを契機として、副制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で実行する。
副制御部変数更新割り込み処理のステップS901では、RAM408のタイマ変数記憶領域の値に1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS304において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
次に、図8は、本実施形態に係る遊技用ユニット1を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
遊技用ユニット1は、ヒンジ158と、内枠160と、外枠170と、外枠保護部材180と、から構成され、内枠160が外枠170に対して開閉する方向に回転可能に設けられている。
内枠160は、遊技者側に扉部材156を係止する枠状部材である。この内枠160は、外枠170の長手方向の上下2か所に設けられたヒンジ158と固定され、ヒンジ158を軸に外枠170に対して前後方向に回転可能に構成されている。
ヒンジ158は、L字状の板部材であり、一端は内枠160に固定され、他端は外枠170に回転可能に配設されている。つまり、ヒンジ158に固定された内枠160は、外枠170に対して回転可能になっている。
外枠170は、遊技者側に扉部材156及び内枠160を回転可能に備える箱形部材である。この外枠170の正面側(遊技者側)の下側には外枠保護部材180が係着するように設けられている。
なお、内枠160は、遊技盤102や主制御基板や副制御基板を収容する基板収容ボックス等を内装しているが、本実施形態の説明には直接の関連性がないので図示及び説明は省略する。また、遊技を行う際に容易に移動されないように、外枠170は遊技店の遊技島に釘などで固定されて取付けられることが一般的である。
なお、回転軸を中心として外枠170に代表される所定の部材に対して回転可能に設けられた内枠160に代表される遊技用部材を備えた遊技用ユニットにおいて、前記遊技用部材の回転が規制される規制位置とは、たとえば、図8に示すように外枠170の前面側(内枠160側)の面と、内枠160の背面側(外枠170側)の面とが当接することで回転が規制される位置などである。なお、規制位置はこれに限定されず、たとえば、外枠170に代表される所定の部材とは異なる部材が内枠160の回転移動を規制する場合には、その位置も規制位置といえる。また、規制位置には、外枠170に代表される所定の部材と、内枠160に代表される遊技用部材とを系止するための系止部が設けられていることが望ましい。たとえば、図示しないフック、フック系止部などの錠構造などである。また、規制位置にある場合には、外枠170に代表される所定の部材と、内枠160に代表される遊技用部材とは隙間なく接することが望ましい。たとえば、図8のように、外枠170および内枠160を合わせた上面170a、側面170bおよび底面170cは規制位置にあるときは隙間がないよう設けられている。
また、仮に内枠160を開放した際に内枠160の自重により、軸側から開放端側に向けて正面視右下がりに傾いてしまった場合に、内枠160を閉めようと外枠170の方向に向かって回転移動すると外枠保護部材180に当接して回転が規制されてしまう場合がある。本発明は、内枠160などに代表される回転可能に設けられた遊技用部材が自身の重みなどの原因で、軸側よりも開放端側の位置が低くなるように傾いてしまった場合でも規制位置に案内することができるようにしたものであるため、内枠160が傾いてしまった場合は当接して回転移動を規制し、傾いていない場合は当接せず回転移動を規制しない位置は、たとえ内枠160に代表される遊技用部材の回転を規制するとしても複数の案内部(後述)によって案内される位置としての規制位置ではない。
図9は、遊技用ユニット1の内枠160を開放した状態を表す斜視図である。
内枠160の背面(外枠170側)の下方には、案内板金当接部材162が設けられている。この案内板金当接部材162は、後述する軸側案内板700と後述する開放側案内板710により案内された後、外枠保護部材180に係着されて内枠160を閉扉する。これは、内枠160が軸側案内板700および開放側案内板710に当接して移動するため、樹脂などで形成された内枠に板金など耐久性が高い案内板金当接部材162を設け、内枠160の開閉移動を複数回行った場合でも当接面が磨耗しないようにするという目的で設けられたものである。また、軸側案内板700および開放側案内板710との接触面を限定するために、案内板金当接部材162を内枠の底面から突出させ、かつ、軸側案内板700および開放側案内板710の当接面の一部に当接するような形状(たとえば、リブ形状など)にしてもよい。このような形状にすることで、内枠160の磨耗を一部に限定することができ、たとえばリサイクルなどを行う際に、修理部分を削減することができる。
軸側案内板700は、断面への字形状の板金部材であり、外枠保護部材180の上側の面で回転軸(ヒンジ158)に近い位置に配設されている。また、開放側案内板710は、軸側案内板700と同様の形態の板金部材であり、外枠保護部材180の上側の面で軸側案内板700よりも回転軸から遠い位置(開放側)に配設されている。なお、この軸側案内板700及び開放側案内板710の数量や配設位置は、内枠160を外枠170の所定の位置に案内できるものであれば、上記に限定されるものではない。また、軸側案内板700および開放側案内板710を同一の部材としてもよい。
次に、図10は、遊技用ユニット1の分解斜視図である。
ヒンジ158は、板金部材であり、外枠170と回転自在に係合される外枠係合穴158aを備え、外枠170に設けられたヒンジ係合部172と回転自在に係合される。また、ヒンジ158は、内枠160と固定される複数の内枠固定穴158bを備え、この複数の内枠固定穴158bに対応して内枠160に設けられた固定ネジ部160aに、固定ネジ(図示省略)で固定される。
外枠170は、ヒンジ158と回転自在に係合されるヒンジ係合部172を備えている。
ヒンジ係合部172は、外枠170の長手方向の上下2か所に設けられている。このヒンジ係合部172は、正面側(遊技者側)に凸の舌片状部材であり、その先端近傍にはヒンジ係合穴172aが設けられている。ヒンジ係合穴172aは、ヒンジ158を組み付けた場合に、ヒンジ158の外枠係合穴158aと重なって同心円になるように設けられ、ヒンジ158の外側から止具159によりヒンジ158と回転自在に係合される。この止具159を略鉛直軸として、内枠160は、外枠170に対して前後方向に回転可能に構成されている。すなわち、内枠160、外枠170およびヒンジ158は、ヒンジ158に設けられた止具159を中心として外枠170に対して回転可能に設けられた内枠160を備えた遊技用ユニットといえる。なお、本実施例では軸としてヒンジ158に設けられた止具159を使用したが、これに限られず、外枠170に代表される所定の部材に対して内枠160に代表される遊技用部材が回転可能な軸であれば、いずれの形状、取り付け位置でもよい。また、内枠160に代表される遊技用部材が自身の重みで回転の規制位置からずれてしまうといった問題が生じるのであれば、軸は鉛直方向の軸でなくても構わない。
なお、本図に示すようにヒンジ158の止具159に代表される軸は、外枠170に代表される所定の部材に対して前後方向(内枠背面方向から内枠前面方向)に回転可能に設けられた内枠160に代表される遊技用部材を支持している。そしてヒンジ158のみで内枠を支持した際に重心が回転軸の鉛直方向ではない位置で支持するようにしている。特に、本実施例では遊技用部材を端部で前後方向に軸回転するように構成されている。このように構成されていると、内枠160に代表される遊技用部材が自身の重みで支持部からみて重心方向に傾いてしまう場合がある。
外枠保護部材180は、概略箱形形状の板金若しくは樹脂製の部材であり、いわゆる遊技台100を装飾する装飾板と内枠160を外枠170の所定の位置に案内する案内部材を兼ねたものである。
外枠保護部材180は、正面に装飾用絵柄180aが施され、上面には軸側案内板700及び開放側案内板710を係止するための案内板係止部182、184が設けられている。
案内板係止部182は、凹部183と、軸側案内板700と当接して軸側案内板700の高さ方向の位置を決定する複数のリブ部183a(本実施例では、3か所)と、係止穴183bと、を凹部183に設けている。この係止穴183bは、軸側案内板700側から挿通されるネジ(図示省略)と螺合し、軸側案内板700を係止する。
案内板係止部184は、凹部185と、開放側案内板710と当接して開放側案内板710の高さ方向の位置を決定する複数のリブ部185a(本実施例では、3か所)と、係止穴185bと、を凹部185に設けている。この係止穴185bは、開放側案内板710側から挿通されるネジ(図示省略)と螺合し、開放側案内板710を係止する。
軸側案内板700、開放側案内板710は、断面への字形状でステンレス等の非鉄金属又は鉄等の金属製の板金部材である。この軸側案内板700及び開放側案内板710は、それぞれ前述した案内板係止部182、184の所定の位置に係止される。なお、軸側案内板700及び開放側案内板710については、図11で詳細に説明する。
また、内枠160の背面(外枠170側)の下側に案内板当接部材162が設けられている。案内板当接部材162は、金属製の板金部材であり、外枠170に対して内枠160を回転して閉扉した場合に、まず軸側案内板700に案内され、次に開放側案内板710に案内される位置に配設されている。
次に、図11を用いて軸側案内板700について詳細に説明する。同図(a)は、軸側案内板700の斜視図であり、同図(b)〜(f)は、軸側案内板700の正面図、平面図、左側面図、右側面図、下面図である。なお、本実施形態では、開放側案内板710の形状、材質等の形態は軸側案内板700と同じであるので、図示及び詳細な説明は省略する。
軸側案内板700は、平面部と傾斜部から構成される断面への字形状の金属製の板金部材である。この軸側案内板700は、平面部702と傾斜部704を有し、平面部702には、平面部702の中心から対称の位置に2つの穴部702aを備えている。軸側案内板700は、穴部702aと外枠保護部材180の係止穴183bが重なるように凹部183に係合し、ネジ(図示省略)により外枠保護部材180に固定される。
また、傾斜部704は、平面部702に対して所定の傾斜角度θを有するように形成されている。したがって、後述する案内板当接部材162は、この傾斜部704の先端側から侵入し、その傾斜部704に沿って平面部702に案内される。なお、この傾斜角度θは、案内板当接部材162を外枠170に滑らかに案内できるように、例えば、150°〜175°の範囲に形成しておくことが好ましいが、これに限定されるものではない。
したがって、案内板当接部162を有する内枠160は、所定の閉扉位置から軸側案内板700の傾斜部704の傾斜角度分だけ下がった位置からでも、軸側案内板700の平面部702の位置まで上昇して案内されることができる。
なお、複数の案内部のうち軸側案内板700に代表される第1の案内部と、軸側案内板700よりも開放端側に設けられた開放側案内部710に代表される第2の案内部は、内枠160に代表される遊技用部材を上昇して案内すればよいので、平面部702を設けていなくてもよい。
また、曲げ角度を調節するだけで上昇する高さを自由に設計することができるため、軸側案内板700および開放側案内部710に代表される複数の案内部は、少なくとも一部を曲げることで傾斜部704および平面部702を構成した略同一の厚さの部材であることが望ましい。
次に、図12を用いて、外枠保護部材180について説明する。同図(a)〜(e)は、外枠保護部材180の正面図、平面図、左側面図、右側面図、下面図であり、同図(f)は、外枠保護部材180の斜視図である。
外枠保護部材180は、樹脂製の成型部材もしくは金属製の板金部材であり、正面側(遊技者側)の平面に装飾用絵柄180aが施され、上面には、軸側案内板700および開放側案内板710に代表される案内部を系止するための案内板係止部182、184が設けられている。
案内板係止部182は、凹形状になっており、その凹部183にリブ部183aと、係止穴183bが設けられている。
リブ部183aは、前述した軸側案内板700の下面に当接して、軸側案内板700を支持するように略等間隔で3か所に設けられている。なお、リブ部183aは、前述した軸側案内板700を支持できる形状であれば、本実施形態の形状、数に限定されるものではない。また、リブ部を設けなくてもよい。ただし、軸側案内板700および開放側案内板710を、凹部183の凹んだ箇所の底面に凸部としてのリブを設けることで、金型の修正を行いやすくなり、かつ、軸側案内板700および開放側案内板710の位置決めを行うやすくなるため、設けることが望ましい。
係止穴183bは、楕円形状の穴であり、軸側案内板700が嵌めこまれた場合に穴部702aと重なるように凹部183の底面に設けられている。
つまり、この案内板係止部182は、軸側案内板700が正面側から嵌めこまれ、その軸側案内板700の穴部702a側から挿通されるネジ(図師省略)と係止穴182bの裏面に配設されたナット(図示省略)が螺合することによって、軸側案内板700と係止する。
また、同図(b)に示すように、案内板係止部182の凹部183の底面からの溝深さはLであり、案内板係止部185の凹部の溝深さはlであり、本実施形態では、L>lの関係になっている。つまり、案内板係止部182に係止される軸側案内板700の鉛直方向の高さは、案内板係止部184に係止される開放側案内板710の鉛直方向の高さよりも低い位置に配設されるようになっている。これにより、内枠160は、閉扉直後は、軸側案内板700により低い位置から傾斜部704の傾斜角度θ分だけ上昇し、その後連続して開放側案内板710の傾斜部714により傾斜角度θ分だけ上昇し、所定の閉扉位置に案内されるようになっている(詳細は後述)。
なお、案内板係止部184は、凹部形状になっており、その凹部185にリブ部185aと、係止穴185bが設けられている。なお、リブ部185a、係止穴185bは、前述した案内板係止部182のリブ部183a、係止穴183bと形状、構造等は変わらないので、図示及び詳細な説明は省略する。
なお、外枠保護部材180は、侵入防止部として外枠170の背面側に向かってコ字形状の突出部188を設けている。これは、軸側案内板700および開放側案内板710により内枠160を案内した場合に内枠160と外枠170に隙間ができてしまった場合でも、隙間から針金、セルロイドなどの不正器具を挿入されることにより、遊技球を不正に払い出されるなど、不正に遊技球をに不正に獲得されないために侵入を防止する目的で設けられている。また、そもそも隙間が生じないようにするためにも設けられている。突出部188は、内枠160と外枠170に隙間ができないようにするため、または隙間ができた場合でも侵入を防御するものであればいずれの形状でもよい。
なお、本実施例では侵入防止部は外枠保護部材180と一体的に設けられているが、別体で設けられていてもよい。
図13を用いて、内枠160が回転して外枠170に閉じられる場合の変遷について説明する。同図(a)は、案内板当接部材162が軸側案内板700に当接して案内される初期状態を表す斜視図であり、同図(b)は、案内板当接部材162が軸側案内板700に案内され案内が終了し、開放側案内板710に当接して案内される初期状態を表す斜視図であり、同図(c)は、案内板当接部材162が開放側案内板710と当接して案内されている状態を表す斜視図であり、同図(d)は、案内板当接部162が開放側案内板710に案内され案内が終了した状態を示す斜視図である。なお、同図は、案内板当接部材162が案内される様子を分かりやすくするため、案内板当接部材162が配設されている内枠160は省略しており、その他、説明に直接関係のない構成部材はできる限り省略している。
まず、案内板当接部材162について詳述する。
案内板当接部材162は、図9で説明したように軸側案内板700および開放側案内板710に当接して案内されるための部材である。
この案内板当接部材162は、内枠160に取付けられたL字形状の部材で、L字型の底面は軸側案内板700および開放側案内板710に案内されるための当接面であり、L字型の背面(外枠170の背面側)は外枠170と内枠160に隙間ができてしまった場合でも、隙間から針金、セルロイドなどの不正器具を挿入されることにより、遊技球を不正に払い出されるなど、遊技球を不正に獲得されないために侵入を防御する部材である。また、隙間が生じないようにする部材でもある。すなわち、本実施例における案内板当接部材162は、軸側案内板700および開放側案内板710に代表される複数の案内部に対して当接する面としての機能と、不正を防止するための機能を有する。
次に、図13(a)に示す内枠160が回転して外枠170に閉じられる場合の変遷について説明する。
まず、同図(a)に示すように、内枠(図示省略)が外枠170方向に閉じられる場合、内枠の下側に配設された案内板当接部材162は、同図矢印A方向のように、外枠に近づく方向に向かって軸側案内板700の傾斜部704に侵入する。そのまま、内枠をさらに閉扉すると案内板当接部材162は、傾斜角度θ(図11(e)参照)を有する傾斜部704に沿って上昇する。
案内板当接部材162は、同図(b)に示すように、傾斜部704を登りきると平面部702に到達し、その後、案内板当接部材162は、開放側案内板710の傾斜部714の先端側から侵入する。
次に、案内板当接部材162は、同図(c)に示すように、開放側案内板710の傾斜角度θを有する傾斜部714に沿って上昇する。なお、この時、案内板当接部材162は、傾斜部714に沿って上昇するに伴って、軸側案内板700の平面部702から次第に離れるようになっている。
次に、案内板当接部材162は、開放側案内板710の傾斜部714を登りきって平面部712に到達する。この状態の時に、案内板当接部材162は、軸側案内板700の平面部702から離れ、開放側案内板710の平面部712によって支持されている。
したがって、案内板当接部材162は、閉扉の初期段階では、内枠160の回転軸(ヒンジ)に近い軸側案内板700から当接し、軸側案内板700の傾斜部704に沿って上昇しながら閉扉方向に移動する。その後、案内板当接部材162は、傾斜部704を上昇し終えると平面部702に移動し、続けて回転軸から遠い位置にある開放側案内板710に当接し、開放側案内板710の傾斜部714に沿って上昇しながら閉扉方向に移動する。案内板当接部材162は、傾斜部714を上昇し終えた場合、平面部712に到達し、平面部712によってのみ支持される。なお、前述したように、内枠が完全に閉扉した場合、案内板当接部材162は、軸側案内板700から離反し、その軸側案内板700によっては支持されない状態になっている。
つまり、内枠160は、閉扉の初期段階では開放側案内板710に案内されることなしに、開放側案内板710よりも鉛直方向に低い位置に配設されている軸側案内板700によって案内され、さらに閉扉されると、軸側案内板700に案内されることなしに、開放側案内板710によってのみ案内され、滑らかに段階的に上昇しながら所定の閉扉位置まで移動することができる。
なお、規制位置まで案内された場合の内枠160の底面は略水平であることが望ましい。換言すれば、複数の案内部は、内枠160に代表される遊技用部材の底面を水平方向に対して平行するように案内することが望ましい。
次に、図14を用いて、内枠160の閉扉動作の変遷について説明する。同図(a)〜(f)は、外枠170に対して内枠160が閉じる状態を連続的に示した概略模式図である。
同図(a)は、外枠170に対して内枠160が開放状態の図である。この状態では、内枠160の案内板当接部材162は、外枠170側に設けられた軸側案内板700若しくは開放側案内板710のいずれにも当接していない。
同図(b)は、同図(a)の状態よりも内枠160が少し閉扉された状態である。この状態では、内枠160の案内板当接部材162は、外枠170に設けられた軸側案内板700の傾斜部704の左角に当接している。したがって、内枠160は、傾斜部704に沿って閉扉方向に案内可能な状態となる。
なお、軸側案内板700は、所定の閉扉位置(開放側案内板710の位置)よりも鉛直方向に低い位置に設けられているので、内枠160が開放されて自重により撓んで、内枠160が鉛直下方にずれた場合でも案内板当接部材162を滑らかに案内することができる。
同図(c)は、同図(b)の状態よりも内枠160がさらに閉扉された状態である。内枠160の案内板当接部材162は、軸側案内板700の傾斜部704に沿って平面部702の所定の位置まで上昇し、平面部702によって支持が開始される。
同図(d)は、同図(c)の状態よりも内枠160がさらに閉扉された状態である。内枠160の案内板当接部材162は、開放側案内板710の傾斜部714の左角に当接している。したがって、内枠160は、傾斜部714に沿って閉扉方向に案内可能な状態となる。
同図(e)は、同図(d)の状態よりも内枠160がさらに閉扉された状態である。案内板当接部材162は、開放側案内板710の傾斜部714に沿って上昇し、平面部712の所定の位置まで移動する。この際、案内板当接部材162は、軸側案内板700の平面部702から次第に離れるようになる。
同図(f)は、内枠160が完全に閉扉した状態である。内枠160の案内板当接部材162は、開放側案内板710の平面部712によってのみ支持され、軸側案内板700の平面部702からは離れた状態になっている。
次に、図15を用いて、軸側案内板700及び開放側案内板710による内枠の案内可能範囲について説明する。同図(a)は、本実施形態の外枠170、外枠保護部材180、軸側案内板700、開放側案内板710を正面から見たところを示す概略図である。同図(b)は、従来品の外枠170、外枠保護部材180、軸側案内板700、開放側案内板710を正面から見たところを示す概略図である。
同図のG点は、内枠(図示省略)の回転軸を示し、H点は、回転軸に近い位置にある軸側案内板700が内枠の案内を開始できる下側可能案内点であり、J点は、軸側案内板700が内枠160を限界まで案内できる上側案内可能点である。
すなわち、内枠は、軸側案内板700により、内枠が自重により傾いてしまった場合でも、内枠の案内を開始可能な下側可能案内点を超えて傾かない限り、上側案内可能点までの高さ分、内枠を上昇させることができる。本実施例では、内枠はヒンジ係合部172によって略底面端部で支持されているため、G点とH点を結んだ線とG点とJ点を結んだ線により形成される案内角度θによって決まる鉛直方向の高さL2だけ上昇可能にされている。なお、内枠が底面端部で支持されず、たとえば側部端部で支持されている場合などでは、上昇範囲の算出方法は上記方法と異なるが、いずれの構成であるとしても、内枠に代表される遊技用部材を案内開始できる下側案内限界点に遊技用部材が当接した際の遊技用部材の傾きに対する、遊技用部材を上昇して限界まで案内できる上側案内限界点まで達した際の遊技用部材の傾きの相対角度が、案内有効角度θを表す。これは、軸側案内板700に限らず、開放側案内板710および後述する案内ローラによる案内においても同様である。
内枠は、軸側案内板700に沿って外枠170方向に案内されるが、内枠160が傾き軸側案内板700のH点から外側に外れている場合には、外枠保護部材180に付き当たってしまい、閉扉不可能になる。つまり、G点とH点を結んだ線とG点とJ点を結んだ線で形成される角度θが大きいほど、軸側案内部材700は、内枠160を案内できる許容範囲が大きいことになる。
軸側案内板700及び開放側案内板710によって内枠を案内することができる最大案内可能範囲L1は、軸側案内可能範囲L2と後で説明する開放側案内可能範囲L3によって決まる値である。
開放側案内可能範囲L3は、開放側案内板710によって内枠160を案内して上昇できる高さである。開放側案内可能範囲L3は、G点と開放側案内板710の下面左側のK点を結んだ線とG点と開放側案内板710の上面右側のL点を結んで形成される角度θ1によって決まる値である。なお、本実施形態ではG点と開放側案内板710の上面は同じ高さにあるので、G点とL点を結んだ線は水平方向に平行な線となる。
なお、内枠は、軸側案内板700に案内された後、連続して開放側案内板710により案内される。つまり、内枠160が案内板により滑らかに案内されるためには、軸側案内可能範囲L2は、開放側案内可能範囲L3と一部が重複することが望ましい(例えば、同図(a)に示す本実施形態)。軸側案内可能範囲L2と開放側案内可能範囲L3が重複していない(離れている)場合(例えば、同図(b)に示す従来品)、内枠は、軸側案内板700に案内された後、外枠保護部材180に突き当たってしまい、開放側案内部材710での案内が困難になる場合がある。一方、軸側案内可能範囲L2と開放側案内可能範囲L3の案内可能範囲を重複しないように複数の案内部を設けてもよい。一部を重複させた場合よりも滑らかに案内されない場合があるが、代わりに最大案内可能範囲L1を大きくすることができるという効果がある。
本実施形態では、同図(a)に示すように、軸側案内板700は、開放側案内板710に対して低い位置に設けられている。これにより、軸側案内可能範囲L2は大きくなり、且つ軸側案内可能範囲L2と開放側案内可能範囲L3は、一部が重複するように構成されている。つまり、内枠は、軸側案内部材700で上昇するように案内された後、軸側案内部材700に上昇されずに案内された後、開放側案内板710に上昇するように案内されるようになっている。これにより、より滑らかに案内されるようになっている。
また、軸側案内板700の軸側案内可能範囲L2と開放側案内板710の開放側案内可能範囲L3は、重複範囲が少ないほど、最大案内可能範囲L1を大きくとることができる。
一方、従来品の遊技用ユニットは、同図(b)に示すように、軸側案内板700と開放側案内板710は、同じ高さに配設されている。
このため、軸側案内可能範囲L2′は、同図(a)に示す軸側案内可能範囲L2よりも範囲が狭くなっている。また、軸側案内板700と開放側案内板710の高さ位置が同じため、開放側案内板710の開放側案内可能範囲L3′の全範囲が案内可能範囲L2′に含まれている。したがって、内枠は、軸側案内板700に案内されている最中に、途中から開放側案内板710に案内されるが、最終的な案内終了位置は軸側案内板700も開放側案内板710も同じになっている。つまり、従来品の遊技用ユニットの軸側案内可能範囲L2′と開放側案内可能範囲L3′を合わせた最大上昇可能範囲L1′は、前述した本実施形態の最大上昇可能範囲L1よりも範囲が狭くなる。
なお、本説明では、軸側案内可能範囲L2およびL2′、開放側案内可能範囲L3およびL3'ならびに最大上昇可能範囲L1およびL1'を用いて発明と従来品を比較してきたが、軸側案内可能範囲θおよび開放側案内可能範囲θ1を用いて比較しても同様である。
なお、本実施形態では、外枠170は、軸側案内板700と開放側案内板710の2個の案内板を備えた構造としたが、最大上昇可能範囲を広くするために軸側案内部材700と開放側案内部材710の間にさらに複数の案内板を設ける構造としても好ましい。
また、開放側案内板710により案内した後、開放側案内板710より軸側で内枠160を支持するための内枠支持部(図示せず)を設けてもよい。たとえば、「回転軸を中心として外枠170に代表される所定の部材に対して回転可能に設けられた内枠160に代表される遊技用部材を備えた遊技用ユニットにおいて、前記遊技用部材の回転が規制される規制位置に前記遊技用部材を案内するための複数の案内部を備え、複数の案内部は、軸側案内板700に代表される第1の案内部と、第1の案内部よりも開放端側に設けられた開放側案内板710に代表される第2の案内部と、を少なくとも含み、複数の案内部は、前記遊技用部材が前記規制位置向かって回転する際に、前記第2の案内部で案内を行うことなしに前記第1の案内部で案内を行った後、前記第1の案内部で案内を行うことなしに前記第2の案内部で前記遊技用部材の案内を行い、前記規制位置に位置した場合に、前記第2の案内部と、前記第2の案内部よりも軸側に設けられた前記遊技用部材を支持するための遊技用部材支持部によって支持されることを特徴とし」てもよい。この内枠支持部は、規制位置において、軸側で内枠160を支持しないと内枠160が安定して支持されない可能性があるために設けたものである。そのため、内枠支持部は、内枠160に代表される遊技用部材を底面で支持することが望ましい。また、内枠支持部は、軸側案内板700に代表される軸側案内部の近傍に設けられることが望ましい。また、内枠支持部は、軸側案内板700に代表される軸側案内部と同一成型部でもよいし、軸側案内部に取付けられた部品でもよいし、軸側案内部と別体の部品でもよい。なお、いうまでもなく回転軸上(本実施例ではヒンジ158)でも内枠を支持しているが、内枠支持部はヒンジ158とは異なる支持部である。
次に、図16は、本発明の第2実施形態に係る遊技用ユニット2を背面(遊技者と反対側)から見た概略斜視図である。この第2実施形態は、前述した案内板及び案内板当接部材の代わりに案内ローラ装置750を設け、外枠170に内枠160を案内するところに特徴がある。
なお、内枠160、外枠170、ヒンジ158の形状、構造等は前述した第1実施形態と同じであるので同じ番号を付し、詳細な説明は省略する。
案内ローラ装置750は、内枠160に設けられた回転ローラ752と、外枠170に設けられた案内板754と、から構成されている。
回転ローラ752は、内枠160の背面側(遊技者と反対側、以下同様)の長手方向に設けられた回転可能なローラ部材である。本実施形態では、回転ローラ752は、開放側の長手方向の真中下方に1個設けられているが、内枠160を外枠170に滑らかに案内できる構造であれば、配設位置、数はこれに限定されるものではない。
案内板754は、平面部及び傾斜部を有する断面への字形状の板金部材である。案内板754は、外枠170の正面側(遊技者側、以下同様)で回転ローラ752に対応する位置に設けられている。また、案内板752は、内枠160が開放して自重により鉛直方向の下側に撓んだ場合でも、案内板754の傾斜部の先端が回転ローラ752を案内できる位置に配設されている。
したがって、図17に示すように、内枠160が開放状態から同図矢印A方向のように、外枠方向に向かって閉扉される場合、内枠160に設けられた回転ローラ752は、外枠170に設けられた案内板754の傾斜部の先端から案内され始める。
内枠160は、図18に示すように、回転ローラ752が案内板754の傾斜部に案内されながら上昇すると共に、外枠170の平面部の所定の係止位置まで案内さる。
このように、内枠160の案内は、前述の第1実施形態のように外枠170の側部(底面部)で行ってもよく、本第2実施例のように外枠170に設けた案内ローラ装置750で行うようにしてもよい。
したがって、本実施例は、内枠160と外枠170に案内ローラ装置750を設けることによって、内枠160が外枠170に当接した場合に、内枠160の回転ローラ752が案内板754上で回転する構造としているので、案内時の滑り摩擦を減らすことができ、少ない力でより滑らかに案内することができる。
なお、回転ローラ752にバネ材等の衝撃吸収部材を設け、内枠160が外枠170に当接した際の衝撃を吸収できるようにしてもよい。
なお、前述した実施形態の軸側案内板と開放側案内板の角度を変えるようにしても好ましい。
例えば、図19(a)、(b)に示すように、本実施形態は、軸側案内板800の平面部802(図面の水平方向)と傾斜部804の角度θ1と、開放側案内板810の平面部812(図面の水平方向)と傾斜部814の角度θ2の相対関係が、θ1<θ2になるように構成されている。換言すると、水平方向に対しての案内傾斜角度が、開放側の案内部よりも軸側の案内部のほうが小さいということを特徴としている。
つまり、上記のような形状にすることによって、傾斜角度の小さい軸側案内板800で内枠(例えば、第1実施形態で説明した内枠160)を小さい力で容易に案内した後に、傾斜角度の大きい開放側案内板810で所定の高さまで内枠を案内することができ、内枠をより滑らかに案内することができる。
なお、軸側案内板800の平面部802(図面の水平方向)と傾斜部804の角度θ1と、開放側案内板810の平面部812(図面の水平方向)と傾斜部814の角度θ2の相対関係が、θ1>θ2になるように構成されてもよい。換言すると、水平方向に対しての案内傾斜角度が、開放側の案内部よりも軸側の案内部のほうが大きいということを特徴としている。この構成では、内枠を閉じる場合に、案内部などの摩擦が生じていない状態で内枠の移動速度を加速し、その力を利用して軸側の案内部により内枠を一気に上昇させ、その後開放側の案内部で少し上昇させることになる。これにより、扉を閉める際に力をあまり加えなくてもよくなる。
なお、軸側案内板(例えば、軸側案内板700、800)の材質を開放側案内板(例えば、開放側案内板710、810)の材質よりも強度の大きい(または、傷がつきにくい、破壊されにくい、硬い)材質にしてもよい。軸側案内板は、開放側案内板よりも内枠と高速で衝突するので、強度を強くしておくことが望ましく、例えば、軸側案内板の材質を鉄等の金属にし、開放側案内板の材質をプラスチック等の樹脂にしてもよい。これにより、材料の最適化(コスト低減、軽量化)を図ることができる。なお、軸側案内板の材質を開放側案内板の材質よりも強度の小さい(または、傷がつきやすい、破壊されやすい、柔らかい)材質にしてもよい。
また、軸側案内板、開放側案内板を内枠側に設けてもよい。例えば、図20は、内枠に配設された案内板当接部材に案内板を形成したものである。同図(a)は、案内板当接部材850の斜視図であり、同図(b)〜(f)は、案内板当接部材850の正面図、平面図、左側面図、右側面図、下面図であり、同図(g)は、案内板当接部材850の矢印方向から見たA−A断面図であり、同図(h)は、案内板当接部材850の矢印方向から見たB−B断面図である。
案内板当接部材850は、同図(a)に示すように、内枠(図示省略)と固定するための複数の貫通穴851を備え、さらに回転軸に近い側(軸側)に軸側案内部852と、回転軸に遠い側(開放側)に開放側案内部854と、を備えている。また、案内板当接部材850は、内枠(図示省略)が外枠(図示省略)に閉扉される場合に矢印方向(外枠方向)に軸回転して移動する。
軸側案内部852は、同図(g)のA−A断面図を見て分かるように、内枠(図示省略)の閉扉方向を先端方向として、先端方向から後方に広がる方向に傾斜している傾斜部852aと、平面部852bと、を備えている。
開放側案内部854は、同図(h)のB−B断面図を見て分かるように、軸側開放部852と同様に、内枠(図示省略)の閉扉方向を先端方向として、先端方向から広がる方向に傾斜している傾斜部854aと、平面部854bと、を備えている。
なお、内枠が滑らかに案内されるために、軸側案内部852の傾斜部852aの終わり部分(平面部852bとの境目)と、開放側傾斜部854aの先端部が略同じ高さになっていることが好ましい。
次に、内枠(図示省略)が閉扉する際に、前述した案内板当接部材850が外枠保護部材870に当接して案内される方法について説明する。
図21は、案内板当接部材850と外枠保護部材870の斜視図である。なお、同図は、案内板当接部材850が配設される内枠等の図示は省略している。
案内板当接部材850は、各部位の説明は前述した通りであるので説明は省略する。
外枠保護部材870は、回転軸に近い側に軸側案内面872と、回転軸に遠い側に開放側案内面874を備えている。
軸側案内面872は、内枠(図示省略)が閉扉した際に、案内板当接部材850の軸側案内部852と対応する位置に設けられた平面である。
開放側案内面874は、内枠(図示省略)が閉扉した際に、案内板当接部材850の開放側案内部854と対応する位置に設けられた平面である。
したがって、外枠(図示省略)に対して、内枠(図示省略)が閉扉する場合、内枠の背面側(遊技者と反対側)に配設された案内板当接部材850は、矢印A方向(外枠方向)に回動する。
案内板当接部材850は、軸側に設けられた軸側案内部852の傾斜部852aの先端側から外枠保護部材870の軸側案内面872に当接する。
その後、軸側案内部852は、傾斜角度に沿って所定の高さだけ上昇して平面部852bに到達する。
内枠が閉扉し、案内板当接部材850が前述の所定の高さまで上昇した後(平面部852bに到達した後)、案内板当接部材850の開放側案内部854は、傾斜部854aの先端部分から外枠保護部材870の開放側案内面874に当接する。
さらに内枠が閉扉されるに従い、開放側案内部854は、傾斜部854aに沿って所定の高さまで上昇して平面部854bに到達する。
なお、案内板当接部材850は、傾斜部854aに沿って上昇し始めると、次第に平面部852bから離れ、最終的に平面部854bに到達した状態では、案内板当接部材850は、開放側案内部854のみによって支持されるようになっている。
また、図22に示すように、案内板を案内板当接部材に連続的に一体として形成するようにしてもよい。
同図(a)は、案内板当接部材900の斜視図であり、同図(b)〜(f)は、案内板当接部材900の正面図、平面図、左側面図、右側面図、下面図であり、同図(g)は、案内板当接部材900の矢印方向から見たD−D断面図であり、同図(h)は、案内板当接部材900の矢印方向から見たG−G断面図である。
図22に示す案内板当接部材900は、案内板と案内板当接部材を板金加工で一体形成したものである。
案内板当接部材900は、同図(a)に示すように、内枠(図示省略)と固定するための複数の貫通穴901と、案内板当接部材900の軸側から開放側への長手方向に連続的に形成された案内部910が設けられている。
この、案内部910は、軸側911から開放側916へ連続して形成されており、底面910aは、軸側911から開放側916に傾斜角θを有して広がるように形成されている。
さらに案内板910は、閉扉方向(同図(a)の矢印A方向)を先端方向、内枠(図示省略)側を後方として、その先端方向から後方に広がるように傾斜角度を有する傾斜部912a、914aが設けられている(同図(g)、(h)参照)。
なお、同図(g)および(h)に示すように、軸側案内部912のほうが開放側案内部914よりも水平方向に対して傾斜角度が小さくなるように設けられている。また、軸側案内部912および開放側案内部914は、案内当接部材900の水平方向に任意の2点を取り、軸に近い側が軸側案内部912、軸から遠い側が開放側案内部914となる。
図23は、案内板当接部材900と外枠保護部材920の斜視図である。なお、同図は、案内板当接部材900が配設される内枠や、外枠保護部材920が配設される外枠等の図示は省略している。
案内板当接部材900は、各部位の説明は前述した通りであるので説明は省略する。
外枠保護部材920は、回転軸に近い側に軸側案内面922と、回転軸に遠い側に開放側案内面924を備えている。
軸側案内面922は、内枠(図示省略)が閉扉した際に、案内板当接部材900の案内板910の軸側に近い部位(例えば、軸側案内部912)と対応する位置に設けられた平面である。
開放側案内面924は、内枠(図示省略)が閉扉した際に、案内板当接部材900の案内板910の開放側に近い部位(例えば、開放側案内部914)と対応する位置に設けられた平面である。
したがって、外枠(図示省略)に対して、内枠(図示省略)が閉扉する場合、内枠の背面側(遊技者と反対側)に配設された案内板当接部材900は、矢印A方向(外枠方向)に回動する。
案内板当接部材900は、案内板910の軸側案内部914の傾斜部の先端側(遊技者と反対側)から外枠保護部材920の軸側案内面922に当接する。
その後、案内部910は、前述した傾斜角度θに沿って所定の高さだけ上昇し、開放側916に到達すると、内枠は外枠と完全に閉扉した状態になる。なお、開放側916の近傍は平面になっており、内枠と外枠が略閉扉した場合、その開放側916近傍の平面で内枠を支えるように構成されている。
なお、本実施例では案内板を案内板当接部材に連続的に一体として形成するようにしているが、案内板を外枠保護部材(例えば、外枠保護部材180、870、920)に一体的に設けてもよい。この場合、外枠保護部材は、軸側から開放端側に向かって斜め上に傾斜している。そして、水平方向に任意の2点を取り、軸に近い側が軸側案内部912に対応する案内部、軸から遠い側が開放側案内部914に対応する案内部となる。さらに、軸側案内部912に対応する案内部は、開放側案内部914に対応する案内部よりも案内のための傾斜角度θが小さい(緩やかな傾斜)となっていてもよい。また、外枠保護部材180に案内板(部)を設けず、直接外枠に案内板(部)を設けてもよい。
また、図24に示すように、外枠保護部材に対して軸側案内板を所定の位置に配設し、開放側案内板を軸側案内板よりも低い位置に配設するようにしてもよい。
同図(a)〜(e)は、外枠保護部材950の正面図、平面図、左側面図、右側面図、下面図であり、同図(f)は、外枠保護部材950の斜視図である。
外枠保護部材950は、開放側(遊技者側)の平面に装飾用絵柄951が施され、上面には、案内板係止部952、954が設けられている。
案内板係止部952は、凹形状になっており、その凹部953にリブ部183aと、係止穴183bが設けられている。なお、リブ部183a及び係止穴183bは、前述した実施例のリブ部、係止部と同じ形状、構造であるので、同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
この案内板係止部952は、前述した軸側案内板700が正面方向から嵌めこまれ、その軸側案内板700の穴部702a側から挿通されるネジ(図師省略)と係止穴182bの裏面に配設されたナット(図示省略)が螺合することによって、軸側案内板700と係止する。
案内板係止部954は、凹部形状になっており、その凹部955にリブ部185aと、係止穴185bが設けられている。なお、リブ部185a及び係止穴185bは、前述した実施例のリブ部、係止部と同じ形状、構造であるので、同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
また、同図(b)に示すように、案内板係止部952の凹部953の溝深さはLであり、案内板係止部954の凹部955の溝深さはlであり、本実施例では、L<lの関係になっている。したがって、案内板係止部952に係止される軸側案内板700の垂直高さは、案内板係止部954に係止される開放側案内板710の垂直高さよりも高い位置に配設されるようになっている。なお、凹部955の溝深さlは、凹部955に嵌合される開放側案内板710の上面の高さが、開放されて自重で撓んだ内枠の案内板当接部材を案内できるように、案内板当接部材の開放側先端と同じ高さか、少し低い位置になるように構成することが好ましい。
つまり、開放された内枠(図示省略)の開放側は、自重によって鉛直下方に撓み、その撓んだ開放側の案内板当接部材は、略同じ高さに設けられた案内板係止部954により所定の高さ(本実施形態の場合、軸側案内板の上面の位置)まで滑らかに案内されることができる。
また、図25に示すように、摺動可能な案内板に大きさの異なる複数のローラを設け、箱形形状の案内板当接部に挿入するようにしてもよい。
図25(a)は、本実施形態に係る案内部1000の斜視図であり、同図(b)は、本実施形態に係る案内部1000の分解斜視図である。
案内部1000は、案内板当接部材1010と、案内板1020と、を備え、この案内板当接部材1010は、中空の箱状部材である。
案内板1020は、板状部材であり、同図(b)に示すように、上面側には大きさの異なる複数の回転ローラ装置1030が配設され、案内板当接部材1010内を矢印A方向に摺動可能に構成されている。
回転ローラ装置1030は、摺動方向の後方(外枠側)から順番に第1回転ローラ1032、第2回転ローラ1034、第3回転ローラ1036が配設され、この回転ローラが案内板当接部材1010の中空部の内部で回転することにより、案内板1020は滑らかに摺動することができる。
また、第1回転ローラ1032が最も大きく、第2回転ローラ1034、第3回転ローラ1036の順番で回転ローラの寸法が次第に小さくなっている。なお第1回転ローラ1032の大きさは、案内板1020が案内板当接部材1010に水平に嵌合した時に、案内板当接部材1010と第1回転ローラ1032の間にガタ(隙間)がないように構成されていることが好ましい。
次に、案内板1020が案内板当接部材1010に案内される場合の変遷について説明する。図26(a)〜(d)は、案内板1020が案内板当接部材1010に案内される場合の変遷を表す図である。
同図(a)に示すように、案内板1020を矢印A方向に摺動させて案内板当接部材1010に挿入する。
同図(b)に示すように、挿入方向先端に配設されている第3回転ローラ1036が案内板当接部材1010と当接する。この時、案内板1020の後方(挿入方向と逆側)は、案内板1020の自重により撓み、下方に傾いている状態である。
同図(c)に示すように、案内板1020をさらに挿入すると、第2回転ローラ1034が案内板当接部材1010と当接して回転する。
同図(d)は、案内板1020が案内板当接部材1010と完全に閉扉した状態である。
このように、回転ローラ装置1030は、挿入方向の先端は小さいサイズの回転ローラを用い、挿入段階が進むにつれ配設されている回転ローラのサイズを大きくしているため、案内板1020が自重により撓んだ場合でも挿入初期は挿入し易く、案内板1020を滑らかに案内することができる。
本実施例は、回転軸を中心として所定の部材(例えば、外枠170)に対して回転可能に設けられた遊技用部材(例えば、内枠160)を備えた遊技用ユニットにおいて、前記遊技用部材の回転が規制される規制位置(例えば、凹部183、185)に前記遊技用部材を案内するための複数の案内部(例えば、軸側案内板700、開放側案内板710)を備え、前記複数の案内部は、第1の案内部(例えば、軸側案内板700)と該第1の案内部よりも前記回転軸から遠い位置に設けられた第2の案内部(例えば、開放側案内板710)と、を少なくとも備え、前記複数の案内部は、前記遊技用部材が前記規制位置に向かって回転する際に、前記第2の案内部で案内を行うことなしに前記第1の案内部で前記遊技用部材の案内を行った後、前記第1の案内部で案内を行うことなしに前記第2の案内部で前記遊技用部材の案内を行うように設けているので、内枠160を外枠170に滑らかに案内することができるという効果がある。
また、本実施形態は、前記第1の案内部は、前記第2の案内部と同一形状にしているので、内枠160を外枠170に滑らかに案内することができるという効果がある。
また、本実施例は、前記第1の案内部は、前記第2の案内部と同一の材質からなる構成としているので、内枠160を外枠170に滑らかに案内することができるという効果がある。
また、本実施形態は、前記遊技用部材は、前記遊技用部材の底面(例えば、案内板当接部材162の位置)において、前記第1の案内部及び前記第2の案内部に案内されるように設けられているので、内枠160を外枠170に滑らかに案内することができるという効果がある。
また、本実施形態は、前記第1の案内部は、前記第2の案内部よりも鉛直方向に対して低い位置に設けられているので、内枠160が開放して撓んだ場合でも、内枠160を外枠170に滑らかに案内することができるという効果がある。
また、本実施形態は、前記複数の案内部は、前記遊技用部材が前記規制位置で規制された際に、前記第2の案内部のみで前記遊技用部材を支持する構成としているので、内枠160を確実に支持できるという効果がある。
本実施形態は、遊技用ユニット1を備える遊技台において、前記第1の案内部は、前記遊技用部材の回転が規制される規制位置に該遊技用部材を案内できる限界角度である第1案内有効角度(例えば、図19(a)に示す傾斜角度θ1)を有し、前記第2の案内部は、前記遊技用部材を前記規制位置に案内できる限界角度である第2案内有効角度(例えば、図19(b)に示す傾斜角度θ2)を有し、前記第1案内有効角度は、前記第2案内有効角度よりも小さい構成にしているので、内枠の閉扉開始時の衝撃を少なくすることができるという効果がある。
また、本実施形態は、前記第1の案内部の材質は、前記第2の案内部の材質よりも強度が強い構成としているので、最適材質を選択でき、コスト等を安くできるという効果がある。
また、本実施形態は、所定の部材(例えば、案内版当接部材1020)に対して移動可能に設けられた遊技用部材(例えば、案内板当接部材1010)を備えた遊技用ユニットにおいて、前記遊技用部材の移動が規制される規制位置に近づけるように設けられた複数の案内部(例えば、回転ローラ装置1030)と、を備え、前記複数の案内部は、第1の案内部(例えば、第3回転ローラ1036)と、該第1の案内部よりも規制位置に近い位置まで案内する第2の案内部(例えば、第1回転ローラ1032)と、を備えているので案内板1010を案内板当接部材1020に滑らかに案内することができるという効果がある。
また、本実施形態は、複数種類の図柄が施された複数のリールと、前記複数のリールの回転を開始させるスタートスイッチと、前記複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるストップスイッチと、予め定められた複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、停止された前記複数のリールによって表示される図柄の組合せが、前記抽選手段により内部当選した入賞役に対応する図柄の組合せであるか否かにより前記入賞役の入賞の当否を判定する判定手段と、を備えているので、遊技用ユニット1又は2をスロットマシンでも用いることができるという効果がある。
また、本実施例は、所定の入賞口を有する遊技盤をさらに備え、前記所定の入賞口に遊技球が入球することにより、所定の特典を与える構成としているので、遊技用ユニット1又は2をパチンコ機でも用いることができるという効果がある。
また、内枠(前枠)などに代表される移動する遊技用部材が重さで内枠自身や回転軸の部材(ヒンジ部材)が撓み、外枠に対して内枠が正常な位置からずれ、閉扉しなくなってしまったり、滑らかに移動ができなくなってしまった場合でも、滑らかに移動できる遊技用ユニット及び遊技台を提供することができるという効果がある。
また、本実施例は、複数の案内部を設けたことで、単数の案内部で規制位置までの上昇範囲まで上昇される場合と比較して、案内部の大きさを小さくすることを可能としたという効果がある。
また、軸側案内板700は外枠170の底面部に配設し、開放側案内板710は外枠170の外枠側部に配設して内枠160を案内するようにしてもよい。
また、軸側案内板700、開放側案内板710は、外枠170の外枠側部に配設してもよい。
また、軸側案内板700は内枠160の底面部に配設し、開放側案内板710は内枠160の外枠側部に配設して内枠160を案内するようにしてもよい。
また、軸側案内板700、開放側案内板710は、内枠160の内枠側部に配設してもよい。
また、第1の実施例では、内枠に代表される遊技用部材を案内開始できる下側案内限界点が軸側案内板700および開放側案内板710と、を比較すると、軸側案板700のほうが、開放側案内板710よりも鉛直方向に対して下方に位置するように設けられていたが、開放側案内板710に代表される第2の案内部で案内を行うことなしに軸側案内板700に代表される第1の案内部で前記遊技用部材の案内を行った後、前記第1の案内部で案内を行うことなしに前記第2の案内部で前記遊技用部材の案内を行うように設けられていれば、軸側案内板700および開放側案内板710の下側案内限界点は鉛直方向に対して等しい位置に設けられてもよいし、軸側案内板700のほうが高い位置に設けられていてもよい。
また、軸側案内板700は外枠170の底面部若しくは外枠側部に配設され、開放側案内板710は、内枠160の底面部若しくは内枠側部に配設されるようにしてもよく、その逆も好ましい。
また、軸側案内板700若しくは開放側案内板710は、少なくとも何れかを内枠160若しくは外枠170と一体に構成してもよい。
また、軸側は、案内ローラ装置750で案内し、開放側は、開放側案内板710で案内するようにしてもよく、その逆でも好ましい。
また、軸側案内板700の板金の横幅を開放側案内板710の板金の横幅よりも広くしてもよく、その逆でも好ましい。
また、本実施形態は、内枠160に対して扉部材156が回転する遊技用ユニットに用いてもよい。
また、本実施形態は、内枠160に対して皿ユニット(図1の144、146、150および148の少なくともいずれかを備えた遊技用ユニット)が回転する遊技用ユニットに用いてもよい。
また、本実施形態は、基板取付ベースに対して基板ケースが回転する遊技用ユニットに用いてもよい。
また、本実施形態は、外枠170は、遊技屋(例えば、パチンコ店)の島設備に釘等で打ちつけられて固定される場合が多く、このため、外枠170は、木材が使用されるのが一般的となっている。しかし、木材は、プラスチック等の樹脂材や金属部材と比較して変形し易く、遊技台に使用されている他の軸回転する遊技用ユニットよりもヒンジ158部分が変形して傾斜が起こりやすくなるので、外枠170と内枠160に用いるのが好適だが、上記に限定されず、所定の部材に対して回転する遊技用ユニットであれば、様々な遊技用ユニットに利用できることは言うまでもない。
また、本実施形態は、鉛直方向の回転軸(ヒンジ158など)を中心として、所定の部材(外枠170)に対して前後方向に回転可能に設けられた遊技用部材(内枠160)を備えた遊技用ユニットにおいて、前記遊技用部材の回転が回転不能に規制される規制位置に向かって前記遊技用部材を案内するための複数の案内部(軸側案内板700および開放側案内板710など)を備え、前記複数の案内部は、第1の案内部(軸側案内板700など)と該第1の案内部よりも前記回転軸から遠い位置に設けられた第2の案内部(開放側案内板710など)と、を少なくとも備え、前記鉛直方向の回転軸は、回転軸のみで前記遊技用部材を支持した際に重心が回転軸の鉛直方向ではない位置で支持し、前記複数の案内部は、前記遊技用部材が前記規制位置に向かって回転する際に、前記第2の案内部で案内を行うことなしに前記第1の案内部で前記遊技用部材を上昇させて案内を行った後、前記第1の案内部で案内を行うことなしに前記第2の案内部で前記遊技用部材を上昇させて案内することを特徴とする、遊技用ユニットであることを特徴としてもよい。
また、上記実施例においては、遊技球を遊技媒体としたパチンコ機の例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシンなどにも適用可能である。以下、スロットマシンの一例について説明する。
<全体構成>
まず、図27を用いて、スロットマシン1100の全体構成について説明する。なお、同図はスロットマシン1100の外観斜視図を示したものである。
スロットマシン1100は、略箱状の本体1101と、この本体1101の前面開口部に取り付けられた前面扉1102とを有して構成されている。スロットマシン1100の本体1101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が所定コマ数だけ配置されたリールが3個(左リール1110、中リール1111、右リール1112)収納され、スロットマシン1100の内部で回転できるように構成されている。各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール1110乃至1112が構成されている。リール1110乃至1112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓1113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール1110乃至1112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。
また、図柄表示窓1113の外枠には、点滅や点灯などの点灯制御によって、後述する有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED(図示省略)が配置されている。
さらに、スロットマシン1100内部において各々のリール1110乃至1112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間を、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン1114上に表示されるようにリール1110乃至1112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ1120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン1100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン1114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン1114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ1121は、リール1110乃至1112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ1122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ1123は、内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ1124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。払出枚数表示器1125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器1126は、メダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器1127は、スロットマシン1100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ1128は、演出用のランプである。
メダル投入ボタン1130、1131は、スロットマシン1100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。この例では、メダル投入ボタン1130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン1131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口1134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン1130又は1131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口1134から実際のメダルを投入することもできる。精算ボタン1132は、スロットマシン1100に電子的に貯留されたメダル及びベットされたメダルを精算し、メダル払出口1155よりメダル受皿1156に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン1133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。
スタートレバー1135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口1134に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー1135を操作すると、これを契機としてリール1110乃至1112が回転し、遊技が開始される。ストップボタン1137乃至1139は、スタートレバー1135の操作によって回転を開始したリール1110乃至1112に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール1110乃至1112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン1137乃至1139を操作すると対応するいずれかのリール1110乃至1112が停止することになる。
ドアキー孔1140は、スロットマシン1100の前面扉1102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口1155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿1156は、メダル払出口1155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿1156は、本実施例1では発光可能な受皿を採用している。
上部ランプ1150、サイドランプ1151、中央ランプ1152、腰部ランプ1153、下部ランプ1154は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。演出装置1190は、例えば開閉自在な扉装置(シャッター)1163が前面に取り付けられた液晶表示装置を含み、この演出装置1190には、例えば小役告知等の各種の情報が表示される。音孔1160は、スロットマシン1100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。タイトルパネル1162には、スロットマシン1100を装飾するための図柄が描かれる。
<制御部>
次に、図28を用いて、このスロットマシン1100の主制御部1300の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は主制御部1300の回路ブロック図を示したものである。
スロットマシン1100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部1300と、主制御部1300が送信したコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部1400とからなる。
主制御部1300は、主制御部1300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU1310や、CPU1310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路1314は、水晶発振器1311が発振したクロックを分周してCPU1310に供給する回路である。例えば、水晶発振器1311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU1310は、クロック補正回路1314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU1310には、センサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路1315をバスを介して接続している。CPU1310は、電源が投入されると、データバスを介してROM1312の所定エリアに格納した分周用のデータをタイマ回路1315に送信する。タイマ回路1315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU1310に送信する。CPU1310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU1310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路1315の分周値を1/256、ROM1312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
さらに、CPU1310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM1312や、一時的なデータを保存するためのRAM1313を接続している。なお、これらのROM1312やRAM1313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部1400においても同様である。
また、CPU1310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース1360を接続し、割込み時間ごとに入力インタフェース1360を介して、メダル投入センサ1320、スタートレバーセンサ1321、ストップボタンセンサ1322、メダル投入ボタンセンサ1323、精算スイッチセンサ1324、メダル払出センサ1326の状態を検出し、各センサを監視している。
スタートレバーセンサ1321はスタートレバー1135の操作を検出するためのセンサである。ストップボタンセンサ1322はストップボタン1137〜1139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検出するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ1323はメダル投入ボタン1130、1131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検出するためのセンサである。精算スイッチセンサ1324は、精算ボタン1132に設けており、精算ボタン1132が一回押されると、貯留しているメダル及びベットしているメダルを精算して払い出すことになる。
CPU1310には、さらに、入力インタフェース1361、出力インタフェース1370、1371をアドレスデコード回路1350を介してアドレスバスに接続している。CPU1310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース1361には、インデックスセンサ1325を接続しており、インデックスセンサ1325は、リール1110〜1112に設けた遮光片が通過するたびにハイレベルになる。CPU1310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インタフェース1370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部1330と、ホッパー1172のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部1331と、遊技ランプ1340(入賞ライン表示ランプ1120、スタートランプ1121、再遊技ランプ1122、告知ランプ1123、メダル投入ランプ1124等)と、7セグメント(SEG)表示器1341(払出枚数表示器1125、遊技回数表示器1126、貯留枚数表示器1127等)と、後述する外部集中端子板1450を接続している。
また、CPU1310には、水晶発信器1316が出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路1318と、このカウンタ回路1318が生成するハードウェア乱数を取得・保持するラッチ回路1317を接続している。
また、CPU1310のデータバスには、副制御部1400にコマンドを送信するための出力インタフェース1371を接続している。主制御部1300と副制御部1400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部1300は副制御部1400へコマンドを送信するが、副制御部1400から主制御部1300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
このようなスロットマシン1110に本発明を適用し、CPU(例えば、CPU1310)からI/O空間を介してアクセス可能な第1の記憶領域(例えば、RAM1313のI/O空間対応記憶領域)を少なくとも有する記憶手段(例えば、RAM1313)を備えたスロットマシン1100としてもよい。
このようなスロットマシン1100によれば、
本体1101に代表される所定の部材に対して前面扉1102に代表される遊技台用部材の移動を行う際に、より滑らかに前面扉1102を移動できるという効果がある。