JP5055179B2 - 軸流式圧縮機のケーシング - Google Patents

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Description

本発明は、軸流式圧縮機に関し、詳細には、ロータの外周に配列された動翼の翼端を囲うよう回転軸の周方向に延びているケーシングの構造に関する。
航空機用ジェットエンジンや、産業用ガスタービン等には、圧縮機として、一般的に、軸流式圧縮機が用いられている。軸流式圧縮機は、通常、動翼が外周に配列されたロータに加え、動翼の翼端(いわゆる動翼チップ)に対向して、ロータの回転軸の周方向に延びているケーシング(車室)を有している。
このような軸流式圧縮機は、高圧力比等の作動条件によっては、翼の表面から気流が剥離する翼失速(以下、単に「ストール」と記す)が生じることがある。ストールが生じると、圧縮機は、前方側からの気体を昇圧して、後方側に向かう流れを形成することができなくなり、回転軸の周方向に配列された翼のうち隣り合う翼の間において気柱振動等が生じて翼の温度が上昇する等の問題が生じる。ストールが生じることを回避するため、軸流式圧縮機においては、作動条件に制約を設けており、効率の高い作動条件で運転することが困難であった。
このようなストールが生じる一因として、ケーシングの内壁面と回転する翼端との間をと抜けて、翼の腹面側の空間から背面側の空間に漏れる気体の流れ(以下、単に「漏れ流れ」と記す)がある。漏れ流れの流量が多いと、ストールが生じ易くなるだけでなく、圧縮機の効率が低下することが知られている。
上述のような軸流式圧縮機においては、漏れ流れを低減するため、動翼の翼端のうち少なくとも前縁側と対向可能に、ケーシングの内壁に有底の溝であるスロット等を形成する技術、いわゆる「ケーシング・トリートメント」が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特表2005−536687号公報 実公平7−38641号公報
また、ケーシング・トリートメントとして、圧縮機のロータの回転軸の軸方向に延びている溝や、翼端の翼弦線に沿う方向に延びる溝を、回転軸の周方向に配列する技術が提案されている。このようなケーシング・トリートメントをケーシングの内壁に施すことで、翼の腹面側にある気体を、溝の内部に取り込み、圧縮機の前方側に導いて、隣り合う翼の腹面側に流し込むことが可能となる。このように、ケーシングの内壁に形成される溝の形状は、様々なものが提案されているが、より漏れ流れの流量を低減することが可能な新規な形状が求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ケーシングの内壁に新規な形状のスロットを形成して、漏れ流れの流量を、より低減することが可能な軸流式圧縮機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る軸流式圧縮機は、ロータの外周に配列された動翼の翼端を囲うよう、ケーシングの内壁が回転軸の周方向に延びている軸流式圧縮機であって、ケーシングの内壁には、有底のスロットが回転軸の周方向に配列されており、スロットは、翼端のうち少なくとも前縁側と対向可能に、当該翼端における翼弦に沿う翼弦方向に延びている翼弦方向溝部と、翼弦方向溝部の後縁側の端から、前記翼弦方向に対して腹面側に角度をつけて延設されている腹面側溝部とを有することを特徴とする。
本発明に係る軸流式圧縮機において、翼弦方向溝部の前縁側の端から、回転軸の軸方向前方側に延設されている前方側溝部を、さらに有するものとすることができる。
本発明に係る軸流式圧縮機において、前方側溝部として、回転軸の周方向に延びて、各スロットの翼弦方向溝部の前縁側の端を接続する接続溝部が設けられているものとすることができる。
本発明に係る軸流式圧縮機において、前方側溝部の溝底は、回転軸の軸方向前方側に向かうに従って回転軸の径方向内側に位置するよう構成されているものとすることができる。
本発明に係る軸流式圧縮機において、スロットは、腹面側溝部と前方側溝部とを連通可能に、翼弦方向溝部の溝底との間に間隔をあけて回転軸の周方向に延びている周方向部材と、周方向部材のうち回転軸の径方向内側の壁面に設けられ、回転軸の周方向に延びている周方向溝と、を有するものとすることができる。
本発明に係る軸流式圧縮機において、スロットには、翼弦方向溝部の開口のうち少なくとも一部を覆う蓋が設けられているものとすることができる。
本発明に係る軸流式圧縮機は、ロータの外周に配列された動翼の翼端を囲うよう、ケーシングの内壁が回転軸の周方向に延びている軸流式圧縮機であって、ケーシングの内壁には、有底のスロットが回転軸の周方向に配列されており、スロットは、翼端のうち少なくとも前縁側と対向可能に、当該翼端における翼弦に沿う翼弦方向に延びている翼弦方向溝部と、翼弦方向溝部の前縁側の端から、回転軸の軸方向前方側に延設されている前方側溝部と、翼弦方向溝部の後縁側の端から、前記翼弦方向に対して腹面側に角度をつけて延設されている腹面側溝部と、を有するものとすることができる。
本発明に係る軸流式圧縮機は、ロータの外周に配列された動翼の翼端を囲うよう、ケーシングの内壁が回転軸の周方向に延びている軸流式圧縮機であって、ケーシングの内壁には、有底のスロットが回転軸の周方向に配列されており、スロットは、翼端のうち少なくとも前縁側と対向可能に、当該翼端における翼弦に沿う翼弦方向に延びている翼弦方向溝部と、翼弦方向溝部の前縁側の端から、回転軸の軸方向前方側に延設されている前方側溝部と、翼弦方向溝部の後縁側の端から、前記翼弦方向に対して腹面側に角度をつけて延設されている腹面側溝部とを有し、翼弦方向溝部の開口のうち少なくとも一部を覆う蓋が設けられているものとすることができる。
本発明に係る軸流式圧縮機は、ロータの外周に配列された動翼の翼端を囲うよう、ケーシングの内壁が回転軸の周方向に延びている軸流式圧縮機であって、ケーシングの内壁には、有底のスロットが回転軸の周方向に配列されており、スロットは、翼端のうち少なくとも前縁側と対向可能に、当該翼端における翼静止系流入角に沿う方向である流入角方向に延びており、スロットには、当該スロットのうち流入角方向の前方側と後方側が開口するように、流入角方向の略中央の部位を覆う蓋が設けられているものとすることができる。
また、本発明に係るケーシングは、軸流式圧縮機に用いられ、ロータの外周に配列された動翼の翼端を囲うように回転軸の周方向に内壁が延びているケーシングであって、ケーシングの内壁には、有底のスロットが回転軸の周方向に配列されており、スロットは、翼端のうち少なくとも前縁側と対向可能に、当該翼端における翼弦に沿う翼弦方向に延びている翼弦方向溝部と、翼弦方向溝部の前縁側の端から、回転軸の軸方向前方側に延設されている前方側溝部と、翼弦方向溝部の後縁側の端から、前記翼弦方向に対して腹面側に角度をつけて延設されている腹面側溝部とを有することを特徴とする。
本発明に係るケーシングは、軸流式圧縮機に用いられ、ロータの外周に配列された動翼の翼端を囲うように回転軸の周方向に内壁が延びているケーシングであって、ケーシングの内壁には、有底のスロットが回転軸の周方向に配列されており、スロットは、翼端のうち少なくとも前縁側と対向可能に、当該翼端における翼弦に沿う翼弦方向に延びている翼弦方向溝部と、翼弦方向溝部の前縁側の端から、回転軸の軸方向前方側に延設されている前方側溝部と、翼弦方向溝部の後縁側の端から、前記翼弦方向に対して腹面側に角度をつけて延設されている腹面側溝部とを有し、翼弦方向溝部の開口部が蓋で覆われているものとすることができる。
本発明に係るケーシングは、軸流式圧縮機に用いられ、ロータの外周に配列された動翼の翼端を囲うように回転軸の周方向に内壁が延びているケーシングであって、ケーシングの内壁には、有底のスロットが回転軸の周方向に配列されており、スロットは、翼端のうち少なくとも前縁側と対向可能に、当該翼端における翼静止系流入角に沿う方向である流入角方向に延びており、スロットには、当該スロットのうち流入角方向の前方側と後方側が開口するように、流入角方向の略中央の部位を覆う蓋が設けられているものとすることができる。
本発明に係る軸流式圧縮機において、翼弦方向溝部の開口部が蓋で覆われているものとすることができる。
また、本発明に係る軸流式圧縮機は、当該圧縮機を構成するロータの外周に配列された動翼の翼端を囲うよう、回転軸の周方向に延びているケーシングの内壁には、有底のスロットが回転軸の周方向に配列されており、スロットは、翼端のうち少なくとも前縁側と対向可能に、当該翼端における翼弦に沿う翼弦方向に延びている翼弦方向溝部と、翼弦方向溝部の前縁側の端から、回転軸の軸方向前方側に延設されている前方側溝部と、翼弦方向溝部の後縁側の端から、前記翼弦方向に対して腹面側に角度をつけて延設されている腹面側溝部と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る軸流式圧縮機は、当該圧縮機を構成するロータの外周に配列された動翼の翼端を囲うよう、回転軸の周方向に延びているケーシングの内壁には、有底のスロットが回転軸の周方向に配列されており、スロットは、翼端のうち少なくとも前縁側と対向可能に、当該翼端における翼弦に沿う翼弦方向に延びている翼弦方向溝部と、翼弦方向溝部の前縁側の端から、回転軸の軸方向前方側に延設されている前方側溝部と、翼弦方向溝部の後縁側の端から、前記翼弦方向に対して腹面側に角度をつけて延設されている腹面側溝部と、を有し、翼弦方向溝部の開口部が蓋で覆われていることを特徴とする。
また、本発明に係るケーシングは、軸流式圧縮機に用いられ、ロータの外周に配列された動翼の翼端を囲うように回転軸の周方向に内壁が延びているケーシングであって、ケーシングの内壁には、有底のスロットが回転軸の周方向に配列されており、スロットは、翼端のうち少なくとも前縁側と対向可能に、当該翼端における翼弦に沿う翼弦方向に延びている翼弦方向溝部と、翼弦方向溝部の後縁側の端から、前記翼弦方向に対して腹面側に角度をつけて延設されている腹面側溝部と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係るケーシングは、軸流式圧縮機に用いられ、ロータの外周に配列された動翼の翼端を囲うように回転軸の周方向に内壁が延びているケーシングであって、ケーシングの内壁には、有底のスロットが回転軸の周方向に配列されており、スロットは、翼端のうち少なくとも前縁側と対向可能に、当該翼端における翼弦に沿う翼弦方向に延びている翼弦方向溝部と、翼弦方向溝部の後縁側の端から、前記翼弦方向に対して腹面側に角度をつけて延設されている腹面側溝部とを有し、翼弦方向溝部の開口部が蓋で覆われていることを特徴とする。
本発明において、翼の腹面側の高圧な気流を、翼弦に沿う方向に対して腹面側に角度を付けて延びている腹面側溝部から吸い込み、翼弦方向溝部に導いて、隣り合う動翼の間に流し込むことで、ケーシングの内壁と翼端との間を通って腹面側から背面側に漏れる漏れ流れを低減することができる。
本発明において、翼の腹面側の高圧な気流を、翼弦に沿う方向に対して腹面側に角度を付けて延びている腹面側溝部から吸い込み、前方側溝部に導いて、隣り合う動翼の間に流し込むことで、ケーシングの内壁と翼端との間を通って腹面側から背面側に漏れる漏れ流れを低減することができる。
本発明において、前方側溝部として、回転軸の周方向に延びて、各スロットの翼弦方向溝部の前縁側の端を接続する接続溝部が設けられているものとすることで、腹面側から背面側に漏れる漏れ流れを低減すると共に、接続溝部から隣り合う動翼の間に流し込まれる気流(インジェクション)の流量及び流速が、動翼の回転角位置に応じて変動することを抑制することができる。
本発明において、前方側溝部の溝底は、回転軸の軸方向前方側に向かうに従って回転軸の径方向内側に位置するよう構成されているものとすることで、当該溝底と翼端の前縁との間に形成される流路において気流を絞り、隣り合う動翼の間に流し込まれる気流(インジェクション)の流速を上昇させることができる。
本発明において、スロットは、腹面側溝部と前方側溝部とを連通可能に、翼弦方向溝部の溝底との間に間隔をあけて回転軸の周方向に延びている周方向部材と、当該周方向部材のうち回転軸の径方向内側の壁面に設けられ、回転軸の周方向に延びている周方向溝とを有するものとすることで、腹面側溝部が吸い込んだ気流を、翼弦方向溝部の溝底と周方向部材との間を通して、前方側溝部に導き、再び、隣り合う動翼の間に流し込むと共に、周方向溝が、動翼の腹面側と背面側とを連通させ、腹面側と背面側との間における静圧の圧力差を低減して、翼端と内壁との間を抜ける漏れ流れの流量を低減することができる。
本発明において、翼弦方向溝部が蓋で覆われているものとすることで、翼弦方向溝部から動翼の翼端に向けて流れ出る気流をなくすことができる。蓋の翼弦方向の端の位置を適宜設定することで、スロットが腹面側溝部から吸い込む気流、及び前方側溝部から流し込む気流の流量を容易に調整することが可能となる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本実施例に係る軸流式圧縮機と、これに用いられるケーシングについて図1−1〜図1−3を用いて説明する。図1−1は、軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロットの形状を示す展開図である。図1−2は、軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロットと動翼との位置関係を示す断面図である。図1−3は、軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロットと動翼との詳細な位置関係を説明する拡大図である。図2は、軸流式圧縮機を備えたガスタービンの全体構成を示す断面図である。
なお、図1−1及び図1−3は、軸流式圧縮機のロータの回転軸の周方向(図に矢印Cで示す)に延びるケーシングを、直線状に展開して、内壁側から見た展開図となっており、内壁と対向する翼端の翼形(aerofoil)を二点鎖線で重ねて表示している。
図2に示すように、ガスタービン1は、空気の流れの上流側から下流側に向かって空気取入口2、圧縮機3、燃焼器4及びタービン5が設けられている。空気取入口2から取り込まれた空気は、本実施例に係る軸流式圧縮機3によって圧縮されて、高温・高圧の圧縮空気となって燃焼器4に給送される。燃焼器4は、その内部に形成された燃焼室おいて、圧縮空気に天然ガス等の気体燃料、或いは軽油や重油等の液体燃料を供給して燃料を燃焼させて、高温・高圧の燃焼ガスを生成する。燃焼室で生じた高温・高圧の燃焼ガスは、燃焼器4から、タービン5に向けて噴射される。噴射された燃焼ガスにより、タービン5は回転駆動される。燃焼ガスからタービン5が受けた機械的動力のうち一部は、軸流式圧縮機3の回転駆動に用いられ、残りは、発電等に供される。
このような軸流式圧縮機3は、通常、内周に静翼が配列されたケーシング10(車室)と、外周に動翼20が配列されたロータ8とを有しており、当該ロータ8は、燃焼ガスの流れを受けて動翼20と一体に回転する。軸流式圧縮機3において、動翼20の翼列と、静翼の翼列は、一対となって一つの圧縮段を構成している。つまり、軸流式圧縮機3は、複数の圧縮段から構成されている。
なお、以下の説明において、軸流式圧縮機3のロータ8の回転軸を、単に「回転軸」と記す。また、回転軸の軸方向のうち、気体の流動方向すなわち子午面流線の上流側を「前方」と記す。これに対して下流側を「後方」と記して、図に矢印Aで示す。
図2に示すように、軸流式圧縮機3において、ケーシング10の内壁11は、ロータ8に配列された複数の動翼20の回転軸の径方向外側(図に矢印Rで示す)の先端である「翼端」を囲うように、回転軸の周方向に延びている。図1−1及び図1−2に示すように、ケーシング10のうち回転軸の径方向内側の壁面である内壁11は、動翼20の翼端30の回転包絡面から僅かな隙間を空けて、回転軸周方向(図に矢印Cで示す)に延びている。
図1−3に示すように、動翼20の外表面は、前縁22と後縁28を境界にして、軸流式圧縮機3に流入する空気流により圧力を受ける腹面24と、当該腹面24の裏側を構成する背面26を有している。動翼20は、腹面24と背面26で囲まれて、その翼形(aerofoil)が規定されている。なお、各図に示す動翼20の翼形は、翼端30におけるものを示している。
翼端30の翼形において、前縁22と後縁28を結ぶ直線である翼弦(図に一点鎖線Hで示す)は、ロータ8の回転軸の軸方向に対して、所定のスタガ角(stagger angle、図に角度Sで示す)をなすように、動翼20はロータ8に配列されている。なお、翼端30の翼弦に沿う方向を、以下の説明において「翼弦方向」と記す。翼端30における翼形の平均反り線(骨格線)を、図に二点鎖線Mで示している。
図1−2に示すように、ケーシング10の内壁11には、溝底(52a,54a,56a)を有する有底の溝(以下、スロットと記す)50が形成されている。このスロット50は、図1−1に示すように、回転軸の周方向に全周に亘って配列されている。
図1−2及び図1−3に示すように、各スロット50は、翼端30の翼弦に沿う方向である翼弦方向に延びている翼弦方向溝部54と、翼弦方向溝部54から回転軸の軸方向前方側に延設されている前方側溝部52と、翼弦方向溝部54から翼弦方向に対して腹面24側に傾斜して延設されている腹面側溝部56とを有している。
翼弦方向溝部54は、回転する動翼20の翼端30のうち前縁22側と対向可能に配設されている。翼弦方向溝部54の前方側すなわち前縁22側の端53は、翼端30における前縁32と対向するよう配置されている。翼弦方向溝部54は、前縁22側の端53から翼端30に沿って延びており、詳細には、翼端30における翼形の翼弦(図に一点鎖線Hで示す)に沿って後縁28側に延びている。翼弦方向溝部54の後縁28側の端55は、翼端30の翼弦の略中央より僅かに前縁22側に設定されている。
前方側溝部52は、上述の翼弦方向溝部54の前縁22側の端53から、回転軸の軸方向前方側に延設されている。詳細には、動翼20の翼端30における翼静止系の流入角(図1−3に角度Iで示す)に沿う方向(以下、単に「流入角方向」と記す)に沿って延設されている。流入角方向は、図に矢印A’で示す回転軸の軸方向の前方に対して、動翼20の回転方向(図に矢印Cで示す)とは逆側に、所定の流入角Iで傾斜した方向となっている。前方側溝部52の前方側の端壁51と、翼弦方向溝部54の前縁22側の端53との距離は、当該端53と翼弦方向溝部54の後縁28側の端55との距離に比べて、略同一が僅かに短くなるように設定されている。
腹面側溝部56は、翼弦方向溝部54の後縁28側の端55から、上述の翼弦方向に対して、対向する翼端30の翼形における腹面24側に角度を付けて延設されており、詳細には、回転軸の軸方向後方(図に矢印Aで示す)に延びている。腹面側溝部56は、回転する動翼20の翼端30のうち翼弦の略中央と対向可能に配設されている。腹面側溝部56の後縁28側の端57は、翼端30における翼弦の略中央より後縁28側に設定されている。
図1−2に示すように、腹面側溝部56の溝底56aと、前方側溝部52の溝底52aは、翼弦方向溝部54の溝底54aを介して連続しており、回転軸の軸方向に延びている。このようにして、腹面側溝部56と翼弦方向溝部54と前方側溝部52は、翼弦方向溝部54の前縁側の端53と後縁側の端55の2箇所で屈折した一本のスロット50を構成している。
スロット50が内壁11に形成されたケーシング10は、図1−1に矢印Cで示すように、動翼20が回転軸の周方向を腹面24側に回転移動すると、翼20の腹面24の前縁22側に対向する翼弦方向溝部54が、翼端30の腹面24側の前縁32側近傍の気流を吸い込む。翼弦方向溝部54は、吸い込んだ気流を、より気圧の低い前方側溝部52に導く。さらに、動翼20が回転軸の周方向を腹面24側に移動すると、腹面側溝部56が、翼端30の腹面24側のうち翼弦の中央近傍にある、他の部位に比べて高圧な気流を吸い込む。腹面側溝部56は、図に矢印Fで示すように、吸い込んだ気流を、翼弦方向溝部54に導き、当該翼弦方向溝部54から、再び、隣り合う動翼20の間に流し込むことができる。また、腹面側溝部56が吸い込んだ気流を、当該翼弦方向溝部54から、さらに前方側溝部52に導き、前方側溝部52が、当該前方側溝部52に導かれた気流を、端壁51により回転軸の径方向内側に導いて、再び、隣り合う翼20の間に流し込む。
このようにして、軸流式圧縮機3においてケーシング10は、スロット50が腹面24側の気流を前方側溝部52に導くことで、内壁11と翼端30との間を抜けて、翼20の腹面24側の空間から背面26側の空間に漏れる気流である「漏れ流れ」を低減することができる。漏れ流れを低減することで、翼20にストールが生じることを抑制することができる。スロット50が腹面側溝部56から吸い込んだ気流を、前方側溝部52から再び隣り合う翼20の間に流し込む、いわゆるインジェクションを行うことで、軸流式圧縮機3の圧縮効率を向上させることができる。
以上に説明したように本実施例に係る軸流式圧縮機3においては、ロータ8の外周に配列された動翼20の翼端30を囲うように、ロータ8の回転軸の周方向にケーシング10の内壁11が延びており、軸流式圧縮機3に用いられ、ロータ8の外周に配列された動翼20の翼端30を囲うように回転軸の周方向に延びているケーシング10であって、ケーシング10の内壁11には、有底のスロット50が回転軸の周方向に配列されている。スロット50は、翼端30のうち少なくとも前縁22側と対向可能に、当該翼端30における翼弦に沿う翼弦方向に延びている翼弦方向溝部54と、翼弦方向溝部54の前縁22側の端53から、回転軸の軸方向前方側に延設されている前方側溝部52と、翼弦方向溝部54の後縁28側の端55から、前記翼弦方向に対して腹面24側に角度をつけて延設されている腹面側溝部26を有している。
軸流式圧縮機3は、ケーシング10のスロット50が、翼20の腹面24側の高圧な気流を、腹面側溝部56から吸い込み、翼弦方向溝部54又は前方側溝部52に導いて、隣り合う翼20の間に流し込むことで、内壁11と翼端30との間を通って腹面24側から背面26側に漏れる「漏れ流れ」を低減することができる。これにより、翼20にストールが生じることを抑制することができると共に、軸流式圧縮機3の圧縮効率を向上させることができる。
本実施例に係る軸流式圧縮機のケーシングについて、図3−1及び図3−2を用いて説明する。図3−1は、軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロットの形状を示す展開図である。図3−2は、軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロットと動翼との位置関係を示す断面図である。本実施例において、前方側溝部は、回転軸の周方向に延びており、各スロットの翼弦方向溝部の前縁側の端を接続する接続溝部である点で、実施例1と異なり、以下に詳細を説明する。なお、実施例1と略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
なお、図3−1は、軸流式圧縮機のロータの回転軸の周方向(図に矢印Cで示す)に延びるケーシングを、直線状に展開して、内壁側から見た展開図となっており、内壁と対向する翼端の翼形を二点鎖線で重ねて表示している。
図3−1に示すように、ケーシング10Bの内壁11に形成されたスロット50Bは、実施例1と同様に、動翼20の翼端30のうち前縁22側と対向可能に、翼弦方向に延びている翼弦方向溝部54と、翼弦方向溝部54の後縁28側の端55から、翼弦方向に対して腹面24側に角度を付けて延設されている腹面側溝部56を有している。
さらに、ケーシング10Bの内壁11には、回転軸の周方向に全周に亘って延びており、各スロット50Bの翼弦方向溝部54の前縁22側の端53を接続する接続溝部60が設けられている。つまり、接続溝部60は、各スロット50Bの翼弦方向溝部54の前縁22側の端53から回転軸の軸方向前方側に延設されている共通の前方側溝部を構成している。
図3−2に示すように、前方側溝部としての接続溝部60の溝底60aは、翼弦方向溝部54の溝底54aに接続しており、且つ回転軸の軸方向を前方側に向かうに従って回転軸の径方向内側に位置するよう、溝底54aに対して傾斜を付けて延設されている。溝底60aは、接続溝部60の前方側の端壁61と接続している。これら溝底60a及び端壁61は、回転軸の周方向に全周に亘って延びている。接続溝部60の溝底60aの略中央と、動翼20の翼端30の前縁32の回転包絡線との間には、周囲に比べて間隔の狭い流路36が形成される。
このように構成されたケーシング10Bは、動翼20が回転軸の周方向を腹面24側に回転移動すると、各スロット50Bの腹面側溝部56が、翼端30の腹面24側のうち翼弦の中央近傍にある高圧な気流を吸い込む。腹面側溝部56が吸い込んだ気流は、図に矢印F2で示すように、翼弦方向溝部54により接続溝部60に導かれる。接続溝部60は、溝底60aと前縁32との間に形成される流路36において流れを絞り、流速を増大させて端壁61により回転軸径方向の内側に導いて、再び、隣り合う翼20の間に流し込む。
前方側溝部としての接続溝部60は、回転軸の周方向に延びているので、接続溝部60から隣り合う翼20の間に流し込まれる気流(インジェクション)の流量及び流速が、動翼20の回転角位置に応じて変動することを抑制することができる。前方側溝部を、回転軸の周方向に延びる共通の接続溝部60とすることで、インジェクションの流速が低下することが考えられる。しかし、接続溝部60の溝底60aを、回転軸の軸方向前方側に向かうに従って回転軸の径方向内側に位置するよう傾斜するものとしているので、翼端30との間に形成される流路36において気流を絞り、流速を上昇させることができ、隣り合う動翼20の間に良好に流し込むことができる。
以上に説明したように本実施例においては、前方側溝部として、回転軸の周方向に延びて、各スロット50Bの翼弦方向溝部54の前縁22側の端53を接続する接続溝部60が設けられているものとしたので、接続溝部60から隣り合う動翼20の間に流し込まれる気流(インジェクション)の流量及び流速が、動翼20の回転角位置に応じて変動することを抑制することができる。
また本実施例においては、前方側溝部である接続溝部60の溝底60aは、回転軸の軸方向前方側に向かうに従って回転軸の径方向内側に位置するよう構成されているものとしたので、当該溝底60aと翼端30の前縁32との間に形成される流路36において気流を絞り、隣り合う動翼20の間に流し込まれる気流(インジェクション)の流速を上昇させることができる。
本実施例に係る軸流式圧縮機用のケーシングについて、図4及び図5を用いて説明する。図4は、軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロット及び周方向部材に形成された周方向溝と、動翼との位置関係を示す断面図である。図5は、軸流式圧縮機のケーシングの内壁に設けられたスロット及び周方向部材に形成された周方向溝と、動翼の腹面及び背面における静圧との関係を説明する説明図である。
本実施例において、スロットは、腹面側溝部と前方側溝部とを連通可能に、翼弦方向溝部の溝底との間に間隔をあけて回転軸の周方向に貫通して延びている周方向部材と、周方向部材のうち回転軸の径方向内側の壁面に設けられ、回転軸の周方向に延びている周方向溝とを有する点で実施例1と異なり、以下に詳細を説明する。なお、実施例1と略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図4及び図5に示すように、軸流式圧縮機3のケーシング10Cには、内壁11に形成されたスロット50Bを、回転軸の周方向に貫通して延びている周方向部材70が設けられている。周方向部材70は、回転軸の周方向に直交する断面が略矩形をなしている。周方向部材70のうち回転軸の径方向内側の壁面72は、ケーシング10Cの内壁11と回転軸からの径方向距離が等しくなるよう回転軸の周方向に延びている。また、周方向部材70のうち回転軸の軸方向後方側の壁面75は、翼弦方向溝部54の後方側の端(図に一点鎖線で示す)に沿って延びている。これ対して、周方向部材70の回転軸の軸方向前方側の壁面77は、翼弦方向溝部54の前方側の端(図に一点鎖線で示す)に沿って延びている。
加えて、周方向部材70のうち回転軸の径方向外側(図に矢印Rで示す)の壁面76は、翼弦方向溝部54の溝底54aとの間に所定の間隔をあけて設定されている。これにより、当該壁面76と、翼弦方向溝部54の溝底54aとの間には、腹面側溝部56と前方側溝部52を連通可能な流路が形成されている。当該流路により、腹面側溝部56が吸い込んだ気流を前方側溝部54に導くことが可能となっている。
さらに、周方向部材70のうち回転軸の径方向内側の壁面72には、各スロット50Cを貫通して延びる周方向溝74が形成されている。周方向溝74は、動翼20のうち腹面24と背面26との静圧の圧力差が最大となる(図5にPで示す)部位に対向するよう設けられている。周方向溝74は、回転する動翼20の翼端30と、周方向溝74の溝底74aとの間において、動翼20の腹面24側の空間と、当該動翼20の背面26側の空間とを、動翼20の回転角位置に拘わらず、直線的に連通させることが可能となっている。
このように構成された軸流式圧縮機3のケーシング10Cは、動翼20が回転軸の周方向を腹面24側に回転移動すると、スロット50Cの腹面側溝部56が、翼端30の腹面24側のうち翼弦の中央近傍にある高圧な気流を吸い込む。スロット50Cは、腹面側溝部56が吸い込んだ気流を、図4に矢印F3で示すように、翼弦方向溝部54の溝底54aと周方向部材70の壁面76との間の流路を通して、前方側溝部52に導き、再び、隣り合う動翼20の間に流し込む。
動翼20の翼端30がスロット50Cに対向するよう位置しても、周方向部材70に形成された周方向溝74が、腹面24側の空間と背面26側の空間とを連通させて、腹面24側と背面26側との静圧の圧力差を低減することができる。これにより、翼端30と内壁11との間を抜ける漏れ流れの流量を低減することができる。このようにしてケーシング10Cは、漏れ流れを低減して、翼20にストールが生じることを抑制すると共に、腹面側溝部56からの気流を、前方側溝部52から再び隣り合う翼20の間に流し込んで、軸流式圧縮機3の圧縮効率を向上させることができる。
以上に説明したように本実施例において、スロット50Cは、腹面側溝部56と前方側溝部52とを連通可能に、翼弦方向溝部54の溝底54aとの間に間隔をあけて回転軸の周方向に延びている周方向部材70と、周方向部材70のうち回転軸の径方向内側の壁面72に設けられ、回転軸の周方向に延びている周方向溝74とを有するものとしたので、腹面側溝部56が吸い込んだ気流を、翼弦方向溝部54の溝底54aと周方向部材70との間を通して、前方側溝部52に導き、再び、隣り合う動翼20の間に流し込むと共に、周方向溝74が、腹面24側と背面26側とを連通させ、腹面24側と背面26側との間における静圧の圧力差を低減して、翼端30と内壁11との間を抜ける漏れ流れの流量を低減することができる。
本実施例に係る軸流式圧縮機用のケーシングについて、図6−1〜図6−3を用いて説明する。図6−1は、軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロットの形状を示す展開図である。図6−2は、軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロットと、動翼と蓋との位置関係を示す図である。図6−3は、軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロットの翼弦方向溝部の断面図である。本実施例において、スロットには、翼弦方向溝部の開口のうち少なくとも一部を覆うよう蓋が設けられている点で、実施例1と異なり、以下に詳細を説明する。なお、実施例1と略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
なお、図6−1は、軸流式圧縮機のロータの回転軸の周方向(図に矢印Cで示す)に延びるケーシングを直線状に展開して内壁側から見た展開図となっており、内壁と対向する翼端の翼形を二点鎖線で重ねて表示している。
図6−1に示すように、ケーシング10Dの各スロット50Dには、翼弦方向溝部54の開口のうち少なくとも一部を覆う蓋80が設けられている。蓋80は、略矩形の板状部材であり、図6−3に示すように回転軸の周方向に延びている。蓋80のうち回転軸の径方向内側にある表面82は、ケーシング10Dの内壁11と回転軸から略等しい距離をあけて設けられている。
蓋80は、図6−3に示すように、翼弦方向溝部54の側壁54fに接合されてケーシング10Dに固定されている。蓋80は、その裏面86と、翼弦方向溝部54の溝底54aとの間に所定の間隔をあけて設けられている。蓋80の裏面86と、溝底54aとの間には、腹面側溝部56と、前方側溝部52とを連通させて、腹面側溝部56から吸い込んだ気流を、前方側溝部52に導くことが可能な流路が形成されている。
図6−1に示すように、蓋80は、前方側溝部52側の端87が、翼弦方向溝部54の前縁22側の端53から、翼弦方向と直交する方向に延びるように構成されている。一方、翼80のうち、腹面側溝部56側の端85は、翼弦方向溝部54の後縁28側の端55から、翼弦方向と直交する方向に延びている。このように、蓋80は、翼弦方向溝部54の開口のうち少なくとも一部、詳細には、ほぼ全面を覆っている。
このように構成された軸流圧縮機3のケーシング10Dは、動翼20が回転軸の周方向を腹面側に回転移動すると、スロット50Dの腹面側溝部56が、翼端30の腹面24側のうち翼弦中央近傍にある高圧な気流を吸い込む。スロット50Dは、腹面側溝部56が吸い込んだ気流を、図6−2に矢印F4で示すように、蓋80の裏面86と翼弦方向溝部54の溝底54aとの間の流路を通して、前方側溝部52に導き、再び、隣り合う動翼20の間に流し込む。ケーシング10Dは、蓋80が翼弦方向溝部54の開口を覆っているため、腹面側溝部56から吸い込んだ気流を、翼弦方向溝部54から翼端30に向けて漏らすことなく、前方側溝部52に導くことができる。
このようにしてケーシング10Dは、漏れ流れを低減して、動翼20にストールが生じることを抑制すると共に、腹面側溝部56からの気流を、翼弦方向溝部54から翼端30に向けて流れ出ることを抑制しつつ、より確実に前方側溝部52に導いて、隣り合う動翼20の間に流し込むことができる。また、蓋80のうち腹面側溝部56側の端85の位置、及び前方側溝部54側の端の位置を、適宜設定することで、腹面側溝部56及び翼弦方向溝部54の後縁28側から吸い込まれる気流の流量と、前方側溝部52及び翼弦方向溝部54の前縁22側の端53から動翼20の間に流し込む気流の流量を、最適なものに容易に調整することができる。
以上に説明したように本実施例において、スロット50Dには、翼弦方向溝部54の開口のうち少なくとも一部を覆う蓋80が設けられているものとしたので、腹面側溝部56から吸い込んだ気流を、蓋80と翼弦方向溝部54の溝底54aとの間を通して、前方側溝部52に導くことができる。翼弦方向溝部54から翼端30に向けて流れ出る気流を抑制することができる。これにより、軸流式圧縮機3は、内壁11と翼端30との間を通って腹面24側から背面26側に漏れる「漏れ流れ」を低減することができ、翼20にストールが生じることを抑制すると共に軸流式圧縮機3の圧縮効率を向上させることができる。蓋80の翼弦方向の端85,87の位置を適宜設定することで、スロット50Dが腹面側溝部56側から吸い込む気流、及び前方側溝部52側から流し込む気流の流量を容易に調整することが可能となる。
本実施例に係る軸流式圧縮機用のケーシングについて、図7−1〜図7−3を用いて説明する。図7−1は、軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロットの形状を示す展開図である。図7−2は、軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロットと、動翼と蓋との位置関係を示す図である。図7−3は、軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロットの流入角方向と直交する断面図である。本実施例において、スロットは、翼端のうち少なくとも前縁側と対向可能に、当該翼端における翼静止系流入角に沿う方向である流入角方向に延びており、スロットには、当該スロットの開口のうち前記流入角方向の略中央の部位を覆うように蓋が設けられている点で、実施例1と異なり、以下に詳細を説明する。なお、実施例1と略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
なお、図7−1は、軸流式圧縮機のロータの回転軸の周方向(図に矢印Cで示す)に延びるケーシングを直線状に展開して、内壁側から見た展開図となっており、内壁と対向する翼端の翼形を二点鎖線で重ねて表示している。
図7−1及び図7−2に示すように、ケーシング10Eの内壁11には、溝底(52a,54e,56e)を有する有底のスロット50Eが形成されている。各スロット50Eは、動翼20の翼端30のうち少なくとも前縁22側と対向可能に、動翼20の翼端30における翼静止系の流入角に沿う方向、いわゆる「流入角方向」に沿って直線状に延びている(図1−3を参照)。スロット50Eは、図に矢印Cで示す回転軸の周方向に全周に亘って配列されている。
図7−1に示すように、ケーシング10Eの各スロット50Eには、当該スロット50Eのうち流入角方向の前方側と後方側が開口するように、流入角方向の略中央の部位を覆う蓋90が設けられている。詳細には、蓋90は、スロット50Eのうち、翼端30の前縁22側と対向する部位を覆うように設けられている。蓋90は、略矩形の板状部材であり、図7−3に示すように回転軸の周方向に延びている。蓋90のうち回転軸の径方向内側にある表面92は、ケーシング10Eの内壁と、回転軸から略等しい距離をあけて設定されている。
蓋90は、図7−3に示すように、スロット50Eの流入角方向の略中央の部位の側壁54gに接合されてケーシング10Eに固定されている。蓋90は、その裏面96と、溝底54eとの間に所定の間隔をあけて設けられている。蓋90の裏面96と、溝底54eとの間には、スロット50E内を流れる気流を流通可能な流路が形成されている。
図7−1に示すように、スロット50Eのうち、蓋90の前方側の端97より前方側にあって開口している部分が前方側溝部52Eとなっている。一方、スロット50Eのうち、蓋90の後方側の端95より後方側にあって開口している部分を、以下に「後方側溝部」と記して符号56Eを付す。換言すれば、蓋90は、前方側溝部52Eと、後方側溝部56Eとの間に配置されるよう、スロット50Eのうち略中央の部位を覆っている。
このように構成された軸流圧縮機3のケーシング10Eは、動翼20が回転軸の周方向を腹面側に回転移動すると、スロット50Eのうち後方側溝部56Eが、翼端30の腹面24側にある高圧な気流を吸い込む。スロット50Eは、後方側溝部56Eが吸い込んだ気流を、図7−2に矢印F5で示すように、蓋90の裏面96と溝底54eとの間を通して前方側溝部52Eに導き、再び、隣り合う動翼20の間に流し込む。ケーシング10Eは、蓋90がスロット50Eの開口のうち流入角方向の略中央を覆っているため、後方側溝部56Eから吸い込んだ気流を、翼端30に向けて漏らすことなく、そのまま前方側溝部52Eに導くことができる。
このようにしてケーシング10Eは、漏れ流れを低減して、動翼20にストールが生じることを抑制すると共に、後方側溝部56Eからの気流を、翼端30の前縁22側より前方側に設けられた前方側溝部52に確実に導いて、隣り合う動翼20の間に流し込むことができる。
以上に説明したように本実施例において、スロット50Eは、動翼20の翼端30のうち少なくとも前縁22側と対向可能に、当該翼端30における翼静止系流入角に沿う方向である流入角方向に延びており、スロット50Eには、当該スロット50Eのうち流入角方向の前方側と後方側(後方側溝部56E)が開口するように、前記流入角方向の略中央の部位を覆う蓋90が設けられているものとしたので、スロット50Eのうち蓋90より後方側の開口すなわち後方側溝部56Eから吸い込んだ気流を、蓋90と溝底54eとの間を通して、蓋90より前方側にある開口すなわち前方側溝部52Eから、隣り合う動翼20の間に流し込むことができる。後方側溝部56Eからの気流を、途中で翼端30側に漏らすことなく、確実に前方側溝部52に導いて、隣り合う動翼20の間に流し込むことができる。これにより、軸流式圧縮機3は、内壁11と翼端30との間を通って腹面24側から背面26側に漏れる「漏れ流れ」を低減することができ、翼20にストールが生じることを抑制すると共に軸流式圧縮機3の圧縮効率を向上させることができる。
なお、上述した各実施例において、前方側溝部52は、翼静止系流入角の方向に延びているものとしたが、本発明に係る前方側溝部の延びる方向は、これに限定されるものではない。前方側溝部は、翼端の前縁側と対向する翼弦方向溝部の前縁側の端から回転軸の軸方向前方側に延設されていれば良く、例えば、前方側溝部は、回転軸の軸方向前方に延びているものとすることもできる。
また、上述した各実施例において、腹面側溝部56は、回転軸の軸方向後方に延びているものとしたが、本発明に係る腹面側溝部の延びる方向は、これに限定されるものではない。腹面側溝部は、翼弦方向溝部の後縁側の端から、翼弦方向に対して腹面側に角度を付けて延設されていれば良く、例えば、腹面側溝部は、翼弦方向と直交する方向の腹面側に延びているものとすることもできる。
以上のように、本発明は、軸流式圧縮機に有用であり、特にガスタービンに適している。
軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロットの形状を示す展開図である。 軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロットと動翼との位置関係を示す断面図である。 軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロットと動翼との詳細な位置関係を説明する拡大図である。 ガスタービンの全体構成を示す断面図である。 軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロットの形状を示す展開図である。 軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロットと動翼との位置関係を示す断面図である。 軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロット及び周方向部材に形成された周方向溝と、動翼との位置関係を示す断面図である。 軸流式圧縮機の内壁に形成されたスロット及び周方向部材に形成された周方向溝と、動翼の腹面及び背面における静圧との関係を説明する説明図である。 軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロットの形状を示す展開図である。 軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロットと、動翼と蓋との位置関係を示す図である。 軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロットの翼弦方向溝部の断面図である。 軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロットの形状を示す展開図である。 軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロットと、動翼と蓋との位置関係を示す図である。 軸流式圧縮機のケーシングの内壁に形成されたスロットの流入角方向と直交する断面図である。
符号の説明
1 ガスタービン
3 軸流式圧縮機
4 燃焼器
5 タービン
8 ロータ
10,10B,10C,10D,10E ケーシング
11 内壁
20 動翼
22 前縁
24 腹面
26 背面
28 後縁
30 翼端
50,50B,50C,50D,50E スロット
52 前方側溝部
52E 前方側溝部
54 翼弦方向溝部
56 腹面側溝部
56E 後方側溝部
60 接続溝部
70 周方向部材
74 周方向溝
80 蓋
90 蓋
A ロータの回転軸の軸方向後方
C ロータの回転軸の周方向
R ロータの回転軸の径方向外側
H 翼弦
S スタガ角
I 翼静止系の流入角

Claims (12)

  1. ロータの外周に配列された動翼の翼端を囲うよう、ケーシングの内壁が回転軸の周方向に延びている軸流式圧縮機であって、
    ケーシングの内壁には、有底のスロットが回転軸の周方向に配列されており、
    スロットは、
    翼端のうち少なくとも前縁側と対向可能に、当該翼端における翼弦に沿う翼弦方向に延びている翼弦方向溝部と、
    翼弦方向溝部の後縁側の端から、前記翼弦方向に対して腹面側に角度をつけて延設されている腹面側溝部と、
    を有することを特徴とする軸流式圧縮機。
  2. 請求項1に記載の軸流式圧縮機において、
    翼弦方向溝部の前縁側の端から、回転軸の軸方向前方側に延設されている前方側溝部を、さらに有することを特徴とする軸流式圧縮機。
  3. 請求項2に記載の軸流式圧縮機において、
    前方側溝部として、回転軸の周方向に延びて、各スロットの翼弦方向溝部の前縁側の端を接続する接続溝部が設けられている
    ことを特徴とする軸流式圧縮機。
  4. 請求項2又は3に記載の軸流式圧縮機において、
    前方側溝部の溝底は、回転軸の軸方向前方側に向かうに従って回転軸の径方向内側に位置するよう構成されている
    ことを特徴とする軸流式圧縮機。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載の軸流式圧縮機において、
    スロットは、
    腹面側溝部と前方側溝部とを連通可能に、翼弦方向溝部の溝底との間に間隔をあけて回転軸の周方向に延びている周方向部材と、
    周方向部材のうち回転軸の径方向内側の壁面に設けられ、回転軸の周方向に延びている周方向溝と、
    を有することを特徴とする軸流式圧縮機。
  6. 請求項2〜4のいずれか1項に記載の軸流式圧縮機において、
    スロットには、翼弦方向溝部の開口のうち少なくとも一部を覆う蓋が設けられている
    ことを特徴とする軸流式圧縮機。
  7. ロータの外周に配列された動翼の翼端を囲うよう、ケーシングの内壁が回転軸の周方向に延びている軸流式圧縮機であって、
    ケーシングの内壁には、有底のスロットが回転軸の周方向に配列されており、
    スロットは、
    翼端のうち少なくとも前縁側と対向可能に、当該翼端における翼弦に沿う翼弦方向に延びている翼弦方向溝部と、
    翼弦方向溝部の前縁側の端から、回転軸の軸方向前方側に延設されている前方側溝部と、
    翼弦方向溝部の後縁側の端から、前記翼弦方向に対して腹面側に角度をつけて延設されている腹面側溝部と、
    を有することを特徴とする軸流式圧縮機。
  8. ロータの外周に配列された動翼の翼端を囲うよう、ケーシングの内壁が回転軸の周方向に延びている軸流式圧縮機であって、
    ケーシングの内壁には、有底のスロットが回転軸の周方向に配列されており、
    スロットは、
    翼端のうち少なくとも前縁側と対向可能に、当該翼端における翼弦に沿う翼弦方向に延びている翼弦方向溝部と、
    翼弦方向溝部の前縁側の端から、回転軸の軸方向前方側に延設されている前方側溝部と、
    翼弦方向溝部の後縁側の端から、前記翼弦方向に対して腹面側に角度をつけて延設されている腹面側溝部と、
    を有し、
    翼弦方向溝部の開口のうち少なくとも一部を覆う蓋が設けられている
    ことを特徴とする軸流式圧縮機。
  9. ロータの外周に配列された動翼の翼端を囲うよう、ケーシングの内壁が回転軸の周方向に延びている軸流式圧縮機であって、
    ケーシングの内壁には、有底のスロットが回転軸の周方向に配列されており、
    スロットは、翼端のうち少なくとも前縁側と対向可能に、当該翼端における翼静止系流入角に沿う方向である流入角方向に延びており、
    スロットには、当該スロットのうち流入角方向の前方側と後方側が開口するように、流入角方向の略中央の部位を覆う蓋が設けられている
    ことを特徴とする軸流式圧縮機。
  10. 軸流式圧縮機に用いられ、ロータの外周に配列された動翼の翼端を囲うように回転軸の周方向に内壁が延びているケーシングであって、
    ケーシングの内壁には、有底のスロットが回転軸の周方向に配列されており、
    スロットは、
    翼端のうち少なくとも前縁側と対向可能に、当該翼端における翼弦に沿う翼弦方向に延びている翼弦方向溝部と、
    翼弦方向溝部の前縁側の端から、回転軸の軸方向前方側に延設されている前方側溝部と、
    翼弦方向溝部の後縁側の端から、前記翼弦方向に対して腹面側に角度をつけて延設されている腹面側溝部と、
    を有することを特徴とするケーシング。
  11. 軸流式圧縮機に用いられ、ロータの外周に配列された動翼の翼端を囲うように回転軸の周方向に内壁が延びているケーシングであって、
    ケーシングの内壁には、有底のスロットが回転軸の周方向に配列されており、
    スロットは、
    翼端のうち少なくとも前縁側と対向可能に、当該翼端における翼弦に沿う翼弦方向に延びている翼弦方向溝部と、
    翼弦方向溝部の前縁側の端から、回転軸の軸方向前方側に延設されている前方側溝部と、
    翼弦方向溝部の後縁側の端から、前記翼弦方向に対して腹面側に角度をつけて延設されている腹面側溝部と、
    を有し、
    翼弦方向溝部の開口部が蓋で覆われている
    ことを特徴とするケーシング。
  12. 軸流式圧縮機に用いられ、ロータの外周に配列された動翼の翼端を囲うように回転軸の周方向に内壁が延びているケーシングであって、
    ケーシングの内壁には、有底のスロットが回転軸の周方向に配列されており、
    スロットは、翼端のうち少なくとも前縁側と対向可能に、当該翼端における翼静止系流入角に沿う方向である流入角方向に延びており、
    スロットには、当該スロットのうち流入角方向の前方側と後方側が開口するように、流入角方向の略中央の部位を覆う蓋が設けられている
    ことを特徴とするケーシング。
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