以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同様の機能を有する箇所には同一の符号を付し、説明の重複は省略する。
(装置構成)
図1は、本発明の実施形態に係る回胴式遊技機200の概観を示している。図1に示すように、本実施形態に係る回胴式遊技機200は、表示枠201,202,203、リール402,403,404(以下、順に左リール、中リール、右リールともいう)、メダル投入口204、入賞ライン205,206,207,208,209、有効ラインLED(Light Emitting Diode)210,211,212,213,214、クレジット(貯留)数表示装置215、ベット(BET)ボタン216,217,218、スタートレバー219、停止ボタン220,221,222、払出数表示装置223、メダル放出口224、メダル受皿225、トップランプ226、スピーカ227、精算ボタン228、告知ランプ229、ゲームカウンタ装置230及び画像表示装置231を備えている。
メダル投入口204にメダルが投入されると、内部のメダルセンサスイッチ305(後述)のトリガ発生によりメダル投入が検知され、有効ラインLED210,211,212,213,214の点灯、及び、クレジット数表示装置215における計数表示の契機を与える。
クレジット数表示装置215は、7セグメントLED等であり、クレジットの有効を示す点灯中に、有効ラインLED210,211,212,213,214が全て点灯している状態で、メダル投入口204からメダルが投入された場合の投入メダル数、又は、役に対応して払出されるメダルの払出枚数を加算表示する。本実施形態では、最大50枚までクレジットし表示する。
ベットボタン216,217,218は、押下されることによりベットボタンスイッチ302(後述)のトリガをそれぞれ、1回、2回、又は3回発生し、有効ラインLED210,211,212,213,214の点灯の契機を与える。
払出数表示装置223は、7セグメントLED等であり、役に対応して払出されるメダルの払出枚数を表示する。メダル放出口224は、50枚までのクレジットを超えるメダル投入やメダルの払出しがある場合のクレジット超過分メダル、又は精算ボタン228の操作によるクレジット精算メダルを放出する。メダル受皿225は、メダル放出口224から放出されたメダルを溜める皿である。
精算ボタン228は、押下されることにより精算スイッチ304(後述)のトリガを発生し、クレジット数表示装置215を点灯させてクレジットを有効にし、逆に、クレジット数表示装置215を消灯させてクレジットを無効にするとともに、クレジットされていたメダルをクレジット精算メダルとしてメダル放出口224から放出する。
ゲームカウンタ表示装置230は、7セグメントLED等であり、BB(ビッグボーナス)のメダルの獲得枚数(BBの総払出枚数−BBの総投入枚数)等を表示する。
画像表示装置231は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)又はCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の可変表示装置を有し、画像による演出を行う。スピーカ227は、効果音による演出を行う。トップランプ226及び告知ランプ229は、光の点滅による演出を行う。
表示枠201,202,203は、中央部に横3列に並ぶ正面のパネルの透明な窓部である。表示枠201,202,203内には、3つのリールが遊技者側から見て左側から左リール402、中リール403、右リール404の順で隣り合うように配置されている。各リール402,403,404は複数種類の図柄を配した図柄列を有しており、それらの各リールの外周には、21個の図柄が等間隔で配置されている。これらの図柄は表示枠201,202,203内において縦3列横3段に視認可能となっている。本実施形態における図柄配列については、図2に例示している。
入賞ライン205,206,207,208,209は、表示枠201,202,203を横断して施されており、これら入賞ライン205,206,207,208,209の何れかのライン上に当選役に係る図柄の組合せを揃えて停止させた場合に、当選役の入賞が成立する。入賞ライン206は、表示枠201,202,203内で表示される縦3列横3段の図柄のうち上段に施された線であり、入賞ライン205は中段に施された線であり、入賞ライン207は下段に施された線であり、入賞ライン208及び209は対角線である。
停止ボタン220,221,222は、遊技者により押下操作が行われると、それぞれに対応するリール402,403,404の停止の契機を与える。
遊技者がスタートレバー219を押下すると、表示枠201〜203内のリール402〜404が上から下向きへ同軸回転を始める。リール402,403,404の回転始動から約120ms経過し、図柄が2図柄弱程度移動した時点で、リール402,403,404の回転は加速状態から定速状態となり、1回転当り約750ms(約80rpm)の速度で回転する。リールの回転と同時に役の抽選が行われ、役の当選及び落選(はずれ、役の不当選)が決定される。遊技者がある停止ボタンに対して押下操作を行うと、押下操作が行われた時から約190ms以内に当該停止ボタンに対応するリールが停止する。停止ボタンの押下からリール停止までの間、リールの外周に配置されている図柄の数及び上記リールの回転速度に基づくと、停止ボタンへの押下操作が行われてから最大4図柄分移動してリールが停止することとなる。
本実施形態においては、公知の技術を利用してリール停止処理が行われる。例えば、後述するスベリコマ数テーブル(図10)を用いてリール停止処理が行われる。このようなリール停止処理では、役の抽選結果が不当選であった場合は、役に対応する図柄が所定の入賞態様で表示枠内に停止表示されることはない。また、役の抽選結果が当選であった場合は、停止ボタン220,221,222が押下されてから4図柄を許容限度として移動し、図柄を所定の入賞態様で停止させて当選役を入賞させることができる。
各役は入賞ライン上に揃えることが可能な3列の図柄の組合せである。役の種類には、遊技者が有するメダルが増加する傾向のある特別入賞、及び、ベル、スイカ等の図柄が入賞ライン上に揃うことで相対的に少量のメダルを払出す小役(リプレイ含む)がある。また、図柄の並びとは無関係に、左リール402上の特定の図柄(本実施形態ではチェリーの図柄)が入賞ライン上に停止しさえすればよい小役もある。特別入賞は、役の一種という意味では小役に対して大役と呼ばれ、遊技者等には一般にボーナスと呼ばれている。ボーナスとしては、BB(ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)、CT(チャレンジタイム)等が存在する。
本実施形態において、RBとは、所定回(例えば8回)の遊技の間、ベルの当選確率が表1(後記)に示した当選確率よりも高くなる遊技状態である。このRBの遊技状態は、後述する主制御部のCPUが用いる役抽選テーブルをRB用の役抽選テーブルに変更することで実現される。また、BBとは、メダルの払出し枚数が所定枚数を越えるまでRBを繰返し行う遊技状態である。また、CTとは、ベル、スイカ、チェリーなどの小役の当選確率は変わらないが、当選役に係わらず、遊技者の停止操作次第で、いずれの小役にも入賞が可能なように、リールが制御される遊技状態である。総じて、大役(ボーナス)とは、入賞させることで、遊技者の所有するメダルが増加する傾向のある遊技状態を実行させるための役である。
本実施形態において、役に対応する図柄としては、BBに対応する「赤7、赤7、赤7」図柄、RBに対応する「青7、青7、青7」図柄、CTに対応する「白7、白7、白7」図柄がある。また、小役に対応する「ベル」図柄、「スイカ」図柄、及び「チェリー」図柄がある。3つの「ベル」図柄が入賞ライン上に揃った場合には10枚、3つの「スイカ」図柄が入賞ライン上に揃った場合には5枚、左リール402上に「チェリー」図柄が入賞ライン上の上段又は下段に停止した場合には4枚のメダルが、中段に停止した場合には2枚のメダルが払出される。
(図柄配列)
図2は、左リール402、中リール403、右リール404各々の図柄配列を示している。各リール402,403,404の外周は21個の領域に等間隔に分割され、当該21個の領域に各図柄番号に対応する図柄が順に配置される。なお、図2においては、各図柄番号に対応して文字が示されているが、実際には各文字で表される図柄がリール402〜404上に配置される。
当選役に対応する図柄の入賞態様の中には、後記の表1に例示するように、その当選役に対応する図柄が表示枠内に停止する確率が低いものが存在する(例えば、本実施形態では、BB、RB、及びCT、並びにチェリー)。回胴式遊技機には、大役(ボーナス)に当選している場合のみ停止するリーチ目と呼ばれる停止目があるが、ボーナスの当選確率は低く抑えられており、したがって、リーチ目が停止表示される可能性も当然低くなる。なお、本実施形態では、左表示枠201内の上段、中段、下段の順に「赤7、青7、白7」が停止表示された場合がリーチ目となる。この停止目は、後述するスベリコマ数テーブル(図10)にしたがうと、BB、RB、又はCTの何れかの当選が確定している場合に停止表示されるものであるが、このようなリーチ目は、BBのみ、RBのみ、又は、CTのみの当選が確定している場合に停止表示されるものであってもよい。
また、後記の表1に例示するように、本実施形態では、チェリーの小役が小役の中で最も当選確率が低いものであり、左表示枠201内の上段、中段、又は下段の何れかにチェリーが停止表示されれば、その他の表示枠202及び203内にどのような図柄が停止表示されてもチェリーの小役が入賞となる。
上記のように、左リール402の外周には、表示枠201の上段(表示枠内の「所定の位置」に対応)に停止される確率が低い位置(「所定の特別位置」に対応)が設けられている。この「所定の特別位置」のさらなる詳細については、後述する。
(リールの構成)
図3は、リールの組み立て斜視図を示している。各リール402,403,404は、それぞれがステッピングモータ61に連結されており、3つの各ステッピングモータ61の駆動により各リール402,403,404が個別に回転し得る構成となっている。これら各リール402,403,404は、図柄配列以外は同様の構成を有しているため、ここでは左リール402について説明する。
左リール402は、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のリールテープ50aとを備えており、これらは回転体を構成する。リールテープ50aには21個の図柄が等間隔に印刷されている。円筒骨格部材50の中心部には、支軸部を構成するボス部51が形成されており、当該ボス部51は円盤状のボス補強板52を介して左リール用のステッピングモータ61の駆動軸に取り付けられている。左リール用のステッピングモータ61の駆動軸が回転すると、その駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転し、左リール402が円環状のリール面に沿って周回する。
ステッピングモータ61は、モータプレート53の側面にねじで固定されている。モータプレート53には、インデックスセンサ(「検出部」に対応)55が設置されている。本実施形態では、インデックスセンサ55として、発光部としての発光素子と、受光部としての受光素子とが所定間隔をおいて保持された透過型フォトセンサが採用されている。
ステッピングモータ61は、4相252ステップのステッピングモータであり、倍精度1−2相励磁方式にて制御される。ステッピングモータ61は、定速時において504パルスの励磁信号(励磁パターンあるいはパルスともいう。以下同じ)が与えられることにより1回転するように設定されている。つまり、1パルスの励磁信号で1ステップ回転するというように、駆動信号の数に応じた回転量で左リール402を回転させるように構成されている。各リール402,403,404の外周には21個の図柄が配置されているため、1図柄分回転するためのステップ数は24ステップ(504÷21)となる。したがって、定速回転中に左リール402の基準位置が検出された時点からのステップ(パルス)数や励磁パターンを出力するための割込み回数を計数することにより、どの図柄が表示枠201から視認可能な状態となっているかを認識したり、所定の図柄を表示枠201に停止させる制御を行ったりすることが可能となる。
次に図4を参照すると、リール402に取り付けられたインデックス片(「被検出部」に対応)58が示されている。インデックス片58は、リール402の回転軸線方向に沿って突出する突部である。当該インデックス片58が、検出位置において、相対向して配置されているインデックスセンサ55の発光素子及び受光素子に挟まれ、光の透過を遮断することによって、その位置が、基準位置として検出される。なお、インデックスセンサ55及びインデックス片58が位置検出手段を構成する。
図5は、インデックスセンサ55とインデックス片58との取付位置を模式的に示している。図5に示すように、本実施形態では、インデックスセンサ55は、表示枠201の上端でインデックス片58を検出するように設置されている。また、インデックス片58は、図2に示した図柄番号1の「スイカ」図柄の回転方向の長さの中間位置に取り付けられている。したがって、図5に示すように、インデックスセンサ55がインデックス片58を検出した時点では、表示枠201上段の上半分の領域に図柄番号1の「スイカ」図柄の下半分の領域が表示されており、上段の下半分の領域に図柄番号2の「リプレイ」図柄の上半分の領域が表示されている。
このように構成されたインデックスセンサ55とインデックス片58において、リール402の外周における「所定の特別位置」(本実施形態では、左リール402における「赤7(図柄番号3)」の図柄位置)が表示枠201の上段に停止した場合(すなわち、リーチ目である「赤7(図柄番号3)、青7(図柄番号4)、白7(図柄番号5)」が表示枠201の上段、中段、下段に停止した場合)、インデックス片58は、次の1遊技におけるリール402の回転の加速中(2図柄弱分の移動中)に、インデックスセンサ55を通過するように、リール402に取り付けられている。
なお、より詳細には、インデックスセンサ55は所定の幅を有しており、インデックス片58は、インデックスセンサ55における所定の幅といずれかの位置で重なれば基準位置が検出される。従って、より詳細には、インデックス片58は、リール402の外周における上記「所定の特別位置」が表示枠201の上段に停止した場合、次の1遊技におけるリール402の回転の加速中(2図柄弱分の移動中)に、インデックスセンサ55の所定の幅全体を通過するように、リール402に取り付けられている。
また、以下において、図2、図9、及び表1を参照して詳細に説明するが、「所定の特別位置」は、「リプレイ(図柄番号9)」、「チェリー(図柄番号11)」、及び「リプレイ(図柄番号16)」の図柄位置としてもよい。従って、「所定の特別位置」がこれらの場合に対応する別の実施形態では、インデックスセンサ55とインデックス片58との取付位置は、それぞれ、図20(a)、図20(b)、及び図20(c)に示す位置関係となる。すなわち、インデックスセンサ55は、表示枠201の上端でインデックス片58を検出するように設置され、かつ、インデックス片58はそれぞれ、図2に示した図柄番号7の「ベル」図柄、図柄番号9の「リプレイ」図柄、及び図柄番号14の「ベル」図柄の回転方向の長さの中間位置に取り付けられている。インデックスセンサ55が所定の幅を有していること等については、上述の通りであるので、ここでは省略する。
例えば、図5に示す取付位置の場合、ある1遊技でスタートレバー219の押下によりリール402が回転し、その後、左リール402の停止操作が行われ、表示枠201上段に図柄番号3の「赤7」図柄、中段に図柄番号4の「青7」図柄、下段に図柄番号5の「白7」図柄が停止表示されたとする(すなわち、ボーナスに当選していることを意味する)。すると、次の1遊技では、リール402が2図柄弱分回転して、インデックス片58がインデックスセンサ55を通過して図柄番号1の「スイカ」が表示枠201の上段に表示された時に、リール402は定速回転となる。逆に言えば、図5に示す取付位置の場合、表示枠201の上段に図柄番号3の「赤7」図柄が停止表示される確率は低いので、この図柄以外の図柄が表示枠201に停止表示される時には、インデックス片58を検出するのに、リール402の余分な回転時間を低減させることができる。
(ステッピングモータの構成)
次に図6を参照すると、ステッピングモータ61は、中央に配置されたロータ(回転子)62と、ロータ62の周囲に等間隔に配された第1〜第4ポールとから構成されている。
ロータ62は、N極に着磁された手前側ロータと、S極に着磁された奥側ロータとから構成され、手前側ロータの周囲に設けられた歯と歯の間に、奥側ロータの周囲に設けられた歯が位置するように1/2ピッチだけ相対的にずらされた状態で回転軸に取り付けられている。手前側ロータと奥側ロータとの間には筒状磁石が取着されている。
第1ポールと第3ポールには、図6に示すように励磁コイルL0と励磁コイルL2がバイファイラ巻きされ、励磁コイルL0の巻き終わり端と励磁コイルL2の巻き始め端とが結線され、ここに所定の直流電流(例えば+24ボルト)が印加される。同じく、第2ポールと第4ポールにも励磁コイルL1と励磁コイルL3がバイファイラ巻きされ、励磁コイルL1の巻き終わり端と励磁コイルL3の巻き始め端とが結線され、ここに上述した直流電流が印加される。
ここで、第1ポールの励磁コイルL0に励磁信号を印加し、第1ポールをS極に励磁すると共に第3ポールをN極に励磁する相をφ0相とし、これとは逆に第3ポールの励磁コイルL2に励磁信号を印加し、第1ポールをN極に励磁すると共に第3ポールをS極に励磁する相をφ2相と称する。同様に、第2ポールの励磁コイルL1に励磁信号を印加し、第2ポールをS極に励磁すると共に第4ポールをN極に励磁する相をφ1とし、これとは逆に第4ポールの励磁コイルL3に励磁信号を印加し、第2ポールをN極に励磁すると共に第4ポールをS極に励磁する相をφ3相と称する。
ステッピングモータ61が1相励磁駆動方式の場合には、φ0相、φ1相、φ2相及びφ3相に対して順次励磁信号を印加することにより、ロータ62を時計方向又は反時計方向に回転駆動させることができる。例えば、まずφ0相に通電すると、S極になった第1ポールの突起と手前側ロータの歯、N極になった第3ポールの突起と奥側ロータの歯とがそれぞれ吸引力により向き合う。次にφ1相に通電すると、S極になった第2ポールの突起と手前側ロータの歯、N極になった第4ポールの突起と奥側ロータの歯とがそれぞれ吸引力により向き合う。次にφ2相に通電すると、N極になった第1ポールの突起と奥側ロータの歯、S極になった第3ポールの突起と手前側ロータの歯とがそれぞれ吸引力により向き合う。次にφ3相に通電すると、N極になった第2ポールの突起と奥側ロータの歯、S極になった第4ポールの突起と手前側ロータの歯とがそれぞれ吸引力により向き合う。この順序で励磁することにより、ロータ62は第1ポールから第2ポールの方向に回転する。
これに対して、本実施形態では、1相励磁と2相励磁とを交互に行う1−2相励磁駆動が採用されている。1−2相励磁駆動では以下の(1)〜(8)の励磁シーケンス(励磁順序)に従って励磁が行われる。
すなわち、1組のみの励磁が1相励磁であり、2相を同時に励磁するのが2相励磁であるから、図7に示すように1−2相励磁駆動は、(1)φ0相に通電し(1相励磁)、(2)φ0相及びφ1相の両方に通電し(2相励磁)、以下同様、(3)φ1相に通電し、(4)φ1相及びφ2の両方に通電し、(5)φ2相に通電し、(6)φ2相及びφ3相の両方に通電し、(7)φ3相に通電し、(8)φ3相及びφ0相の両方に通電し、その後(1)に戻るような駆動方式である。本実施形態では、定速回転時には504パルスの駆動信号によりリールが1周する構成であるため、1パルスの励磁信号に基づく角度変化、すなわち1ステップ当りの角度変化は約0.714°(360°÷504)となる。
各励磁順に対応する励磁信号は、励磁パターンとしてステッピングモータ61の駆動回路に与えられる。この励磁パターンによってステッピングモータ61に対する励磁相が定まり、その励磁相に対して励磁信号(電流)が通電される。
なお、ステッピングモータはハイブリッド型や2相に限らず、4相あるいは5相のステッピングモータなど、種々のステッピングモータを使用することができる。
(制御回路構成)
次に、図8を参照して、回胴式遊技機200の制御回路構成について説明する。
リール始動スイッチ301は、スタートレバー219押下による遊技の開始を検知し、図柄表示装置312におけるリール回転の契機を与える。ベットボタンスイッチ302は、ベットボタン216,217,218からの信号を検知すると、クレジット中のメダルを指定枚数分投入することにより、クレジット数表示装置215の計数表示を指定枚数分減じ、ライン表示装置317による有効ラインLED210,211,212,213,214の点灯の契機を与える。停止ボタンスイッチ303は、停止ボタン220〜222の何れかが押下された場合に、押下された停止ボタンに対応して信号を発生し、対応するリールを停止する契機を与える。精算スイッチ304は、精算ボタン228が押下された場合に、クレジット数表示装置215を点灯させてクレジットを有効にし、逆に、クレジット数表示装置215を消灯させてクレジットを無効にするとともに、クレジットされていたメダルをクレジット精算メダルとして放出するように、ホッパ制御装置316に契機を与える。メダルセンサスイッチ305は、遊技者のメダル投入により信号を発生し、ライン表示装置317による有効ラインLED210,211,212,213,214の点灯、及びクレジット数表示装置215による計数表示の契機を与える。
リセット回路307は、主制御部308及び副制御部311を初期状態にする。電源回路318は、回路全体に電力を供給する。確率設定装置321は、役の当選確率の設定値を設定するための装置であり、回胴式遊技機200の前扉の内側に設置されている。ホッパ制御装置316は、主制御部308の指示を受けて、50枚までのクレジットを超えるメダルの払出しがある場合のクレジット超過分メダル、又は精算ボタン228の操作によるクレジット精算メダルを、メダル放出口224から放出する。ライン表示装置317は、主制御部308の指示により有効ラインLED210,211,212,213,214を選択的に点灯/消灯させる。
図柄表示装置312はリールユニットとも呼ばれ、各リール402,403,404を回転させる3個のステッピングモータ61、主制御部308からの励磁パターンの供給を受けて各ステッピングモータ61を駆動するモータドライバ等の駆動回路59、及び各リール402,403,404に取り付けられた各インデックス片58の検出時に検出信号を主制御部308へ出力する各インデックスセンサ55から構成されている。
LED表示装置313は、遊技の演出を行うための表示装置であり、副制御部311の指示を受けて複数のLEDを選択的に点灯/消灯させる。ランプ表示装置314は、遊技の演出に関連するランプ類の表示装置であり、副制御部311の指示を受けて、トップランプ226及び告知ランプ229を選択的に点灯/消灯させる。効果音発生装置315は、効果音データを格納しており、副制御部311の指示を受けて効果音をスピーカ227から発生させる。
(主制御部の構成)
次に、主制御部308の構成について説明する。主制御部308は、回胴式遊技機200全体の制御を行う1チップCPU(Central Processing Unit)であり、入力ポート(不図示)を介して各部からの信号を取り込んで処理を行い、その処理に基づく各種の制御信号を、出力ポート(不図示)を介して外部へ出力する。なお、本実施形態では、主制御部308を、CPU(不図示)、ROM(Read Only Memory)309、RAM(Random Access Memory)310、タイマシステム(不図示)等を内蔵する1チップCPUとしているが、ROM309及びRAM310等を外付けでバス接続したCPUとしてもよい。
RAM310には、役抽選用の乱数カウンタ、割込み回数を計数する割込みカウンタ、現在の回転位置を管理するための現在出現図柄番号及びステップカウンタ値、選択された励磁パターン、各種ポインタ、当選役に対応する図柄番号、各リールのワークエリアに設定された各種フラグ等、処理の実行過程で生成されるデータが一時記憶される。
ここで、「現在出現図柄番号」とは、現在表示枠の上段にある図柄の図柄番号を示すものであり、図柄は全部で21個存在するので、現在出現図柄番号は「0」〜「20」の値をとる。「ステップカウンタ値」は、現在表示枠の上段にある図柄がどれだけ回転したかを示す値であり、「0」〜「23」の値をとる。本実施形態では、図5に示す回転位置は、現在出現図柄番号が「2」(「リプレイ」の図柄番号)、ステップカウンタ値が「12」として識別される。
ROM309には、各種データ及びプログラムが回胴式遊技機200の製造時より記憶されている。例えば、ROM309には、遊技状態毎の役の当選確率を定義した役抽選テーブル、リール停止時の引込み制御のためのスベリコマ数を定義したスベリコマ数テーブル、リールの回転制御に用いられる各種テーブル、副制御部311に送信するためのコマンド等が記憶される。
役抽選テーブルには、例えば、ベルの小役、スイカの小役、チェリーの小役、リプレイ(再遊技)、BB、RB及びCTの当選確率が設定されている。以下の表1に、それらの当選確率の一例を示す。
図9は、左リール402のスベリコマ数テーブルの一例を示している。図9に示すように、スベリコマ数テーブルには、当選役毎、図柄番号毎に、リールの引込み制御が働く最大のスベリコマ数(移動可能な図柄数)と、表示枠201内の上段に停止し得る図柄(●で示されている)とが定義されている。このスベリコマ数テーブルは、停止ボタン220が押下されたタイミングにおける上段の図柄と、その入賞ライン上に停止させるべき図柄とが異なる場合に、その停止させるべき図柄が上段で停止するようにリール402をどれだけ滑らせるかを定めたテーブルである。遊技者により停止ボタン220が押下されリール402への停止指示が発生した時点で、表示枠201の上段に位置する図柄に対応するスベリコマ数が当該スベリコマ数テーブルから取得され、当選役に係る図柄を上段に停止させるように、当該スベリコマ数に基づいてリールの引込み制御が行われる。
ここで、図2、図9、及び表1を参照しながら、前述した左表示枠201の上段に停止表示される確率が低い「所定の特別位置」について、具体的に説明する。
表1に示したとおり、大役(ボーナス)に当選している場合のみ停止するリーチ目が停止表示される確率は低く、本実施形態では、左表示枠201内の上段、中段、下段の順に「赤7(図柄番号3)、青7(図柄番号4)、白7(図柄番号5)」が停止表示された場合がリーチ目に相当する。この場合、「所定の特別位置」として、「赤7(図柄番号3)」の図柄位置が対応する。
小役の中で最も当選確率の低いチェリーに関しては、左表示枠201内の上段、中段、下段の順に「リプレイ(図柄番号9)、バー(図柄番号10)、チェリー(図柄番号11)」、「チェリー(図柄番号11)、バー(図柄番号12)、リプレイ(図柄番号13)」、及び「リプレイ(図柄番号16)、バー(図柄番号17)、チェリー(図柄番号18)」となる停止目が表示される確率が低い。したがって、これらの場合、「所定の特別位置」として、それぞれ、「リプレイ(図柄番号9)」、「チェリー(図柄番号11)」、及び「リプレイ(図柄番号16)」の図柄位置が対応することになる。さらに、図9に示したスベリコマ数テーブルに基づく引込み制御を考慮すると、チェリーの小役に関して引込み範囲の最も狭い「リプレイ(図柄番号9)、バー(図柄番号10)、チェリー(図柄番号11)」が停止表示される確率はより低いものとなる。
しかしながら、「所定の特別位置」は、上記図柄位置に限定されるものではない。本発明の本質は、簡単な構成で、遊技者がテンポ良く遊技を進行させることができるように、「所定の特別位置」を設定することにある。
本実施形態では、BBまたはCTの当選確率が1/400に設定されているため、BBまたはCTが役の中で最も当選確率が低い。したがって、本実施形態では、BB当選時のみ、またはCT当選時のみ、左表示枠201の上段に上記「所定の特別位置」が停止することが好ましい。より一般的には、上記「所定の特別位置」は、役の中で最も当選確率が低い役が当選している場合に、左表示枠201の上段に停止することが好ましいといえる。
さらに一般的には、上記「所定の特別位置」は、左表示枠201の上段に停止される確率が最も低い停止態様とすることが好ましい。具体的には、「役の当選確率×ある位置が停止する押下位置の数/全押下位置の数」が最も小さくなる「ある位置」を上記「所定の特別位置」とすることが最も好ましいものである。これによって、遊技者は、テンポ良く遊技を進行させることができるからである。
また、ROM309には、ステッピングモータ61の動作を制御するための複数のシーケンステーブルが記憶されている。図10は、シーケンスポインタ、シーケンステーブル、状態、処理名及び更新値の対応関係を示している。スリープシーケンステーブルは状態A(待機)の時に使用されるテーブルであり、スタートシーケンステーブルは状態B(回胴回転始動)及び状態C(加速処理)の時に使用されるテーブルであり、回転シーケンステーブルは状態D(インデックス検出待ち)、状態E(図柄更新処理)及び状態G(滑りコマ制御)の時に使用されるテーブルであり、ストップシーケンステーブルは状態H(回胴回転停止)の時に使用されるテーブルである。シーケンスポインタとは、シーケンステーブルの先頭からの相対値を示すポインタである。ステッピングモータ61の制御は、現在の「状態」に応じた「更新値」を「シーケンスポインタ」に加算し、シーケンスポインタが指すシーケンステーブルに基づく処理を実行することにより行われる。
また、ROM309には、図11に示すパルスフェーズパターンテーブルが記憶されている。パルスフェーズパターンテーブルは、4相の各励磁の状態を定義した複数の励磁パターンから構成される。位相ポインタはパルスフェーズパターンテーブルの先頭からの相対値を示し、ステッピングモータ61に対する励磁相を決めるときに使用されるポインタである。1−2相励磁のステッピングモータ61を使用した場合、1相励磁と2相励磁とを交互に行うが、そのときの相励磁パターンは図11のパルスフェーズパターンテーブルに示すように8パターンとなる。位相ポインタが指す励磁パターンがパルスフェーズパターンテーブルから選択され、選択された励磁パターンは出力ポート(不図示)に書き込まれてステッピングモータ61の駆動回路59に供給され、対応する励磁コイルL0〜L3への通電処理がなされる。励磁パターンは左から順にL0〜L3に対応する。位相ポインタの値を0から7の範囲で循環させることで、倍精度1−2相励磁方式でリールを回転させることができる。
図12は、励磁動作と、励磁パターンと、シーケンステーブルとの対応関係を示している。励磁動作が「待機」の時には、スリープシーケンステーブルが使用され、このときの励磁パターンは全相OFFである。励磁動作が「回胴回転始動→加速→定常回転」の時には、スタートシーケンステーブル及び回転シーケンステーブルが使用され、このときの励磁パターンは図12に示す1相励磁及び2相励磁の8つのパターンである。励磁動作が「ロック→回胴回転停止」の時には、ストップシーケンステーブル及びスリープシーケンステーブルが使用され、このときの励磁パターンは全相ONから全相OFFとなる。
ROM309に記憶されるコマンドとしては、例えば、当選役コマンド、遊技状態コマンド、第1停止操作コマンド、第2停止操作コマンド及び第3停止操作コマンドが存在する。当選役コマンドは、スタートレバー219押下時の乱数抽選処理により当選した役を通知するために、副制御部311に送信されるコマンドである。遊技状態コマンドは、現在の遊技状態を通知するために副制御部311に送信されるコマンドである。
第1停止操作コマンドは、停止ボタンスイッチ303からの1回目の信号によって第1停止の停止ボタンに対する停止操作が検知された場合に、副制御部311に送信されるコマンドである。ここで、「第1停止の停止ボタン」とは、全リールが回転している時に、最初に押下された停止ボタンである。第2停止操作コマンドは、停止ボタンスイッチ303からの2回目の信号によって第2停止の停止ボタンに対する停止操作が検知された場合に、副制御部311に送信されるコマンドである。ここで、「第2停止の停止ボタン」とは、第1停止の停止ボタンの次に押下される停止ボタンをいう。第3停止操作コマンドは、停止ボタンスイッチ303からの3回目の信号によって第3停止の停止ボタンに対する停止操作が検知された場合に、副制御部311に送信されるコマンドである。ここで、「第3停止の停止ボタン」とは、第2停止の停止ボタンの次に押下されるボタンをいう。
また、ROM309には遊技を制御するためのプログラムが記憶されている。主制御部308のCPUがROM309から当該プログラムを読み出して実行することにより、遊技機200は、役抽選、リール402,403,404の回転制御(「回転制御手段」に対応)、停止ボタン220,221,222に対する停止操作の受付(「停止操作受付手段」に対応)、メダルの払出し等を実行する手段として機能する。
停止操作受付手段は、各リール402,403,404の定速回転中に各インデックス片58が各インデックスセンサ55を通過することにより各リール402,403,404全ての基準位置が検出された場合に、各リール402,403,404についての停止操作を有効化する。すなわち、停止操作受付手段は、各リール402,403,404全ての基準位置が検出されるまで、停止ボタン220,221,222が押下操作されて停止ボタンスイッチ303から出力される信号を無効なものとしてリール停止処理を行わず、基準位置が検出された後は、停止ボタンスイッチ303から出力される信号を有効なものとして受け付け、リール停止処理を行う。なお、実際には、各停止ボタン220,221,222が有効となるタイミングには若干の時間差があり、全リール402,403,404の基準位置が検出されて第1停止の停止ボタンが押下された後226.48ms経過後に第2停止ボタンが有効となり、第2停止の停止ボタンが押下された後226.48ms経過後に第3停止の停止ボタンが有効となる。
回転制御手段は、シーケンスポインタが指すシーケンステーブルに基づいて、待機、回胴回転始動、加速、定常回転、ロック、回胴回転停止の各励磁動作に対応する処理を行う。このときに、回転制御手段は、位相ポインタを逐次更新し、パルスフェーズパターンテーブルから位相ポインタが指す励磁パターンを選択し、選択した励磁パターンを出力ポートに設定して、ステッピングモータ61の駆動回路59に出力する。回転制御手段は、リールの回転を停止させるための回転停止手段を含んでいる。回転停止手段は、3つのリール402,403,404全ての基準位置が検出されたことを条件として作動可能となる。
また、回転制御手段は、定期的に発生するタイマ割込みの発生回数をカウントすることにより、ステッピングモータ61の時間管理を行う。本実施形態では、割込みカウンタを割込み回数のダウンカウンタとしており、割込みカウンタの初期値は、シーケンスポインタの値を保持する最低時間を割込み発生回数で表した値である。回転制御手段は、割込みカウンタが0になったとき、現在のシーケンスポインタ及び図10に示す更新値に基づいて、シーケンスポインタを更新する。
図13及び図14は、状態、処理名、シーケンス処理のテーブル名、タイマ割込み発生回数を示す割込みカウンタである回数、励磁パターンのテーブル名、励磁パターンを示すコード、及び処理時間の詳細な対応関係を示している。励磁パターンは、「1」が励磁ONで、「0」がOFFとし、左から順にL0〜L3に対応する。
(状態遷移図)
図15は、回転制御手段によって制御されるリールの回転状態の遷移図を示している。図15に示すように、状態A(待機)にあるときにスタートレバー219が押下されると、状態B(回胴回転始動)に移行して回胴回転始動処理が行われる。回胴回転始動処理が終了すると状態C(加速処理)に移行して、加速処理が行われる。加速開始から約120.69msが経過して加速処理が終了すると、状態D(インデックス検出待ち)に移行する。状態D(インデックス検出待ち)においては、リール402は一定速度で回転し、インデックスセンサ55による基準位置の検出待ち状態となる。基準位置が検出されると、状態E(図柄更新処理)に移行する。状態E(図柄更新処理)においては、検出された基準位置をもとにして、図柄番号及びシーケンスポインタによる回転位置の管理が行われる。停止ボタン220が押下されると状態G(滑りコマ制御)に移行し、滑りコマ制御が行われる。停止条件が成立すると状態H(回胴回転停止)に移行し、回胴回転停止処理が行われる。4相励磁が終了すると状態A(待機)に移行し、状態A(待機)に戻る。なお、状態D(インデックス検出待ち)、E(図柄更新処理)、G(滑りコマ制御)においてエラーが検出された場合には、状態F(回転エラー検出)に移行する。エラー再起動後、状態B(回胴回転始動)に移行し、回胴回転始動処理が行われる。
次に、副制御部311の構成について説明する。副制御部311は、CPU(不図示)、ROM319、RAM320、タイマシステム(不図示)等を内蔵する1チップCPUであり、主制御部308から受信したコマンドに基づいて処理を行う。なお、副制御部311は1チップCPUに限らず、ROM319及びRAM320等を外付けでバス接続したCPUとしてもよい。RAM320には、入出力データや演算処理のためのデータ、演出に関するカウンタ等が一時記憶される。ROM319には、回胴式遊技機200の製造時より各種データ及びプログラムが記憶されている。ROM319に記憶されるデータには、例えば、効果音発生装置315を介してスピーカ227から効果音を出力するためのデータや、ランプ表示装置314を介して各種ランプの点灯を制御するためのデータが含まれる。また、ROM319には各種プログラムが記憶されており、副制御部311のCPUが当該プログラムをROM319から読み出して実行することにより、LED表示装置313、ランプ表示装置314、効果音発生装置315等を制御する機能が実現される。
(主制御部が行う遊技制御処理)
次に、図16〜図18に示すフローチャート及び適宜図10〜図14を参照して、主制御部308が行う遊技制御処理について説明する。この処理は、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、タイマ割込みにより1.49ms毎に定期的に起動される割込み処理とから構成される。
(メイン処理)
まず、図16を参照してメイン処理について説明する。回胴式遊技機200に電源が投入されると、主制御部308は、各種初期設定の後、定期的な割込み処理により、RAM310内の設定値及びボーナスの当選確率に対応したRAM310内の役の乱数カウンタを逐次更新することによって、役の乱数値を順次発生させる。
主制御部308は、ベットボタンスイッチ302やメダルセンサスイッチ305からの信号を監視し、メダルが投入されるのを待つ(S101)。
メダルが投入された場合、主制御部308はスタートレバー219の押下処理を行う(S102)。具体的には、主制御部308は、リール始動スイッチ301からの信号を監視して、スタートレバー219が押下されたか否かを判定する。なお、この時点での状態は状態A(待機)(4相励磁OFF、図13参照)であり、この状態A(待機)ではシーケンスポインタがスリープシーケンスを指しており、対応する更新値が「0」である(図10参照)。このため、スタートレバー219が押下されない限りシーケンスポインタは更新されず、待機状態を継続する。
主制御部308が、リール始動スイッチ301からの信号を受信し、スタートレバー219が押下されたと判定した場合、主制御部308は乱数抽選処理を行う(S103)。具体的には、主制御部308は、RAM310内の役抽選用の乱数カウンタから乱数値を抽出するとともに、使用する役抽選テーブルを決定する。そして、主制御部308は、取得した乱数値及び役抽選テーブルに基づいて役当落を決定する。いずれかの役に当選した場合には、主制御部308は当選役に対応する図柄の図柄番号をRAM310に設定する(S104)。そして、主制御部308は当該図柄を揃えるべき有効ラインについての情報をRAM310に書き込む(S105)。
次に、主制御部308は待ち処理を行う(S106)。具体的には、主制御部308は、前回の遊技においてリールが回転を開始した時点から所定時間(本実施形態では4.1秒)が経過するまで、今回の遊技においてリール402,403,404の回転を開始せずに待機する。待ち処理が終了した時に、主制御部308はシーケンスポインタをスタートシーケンステーブルの先頭番地に設定する。
スタートレバー219のエッジが検出されてから、最大2.98ms(2割込み分)経過した時点で、主制御部308は、スタートシーケンスの先頭番地に対応する処理として、回胴回転に係る初期化処理を行う。次いで、状態は状態B(回胴回転始動)に移行する。
次に、主制御部308は回胴回転開始処理を行う(S107)。回胴回転開始処理では、状態B(回胴回転始動)、状態C(加速処理)及び状態D(インデックス検出待ち)における各処理が行われる。この回胴回転開始処理は、所定の割込みカウンタの初期値(図13参照)を各リール402,403,404のワークエリアに設定し、その後タイマ割込みを許可することで、当該タイマ割込み処理に基づいて回転を開始する、といったように実行される。
まず、主制御部308は、状態B(回胴回転始動)において割込み処理で励磁パターンを1回出力した後、状態C(加速処理)に移行する。状態C(加速処理)は27ステップに分かれている(図13参照)。
ここで、前述した表示枠201の上段に停止表示される確率が低い「所定の特別位置」が、表示枠201の上段に停止表示された場合、インデックス片58は、次の1遊技におけるリール402の回転の加速中に、インデックスセンサ55を通過するようにリール402に取り付けられている。これにより、リール402の外周に配置された「所定の特別位置」が表示枠201の上段に停止表示される確率が低いことに起因して、リール402の余分な回転時間を低減させ、リール402に対応する停止ボタン220が有効になるために要する時間を短くすることができ、遊技者はテンポ良く遊技を進行することができる。
主制御部308は、各リール402,403,404が定速回転状態となったか否かを監視する。少なくとも120.69ms経過して27ステップ分(2図柄弱)図柄が移動すると加速処理が終了する。この時にシーケンスポインタは「29」となり、回転シーケンステーブルを指しているので、状態は状態D(インデックス検出待ち)に移行する(図10参照)。状態D(インデックス検出待ち)では、リール402,403,404は定速で回転し、主制御部308は、インデックスセンサ55からの検出信号を監視することにより、各リール402,403,404の基準位置が検出されたか否かを判別する。
なお、各リール402,403,404が回転を開始してから各リール402,403,404全ての回転位置が検出されるまでの期間内に停止ボタン220、221,222が押下操作されても、停止操作受付手段は停止ボタンスイッチ303からの信号を無効化し、停止処理を行わない。一方、3つのリール402,403,404全ての回転位置が検出された後に、停止ボタンスイッチ303からの信号を有効化し、停止処理を行う。
リールの基準位置が検出されると、主制御部308は、RAM310のステップカウンタ値に「12」、現在図柄出現番号に「2」、シーケンスポインタに「30」を設定する。これにより、状態は状態E(図柄更新処理)に移行し(図10参照)、主制御部308は回胴回転停止ループ処理を行う(S108)。
状態E(図柄更新処理)においては、主制御部308は、割込み処理により現在出現図柄番号及びステップカウンタ値を更新することにより、回転位置を管理する。また、状態E(図柄更新処理)においては、シーケンスポインタは回転シーケンステーブルを指しており、回転シーケンステーブルに対応する更新値は「0」なので(図10参照)、停止ボタン220,221,222が押下されない限り状態E(図柄更新処理)を継続する。
停止ボタン220,221,222の何れかが押下されて停止指示が発生した場合に、主制御部308は、「ON」の停止要求フラグと、S104で設定された図柄番号とを、停止操作がなされたリールのワークエリアに設定し、割込み処理でリール停止の励磁制御を行う。
3つのリール402,403,404全てが停止した場合に、主制御部308は当選役に対応する図柄が所定の入賞態様で有効ライン上に停止表示されたか否かの判定を行う。この結果、小役に入賞した場合はメダルの払出しを行う(S109)か、大役に入賞した場合は、その役に対応したメダルが増加する傾向のある状態に遷移する。
(回転制御処理)
次に、図17に示すフローチャートを参照して、主制御部308の回転制御手段が行う回転制御処理について説明する。この処理は、1.49msの周期で定期的に発生する割込み処理で行われる。
主制御部308は、割込みカウンタを1デクリメントし(S201)、その値が「0」でない場合(S202;No)は、処理を終了する。一方、割込みカウンタが「0」の場合(S202;Yes)は、主制御部308は、シーケンスポインタが指す割込みカウンタの初期値を割込みカウンタに設定する(S203)。
次に、主制御部308は、シーケンス移行処理を行う(S204)。具体的には、現在の状態が状態B(回胴回転始動)又は状態C(加速処理)の場合には、シーケンスポインタはスタートシーケンステーブルを指しており、対応する更新値は「+1」であるため(図10参照)、主制御部308はシーケンスポインタを1インクリメントする。一方、現在の状態が状態A(待機)の場合はシーケンスポインタがスリープシーケンステーブルを指しており、状態D(インデックス検出待ち)又は状態E(図柄更新処理)の場合はシーケンスポインタが回転シーケンステーブルを指しており、更新値は何れの場合も「0」であるため(図10参照)、主制御部308はシーケンスポインタを更新しない。
次に、主制御部308は、励磁パターンを出力する(S205)。具体的には、現在の状態が状態A(待機)の場合には、シーケンスポインタはスリープシーケンステーブルを指しているので、図13に示す対応する励磁パターン「0000B」(4相励磁OFF)を出力ポートに設定する。
一方、現在の状態が状態B(回胴回転始動)又は状態C(加速処理)の場合には、シーケンスポインタはスタートシーケンステーブルを指しており、状態D(インデックス検出待ち)又は状態E(図柄更新処理)の場合には、シーケンスポインタは回転シーケンステーブルを指しているので、主制御部308は、位相ポインタが指すパルスフェーズパターンテーブル内の励磁パターン(図13及び図14参照)を出力ポートに設定する。
これにより、ステッピングモータ61の駆動回路59に励磁パターンが供給され、ステッピングモータ61は、励磁パターンによって指定された励磁相への通電処理を行い、ロータ62に対する励磁処理がなされる。
(回転位置の管理及び停止処理)
次に、図18に示すフローチャートを参照して、主制御部308の回転制御手段が行う回転位置の管理及び停止処理について説明する。この処理は、図16に示すS108の回胴回転停止ループ処理において1.49msの周期で定期的に発生する割込み処理で行われる。
主制御部308は、割込み処理が開始すると、RAM310に記憶されているステップカウンタ値を1デクリメントする(S301)。
次に、主制御部308は、RAM310に記憶されているステップカウンタ値が0未満か否かを判定する(S302)。ステップカウンタ値が0未満である場合、主制御部308はステップカウンタ値に最大ステップ数「23」を設定する。さらに、主制御部308は、現在出現図柄番号を、リール回転方向とは1コマ逆方向の図柄番号に更新する。具体的には、現在出現図柄番号が「1」〜「20」のときは現在出現図柄番号を1デクリメントし、現在出現図柄番号が「0」のときは現在出現図柄番号を最大値「20」に更新する(S303)。例えば、図19に示す位置関係となった場合、主制御部308は、現在出現図柄番号を「1」、ステップカウンタ値を「23」に更新する。
主制御部308は、定速回転中にインデックスセンサ55からの信号を監視し(ステップS304)、インデックスセンサ55からの検出信号を受信した場合、RAM310のステップカウンタ値に「12」、現在図柄出現番号に「2」、シーケンスポインタに「30」を設定する。これにより、RAM310で管理されている基準位置を補正することができる。
次に、主制御部308はRAM310に記憶された各リールのワークエリアをチェックし(ステップS305)、ワークエリアに「ON」の停止要求フラグが設定されていた場合、状態G(滑りコマ制御)に移行して停止処理を行う(ステップS306)。滑りコマ制御では、役の抽選において役に当選している場合には、スベリコマ数テーブルを参照して、可能な限り当選した役が有効ライン上に並ぶように制御する。主制御部308は、現在表示枠上段にある図柄の図柄番号が停止要求対象のリールに対応するワークエリアに設定されている図柄番号と一致した場合に、所定時間の間(本実施形態では、248.83msの間)全相励磁ON出力を行う。その後、主制御部308は、全相励磁OFF出力を行い、この状態を次の遊技のスタートレバー219の押下まで継続する。
以上説明したように、リール402の外周における「所定の特別位置」が表示枠201の所定の位置(本実施形態においては上段であるが、上段に限定されるものではない)に停止した場合、インデックス片58は、リール402の次の回転の加速中にインデックスセンサ55を通過するようにリール402に取り付けられているため、リール402の外周に配置された「所定の特別位置」(リーチ目を構成する停止目の上段の図柄やチェリーが入賞となる停止目の上段の図柄に対応する位置)が表示枠201の上段に停止表示される確率が低いことに起因して、リール402の余分な回転時間を低減させ、リール402に対応する停止ボタン220が有効になるために要する時間を短くすることができ、遊技者はテンポ良く遊技を進行することができる。