以下、本発明の実施形態に係る回胴式遊技機Aについて図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは遊技媒体に遊技メダルを用いる回胴式遊技機を例にする。
図1は本実施形態に係る回胴式遊技機Aの外観斜視図である。
回胴式遊技機Aは、各種制御基板や回胴機構部材を収納した筐体1に、開閉自在に取り付けられた前扉5を有する。前扉5の上部2の中央には、演出報知装置としての液晶表示装置3の表示画面が配設されている。この表示画面には回胴遊技の進行に応じてキャラクターや文字、数字、メッセージ等が画像表示され、当選役の報知演出等の各種表示演出を行えるようになっている。液晶表示装置3の両側には、一対の上部スピーカ4が配設されており、液晶表示装置3による画像演出と同調して、各種の効果音等による音響演出を行えるようになっている。演出報知装置としては、カラー液晶に限らず、例えばカラーEL(エレクトロルミネッセンス)、カラープラズマディスプレイ装置、電子ペーパディスプレイ、7セグメント、LEDドット表示器等を用いた表示装置を使用することができる。
前扉5の略中央で、液晶表示装置3の下方には、図柄表示窓8が設けられている。図柄表示窓8は透明パネルからなり、図柄表示窓8を通じて、リール(回胴)8a、8b、8cが視認可能に筐体1内部に配置されている。リール8a〜8cにより、図柄表示窓8に表示される図柄を可変表示(変動)させる回胴表示部が構成されている。
図11はリールの組立構成(11A)及びリールの部分断面構成(11B)を示す。リール8a〜8cは、リールテープ263が外周面に巻き付けられる円筒状の回転枠体257からなり、枠体中央の支持部258にはステッピングモータ(251、252、253)の回転軸259に取り付けられている。リール8a〜8cはステッピングモータ(251、252、253)のモータ駆動により一定速度で回転駆動される。リールテープ263の外周面には21個の図柄が回転方向に沿って形成されている。図柄表示窓8からは、各リール8a〜8cの図柄のうち、所定数、例えば3個ずつの図柄が視認可能となっている。本実施形態においては、リール表面に図柄を配し、リール回転によって図柄を変動する回胴表示部を用いているが、これに限らず、例えば無端ベルトの表面に図柄を配し、これを回転することにより図柄を変動する回胴表示部を使用することも可能であり、リール、ドラム、ベルト等の機械式回胴表示部の他に、擬似的に回胴及びその変動を画像表示するディスプレイを使用することも可能である。
図柄表示窓8には、各リールの停止図柄が3駒分視認される図柄停止有効領域が設けられている。図2は図柄表示窓8に設定された、各種当選役の入賞を確定するための4つの有効ラインL1〜L4を示す。有効ラインL1とL2は斜めラインであり、有効ラインL3及びL4は夫々、谷型、山型ラインであり、所謂、変則4ラインによって、入賞位置を特定する入賞位置特定形態が構成されている。リール8a〜8cの夫々の図柄停止位置はE11〜E13、E21〜E23、E31〜E33の合計9駒である。有効ラインL1はE11−E22−E33の停止位置の配置からなる。有効ラインL2はE13−E22−E31の停止位置の配置からなる。有効ラインL3はE11−E22−E31の停止位置の配置からなる。有効ラインL4はE13−E22−E33の停止位置の配置からなる。有効ラインの設定は入賞率の決定、押し順ARTの図柄停止制御等に関係するが、本発明においては、上記変則4ラインに限らず、図柄配列や出玉率の設計等に応じて各種有効ラインの組合せが可能であり、ライン数を3本以下又は5本にしてもよい。回胴式遊技機Aは、1遊技に供するメダル数が3枚必要とされる所謂3枚専用の回胴遊技機である。メダルが3枚投入されることにより遊技可能を表す有効化表示器(図示せず)が図柄表示窓8周辺のパネル面に配設されている。
図3は各リール8a〜8cに形成した図柄配列帯及び図柄種を示す。同図(3A)は各リール8a〜8cの図柄配列帯を示し、同図(3B)は図柄配列帯に配置される8種の図柄を示す。(3A)の左回胴、中回胴及び右回胴は夫々、リール8a〜8cの図柄配列帯に対応している。各図柄配列帯はリールに巻き付けられたリールテープ263により形成され、リールテープ263のテープ面には、内部抽選により当選した役(以下、「当選役」とも称する)に対応する図柄の組合せを構成するための図柄が印刷形成されている。本実施形態の図柄には、(3B)に示すように、赤7(符号31)、青7(符号32)、チェリー(符号33)、スイカ(符号34)、ベル(符号35)、ブランク(符号36)、リプレイ1(RP1:符号37)及びリプレイ2(RP2:符号38)の計8種類の図柄が使用されている。これらの図柄は各リールの外周面に沿って計21駒配置され、図柄の並び順に沿って図柄番号0番〜20番の駒番号が割り当てられている。ブランク36はキャラクターや文字の表記がない図柄である。
図柄表示窓8の下部には、BETランプ23、クレジット表示部24及び払出枚数表示部25からなるパネル表示部7が配設されている。BETランプはメダル投入(設定)枚数の1〜3枚に応じて点灯するランプからなり、1ゲームを行うために賭けられたメダル数(以下「BET数」という。)に応じて点灯する。クレジット表示部24及び払出枚数表示部25は7セグメントLEDによって構成されている。回胴式遊技機Aは投入メダルの枚数を予め記憶して貯留するクレジット機能を有し、クレジット表示部24にはクレジットされている残メダル枚数が表示される。回胴式遊技機Aにクレジットされる最大枚数は50枚であり、クレジット表示部24に表示されるクレジット枚数は50枚以下となる。なお、最大枚数の50枚がクレジットされている状態で、メダルを更に投入してもそのまま排出されて返却される。払出枚数表示部25は入賞時に払い出されるメダル枚数を表示する。払出枚数表示部25はボーナスゲームの遊技情報を表示する表示機能も有し、ボーナスゲーム中にはボーナスゲームで獲得した総払出枚数が累積表示される。
図柄表示窓8の更に下方には、遊技者が操作する操作部9が設けられている。操作部9には前方に緩やかに傾斜した傾斜部と、前扉1の前面側に設けた正面部からなる。操作部9の該傾斜部には、遊技媒体である遊技メダルを投入するためのメダル投入口10と、クレジットされた貯留枚数範囲内において、1ゲームに対して許容される賭け数の上限値(1ゲームに対して投入可能な遊技メダル数)まで遊技メダルを一度に投入(設定)するためのMAXベットボタン11、押した回数に応じて上記賭け数の上限値まで遊技メダルを加算的に設定するための1ベットボタン13、クレジット精算を行うための貯留メダル精算ボタン12が設けられている。MAXベットボタン11を押下して、メダル貯留残数が十分あるときには、賭け枚数が最大賭け枚数、つまり3枚に設定され、貯留残数が最大賭け枚数に満たない場合には、貯留残数全てが賭け枚数に加算される。
図柄表示窓8の左右両側の前扉5側部には、遊技演出を電飾表示するための装飾ランプ部6が設けられている。装飾ランプ部6は、RGB発光可能なLEDからなり、その発光色の種類や発光態様による光演出効果を発揮する。
操作部9の正面部には、リール8a〜8cの回転を開始させるための始動スイッチである回胴回転始動レバー15と、各リール8a〜8cに対応して設けられた回胴回転停止ボタン16a、16b、16cと、メダル投入口10から内部のメダル投入路に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン17が配設されている。前扉5の開放側端には前扉5の施錠状態を切り替えるための錠装置18が設けられている。
前扉5の下部14には、回胴式遊技機Aの機種名やモチーフ等に基づいた意匠デザインが形成された装飾パネル19が取り付けられており、パネル内側に設置された照明装置(図示せず)により点灯表示される。装飾パネル19の下側には、後述のメダルホッパー305により排出される賞メダル、あるいは返却操作により払い出されるメダルを排出するためのメダル払出口21と、メダル払出口21から排出されたメダルを貯留するためのメダル受皿20が設けられている。メダル払出口21の左右両側には下部スピーカ22a、22bが設けられている。メダル受皿20の横には灰皿26が配設されている。
本実施形態においては、液晶表示装置3による演出表示、上部スピーカ4、下部スピーカ22a、22bによる効果音、装飾ランプ部6の電飾効果を用いて、一般役や特別入賞役の当選、特典遊技(ART遊技)の付与等の演出、報知を視覚的且つ聴覚的に行う。演出効果手段としては、視覚、聴覚に限らず、触覚などの人間の五感を刺激することにより伝達する手段、例えば、遊技者の体に振動を伝える加振装置、骨伝導装置、送風装置等を使用することができる。
ART遊技中においては、6種類のAT役の夫々の回胴の停止操作順序を報知するための報知手段として液晶表示装置3による演出表示(例えば、停止操作手順の指示表示)、上部スピーカ4、下部スピーカ22a、22bによる効果音(例えば、停止操作順序に沿った左・中・右の指示音声)が使用される。
本実施形態に係る回胴式遊技機Aの制御装置について説明する。
図4は回胴式遊技機Aの制御装置の概略構成を示す制御ブロック図である。
回胴式遊技機Aの制御装置は、遊技動作制御を統括的に司る主制御基板100と、主制御基板100から演出制御コマンドを受けて、画像と光と音についての演出制御を統括的に司る演出制御基板200と、賞メダルの払出を制御する払出制御基板300と、AC24Vの外部電源から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板400とからなる。演出制御基板200は、演出I/F(インターフェイス)基板201を介して主制御基板100と接続されている。演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドの受信、演出内容の抽選や液晶制御基板203への液晶制御コマンドの送信、各スピーカの音制御、装飾ランプ部6等のLED発光制御等を行う。なお、図4において電源供給ルートは省略してある。
液晶制御基板203は、演出制御基板200から受信した液晶制御コマンドに基づき、液晶表示装置3の表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDP(Video Display Processor)に出力する液晶制御用CPUと、液晶制御用CPUの動作手順を記述したプログラムを内蔵する制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する制御RAMと、液晶制御用CPUに接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDPと、VDPが画像展開する必要な画像データを格納した画像データROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAMとを含んで構成されている。
図5は主制御基板100の構成を示す。
主制御基板100は、メインCPU102を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、メインROM103と、メインRAM104とを搭載したマイクロコンピュータ101(本実施形態ではZ80システム相当品を採用している)からなり、本発明の主制御部を構成する。マイクロコンピュータ101には、CTC(Counter Timer Circuit)105やメインCPU102に割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路106が設けられている。マイクロコンピュータ101には、周辺基板との間の信号を入出力するI/Oポート回路107、108が接続され、I/Oポート回路107、108には夫々、外部周辺基板との信号のやり取りを仲介するI/F回路109、110が接続されている。I/F回路109はスイッチ入力回路111を介して遊技中継基板150と接続されている。I/F回路110は電源基板400、払出中継基板301及び外部中継端子基板401と接続されている。更に、マイクロコンピュータ101にはカウンタ回路114及びモータ駆動回路115が接続されている。
メインROM103には、一連の遊技機制御手順が記述された制御プログラムの他、回胴の停止制御用の停止データを記述した停止テーブル(図示せず)、役を抽選するための役抽選テーブル(後述の図28参照)、入賞による払い出し枚数を設定するための入賞払出テーブル(図示せず)等の遊技動作制御に必要な所定のデータが格納されている。メインRAM104には、当選役を決定するための役の抽選に利用される抽選用乱数値や当選役情報や遊技状態情報等の遊技の進行に必要なデータを格納するためのワークエリアが形成されている。
カウンタ回路114は、ハードウェア的に一定範囲(乱数域:0〜65535)の乱数を生成する乱数生成回路と、当該乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含む。モータ駆動回路115は、マイクロコンピュータ101(メインCPU102)の制御の下、回胴(リール)駆動モータのステッピングモータ(左回胴駆動モータ251、中回胴駆動モータ252、右回胴駆動モータ253)を回転駆動制御するための駆動電流を供給し、リール8a〜8cの回転制御および停止制御を行う。各回胴駆動モータにはモータ駆動回路115からの駆動電流が供給される。メインCPU102から出力される演出制御コマンド等の信号は出力バッファ回路113を含む演出制御基板用I/F回路112を介して演出I/F基板201の入力バッファ回路202に出力される。
メインCPU102は、処理状態に応じて上記乱数発生回路により発生された乱数値を内部抽選用乱数値として取得し、内部抽選用乱数値は、主に、役に関する抽選処理に利用される。抽選処理は、主制御部を構成するマイクロコンピュータ101(メインCPU102)がリール8a〜8cの回転による単位回胴遊技(1ゲーム)の実行ごとに上記役抽選テーブルを参照して実行される。
主制御基板100には、図4に示すように、遊技中継基板150を介して、回胴回転始動レバー15の作動を検出する回胴回転始動スイッチ15aと、回胴回転停止ボタン16a〜16cの夫々の回胴回転停止スイッチ16e、16f、16gを搭載した停止スイッチ基板160と、メダル投入口10からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ10aと、MAXベットボタン11の作動を検出するMAXベットスイッチ11aと、1ベットボタン13の作動を検出する1ベットスイッチ13aと、貯留メダル精算ボタン12の作動を検出する貯留メダル精算スイッチ12aが接続され、主制御基板100は各種スイッチからの検出信号を受信可能となっている。メダル検出センサ10aはメダル投入口10から投入されたメダルが後述のメダルホッパー305のタンクに収容されるまでのメダル投入路に配置したメダル選別装置(図示せず)内に設置されている。
なお、回胴回転始動レバー15、回胴回転停止ボタン16a〜16c、MAXベットボタン11、1ベットボタン13、貯留メダル精算ボタン12には、操作部材内部にLED(図示せず)が設けられており、そのLEDの発光態様(たとえば、発光色)により、上記のレバー操作やボタン操作の有効又は無効が遊技者に報知可能となっている。また、回胴回転始動スイッチ15aの操作手段としてはレバーの他に、押下ボタンを使用することができる。
主制御基板100には、回胴中継基板250を介してリール8a〜8cを回転駆動するためのステッピングモータ(251、252、253)が接続され、また、各リールに対して配設した回胴回転位置検出センサ254、255、256が接続されている。ステッピングモータには例えば504パルス(以下、ステップ数ともいう。)の駆動信号(励磁パルス信号)を与えることにより1回転するパルスモータを使用することができる。励磁パルスの印加によってステッピングモータ(251、252、253)の回転位置制御を行うことができる。リール8a〜8cには、21個の図柄が描かれているので、所定の位置ある図柄から次の図柄へ1駒分、切り替えるには24(504÷21)ステップ数の励磁パルスの印加を必要とする。リール8a〜8cはリールユニットケースに収容されて、筐体1内に設置されている。回胴回転位置検出センサ254、255、256は、所定間隔を開けて保持された一対の発光素子と受光素子からなるリールインデックスセンサである。
ステッピングモータ(251、252、253)は図11に示すように、リールユニットケースの取付板261に固着されている。各リールの回転枠体257には、周回内側の所定箇所にリールインデックスセンサの発光素子と受光素子の間を通過可能な、所謂インデックスと呼ばれる遮光片260が設けられている。回胴回転位置検出センサ254、255、256のリールインデックスセンサは取付部材262を介して取付板261に固着されている。各リールが1回転するごとに遮光片260がリールインデックスセンサの発光素子と受光素子の間を通過することにより、回胴回転位置検出センサ254〜256がリールの回転基準位置を検出して、回転基準位置の検出ごとに、その検出信号を主制御基板100に出力する。主制御基板100の制御の下、回胴回転の後に、これら回胴位置検出センサからの検出信号を受信することにより、抽選結果と停止操作タイミングに応じて所定の位置に停止制御することが可能となっている。
図6は回胴式遊技機Aの内部構成を示す。筐体1は天板1a、側板1b、1c及び底板1dにより形成された箱体からなり、内部には、リール8a〜8c、メダルホッパー305、電源装置400a等が収納されている。電源装置400aには電源投入操作用の電源スイッチ(図示せず)が設けられている。リール8の上方には、主制御基板100を収納したメイン基板ボックス100aが取り付けられている。メイン基板ボックス100aの周辺には、演出制御基板200等のサブ基板も配設されている。メダルホッパー305はホッパーモータ302により駆動され、タンクに収納した収容メダルをメダル放出口305bを通じてメダル払出口21に連通した放出通路(図示せず)に向けて放出する遊技媒体払出装置である。
主制御基板100には、払出中継基板301及び払出制御基板300を介して、ホッパーモータ302と、メダル払出センサ303及び満杯検知装置304が接続されている。払出制御基板300は、払出中継基板301を介して主制御基板100からの払出制御コマンドを受けてホッパーモータ302を駆動制御する。メダル払出センサ303は前記放出通路に設置され、メダルホッパー305から払い出される遊技メダルを検出し、検出信号を払出中継基板301を介して主制御基板100に与える。主制御基板100は、入賞による遊技メダルの払い出しが必要な場合、払い出し枚数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板300に送信可能となっている。払出制御基板300は払出制御コマンドを受信してホッパーモータ302を駆動制御し、指定枚数の遊技メダルの払い出し処理を行う。払い出された遊技メダルはメダル払出センサ303により検出され、その検出信号は主制御基板100に入力され、払出完了の判定に供される。
メダルホッパー305の横には、メダルホッパー305のタンクの収容メダルがオーバーフローメダル放出口305aよりオーバーフローして溢れ出た遊技メダルを貯留する補助タンク306が配置されている。補助タンク306には、補助タンク306の満杯状態を監視する満杯検知装置304が設置されており、主制御基板100は満杯検知装置304からの検出信号を払出中継基板301を介して受信可能となっている。
図7は演出制御基板200の概略構成を示す。
演出制御基板200は、サブCPU206を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、サブROM207と、サブRAM208とを搭載したマイクロコンピュータ205からなり、本発明の副制御部を構成する。マイクロコンピュータ205には、CTC209やサブCPU206に割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路210が設けられている。また、演出制御基板200には演出I/F基板201との間の信号を入出力するI/Oポート回路211及びカウンタ回路212が設けられている。
サブROM207には、一連の演出制御手順が記述された演出制御プログラムの他、ATモード中に用いる当選役押し順報知演出選択テーブル(図示せず)、ART遊技回数の上乗せ抽選テーブル、ART遊技の進行や遊技回数の変更を報知する演出テーブル(図示せず)等の演出動作制御に必要となる所定のデータが格納されている。サブRAM208には、演出に関する抽選に利用される演出抽選用乱数値や演出制御側の遊技状態(演出状態)情報等の演出を行うために必要なデータを格納するためのワークエリアが形成されている。また、サブRAM208にはATモードへの移行に伴ってセットされるATフラグが記憶される。
カウンタ回路212はカウンタ回路114と同様に乱数生成回路とサンプリング回路を含む。サブCPU206は、演出処理状態(例えば、演出制御コマンドを受信したタイミング)に応じて当該サンプリング回路に指示を送ることにより乱数発生回路が生成している数値を演出用乱数値として取得し、この演出用乱数値は主として演出の抽選に利用される。
演出制御基板200には、主制御基板100からの演出制御コマンドを受けて光と音についての演出処理を行う機能を有し、上部スピーカ4、下部スピーカ22a、22bを通じて音楽、音声を出力させるための音響発生装置213に対して音響制御信号を出力する。また、装飾ランプ部6を構成するLED群を搭載したLED基板204が前扉5の内側部に取着されており、演出制御基板200はLED基板204に対してLED駆動制御信号を出力する。
演出制御基板200は演出制御コマンドに関連付けられた液晶制御コマンドを、液晶表示装置3に表示する画像再生が必要なタイミングで、液晶表示装置3の画像制御を行う液晶制御基板203に送信する。演出制御基板200は、主制御基板100から送られてくる演出制御コマンドに基づき、予め用意された複数種類の演出内容の中から抽選によりあるいは一意に決定し、この決定内容を実行指示する制御信号を必要なタイミングで、液晶制御基板203、音響発生装置213やLED基板204に送信して、各種演出内容に対応して、液晶表示装置3の演出画像と共に、効果音の再生と、装飾ランプ部6のLED点灯点滅駆動とが実現される。従って、サブCPU206を主構成とする副制御部の制御の下、回胴式遊技機Aの回胴遊技に設定されるモチーフ等に基づく演出シナリオに従い、時系列的に種々の演出内容を展開させて回胴遊技の興趣を盛り上げることができる。
演出制御基板200のサブROM207には、サブCPU206によるサブ制御の下で実行され、ART遊技を付与するか否かをART付与抽選により決定するART付与決定処理プログラム、AT条件の設定内容を決定するAT設定内容決定処理プログラム、RT遊技状態においてAT役又は6択リプレイの当選役の押し順報知を行うAT押し順報知制御プログラム、遊技回数の上乗せを上乗せ抽選テーブルに基づいて上乗せ抽選して決定する上乗せ決定プログラム及び前記上乗せが決定されたときにART遊技状態の遊技期間をその上乗せ分の遊技回数を上乗せして変更するART遊技期間変更処理プログラムが格納されている。上記ART付与決定処理プログラムには、通常遊技状態に特定の小役(チェリー等)の当選を契機にART付与抽選を行い、当選によりART遊技付与を決定する小役当選契機のART付与決定処理プログラムと、ボーナスゲーム中に行うART付与抽選によるボーナスゲーム中ART付与決定処理プログラムと、電源投入による稼働開始からの遊技回数を計数し、予め設定した設定遊技回数に達したときART付与抽選を行い、当選によりART遊技付与を決定する設定遊技回数到来契機のART付与決定処理プログラムが含まれている。演出制御基板200は前記AT押し順報知制御プログラムの実行制御により、ART遊技時に前記当選役の押し順報知を行うART遊技実行手段を構成している。
主制御基板100には、図4に示すように、外部集中端子基板401を介してホールコンピュータHC(パチンコホールの遊技機を統括的に管理するコンピュータ)が接続され、主制御基板100から所定の遊技情報がホールコンピュータHCに外部出力可能となっている。また、主制御基板100には回胴設定基板402が接続され、回胴設定基板402からの検出信号を受信可能となっている。回胴設定基板402には、出玉率を6段階のいずれかに設定する「6段階設定」を変更する設定スイッチ(図示せず)や、遊技動作エラーを解除するリセットスイッチ(図示せず)等が設けられ、回胴設定基板402における各スイッチの操作検出信号は主制御基板100に与えられる。
主制御基板100におけるメイン処理の処理手順を図面を参照して説明する。この処理手順には1回の遊技に必要な一連の流れが含まれている。なお、本実施形態における各処理をステップ番号で示しており、各ステップにおける処理は主制御部又は副制御部による制御手段を構成する。
図8は主制御部によるメイン処理を示す。このメイン処理はメインCPU102の制御下により実行されるものであり、処理実行の主体を主制御基板(主制御部)100として説明する。
回胴式遊技機Aに電源投入が行われると、電源基板400から電源投入信号が送られ、主制御基板100はこの電源投入信号を受けてメイン処理を開始する。電源投入時に初期設定処理(ステップS1)が行われた後、正常動作時の処理(ステップS2〜S15)が行われる。まず、RAM初期化処理(ステップS2)が行われ、RAM初期化処理では、前回のゲーム終了時において使用した所定のデータをクリアし、今回のゲームに必要なワークエリアを確保する。
次に、遊技状態フラグ生成処理が行われる(ステップS3)。遊技状態フラグ生成処理では遊技状態に応じた遊技状態フラグが設定される。例えば、通常遊技状態に対して、一般遊技フラグが設定される。内部抽選にボーナス遊技に当選している内部当選状態ときには内部当選中フラグが設定される。ボーナス遊技状態のときにはボーナス遊技中フラグが設定される。遊技状態フラグ生成処理において設定された遊技状態フラグに基づき、その遊技状態に応じたメイン処理が実行される。
遊技メダル投入処理(ステップS4)が行われ、遊技メダル投入処理では、主に、遊技機本体に投入された遊技メダルの検出、クレジットの管理、再遊技の要求があった場合の遊技メダルの自動投入設定処理等を行うと共に、遊技開始に要する規定枚数の遊技メダルが投入された否かを監視する。該規定枚数の遊技メダルの投入又はクレジット設定が確認された場合には遊技開始条件を成立させ、この条件成立状態を保持したまま、遊技者の回胴回転始動レバー15の押下操作、つまり回胴回転始動スイッチ15aからの操作検出信号が送られてくるのを待機する。回胴回転始動スイッチ15aからの操作検出信号の受信により、主制御基板100は、カウンタ回路114のカウンタ値に基づき内部抽選用乱数値を取得する(ステップS5)。
上記取得した内部抽選用乱数値に基づく内部抽選処理を行う(ステップS6)。内部抽選処理では、取得した内部抽選用乱数値と現在の遊技状態に対応する役抽選テーブル(一般遊技中抽選テーブル又はボーナス遊技中抽選テーブル)とに基づく内部抽選が行われ、抽選結果に対応した当選役情報(当選フラグ)がメインRAM104に設定、記憶される。
図28は一般入賞役とボーナス役(ビッグボーナスゲームBB)の抽選確率テーブル(一般遊技中抽選テーブル、RT中抽選テーブル及びボーナス遊技中抽選テーブル)を示す。内部抽選は図28の役抽選テーブルに基づき実行される。役抽選テーブルは6段階の各段階に応じて出玉率が異なるように抽選確率が設定されてなり、図28はそのうちの一例を示す。図28には、乱数域(0〜65535)に対する各入賞役の振り分け抽選値の幅域により計算された抽選確率を示す。チェリー等の小役とボーナス役が同時に抽選可能なように当選乱数域幅が設定されており、図28において、BB+ベル、BB+スイカ、BB+チェリーは夫々、BBとベル、スイカ、チェリーの同時抽選確率値を示す。本実施形態においては、RTとして5種類、RT1〜RT5が生ずるが、実質的にリプレイ確率が向上するのはRT3〜RT5であり、RT1、RT2中では通常遊技状態のリプレイ確率が1/100程度向上するだけである。RT3〜RT5遊技中においては、リプレイの抽選確率をRT1、RT2遊技時の1/7.3より高確率の1/1.3に設定したRT中抽選テーブルが使用される。
本実施形態においては、特別遊技としてビッグボーナスゲームBBが付与可能になっている。ビッグボーナス遊技終了の規定枚数は299枚である。ビッグボーナスゲームBBには、別々の当選フラグにより成立する2種類の特別図柄の組合態様(青7−青7−青7又は赤7−赤7−赤7)があり、これらを合成した抽選確率は1/327.7(但し、上記の同時抽選確率分は除いている。)である。別々のビッグボーナス当選フラグが設定された内部当選状態において、いずれかの特別図柄組み合わせを4本の有効入賞ラインのいずれかに停止させると、ビッグボーナス遊技に移行させることができる。ボーナス役は所謂、0枚役であり、その入賞時には賞メダルの払出は行われない。ベル、スイカ、チェリーの各入賞時には、9枚、6枚、1枚の賞メダルが払い出される。チェリー入賞は左回胴の有効入賞位置に停止するだけで成立する。
ベル役は、リール8a〜8cの停止順序の組み合わせ(左回胴→中回胴→右回胴、左回胴→右回胴→中回胴、中回胴→左回胴→右回胴、中回胴→右回胴→左回胴、右回胴→中回胴→左回胴、右回胴→左回胴→中回胴)が異なる6種類の一般小役である。通常遊技状態のとき、ベル役の合成抽選確率は1/8.2であるが、ボーナスゲーム中は、停止順序に関係なく入賞可能な、所謂JAC役となって、1/1.1の高確率で当選する。JAC役としてのベル役が入賞すると、13枚の賞メダルが払い出される。押し順により区別された6種類のベル役は、ART遊技において、副制御部による押し順報知に従って各回胴が停止されることにより入賞可能になるAT役(押順ベル役)となる。通常遊技状態では、6択の各ベル役は1/32.8の抽選確率(全ベル役の合成抽選確率6/32.8)に基づき抽選されて、いずれかのベル役が入賞可能になるが、通常遊技状態においては、押し順が報知されないため、一般的に、左回胴から中・右回胴の順に停止させる、所謂順押しの停止操作が行うと、押し順が不正解となって入賞が生じない場合が多くなる。ART遊技状態では、押し順がナビ報知されることによりAT役の入賞確率は6倍に向上する。
リプレイはリプレイ図柄RP1とRP2の組み合わせ(RP1又は2−RP2−RP1又は2)からなり、ベル役と同様にリール8a〜8cの停止順序の組み合わせが異なる6種類のリプレイである。これらの停止順序の組み合わせが異なるリプレイは、RT1時にRT2移行のための押し順による選択遊技に供される。なお、チェリー及びスイカの小役は当選時にART付与抽選の契機となるチャンス役となる。
ART遊技状態においては、副制御部によるATナビ制御モードによりAT用小役(AT役:6種類のベル役)の押し順報知が実施されて、当選したAT役を確実に停止させることで、リプレイ発生の頻度が増えてメダル消費が少なく、且つAT役等の小役獲得によりART遊技中に保有メダルを漸増させることが可能になる。即ち、押し順報知ARTにおいては、ベル役の当選時に、ベル役を有効ラインに揃えるための左回胴・中回胴・右回胴の停止順序が決定され、その決定順序に従って停止させない限り、有効ラインに停止しないように回胴停止制御が行われる。6択のリプレイ当選時にも、同様の押し順が決定されて、決定順序以外の停止操作ではリプレイが生じないように停止制御が実行される。
ボーナス役の内部当選状態においては、ボーナス当選フラグを次回以降のゲームに持ち越し可能な持越役として設定されている。このため、ボーナス役の当選時においては、ボーナス役が入賞するまでの遊技期間、その当選フラグの成立状態が維持される。一方、ボーナス役以外の役は、その当選フラグを次回のゲームに持ち越すことができない持越不可能役として設定されている。ボーナス持越遊技中においても、通常通りに各役の抽選が行われるが、このとき当選した小役に対応する図柄の組合せを入賞させるか否かは、所定の引き込み優先順位に基づいて決定される。本実施形態では、「(リプレイ又は小役)>ボーナス役」の順位で優先的に引き込む停止制御が行われる。
続いて、回胴(リール)の回転態様による特別回転演出の種別(回転演出パターン)を抽選により決定する回胴演出抽選処理(ステップS6)及び回胴の起動態様を設定する回胴回転開始設定処理(ステップS7)が行われる。回胴演出抽選処理及び回胴回転開始設定処理の詳細は後述する。
回胴回転始動時の設定処理(回胴回転開始設定処理)が行われた後、リール回転始動が行われて各リール8a〜8cの回転状態に移行する。リール回転の後に、回胴回転停止ボタン16a〜16cの停止操作による回胴回転停止スイッチ16e、16f、16gの検出信号が出力された場合には、停止対象となった回胴を停止制御するための回胴停止処理を行う(ステップS8)。回胴停止処理では、上記当選情報と回胴の停止操作手順(停止操作タイミング)とに基づき、停止制御テーブルから滑りコマ数を算出し、これに基づく回胴の停止制御を行う。
この回胴停止処理の詳細は図26及び図27に基づき後述するが、回胴停止処理は、各リールについて停止操作を行った位置である停止操作位置と抽選処理の抽選結果に基づいて、ROM103内に記憶された停止制御テーブルを参照して、該当リール停止位置でリールの回転を停止させることにより行われる。リール停止位置は、停止操作タイミングの位置からみて、図柄の駒数で所定の駒数以内(遊技規則に定められた4駒)で引き込んで停止するように決定される。停止操作タイミングの位置から4駒以内に抽選結果に対応する図柄が有る場合には、当選役図柄が有効ライン上に揃うように停止制御される。殊に、再遊技の停止制御処理においては、通常遊技状態やボーナスフラグ持越状態においても再遊技が当選している場合、再遊技が必ず有効ライン上に整列するように優先的引き込み制御が行われる。
本実施形態では、停止順報知遊技(押し順ナビAT遊技)とRT遊技を併用した押し順ナビART遊技が特典遊技として付与され、押し順ナビART遊技中における回胴停止処理において、当選情報と回胴の停止順序を参照して停止制御が実行される。特典遊技として、AT図柄の種別を報知するART遊技を付与するようにしてもよい。
全リールの回転停止が確認されると、入賞判定処理が行われる(ステップS9)。入賞判定処理では、当選役に対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止したか否か、つまり入賞が発生したか否かを確認し、入賞が確認された場合には停止した図柄の組合せに基づき、払い出すべき遊技メダル枚数の設定処理を行う。入賞が発生した場合にはメダル払出枚数監視処理を行う(ステップS10)。メダル払出枚数監視処理では、入賞判定処理で設定された払い出し情報に基づき、メダルホッパー305を駆動制御して払出枚数分の遊技メダルの払い出し処理やクレジットの加算処理を行う。
更に、再遊技(リプレイ)の設定及びRT遊技状態の移行設定を行う再遊技RT設定処理が行われる(ステップS11)。再遊技RT設定処理では、当選情報に基づいてRT遊技成立条件(RT成立のための図柄停止が発生したとき)が成立したか否かを判定し、RT遊技成立条件が成立した場合にはRT遊技状態への移行を設定する。
再遊技RT設定処理(ステップS11)においては、リプレイ役の成立時に再遊技を行うための再遊技の設定処理が行われる。つまり、リプレイが有効入賞ライン上に停止したか否かを判定し、リプレイが停止した場合には、再遊技を付与するための設定処理を行いステップS12に移る。
再遊技RT設定処理の後、ボーナス遊技中か否かを判定する(ステップS12)。ボーナス遊技中である場合にはボーナス遊技作動中処理を行う(ステップS14)。ボーナス遊技作動中処理では、ボーナス遊技の継続およびその終了に要求される設定処理を行う。以上の各処理、設定を終えるとRAM初期化処理(ステップS2)に戻る。なお、上記ボーナス遊技作動中処理については図11により後述する。
ボーナス遊技中でない場合にはボーナス役(特別入賞役)の図柄組み合わせが有効入賞ライン上に停止したか否かを判定する(ステップS13)。ボーナス役図柄が停止していない場合にはRAM初期化処理に移行する(ステップS2)。一方、ボーナス役が停止した場合にはボーナス遊技作動開始処理を行う(ステップS13、S15)。ボーナス遊技作動開始処理を終えると、ステップS2のRAM初期化処理に移行する。
上記メイン処理に基づき実行される、回胴式遊技機Aにおける遊技時の動作概要を説明する。まず、遊技者は遊技する際にメダル投入口10から所定枚数のメダルを投入あるいはクレジット分からのBET設定した後、回胴回転開始始動レバー15を操作する。この回胴始動操作が遊技機内部で行う抽選の契機となる。回胴始動操作により遊技の開始となり、各リール8a〜8cが回転して、リールの正常回転が確認された後、回胴回転停止ボタン16a〜16cの操作が有効となる。各停止操作のタイミングに基づき、内部抽選結果に応じた位置に各リールは停止制御される。リプレイを除く、いずれかの入賞役に当選しているときには、タイミングよく、有効ライン上に当選役の図柄組み合わせが成立したとき、所定枚数のメダルの払出が行われる。
図9はCTC105の計時に基づく一定時間ごとの割り込みにより起動される主制御側のタイマ割込処理を示すフローチャートである。図9を参照して、上記主制御基板(主制御部)において1.5ms(ミリ秒)程度ごとに実行されるタイマ割込処理について説明する。
主制御基板100は、タイマ割り込みが発生した場合、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理を行ってから(ステップS20)、ポート入力処理を行う(ステップS21)。ポート入力処理では遊技機に設けられたスイッチ類やセンサ類からの検出情報を管理する。ついで、回胴回転制御処理を行う(ステップS22)。回胴回転制御処理では、回胴制御フラグに応じて、回胴の起動、回転、停止が行われる。以下の説明においては、回胴回転始動レバー15が操作されて回胴回転が起動される起動前の回胴状態にあるとして説明する。回胴回転制御処理の詳細は図19〜図23に基づいて後述する。回胴回転制御処理の後、定期更新処理が行われる(ステップS23)。
図10の(10A)は定期更新処理を示す。
定期更新処理では、メインRAM104に設けた割込みカウンタのカウンタ値を1加算し(ステップS100)、更に主制御部100のマイクロコンピュータ101に設けた1バイトタイマ及び2バイトタイマの値を1減算する(ステップS101、S102)。この割込みカウンタは1割込み毎に+1更新される割込み回数計数用カウンタである。割込みカウンタのカウンタ値は、「00」→「01」→「02」→・・・→「FE」→「FF」→「00」→「01」→・・・といった順に更新される。1バイトタイマは1バイトで構成されたタイマであり、メダル投入センサONタイマ、クレジットメダル投入間隔タイマ、停止ボタン停止間隔タイマ、前扉5に設けた扉開放センサ(図示せず)の監視タイマ等を含む。2バイトタイマは2バイト構成のタイマであり、最小遊技時間(遊技間隔時間:例えば4.1秒)計時用ウエイトタイマや消灯時間計時用タイマ等を含む。
次に、コマンド出力処理が行われて(ステップS24)、遊技の進行に伴う処理状態に応じてセットされる演出制御コマンドが演出制御基板200に送信される。主制御基板100は、割り込み毎に演出制御コマンドを1バイト分出力する。1つの演出制御コマンドは2バイト長であるので、連続する2回のタイマ割り込みで1つの演出制御コマンドが送信される。
ついで、表示出力処理(ステップS25)及び異常監視処理(ステップS26)が行われる。表示出力処理では、遊技機に設けられたLEDや7セグメント等の発光制御等を行う制御信号を出力する。異常監視処理では、主として遊技機内に設けた機器に関連した異常監視、例えばメダル払出センサ303の監視によるメダル払出時のエラーや、前記扉開放センサの監視による扉開放エラー等の遊技機異常(遊技動作エラー)を監視する。本発明に係る回転異常監視は後述のエラータイマ(図22のステップS234等参照)により定常回転状態中に行われる。
更に、外部情報信号出力処理(ステップS27)が行われる。外部情報信号出力処理では、遊技メダルの投入信号、遊技メダル払出し時のメダル払出信号、エラー信号等が出力される。これらの出力信号は外部集中端子基板401を介してホールコンピュータHCに送信される。
上記のステップS20〜ステップS27の処理を終えた後、MAXベットボタン11の操作が有効か否かの判定を行い、MAXBETボタン有効フラグがオンで操作有効のときに、MAXベットボタン11が操作されたときには、MAXBET操作コマンドをセットする(ステップS28〜S30)。MAXBETボタン有効フラグは、通常、回胴回転始動レバー15がオンされた後にオンになり、全リール停止後にオフになる。そのため、ゲーム中にMAXベットボタン11が操作された場合には、MAXBET操作コマンドが演出制御基板200に送信され、それを受けた演出制御基板200は所定の遊技演出・報知を実行することができる。MAXBET操作コマンドのセット後、レジスタの内容を復帰させて(ステップS31)、タイマ割込処理を終了する。MAXベットボタン11が操作されないとき、あるいはMAXBETボタン有効フラグがオフのときにも、レジスタの内容を復帰させて(ステップS31)タイマ割込処理を終了する。
図12は上記回胴演出抽選処理(ステップS6)の詳細を示す。
内部抽選の結果に基づき、当選役に応じて回胴演出(特別回転演出)の実行有無を決定すると共に、回胴演出パターン(リールの回転演出パターンの種別であり、以下回転演出パターンという。)を決定する(ステップS40)。
図16は回転演出パターンの抽選テーブル(16A)、リール演出別の設定テーブル(16B)及びリール起動タイマの設定テーブル(16C)を示す。これらのテーブルはメインROM103に格納されている。回転演出パターンは7種類の種別(PTN1〜7)からなる。各回転演出パターンは、BB当選、BBとの同時当選(BB+ベル、BB+スイカ、BB+チェリー)、又はベル、スイカ及びチェリーの小役が当選したことを契機に抽選される。回転演出パターンPTN1は、回胴遊技の進行を5秒間停止する遊技進行停止状態(フリーズ演出)を出現させる、所謂フリーズ演出内容のみからなる。回転演出パターンPTN2は、5秒間のフリーズに加え、リールを10秒間逆回転させる回胴逆回転演出を出現させる複合逆回転演出内容(複合逆回転演出態様)からなる。回転演出パターンPTN3は、5秒間のフリーズに加え、リールを20秒間逆回転させる回胴逆回転演出を出現させる複合逆回転演出内容からなる。回転演出パターンPTN4は、30秒間の単独フリーズ演出内容からなる。
回転演出パターンPTN1の場合、上記7種の契機のうちBB当選を除いた当選時に抽選が行われ、例えば、チェリー当選時には抽選確率1/32.0で抽選される。回転演出パターンPTN2の場合、7種のいずれかの当選時に抽選が行われ、例えば、ベル当選時には抽選確率1/128.0で抽選される。回転演出パターンPTN3の場合、同時当選(BB+ベル)とベル役当選を除いた5種の当選時に抽選が行われ、例えば、チェリー当選時には抽選確率1/16.0で抽選される。回転演出パターンPTN4の場合、BBの当選時のみに抽選が行われ、抽選確率1/5.8で抽選される。
回転演出パターンPTN5〜7は、リール8a〜8cのいずれかをリール始動時に通常回転時より遅れて始動させる遅れ始動演出内容からなり、夫々、リール8a(左回胴)、リール8b(中回胴)、リール8c(右回胴)の遅れ始動に対応する。回転演出パターンPTN5の場合、同時当選(BB+チェリー)及びチェリー当選時のみ抽選が行われ、例えば、チェリー当選時には抽選確率1/128.0で抽選される。回転演出パターンPTN6の場合、同時当選(BB+ベル)及びベル当選時のみ抽選が行われ、例えば、ベル当選時には抽選確率1/128.0で抽選される。回転演出パターンPTN7の場合、同時当選(BB+スイカ)及びスイカ当選時のみ抽選が行われ、例えば、スイカ当選時には抽選確率1/128.0で抽選される。なお、回転演出パターンには、逆回転に限らず、通常回転より低速で正回転させるスロー回転や駒送り回転等の回転態様を使用することができる。
当選役に応じて回胴演出の実行と、回胴演出パターンのいずれかを決定したとき(ステップS41)、回胴演出パターンデータをメインRAM104に記憶、設定する(ステップS42)。回胴演出パターンの設定により、図16の(16A)の回転演出パターンの抽選結果に対応した遊技ロックインデックス(リール演出種別PTN1〜7)がセットされると共に遊技ロックコマンドがメインRAM104にセットされる(ステップS42)。ついで、フリーズ演出に当選したか否か判断され、フリーズ演出当選時には(16B)の設定テーブルを参照して、遊技ロックインデックスに応じたフリーズ時間(待機時間)が所定のレジスタ(BCレジスタ)にセットされて指定数割込み待ち処理に移る(ステップS43〜S45)。待機時間としてセットされる値は、例えば5秒フリーズの場合には「3334」である。フリーズ演出に当選していない時には待機時間がセットされず指定数割込み待ち処理に移る(ステップS43、S45)。
図10の(10B)は指定数割込み待ち処理(ステップS45)を示す。
まず、定期更新処理(10A)において示した前記割込みカウンタのカウンタ値を取得する(ステップS110)。この取得値と前記割込みカウンタのカウンタ値との比較を行う(ステップS111)。この比較は両者が一致しなくなるまで継続し、1回分の割込み処理が終了して、比較結果が一致しなくなると終了し(ステップS112)、ステップS113に移行する。メインCPU102のBCレジスタには割込み待ち回数の指定数が予め設定されている。ステップS113では、BCレジスタが1減算される。上記のステップS110〜S113は指定数回繰り返されて、BCレジスタの値が0になると、指定数割込み待ち処理を終了する(ステップS114)。5秒フリーズの待機時間として「3334」がBCレジスタにセットされていた場合には、ステップS110〜S114の処理を3334回ループすることになり、それにかかる時間が約5秒(1.5ms×3334=5001ms)となる。
図13は回胴回転開始設定処理(ステップS7)を示す。
回胴回転開始設定処理においては、まず、ウエイト処理が行われる。ウエイト処理は、前回の回胴遊技においてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)をウエイトタイマにより計時し、所定時間(ウエイト時間)が経過するまで今回の回胴遊技にいてリールの回転を開始せずに待機させるための処理である。
ウエイト処理では、ウエイトタイマのタイマ値を取得し(ステップS50)、ウエイトタイマが0になるまで、つまり、上記のウエイト時間の消費まで計時する(ステップS51、S52)。ウエイト時間の消費まで計時したとき(ステップS52)、次ゲーム開始までのウエイト時間(4.1秒)を新たにウエイトタイマにセットし(ステップS53)、回転起動処理(ステップS54)に移行する。このウエイトタイマは前述した定期更新処理で減算処理される。回転起動処理において、通常回転時の回胴起動条件及び回転演出パターンに応じた回胴回転条件が設定され、その詳細は後述する。
回転起動処理を終えると、全リール回転中を示す回転状態フラグをオンする(ステップS55)。更に、回転開始コマンドをセットして(ステップS56)、回胴回転開始設定処理を終了する。
図14は回転起動処理(ステップS54)を示す。
まず、回胴演出パターンの設定時にセットされた遊技ロックインデックス(ステップS42参照)を取得し(ステップS60)、取得した遊技ロックインデックスに応じた起動時データがメインRAM104に設けた起動時データエリアに設定される(ステップS61)。
取得した遊技ロックインデックスに応じた起動時データの設定は、図16の(16B)、(16C)に示すリール演出別の設定テーブル及びリール起動タイマの設定テーブルに基づいて行われる。回転演出パターンPTN1〜4は単独フリーズ演出内容又は複合逆回転演出内容であり、夫々の演出内容に応じて、逆回転有無、逆回転時間、3回胴の回転順序の起動時データが設定される。回転演出パターンPTN5〜7は回胴の遅れ始動演出内容であり、夫々の演出内容に応じて、遅れ対象の回胴に対する始動遅れ時間(300ms)の起動時データが設定される。
回転演出パターンPTN1〜4の場合、回胴始動時の回転順は全リールを同時回転起動させて始動遅れは生じさせない。(16B)に示す回転順の「123」はリールを起動させる順番を表している。回転演出パターンPTN5〜7は、夫々、遅れ始動演出内容であるから回転順の設定が行われる。回転演出パターンPTN5の場合には、(16B)の回転順「231」に示すように、右、左、中の回胴順に始動される。回転演出パターンPTN6の場合には、(16B)の回転順「132」に示すように、左、右、中の回胴順に始動される。回転演出パターンPTN7の場合には、(16B)の回転順「123」に示すように、左、中、右の回胴順に始動される。
通常回転時には、3つの回胴は始動遅れを発生させずにほぼ同時に通常回転(正回転)方向に起動される。逆回転演出時にも、3つの回胴は始動遅れを発生させずにほぼ同時に通常回転と逆向きの逆回転方向に起動される。左、中、右の回胴の始動を遅らせる遅れ始動演出時には、最初の2つの回胴はほぼ同時に通常回転方向に起動され、その起動から回胴遅れ時間(300ms)経過してから残りの遅れ対象の回胴が通常回転方向に起動される。逆回転演出時には回胴の逆回転演出の終了後、最初の回胴が回胴遅れ時間(38秒)の経過後に起動され、その起動から回胴遅れ時間(500ms)経過してから次の回胴が起動され、更にその起動後、回胴遅れ時間(500ms)経過してから最後の回胴が起動される。以上のようにして遊技状態に応じて、つまり遊技ロックインデックスに基づき、上記(16C)に示した回胴遅れ時間がリール起動タイマに対して設定される(ステップS62)。
起動時データ及び回胴遅れ時間の設定を終えると、起動時データに対応した第1の回転起動設定(ステップS63〜S68)を行った後、起動時データが逆回転のときには逆回転から正回転への第2の回転起動設定(ステップS70〜S76)が行われる。
第1の回転起動設定においては、3つの回胴に対して、回胴毎に回胴遅れ時間のデータ設定(ステップS63、S65、S67)と起動設定処理(ステップS64、S66、S68)が行われる。第2の回転起動設定においては、3つの回胴に対して、回胴毎に回胴遅れ時間のデータ設定(ステップS71、S73、S75)と起動設定処理(ステップS72、S74、S76)が行われる。起動設定処理(ステップS64、S66、S68)及び起動設定処理(ステップS72、S74、S76)は共通の起動設定処理により実行され、メインCPU102に対する容量負担の軽減を図っている。
第1の回転起動設定においては、遅れ対象以外の2つの回胴の一つに対して、BCレジスタに回胴遅れ時間「0」が設定されて(ステップS63)、その回胴に対する起動設定処理(ステップS64)が行われる。次の回胴に対して回胴遅れ時間「0」の設定及び起動設定処理を行った後(ステップS65、S66)、最後の回胴に対しての回胴遅れ時間をセットする(ステップS67)。始動遅れ演出が含まれている場合には、回胴遅れ時間として300msがセットされる(BCレジスタにセットされる値は200であり、300(1.5ms×200)msがセットされる)。逆回転演出時には各回胴に対して回胴遅れ時間「0」が設定される。ステップS67において設定された回胴遅れ時間は後の指定数割込み待ち処理(図15のステップS80)により消費され、リール回転の始動が通常時より遅れる始動遅れ回転演出として出現する。
図15は起動設定処理(ステップS64、S66、S68、S72、S74、S76)を示す。
起動設定処理においては、まず、図10の(10B)により示した指定数割込み待ち処理(ステップS80)を行うことにより、BCレジスタにセットした遅れ時間を消費した後、割込み禁止状態に移行する(ステップS81)。ついで、回転開始順序に応じた対象回胴のリールを特定し(ステップS82)、特定した対象リールに対応する制御フラグをセットする(ステップS83)。このとき、逆回転演出が含まれる場合には逆回転フラグをセットする。ステップS83の後、割込み禁止状態が解除され割込みが許可されて処理を終える(ステップS84)。
ここで、主制御部において用いる各種回胴制御フラグを図17の(17A)に示す。図17の(17A)は各回胴制御フラグのデータ表である。回胴制御フラグには、制御フラグ、逆回転フラグの他に、回胴センサONフラグ、停止命令フラグ、停止信号検出フラグ、回胴起動済みフラグ、回胴起動フラグ及び回胴停止中フラグが含まれている。
図18は各回胴制御フラグの発生タイミングを模式的に示す。図18においては各回胴制御フラグのオン状態を下側のラインより立ち上がっている期間で示し、また、逆回転演出を含む回転タイミング例を示している。
制御フラグは回胴の通常回転(正回転)の回転制御中を示すフラグである。図18の(18A)に示すように、制御フラグのオン状態は、第1の起動設定(ステップS64、S66、S68)時点T1から回胴が回転して、停止操作を経て完全停止する時点T8までの期間に対応する。
逆回転フラグは回胴の逆回転演出における逆回転制御中を示すフラグである。(18B)に示すように、逆回転フラグのオン状態は上記の第1の起動設定時点T1から回胴が所定期間逆回転して、通常回転に移行する時点T2(ステップS72、S74、S76)までの期間に対応する。
回胴センサONフラグは回胴回転位置検出センサ254〜256により各回胴の回転基準位置を検出したことを示すフラグである。正常回転状態中に回転基準位置が検出されて回胴センサONフラグがオンになると、回胴回転停止ボタン16a〜16cによる停止操作が有効化される。(18C)に示すように、回胴センサONフラグのオン状態は、回胴起動後、リール回転が定常速度の回転状態(定常回転状態)に達した時点T3以降に、回胴回転位置検出センサ254〜256によるリールの回転基準位置の検出信号を受信した時点T4から回胴完全停止時点T8までの期間に対応する。
停止命令フラグは回胴回転停止ボタン16a〜16cによる停止操作が行われて停止命令が発生したことを示すフラグである。(18D)に示すように、停止命令フラグのオン状態は停止制御により滑り駒数が0になった時点T6から回胴完全停止時点T8までの期間に対応する。
停止信号検出フラグは回胴回転停止ボタン16a〜16cによる停止操作により発生する停止信号を検出したことを示すフラグである。(18E)に示すように、停止信号検出フラグのオン状態は、回胴の定常回転状態において停止操作が行われて停止信号を検出した時点T5から回胴完全停止時点T8までの期間に対応する。
回胴起動済みフラグは回胴の回転が定常回転状態に達したことを示すフラグである。(18F)に示すように、回胴起動済みフラグのオン状態は、定常回転状態の到達時点T3から回胴完全停止時点T8までの期間に対応する。
回胴起動フラグは通常回転状態の起動から定常回転状態に移行するまでの起動中を示すフラグである。(18G)に示すように、回胴起動フラグのオン状態は、逆回転終了時点T2から定常回転状態到達時点T3までの期間に対応する。逆回転が行われない場合はT1〜T3のときにオン状態になる。
回胴停止中フラグは滑り駒数が0になった後、回胴の完全停止制御への移行を示すフラグである。(18H)に示すように、回胴停止中フラグのオン状態は、滑り駒が0になった後、リールが停止可能な位置まで移動した時点T7から回胴完全停止時点T8までの期間に対応する。
回胴毎に回胴遅れ時間のデータ設定(ステップS63、S65、S67)と起動設定処理(ステップS64、S66、S68)が回胴毎に実行され、例えば、左リール始動遅れ演出が抽選により決定されているときには、中、右、左の回胴順に回胴遅れ時間のデータ設定及び起動設定処理が行なわれ、且つ左の回胴の遅れ始動が実行される。
通常回転時の回転起動設定を終えると(ステップS63〜S68)、逆回転演出が抽選により決定されているか否か判断する。逆回転演出が決定されていないときには通常回転時のみの回転起動処理を行って終了する(ステップS69)。
逆回転演出が決定されているときには、ステップS61で設定した逆回転時間経過後に、逆回転データをクリアする(ステップS70)。なお、先のステップS61において逆回転の場合は回転順が123に設定されているため、逆回転から正回転に切り替える順番は左中右の順になるが、このタイミングで回転順データを設定することで切替順を適宜変更することできる。上記(16C)に示したように、逆回転時間の38秒に相当する値がBCレジスタにセットされて(ステップS71)、その回胴に対する起動設定処理(ステップS72)が行われ、起動設定処理のS80にて38秒の逆回転時間が経過するまで待機した後、最初の回胴に対応する逆回転フラグ(メモリエリア)にステップS70でクリアしたデータがセットされる(ステップS83)。このタイミングで最初の回胴が正回転に移行する。次の回胴に対して、最初の回胴の起動後の回胴遅れ時間(500ms)が設定されて(ステップS73)、その回胴に対する起動設定処理(ステップS74)が行われる。更に、最後の回胴に対して、2番目の回胴の起動後の回胴遅れ時間(500ms)が設定されて(ステップS75)、その回胴に対する起動設定処理(ステップS76)が行われる。
上記の回転起動処理により、回胴のステッピングモータを起動するために通常回転起動に必要な回胴起動条件と、逆回転演出時には回転演出パターンに応じた回胴回転条件が設定される。逆回転演出がないときには、第1の回転起動設定処理において逆回転フラグがオンされずに、正回転駆動のためのステップS60〜S69の回転起動処理が実行される。逆回転演出があるときには、第1の回転起動設定処理において逆回転フラグがオンされて、逆回転駆動のためのステップS60〜S69の回転起動処理が実行され、且つ逆回転後の正回転駆動のためのステップS70〜S76による第2の回転起動設定処理が実行される。従って、回胴を正回転(通常回転)のみと、逆回転演出を経て正回転させる起動時の設定を行う際、図15の起動時設定手段(ステップS80〜S85)を共用して、プログラム処理を簡素化でき、主制御部に対するプログラム容量の負担を与えることなく、回胴の逆回転演出制御を円滑に実行することができる。即ち、抽選処理及び回胴回転処理を主制御部において行う遊技規則の制約下にあっては、液晶表示装置、各種ランプ等の演出表示装置によって、主制御部の抽選結果に基づく遊技情報に関連した関連情報の報知制御を副制御部において実行可能であるが、逆回転等の回胴の特別回転演出に関しては主制御部の制御下におく必要があるところ、本実施形態においては、上記起動時設定手段(ステップS80〜S85)の共用化によってプログラム容量の簡素化を行って特別回転演出に係る容量負担の削減を達成することができる。
本実施形態では、回転演出パターンとして逆回転演出の他に、回胴始動遅れも含んでいるので、本実施形態では、正回転のみの場合及び逆回転演出を行う場合に、夫々回胴毎に回胴遅れ時間の設定と起動設定処理を行っているが、回胴遅れ演出を行わない場合には、ステップS63、S65、S67、S71、S73、S75及びS80が不要になるので、正回転のみの場合及び逆回転演出を行う場合に、正回転起動時及び逆回転起動時に夫々、全回胴に対応する制御フラグと逆回転フラグを設定する共通の起動時設定を1回行えばよく、よりプログラム処理の簡素化を図ることができる。
従って、本実施形態においては、複数種の回転演出パターンのうちいずれかを抽選して決定して、主制御部に対するプログラム容量の負担を与えることなく、回胴の回転演出制御を円滑に実行して、回胴遊技の興趣を一層向上させることができる。
また、本実施形態においては、回転演出パターンとして逆回転演出の他に、回胴始動遅れ、リールの回転順序及びフリーズの演出も含むが、特に、回胴始動遅れ時間の設定と起動設定処理を回胴毎に行っているので、複数種の回転演出パターンを用いても、主制御部に対するプログラム容量の負担を与えることなく、回胴の回転演出制御を円滑に実行することができる。
タイマ割込処理(図9)において実行される回胴回転制御処理(ステップS22)を以下に詳述する。
図19〜図23は回胴回転制御処理(ステップS22)を示す。
回胴回転制御処理においては制御フラグがオンしている回転制御過程での処理が行われる。逆回転フラグがオンのときはステップS203(図19参照)以下の逆回転制御処理を行う。回胴停止中フラグがオンのときはステップS208(図19参照)以下の回胴停止中制御処理を行う。回胴起動フラグがオンのときはステップS215(図20参照)以下の回胴回転加速制御処理を行う。回胴回転開始時にはステップS227(図21参照)以下の回胴回転開始制御処理を行う。定常回転状態中にはステップS232(図22参照)以下の回胴定常回転制御処理を行う。停止信号検出フラグがオンされた後、停止命令フラグがオンされるまでの停止滑り制御処理はステップS240(図23参照)以下で行われ、停止命令フラグがオンになるとステップS247(図23参照)を経て、回胴停止中制御処理に移行する。図19〜図23において、フラグのオン・オフ設定を夫々、「1」、「0」をセットすると表記している。
まず、1つ目の回胴制御フラグをチェックしてフラグ内容を確認する(ステップS200)。制御フラグがオフのとき(ステップS201)、ステップS225に移って3リール分の処理が終了しているか否かを判断し、3リール分の処理が終えていない場合はステップS200に戻り、次のリールの制御フラグをチェックする。3リール全ての回転制御が終えた場合は、回胴回転制御処理を終える。回胴回転始動スイッチ15aの始動検出により、制御フラグがオンしているときには、逆回転フラグがオンか否かを判断する(ステップS201、S202)。逆回転フラグがオンのとき、逆回転起動のためにモータ出力タイマを1減算する(ステップS203)。メインRAM104には、モータ駆動回路115によるモータ駆動電流の供給制御を行うための励磁パルスを特定するための励磁出力カウンタ用のカウンタメモリエリアが設けられている。以下、励磁出力カウンタの出力データを励磁出力データという。モータ出力タイマは、該励磁出力カウンタのカウンタ更新等を行うための主制御部に設けられたタイマである。ステッピングモータ(左回胴駆動モータ251、中回胴駆動モータ252、右回胴駆動モータ253)の回転の加速時には、励磁出力カウンタのカウンタ値が0になるとモータ出力タイマにより励磁出力カウンタが更新され、また、ステッピングモータの停止中には、モータ出力タイマにより全相オンする時間が管理される。
ついで、モータ出力タイマの値が負の値か否か、つまりモータ出力タイマのタイマ計時中か否かを判断して(ステップS204)、モータ出力タイマの値が負の値のとき、モータ出力タイマに「5」をセットし(ステップS205)、励磁出力カウンタを1減算する(ステップS206)。このようにモータ出力タイマをタイマ割込み毎に1減算して負の値になったときに励磁出力カウンタを1減算するので、ステップS205で「5」をセットした場合は6回のタイマ割込みが発生する(1.5ms×6)毎に励磁出力カウンタを更新するようになる。本実施例ではS206で1減算することにより励磁出力カウンタが正回転と逆向きに回転する逆回転駆動を出現させることができる。上述のように、リール演出は逆回転に限定されず、スロー回転、駒送り回転等の正回転でもよいし、また回転方向や回転速度を任意に設定することができる。モータ出力タイマの値が正又は0のときには後述のステップS223に移る。
ここで、ステッピングモータ(左回胴駆動モータ251、中回胴駆動モータ252、右回胴駆動モータ253)における励磁制御を図17の(17B)の励磁シーケンス(順序)、図24及び図25を参照して説明する。
図24はステッピングモータの加速時における25段階(インデックス0〜24)の各励磁時間(割込みタイマのタイマ値)の励磁出力タイムデータテーブルを示す。図25はステッピングモータの概略駆動回路図(25A)及びその回転速度と時間との関係例(25B)を示す。
本実施形態に用いるステッピングモータはハイブリッド(HB)型ステッピングモータであり、(25A)に示すように、中央に配置されたロータ(回転子)Rと、このロータRの周囲に配された4個のポールL0〜L3からなる。ステッピングモータにはハイブリッド型や2相に限らず、4相又は5相のステッピングモータを使用することができる。なお、モータ駆動回路115の駆動制御信号は図4に示したように回胴中継基板250を介してステッピングモータに与えられるが、(25A)においては回胴中継基板250を省略している。
第1と第3のポールL0、L2はバイファイラ巻された励磁コイルからなり、その励磁コイルの中間点に所定の直流電源+B(例えば+24ボルト)が印加されている。同様に、第2と第4のポールL1、L3もバイファイラ巻された励磁コイルからなり、その励磁コイルの中間点に上記直流電源+Bが印加されている。
ステッピングモータは励磁相としてA相、B相、A−相、B−相を備える。第1のポールL0の励磁コイルに励磁信号を印加してS極に励磁すると共に、第3のポールL2をN極に励磁する相をA相としている。第3のポールL2の励磁コイルに励磁信号を印加して、第1のポールL0をN極に励磁すると共に、第3のポールL2をS極に励磁する相をA−相としている。また、第2のポールL1の励磁コイルに励磁信号を印加してS極に励磁すると共に、第4のポールL3をN極に励磁する相をB相としている。第4のポールL3の励磁コイルに励磁信号を印加して、第2のポールL1をN極に励磁すると共に、第4のポールL3をS極に励磁する相をB−相としている。例えば、1相励磁駆動方式の場合には、A相、B相、A−相およびB−相に対して順次励磁信号を印加することによりロータRを時計方向に回転駆動することができる。
本実施形態のステッピングモータでは、回胴回転のための励磁シーケンスとして、1相励磁と2相励磁とを所定の順序で交互に切り換える1−2相励磁駆動方式が採用されている。1−2相励磁駆動方式では(17B)に示すように、励磁出力カウンタの値(0〜7)による励磁相(1相又は2相)の切換が行われる。即ち、A相とB−相の両方への通電(2相励磁)、A相の通電(1相励磁)、A相とB相の両方への通電(2相励磁)、B相の通電(1相励磁)、B相とA−相の両方への通電(2相励磁)、A−相の通電(1相励磁)、A−相とB−相の両方への通電(2相励磁)及びB−相の通電(1相励磁)が順繰りに行われる。本実施形態では504個の励磁パルスの印加によりリールが1周する構成であるので、1励磁パルスあたりの角度変化は約0.714°となっている。
ステッピングモータに対する駆動信号(駆動信号用データ)として、(17B)に示す励磁出力データがモータ駆動回路115に与えられる。(17B)の励磁シーケンスの出力データテーブルはメインR0M103に格納されており、タイマ割込み処理によって励磁データが出力される。励磁データにより各ステッピングモータに対する励磁相が定まり、その励磁相に対して励磁パルス電流が通電、供給される。
図25の(25B)はステッピングモータの起動から停止までの回胴回転速度の駆動制御例を示す。ステッピングモータの起動から停止までには、回胴回転始動レバー15が操作されて回胴回転始動スイッチ15aがオンになってステッピングモータが回転を始めた後、一定の定速回転に至るまでの加速期間t1と、該定速回転が保持される定速回転期間t2と、回胴回転停止ボタン16a〜16cの押下を夫々回胴回転停止スイッチ16e〜16gにより検出して内部抽選結果に関連してリールを停止する停止制御期間t3が含まれている。停止制御期間t3には、回胴停止制御時の停止図柄位置調整用の滑り移動時間も含まれている。
加速時においては、図24のインデックス0〜24に基づいて励磁制御が実行される。通常回転の場合には、回転開始時の励磁出力カウンタの値が1、3、5、7のいずれかになるようにしている。例えば、開始時の励磁出力カウンタ値が1とすると、1相励磁の状態がインデックス0により1回のタイマ割込みが発生するまで保持される。本実施形態では1.5ms毎に1回の頻度でのタイマ割込みを発生させている。次のインデックス1により2相励磁の状態が31回のタイマ割込みが発生するまで保持される。以下、インデックス24までの加速期間において、2相励磁状態のときのタイマ値が漸減されていく。通常回転させる際にはタイマ割込みの発生回数が図24の設定タイマ値に達する度に、励磁出力カウンタを更新(+1)するため、徐々に回転速度が速くなる。回胴の駆動開始時点で、励磁出力カウンタの値が0以外のときには、その励磁状態から順番に切り換えて、上記同様の加速時の励磁制御が行われる。逆回転時には、励磁状態を切り換える順序を通常回転時(ステップS222参照)と逆にして励磁制御が実行される(ステップS206参照)。
逆回転フラグ及び回胴停止中フラグがいずれもオフであるとき、回転起動フラグがオンか否かを判断する(ステップS214)。回転起動フラグがオフのときは、回胴起動済みフラグのオン・オフ判断処理(ステップS215、S226)に移る。制御フラグがオンで、回転起動フラグ及び回胴起動済みフラグがオフのときには、回胴回転始動レバー15が操作された直後の状態であり、回胴回転開始制御処理を行う。
回胴回転開始制御処理においては、励磁制御の開始補正が行われる(ステップS227)。励磁制御の開始補正は以下の理由から必要とされる。
回胴回転停止スイッチ16e〜16を押下したとき、リール8a〜8cにブレーキ制動(4相全て励磁する全相励磁)をかけても直ぐには停止に至らない。即ち、実際にリールが停止するまでには、1乃至2ステップ角度だけ滑って停止する。滑って停止した際には、この角度のずれ分を吸収しながら新たな加速処理を行う必要があり、できる限り初期励磁での電磁的吸引力(トルク)は小さい方が好ましい。初期励磁が2相の場合は、トルクが強いためガタツキが目立つ。トルクが弱い1相にするとズレ分をゆっくり吸収できるのでガタツキが目立ちにくい。このため、開始補正は励磁出力カウンタをビット0クリアして行われる。励磁出力カウンタをビット0クリアすることにより「0」、「2」、「4」、「6」のいずれかになり、その後、後述するステップS222で励磁出力カウンタを1加算するため、励磁出力カウンタは「1」、「3」、「5」、「7」のいずれかになる。従って、図17の(17B)の励磁出力テーブルから明らかなように、強制的に1相励磁から励磁制御を開始させることができる。
励磁制御の開始補正を行った後、回胴を起動するために回胴起動フラグをオンする(ステップS228)。この回胴起動フラグをオンにすることにより、次の割込み処理では回胴回転加速制御処理を行うことになる。このとき、定常回転を検出するために回胴センサONフラグをオフにしておく。ついで、1図柄の回転移動には、24ステップ数の励磁パルスの印加を必要とするので、図柄ステップ数カウンタの初期化、つまり1図柄単位での励磁パルスの初期値(24)設定を行う(ステップS229)。図柄ステップ数の初期値設定の後、リール起動時の初期化を行う(ステップS230)。この初期化において、回胴回転異常をタイマ監視するためのエラータイマと、総計21のリール図柄数を計数するための図柄カウンタがクリアされ、また出力タイマインデックスメモリエリアの出力タイマテーブルインデックス値が0にセットされ、更にモータ出力タイマ値に1をセットする。エラータイマはメインRAM104に設けたタイマカウント用メモリエリアを用いてマイクロコンピュータ内部で加算カウントを行う加算カウンタにより構成されている。図柄ステップ数はモータの励磁出力毎に1減算され、0になると24に設定、更新される。図柄カウンタは図柄ステップ数が0になる毎に1加算され、21に達すると0が設定、更新される。出力タイマインデックスメモリエリアはメインRAM104に設けられており、図24の励磁出力タイムデータテーブルよりインデックスに応じたタイマ値を取得するごとに、出力タイマインデックスメモリエリアのインデックス値が更新される。上記の図柄カウンタ及びモータ出力タイマもメインRAM104に設けられている。ステップS230の後、回胴起動フラグオン(ステップS228)によりステップS215に移る。
回転起動フラグがオンになると(ステップS214)、ステップS215以下の回胴回転加速制御処理が行われる。まず、モータ出力タイマの値を1減算して、モータ出力タイマの値が0か否かを判断する(ステップS216)。回胴回転開始時の初期化設定でモータ出力タイマに1がセットされているため、最初の加速制御ではモータ出力タイマが0になる。モータ出力タイマの値が0のとき、モータ励磁出力更新処理(ステップS217)を行う。モータ励磁出力更新処理においては、図24の励磁出力タイムデータテーブルを参照して、メインRAM104に記憶された出力タイマテーブルインデックス値に応じたタイマ値を取得する。例えば、起動直後であれば、図24に示すように、インデックス値が0であるので、タイマ値として「1」が取得される。取得したタイマ値をモータ出力タイマにセットし、前記出力タイマインデックスメモリエリアに記憶されたインデックス値を1加算する(ステップS218、S219)。
インデックス値を加算後、加速期間が終了したか否かを判断する。加速期間終了の判断はインデックス値が25を超えたか、又はモータ出力タイマにセットされたタイマ値が150か否かにより判断することができる。加速期間が終了した場合にはリール回転加速処理を終了する(ステップS220)。
上記の回胴回転加速制御処理は、図24の励磁出力タイムデータテーブルに基づいて実行される。図24に示すように、本実施形態においては、1−2相励磁方式によるステッピングモータの回転駆動制御を行うに際して、加速期間中は、1相励磁よりも2相励磁の励磁時間が大になるように設定され、且つ2相励磁の時間を徐々に短くしている。しかも、加速期間中の1相励磁は最小単位時間(割込み処理1回の所要時間)に設定されている。即ち、インデックス0〜24に対して、タイマ値が1、31、1、10、・・・、2、1、2、1に割り付けられている。なお、加速期間終了後の定速回転期間中(インデックス25)は、1相励磁と2相励磁を同一の励磁時間に設定されている。
ステップS215以下の回胴回転加速制御処理においては、トルクが弱い1相励磁の期間に対応するタイマ値を「1」にしてその時間を極力短くし、トルクが強い2相励磁の期間を長めに設定し、それを徐々に短くしているため、回胴起動後に速やかに定速状態に移行させて円滑な回胴遊技を促進することができる。特に、長期稼働の観点からもステッピングモータへの通電負担を軽減でき回胴モータの長寿命化にも寄与する。なお、本実施形態では24ステップで加速期間が終わるようになっているが、24ステップより多くしてもよいし、あるいは少なくすることができる。
リール回転加速処理の終了により回胴起動フラグをオフすると共に、回胴起動済みフラグをオンする(ステップS221)。これにより、次の割込み処理では回胴定常回転制御処理を行うことになる。
累積インデックス値が24に達していないときはリール回転加速処理を継続する(ステップS220)。リール回転加速処理の継続中、及び終了の場合も励磁出力カウンタに1加算する(ステップS222)。ついで、図17の(17B)の励磁出力テーブルを参照して、励磁出力カウンタのカウンタ値に応じた励磁データを取得する(ステップS223)。取得した励磁データは当該リールに対応する出力バッファに記憶される(ステップS224)。この出力バッファに記憶された励磁データは、例えば後の表示出力処理(ステップS25)にてLED等の出力と共にモータ駆動回路115に出力される。以上のステッピングモータへの励磁パルス出力が3リール全てに対して実行される(ステップS225)。一方、ステップS216においてモータ出力タイマの値が0でないときには、インデックス値、励磁出力カウンタ、励磁出力データの更新を行わないため、モータ出力タイマの値が0になるまで前回の励磁データをモータ駆動回路115に出力し続ける。
定常回転状態中は、停止操作に基づく停止信号検出フラグがオンされるまで正回転状態の監視と維持が行われる。定速回転期間t2(定常回転状態中)においては、1回の割込み処理毎に、図17の(17B)の励磁出力テーブルに基づいて1相と2相を交互に励磁して、定速回転が維持される。定常回転状態に移行して停止信号検出フラグがオンされていないとき(ステップS231)、励磁出力カウンタのカウンタ値に応じてリール回転の正常・異常が監視される。励磁出力カウンタのカウンタ値のビット0が0のとき(ステップS232)、2相励磁状態と判断され前記エラータイマを1加算する(ステップS233)。このエラータイマはステッピングモータに印加される1パルスの駆動信号(励磁パルス信号)毎に、1パルス分の時間を計時するタイマである。エラータイマを用いた累計パルス時間の計時処理(ステップS233)は、回胴の回転中に所定のカウント周期でリールの回転量(回転角度)をカウントする、本発明に係るカウント手段を構成する。該カウント手段のカウント態様には、所定時間(t)毎の駆動信号の出力回数nを加算又は減算してカウントするカウント態様に限らず、出力回数nに対応する駆動時間(nt)を計時するタイマカウンタによるカウント態様を使用することができる。
ステッピングモータは504パルスの駆動信号(励磁パルス信号)を与えることにより1回転するので、ステッピングモータ1回転時間を、エラータイマによる504パルス時間のタイマ監視で行うと、タイマ容量が504パルス分の記憶容量を要する。本実施形態においては主制御部への容量負担を削減するために、2相励磁状態時のみ計時して、エラータイマに必要な容量を削減している。具体的には、リール1周時間は504パルス時間に相当するので、252パルス時間でタイムアップさせてもよいが、エラータイマに若干の余裕を持たせて256(=252+4)パルス時間(>リール1周相当時間)でタイムアップするようにしている。従って、通常、504パルス時間をタイマ監視する場合には2バイト分の容量が必要であるが、2相励磁状態時のみをタイマカウントすることにより、1バイトの最小限の記憶容量で済み、記憶容量の削減を可能にしている。励磁出力カウンタのカウンタ値のビット0が1で(ステップS232)、1相励磁状態と判断されたときは、前記エラータイマを1加算せずに(ステップS233)、ステップS235に移る。なお、図22においてはエラータイマのタイムアップを減算カウント値0の意味で「0」と表している。また、本実施形態においては256ステップ分の2相励磁状態の検出に基づいて回胴回転異常の検出を行っているが、256ステップ分の1相励磁状態の検出に基づいて回胴回転異常の検出を行うことができる。
エラータイマが0でないとき(ステップS234)、リール位置検出センサ(回胴回転位置検出センサ254〜256)のオン・オフが判断される(ステップS235)。リールの遮光片260通過によりリール位置検出センサのオンが検出されたときには、正常回転と判断してエラータイマをクリアする(ステップS235、S236)。ステップS235及びS236は、回転基準位置を検出したことを条件にカウント値をクリアするカウントクリア手段を構成する。リール位置検出センサのオンにより正常な正回転が行われていることを確認して、回胴センサONフラグがオンになり(ステップS237)、回胴回転停止ボタン16a〜16cの押下操作が有効となる停止制御状態に移る。リール位置検出センサのオン時点から定常正回転状態におけるリール図柄1つずつの回転シフト移動が厳密に制御される。リール位置検出センサのオンによりリールの回転基準位置が検出されたので、前記図柄ステップ数カウンタに24がセットされ、且つ前記図柄カウンタも0にセットされ、リール位置初期化処理が行われる(ステップS238)。ついで、ステップS222に移って、励磁出力カウンタに1加算して、励磁出力テーブルに基づき励磁出力カウンタのカウンタ値に応じた励磁データを取得して、出力バッファにセットする励磁出力データを更新する処理が行われる(ステップS223〜S225)。
ステップS235において、リール位置検出センサがオフのときには、図23のステップS240に移る。ステップS240〜S245において、リール位置の更新処理が実行される。図柄ステップ数カウンタのカウンタ値を1減算し(ステップS240)、図柄ステップ数カウンタの値が0か否か判断される(ステップS241)。図柄ステップ数カウンタの値が0でないときには、ステップS222に移って、前述した励磁出力データを更新する処理が行われる(ステップS222〜S225)。
図柄ステップ数カウンタの値が0のときは、リールが1図柄分回転したと判断されて、図柄ステップ数カウンタに24がセットされる(ステップS242)。ついで、図柄カウンタに1加算される(ステップS243)。図柄カウンタの値が21に達したか否か判断され(ステップS244)、21に達したときには、リールが1回転したと判断されて、図柄カウンタを0にセットして(ステップS245)、ステップS222に移って励磁出力データの更新処理が行われる(ステップS222〜S225)。図柄カウンタの値が21に達していないときは(ステップS244)、図柄カウンタ値を初期化せずにステップS222に移って、励磁出力データの更新処理が行われる(ステップS222〜S225)。
ステップS233において励磁出力カウンタのカウンタ値から2相励磁状態と判断したときのみ前記エラータイマを加算した結果、リール位置検出センサのオン(回転基準位置)を検出することなく(ステップS235)、エラータイマが0になってタイムアップしたとき(ステップS234)、つまり、256回分の2相励磁状態を検出したときにはリールが1回転以上したにもかかわらず回転基準位置の検出に至らなかったことになる。この場合、回胴回転が何かの原因でロックされて回転不能になった回転エラー状態が発生しているおそれがある。ステップS234で回転異常と判断したときには、ステップS234からステップS227に移り、回胴回転開始制御処理を再び実行して再起動することになる。
上記の回転異常監視はリール毎に行われ、回転異常と判断したリールに対してはステップS227以下の再起動処理に移る。再起動処理に移ると、回胴センサONフラグがオンされず、回胴回転停止ボタン16a〜16cによる停止操作が有効化されない。従って、少なくとも一つのリールに関し回転異常が発生した場合には、遊技の進行を妨げずに再起動を速やかに実行することにより迅速な復帰対応処理を行うことができる。起動処理を再度実行するステップS227以下の処理ステップは本発明に係る再起動手段を構成する。また、再起動処理への移行に伴い回胴センサONフラグがオンしない処理ルーティンは、回胴回転停止ボタン16a〜16cによる停止操作が有効化されない、つまり停止操作(停止指示)を受け付けずに無効化する、本発明に係る無効化手段を構成する。
本実施形態においては、回転異常と判断したリールに対して前記再起動処理を行い、再起動処理の間、前記無効化手段により全リールに対する停止指示を受け付けずに停止操作を有効化しないので、前記再起動処理により前記回転異常の発生に即応することができ、遊技の進行を無駄に停止させることなく円滑な稼働を促進することができる。特に、再起動処理は遊技進行の停止に関わるエラー処理も回転異常の検出報知処理も行わずに速やかに実行されるので、回胴遊技の円滑な進行を妨げることなく回胴式遊技機の安定稼働を図ることができる。
本実施形態では全リールを無効化の対象としているが、前記無効化手段による停止指示の無効化の対象となるリールに少なくとも前記回転異常を検出したリールが含まれておればよく、前記回転異常を検出したリールのみを無効化の対象にすることができる。
回胴センサONフラグのオンにより回胴定常回転状態を継続しているとき(ステップS237)、回胴回転停止ボタン16a〜16cの押下があると、停止操作されたリール別の停止信号検出フラグがオンになる。停止信号検出フラグのオンにより(ステップS231)、図23のステップS239に移る。回胴回転停止ボタン16a〜16cの押下があっても直ちに回胴停止が行われるのではなく、内部抽選結果に応じて停止制御テーブルに基づく停止図柄が決定されて、停止位置に停止図柄が滑っていく滑り駒数が決定される。停止操作後、所定の停止位置に停止図柄が滑ったとき停止命令フラグがオンになる。停止信号検出フラグがオンになると、ステップS232以降の回転異常検出処理を行わず、停止命令フラグがオンになるまでの間、ステップS240以降のリール位置更新処理は継続して行われる。停止信号検出フラグ及び停止命令フラグの生成は前記回胴停止処理(図8のステップS8)において行われる。
図26は回胴停止処理(ステップS8)の詳細を示す。図27は回胴停止処理の中の図柄停止制御処理を示す。回胴停止処理を図26及び図27を参照して以下に詳述する。
ステップS301〜S304のループ処理において、回転しているリールが停止操作可能な正常回胴回転状態にあるか否かが判断される。3回胴分のループ数「3」がセットされる(ステップS300)。ついで、最初の回胴につき回転状態フラグがオンになっているか否かを判断し(ステップS301)、オンのときには回胴センサONフラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS302)。回転状態フラグは前述の回胴回転開始設定処理時のステップS55においてオンされる。リール位置検出センサにより回転中のリールの回転基準位置が検出されていないときは回胴センサONフラグがオンされないので、回転状態フラグがオンのときに回胴センサONフラグがオンされていない場合にはステップS300に戻る。
回転状態フラグ及び回胴センサONフラグがオンのときにはループ数を1減算する(ステップS303)。回胴センサONフラグオンの検出により回胴の停止操作可能状態になる。減算後、ループ残数があるか否かを判断し(ステップS304)、残数があるときにはステップS301〜S304のループ処理が繰り返される。ループ数の残数がなくなると上記ループ処理を終了して(ステップS304)、ステップS305に移る。ループ処理が終了した場合は、回転中の全てのリールが正常に回転していると判断されたことになる。
上記ループ処理の終了後には、回胴回転停止ボタン16a〜16cによる有効停止操作有無の判別(ステップS306)前に、無効な停止操作が行われたか否かを判断する(ステップS305)。無効な停止操作内容は例えば、リールが停止しているにもかかわらず、そのリールに対応する回胴回転停止ボタンが何度も押下されるといった変則的な停止操作である。無効な停止操作が行われたときにはステップS300に戻り、再度、回転中の全てのリールが正常に回転しているか否かを判断する。無効な停止操作が行われていないときは有効停止操作有無の判別を行う(ステップS306)。回転中のリールに対応する回胴回転停止ボタンの操作が行われた場合には有効な停止操作が行われたと判断して、停止信号検出フラグをオンする(ステップS307)。
ついで、3リールの停止順番データ、図柄停止数、停止対象リール番号及び停止間隔タイマのリール間の停止間隔時間(211ms)をセットする(ステップS308)。停止順番データは停止操作の押し順を示すデータであり、停止制御に使用される。図柄停止数は停止しているリールの数を示すデータであり、停止制御とステップS311の判断に使用される。停止対象リール番号は今回の停止対象リールを示すデータであり、今回、中リールが停止するときは「2」、左の場合は「1」、右の場合は「3」に対応し、停止制御、回転制御で使用される。停止間隔タイマは次の停止操作が有効になるまでの時間を管理するためのタイマであり、ステップS310の判断で使用される。停止順番データ、図柄停止数、停止対象リール番号及び停止間隔時間のデータは夫々、メインRAM104の停止順番データメモリエリア、図柄停止数メモリエリア、停止対象リール番号メモリエリア及び停止間隔タイマエリアに設定される。これらのデータ設定の後、図柄停止制御処理(ステップS309)が実行される。停止順番データは停止操作の押し順データとして副制御部に供される。
本実施形態においては、1図柄分の図柄ステップ数のうち、11〜24を停止処理可能位置とし、1〜10は停止処理不可能位置としている。このため、図柄停止制御処理(ステップS309)においては、まず、停止処理中に停止時のリール窓内の図柄位置を一定にするために、停止制御を開始するとき(停止操作を検出したとき)に、図柄ステップ数が11以上の位置にあるかを確認する(ステップS350)。
図柄ステップ数が11未満のときは、図柄カウンタが次の図柄に更新されるまで待機する。次の図柄になると図柄ステップ数が24になるため、11以上の条件を充足することになり、滑り駒数の計算処理を行う(ステップS350、S351)。滑り駒数計算処理では、メインROM103に格納されている停止制御テーブル(図示せず)に基づいて、当選役、停止順データ等に対応した滑り駒数を決定する。滑り駒数は0〜4の範囲(4駒制限域内)で選択される。滑り駒数計算処理で選定された滑り駒数を取得し(ステップS352)、ついで、滑り駒数が0でない場合は0になるまで図柄カウンタの監視を行う(ステップS353〜S355)。滑り駒数が0になると停止命令フラグをオンする(ステップS353、S356)。
図26の回胴停止処理の説明を続けると、図27に示した図柄停止制御処理(ステップS309)を行った後、停止間隔タイマによる停止間隔時間の計時を行って、設定した停止間隔時間の経過を監視し(ステップS310)、全リールの停止完了か否かを判断する(ステップS311)。全てのリールが停止した場合に回胴停止処理を終える。
回胴停止中の処理を以下に説明する。回胴停止中フラグがオンされたか否かを判断し、回胴停止中フラグが設定されているときには(ステップS207)、モータ出力タイマの値が0か否かを判断する(ステップS208)。モータ出力タイマは、加速処理が終了したときに励磁出力タイムデータテーブルに基づいて「150」がセットされている。そのため、最初の回胴停止中処理ではモータ出力タイマが0でないためステップS209以下の処理を実行する。モータ出力タイマの値が0でないとき、モータ出力タイマの値を1減算して、励磁出力データを「0F」に設定する(ステップS209、S210)。励磁出力データを「0F」に設定することにより、ステッピングモータが全相オン状態になる。ついで、モータ出力タイマの値が0か否かを判断する(ステップS211)。モータ出力タイマの値が0でない場合には、励磁出力データ「0F」が当該リールに対応する出力バッファに記憶される(ステップS224)。更に、全リールの回胴回転制御処理が終了していない場合は(ステップS225)ステップS200へ戻る。150回の割込み処理が行なわれたときにモータ出力タイマが0になるので、全相オン状態が150×1.5msの間継続されることになり回転停止状態となる。ステップS208及びステップS211においてモータ出力タイマの値が0であると判断したときには、停止制御の完了と判断して、励磁出力データに「00」が設定される(ステップS212)。励磁出力データを「00」に設定することにより、ステッピングモータが全相オフ状態(非駆動状態)になって完全停止になる。ステッピングモータの完全停止に伴って回胴制御フラグはオフになる(ステップS213)。
上記回胴停止処理により停止命令フラグがオン(ステップS356)になるまで、リール位置更新処理が継続される(ステップS240〜S245、S222〜S225)。所定の停止位置までの滑り駒数分の滑りが発生して停止命令フラグがオンになっても(ステップS239)、停止可能位置になるまではリール位置更新処理が継続される(ステップS239、S246)。停止可能位置は図柄ステップ数のカウンタ値が9未満で、且つ2相励磁状態か否かを判断して判定される(ステップS246)。9未満(8)のときが1相励磁状態だった場合は次の図柄ステップ数7の位置が停止可能位置となる。停止可能位置に達したとき回胴停止中フラグがオンになる(ステップS247)。
図29は本発明の別の実施形態の回転異常監視処理を示す。図29において図22と同様の処理ステップは同じステップ番号を付している。
前記実施形態における回転異常監視処理(図22参照)では、回転異常と判断したときには(ステップS234)、直ちにステップS227に移行し、回胴回転開始制御処理を再び実行して再起動処理を行うが、再起動処理を所定回数(例えば、10回)繰り返しても回転異常が解消されない場合には、その旨を音声、画像表示及びランプ点灯により報知して、遊技の進行を停止するようにしてもよい。図29は再起動処理を限定回数実行する回転異常監視処理を示す。
図29の場合、回転異常と判断したときには(ステップS234)、サブRAM104に設けた再起動カウンタを1加算し(ステップS250)、再起動カウンタのカウント値(再起動を繰り返した再起動回数)が所定値m(=10)に達したか否かを判断する(ステップS251)。再起動回数が所定値m未満であれば、前記実施形態と同様に、ステップS227に移行して再起動処理を実行する。再起動を繰り返しても正常に復帰せずに回転異常が継続したときには、再起動回数が所定値m(=10)に達したときに、再起動カウンタをクリアして、回転エラー報知処理(ステップS252、S253)に移る。ステップS253は、再起動回数カウント手段(ステップS250)によるカウント値が所定回数値を超えたとき遊技の進行を停止する遊技停止処理を実行する遊技停止処理実行手段を構成する。回転エラー報知処理に移行すると、音声、画像表示及びランプ点灯により回転異常報知が行われると共に、遊技制御のリセット等の復帰処理が行われるまで、遊技の進行が停止される。従って、図29の再起動処理を限定回数実行する回転異常監視処理の場合には、復帰可能な回転異常に対しては速やかな対処が可能であると共に、再起動を繰り返し実行し、実行回数が所定値mに達しても復帰不能な回転異常が生じたときには遊技の進行を停止して遊技の円滑な進行を妨げずに遊技機の安定稼働を図ることができる。
本発明は、上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。