JP5052578B2 - 通信装置および通信装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム - Google Patents

通信装置および通信装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム Download PDF

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本発明は、データ通信に関する。より特定的には、本発明は、無線通信などの伝送路の通信状況が大きく変動する通信経路を介して、ストリームデータなどの送信を行なう技術に関する。
近年、ネットワークを経由して、映像などのデータ通信を行ない、それらのデータを受信しながら、リアルタイムに映像を再生する技術が実用化されている。
このようなデータ通信を行なう送信装置と受信装置のシステムクロックが完全に同期していない場合、時間の経過とともにシステムクロックのずれが蓄積することになる。システムクロックのずれが時間の経過とともに蓄積することにより、リアルタイム映像伝送にとって深刻な問題が生じる。
リアルタイム映像伝送では、受信装置において、ある程度データをバッファリングしてから再生を開始するのが一般的である。受信装置のシステムクロックが送信装置のシステムクロックよりも速い場合、送信装置で符号化される映像データ量よりも、受信装置で復号化される映像データ量の方が多くなる。そのため、受信装置のバッファが次第に減少していき、最終的に、バッファのアンダーフローが発生する。また、受信装置のシステムクロックが送信装置のシステムクロックよりも遅い場合には、逆に、バッファのオーバーフローが発生する。受信装置のバッファのオーバーフローやアンダーフローが発生することにより、データのバッファを再度行なう処理等が必要となる。その結果、映像が一時的に乱れる、又は完全に停止するなどの問題が生じ、リアルタイム性を妨げる要因となる。
このような問題を発生させない対策として、受信装置におけるバッファの変化量やパケット伝送時間などの変化から、受信装置のシステムクロックが送信装置のシステムクロックと比較してどの程度ずれているかを検出して、受信装置のクロックを送信装置のクロックと同期させる技術が開発されている。しかし、バッファ量やパケットの伝送時間は送受信装置間のネットワークの影響を受けて変動しやすいため、正確な同期の制御を行なうことは難しい。
そこで、パケット伝送が行なわれるネットワークによる影響を考慮して、同期制御を行なう必要がある。たとえば、特開2003−258894号公報(特許文献1)は、パケットごとの伝送時間をローパスフィルタ(LPF(Low Pass Filter))で平滑化して、ネットワークの影響によって大きく変動した伝送時間を除去することにより、ネットワークによる影響を除去する方法を開示している。ネットワークの影響が除去されたときのパケット伝送時間の変化は、システムクロックのずれにより単調減少あるいは単調増加となるため、その傾きより、受信装置のシステムクロックを送信装置のシステムクロックに同期させることが容易となる。
また、特開2003−218842号公報(特許文献2)は、ネットワークの影響を除去するために、所定の時間ごとにパケット伝送時間の極大値と極小値を求め、極大値と極小値の増減によって、受信装置のシステムクロックを送信装置のシステムクロックに同期させていく技術を開示している。
パケット伝送時間の揺らぎは、無線ネットワークにおいて、より顕著に現れる。その一つの原因として、無線ネットワークにおいては、通信環境に応じて、物理レートが頻繁に変更されることがあげられる。たとえば、特開2004−7183号公報(特許文献3)は、無線において(SD(Standard Definition):標準解像度)の映像伝送を行なう場合には物理レートを12Mbpsに固定して、それ以外のデータは物理レートを切り替えながら送信する方法を開示している。
また、特開2006−25112号公報(特許文献4)は、リアルタイムのデータについては物理レートを固定し、非リアルタイムのデータについては物理レートを切り替えながら送信する方法を開示している。特許文献1または特許文献2に記載のような同期方法を実施する際に、特許文献3または特許文献4に記載のように、特定のデータに関して、通信環境に関わらず物理レートを固定にして送信することによって、物理レート変化によるパケット伝送時間の揺らぎは防止することができる。
特開2003−258894号公報 特開2003−218842号公報 特開2004−7183号公報 特開2006−25112号公報
送受信装置の異なる系統のシステムクロックを同期させるために、パケットの伝送時間の増減を監視することは、通信媒体を限定せず、簡単な機構で実現できるので、非常に有効な手段といえる。このような制御を行なうとき、一番問題となるのは送受信装置間のネットワークの影響によってパケット伝送時間が頻繁に揺らぐことである。
特に、IEEE802.11aなどに準拠した無線LAN(Local Area Network)を使用した通信においては、物理レートと呼ばれる送受信装置間のリンクの速度が6Mbps〜54Mbpsまで8種類設定でき、物理レートが異なればパケット伝送時間も大きく異なってくる。
図10を参照して、物理レートによるパケット伝送時間の違いを説明する。図10は、1秒ごとに6、12、18、24Mbpsと物理レート上げたときに、実際に受信装置において測定したパケット伝送時間の変化を表わす図である。図10より、物理レートが異なればパケット伝送時間が大きく異なることが分かる。例えば、物理レートが6Mbpsから12Mbpsに変化したときパケット伝送時間は約300μsも小さくなることになる。よって、物理レートが頻繁に変化するような状況では、パケット伝送時間は大きく揺らぐことになる。ただし、物理レートを変化させずに一定の物理レートでデータを送信することによって、この揺らぎは回避できる。
しかしながら、物理レートが固定であったとしても、送信装置の上位層で送信時刻を挿入した送信パケットが、受信装置に受信されずにMAC(Media Access Control)層で再送が繰り返された場合は、パケット伝送時間は大きく揺らぐことになる。再送後に受信装置で受信された場合、送信時刻はそのパケットが最初に送信された時刻であり、再送されるときには更新されないため、パケット伝送時間は再送をしないときと比較して再送に費やした時間だけ大きい値となる。よって、物理レートが固定であったとしても、再送の頻度や、同じパケットでの再送回数によって、パケット伝送時間は大きく揺らぐことになる。
また、送信装置が送信バッファを備えている場合には、再送が頻繁に発生することによって、送信装置で生成されるパケットを全て送信しきれずに送信バッファに蓄積することになる。送信バッファに蓄積されたパケットが送信されたとき、送信バッファで待たされた時間もパケット伝送時間に含まれることになるため、パケット伝送時間はさらに大きく揺らぐことになる。
また、複数の機器が通信を行なっているような状況では、物理レートを固定にし、再送が発生しないような通信環境であったとしても、通信の混雑状況によっては、送信を待たされる場合がある。そのため、その待ち時間によってパケット伝送時間が揺らぐこととなる。
特許文献1および特許文献2は、ネットワークの影響によるパケット伝送時間の揺らぎを無視できる同期方法を開示している。パケット伝送時間がある一定の範囲であり、それほど大きい揺らぎが発生しない場合には、この方法は有効であるといえる。
しかし、パケット伝送時間が、無線LANの場合における揺らぎのように、大きく揺らぐ場合、特許文献1のローパスフィルタを使用する方法によると、ローパスフィルタの設定値によっては全てのパケット伝送時間がローパスフィルタによって排除される、あるいは、ローパスフィルタによって得られたパケット伝送時間がまださらに大きく揺らいでいるといった状況が発生する可能性がある。
また特許文献2の方法によると、パケット伝送時間の極大値と極小値を測定する所定の時間内に物理レートが頻繁に変化するような状況が発生すると、システムクロックの差異の方向とは異なる方向に極大値と極小値が変化する可能性がある。そのため、受信装置のシステムクロックを送信装置のシステムクロックからさらにずらす方向に変化させる可能性がある。
さらに、特許文献3または特許文献4に開示されているように、送信装置が物理レートを固定にしてデータを送信する方法を用いると、パケット伝送時間の揺らぎをある程度抑えることは可能である。しなしながら、再送の頻度、バッファでの待機時間、および通信の混雑状況によっては、パケット伝送時間が揺らぐ可能性があるため、十分ではない。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、受信装置が自機のシステムクロックを送信装置のシステムクロックに正確に同期させるために、受信装置において測定されるパケット伝送時間の揺らぎの発生が抑制されるパケット通信が行なわれる通信システムを提供することである。
本発明の他の目的は、受信装置が自機のシステムクロックを送信装置のシステムクロックに正確に同期させるために、受信装置において測定されるパケット伝送時間の揺らぎの発生が抑制される方法でパケットを送信する通信装置を提供することである。
本発明の他の目的は、受信装置において測定されるパケット伝送時間の揺らぎの発生を抑制しつつ、パケットを送信する通信方法を提供することである。
本発明の他の目的は、受信装置において測定されるパケット伝送時間の揺らぎの発生を抑制しつつ、パケットを送信する通信装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムを提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明のある局面に従うと、送信装置と、ネットワークを介して送信装置に接続される受信装置とを備える通信システムが提供される。送信装置は、パケットを格納する送信バッファ部と、受信装置との間で行なわれる通信を実現する複数の伝送モードとを備える。複数の伝送モードは、送信装置による標準的な伝送モードとして予め規定された第1の伝送モードと、第1の伝送モードと異なる第2の伝送モードとを含む。送信装置は、さらに、複数の伝送モードからひとつの伝送モードを選択する選択部と、選択部によって選択された伝送モードに基づいて、送信バッファ部に格納されたパケットを受信装置に送信する送信部とを備える。受信装置は、送信装置によって送信されたパケットを受信する受信部と、パケットを格納する受信バッファ部と、受信バッファ部に格納されているパケットを出力する出力部とを備える。
好ましくは、通信システムは、ネットワークにおける通信の状況を監視する監視部と、監視の結果、通信の状況が予め規定された状況よりも混雑している場合に、ネットワークにおける通信を制限する制限部とをさらに備える。
この発明の他の局面に従うと、ネットワークに接続された受信装置と通信する通信装置が提供される。この通信装置は、受信装置との間で行なわれる通信を実現する複数の伝送モードを備える。複数の伝送モードは、通信装置による標準的な伝送モードとして予め規定された第1の伝送モードと、第1の伝送モードと異なる第2の伝送モードとを含む。通信装置は、複数の伝送モードからひとつの伝送モードを選択する選択部と、パケットを格納する送信バッファ部と、選択部によって選択された伝送モードに基づいて、送信バッファ部に格納されたパケットを受信装置に送信する送信部とを備える。
好ましくは、第2の伝送モードにおいては、送信部は、ネットワークの種類に応じて規定される通信特性に基づいて、物理レートを固定してパケットを伝送する。
好ましくは、第2の伝送モードにおいては、送信部は、ネットワークの種類に応じて規定される通信特性に基づいて、符号化率および変調方式を固定してパケットを伝送する。
好ましくは、通信装置は、受信装置からデータを受信する受信部と、受信部によって受信されたデータに基づいて、送信部によるパケットの再送の要求を検知する要求検知部とをさらに備える。要求検知部が再送の要求を検知した場合には、送信部は、パケットを送信する。第2の伝送モードにおいては、送信部は、ネットワークの種類に応じて規定される通信特性に応じて、パケット再送回数の最大値を制限してパケットを伝送する。
好ましくは、第2の伝送モードにおいては、送信部は、ネットワークの種類に応じて規定される通信特性に基づいて、キャリアの空きを検出してから送信するまでの待ち時間であるバックオフ時間の最大値を制限してパケットを伝送する。
好ましくは、第2の伝送モードにおいては、送信部は、ネットワークの種類に応じて規定される通信特性に基づいて、標準的な優先度であるベストエフォートより優先してパケットを伝送する。
好ましくは、第2の伝送モードにおいては、送信部は、ネットワークの種類に応じて規定される通信特性に基づいて、通信帯域を確保して、通信帯域内でパケットを伝送する。
好ましくは、第2の伝送モードにおいては、送信部は、ネットワークの種類に応じて規定される通信特性に基づいて、トラフィックの伝送品質を規定するパラメータを指定し、伝送品質を満たした伝送方法でパケットを伝送する。
好ましくは、第2の伝送モードにおいては、送信部は、送信バッファ部が保持するパケットの最大値を制限してパケットを伝送する。
好ましくは、通信装置は、入力されたデータをパケット化するパケット生成部をさらに備える。第2の伝送モードにおいては、送信部は、パケット生成部の生成するパケットのパケット長を制限して、パケット化する。
好ましくは、第2の伝送モードにおいては、送信部は、パケット生成部の生成するパケットに誤り訂正符号を付与して、パケット化する。
好ましくは、通信装置は、ストリームデータを符号化する符号化部をさらに備える。第2の伝送モードにおいては、送信部は、符号化部の符号化レートを制限して符号化する。
好ましくは、通信装置は、受信装置から情報を受信する受信部と、受信部によって受信された情報から、第2の伝送モードに従う送信の要求を検知する検知部とをさらに備える。選択部は、要求の検知に応答して、第2の伝送モードを選択する。
好ましくは、通信装置は、受信装置から情報を受信する受信部と、受信部によって受信された情報から、第2の伝送モードに従う送信を終了する要求を検知する検知部とをさらに備える。選択部は、要求の検知に応答して、第1の伝送モードを選択する。
好ましくは、通信装置は、送信部によるパケットの送信が開始されたこと、または、送信部によるパケットの送信が再開されたことを検知する検知部をさらに備える。選択部は、検知部による検知に応答して、第2の伝送モードを選択する。
好ましくは、通信装置は、送信部によるパケットの送信が開始されてから予め定められた時間が経過したこと、または、予め定められた数のパケットが送信されたことを検知する検知部をさらに備える。選択部は、検知部による検知に応答して、第1の伝送モードを選択する。
好ましくは、通信装置は、時刻情報を取得する計時部をさらに備える。パケット生成部は、送信部が送信する直前の時刻情報を少なくとも含むパケットを生成する。
好ましくは、第2の伝送モードにおいては、送信部は、キャリアの空きを検出してから信号を送信するまでの最低限の送出信号間隔であるフレーム間隔を短くして伝送する。
好ましくは、第2の伝送モードにおいては、送信部は、マルチキャスト送信またはブロードキャスト送信によりパケットをネットワークに送信する。
この発明の他の局面に従うと、送信装置と、ネットワークを介して送信装置に接続される受信装置とが使用する通信方法が提供される。送信装置は、受信装置との間で行なわれる通信を実現する複数の伝送モードを備えている。複数の伝送モードは、送信装置による標準的な送信モードとして予め規定された第1の伝送モードと、第1の伝送モードと異なる第2の伝送モードとを含む。この通信方法は、送信装置が、パケットを一時的に保持するステップと、送信装置が、複数の伝送モードからひとつの伝送モードを選択するステップと、送信装置が、選択された伝送モードに基づいて、一時的に保持されているパケットを受信装置に送信するステップと、受信装置が、送信装置によって送信されたパケットを受信するステップと、受信装置が、パケットを一時的に保持するステップと、パケットを出力するステップとを備える。
この発明の他の局面に従うと、ネットワークに接続された受信装置と通信する送信装置が行なう通信方法が提供される。送信装置は、受信装置との間で行なわれる通信を実現する複数の伝送モードを備えている。複数の伝送モードは、送信装置による標準的な伝送モードとして予め規定された第1の伝送モードと、第1の伝送モードと異なる第2の伝送モードとを含む。この通信方法は、複数の伝送モードからひとつの伝送モードを選択するステップと、パケットを一時的に保持するステップと、選択された伝送モードに基づいて、一時的に保持されているパケットを受信装置に送信するステップとを備える。
この発明のさらに他の局面に従うと、ネットワークに接続された受信装置と通信する通信装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムが提供される。コンピュータは、受信装置との間で行なわれる通信を実現する複数の伝送モードを格納するメモリと、プログラムを実行するプロセッサとを備えている。複数の伝送モードは、コンピュータによる標準的な送信モードとして予め規定された第1の伝送モードと、第1の伝送モードと異なる第2の伝送モードとを含む。プログラムはコンピュータに、複数の伝送モードからひとつの伝送モードを選択するステップと、パケットを一時的に保持するステップと、選択された伝送モードに基づいて、一時的に保持されているパケットを受信装置に送信するステップとを実行させる。
本発明によると、受信装置において測定されるパケット伝送時間の揺らぎの発生が抑制されるパケット通信が可能になる。
本発明の実施の形態に係る通信システム10の概略構成を表わす図である。 通信システム10を構成する送信装置20が有する機能の構成を表わすブロック図である。 通信システム10を構成する受信装置30が有する機能の構成を示すブロック図である。 IEEE802.11aで規定されている物理レートの変調方式と符号化率を表わす図である。 物理レートによるパケット伝送時間の違いを表わす図である。 揺らぎ抑制伝送と通常伝送との間の状態遷移を表わす図である(送信装置20が切り替えを独自に判断する場合)。 揺らぎ抑制伝送と通常伝送との状態遷移を表わす図である(送信装置20が受信装置30からのパケットで切り替えを判断する場合)。 揺らぎ抑制伝送と通常伝送との状態遷移を表わす図である(揺らぎ抑制伝送から通常伝送への切り替えは受信装置30からのパケットに基づいて行なわれ、逆方向の切り替えは送信装置20の判断に基づく場合)。 揺らぎ抑制伝送と通常伝送との状態遷移を表わす図である(揺らぎ抑制伝送から通常伝送への切り替えは送信装置20が独自に判断し、逆方向の切り替えは受信装置30からのパケットに基づく場合)。 揺らぎ抑制伝送と通常伝送との状態遷移を表わす図である(送信装置20の独自の判断と受信装置30からのパケット受信のうち、どちらか一方を満たしたときに切り替えを行なう場合)。 IEEE802.11eのEDCAにおける、優先度情報とアクセス・カテゴリとの対応関係を表わす図である。 主なTSPECパラメータを示した図である。 コンピュータシステム1300のハードウェア構成を表わすブロック図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る通信システム10の構成について説明する。図1は、通信システム10の一構成の概略を表わす図である。通信システム10は、送信装置20と、受信装置とを備える。送信装置20と受信装置30とは、通信媒体40を介して相互に接続されている。送信装置20は、映像や音声などのストリームデータの入力を受け付ける。
送信装置20は、ストリームデータを符号化する機能と、符号化されたデータに基づいてパケットを生成する機能と、パケットを一時的に保持する機能と、指定された相手にパケットを送信する機能と、受信装置30による同期制御のために、伝送方法を選択する機能を備える。
伝送方法には、パケット伝送時間の揺らぎを最小限に抑えることができる伝送方法(以下「揺らぎ抑制伝送」と表わす。)と、パケット伝送時間の揺らぎを考慮せず最も効率的に通信を行なう伝送方法(以下「通常伝送」と表わす。)の2つがある。また、送信装置20は、望ましくは、受信装置30との通信に使用している通信媒体を検出する機能と、検出した通信媒体の特性に応じて「揺らぎ抑制伝送」を制御する機能とを備える。
一方、受信装置30は、通信媒体40からパケットを受信する機能と、パケットを一時的に保持する機能と、受信したパケットを復号化する機能とを備える。また、受信装置30は、内蔵するシステムクロックから得られるパケットの受信時刻と、パケットに挿入されている送信装置の時刻情報との差から計算されるパケット伝送時間の変化を検出する機能と、検出した当該変化に基づき、内蔵するシステムクロックを送信装置20が有するシステムクロックに同期させる機能とを備える。
図1においては、簡単のために、1つの送信装置20と1つの受信装置30とを備える通信システム10が示されているが、他の局面における通信装置は、複数の送信装置および受信装置を備えるものであってもよい。また、送信装置と受信装置とを区別しているが、送信装置は、信号を受信する受信装置としての機能を有していてもよい。また、同様に、受信装置は、信号を送信する送信装置としての機能を有していてもよい。
通信媒体40は、様々な通信媒体によって実現可能である。例えば、IEEE802.11a/b/g等の規格に準拠した無線LANや、Ethernet(登録商標)等の有線LAN、HomePlug等の規格に準拠した電力線通信(PLC−Power Line Communication)、あるいは、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信IrDA(Infrared Data Association)等の近距離無線通信などの通信媒体が考えられる。したがって、本発明は、本実施の形態で述べられている通信媒体に限定されるものではない。
これらの通信媒体を用いた場合、例えば、家庭内の各種機器を相互に接続するようなネットワークシステムを実現することができる。たとえば、送信装置20が、家庭内における全ての通信機器および映像ソースの管理を行うSTB(Set Top Box:セットトップボックス)などのホームサーバとして機能する構成例が想定される。このホームサーバとして機能する送信装置20は、BS/CS(Broadcasting Satellite/Communication Satellite)放送、地上波デジタル放送などの信号波や、インターネットなどからの映像や音声などのストリームデータを受信する機能を備える。
また、受信装置30は、たとえば、テレビのように映像の表示機能およびスピーカーのような音声の出力機能を備える構成であってもよい。
また、図1に示される通信システム10において、送信装置20は、たとえば、TVチューナ、DVD(Digital Versatile Disc)プレイヤ、BD(Blue-Ray Disc)プレイヤ、HD DVD(High Definition DVD)プレイヤ、およびビデオプレイヤなどのメディアプレイヤとしてのAV(Audio Visual)ソースから、デジタルデータもしくはアナログデータの入力を受け付ける構成であってもよい。また、たとえば、上記のメディアプレイヤ自身が送信装置20としての機能を内蔵する構成であってもよい。
また、図1に示される通信システム10は、たとえば、家庭内LANのように、閉じたネットワークであってもよい。また、他の局面において、いわゆるホームシアターの一部として構成されていてもよい。
次に、図2を参照して、送信装置20について説明する。図2は、送信装置20によって実現される機能の構成を表わすブロック図である。送信装置20は、ストリームデータ取得部200と、符号化部201と、パケット生成部202と、送信バッファ部203と、伝送方法選択部204と、通信I/F(Interface)部205と、通信媒体検出部206と、計時部207と、操作の入力を受け付ける入力部208と、データを不揮発的に格納する記憶部209とを備える。
ストリームデータ取得部200は、送信装置20の外部からストリームデータを取得する。たとえば、ある局面においては、ストリームデータ取得部200は、ケーブルを介してストリームデータを他の装置から受信する。他の局面においては、ストリームデータ取得部200は、着脱可能な記録媒体を駆動できる装置(たとえば光ディスク装置)として実現される。この場合、ストリームデータ取得部は、当該記録媒体に記録されている映像音声信号を読み出して、ストリームデータとして再生する。さらに他の局面においては、ストリームデータ取得部200は、無線送信されたストリームデータを受信する。
符号化部201は、入力されたストリームデータをMPEG2(Moving Picture Experts Group 2)として規定された画像圧縮フォーマットに従うデジタルデータに変換する。あるいは、他の局面においては、符号化部201は、既に符号化されているストリームデータのビットレートを変更するだけのものであってもよい。
計時部207は、送信装置20における時刻情報を生成する。時刻情報は、パケット生成部202に入力される。
パケット生成部202は、符号化されたデータに基づいてパケットを生成する。パケット生成部202は、符号化されたデータを適切なパケット長となるように集約する。この際、受信装置30が適切なタイミングで復号化できるように、符号化されたデータと共に計時部207によって取得された時刻情報をパケットに含める。パケットに含まれる時刻情報は、たとえば、パケット生成部202によって符号化されるデータがパケット生成部202に入力された時点の時刻情報である。あるいは、パケットが生成された時刻が当該パケットに含められてもよい。
また、他の局面において、パケットが送信バッファ部203から出力される時点の時刻情報が当該パケットに含められてもよい。この局面に従う送信装置は、たとえば、送信バッファ部203と通信I/F部205との間に、上記パケットが出力される時点の時刻情報を当該パケットに追加するための構成を有する。
送信バッファ部203は、パケット生成部202でパケット化されたデータを一時的に格納する。送信バッファ部203は、たとえばRAM(Random Access Memory)のような高速に書き換え可能な記録媒体として実現される。
伝送方法選択部204は、伝送モードとして、「揺らぎ抑制伝送」と「通常伝送」とのうちいずれか1つを選択して、通信I/F部205による送信を規定する。より具体的には、伝送方法選択部204は、通信媒体40に応じて規定される通信の態様に応じて、揺らぎ抑制伝送と通常伝送とのいずれかを選択する。当該通信の態様は、通信媒体40が準拠する通信規格を含む。
他の局面において、入力部208に対する入力に応じて、伝送方法選択部204は、いずれかの伝送を選択してもよい。この入力は、たとえば、通信媒体40に応じて規定される通信の態様を表わす項目の入力を含む。
通信I/F部205は、送信バッファ部203に格納されているパケット化されたストリームデータを、伝送方法選択部204で指定された伝送方法で、通信媒体40を介して受信装置30に送信する。
また、受信装置30がパケットを送信する機能を有する場合には、通信I/F部205は、受信装置30から送信されたパケットを受信することもできる。また、通信I/F部205は単一の通信媒体にのみ対応するインターフェイスであってもよいし、複数の通信媒体の各々による通信をサポートするインターフェイスでもよい。
通信媒体検出部206は、通信I/F部205が使用している通信媒体40を特定し、また、通信I/F部205がサポートしている機能と通信I/F部205による通信を制御するためのデータを取得する。たとえば、通信媒体検出部206は、記憶部209から、通信媒体40の種類を表わすデータと、当該種類に応じた通信を実行するための設定データと、当該通信を制御するためのプログラム(たとえばインターフェイスを制御するドライバソフトウェア)とを取得する。
通信媒体検出部206は上記の各情報を、伝送方法選択部204に送出する。伝送方法選択部204は、「揺らぎ抑制伝送」を選択する場合には、当該情報によって特定される通信媒体40の特性に応じた「揺らぎ抑制伝送」の方法を選択する。
より具体的に、たとえば、PC(Personal Computer)を参照して説明すると、通信媒体検出部206によって実現される機能は、当該PCに含まれるプロセッサが通信I/F部205を構成するNIC(Network Interface Card)とそのドライバとを特定することに相当する。通信媒体検出部206は、NICのドライバ、当該ドライバのバージョン、使用しているリソース(たとえばメモリの範囲やIRQ(Interrupt ReQuest)など)等を特定し、当該ドライバに固有な詳細設定情報にアクセスする方法を取得する。
なお、通信媒体検出部206は、本実施の形態に係る送信装置20に必須の構成ではない。他の実施の形態に従う送信装置が通信媒体検出部206を有さない場合もあり得る。この場合、伝送方法選択部204は、通信媒体40を予め特定できており、通信I/F部205がサポートしている機能と、その機能を実現するために実行する処理とを知っているものとする。通信媒体40を予め特定する態様としては、たとえば通信システムを構成する際に、通信媒体の種類を表わすデータあるいは通信媒体による通信の態様を規定するデータを、入力部208を介して送信装置に入力することが考えられる。
入力部208は、送信装置20の使用者による操作を受け付ける。当該操作は、送信装置20に特定の通信を実行させるための設定データの入力を含む。ある局面においては、当該設定データは、通信媒体40を特定するためのデータを含む。
記憶部209は、たとえばフラッシュメモリその他の不揮発的にデータを保持できる媒体として実現される。記憶部209は、入力部208を介して外部から送信装置20に与えられたデータ、あるいは、通信媒体40を介して通信I/F部205によって取得されたデータを格納する。
次に、図3を参照して、受信装置30について説明する。図3は、受信装置30によって実現される機能の構成を表わすブロック図である。受信装置30は、通信I/F部301と、受信バッファ部302と、復号化部303と、制御部304とを備える。受信装置30は、ケーブルを介して表示装置390に接続されている。
通信I/F部301は、送信装置20から送信されたパケットを受信し、パケットの受信時に実行するように予め規定された処理を実行する。また、他の局面において、通信I/F部301は、送信装置20にパケットを送信することもできる。また、通信I/F部301は、単一の通信媒体による通信に対応するものでもよいし、複数の通信媒体の各々による通信をサポートする構成でもよい。
受信バッファ部302は、受信したストリームデータを一時的に保持する。受信バッファ部302は、たとえば高速でデータの書き込みおよび読み出しができるRAMとして実現される。受信バッファ部302は、復号化部303による処理を規定するタイミングに合わせて、保持しているストリームデータを復号化部303に出力する。
復号化部303は、入力されたストリームデータを復号化する。さらに、復号化部303は、復号化された信号を受信装置30の外部に出力するためのインターフェイスとして、ケーブルを介して表示装置390に出力する。
制御部304は、通信I/F301と受信バッファ部302と復号化部303とをそれぞれ制御する。制御部304は、受信バッファ部302に保持されているデータの容量を検知する。制御部304は、受信装置30における時刻を計時する。
ある局面において、制御部304は、その計時の結果を用いて、受信バッファ部302と復号化部303とを制御する。たとえば、制御部304は、復号化部303による処理に応じたタイミングで、受信バッファ部302に保持されているデータを復号化部303に送出する。
表示装置390は、たとえば入力される映像信号に基づく映像を表示する液晶ディスプレイ装置である。他の局面において、表示装置390は、信号を受信して当該信号に含まれる映像音声信号に基づいて映像を表示するテレビジョン受像装置であってもよい。また、受信装置30が表示装置390を含む構成であってもよい。
本実施の形態では、送信装置20において、パケット生成部202は、パケットに時刻情報を挿入する。受信装置30において、受信バッファ部302に予め設定されている時間(バッファ時間)分に対応するストリームデータが蓄積されるまで、受信バッファ部302に保持されているストリームデータは、復号化部303に出力されないものとする。このような制御は、受信バッファ部302に保持されているデータの容量を検知し、受信バッファ部302からデータを読み出し、復号化部303に当該データを送出する機能を有する制御部304によって実現される。
受信バッファ部302に予め設定されているバッファ時間分のデータが蓄積された後、制御部304は、パケット生成部202においてパケットに挿入された時刻情報に従って、適切なタイミングでストリームデータを復号化部303に送出する。
しかしながら、受信装置30において、制御部304は、送信装置20で挿入された時刻情報に基づいて、復号化部303にストリームデータを出力する時刻を決定している。そのため、送信装置20のシステムクロック(たとえば、計時部207)と受信装置30のシステムクロック(たとえば、制御部304の内部クロック)とが同期していない場合には、受信装置30において、実際よりも遅いタイミング、あるいは逆に、速いタイミングで、ストリームデータは受信バッファ部302から復号化部303に出力されることになる。
たとえば、受信装置30のシステムクロックの進み方が、送信装置20のシステムクロックよりも早い場合には、受信バッファ部302に蓄積されているストリームデータは、制御部304によって、実際よりも早いタイミングで復号化部303に出力される。このような状態が続くと、受信バッファ部302の状態は、「アンダーフロー」となる。
他方、受信装置30のシステムクロックの進み方が送信装置20のシステムクロックよりも遅い場合には、受信バッファ部302に蓄積されているストリームデータは、制御部304によって実際よりも遅いタイミングで復号化部303に出力される。その結果、このような状態が続くと、受信バッファ部302の状態は、「オーバーフロー」となる。
これらの状態が生じることを防ぐためには、受信装置30のシステムクロックと、送信装置20のシステムクロックとの同期をとることが必要である。同期をとるための処理として、たとえば、パケット伝送時間を使用する方法が有効である。そこで、本実施の形態においては、以下のような構成を用いる。まず、受信装置30がパケットを受信したとき、制御部304は、そのパケットを受信した時刻を内部のクロック(図示しない)から取得し、その時刻と、当該パケットに挿入されている時刻情報(すなわち、送信装置20が送信前に挿入した時刻情報)との差を算出し、その差をパケット伝送時間とする。
このパケット伝送時間は、時間の経過とともに減少する方向に変化しているときは、受信装置30のシステムクロックの進み方が送信装置20のシステムクロックの進み方よりも遅いと考えられる。そこで、受信装置30において、制御部304は、パケット伝送時間の変化率を算出し、その変化率がマイナスである場合には、受信装置30のシステムクロックの進み方が送信装置20の進み方よりも遅いと判断する。そして、制御部304は、内部のシステムクロックの進み方を速くする。この場合、進み方を速くする程度は、たとえば、上記変化率の絶対値とすればよい。上記変化率の算出が行なわれた時間が経過すると、検出の開始時点における進み方まで補正されることになる。
他方、パケット伝送時間が時間の経過とともに増加する方向に変化している場合には、受信装置30のシステムクロックの進み方は送信装置20のシステムクロックの進み方よりも速いと考えられる。そこで、制御部304は、上記変化率がマイナスである場合には、時刻の進み方が遅くなるように、受信装置30のシステムクロックを補正する。
このように、ある局面に従う受信装置30は、パケット伝送時間の変化を観察して、送信装置20との同期を取るための制御を実行できる。
しかし、パケット伝送時間には揺らぎがあり、その揺らぎは通信媒体40の状態や、送信装置20の通信I/F部205が使用する伝送方法によって変動することが知られている。そこで、受信装置30が正確な同期制御を行なうためには、送信装置20がパケット伝送時間の揺らぎをなるべく抑制するような伝送方法でパケットを送信するのが好ましい。さらに、パケット伝送時間は、平均的に長くなってもよいが、その揺らぎは少ない方が、受信装置30は同期制御を行ないやすい。
そこで、本実施の形態に係る通信システム10においては、伝送時間の観点からストリームデータを効率的に受信装置30に送信する「通常伝送」と、パケット伝送時間の揺らぎを最小限に抑制するようにパケットを送信する「揺らぎ抑制伝送」という2つの伝送状態を設ける。
たとえば、送信装置20が「揺らぎ抑制伝送」の状態にあるとき、伝送方法選択部204は、パケット伝送時間の揺らぎを抑制するための伝送方法を選択する。伝送方法選択部204は、パケット伝送時間の揺らぎを最小限に抑制するために、通信I/F部205が使用する通信媒体40の種類や、通信I/F部205がサポートする機能など、通信媒体の特性に応じて制御する。
また、通信媒体40の特定に関し、伝送方法選択部204が通信媒体40の特性を予め特定できる場合と、特定できない場合とがある。予め特定できない場合は、通信媒体検出部206が通信媒体40の種類を検出し、その種類に応じて特定される通信媒体40の特性を伝送方法選択部204に通知する。また、伝送方法選択部204が通信媒体の特性をあらかじめ特定できる場合でも、通信I/F部205が複数の通信媒体をサポートしている場合は、通信媒体によって「揺らぎ抑制伝送」における伝送方法が異なる。したがって、この場合も、送信装置20は、通信媒体検出部206を有することが好ましい。
また、本実施の形態では、送信するパケットは時刻情報が付加されたストリームデータとして説明されていたが、他のデータがパケット送信されてもよい。たとえば、「揺らぎ抑制伝送」の状態で送信するデータはストリームデータではなく、ペイロード部に時刻情報のみが挿入されたダミーデータでもよい。通信システム10が「揺らぎ抑制伝送」の状態であるときに送信装置20がダミーデータを送信した場合、受信装置30においては、映像の視聴を行なうことができない。しかし、送信装置20は、ペイロード部に時刻情報のみが挿入されたダミーデータを送信することにより、短時間で多くのパケットを送信することができるため、受信装置30は、短時間でシステムクロックの同期を実現することができる。
「揺らぎ抑制伝送」の状態におけるパケット伝送方法の詳細については、後述するが、「揺らぎ抑制伝送」はあくまでパケット伝送時間の揺らぎを最小限に抑制するためのものである。したがって、「通常伝送」における伝送方法と比較して、データ伝送効率が低下し、あるいは、パケットロストが増える可能性があるなどストリームデータを送信する上で不利となる場合がある。そこで、伝送方法選択部204は、送信装置20の伝送モードを、「揺らぎ抑制伝送」と「通常伝送」との間で適切に切り替える必要がある。
以下、「揺らぎ抑制伝送」と「通常伝送」を切り替える方法について説明する。
[切り替えタイミング設定方法1:送信装置が独自に判断する態様]
まず、図4を参照して、送信装置20が「揺らぎ抑制伝送」と「通常伝送」との切り替えを行なうタイミングを、送信装置20が独自に判断する場合について説明する。図4は、送信装置20における伝送モードの遷移を表わす図である。
送信装置20が独自に判断する場合、送信装置20の電源がオンされた直後あるいはリセットされた直後は(イベント402)、送信装置20の状態は、「揺らぎ抑制伝送」410である。したがって、送信装置20は、最初からパケット伝送時間の揺らぎを抑制する伝送方法を用いてデータを送信する。そして、送信装置20は、データ通信が開始されてから予め定められた時間が経過した後、あるいは、予め定められた数のパケットが送信された後に(イベント412)、伝送モードを「揺らぎ抑制伝送」から「通常伝送」420に切り替える。また、伝送状態が「通常伝送」420であるときに、受信装置30との通信が予め定められた時間途絶えた場合(イベント422)、送信装置20は、伝送状態を「通常伝送」420から「揺らぎ抑制伝送」410に切り替える。
[切り替えタイミング設定方法2:受信装置からの指示に基づく場合]
次に、図5を参照して、送信装置20による「揺らぎ抑制伝送」と「通常伝送」との切り替えが、受信装置30から特定のパケットを受信したときに行なわれる場合について説明する。図5は、送信装置20における伝送モードの遷移を表わす図である。
送信装置20は、その電源がオンされた直後、あるいは、リセットされた直後には(イベント502)、伝送モードを「通常伝送」420に設定する。送信装置20は、伝送モードを「通常伝送」420から「揺らぎ抑制伝送」410に切り替えることを要求するパケットを、受信装置30から受信したときに(イベント522)、当該伝送モードを「揺らぎ抑制伝送」410に切り替える。
その後、送信装置20が、伝送モードを「揺らぎ抑制伝送」410から「通常伝送」420に切り替えることを要求するパケットを、受信装置30から受信したとき(イベント512)、送信装置20は、当該伝送モードを「通常伝送」420に切り替える。
なお、受信装置30が「揺らぎ抑制伝送」410と「通常伝送」420との切り替えを要求するパケットを送信するタイミングは、受信装置30自身が、内部のデータに基づいて判断してもよいし、受信装置30の使用者による操作に基づくものであってもよい。
また、受信装置30から送信装置20に送信されるパケットについて、送信装置20と受信装置30との間でペイロードとその意味が予め定義されているものとする。また、パケットの内容は、上記の「揺らぎ抑制伝送」410と「通常伝送」420との切り替えのためのみに特化された内容に限られず、その他の情報が含まれていてもよい。
[切り替えタイミング設定方法3:設定方法1および2の組み合わせ]
「揺らぎ抑制伝送」410と「通常伝送」420との切り替えのタイミングは、送信装置20が独自に判断して切り替える態様と、受信装置30から特定のパケットを受信したときに切り替える態様との組み合わせによって規定されてもよい。
そこで、図6〜図8を参照して、「揺らぎ抑制伝送」410と「通常伝送」420とを切り替えるタイミングを表わす他の態様について説明する。図6〜図8は、それぞれ、切り替えのタイミングが送信装置20および受信装置30のいずれによっても規定される場合における状態の遷移を表わす図である。
たとえば、送信装置20の電源がオンされた直後あるいはリセットされた直後は(イベント402)、送信装置20は、「揺らぎ抑制伝送」410の状態である。伝送モードを「揺らぎ抑制伝送」410から「通常伝送」420の状態に切り替えるタイミングは、たとえば、受信装置30によって送信された特定のパケットを送信装置20が受信したときとする(イベント512)。その後、送信装置20が「通常伝送」420の状態であるとき、送信装置20と受信装置30との通信が予め定められた時間途絶えた場合には(イベント422)、送信装置20は、その通信の遮断を検知したことをトリガとして、伝送モードを「通常伝送」420から「揺らぎ抑制伝送」410に切り替える。
図7を参照して、他の局面においては、「揺らぎ抑制伝送」410の状態に切り替わるタイミングは、送信装置20が受信装置30から特定のパケットを受信した場合であってもよい。
具体的には、送信装置20の電源がオンされた直後およびリセットされた直後は(イベント402)、送信装置20の伝送モードは「通常伝送」420の状態である。伝送モードが「揺らぎ抑制伝送」410の状態に切り替わるタイミングは、送信装置20が受信装置30から特定のパケットを受信した場合(イベント522)であってもよい。その後、「揺らぎ抑制伝送」から「通常伝送」の状態に切り替えるタイミングは、送信装置20が独自に判断し、揺らぎ伝送開始後から所定の期間経過後、または所定のパケット数送信後(イベント412)であってもよい。
図8を参照して、さらに他の局面においては、伝送モードが切り替わるタイミングは、上記の各イベントの組み合わせであってもよい。
たとえば、送信装置20の電源がオンされた直後およびリセットされた直後は(イベント402)、送信装置20は「揺らぎ抑制伝送」の状態である。この時、「通常伝送」420に切り替わるタイミングは、データ通信開始後から予め定められた時間が経過したとき、予め定められた数のパケット数を送信したとき、または、送信装置20が受信装置30から特定のパケットを受信したときのいずれか1つであってもよい(イベント812)。
その後、送信装置20が「通常伝送」420の状態から「揺らぎ抑制伝送」410の状態に切り替わるタイミングは、通信が予め定められた時間途絶えたとき、あるいは受信装置30から特定のパケットを受信したときのいずれか一つであってもよい(イベント822)。
「揺らぎ抑制伝送」410と「通常伝送」420とを切り替える条件を上記のように設定することにより、送信装置20と受信装置30との間の同期制御において、揺らぎの少ないパケット伝送時間が要求されるときのみ、送信装置20は伝送モードを「揺らぎ抑制伝送」410としてパケットデータを送信し、それ以外の期間は、データを効率的に送信することのできる「通常伝送」420でストリームデータを送信することができる。
次に、いくつかの通信媒体の特性に応じた実施の形態の一例について説明する。
[通信媒体がIEEE802.11aに従う媒体である場合]
(1)物理レートを固定化する、または、物理レートを低速に設定する
通信媒体40がIEEE802.11aに準拠した無線LANであるとする。IEEE802.11aの変調方式として、高速のデータを複数の低速データ列に分割して複数のサブキャリアを用いて並列伝送を行なうOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)が使用される。各サブキャリアの変調方式は、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAMのうちいずれか一つが使用される。伝送効率はBPSKが一番低く、64QAMが一番高い。具体的には、1シンボル時間に、BPSKならば1ビットの伝送が可能であり、64QAMならば6ビットの伝送が可能である。
さらに、OFDMは、マルチパス伝搬の影響により雑音に埋もれてしまったサブキャリアを救済するために、誤り訂正符号化と組み合わせて用いられるのが一般的である。そこで、無線変調速度のうち何割かは、誤り訂正のための単調信号に割り当てられる。たとえば、変調方式に64QAMを用いたとき、無線変調速度は72Mbpsであるが、このうち1/4を誤り訂正のために使用すれば、物理層より上の層でのデータ伝送速度は54Mbpsとなる。このときのデータ伝送速度と無線変調速度との比は3/4になっており、この比は符号化率と呼ばれる。IEEE802.11aにおいては、4つの変調方式と符号化率によって、6、9、12、18、24、36、48、54Mbpsの8種類のデータ伝送速度が定義されており、このデータ伝送速度は物理レートと呼ばれる。
次に、図9を参照して、物理レート(PHYレート)と変調方式と符号化率との関係について説明する。
一般に、1シンボルあたりで送信できるビット数が多いほど、必要とする搬送波対雑音比が高くなる。そのため、変調方式についてみると、64QAMが最もエラーが発生しやすく、BPSKが最もエラーが発生しにくいといえる。また、符号化率が低いほど、誤り訂正のために使用するビット数が多く、エラーが発生しにくいといえる。つまり、IEEE802.11aにおいては、高速な物理レートは多くのデータを伝送できるが、エラーが発生しやすく、低速な物理レートは少量のデータしか伝送できないがエラーが発生しにくいということがいえる。
そこで、通信媒体40がIEEE802.11aに従う通信システム10においては、「通常伝送」の状態では、通信状況に応じて最適なスループットが実現できるように、送信装置20は、物理レートを切り替えながら受信装置30との通信を行なう。
たとえば、送信装置20と受信装置30とが近距離に配置されている場合には、どの物理レートにおいてもエラーが発生しにくいため、高速な物理レートの使用が好ましい。逆に、送信装置20と受信装置30とが遠距離に配置されている場合には、送信装置20が高速な物理レートを使用してデータを送信しても、受信装置30がそのデータを正しく受信できず、ほとんどのデータが受信エラーになる可能性が大きい。したがって、送信装置20は低速な物理レートを使用する方が好ましい。
しかしながら、物理レートが異なれば、パケット伝送時間も大きく異なってくるため、物理レートが頻繁に切り替わるような状況では、パケット伝送時間の揺らぎを抑制するのは困難となる場合も生じ得る。
図10を参照して、物理レートごとのパケット送信時間とパケット伝送時間との相違について説明する。図10は、物理レートを6Mbps、12Mbps、18Mbps、24Mbpsと変更してパケットを送信した場合に、受信装置30が実際に測定したパケット伝送時間(パケットを受信した時点の受信時刻からパケットに含まれている送信時刻を引いた値)の変化を表わす図である。ここで、グラフの傾きは、送信装置20のシステムクロックの進み方と、受信装置30のシステムクロックの進み方とが異なるため、その周波数差に起因するものである。
図10に示されるように、物理レートが変化するタイミングで、パケット伝送時間が変化していることが理解される。たとえば、物理レートが6Mbpsから12Mbpsに変化したとき、パケット伝送時間は約300μs小さくなっている。このことから明らかなように、通信システム10において送信装置20の物理レートが頻繁に変化するような状況では、パケット伝送時間は大きく揺らぐことになる。
ここで、高速な物理レートほどパケット伝送時間が短くなるのは、同一のパケット長を伝送するのに幅広な帯域を使うほど速く伝送できるためと考えられる。パケット伝送時間は、パケット長によっても変化する。したがって、送信装置20の伝送モードが「揺らぎ抑制伝送」である期間中は、パケット長を固定しておくことが望ましい。
またIEEE802.11aに従う通信システム10では、送信装置20が送信したパケットに対して、受信装置30は応答確認(ACK)を返信できる。送信装置20は、そのACKによって受信装置30がパケットを正常に受信したかどうかを知ることができる。したがって、送信したパケットに対するACKが受信装置30によって返信されなかった場合に、あるいは、送信したパケットが受信エラーであったことを示すACKが受信装置30によって返信された場合に、送信装置20は、データが受信装置30によって正常に受信されなかったと見なして、そのACKに対応するパケットを再送することができる。通信システム10は、このような再送の仕組みを利用することにより、パケットロストを低減することができる。
しかしながら、再送するパケット内の時刻情報が更新されない場合、受信装置30が算出するパケット伝送時間は、再送に要する時間を含むことになる。その結果、このパケット伝送時間は、再送されることなく正常に受信された他のパケットの伝送時間と比較して大きく異なる値となる。パケットが再送されるか否かは、通信媒体40の状況に依存するため、送信装置20および受信装置30のいずれも再送を予測することができない。したがって、パケット伝送時間の揺らぎを抑えるためには、パケットは再送されることなく一度で送信されることが望ましい。
以上のことより、受信装置30に対して、安定したパケット伝送時間を提供するためには、一定の物理レートで、かつ、再送をなるべく発生させないような伝送方法でパケットを送信することが好ましい。たとえば、物理レートを、エラーの最も発生しにくい6Mbpsに固定してパケットを送信することによって、再送の発生も最小限に抑えられる。したがって、パケット伝送時間の揺らぎを抑制することができる。
ここで、安定したパケット伝送時間を受信装置30に提供する方法として、物理レートを最も低速な6Mbpsに固定にして送信する場合について説明したが、固定される物理レートはこの値に限られない。6Mbps以外の物理レートでも、安定したパケット伝送が可能(再送がほとんど発生しない状態)であれば、その物理レートに固定して送信する伝送方法が用いられてもよい。
(2)ストリームの符号化速度を固定化する、または、符号化速度を低く設定する
また、他の局面において、物理レートを6Mbpsに設定した場合でも受信装置30においてストリームデータに基づく映像音声の試聴を途切れることなく可能にするために、符号化部201においてストリームの符号化速度を物理レート6Mbpsで送信できるデータ量まで落とすことが望ましい。たとえば、送信装置20が「揺らぎ抑制伝送」を行なっており、物理レートが6Mbpsに固定されている期間は、伝送方法選択部204が符号化部201に3Mbpsで符号化するように指示することにより、データ量を落とすことができる。
また、受信装置30の使用者が映像を途切れることなく視聴できるようにする観点から、送信装置20は、「通常伝送」においても、ストリームの符号化速度を、物理レートに応じて適切に設定することが好ましい。
具体的には、まず、IEEE802.11系の無線LANにおいては、MAC層のアクセス制御方式としてCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)方式が採用されている。通信システム10がこのCSMA/CA方式に従う通信を行なう場合には、物理レートの約半分程度となるように、送信装置20におけるストリームの符号化速度を設定するのが好ましい。
また、送信装置20がストリームの符号化速度を低く設定することにより、通信I/F部205の内部バッファにおける待ち時間が発生しにくくなる。したがって、送信装置20は、より安定したパケット伝送時間を受信装置30に提供することができる。このように、「揺らぎ抑制伝送」期間中は、送信装置20は、ストリームの符号化速度を固定化する送信方法、または、低く設定する送信方法を使用してもよい。
(3)再送をしない、または、再送回数を制限する
また、前述のように、IEEE802.11aに準拠した無線LANにおいては、物理レート6Mbpsを使用したときに最も再送が発生にしにくい。しかしながら、物理レートが6Mbpsの場合でも再送が発生するような通信状況も考えられる。再送が発生すれば、再送に要した時間も受信装置30で測定されるパケット伝送時間に加算されるため、パケット伝送時間が安定しない可能性がある。
そこで、他の局面においては、送信装置20はパケットの再送を全く行なわないか、もしくは、パケットを再送する回数を制限するような送信方法を用いてもよい。送信装置20が再送の回数を制限することにより、再送に要した時間に起因するパケット伝送時間の揺らぎが抑制され得る。なお、この場合、パケットロストの発生頻度は増加することになるが、受信装置30によって受信されるパケットのパケット伝送時間はより安定することになる。
(4)バッファ容量を制限する
また、送信装置20がパケットを再送する場合、その再送の間にも、ストリームデータが送信装置20に入力され続ける。そのため、送信待ちのパケットが送信バッファ部203に蓄積されることになる。送信バッファ部203において送信待ちの状態となったパケットが受信装置30に受信されると、パケット伝送時間は、送信待ちの時間だけ長くなる。
ここで、パケットが送信バッファ部203に蓄積される時間は一定ではない。そこで、送信バッファ部203の待ち時間の影響を除去するために、送信バッファ部203のバッファ容量が制限されてもよい。この場合、送信装置20があるパケットを再送している間に、パケット生成部202において次のパケットが生成されたとしても、送信バッファ部203にパケットが蓄積されずに破棄される。よって、パケットロストの発生頻度が増加することになるが、受信装置30によって受信されるパケットのパケット伝送時間としてはより安定することになる。あるいは、パケットに、送信バッファ部203から出力された時点の時刻情報を含める方法をとっていれば、送信バッファ部203の待ち時間の影響を除去することは可能である。
また、バッファの待ち時間が発生する場所としては、送信バッファ部203だけでなく、通信I/F部205の内部バッファも考えられる。そこで、他の局面において、送信装置20は、通信I/F部205の内部バッファのバッファ容量を制限してもよい。パケットが通信I/F部205に一旦入力されると、パケット内の情報を書き換えることはできなくなるので、この方法はより好ましい。
(5)上位層で誤り検出や誤り訂正符号を追加する
また、パケット伝送時間の揺らぎ抑制のために、送信装置20は、各パケットに、誤り検出符号や誤り訂正符号を追加してもよい。IEEE802.11系の無線LANでは、すでに物理層において誤り訂正が行なわれているが、より上位の層で誤り検出、誤り訂正を追加することもできる。これにより、この局面に従う通信システム10において、受信装置30が物理層において誤り訂正しきれなかったパケットについても、より上位の層で誤り検出および/又は誤り訂正ができる可能性がある。
通常、物理層において誤り訂正を行なった後、MAC層においてFCS(Frame Check Sequence)による誤り検出がなされる。誤り検出されたパケットは、再送要求されるか、又は単に破棄される。上位層で誤り検出や誤り訂正を追加するようなこの方法は、MAC層において誤り検出されたパケットも上位層に通知するような仕組みが必要とされる。したがって、通信システム10がこのようなMAC制御を実行できる場合にのみ適用できる。
誤り訂正符号としては、リードソロモン符号(Reed−Solomon)符号や畳み込み符号などが考えられる。MAC層において誤り検出されたパケットであっても、上位層によって誤り訂正できる可能性がある。
あるいは、ある局面に従う送信装置20は、時刻情報などの一部のペイロードだけを対象としてチェックサムをつけて、誤り検出するようにしてもよい。パケットに含まれるその他のペイロードに誤りがあっても、時刻情報など一部のペイロードに誤りがなければ、チェックサムは、送信装置20と受信装置30との同期を取るとるためには、有用な情報となりえる。
通信システム10において、送信装置20または受信装置30は、以上のような方法をとることで、パケット伝送時間をより安定させることができる。
(6)優先度ベースのQoS制御
また、他の局面に従う通信システム10において、通信媒体40のQoS(Quality of Service)を送信装置20に設定することにより、パケット伝送時間を、さらに安定させることができる。
たとえば、IEEE802.11eのEDCA(Enhanced Distributed Channel Access)のように、通信媒体40が優先度ベースのQoS(Prioritized QoS)をサポートしている場合、送信装置20がパケットに優先度をつけることによって、安定したパケット伝送時間を受信装置30に提供することができる。
具体的には、IEEE802.11eに準拠するMACでは、4種類のアクセス・カテゴリ(AC:Access Category)がある。アクセス・カテゴリごとに、提供するサービスの品質に差を付けることによって、優先度制御が実現される。MACの内部には、各アクセス・カテゴリに対応した送信キューが存在し、フレームの送信時には、送信キューごとに独立してCSMA/CA手順が実行される。その際、各アクセス・カテゴリには、アクセス制御で使用するパラメータがアクセス・カテゴリの優先度に応じて設定されており、より優先度の高いアクセス・カテゴリのデータにはより多くの送信機会を与えることが可能となっている。
より詳しくは、IEEE802.11eでは、次の2つの方法によって優先度制御を実現している。この場合、いずれかの方法が単独で、または、両方の方法が用いられ得る。
a)バックオフ制御のパラメータを変更する態様
無線LANのアクセス制御方式であるCSMA/CA方式では、チャンネル(通信回線)がビジーである状態からアイドル(未使用)状態になったときに、複数の端末が同時にパケットを送信してパケット衝突が発生する確率を少なくさせるために、バックオフ制御が使用される。
データ送信開始時にチャンネルがビジー中であった場合に、各端末は、チャンネルがアイドル状態となってからランダムの時間だけ、送信を待機する。送信を待機する時間は、0〜CW(Contention Window、衝突回避制御期間)の範囲で一様に分布する乱数を発生させて決定する。その際、発生させる乱数の範囲をアクセス・カテゴリに応じて変化させると、アクセス・カテゴリに応じた優先度制御が実現される。優先度の高いアクセス・カテゴリほど、発生させる乱数の範囲を小さくすることで、短い待機時間でデータの送信が行なえる。
b)フレーム間隔を変更する態様
また、IEEE802.11標準には、信号を送信する前に最低限の送出信号間隔としてフレーム間隔(IFS:Inter Frame Space)が定義されている。チャンネルがビジー状態からアイドル状態に移行するときに、送信装置20は、フレーム間隔の時間だけ送信を待機し、引き続きバックオフ制御が実施される。IFS時間は固定であるが、ある局面に従う通信システム10は、キャリアセンスを効果的に行なうために、その長さを複数定義して優先度を制御することができる。
ここで、分散制御用のフレーム間隔はDIFS(Distributed IFS)で規定され、データ送信を行なう端末は、この期間以上チャンネルが未使用であることを確認して、バックオフ制御の後、フレーム送信が可能となる。
また、フレーム間隔を、アクセス・カテゴリの優先度に応じたAIFS(Arbitration IFS)とすることで、各アクセス・カテゴリに応じた優先制御を実現できる。優先度の高いアクセス・カテゴリほど、AIFSの時間は短く設定されており、これをもとにアクセス制御をすることによって、短い待機時間でデータの送信が行なえるようになっている。
図11は、データの優先度(UP:User Priority)情報から、各アクセス・カテゴリに対応づけされる様子を表わす図である。優先度情報は、具体的にはIEEE802.1DのVLAN(Virtual LAN)タグ(8段階の優先順位付け情報)や、IP(Internet Protocol)ヘッダ内のTOS(Type of Service)フィールドがある。パケットの優先度制御を行なうことで、送信装置20と受信装置30以外の通信装置が同一チャネル内に存在して、そのチャネルでの通信が混み合った場合でも、優先的に受信装置30にパケットを送信できるため、安定したパケット伝送時間を提供することができる。このように、ある局面に従う通信システム10において、送信装置20は、「揺らぎ抑制伝送」の間、パケットの優先順位を上げて送信する伝送方法を使用してもよい。
(7)パラメータベースのQoS制御
また、IEEE802.11eのHCCA(Hybrid Coordinator Function Controlled Channel Access)のように、他の局面における通信システム10において、通信媒体40が、パラメータベースのQoS制御(Parameterized QoS)をサポートする場合、送信装置20にQoSのパラメータを設定することによって、安定したパケット伝送時間を受信装置30に提供することができる。QoSのパラメータによって、帯域幅、遅延時間などが指定できる。
IEEE802.11eのHCCAでは、HC(Hybrid Coordinator)と呼ばれる装置(QoS対応のアクセス・ポイント)が、各端末に対してポーリング(順次問い合わせて送信権を与える)を行なって、各端末のチャンネルへのアクセス競合を解決する。HCCAはEDCAよりも常に優先的にチャネルアクセス権を獲得し、各データストリームの種々の伝送遅延要求を満足するきめ細かなポーリングを行なうことが可能になる。
HCが各端末に対して送信を許可するために送るポーリング・フレームには、特定の端末に対して一定時間のパケット送信権を割り当てるためのチャンネル使用期間(TXOP:Transmission Opportunity)の情報が含まれている。送信を許可された端末は、TXOPの期間は任意の数のフレームを送信することができる。当該端末は、TXOPの期間は独占してパケットを送信することができるため、通信の混雑に関わり無く、安定したパケット伝送時間が提供される。
IEEE802.11eでは、各データの性質やそれに要求される伝送条件を、TSPEC(Traffic Specification)というパラメータ群で定量的に指定することができる。
そこで、図12を参照して、代表的なTSPECのパラメータについて説明する。図12に示されるように、たとえば、パラメータとして「Mean Data Rate」(データレートの平均値)を指定することで、所望の帯域を確保することができる。
そこで、他の局面に従う通信システム10において、送信装置20は、「揺らぎ抑制伝送」の間、独占的にパケットを送信できる時間を利用してパケットを送信する伝送方法を使用してもよい。
(8)アドミッション・コントロール
また、他の局面に従う通信システム10において、通信媒体40がアドミッション・コントロール(入場規制)をサポートする場合、アドミッション・コントロールが適切に実施されることで、パケット伝送時間をより安定させることができる。
たとえば、IEEE802.11eはアドミッション・コントロールをサポートしている。上述したQoS対応のアクセス・ポイントは、各端末から送信時間割り当て要求であるTSPECを受信して、そのTSPEC要求を受け入れるか、拒否するかを判断する。この受付判断のことをアドミッション・コントロールと呼ぶ。
無線LANのCSMA/CA環境において、ネットワークが過度に混雑された状態では、多くの時間は、データを送信するためよりも、バックオフの待ち時間のために費やされる。優先度ベースのQoS制御がなされていたとしても、ネットワークが過度に混雑された状態では、所望の伝送品質は満たされなくなる。アドミッション・コントロールは、通信媒体40を競合するデータの総量を規制するため、ネットワークが過度に混雑を引き起こすことは避けられる。
QoS対応のアクセス・ポイントは、受信したTSPECの内容と、現在の状態に基づいて新しいTSPEC要求を受け入れるか、または、拒否するかを判断する。通信媒体40を競合するデータの総量が適切に管理されていれば、ネットワークが過度に混雑された状態を避けることができるため、安定したパケット伝送時間を提供することができる。
アドミッション・コントロールは、IEEE802.11eのEDCAとHCCAに適用される。このように、「揺らぎ抑制伝送」期間中は、アドミッション・コントロールに基づいた伝送方法を使用してもよい。
無線LANにおいては、アドミッション・コントロールは特に重要である。ネットワークが混雑された状況では、およそ安定したパケット伝送時間を期待することができない。そこで、仮に、通信媒体40がアドミッション・コントロールをサポートしていなければ、通信I/F部205がネットワークの混雑状況を把握して(たとえば、チャンネルのアクセス競合に負ける回数を監視する)、ネットワークの混雑具合が大きいと判断されれば、送信装置20は、「揺らぎ抑制伝送」の期間を長くするなど、設定を変更することが望ましい。
(9)パケット長を固定、または、通常のパケット長よりも短く設定する
また、他の局面において、パケット生成部202が、1つのパケット長を短くしたパケットを生成し、その生成したパケットを送信する伝送方法が使用されてもよい。パケット長を短くするには、パケット生成部202は、符号化部201から出力されたパケットを集約することなくパケットを生成すればよい。パケット生成部202がパケット長を短くすることによって、受信装置30において受信エラーが生じる可能性が少なくなるため、より安定したパケット伝送時間を提供することができる。
また、「揺らぎ抑制伝送」の期間において、送信装置20が、ストリームデータを含まず、時刻情報のみを含むパケット(これをダミーデータと呼ぶ)を送信することは、パケット長を短くすることと同等の効果をもたらす。また、パケット伝送時間はパケット長によって異なるため、送信装置20の伝送モードが「揺らぎ抑制伝送」の間は、パケット長を固定しておくことが好ましい。
(10)バックオフ時間を短く設定する
上述したように、無線LANのCSMA/CA環境においては、各端末がバックオフ制御を行なってランダムな時間待機することにより(以下、この時間を「バックオフ時間」という。)、パケットの衝突確率を低下させている。
しかし、このような環境における送信装置20がパケットを送信するたびにバックオフ時間がランダムになることは、受信装置30が算出するパケット伝送時間もそのランダムなバックオフ時間の影響を受けることになる。そのため、バックオフ時間がパケット伝送時間の揺らぎの原因となる場合もあり得る。
したがって、バックオフ時間は、可能な限り短くなることが望ましい。そこで、CWの最小値を与えるCWminをなるべく小さい値に設定することが考えられる。このような設定によって、パケットを最初に送信するときのバックオフ時間は、小さい値の範囲の乱数から決定されることになるので、バックオフ時間は、より安定することになる。このように、パケットを送信する際のバックオフ時間がなるべく短くなるような伝送方法がさらに用いられてもよい。
(11)フレーム間隔を短く設定する
さらに、無線LANにおけるCSMA/CA方式によると、チャンネルがビジー状態からアイドル状態に変化するまでの時間をDIFSまたはAIFS期間以上にわたり、チャンネルが未使用であった場合としている。この期間(フレーム間隔)を短く設定することにより、チャンネルのアクセス競合を減らすことができるため、パケット伝送時間は、安定することになる。そこで、ある局面においては、フレーム間隔を短く設定するような伝送方法が使用されてもよい。
通信媒体40がIEEE802.11aに準拠するものである場合、以上詳述したように、パケット伝送時間の揺らぎを抑制するために様々な方法が考えられる。各方法は、個別にのみ用いられるものではなく、本実施の形態に係る通信システム10は、「揺らぎ抑制伝送」の状態において、これら全ての伝送方法を同時に使用してもよい。あるいは、他の局面において、通信システム10は、いくつかの伝送方法を組み合わせて、あるいは一つの伝送方法のみを使用してもよい。
また、通信媒体検出部206は、通信媒体40の特性だけでなく、同じチャネル内に受信装置30以外の通信装置が存在するかどうかを検出し、その検出結果に応じて、伝送方法選択部204が「揺らぎ抑制伝送」における伝送方法を決定する態様であってもよい。また、さらに他の局面に従う通信システム10が送信装置20と受信装置30との間に中継装置(図時しない)を有する場合には、送信装置20と受信装置30との通信が当該中継装置を経由するか否かに応じて、送信装置20が、「揺らぎ抑制伝送」における伝送方法を決定してもよい。
(12)マルチキャスト、あるいはブロードキャストで送信する
IEEE802.11系の無線LANでは、マルチキャスト送信あるいはブロードキャスト送信が行なわれるとき、最低の物理レートが使用される。これは、以下の理由に基づくものである。すなわち、複数の端末がマルチキャスト送信された又はブロードキャスト送信されたパケットを同時に受信するため、受信側の端末は送信側にACKを返さないことになっている。そこで、複数の端末が当該パケットを確実に受信できるように、マルチキャスト送信あるいはブロードキャスト送信されるパケットは、最低の物理レートで送信される。
そこで、このような性質を利用して、本実施の形態に係る通信システム10は、マルチキャスト送信またはブロードキャスト送信を、「揺らぎ抑制伝送」における伝送方法として使用してもよい。送信装置20は、その伝送モードが「揺らぎ抑制伝送」の間、パケットをマルチキャスト送信又はブロードキャスト送信してもよい。上記の性質により、パケットは最低の物理レートで送信される。
この場合、通信媒体40に通信システム10を構成しない無関係な他の端末が存在していたとき、マルチキャスト送信された又はブロードキャスト送信されたデータは、その端末にまで送信されることになる。しかし、この局面に従う送信装置20が時刻情報のみを含むパケット(ダミーデータ)を送るようにすれば、通信媒体40上のチャンネルを占有する時間を短くすることができる。
著作権情報がストリームデータに含まれている場合でも、当該ダミーデータを「揺らぎ抑制伝送」の間だけ送信するようにすれば、通信システム10とは無関係の端末に著作権情報が含まれるデータが送信されることはない。
マルチキャスト送信あるいはブロードキャスト送信は、通信I/F部205に対する固有の制御から独立して実現できる。そのため、この方法は、送信装置20は、物理レートの設定や、再送回数を制限などの通信I/F部205に対する固有の制御方法を知らない場合でも実現できるという利点がある。したがって、送信装置20が通信媒体検出部206を有さない場合でも、上記の送信は、容易に実現できる。
なお、通信システム10において、ブロードキャスト送信するには、受信装置30のIPアドレスの下位8ビットを255に設定すればよい。ブロードキャスト送信されたデータは、受信装置30を含む、同一サブネットにあるすべての端末に送信される。
次に、「揺らぎ抑制伝送」と「通常伝送」の切り替えについて説明する。
図4に示される送信装置20が独自に判断して伝送モードを切り替える場合において、「揺らぎ抑制伝送」から「通常伝送」に切り替わる条件は、「揺らぎ抑制伝送」が開始された時から予め定められた一定時間(たとえば5秒)が経過したとき、または予め定められたパケット数(例えば2000個)が送信されときである。このような条件については、伝送方法選択部204が、「揺らぎ抑制伝送」を開始した時点からの、経過時間を測定、あるいは送信パケット数をカウントすればよい。他方、「通常伝送」から「揺らぎ抑制伝送」に切り替わる条件は、データ通信が予め定められた時間(たとえば5秒)途絶えたときである。
IEEE802.11aにおいては、受信装置30は、送信装置20が送信したパケットに対して、MAC層においてACKを返信することができる仕様となっている。そのため、送信装置20は、「通常伝送」の伝送モードにおいて送信しているストリームデータに対するACKが受信装置30によって全く返信されないときに、通信が途絶えたと判断する。そこで、この状態が予め定められた時間(たとえば5秒)経過したときに、送信装置20は、「揺らぎ抑制伝送」に切り替えればよい。
次に、図5に示したように、送信装置20が、特定のパケットを受信装置30から受信したときに切り替えるためには、受信装置30が伝送方法を切り替えることを要求するパケットを送信する必要がある。また、送信装置20は、そのパケットがどのような構成のパケットかを予め知っている必要がある。そこで、パケットの構成は、送信装置20と受信装置30との間で決めておき、その構成は送信装置20に予め登録しておくことが好ましい。そこで、以下においては、受信装置30は伝送方法の切り替えを要求するパケットを送信することができ、送信装置20はそのパケットを検出することができるものとして、説明する。
まず、送信装置20は、通信I/F部205において、受信するパケットを検査する。通信I/F部205は、伝送方法を切り替えることを要求するパケットを受信装置30から受信したことを検出した場合に、伝送方法選択部204に当該検出を通知する。その通知に応答して、伝送方法選択部204は、伝送方法を切り替える。
また、図6〜8については、上述した方法を組み合わせて実現すればよい。
[通信媒体40がIEEE802.11g/11bに準拠する場合]
さらに他の局面に従う通信システム10は、通信媒体40として、IEEE802.11g、IEEE802.11bなど他の無線LAN技術に従うものを使用してもよい。IEEE802.11gの場合、変調方式はOFDMであり、IEEE802.11aと同じである。したがって、この局面において、送信装置20は、物理レートを固定にして、受信装置30に安定したパケット伝送時間を提供することができる。
また、IEEE802.11bの場合、変調方式として、DBPSK(Differential BPSK)、DQPSK、および、DQPSK信号をCCK(Complementary Code Keying)で拡散する方式が使用可能である。これらの変調方式により、11Mbps、5.5Mbps、2Mbps、1Mbpsの4種類の物理レートが選択可能である。したがって、この場合も、送信装置20は、物理レートを固定にして、受信装置30に安定したパケット伝送時間を提供することができる。
IEEE802.11gおよびIEEE802.11bを使用した場合においても、IEEE802.11aを用いる場合において説明した、その他の「揺らぎ抑制伝送」を全て同様に実現することができる。また、「揺らぎ抑制伝送」と「通常伝送」との切り替えについても同様に実現することができる。
[通信媒体40が電力線搬送通信による場合]
さらに他の局面において、通信システム10は、通信媒体40として、電力線搬送通信(PLC:Power Line Communication)を使用してもよい。PLCにはいくつか規格があるが、以下、HomePlug(またはHomePlugAV)ついて説明する。
HomePlugの場合、「揺らぎ抑制伝送」において、送信側の装置は、ビーコンやマネージメントフレームを送信する際に、物理レートを低くして確実に送信するためROBOモードと呼ばれる伝送方法を選択することができる。そこで、この局面に従う送信装置20は、「揺らぎ抑制伝送」において、ROBOモードを使用してもよい。また、送信装置20がROBOモードを使用しない場合でも、IEEE802.11aの場合と同様に、物理レートを固定した伝送方法を用いてもよい。
HomePlugのアクセス制御方式は、無線LANと同様にCSMA/CA方式をとる。再送(ACK)によるパケット衝突の検出が行なわれる。バックオフ制御も同様に存在する。しかし、HomePlugの場合、優先度ベースのQoS実現方法が無線LANとはやや異なる。チャンネルがビジー状態からアイドル状態に変化するまでの時間をCIFS(Contention IFS)期間以上にわたり、チャンネルが未使用であった場合としている。この後、PRS(Priority Resolution Slot)と呼ばれる期間に移行する。送信データを抱えている端末は、送信しようとしているデータの優先度に応じて、PRS期間にシグナルを出力する。PRS期間中は、各端末は、自端末より高優先のデータを持つ他の端末の存在を検出することができる。その検出の結果、自端末が最も高優先のデータを有することが通信システム中の管理者(たとえばマスタ機能を有する通信制御装置)によって判定された場合にのみ、その端末は、後続のバックオフ期間に参加できる。HomePlugの優先度は4つあり、図11に示されるマッピングと同等のマッピングによって優先度が対応付けされる。
また、HomePlugAVでは、IEEE802.11eにおけるTSPECと同様に、マスタ機能を有する通信制御装置は、CSPEC(Connection Specification)と呼ばれるパラメータ群を通信システムを構成する各端末に与えて、各端末によるデータの伝送条件を指定することができる。
その他、この局面に従う通信システム10は、通信媒体40が無線LANに準拠する場合と同様に、HomePlug(またはHomePlugAV)に準拠する場合においても、パケット伝送時間の揺らぎを抑制するための各方法(上記(1)〜(12))を使用することができる。
なお、「揺らぎ抑制伝送」と「通常伝送」とを切り替える方法についても、通信媒体40としてIEEE802.11aを使用した場合と同様に、各態様を実現することができる。
[通信媒体40がイーサネット(登録商標)を用いる場合]
さらに他の局面に従う通信システム10において、通信媒体40としてイーサネット(登録商標)等の有線LANが用いられる場合、送信装置20は、「揺らぎ抑制伝送」において、パケット伝送時間の揺らぎが抑制される上記(2)(4)(5)(6)(9)(10)の各態様を使用することができる。
優先度ベースのQoS制御について、データの優先度は、IEEE802.1DのVLAN(Virtual LAN)タグ(8段階の優先順位付け情報)や、IP(Internet Protocol)ヘッダ内のTOS(Type of Service)フィールドに設定される。
また、通信媒体40の経路上に、ルータ、ブリッジ(スイッチングハブ)その他の中継装置がある場合も、優先度付きのパケットが優先的に中継されるため、優先度ベースのQoS制御は有用である。これにより、パケット伝送時間の揺らぎは抑制される。
イーサネット(登録商標)においては、CSMA/CD(Collision Detection)方式がMAC層のアクセス制御に採用されている。そこで、この局面に従う通信システム10が、通信媒体40としてイーサネット(登録商標)を使用する場合、CSMA/CAと同様にバックオフ制御が行なわれるため、送信装置20は、バックオフ時間を短く設定するような伝送方法を使用できる。
また、イーサネット(登録商標)においては、物理レートの概念は使用されない。しかし、この局面に従う送信装置20の符号化部201は、「揺らぎ抑制伝送」の状態において、ストリームデータの符号化速度を固定化する、または、低く設定することができる。
通信媒体40としてイーサネット(登録商標)を使用する通信システム10において、「揺らぎ抑制伝送」と「通常伝送」との切り替えに関し、送信装置20が、特定のパケットを受信装置30から受信したときに切り替える態様については、通信媒体40がIEEE802.11aに準拠する場合において説明した態様と同様の態様で実現できる。
送信装置20が独自に判断して切り替える場合については、図4に示される「揺らぎ抑制伝送」が開始した後から予め定められた一定時間が経過したとき、あるいは、予め定められた一定数のパケットを送信したときに行なわれるという点については、IEEE802.11aに準拠する場合における態様と同様の態様で実現できる。
しかし、イーサネット(登録商標)の通信規格では、MAC層でACKを返信する仕様が用いられない。そのため、送信装置20は、受信装置30との間のデータ通信が途絶えたことを、IEEE802.11aと同様の方法では検出できない可能性がある。TCP(Transmission Control Protocol)がトランスポート層として使用され場合には、トランスポート層におけるACKが受信装置30によって返信される。この場合、送信装置20は、通信媒体40がIEEE802.11aに準拠する場合と同様に、データ通信が途絶えたことを検出することができる。
一方、UDP(User Datagram Protocol)がトランスポート層に使用されている場合、トランスポート層におけるACKは受信装置30によって返信されない。そのため、送信装置20は、ACKによってデータ通信が途絶えたことを検出することはできない。そこで、通信媒体40がACKが返信されない通信規格に従う場合には、たとえば、送信装置20が受信装置30に対してping(Packet Internet Groper)を定期的に行なってもよい。この場合、送信装置20は、受信装置30からの返信がない状態をデータ通信が途絶えたとみなして、この状態が予め定められた時間続いたときに「通常伝送」から「揺らぎ抑制伝送」に切り替えればよい。また、この局面に従う通信システム10において、たとえば、送信装置20および受信装置30は、UDPのレイヤでping相当のプロトコルを実装して、送信装置20と受信装置30との間でコネクションの存在を確認できるようにしてもよい。
以上詳述したように、本発明の実施の形態に係る通信システム10によると、パケット伝送時間の揺らぎが抑制された伝送が提供される。ここで、IEEE802.11eのTSPECには、この目的のための直接的なパラメータ設定がないことに注意を要する。すなわち、Minimum PHY Rate(物理レートの最小値)はあっても、Maximum PHY Rate(物理レートの最大値)はない。また、Delay Bound(許容遅延時間)はあっても、Delay Jitter Bound(許容遅延時間ジッタ)はない。そこで、さらに他の局面において、QoS対応のアクセス・ポイントを拡張して、揺らぎを抑制した伝送のためのスケジューラを実現する、という方法も考えられる。
本実施の形態に係る通信システム10においては、受信装置30が内部に有するシステムクロックを送信装置20が有するシステムクロックに同期させるために、パケット伝送時間の揺らぎを抑制する方法について述べている。受信装置30は、当該同期をとるために、その他の公知の技術を使用してもよい。また、パケット伝送時間の情報の使用は、受信装置30によるシステムクロックの同期を取るためだけに限られない。受信装置30は、当該パケット伝送時間の情報を他の目的のために使用することもできる。
なお、本実施の形態に係る送信装置20は、図2に示される構成によってのみ実現されるものではない。すなわち、各処理を実行するための回路の組み合わせのように、ハードウェアの動作のみによって実現されるものではない。他の局面においては、命令を与えるプログラムおよびデータを格納するメモリと、当該データに基づいてプログラムを実行するプロセッサとを備えるコンピュータシステムによっても送信装置20を実現することができる。また、受信装置30についても同様である。
そこで、図13を参照して、本実施の形態に係る送信装置20または受信装置30の具体的構成の他の態様について説明する。図13は、送信装置20または受信装置30として機能するコンピュータシステム1300のハードウェア構成を表わすブロック図である。
コンピュータシステム1300は、主たる構成として、プログラムを実行するCPU1310と、コンピュータシステム1300の使用者による指示の入力を受けるマウス1320およびキーボード1330と、CPU1310によるプログラムの実行により生成されたデータ、又はマウス1320若しくはキーボード1330を介して入力されたデータを揮発的に格納するRAM1340と、データを不揮発的に格納するハードディスク1350と、光ディスク駆動装置1360と、モニタ1380と、通信I/F(Interface)1390とを含む。各ハードウェアは、相互にデータバスによって接続されている。光ディスク駆動装置1360には、CD−ROM1362が装着される。
コンピュータシステム1300における処理は、各ハードウェアおよびCPU1310により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、ハードディスク1350に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、CD−ROM1362その他の記録媒体に格納されて、プログラム製品として流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラム製品として提供される場合もある。このようなソフトウェアは、光ディスク駆動装置1360その他の読取装置によりその記録媒体から読み取られて、あるいは、通信I/F1390を介してダウンロードされた後、ハードディスク1350に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU1310によってハードディスク1350から読み出され、RAM1340に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU1310は、そのプログラムを実行する。
図13に示されるコンピュータシステム1300を構成する各ハードウェアは、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、RAM1340、ハードディスク1350、CD−ROM1362その他の記録媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。なお、コンピュータシステム1300の各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
なお、記録媒体としては、CD−ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスクに限られず、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを含む)、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。
また、ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 通信システム、20 送信装置、30 受信装置、40 通信媒体、1362 CD−ROM。

Claims (14)

  1. ネットワークに接続された受信装置と通信する通信装置であって、
    前記受信装置は、パケット伝送時間の時間的推移を検出して前記通信装置との間でシステムクロックとの同期を行なうように構成され、
    前記通信装置による標準的な伝送モードとして予め規定された第1の伝送モードと、前記第1の伝送モードによるパケット伝送時間よりもパケット伝送時間の揺らぎが抑えられた第2の伝送モードとを含み、
    前記第2の伝送モードは、
    パケットの再送発生を抑えた伝送手段、
    前記通信装置に滞留しているパケットを廃棄する伝送手段、および、
    通信品質を確保してパケットを伝送する伝送手段、の少なくともいずれか1つ以上の伝送手段を用いたものであり、
    前記通信装置は、
    パケットを格納する送信バッファ部と、
    データ通信を開始してから所定の時間経過したか否か、所定のパケット数を送信したか否か、あるいは、前記受信装置からの特定パケットを受信したか否かの少なくとも1つを判定する判定部と、
    データ通信を開始した直後は前記第2の伝送モードで、前記判定部による判定がなされた以降は前記第1の伝送モードで、前記送信バッファ部に格納されたパケットを前記受信装置に送信する送信部とを備える、通信装置。
  2. 前記第2の伝送モードのうちのパケットの再送発生を抑えた伝送手段においては、前記送信部は、符号化率および変調方式を固定してパケットを伝送する、請求項1に記載の通信装置。
  3. ストリームデータを符号化するように構成された符号化部をさらに備え、
    前記第2の伝送モードのうちのパケットの再送発生を抑えた伝送手段においては、前記送信部は、前記符号化部の符号化レートを制限して符号化する、請求項1に記載の通信装置。
  4. 前記第2の伝送モードのうちの前記通信装置に滞留しているパケットを廃棄する伝送手段においては、前記送信部は、パケット再送回数の最大値を制限してパケットを伝送する
    、請求項1に記載の通信装置。
  5. 前記第2の伝送モードのうちの前記通信装置に滞留しているパケットを廃棄する伝送手段においては、前記送信部は、前記送信バッファ部が保持するパケット数の最大値を制限してパケットを伝送する、請求項1に記載の通信装置。
  6. 前記第2の伝送モードのうちの通信品質を確保してパケットを伝送する伝送手段においては、前記送信部は、標準的な優先度であるベストエフォートより優先してパケットを伝送する、請求項1に記載の通信装置。
  7. 前記第2の伝送モードのうちの通信品質を確保してパケットを伝送する伝送手段においては、前記送信部は、通信帯域を確保して、前記通信帯域内でパケットを伝送する、請求項1に記載の通信装置。
  8. 前記第2の伝送モードのうちの通信品質を確保してパケットを伝送する伝送手段においては、前記送信部は、トラフィックの伝送品質を規定するパラメータを指定し、前記伝送品質を満たした伝送方法でパケットを伝送する、請求項1に記載の通信装置。
  9. 前記第2の伝送モードのうちの通信品質を確保して伝送する伝送手段においては、前記送信部は、アドミッション・コントロールを指定してパケットを伝送する、請求項1に記載の通信装置。
  10. 前記第2の伝送モードのうちのパケットの再送発生を抑えた伝送手段においては、前記送信部は、パケット長を固定化してパケットを伝送する、請求項1に記載の通信装置。
  11. 前記第2の伝送モードのうちの通信品質を確保してパケットを伝送する伝送手段においては、前記送信部は、キャリアの空きを検出してから送信するまでの待ち時間であるバックオフ時間の最大値を制限してパケットを伝送する、請求項1に記載の通信装置。
  12. 前記第2の伝送モードのうちの通信品質を確保してパケットを伝送する伝送手段においては、前記送信部は、キャリアの空きを検出してから信号を送信するまでの最低限の送出信号間隔であるフレーム間隔を短くして伝送する、請求項1に記載の通信装置。
  13. 前記第2の伝送モードのうちのパケットの再送発生を抑えた伝送手段においては、前記送信部は、マルチキャスト送信またはブロードキャスト送信により前記パケットを前記ネットワークに送信する、請求項1に記載の通信装置。
  14. ネットワークに接続された受信装置と通信する通信装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記受信装置は、パケット伝送時間の時間的推移を検出して前記通信装置との間でシステムクロックとの同期を行なうように構成され、前記コンピュータは、前記プログラムを実行するプロセッサと、メモリとを備えており、前記受信装置との間で複数の伝送モードで通信を実現し、前記複数の伝送モードは、標準的な送信モードとして予め規定された第1の伝送モードと、前記第1の伝送モードによるパケット伝送時間よりもパケット伝送時間の揺らぎが抑えられた第2の伝送モードとを含み、
    前記第2の伝送モードは、
    パケットの再送発生を抑えた伝送手段、
    前記通信装置に滞留しているパケットを廃棄する伝送手段、および、
    通信品質を確保してパケットを伝送する伝送手段、の少なくともいずれか1つ以上の伝送手段を用いたものであり、
    前記プログラムは前記コンピュータに、
    データ通信を開始してから所定の時間経過したか否か、所定のパケット数を送信したか
    否か、あるいは、前記受信装置からの特定パケットを受信したか否かの少なくとも1つを判定するステップと、
    データ通信を開始した直後は前記第2の伝送モードで、前記判定するステップにおける判定がなされた以降は前記第1の伝送モードで、前記メモリに一時的に保持されているパケットを前記受信装置に送信するステップとを実行させる、プログラム。
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