JP2002218458A - 映像再生装置 - Google Patents

映像再生装置

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JP2002218458A
JP2002218458A JP2001005417A JP2001005417A JP2002218458A JP 2002218458 A JP2002218458 A JP 2002218458A JP 2001005417 A JP2001005417 A JP 2001005417A JP 2001005417 A JP2001005417 A JP 2001005417A JP 2002218458 A JP2002218458 A JP 2002218458A
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mpeg
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JP2001005417A
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Kensuke Marutani
健介 丸谷
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】帯域の変動するネットワークより伝送されたM
PEG映像を汎用のMPEG復号器を用いて、低遅延に
て滑らかに再生する 【解決手段】ネットワーク等からの伝送信号は、映像受
信部1でMPEGデータストリームに変換され、MPE
Gデータ変換部2に送られる。MPEGデータ変換部2
は、入力されるMPEGデータストリームの、シーケン
スヘッダの書き換え、ピクチャデータ間への補填データ
の挿入、ピクチャデータの挿入/削除、ピクチャデータ
の置換等を行い、変換したMPEGデータストリームを
MPEG復号部3に送る。そして、MPEG復号部3
は、入力されたMPEGデータストリームを復号し、復
号映像信号を図示しないディスプレイモニタ等に出力す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネットワーク等の
伝送路を介して受信した映像を再生する映像再生装置に
係り、特に、インターネットのような帯域の変動するネ
ットワークより伝送されたMPEG映像データを低遅延
にて滑らかに再生可能な映像再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】MPEGに代表される映像圧縮技術の進
歩とネットワーク帯域の増加により、インターネット上
での映像配信サービスや映像コミュニケーションサービ
スへの要望が高まっている。
【0003】図17は、ネットワークを介して伝送され
るMPEGデータを再生する映像再生装置の基本構成を
示す。図17において、映像受信部1000は、ネット
ワーク等からの伝送信号を受信し、図18に示されるよ
うなMPEGデータストリームに変換し、MPEG復号
部2000に送る。MPEG復号部2000は、入力さ
れるMPEGデータストリームを復号する汎用のMPE
G復号器からなり、復号した映像信号を、図示しないデ
ィスプレイモニタ等に出力する。
【0004】MPEG規格では、映像データを符号化す
る際に、周波数変換を行い視覚的に影響の少ない高周波
成分を粗く量子化したり、時間的に連続する前後の画像
の相関を利用し、前後の画像と同じデータを省略するこ
とにより圧縮符号化を行う。そして、このようなMPE
Gデータを復号化するMPEG復号器は、符号化時に決
められた速度で映像データが入力されることで、映像を
滑らかに再生するように定められている。
【0005】一方、インターネットのように広域に広が
るネットワークでは、データの転送経路が時刻により変
化し、また、他の利用者のデータ送受信との干渉により
転送レートが一定とはならずに刻々と変化するため、こ
のようなネットワークを経由して供給されるMPEGデ
ータは、データの供給速度が一定ではない。
【0006】したがって、インターネット等のネットワ
ークを介してデータが供給される場合、MPEG復号器
は、データが一時的に大量に供給されると内部のバッフ
ァがオーバーフロー状態となり、また、データが一時的
に供給されないと内部バッファに必要なデータがなくな
ってしまうアンダーフロー状態となり、映像を正しく再
生することができない。
【0007】この点をさらに詳細に説明する。汎用のM
PEG復号器は、一定量の内部バッファを有しており、
バッファより1ピクチャ単位でデータを読み出して、復
号処理を行う。このバッファ容量は、入力されるMPE
Gデータのシーケンスヘッダコード中のVBVバッファ
サイズコードやビットレートコードにより復号処理開始
時に決定される。また、復号器はバッファ中のデータが
なくなってしまうバッファアンダーフロー状態を防ぐた
めに、ある程度のデータがバッファに入力された時点で
復号処理を開始する。
【0008】図19は、MPEG復号部2000として
利用される汎用のMPEG復号器に一定の速度でデータ
が入力される場合の、内部バッファのバッファ蓄積量の
時間による推移を模式的に示す図である。データが一定
の速度で入力されるため、バッファ量は、時間の増加と
ともに一定の傾きで増加する。そして、バッファ量が増
加し、復号開始バッファ量を超えると復号処理が開始さ
れ、1ピクチャ分のデータがバッファより瞬時に取り除
かれる。復号処理は映像データのシーケンスヘッダコー
ド中に含まれるピクチャレートコードに示される周期で
定期的に行われる。復号開始後もデータの入力は継続さ
れるため、バッファ量は再び一定の傾きで増加すため、
バッファ量の推移は図19に示すように、一定速度で増
加した後、瞬時に減少するという動作を繰り返す。
【0009】バッファ量を決定するVBVバッファサイ
ズコードやビットレートコード及び復号周期を決定する
ピクチャレートコードは符号化時に適切な値に設定され
るため、データが一定の割合で入力される環境では、バ
ッファからデータが溢れるバッファオーバーフロー状態
や、バッファからデータがなくなるバッファアンダーフ
ロー状態になることはなく、映像が滑らかに再生され
る。
【0010】しかし、インターネットのように帯域が時
間の経過に従い変化するネットワークを経由して、デー
タがMPEG復号部に入力される場合、バッファにデー
タが入力される速さが一定ではないため、区間によって
異なる傾きでバッファ量は増加する。図20は、データ
入力速度が時間によって変化する場合のバッファ量の推
移を模式的に示す図である。図20は、送信側では一定
の速度でデータを送信するが、途中でネットワークの帯
域が一時的に減少し、その後、回復した場合の例を示し
ている。
【0011】A区間では、帯域がデータ送信に十分であ
るため、送信した速度でデータが入力され、ピクチャレ
ートコードに示される周期で正常に復号される。しか
し、帯域が送信速度を下回るB区間になると、データの
入力が遅れ、入力速度が帯域に合わせて低下する。デー
タ入力が遅れている状態で、復号処理が行われると、図
20に示すように、復号のために必要なデータをバッフ
ァから取り出すことができないバッファアンダーフロー
状態が発生する。したがって、時点aでは、復号に失敗
する。
【0012】その後、C区間にて帯域が回復すると、入
力が遅れていたデータと新たに送信されたデータが同時
に入力するため、バッファへのデータの入力速度はA区
間の速度より増加する。バッファは、一定の速度でデー
タが入力されることを想定して容量が設定されているた
め、速い速度でデータが入力する状態が続くと、バッフ
ァからデータが溢れてしまうバッファオーバーフロー状
態となり、書き込めないデータが消失してしまう。した
がって、時点cでは復号できるものの、時点dでは、復
号に必要なデータが消失しているため、復号に失敗す
る。このように帯域が変化するネットワーク経由では、
バッファのアンダーフローやオーバーフローが発生し、
復号処理が一時中断されるため、映像が滑らかに再生で
きない。
【0013】このような問題を解決する方法として、帯
域の変動を吸収するのに十分な大きさの別のバッファを
MPEG復号部の前に設ける方法がある。図21の映像
再生装置は、映像受信部で受信されたMPEG映像デー
タを一旦バッファ部3000に蓄積し、バッファ部30
00に十分なデータが蓄えられた段階で、MPEG復号
部2000がバッファ部3000よりデータを取り出し
て再生する。このような装置では、帯域の変動により一
時的にデータが入力しない場合でも、バッファ上に十分
にデータが蓄えられているため、途切れることなく映像
を再生できる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図21に示す
映像再生装置は、外部に専用のハードウェアを必要と
し、必ずしも使い勝手がよくない。また、バッファに十
分にデータが蓄積されてから再生が開始されるため、映
像が表示されるまでの遅延時間が大きくなってしまう。
したがって、テレビ会議に代表されるような映像による
コミュニケーションを行う場合には、円滑なコミュニケ
ーションを実現することはできない。
【0015】本発明は、インターネットのような帯域の
変動するネットワークより伝送されたMPEG映像を汎
用のMPEG復号器を用いて、低遅延にて滑らかに再生
することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の伝送路を介して
受信した映像を再生する映像再生装置は、前記伝送路か
らの伝送信号を入力し、MPEGデータを出力する映像
受信部と、前記映像受信部が出力するMPEGデータの
データストリームを変換するMPEGデータ変換部と、
前記MPEGデータ変換部でデータストリームが変換さ
れたMPEGデータの復号を行うMPEG復号部とを備
えるものである。
【0017】前記MPEGデータ変換部は、MPEGデ
ータのシーケンスヘッダのコード値の内、MPEG復号
部のバッファサイズに関するコード値を、前記バッファ
サイズが増加する値に変更するものである。これによ
り、MPEG復号部が使用するバッファ容量が増加し、
ネットワーク帯域の変動によりデータの入力が遅れた
り、遅れたデータが後から入力した場合にも、バッファ
アンダーフローやオーバーフローが発生せずに、滑らか
に映像を再生することができる。
【0018】前記MPEGデータ変換部は、さらに、M
PEGデータのピクチャデータ間に、復号時には無視さ
れる補填データを挿入するものである。そして、前記挿
入される補填データの挿入量は、前記シーケンスヘッダ
のコード値に基づいて定められるものである。
【0019】また、前記MPEGデータ変換部は、入力
された最新のピクチャデータを蓄積しておき、続くピク
チャデータの入力が遅れた場合に前記蓄積したピクチャ
データを挿入するとともに、すでに挿入した分のピクチ
ャデータが入力した場合に該当ピクチャデータを削除す
るものである。これにより、ネットワーク帯域の変動に
よりデータの入力が遅れた場合には、古いデータを供給
し、データが後から入力した場合にはピクチャ単位で削
除することで、MPEG復号部に供給されるデータレー
トが一定になり、MPEG復号部において滑らかに映像
を再生できる。
【0020】また、前記MPEGデータ変換部は、ピク
チャデータの入力が遅れた場合に動きベクトル及び差分
が0の予測ピクチャであるスキップピクチャを作成して
挿入するとともに、すでに挿入した分のピクチャデータ
が入力した場合に該当ピクチャデータを削除するもので
ある。これにより、ネットワーク帯域の変動によりデー
タの入力が遅れた場合でも、MPEG復号部に供給され
るデータレートが一定になり、MPEG復号部において
滑らかに映像を再生できる。
【0021】また、前記MPEGデータ変換部は、MP
EGデータのシーケンスヘッダのコード値の内、単位時
間当たりのデータ量に関するコード値を前記データ量が
減少する値に変更するとともに、MPEGデータのピク
チャデータの一部を動きベクトル及び差分が0の予測ピ
クチャであるスキップピクチャに置換するものである。
これにより、MPEG映像のヘッダ情報のデータレート
情報を小さい値に書き換え、受信したデータの一部をス
キップピクチャと置き換えることで、データ量を一定に
し、MPEG復号部において滑らかに映像を再生でき
る。
【0022】また、前記MPEGデータ変換部は、MP
EGデータのピクチャデータの一部を動きベクトル及び
差分が0の予測ピクチャであるスキップピクチャに置換
するとともに、MPEGデータのピクチャ間に、復号時
には無視される補填データを挿入するものである。これ
により、ネットワーク帯域の変動によりデータの入力が
遅れたり、遅れたデータが後から入力した場合にも、映
像の動きに揺らぎがなくなり、滑らかな映像が再生でき
る。
【0023】また、ピクチャデータの一部をスキップピ
クチャに置換するに際して、一定の割合で、又は揺らい
で入力されるピクチャを優先的に置換するものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1から図16を用いて説明する。なお、本発明は
これら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その
要旨を逸脱しない範囲において、種々の態様で実施し得
る。
【0025】図1は、本発明の映像再生装置の基本構成
を示す図である。図1の映像再生装置は、映像受信部
1、MPEGデータ変換部2、MPEG復号部3を含
む。映像受信部1及びMPEG復号部2は、図17の映
像受信部1000及びMPEG復号部2000と同様の
機能を有するものである。MPEGデータ変換部2は、
入力したMPEGデータのデータストリームを変換する
ものであり、変換プログラムを実行するプロセッサを主
体に構成される。このプロセッサは、専用のものでもよ
いし、映像受信部1、MPEG復号部3等他の要素と兼
用するものでもよい。
【0026】ネットワーク等からの伝送信号は、映像受
信部1でMPEGデータストリームに変換され、MPE
Gデータ変換部2に送られる。MPEGデータ変換部2
は、入力されるMPEGデータストリームの、シーケン
スヘッダの書き換え、ピクチャデータ間への補填データ
の挿入、ピクチャデータの挿入/削除、ピクチャデータ
の置換等を行い、変換したMPEGデータストリームを
MPEG復号部3に送る。そして、MPEG復号部3
は、入力されたMPEGデータストリームを復号し、復
号映像信号を図示しないディスプレイモニタ等に出力す
る。
【0027】(第1の実施の形態)第1の実施の形態を
図2から図6を用いて説明する。第1の実施の形態は、
MPEGデータのシーケンスヘッダのコード値の内、M
PEG復号部のバッファサイズに関するコード値を、バ
ッファサイズが増加する値に変更し、変更したデータを
MPEG復号部に入力するものである。
【0028】図2は、MPEGデータ変換部3の一構成
例であり、ヘッダ書換え処理部31と補填データ挿入処
理部32を含む。ヘッダ書換え処理部31は、図3に示
されるようなMPEGデータストリームのシーケンスヘ
ッダの内のビットレートコード301及びVBVバッフ
ァサイズコード302を、バッファサイズが増加する値
に変更するものである。
【0029】補填データ挿入処理部32は、入力した映
像データのピクチャ間に補填データを挿入するものであ
り、映像データの単位時間当たりのデータ量と、ヘッダ
書換え処理部31が書き換えたビットレートコード値
が、同じ値となるようにMPEGデータのピクチャ間
に、復号時には無視される補填データ(MPEG規格で
は、0xFFコードは復号時に無視される。)を挿入す
る。補填データの挿入量は、書き換えられたビットレー
トコード値と入力されるピクチャデータ量に基づいて定
められる。図4は、補填データが挿入されたMPEGデ
ータストリームの一例であり、ピクチャデータ1の後に
補填データ401が、ピクチャデータ2の後に補填デー
タ402が挿入されている。なお、補填データ挿入部3
2は、必ずしも必要なものではなく、再生時の遅延が余
り問題にならない場合は省略することができる。
【0030】以上のようにMPEGデータストリームが
書き換えられるので、MPEG復号部2は、書き換え前
のコードを受け取った場合に比較して、大きなサイズの
バッファを使用して復号処理を行う。この場合のバッフ
ァ量の時間による推移を図5及び図6に模式的に示す。
図5は、補填データを挿入しない場合であり、図6は、
補填データを挿入する場合である。バッファサイズが大
きくなっているため、図5のM区間のようにネットワー
ク帯域が減少してもバッファアンダーフローが発生せ
ず、また、N区間のようにネットワーク帯域が増加して
もバッファオーバーフローが発生しない。
【0031】しかし、復号開始バッファ量までデータが
蓄えられるまでに掛かる時間が長くなるため、再生開始
までの時間が掛かることになり、受信してから映像が再
生されるまでの遅延時間が長くなる。補填データを挿入
することによりこのような問題を解決できることについ
て、図6を用いて説明する。
【0032】図6において、MPEG復号装置2のバッ
ファに蓄積される量を実線で示し、映像受信部が受信し
たデータを破線で示す。補填データを挿入しない場合、
破線に示すようにバッファ蓄積量が増加するため、時点
nで復号開始バッファ量に達し、復号を開始する。しか
し、補填データを挿入すると、単位時間当たりに入力さ
れるデータ量が増加するため、時点mで復号開始バッフ
ァ量に到達する。したがって、受信から再生までの遅延
時間も減少することになる。なお、補填データとして挿
入されるコードは、MPEG規格では、復号時に無視さ
れるため、再生時にノイズが載るようなことはなく、滑
らかに映像が再生される。
【0033】このように、第1の実施の形態の映像再生
装置は、受信したMPEGデータのVBVバッファサイ
ズコード及びビットレートコードを、バッファサイズを
増加する値に書き換えることで、バッファのアンダーフ
ローやオーバーフローを抑制することができる。また、
補填データを挿入して1ピクチャのデータ量を増加する
ことにより、バッファにデータが蓄積されるまでの遅延
時間を短くし、ネットワーク経由においても、低遅延で
滑らかなMPEG映像再生を行うことができ、その実用
的効果は大きい。
【0034】(第2の実施の形態)第2の実施の形態を
図7から図10を用いて説明する。第2の実施の形態
は、ピクチャデータの入力が遅れた場合に別のピクチャ
データを挿入するとともに、すでに挿入した分のピクチ
ャデータが入力した場合に該当ピクチャデータを削除
し、そのようにして変更したデータをMPEG復号部に
入力するものである。挿入するピクチャデータとして
は、入力された最新のピクチャデータを蓄積しておき、
それを利用してよいし、蓄積したデータに基づき動きベ
クトル及び差分が0の予測ピクチャであるスキップピク
チャを作成してもよい。
【0035】図7は、MPEGデータ変換部3の他の構
成例であり、ピクチャデータ蓄積処理部41とピクチャ
挿入/削除処理部42を含む。ピクチャデータ蓄積処理
部41は、入力された最新のピクチャデータを蓄積する
ものであり、ピクチャ挿入/削除処理部42は、ピクチ
ャデータの入力が遅れた場合に別のピクチャデータを挿
入して出力するものである。
【0036】図8は、図7のMPEGデータ変換部が出
力するピクチャデータの推移を示すものである。図8
(A)のように、ネットワークの帯域が一定でピクチャデ
ータがほぼ等間隔で入力される場合は、そのまま、MP
EG復号部2に出力する。図8(B)のように、ネットワ
ークの帯域が一時的に減少した場合には、第1ピクチャ
が入力してから第2ピクチャが入力するまでの間隔が長
く、その後、第2、3ピクチャは短い間隔で入力し、第
4ピクチャ以降はもとの間隔に戻る。この場合、別のピ
クチャデータを出力しないと、第2ピクチャを処理する
時刻に、該当するデータが入力していないため、第2ピ
クチャは処理されず、その後、続いて入力されるので、
MPEG復号部においてバッファアンダーフロー状態が
発生する。
【0037】図7のMPEGデータ変換部は、ピクチャ
データ蓄積処理部41が入力された最新のピクチャデー
タを蓄積しており、上記のように所定の時間になっても
ピクチャデータが入力しない場合、ピクチャ挿入/削除
処理部42は、蓄積してあるピクチャデータを出力す
る。その際、図9に示すように、蓄積してあるピクチャ
データのヘッダ情報の内、ピクチャの再生順序や参照関
係に関わるコードを、次に入力するであろうデータのコ
ードへ書き換えた後、MPEG復号部へ供給する。これ
により、図8(C)に示すように、第2ピクチャに換えて
第1ピクチャのヘッダを変更したピクチャデータがMP
EG復号部2に出力される。
【0038】ピクチャ挿入/削除処理部42は、挿入し
たピクチャ数を記憶しており、その後に供給されるピク
チャのヘッダ情報の内、ピクチャの再生順序や参照関係
に関わるコードを書き換えながら、データを出力する。
図8の例では、第1ピクチャのコピーであるピクチャ
1’を出力後、第3ピクチャの出力時刻までに第2ピク
チャ2が入力しているため、同様に第2ピクチャのコピ
ーであるピクチャ2’が出力される。第4ピクチャの再
生時刻には、第3ピクチャ及び第4ピクチャが入力して
いるので、すでに出力済の第3ピクチャを削除し、第4
ピクチャをそのまま出力する。
【0039】したがって、MPEG復号部2は、復号す
べきタイミング〜にピクチャデータが入力されてい
るため、復号に失敗することはなく、また、すでに出力
済のピクチャデータは削除されるため、バッファオーバ
ーフロー状態になることも防止できる。
【0040】以上の説明では、ピクチャ挿入/削除処理
部42が挿入するピクチャデータとして、ピクチャデー
タ蓄積処理部41が蓄積した最新のピクチャデータを挿
入するものとしたが、動きベクトル値及び差分が0であ
る前方参照モードの予測ピクチャであるスキップピクチ
ャを作成し、挿入してもよい。図10に、予測ピクチャ
を挿入したMPEGストリームの例を示す。
【0041】なお、スキップピクチャを挿入する場合
に、復号時には無視される補填データを付加してデータ
量を1ピクチャ分の大きさに増加させたデータとしても
よく、この場合には、動きベクトル値及び差分が0であ
るピクチャのMPEG復号部における復号処理負荷が通
常のピクチャの復号処理負荷に比較して小さいため、装
置全体の負荷低減を実現することができる。
【0042】このように、第2の実施の形態の映像再生
装置は、入力したデータが不足する場合には、直前のデ
ータあるいはスキップピクチャを挿入し、入力したデー
タが多い場合には、余分なピクチャを削除することによ
り、MPEG復号部でバッファのアンダーフローやオー
バーフローが発生せずに、滑らかに映像を再生すること
ができ、その実用的効果は大きい。
【0043】(第3の実施の形態)第2の実施の形態の
映像再生装置では、バッファのアンダーフロー及びオー
バーフローが抑制できるが、図8(C)に示すように、ピ
クチャは1→1→2→4→5の順番で再生される。この
ような順序で再生すると、例えば、物体が動いているよ
うな映像の場合には、初めは止まっており、その後、高
速に移動するとように揺らいだ映像となってしまう。第
3の実施の形態は、このような不具合を解決するもので
ある。
【0044】第3の実施の形態を図11から図14を用
いて説明する。第3の実施の形態は、MPEGデータの
シーケンスヘッダのコード値の内、単位時間当たりのデ
ータ量に関するコード値を前記データ量が減少する値に
変更するとともに、MPEGデータのピクチャデータの
一部を動きベクトル及び差分が0の予測ピクチャである
スキップピクチャに置換し、そのようにして変更したデ
ータをMPEG復号部に入力するものである。
【0045】図11は、MPEGデータ変換部3のさら
に別の構成例であり、ヘッダ書換え処理部51とピクチ
ャ置換処理部52を含む。ヘッダ書換え処理部51は、
MPEGデータのシーケンスヘッダのコード値の内、単
位時間当たりのデータ量に関するコード値を前記データ
量が減少する値に変更するものであり、ピクチャ置換処
理部52は、MPEGデータのピクチャデータの一部を
動きベクトル及び差分が0の予測ピクチャであるスキッ
プピクチャに置換するものである。置換に際しては、入
力されるピクチャを一定の割合でスキップピクチャに置
換する。また、その際、揺らいで入力されるピクチャを
優先的にスキップピクチャに置換してもよい。
【0046】図12は、図11のMPEGデータ変換部
に入力されるピクチャデータ及び出力するピクチャデー
タの推移を示すものである。図12(A)のように、ネッ
トワークの帯域が一定でピクチャデータがほぼ等間隔で
入力される場合は、そのまま、MPEG復号部2に出力
しても問題はないが、図12(B)のように、ネットワー
クの帯域が一時的に減少した場合には、第1ピクチャが
入力してから第2ピクチャが入力するまでの間隔が長
く、その後、第2、3ピクチャは短い間隔で入力し、第
4ピクチャ以降はもとの間隔に戻って入力され、そのま
ま、MPEG復号部2に出力するとバッファのアンダー
フロー又はオーバフローが生じる。
【0047】図11のMPEGデータ変換部は、ピクチ
ャ置換処理部52によって、入力されたピクチャデータ
の一部(例えば一定の割合のピクチャ)を動きベクトル
及び差分が0の予測ピクチャであるスキップピクチャに
置換するので、入力が図12(A)の場合でも図12(B)
の場合でも、図12(C)のようなデータストリームに変
換する。なお、図12(C)おける「S」は、動きベクト
ル値及び差分が0の予測ピクチャであるスキップピクチ
ャである。
【0048】このように、一定の割合のピクチャをスキ
ップピクチャで置換すると、ネットワーク帯域の変動に
よりデータが遅れている場合でも、MPEG復号部2で
滑らかな映像を再生ことができる。スキップピクチャで
置換すると、平均データ量が減少するので、ヘッダ書換
え処理部51は、それに合わせて、MPEGデータのシ
ーケンスヘッダのビットレートコード及びVBVバッフ
ァサイズコードを変更する。図13に、スキップピクチ
ャで置換したMPEGストリームの例を示す。
【0049】また、ピクチャ置換処理部52は、入力ピ
クチャをスキップピクチャに置換するに際して、図12
(B)に示すような入力の場合、一時的に揺らいでいる第
2及び第3ピクチャを置換するように制御すると、より
滑らかな映像を再生できる。図14に、揺らぎを考慮し
て置換ピクチャを選択する場合のMPEGストリームの
例を示す。
【0050】このように第3の実施の形態では、入力す
るピクチャデータの一部、特に揺らいでいるピクチャデ
ータを選別してスキップピクチャに置き換えることによ
り、再生時の揺らぎがなく、低処理負荷で映像を再生す
ることが可能となり、実用的効果は大きい。
【0051】(第4の実施の形態)第4の実施の形態
は、第3の実施の形態と同様、第2の実施の形態の不具
合を解消するもので、MPEGデータのピクチャデータ
の一部を動きベクトル及び差分が0の予測ピクチャであ
るスキップピクチャに置換するとともに、MPEGデー
タのピクチャ間に、復号時には無視される補填データを
挿入し、そのようにして変更したデータをMPEG復号
部に入力するものである。
【0052】図15は、MPEGデータ変換部3のさら
に別の構成例であり、ピクチャ置換処理部61と補填デ
ータ挿入処理部62を含む。ピクチャ置換処理部61
は、図11のピクチャ置換処理部52と同様、MPEG
データのピクチャデータの一部を動きベクトル及び差分
が0の予測ピクチャであるスキップピクチャに置換する
ものである。置換に際しては、入力されるピクチャを一
定の割合でスキップピクチャに置換する。また、その
際、揺らいで入力されるピクチャを優先的にスキップピ
クチャに置換してもよい。補填データ挿入処理部62
は、図2の補填データ挿入処理部32と同様、MPEG
データのピクチャ間に、復号時には無視される補填デー
タを挿入するものであり、映像データの単位時間当たり
のデータ量とシーケンスヘッダのビットレートコード値
が、同じ値となるようにMPEGデータのピクチャ間
に、復号時には無視される補填データ(MPEG規格で
は、0xFFコードは復号時に無視される。)を挿入す
る。
【0053】図15のMPEGデータ変換部に入力され
るピクチャデータ及び出力するピクチャデータの推移、
置換ピクチャの選択については、第3の実施の形態と同
様であるので説明を省略する。出力されるMPEGスト
リームについても、ビットレートコード及びVBVバッ
ファサイズコードの変更がない点及び予測ピクチャの後
に補填データが挿入される点を除けば、第3の実施の形
態と同様である。図16に、一定の割合で置換したMP
EGストリームの例を示す。
【0054】このように第4の実施の形態でも、第3の
実施の形態と同様、入力するピクチャデータの一部、特
に揺らいでいるピクチャデータを選別してスキップピク
チャに置き換えることにより、再生時の揺らぎがなく、
低処理負荷で映像を再生することが可能となり、実用的
効果は大きい。
【0055】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、MPEG
復号部が使用するバッファ容量を増加させ、ネットワー
ク帯域の変動によりデータの入力が遅れたり、遅れたデ
ータが後から入力した場合にも、バッファアンダーフロ
ーやオーバーフローが発生せずに、滑らかに映像を再生
することができる。
【0056】また、データのピクチャ間に補填データを
挿入することにより、MPEG復号部が使用するバッフ
ァ容量を増加させても、低遅延に映像を再生することが
できる。
【0057】また、入力された最新のピクチャデータを
蓄積しておき、続くピクチャデータの入力が遅れた場合
に前記蓄積したピクチャデータを挿入するとともに、す
でに挿入した分のピクチャデータが入力した場合に該当
ピクチャデータを削除することにより、ネットワーク帯
域の変動によりデータの入力が遅れた場合には、古いデ
ータを供給し、データが後から入力した場合にはピクチ
ャ単位で削除することで、MPEG復号部供給されるデ
ータレートが一定になり、MPEG復号部において滑ら
かに映像を再生できる。
【0058】また、ピクチャデータの入力が遅れた場合
に動きベクトル及び差分が0の予測ピクチャであるスキ
ップピクチャを作成して挿入するとともに、すでに挿入
した分のピクチャデータが入力した場合に該当ピクチャ
データを削除することにより、ネットワーク帯域の変動
によりデータの入力が遅れた場合には、古いデータを供
給し、データが後から入力した場合にはピクチャ単位で
削除することで、MPEG復号部供給されるデータレー
トが一定になり、MPEG復号部において滑らかに映像
を再生できるとともに、MPEG復号部の処理負担を減
少させることができる。
【0059】また、MPEGデータのシーケンスヘッダ
のコード値の内、単位時間当たりのデータ量に関するコ
ード値を前記データ量が減少する値に変更するととも
に、MPEGデータのピクチャデータの一部を動きベク
トル及び差分が0の予測ピクチャであるスキップピクチ
ャに置換することにより、MPEG映像のヘッダ情報の
データレート情報を小さい値に書き換え、受信したデー
タの一部をスキップピクチャと置き換えることで、デー
タ量を一定にでき、MPEG復号部において滑らかに映
像を再生できる。
【0060】また、揺らいで入力されるピクチャを優先
的にスキップピクチャに置換することにより、ネットワ
ーク帯域の変動によりデータの入力が遅れたり、遅れた
データが後から入力した場合にも、映像の動きに揺らぎ
がなくなり、滑らかな映像が再生できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の映像再生装置の基本構成を示す図
【図2】MPEGデータ変換部の一構成例を示す図
【図3】MPEGデータストリームのシーケンスヘッダ
の一例を示す図
【図4】補填データが挿入されたMPEGデータストリ
ームの一例を示す図
【図5】ヘッダ書き換え時のMPEG復号部のバッファ
量の推移を示す図
【図6】補填データ挿入時の手MPEG復号部のバッフ
ァ量の推移を示す図
【図7】MPEGデータ変換部の他の構成例を示す図
【図8】図7のMPEGデータ変換部が出力するピクチ
ャデータの推移を示す図
【図9】蓄積ピクチャを挿入したMPEGストリームの
例を示す図
【図10】予測ピクチャを挿入したMPEGストリーム
の例を示す図
【図11】MPEGデータ変換部の他の構成例を示す図
【図12】図11のMPEGデータ変換部が出力するピ
クチャデータの推移を示す図
【図13】スキップピクチャで置換したMPEGストリ
ームの例を示す図
【図14】揺らぎを考慮して置換した場合のMPEGス
トリームの例を示す図
【図15】MPEGデータ変換部3の他の構成例を示す
【図16】スキップピクチャで置換したMPEGストリ
ームのたの例を示す図
【図17】MPEGデータを再生する映像再生装置の基
本構成を示す図
【図18】MPEGデータストリームの構成を示す図
【図19】データ入力速度一定時のMPEG復号部のバ
ッファ量の推移を示す図
【図20】データ入力速度が変化時のMPEG復号部の
バッファ量の推移を示す図
【図21】従来の技術によるネットワーク経由での映像
再生装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1、1000・・・映像受信部 2、2000・・・MPEG復号部 3・・・MPEGデータ変換部 31・・・ヘッダ書換え処理部 32・・・補填データ挿入処理部 41・・・ピクチャデータ蓄積処理部 42・・・ピクチャ挿入/削除処理部 51・・・ヘッダ書換え処理部 52・・・ピクチャ置換処理部 61・・・ピクチャ置換処理部 62・・・補填データ挿入処理部 3000・・・バッファ部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝送路を介して受信した映像を再生する
    映像再生装置であって、 前記伝送路からの伝送信号を入力し、MPEGデータを
    出力する映像受信部と、 前記映像受信部が出力するMPEGデータのデータスト
    リームを変換するMPEGデータ変換部と、 前記MPEGデータ変換部でデータストリームが変換さ
    れたMPEGデータの復号を行うMPEG復号部とを備
    える映像再生装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の映像再生装置であって、 前記MPEGデータ変換部は、MPEGデータのシーケ
    ンスヘッダのコード値の内、MPEG復号部のバッファ
    サイズに関するコード値を、前記バッファサイズが増加
    する値に変更するものである映像再生装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の映像再生装置であって、 前記MPEGデータ変換部は、さらに、MPEGデータ
    のピクチャデータ間に、復号時には無視される補填デー
    タを挿入するものである映像再生装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の映像再生装置であって、 前記挿入される補填データの挿入量は、前記シーケンス
    ヘッダのコード値に基づいて定められるものである映像
    再生装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の映像再生装置であって、 前記MPEGデータ変換部は、入力された最新のピクチ
    ャデータを蓄積しておき、続くピクチャデータの入力が
    遅れた場合に前記蓄積したピクチャデータを挿入すると
    ともに、すでに挿入した分のピクチャデータが入力した
    場合に該当ピクチャデータを削除するものである映像再
    生装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の映像再生装置であって、 前記MPEGデータ変換部は、ピクチャデータの入力が
    遅れた場合に動きベクトル及び差分が0の予測ピクチャ
    であるスキップピクチャを作成して挿入するとともに、
    すでに挿入した分のピクチャデータが入力した場合に該
    当ピクチャデータを削除するものである映像再生装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の映像再生装置であって、 前記MPEGデータ変換部は、MPEGデータのシーケ
    ンスヘッダのコード値の内、単位時間当たりのデータ量
    に関するコード値を前記データ量が減少する値に変更す
    るとともに、MPEGデータのピクチャデータの一部を
    動きベクトル及び差分が0の予測ピクチャであるスキッ
    プピクチャに置換するものである映像再生装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の映像再生装置であって、 前記MPEGデータ変換部は、MPEGデータのピクチ
    ャデータの一部を動きベクトル及び差分が0の予測ピク
    チャであるスキップピクチャに置換するとともに、MP
    EGデータのピクチャ間に、復号時には無視される補填
    データを挿入するものである映像再生装置。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8記載の映像再生装置であ
    って、 前記MPEGデータ変換部は、入力されるピクチャを一
    定の割合でスキップピクチャに置換するものである映像
    再生装置。
  10. 【請求項10】 請求項7ないし9のいずれか1項記載
    の映像再生装置であって、 前記MPEGデータ変換部は、揺らいで入力されるピク
    チャを優先的にスキップピクチャに置換するものである
    映像再生装置。
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