JP5052461B2 - 嫌気性処理装置及び嫌気性処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被処理水を嫌気的に処理して処理水を得る嫌気性処理装置及び嫌気性処理方法に関するものである。
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載の嫌気性処理装置が知られている。この嫌気性処理装置は、被処理水を前処理槽に導入して前処理を行った後、メタン発酵槽におけるメタン発酵処理を行って被処理水中の有機物を分解し、有機物濃度を低下させた処理水を得ている。
特開平7−328387号公報
しかしながら、このような嫌気性処理装置には、常に一定量の被処理水が送り込まれるとは限らず、装置の使用状態によっては導入される被処理水の量が大きく変動する場合もあり得る。この種の嫌気性処理装置においては、例えば、被処理水が増減した場合、メタン発酵槽における被処理水の滞留時間が変動し、処理水水質に影響するという問題が発生する。
そこで、本発明は、被処理水の導入流量の変動に関わらず安定した処理を行うことができる嫌気性処理装置及び嫌気性処理方法を提供することを目的とする。
本発明の嫌気性処理装置は、被処理水を嫌気的に処理して処理水を得る嫌気性処理装置において、被処理水の前処理を行う主要前処理槽と、主要前処理槽による処理を経た前処理水のメタン発酵処理を行い処理水として送出するメタン発酵槽と、メタン発酵槽への前処理水の流入流量を一定にする発酵槽流入調整手段と、メタン発酵槽から送出される処理水の一部を主要前処理槽に返送する主要返送手段と、主要前処理槽の液面レベルに基づいて、メタン発酵槽から外部に排出される処理水の流量を制御する排出調整手段と、主要前処理槽に直列に連なり各々が前処理を行って前処理水を後段側に順送りするn個の補助前処理槽(n=1,2,…)と、各補助前処理槽及び主要前処理槽で順送りされるそれぞれの前処理水の流量をそれぞれ一定化するn個の流量一定化手段と、メタン発酵槽から送出される処理水の一部を、各補助前処理槽それぞれに返送するn個の補助返送手段と、を備えたことを特徴とする。
この嫌気性処理装置では、被処理水の導入流量が変動した場合にも、発酵槽流入調整手段により、メタン発酵槽への前処理水の流入流量が一定にされているので、メタン発酵槽における処理条件の極端な変動が抑えられ、安定したメタン発酵処理が行われる。また、この場合、被処理水が導入される主要前処理槽の液面レベルに基づいて、外部に排出される処理水の流量が制御されることで、被処理水の導入流量に応じた処理水を外部に排出することができる。
また、本発明の嫌気性処理装置は、主要前処理槽に直列に連なり各々が前処理を行って前処理水を後段側に順送りするn個の補助前処理槽(n=1,2,…)と、各補助前処理槽及び主要前処理槽で順送りされるそれぞれの前処理水の流量をそれぞれ一定化するn個の流量一定化手段と、メタン発酵槽から送出される処理水の一部を、各補助前処理槽それぞれに返送するn個の補助返送手段と、を備えている
このように被処理水の前処理をn個の補助前処理槽及び主要前処理槽の多段階で行うことにより、メタン発酵槽において更に安定したメタン発酵処理を行うことができる。
また、本発明の嫌気性処理装置では、上記nは、n≧2であり、n個の補助前処理槽はすべて主要前処理槽の前段側に連結されており、n個の補助前処理槽のうちの前段側からi番目の補助前処理槽に対して処理水の一部を返送する補助返送手段をi番目の補助返送手段とすると(i=1,2,…,n)、i=1,2,…,n−1の場合において、i番目の補助前処理槽の液面レベルに基づいて、i+1番目の補助返送手段の流量を、それぞれ調整するn−1個の補助返送調整手段と、n番目の補助前処理槽の液面レベルに基づいて、主要返送手段の流量を調整する主要返送調整手段と、を更に備えてもよい。
このような構成により、被処理水の導入流量が変動した場合にも、n個の補助前処理槽及び主要前処理槽の液面レベルを増減させることができ、非処理水の導入流量の変動を吸収することができる。
また、本発明の嫌気性処理装置では、上記のnは、n≧2であり、n個の補助前処理槽はすべて主要前処理槽の後段側に連結されており、n個の補助前処理槽のうちの前段側からi番目の補助前処理槽に対して処理水の一部を返送する補助返送手段をi番目の補助返送手段とすると(i=1,2,…,n)、i=1,2,…,nの場合において、i番目の補助前処理槽の液面レベルに基づいて、i番目の補助返送手段の流量を、それぞれ調整するn個の補助返送調整手段、を更に備えてもよい。
このような構成により、被処理水の導入流量が変動した場合にも、n個の補助前処理槽及び主要前処理槽の液面レベルを増減させることができ、非処理水の導入流量の変動を吸収することができる。
また、本発明の嫌気性処理装置では、上記のnは、n=1であり、1個の補助前処理槽が主要前処理槽の前段側に連結されており、補助前処理槽の液面レベルに基づいて、主要返送手段の流量を調整する主要返送調整手段を更に備えてもよい。
このような構成により、被処理水の導入流量が変動した場合にも、補助前処理槽及び主要前処理槽の液面レベルを増減させることができ、非処理水の導入流量の変動を吸収することができる。
また、本発明の嫌気性処理装置では、上記のnは、n=1であり、1個の補助前処理槽が主要前処理槽の後段側に連結されており、補助前処理槽の液面レベルに基づいて、補助返送手段の流量を調整する補助返送調整手段を更に備えてもよい。
このような構成により、被処理水の導入流量が変動した場合にも、補助前処理槽及び主要前処理槽の液面レベルを増減させることができ、非処理水の導入流量の変動を吸収することができる。
また、本発明の嫌気性処理方法は、被処理水を嫌気的に処理して処理水を得る嫌気性処理方法において、被処理水の前処理を主要前処理槽で行う主要前処理工程と、主要前処理槽の前段側に連結された補助前処理槽で被処理水の前処理を行う補助前処理工程と、補助前処理槽から主要前処理槽に送られる前処理水の流量を流量一定化手段によって一定化する流量一定化工程と、主要前処理工程による処理を経た前処理水のメタン発酵処理をメタン発酵槽で行い処理水としてメタン発酵槽から送出するメタン発酵工程と、メタン発酵槽への前処理水の流入流量を発酵流入調整手段によって一定にする発酵槽流入調整工程と、メタン発酵槽から送出される処理水の一部を主要返送手段によって主要前処理槽に返送する主要返送工程と、メタン発酵槽から送出される処理水の一部を補助返送手段によって補助前処理槽に返送する補助返送工程と、補助前処理槽の液面レベルに基づいて、主要返送調整手段が主要返送手段の流量を調整する主要返送調整工程と、主要前処理槽の液面レベルに基づいて、排水調整手段によってメタン発酵層から外部に排出される処理水の流量を制御する排出調整工程と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の嫌気性処理方法は、被処理水を嫌気的に処理して処理水を得る嫌気性処理方法において、被処理水の前処理を主要前処理槽で行う主要前処理工程と、主要前処理槽の前段側に直列に連なったn個の補助前処理槽(n=2,3,…)において、n個の補助前処理槽の各々が前処理を行って前処理水を後段側に順送りする補助前処理工程と、各補助前処理槽及び主要前処理槽で順送りされるそれぞれの前処理水の流量をn個の流量一定化手段によってそれぞれ一定化する流量一定化工程と、主要前処理工程による処理を経た前処理水のメタン発酵処理をメタン発酵槽で行い処理水としてメタン発酵槽から送出するメタン発酵工程と、メタン発酵槽への前処理水の流入流量を発酵流入調整手段によって一定にする発酵槽流入調整工程と、メタン発酵槽から送出される処理水の一部を主要返送手段によって主要前処理槽に返送する主要返送工程と、メタン発酵槽から送出される処理水の一部を、n個の補助返送手段によって各補助前処理槽それぞれに返送する補助返送工程と、n個の補助前処理槽のうちの前段側からi番目の補助前処理槽に対して処理水の一部を返送する補助返送手段をi番目の補助返送手段とすると(i=1,2,…,n)、i=1,2,…,n−1の場合において、i番目の補助前処理槽の液面レベルに基づいて、i+1番目の補助返送手段の流量を、n−1個の補助返送調整手段によって、それぞれ調整する補助返送調整工程と、n番目の補助前処理槽の液面レベルに基づいて、主要返送調整手段によって主要返送手段の流量を調整する主要返送調整工程と、主要前処理槽の液面レベルに基づいて、排水調整手段によってメタン発酵層から外部に排出される処理水の流量を制御する排出調整工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の嫌気性処理装置及び嫌気性処理方法によれば、被処理水の導入流量の変動に関わらず安定した処理を行うことができる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る嫌気性処理装置及び嫌気性処理方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、嫌気性処理装置1は、導入される被処理水W1を酸生成菌の作用で処理(前処理)し被処理水W1中の有機物を可溶化・低分子化する主要酸生成槽(主要前処理槽)3を備えている。更に、嫌気性処理装置1は、主要酸生成槽3で処理された前処理水W3をメタン菌の作用によりメタン発酵処理するメタン発酵槽7を備えている。ここでは、メタン発酵槽7として、グラニュール法を用いる槽が用いられるので、汚泥濃度を高めて高負荷化が可能である。このように被処理水W1の前処理を、主要酸生成槽3で行うことにより、被処理水W1中の有機物が段階的に分解され、メタン発酵槽7において安定したメタン発酵処理を行うことができる。
この場合、被処理水W1は、ラインL1を通じて主要酸生成槽3に導入され、処理後の前処理水W3はラインL3を通じてメタン発酵槽7に導入される。そして、メタン発酵処理後の処理水W4は、ラインL4を通じてメタン発酵槽7から送出される。この処理水W4の一部は、ラインL4と主要酸生成槽3とを連結する主要返送ライン(主要返送手段)L5を通じ返送処理水W5として主要酸生成槽3に返送される。なお、主要酸生成槽3の水位を、メタン発酵槽7の水位よりも低くしておけば、返送処理水W5を自然流下で返送することができる。
処理水中W4には酸生成菌やメタン菌が含まれているので、このまま排出されれば嫌気性処理装置1内の菌体濃度が低下するが、上記のような処理水の一部返送により、処理水W4に含まれる菌体が主要酸生成槽3に返送され、装置1内の菌体濃度を確保することができる。また、このような返送処理水により、酸生成反応やメタン発酵反応の阻害物質を希釈することもできる。そして、上記処理水W4の残りは、ラインL4に連結された排出ラインL7を通じ排出処理水W7として嫌気性処理装置1の外部に排出され、更に図示しない後段設備による処理を経た後、河川放流される。この排出ラインL7には、装置1系外への排出処理水W7の排出流量を調節する調整バルブ(排出調整手段)V7が設けられている。
また、主要酸生成槽3における酸生成処理で発生するガスは、ラインL11を通じて嫌気性処理装置1の外部に排出される。また、メタン発酵槽7におけるメタン発酵処理で発生するガスも、同じくラインL11を通じて嫌気性処理装置1の外部に排出される。このように排出されたバイオガスG1は、水素やメタンガスを含んでいるので、回収されてエネルギとして利用される。
上記ラインL3上には、前処理水W3の流量を固定する流量固定装置(発酵槽流入調整手段)13が設けられている。例えば、流量固定装置13は、ラインL3の前処理水W3の流量を調整する調整バルブと、前処理水W3の流量を計測する流量計と、この計測流量に基づいて上記調整バルブの開度をフィードバック制御する制御部と、を備えればよい。この流量固定装置13によって、メタン発酵槽7への前処理水W3の流入流量が一定にされる。このように流入流量が一定化にされることで、メタン発酵槽7への有機物流入量を常に設計負荷以下とすることができ、また、流入流量を確保してグラニュールの流動性を維持することができる。
更に、この嫌気性処理装置1には、主要酸生成槽3の液面レベルを計測し、計測した液面レベルに基づいて調整バルブ(排出調整手段)V7を駆動する制御装置(排出調整手段)S3が設けられている。この制御装置S3は、計測した主要酸生成槽3の液面レベルが規定の上限値を超えた場合にはバルブV7を開ける方向に駆動し、排出処理水W7の排出流量を増加させる。このことにより、返送ラインL5の返送処理水W5の返送流量が減少し、主要酸生成槽3の液面レベルが低下する。逆に、計測した主要酸生成槽3の液面レベルが規定の下限値未満の場合にはバルブV7を閉める方向に駆動し、排出処理水W7の排出流量を減少させる。このことにより、返送ラインL5の返送処理水W5の返送流量が増加し、主要酸生成槽3の液面レベルが上昇する。
制御装置S3のこのような処理により、主要酸生成槽3の液面レベルが規定の範囲内に維持される。なお、この場合、上記液面レベルの上限値と下限値とを同じ値に設定することで、主要酸生成槽3の液面レベルを一定にするように制御してもよい。
この嫌気性処理装置1には常に一定量の被処理水W1が導入されるとは限らず、被処理水W1の導入流量は変動する。この嫌気性処理装置1及びこの嫌気性処理方法によれば、被処理水W1の導入流量が変動したとしても、流量固定装置13によって、メタン発酵槽7への前処理水W3の流入流量が、被処理水W1の導入流量に関わらず一定とされているので、メタン発酵槽7における処理条件の変化が抑えられる。従って、被処理水W1の導入流量が変動したとしても、メタン発酵槽7においては常に安定したメタン発酵処理が行われ、その結果、嫌気性処理装置1全体の処理を安定させることができる。
また、被処理水W1の導入流量が変動しても、制御装置S3の流量制御により主要酸生成槽3の液面レベルが規定の範囲内に維持されながら、被処理水W1の導入流量に対応した排出流量で排出処理水W7が系外に排出されるので、例えば、主要酸生成槽3が溢れること等も回避される。なお、被処理水W1の流量変動を緩和するためには、主要酸生成槽3の前段に、導入流量調整のための調整槽を設けることも考えられるが、上述したように、この嫌気性処理装置1及びこの嫌気性処理方法によれば、このような調整槽を省略しても、被処理水W1の導入流量のある程度の変動に対応することができる。
(第2実施形態)
図2に示すように、嫌気性処理装置201は、前述の嫌気性処理装置1に加えて、主要酸生成槽3の前段側に多段で直列に接続されたn個の補助酸生成槽(補助前処理槽)A1,A2,…,Anを備えている(但し、n=2,3,…)。各補助酸生成槽A1〜Anは、主要酸生成槽3と同様の構成を有している。補助酸生成槽A1,A2,…,Anは、それぞれが主要酸生成槽3と同様の前処理を行い、ラインB1〜Bnを通じて後段の槽に送出する。補助酸生成槽A1〜Anで順送りされ多段で前処理された前処理水は、補助酸生成槽AnからラインBnを通じて主要酸生成槽3に送られる。このように、被処理水W1の前処理を多数の前処理槽により多段階で行うことで、メタン発酵槽7において更に安定したメタン発酵処理を行うことができる。上記の各ラインB1〜Bn上にはそれぞれ流量固定装置13が設けられ、ラインB1〜Bnにおける流量が一定化されている。
また、各補助酸生成槽A1〜Anは、それぞれ、返送ラインD1〜Dnを介してラインL4に接続されており、各補助酸生成槽A1〜Anには、この返送ラインD1〜Dnを通じて処理水W4の一部ずつがそれぞれ返送されている。また、返送ラインD2〜Dn上には、各返送処理水F2〜Fnの流量を調節することができる調整バルブ(補助返送調整手段)E2〜Enがそれぞれ設けられている。また、返送ラインL5上には、返送処理水W5の流量を調節することができる調整バルブ(主要返送調整手段)V5が設けられている。
更に、嫌気性処理装置201には、制御装置(補助返送調整手段)H1〜H(n−1)が設けられている。これらの制御装置H1〜H(n−1)は、それぞれ各補助酸生成槽A1〜A(n−1)の液面レベルを計測し、計測した液面レベルに基づいて、それぞれ上記調整バルブE2〜Enを駆動する。すなわち、前段側からi番目(i=1,2,…,n)の酸生成槽をAi、その補助酸生成槽Aiに返送処理水Fiを返送する返送ラインをDi、その返送ラインDiの流量を調整する調整バルブをEi、といったように添字iを付し一般化して表すと、i=1,2,…,n―1において、制御装置Hiは、対応する補助酸生成槽Aiの液面レベルを計測し、計測したそれぞれの液面レベルに基づいて、それぞれ調整バルブE(i+1)を駆動する。
上記の制御装置Hiは、計測した補助酸生成槽Aiの液面レベルが規定の上限値を超えた場合にはバルブE(i+1)を開ける方向に駆動し、返送処理水F(i+1)の流量を増加させる。その結果、補助酸生成槽A(i+1)の液面レベルが上昇する。また、計測した補助酸生成槽Aiの液面レベルが規定の下限値未満の場合にはバルブE(i+1)を閉める方向に駆動し、返送処理水F(i+1)の流量を減少させる。その結果、補助酸生成槽A(i+1)の液面レベルが低下する。
更に、補助酸生成槽Anの液面レベルを計測し、計測した液面レベルに基づいて上記調整バルブV5を駆動する制御装置(主要返送調整手段)Hnが設けられている。この制御装置Hnは、計測した補助酸生成槽Anの液面レベルが規定の上限値を超えた場合にはバルブV5を開ける方向に駆動し、返送処理水W5の流量を増加させる。その結果、主要酸生成槽3液面レベルが上昇する。また、計測した補助酸生成槽Anの液面レベルが規定の下限値未満の場合にはバルブV5を閉める方向に駆動し、返送処理水W5の流量を減少させる。その結果、主要酸生成槽3の液面レベルが低下する。
この嫌気性処理装置201において、前述の嫌気性処理装置1と同一又は同等の構成については、図面に同一の符号を付し重複する説明を省略する。
以上のような構成により、嫌気性処理装置201及びこの嫌気性処理方法によっても、前述の嫌気性処理装置1と同様の作用効果を得ることができる。また、以上のような構成に基づき、この嫌気性処理装置201への被処理水W1の導入流量が変動した場合を考える。被処理水W1が極端に増加した場合、ラインB1の流量が流量固定装置13により一定化されていることから、補助酸生成槽A1の液面レベルが上昇する。そして、補助酸生成槽A1の液面レベルが上限値を超えた場合には、制御装置H1の制御によりバルブE2が開く方向に操作され、返送処理水F2が増加する。なお、このとき、返送処理水F2の増加に伴い返送処理水F1は減少するので、補助酸生成槽A1の液面レベル上昇の速度は低下する。
そして、ラインB2の流量は流量固定装置13により一定化されていることから、返送処理水F2の増加によって、補助酸生成槽A2の液面レベルが上昇する。以下、同様にして、補助酸生成槽A3,A4,…,Anの液面レベルが上昇し、更に主要酸生成槽3の液面レベルも上昇する。そして、主要酸生成槽3の液面レベルが上限値を超えれば、制御装置S3の制御によりバルブV7が開く方向に操作され、装置201の系外に排出される処理水W7が増加する。このことで、返送処理水F1〜Fn,W5が減少し、補助酸生成槽A1〜An及び主要酸生成槽3の液面レベル上昇が緩和される。
この嫌気性処理装置201及びこの嫌気性処理方法によれば、被処理水W1の導入流量が変動したとしても、流量固定装置13によって、メタン発酵槽7への前処理水W3の流入流量が、被処理水W1の導入流量に関わらず一定とされているので、メタン発酵槽7における処理条件の変化が抑えられる。従って、被処理水W1の導入流量が変動したとしても、メタン発酵槽7においては常に安定したメタン発酵処理が行われ、その結果、嫌気性処理装置201全体の処理を安定させることができる。
また、被処理水W1の導入流量が変動した場合に、制御装置H1〜Hn及び制御装置S3の流量制御により、各補助酸生成槽A1〜An及び主要酸生成槽3の液面レベルが一定の範囲内に維持されながら、被処理水W1の導入流量の変動が、各補助酸生成槽A1〜An及び主要酸生成槽3の液面レベル変動により分散して吸収される。なおかつ、変動の発生から一定時間経過後には、被処理水W1の導入流量に対応した排出流量で排出処理水W7が系外に排出される。以上の結果、被処理水W1の導入流量の変動による影響を緩和することができる。例えば、各補助酸生成槽A1〜An及び主要酸生成槽3が溢れること等も回避される。なお、被処理水W1の流量変動を緩和するためには、補助酸生成槽A1の前段に、導入流量調整のための調整槽を設けることも考えられるが、上述したように、この嫌気性処理装置201及びこの嫌気性処理方法によれば、このような調整槽を省略しても、被処理水W1の導入流量のある程度の変動に対応することができる。
なお、主要酸生成槽3と補助前処理槽A1〜Anとは同様の構成を有しているので、主要酸生成槽3をm番目の前処理槽Am(但し、m=n+1;m≧2)であると考えれば、この嫌気性処理装置201では、メタン発酵層7の前に、m個の前処理槽Aiが直列に接続されていると考えることもできる。
すなわち、この嫌気性処理装置201は、直列に連なり各々が被処理水W1の前処理を行って前処理水を後段側に順送りするm個の前処理槽A1〜Amと、上記m個の前処理槽前処理槽A1〜Amによる処理を経た前処理水のメタン発酵処理を行い処理水W4として送出するメタン発酵槽7と、メタン発酵槽7への前処理水の流入流量を一定にする発酵槽流入調整手段(ラインL3上の流量固定装置13)と、各前処理槽A1〜Amで順送りされるそれぞれの前処理水の流量をそれぞれ一定化するn個の流量一定化手段(ラインB1〜Bn上の流量固定装置13)と、メタン発酵槽7から送出される処理水W4の一部を各前処理槽A1〜Amにそれぞれ返送する返送手段(返送ラインE1〜En,L5)と、m番目の前処理槽Am(主要前処理槽3)の液面レベルに基づいて、メタン発酵層7から外部に排出される処理水W7の流量を制御する排出調整手段(制御装置S3及び調整バルブV7)と、m個の前処理槽A1〜Amのうちの前段側からi番目の前処理槽Aiに対して処理水の一部を返送する返送手段をi番目の返送手段とすると(i=1,2,…,m)、i≦m−1の場合において、i番目の補助前処理槽の液面レベルに基づいて、i+1番目の補助返送手段の流量を、それぞれ調整するm−1個の返送調整手段(制御装置H1〜Hn及び調整バルブE2〜En,V5)と、を備える嫌気性処理装置であると言い表すこともできる。
(第3実施形態)
図3に示すように、嫌気性処理装置301は、前述の嫌気性処理装置1に加えて、主要酸生成槽3の後段側に多段で直列に接続されたn個の補助酸生成槽(補助前処理槽)AA1,AA2,…,AAnを備えている(但し、n=2,3,…)。各補助酸生成槽AA1〜AAnは、主要酸生成槽3と同様の構成を有しており、それぞれが主要酸生成槽3と同様の前処理を行う。主要酸生成槽3で前処理された前処理水は、ラインBB0を通じて補助酸生成槽AA1に導入される。そして、補助酸生成槽AA1,AA2,…,AAnは、前処理を行った後、ラインBB1〜BBnを通じて後段の槽に送出する。補助酸生成槽AA1〜AAnで順送りされ多段で前処理された前処理水は、補助酸生成槽AAnからラインL3を通じてメタン発酵層7に送られる。このように、被処理水W1の前処理を多数の前処理槽により多段階で行うことで、メタン発酵槽7において更に安定したメタン発酵処理を行うことができる。上記の各ラインBB0〜BB(n−1)上にはそれぞれ流量固定装置13が設けられ、ラインBB0〜BB(n−1)における流量が一定化されている。
また、各補助酸生成槽AA1〜AAnは、それぞれ、返送ライン(補助返送手段)DD1〜DDnを介してラインL4に接続されており、各補助酸生成槽AA1〜AAnには、この返送ラインDD1〜DDnを通じて処理水W4の一部ずつがそれぞれ返送されている。また、返送ラインDD1〜DDn上には、各返送処理水FF1〜FFnの流量を調節することができる調整バルブ(補助返送調整手段)EE1〜EEnがそれぞれ設けられている。
更に、嫌気性処理装置301には、n個の制御装置(補助返送調整手段)HH1〜HHnが設けられている。これらの制御装置HH1〜HHnは、それぞれ各補助酸生成槽AA1〜AAnの液面レベルを計測し、計測した液面レベルに基づいて、それぞれ上記調整バルブEE1〜Enを駆動する。すなわち、前段側からi番目(i=1,2,…,n)の酸生成槽をAAi、その補助酸生成槽AAiに返送処理水FFiを返送する返送ラインをDDi、その返送ラインDDiの流量を調整する調整バルブをEEi、といったように添字iを付し一般化して表すと、i=1,2,…,nにおいて、制御装置HHiは、補助酸生成槽AAiの液面レベルを計測し、計測した液面レベルに基づいて、調整バルブEEiを駆動する。
上記の制御装置HHiは、計測した補助酸生成槽AAiの液面レベルが規定の上限値を超えた場合にはバルブEEiを閉める方向に駆動し、返送処理水FFiの流量を減少させる。その結果、補助酸生成槽AAiの液面レベルが低下する。また、計測した補助酸生成槽AAiの液面レベルが規定の下限値未満の場合にはバルブEEiを開ける方向に駆動し、返送処理水FFiの流量を増加させる。その結果、補助酸生成槽AAiの液面レベルが上昇する。制御装置HHiのこのような制御により、補助酸生成槽AAiが溢れることが回避される。
この嫌気性処理装置301において、前述の嫌気性処理装置1と同一又は同等の構成については、図面に同一の符号を付し重複する説明を省略する。以上のような構成により、嫌気性処理装置301及びこの嫌気性処理方法によっても、前述の嫌気性処理装置1と同様の作用効果を得ることができる。
なお、主要酸生成槽3と補助前処理槽AA1〜AAnとは同様の構成を有しているので、主要酸生成槽3を1番目の前処理槽P1であると考え、補助前処理槽AA1〜AAnを、それぞれ、2〜m番目の前処理槽P2〜Pmであると考えれば(但し、m=n+1;m≧2)、この嫌気性処理装置301では、メタン発酵層7の前に、m個の前処理槽Aiが直列に接続されていると考えることもできる。
すなわち、この嫌気性処理装置301は、直列に連なり各々が被処理水W1の前処理を行って前処理水を後段側に順送りするm個の前処理槽P1〜Pmと、上記m個の前処理槽P1〜Pmによる処理を経た前処理水のメタン発酵処理を行い処理水W4として送出するメタン発酵槽7と、メタン発酵槽7への前処理水の流入流量を一定にする発酵槽流入調整手段(ラインL3上の流量固定装置13)と、各前処理槽P1〜Pmで順送りされるそれぞれの前処理水の流量をそれぞれ一定化するm−1個の流量一定化手段(ラインBB0〜BB(n−1)上の流量固定装置13)と、メタン発酵槽7から送出される処理水W4の一部を各前処理槽P1〜Pmにそれぞれ返送する返送手段(返送ラインL5,EE1〜EEn)と、1番目の前処理槽P1(主要前処理槽3)の液面レベルに基づいて、メタン発酵層7から外部に排出される処理水W7の流量を制御する排出調整手段(制御装置S3及び調整バルブV7)と、m個の前処理槽P1〜Pmのうちの前段側からi番目の前処理槽Aiに対して処理水の一部を返送する返送手段をi番目の返送手段とすると(i=1,2,…,m)、2≦i≦mの場合において、i番目の補助返送手段の流量を、i番目の補助前処理槽の液面レベルに基づいてそれぞれ調整するm−1個の返送調整手段(制御装置HH1〜HHn及び調整バルブEE1〜EEn)と、を備える嫌気性処理装置であると言い表すこともできる。
(第4実施形態)
図4に示すように、嫌気性処理装置401は、前述の嫌気性処理装置1に加えて、主要酸生成槽3の前段側に直列に接続された補助酸生成槽A1を備えている。各補助酸生成槽A1は、主要酸生成槽3と同様の構成を有している。なお、この嫌気性処理装置401は、前述の嫌気性処理装置201においてn=1としたものにほぼ対応している。
補助酸生成槽A1は、主要酸生成槽3と同様の前処理を行い、ラインB1を通じて前処理水を主要酸生成槽3に送出する。このように、被処理水W1の前処理を2段階で行うことで、メタン発酵槽7において更に安定したメタン発酵処理を行うことができる。上記のラインB1上には流量固定装置13が設けられ、ラインB1における流量が一定化されている。
また、補助酸生成槽A1は、返送ラインD1を介してラインL4に接続されており、補助酸生成槽A1には、この返送ラインD1を通じて処理水W4の一部が返送されている。また、返送ラインL5上には、返送処理水W5の流量を調節することができる調整バルブV5が設けられている。
更に、嫌気性処理装置401には、補助酸生成槽A1の液面レベルを計測し、計測した液面レベルに基づいて上記調整バルブV5を駆動する制御装置H1が設けられている。この制御装置H1は、計測した補助酸生成槽A1の液面レベルが規定の上限値を超えた場合にはバルブV5を開ける方向に駆動し、返送処理水W5の流量を増加させる。その結果、主要酸生成槽3液面レベルが上昇する。また、計測した補助酸生成槽A1の液面レベルが規定の下限値未満の場合にはバルブV5を閉める方向に駆動し、返送処理水W5の流量を減少させる。その結果、主要酸生成槽3の液面レベルが低下する。
この嫌気性処理装置401において、前述の嫌気性処理装置1と同一又は同等の構成については、図面に同一の符号を付し重複する説明を省略する。
以上のような構成により、嫌気性処理装置401及びこの嫌気性処理方法によっても、前述の嫌気性処理装置1と同様の作用効果を得ることができる。また、以上のような構成に基づき、この嫌気性処理装置401への被処理水W1の導入流量が変動した場合を考える。被処理水W1が極端に増加した場合、ラインB1の流量が流量固定装置13により一定化されていることから、補助酸生成槽A1の液面レベルが上昇する。そして、補助酸生成槽A1の液面レベルが上限値を超えた場合には、制御装置H1の制御によりバルブV5が開く方向に操作され、返送処理水W5が増加する。なお、このとき、返送処理水W5の増加に伴い返送処理水F1は減少するので、補助酸生成槽A1の液面レベル上昇の速度は低下する。そして、ラインL3の流量は流量固定装置13により一定化されていることから、返送処理水W5の増加によって、主要酸生成槽3の液面レベルが上昇する。そして、主要酸生成槽3の液面レベルが上限値を超えれば、制御装置S3の制御によりバルブV7が開く方向に操作され、装置401の系外に排出される処理水W7が増加する。このことで、返送処理水F1,W5が減少し、補助酸生成槽A1及び主要酸生成槽3の液面レベル上昇が緩和される。
この嫌気性処理装置401及びこの嫌気性処理方法によれば、被処理水W1の導入流量が変動したとしても、流量固定装置13によって、メタン発酵槽7への前処理水W3の流入流量が、被処理水W1の導入流量に関わらず一定とされているので、メタン発酵槽7における処理条件の変化が抑えられる。従って、被処理水W1の導入流量が変動したとしても、メタン発酵槽7においては常に安定したメタン発酵処理が行われ、その結果、嫌気性処理装置401全体の処理を安定させることができる。
また、被処理水W1の導入流量が変動した場合に、制御装置H1及び制御装置S3の流量制御により、各補助酸生成槽A1及び主要酸生成槽3の液面レベルが一定の範囲内に維持されながら、被処理水W1の導入流量の変動が、各補助酸生成槽A1及び主要酸生成槽3の液面レベル変動により分散して吸収される。なおかつ、変動の発生から一定時間経過後には、被処理水W1の導入流量に対応した排出流量で排出処理水W7が系外に排出される。以上の結果、被処理水W1の導入流量の変動による影響を緩和することができる。例えば、各補助酸生成槽A1及び主要酸生成槽3が溢れること等も回避される。なお、被処理水W1の流量変動を緩和するためには、補助酸生成槽A1の前段に、導入流量調整のための調整槽を設けることも考えられるが、上述したように、この嫌気性処理装置401及びこの嫌気性処理方法によれば、このような調整槽を省略しても、被処理水W1の導入流量のある程度の変動に対応することができる。
(第5実施形態)
図5に示すように、嫌気性処理装置501は、前述の嫌気性処理装置1に加えて、主要酸生成槽3の後段側に直列に接続された補助酸生成槽AA1を備えている。補助酸生成槽AA1は、主要酸生成槽3と同様の構成を有しており、主要酸生成槽3と同様の前処理を行う。主要酸生成槽3で前処理された前処理水は、ラインBB0を通じて補助酸生成槽AA1に導入される。そして、補助酸生成槽AA1は、更に前処理を行い、前処理水はラインL3を通じてメタン発酵層7に送られる。このように、被処理水W1の前処理を2段階で行うことで、メタン発酵槽7において更に安定したメタン発酵処理を行うことができる。上記の各ラインBB0上にはそれぞれ流量固定装置13が設けられ、ラインBB0における流量が一定化されている。
また、補助酸生成槽AA1は、返送ラインDD1を介してラインL4に接続されており、補助酸生成槽AA1には、この返送ラインDD1を通じて処理水W4の一部が返送されている。また、返送ラインDD1上には、各返送処理水FF1の流量を調節することができる調整バルブEE1が設けられている。
更に、嫌気性処理装置501には、制御装置HH1が設けられている。この制御装置HH1は、各補助酸生成槽AA1の液面レベルを計測し、計測した液面レベルに基づいて、上記調整バルブEE1を駆動する。すなわち、制御装置HH1は、計測した補助酸生成槽AA1の液面レベルが規定の上限値を超えた場合にはバルブEE1を閉める方向に駆動し、返送処理水FF1の流量を減少させる。その結果、補助酸生成槽AA1の液面レベルが低下する。また、計測した補助酸生成槽AA1の液面レベルが規定の下限値未満の場合にはバルブEE1を開ける方向に駆動し、返送処理水FF1の流量を増加させる。その結果、補助酸生成槽AA1の液面レベルが上昇する。制御装置HH1のこのような制御により、補助酸生成槽AA1が溢れることが回避される。
この嫌気性処理装置501において、前述の嫌気性処理装置1と同一又は同等の構成については、図面に同一の符号を付し重複する説明を省略する。以上のような構成により、嫌気性処理装置501及びこの嫌気性処理方法によっても、前述の嫌気性処理装置1と同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、第1〜第5実施形態では、上記メタン発酵槽7として、グラニュール法を用いる槽が用いられ、汚泥濃度を高めて高負荷化が可能である点で好ましいが、メタン発酵槽7として、生物膜法、浮遊汚泥混合法を用いる槽を採用してもよい。
続いて、前述の嫌気性処理装置1(図1)を用いて本発明者らが行った排水処理試験について説明する。この試験においては、嫌気性処理装置1の前段には、被処理水W1の導入流量を調整する調整槽を設けておらず、試験は、導入流量が変動する条件下で行われた。この排水処理試験における容積負荷の推移を図7(a)に示し、原水及び被処理水のCODCr濃度の推移を図7(b)に示している。
また、本発明者らは、比較のため、同じ条件下で図6に示す嫌気性処理装置601を用いた排水処理試験も行った。この嫌気性処理装置601は、上述の嫌気性処理装置1においてラインL3上の流量固定装置13を省略したものである。このため、嫌気性処理装置601においては、メタン発酵槽7に導入される前処理水W603の流量は一定ではなく、被処理水W1の導入流量の増減に応じて増減する。このような嫌気性処理装置601による排水処理試験における容積負荷の推移を図8(a)に示し、原水及び被処理水のCODCr濃度の推移を図8(b)に示している。
図8(b)に示される通り、嫌気性処理装置601では、容積負荷が10kgCODCr/m/dを超えると、処理性能が悪化した。そして、試験20〜30日目や試験50〜80日目において、処理水のCODCr濃度(水質)が不安定であったので、図8(a)に示される通り、容積負荷を上げることができなかった。これに対して、嫌気性処理装置1では、図7(b)に示される通り、処理水のCODCr濃度(水質)が試験開始から常に安定していた。そして、図7(a)に示される通り、容積負荷を順調に上げていくことができ、約22kgCODCr/m/dでも高いCODCr除去率で安定して運転することができた。以上の結果から、嫌気性処理装置1によれば、安定した排水処理を行うことができ、容積負荷の向上を図ることができることが判った。
本発明に係る嫌気性処理装置の第1実施形態を示す図である。 本発明に係る嫌気性処理装置の第2実施形態を示す図である。 本発明に係る嫌気性処理装置の第3実施形態を示す図である。 本発明に係る嫌気性処理装置の第4実施形態を示す図である。 本発明に係る嫌気性処理装置の第5実施形態を示す図である。 比較のための排水処理試験に用いた嫌気性処理装置を示す図である。 図1の嫌気性処理装置による排水処理試験の結果を示す図であり、(a)は、容積負荷の推移、(b)は、原水及び処理水のCODCr濃度の推移を示す。 図6の嫌気性処理装置による排水処理試験の結果を示す図であり、(a)は、容積負荷の推移、(b)は、原水及び処理水のCODCr濃度の推移を示す。
符号の説明
1,201,301,401,501…嫌気性処理装置、3…主要酸生成槽(主要前処理槽)、7…メタン発酵槽、13…流量固定装置(発酵槽流入調整手段、流量一定化手段)、A1〜An,AA1〜AAn…補助酸生成槽(補助前処理槽)、D1〜Dn、DD1〜DDn…返送ライン(補助返送手段)、E2〜En,EE1〜EEn…調整バルブ(補助返送調整手段)、H1〜H(n−1),HH1〜HHn…制御装置(補助返送調整手段)、Hn…制御装置(主要返送調整手段)、L5…返送ライン(主要返送手段)、S3…制御装置(排出調整手段)、V5…調整バルブ(主要返送調整手段)、V7…調整バルブ(排出調整手段)。

Claims (7)

  1. 被処理水を嫌気的に処理して処理水を得る嫌気性処理装置において、
    前記被処理水の前処理を行う主要前処理槽と、
    前記主要前処理槽による処理を経た前処理水のメタン発酵処理を行い前記処理水として送出するメタン発酵槽と、
    前記メタン発酵槽への前記前処理水の流入流量を一定にする発酵槽流入調整手段と、
    前記メタン発酵槽から送出される前記処理水の一部を前記主要前処理槽に返送する主要返送手段と、
    前記主要前処理槽の液面レベルに基づいて、前記メタン発酵槽から外部に排出される前記処理水の流量を制御する排出調整手段と、
    前記主要前処理槽に直列に連なり各々が前処理を行って前記前処理水を後段側に順送りするn個の補助前処理槽(n=1,2,…)と、
    各前記補助前処理槽及び前記主要前処理槽で順送りされるそれぞれの前記前処理水の流量をそれぞれ一定化するn個の流量一定化手段と、
    前記メタン発酵槽から送出される前記処理水の一部を、各前記補助前処理槽それぞれに返送するn個の補助返送手段と、を備えたことを特徴とする嫌気性処理装置。
  2. 前記nは、n≧2であり、
    n個の前記補助前処理槽はすべて前記主要前処理槽の前段側に連結されており、
    n個の前記補助前処理槽のうちの前段側からi番目の補助前処理槽に対して前記処理水の一部を返送する前記補助返送手段をi番目の補助返送手段とすると(i=1,2,…,n)、
    i=1,2,…,n−1の場合において、i番目の補助前処理槽の液面レベルに基づいて、i+1番目の補助返送手段の流量を、それぞれ調整するn−1個の補助返送調整手段と、
    n番目の前記補助前処理槽の液面レベルに基づいて、前記主要返送手段の流量を調整する主要返送調整手段と、を更に備えることを特徴とする請求項に記載の嫌気性処理装置。
  3. 前記nは、n≧2であり、
    n個の前記補助前処理槽はすべて前記主要前処理槽の後段側に連結されており、
    n個の前記補助前処理槽のうちの前段側からi番目の補助前処理槽に対して前記処理水の一部を返送する前記補助返送手段をi番目の補助返送手段とすると(i=1,2,…,n)、
    i=1,2,…,nの場合において、i番目の補助前処理槽の液面レベルに基づいて、i番目の補助返送手段の流量を、それぞれ調整するn個の補助返送調整手段、を更に備えることを特徴とする請求項に記載の嫌気性処理装置。
  4. 前記nは、n=1であり、
    1個の前記補助前処理槽が前記主要前処理槽の前段側に連結されており、
    前記補助前処理槽の液面レベルに基づいて、前記主要返送手段の流量を調整する主要返送調整手段を更に備えることを特徴とする請求項に記載の嫌気性処理装置。
  5. 前記nは、n=1であり、
    1個の前記補助前処理槽が前記主要前処理槽の後段側に連結されており、
    前記補助前処理槽の液面レベルに基づいて、前記補助返送手段の流量を調整する補助返送調整手段を更に備えることを特徴とする請求項に記載の嫌気性処理装置。
  6. 被処理水を嫌気的に処理して処理水を得る嫌気性処理方法において、
    前記被処理水の前処理を主要前処理槽で行う主要前処理工程と、
    前記主要前処理槽の前段側に連結された補助前処理槽で前記被処理水の前処理を行う補助前処理工程と、
    前記補助前処理槽から前記主要前処理槽に送られる前処理水の流量を流量一定化手段によって一定化する流量一定化工程と、
    前記主要前処理工程による処理を経た前処理水のメタン発酵処理をメタン発酵槽で行い前記処理水として前記メタン発酵槽から送出するメタン発酵工程と、
    前記メタン発酵槽への前記前処理水の流入流量を発酵流入調整手段によって一定にする発酵槽流入調整工程と、
    前記メタン発酵槽から送出される前記処理水の一部を主要返送手段によって前記主要前処理槽に返送する主要返送工程と、
    前記メタン発酵槽から送出される前記処理水の一部を補助返送手段によって前記補助前処理槽に返送する補助返送工程と、
    前記補助前処理槽の液面レベルに基づいて、主要返送調整手段が前記主要返送手段の流量を調整する主要返送調整工程と、
    前記主要前処理槽の液面レベルに基づいて、排水調整手段によって前記メタン発酵槽から外部に排出される前記処理水の流量を制御する排出調整工程と、を備えることを特徴とする嫌気性処理方法。
  7. 被処理水を嫌気的に処理して処理水を得る嫌気性処理方法において、
    前記被処理水の前処理を主要前処理槽で行う主要前処理工程と、
    前記主要前処理槽の前段側に直列に連なったn個の補助前処理槽(n=2,3,…)において、n個の前記補助前処理槽の各々が前処理を行って前記前処理水を後段側に順送りする補助前処理工程と、
    各前記補助前処理槽及び前記主要前処理槽で順送りされるそれぞれの前記前処理水の流量をn個の流量一定化手段によってそれぞれ一定化する流量一定化工程と、
    前記主要前処理工程による処理を経た前処理水のメタン発酵処理をメタン発酵槽で行い前記処理水として前記メタン発酵槽から送出するメタン発酵工程と、
    前記メタン発酵槽への前記前処理水の流入流量を発酵流入調整手段によって一定にする発酵槽流入調整工程と、
    前記メタン発酵槽から送出される前記処理水の一部を主要返送手段によって前記主要前処理槽に返送する主要返送工程と、
    前記メタン発酵槽から送出される前記処理水の一部を、n個の補助返送手段によって各前記補助前処理槽それぞれに返送する補助返送工程と、
    n個の前記補助前処理槽のうちの前段側からi番目の補助前処理槽に対して前記処理水の一部を返送する前記補助返送手段をi番目の補助返送手段とすると(i=1,2,…,n)、
    i=1,2,…,n−1の場合において、i番目の補助前処理槽の液面レベルに基づいて、i+1番目の補助返送手段の流量を、n−1個の補助返送調整手段によって、それぞれ調整する補助返送調整工程と、
    n番目の前記補助前処理槽の液面レベルに基づいて、主要返送調整手段によって前記主要返送手段の流量を調整する主要返送調整工程と、
    前記主要前処理槽の液面レベルに基づいて、排水調整手段によって前記メタン発酵槽から外部に排出される前記処理水の流量を制御する排出調整工程と、を備えることを特徴とする嫌気性処理方法。
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