本発明の実施の形態に係る回胴式遊技機(以下、「スロットマシン1」という)の構成について、以下図面を参照しながら説明する。まず、図1を参照して、スロットマシン1の概観について説明する。
スロットマシン1には、後述の主制御回路71などを収容するキャビネット1aとキャビネット1aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア1bとが設けられている。キャビネット1aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横一列に設けられている。
フロントドア1bの中央には、正面側から見てリール3L,3C,3Rの手前側、即ち、リール3L,3C,3Rに重畳する位置に、液晶表示装置5が設けられている。液晶表示装置5の液晶表示部5aは、図柄表示領域4L,4C,4R及び演出表示領域23により構成されている。
図柄表示領域4L,4C,4Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応して設けられており、各リールの前方に位置するようにそれぞれが設けられている。図柄表示領域4L,4C,4Rは、各リール3L,3C,3Rを透過することが可能な構成となっており、図柄表示領域4L,4C,4Rを透して、その背後に設けられている各リール3L,3C,3Rの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となっている。また、演出表示領域23を含む液晶表示部5aでは、後述の副制御回路72により映像の表示が行われ、演出が実行される。
3つの図柄表示領域4L,4C,4Rのそれぞれには、その表示領域内における上段、中段及び下段のそれぞれの領域に1個の図柄が表示されることにより、対応するリールの表面に配された複数の図柄のうち3個の図柄が表示される(即ち、図柄表示領域4L,4C,4Rは、複数のリール毎にその表面に配された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段を構成し、以下では「表示窓」と称す)。尚、表示窓は、必ずしも3つのリールのそれぞれに一対一で対応する構成である必要はなく、例えば1つの表示窓により各リール3L,3C,3Rの表面に配された図柄を表示する構成を採用しても良い。
表示窓4L,4C,4Rには、上段、中段及び下段のうち予め定められた何れかをそれぞれ結ぶ擬似的なライン(以下、入賞判定ライン)が形成される。本実施の形態の入賞判定ラインとしては、各表示窓4L,4C,4Rの中段を組み合わせてなるセンターライン8c、各表示窓4L,4C,4Rの上段を組み合わせてなるトップライン8b、各表示窓4L,4C,4Rの下段を組み合わせてなるボトムライン8d、左表示窓4Lの下段、中表示窓4Cの中段及び右表示窓4Rの上段を組み合わせてなるクロスアップライン8a、及び、左表示窓4Lの上段、中表示窓4Cの中段及び右表示窓4Rの下段を組み合わせてなるクロスダウンライン8eの5つが設けられている。
液晶表示装置5の下方には、略水平面の台座部10が形成されている。台座部10の左側には、決定・選択ボタン12が設けられている。遊技者は、この決定・選択ボタン12を押すことにより、液晶表示装置5の表示画面の切り替え等を指示するための入力を行う。
台座部10の右側には、遊技者の手により外部から放り込まれるメダルを受け入れるためのメダル投入口22が設けられている。基本的に、メダル投入口22に1枚のメダルが入れられると、今回の遊技において投入されるメダルの枚数(以下、投入枚数)として1枚がカウントされる。そして、投入枚数が最大枚数(本実施の形態では3枚)に達した以降においてメダル投入口22に入れられたメダルは、予め定められた枚数(本実施の形態では50枚)を上限として、スロットマシン1内に預けることが可能となっている(いわゆるクレジット機能)。
また、台座部10の左側には、上記のようにスロットマシン1内に預けられたメダルの中から、投入する枚数を決定するための1−ベットボタン11及び最大ベットボタン13が設けられている。各ベットボタンが押されると、ベットボタンの種類に応じた値が投入枚数としてカウントされる(即ち、1−ベットボタン11であれば1枚であり、最大ベットボタン13であれば3枚)。
台座部10の中央には、7セグメントLEDから成る7セグ表示器18が設けられている。7セグ表示器18は、前述の投入枚数、入賞判定ラインに沿って予め定められた図柄の組合せが表示されたときに遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、スロットマシン1内に預けられている遊技者所有のメダルの枚数(以下、「クレジット枚数」という)などをデジタル表示する。
台座部10の前面部の左寄りには、スロットマシン1内に預けられているメダルを、正面下部に設けられたメダル払出口15から排出させるための精算ボタン14が設けられている。メダル払出口15から排出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。
台座部10の前面部の中央左寄りには、3つのリール3L,3C,3Rすべての回転を開始するためのスタートレバー6が設けられている。また、スタートレバー6の右側には、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応して設けられ、該当するリールの回転を停止させるためのストップボタン7L,7C,7Rが設けられている。例えば、左ストップボタン7Lが押されると、左リール3Lの回転が停止される。
以下では、3つのリールのすべてが回転しているときにおいて各ストップボタンの何れか1つが遊技者により押されるときを「第1停止操作」或いは「第1停止」という。また、これに続き、3つのリールのうち残り2つが回転しているときにおいてこれらに対応する各ストップボタンの何れか1つが遊技者により押されるときを「第2停止操作」或いは「第2停止」という。さらにまた、続いて、3つのリールのうち残り1つが回転しているときにおいてこれに対応するストップボタンが遊技者により押されるときを「第3停止操作」或いは「第3停止」という。
フロントドア1bの上部には、LEDからなるランプ101L,101Rが設けられている。また、フロントドア1bの下部には、スピーカ21L,21Rが設けられている。本実施の形態のスロットマシン1では、前述の液晶表示装置5により行われる映像の表示、ランプ101L,101Rにより行われる所定の点灯及び消灯のパターン(以下、点消灯パターン)での光の出力、スピーカ21L,21Rにより行われる効果音や楽曲等の音の出力、或いはこれらの組合せによって、内部当籤役等に基づいた演出を行う。
尚、図示は省略しているが、キャビネット1aの内部には、スロットマシン1に電源を投入するための電源ボタン、設定値の変更を開始するための設定変更ボタン、予め定められた複数の設定値(本実施の形態では、「1」、「4」、「6」及び「H」の4段階)の何れかを決定するためのリセットボタンが設けられている。
次に、図2を参照して、スロットマシン1の各リール3L,3C,3Rの表面に配されている図柄の配列について説明する。
各リール3L,3C,3Rの表面には複数種類の図柄がリールの回転方向に連続して配されている。より具体的には、各リール3L,3C,3Rの回転方向における各位置(後述のRAM33に設けられる図柄カウンタにより特定される位置であり、図柄位置「0」〜「20」)に対して、赤7(図柄61)、青7(図柄62)、BAR(図柄63)、スイカ(図柄64)、ベル(図柄65)、リプレイ(図柄66)、ボム(図柄67)、黒チェリー(図柄68)、赤チェリー(図柄69)及び青チェリー(図柄70)の何れかが配されている。尚、各リール3L,3C,3Rは、図中の矢印方向に、定速で回転(例えば80回転/分)するように後述の主制御回路71により制御され、表示窓4L,4C,4R内において、リール3L,3C,3Rの表面に配された複数の図柄がリールの回転に伴って変動する。
次に、図3を参照して、主制御回路71、副制御回路72、主制御回路71及び副制御回路72と電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を含むスロットマシン1の回路構成について説明する。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、CPU31、記憶手段であるROM32及びRAM33により構成されている。ROM32には、CPU31により実行される制御プログラム(例えば、後述の図63〜図85参照)、後述の内部抽籤テーブル等の各種テーブル(例えば、後述の図5〜図56参照)、副制御回路72に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。RAM33には、後述の内部当籤役格納領域等の各種格納領域(例えば、後述の図57〜図62参照)が設けられ、種々のデータが記憶される。
CPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、基準クロックパルスを発生する。発生される基準クロックパルスに基づいて、後述の割込処理などが行われる。乱数発生器36は、一定の範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、乱数発生器36により発生された乱数から1つの値(以下、乱数値)を抽出(サンプリング)する。
図3の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、7セグ表示器18、ホッパー40、ステッピングモータ49L,49C,49Rなどがある。また、マイクロコンピュータ30の各出力ポートには、CPU31から出力される制御信号を受けて、前述の各アクチュエータの動作を制御するための各回路がそれぞれ接続されている。各回路としては、表示部駆動回路48、モータ駆動回路39及びホッパー駆動回路41がある。
表示部駆動回路48は、7セグ表示器18による各種情報(払出枚数等)の表示の制御を行う。ホッパー駆動回路41は、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能なメダル払出装置として機能するホッパー40の駆動を制御し、メダルの排出を制御する。
モータ駆動回路39は、主制御回路71からのパルスをステッピングモータ49L,49C,49Rに対して出力することによって、ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動を制御し、リール3L,3C,3Rの回転及びその停止の制御を行う。本実施の形態では、ステッピングモータ49L,49C,49Rの回転を所定の減速比をもってリール3L,3C,3Rに伝達するギア(図示せず)が備えられており、ステッピングモータ49L,49C,49Rに対して16回のパルスの出力が行われることによって、リールの表面に配された図柄1個分の回転が行われる構成となっている。
また、マイクロコンピュータ30の各入力ポートには、スイッチ類等がそれぞれ接続されており、前述のアクチュエータ等の制御が行われる契機となる所定の信号を入力する。具体的には、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S、1−ベットスイッチ11S、最大ベットスイッチ13S、精算スイッチ14S、設定変更スイッチ19S、リセットスイッチ20S、メダルセンサ22S、リール位置検出回路50及び払出完了信号回路51が接続されている。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6が遊技者により押し下げられたことを検出する。ストップスイッチ7Sは、各ストップボタン7L,7C,7Rが遊技者により押されたことを検出する。
1−ベットスイッチ11Sは1−ベットボタン11が遊技者により押されたことを検出する。最大ベットスイッチ13Sは最大ベットボタン13が遊技者により押されたことを検出する。メダルセンサ22Sは、遊技者によりメダル投入口22に入れられたメダルがセレクタ(図示せず)を通過することを検出する。セレクタは、材質や形状などが適正であるメダルか否かを選別する装置であり、メダル投入口22から入れられた適正なメダルを、大量のメダルを貯留可能な収容部を備えるホッパー40へ案内する通路を形成している。尚、本実施の形態では、メダル投入口22に遊技者によりメダルが入れられること及び各ベットボタンが遊技者により押されたことを含めて「投入操作」という。
精算スイッチ14Sは、精算ボタン14が遊技者により押されたことを検出する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの動作により、ホッパー40により排出されたメダルが払出枚数に達したか否かを検出する。
リール位置検出回路50は、例えば発光部と受光部とを有する光センサにより、リールが1回転したことを示すリールインデックスをリール3L,3C,3R毎に検出する。本実施の形態では、リールが1回転したことを示すリールインデックスが検出されてから、前述のステッピングモータ49L,49C,49Rに対してパルスを出力した回数を計数することによって、リールの回転方向における位置(リールインデックスが検出される位置を基準とするリールの回転角度とも言える)を検出することが可能となっている。
前述のステッピングモータ49L,49C,49Rに対して出力されたパルスの数は、RAM33に設けられるパルスカウンタによって計数され、パルスカウンタにより16回のパルスの出力が計数される毎に、RAM33に設けられる図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、リールの種別に応じて設けられ、リールインデックスが後述のリール位置検出回路50によって検出される毎にその値がクリアされる。
また、図5に示すように、本実施の形態のROM32には、上記図柄カウンタにより管理されるリールの回転方向における各位置と、当該各位置に配される図柄の種別を特定するデータ(以下、図柄コード)とが対応づけられたデータテーブル(以下、図柄配置テーブル)が記憶されている。
上記図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに、センターライン8c(より厳密には、各表示窓4L,4C,4R内の縦方向における中段の領域の中心部)に位置する図柄を図柄位置「0」として、リールの回転方向に移動する順に、各図柄に対して図柄位置「0」〜「20」を割り当てていることから、表示窓の中段に位置する図柄の種別を各リールに応じて特定可能となっている。尚、CPU31により制御される図柄カウンタは、リールの回転方向における位置をリールの種別に応じて特定する位置特定手段を構成する。また、図柄カウンタ及び図柄配置テーブルは、所定の位置にある図柄を特定する図柄特定手段を構成する。
設定変更スイッチ19Sは、専用の鍵が鍵穴に差し込まれて所定方向に回動されたことを検出する鍵型のスイッチであり、管理者等によって行われる上記の操作を検出する。リセットスイッチ20Sは、リセットボタンが管理者等により押されたことを検出する。
設定値は、遊技者にとっての有利さの度合いをはかる指標となるデータであり、基本的に、後述の内部抽籤処理における内部当籤役の当籤確率等に関わる。入賞に係る内部当籤役の当籤確率が高いほど、より多くのメダルを獲得することができる可能性が生じるので、遊技者にとっては有利となる。本実施の形態では、設定値として「1」、「4」、「6」及び「H」の4段階を設けており、遊技者にとっての有利さの度合いは「H」が最も高く、次いで「6」、続いて「4」、そして「1」が最も低い。
次に、図4を参照して、副制御回路72の回路構成について説明する。
主制御回路71と副制御回路72とは電気的に接続されており、主制御回路71から副制御回路72への一方向通信が行われる構成となっている。そして、副制御回路72は、主制御回路71から送信された各種コマンド(後述するスタートコマンドなど)に基づいて演出の内容の決定や実行などの各種処理を行う。副制御回路72には、その動作が制御される主要なアクチュエータとして、液晶表示装置5、スピーカ21L,21R及びランプ101が接続されている。副制御回路72は、複数種類の演出データの何れかを決定する演出データ決定手段、決定された演出データを実行する演出データ実行手段を構成する。
副制御回路72は、基本的に、サブCPU81、制御ROM82及びSDRAM83を主たる構成要素としている。サブCPU81は、主制御回路71から送信された各種コマンドに基づいて、制御ROM82内に記憶された制御用プログラム等に従い、映像、音、光の出力を制御する。SDRAM83は、サブCPU81が制御用プログラムを実行する場合の、作業用の一時記憶手段として構成される。SDRAM83には、後述の内部当籤役やSP状態フラグ等のフラグデータを格納する格納領域、後述のATゲーム数カウンタや正解数カウンタといった0の意味を示すデータ及び1以上の意味を示すデータを格納可能な格納領域が設けられる。
制御ROM82は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。プログラム記憶領域は、サブCPU制御用プログラム(図104〜図117)を記憶する。具体的には、オペレーティングシステム、デバイスドライバ、主制御回路71との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出の内容(後述の演出データ等)の決定、並びに、液晶表示装置5により映像の表示を行うためのアニメーションデータの登録、スピーカ21L,21Rにより音の出力を行うためのサウンド演出リクエスト及びランプ101L,101Rにより光の出力を行うためのLEDデータの登録を行う演出登録タスクなどが含まれている。
データ記憶領域は、各種テーブル(図91〜図103)を記憶するテーブル記憶領域、複数種類の演出データを記憶する演出データ記憶領域、キャラクタオブジェクトデータといったアニメーションデータ等を記憶する描画制御データ記憶領域、光の点灯パターン等を定めたLEDデータを記憶するLED制御データ記憶領域、BGMや効果音といったサウンドデータを記憶するサウンドデータ記憶領域などが含まれている。
また、副制御回路72には、上記アニメーションデータ等を記憶する描画制御データ記憶領域に基づいて、液晶表示装置5による映像の表示を制御するためのレンダリングプロセッサ84、描画用SDRAM85(フレームバッファ86を含む)及びドライバ87が設けられている。
レンダリングプロセッサ84は、サブCPU81と接続されており、サブCPU81により出力される信号(コマンド)に応じて、レンダリングを行う。レンダリングプロセッサ84が行うタスクに必要なデータは起動時に描画用SDRAM85に展開される。レンダリングにより作成された映像は、ドライバ87を介して液晶表示装置5により表示される。
また、副制御回路72には、スピーカ21L,21Rによる音の出力を制御するためのデジタルシグナルプロセッサ(以下、DSP)90、オーディオRAM91、A/D変換器88及びアンプ89が設けられている。
DSP90は、サブCPU81と接続されており、サブCPU81により出力される信号(コマンド)に応じて、指定されたサウンドデータの出力を行う。DSP90が行うタスクに必要なデータはオーディオRAM91に展開される。A/D変換器88は、サウンドデータのデジタルからアナログへの変換を行う。アナログに変換が行われると、増幅器であるアンプ89を介してスピーカ21L,21Rにより出力される。
また、サブCPU81には、ランプ101が接続されている。サブCPU81は、光の点灯パターン等を記憶するLED制御データ記憶領域に基づいて、ランプ101による光の出力を制御する。
以下では、図5〜図56を参照して、主制御回路71のROM32に記憶されている各種テーブルについて説明する。まず、図5を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。
図柄配置テーブルは、各リール3L,3C,3Rの表面に配されている図柄の配列(図2参照)をデータにより表したものであって、図柄カウンタにより管理されるリールの回転方向における各位置「0」〜「20」に応じて、当該各位置に配される図柄の種別を示す図柄コードを規定している。
次に、図6を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。
本実施の形態のスロットマシン1では、前述の入賞判定ライン8a〜8eに沿って表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている予め定められた図柄の組合せと一致する場合に、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動、リプレイタイム(以下、「RT」)の作動等が行われる。図柄組合せテーブルは、予め定められた図柄の組合せを示すデータと、入賞作動フラグ及び払出枚数とを規定する。
入賞作動フラグは、入賞判定ラインに対して表示された図柄の組合せの種別を特定するデータである。入賞作動フラグは、基本的に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータであり、後述の表示役格納領域(より具体的には、それぞれ1バイトからなる表示役1格納領域、表示役2格納領域、表示役3格納領域及び表示役4格納領域)に格納される。尚、入賞判定ラインに沿って表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されている予め定められた図柄の組合せの何れにも一致しない場合には、入賞作動フラグとして「ハズレ」が決定される。
格納領域識別データは、対応する入賞作動フラグが格納される表示役格納領域(後述の図57)の種別を特定するためのデータである(より具体的には、格納領域のアドレスを算出するためのオフセット)。本実施の形態では、表示役1格納領域、表示役2格納領域、表示役3格納領域及び表示役4格納領域の4つが設けられており、これらの表示役格納領域に格納されるデータ(より具体的にいうならば、各入賞判定ラインに応じて特定された入賞作動フラグの論理和)を説明の便宜上「表示役」と称す。即ち、本実施の形態においては、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せが8種類を超えていることから、格納される領域の相違をもって、別種の表示役として管理し、仮に同一のビットパターンからなるものだとしても、夫々が異なる図柄の組合せを特定できるようにしている。
払出枚数は、遊技者に対して払い出しを行うメダルの枚数を表すデータであり、その数値に基づいてホッパー40の駆動によるメダルの排出や、クレジットカウンタの加算が行われる。本実施の形態では、表示役として、ベル1、ベル2、黒チェリー、スイカ、特殊役1、特殊役2、RB中増加役、赤チェリー1〜赤チェリー5及び青チェリー1〜青チェリー5が決定されたとき、払出枚数として0を超える数値が決定され、メダルの払い出しが行われる。
また、表示役としてリプレイが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。再遊技の作動が行われると、そのときの投入枚数と同数のメダルが、次回において遊技者による投入操作に基づかずに自動的に投入されるようになり、遊技者は次回において所有するメダルを消費しなくて済むようになる。
また、表示役としてBB1〜BB4が決定されたとき、後述のボーナスゲームの作動が行われる。表示役として、前述した、リプレイ、ベル1、ベル2、黒チェリー、スイカ、特殊役1、特殊役2、RB中増加役、赤チェリー1〜赤チェリー5、青チェリー1〜青チェリー5及びBB1〜BB4が決定されたとき、メダルの払い出し等といった所定の利益が遊技者に対して付与されることから、本実施の形態では、これらを含めて「入賞」と称す。
尚、本実施の形態では、表示役として特殊小役1、特殊小役2及び低リプ出目1〜低リプ出目4が決定されたとき、後述の遊技者にとって相対的に不利なリプレイタイム(以下、RT)1の作動が行われる。
次に、図7を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。
ボーナス作動時テーブルは、ボーナスゲーム、即ち、ビッグボーナス(以下、BB。本実施の形態ではBB1〜BB4の4種類が設けられている)の作動、並びに、レギュラーボーナス(以下、RB。本実施の形態ではRB1及びRB2の2種類が設けられている)の作動が決定されたとき、RAM33の格納領域に格納されるデータを規定する。本実施の形態では、後でフローチャート(後述の図64)を参照して説明するが、BB1の作動及びBB2の作動が行われている間は、RB1の作動が連続的に行われる一方で、BB3の作動及びBB4の作動が行われている間は、RB2の作動が連続的に行われる構成を採用している。
ボーナス作動時テーブルは、BBの作動が行われるとき、RAM33に格納されるデータとして、作動中フラグ及びボーナス終了枚数カウンタを規定する。作動中フラグは、作動が行われているボーナスゲームの種別を特定するためのデータである。また、ボーナス終了枚数カウンタは、BBの作動中において遊技者に対して払い出すメダルの総数を規定するデータである。尚、ボーナス終了枚数カウンタの減算が行われる結果、0に更新されたことを条件にBBの作動が終了する。
本実施の形態では、表示役としてBB1又はBB2が決定されたときでは、ボーナス終了枚数カウンタに435がセットされる一方で、表示役としてBB3又はBB4が決定されたときでは、ボーナス終了枚数カウンタに150がセットされる。したがって、遊技者にとって前者の方がより多くのメダルを獲得することが可能となっている。
ボーナス作動時テーブルは、RBの作動が行われるとき、RAM33に格納されるデータとして、作動中フラグ、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタを規定する。遊技可能回数カウンタは、開始操作の検出に基づいて抽籤処理が実効された回数(即ち、遊技回数)を管理するためのデータである。入賞可能回数カウンタは、メダルの払い出しに係る表示役が決定された回数を管理するためのデータである。尚、上記各カウンタの減算が行われる結果、0に更新されたことを条件にRBの作動が終了する。
次に、図8を参照して、内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブル決定テーブルは、遊技状態に応じて、内部抽籤テーブル及び抽籤回数を規定する。遊技状態は、選択する内部抽籤テーブルの種別を識別するためのデータであり、後述の制御プログラムに従って、主制御回路71のCPU31により管理される。各遊技状態に応じて設けられた内部抽籤テーブルを使い分けることによって、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、この結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。
本実施の形態では、一般遊技状態、RB1遊技状態及びRB2遊技状態が設けられており、それぞれに応じて内部抽籤テーブルが規定されている。具体的には、RB1の作動が行われているときはRB1遊技状態として管理され、RB2の作動が行われているときはRB2遊技状態として管理され、RB1の作動及びRB2の作動が何れも行われていないときは一般遊技状態として管理される。
次に、図9〜図13を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、抽籤値とデータポインタとを規定する。抽籤値は、これが割り当てられたデータ(即ち、内部抽籤テーブルにおいてはデータポインタ)が決定されるときの乱数値を規定したものであり、より具体的には、その個数を規定したものであるといえる。本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」の中から抽出される乱数値を、内部抽籤テーブルに規定されている当籤番号1を先頭とする各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁借り」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(即ち65536)」によって表すことができる。即ち、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、当籤確率が高く、これが割り当てられたデータが決定され易いといえる。前述の内部抽籤テーブル等決定テーブルにより規定されている抽籤回数は、各当籤番号について上記の桁借りが生じたか否かの判定を行う回数を示す。
データポインタは、後述の当たり要求フラグの決定に用いられるデータであり、各当籤番号に応じて、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが規定されている。即ち、上記抽籤の結果、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタの両方が取得される構成となっている。
図9は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。一般遊技状態用内部抽籤テーブルは、当籤番号1〜当籤番号26に応じた抽籤値とデータポインタとを規定する。図10は、RB1遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。RB1遊技状態用内部抽籤テーブルは、当籤番号1〜当籤番号4に応じた抽籤値とデータポインタとを規定する。図11は、RB2遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。RB2遊技状態用内部抽籤テーブルは、当籤番号1〜当籤番号4に応じた抽籤値とデータポインタとを規定する。
RB1遊技状態用内部抽籤テーブル及びRB2遊技状態用内部抽籤テーブルでは、当籤番号1〜当籤番号4のそれぞれに割り当てられた抽籤値を合計すると「65536」となり、これらの何れかに対応するデータポインタが必ず決定されるようになっている(即ち、ハズレがない)。後述するが、上記データポインタに基づいて決定される内部当籤役はメダルの払い出しに係るものであることから、RB1遊技状態用内部抽籤テーブル及びRB2遊技状態用内部抽籤テーブルが使用されることによって、メダルの払い出しに係る内部当籤役の当籤確率を増大させることが可能となっている。
図12は、RT1作動中用内部抽籤テーブルを示す。RT1作動中用内部抽籤テーブルは、当籤番号1〜当籤番号26に応じた抽籤値とデータポインタとを規定する。本実施の形態では、一般遊技状態において前述の特殊1、特殊2及び低リプ出目1〜低リプ出目4の何れかが表示役として決定されることを条件にRT1の作動が行われ、開始操作の検出に基づいてカウントされる遊技回数が予め定められた回数に達することを条件にその作動が終了する。RT1の作動が開始されると、上記一般遊技状態用内部抽籤テーブルがRT1作動中用内部抽籤テーブルに変更される。
図13は、RT2作動中用内部抽籤テーブルを示す。RT2作動中用内部抽籤テーブルは、当籤番号1〜当籤番号24に応じた抽籤値とデータポインタとを規定する。本実施の形態では、後述のBB1〜BB4の何れかが内部当籤役として決定されることを条件にRT2の作動が行われ、BB1〜BB4の作動が開始されることを条件にその作動が終了する。RT2の作動が開始されると、上記一般遊技状態用内部抽籤テーブルがRT2作動中用内部抽籤テーブルに変更される。
RT1作動中用内部抽籤テーブル及びRT2作動中用内部抽籤テーブルは、基本的に、当籤番号24に対応する抽籤値の大きさが異なることを除いて、一般遊技状態用内部抽籤テーブルと同様の構成となっている。後述するが、当籤番号24に対応するデータポインタに基づいて決定される内部当籤役は、再遊技の作動に係る内部当籤役である「リプレイ」である。
つまり、本実施の形態では、一般遊技状態用内部抽籤テーブル、RT1作動中用内部抽籤テーブル及びRT2作動中用内部抽籤テーブルのそれぞれを使い分けることによって、再遊技の作動に係る内部当籤役の当籤確率を変動させることが可能となっている。
ここで、一般遊技状態用内部抽籤テーブル、RT1作動中用内部抽籤テーブル及びRT2作動中用内部抽籤テーブルにおいて、再遊技の作動に係る内部当籤役の当籤確率は、「当籤番号24に対応する抽籤値/65536」として表すことができる。その当籤確率を各内部抽籤テーブル間で比べると、一般遊技状態が最も高く、RT2作動中が次に高く、RT1作動中が最も低い。
したがって、一般遊技状態用内部抽籤テーブルが使用されているときは、前述のRT1作動中用内部抽籤テーブルが使用されているときと比べて、再遊技の作動が行われる機会が増加されるようになり、メダルの消費を抑えながら、前記内部当籤役の決定に係る抽籤の実行を享受することができるようになる。即ち、本実施の形態の一般遊技状態は、BB1〜BB4が作動している場合を除けば、遊技者にとって相対的に最も有利な状態として位置づけられている一方、RT1作動中は、遊技者にとって相対的に最も不利な状態として位置づけられている。尚、RT1作動中は、その期待値が「1」を下回ることから、メダルの消費が増す傾向にある。
このような構成によると、本実施の形態のスロットマシン1では、一般遊技状態において、RT1の作動に係る図柄の組合せが表示されないようにし、その結果RT1の作動が開始されてしまうことを回避して、一般遊技状態を如何に長引かせることができるかという点が、遊技者にとってより多くのメダルを獲得する上での鍵となる。
尚、図示は省略しているが、一般遊技状態用内部抽籤テーブル、RT1作動中用内部抽籤テーブル及びRT2作動中用内部抽籤テーブルは、設定値に応じて設けられており、設定値が高いほど、メダルの払い出しやボーナスゲームの作動に係るデータポインタの当籤確率が高くなるように各抽籤値が規定されている。
次に、図14及び図15を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。
内部当籤役決定テーブルは、データポインタに応じて当り要求フラグを規定する。当り要求フラグは、後述の内部当籤役格納領域(より具体的には、それぞれ1バイトからなる内部当籤役1格納領域、内部当籤役2格納領域、内部当籤役3格納領域及び内部当籤役4格納領域)に格納されるデータであり、基本的に各ビットに固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイト×4の大きさからなるデータである。
本実施の形態では、この内部当籤役格納領域に格納されるデータ(より具体的にいうならば、当り要求フラグの論理和)を説明の便宜上「内部当籤役」と称す。つまり、本実施の形態においては、入賞に係る図柄の組合せが8種類を超えていることから、格納される領域の相違をもって、別種の内部当籤役として管理し、仮に同一のビットパターンからなるものだとしても、夫々が異なる図柄の組合せの表示を許容できるようにしている。尚、前述のデータポインタの決定と、当り要求フラグの決定と、内部当籤役の決定とは、等価な関係にあるといえる。
内部当籤役は、後述の入賞に係る図柄の組合せのうち、入賞判定ライン8a〜8eに対してその表示を許容する図柄の組合せの種別を特定するデータであるともいえ、例えば、その内容が「特殊1+特殊2」である場合、特殊1に係る図柄の組合せ及び特殊2に係る図柄の組合せのそれぞれの表示が許容されることとなる。尚、許容するとは、遊技者による停止操作の検出に基づいて、入賞に係る内部当籤役に対応する図柄の組合せが入賞判定ラインに表示されるようにリールの回転が停止する位置を決定することを意味する。尚、データポインタが「0」のときは、その内容は「ハズレ」となるが、これは前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの表示が何れも許容されないことを示す。
図14は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す。小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、メダルの払い出しに係る図柄の組合せの表示又は再遊技の作動に係る図柄の組合せの表示を許容するものであって、それぞれ1バイトからなる3種の当たり要求フラグ(即ち、データ1〜データ3)を規定している。データ1は後述の内部当籤役1格納領域に、データ2は後述の内部当籤役2格納領域に、データ3は後述の内部当籤役3格納領域にそれぞれ格納される。各小役・リプレイ用データポインタ「0」〜「14」に応じて決定される内部当籤役の種類は図示の通りである。
後の説明のために触れておくと、小役・リプレイ用データポインタとして「7」、「8」及び「9」が決定されたとき、前述のRT1の作動に係る図柄の組合せの表示を許容する当り要求フラグが決定される。具体的に、RT1の作動に係る図柄の組合せの表示を許容する当り要求フラグとして、「特殊1」、「特殊1+特殊2」及び「特殊2」の3通りが設けられている。
尚、前述の一般遊技状態用内部抽籤テーブルにおいて、上記当り要求フラグ「特殊1」が決定される当籤番号15〜当籤番号17の抽籤値、上記当り要求フラグ「特殊1+特殊2」が決定される当籤番号18〜当籤番号20の抽籤値、並びに、上記当り要求フラグ「特殊2」が決定される当籤番号21〜当籤番号23の抽籤値は、その大きさがそれぞれ等しく規定されている(したがって、当籤確率の偏りからこれらの何れが決定されたかを予想することは難しい)。
図15は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す。ボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナスゲームの作動に係る図柄の組合せの表示を許容するものであって、1バイトからなる当たり要求フラグ(即ち、データ4)を規定している。このデータ4は後述の内部当籤役4格納領域に格納される。各ボーナス用データポインタ「0」〜「4」に応じて決定される内部当籤役の種類は図示の通りである。
尚、本実施の形態では、例えば、一般遊技状態用内部抽籤テーブルにおいて当籤番号が「6」のときのように、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが共に0を超える値であるとき、メダルの払い出しに係る図柄の組合せの表示と、ボーナスゲームの作動に係る図柄の組合せの表示とが共に許容される内部当籤役が決定されることとなる。
次に、図16を参照して、リール停止初期設定テーブルについて説明する。
リール停止初期設定テーブルは、小役・リプレイ用データポインタに応じて、順押し時テーブル選択データ、順押し時テーブル変更データ、変則押し時テーブル選択データ及び検索テーブル変更フラグを規定する。これらのデータは、後述の「滑り駒数」の決定、言い換えると、リールの回転を停止する位置の決定に用いられるデータテーブル(以下、「停止テーブル」という)の選択を行う際に参照される。
詳しくは後で説明するが、本実施の形態では、3つのリールすべての回転が行われているときにおいて左ストップボタン7Lが最初に押されたときと、3つのリールすべての回転が行われているときにおいて中ストップボタン7Cが最初に押されたときと、3つのリールすべての回転が行われているときにおいて右ストップボタン7Rが最初に押されたときとに応じて、参照する停止テーブルを使い分けるようにしている。以下では、3つのリールすべての回転が行われているときにおいて左ストップボタン7Lが最初に押されたときを「順押し」といい、3つのリールすべての回転が行われているときにおいて左ストップボタン7L以外のストップボタンが最初に押されたときを「変則押し」という。
本実施の形態では、3つのストップボタン7L,7C,7Rの中から、第1停止操作、第2停止操作及び第3停止操作のそれぞれにおいてストップボタンを選択する順序(以下、選択順序)は全部で6通りある。つまり、左ストップボタン7Lを「左」、中ストップボタン7Cを「中」、右ストップボタン7Rを「右」と略記し、第1停止操作、第2停止操作及び第3停止操作に対応させて左から順に並べることによって選択順序を表記すると、「左→中→右」、「左→右→中」、「中→左→右」、「中→右→左」、「右→左→中」及び「右→中→左」の6通りである。これらのうち、順押しは「左→中→右」及び「左→右→中」であり、変則押しは「中→左→右」、「中→右→左」、「右→左→中」及び「右→中→左」である。
リール停止初期設定テーブルが規定している各データの説明に戻すと、順押し時テーブル選択データは、順押しが行われる場合に、第1停止操作が検出されたときに参照される停止テーブル(以下、第1使用停止テーブル)の選択に用いられる。ここで、本実施の形態では、順押しが行われた場合には、第1停止時にリールの回転が停止した位置等に基づいて、続く第2停止操作及び第3停止操作が検出されたときに参照する停止テーブル(以下、第2・第3使用停止テーブル)を決定するようにしている。順押し時テーブル変更データは、この第2・第3使用停止テーブルの決定に用いられる。
また、変則押し時テーブル選択データは、変則押しが行われる場合に参照される停止テーブルの選択に用いられる。ここで、本実施の形態では、変則押しが行われた場合には、第1停止操作、第2停止操作及び第3停止操作のそれぞれにおいて共通する1つの停止テーブルを参照するか、或いは、順押し時と同様に、第1停止操作時と続く第2停止操作時及び第3停止操作時とで異なる停止テーブルを参照するか、の何れかを決定するようにしている。検索テーブル変更フラグは、上記の決定に用いられるデータであり、フラグが立っていないとき(0のときであり、オフのとき)は前者が、フラグが立っているとき(1のときであり、オンのとき)は後者が決定される。
尚、「特殊1」、「特殊1+特殊2」又は「特殊2」といった、RT1の作動に係る内部当籤役が決定された場合、上記検索テーブル変更フラグが必ずオンとなるように規定されており、第1停止操作時には第1使用停止テーブルを参照し、第2停止操作時及び第3停止操作時には第2・第3使用停止テーブルを参照するようにしている。そして、図示は省略しているが、他の内部当籤役については、検索テーブル変更フラグがオフとなるものが規定されている。
ここで、いわゆる「滑り駒数」についての説明をしておくと、本実施の形態のスロットマシン1では、ストップボタンが押されると、基本的に、押されたときから規定時間(190msec)以内に該当するリールの回転を停止する制御を行うようにしている。つまり、遊技者からすれば、ストップボタンを押したのち上記規定時間の経過内にリールの回転が停止された場合、目当ての図柄が下方に移動した後に停止することとなる。本実施の形態では、これを、いわゆるリールの「滑り」と呼び、説明の便宜上、上記規定時間内でのリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼ぶ。より具体的にいえば、ストップスイッチ7Sにより停止操作が検出されてから該当するリールの回転が停止するまでの期間において、基準とする位置(例えばセンターライン8c)を通過する図柄の数が滑り駒数であるといえる。
そして、ストップボタンが押されると、入賞に係る内部当籤役が決定されたときであれば、前述した「滑り」を利用して、これが許容する図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるように各リールの回転を停止する(これを「引き込み」と呼ぶ)。これに対して、ハズレに係る内部当籤役が決定されたときであれば、前述した「滑り」を利用して、入賞に係る図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されることがないように各リールの回転を停止する(これを「蹴飛ばし」と呼ぶ)。
尚、本実施の形態では、滑り駒数の最大値X(Xは自然数)は、上記規定時間(190msec)とリールの表面に配された図柄の個数(21個)との関係から「4」に定められている。したがって、ストップボタンが押されたときに、例えばセンターライン8c上にある図柄から4個先までの範囲内にある各図柄の何れかが、上記センターライン8c上に到達したときに、該当するリールの回転を停止することが可能となっている。
ストップスイッチ7Sにより停止操作が検出されたときの該当リールの図柄カウンタに対応する図柄位置(以下、「停止開始位置」という)に、滑り駒数として規定されている予め定められた数値「0」〜「4」のうちの何れかを加算した図柄位置が、リールの回転が停止する図柄位置(これを「停止予定位置」という)となる。
ここで、図2を参照すると、例えば図柄「リプレイ」は、各リールの表面において、他の図柄が「X+1」個(即ち、5個)連続しない間隔で配されている。このような図柄から構成される図柄の組合せは、これが許容される内部当籤役が決定されていれば、各リールの図柄位置の何れが停止開始位置となっても、前述したリールの「滑り」を利用して入賞判定ライン上に引き込まれるようになる。
これに対して、例えば、左リール3L及び中リール3Cの表面における図柄「ボム」や右リール3Rの表面における図柄「赤チェリー」及び図柄「青チェリー」のように、そのリールの表面において他の図柄がX+1個(即ち、5個)連続する間隔で配される図柄から構成される図柄の組合せ(即ち、RT1の作動に係る特殊1に係る図柄の組合せや特殊2に係る図柄の組合せ)は、その表示が許容される内部当籤役が決定されていても、停止開始位置によっては、「滑り」を利用してもその表示が行われない場合がある。このことを言い換えると、上記のような図柄が引き込まれるタイミングとは異なるタイミングをはかってストップボタンを押すことによって、これが構成する図柄の組合せが表示されるのを回避することが可能となっている。
ここで、図2を参照して、特殊1に係る図柄の組合せ(ボム−ボム−赤チェリー)或いは特殊2に係る図柄の組合せ(ボム−ボム−青チェリー)を構成する図柄(以下、特殊図柄という)を引き込み可能な位置(以下、引き込み可能位置という)について触れておくと、左リール3Lにおける特殊図柄は、図柄位置「19」の図柄「ボム」であるから、その引き込み可能位置は図柄位置「14」〜図柄位置「20」となる。
同様に、中リール3Cにおける特殊図柄は、図柄位置「19」の図柄「ボム」であるから、その引き込み可能位置も図柄位置「14」〜図柄位置「20」となる。また、右リール3Rにおける特殊図柄は、図柄位置「17」の図柄「赤チェリー」と図柄位置「4」の図柄「青チェリー」であるから、その引き込み可能位置は図柄位置「12」〜図柄位置「18」と図柄位置「0」〜図柄位置「5」及び図柄位置「20」となる。
したがって、遊技者は、「特殊1」、「特殊1+特殊2」及び「特殊2」が内部当籤役として決定された場合、基本的に、上記の引き込み可能位置とは異なる位置が停止開始位置となるように該当するストップボタンを押すことができれば、特殊1(或いは特殊2)に係る図柄の組合せが表示されるのを回避することが可能となる。
尚、本実施の形態では、上記の引き込み可能位置とは異なる位置の中で、図柄位置「7」及び図柄位置「9」に図柄「BAR」を配し、図柄位置「8」に図柄「黒チェリー」を配している。即ち、連続する3つの図柄位置に配される各図柄の間に「黒色」という色彩によって統一性がもたらされるようにしている。
これは、上記3つの図柄からなる図柄群(以下、黒色図柄群)が表示窓内を通過したことを遊技者が容易に視認することができるようにして、遊技者がストップボタンを押すタイミングをはかる際の補助を行うことを目的としている。つまり、技量が未熟な遊技者であっても、上記黒色図柄群が表示窓内を通過するときにストップボタンを押すことができれば、特殊図柄の引き込み可能位置とはならないので、その表示を回避することが比較的容易に行うことができる。尚、上記のように連続する3つの図柄位置に配される各図柄の間には、色彩に限らず、形状、模様、或いはこれらの組合せを採用することもでき、何らかの関連性もしくは統一性が設定されていることが好ましい。
詳しくは追って説明していくが、本実施の形態では、前述した「特殊1」、「特殊1+特殊2」及び「特殊2」といった、遊技者にとって不利なRT1の作動に係る3通りの内部当籤役の何れかが決定された場合に、RT1の作動が開始されるのを回避するためには、第1停止操作時において、前述したように特殊図柄の引き込み可能位置とは異なる位置が停止開始位置となるようにストップボタンを押すことに加えて、このとき選択したストップボタンの種別が上記各内部当籤役に応じて予め定められているストップボタンの種別と一致していることが求められる。
図17は、上記RT1の作動に係る3通りの内部当籤役が決定されたときにおける、第1停止操作時において選択されたストップボタンの種別とRT1の作動が回避されるか否かとの関係を示している。
図17に示すように、内部当籤役が「特殊1」であるとき、第1停止操作時において選択されたストップボタンが右ストップボタン7Rであれば、RT1の作動が回避される可能性がある(図中のセーフ)一方で、右ストップボタン7Rとは異なるものであれば、RT1の作動が行われる(図中のアウト)。
また、内部当籤役が「特殊1+特殊2」であるとき、第1停止操作時において選択されたストップボタンが左ストップボタン7Lであれば、RT1の作動が回避される可能性がある一方で、左ストップボタン7Lとは異なるものであれば、RT1の作動が行われる。
さらに、内部当籤役が「特殊2」であるとき、第1停止操作時において選択されたストップボタンが中ストップボタン7Cであれば、RT1の作動が回避される可能性がある一方で、中ストップボタン7Cとは異なるものであれば、RT1の作動が行われる。
第1停止操作時において選択されたストップボタンの種別と各内部当籤役に対応するストップボタンの種別が一致しなかったとき、又は、両者が一致しても、そのときの停止開始位置が特殊図柄の引き込み可能位置であるときは、基本的に、低リプ出目1〜低リプ出目4の何れかに係る図柄の組合せが表示されるようになっている。但し、3つのリール3L,3C,3Rすべての停止開始位置が前述の特殊図柄の引き込み可能位置であるときは、特殊1に係る図柄の組合せ或いは特殊2に係る図柄の組合せが表示される。
これに対して、第1停止操作時において選択されたストップボタンの種別と各内部当籤役に対応するストップボタンの種別が一致し、且つ、そのときの停止開始位置が特殊図柄の引き込み可能位置とは異なる位置であるときは、前述の低リプ出目1〜低リプ出目4、特殊1及び特殊2の何れにも該当しない図柄の組合せ(以下、セーフ出目)が表示され、RT1の作動が回避される。
以下では、図18〜図49を参照して、前述のRT1の作動に係る3通りの内部当籤役(特殊1、特殊1+特殊2、特殊2)が決定された場合に選択される停止テーブル等について説明する。図17を参照して説明した内容は、以下で説明する停止テーブル等を使用することによって実現される。
はじめに、図18〜図31を参照して、順押しが行われた場合に選択される停止テーブル等について説明する。
まず、図18を参照して、順押し時第1使用停止テーブルについて説明する。図18に示す順押し時第1使用停止テーブルA0は、第1停止操作時において選択されたストップボタンが左ストップボタン7Lであるときに、内部当籤役が特殊1、特殊1+特殊2及び特殊2のそれぞれであるときに共通して選択される。
順押し時第1使用停止テーブルA0は、左リール3Lの図柄位置(換言するならば停止開始位置)「0」〜「20」に応じて、停止データ用滑り駒数とライン変更ステータスとを規定する。
尚、順押し時第1使用停止テーブルA0は、順押し時テーブル選択データが偶数か奇数かに応じて、停止データ用滑り駒数及びライン変更ステータスを規定している。前述のリール停止初期設定テーブル(図16)を参照すると、特殊1、特殊1+特殊2又は特殊2が内部当籤役として決定された場合には順押し時テーブル選択データとして「4(即ち、偶数)」が選択されることから、「偶数」に該当する箇所が参照される。
停止データ用滑り駒数とは、停止テーブルに基づいて決定される仮の滑り駒数である。本実施の形態では、原則、停止テーブルに基づいて滑り駒数が決定されるが、この停止テーブルに基づいて決定された滑り駒数の他に、より適切な滑り駒数が存在する場合には、当該適切な滑り駒数に変更するようにしている(詳細は後述する)。これによって、停止テーブルが有するデータに仮に不備があったとしても、内部当籤役に基づいて適切な滑り駒数が決定されるようになる。但し、停止テーブルに基づいて決定された滑り駒数の他に、より適切な滑り駒数が存在しない場合には、原則の通り、停止テーブルに基づいて決定された滑り駒数に基づいてリールの回転が停止される。
ライン変更ステータスは、停止開始位置が特定のものであるか否かを識別するデータである。このライン変更ステータスと後述する第1停止時の停止予定位置とに基づいて、続く第2停止操作時及び第3停止操作時において参照する停止テーブルが決定される。
順押し時第1使用停止テーブルは、基本的に、左リール3Lの特殊図柄(即ち、図柄位置19の図柄ボム)を左表示窓4L内に引き込み可能となる位置(例えば、停止予定位置として「18」及び「20」が決定されることとなる図柄位置14〜図柄位置20)と、それとは異なる位置(例えば、図柄位置3〜図柄位置13)とで、異なるライン変更ステータスを規定している。
順押しが行われた場合は、第1停止操作時において、上記3通りの内部当籤役のそれぞれに共通した停止テーブルを参照して、内部当籤役の種類にかかわらず、左リールの回転が停止する位置が同様となるようにしている。したがって、各内部当籤役に応じて停止テーブルを設ける場合と比べて、データ量の増加を極力抑えることができる。また、3通りの内部当籤役の何れが決定されているのかをリールの回転が停止した位置から推測することができないようにして、すべてのリールの回転が停止するまで遊技者の期待を維持するようにしている。
次に、図19及び図20を参照して、順押し時制御変更テーブルについて説明する。
図19に示す順押し時制御変更テーブル2は、内部当籤役として特殊1+特殊2が決定された場合(順押し時テーブル変更データが「2」のとき)に選択される。図20に示す順押し時制御変更テーブル3は、内部当籤役として特殊1又は特殊2が決定された場合(順押し時テーブル変更データが「3」のとき)に選択される。
順押し時制御変更テーブルは、前述のライン変更ステータス毎に、変更対象ポジション(換言するならば左リール3Lの停止予定位置)「0」〜「20」に応じた、Cラインチェックデータと順押し時第2・第3使用テーブル番号とを規定する。尚、図中の白抜きにより示された箇所は、前述の順押し時第1使用テーブルに基づいて決定される可能性のある停止予定位置に対応している。
順押し時第2・第3使用テーブル番号は、順押し時の第2・第3使用停止テーブルの種別を特定するデータである。当該データに基づいて、参照する停止テーブルのアドレスが指定される。
Cラインチェックデータは、後述の順押し時第2・第3使用停止テーブルにより規定されており、滑り駒数を決定するために参照される1バイトのデータ(以下、停止データ)のうち、特定のビット列(即ち、後述のCラインデータに対応するビット列)を参照するか否かを決定するためのデータである。停止データの構成等の詳細は後述する。
このように、本実施の形態では、順押し時において第1停止が行われると、そのときの停止開始位置と停止予定位置とに基づいて、その後の第2停止及び第3停止において参照する停止テーブル等(要するに、どのようなデータを用いて滑り駒数を決定するか)の選択を行うようにしている。尚、ライン変更ステータスは、停止開始位置に応じて取得されるものであるが、同じ停止予定位置として決定されるものについては取得されるデータが同じであり、停止予定位置に応じて選択されるということもできる。
次に、図21〜図31を参照して、順押し時第2・第3使用停止テーブルについて説明する。これらの順押し時第2・第3使用停止テーブルC1〜C11は、前述の順押し時制御変更テーブルにおける白抜きの箇所にて選択される。
順押し時第2・第3使用停止テーブルは、図柄位置(換言するならば、停止開始位置)「0」〜「20」のそれぞれに応じて1バイトの停止データを規定している。
停止データは、それ自身が対応付けられている図柄位置が、リールの回転が停止する位置として適切か否かの情報を有している。そして、この停止データは、対応する図柄位置がリールの回転が停止する位置として適切か否かの情報を、「Aライン」の列に対応するビット、「Bライン」の列に対応するビット、及び「Cライン」の列に対応するビットを割り当てることによって3種類有している。言い換えれば、滑り駒数の決め方を3通り備えているといえ、同じ停止開始位置であっても、それぞれに応じて、異なる停止予定位置を決定することを可能とするものである。そして、停止データは、これらの3種類の情報のうち何れを採用すべきかの情報を、「ライン変更」の列に対応するビットを割り当てることによって規定している。
このように、滑り駒数を決定するために参照するデータを複数パターン備え、且つ、これを1バイトのデータに納めることによって、決定される停止予定位置の多様化を図りつつ、情報の圧縮化を図ることが可能となっている。
順押し時第2・第3使用停止テーブルにおける停止データの内容を具体的に説明すると、ビット0〜ビット7のうち、ビット1は「右リールAライン」の列に、ビット0は「右リールBライン」の列にそれぞれ対応している。また、ビット2は、第2停止時に参照されるものであり、第2停止の対象が右リールであるときの「右リールライン変更」の列に対応している。
ビット4は「中リールAライン」の列に、ビット3は「中リールBライン」の列にそれぞれ対応している。また、ビット5は、第2停止時に参照されるものであり、第2停止の対象が中リールであるときの「中リールライン変更」の列に対応している。
ビット6は、第3停止時に参照されるものであり、「第1停止が左リールであり、且つ第2停止が右リールであり、第3停止の対象が中リールとなるときのライン変更」又は「中リールCライン」の列に対応している。ビット7は、第3停止時に参照されるものであり、「第1停止が左リールであり、且つ第2停止が中リールであり、第3停止の対象が右リールとなるときのライン変更」又は「右リールCライン」の列に対応している。
上記のビット6及びビット7は、第3停止時においてライン変更を行うか否かを決定する情報と、「Cライン」への変更を行うと決定されたときに滑り駒数を決定するための情報とを兼ね備えている。このように、本実施の形態では、同一のデータ(即ち、1つのビット)につき、複数種類の情報を兼ね備えさせているので、情報の圧縮化を図るのにより好適となっている。
次に、図32〜図35を参照して、ラインマスクデータテーブルについて説明する。
前述の第2・第3使用停止テーブルに基づいた滑り駒数等の決定は、1バイトからなる所定の検索用データ(以下、ラインマスクデータ)を用いて行われる。ラインマスクデータテーブルは、ストップボタンの種別に応じてラインマスクデータを規定している。
図35の対応表に示したように、基本的に、順押しが行われた場合は(尚、説明は省略するが、変則押しが行われた場合でも、検索テーブル変更フラグがオフのとき)、第1停止操作時、第2停止操作時及び第3停止操作時において、図32に示すラインマスクデータテーブルE0が参照される。
また、変則押しが行われた場合は(より厳密にいえば、検索テーブル変更フラグがオンのとき)、第1停止操作時において図32に示すラインマスクデータテーブルE0が参照され、第2停止操作時において図33に示すラインマスクデータテーブルE1が参照され、第3停止操作時において図34に示すラインマスクデータテーブルE2が参照される。
ラインマスクデータは、前述の停止データを構成する1バイトのデータのうち何れのビットを参照するかを特定するデータである。例えば、前述の順押し時第2・第3使用停止テーブルが参照されるときは、上記ラインマスクデータテーブルE0が参照されるが、そのラインマスクデータの内容が右ストップボタン7Rに対応する「00000010B」であるとき、ビット1の列に対応する「右リールAライン」が参照されることとなる。
基本的に、ストップボタンに対応するラインマスクデータ(詳しくは後でフローチャートを参照して説明するが、Aライン、Bライン及びCラインの何れかに対応するように所定の加工が施された結果を含む)と、その停止開始位置から最大滑り駒数の範囲までの各図柄位置に対応する停止データとの論理積が順次とられていき、その結果、停止開始位置に対応する停止データから前述の論理積が0とならない停止データまでの差分が停止データ用滑り駒数として決定されるようになっている。
また、ライン変更のチェックの場合では、停止開始位置に対応する停止データとの論理積が0とならないとき、ライン変更を行うと決定される一方、その論理積が0となるとき、ライン変更を行わないと決定されるようになっている。
ここで、一例として、左リール3Lの停止予定位置が「18」であるときに選択される、順押し時第2・第3使用停止テーブル「C11」に基づいて決定される停止予定位置、並びに、表示窓において表示される図柄の組合せの内容について説明する。
順押し時第2・第3使用停止テーブル「C11」が規定している停止データのうち「中リールAライン」の列に基づいて決定される可能性のある停止予定位置は、「2」、「5」、「10」、「13」及び「18」の何れかとなる(即ち、対応するビットに「1」が割り当てられている図柄位置)。これらの停止予定位置にて中リール3Cの回転が停止されると、中表示窓4Cの中段に図柄「リプレイ」が表示される(図2を参照のこと)。また、「右リールAライン」の列に基づいて決定される可能性のある停止予定位置は、「1」、「5」、「10」、「14」及び「18」の何れかであり、これらの停止予定位置にて右リール3Rの回転が停止されると、右表示窓4Rの上段に図柄「リプレイ」が表示される。
前述したように左リール3Lの停止予定位置が「18」のとき、左表示窓4Lの下段には図柄「赤7」が表示されていることになるから、上記「Aライン」の列が参照されることによって、クロスアップライン8aに沿って低リプ出目1に係る図柄の組合せ「赤7−リプレイ−リプレイ」が表示される(図6を参照のこと)こととなる。
同様にして、「中リールBライン」の列に基づいて中リール3Cの回転が停止されると、中表示窓4Cの下段に図柄「リプレイ」が表示される。また、「右リールBライン」の列に基づいて右リール3Rの回転が停止されると、右表示窓4Rの下段に図柄「リプレイ」が表示される。この結果、ボトムライン8dに沿って低リプ出目1に係る図柄の組合せ「赤7−リプレイ−リプレイ」が表示されることとなる。
このように、第2・第3使用停止テーブルは、対応する図柄位置がリールの回転が停止する位置として適切か否かの情報を複数種類備えることによって、表示窓において図柄の組合せを表示するパターンを多様なものとすることが可能となっている。
続いて、図36〜図53を参照して、変則押しが行われた場合に選択される停止テーブル等について説明する。
まず、図36〜図41を参照して、変則押し時第1使用停止テーブルについて説明する。
図36及び図37に示す変則押し時第1使用停止テーブルは、内部当籤役として特殊1+特殊2が決定された場合に選択される。第1停止操作時に選択されたストップボタンの種別が中ストップボタン7Cであるとき、図36に示す変則押し時第1使用停止テーブルB0が選択される一方、右ストップボタン7Rであるとき、図37に示す変則押し時第1使用停止テーブルB1が選択される。
また、図38及び図39に示す変則押し時第1使用停止テーブルは、内部当籤役として特殊1が決定された場合に選択される。第1停止操作時に選択されたストップボタンの種別が中ストップボタン7Cであるとき、図38に示す変則押し時第1使用停止テーブルB2が選択される一方、右ストップボタン7Rであるとき、図39に示す変則押し時第1使用停止テーブルB3が選択される。
また、図40及び図41に示す変則押し時第1使用停止テーブルは、内部当籤役として特殊2が決定された場合に選択される。第1停止操作時に選択されたストップボタンの種別が中ストップボタン7Cであるとき、図40に示す変則押し時第1使用停止テーブルB4が選択される一方、右ストップボタン7Rであるとき、図41に示す変則押し時第1使用停止テーブルB5が選択される。
変則押し時第1使用停止テーブルは、中リール3C又は右リール3Rの図柄位置(換言するならば、停止開始位置)「0」〜「20」に応じて、停止データ用滑り駒数と変則押し時第2・第3使用テーブル番号とを規定する。
変則押し時第2・第3使用テーブル番号は、変則押しが行われた場合の第2・第3使用停止テーブルの種別を特定するデータである。当該データに基づいて、参照する停止テーブルのアドレスが指定される。
尚、変則押し時第2・第3使用テーブル番号は、中リール3C又は右リール3Rの停止開始位置に応じて取得されるが、決定される停止予定位置が同じとなるものについて、選択される変則押し時第2・第3使用テーブル番号の種別は等しい。例えば、変則押し時第1使用停止テーブルB0において、停止開始位置が「14」〜「18」のとき、停止予定位置として「18」が決定されるように停止データ用滑り駒数が規定されているが、この停止開始位置「14」〜「18」のそれぞれに対して、同じ番号である「D05」が規定されている。このことから、変則押し時第2・第3使用テーブル番号は、停止予定位置に応じて選択されるということもできる。
このように、本実施の形態では、内部当籤役として特殊1、特殊1+特殊2及び特殊2が決定された場合に、変則押しが行われると、前述の順押しが行われた場合と同様に、第1停止時の停止開始位置(或いは停止予定位置)に基づいて、その後の第2停止及び第3停止において参照する停止テーブル等の選択を行うようにしている。
中ストップボタンが押されたときに選択される変則押し時第1使用停止テーブル「B0」、「B2」及び「B4」は、各停止開始位置に応じてそれぞれが規定する停止データ用滑り駒数は同じである。また、右ストップボタンが押されたときに選択される変則押し時第1使用停止テーブル「B1」、「B3」及び「B5」は、各停止開始位置に応じてそれぞれが規定する停止データ用滑り駒数は同じである。
即ち、変則押しが行われた場合も、順押しが行われた場合と同様に、第1停止が行われたときは、上記3通りの内部当籤役にかかわらず、該当するリールの回転が停止する位置が同じとなるようにしている。尚、順押し時と同様に、上記3通りの内部当籤役のそれぞれに応じて選択される停止テーブルの共通化を図るようにしても良く(但し、共通化する場合、第2・第3使用テーブル番号など、各内部当籤役に応じてデータが異なる部分についてはこれを別のテーブルにより規定する必要がある)、この場合はデータ容量の軽減を図ることができる。
次に、図42〜図53を参照して、変則押し時第2・第3使用停止テーブルについて説明する。
変則押し時第2・第3使用停止テーブルは、図柄位置(換言するならば、停止開始位置)「0」〜「20」のそれぞれに応じて1バイトの停止データを規定している。この変則押し時第2・第3使用停止テーブルが規定している停止データは、対応する図柄位置がリールの回転が停止する位置として適切か否かの情報を、「Aライン」の列に対応するビット及び「Bライン」の列に対応するビットを割り当てることによって2種類有している(「Cライン」に対応する情報は設けていない)。また、この2種類の情報のうち何れを採用すべきかの情報を、前述した順押し時第2・第3使用停止テーブルと同様に、「ライン変更」の列に対応するビットを割り当てることによって規定している。
変則押し時第2・第3使用停止テーブルが規定している停止データと、前述した順押し時第2・第3使用停止テーブルが規定している停止データとでは、ビット0〜ビット7の各列に持たせている情報の内容が異なっているが、対応する図柄位置がリールの回転が停止する位置として適切か否かの情報を複数種類備え、表示窓において表示する図柄の組合せの多様化を図るという点では同様の構成を備えているといえる。
変則押し時第2・第3使用停止テーブルにおける停止データの内容を具体的に説明すると、ビット0〜ビット7のうち、ビット0〜ビット3の下位の4列は、ストップボタンの選択順序が「中→右→左」又は「右→中→左」のときに参照される。
ビット0〜ビット3のうち、ビット3は、第2停止時において参照され、「右リール」又は「中リール」の列に対応している。また、ビット2は、第2停止後において参照され、第3停止時において左リールのライン変更を行うか否かのチェックを行う「左リールのライン変更」の列に対応している。また、ビット0及びビット1は、第3停止時において参照され、ビット1が「左リールAライン」の列に、ビット0が「左リールBライン」の列にそれぞれ対応している。
これに対して、ビット4〜ビット7の上位の4列は、ストップボタンの選択順序が「中→左→右」又は「右→左→中」のときに参照される。
ビット4〜ビット7のうち、ビット7は、第2停止時において参照され、「左リール」の列に対応している。また、ビット6は、第2停止後において参照され、第3停止時において右リールのライン変更を行うか否かのチェックを行うための「右リールのライン変更」及び第3停止時において中リールのライン変更を行うか否かのチェックを行うための「中リールのライン変更」の列に対応している。また、ビット4及びビット5は、第3停止時において参照され、ビット5が「右リールAライン」又は「中リールAライン」の列に、ビット4が「右リールBライン」又は「中リールBライン」の列にそれぞれ対応している。
変則押し時第2・第3使用停止テーブルが規定している停止データは、例えば上記ビット5の列を「第1停止が中リールであり、且つ第2停止が左リールであるときの右リールAライン」又は「第1停止が右リールであり、且つ第2停止が左リールであるときの中リールAライン」に対応させているように、1つのビットが複数の情報を兼ね備えるようにして、情報の圧縮化を図っている。
図54は、特殊1、特殊1+特殊2及び特殊2のそれぞれに応じて、第1停止操作時に選択されたストップボタンの種別及びその停止開始位置と、選択される第1使用停止テーブルと第2・第3使用停止テーブルとの組合せ(以下、停止テーブル群)及びその停止テーブル群が規定するデータに基づいて表示され得る図柄の組合せの種別との関係を示している。上記3通りの内部当籤役に応じて選択される停止テーブル群及びその図柄の組合せは、図示の通りであるが、一例として、内部当籤役として「特殊1+特殊2」が決定された場合について説明する。
第1停止操作時において左ストップボタンが選択されたとき、順押し時第1使用停止テーブル「A0」が選択され、停止開始位置が特殊図柄の引き込み可能位置であれば、(第1停止時の停止予定位置に応じて)順押し時第2・第3使用停止テーブル「C09」及び「C11」の何れかが選択される。これらの組合せからなる停止テーブル群は、基本的に、低リプ出目1〜低リプ出目4の何れかに係る図柄の組合せが表示されるように各リール3L,3C,3Rの回転が停止する位置を規定している。
その一方で、停止開始位置が特殊図柄の引き込み可能位置とは異なるものであれば、(第1停止時の停止予定位置に応じて)順押し時第2・第3使用停止テーブル「C01」、「C02」、「C04」及び「C08」の何れかが選択される。これらの組合せからなる停止テーブル群は、特殊1、特殊2及び低リプ出目1〜低リプ出目4のそれぞれに係る図柄の組合せとは異なる図柄の組合せ(セーフ出目)が表示されるように各リール3L,3C,3Rの回転が停止する位置を規定している。
また、第1停止操作時において中ストップボタンが選択されたとき、変則押し時第1使用停止テーブル「B0」と、(第1停止時の停止予定位置に応じて)変則押し時第2・第3使用停止テーブル「D00」、「D05」、「D06」及び「D11」の何れかが選択される。これらの組合せからなる停止テーブル群は、基本的に、低リプ出目1〜低リプ出目4の何れかに係る図柄の組合せが表示されるように各リール3L,3C,3Rの回転が停止する位置を規定している。
さらに、第1停止操作時において右ストップボタンが選択されたとき、変則押し時第1使用停止テーブル「B1」と、(第1停止時の停止予定位置に応じて)変則押し時第2・第3使用停止テーブル「D01」、「D02」、「D08」及び「D09」の何れかが選択される。これらの組合せからなる停止テーブル群は、基本的に、低リプ出目1〜低リプ出目4の何れかに係る図柄の組合せが表示されるように各リール3L,3C,3Rの回転が停止する位置を規定している。
このように、第1停止操作時に選択されたストップボタンの種別が、3通りの内部当籤役のそれぞれに対して予め定められたものであり、且つ、その停止開始位置が特殊図柄の引き込み可能位置に含まれないときに選択される停止テーブル群は、特殊1、特殊2及び低リプ出目1〜低リプ出目4のそれぞれに係る図柄の組合せとは異なる図柄の組合せ(セーフ出目)が表示されるように各リール3L,3C,3Rの回転が停止する位置を規定している一方で、その他の場合に選択される停止テーブル群は、基本的に、低リプ出目1〜低リプ出目4の何れかに係る図柄の組合せが表示されるように各リール3L,3C,3Rの回転が停止する位置を規定している。
尚、前述したように、本実施の形態では、第1停止時においては共通の停止テーブルを使用するなどして、第1停止時においてリールの回転が停止する位置は各内部当籤役に応じて同じとなるようにしている。このため、図54に示す図柄の組合せが表示されるようにリールの回転が停止する位置を規定しているのは、第1停止時に選択されたストップボタンの種別及びその停止予定位置に応じて選択される第2・第3使用停止テーブルであるともいえる。
尚、図示のようにして選択される停止テーブル群を参照することで、RT1の作動に係る図柄の組合せの表示又はこれとは異なる図柄の組合せの表示がどのようにして決定されるかについての具体的な内容については、後で(これに関連するプログラムの説明を行った後に)図86〜図90を参照して説明することとする。
次に、図55を参照して、優先順位テーブルについて説明する。
優先順位テーブル及び後述の優先順序テーブルは、前述の停止テーブルに基づいて決定された滑り駒数(即ち、停止データ用滑り駒数)の他に、より適切な滑り駒数が存在するか否かを検索するために使用される。優先順位テーブルは、予め定められた優先順位(即ち、優先順位1〜3)に応じた引込データを規定する。
優先順位は、入賞に係る図柄の組合せの種別間(内部当籤役の種別間とも言える)で優先的に引き込みが行われる順位を規定するものである。優先順位テーブルは、優先順位3に対して「小役(メダルの払い出しに係るもの)」、優先順位2に対して小役よりも遊技者にとっての有利さの度合いが高い「ボーナス(ボーナスゲームの作動に係るもの)」、優先順位1に対して「リプレイ(再遊技の作動に係るもの)」のそれぞれに対応する引込データを規定する。
引込データは、1バイト×4の大きさからなるデータであり、その構成は、前述の内部当籤役及び表示役の構成と同様である。即ち、引込データ1は内部当籤役1及び表示役1に、引込データ2は内部当籤役2及び表示役2に、引込データ3は内部当籤役3及び表示役3に、引込データ4は内部当籤役4及び表示役4にそれぞれ対応している。
例えば、前述の図17及び図54に示したように、RT1の作動が回避される条件が満たされないときに選択される停止テーブルは、基本的に低リプ出目1〜低リプ出目4のそれぞれに係る図柄の組合せが表示されるように停止データ用滑り駒数を規定するようにしている。しかしながら、該当するリールの停止開始位置が特殊図柄の引き込み可能位置に含まれるときなどは、上記停止テーブルにより決定される停止データ用滑り駒数よりも、特殊図柄の表示を可能とする滑り駒数がより適切な滑り駒数として決定されることとなる。
次に、図56を参照して、優先順序テーブルについて説明する。
優先順序テーブルは、滑り駒数として予め定められた数値の範囲(即ち、0〜4)の中から適用可能な数値を優先的に適用する順序(以下、優先順序)を規定するものである。詳細は後述するが、基本的に、この優先順序テーブルでは、優先順序が下位から上位までの順に各数値の検索を行っていき、検索の結果、優先順序「1」に対応する数値から優先的に適用されるようにしている。このテーブルは、優先順位が等しい滑り駒数が複数存在する場合を想定して設けられたものであり、このような場合では優先順序がより上位であるものが適用されるようにしている。
そして、本実施の形態における優先順序テーブルは、前述の停止データ用滑り駒数に基づいて、その優先順序を規定している。つまり、停止データ用滑り駒数に該当する数値が最も上位となるように優先順序が規定されており、この結果、停止データ用滑り駒数は他の滑り駒数よりも優先的に決定されるので、停止テーブルの開発の際に意図されていた図柄の表示が優先される。
以下では、図57〜図62を参照して、主制御回路71のRAM33に設けられる各種格納領域について説明する。まず、図57を参照して、内部当籤役格納領域の構成について説明する。
内部当籤役格納領域は、それぞれ1バイトからなる内部当籤役1格納領域、内部当籤役2格納領域、内部当籤役3格納領域及び内部当籤役4格納領域を含んで構成される。各格納領域には、前述の当り要求フラグが格納される。
内部当籤役1格納領域のビット0〜ビット7のそれぞれは、リプレイ、ベル1、ベル2、黒チェリー、スイカ、特殊1、特殊2及びRB中増加役のそれぞれに対応している。また、内部当籤役2格納領域のビット0〜ビット4のそれぞれは、赤チェリー1、赤チェリー2、赤チェリー3、赤チェリー4及び赤チェリー5のそれぞれに対応している(尚、ビット5〜ビット7は未使用)。
内部当籤役3格納領域のビット0〜ビット4のそれぞれは、青チェリー1、青チェリー2、青チェリー3、青チェリー4及び青チェリー5のそれぞれに対応している(尚、ビット5〜ビット7は未使用)。また、内部当籤役4格納領域のビット0〜ビット3のそれぞれは、BB1、BB2、BB3及びBB4のそれぞれに対応している(尚、ビット4〜ビット7は未使用)。
例えば、内部当籤役1格納領域に格納されているデータが「01100000B」であり、且つ、内部当籤役2格納領域〜内部当籤役4格納領域に格納されているデータが「0」のとき、その内容は「特殊1+特殊2」となる。また、各格納領域に格納されているデータが「0」のとき、その内容はハズレとなる。
尚、RAM33には、前述の入賞作動フラグが格納される表示役格納領域が設けられている。この表示役格納領域の構成は、上記内部当籤役格納領域の構成と同じである。但し、内部当籤役4格納領域のビット4〜ビット7のそれぞれは未使用であるのに対し、表示役4格納領域のビット4〜ビット7のそれぞれは、低リプ出目1、低リプ出目2、低リプ出目3及び低リプ出目4のそれぞれに対応している。
次に、図58を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。
当り要求フラグとしてBB1〜BB4の何れかが決定されたとき、これが持越役格納領域に格納される。持越役格納領域は、前述の内部当籤役4格納領域の構成と対応しており、ビット0〜ビット3のそれぞれは、BB1、BB2、BB3及びBB4のそれぞれに対応している。
後述するが、持越役格納領域に格納されたBB1〜BB4は、対応する図柄の組合せが入賞判定ラインに表示されるまで保持される構成である。これは、いわゆる「持ち越し」と称されるものであり、本実施の形態では、持越役格納領域に格納されたBB1〜BB4を「持越役」と称す。
持越役格納領域にBB1〜BB4が格納されている間は、抽出される乱数値にかかわらず、これが内部当籤役4格納領域に格納されるようになる。これは、遊技者による停止操作が行われ、リール3L,3C,3Rの回転のそれぞれが停止した後、内部当籤役格納領域を初期化する一方、持越役格納領域を初期化しないようにすることにより実現される。
次に、図59を参照して、作動中フラグ格納領域の構成について説明する。
作動中フラグ格納領域は、1バイトからなり、各ビットに対して固有の作動中フラグが割り当てられている。ビット0はRB1作動中フラグに、ビット1はRB2作動中フラグに、ビット2はBB1作動中フラグに、ビット3はBB2作動中フラグに、ビット4はBB3作動中フラグに、ビット5はBB4作動中フラグに、ビット6はRT1作動中フラグに、ビット7はRT2作動中フラグにそれぞれ対応している。
例えば、作動中フラグ格納領域に格納されているデータが「01000000B」であるとき、現在RT1の作動が行われていることとなる。尚、作動中フラグ格納領域に格納されているデータが「0」であるとき、ボーナスゲーム及びRTの何れも作動しておらず、一般遊技状態となる。
次に、図60を参照して、有効ストップボタン格納領域の構成について説明する。
有効ストップボタン格納領域は、1バイトからなり、各ビットに対して固有のストップボタンの種別が割り当てられている。ビット0は左ストップボタンに、ビット1は中ストップボタンに、ビット2は右ストップボタンにそれぞれ対応している(尚、ビット3〜ビット7は未使用)。具体的にいえば、有効ストップボタン格納領域には、停止操作を検出することが可能なストップボタンを有効ストップボタンとして、その種別(言い換えれば、定速回転中のリールに対応するストップボタンの種別)を識別可能なデータが格納される。
尚、RAM33には、上記有効ストップボタン格納領域と同様の構成を有する作動ストップボタン格納領域が設けられている。作動ストップボタン格納領域は、有効ストップボタンに対応する停止操作が直前に検出されたストップボタンの種別を識別可能なデータが格納される。
次に、図61を参照して、図柄格納領域の構成について説明する。
図柄格納領域には、各入賞判定ライン8a〜8eに位置する各リールの図柄を特定するデータ(即ち、前述の図柄コード)が格納される。例えば、センターライン8cであれば、左表示窓4Lの中段に位置する左リール3Lの図柄に係る図柄コードと、中表示窓4Cの中段に位置する中リール3Cの図柄に係る図柄コードと、右表示窓4Rの中段に位置する右リール3Rの図柄に係る図柄コードと、が格納される。
尚、図柄コードは、前述図柄配置テーブル(図5)により規定されている1バイトのデータであり、赤7(図柄61)〜青チェリー(図柄70)の10種の図柄に応じて、「1(00000001B)」〜「10(00001010B)」のそれぞれが割り当てられている。図61に示す格納例は、各リール3L,3C,3Rの図柄位置が「1」である場合のものである。
次に、図62を参照して、表示役予想格納領域の構成について説明する。
表示役予想格納領域は、リールの種別に応じて、左リール用表示役予想格納領域、中リール用表示役予想格納領域及び右リール用表示役予想格納領域の3つを含んで構成される。各表示役格納領域には、対応するリールの各図柄位置「0」〜「20」に応じて決定された1バイトの優先引込順位データが格納される。
本実施の形態では、表示役予想格納領域を参照することにより、前述の停止テーブルに基づいて決定された滑り駒数の他に、より適切な滑り駒数が存在するか否かが検索される。優先引込順位データは、ビット3が「リプレイ」、ビット2が「ボーナス(BB1〜BB4)」、ビット1が「小役(ベル1、ベル2、黒チェリー、スイカ、特殊1、特殊2、RB中増加役、赤チェリー1〜赤チェリー5及び青チェリー1〜青チェリー5)」、ビット0が「停止可能」にそれぞれ対応している(尚、ビット4〜ビット7は未使用)。例えば、優先引込順位データが「00000011B(003H)」のとき、その内容は「小役+停止可能」となる。また、優先引込順位データが「00000000B(000H)」のとき、その内容は「停止禁止」として扱われ、対応する図柄位置でのリールの回転の停止が回避される。
優先引込順位データは、その値が大きいほど優先順位が高く、当該優先引込順位データを参照することにより、リールの表面に配された各図柄間での優先順位の相対的な評価が可能となる。この結果、内部抽籤の結果をリールの回転を停止する位置の決定に適正に反映させることができるようになる。
また、優先引込順位データとして最も大きい値が決定されている図柄が最も優先順位の高い図柄となる。即ち、優先引込順位データとは、リールの表面に配される各図柄間の順位を示すものと言える。そして、後述するが、優先引込順位データは、内部当籤役に影響を受けて決定されるものである。尚、優先引込順位データの大きさが等しい図柄が複数存在する場合、前述の優先順序テーブルが規定する優先順序に従って1つの図柄が決定される。
次に、図63〜図85に示すフローチャートを参照して、主制御回路71のCPU31が実行するプログラムの内容について説明する。
先ず、図63を参照して、メインCPUの制御によるフローチャートについて説明する。スロットマシン1に電源が投入されると、初めに、CPU31は、初期化処理を行う(ステップ(以下、「S」と略記する)1)。この処理では、スタートスイッチ6S、設定変更スイッチ19S及びリセットスイッチ20Sの入力に基づいて、設定値の変更が行われる。具体的には、設定変更スイッチ19Sがオンされたとき、設定値の変更が可能な状態となり、リセットスイッチ20Sがオンされると、「1」、「4」、「6」及び「H」の何れかが選択され、スタートスイッチ6Sがオンされると、そのとき選択されている設定値がRAM33の設定値格納領域に格納される。
次に、CPU31は、設定変更有りか否かを判別する(S2)。CPU31は、設定変更有りであると判別したときには、設定変更コマンドを副制御回路72に対して送信する(S3)。設定変更コマンドには、設定値格納領域に格納されている設定値(現在の設定値)の情報が含まれる。
CPU31は、S2において設定変更有りではないと判別したとき又はS3の後には、遊技終了時初期化用の格納領域を指定して初期化する(S4)。例えば、RAM33の内部当籤役格納領域や表示役格納領域に格納されたデータがクリアされる。次に、CPU31は、後で図64を参照して説明するボーナス作動監視処理を行う(S5)。この処理は、ボーナスゲーム作動手段を構成する。次に、CPU31は、後で図65を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(S6)。この処理は、遊技者により投入されたメダルを検出する投入操作検出手段、開始操作を検出する開始操作検出手段を構成する。
次に、CPU31は、乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(S7)。次に、CPU31は、後で図66を参照して説明する内部抽籤処理を行う(S8)。この処理は、内部当籤役決定手段を構成する。次に、CPU31は、後で図68を参照して説明するリール停止初期設定処理を行う(S9)。この処理は、内部当籤役に基づいて停止テーブル群を決定する停止テーブル決定手段を構成する。
次に、CPU31は、スタートコマンドを副制御回路72に対して送信する(S10)。スタートコマンドには、内部当籤役等の情報が含まれる。次に、CPU31は、全リールの回転開始を要求する(S11)。また、有効ストップボタン格納領域に「00000111B(007H)」を格納し、作動ストップボタン格納領域に「000H」を格納する。
尚、全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行する割込処理(後述の図85)によってステッピングモータの駆動を制御し、リールの回転を開始する。そして、その後、この割込処理によってステッピングモータの駆動を制御し、リールの回転が定速に達するまで加速を行う。
次に、CPU31は、リールの回転の定速待ちを行う(S12)。尚、リールの回転が定速に達すると、上記割込処理によってステッピングモータの駆動を制御し、リールの回転が定速で行われるよう維持する。上記割込処理により行われるリールの回転にかかる制御(開始、加速、定速等)は、リール回転手段を構成する。
次に、CPU31は、後で図72を参照して説明するリール停止制御処理を行う(S13)。この処理は、リール停止手段を構成する。次に、CPU31は、後で図70を参照して説明する表示役検索処理を行う(S14)。この処理は、全てのリールの回転が停止された結果、図柄表示手段により表示される図柄の組合せを特定する図柄組合せ特定手段を構成する。次に、CPU31は、後で図81を参照して説明する表示役等決定処理を行う(S15)。この処理は、図柄表示手段により所定の図柄の組合せが表示されると、遊技者にとって相対的に不利な状態の作動を行う不利状態作動手段を構成する。次に、CPU31は、表示コマンドを副制御回路72に対して送信する(S16)。表示コマンドには、表示役等の情報が含まれる。
次に、CPU31は、メダルの払い出しを行う(S17)。具体的には、払出枚数カウンタに基づいて、ホッパー40の駆動制御やクレジットカウンタの更新が行われる。この処理は、図柄表示手段により表示された図柄の組合せに基づいてメダル等の払い出しを行う払出手段を構成する。
次に、CPU31は、払出枚数カウンタに基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(S18)。具体的には、ボーナス終了枚数カウンタが0を越える数値であるとき、当該カウンタから払出枚数として決定された数値が減算される。次に、CPU31は、作動中フラグ格納領域を参照し、BB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S19)。CPU31は、BB作動中フラグはオンであると判別したときには、後で図82を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(S20)。この処理は、払出手段により払い出されたメダル等が予め定められた上限に達したことを条件にボーナスゲームの作動を終了するボーナスゲーム終了手段を構成する。
CPU31は、S19においてBB作動中フラグがオンではないと判別したときには、後で図83を参照して説明するRTゲーム数カウンタ更新処理を行う(S21)。この処理は、開始操作の検出に基づいてカウントされる遊技回数が予め定められた上限に達することを条件に遊技者にとって不利な状態の作動を終了する不利状態終了手段を構成する。
CPU31は、S20の後又はS21の後に、後で図84を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行う(S22)。この処理は、図柄表示手段により表示された図柄の組合せに基づいてボーナスゲームの作動を行うボーナスゲーム作動手段を構成する。S22の処理が終了すると、S4に移る。
次に、図64を参照して、ボーナス作動監視処理について説明する。
初めに、CPU31は、BB1作動中フラグ又はBB2作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S31)。CPU31は、BB1作動中フラグ又はBB2作動中フラグはオンであると判別したときには、RB1作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S32)。CPU31は、RB1作動中フラグはオンであると判別したときにはボーナス作動監視処理を終了する一方で、RB1作動中フラグはオンではないと判別したときにはボーナス作動時テーブルに基づいてRB1作動時処理を行う(S33)。具体的には、作動中フラグ格納領域においてRB1作動中フラグがオンにセットされ、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタのそれぞれに8が格納される。この処理が終了すると、ボーナス作動監視処理を終了する。
CPU31は、S31においてBB1作動中フラグ又はBB2作動中フラグはオンではないと判別したときには、BB3作動中フラグ又はBB4作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S34)。CPU31は、BB3作動中フラグ又はBB4作動中フラグはオンであると判別したときには、RB2作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S35)。CPU31は、RB2作動中フラグはオンであると判別したときにはボーナス作動監視処理を終了する一方で、RB2作動中フラグはオンではないと判別したときにはボーナス作動時テーブルに基づいてRB2作動時処理を行う(S35)。具体的には、作動中フラグ格納領域においてRB2作動中フラグがオンにセットされ、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタのそれぞれに8が格納される。この処理が終了すると、ボーナス作動監視処理を終了する。
次に、図65を参照して、メダル受付・スタートチェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、自動投入カウンタは0であるか否かを判別する(S51)。自動投入カウンタは0であると判別したときには、メダル通過許可を行う(S52)。具体的には、セレクタ(図示せず)のソレノイドの駆動を行い、セレクタ内のメダルの通過を促す。CPU31は、自動投入カウンタは0ではないと判別したときには、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写し、自動投入カウンタをクリアする(S53)。
CPU31は、S52の後又はS53の後に、メダル通過が検出されたか否かを判別する(S54)。CPU31は、メダルの通過が検出されたと判別したときには、投入最大値として3をセットする(S55)。次に、CPU31は、投入枚数カウンタは投入最大値であるか否かを判別する(S56)。CPU31は、投入枚数カウンタは投入最大値ではないと判別したときには、投入枚数カウンタを1加算し(S57)、有効ラインカウンタに5を格納する(S58)。次に、CPU31は、メダル投入コマンドを副制御回路72に対して送信する(S59)。メダル投入コマンドには、投入枚数のデータ等が含まれる。
CPU31は、S56において投入枚数カウンタは投入最大値であると判別したときには、クレジットカウンタを1加算する(S60)。CPU31は、S54においてメダルの通過が検出されていないと判別したとき、S59の後又はS60の後に、メダルの通過途中であるか否かを判別する(S61)。CPU31は、メダルの通過途中ではないと判別したときには、ベットスイッチのチェックを行う(S62)。ベットスイッチ11S,12S,13Sがオンである場合は、その種別が特定され、投入枚数カウンタが更新される。
CPU31は、S61においてメダルの通過途中であると判別したとき又はS62の後に、投入枚数カウンタは投入最大値であるか否かを判別する(S63)。投入枚数カウンタは投入最大値ではないと判別したときには、S54に移る一方で、投入枚数カウンタは投入最大値であると判別したときには、スタートスイッチ6Sはオンであるか否かを判別する(S64)。CPU31は、スタートスイッチ6Sはオンではないと判別したときには、S54に移る一方で、スタートスイッチ6Sはオンであると判別したときには、メダル通過禁止を行う(S65)。具体的には、セレクタ(図示せず)のソレノイドの駆動を行わず、メダルのメダル払出口15からの排出を促す。この処理が終了すると、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
次に、図66を参照して、内部抽籤処理について説明する。
初めに、CPU31は、内部抽籤テーブル決定テーブルを参照し、作動中フラグ格納領域に基づいて、内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数を決定する(S81)。例えば、RB1作動中フラグ及びRB2作動中フラグの何れもオフであるとき一般遊技状態用内部抽籤テーブルを決定する。次に、CPU31は、後で図67を参照して説明する内部抽籤テーブル変更処理を行う(S82)。この処理では、RT1作動中フラグ又はRT2作動中フラグがオンであるとき、該当する内部抽籤テーブルへの変更が行われる。
次に、CPU31は、持越役格納領域に格納されているデータは0であるか否かを判別する(S83)。CPU31は、持越役格納領域に格納されているデータは0ではないと判別したときには、抽籤回数を24に変更する(S84)。次に、CPU31は、抽出された乱数値を判定用乱数値としてセットし、当籤番号の初期値として1をセットする(S85)。
次に、CPU31は、内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号に基づいた抽籤値を取得する(S86)。次に、CPU31は、判定用乱数値から抽籤値を減算する(S87)。次に、CPU31は、桁かりが行われたか否かを判別する(S88)。CPU31は、桁かりが行われていないと判別したときには、抽籤回数を1減算し、当籤番号を1加算する(S89)。次に、CPU31は、抽籤回数は0であるか否かを判別する(S90)。CPU31は、抽籤回数は0ではないと判別したときにはS86に移る一方、抽籤回数は0であると判別したときには小役・リプレイ用データポインタとして0をセットし、ボーナス用データポインタとして0をセットする(S91)。即ち、内部当籤役はハズレとなる。
CPU31は、S88において桁かりが行われたと判別したときには、現在の当籤番号に応じて、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得する(S92)。CPU31は、S91の後又はS92の後に、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて当り要求フラグを取得する(S93)。次に、CPU31は、取得した当り要求フラグを対応する内部当籤役格納領域に格納する(S94)。即ち、データ1が内部当籤役1格納領域に、データ2が内部当籤役2格納領域に、データ3が内部当籤役3格納領域に格納される。
次に、CPU31は、持越役格納領域に格納されているデータは0であるか否かを判別する(S95)。CPU31は、持越役格納領域に格納されているデータは0であると判別したときには、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて当り要求フラグを取得し、持越役格納領域に格納する(S96)。次に、CPU31は、持越役格納領域に格納されているデータは0であるか否かを判別する(S97)。CPU31は、持越役格納領域に格納されているデータは0ではないと判別したときには、RB2作動中フラグをオンにセットする(S98)。
CPU31は、S98の後、S95又はS97において持越役格納領域に格納されているデータは0であると判別したときには、持越役格納領域と内部当籤役4格納領域との論理和を内部当籤役4格納領域に格納する(S99)。この処理が終了すると、内部抽籤処理を終了する。
次に、図67を参照して、内部抽籤テーブル変更処理について説明する。
初めに、CPU31は、RT1作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S111)。CPU31は、RT1作動中フラグはオンであると判別したときには、RT1作動中用内部抽籤テーブルに変更する(S112)。この処理が終了すると、内部抽籤テーブル変更処理を終了する。
CPU31は、S111においてRT1作動中フラグはオンではないと判別したときには、RT2作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S113)。CPU31は、RT2作動中フラグはオンではないと判別したときには、内部抽籤テーブル変更処理を終了する一方、RT2作動中フラグはオンであると判別したときには、RT2作動中用内部抽籤テーブルに変更する(S114)。この処理が終了すると、内部抽籤テーブル変更処理を終了する。
次に、図68を参照して、リール停止初期設定処理について説明する。
初めに、CPU31は、リール停止初期設定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて、順押し時テーブル選択データ、順押し時テーブル選択データ、変則押し時テーブル選択データ及び検索テーブル変更フラグ等を選択し、そのアドレスを格納する(S121)。次に、CPU31は、各図柄格納領域に回転中を示す識別子「0FFH(11111111B)」を格納する(S122)。次に、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタに3を格納する(S123)。ストップボタン未作動カウンタは、停止操作が検出されていないストップボタンを計数するためのデータである。次に、CPU31は、後で図69を参照して説明する表示役予想格納処理を行う(S124)。この処理は、各リールの表面に配された各図柄に応じた優先順位を決定する優先順位決定手段を構成する。この処理が終了すると、リール停止初期設定処理を終了する。
次に、図69を参照して、表示役予想格納処理について説明する。
初めに、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタを検索回数として格納する(S141)。次に、CPU31は、検索対象リールを決定し、これに応じた表示役予想格納領域を指定する(S142)。尚、CPU31は、回転中のリールのうち、最も左寄りのリールから順に検索対象リールとして決定するようにしている。例えば、3つのリールすべての回転が行われているとき、最初に左リール3Lが検索対象リールとして決定され、次いで中リール3C、続いて右リール3Rの順に検索対象リールとして決定される。また、左リール3L及び右リール3Rの回転が行われているとき、最初に左リール3Lが検索対象リールとして決定され、次いで右リール3Rが検索対象リールとして決定される。次に、CPU31は、図柄位置データとして「0」をセットし、図柄チェック回数として「21」をセットする(S143)。
次に、CPU31は、図柄配置テーブルを参照し、図柄位置データに基づいて図柄コードを取得し、図柄格納領域にその図柄コードを格納する(S144)。例えば、現在の図柄位置データが「0」のとき、左リール3Lの図柄位置「0」に規定されている図柄コード「00000100B(スイカ)」が図柄格納領域における左表示窓の中段に格納され、左リール3Lの図柄位置「1」に規定されている図柄コード「00000101B(ベル)」が図柄格納領域における左表示窓の上段に格納され、且つ、左リール3Lの図柄位置「20」に規定されている図柄コード「00000101B(ベル)」が図柄格納領域における左表示窓の下段に格納される。
次に、CPU31は、後で図70を参照して説明する表示役検索処理を行う(S145)。この処理では、各リールの表面に配された各図柄に応じて、入賞判定ライン8a〜8eに沿って遊技者に対して表示され得る図柄の組合せの検索を行う。次に、CPU31は、後で図71を参照して説明する優先引込順位データ取得処理を行う(S146)。この処理では、上記表示役検索処理による検索の結果、特定された図柄の組合せと優先順位テーブルとに基づいて、優先引込順位データを決定する。
次に、CPU31は、決定した優先引込順位データを表示役予想格納領域に格納する(S147)。例えば、現在の図柄位置データが「0」のとき、左リール用表示役予想格納領域の図柄位置「0」に対応するアドレスが指定され、そこに決定した優先引込順位データが格納される。次に、CPU31は、表示役予想格納領域のアドレス及び図柄位置データをそれぞれ1加算し、図柄チェック回数を1減算する(S148)。
尚、CPU31は、表示役予想格納領域において図柄位置「0」に対応する優先引込順位データを格納したとき、その図柄位置「0」に続くアドレスに、図柄位置「20」〜「17」のそれぞれに対応する優先引込順位データを複写することが好ましい。これは、各リールの表面において図柄位置「20」の図柄と図柄位置「0」の図柄とが連続しているためであり、例えば、停止開始位置が「20」となった場合などに、チェック回数の範囲内において優先引込順位データの比較等を行う処理の迅速化が図られる。
次に、CPU31は、図柄チェック回数は0であるか否かを判別する(S149)。CPU31は、図柄チェック回数が0ではないと判別したときには、S144に移り、図柄チェック回数が0であると判別したときには、検索回数を1減算する(S150)。次に、CPU31は、検索回数は0であるか否かを判別する(S151)。CPU31は、検索回数が0であると判別したときには、表示役予想格納処理を終了する。
CPU31は、S151において検索回数が0ではないと判別したときには、全図柄格納領域に回転中を示す識別子を格納する(S152)。次に、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは3であるか否かを判別する(S153)。CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは3である(言い換えると、3つのリールすべてが回転中のとき)と判別したときには、S142に移り、ストップボタン未作動カウンタは3ではないと判別したときには、作動ストップボタンに基づいて検索対象リールを決定し、図柄位置データとして停止予定位置をセットする(S154)。次に、CPU31は、図柄配置テーブルを参照し、図柄位置データに基づいて、各図柄格納領域に図柄コードを格納する(S155)。即ち、次の検索対象リールについての処理を行う前に、一旦全ての図柄格納領域がクリアされ、再び、既に回転が停止されたリールについて各入賞判定ラインに表示されている図柄の図柄コードが格納される。この処理が終了すると、S142に移る。
次に、図70を参照して、表示役検索処理について説明する。
初めに、CPU31は、表示役格納領域をクリアし、図柄格納領域の先頭アドレスをセットする(S181)。次に、CPU31は、図柄組合せテーブルの先頭アドレスをセットする(S182)。次に、CPU31は、図柄組合せテーブルにより規定される図柄の組合せと、図柄格納領域に格納されている3つの図柄コードとを比較する(S183)。即ち、各入賞判定ライン8a〜8eに応じて、左リールの図柄、中リールの図柄及び右リールの図柄からなる図柄の組合せと、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せとが比較される。
次に、CPU31は、回転中を示す識別子を除いて一致するか否かを判別する(S184)。CPU31は、一致すると判別したときには、入賞作動フラグと格納領域識別データを取得する(S185)。例えば、センターライン8cに対応する図柄格納領域に格納されている3つの図柄コードが「黒チェリー−回転中−回転中」であるとき、図柄組合せテーブルにおける黒チェリーに係る図柄の組合せ「黒チェリー−ANY−ANY」と一致すると判別される。
次に、CPU31は、格納領域識別データに基づいて表示役格納領域のアドレスをセットする(S186)。例えば、格納領域識別データが1のとき表示役1格納領域のアドレスがセットされる。次に、CPU31は、入賞作動フラグと、指定された表示役予想格納領域との論理和を当該表示役予想格納領域に格納する(S187)。次に、CPU31は、検索回数は0であるか否かを判別する(S188)。CPU31は、検索回数は0であると判別したときには、払出枚数を取得し、払出枚数カウンタに加算する(S189)。
CPU31は、S184において一致しないと判別したとき、S188において検索回数は0ではないと判別したとき又はS189の後に、図柄組合せテーブルのアドレスを更新する(S190)。次に、CPU31は、エンドコードであるか否かを判別する(S191)。CPU31は、エンドコードではない、即ち、図柄組合せテーブルにより規定されている全ての図柄の組合せについて検索を行っていないと判別したときには、S183に移る一方、エンドコードであると判別したときには、有効ラインカウンタに応じた回数を実行したか否かを判別する(S192)。この処理では、RAM33に格納されている有効ラインカウンタをレジスタに予め転送しておき、当該レジスタを減算した結果、0になったか否かを判別するようにしている。即ち、RAM33に格納されている有効ラインカウンタ自体の減算はここでは行わない。CPU31は、有効ラインカウンタに応じた回数を実行したと判別したときには、表示役検索処理を終了し、有効ラインカウンタに応じた回数を実行してないと判別したときには、図柄格納領域のアドレスを更新し(S193)、S182に移る。
次に、図71を参照して、優先引込順位データ取得処理について説明する。
初めに、CPU31は、検索対象は中リールであるか否かを判別する(S211)。CPU31は、検索対象は中リールであると判別したときには、表示役1格納領域のビット3、並びに、表示役2格納領域及び表示役3格納領域のビット0〜ビット4をクリアする(S212)。つまり、検索対象が中リールであるときは、黒チェリー、赤チェリー1〜赤チェリー5及び青チェリー1〜青チェリー5に対応するビットをクリアして、優先引込順位データの決定に反映されないようにする。
CPU31は、S211において検索対象は中リールではないと判別したときには、検索対象は右リールであるか否かを判別する(S213)。検索対象は右リールであると判別したときには、表示役1格納領域のビット3をクリアする(S214)。つまり、黒チェリーに対応するビットをクリアして、優先引込順位データの決定に反映されないようにする。
CPU31は、S212の後、S214の後又はS213において検索対象は右リールではないと判別したときには、内部当籤役格納領域と表示役格納領域との排他的論理和をとり、その結果と表示役格納領域との論理積をとる(S215)。より具体的には、内部当籤役1格納領域と表示役1格納領域との排他的論理和をとり、その結果と表示役1格納領域との論理積をとる。同様に、互いに対応関係にある内部当籤役格納領域と表示役格納領域との排他的論理和をとり、その結果と表示役格納領域との論理積をとる。この処理によって、表示役格納領域でのみオンとなるビットが有るか否かが判明し、このことから、表示役が内部当籤役に含まれるか否か、即ち、現在のチェック対象の図柄が、決定された内部当籤役を満足するものであるか否かが判明する。
次に、CPU31は、論理積は0であるか否かを判別する(S216)。尚、論理積が0ではないとき、内部当籤役が許容しない入賞に係る図柄の組合せが表示される虞が有ることが判明する。CPU31は、論理積は0ではないと判別したときには、ストップボタン未作動カウンタは1であるか否かを判別する(S217)。即ち、回転中のリールが残り1つであるか否かが判明する。CPU31は、ストップボタン未作動カウンタが1であると判別したときには、優先引込順位データとして0をセットし(S231)、優先引込順位データ取得処理を終了する。優先引込順位データが0であるとき、「停止禁止」として扱われる。
CPU31は、S218においてストップボタン未作動カウンタが1ではないと判別したときには、黒チェリーに対応するビットはオンであるか否かを判別する(S218)。CPU31は、黒チェリーに対応するビットはオンであると判別したときには、優先引込順位データとして0をセットし(S231)、優先引込順位データ取得処理を終了する。
CPU31は、S218において黒チェリーに対応するビットはオンではないと判別したときには、赤チェリー1〜赤チェリー5又は青チェリー1〜青チェリー5に対応するビットはオンであるか否かを判別する(S219)。CPU31は、対応するビットはオンであると判別したときには、検索対象は左リール3Lであるか否かを判別する(S220)。CPU31は、検索対象は左リール3Lであると判別したときには、優先引込順位データとして0をセットし(S231)、優先引込順位データ取得処理を終了する。
CPU31は、S216において論理積は0であると判別したとき、S219において赤チェリー1〜赤チェリー5又は青チェリー1〜青チェリー5に対応するビットはオンではないと判別したとき、並びに、S220において検索対象は左リール3Lではないと判別したときには、優先順位テーブルの先頭アドレスをセットし、チェック回数として「3」、優先順位の初期値として「1」をセットする(S221)。次に、CPU31は、優先引込順位データの初期値として「0」をセットする(S222)。
次に、CPU31は、優先順位テーブルを参照し、現在の優先順位に基づいた引込データを取得する(S223)。次に、CPU31は、内部当籤役格納領域、表示役格納領域及び引込データの論理積をとる(S224)。この処理においても、前述のS215と同様に、対応関係にある内部当籤役格納領域と、表示役格納領域と、引込データとの論理積がそれぞれとられる。
次に、CPU31は、論理積は0であるか否かを判別する(S225)。CPU31は、論理積は0ではないと判別したときには、キャリーフラグをオンにする(S226)。CPU31は、S225において論理積は0であると判別したとき又はS226の後に、キャリーフラグを含めて優先引込順位データのビットパターンを左にローテートする(S227)。ビットパターンが左にシフトされることから、優先順位が高いほど、優先引込順位データが大きくなる。次に、CPU31は、チェック回数を1減算し、優先順位を1加算する(S228)。
次に、CPU31は、チェック回数は0であるか否かを判別する(S229)。CPU31は、チェック回数は0ではないと判別したときには、S223に移り、チェック回数は0であると判別したときには、優先引込順位データを1加算する(S230)。この処理が終了すると、優先引込順位データ取得処理を終了する。
尚、上記表示役予想格納処理が行われる時期は、リールの回転の停止が現に行われる前であれば良く、ストップボタンが押された後であっても良い。この場合、停止開始位置に対応する図柄から、リールの回転方向における所定の範囲内の各図柄に対応する優先引込順位データのみを決定し、それぞれを格納するようにしても良い。より具体的には、前述の表示役予想格納処理のS143において、停止開始位置を図柄位置データとしてセットし、図柄チェック回数として最大可能滑り駒数である「4」に停止開始位置にある図柄の個数「1」を加えた「5」を適用するようにしても良い。また、本実施の形態では、優先引込順位データは、その値が大きいほど優先順位が高いものとして扱う構成としているが、これに限られるものではなく、その値が小さいほど優先順位が高いものとして扱う構成とすることも可能である。
次に、図72を参照して、リール停止制御処理について説明する。
初めに、CPU31は、有効なストップボタンが押されたか否かを判別する(S241)。CPU31は、有効なストップボタンが押されていないと判別したときには、S241を繰り返す。CPU31は、有効なストップボタンが押されたと判別したときには、有効ストップボタン格納領域の対応ビットをリセットし、作動ストップボタンを決定する(S242)。尚、停止操作が検出されたときに図柄カウンタに格納されていた値が停止開始位置として扱われる。次に、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタを1減算する(S243)。
尚、CPU31は、第1停止操作、第2停止操作及び第3停止操作のそれぞれに対応する作動ストップボタンの種別を履歴としてRAM33の所定の格納領域(以下、作動ストップボタン履歴格納領域)に格納するようにしており、順押し及び変則押しであるか否かの判別や選択順序の判別は、上記作動ストップボタン履歴格納領域を参照して行う。
次に、CPU31は、後で図73を参照して説明する滑り駒数決定処理を行う(S244)。この処理は、停止テーブル等に基づいてリールの回転を停止する位置を決定する滑り駒数決定手段を構成する。次に、CPU31は、リール停止コマンドを副制御回路72に対して送信する(S245)。リール停止コマンドには、停止されるリールの種別やその滑り駒数等の情報が含まれる。次に、CPU31は、図柄カウンタと滑り駒数とに基づいて停止予定位置を決定し、格納する(S246)。停止予定位置が格納されると、前述した一定周期毎の割込処理(図85)によって、ステッピングモータの駆動が制御され、図柄カウンタが停止予定位置の値に更新されるのを待ってリールの回転が停止される。尚、滑り駒数と停止予定位置は、一方が決定されれば、他方も決定される関係にあるため、等価の関係にあるといえる。
次に、CPU31は、作動ストップボタンに基づいて検索対象リールを決定し、図柄位置データとして停止予定位置をセットする(S247)。次に、CPU31は、図柄配置テーブルを参照し、図柄位置データに基づいて図柄コードを取得し、図柄格納領域に格納する(S248)。
次に、CPU31は、後で図79を参照して説明する制御変更処理を行う(S249)。次に、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは0であるか否かを判別する(S250)。CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは0であると判別したときには、リール停止制御処理を終了し、ストップボタン未作動カウンタは0ではないと判別したときには、前述の表示役予想格納処理を行う(S251)。この処理では、残りの回転中のリールの各図柄について優先引込順位データを決定する。この処理が終了すると、S241に移る。
次に、図73を参照して、滑り駒数決定処理について説明する。
初めに、CPU31は、後で図74を参照して説明するラインマスクデータ設定処理を行う(S261)。この処理では、ストップボタン未作動カウンタの値や作動ストップボタンの種別に応じてラインマスクデータテーブルが参照され、ラインマスクデータが決定される。
次に、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは2であるか否かを判別する(S262)。即ち、第1停止操作の検出が行われたか否かが判明する。CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは2ではないと判別したときには、後で図75を参照して説明する第2・第3停止処理を行う(S263)。この処理では、第2停止操作の検出及び第3停止操作の検出に基づいたリールの回転の停止が行われる。
CPU31は、S262においてストップボタン未作動カウンタは2であると判別したときには、作動ストップボタンは左ストップボタンであるか否かを判別する(S264)。CPU31は、作動ストップボタンは左ストップボタンであると判別したとき(順押しであることが判明したとき)には、順押し時テーブル選択データ及び図柄カウンタを取得する(S265)。ストップボタンが検出されたときの図柄カウンタの値が停止開始位置である。次に、CPU31は、順押し時テーブル選択データに対応する順押し時第1使用停止テーブルを参照し、図柄カウンタ(言い換えれば停止開始位置)に基づいて、停止データ用滑り駒数及びライン変更ステータスを取得する(S266)。
CPU31は、S264において作動ストップボタンは左ストップボタンではないと判別したとき(変則押しであることが判明したとき)には、検索テーブル変更フラグ及び変則押し時テーブル選択データを取得する(S267)。次に、CPU31は、検索テーブル変更フラグはオンであるか否かを判別する(S268)。前述したように、検索テーブル変更フラグは、変則押しが行われた場合の第2停止操作以降において、参照する停止テーブルの変更を行うか否かを決定するためのデータである。本実施の形態では、内部当籤役として特殊1、特殊1+特殊2又は特殊2が決定された場合、上記検索テーブル変更フラグがすべてオンに設定されている。
CPU31は、S268において検索テーブル変更フラグはオンであると判別したときには、作動ストップボタンは中ストップボタンであるか否かを判別する(S269)。CPU31は、作動ストップボタンは中ストップボタンではないと判別したときには、変則押し時テーブル選択データを1加算する(S270)。CPU31は、S270の後、又は、S269において作動ストップボタンは中ストップボタンであると判別したとき、図柄カウンタ(停止開始位置)を取得し、変則押し時テーブル選択データに対応する変則押し時第1使用停止テーブルを参照して、停止データ用滑り駒数及び変則押し時第2・第3使用テーブル番号を取得する(S271)。
CPU31は、S268において検索テーブル変更フラグはオンではないと判別したときには、後で図76を参照して説明するライン変更ビットチェック処理を行う(S272)。次に、CPU31は、後で図77を参照して説明するラインマスクデータ変更処理を行う(S273)。次に、CPU31は、滑り駒数検索処理を行う(S274)。尚、本実施の形態では、S272〜S274は、内部当籤役が特殊1、特殊1+特殊2及び特殊2であるときは行われることがなく、他の内部当籤役であるときに行われる可能性がある。
CPU31は、S263、S266、S271及びS274の後で、後で図78を参照して説明する優先引込制御処理を行う(S275)。この処理は、停止操作検出手段により停止操作の検出が行われたときに図柄特定手段により特定される図柄から予め定められた範囲(例えば、最大滑り駒数「4コマ」の範囲)の図柄までの各図柄に応じた優先順位の比較を行う優先順位比較手段を構成する。この処理が終了すると、滑り駒数決定処理を終了する。
次に、図74を参照して、ラインマスクデータ設定処理を行う。
初めに、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは2であるか否かを判別する(S281)。CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは2であると判別したときには、ラインマスクテーブルE0(図32)をセットする(S282)。
CPU31は、S281においてストップボタン未作動カウンタは2ではないと判別したときには、第1停止操作時の作動ストップボタンは左ストップボタンであるか否かを判別する(S283)。第1停止操作時の作動ストップボタンは左ストップボタンではない(つまり変則押し)と判別したときには、検索テーブル変更フラグはオンであるか否かを判別する(S284)。CPU31は、検索テーブル変更フラグはオンではないと判別したときには、ラインマスクデータテーブルE0をセットする(S285)。
CPU31は、S284において検索テーブル変更フラグはオンであると判別したときには、ストップボタン未作動カウンタは1であるか否かを判別する(S286)。CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは1である(つまり第2停止操作時)と判別したときには、ラインマスクデータテーブルE1をセットする(S287)一方で、ストップボタン未作動カウンタは1ではない(つまり第3停止操作時)と判別したときには、ラインマスクデータテーブルE2をセットする(S288)。
CPU31は、S283において第1停止操作時の作動ストップボタンは左ストップボタンである(つまり順押し)と判別したときには、ラインマスクデータテーブルE0をセットする(S289)。
CPU31は、S282、S285、S287、S288又はS289の後で、セットしたラインマスクデータテーブルを参照し、作動ストップボタンの種別に基づいて対象リールのラインマスクデータをセットする(S290)。この処理が終了すると、ラインマスクデータ設定処理を終了する。
尚、本実施の形態では、ストップボタンが押された回数及びその種別等に応じたラインマスクデータテーブルを設け、これに基づいてラインマスクデータを決定するようにしているが、ラインマスクデータテーブルを設けない構成を採用してもよく、ラインマスクデータテーブルにより規定されている内容をプログラム上で実現するようにしても良い。この場合は、ラインマスクデータテーブルに要する容量を軽減することができる。
次に、図75を参照して、第2・第3停止処理を行う。
初めに、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは1であるか、つまり第2停止操作時であるか否かを判別する(S291)。CPU31は、第2停止操作時であると判別したときには、第1停止操作時の作動ストップボタンは左ストップボタンであるか、つまり順押しであるか否かを判別する(S292)。
CPU31は、S292において順押しであると判別したときには、後で図76を参照して説明するライン変更ビットチェック処理を行う(S293)。この処理では、停止開始位置に基づいて、停止データにおける「ライン変更」に対応するビットがチェックされ、停止データにおいて参照するビットを「Aライン」の列から「Bライン」の列へと変更するか否かが決定される。より具体的には、ラインマスクデータのビットパターンを、停止データにおける作動ストップボタンに応じた「ライン変更」の列に対応するように変更し、停止開始位置に応じた停止データとの論理積をとることで、ライン変更を行うか否かのチェックを行う(尚、チェックした後は変更前のラインマスクデータを使用する)。
このS293のライン変更ビットチェック処理は、順押し且つ第2停止操作時に行われ、順押し時第2・第3使用停止テーブル(図21等)が参照されることになるから、作動ストップボタンが中ストップボタン7Cであればビット5を参照する(ラインマスクデータを「00100000」に変更して停止開始位置に対応する停止データとの論理積をとる)一方で、作動ストップボタンが右ストップボタン7Rであればビット2を参照する(ラインマスクデータを「00000100」に変更して停止開始位置に対応する停止データとの論理積をとる)。
CPU31は、S293の後、S291において第2停止操作時ではなく第3停止操作時であると判別したとき、又は、S292において順押しではなく変則押しであると判別したときには、後で図77を参照して説明するラインマスクデータ変更処理を行う(S294)。この処理では、停止データのうち参照するビットを「Aライン」の列とするか又は「Bライン」の列とするか、或いは「Cライン」の列とするかの決定に応じて、ラインマスクデータを変更する処理が行われる。
次に、CPU31は、滑り駒数検索処理を行う(S295)。具体的に、CPU31は、選択されている第2・第3使用停止テーブルを参照し、停止開始位置から滑り駒数の範囲内にある各図柄位置を昇順に、ラインマスクデータと停止データとの論理積を順次とっていく。そして、その結果、論理積が0ではない図柄位置と停止開始位置との差分を滑り駒数として決定する。この処理が終了すると、第2・第3停止処理を終了する。
次に、図76を参照して、ライン変更ビットチェック処理を行う。
初めに、CPU31は、ライン変更ビットはオンであるか否かを判別する(S301)。即ち、前述したように作動ストップボタンに応じてチェック用に変更したラインマスクデータと、停止開始位置に対応する停止データとの論理積が1であるか否かを判別する。
CPU31は、S301においてライン変更ビットはオンではないと判別したときには、ライン変更ビットチェック処理を終了する一方で、ライン変更ビットはオンであると判別したときには、Bラインステータスをセット(S302)し、ライン変更ビットチェック処理を終了する。Bラインステータスは、停止データにおいて参照するビットを「Bライン」の列に変更することを指定するデータである。
次に、図77を参照して、ラインマスクデータ変更処理を行う。
初めに、CPU31は、Cラインステータスがセットされているか否かを判別する(S311)。Cラインステータスは、順押し時の第3停止時において参照する停止データのビットを「Cライン」の列に変更することを指定するデータであり、後述の第2停止後制御変更処理においてセットされるか否かが決定される。
CPU31は、S311においてCラインステータスがセットされていると判別したときには、第2停止時の作動ストップボタンが中ストップボタンであるか否か、つまり第1停止操作時において左ストップボタンが選択され、且つ第2停止操作時において中ストップボタンが選択されたか否かを判別する(S312)。CPU31は、第2停止時の作動ストップボタンが中ストップボタンであると判別したときには、ラインマスクデータを右に2回ローテートする(S313)。
CPU31は、S312において第2停止時の作動ストップボタンが中ストップボタンではない、つまり第1停止操作時において左ストップボタンが選択され、且つ第2停止操作時において右ストップボタンが選択されたと判別したときには、ラインマスクデータを左に2回ローテートする(S314)。これら各処理が終了すると、ラインマスクデータ変更処理を終了する。
上記S313及びS314の処理は、ラインマスクデータのビットパターンを、停止データにおける作動ストップボタンに応じた「Cライン」の列に変更するための処理である。後で第2停止後制御変更処理(図80)において説明するが、Cラインステータスがセットされるのは順押し時の第2停止後であり、この処理が行われるのは順押し時の第3停止操作時である。ラインマスクデータテーブルE0(図32)を参照すると、このときの作動ストップボタンが右ストップボタンであるとき、ラインマスクデータとして「00000010」が取得されているから、上記S313においてこれを右に2回ローテートすることで「10000000」に変更され、順押し時第2・第3使用停止テーブルが規定する停止データのビット7の列(即ち、右リールCライン)が参照されるようになる。
これに対して、作動ストップボタンが中ストップボタンであるとき、ラインマスクデータとして「00010000」が取得されている。よって、上記S314においてこれを左に2回ローテートすることで「01000000」に変更され、順押し時第2・第3使用停止テーブルが規定する停止データのビット6の列(即ち、中リールCライン)が参照されるようになる。
CPU31は、S311においてCラインステータスがセットされていないと判別したときには、Bラインステータスがセットされているか否かを判別する(S315)。CPU31は、Bラインステータスがセットされていないと判別したときにはラインマスクデータ変更処理を終了する一方で、Bラインステータスがセットされていると判別したときにはラインマスクデータを右にローテートして(S316)、ラインマスクデータ変更処理を終了する。
上記S316の処理は、ラインマスクデータのビットパターンを、停止データにおける作動ストップボタンに応じた「Bライン」の列に変更するための処理である。即ち、本実施の形態のラインマスクデータテーブルにおいて規定されているラインマスクデータは、基本的に「Aライン」の列に対応するようにそのビットパターンが規定されている。他方、第2・第3使用停止テーブルにおいて規定している停止データは、「Aライン」の列のひとつ右が「Bライン」の列に対応している。したがって、ラインマスクデータのビットパターンを右に1回ローテートすることにより、「Aライン」の列から「Bライン」の列を参照するように変更することができる。
次に、図78を参照して、優先引込制御処理について説明する。
初めに、CPU31は、作動ストップボタンに応じて表示役予想格納領域のアドレスを選択し、図柄カウンタに基づいて加算する(S321)。例えば、作動ストップボタンが左ストップボタン7Lであり、且つ図柄カウンタ(言い換えるならば停止開始位置)が「8」であれば、左リール用表示役予想格納領域の図柄位置「8」のアドレスがセットされる。
次に、CPU31は、チェック回数として5をセットする(S322)。次に、CPU31は、チェック回数の範囲内で最も大きい優先引込順位データを検索し、最優先フラグデータとしてセットする(S323)。例えば、図柄位置「8」であれば、チェック回数の範囲内は図柄位置「8」〜図柄位置「12」となる。次に、CPU31は、優先順序テーブルの先頭アドレスをセットし、優先順序の初期値として「5」をセットする(S324)。次に、CPU31は、停止データ用滑り駒数に基づいて、優先順序テーブルのアドレスを加算する(S325)。
次に、CPU31は、現在の優先順序に応じた滑り駒数を取得する(S326)。次に、CPU31は、取得した滑り駒数をS321において指定した表示役予想格納領域のアドレスに加算し、優先引込順位データを取得する(S327)。次に、CPU31は、取得した優先引込順位データは最優先フラグデータ以上であるか否かを判別する(S328)。CPU31は、最優先フラグデータ以上であると判別したときには、滑り駒数を退避する(S329)。
CPU31は、S328において最優先フラグデータを下回ると判別したとき又はS329の後に、チェック回数を1減算し、優先順序を1減算する(S330)。次に、CPU31は、チェック回数は0であるか否かを判別する(S331)。CPU31は、チェック回数は0ではないと判別したときには、S326に移る。CPU31は、チェック回数は0であると判別したときには、退避されている滑り駒数を復帰する(S332)。この処理が終了すると、優先引込制御処理を終了する。
次に、図79を参照して、制御変更処理について説明する。
初めに、CPU31は、第3停止後であるか否かを判別する(S351)。CPU31は、第3停止後であると判別したときには制御変更処理を終了する一方で、第3停止後ではないと判別したときには第2停止後であるか否かを判別する(S352)。CPU31は、第2停止後であると判別したときには、後で図80を参照して説明する第2停止後制御変更処理を行う(S353)。この処理では、第3停止時において参照する停止データのビットを「Aライン」の列にするか又は「Bライン」の列にするか、或いは「Cライン」の列にするかが決定される。この処理が終了すると、制御変更処理を終了する。
CPU31は、S352において第2停止後ではない(つまり第1停止後)と判別したときには、順押しであるか否かを判別する(S354)。CPU31は、順押しであると判別したときには、順押し時テーブル変更データに応じた順押し時制御変更テーブルを取得し、検索回数として21をセットする(S355)。次に、CPU31は、第1停止時の停止予定位置を取得する(S356)。
次に、CPU31は、変更対象ポジションを更新する(S357)。この処理では、検索回数が21であれば変更対象ポジションとして「0」をセットし、以降、検索回数が1ずつ減算される毎に変更対象ポジションを1加算する。次に、CPU31は、変更対象ポジションと停止予定位置は一致するか否かを判別する(S358)。
CPU31は、S358において変更対象ポジションと停止予定位置は一致しないと判別したときには、検索回数を1減算した後、その検索回数は0であるか否かを判別する(S359)。CPU31は、検索回数は0ではないと判別したときにはS357に移る一方で、検索回数は0であると判別したときには制御変更処理を終了する。
CPU31は、S358において変更対象ポジションと停止予定位置は一致すると判別したときには、ライン変更ステータスの値に応じた順押し時第2・第3使用テーブル番号及びCラインチェックデータを取得し、格納する(S360)。次に、CPU31は、順押し時第2・第3使用テーブル番号に基づいて、対応する順押し時第2・第3使用停止テーブルをセットする(S361)。この処理が終了すると、制御変更処理を終了する。
CPU31は、S354において順押しではない(つまり変則押し)と判別したときは、検索テーブル変更フラグはオンであるか否かを判別する(S362)。CPU31は、検索テーブル変更フラグはオンではないと判別したときには、制御変更処理を終了する一方で、検索テーブル変更フラグはオンであると判別したときには、前述のS271において取得している変則押し時第2・第3使用テーブル番号に基づいて、対応する変則押し時第2・第3使用停止テーブルをセットする(S363)。この処理が終了すると、制御変更処理を終了する。
次に、図80を参照して、第2停止後制御変更処理について説明する。
初めに、CPU31は、順押しであるか否かを判別する(S371)。CPU31は、順押しであると判別したときには、順押し時制御変更テーブルより取得したCラインチェックデータはオンであるか否かを判別する(S372)。CPU31は、Cラインチェックデータはオンではないと判別したときには、第2停止後制御変更処理を終了する一方で、Cラインチェックデータはオンであると判別したときには、順押し時第2・第3使用停止テーブルを参照し、第2停止時の停止開始位置に対応するライン変更ビットはオンであるか否かを判別する(S373)。つまり、順押し時第2・第3使用停止テーブルが規定する停止データのビット6又はビット7の何れかが(これから行う第3停止の対象となるリールの種別に応じて)参照される。
CPU31は、S373において第2停止時の停止開始位置に対応するライン変更ビットはオンではないと判別したときには、第2停止後制御変更処理を終了する一方で、第2停止時の停止開始位置に対応するライン変更ビットはオンであると判別したときには、現在選択されている順押し時第2・第3使用テーブル番号に1を加算し、加算後の番号に対応する順押し時第2・第3使用停止テーブルをセットする(S374)。例えば、順押し時第2・第3使用停止テーブル「C04」が選択されているとき、順押し時第2・第3使用停止テーブル「C05」のアドレスがセットされる。次に、CPU31は、Cラインステータスをセットする(S375)。この処理が終了すると、第2停止後制御変更処理を終了する。
CPU31は、S371において順押しではない(つまり変則押し)と判別したときには、検索テーブル変更フラグはオンであるか否かを判別する(S376)。CPU31は、検索テーブル変更フラグはオンではないと判別したときには第2停止後制御変更処理を終了する一方で、検索テーブル変更フラグはオンであると判別したときには、図76を参照して前述したライン変更ビットチェック処理を行う(S377)。
このS377のライン変更ビットチェック処理は、変則押し且つ第2停止後に行われ、変則押し時第2・第3使用停止テーブルが参照されることになるから、これから行う第3停止の対象となるリールが左リールであればビット2を参照する一方で、これから行う第3停止の対象となるリールが中リール又は右リールであればビット6を参照する。この処理が終了すると、第2停止後制御変更処理を終了する。
次に、図81を参照して、表示役等決定時処理について説明する。
初めに、CPU31は、表示役は特殊1、特殊2及び低リプ出目1〜低リプ出目4の何れかであるか否かを判別する(S391)。CPU31は、表示役は特殊1、特殊2及び低リプ出目1〜低リプ出目4の何れでもないと判別したときには、表示役等決定時処理を終了する一方、表示役は特殊1、特殊2及び低リプ出目1〜低リプ出目4の何れかであると判別したときには、RT1作動中フラグ又はRT2作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S392)。
CPU31は、S392においてRT1作動中フラグ又はRT2作動中フラグはオンではないと判別したときには、RT1作動中フラグをオンにセットし、RTゲーム数カウンタに1200をセットする(S393)。この処理が終了すると、表示役等決定時処理を終了する。
次に、図82を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、ボーナス終了枚数カウンタは0であるか否かを判別する(S401)。CPU31は、ボーナス終了枚数カウンタは0であると判別したときには、ボーナス終了時処理を行う(S402)。具体的には、BB1作動中フラグ〜BB4作動中フラグ、RB1作動中フラグ及びRB2作動中フラグをクリアし、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタをクリアする。次に、CPU31は、ボーナス終了コマンドを副制御回路72に対して送信する(S403)。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
CPU31は、S401においてボーナス終了枚数カウンタは0ではないと判別したときには、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタをそれぞれ1減算する(S404)。次に、CPU31は、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタは0であるか否かを判別する(S405)。CPU31は、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタは0ではないと判別したときには、ボーナス終了チェック処理を終了する一方で、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタは0であると判別したときには、BB1作動中フラグ又はBB2作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S406)。
CPU31は、S406においてBB1作動中フラグ又はBB2作動中フラグはオンであると判別したときには、RB1作動中フラグをクリアするなど、RB1終了時処理を行い(S407)、ボーナス終了チェック処理を終了する。他方、CPU31は、BB3作動中フラグ又はBB4作動中フラグがオンであると判別したときには、RB2作動中フラグをクリアするなど、RB2終了時処理を行い(S408)、ボーナス終了チェック処理を終了する。
次に、図83を参照して、RTゲーム数カウンタ更新処理について説明する。
初めに、CPU31は、RT1作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S411)。CPU31は、RT1作動中フラグはオンではないと判別したときには、RTゲーム数カウンタ更新処理を終了する一方、RT1作動中フラグはオンであると判別したときには、RTゲーム数カウンタを1減算する(S412)。RTゲーム数カウンタは、RTの作動が継続する遊技回数を管理するためのデータである。
次に、CPU31は、RTゲーム数カウンタは0であるか否かを判別する(S413)。CPU31は、RTゲーム数カウンタは0ではないと判別したときには、RTゲーム数カウンタ更新処理を終了する一方、RTゲーム数カウンタは0であると判別したときには、RT1作動中フラグをオフにセットする(S414)。この処理が終了すると、RTゲーム数カウンタ更新処理を終了する。
次に、図84を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、表示役はBB1〜BB4の何れかであるか否かを判別する(S421)。CPU31は、表示役はBB1〜BB4の何れかであると判別したときには、ボーナス作動時テーブルを参照し、表示役に基づいてBB作動時処理を行う(S422)。次に、CPU31は、持越役格納領域に格納されているデータをクリアする(S423)。次に、CPU31は、RT2作動中フラグをオフにセットする(S424)。次に、CPU31は、ボーナス開始コマンドを副制御回路72に対して送信する(S425)。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
CPU31は、S421において表示役はBB1〜BB4の何れでもないと判別したときには、表示役はリプレイであるか否かを判別する(S426)。CPU31は、表示役はリプレイではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方、表示役はリプレイであると判別したときには、投入枚数カウンタを自動投入カウンタに複写する(S427)。この処理は、再遊技作動手段を構成する。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
次に、図85を参照して、メインCPUの制御により割込処理(1.1173msec)について説明する。
初めに、CPU31は、レジスタの退避を行う(ステップS431)。次に、CPU31は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS432)。具体的には、CPU31は、各スイッチなどからの信号の入力などをチェックする。次に、CPU31は、リール制御処理を行う(ステップS433)。具体的には、リールの回転開始要求がされたときは、リール3L,3C,3Rの回転が開始され、その後一定速度での回転が行われる。また、停止予定位置が決定されたときは、該当リールの図柄カウンタが停止予定位置と同一の値に更新されるのを待って、その回転の減速及び停止が行われる。次に、CPU31は、ランプ・7SEG駆動処理を行う(ステップS434)。次に、CPU31は、レジスタの復帰を行う(ステップS435)。この処理が終了すると、1.1173ms周期の割込処理を終了する。
次に、図86〜図90を参照して、前述してきたように、RT1の作動に係る3通りの内部当籤役が決定された場合に、第1停止操作時に選択されたストップボタンの種別とその停止開始位置とに基づいて、RT1の作動に係る図柄の組合せの表示を行う場合又はこれとは異なる図柄の組合せの表示を行う場合に関する処理の流れについて、具体例を挙げて説明する。以下の具体例では、内部当籤役として「特殊1+特殊2」が決定された場合を採用する。
最初に、図86及び図87を参照して、第1停止操作時において内部当籤役「特殊1+特殊2」に対応する左ストップボタン7Lが選択されたが、その停止開始位置が特殊図柄の引き込み可能位置であるときについて説明する。
(パターン1)
まず、図86を参照して、第1〜第3の各停止操作時において遊技者により採用されたストップボタンの選択順序が「左→中→右」であり、それぞれの停止開始位置が「16」であるときについて説明する。つまり、図86に示す具体例では、第1停止操作時の停止開始位置に加え、第2停止操作時及び第3停止操作時の停止開始位置が何れも特殊図柄の引き込み可能位置である場合について説明する。
(リール停止初期設定処理)
初めに、全てのリールが回転されており、各ストップボタンが押される前に行われる処理について説明する。
内部当籤役として「特殊1+特殊2」が決定されたことから、前述のリール停止初期設定処理(図68)において、順押し時テーブル選択データ「4」、順押し時テーブル変更データ「2」、変則押し時テーブル選択データ「0」及び検索テーブル変更フラグ「1」を選択する。
(表示役予想格納処理)
表示役予想格納処理(図69)において、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれにおける21個の各図柄について優先引込順位データを決定し、表示役予想格納領域に格納する。
例えば、左リール3Lの図柄位置「19」(図2参照)について優先引込順位データを決定する場合について説明する。このとき、左表示窓4Lにおいては、中段に図柄位置「19」の図柄「ボム」が、上段に図柄位置「20」の図柄「ベル」が、下段に図柄位置「18」の図柄「リプレイ」がそれぞれ表示されることが予想される。したがって、入賞判定ライン8a〜8eに沿って表示されることとなる図柄の組合せは次の通りとなる。
即ち、センターライン8cに沿って図柄の組合せ「ボム−回転中−回転中」が、トップライン8b及びクロスダウンライン8eに沿って図柄の組合せ「ベル−回転中−回転中」が、ボトムライン8d及びクロスアップライン8aに沿って図柄の組合せ「リプレイ−回転中−回転中」がそれぞれ表示されることとなる。
表示役検索処理(図70)において、各入賞判定ラインに応じて、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せのうち、遊技者に対して表示される可能性のある図柄の組合せの検索を行う。
検索の結果、センターライン8cに沿って表示されることなる図柄の組合せ「ボム−回転中−回転中」と一致する図柄の組合せは、「ボム−ベル−ベル」、「ボム−ボム−赤チェリー」及び「ボム−ボム−青チェリー」であることから、入賞作動フラグとして「ベル2」、「特殊1」及び「特殊2」を取得する。同様にして、トップライン8b及びクロスダウンライン8eのそれぞれに応じて、入賞作動フラグとして「ベル1」を取得する。また、ボトムライン8d及びクロスアップライン8aのそれぞれに応じて、入賞作動フラグとして「リプレイ」及び「RB中増加役」を取得する。そして、これらの入賞作動フラグの論理和をとった結果、表示役として「リプレイ+ベル1+ベル2+特殊1+特殊2+RB中増加役」を決定する。
続いて、優先引込順位データ取得処理(図71)において、既に決定されている内部当籤役「特殊1+特殊2」と上記のように得られた表示役「リプレイ+ベル1+ベル2+特殊1+特殊2+RB中増加役」と優先順位テーブル(図55)とに基づいて、優先引込順位データの決定を行う。上記表示役の内容のうち、「リプレイ+ベル1+ベル2+RB中増加役」については、内部当籤役「特殊1+特殊2」によりその表示が許容されないことから、これが除外され、「特殊1+特殊2」に関する優先引込順位データが取得される。その結果、優先引込順位データ「00000011B=003H{小役(特殊1+特殊2)+停止可能}」を表示役予想格納領域の図柄位置「19」のアドレスに格納する。このようにして、他の図柄位置についても同様に、優先引込順位データの決定を行う。
(第1停止操作)
続いて、3つのリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止する処理について説明していく。まず、図86の(1)を参照して、第1停止操作時のリール停止制御処理(図72)について説明する。作動ストップボタンが左ストップボタン7Lであり、その停止開始位置が「16」であることから、順押し時第1使用停止テーブルA0を参照することによって、停止データ用滑り駒数として「2」を取得し、ライン変更ステータスとして「1」を取得する。
続いて、優先引込制御処理(図78)において、左リール用表示役予想格納領域を参照し、停止開始位置「16」を含む5つ分の図柄位置(即ち、図柄位置「16」〜図柄位置「20」)の優先引込順位データのうち最大の優先引込順位データを最優先フラグデータとしてセットする。ここでは、「003H(特殊1+特殊2+停止可能)」が最優先フラグデータとして決定される。
ここで、上記図柄位置「16」〜図柄位置「20」のうち、最優先フラグデータ以上となる優先引込順位データが決定されている図柄位置は、「18(即ち、停止開始位置16+滑り駒数2)」、「19(即ち、停止開始位置16+滑り駒数3)」及び「20(即ち、停止開始位置16+滑り駒数4)」である。優先順序テーブル(図56)を参照すると、上記停止データ用滑り駒数と一致する滑り駒数「2」(即ち、図柄位置「18」)の優先順序が最も高いことから、図柄位置「18」が停止予定位置として決定される。停止予定位置「18」にて左リール3Lの回転を停止する結果、左表示窓4Lにおいて、中段に図柄位置「18」の図柄「リプレイ」が、上段に図柄位置「19」の図柄「ボム」が、下段に図柄位置「17」の図柄「赤7」がそれぞれ表示される。
(第1停止後 制御変更処理)
順押しが行われ、且つ、第1停止後であることから、制御変更処理(図79)において、順押し時制御変更テーブル「2」を参照し、前述の停止予定位置「18」に基づいて、ライン変更ステータス「1」に応じた順押し時第2・第3使用テーブル番号「C11」及びCラインチェックデータ「0」を取得する。
(第1停止操作後)
第1停止後の表示役予想格納処理において、回転中の中リール3C及び右リール3Rについて、前述したように、優先引込順位データの決定が行われる。
(第2停止操作)
図86の(2)を参照して、第2停止操作時のリール停止制御処理について説明する。ラインマスクデータテーブルE0が参照され、作動ストップボタンが中ストップボタン7Cであることから、ラインマスクデータとして「00010000」が選択される。
第2・第3停止処理において、中リールに対応する「ライン変更」の列(ビット5)を参照し、停止開始位置「16」に応じたビットは「0」であることから、「Bライン」への変更は行われず、ラインマスクデータは「00010000」のままとなる。
順押し時第2・第3使用停止テーブルC11を参照して、中リール3Cの停止開始位置が「16」であることから、図柄位置「16」から昇順に、対応する停止データと上記ラインマスクデータとの論理積をとっていく。検索の結果、図柄位置「18」に対応する停止データとの論理積が0ではないことから、その差分である「2」を停止データ用滑り駒数として取得する。
優先引込制御処理において、停止開始位置「16」を含む5つ分の図柄位置(即ち、図柄位置「16」〜図柄位置「20」)の優先引込順位データのうち最大の優先引込順位データが決定されている図柄位置は、「18(即ち、停止開始位置16+滑り駒数2)」及び「19(即ち、停止開始位置16+滑り駒数3)」である。これらのうち、優先順序テーブルを参照すると、停止データ用滑り駒数「2」に対応する図柄位置「18」の優先順序の方が高いことから、これを停止予定位置として決定する。この停止予定位置「18」にて中リール3Cの回転を停止する結果、中表示窓4Cにおいて、中段に図柄「リプレイ」が、上段に図柄「ボム」が、下段に図柄「スイカ」がそれぞれ表示される。
(第2停止後 制御変更処理)
第2停止後制御変更処理(図80)において、順押し時制御変更テーブル「2」により取得したCラインチェックデータは「0」であることから、「Cライン」への変更が行われない。
(第2停止後)
第2停止後の表示役予想格納処理において、回転中の右リール3Rについて、前述したように、優先引込順位データの決定が行われる。
(第3停止操作)
図86の(3)を参照して、第3停止操作時のリール停止制御処理について説明する。ラインマスクデータテーブルE0を参照し、作動ストップボタンが右ストップボタン7Rであることから、ラインマスクデータとして「00000010」を選択する。
第2・第3停止処理において、「Bライン」への変更及び前述した「Cライン」への変更は行われないので、ラインマスクデータは「00000010」のままとなる。
順押し時第2・第3使用停止テーブルC11を参照して、右リール3Rの停止開始位置が「16」であることから、図柄位置「16」から昇順に、対応する停止データと上記ラインマスクデータとの論理積がとられる。検索の結果、図柄位置「18」に対応する停止データとの論理積が0ではないことから、その差分である「2」を停止データ用滑り駒数として取得する。
優先引込制御処理において、停止開始位置「16」を含む5つ分の図柄位置(即ち、図柄位置「16」〜図柄位置「20」)の優先引込順位データのうち最大の優先引込順位データが決定されている図柄位置は、「16(即ち、停止開始位置16+滑り駒数0)」である。したがって、停止データ用滑り駒数「2」に対応する図柄位置「18」ではなく、上記図柄位置「16」を停止予定位置として決定する。この停止予定位置「16」にて右リール3Rの回転を停止する結果、右表示窓4Rにおいて、中段に図柄「スイカ」が、上段に図柄「赤チェリー」が、下段に図柄「リプレイ」がそれぞれ表示される。
したがって、3つのリール3L,3C,3Rすべての回転が停止される結果、トップライン8bに沿って特殊1に係る図柄の組合せ「ボム−ボム−赤チェリー」が表示される。このように、内部当籤役が「特殊1+特殊2」であるとき、第1停止操作時において「特殊1+特殊2」に対応する左ストップボタンが選択されても、第1停止操作時の停止開始位置が特殊図柄の引き込み可能位置であり、且つ、残りのリールの停止開始位置も特殊図柄の引き込み可能位置であるときには、特殊1(又は特殊2)に係る図柄の組合せが表示され、RT1の作動が行われてしまう結果となる。
(パターン2)
次に、図87を参照して、第1〜第3の各停止操作時において遊技者により採用されたストップボタンの選択順序が「左→中→右」であり、左リールの停止開始位置が「16」であり、中リール及び右リールの停止開始位置が「8」であるときについて説明する。つまり、図87に示す具体例では、第1停止操作時の停止開始位置のみが特殊図柄の引き込み可能位置であり、第2停止操作時及び第3停止操作時の停止開始位置が何れも特殊図柄の引き込み可能位置ではない場合について説明する。
(第1停止操作)
まず、図87の(1)を参照して、第1停止操作時のリール停止制御処理について説明する。前述した図86と同様であるから、停止予定位置「18」にて左リール3Lの回転を停止する結果、左表示窓4Lにおいて、中段に図柄位置「18」の図柄「リプレイ」が、上段に図柄位置「19」の図柄「ボム」が、下段に図柄位置「17」の図柄「赤7」がそれぞれ表示される。
(第1停止後 制御変更処理)
前述した図86と同様であるから、制御変更処理において、順押し時第2・第3使用テーブル番号「C11」及びCラインチェックデータ「0」を取得する。
(第2停止操作)
図87の(2)を参照して、第2停止操作時のリール停止制御処理について説明する。第2・第3停止処理において、順押し時第2・第3使用停止テーブルC11における「中リールライン変更」の列を参照し、停止開始位置「8」に応じたビットは「0」であることから、「Bライン」への変更は行われず、ラインマスクデータは「00010000」のままとなる。
順押し時第2・第3使用停止テーブルC11を参照し、中リール3Cの停止開始位置が「8」であることから、図柄位置「8」から昇順に、対応する停止データと上記ラインマスクデータとの論理積をとっていく。検索の結果、図柄位置「10」に対応する停止データとの論理積が0ではないことから、その差分である「2」を停止データ用滑り駒数として取得する。
優先引込制御処理において、停止開始位置「8」を含む5つ分の図柄位置(即ち、図柄位置「8」〜図柄位置「12」)の優先引込順位データはそれぞれの大きさが等しい。優先順序テーブルを参照すると、停止データ用滑り駒数「2」に対応する図柄位置「10」の優先順序が最も高いことから、これを停止予定位置として決定する。この停止予定位置「10」にて中リール3Cの回転を停止する結果、中表示窓4Cにおいて、中段に図柄「リプレイ」が、上段に図柄「ベル」が、下段に図柄「BAR」がそれぞれ表示される。
(第3停止操作)
図87の(3)を参照して、第3停止操作時のリール停止制御処理について説明する。第2・第3停止処理において、「Bライン」への変更及び「Cライン」への変更は行われず、ラインマスクデータは「00000010」のままとなる。
順押し時第2・第3使用停止テーブルC11を参照し、右リール3Rの停止開始位置が「8」であることから、図柄位置「8」から昇順に、対応する停止データと上記ラインマスクデータとの論理積がとられる。検索の結果、図柄位置「10」に対応する停止データとの論理積が0ではないことから、その差分である「2」を停止データ用滑り駒数として取得する。
優先引込制御処理において、停止開始位置「8」を含む5つ分の図柄位置(即ち、図柄位置「8」〜図柄位置「12」)の優先引込順位データはそれぞれ等しい。したがって、停止データ用滑り駒数「2」に対応する図柄位置「10」を停止予定位置として決定する。この停止予定位置「10」にて右リール3Rの回転を停止する結果、右表示窓4Rにおいて、中段に図柄「ベル」が、上段に図柄「リプレイ」が、下段に図柄「BAR」がそれぞれ表示される。
したがって、3つのリール3L,3C,3Rすべての回転が停止される結果、クロスアップライン8aに沿って低リプ出目1に係る図柄の組合せ「赤7−リプレイ−リプレイ」が表示される。このように、第1停止操作時の停止開始位置が特殊図柄の引き込み可能位置であるときは、第2停止操作時及び第3停止操作時の停止開始位置が特殊図柄の引き込み可能位置ではなくとも、低リプ出目1に係る図柄の組合せが表示され、RT1の作動が行われてしまう結果となる。
(パターン3)
次に、図88を参照して、第1停止操作時において内部当籤役「特殊1+特殊2」に対応する左ストップボタン7Lが選択され、且つ、その停止開始位置が特殊図柄の引き込み可能位置とは異なる位置であるときについて説明する。尚、他のリールの停止開始位置も「8」であるとする。
(第1停止操作)
まず、図88の(1)を参照して、第1停止操作時のリール停止制御処理について説明する。作動ストップボタンが左ストップボタン7Lであり、その停止開始位置が「8」であることから、順押し時第1使用停止テーブルA0を参照することによって、停止データ用滑り駒数として「2」を取得し、ライン変更ステータスとして「0」を取得する。
続いて、優先引込制御処理において、左リール用表示役予想格納領域を参照し、停止開始位置「8」を含む5つ分の図柄位置(即ち、図柄位置「8」〜図柄位置「12」)の優先引込順位データのうち最大の優先引込順位データは、図柄位置「10」であるので、これが停止予定位置として決定される。停止予定位置「10」にて左リール3Lの回転を停止する結果、左表示窓4Lにおいて、中段に図柄位置「10」の図柄「リプレイ」が、上段に図柄位置「11」の図柄「スイカ」が、下段に図柄位置「9」の図柄「BAR」がそれぞれ表示される。
(第1停止後 制御変更処理)
制御変更処理において、順押し時制御変更テーブル「2」を参照し、前述の停止予定位置「10」に基づいて、ライン変更ステータス「0」に応じた順押し時第2・第3使用テーブル番号「C04」及びCラインチェックデータ「1」を取得する。
(第2停止操作)
図88の(2)を参照して、第2停止操作時のリール停止制御処理について説明する。ラインマスクデータテーブルE0が参照され、作動ストップボタンが中ストップボタン7Cであることから、ラインマスクデータとして「00010000」が選択される。
第2・第3停止処理において、順押し時第2・第3使用停止テーブルC04における「中リールライン変更」の列を参照し、停止開始位置「8」に対応するビットは「1」であることから、「Bライン」への変更が行われて、ラインマスクデータは「00001000」に変更される。
順押し時第2・第3使用停止テーブルC04を参照し、中リール3Cの停止開始位置が「8」であるから、検索の結果、図柄位置「11」に対応する停止データとの論理積が0ではなく、その差分である「3」を停止データ用滑り駒数として取得する。
優先引込制御処理において、停止開始位置「8」を含む5つ分の図柄位置(即ち、図柄位置「8」〜図柄位置「12」)の優先引込順位データはそれぞれ等しい。優先順序テーブルを参照すると、停止データ用滑り駒数「3」に対応する図柄位置「11」の優先順序が最も高いことから、これを停止予定位置として決定する。この停止予定位置「11」にて中リール3Cの回転を停止する結果、中表示窓4Cにおいて、中段に図柄「ベル」が、上段に図柄「スイカ」が、下段に図柄「リプレイ」がそれぞれ表示される。
(第2停止後 制御変更処理)
第2停止後制御変更処理において、順押し時制御変更テーブル「2」により取得したCラインチェックデータは「1」であるが、順押し時第2・第3使用停止テーブルC04における「左リール→中リールのとき右リールライン変更」の列(即ち、ビット7)を参照すると、停止開始位置「8」に応じたビットがオフであることから、「Cライン」への変更が行われない。
(第3停止操作)
図88の(3)を参照して、第3停止操作時のリール停止制御処理について説明する。ラインマスクデータテーブルE0を参照し、作動ストップボタンが右ストップボタン7Rであることから、ラインマスクデータとして「00000010」を選択する。
第2・第3停止処理において、Bラインステータスがセットされており、「Cライン」への変更は行われないが、「Bライン」への変更が行われることから、ラインマスクデータは「00000001」に変更される。
順押し時第2・第3使用停止テーブルC04を参照して、右リール3Rの停止開始位置が「8」であることから、図柄位置「8」から昇順に、対応する停止データと上記ラインマスクデータとの論理積がとられる。検索の結果、図柄位置「9」に対応する停止データとの論理積が0ではないことから、その差分である「1」を停止データ用滑り駒数として取得する。
優先引込制御処理において、停止開始位置「8」を含む5つ分の図柄位置(即ち、図柄位置「8」〜図柄位置「12」)の優先引込順位データと優先順序テーブルとに基づいて、停止データ用滑り駒数「1」に対応する図柄位置「9」を停止予定位置として決定する。この停止予定位置「9」にて右リール3Rの回転を停止する結果、右表示窓4Rにおいて、中段に図柄「BAR」が、上段に図柄「ベル」が、下段に図柄「黒チェリー」がそれぞれ表示される。
したがって、3つのリール3L,3C,3Rすべての回転が停止される結果、入賞判定ライン8a〜8eの何れにも、特殊1、特殊2及び低リプ出目1〜低リプ出目4に係る図柄の組合せが表示されず、セーフ出目が表示される。このように、内部当籤役が「特殊1+特殊2」であるとき、第1停止操作時において「特殊1+特殊2」に対応する左ストップボタンが選択され、且つ、第1停止操作時の停止開始位置が特殊図柄の引き込み可能位置とは異なる位置であることを条件に、RT1の作動が回避されるようになる。
(パターン4)
次に、図89を参照して、RT1の作動に係る3通りの内部当籤役のそれぞれに予め定められている、RT1の作動を回避可能なストップボタンの種別と第1停止操作時に選択されたストップボタンの種別とが一致しない場合について説明する。以下では、ストップボタンの選択順序が「右→中→左」であり、それぞれの停止開始位置が「8」であるときについて説明する。
(第1停止操作)
まず、図89の(1)を参照して、第1停止操作時のリール停止制御処理について説明する。作動ストップボタンが右ストップボタン7Rであり、その停止開始位置が「8」であることから、変則押し時第1使用停止テーブルB1を参照することによって、停止データ用滑り駒数として「4」及び変則押し時第2・第3使用テーブル番号「D08」を取得する。
続いて、優先引込制御処理において、右リール用表示役予想格納領域を参照すると、停止開始位置「8」を含む5つ分の図柄位置(即ち、図柄位置「8」〜図柄位置「12」)の優先引込順位データはそれぞれ等しい。優先順序テーブルを参照すると、上記停止データ用滑り駒数「4」と一致する図柄位置「12」が停止予定位置として決定される。停止予定位置「12」にて右リール3Rの回転を停止する結果、右表示窓4Rにおいて、中段に図柄位置「12」の図柄「赤7」が、上段に図柄位置「13」の図柄「ボム」が、下段に図柄位置「11」の図柄「リプレイ」がそれぞれ表示される。
(第1停止後 制御変更処理)
制御変更処理において、変則押し時第2・第3使用停止テーブル「D08」をセットする。
(第2停止操作)
図89の(2)を参照して、第2停止操作時のリール停止制御処理について説明する。ラインマスクデータテーブルE1が参照され、作動ストップボタンが中ストップボタン7Cであることから、ラインマスクデータとして「00001000」が選択される。
変則押し時では、第2停止時のライン変更ビットチェック処理は行われないので、ラインマスクデータは「00001000」のままとなる。変則押し時第2・第3使用停止テーブルD08を参照して、中リール3Cの停止開始位置が「8」であることから、検索の結果、図柄位置「11」に対応する停止データとの論理積が0ではないことから、その差分である「3」を停止データ用滑り駒数として取得する。
優先引込制御処理において、停止開始位置「8」を含む5つ分の図柄位置(即ち、図柄位置「8」〜図柄位置「12」)の優先引込順位データはそれぞれ等しい。優先順序テーブルを参照すると、停止データ用滑り駒数「3」に対応する図柄位置「11」の優先順序が最も高いことから、これを停止予定位置として決定する。この停止予定位置「11」にて中リール3Cの回転を停止する結果、中表示窓4Cにおいて、中段に図柄「ベル」が、上段に図柄「スイカ」が、下段に図柄「リプレイ」がそれぞれ表示される。
(第2停止後 制御変更処理)
第2停止後制御変更処理において、変則押し時第2・第3使用停止テーブルD08における「右リール→中リールのとき左リールライン変更」の列(即ち、ビット2)を参照し、停止開始位置「8」に応じたビットがオフであることから、「Bライン」への変更が行われない。
(第3停止操作)
図89の(3)を参照して、第3停止操作時のリール停止制御処理について説明する。ラインマスクデータテーブルE2を参照し、作動ストップボタンが左ストップボタン7Lであることから、ラインマスクデータとして「00000010」を選択され、「Bライン」への変更が行われないので、ラインマスクデータは「00000010」のままとなる。
変則押し時第2・第3使用停止テーブルD08を参照して、左リール3Lの停止開始位置が「8」であることから、図柄位置「8」から昇順に、対応する停止データと上記ラインマスクデータとの論理積がとられる。検索の結果、図柄位置「10」に対応する停止データとの論理積が0ではないことから、その差分である「2」を停止データ用滑り駒数として取得する。
優先引込制御処理において、停止開始位置「8」を含む5つ分の図柄位置(即ち、図柄位置「8」〜図柄位置「12」)の優先引込順位データのうち最大の優先引込順位データが決定されている図柄位置は「10」である。したがって、これを停止予定位置として決定する。この停止予定位置「10」にて左リール3Lの回転を停止する結果、左表示窓4Lにおいて、中段に図柄「リプレイ」が、上段に図柄「スイカ」が、下段に図柄「BAR」がそれぞれ表示される。
したがって、3つのリール3L,3C,3Rすべての回転が停止される結果、ボトムライン8dに沿って低リプ出目3に係る図柄の組合せ「BAR−リプレイ−リプレイ」が表示される。このように、内部当籤役が「特殊1+特殊2」であるとき、第1停止操作時において「特殊1+特殊2」に対応する左ストップボタンとは異なるストップボタンが選択されたとき、RT1の作動が行われてしまう結果となる。
(パターン5)
次に、図90を参照して、順押し時において、第3停止が行われるときに「Cライン」への変更が行われる場合について説明する。以下では、遊技者により採用されたストップボタンの選択順序が「左→中→右」であり、左リールの停止開始位置が「8」、中リールの停止開始位置が「5」及び右リールの停止開始位置が「16」であるときについて説明する。
(第1停止操作)
まず、図90の(1)を参照して、第1停止操作時のリール停止制御処理について説明する。作動ストップボタンが左ストップボタン7Lであり、その停止開始位置が「8」であることから、順押し時第1使用停止テーブルA0を参照することによって、停止データ用滑り駒数として「2」を取得する。
続いて、優先引込制御処理において、左リール用表示役予想格納領域を参照し、停止開始位置「8」を含む5つ分の図柄位置(即ち、図柄位置「8」〜図柄位置「12」)の優先引込順位データに基づいて図柄位置「10」が停止予定位置として決定される。停止予定位置「10」にて左リール3Lの回転を停止する結果、左表示窓4Lにおいて、中段に図柄「リプレイ」が、上段に図柄「スイカ」が、下段に図柄「BAR」がそれぞれ表示される。
(第1停止後 制御変更処理)
制御変更処理において、順押し時制御変更テーブル「2」を参照し、前述の停止予定位置「10」に基づいて、ライン変更ステータス「0」に応じた順押し時第2・第3使用テーブル番号「C04」及びCラインチェックデータ「1」を取得する。
(第2停止操作)
図90の(2)を参照して、第2停止操作時のリール停止制御処理について説明する。ラインマスクデータテーブルE0が参照され、作動ストップボタンが中ストップボタン7Cであることから、ラインマスクデータとして「00010000」が選択される。
第2・第3停止処理において、順押し時第2・第3使用停止テーブルC04における「中リールライン変更」の列(ビット5)を参照して、停止開始位置「5」に対応するビットは「0」であることから、「Bライン」への変更が行われず、ラインマスクデータは「00010000」のままとなる。
順押し時第2・第3使用停止テーブルC04を参照すると、中リール3Cの停止開始位置「5」に対応する停止データと上記ラインマスクデータとの論理積が0ではないことから、その差分である「0」を停止データ用滑り駒数として取得する。
優先引込制御処理において、停止開始位置「5」を含む5つ分の図柄位置(即ち、図柄位置「5」〜図柄位置「9」)の優先引込順位データはそれぞれ等しい。優先順序テーブルを参照すると、停止データ用滑り駒数「0」に対応する図柄位置「5」の優先順序が最も高いことから、これを停止予定位置として決定する。この停止予定位置「5」にて中リール3Cの回転を停止する結果、中表示窓4Cにおいて、中段に図柄「リプレイ」が、上段に図柄「ベル」が、下段に図柄「青チェリー」がそれぞれ表示される。
(第2停止後 制御変更処理)
第2停止後制御変更処理において、順押し時制御変更テーブル「2」により取得したCラインチェックデータは「1」であり、順押し時第2・第3使用停止テーブルC04における「左リール→中リールのときの右リールライン変更」の列(即ち、ビット7)を参照すると、停止開始位置「5」に対応するビットがオンであることから、「Cライン」への変更が行われる。また、現在参照している順押し時第2・第3使用停止テーブル「C04」を1つ加算して、順押し時第2・第3使用停止テーブル「C05」をセットする。
(第3停止操作)
図90の(3)を参照して、第3停止操作時のリール停止制御処理について説明する。ラインマスクデータテーブルE0を参照し、作動ストップボタンが右ストップボタン7Rであることから、ラインマスクデータとして「00000010」を選択する。
第2・第3停止処理において、「Cライン」への変更が行われることから、ラインマスクデータは「10000000」に変更される。
順押し時第2・第3使用停止テーブルC05を参照し、右リール3Rの停止開始位置が「16」であるから、検索の結果、図柄位置「17」に対応する停止データとラインマスクデータとの論理積が0ではなく、その差分である「1」を停止データ用滑り駒数として取得する。
優先引込制御処理において、停止開始位置「16」を含む5つ分の図柄位置(即ち、図柄位置「16」〜図柄位置「20」)の優先引込順位データと優先順序テーブルとに基づいて、停止データ用滑り駒数「1」に対応する図柄位置「17」を停止予定位置として決定する。この停止予定位置「17」にて右リール3Rの回転を停止する結果、右表示窓4Rにおいて、中段に図柄「赤チェリー」が、上段に図柄「ベル」が、下段に図柄「スイカ」がそれぞれ表示される。
ここで、仮に、第3停止時において「Cライン」への変更が行われず、「Aライン」の列に基づいて停止予定位置が決定されるとした場合、順押し時第2・第3使用停止テーブルC04における「右リールAライン」の列(ビット1)を参照すると(図24を参照)、停止開始位置「16」に対応する停止データとラインマスクデータとの論理積が0ではないことから、停止データ用滑り駒数として「0」が取得され、停止開始位置「16」が停止予定位置として決定される。
また、仮に、第3停止時において「Cライン」への変更が行われないが、「Bライン」への変更が行われるとした場合、順押し時第2・第3使用停止テーブルC04における「右リールBライン」の列(ビット0)を参照すると(図24を参照)、図柄位置「18」に対応する停止データとラインマスクデータとの論理積が0ではないことから、停止開始位置「16」との差分から停止データ用滑り駒数として「2」が取得され、図柄位置「18」が停止予定位置として決定される。
このように、順押しが行われる場合では、第3停止時において、「Aライン」、「Bライン」及び「Cライン」の3通りの情報の何れを参照するかによって、同じ停止開始位置であっても、停止予定位置をそれぞれで異ならせることができるので、表示される図柄の組合せの多様化を図ることが可能となっている。
以上説明したように、本実施の形態のスロットマシン1は、遊技者にとって不利なRT1の作動に係る内部当籤役として「特殊1」、「特殊1+特殊2」及び「特殊2」の3通りを設け、これらの何れかが決定されると、第1停止操作時において、特殊図柄の引き込み可能位置とは異なる位置が停止開始位置となるようにストップボタンが押されたこと、且つ、このとき選択されたストップボタンの種別が上記決定された内部当籤役に対応するストップボタンの種別であることを条件に、RT1の作動が開始されるのを回避するようにした。
したがって、停止操作の技量に関して熟練した遊技者といえども、3つのリールから予め定められたリールを勘や運などに頼って選択しなければならないので、RT1の作動を回避することが容易ではなくなる。即ち、遊技者にとって不利なRT1の作動の回避を、停止操作の技量のみを反映させて行うのではなく、これとは異なる運や勘などといった要素をも加味して行うようにしたので、熟練した遊技者ほどの技量を有しない遊技者が意欲を低下させてしまうのを防ぐことができるようになる。
また、本実施の形態では、上記3通りの内部当籤役のそれぞれで、ストップボタンの種別と図柄位置とに応じて、低リプ出目1〜低リプ出目4に係る図柄の組合せが表示されるようにリールの回転が停止する位置を規定した第2・第3使用停止テーブル及びセーフ出目が表示されるようにリールの回転が停止する位置を規定した第2・第3使用停止テーブルの何れかを予め対応付けるデータを設けるようにしておき(例えば、第2・第3使用テーブル番号)、第1停止が行われると、そのときに選択されたストップボタンの種別と、停止開始位置及び停止予定位置とに基づいて上記データを参照し、上記停止テーブルの何れかを選択するようにしている。そして、このようにして選択された第2・第3使用停止テーブルに基づいて、RT1の作動に係る図柄の組合せの表示及びその回避を実現するようにした。即ち、内部当籤役の種別と、第1停止操作時に選択されたストップボタンの種別と、そのときの停止開始位置とに基づいて、参照される停止テーブルが一義的に決まるようにしているので、停止テーブルを決定するための専用の抽籤などを行う必要がなく、制御系にかかる負荷を軽減させることが可能となる。
また、上記の第2・第3使用停止テーブルは、各図柄位置に応じて、その図柄位置がリールの回転が停止する位置として適切か否かの情報を、「Aライン」の列に対応するビット、「Bライン」の列に対応するビット、及び「Cライン」の列に対応するビットを割り当てることによって3パターン備えた1バイトの停止データを規定している。したがって、1つの停止テーブルにつき、リールの回転が停止する位置の決め方を3通り備えているといえ、情報の圧縮化を図ることが可能となっている。そして、同じ停止開始位置であっても、それぞれに応じて決定される停止予定位置が異なるようにする結果、遊技者に対して表示する図柄の組合せの多様化を図ることができる。したがって、これを実現するために複数の停止テーブルを用意することや、これらの何れかを決定するための専用の抽籤などを行う必要がなく、表示する図柄の組合せの多様化を図りつつも、制御系にかかる負荷を軽減させることができる。
また、第2・第3使用停止テーブルが、各リールの図柄位置に応じて、「Aライン」、「Bライン」及び「Cライン」の何れかを指定するデータ(即ち、「ライン変更」の列)を有しており、停止操作の検出が行われると、停止開始位置に基づいて上記「ライン変更」の列を参照し、「Aライン」、「Bライン」及び「Cライン」の何れかに基づいて該当するリールの回転を停止するようにした。即ち、リールの回転が停止する位置がそれぞれで異なる3通りのデータのうち何れを参照するかを、リールの図柄位置に応じて予め規定しておくようにしたので、上記3通りのデータの何れを参照するかの決定を専用の抽籤などにより行う必要がなく、制御系にかかる負荷を軽減するのに好適となっている。
前述してきた通り、本実施の形態のスロットマシン1では、リール停止手段は、内部当籤役決定手段により第1の内部当籤役(例えば、前述の特殊1+特殊2)が決定された場合において、複数のリールの全ての回転が行われている間に予め定められたリール(例えば、前述の左リール3L)に対応する停止操作の検出が停止操作検出手段により行われ、且つ、位置特定手段により特定される位置が予め定められた位置(例えば、前述の図柄位置「14」〜図柄位置「20」)とは異なる位置であるとき、所定の図柄の組合せとは異なる図柄の組合せ(例えば、前述のセーフ出目)が表示されるように複数のリールの回転を停止する一方で、複数のリールの全ての回転が行われている間に前記予め定められたリールとは異なるリールに対応する停止操作の検出が停止操作検出手段により行われるか、或いは、位置特定手段により特定される位置が予め定められた位置であるとき、前記所定の図柄の組合せが表示されるように複数のリールの回転を停止することを特徴としている。
そして、内部当籤役決定手段により第2の内部当籤役(例えば、前述の特殊1)が決定された場合において、複数のリールの全ての回転が行われている間に予め定められたリールとは異なるリール(例えば、前述の右リール3R)に対応する停止操作の検出が停止操作検出手段により行われ、且つ、位置特定手段により特定される位置が予め定められた位置とは異なる位置であるとき、前記所定の図柄の組合せとは異なる図柄の組合せが表示されるように複数のリールの回転を停止する一方で、複数のリールの全ての回転が行われている間に前記予め定められたリールに対応する停止操作の検出が停止操作検出手段により行われるか、或いは、位置特定手段により特定される位置が予め定められた位置であるとき、前記所定の図柄の組合せが表示されるように複数のリールの回転を停止することを特徴としている。
また、本実施の形態のスロットマシン1では、前記所定の図柄の組合せが表示されるようにリールの回転が停止する位置を規定する所定の停止テーブル(例えば、前述の順押し時第2・第3使用停止テーブル「C09」や、前述の変則押し時第2・第3使用停止テーブル「D00」など)及び前記所定の図柄の組合せとは異なる図柄の組合せが表示されるようにリールの回転が停止する位置を規定する予め定められた停止テーブル(例えば、前述の順押し時第2・第3使用停止テーブル「C01」など)を記憶する停止テーブル記憶手段(例えば、前述のROM32)と、複数のリールの全ての回転が行われている間に何れか1つのリールに対応する停止操作の検出が停止操作検出手段により行われると、当該停止操作の検出が行われたリールの種別と位置特定手段により特定される位置とに基づいて、前記所定の停止テーブル及び前記予め定められた停止テーブルの何れかを選択する停止テーブル選択手段(例えば、前述の制御変更処理)と、を備え、リール停止手段は、停止テーブル選択手段により選択された停止テーブルに基づいてリールの回転を停止することを特徴としている。
また、本実施の形態のスロットマシン1では、前記停止テーブルは、リールの回転が停止する位置を規定する第1データ(例えば、前述の停止データにおける「Aライン」の列)と、リールの回転が停止する位置を第1データとは異なるように規定する第2データ(例えば、前述の停止データにおける「Bライン」の列)と、リールの回転が停止する位置を第1データ及び第2データとは異なるように規定する第3データ(例えば、前述の停止データにおける「Cライン」の列)と、を有しており、リール停止手段は、停止操作検出手段により停止操作の検出が行われると、前記停止テーブルを参照し、第1データ、第2データ及び第3データの何れかに基づいて該当するリールの回転を停止することを特徴としている。
そして、前記停止テーブルは、リールの回転方向における各位置に応じて第1データ、第2データ及び第3データの何れかを指定する指定データ(例えば、前述の停止データにおける「ライン変更」の列)をさらに有しており、記リール停止手段は、停止操作検出手段により停止操作の検出が行われると、位置特定手段により特定される位置に基づいて、前記停止テーブルが有する指定データを参照し、第1データ、第2データ及び第3データの何れかに基づいて該当するリールの回転を停止することを特徴としている。
以上、本実施の形態のスロットマシン1における主制御回路71において実行されるプログラムの内容等について説明した。続いて、以下では、図91〜図134を参照して、本実施の形態のスロットマシン1における副制御回路72において実行されるプログラムの内容等について説明する。
副制御回路72では、前述の主制御回路71において制御されるプログラムの進行に応じて、映像、音、光、或いはこれらの組合せによる演出の内容を決定し、これを実行する。詳しい説明は追って行うが、本実施の形態の副制御回路72では、一般遊技状態において、予め定められた内部当籤役(前述のRT1の作動に係る「特殊1」、「特殊1+特殊2」、「特殊2」)の何れかが決定されると、アシストタイム(以下、「AT」と略記する)の作動が行われていること(より具体的にいうと、後述のATゲーム数カウンタに格納されている値が1以上であること)を条件に、液晶表示装置5において所定の映像を表示して、遊技者にとって有利な結果が生じるための停止操作に関する情報(即ち、RT1の作動に係る図柄の組合せの表示を回避するための情報であって、図17を参照して説明した第1停止操作時に選択するべきストップボタンの種別)を遊技者に対して報知するようにしている。
上記の内容に関して、液晶表示装置5において表示する映像の具体例を図118〜図120に示す。図118は、一般遊技状態において、前述のRT1の作動に係る3通りの内部当籤役が決定されていないときに表示される映像の例である。図119は、一般遊技状態において、前述のRT1の作動に係る3通りの内部当籤役が決定された場合であって、ATの作動が行われているときに表示される映像の例である。図120は、一般遊技状態において、前述のRT1の作動に係る3通りの内部当籤役が決定された場合であって、ATの作動が行われていないときに表示される映像の例である。
図119に示す表示例は、RT1の作動に係る図柄の組合せの表示を回避するための情報を報知するためのものである。この表示例では、内部当籤役として「特殊2」が決定されたときのものであって、第1停止操作時に選択するべきストップボタンの種別が中ストップボタンであることを示唆する映像が示されている。液晶表示装置5の表示部5aでは、中表示窓4Cの周囲の領域の表示を、他の表示窓4L,4Rの周囲の領域の表示と異なるように変化させている。具体的には、中表示窓4Cの幅と概ね等しい幅を有し且つ表示部5aの上下方向いっぱいに延びた帯状の領域の表示を、他の領域の表示と比べて際立たせるように変化させている。また、図示した映像では、特殊2に係る図柄の組合せの表示を回避可能となる図柄位置に配された、前述の黒色図柄群が表示窓内に現れたときにストップボタンを押すべきであることも示唆されている。
したがって、遊技者は、上記情報が報知されることによって、第1停止操作時のストップボタンの種別を勘や運などに頼って選択する必要がなくなるので、上記黒色図柄群を狙うべくストップボタンを押すタイミングをはかることに注力することができるようになり、上記情報が報知されない場合と比べ、RT1の作動を回避することが容易に行えるようになる。
これに対して、図120に示す表示例では、ATの作動が行われていないので、RT1の作動に係る図柄の組合せの表示を回避するための情報が報知されていない。図示した表示例は、前述のRT1の作動に係る3通りの内部当籤役が決定された場合に共通して表示される映像である。この映像によると、遊技者は、前述のRT1の作動に係る3通りの内部当籤役の何れかが決定されたということだけは知ることができるが、その種類までは分からないようになっている。したがって、遊技者は、第1停止操作時のストップボタンの種別を勘や運などに頼って選択する必要がある。
以下、図91〜図103を参照して制御ROM82に記憶されている各種テーブルについて説明する。以下で説明する各種テーブルは、基本的に、前述したATの作動を行うか否かの決定や、この決定に基づいて実行する演出内容の決定等に使用されるものである。
初めに、図91を参照して、SP抽籤状態選択テーブルについて説明する。
前述したように、主制御回路71では、ボーナスゲーム(BB1〜BB4)の作動が終了した後、遊技者にとって相対的に有利な一般遊技状態に移行するようにしている。そして、副制御回路72では、このボーナスゲームの作動が行われている間に、その後の一般遊技状態においてATの作動を行うか否かの決定(より具体的には、後述のATゲーム数として0を超える数値を決定するか否かの決定)を行うようにしている。尚、ATの作動を行うか否かの決定に関する具体的な方法は、ボーナスゲームの種別(即ち、「BB1及びBB2」と「BB3及びBB4」)に応じて異なる。
本実施の形態では、上記ATの作動を行うか否かを決定する抽籤(以下、「AT抽籤」という)を行う場合、ATの作動を行うと決定される確率(以下、「AT当籤確率」という)の選択や、ATの作動を継続して行う期間(即ち、ATゲーム数)の決定などを、遊技者にとって相対的に有利に働かせる状態(以下、「SP状態」という)と、そうではない状態(以下、「非SP状態」という)とを設けるようにしている。
例えば、AT抽籤を行う場合、その抽籤の結果が遊技者に有利に働くとは、AT当籤確率が相対的に高いテーブルとAT当籤確率が相対的に低いテーブルとが設けられているときにおいて前者を参照することや、ATゲーム数として相対的に大きい数値が決定される確率が高いテーブルとATゲーム数として相対的に大きい数値が決定される確率が低いテーブルとが設けられている場合において前者を参照することなどが挙げられる。また、ATゲーム数の決定が有利に働くとは、予め定められた数値がATゲーム数として規定されたテーブルを複数種類設けるときにおいて相対的に大きい数値が規定された停止テーブルを参照することなどが挙げられる。
尚、詳しくは後述するが、上記SP状態の作動が行われている場合においてボーナスゲームの作動が開始されたとき、上記SP状態の作動が行われていない場合においてボーナスゲームの作動が開始されるときと比べて、AT抽籤の結果が遊技者にとって有利に働くようになっている。
本実施の形態では、ボーナスゲームの作動が行われていないとき、基本的に、開始操作の検出に基づいてカウントされる一遊技ごとに、上記SP状態の作動を行うか否か及び上記SP状態の作動を継続して行う期間(以下、「SPゲーム数」という)を決定する抽籤(以下、「SP抽籤」という)を行うようにしている。また、このSP抽籤によりSP状態の作動を行うと決定される確率(以下、「SP当籤確率」という)がそれぞれで異なる状態(以下、「SP抽籤状態」という)を複数種類設けるようにしている。そして、上記一遊技が行われた回数(即ち、ゲーム数)に基づいて、複数種類のSP抽籤状態の何れかを選択するようにしており、そのとき選択されているSP抽籤状態に基づいて上記SP抽籤を行う。
図91に示すSP抽籤状態選択テーブルは、所定のゲーム数、より具体的には、100回のゲーム数を1セットとしてカウントするセット数に応じて、SP抽籤状態を規定する。したがって、ゲーム数が100回に達するごとに、抽籤状態の再選択が行われるようになっている。尚、ゲーム数が予め定められた回数(本実施の形態では1000回)に達した以降は、SP抽籤状態の再選択が行われず、固定されることとなる。
また、SP抽籤状態選択テーブルは、カウントされるゲーム数に応じて選択されていくSP抽籤状態のパターンがそれぞれで異なるように、複数種類(本実施の形態では、テーブル番号「1」〜「20」の20種類)が設けられている。SP抽籤状態選択テーブルの選択は、主制御回路71において設定値の変更が行われたときか、又は、ボーナスゲームの作動が終了したときにおいて行われる。この選択は抽籤により行われ、各SP抽籤状態選択テーブルが選択される確率がそれぞれで均一(即ち、1/20)となるように抽籤値を規定したテーブル(以下、「SP抽籤状態選択テーブル決定テーブル」という)が参照される(図示を省略)。
基本的に、SP抽籤状態選択テーブルは、ゲーム数のカウントが進んでいくにつれて、SP当籤確率が高いSP抽籤状態が選択されていく構成となっている。そして、後述するが、何れのSP抽籤状態選択テーブルにおいても、最終的には遊技者にとって最も有利なSP抽籤状態が選択されるようになる。言い換えれば、ボーナスゲームの作動が行われない期間が長く継続するほどSP抽籤が遊技者にとって有利に働くといえ、これは、酷な状況にいる遊技者の救済を図ろうというものである。
また、SP抽籤状態選択テーブルでは、カウントされるゲーム数に応じた抽籤状態を予め指定するデータを規定しておき、これに従って抽籤状態を選択していくようにしたので、例えばカウントされるゲーム数に応じて専用の抽籤を行い、その結果によって抽籤状態を選択する場合などと比べて、制御系にかかる負荷の軽減を図ることができる。
次に、図92を参照して、SP抽籤テーブルについて説明する。
SP抽籤テーブルは、前述したSP抽籤状態に応じて、予め定められた複数種類の数値をSPゲーム数として規定し、各SPゲーム数が決定される抽籤値を規定している。
SP抽籤テーブルは、SPゲーム数として、「0」、「10」、「20」、「25」、「30」、「50」、「75」、「100」及び「10000」を規定している。ここで、「10000」という数値は、他の数値と比べると著しく大きいが、これは、ボーナスゲームの作動が行われるまでSP状態の作動を継続して行うことで、その後のAT抽籤等を遊技者に有利に働かせることを目的としている。即ち、これを実現するのに好適であれば、「10000」に限らず、如何なる数値をも採用することができる。
ここで、本実施の形態のサブCPU81は、SP状態の作動及びその終了の管理を上記SPゲーム数が1以上であるか否かに基づいて行うようにしている。このため、上記SP抽籤テーブルによってSPゲーム数として1以上の数値が決定されるということは、SP状態の作動を行うと決定されたことと同義である。
即ち、SP抽籤テーブルでは、SPゲーム数として1以上の数値が決定される抽籤値をSP状態の作動を行うと決定される抽籤値として規定している一方で、SPゲーム数として「0」が決定される抽籤値をSP状態の作動を行わないと決定される抽籤値として規定しているといえる。尚、このことは、後述するAT抽籤テーブル等を参照して行われるATの作動に関しても同様である。
また、SP抽籤テーブルは、SP抽籤状態として、SP当籤確率が相対的に高い状態(即ち、「c」或いは「C」または「◎」)と、SP当籤確率が相対的に低い状態(即ち、「a」或いは「A」)と、SP当籤確率が上記2つの状態の中間に位置する状態(即ち、「b」或いは「B」)と、前述のSP抽籤状態選択テーブルには規定されていない特殊な状態(即ち、「ボーナス後」)とを規定している。
ここで、「a」と「A」、「b」と「B」、及び「c」と「C」は、それぞれ全体としてのSP当籤確率は等しいが、「a」よりも「A」、「b」よりも「B」、及び「c」よりも「C」の方が、SPゲーム数として前述の「10000」が決定される確率が高い。また、「◎」は、「c」及び「C」と全体としてのSP当籤確率は等しいが、SP抽籤に当籤した場合は、必ず上記「10000」が決定されるようになっており、遊技者にとって有利であるといえる。
また、後でフローチャートを参照して説明するが、特殊なSP抽籤状態である「ボーナス後」は、ボーナスゲームの作動が終了したときにセットされる。「ボーナス後」では、SP抽籤に必ず当籤するように抽籤値が規定されていることから、ボーナスゲームの作動が終了した後では、SP状態の作動が必ず行われることとなる。これにより、ボーナスゲームの作動が終了しても、遊技者の興味を維持することができるようにしている。
尚、上記SP抽籤テーブルを参照したSP抽籤は、開始操作の検出に基づいた一遊技ごとに行われ、そのとき決定される内部当籤役の種別等がその当籤確率に反映されることはなく、上記複数のSP抽籤状態のそれぞれに応じた一定の当籤確率にて行われる。
次に、図93〜図95を参照して、BB1の作動又はBB2の作動が行われる場合に参照されるテーブルについて説明する。ちなみに、BB1及びBB2は、4種類のBBのうち遊技者に対して払い出されるメダルの合計が相対的に多い種類である。
まず、図93を参照して、キャラクタ振分けテーブルについて説明する。
キャラクタ振分けテーブルは、BB1の作動又はBB2の作動が決定されたときに使用される。本実施の形態では、BB1の作動又はBB2の作動が行われているとき、液晶表示装置5において所定の映像を表示することによって、予め設定されている人物キャラクタと遊技者との間で麻雀の対局が展開される内容の演出(以下、「対局演出」という)を実行するようにしている。
キャラクタ振分けテーブルは、対局相手となるキャラクタを、予め定められた種類のキャラクタ(以下、通常キャラクタ)の中から選択するか、或いは、この通常キャラクタとは異なる特定のキャラクタ(以下、特殊キャラクタ)を選択するかを決定する抽籤(以下、特殊キャラクタ抽籤)を行うために使用される。尚、通常キャラクタとしては、キャラクタA、キャラクタB及びキャラクタCの3種類が設けられており、特殊キャラクタとしてはキャラクタDの1種類が設けられている。
キャラクタ振分けテーブルは、RAM33の設定値格納領域に格納されている設定値(即ち、現在の設定値)に応じて、SP状態の作動が行われているときに各キャラクタが決定される抽籤値と、SP状態の作動が行われていないときに各キャラクタが決定される抽籤値とを規定している。
特殊キャラクタは、SP状態の作動が行われているときにのみ決定されるようにその抽籤値が規定されている。また、現在の設定値が高いほど、特殊キャラクタが決定される確率が高い。
詳しくは後述するが、特殊キャラクタが選択されると、同じSP状態の作動が行われているという条件下であっても、通常キャラクタが選択された場合よりも、AT抽籤の結果が遊技者に有利に働くようになっている。このキャラクタ振分けテーブルを用いて行われる決定は、要するに、SP状態を、AT抽籤の結果が遊技者にとってより一層有利に働く状態(いわば特殊SP状態)に変更するか否かの決定を行うものであるといえる。
上記の特殊キャラクタ抽籤が行われた結果に基づいて、液晶表示装置5において表示される映像の具体例を図121及び図122に示す。図121は、上記特殊キャラクタ抽籤に当籤しなかったときに液晶表示装置5において表示される映像の具体例である。特殊キャラクタが決定されなかったことから、通常キャラクタであるキャラクタA、キャラクタB及びキャラクタCの3人の中から何れかが対局相手として選択される映像が表示されている。これに対して、図122は、上記特殊キャラクタ抽籤に当籤したときに液晶表示装置5において表示される映像の具体例である。特殊キャラクタが決定されたことから、特殊キャラクタであるキャラクタDが対局相手として選択された映像が表示されている。
次に、図94を参照して、BB1・BB2作動時AT抽籤テーブルについて説明する。
BB1・BB2作動時AT抽籤テーブルは、予め定められた複数種類の数値をATゲーム数として規定しており、現在の設定値に応じて、SP状態の作動が行われていないときに各ATゲーム数が決定される抽籤値と、SP状態の作動が行われ且つ通常キャラクタが選択されたときに各ATゲーム数が決定される抽籤値と、SP状態の作動が行われ且つ特殊キャラクタが選択されたときに各ATゲーム数が決定される抽籤値とをそれぞれ規定している。BB1・BB2作動時AT抽籤テーブルは、ATゲーム数として、「0」、「5」、「10」、「15」、「25」、「40」、「50」、「75」、「100」及び「200」を規定しており、各ATゲーム数に応じて予め定められた演出番号を規定している。
上記3つの状態におけるAT当籤確率を比べると、特殊キャラクタが選択されたSP状態が最も高く、通常キャラクタが選択されたSP状態がこれに続いて高く、SP状態ではないときが最も低くなっている。そして、相対的に大きい数値のATゲーム数が決定される確率も、上記と同様の順序となっている。また、現在の設定値が高いほど、AT当籤確率等は高い。
BB1・BB2作動時AT抽籤テーブルでは、ATゲーム数が決定されると、その数値に応じて予め対応付けられた演出番号が選択されるようになっている。演出番号は、後述のBB1・BB2作動時演出内容決定テーブルに規定する複数種類の演出内容の何れかを指定するためのデータである。
後でフローチャートを参照して説明するが、本実施の形態では、BB1の作動又はBB2の作動が開始されると、予め定められたゲーム数ごとに、このBB1・BB2作動時AT抽籤テーブルを参照してAT抽籤を行うようにしている。具体的には、10回をひと括りとするゲーム数ごと、即ち、BB1の作動又はBB2の作動が開始されてからカウントされるゲーム数が、1回、11回、21回といった「10のn倍+1」となるときにAT抽籤を行うようにしている。そして、AT抽籤によってATゲーム数が決定されると、決定されたATゲーム数に対応する演出内容を決定し、次回のAT抽籤が行われるまでの期間にわたって、これを実行するようにしている。したがって、AT抽籤の結果が直ちに知らされる場合とちがい、遊技者は、AT抽籤の結果にいつも期待を抱きながら過ごすことができるようになる。
次に、図95を参照して、BB1・BB2作動時演出内容決定テーブルについて説明する。
BB1・BB2作動時演出内容決定テーブルは、前述の演出番号に応じて演出内容を規定する。演出内容とは、液晶表示装置5により表示する映像のパターン、スピーカ21L,21Rにより出力する音のパターン及びLED101により出力する光のパターンのそれぞれを指定するデータ(以下、演出データ)を規定したものである。
BB1・BB2作動時演出内容決定テーブルが規定する演出内容は、演出ゲーム数カウンタの値に応じて演出データを規定している。演出ゲーム数カウンタは、前述したようにAT抽籤が行われる周期であって、また、その抽籤の結果に応じた演出を実行する周期でもある10ゲームをカウントするために設けられるデータである。演出ゲーム数カウンタが取りうる値である「10」〜「1」の夫々に応じて演出データが選択され、各ゲーム数に応じた一連の映像の表示等によって所定の物語が展開されていく様子が遊技者に対して表示される。
各演出番号に基づいて実行される具体的な演出内容について説明すると、ATゲーム数として「0」が決定されたときに選択される演出番号「1」〜「10」では、前述した麻雀の対局相手として決定されたキャラクタに遊技者が負ける内容の演出が実行される。これに対して、ATゲーム数として「1」以上が決定されたときに選択される演出番号「10」〜「100」では、対局相手のキャラクタに遊技者が勝つ内容の演出が実行される。
そして、ATゲーム数として「1」以上が決定されたとき、そのATゲーム数の種別に応じて、勝ったときの麻雀の役の種類が異なるようにしている。例えば、ATゲーム数「5」が決定されたときの「1翻役」に対してATゲーム数「200」が決定されたときの「ダブル役満」というように、決定されたATゲーム数が相対的に大きい数値であるほど、より大きい役によって勝つ内容の演出が実行される。したがって、遊技者は、実行される演出の内容によって、直前に行われたAT抽籤により決定されたATゲーム数を知ることができるようになっている。
上記の対局演出が実行されるとき、液晶表示装置5において表示される映像の具体例を図123〜図126に示す。図123に示す表示例は、AT抽籤が実行されたゲーム(即ち、上記演出ゲーム数カウンタが10のとき)において表示される映像を示す。麻雀牌が配られ、対局が開始されるときの様子が示されている。図124に示す表示例は、遊技者側が、後1つ所望の牌が揃うと麻雀における役が完成する状態(いわゆるリーチ状態)となったときの様子が示されている。図125に示す表示例は、対局演出が10ゲームごとに終了するとき(即ち、上記演出ゲーム数カウンタが1のとき)において表示される映像を示す。遊技者が上記所望の牌を引き当てて役を完成させた結果、対戦相手であるキャラクタに勝ったときの様子が示されている。図示した映像では、役の種類が「2翻役」であり、ATゲーム数として10が決定されたことが示唆されている(図94及び図95参照)。図126に示す表示例は、BB1の作動及びBB2の作動が終了するときにおいて表示される映像を示す。BB1の作動及びBB2の作動を通して行われたAT抽籤の結果、決定されたATゲーム数の合計が遊技者に対して知らされるようにしている。
次に、図96及び図97を参照して、BB3の作動又はBB4の作動が行われる場合に参照されるテーブルについて説明する。ちなみに、BB3及びBB4は、4種類のBBのうち遊技者に対して払い出されるメダルの総枚数が相対的に少ない種類である。
まず、図96を参照して、BB3・BB4作動時ATゲーム数決定テーブルについて説明する。
BB3・BB4作動時ATゲーム数決定テーブルは、BB3の作動又はBB4の作動が終了したときに使用される。本実施の形態では、BB3の作動又はBB4の作動が行われているとき、液晶表示装置5において所定の映像を表示することによって、伏せられた3つの牌から正解となる1つの牌を遊技者に選択させる内容の演出(以下、「3択演出」という)を実行するようにしている。より具体的にいえば、麻雀において後1つ所望の牌が揃うと役が完成する状態(前述のリーチ状態)を遊技者に対して提示し、その役を完成させる牌(当り牌)を、伏せられた3つの牌の中から選択することができた回数(以下、正解数)をカウントするといった内容の演出が実行される。尚、上記3択演出は、BB3の作動及びBB4の作動が開始されてからカウントされたゲーム数が予め定められた回数(本実施の形態では8回)に達するまで行われる。
ここで、前述した3つの牌から選択する牌の指定は、それぞれの牌に対応付けられたストップボタンを遊技者に選択させることによって行う。しかしながら、上記当り牌を選択することができるか否かの決定は、実際に遊技者により選択されたストップボタンの種別に基づいておらず、そのとき決定された内部当籤役の種類に基づいて行われる。
より詳しく説明すると、前述したように、BB3の作動中及びBB4の作動中では、内部当籤役として「RB中増加役」、「スイカ+ベル1+ベル2+黒チェリー+赤チェリー1〜赤チェリー5+青チェリー1〜青チェリー5」、「特殊1+特殊2+黒チェリー+赤チェリー1〜赤チェリー5+青チェリー1〜青チェリー5」及び「黒チェリー」が決定される可能性がある。これらのうち、「RB中増加役」を除いた種類が内部当籤役として決定されたときには、遊技者の停止操作によって選択された牌が当り牌であった演出(以下、正解時演出)を決定し、正解数を1つカウントする一方で、「RB中増加役」が内部当籤役として決定されたときには、遊技者の停止操作によって選択された牌が当り牌とは異なる牌(ハズレ牌)であった演出(以下、失敗時演出)を決定するようにしている。
尚、上記BB3の作動中及びBB4の作動中において決定される内部当籤役のうち、「RB中増加役」の当籤確率は約「2/3」に規定されており、「RB中増加役」を除いた他の内部当籤役の当籤確率は約「1/3」に規定されている。つまり、全てのリールの個数をY(Yは自然数であり、本実施の形態では3)とすると、「RB中増加役」は、「(Y−1)/Y」=「2/3」と概ね等しい確率にて決定されるようになっている。また、これに対して、「RB中増加役」を除いた他の内部当籤役は、「(Y−2)/Y」=「1/3」と概ね等しい確率にて決定され、3つのリールから何れか1つのリールを選択して停止操作を行うときと概ね等しい確率にて決定されるようになっている。したがって、遊技者に第1停止操作を行わせるとき、あたかも遊技者により選択されたストップボタンの種別が適切なものであった結果、正解時演出が行われたかのように(あたかも3つの牌の中に1つの当り牌が含まれているかのように)遊技者に見せることが可能となっている。
BB3・BB4作動時ATゲーム数決定テーブルは、正解数カウンタに応じてATゲーム数を規定している。正解数カウンタは、前述した正解時演出が実行された回数、言い換えるとRB中増加役を除いた内部当籤役が決定された回数をカウントするためのデータである。つまり、BB3の作動中及びBB4の作動中においては、予め定められた内部当籤役とは異なる内部当籤役が決定された回数に応じてATゲーム数が決定されるようになっている。BB3・BB4作動時ATゲーム数決定テーブルは、正解数カウンタがとりうる数値「0」〜「8」に応じて、ATゲーム数として「0」、「5」、「10」、「15」、「20」、「25」、「30」、「50」及び「300」を規定している。
上記の3択演出が実行されるとき、液晶表示装置5において表示される映像の具体例を図127〜図129に示す。図127に示す映像では、リーチ状態が遊技者に対して提示され、伏せられた3つの牌が出現したときの様子が示されている。図128は、失敗時演出が実行されるときに表示される映像を示す。遊技者がストップボタンを押すことによって選択した牌がハズレ牌であったときの様子が示されている。図129は、正解時演出が実行されるときに表示される映像を示す。遊技者がストップボタンを押すことによって選択した牌が当り牌であったときの様子が示されている。
次に、図97を参照して、強制正解数抽籤テーブルについて説明する。
前述したように、正解時演出は、基本的に、「RB中増加役」とは異なる種類の内部当籤役が決定されたときに決定されるが、本実施の形態では、内部当籤役として「RB中増加役」が決定されたときにおいても例外的に正解時演出が決定される機会を設けるようにしている。強制正解数は、この機会を遊技者に与えるか否かを決定するためのデータであり、内部当籤役にかかわらず正解時演出が決定される回数を示す。
強制正解数抽籤テーブルは、予め定められた複数種類の数値を強制正解数として規定しており、現在の設定値に応じて、SP状態の作動が行われていないときに各強制正解数が決定される抽籤値と、SP状態の作動が行われているときに各強制正解数が決定される抽籤値とをそれぞれ規定している。強制正解数抽籤テーブルは、強制正解数として、「0」〜「8」を規定している。
SP状態の作動が行われていないときでは強制正解数として「0」が決定される可能性がある一方で、SP状態の作動が行われているときでは強制正解数として1以上の数値が必ず決定されるようになっている。また、相対的に大きい数値の強制正解数が決定される確率は、SP状態の作動が行われていないときよりもSP状態の作動が行われているときの方が高い。また、現在の設定値が高いほど、上記の確率が高い。
次に、図98を参照して、一般遊技状態において参照されるテーブルについて説明する。図98は、一般遊技状態用AT抽籤テーブルを示す。
一般遊技状態用AT抽籤テーブルは、ATゲーム数として決定される数値「0」、「5」、「25」、「50」及び「100」と、各ATゲーム数が決定される抽籤値とを規定している。一般遊技状態用AT抽籤テーブルは、一般遊技状態においてATゲーム数カウンタの値が「0」である場合において、前述のRT1の作動を回避することができたときに使用される。
本実施の形態では、一般遊技状態において内部当籤役として「特殊1」、「特殊1+特殊2」及び「特殊2」が決定された場合に、RT1の作動に係る図柄の組合せの表示を回避するための情報が提供されていないにもかかわらず(このとき前述の図120に示す映像が表示されている)、RT1の作動に係る図柄の組合せの表示を回避することができたとき、いわば特典的な措置として、AT抽籤を実行するようにしている。
ここで、本実施の形態の一般遊技状態においてATゲーム数カウンタが「0」のときとは、前述したボーナスゲームの作動中においてAT抽籤が行われた結果、ATゲーム数として1以上の数値が決定されなかった状況、或いは、ATゲーム数として1以上の数値が決定され、その後上記情報の提供が行われることに伴ってその値が「0」に減算された状況(即ち、ATの作動が終了するとき)が該当する。即ち、前者の場合では斯様な状況から救済される機会を与えることができる一方で、後者の場合ではATの作動が延命される機会を与えることができるので、遊技者が抱く期待を持続させることが可能となっている。
次に、図99〜図103を参照して、RT1の作動が行われる場合に参照されるテーブルについて説明する。
これらのテーブルは、RT1の作動中において実行する演出内容を決定するために用いられる。RT1の作動中では、基本的に、前述のSP抽籤に当籤したか否かや、持越役があるか否かなどに基づいて演出内容が決定される。したがって、このRT1の作動中において実行する演出内容によって、SP状態の作動が決定されたか否かや、持越役があるか否かを遊技者が推測できるようにして、興趣の向上を図っている。
まず、RT1の作動中において実行する演出内容について、液晶表示装置5において表示する映像の具体例(図130〜図134を参照)を参照しつつ説明する。RT1の作動中では、液晶表示装置5において4つの部屋が表示され、4人のキャラクタが各部屋を移動する内容の演出が実行される。図130に示すように、液晶表示装置5の表示画面の下方(より具体的には表示窓3L,3C,3Rの下方)の領域に対してメインとなる部屋を示す映像を表示し、液晶表示装置5の表示画面の上方(より具体的には表示窓3L,3C,3Rの上方)における横並びの3つの各領域に対してサブとなる部屋を示す映像を表示している。また、液晶表示装置5の表示画面の右方の領域には、学校や体育館等が配置された地図を示す映像(マップ映像)を表示している。
図131に示すように、メイン及びサブを含む4つの部屋のそれぞれに1人のキャラクタが配置されている状態を初期の形として、この状態から、図132〜図134に示すように、キャラクタが各部屋を移動していく内容の演出(以下、キャラクタ移動演出という)が行われる。追って説明していくが、遊技者は、上記のキャラクタ移動演出によって推移していくキャラクタの位置関係を観察することによって、SP状態の作動が決定されたか否かを推測する。
図99を参照して、キャラクタ移動実行抽籤テーブルについて説明する。
キャラクタ移動実行抽籤テーブルは、液晶表示装置5の表示画面上において前述したキャラクタの移動を行うか否かを決定する抽籤(以下、キャラクタ移動実行抽籤)を行うために使用される。キャラクタ移動実行抽籤テーブルは、SP前兆状態であるか否かに応じて、キャラクタの移動を行うと決定する抽籤値(即ち、当籤となる抽籤値)を規定している。
ここで、本実施の形態では、基本的に、前述したSP抽籤に当籤したとき、直ちにSP状態の作動を行わず、予め定められた回数(本実施の形態では10回)のゲーム数がカウントされるまでの期間、その作動の開始を待機するようにしている。これは、この期間内において所定の内容の演出を実行するなどして、SP状態の作動が行われることに対する遊技者の期待を高揚させることを目的としている。SP前兆状態とは、このSP抽籤に当籤してからSP状態の作動を開始するまでの状態をいう。つまり、SP前兆状態であるときとは、SP抽籤に当籤し、SP状態の作動が開始されることが既に決定されていることを示すものである。
キャラクタ移動実行抽籤テーブルでは、SP前兆状態の作動が行われているとき、その作動が行われていないときよりも、キャラクタ移動実行抽籤に当籤する確率が高い。したがって、前述したキャラクタの移動が頻繁に行われる傾向にあれば、遊技者は、SP前兆状態なのではないかという推測をたてることができる。
また、後でフローチャートを参照して説明するが、キャラクタ移動実行抽籤は、SP前兆状態の作動が行われていないときでは所定の内部当籤役(本実施の形態ではハズレを採用)が決定されたときにのみ行われるのに対して、SP前兆状態の作動が行われているときでは決定された内部当籤役の種別にかかわらず行われるようにしている。したがって、内部当籤役として「ハズレ」以外の種類が決定されたときにキャラクタの移動が行われたとすると、遊技者は、SP前兆状態であることを知ることができる。
次に、図100を参照して、キャラクタ移動実行時演出振分けテーブルについて説明する。
キャラクタ移動実行時演出振分けテーブルは、前述のキャラクタ移動実行抽籤に当籤したときに、どのキャラクタをどの部屋に移動させるかといった演出内容を決定するために使用される。キャラクタ移動実行時演出振分けテーブルは、上記演出内容を複数規定しており、SP前兆状態であるときに各演出内容が決定されるときの抽籤値と、SP前兆状態ではないときに各演出内容が決定されるときの抽籤値とを規定している。
キャラクタ移動実行時演出振分けテーブルは、各部屋に位置するキャラクタの人数等を特定するためのデータ(以下、キャラクタ位置データ)に応じて設けられている。即ち、現在のキャラクタの位置に応じて、次にキャラクタが移動する部屋の決定が行われるようにしている。
前述したように、液晶表示装置5の表示画面には、下方の領域にメインとなる部屋(メイン部屋)が表示され、上方の3箇所の領域にそれぞれサブとなる部屋(サブ部屋)が表示される。ここで、図130に示すように、3つのサブ部屋を左側から順にサブ1、サブ2及びサブ3とすると、メイン及びサブ1〜サブ3からなる4つの各部屋に位置するキャラクタの人数を「メインにいる人数(Z1:0〜4),サブ1にいる人数(Z2:0〜4),サブ2にいる人数(Z3:0〜4),サブ3にいる人数(Z4:0〜4)」の形によって表したものを便宜上キャラクタ位置データとする。例えば、各部屋のそれぞれに1人のキャラクタが配置されている状態では、そのキャラクタ位置データは「1,1,1,1」となる。
図131に示すように、各部屋のそれぞれに1人のキャラクタが配置されている状態を初期の形とすると、メインに最初に配置されたキャラクタをメインマスタ、サブ1に最初に配置されたキャラクタをサブマスタ1、サブ2に最初に配置されたキャラクタをサブマスタ2、及びサブ3に最初に配置されたキャラクタをサブマスタ3と呼ぶ。初期の状態としてどのキャラクタをどの部屋に配置するかの決定は、抽籤等により行われる。
そして、最初に各部屋に配置されていたキャラクタが他の部屋に移動したとき、その移動したキャラクタを移動先の部屋のゲストと呼ぶ。例えば、上記初期の状態から、図132に示すように、サブマスタ3がサブ1に移動してきたとき、そのキャラクタ位置データは「1,2,1,0」となり、サブ1に移動してきたサブマスタ3はサブゲスト1となる。尚、図100に示すキャラクタ移動実行時演出振分けテーブルは、キャラクタ位置データが上記「1,2,1,0」のときに選択される。また、図示は省略しているが、他のキャラクタ位置データに対応するキャラクタ移動実行時演出振分けテーブルも設けられている。
キャラクタ移動実行時演出振分けテーブルでは、SP前兆状態であるとき、SP前兆状態ではないときよりも高い確率にて、複数のキャラクタが同じ部屋に集まる演出内容が決定される傾向にある。例えば、図示の例では、サブマスタ2がメインに移動したり(結果、キャラクタ位置データは「2,2,0,0」となる)、サブマスタ2がサブ1に移動する(結果、キャラクタ位置データは「1,3,0,0」となる)演出内容が決定され易くなっている。したがって、複数のキャラクタが同じ部屋に集まるように移動する内容の演出が頻繁に行われたとすると、遊技者は、SP前兆状態なのではないかという推測をたてることができる。尚、SP前兆状態が終了し、SP状態の作動が開始されるときの演出内容(以下、SP突入時演出)では、図133に示すように、4人のキャラクタがメインに集合する様子が映像にて表示されるようにしている。
図101及び図102を参照して、連続演出発展時振分けテーブルについて説明する。
本実施の形態では、RT1の作動中において、前述したキャラクタ移動演出を行う一方で、複数のゲーム数にわたって特定のキャラクタに焦点をあてた物語を展開する内容の演出(以下、連続演出)を行うようにしている。連続演出を行うか否かは専用の抽籤(以下、連続演出抽籤)を行うことにより決定される。そして、連続演出抽籤に当籤したとき、その連続演出の内容を、持越役があるか否か(即ち、BB1〜BB4の何れかが内部当籤役として決定されているか否か)に基づいて決定するようにしている。したがって、連続演出を行うことによって、その内容などから持越役があるか否かを遊技者が推測できるようにして、興趣の向上を図るようにしている。
図示は省略したが、連続演出抽籤は、連続演出を実行すると決定されるときの抽籤値を規定するテーブルを参照して行われる。そして、連続演出発展時振分けテーブルは、この連続演出抽籤に当籤したときに使用される。
連続演出発展時振分けテーブルは、キャラクタ位置データに応じて設けられている。図101に示す連続演出発展時振分けテーブルは、キャラクタ位置データが「1,1,1,1」であるときに選択される。また、図102に示す連続演出発展時振分けテーブルは、キャラクタ位置データが「1,2,1,0」であるときに選択される。尚、図示は省略しているが、他のキャラクタ位置データに対応する連続演出発展時振分けテーブルも設けられている。
連続演出発展時振分けテーブルは、連続演出に係る演出内容を複数規定しており、決定された内部当籤役の種別ごとに各演出内容が決定される抽籤値を、持越役が有るか否かに応じて規定している。
連続演出発展時振分けテーブルでは、持越役が有るとき、1箇所に集合しているキャラクタ(図102を参照すると、サブマスタ1とサブゲスト1)に関連する連続演出が決定される確率が高い。したがって、この傾向が見られたとき、遊技者は、内部当籤役としてBB1〜BB4の何れかが決定されているのではないかという推測をたてることができる。
また、持越役が存在しないときでは、所与の内部当籤役(図101及び図102を参照すると、例えば赤チェリー1〜5やベル1など)について連続演出が行われないのに対して、持越役が存在するときでは、上記所与の内部当籤役について連続演出が行われるようにしている。したがって、上記所与の内部当籤役が決定されたとき、連続演出が行われたとすると、遊技者は、内部当籤役としてBB1〜BB4の何れかが決定されていることを知ることができる。
上記連続演出が行われると決定されたときに液晶表示装置5において表示される映像の具体例を図134に示す。液晶表示装置5の表示画面では、右方のマップ映像において体育館が拡大表示され、サブマスタ1とサブゲスト1のうちサブゲスト1が部屋から退出し、体育館に向かう様子が示されている。尚、図103に、連続演出の種類とその内容とを定める対応表を示す。
続いて、図104〜図117に示すフローチャートを参照して、副制御回路72のサブCPU81が実行するプログラムの内容について説明する。
まず、図104を参照して、サブCPUにより行われる主基板通信タスクについて説明する。
初めに、サブCPU81は、主制御回路71から送信されたコマンドの受信チェックを行う(S501)。次に、サブCPU81は、コマンドを受信した場合、そのコマンドの種別を抽出する(S502)。次に、サブCPU81は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する(S503)。サブCPU81は、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判別したときには、S501に移る。サブCPU81は、前回とは異なるコマンドを受信したと判別したときには、メッセージキューに格納し(S504)、S501に移る。
次に、図105を参照して、サブCPUにより行われる演出登録タスクについて説明する。
初めに、サブCPU81は、メッセージキューからメッセージを取り出す(S511)。次に、サブCPU81は、メッセージは有るか否かを判別する(S512)。サブCPU81は、メッセージは有ると判別したときには、メッセージから遊技情報を複写する(S513)。例えば、内部当籤役、表示役、作動中フラグ、作動ストップボタン等といった主制御回路71において管理されている各種データをSDRAM83の所定の領域に複写する。次に、サブCPU81は、後で図106を参照して説明する演出内容決定処理を行う(S514)。この処理では、受信したコマンドの種別に応じて、演出内容の決定及び登録や、登録されている演出内容に基づいた演出データの選択及びその実行を行う。
サブCPU81は、S514の後、又は、S512においてメッセージは無いと判別したときには、アニメーションデータの登録を行う(S515)。アニメーションデータの登録は、上記演出内容決定処理において登録された演出内容に基づいて行われる。次に、サブCPU81は、サウンド演出リクエストを行う(S516)。サウンド演出リクエストは、上記演出内容決定処理において登録された演出内容に基づいてDSP90に対して行われる。次に、サブCPU81は、LEDデータの登録を行う(S517)。LEDデータの登録は、上記演出内容決定処理において登録された演出内容に基づいて行われる。この処理が終了すると、S511に移る。
次に、図106を参照して、演出内容決定処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、設定変更コマンド受信時であるか否かを判別する(S521)。サブCPU81は、設定変更コマンド受信時であると判別したときには、後で図107を参照して説明するSP抽籤状態初期設定処理を行う(S522)。この処理では、SP抽籤状態選択テーブルの決定及びSP抽籤状態のセット等が行われる。
サブCPU81は、S521において設定変更コマンド受信時ではないと判別したときには、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(S523)。サブCPU81は、スタートコマンド受信時であると判別したときには、後で図108を参照して説明する各遊技カウンタ更新処理を行う(S524)。この処理では、SP状態カウンタ等の更新が行われる。次に、サブCPU81は、後で図109を参照して説明する演出抽籤処理を行う(S525)。この処理では、遊技状態に応じた演出内容の決定が行われる。
サブCPU81は、S523においてスタートコマンド受信時ではないと判別したときには、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(S526)。サブCPU81は、リール停止コマンド受信時であると判別したときには、停止コマンド受信時処理を行う(S527)。この処理では、登録されている演出番号に基づいて、停止操作の検出が行われたことに対応する演出データをセットする。例えば、前述のBB3の作動中又はBB4の作動中に3択演出が行われている場合において、第1停止操作の検出が行われたときであれば、3つの伏せられた牌のうち、作動ストップボタンの種別に対応する牌が反転してその種別が遊技者に提示される映像の表示等にかかる演出データ(成功時演出又は失敗時演出)がセットされる。
サブCPU81は、S526においてリール停止コマンド受信時ではないと判別したときには、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(S528)。サブCPU81は、表示コマンド受信時であると判別したときには、後で図115を参照して説明する表示コマンド受信時処理を行う(S529)。この処理では、表示役に基づいて各種データの決定が行われる。
サブCPU81は、S528において表示コマンド受信時ではないと判別したときには、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(S530)。サブCPU81は、ボーナス開始コマンド受信時であると判別したときには、現在選択されているSP抽籤状態テーブル番号をリセットする(S531)。次に、サブCPU81は、ボーナスゲームの種別に応じて演出データをセットする(S532)。次に、サブCPU81は、ボーナスゲームの種別に応じて、ワークRAM84の遊技状態(サブ)格納領域に格納されているデータをBB1作動状態(サブ)〜BB4作動状態(サブ)の何れかに変更する(S533)。
サブCPU81は、S530においてボーナス開始コマンド受信時ではないと判別したときには、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する(S534)。サブCPU81は、ボーナス終了コマンド受信時であると判別したときには、ボーナスゲーム終了時用の演出データをセットする(S535)。次に、後で図117を参照して説明するボーナス終了コマンド受信時処理を行う(S536)。この処理では、SP抽籤状態選択テーブルの決定及びSP抽籤状態のセット等が行われる。次に、サブCPU81は、遊技状態(サブ)格納領域に格納されているデータを一般遊技状態(サブ)に変更する(S537)。
サブCPU81は、S522、S525、S527、S529、S533又はS537の後、並びにS534においてボーナス終了コマンド受信時ではないと判別したときには、コマンドに基づいて演出データをセットする(S537)。この処理では、演出データがいまだセットされていない場合に、決定された演出内容或いは受信したコマンドに基づいて演出データがセットされる。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
次に、図107を参照して、SP抽籤状態初期設定処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、SP抽籤状態選択テーブル番号を決定する(S541)。この処理では、SP抽籤状態選択テーブル決定テーブル(図示せず)を参照し、SP抽籤状態選択テーブル番号「1」〜「20」の何れかを抽籤により決定する。次に、サブCPU81は、決定されたSP抽籤状態テーブル番号に基づいて、SP抽籤状態選択テーブルをセットする(S542)。次に、サブCPU81は、ワークRAM84のセット回数カウンタに「1」をセットする(S543)。
次に、サブCPU81は、セットされているSP抽籤状態選択テーブルを参照し、セット数カウンタ「1」に応じたSP抽籤状態をセットする。前述した8通りのSP抽籤状態は、ワークRAM84のSP抽籤状態格納領域(図示せず)において管理される。次に、サブCPU81は、ワークRAM84のSP抽籤状態カウンタに「100」をセットする(S545)。この処理が終了すると、SP抽籤状態初期設定処理を終了する。
次に、図108を参照して、各遊技カウンタ更新処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、持越役格納領域は0であるか否かを判別する(S551)。尚、ワークRAM84には、主制御回路71のRAM33と同様に、内部当籤役格納領域や持越役格納領域等が設けられている。サブCPU81は、持越役格納領域は0ではないと判別したときには、各遊技カウンタ更新処理を終了する一方で、持越役格納領域は0であると判別したときには、SP状態フラグはオンであるか否かを判別する(S552)。SP状態フラグは、SP状態であるか否かを識別するデータである。サブCPU81は、SP状態フラグはオンであると判別したときには、SP状態カウンタを1減算する(S553)。
サブCPU81は、SP状態フラグはオンではないと判別したときには、SP前兆状態フラグはオンであるか否かを判別する(S554)。SP前兆状態フラグは、SP前兆状態であるか否かを識別するデータである。サブCPU81は、SP前兆状態フラグはオンであると判別したときには、SP前兆状態カウンタを1減算する(S555)。
サブCPU81は、S553及びS555の後、又は、S554においてSP前兆状態フラグはオンではないと判別したときには、SP抽籤状態カウンタを1減算する(S556)。次に、サブCPU81は、SP抽籤状態カウンタは0であるか否かを判別する(S557)。サブCPU81は、SP抽籤状態カウンタは0ではないと判別したときには、各遊技カウンタ更新処理を終了する。
サブCPU81は、S557においてSP抽籤状態カウンタは0であると判別したときには、セット数カウンタに1を加算する(S558)。次に、サブCPU81は、SP抽籤状態選択テーブルを参照し、セット数カウンタに基づいてSP抽籤状態を変更する(S559)。
次に、サブCPU81は、セット数カウンタは11に満たないか否かを判別する(S560)。サブCPU81は、セット数カウンタは11に満たないと判別したときには、SP抽籤状態カウンタに100をセットして(S561)、各遊技カウンタ更新処理を終了する。サブCPU81は、S560においてセット数カウンタは11に達していると判別したときには、SP抽籤状態カウンタに10000をセットして(S562)、各遊技カウンタ更新処理を終了する。
次に、図109を参照して、演出抽籤処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、BB1作動状態(サブ)又はBB2作動状態(サブ)であるか否かを判別する(S571)。サブCPU81は、BB1作動状態(サブ)又はBB2作動状態(サブ)であると判別したときには、後で図110を参照して説明するBB1・BB2作動中演出抽籤処理を行う(S572)。この処理では、前述したAT抽籤を行うとともに、対局演出を実行する。
サブCPU81は、S571においてBB1作動状態(サブ)又はBB2作動状態(サブ)ではないと判別したときには、BB3作動状態(サブ)又はBB4作動状態(サブ)であるか否かを判別する(S573)。サブCPU81は、BB3作動状態(サブ)又はBB4作動状態(サブ)であると判別したときには、後で図111を参照して説明するBB3・BB4作動中演出抽籤処理を行う(S574)。この処理では、前述した内部当籤役に基づいたATゲーム数の決定を行うとともに、3択演出を実行する。
サブCPU81は、S573においてBB3作動状態(サブ)又はBB4作動状態(サブ)ではないと判別したときには、RT1作動状態(サブ)であるか否かを判別する(S575)。サブCPU81は、RT1作動状態(サブ)であると判別したときには、後で図112を参照して説明するRT1作動中演出抽籤処理を行う(S576)。この処理では、前述したSP状態等に基づいたキャラクタ移動演出を実行する。
サブCPU81は、S575においてRT1作動状態(サブ)ではないと判別したときには、後で図113を参照して説明する一般遊技状態演出抽籤処理を行う(S577)。この処理では、ATゲーム数カウンタ等に基づいてRT1の作動の回避が可能となる情報の提供を遊技者に対して行う。サブCPU81は、S572、S574、S576及びS577の後、後で図114を参照して説明するSP抽籤処理を行う(S578)。この処理では、前述したSP抽籤状態に基づいてSP抽籤を行う。
次に、サブCPU81は、上記各処理を行った結果、演出内容が決定されているか否かを判別する(S579)。サブCPU81は、演出内容が決定されていないと判別したときには、演出テーブルを選択し、これに基づいて演出内容を決定する(S580)。サブCPU81は、S580の後又はS579において演出内容が決定されていると判別したときには、決定された演出内容に基づいて演出データをセットする(S581)。この処理が終了すると、演出抽籤処理を終了する。
次に、図110を参照して、BB1・BB2作動中演出抽籤処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、AT抽籤ゲームであるか否かを判別する(S591)。演出ゲーム数カウンタが0であるとき、AT抽籤ゲームであると判別する。サブCPU81は、AT抽籤ゲームであると判別したときには、SP状態の作動中においてBB1又はBB2が内部当籤役として決定されたものであるか否かを判別する(S592)。
サブCPU81は、S592においてSP状態の作動中においてBB1又はBB2が内部当籤役として決定されたものであると判別したときには、特殊キャラクタが選択されているか否かを判別する(S593)。サブCPU81は、特殊キャラクタが選択されていると判別したときには、BB1・BB2作動時AT抽籤テーブルを参照し、SP状態(特殊キャラクタ)に該当する抽籤値に基づいてAT抽籤を行う(S594)。これに対して、特殊キャラクタが選択されていないと判別したときには、BB1・BB2作動時AT抽籤テーブルを参照し、SP状態(通常キャラクタ)に該当する抽籤値に基づいてAT抽籤を行う(S595)。
サブCPU81は、S592においてSP状態の作動中においてBB1又はBB2が内部当籤役として決定されたものではないと判別したときには、BB1・BB2作動時AT抽籤テーブルを参照し、非SP状態に該当する抽籤値に基づいてAT抽籤を行う(S596)。
サブCPU81は、S594〜S596の後、AT抽籤に当籤したか否かを判別する(S597)。AT抽籤の結果、決定されたATゲーム数が1以上のときAT抽籤に当籤したこととなる。サブCPU81は、AT抽籤に当籤したと判別したときには、決定されたATゲーム数をATゲーム数カウンタに加算し、決定されたATゲーム数に応じた演出番号(11〜100の何れか)をセットする(S598)。これに対して、AT抽籤に当籤しなかったと判別したときには、非当籤(即ち、ATゲーム数「0」)に応じた演出番号(1〜10の何れか)をセットする(S599)。
このS598又はS599においてセットされた演出番号に基づいて映像(例えば図125参照)が表示されることにより、BB1の作動又はBB2の作動中においてAT抽籤が行われたとき、その結果を遊技者が適宜知ることができるようになる。したがって、斯様な報知が行われない場合とちがって、ATの作動が行われるか否かの決定について遊技者が一喜一憂する機会が増し、その決定を遊技者がより楽しむことができるようになる。
サブCPU81は、S568及びS599の後、演出ゲーム数カウンタに10をセットする(S600)。サブCPU81は、S600の後又はS591においてAT抽籤ゲームではないと判別したときには、BB1・BB2作動時演出内容決定テーブルを参照し、演出ゲーム数カウンタに基づいて演出データを取得する(S601)。次に、サブCPU81は、演出ゲーム数カウンタを1減算する(S602)。次に、サブCPU81は、現在のATゲーム数カウンタの値を報知する(S603)。つまり、このときまでに決定されたATゲーム数の合計が遊技者に知らされる(図123及び図124参照)。これにより、BB1の作動又はBB2の作動が行われている間、自らが獲得できたATゲーム数をいつでも把握できるという安心を遊技者に与えることができる。この処理が終了すると、BB1・BB2作動中演出抽籤処理を終了する。
次に、図111を参照して、BB3・BB4作動中演出抽籤処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、AT抽籤ゲームであるか否かを判別する(S611)。サブCPU81は、BB3の作動又はBB4の作動が開始されてからのゲーム数を所定のカウンタを用いてカウントし、当該ゲーム数が8回に達していないとき、AT抽籤ゲームであると判別する。サブCPU81は、AT抽籤ゲームであると判別したときには、強制正解数カウンタは1以上であるか否かを判別する(S612)。サブCPU81は、強制正解数カウンタは1以上であると判別したときには、強制正解数カウンタを1減算する(S613)。
サブCPU81は、S612において強制正解数カウンタは1以上ではないと判別したときには、内部当籤役はRB中増加役であるか否かを判別する(S614)。サブCPU81は、S613の後又はS614において内部当籤役はRB中増加役ではないと判別したときには、内部当籤役は「黒チェリー(小役・リプレイ用データポインタ14に対応)」であるか否かを判別する(S615)。
サブCPU81は、S615において内部当籤役は「黒チェリー」であると判別したときには、ATゲーム数として500をATゲーム数カウンタに加算する(S616)。このように、BB3の作動中又はBB4の作動中において当籤確率が相対的に最も低い「黒チェリー」が内部当籤役として決定されたときは、前述の正解数カウンタに基づいてATゲーム数が決定される場合に加えて、予め定められた数値であり、相対的に大きい数値がATゲーム数として必ず決定されるので、ATの作動を行うか否かの決定を行うパターンをより多様なものとすることができる。
サブCPU81は、S616の後又はS615において内部当籤役は黒チェリーではないと判別したときには、正解時演出を決定し、正解数カウンタに1を加算する(S617)。サブCPU81は、S614において内部当籤役はRB中増加役であると判別したときには、失敗時演出を決定する(S618)。
サブCPU81は、S617及びS618の後又はS611においてAT抽籤ゲームではないと判別したときには、非AT抽籤ゲームの1ゲーム目であるか否かを判別する(S619)。サブCPU81は、前述のBB3の作動又はBB4の作動が開始されてからのゲーム数が9回であるとき、非AT抽籤ゲームの1ゲーム目であると判別する。サブCPU81は、非AT抽籤ゲームの1ゲーム目ではないと判別したときには、BB3・BB4作動中演出抽籤処理を終了する一方で、非AT抽籤ゲームの1ゲーム目であると判別したときには、3択演出が終了することになるから、以降において行う演出内容を決定し(S620)、BB3・BB4作動中演出抽籤処理を終了する。
次に、図112を参照して、RT1作動中演出抽籤処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、SP状態フラグはオンであるか否かを判別する(S631)。サブCPU81は、SP状態フラグはオンであると判別したときには、SP状態カウンタは0であるか否かを判別する(S632)。つまり、SP状態カウンタが0に更新されたときであり、SP状態の作動が終了するときであるか否かが判別される。サブCPU81は、SP状態カウンタは0であると判別したときには、SP終了時演出を決定し、SP状態フラグをオフにする(S633)。RT1の作動中におけるSP終了時演出では、液晶表示装置5の表示画面において4つの部屋のそれぞれに各キャラクタが戻っていく様子の映像が表示される(図130参照)。この処理が終了すると、RT1作動中演出抽籤処理を終了する。
サブCPU81は、S632においてSP状態カウンタは0ではないと判別したときには、SP状態中節目ゲームであるか否かを判別する(S634)。サブCPU81は、SP状態カウンタが10ずつ更新される周期(10ゲーム目、20ゲーム目、…、10nゲーム目)をSP状態中節目ゲームであると判別する。例えば、SP状態カウンタの値を10で除算した結果が0になったときに、SP状態中節目ゲームであると判別することもできる。サブCPU81は、SP状態中節目ゲームであると判別したときには、SP継続時演出を決定し(S635)、RT1作動中演出抽籤処理を終了する。SP継続時演出では、液晶表示装置5の表示画面においてメイン部屋に集まっていた4人のキャラクタが各部屋に一旦戻っていき、最終的に再びまたメイン部屋に集まってくる様子の映像が表示される。即ち、SP状態の終了時演出が一旦実行された後に再びSP状態の突入時演出を行うことによって、遊技者が抱く期待に起伏を生じさせることができる。
サブCPU81は、S631においてSP状態フラグはオンではないと判別したとき又はS634においてSP状態中節目ゲームではないと判別したときには、SP前兆状態フラグはオンであるか否かを判別する(S636)。サブCPU81は、SP前兆状態フラグはオンではないと判別したときには、内部当籤役はハズレであるか否かを判別する(S637)。サブCPU81は、内部当籤役はハズレであると判別したときには、キャラクタ移動実行抽籤テーブルを参照し、非SP前兆状態に基づいて、キャラクタ移動実行抽籤処理を行う(S638)。
サブCPU81は、S636においてSP前兆状態フラグはオンであると判別したときには、SP前兆状態カウンタは0であるか否かを判別する(S639)。つまり、SP前兆状態の作動が終了するときであるか否かが判別される。サブCPU81は、SP前兆状態カウンタは0であると判別したときには、SP前兆状態フラグをオフ且つSP状態フラグをオンにし、SP突入時演出をセットする(S640)。RT1の作動中におけるSP突入時演出では、液晶表示装置5の表示画面において各部屋に位置していた4人のキャラクタがメイン部屋に集合する様子の映像が表示される(図132参照)。次に、サブCPU81は、後述のSP抽籤処理におけるS664において退避していたSPゲーム数を復帰し、SP状態カウンタにセットする(S641)。この処理が終了すると、RT1作動中演出抽籤処理を終了する。
サブCPU81は、S639においてSP前兆状態カウンタは0ではないと判別したときには、キャラクタ移動実行抽籤テーブルを参照し、SP前兆状態に基づいて、キャラクタ移動実行抽籤処理を行う(S642)。サブCPU81は、S638及びS642の後、キャラクタ移動実行抽籤に当籤したか否かを判別する(S643)。サブCPU81は、キャラクタ移動実行抽籤に当籤したと判別したときには、キャラクタの現在位置に応じた移動実行時演出振分けテーブルを参照し、演出内容を決定する(S644)。この処理が終了すると、RT1作動中演出抽籤処理を終了する。
サブCPU81は、S637において内部当籤役はハズレではないと判別したとき又はS643においてキャラクタ移動実行抽籤に当籤しなかったと判別したときには、連続演出抽籤処理を行う(S645)。サブCPU81は、内部当籤役に応じて連続演出抽籤に当籤するときの抽籤値を規定しているテーブル(図示せず)を参照し、連続演出抽籤を行う。尚、上記テーブルは、当籤確率が相対的に低い種類の内部当籤役(例えばベル1+黒チェリー)が決定されたとき、当籤確率が相対的に高い種類の内部当籤役(例えばスイカ)が決定されたときよりも、連続演出抽籤の当籤確率が高くなるように抽籤値を規定するようにしても良い。
次に、サブCPU81は、連続演出抽籤に当籤したか否かを判別する(S646)。サブCPU81は、連続演出抽籤に当籤したと判別したときには、キャラクタの現在位置に応じた連続演出発展時振分けテーブルを参照し、内部当籤役及び持越役に基づいて演出内容を決定する(S647)。この処理が終了すると、RT1作動中演出抽籤処理を終了する。
サブCPU81は、S646において連続演出抽籤に当籤しなかったと判別したときには、その他演出抽籤処理を行う(S648)。次に、当籤した内容に応じた演出を決定する(S649)。この処理が終了すると、RT1作動中演出抽籤処理を終了する。
次に、図113を参照して、一般遊技状態演出抽籤処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、ATゲーム数カウンタは1以上であるか否かを判別する(S661)。サブCPU81は、ATゲーム数カウンタは1以上であると判別したときには、ATゲーム数カウンタを1減算する(S662)。次に、サブCPU81は、内部当籤役は特殊1又は特殊2を含むか否かを判別する(S663)。つまり、特殊1、特殊1+特殊2及び特殊2の何れかが内部当籤役として決定されたか否かを判別する。
サブCPU81は、S663において内部当籤役は特殊1又は特殊2を含むと判別したときには、RT1の作動の回避に係る情報(第1停止時の作動ストップボタンの種別)を報知する演出内容を決定する(S664)。つまり、特殊1、特殊1+特殊2及び特殊2のそれぞれに応じて異なる演出内容を決定する(図119参照)。
サブCPU81は、ATゲーム数カウンタは1以上ではないと判別したときには、内部当籤役は特殊1又は特殊2を含むか否かを判別する(S665)。サブCPU81は、内部当籤役は特殊1又は特殊2を含むと判別したときには、内部当籤役に特殊1又は特殊2が含まれていることを報知する演出内容を決定する(S666)。つまり、特殊1、特殊1+特殊2及び特殊2のそれぞれに共通した演出内容を決定する(図120参照)。
サブCPU81は、S664及びS666の後、又は、S663及びS665において内部当籤役は特殊1又は特殊2を含まないと判別したときには、SP状態フラグはオンであるか否かを判別する(S667)。サブCPU81は、SP状態フラグはオンであると判別したときには、SP状態カウンタは0であるか否かを判別する(S668)。サブCPU81は、SP状態カウンタは0であると判別したときには、SP終了時演出を決定し、SP状態フラグをオフにする(S669)。一般遊技状態におけるSP終了時演出では、液晶表示装置5により表示している映像(図118参照)の背景が夕方から昼へと変化する。
サブCPU81は、S667においてSP状態フラグはオンではないと判別したときには、SP前兆状態フラグはオンであるか否かを判別する(S670)。サブCPU81は、SP前兆状態フラグはオンであると判別したときには、SP前兆状態カウンタは0であるか否かを判別する(S671)。サブCPU81は、SP前兆状態カウンタは0であると判別したときには、SP前兆状態フラグをオフ且つSP状態フラグをオンにし、SP突入時演出をセットする(S672)。一般遊技状態におけるSP突入時演出では、液晶表示装置5により表示している映像(図118参照)の背景が昼から夕方へと変化する。次に、サブCPU81は、退避していたSPゲーム数を復帰し、SP状態カウンタにセットする(S673)。
サブCPU81は、S669及びS673の後、S668においてSP状態カウンタは0ではないと判別したとき、S670においてSP前兆状態フラグはオンではないと判別したとき、又は、S671においてSP状態カウンタは0ではないと判別したとき、その他演出抽籤処理を行う(S674)。この処理では、未だ演出内容が決定されていないとき、SP状態及びSP前兆状態等に基づいて演出内容が決定される。
次に、図114を参照して、SP抽籤処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、SP状態フラグがオンか又はSP前兆状態フラグがオンか、若しくはBB1作動状態〜BB4作動状態であるか否かを判別する(S691)。サブCPU81は、SP状態、SP前兆状態及びBB1作動状態〜BB4作動状態の何れかであると判別したときには、SP抽籤処理を終了する一方で、SP状態、SP前兆状態及びBB1作動状態〜BB4作動状態の何れでもないと判別したときには、SP抽籤テーブルを参照し、現在のSP抽籤状態に基づいてSP抽籤処理を行う(S692)。
次に、サブCPU81は、SP抽籤により決定されたSPゲーム数が1以上(即ち当籤)であるか否かを判別する(S693)。サブCPU81は、SPゲーム数が1以上ではないと判別したときには、SP抽籤処理を終了する一方で、SPゲーム数が1以上であると判別したときには、当籤したSPゲーム数を退避するとともに、SP前兆状態フラグをオンにし、SP前兆状態カウンタに10をセットする(S694)。この処理が終了すると、SP抽籤処理を終了する。
前述したように、上記SP状態の作動が行われているときにボーナスゲームの作動が開始されることになれば、BB1・BB2の作動中におけるAT抽籤やBB3・BB4の作動中におけるATゲーム数の決定が遊技者にとって有利にはたらくようになる。したがって、ボーナスゲームの作動が行われていないとき、開始操作の検出に基づいてSP抽籤を行うことによって、ボーナスゲームの作動が開始されるときまでの期間においても、SP状態の作動が行われたり行われなかったりといった挙動に遊技者が一喜一憂することができるようになる。したがって、ボーナスゲームの作動が行われていないときでも、遊技者が抱く期待の程度に起伏を生じさせることができる。
また、SP状態の作動を行うと決定される確率がそれぞれで異なる複数のSP抽籤状態を設け、100ゲーム毎にこれらの何れかを選択し、この選択されたSP抽籤状態に基づいてSP抽籤を行うようにした。したがって、SP抽籤が常に一定の確率で行われることがないようにすることができるので、程度の異なる期待を遊技者が抱くことができるようになる。
また、上記SP状態の作動を行うと決定されると、10ゲームがカウントされるまでの期間、SP前兆状態の作動を行い、キャラクタ移動演出が相対的に高い確率で実行された後で、その作動が開始されるようにしている。したがって、SP状態の作動を行うと決定された後で直ちにその作動が開始されるような場合とちがい、SP状態の作動が行われるのではないかという期待を遊技者に抱かせたままこれを持続させることができるようになっている。
次に、図115を参照して、表示コマンド受信時処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、表示役はBB3又はBB4であるか否かを判別する(S701)。サブCPU81は、表示役はBB3又はBB4であると判別したときには、SP状態フラグはオンであるか否かを判別する(S702)。サブCPU81は、SP状態フラグはオンであると判別したときには、強制正解数抽籤テーブルを参照し、SP状態に基づいて、強制正解数抽籤処理を行う(S703)。これに対して、SP状態フラグはオンではないと判別したときには、強制正解数抽籤テーブルを参照し、非SP状態に基づいて、強制正解数抽籤処理を行う(S704)。
次に、サブCPU81は、上記強制正解数抽籤に当籤したか(即ち、強制正解数として1以上の数値が決定されたか)否かを判別する(S705)。サブCPU81は、当籤したと判別したときには、決定された強制正解数を強制正解数カウンタにセットし(S706)、表示コマンド受信時処理を終了する。
サブCPU81は、S701において表示役はBB3又はBB4ではないと判別したときには、表示役はBB1又はBB2であるか否かを判別する(S707)。サブCPU81は、表示役はBB1又はBB2であると判別したときには、後で図116を参照して説明する特殊キャラクタ抽籤処理を行い(S708)、表示コマンド受信時処理を終了する。この処理では、前述した特殊キャラクタ抽籤が行われる。
サブCPU81は、S707において表示役はBB1又はBB2ではないと判別したときには、一般遊技状態(サブ)であり、且つ内部当籤役は特殊1又は特殊2を含むか否かを判別する(S709)。サブCPU81は、一般遊技状態(サブ)ではないか或いは内部当籤役は特殊1又は特殊2を含まないと判別したときには、表示コマンド受信時処理を終了する一方で、一般遊技状態(サブ)であり、且つ内部当籤役は特殊1又は特殊2を含むと判別したときには、表示役はハズレであるか否かを判別する(S710)。
サブCPU81は、S710において表示役はハズレであると判別したときには、ATゲーム数カウンタは0であるか否かを判別する(S711)。サブCPU81は、ATゲーム数カウンタは0であると判別したときには、表示コマンド受信時処理を終了する一方で、ATゲーム数カウンタは0であると判別したときには、一般遊技状態用AT抽籤テーブルを参照し、RT1の作動回避時におけるAT抽籤処理を行う(S712)。
このように、ボーナスゲームの作動が行われるとき以外でも、AT抽籤を行う機会を設けるようにしたので、ATの作動が行われるか否かの決定について遊技者が一喜一憂する機会が増し、その決定を遊技者がより楽しむことができるようになる。即ち、有利な情報が報知されない状況において、遊技者が運や勘などに頼って停止操作を行い、その結果、RT1の作動を回避することができたときは、AT抽籤が行われる機会が遊技者に与えられ、再び一般遊技状態を長引かせることへの望みを遊技者が抱くことができるようになる。この結果、ATの作動が終了してしまうときや、そもそもATの作動が決定されなかったときにおいても、RT1の作動を独力で回避できるように停止操作を行うという動機付けを遊技者に行うことができ、遊技者がより楽しめるようにすることができる。
次に、サブCPU81は、AT抽籤に当籤したか否かを判別する(S713)。サブCPU81は、当籤しなかったと判別したときには、表示コマンド受信時処理を終了する一方で、当籤したと判別したときには、決定されたATゲーム数をATゲーム数カウンタにセットして(S714)、表示コマンド受信時処理を終了する。
サブCPU81は、S710において表示役はハズレではないと判別したときは、表示役は特殊1、特殊2及び低リプ出目1〜低リプ出目4の何れかであることになるから、一般遊技状態終了時演出をセットする(S715)。尚、このとき、サブCPU81は、ATゲーム数カウンタの値が1以上であれば、これをリセットせずに保持する。前述の遊技者に有利な停止操作に係る情報の提供が行われたにもかかわらず、目押しに失敗した結果RT1の作動を回避できなかった遊技者の救済を図る目的である。次に、サブCPU81は、RT1作動状態(サブ)に変更する(S716)。この処理が終了すると、表示コマンド受信時処理を終了する。
次に、図116を参照して、特殊キャラクタ抽籤処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、SP状態フラグはオンであるか否かを判別する(S731)。サブCPU81は、SP状態フラグはオンであると判別したときには、キャラクタ振分けテーブルを参照し、特殊キャラクタ抽籤処理を行う(S732)。次に、サブCPU81は、特殊キャラクタ抽籤に当籤したか否かを判別する(S733)。サブCPU81は、特殊キャラクタ抽籤に当籤したと判別したときには、BB1・BB2開始時特殊キャラクタ選択演出(図122参照)を決定し(S734)、特殊キャラクタ抽籤処理を終了する。
サブCPU81は、S731においてSP状態フラグはオンではないと判別したとき又はS733において特殊キャラクタ抽籤に当籤しなかったと判別したときには、BB1・BB2開始時通常キャラクタ選択演出(図121参照)を決定し(S735)、特殊キャラクタ抽籤処理を終了する。
前述したように、BB1の作動中及びBB2の作動中においては、特殊キャラクタが決定されたとき、通常キャラクタが決定されたときよりも高い確率でAT抽籤に当籤するようにしている。即ち、AT抽籤の結果を遊技者にとって有利なものとするか否かの決定に、ボーナスゲームの作動中において実行される演出内容を反映させるようにしたので、ボーナスゲームの作動が行われている場合に実行される演出に訴求力を持たせることが可能となる。
次に、図117を参照して、ボーナス終了コマンド受信時処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、BB3作動状態(サブ)又はBB4作動状態(サブ)であるか否かを判別する(S751)。サブCPU81は、BB3作動状態(サブ)又はBB4作動状態(サブ)であると判別したときには、BB3・BB4作動時ATゲーム数決定テーブルを参照し、正解数カウンタの値に応じてATゲーム数を決定し、ATゲーム数カウンタに加算する(S752)。
このように、BB3の作動又はBB4の作動中においては、ATゲーム数の決定を、特定の内部当籤役「RB中増加役」とは異なる内部当籤役が決定された回数に基づいて行うようにしているので、前述したBB1の作動又はBB2の作動中においてAT抽籤を行う場合とちがって、ATの作動を行うか否かを決定するために、内部当籤役を決定する抽籤を行う以外に専用の抽籤を別途行う必要がなくなり、制御系にかかる負荷の軽減を図ることができる。また、特定の内部当籤役「RB中増加役」が決定されたときは基本的に正解数カウンタの加算が行われることがないが、前述の強制正解数を設けることによって、これが行われる場合もあるという例外を設けたので、ATの作動を行うか否かの決定を行うパターンを多様なものとすることができ、この決定に遊技者が一喜一憂する機会を増すことができる。
サブCPU81は、S752の後、又は、S751においてBB3作動状態(サブ)及びBB4作動状態(サブ)ではないと判別したときには、現在のATゲーム数カウンタの値を報知する演出内容を決定する(S753)。つまり、ボーナスゲームの作動を通して決定されたATゲーム数の合計が遊技者に知らされる(図126参照)。
これにより、遊技者は、ボーナスゲームを通して自らが獲得したATゲーム数の多寡を知り、ATの作動がどの程度の期間継続して行われるのかを知ることができるようになる。したがって、ボーナスゲームの作動が行われているときにおいてその多寡を意識せずとも、最終的に知ることができることから、前述の対局演出や3択演出によって示されるATの作動が行われるか否かの決定の結果に一喜一憂することに専心できる。
次に、サブCPU81は、SP抽籤テーブルを参照し、SP抽籤状態「ボーナス後」に基づいてSP抽籤処理を行う(S754)。前述したように、SP抽籤状態が「ボーナス後」のとき、SPゲーム数として1以上の数値が必ず決定される。次に、サブCPU81は、決定されたSPゲーム数をSP状態カウンタにセットする(S755)。次に、サブCPU81は、SP状態フラグをオンにし、SP突入時演出をセットする(S756)。つまり、ボーナスゲームの作動が終了した後では、SP状態の作動が必ず行われる。そして、SP抽籤状態が「ボーナス後」のときは、他の抽籤状態と異なり、SP抽籤に当籤しても、SP前兆状態を経由することなく、SP状態の作動が開始される。
次に、サブCPU81は、図107を参照して説明したSP抽籤状態初期設定処理を行う(S757)。上記SP状態の作動が終了した後、この処理において決定されたSP抽籤状態選択テーブルに基づいてSP抽籤状態の管理が行われる。この処理が終了すると、ボーナス終了コマンド受信時処理を終了する。
前述してきた通り、本実施の形態のスロットマシン1では、予め定められた内部当籤役(例えば、前述の特殊1、特殊1+特殊2、特殊2)が決定された場合に所定の図柄の組合せ(例えば、前述の特殊1、特殊2、低リプ出目1〜低リプ出目4)が複数のリールにより表示されると、不利な状態(例えば、前述のRT1)の作動を行う不利状態作動手段(例えば、前述の表示役等決定時処理)と、ボーナスゲームの作動が行われると、前記所定の図柄の組合せの表示を回避する情報を報知するか否かを決定する報知決定手段(例えば、前述のBB1・BB2作動中演出抽籤処理、前述のBB3・BB4作動中演出抽籤処理)と、前記予め定められた内部当籤役が決定された場合に前記所定の図柄の組合せの表示を回避する情報を報知すると決定されたとき、当該情報を報知する報知手段(例えば、前述の液晶表示装置5)と、を備えたことを特徴としている。
より具体的には、報知手段は、第1の内部当籤役(例えば、前述の特殊1+特殊2)が決定された場合、前記所定の図柄の組合せの表示を回避する情報として、前記予め定められたリール(例えば、前述の左リール3L)を報知する一方で、第2の内部当籤役(例えば、前述の特殊2)が決定された場合、前記所定の図柄の組合せの表示を回避する情報として、前記予め定められたリールとは異なるリール(例えば、前述の中リール3C)を報知することを特徴としている。
また、本実施の形態のスロットマシン1は、0の意味を示すデータ及び1以上の意味を示すデータを格納可能な格納領域(例えば、前述のATゲーム数カウンタ)を有する格納手段(例えば、前述のSDRAM83)を備え、報知決定手段は、第1のボーナスゲーム(例えば、前述のBB1又はBB2)の作動中において、0の意味を示すデータ及び1以上の意味を示すデータを含む複数種類のデータ(例えば、前述のBB1・BB2作動時AT抽籤テーブルに規定されているATゲーム数)の何れかを抽籤により決定する数値決定手段(例えば、前述のBB1・BB2作動中演出抽籤処理におけるS594〜S596)と、当該数値決定手段により決定されたデータを前記格納領域に格納されているデータに加算する加算手段(例えば、前述のBB1・BB2作動中演出抽籤処理におけるS598)と、を有し、報知手段は、予め定められた内部当籤役が決定された場合に前記格納領域に1以上の意味を示すデータが格納されているとき、所定の図柄の組合せの表示を回避する情報を報知することを特徴としている。
また、本実施の形態のスロットマシン1は、開始操作の検出が行われると、前記格納領域に格納されているデータから1の意味を示すデータを減算する減算手段(例えば、前述の一般遊技状態演出抽籤処理におけるS662)を備えたことを特徴としている。
また、数値決定手段は、第1のボーナスゲームの作動が行われる場合に、特殊な演出データ(例えば、前述の特殊キャラクタ選択演出)が決定されたとき、この特殊な演出データとは異なる通常の演出データ(例えば、前述の通常キャラクタ選択演出)が決定されたときよりも高い確率で、前記1以上の意味を示すデータを決定することを特徴としている。
また、本実施の形態のスロットマシン1は、第1のボーナスゲームの作動中において前記数値決定手段により決定されたデータを報知する第2報知手段(例えば、前述のBB1・BB2作動中演出抽籤処理におけるS598、S601)を備えたことを特徴としている。また、この第2報知手段は、第1のボーナスゲームの作動が終了したとき、前記格納領域に格納されているデータを報知することを特徴としている。
また、本実施の形態のスロットマシン1は、第1のボーナスゲームの作動が行われると、開始操作の検出に基づいて遊技回数(例えば、前述の演出ゲーム数)をカウントする遊技回数カウント手段(例えば、前述のBB1・BB2作動中演出抽籤処理におけるS602)を備え、数値決定手段は、予め定められた遊技回数(例えば、前述の10ゲーム)がカウントされる毎に、前記0の意味を示すデータ及び1以上の意味を示すデータを含む複数種類のデータの何れかを決定し、数値報知手段は、複数種類の演出データ(例えば、前述のBB1・BB2作動時演出内容決定テーブルにより規定されている演出内容)のうち前記数値決定手段により決定されたデータに応じた何れかに基づいて、次に予め定められた遊技回数がカウントされるまでの期間にわたって演出(例えば、前述の対局演出)を実行し、当該演出の最後において前記数値決定手段により決定されたデータを報知することを特徴としている。
また、格納手段は、0の意味を示すデータ及び1以上の意味を示すデータを格納可能な第1格納領域(例えば、前述の正解数カウンタ)及び第2格納領域(例えば、前述のATゲーム数カウンタ)を有し、報知決定手段は、特定の内部当籤役(例えば、前述のRB中増加役)を含む遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役が相対的に高い確率で決定される第2のボーナスゲーム(例えば、前述のBB3又はBB4)の作動が行われているとき、特定の内部当籤役とは異なる内部当籤役(例えば、前述の「スイカ+ベル1+ベル2+黒チェリー+赤チェリー1〜赤チェリー5+青チェリー1〜青チェリー5」、「特殊1+特殊2+黒チェリー+赤チェリー1〜赤チェリー5+青チェリー1〜青チェリー5」、黒チェリー)が決定されると、第1格納領域に格納されているデータに1の意味を示すデータを加算する第1加算手段(例えば、前述のBB3・BB4作動中演出抽籤処理におけるS617)と、第1格納領域に1以上の意味を示すデータが格納されていることに基づいて、1以上の意味を示す複数種類のデータ(例えば、前述のBB3・BB4作動時ATゲーム数決定テーブルに規定されているATゲーム数)の何れかを第2格納領域に格納されているデータに加算する第2加算手段(例えば、前述のボーナス終了コマンド受信時処理におけるS752)と、を有し、報知手段は、第2格納領域に1以上の意味を示すデータが格納されていることを条件に、所定の図柄の組合せの表示を回避する情報を報知することを特徴としている。
また、第1加算手段は、第2のボーナスゲームの作動が行われている場合に特定の内部当籤役が決定されると、予め定められた条件が満たされているとき、第1格納領域に格納されているデータに1の意味を示すデータを加算することを特徴としている。そして、本実施の形態のスロットマシン1では、0の意味を示すデータ及び1以上の意味を示すデータを格納可能な第3格納領域(例えば、前述の強制正解数カウンタ)をさらに有し、第2のボーナスゲームの作動が開始されるとき、0の意味を示すデータ及び1以上の意味を示す複数種類のデータ(例えば、前述の強制正解数抽籤テーブルにより規定されている強制正解数)の何れかを抽籤により決定し第3格納領域に加算する第3加算手段(例えば、前述の表示役コマンド受信時処理におけるS703、S704、S706)を備え、予め定められた条件として、当該第3格納領域に1以上の意味を示すデータが格納されていることを採用するようにした。
また、内部当籤役決定手段は、複数のリール全ての個数をY(Yは自然数)とすると、第2のボーナスゲームの作動が行われている場合に遊技媒体の払い出しに係る内部当籤役を決定するとき、「(Y−1)/Y」と概ね等しい確率にて特定の内部当籤役を決定し、演出データ決定手段は、第2のボーナスゲームの作動が行われている場合に、特定の内部当籤役が決定されたとき、複数のリールの全ての回転が行われている間に停止操作の検出が行われると、所定の演出データ(例えば、前述の失敗時演出)を決定する一方で、特定の内部当籤役とは異なる内部当籤役が決定されたとき、複数のリールの全ての回転が行われている間に停止操作の検出が行われると、所定の演出データとは異なる予め定められた演出データ(例えば、前述の正解時演出)を決定することを特徴としている。
また、第2加算手段は、第2のボーナスゲームの作動が行われているとき、特定の内部当籤役とは異なる予め定められた内部当籤役(例えば、前述の黒チェリー)が決定されると、1以上の意味を示す予め定められたデータを第2格納領域に加算することを特徴としている。
また、報知決定手段は、予め定められた内部当籤役(例えば、前述の特殊1、特殊1+特殊2、特殊2)が決定され、且つ所定の図柄の組合せの表示を回避する情報が報知されない場合において所定の図柄の組合せとは異なる図柄の組合せが複数のリールにより表示されたとき、0の意味を示すデータ及び1以上の意味を示すデータを含む複数種類のデータの何れかを抽籤により決定し、前記格納領域に格納する特殊加算手段(例えば、前述の表示コマンド受信時処理におけるS712、S714)と、を有している。
また、本実施の形態のスロットマシン1は、特定状態(例えば、前述のSP状態)の作動を行うと決定される確率がそれぞれで異なる複数の抽籤状態(例えば、前述のSP抽籤状態)の何れかを決定する抽籤状態決定手段(例えば、前述のSP状態初期設定処理、前述の各遊技カウンタ更新処理におけるS559)と、開始操作の検出が行われると、抽籤状態決定手段により決定された抽籤状態に基づいて特定状態の作動を行うか否かを抽籤により決定する特定状態作動決定手段(例えば、前述のSP抽籤処理)と、特定状態の作動を行うと決定されたことを条件に、特定状態の作動を行う特定状態作動手段(例えば、前述のRT1作動中演出抽籤処理における640,S641、前述の一般遊技状態演出抽籤処理における672,S673)と、を備え、報知決定手段は、特定状態の作動が行われている場合にボーナスゲームの作動が開始されるとき、特定状態の作動が行われていない場合にボーナスゲームの作動が開始されるときよりも高い確率で、所定の図柄の組合せの表示を回避する情報の報知を行うと決定することを特徴としている。
より具体的には、第1のボーナスゲームの作動が行われている場合では、特定状態の作動が行われている場合にボーナスゲームの作動が開始されるとき、特定状態の作動が行われていない場合にボーナスゲームの作動が開始されるときよりも高い確率で、1以上の意味を示すデータを決定するようにしている。また、第2のボーナスゲームの作動が行われている場合では、特定状態の作動が行われている場合にボーナスゲームの作動が開始されるとき、特定状態の作動が行われていない場合にボーナスゲームの作動が開始されるときよりも高い確率で、1以上の意味を示すデータを第3格納領域に加算するようにしている。
また、本実施の形態のスロットマシン1は、複数の抽籤状態の何れかをカウントされる遊技回数に応じて指定するデータ(例えば、前述のSP抽籤状態選択テーブル)を複数記憶する指定データ記憶手段(例えば、前述の制御ROM82)を備え、抽籤状態決定手段は、指定データ記憶手段により記憶されている複数のデータの何れかとカウントされる遊技回数とに基づいて該当する抽籤状態を決定することを特徴としている。
また、特定状態作動決定手段により特定状態の作動を行うと決定されると、予め定められた遊技回数がカウントされることを条件に特定状態の作動を行うようにしており、この特定状態の作動を行うと決定されてから予め定められた遊技回数がカウントされるまでの期間(例えば、前述のSP前兆状態)、他の期間よりも高い確率で、複数種類の演出データのうち特定の演出データ(例えば、前述のキャラクタ移動演出)を決定することを特徴としている。
以上、本実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、本発明の回胴式遊技機が備える、リール、内部当籤役決定手段、リール回転手段、停止操作検出手段、リール停止手段、不利状態作動手段などの具体的構成については前述した本実施の形態の各要素に限らず任意に変更可能である。
本実施の形態では、開始操作の検出が行われると、前記格納領域に格納されているデータから1の意味を示すデータを減算するようにしており、1の意味を示すデータとは、開始操作の検出が1回行われることを意味するデータであることとしたが、本発明はこれに限られるものではない。1の意味を示すデータを、有利な情報の報知が1回行われることが約束されていることを意味するデータであるとしても良い。即ち、前記格納領域に格納されているデータから1の意味を示すデータを減算する機会は、前記有利な情報が報知されたときであっても良い。また、これらの意味を持つ回数の保存及び管理を実現可能な構成であれば、如何なる手法(例えば加減算等)を採用しても良く、データの持たせ方やその構成などは任意に変更可能なものである。
例えば、本実施の形態では、1以上の意味を示すデータを含む複数種類のデータの何れかを前記格納領域に格納されているデータに加算し、開始操作の検出に基づいて当該格納領域に格納されているデータから1の意味を示すデータを減算しつつ、当該格納領域に1以上の意味を示すデータが格納されていることを条件に有利な情報を報知するようにしたが、開始操作の検出に基づいて前記格納領域に格納されているデータに1の意味を示すデータを加算しつつ、当該格納領域に格納されているデータが、1以上の意味を示すデータを含む複数種類のデータから決定した何れかに達していないことを条件に、有利な情報を報知するようにしても良い。
また、本実施の形態では、第1の内部抽籤テーブル(例えば、前述の一般遊技状態用内部抽籤テーブル)と、再遊技の作動に係る内部当籤役が決定される確率が前記第1の内部抽籤テーブルよりも低い第2の内部抽籤テーブル(例えば、前述のRT1作動中用内部抽籤テーブル)と、を記憶する内部抽籤テーブル記憶手段(例えば、前述のROM32)を備え、遊技者にとって不利な状態の作動として、前記第2の内部抽籤テーブルが選択されてこれに基づいて内部当籤役が決定されることを採用しているが、本発明はこれに限られるものではない。不利な状態として採用する構成は変更可能なものである。例えば、第1の内部抽籤テーブルと、メダルの払い出し(或いはボーナスゲームの作動)に係る内部当籤役が決定される確率が前記第1の内部抽籤テーブルよりも低い第2の内部抽籤テーブルと、を記憶する内部抽籤テーブル記憶手段を備え、遊技者にとって不利な状態の作動として、前記第2の内部抽籤テーブルが選択されてこれに基づいて内部当籤役が決定されることを採用しても良い。
また、本実施の形態では、内部当籤役が決定されると、これに基づいて停止テーブル群を決定し、当該停止テーブル群に基づいてリールの回転を停止するようにしている。即ち、内部当籤役に「基づいて」とは、内部当籤役そのものであることに限らず、そのデータに加工等を施した結果(或いは、そのデータから導き出されるデータ)をも含む概念である。同様に、開始操作の検出に「基づいて」とは、開始操作の検出が行われた直後であることに限らず、開始操作の検出が行われて所定の時間が経過するのを待った後であることなどをも含む。このように、他で使用される「基づいて」についても、上記と同様のことが言える場合がある。
また、本実施の形態において適用した、図1及び図2に示す装置構成、図3及び図4に示す回路構成及びその周辺装置、図5〜図56及び図91〜図103に示すテーブルの構成、図57〜図62に示すRAMの格納領域の構成、図63〜図85及び図104〜図117に示すフローチャートの構成、図118〜図134に示す液晶表示装置5において表示する映像などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更又は修正が可能なものである。
また、本実施の形態のようなスロットマシンの他、リール及びその表面に配される図柄を映像により表示するビデオスロット等の遊技機にも本発明を適用できる。更に、前述のスロットマシンでの動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
尚、本実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。