JP5052231B2 - オイルレベルゲージ - Google Patents

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Description

本発明は、車両用のエンジン等の油タンク内に設置されて、油タンク内のオイル状況を把握するためのオイルレベルゲージに関する。
従来、オイルレベルゲージの一般的な構造として、図4に示されるように、細長い形状をした金属薄板からなるゲージ部1とその左端に形成されたグリップ部2により構成されていた。ゲージ部1の先端が油量確認部3となり、油タンク内の油量を確認するときに目視される。この構造をした平板形のオイルレベルゲージは、ゲージ部1の板厚方向の曲げ剛性が板幅方向の曲げ剛性より小さいため、ゲージ部1は板厚方向へ容易に変形できる。しかし、板幅方向の曲げ剛性が大きいため板幅方向へは変形し難い。なお、公知のオイルレベルゲージとしては、特許文献1〜3に記載の「オイルレベルゲージ」がある。
特開2007−120407号公報 特開2007−78584号公報 特開2007−10592号公報
上述した従来の平板形のオイルレベルゲージは、ゲージ部1が一定板厚の平板一枚のみの構成であり、ゲージ部1は板厚方向のみの変形しか許容されないため、オイルレベルゲージ挿入用パイプが2次元形状のパイプに限定されてしまい、3次元形状のパイプには使用できないという欠点があった。また、オイルレベルゲージ本体が長尺になればなるほど自重が大きくなり、ゲージ部1の板厚方向のたわみが大きくなる。即ち、ゲージ部1が長尺になるほどゲージ部1の板厚方向の曲げ剛性が小さくなり、オイルレベルゲージ挿入用パイプに容易に挿入できないという欠点があった。
そこで、本発明は、平板形のオイルレベルゲージのゲージ部の板厚を増大することなく、板厚方向の剛性を増して、3次元形状をしたオイルレベルゲージ挿入用パイプへの挿入を可能にするオイルレベルゲージを提案することを目的とした。
上記課題を解決するために、本発明は、油タンク内のガイドパイプへ挿入される細長い板状のゲージ部と、該ゲージ部の一端に形成されたグリップ部とを有するオイルレベルゲージにおいて、前記ゲージ部の長手方向と直交する方向の断面形状をS字形にしたことを特徴とする。
なお、前記ゲージ部の断面形状は、湾曲方向が相反する2つの円弧を連続一体に組み合わせた形状とすることができる。同様に、前記ゲージ部の断面形状は、正弦曲線とすることができる。また、前記ゲージ部の断面形状の曲率は、前記グリップ部直近で最大としゲージ部先端に近づくにつれて次第に小さくすることが好ましい。
以上述べたように本発明によれば、従来のオイルレベルゲージの平板形をしたゲージ部に比べ、そのゲージ部の板厚を、例えば1/3程度の板厚にしても同等以上の曲げ剛性が得られ、オイルレベルゲージ挿入用パイプに容易に挿入することができる。また、板厚を薄くしたことにより、軽量化を図ることも可能となる。さらに、ねじり剛性が小さくなるため、従来は困難であった3次元形状をしたオイルレベルゲージ挿入用パイプへの挿入が可能となる。
以下、図に基づいて本発明の実施形態を説明する。図1に、本発明に係るオイルレベルゲージの第1の実施形態を示す。細長い平板形状をしたバネ材等からなるゲージ部4とその左端に形成されたグリップ部5により構成され、ゲージ部4の先端を油量確認部6とする。ゲージ部4は、図1中に拡大断面図として図示されているように、平板をS字状に湾曲して形成されている。このように、ゲージ部4をS字状に湾曲して形成したことにより、その厚み方向の断面2次モーメントが、単純な矩形断面形のときに比べて増大する。表1に、従来の平板断面と本発明のS字状断面の剛性(断面2次モーメント)の比較例を示す。なお、表中のS字状ゲージ部についての断面2次モーメントおよび極断面2次モーメントはFEM(有限要素法)により算出した。
Figure 0005052231
表1に示されるように、ゲージ部の断面形状において、従来の平板断面の板厚(0.6mm)に対し、S字状断面の板厚を、前記板厚の1/3(0.2mm)とした場合、板厚方向の断面2次モーメント(曲げ剛性)は僅かの低下に留まるが、極断面2次モーメント(ねじり剛性)は、大幅に低下することが可能となる。すなわち、図示例では、板厚を1/3にして、自重を1/3にしながらも、板厚方向の断面2次モーメント(曲げ剛性)をほぼ同じ値に保ちながら、極断面2次モーメント(ねじり剛性)を小さくすることが可能となった。また、極断面2次モーメント(ねじり剛性)が、大幅に低下したことにより、3次元形状をしたオイルレベルゲージ挿入用パイプへの挿入が可能となった。
図2に、表1における2つの断面形状からなるオイルレベルゲージについて、その自重によるたわみ形状の比較を示す。図では、グリップ部を把持して水平に保持するとともに、ゲージ部の幅方向を水平にしたときのゲージ部の自重による撓みを示したものである。図2に示されるように、本発明によれば、ゲージ部の板厚を従来の1/3にし、かつその断面形状をS字状にしたことにより、曲げ剛性(断面2次モーメント)は若干低下するが自重が軽くなる分自重によるたわみが小さくなり、本発明の断面S字形状のゲージ部は、従来形状の約半分の撓み量となる。その結果、オイルレベルゲージ挿入用パイプにオイルレベルゲージを容易に挿入することが可能となる。
図3に、本発明に係るオイルレベルゲージの第2の実施形態を示す。細長い平板形状をしたバネ材等からなるゲージ部7とその左端に形成されたグリップ部8により構成され、ゲージ部7の先端を油量確認部9とする。ゲージ部7は、図3中に拡大断面図として図示されているように、平板をS字状に湾曲して形成されていて、そのS字状に湾曲している部分の曲率は、グリップ部8に近い程大きく、先端の油量確認部9に近づくにつれて次第に小さくなり、油量確認部9では曲率が0、すなわち単純な矩形の断面となる。
この第2の実施形態のオイルレベルゲージでは、ゲージ部7の曲げ剛性(断面2次モーメント)がグリップ部8に近い程大きく、先端の油量確認部9に近づくにつれて次第に小さくなる。すなわち、オイルレベルゲージをグリップ部8で把持して水平に保持したとき、ゲージ部7の各部に発生する自重による曲げモーメントの大きさに、その位置における曲げ剛性(断面2次モーメント)の大きさが対応することになり、ゲージ部7の先端側を過度に湾曲させない分、成形が容易となる。
なお、図1の第1の実施形態におけるゲージ部4、および図3の第2の実施形態におけるゲージ部7のS字状の曲線としては、湾曲方向が相反する2つの円弧を連続一体に組み合わせた形状とすることができる。同様に、ゲージ部4,7の断面形状を、正弦曲線とすることもできる。また、他の形状として2個の放物曲線を組み合わせた形状とすることも可能である。
本発明に係るオイルレベルゲージの第1の実施形態の外観図および拡大断面図である。 図1のオイルレベルゲージと従来のオイルレベルゲージの自重によるたわみ形状の比較を示すグラフである。 本発明に係るオイルレベルゲージの第2の実施形態の外観図および拡大断面図である。 従来のオイルレベルゲージの外観図である。
符号の説明
4 ゲージ部
5 グリップ部
6 油量確認部
7 ゲージ部
8 グリップ部
9 油量確認部

Claims (4)

  1. 油タンク内のガイドパイプへ挿入される細長い板状のゲージ部と、該ゲージ部の一端に形成されたグリップ部とを有するオイルレベルゲージにおいて、
    前記ゲージ部の長手方向と直交する方向の断面形状をS字形にしたことを特徴とするオイルレベルゲージ。
  2. 請求項1に記載のオイルレベルゲージにおいて、
    前記ゲージ部の断面形状は、湾曲方向が相反する2つの円弧を連続一体に組み合わせた形状であることを特徴とするオイルレベルゲージ。
  3. 請求項1に記載のオイルレベルゲージにおいて、
    前記ゲージ部の断面形状は、正弦曲線であることを特徴とするオイルレベルゲージ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のオイルレベルゲージにおいて、
    前記ゲージ部の断面形状の曲率は、前記グリップ部直近で最大としゲージ部先端に近づくにつれて次第に小さくしたことを特徴とするオイルレベルゲージ。
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