JP5049980B2 - 連続蒸煮方法及び装置 - Google Patents

連続蒸煮方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5049980B2
JP5049980B2 JP2008542280A JP2008542280A JP5049980B2 JP 5049980 B2 JP5049980 B2 JP 5049980B2 JP 2008542280 A JP2008542280 A JP 2008542280A JP 2008542280 A JP2008542280 A JP 2008542280A JP 5049980 B2 JP5049980 B2 JP 5049980B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooking
fluid
amount
digester
starting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008542280A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009517553A (ja
Inventor
スネツクネス,ヴィダル
リンドストローム,ミカエル
Original Assignee
メトソ ペイパー スウエーデン アクチボラグ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by メトソ ペイパー スウエーデン アクチボラグ filed Critical メトソ ペイパー スウエーデン アクチボラグ
Publication of JP2009517553A publication Critical patent/JP2009517553A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5049980B2 publication Critical patent/JP5049980B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C7/00Digesters
    • D21C7/12Devices for regulating or controlling
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C7/00Digesters
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C3/00Pulping cellulose-containing materials
    • D21C3/22Other features of pulping processes
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C3/00Pulping cellulose-containing materials
    • D21C3/22Other features of pulping processes
    • D21C3/24Continuous processes

Landscapes

  • Paper (AREA)

Description

本発明は、請求項1の前文に記載の化学セルロースパルプの連続蒸煮方法及び請求項7の前文に記載の化学セルロースパルプの連続蒸煮装置に関するものである。
例えば、引裂き強さ、叩解適性、引張り強さなどに関してパルプの品質を種々の仕方で改善するために木材チップを連続して蒸煮する種々の方法が開発されてきた。これらの方法の多くは、脱リグニンプロセスに影響を与えるために、蒸解がまにおけるアルカリの濃度の調節に種々の仕方に集中している。さらに、一様なパルプ品質を得るために、蒸解がまの横断面に渡ってアルカリプロファイルをできるだけ一様に維持し、またアルカリプロファイルが蒸煮の種々の相において一様でありしかも高くなり過ぎないことが重要であることが見出されてきた。
蒸煮中のアルカリプロファイルを一様にするために蒸煮中にアルカリを調整する種々の提案が用いられてきた。例えば、ある量の蒸煮流体を蒸解がまから取出してアルカリの調整後蒸解がまへ戻し、或いは蒸解がまに戻される取出した蒸煮流体を、“DOM”(溶解有機物質の頭文字)として知られたものにおいて主として還元をもたらす希釈流体で全部又は部分的に置き換える調整流を用いることは可能であり、DOMは原理的にはヘミセルロース及びリグニンで構成され、またセルロース及び木材チップから抽出した物質でも構成される。しかし、幾つかの位置における蒸煮流体の取出し及び別の流体による取出し蒸煮流体の引き続いての交換は、残留繊維及びヘミセルロースが取出された蒸煮流体と共に消えるので、生産性の低下を招く。
図1には、1957年、1962年、1983年、1991年、1993年、1997年に導入された連続蒸煮の種々の蒸煮技術を、“キシラン”として知られた後に特許になった変形例と共に示している。ストレーナー部は、回収プラント/REC(実線矢じりをもつ太い矢印)への取出し部を備えた破線部分として或いは蒸解がまの流れ/Circの形態で示されており、流体は通常の中央パイプを介して蒸解がまの中央に再循環される。熱交換機/HEは、ある特定の流れラインに設けられている。CLiqFLOWは蒸解がまにおける蒸煮流体の流れ方向を示している。白液の添加はWLで示されている。図示の流れに加えて、普通、蒸解がまの底部に希釈流体が添加され、また蒸解がまの入力には頂部セパレータが設けられる。TCは加熱機能を備えた第1の蒸解がま循環路を示し、白液の添加は蒸解がまの手前ですなわち蒸解がまの頂部で添加されるものに加えて行うことができる。WCは下方洗浄流を示し、この下方洗浄流は、システムにおいて高い洗浄温度(通常120〜130℃)に加熱される。
極めて早期の連続蒸解がま技術では、全ての蒸煮化学物質は蒸煮前にすなわち頂部にバッチで添加され、蒸煮流体は蒸煮の主用部分中に供給され、底部に設けた取出しストレーナーを介して蒸解がまから最終的に取出されるようにされていた。この技術は、主として一日当たり数百トンのパルプ生産能力をもつ小型の蒸解がま用であり、かかる蒸解がまはの直径は最大で3〜4mが限度であった。これらの小型の蒸解がまでも、蒸解がま内のチップのコラムの中央までほんの1.5〜2mであり、チップの速度が低生産性のために低かったので、蒸解がまから充分に多量の排出蒸煮流体を取出すことが可能であった。この形式の蒸煮プロセスは図1に−57で概略的に示している。
蒸解がまに幾つかのストレーナー部を備えずに底部に単一のストレーナー部を備えたものは、細かくチップ化した細木片、鋸くず及び一年生植物を蒸煮するのに用いられてきたが、有機物質が細かく分割されるので、チップ化した材料が密に詰まるので蒸解がまから取出すのが困難であった。
一日当り役1000トンのパルプの生産能力をもつ大きな連続蒸解がま用に1960年〜1970年に掛けて確立した従来の蒸解がま技術では、内部の高い位置に複数の取出しストレーナーを設けた蒸解がまの頂部に本質的に全てのアルカリがバッチ形態で添加され、回収プロセスのための排出蒸煮流体の取出しRECは、チップの維持時間が蒸解がまにおける総維持時間のほぼ50〜70%になる時間に、行われていた。対向する蒸煮及び洗浄流の領域はこの取出しストレーナーのもとに確立され、底部に導入した洗浄流体は沈下していくチップの流れに対向して取出されるのが普通であった。この対向した蒸煮及び洗浄領域における流体は本質的にこの対向流の領域におけるチップの維持時間の本質的な部分の間、充分に蒸煮温度の下にある。対向流のこの領域において(対向流の開始時に)加熱流が最も下がっているのが普通であり、流体は、上方の蒸煮領域において確立した蒸煮温度の下で通常10〜30℃である温度まで加熱された。この形式の対向流洗浄領域は“ハイヒート(Hi−Heat)”洗浄としても知られている。この形式の蒸煮プロセスは図1に−62で示している。
パルプの品質の要求がより高くなるにつれて、1980年代には、変更型連続蒸煮技術MCCが導入されてきた。MCC技術は、アルカリを幾つかのバッチに分け、通常では白液/WLの小さなバッチを流れに添加して取出しストレーナーの下側でしかも対向流の領域においてその流れを一様にさせることを意味している。このようにして、蒸煮におけるアルカリプロファイルのある特定の一様性を得ることができ、そしてアルカリの有効なレベルをもつ蒸煮レベルとして蒸解がまの大きな部分を有効に用いて、蒸煮時間を比較的長くできしかも蒸煮温度を比較的低くでき、それにより良好なパルプ品質及び高い生産能力を確保した。
この形式の蒸煮プロセスは図1に−83で概略的に示し、MCC流れが示されている。
パルプの品質を改善する別の方法はITC(“Iso Thermal Cooking”の頭文字)技術によって開発され、最高蒸煮温度及びアルカリレベルは先行技術に比べて下げられ、そして蒸煮を通じて一定のレベルに維持される。この技術は、蒸解がまの底部に供給した洗浄流体及び蒸煮流体が特別のストレーナー部で取出され、そして充分な蒸煮温度に暖められてから蒸解がまへ戻されることを意味していた。チップを充分な蒸煮温度に保つ時間は、このようにして、排出蒸煮流体を回収プロセスへ取出す取出し部のもとでの対向流の本質的に完全な領域に対して有効であるように延長された。この形式の蒸煮プロセスは図1に−91で概略的に示し、ITC流れが示されている。
蒸煮中のアルカリプロファイルを更に一様にする目的で予備含浸容器において及び蒸解がまの蒸煮領域において非常に高い流体/木材比を使用し始めた。この技術はKvaener Pulping で開発したCOMPACT COOKING(商標)の概念の基礎の一つを成している。蒸煮流体におけるアルカリ濃度はこのようにして低減できると共に、同時に効果的な中性化プロセスに必要なアルカリの量を蒸煮流体に留めることができる。チップの量当たりの流体の割合は、通常3.0以上の流体/木材比で相当に上昇するので、木材の単位キログラム当たりアルカリのキログラム量として測定した充分な量のアルカリが脱リグニンプロセスのために供給されると同時に、アルカリの濃度がそのように高い必要のないことを保証することができる。一日当りのパルプ生産高は1800〜2000トン以上のレベルに高まるので、最終蒸煮流体の取出し位置は、しばしば蒸煮中の幾つかの取出し位置と組み合わせて蒸解がまの下方に移される。この形式の蒸煮プロセスは図1に−93、−97で概略的に示され、−93では二つの取出し位置が示され、−97では三つの取出し位置が示されている。
現在のチップの連続蒸解がま設備では、一日当たり2500〜3500トンのパルプ生産能力が要求される。これらの連続蒸解がまは直径8〜10mと非常に大きく、場合によっては直径約12mと大きい。取出し部を設ける問題は、これらの蒸解がまではこれらのストレーナー部でチップのコラムの中央から蒸煮流体を取出すのは比較的困難となるので、悪化する。取出し部は、取出すことの可能である蒸煮流体の量に対する限界に急速に達する、従って、COMPACT COOKING(商標)の概念に従って、高い流体/木材比で蒸解がまにおいてできる限りストレーナー部の数を制限しそして蒸煮流体を保持することが望ましい。
また、パルプの生産は、例えば米国特許第6,241,851号及び米国特許第6,569,851号に示されているように、多硫化物系の添加剤を添加することで改善されることも知られている。第1の処理領域における有効なアルカリ濃度及び温度条件は、本質的にセルロースのアルカリ分解が行われず、代わりに材料に多硫化物が有効に浸透するようなものである。材料は、その後引き続いて、低温度、低アルカリでしかも多硫化物なしでの前処理で達成されるものより高い生産率で蒸煮プロセスにより化学セルロースパルプを生産するために、蒸煮温度でアルカリ蒸煮液により処理される。
スウェーデン国特許第520956号により、パルプの強さ、漂白性及びその後の還元黄色化に関してパルプの品質を向上させると同時に蒸解がまを通しての生産性を高める方法が知られている。これにより、全ての排出流体及び特にヘミセルロースに富んだ含浸流体は、同一領域又は直後に続く領域に戻される前における、蒸解がまの外での保持時間を延ばすことができる。このことは、蒸煮及び含浸流体のHファクタは増加することを意味し、即ちこの蒸煮流体には、蒸煮温度においてチップの与えられる保持時間より長い保持(保留)時間が与えられることを意味している。原理的には、ヘミセルロースが繊維に沈殿(precipitate)し始める前に、長い時間が必要とされ、これは、しばしば、ヘミセルロースに富んだ蒸煮流体の保持時間を60分以上とするプロセスである。この技術により、関連型の木材による沈殿プロセスを活性化するのに十分な時間をもたない蒸煮システムに対して何か適当であるこの沈殿プロセスを始動できるように、システムにおける蒸煮流体の保持時間を簡単にのばすことができる。できるだけ多くのヘミセルロースが繊維に沈殿する時間をもつ機会が得られるようにされ、それにより繊維の生産を増加し、そしてある特定の場合には繊維の強さ特性を高める。
しかし、スウェーデン国特許第520956号に記載の方法は、全ての蒸煮システムにおいて即ち全ての形式の木材に対してパルプ繊維の強さ特性の予定した増加が得られない場合があることがわかった。保持時間をのばすことにより含浸液のHファクタを高めることによって、実際に、チップから溶解されるヘミセルロースの多くがパルプ繊維に再沈殿するが、ヘミセルロースの強さを高める特性が時間と共に減少する場合がある。この理由で、パルプ繊維のパルプ強さは幾つかの蒸煮プロセスにおいてほんの僅かに増加される。意外にも、大きな程度が望ましいのは、単に、最長連鎖をもつ溶解ヘミセルロースの部分を得ることだけであることが明らかとなり、これは最初に沈殿するヘミセルロースの部分である。ある特定の蒸煮システムにおける時間が長くなりすぎると、短い連鎖長さをもつヘミセルロースの部分も沈殿し、同時に既に再沈殿しているヘミセルロースの比較的長い連鎖が引裂かれる。
繊維へのヘミセルロースの沈殿の影響の別の例は欧州特許出願B1.115,943に示されている。この例では、ヘミセルロースにおいて富んでいる蒸煮流体は、蒸煮の早い段階で取出され、そして溶解したヘミセルロースの含有量の高いこの蒸煮流体は蒸煮の最終段階へ戻される。沈殿プロセスに対して活性化するのに十分な時間をかけるために蒸煮の最終段階において実質的な保持時間(60分以上)が必要とされる。この形式の蒸煮プロセスは、図1に“Xylan”で概略的に示され、図示したように、ヘミセルロースの含有量の高い蒸煮流体は早い段階(頂部から2番目のストレーナー部)で取出され、そして蒸煮流れ(頂部から4番目のストレーナー部)において蒸解がまに戻され、同時に排出蒸煮流体のある特定の量をそこから取出すことができる。ヘミセルロースの含有量の高いこの蒸煮流体はこのようにして、少なくとも60分の持続時間をもって蒸煮の最終段階中存在させるために蒸煮に再導入され得る。
本発明の第1の目的は、上記の欠点及び問題点を完全に又は部分的に解決し、液体の保持時間が長すぎる蒸解システムにおいて完全な蒸煮を通して蒸煮流体の保持時間を有効に減少できる発明を提供することにある。蒸煮流体はできるだけ長く蒸煮容器内にチップと共に存在すべきであるが、保持時間はできる限り短くされるべきである。
本発明の原理は、溶解したヘミセルロースのレベルが蒸煮中を通して蒸煮流体に維持され、ヘミセルロースが蒸煮において非常に早い段階で、通常蒸煮の最初の20〜30分以内に溶解される。ヘミセルロースを再沈殿するプロセスでは、生産性の向上において相当な効果をあげるために長い保持時間が必要であり、通常、少なくとも50〜70分の保持時間が必要とされる。
本発明の第2の目的は、パルプ繊維の引張り強さ、引裂強さ及び叩解性(beatability)に関して最適で改良されたパルプ品質をもつセルロースパルプをもたらす連続蒸煮方法及び装置を提供することにある。
パルプの収量及び強さは、繊維へのヘミセルロースの早期の沈殿を増やすことで高まるが、比較的長いヘミセルロース連鎖は比較的長い保持時間により溶解し、パルプの強さは弱まることが分かった。
本発明の第3の目的は、パルプ繊維に再沈殿させるのに十分な時間を掛けるのを保証ために、蒸煮において溶解ヘミセルロースを維持しかつ蒸煮の最後の15分までライトアップのままであるのを保証することにある。
本発明の第4の目的は、特に蒸煮流体のHファクタ、即ち蒸煮流体を蒸煮温度に保持する時間を低減することにある。このことは、分解するような十分な時間を掛けないように蒸煮においてチップから放出されるヘミセルロースの保持時間を有効に制御できることを意味し、即ち、ヘミセルロースの最初の形態及び構造が分解の結果として変化されないように制御された仕方でヘミセルロースは影響を受け、この形態においてパルプ繊維に沈殿され得る。
本発明の第5の目的は、完全な蒸煮を通して高い流体/木材比を維持することにある。これにより、蒸煮流体においてチップのキログラム当りアルカリの多量のキログラムを確立できることで、蒸煮中アルカリ濃度を一層一様にできるので、幾つかの利点が得られ、これによって、木材が脱リグニン化される際にアルカリが消費される蒸煮プロセス中にアルカリ濃度がそう大きく落ちないことを保証している。
本発明の第6の目的は、一日当り2000〜3000トンの範囲又はそれ以上のパルプの生産能力をもつ最新の連続蒸解がま装置を提供することにあり、これらの蒸解プラントは、6〜8mを容易に越える直径の複数の蒸解がまから成り、完全に新規な蒸解概念は、非常に多量の排出蒸煮流体を取出す蒸解がまの端部に極めて多くのストレーナー部を設けることにあり、即ち制御の観点から、かかる量の排出蒸煮流体を取出すようにされる。この蒸煮技術は、蒸煮における幾つかの取出し位置を幾つかの異なる目的のために利用する大規模蒸解プラントの従来の蒸煮技術と全体的に異なり、このようにして蒸煮において、蒸煮の最終段階の前に蒸煮流体に溶解されたヘミセルロースを失う。多数の取出しの一つの目的は、蒸煮中に溶解したDOM(ヘミセルロースを含有する)の低レベルを維持することにあるが、これは溶解したヘミセルロースの損失を避けることができない。別の目的は、これらの大きな蒸解がまにおいて蒸煮から蒸煮流体を取出す際に制限が見られ、従って幾つかの取出し位置を用いる必要があることにあり、これはまた蒸煮の最終段階の前に蒸煮から溶解したヘミセルロースを除去する。
本発明の第7の目的は、蒸煮中に最高アルカリ濃度、通常蒸煮の開始時に確立されたアルカリ濃度を低減できるようにし、同時に蒸煮の最終段階まで、完全な蒸煮中に比較的高くて一様なアルカリ濃度を維持することにある。蒸煮流体におけるアルカリが消費される時間は、チップが予定の保持時間をもつ条件のもとで、蒸煮における高い流体/木材比の確立及び蒸煮における蒸煮流体の保持時間の低減を通して低減される。例えば、蒸煮流体の保持時間を低減しながら、蒸煮の開始時に一つの同じアルカリ装填量を用いる場合には、取出した黒液における残留アルカリのレベルは、反応時間の低減の結果として高まる。これは、黒液において残留アルカリの同一レベルを維持する目的で、蒸煮の開始時にアルカリ装填量を低減することを通して利用され得る。高い流体/木材比及び蒸煮流体の保持時間の低減は共に、取出した黒液における残留アルカリの所与レベル及び完全な蒸煮中における有効アルカリ濃度をなお保証できる状態のもとで、蒸煮の開始時のアルカリ濃度を低減するように働く。これにより、蒸煮中の高すぎるアルカリ濃度がパルプの強さに悪影響し得ることが知られているので、良好なパルプ強さが得られる。
上記の目的は、特許請求の範囲の請求項1に記載の方法及び請求項7に記載の装置によって達成される。
提案した本発明は、化学セルロースパルプの連続蒸煮に関連して、引張り耐久性、引裂き強さ及び叩解性の高いセルロースパルプ繊維を提供することにある方法及び装置に関する。
強いパルプ繊維は、蒸煮の終了時に開始時と本質的に同じ蒸煮流体による完全な蒸煮を通して高い流体/材木比を維持することによって達成される。蒸解がまにおける蒸煮流体の保持時間はこのようにして低減され、そしてまた蒸煮流体のHファクタも低減される。溶解へミセルロースの総量はこのようにして低減され、ヘミセルロースはセルロースパルプ繊維に沈殿し、繊維に強さ増強特性を与える。しかし、ヘミセルロースの強さ増強特性は蒸煮の開始時に最高であり、時間の経過と共に低下するので、チップは、蒸煮流体の長い保持時間及び高いHファクタによる蒸煮プロセスで得られるものより高い引張り強さ、引裂き強さ及び叩解性を得る。しかし、へミセルロースからのできる限り多くの強さ増強特性が繊維に与えるのに十分な時間があるように、蒸煮を通じての完全な通過を通して蒸煮流体の主要部分を保持する必要がある。
本発明の別の特徴及び概要並びに本発明の利点は、特許請求の範囲及び以下の幾つかの実施形態の詳細な説明によって明らかとなる。
本発明の以下の説明では、概念“チップの懸濁液”を用いる。本明細書で用いた“チップの懸濁液”はチップ及び連続蒸煮プラントに連続して供給される流体から成る流れを表わす。チップの懸濁液における流体は主として、凝縮液、チップの水分、白液、洗浄液及び完全な蒸煮による黒液で構成される。用語“完全な蒸煮による黒液”は本明細書では、蒸煮の最後の15分間に蒸解がまから取出した排出蒸煮流体を表わすのに用い、排出蒸煮液には15g/l未満の残留アルカリレベルを含んでいる。用語“蒸煮の最後の15分”は、本明細書では、チップがなおチップのコンパクトなコラムの形態であり、そして最終取出しストレーナーに到達するチップのコラムと関連している時間に、全蒸煮温度での、蒸解がまにおけるチップの保持時間の最後の15分を表わすのに用いる。代表的には、この最終ストレーナー部におけるチップのコラムの保持時間は、そのストレーナー部のストレーナー全高に関連して30〜70分である。
チップのコラムは、このストレーナー部の下方の希釈御呼び洗浄領域に達し、この領域には色希釈流体が導入され、このストレーナー部分に向って上方へ引かれ、それにより冷却が行われる。
また概念“流体/木材比”も用いる。用語“流体/木材比”は、本明細書では、チップの懸濁液中に存在している木材と流体と比を表わすのに用いる。
さらに、概念“開始蒸煮流体”及び“最終蒸煮流体”も用いる。用語“開始蒸煮流体”は、本明細書では、蒸煮プラントにおける保持時間の開始時にある特定の流体/木材比を確立するチップの懸濁液中の流体の量を表わすのに用いる。この開始蒸煮流体は、凝縮液、生の白液、チップの水分、洗浄濾液及び排出黒液から成る一つ以上の流体で構成され、排出黒液は、蒸煮の総蒸煮時間の少なくとも75%の間存在している。用語“最終蒸煮流体”は、本明細書では、開始蒸煮流体の一部量である蒸煮流体の量を表わすのに用いられ、この開始蒸煮流体の一部量は、蒸煮の主要部分中に蒸煮に供給され、そして蒸煮におけるチップの保持時間の最後の15分間にまず取出され、最終蒸煮流体は3.5以上の流体/木材比を保証する。最終蒸煮流体の量は開始蒸煮流体の量未満であるか又は開始蒸煮流体の量に等しい。
さらに、用語“取出しストレーナー”及び“取出し部”を用いる。用語“取出しストレーナー”は、本明細書では、蒸煮に関連して流体の取出される領域を表わすのに用いられる。この領域はストレーナー板即ち取出しスリットを備えた板であっても、或いは本質的に平行なロッドを、間に取出しスリットを画定するある特定の間隔で配列して成るロッドストレーナーであってもよい。“取出し部”は、完全な取出し分に配列した複数の取出しストレーナーから成り得るか、或いはまた総取出し部の少なくとも50%をカバーする多数の取出しストレーナーで構成され得る。全取出し能力は、取出しストレーナー間にブラインド板を備えた“ジグザグ配置スクリーン(staggered screen)”のとして知られたチェスボードパターンに配列した複数の取出しストレーナーで構成され得、取出し分のほぼ50%は取出しスリットを備えた表面から成り、また50%はブラインド板から成っている。概念“取出し分”内には、ストレーナーの列の下側での対流によって位置され、しかもチップのコラム内にスリットが対向しない領域をもつ“濾液チャンネル”又は“ヘッダー”として知られるものが含まれ、その機能は、その上に位置するストレーナーの列からの取出し蒸煮流体を集め、そしてこれを蒸解がまから離すように導くことにある。従って、取出し部は、ストレーナー表面間にブラインド板を備えた又は備えない多数のストレーナーの列と、各ストレーナー列の下側に位置する濾液チャンネルとから成り得る。このように取出し部の幾つかの変形例が可能である。
図2には、本方法を用いる本発明による装置の第1の好ましい実施形態を示している。本装置は、連続蒸煮プラント100における化学セルロースパルプの連続蒸煮中に用いられる。図2に示す連続蒸煮プラント100は含浸が頂部で行われる蒸解がまを備えた単一容器システムを表わしている。しかし、蒸解がまの手前に別個の含浸容器を備えた二容器システム(図面には示していない)も可能である。
連続蒸煮プラント100は、連続蒸煮プラントの一端部に、好ましくは頂部101にチップの懸濁液を導入する入口102へチップの懸濁液を供給するライン105を備えている。連続蒸煮プラントは、また連続蒸煮プラントの他端部に、好ましくは底部に、ライン112へパルプの懸濁液の形態で蒸煮したチップを出力する出口103を備えている。
蒸煮の開始時に、即ち上方蒸煮プラントの上方部分104において、チップの懸濁液は開始蒸煮流体の量を備え、この開始蒸煮流体は、3.5 以上、一層好ましくは4.0 以上、最も好ましくは4.5 以上の流体/木材比を確立する。
“最終蒸煮流体”として知られた蒸煮の開始時の開始蒸煮流体の分量は、蒸煮の主要部分中に蒸煮に供給され、そして最終蒸煮流体が取出しに関連して3.0 以上、好ましくは3.5 以上、一層好ましくは4.0 以上、最も好ましくは4.5 以上の流体/木材比を保証する取出し部106を介してまず蒸煮の最後の15分の間に取出される。
取出しストレーナー106から取出された最終蒸煮流体は、排出黒液から成り、15g/l未満、好ましくは12g/l未満の残留アルカリのレベルを維持する。最終蒸煮流体の量は、開始蒸煮流体の量未満であり又は開始蒸煮流体の量に等しい。蒸煮の開始時と蒸煮の最後の15分との間の流体/木材比の差は低くでき0〜0.5単位の範囲内であるが、ある特定の場合に取出し110における取出し量が多い際には、流体/木材比の大きな差を確立できる。
従って開始蒸煮流体の分量は一つ又は幾つかの取出し部107を介して取出し、そして回収プロセス(REC)への一つ又は幾つかのライン110へ直接又は間接に送る。ライン110からのこの取出し流体の一部はライン111を介して蒸煮の開始領域へ送られ得る。
取出しストレーナー106からの排出黒液の70%以上、好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上は、ライン108を介して回収プロセス(REC)へ直接又は間接に送られる。回収プロセスに送られない残りの量はライン109を介して蒸煮がまの手前で又は蒸煮の開始時にチップの懸濁液に送られ得る。
蒸解がま101の直径は5m以上であるのが有利である。取出し部106の領域は、蒸解がま101の総取出し面積の70%以上、好ましくは80%以上である。取出し部106は、蒸解がまの底部からに高さhに位置され、hは蒸解がまの直径Dの二倍未満である。
平方メートルで測った取出し部面積の大きさは、一日当りのパルプのトンとして計算して蒸解がまによって蒸煮したパルプの現在の生産高に厳格に依存する。
従って、蒸解がまにおいて種々のプロセス位置に対する取出し部の必要な面積は、
取出し部の面積[m]=ファクタk×生産量[一日当りのパルプのトン]
による関係式として表わすことができる。
蒸煮の端部における総取出し部106は本発明によれば、0.06以上、好ましくは0.08以上のファクタkを備える。ファクタkは通常0.08〜0.12の範囲内である。
従って種々の生産レベルに対して以下の関係が得られる。
生産高 ファクタk=0.06の場合 ファクタk=0.08の場合 代表的な蒸解
(トン/日) 取出し部の面積[m] 取出し部の面積[m] がまの直径[m]
1000 60 80 6〜8
1500 90 120
2000 120 160 8〜10
2500 150 200
3000 180 240 10〜12
蒸解がまにおける蒸煮流体のHファクタは、蒸解がまにおける蒸煮流体の保持時間が減少されるので、蒸煮の端部における大きな取出し及び完全な蒸解がま101を通して大きな流体/木材比をもつことにより減少され、それにより蒸解がまの底部からのパルプの送出は本質的に同じコンシステンシーを維持し、そして取出し部106からの総取出し流は、ライン109を介して戻される量に相当する量だけ増加され、またバッチとして加えられた他の全ての量は、アルカリ濃度を調整するために、アルカリ装填量と白液との比の調整を除いて、本質的に等しく維持されることになる。
本発明による方法では、蒸煮流体からチップに沈殿されるヘミセルロースの総量は幾分低減される必要がある。しかし、溶解ヘミセルロースの長い連鎖は蒸煮の開始時に抑制し、そして分解される結果として時間の経過につれて減少するので、蒸煮したセルロースパルプは、蒸煮における蒸煮流体の長い保持時間及び高いHファクタをもつ蒸煮プロセスで達成されるものより高い引張り強さ、引裂き強さ及び叩解性をもつことになる。しかし、蒸煮流体の大部分は完全な蒸煮中存在する必要があり、ヘミセルロースからのできるだけ多くの強さ増強特性が繊維に与えられるように十分な時間が必要である。
これは、チップ及び蒸煮流体が蒸解がまにおける本質的に同じ保持時間及び本質的に同じHファクタをもつ1957年以来の技術(図1)と対照され得る。蒸解がまの頂部に添加されたものはまた底部で取出されるものであった。例えば、蒸解がまの頂部において2.5の流体/木材比が確立された場合には、取出した黒液及び出力パルプ(底部で添加した希釈流体を除く)の総量は本質的に同じ流体/木材比に相当した。
別の例1:戻り黒液によるHファクタの低減
他の流れ維持しながら、特定の分量によって取出し部106からの取出し量を増やし、そしてこの分量の排出黒液を蒸煮の開始部へ戻すことによって、蒸解がまを通る蒸煮流体の速度はこのようにして増加されるので、蒸煮流体のHファクタを調整することができる。蒸煮流体のHファクタを下げる方向の調整には、特に、取出し部106から取出される排出黒液の増加し、そして蒸煮の開始部に戻す必要があり、また逆に蒸煮流体のHファクタを上げる方向の調整には、特に、取出し部106から取出される排出黒液の減少し、そして蒸煮の開始部に戻す必要がある。
別の例2:洗浄濾液の量の増加によるHファクタの低減
他の流れ維持しながら、所与分量によって114を介して添加した洗浄濾液Wash Liq.の量を増やし、そして取出し部106から取出した量を相応した分量だけ増やすことによって、蒸解がまを通る蒸煮流体の速度はこのようにして増加されるので、蒸煮流体のHファクタを調整することができる。蒸煮流体のHファクタを下げる方向の調整には、特に、添加した洗浄濾液Wash Liq.の量を増やし、取出し部106から取出される排出黒液の相応した量が必要があり、また逆に蒸煮流体のHファクタを上げる方向の調整には、特に、添加した洗浄濾液Wash Liq.の量を減らし、取出し部106から取出される排出黒液を相応して減少する必要がある。
当然、これら二つの別の例を組合わせることができ、またこれらは最も容易に影響する調整パラメータである。チップに添加する凝縮液の量は、加熱のためにチップにどのくらい直接蒸気が加えられるかにこの量が直接依存するので、簡単な仕方では影響され得ない。
白液の量は、蒸煮におけるある特定のアルカリ濃度及び黒液における残留アルカリのある特定レベルの少なくとも一つを維持する主な目的で、調整され、そしてこの量は、流体の変化量に依存する二次的調整である。
図2には、オンラインセンサ113aを備えた又は他の適当なサンプリング手段を備えたブローライン112におけるパルプの性質を適当な仕方で検出する仕方を概略的に示している。パルプ強さの性質の検出は個々で行われ、或いは蒸煮した繊維における沈殿したヘミセルロースの一部又はこれらのファクタの両方が検出され得る。また、適当なオンラインセンサ113aを用いて又は相応したサンプリング手段を用いて取出し流108におけるヘミセルロースの一部を検出することができる。
少なくとも一つのセンサ又はサンプリング手段113a/113bの検出結果は、例えば、調整された分量を増減するために、弁114aを介して取出し流を調整するのに制御ユニット115で用いられる。戻し黒液の分量の相応した増減は弁114bの調整によって同時に行われ、又は添加した洗浄濾液の分量の相応した増減は弁114cの調整によって同時に行われ、或いはこれらの両方が行われ得る。
実施例
一日当り2000トンのパルプを生産し、パルプのトン当たり8mの黒液を取出し部106から回収するため取出すようにした連続蒸煮プラントに適用した場合に、取出し量をパルプのトン当たり10mの黒液に増やし、そして蒸煮の開始部に2mを戻す場合には蒸煮流体の保持時間を33%減らすことができ、それにより、希釈ファクタを2.0に一定に維持する。希釈ファクタは、総量で8m回収するために取出されることを意味し、即ち6mは蒸煮領域から取出され、2mは希釈流体から取出され、一方、総量で10m回収するために取出される場合には、8mは蒸煮領域から取出され、2mは希釈流体から取出される。
これは、蒸煮流体のHファクタが取出し量の相対的に限定した調整で実質的に影響されることを示している。保持時間が33%減らされると、Hファクタは相応した程度に影響される。
使用する木材の種類、落葉材木/ユーカリ樹(硬材)、針葉樹材木(軟材)など、及び使用する蒸煮プロセスに依存して、蒸煮流体の保持時間は、ヘミセルロースの沈殿が最適化されるようにして調整され、それで、主として溶解ヘミセルロースの長い連鎖が繊維に沈殿され、そして蒸煮中に分解するのに十分な時間がない。例えば、パルプの強さが所与値に達することを蒸煮したパルプのサンプリングが示す場合には、保持時間に影響する被調整量は増加でき、それにより蒸煮流体の保持時間は減少する。その結果パルプの強さが高まることを示すことができる場合には、パルプ強さの向上が明白であるか或いは長い連鎖構造をもつ繊維に沈殿したヘミセルロースの部分が増加するか、或いはそれらの両方である限り、被調整量を段階的に連続して増加することができる。
本発明は、図示実施形態に限定されず、特許請求の範囲内で種々の変更が可能である。
当然、チップの含浸及びある特定の場合にはチップの蒸気処理を第1の容器で行い、そして第1の容器における含浸及び第2の容器における蒸煮中にチップを入れた第1の容器にバッチとして蒸煮/含浸流体を添加する二容器蒸解がまシステムで本発明を実施することができる。取出し107−110に相当する取出しは代わりに、かかる二容器システムにおいて第2の容器の頂部の頂部セパレーターから得られる取出し流から行うことができる。上方の第1のストレーナーはかかる二容器システムにおいて含浸容器の頂部に配置することができ、かかるストレーナーは主に、チップの含浸プロセスの開始のずっと前に、含浸容器から黒液の少量及び凝縮液を取出し、このため、かかる取出しストレーナーの表面は含浸容器又は蒸解がま或いは両方における他のストレーナーの総面積に対して取出しストレーナーのサイズに関する割合計算から除外される。
1957年から現在までの連続蒸煮の発展段階を示す。 本発明による好ましい実施形態を示す。

Claims (13)

  1. 蒸解がまシステム(100)において紙パルプを生産するために木材チップを連続して蒸煮する方法であって、蒸解がまシステム(100)が少なくとも一つの蒸解がま(101)を備え、蒸解がまの頂部にチップを連続して供給し、蒸解がまの底部から、所与パルプコンシステンシーで、蒸煮したパルプを連続して送出し、蒸煮の開始時のチップの懸濁液が、凝縮液、新鮮な蒸煮流体、チップの水分、洗浄濾液及び排出された黒液の複数の液体で構成される多量の開始蒸煮流体を備え、排出された黒液が、蒸解がまにおける蒸煮の維持時間の少なくとも75%の間存在し、開始蒸煮流体が3.5以上の流体/木材比を確立する量である方法において、
    最終蒸煮流体が開始蒸煮流体の量の一部であり、最終蒸煮流体が蒸煮の主要部分中に蒸煮に供給され、そして蒸煮の最後の15分間だけ排出され、最終蒸煮流体が3.5以上の流体/木材比を確立し、
    蒸煮の最後の15分間に排出された最終蒸煮流体が、排出された黒液から成り、15g/l未満の残留アルカリ濃度を維持し、
    最終蒸煮流体の量が開始蒸煮流体の量以下かその量に等しく、
    出力パルプのパルプコンシステンシーの維持で、蒸煮流体中に存在し、入力チップから溶解したヘミセルロースのHファクタが低減されることになる際には開始蒸煮流体の量が増加し、逆に蒸煮流体中に存在し、入力チップから溶解したヘミセルロースのHファクタが増加されることになる際には開始蒸煮流体の量が減少するようにして、開始蒸煮流体の量が、蒸煮流体中に存在し、入力チップから溶解したヘミセルロースのHファクタを調整することで影響され、開始蒸煮流体の量が、主として洗浄ろ過液か又は排出黒液の量で影響され、該排出黒液が総蒸煮持続時間の少なくとも75%の間存在している
    ことを特徴とする木材チップの連続蒸煮方法。
  2. 開始蒸煮流体が、蒸煮の開始時に、4.0以上の流体/木材比を確立し、また最終蒸煮流体が蒸煮の最後の15分間に4.0以上の流体/木材比を保証することを特徴とする請求項1に記載の木材チップの連続蒸煮方法。
  3. 開始蒸煮流体が、蒸煮の開始時に、4.5以上の流体/木材比を確立し、また最終蒸煮流体が蒸煮の最後の15分間に4.5以上の流体/木材比を保証することを特徴とする請求項1に記載の木材チップの連続蒸煮方法。
  4. 蒸煮の初めから終わりまで、蒸解がまに開始蒸煮流体の量の少なくとも75%が存在していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の木材チップの連続蒸煮方法。
  5. 最終蒸煮流体の排出前に位置した蒸煮領域が、蒸解がまにおいて蒸煮流体とチップの両方を下方へ動かす同時作用蒸煮領域であることを特徴とする請求項4に記載の木材チップの連続蒸煮方法。
  6. 蒸解がまにおける完全な蒸煮領域が、蒸解がまにおいて蒸煮流体とチップの両方を下方へ動かす同時作用蒸煮として行うことを特徴とする請求項4に記載の木材チップの連続蒸煮方法。
  7. 蒸煮流体に溶解したヘミセルロースのHファクタを調整するために連続蒸解がまシステム(100)において化学セルロースパルプを連続蒸煮する装置であって、連続蒸解がまシステム(100)が、チップ懸濁液を連続して供給する少なくとも一つの入口(102)と、パルプの蒸煮した懸濁液を連続して送出する出口(103)とを有し、チップの懸濁液がライン(105)を介して入口に供給され、チップの懸濁液が、蒸解がまシステムの上方部分(104)に、3.5以上の流体/木材比を確立する開始蒸煮流体量を備え、開始蒸煮流体が、流体凝縮液、生蒸煮流体、チップ水分、洗浄濾液及び排出黒液の幾つかで構成され、排出黒液が、総蒸煮持続時間の少なくとも75%の間存在していてる化学セルロースパルプの連続蒸煮装置において、
    最終蒸煮流体の量が開始蒸煮流体の量の一部であり、最終蒸煮流体が蒸煮の主要部分に対して蒸煮において与えられ、そして蒸解がまの底部フランジの下方の取出し部の上方縁部から2×D未満の高さ(h)に設けられる取出し部(106)を介して取出され、
    最終蒸煮流体が、取出し位置において少なくとも3.5の流体/木材比を構成し、
    取出し部(106)の面積が、蒸煮セルロースパルプの生産量の関数として、
    取出し部面積[m]=k×生産量[一日当りのパルプのトン]、ファクタk>0.06で表され、
    取出し部(106)の面積が、蒸解がまの取出し部の総面積の70%以上を構成し、また
    蒸解がまの直径が5m以上である
    ことを特徴とする化学セルロースパルプの連続蒸煮装置。
  8. 取出し部(106)からの取出し量の80%以上が回収プロセス(REC)へのライン(108)へ送られることを特徴とする請求項7に記載の装置。
  9. 取出し部(106)からの取出し量の90%以上が回収プロセス(REC)へのライン(108)へ送られることを特徴とする請求項7に記載の装置。
  10. 取出し部(106)からの取出し量の95%以上が回収プロセス(REC)へのライン(108)へ送られることを特徴とする請求項7に記載の装置。
  11. ライン(108)における取出し量の一部が戻りライン(109)を介してライン(105)における開始蒸煮流体に送られることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の装置。
  12. ファクタkが0.08〜0.12の範囲内にあることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の装置。
  13. 取出し位置における開始蒸煮流体及び最終蒸煮流体の流体/木材比が4.0以上であることを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載の装置。
JP2008542280A 2005-11-29 2006-11-24 連続蒸煮方法及び装置 Expired - Fee Related JP5049980B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
SE0502626-5 2005-11-29
SE0502626A SE0502626L (sv) 2005-11-29 2005-11-29 Förfarande och anordning vid kontinuerlig kokning av kemisk cellulosamassa
PCT/SE2006/050507 WO2007064293A1 (en) 2005-11-29 2006-11-24 Method and device for the continuous cooking of pulp

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009517553A JP2009517553A (ja) 2009-04-30
JP5049980B2 true JP5049980B2 (ja) 2012-10-17

Family

ID=38091651

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008542280A Expired - Fee Related JP5049980B2 (ja) 2005-11-29 2006-11-24 連続蒸煮方法及び装置

Country Status (6)

Country Link
US (3) US7686919B2 (ja)
EP (1) EP1957708B1 (ja)
JP (1) JP5049980B2 (ja)
BR (1) BRPI0609343A2 (ja)
SE (1) SE0502626L (ja)
WO (1) WO2007064293A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE0502626L (sv) * 2005-11-29 2007-05-29 Metso Fiber Karlstad Ab Förfarande och anordning vid kontinuerlig kokning av kemisk cellulosamassa
SE533670C2 (sv) * 2009-04-01 2010-11-30 Metso Fiber Karlstad Ab System och metod för reglering av en kontinuerlig ångfaskokare
JP5903997B2 (ja) * 2012-04-17 2016-04-13 王子ホールディングス株式会社 バイオマスからの糖類及びフルフラール類の連続製造方法
JP5861413B2 (ja) * 2011-11-30 2016-02-16 王子ホールディングス株式会社 バイオマスからのフルフラールの連続製造方法
JP5842757B2 (ja) * 2012-07-26 2016-01-13 王子ホールディングス株式会社 バイオマスからのフルフラール類の製造方法
US9708356B2 (en) 2011-11-30 2017-07-18 Oji Holdings Corporation Method for manufacturing monosaccharides, oligosaccharides, and furfurals from biomass
JP5846008B2 (ja) * 2012-03-30 2016-01-20 王子ホールディングス株式会社 バイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の製造方法

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE1034968B (de) * 1956-01-11 1958-07-24 Hans Werner Meyer Kontinuierliches Verfahren zum chemischen Aufschluss von zellulosehaltigen Faserstoffen zu Zellstoff oder Halbzellstoff und Vorrichtung zu dessen Durchfuehrung
US3354029A (en) * 1963-05-02 1967-11-21 Stiftelsen Svensk Cellulosafor Method of alkaline digestion of cellulosic materials
US3475271A (en) * 1966-02-07 1969-10-28 Kamyr Ab Cellulose digester with washing apparatus
FR1510761A (fr) * 1966-03-03 1968-01-19 Mo Och Domsjoe Ab Procédé pour l'accroissement du rendement de la préparation de pâtes à papier par voie alcaline
US5885414A (en) * 1997-08-18 1999-03-23 Kvaerner Pulping Ab Method of producing pulp with high alkali cooking in the last cooking stage
US6241851B1 (en) 1998-03-03 2001-06-05 Andritz-Ahlstrom Inc. Treatment of cellulose material with additives while producing cellulose pulp
US6569851B1 (en) 1998-06-22 2003-05-27 Elan Pharmaceutials, Inc. Cycloalkyl, lactam, lactone and related compounds, pharmaceutical compositions comprising same, and methods for inhibiting β-amyloid peptide release and/or its synthesis by use of such compounds
US6468390B1 (en) 1998-08-24 2002-10-22 Kvaerner Pulping Ab Method for continuous cooking of lignocellulosic fiber material
JP4922485B2 (ja) * 1998-08-24 2012-04-25 メトソ ペイパー スウエーデン アクチボラグ リグノセルロース繊維材料の連続蒸煮方法
SE518542C2 (sv) * 2001-03-21 2002-10-22 Kvaerner Pulping Tech Kontinuerlig kokare förfarande för drift av kontinuerlig kokare och återföringssystem för kokvätska i en kontinuerlig kokare
SE520956C2 (sv) * 2001-12-05 2003-09-16 Kvaerner Pulping Tech Kontinuerlig kokning med extra uppehållstid för avdragen vätska utanför kokaren
JP2004300603A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Daio Paper Corp コンベンショナル連続蒸解釜によるパルプ連続製造方法
JP2005133219A (ja) * 2003-10-28 2005-05-26 Daio Paper Corp 2ベッセル液相気相連続蒸解釜によるパルプ連続製造方法
SE527058C2 (sv) * 2004-02-09 2005-12-13 Kvaerner Pulping Tech Kontinuerlig kokprocess med förbättrad värmeekonomi
SE0502626L (sv) * 2005-11-29 2007-05-29 Metso Fiber Karlstad Ab Förfarande och anordning vid kontinuerlig kokning av kemisk cellulosamassa

Also Published As

Publication number Publication date
US7837834B2 (en) 2010-11-23
SE529206C2 (sv) 2007-05-29
EP1957708A1 (en) 2008-08-20
US20090288793A1 (en) 2009-11-26
US20080202712A1 (en) 2008-08-28
EP1957708A4 (en) 2013-01-23
US7871491B2 (en) 2011-01-18
WO2007064293A1 (en) 2007-06-07
EP1957708B1 (en) 2013-08-14
BRPI0609343A2 (pt) 2010-03-30
US20100132897A1 (en) 2010-06-03
US7686919B2 (en) 2010-03-30
SE0502626L (sv) 2007-05-29
JP2009517553A (ja) 2009-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5049980B2 (ja) 連続蒸煮方法及び装置
US3097987A (en) Continuous pulping process
RU2089694C1 (ru) Способ непрерывной сульфатной варки измельченного целлюлозного волокнистого материала и устройство для его осуществления
BR112012012516B1 (pt) Método para cozinhar cavacos finos em um reator digestor contínuo e aparelho para polpação dos cavacos de madeira finos
RU2386737C2 (ru) Способ уменьшения накипи в системах варочных котлов
EP2707539A1 (en) Compact process for producing prehydrolyzed pulp
JP7292296B2 (ja) 溶解パルプの製造方法
EP1115943B1 (en) Method for precipitating hemicellulose onto fibres for improved yield and beatability
US6203662B1 (en) Method for the continuous cooking of pulp in a digester system having a top separator
JP2667058B2 (ja) パルプの製造方法
US8273212B2 (en) Method for kraft pulp production where hemicelluloses are returned
EP1470287B1 (en) Cooking of cellulose pulp in a cooking liquor containing pre-evaporated black liquor
EP0471154B1 (en) Sulfite modified continuous digesting
US20040089430A1 (en) Method for alkaline cooking of fiber material
WO2019039982A1 (en) IMPROVED COMPACT PROCESS FOR THE PRODUCTION OF A PREHYDROLYZED PASTE
US20170022664A1 (en) Method of digesting cellulose fibrous material in a continuous digester

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090819

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20110831

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111012

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120112

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120123

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120213

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120220

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120312

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120319

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120627

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120723

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150727

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees