JP5049062B2 - 電子写真感光体、電子写真方法、電子写真装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、電子写真方法、電子写真装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、高耐久性を有し、かつ高画質化を実現した電子写真感光体に関する。また、該感光体を使用した電子写真方法、電子写真装置及び電子写真装置用プロセスカートリッジに関する。
近年の電子写真方式を用いた画像形成装置の発展は目覚ましいものがある。特に、情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行うレーザープリンターやデジタル複写機は、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。更に、それらは高速化技術との融合によりフルカラー印刷が可能なレーザープリンター或いはデジタル複写機へと応用されてきている。そのような背景から、要求される感光体の機能として、高画質化と高耐久化の両立が特に望まれる。
これらの電子写真方式のレーザープリンターやデジタル複写機等に使用される感光体としては、有機系の感光材料を用いたものが、コスト、生産性及び無公害性等の理由から広く応用されている。
しかし、前記した有機系の感光体(OPC)は、繰り返し使用によって膜削れが発生し易いという耐摩耗性の課題があった。膜削れが発生すると、感光層の膜削れが進むと、感光体の帯電電位の低下や光感度の劣化、感光体表面のキズなどによる地汚れ、画像濃度低下或いは画質劣化が促進される傾向が強い。更に近年、電子写真装置の高速化或いは装置の小型化に伴う感光体の小径化により、これらが発生しやすい傾向が増加する傾向にある。
一方、近年、市場の高画質化要求に伴い、小径で球形のトナーが注目されている。しかしながら、このような小径で且つ球形のトナーは、感光体上での転性(転がりやすい性質)が大きいため、クリーニング不良などを引き起こし易く、トナーフィルミングや融着などによる画像劣化も重要な課題となっている。
このような課題を解決するため、例えば特許文献1〜2等に開示されているように、潤滑剤としてフッ素樹脂微粒子を感光体の表面層に含有させ、感光体表面摩擦係数を低減化することによる表面離型効果を狙った発明は、使用初期において効果的である。しかしながら、これら文献に記載の発明では、クリーニングシステムやトナーなどの条件設定が必要であり、また感光体長寿命化に伴い、繰返使用により表面離型効果が消失するなどの経時変化を伴うため、その効果の維持が不十分であった。
また、特許文献3には、感光層の表面層に潤滑剤としてポリテトラフルオロエチレン粉体を含有し、かつ、特定構造式の電荷輸送物質を含有することによって摺擦による表面の摩耗やひっかき傷の発生等に対しての耐久性を有することが開示されている。そしてこの公報には、さらに、画像ボケのない高品位の画像が得られる高耐久性を有する電子写真感光体を提供でき、クリ−ニング性が良好で感光体表面層へのトナ−付着のない高耐久性を有する電子写真感光体を提供できる旨、開示されている。
しかし、この公報にあるように、フッ素樹脂微粒子を大量添加し、かつ、この文献に示された化合物を用いても、未だ十分な効果が得られていないと言える。またこの文献に示された化合物自体の酸化還元電位も低いので変質等したりして電荷トラップを形成し易く、このため、残留電位の上昇を引き起こし易いなどの問題点がある。
また本願発明者らによる特許文献4などの発明も知られている。
特開平5−45920号公報 特開2000−19918号公報 特開平8−160648号公報 特開2005−181396号公報
本発明の目的は、高耐久性を有し、かつ残留電位上昇或いは帯電低下による残像などの画像劣化を抑制し、長期間の繰り返し使用においても高画質画像が安定に得られる感光体を提供することにある。また、このような感光体を用いることにより、感光体の長期間にわたる交換が不要で、かつ高速印刷或いは感光体の小径化に伴い装置の小型化を実現し、更に繰り返し使用においても高画質画像が安定に得られる電子写真方法、電子写真装置、並びに電子写真用プロセスカートリッジを提供することにある。
上記課題は、次の1)〜11)の発明によって解決される。
1) フッ素樹脂微粒子を含有する保護層を最表面層に形成した電子写真感光体において、前記保護層は体積分率で20〜60%のフッ素樹脂微粒子と、下記一般式(A)で表される化合物とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
[前記一般式(A)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、同一でも異なっていてもよい。但し、R1〜R4のいずれか1つは下記一般式(Y)
で示す基である。n1〜n4はそれぞれ独立に、0または1の整数を表す。m1〜m4はそれぞれ独立に、0〜3の整数を表す(ただし2または3の場合、2または3あるその基は、同一でも、異なっていてもよい。)。但し、m1〜m4は同時に0となることはない。Ar1〜Ar10は置換もしくは無置換の芳香環基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、互いに隣り合うAr1と〜Ar10はそれぞれ共同で環を形成してもよい。a〜bはそれぞれ独立に、0または1の整数を表す(前記一般式(Y)中、R5、R6は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環基であるか、またはR5とR6とで互いに結合し窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基である。)。]
2) フッ素樹脂微粒子を含有する保護層を最表面層に形成した電子写真感光体において、
前記保護層は体積分率で20%以上60%以下のフッ素樹脂微粒子と、下記一般式(B)で表される化合物とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
[前記一般式(B)中、R1〜R4は、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、同一でも異なっていてもよい。但し、R1〜R4のいずれか1つは下記一般式(Y)
で示す基である。n1〜n4はそれぞれ独立に、0または1の整数を表す。m1〜m4はそれぞれ独立に、0〜3の整数を表す(ただし2または3の場合、複数存在するその基は、同一でも、異なっていてもよい。)。但し、m1〜m4は同時に0となることはない。Ar1〜Ar10は置換もしくは無置換の芳香環基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、互いに隣り合うAr1と〜Ar10はそれぞれ共同で環を形成してもよい。a〜bはそれぞれ独立に、0または1の整数を表す(前記一般式(Y)中、R5、R6は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環基であるか、またはR5とR6とで互いに結合し窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基である。)。]
3) 前記1)〜2)の何れかに記載の電子写真感光体を用い、該電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行うことを特徴とする電子写真方法。
4) 前記電子写真方法は、前記工程にさらに清掃工程を加えた工程を繰り返し行う電子写真方法であり、前記帯電工程、前記画像露光工程、現像工程、転写工程および清掃工程の少なくとも1つの工程の際に前記感光体に部材を当接させて前記感光体表面を摺擦してフッ素樹脂粒子を当該表面に付着させることを特徴とする3)に記載の電子写真方法。
5) 前記画像露光の際にLD或いはLEDによって感光体上に静電潜像を形成することを特徴とする前記3)または4)に記載のデジタル方式の電子写真方法。
6) 前記現像における画像形成に使用されるトナーが略球状のトナーであることを特徴とする3)〜5)の何れかに記載の電子写真方法。
7) 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および前記1)または2)に記載の電子写真感光体を具備することを特徴とする電子写真装置。
8) 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および前記1)または2)の何れかに記載の電子写真感光体を具備し、画像露光手段としてLD或いはLEDを使用することにより感光体上に静電潜像の書き込みが行われることを特徴とするデジタル方式の電子写真装置。
9) 電子写真感光体、帯電手段、現像手段の複数組と、転写手段とを有するタンデム型であることを特徴とする7)又は8)記載の電子写真装置。
10) 電子写真感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写したのち、前記中間転写体上の前記トナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有し、複数色のトナー画像を前記中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、前記カラー画像を前記記録材上に一括して二次転写することを特徴とする7)又は8)記載の電子写真装置。
11) 帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段、転写手段の少なくとも一つの手段と前記1)または2)に記載の電子写真感光体とを具備する電子写真装置用プロセスカートリッジ。
本発明によれば、高耐久性を有し、かつ残留電位上昇或いは帯電低下による残像などの画像劣化を抑制し、長期間の繰り返し使用に対しても高画質画像が安定に得られる感光体を提供できる。また、これら高画質画像の安定した感光体を用いることにより、感光体の交換が不要で、かつ高速印刷或いは感光体の小径化に伴う装置の小型化を実現し、更に繰り返し使用においても高画質画像が安定に得られる電子写真方法、電子写真装置、並びに電子写真用プロセスカートリッジを提供することができる。
以下、本発明の感光体等の発明を実施の形態により、詳しく説明する。
電子写真感光体の高耐久化及び低表面摩擦係数を実現するために、感光体の最表面層にフッ素樹脂微粒子を含有させることが有効であることは知られている。
本発明では、低表面摩擦係数の持続性を維持するために、感光体の最表面層に、体積分率で20%以上のフッ素樹脂微粒子が必要である。しかしながらこのような構成の層を形成しようとすると、前記したフッ素樹脂微粒子の粒子間における相互作用が大きくなって、分散液中でのフッ素樹脂微粒子の微細分散化が困難となり、得られる塗膜中の二次凝集粒子(二次粒子:凝集体)が増加してしまう。
このような二次粒子の中で特に巨大な二次粒子が塗膜中に存在すると、塗膜表面が凹凸となったり、剥離し易くなるなど、表面が荒れてクリーニング不良やトナー画像の乱れを引き起こす原因となる。また、走査光であるレーザー光がこの凝集体上で散乱され、露光潜像の乱れあるいは電位コントラスト不足を引き起こし、また、異常画像発生の原因となる。
一方、フッ素樹脂微粒子を一次粒子にまで均一に分散されると、上記のような不具合は解消されるが、フッ素樹脂微粒子が塗膜表面に露出している部分が小さくなり、あるいは少なくなる。その結果、トナーとフッ素樹脂微粒子との接触面積が減少し、感光体の低表面係数化による低摩擦効果が不十分となってしまう。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、トナーのクリーニング性を考慮すると、フッ素微粒子がある範囲に局在化して存在し、且つ塗膜表面にある程度の面積を有して被覆している必要があることを見出した。即ち、フッ素樹脂微粒子が感光体表面を面積比で10〜60%の範囲で被覆している状態が最も好ましいことを見出した。しかしながら、このような高濃度でフッ素樹脂微粒子を含有すると、二次粒子化され、二次粒子を含有する構成の感光体では、使用条件により帯電性が低下してメモリー効果(すなわち残像)等の問題を引き起こす可能性があること、また、オゾンやNOxなどの酸化性ガスが吸着し易く、場合によっては、最表面の電気的な低抵抗化を招いて、画像流れ等の問題を引き起こす可能性のあることが判った。
そこで、更に検討を進めた結果、表面層に前記したフッ素樹脂微粒子と共に前記一般式(A)〜(B)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種を含有させると、メモリー効果及び酸化性ガスに対する課題を一挙に解決できることを見出した。その理由については現時点では明らかになっていないが、前記一般式(A)〜(B)の化合物の含有により、不均一な粒子構造内部に蓄積され易いラジカル物質の効果的な生成の抑制が行われているものと推測される。一方、酸化性ガスの吸着の問題に対しても、これら前記前記一般式(A)〜(B)の化合物の含有により、構造内に含まれる置換アミノ基が有効なラジカル物質の生成抑制を行っているものと推測される。また、上記化合物は電荷輸送能力も有していることから、フッ素樹脂粒子による二次凝集粒子内部での電荷トラップを抑制しているのではないかと考えられる。
本発明でフッ素樹脂微粒子と共に好ましく使用される一般式(A)〜(B)は
上記式(A)〜(B)中、R1〜R4は、同一でも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族基または、下記一般式(Y)
を表す。n〜nは0または1の整数を表し、m1〜m4は0〜3の整数を表し(ただしm1〜m4が2または3のとき、2または3存在するその基は、同一でも、異なっていてもよい。)、a〜bは0または1の整数を表す。但し、m1〜m4は同時に0となることはない。Ar1〜Ar10は置換もしくは無置換の芳香族基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、互いに隣り合うAr1〜Ar10はそれぞれ共同で環を形成してもよい。また前記Y基中、R5、R6は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の芳香族基を表し、同一でも異なっていてもよく、またR5とR6は互いに結合し窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。
より具体的にはR1〜R4の置換又は無置換の炭素数1〜50のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基(i−プロピル基、n−プロピル基など)、ブチル基(i−ブチル基、t−ブチル基、n−ブチル基など)、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基およびウンデシル基などの炭素数1〜50(たとえば1〜20、たとえば1〜4)までのアルキル基を挙げることができる。これらのアルキル基は分岐していてもよい。
また置換もしくは無置換の芳香族基としてはフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、テトラフェニル基、ナフタレン基、アントラセン基、及びピレン基などの芳香族炭化水素基、並びにピリジン、キノリン、チオフェン、フラン、オキサゾール、オキサジアゾール、カルバゾールなどの芳香族複素環からなる1価〜6価の芳香族複素環基が挙げられる。
これらのR1〜R4の置換又は無置換の炭素数1〜50のアルキル基および置換もしくは無置換の芳香族基が置換基を有する場合、その置換基としては、前記したアルキル基(たとえば炭素数1〜4)のほか、アルコキシ基、ハロゲン原子及び芳香族基などが挙げられる。
アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられ、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、また芳香族基としては前記した芳香族基(好ましくは1価の芳香族基)が挙げられる。
またR1〜R4が前記した前記一般式(Y)で表される基である場合、一般式(Y)中のR5、R6の、置換もしくは無置換のアルキル基および置換もしくは無置換の芳香族基は、前記したR1〜R4の基で挙げた置換もしくは無置換のアルキル基および置換もしくは無置換の芳香族基の場合と同様であり、置換基を有する場合の置換基も前記同様である。なおR1〜R4のいずれか1つは前記一般式(Y)で表される基である。
更に、R5〜R6の2つの基が互いに結合して窒素原子を含む複素環基を形成した場合、その具体例として、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピロリニル基等が挙げられる。その他の窒素原子を含む複素環基としては、N−メチルカルバゾール、N−エチルカルバゾール、N−フェニルカルバゾール、インドール、キノリンなどが挙げられる。
また前記一般式(A)〜(B)中、n1〜n4はそれぞれ独立に、0または1の整数を表し、m1〜m4はそれぞれ独立に、0〜3の整数を表す。ただし前記m1〜m4が2または3の複数の場合、2または3あるその基は、同一でも、異なっていてもよい。また、m1〜m4は同時に0となることはない。
またAr1〜Ar10としては前記した置換又は無置換の芳香族基が挙げられる。但し、本発明は、これらの化合物に限定されるものではない。
これら前記一般式(A)または(B)で表される化合物の添加量は、結着樹脂に対して0.01〜150重量%が好ましい。少なすぎると酸化性ガスに対する耐性が不足し、多すぎると膜強度が低下し耐摩耗性が劣化する。
このような前記一般式(A)または(B)で表される化合物の具体例を以下に示す。
表1から表5におけるの化合物No.1−1〜1−12は前記一般式(A)に属する化合物の例を示し、表6から表10における化合物No.2−1〜2−12までが前記一般式(B)に属する化合物の例を示す。
たとえば一般式(A)に属する化合物である化合物No.1−1は、一般式(A)において、aおよびbが0であり、Ar1〜Ar4およびAr7〜Ar8はフェニレン基(p−フェニレン基)であり、Ar5〜Ar6はフェニル基であり、n1〜n2は1であり、R1〜R2がY基であり、m1〜m2は1であり、R5およびR6がエチル基の場合を示す。また化合物No.1−2は、R5およびR6がベンジル基である点が化合物No.1−1と異なる。また化合物No.1−3は、Ar7〜Ar8はフェニレン基(m−フェニレン基)である。また化合物No.1−4はY基のR5およびR6が互いに結合して窒素原子を含む複素環基(ピペリジニル基)を形成した点が化合物No.1−1と異なる。また化合物No.1−5はY基のR5がエチル基でありR6がベンジル基である点が化合物No.1−1と異なる。また化合物No.1−6はm2は0であり、R5およびR6がベンジル基である点が化合物No.1−1と異なる。また化合物No.1−7はaおよびbが1である化合物例であり、また、n3〜n4は1であり、m3〜m4は0であり、R3およびR4がフェニル基であり、Y基のR5およびR6がベンジル基である点が化合物No.1−1と異なる。また化合物No.1−8はAr1〜Ar2の芳香族基に置換基を有する場合を示す化合物例であり、この化合物ではaが1でbが0であり、R1〜R3がY基であり、R5およびR6はプロピル基である。また化合物No.1−9も1−8と同様にAr1〜Ar2の芳香族基に置換基を有する場合でaとbが1である化合物例であり、n1〜n4、Ar3〜Ar10またR1〜R4は、それぞれ1、フェニレン基(p−フェニレン基)および同一のY基(R5はメチル基、R6はベンジル基)である、同一のものを示す例である。また化合物No.1−10は化合物No.1−1と同様にaおよびbが0である化合物例であり、基Ar5〜Ar6に置換基を複数(ここでは2)有する例を示す。またこの化合物はAr7〜Ar8にも置換基を有する例でもある(n1〜n2も0)。また化合物No.1−11はaおよびbが0であり、n1〜n2も0である化合物例であり、R1〜R2はY基であり、R5はエチル基、R6はベンジル基である。また化合物No.1−12もaおよびbが0であり、n1〜n2も0である化合物例であり、この化合物はY基が複数(ここでは2)の場合の例示化合物であり、R5およびR6はエチル基である。
また化合物No.2−1〜2−12は一般式(B)に属する化合物であり、この化合物の一般式(B)におけるR1〜R6、a〜b、n1〜n4、m1〜m4およびAr1〜Ar10も、前記した化合物No.1−1〜1−12の一般式(A)におけるそれぞれ(すなわち化合物No.1−1の一般式(A)におけるaは、化合物No.2−1の一般式(B)におけるaと対応している。他の組み合わせも同様。)に対応しているので、これらの説明は省略する。
<感光体の層構成>
まず、本発明の電子写真感光体の層構成例について、図面を参照しつつ説明する。
本発明の電子写真感光体は、その最表面層(最外層)が、フッ素樹脂粒子を特定の量で含有されると共に、前記一般式(A)または(B)で表される化合物の少なくとも1つを含有している。
図1に示す例では、いわゆる単層型の感光層からなる感光体の層構成例を示す。図1に示す例では電子写真感光体は、導電性支持体31上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層33と、保護層39とが、この順に積層された構成である例を示す。保護層39はフッ素樹脂微粒子を含有する層である。
また図2に示す電子写真感光体は、導電性支持体31上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層35と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層37と、保護層39とがこの順に積層された構成を有する例を示す。保護層39は前記同様のフッ素樹脂微粒子を含有する層である。
また図3に示す電子写真感光体は、導電性支持体31上に、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層37と、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層35と、保護層39とがこの順に積層された構成を有する例を示す。前記同様、保護層39はフッ素樹脂微粒子を含有する層である。なお図2及び図3に示す例では、いわゆる積層型の感光層を有する電子写真感光体の層構成例である。
<導電性支持体>
このような本発明の感光体に用いられる導電性支持体31としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示す以下のものを使用することができる。例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングによりフィルム状若しくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したものが挙げられる。或いは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板、及びそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化した後、切削、超仕上げ、研摩等の表面処理を施した管なども挙げられる。これらのものを導電性支持体31として使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体31として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明では、導電性支持体31として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック;アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉;導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。
更に、適当な円筒基体上に、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、4フッ化エチレン樹脂(商標テフロン)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けたものも、本発明では導電性支持体31として、良好に用いることができる。
<導電性支持体に用いる結着樹脂>
また導電性支持体に用いられる結着樹脂として、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
次に感光層について説明する。感光層は単層型でも積層型でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層35と電荷輸送層37で構成される積層型の場合(図2、図3の場合)から述べる。
<積層型感光層>
電荷発生層35は、電荷発生物質を主成分とする層である。電荷発生層35には、公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、たとえば、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられる。これら電荷発生物質は単独で用いてもよく、2種以上混合して用いても構わない。
電荷発生層35は電荷発生物質を、必要に応じて結着樹脂と共に適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散した液(電荷発生層用塗布液)を、導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
必要に応じて用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。結着樹脂の添加は、電荷発生物質の分散前、分散後のどちらでも構わない。
溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロルメタン、ジクロルエタン、モノクロルベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸メチル)、エーテル系溶媒(シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ)が良好に使用される。これらは単独で用いてもよく、また、2種以上混合して用いてもよい。
電荷発生層35を形成するための電荷発生層用塗布液は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等の種々の添加剤が含まれていても良い。
このような塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の塗布方法が挙げられる。
このような塗布液を用いて形成した電荷発生層35の膜厚は、0.01〜5μm程度がよく、好ましくは0.1〜2μmである。
電荷輸送層37は、電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散した分散液(電荷輸送層用塗布液)を、電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要に応じて可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。これらは単独で或いは2種以上併用することができる。
このような電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質には、電子輸送物質と正孔輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。
これらの電荷輸送物質は単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
結着樹脂としては、前記した導電性支持体に用いられた熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は、結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部の範囲である。また、電荷輸送層の膜厚は、解像度・応答性の点から25μm以下とすることが好ましい。一方、下限値としては、使用するシステム(特に帯電電位等)により異なるが、5μm以上が好ましい。
溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロルメタン、モノクロルベンゼン、ジクロルエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用しても良い。
電荷輸送層には電荷輸送物質としての機能と結着樹脂としての両方の機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。これらの高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れている。このような高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用できるが、特に、トリアリールアミン構造を主鎖又は側鎖の少なくとも1つに含むポリカーボネートが良好に用いられる。中でも、次の一般式(I)〜(X)で表される高分子電荷輸送物質が好ましい。
〔上記式(I)中、R1〜R3はそれぞれ独立して、置換基を有してもよいアルキル基又はハロゲン原子を表し、R4は水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基、R5〜R6は置換基を有してもよいアリール基、o,p,qはそれぞれ独立して0〜4の整数を表し、o〜qが2以上の場合、各R1〜R3は同一でも異なっていてもよい。k,jは組成比を表し、それぞれ、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9の範囲であり、nは5〜5000の範囲の繰り返し単位数を表わす。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、又は下記一般式(I−1)、(I−2)で表される2価基を表す。〕
〔上記式(I−1)中、R101,R102は各々独立して、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又はハロゲン原子を表す。lおよびmは0〜4の整数であり、lおよびmが2以上の場合各R101〜R102は同一でも異なっていてもよく、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−または−CO−O−Z−O−CO−(Zは脂肪族の2価基)を表す。〕
(式中、aは1〜20の整数を表し、bは1〜2000の整数を表し、R103,R104はそれぞれ独立して、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。ここで、Siの側鎖の複数存在するR103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。)
〔式中、R7〜R8は置換基を有してもよいアリール基であり、Ar1〜Ar3は同一でも異なっていてもよく、置換基を有してもよいアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、上記一般式(I)と同じ意味である。〕
〔式中、R9〜R10は置換基を有してもよいアリール基、Ar4〜Ar6はそれぞれ独立して、同一又は異なる置換基を有してもよいアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(I)同じ意味である。〕
〔式中、R11〜R12は置換基を有してもよいアリール基、Ar7〜Ar9はそれぞれ独立して、置換基を有してもよい同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(I)と同じ意味である。〕
〔式中、R13〜R14は置換基を有してもよいアリール基であり、Ar10〜Ar12は置換基を有してもよい同一または異なるアリレン基であり、X1〜X2は置換基を有してもよいエチレン基、又は置換基を有してもよいビニレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(I)と同じ意味である。〕
〔式中、R15〜R18はそれぞれ独立して、置換基を有してもよいアリール基、Ar13〜Ar16はそれぞれ独立して、置換基を有してもよいアリレン基、Y1〜Y3はそれぞれ独立して、単結合、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいシクロアルキレン基、置換基を有してもよいアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(I)と同じ意味である。〕
〔式中、R19〜R20はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよいアリール基を表し、R19とR20とで互いに結合して環を形成していてもよい。Ar17〜Ar19はそれぞれ独立して、置換基を有してもよい同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(I)と同じ意味である。〕
〔式中、R21は置換基を有してもよいアリール基、Ar20〜Ar23はそれぞれ独立して、置換基を有してもよい同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(I)と同じ意味である。〕
〔式中、R22〜R25はそれぞれ独立して、置換基を有してもよいアリール基、Ar24〜Ar28はそれぞれ独立して、置換基を有してもよい同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(I)と同じ意味である。〕
〔式中、R26〜R27はそれぞれ独立して、置換若しくは無置換のアリール基を表し、Ar29〜Ar31はそれぞれ独立して、置換基を有してもよい同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよびnは、前記一般式(I)の場合と同じ意味である。〕
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等、従来の塗工方法を用いることができる。
次に感光層が単層型の場合(図1の場合)について述べる。
<単層型感光層>
感光層が単層型の場合、としては、電荷発生物質、電荷輸送物質及び結着樹脂を有する感光層33が使用できる。このような感光層33は、電荷発生物質、電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散した塗工液を、塗布、乾燥することによって形成できる。また、この塗工液には、必要な可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
結着樹脂としては、先に電荷輸送層37で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層35で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。勿論、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0よりも大きく190重量部以下が好ましく、更に好ましくは50〜150重量部である。感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロルエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
<保護層>
本発明の感光体は、感光層保護及び低表面摩擦係数維持の目的で、感光層の上に保護層39を設ける。保護層39に使用される結着樹脂としては、ABS(アクリル-ブタジエン-スチレン)樹脂、ACS(アクリル-塩素化ポリエチレン-スチレン)樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等が挙げられる。フッ素樹脂微粒子の分散性、残留電位、塗膜欠陥の点から、特にポリカーボネート或いはポリアリレートが有効かつ有用である。
本発明の感光体の最表面層に用いることができるフッ素樹脂微粒子としては、例えば四フッ化エチレン樹脂微粒子、パーフロロアルコキシ樹脂微粒子、三フッ化塩化エチレン樹脂微粒子、六フッ化エチレンプロピレン樹脂微粒子、フッ化ビニル樹脂微粒子、フッ化ビニリデン樹脂微粒子、フッ化二塩化エチレン樹脂微粒子及びこれ等の共重合体等が挙げられ、これ等の中から一種或いはそれ以上が適宜選択されるが、特に四フッ化エチレン樹脂微粒子、パーフロロアルコキシ樹脂微粒子が好ましい。粒径は0.1〜10μm、好ましくは0.15〜2.0μmが使用可能であり、必要に応じて後述の分散処理によって粒径調整も可能である。
フッ素樹脂微粒子は、二次粒子径0.3〜4μmのものが感光体表面を面積比で10〜60%被覆している必要があり、好ましくは二次粒子径0.3〜1.5μmである。被覆率が10%未満では、ミクロに見たときの低表面摩擦係数が不十分となり、被覆率が60%を超えると、レーザー光の透過率が著しく低下して、静電潜像が形成困難になってしまう。また、二次粒子の大きさが4μmを超えると、前述のトナー接触面不足が生じたり、レーザー光の散乱による異常画像の原因となる。
更に、繰り返し使用においても低表面摩擦係数を持続するためには、フッ素樹脂微粒子を体積分率で20〜60%含有することが好ましい。更に好ましくは、30〜50%である。これにより、低μ(μ:表面摩擦係数)のために摩耗量が著しく低減した感光体においても、フッ素樹脂微粒子の必要十分な量が延展され続けるため、低表面摩擦係数、且つ高耐久が発現される。体積分率で20%未満では、表面近傍は前述の被覆率を確保できていても、摩耗によって保護層内部が表面に露出した場合に、低表面摩擦係数を発現しなくなってしまう。また、体積分率で60%を超えると、結着樹脂の量が減少するので、塗膜の機械的強度が著しく低下してしまい、感光体寿命が減少する。
また、最表層にフッ素樹脂微粒子を含有し、該フッ素樹脂微粒子が最表層膜中において、一次粒子、及び一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子の表面に露出した部分の投影像の平均直径が前記した範囲にある粒子の表面に占める投影面積比(被覆面積比)の合計が10%以上である場合、感光体表面の摩擦係数が非常に小さく、しかも、その低い摩擦係数が繰り返し使用しても維持されるため、長期間にわたって良好なクリーニング性を維持し、かつ摩耗も非常に小さくなり、感光体の耐久性も高くなる。
ここで投影像の平均直径とは、最表層表面を略垂直方向から観察したときに見られる粒子または粒子の凝集体を1つの粒子とみなし、その投影像について、重心を通る内径を角度2度刻みで測定した平均値である。
本発明の感光体では、フッ素樹脂微粒子が表面に露出している部分の投影像の平均直径、面積比の算出方法として、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察について説明する。しかしながら、フッ素樹脂微粒子の露出状態が観察あるいは評価できるものであればよく、この以下に記載する方法に限られない。
フッ素樹脂微粒子が分散された電子写真感光体の表面をSEMによって撮影し、得られたSEM像に映し出されているフッ素樹脂微粒子像を、画像解析装置を用いて解析して、微粒子の平均直径、個数、面積比等を得ることができる。このとき、SEM像として得られる画像は表面の略垂直方向より投影(撮影)したものであるので、映し出されるフッ素樹脂微粒子の像も垂直方向の投影像である。ここで投影像の平均直径とは、観察したときに見られる粒子または粒子の凝集体を1つの粒子とみなした投影像について、重心を通る内径を角度2度刻みで測定した平均値である。
画像解析装置は、このフッ素樹脂微粒子の投影像と、その周りのバインダー樹脂とを二値的に区別でき、その中で複数の一次粒子が凝集した二次粒子を大きな粒子として近似できるような条件を選択できることが必要である。さらに、このようなフッ素樹脂微粒子の投影像一つ一つについて、少なくとも平均直径、面積比が算出できるプログラムが備わっていることが必要である。そのような画像解析装置としては、高詳細画像解析システムIP−1000(旭エンジニアリング社製)のような専用装置や、画像解析ソフトImage−Pro Plus(プラネトロン社製)を導入したコンピュータ等を用いることができる。
SEM像は、加速電圧が高いと、表面付近だけでなくその内部の様子までが画像情報として得られる場合がある。バインダー樹脂にフッ素微粒子を分散した系において、加速電圧が高いと、表面に露出していない表面近傍に内在するフッ素樹脂微粒子まで透過して観察される場合がある。このため、観測する加速電圧の設定は、表面に露出したフッ素樹脂微粒子が映し出されるように調整する必要がある。
例えば、SEMとして電界放出形走査電子顕微鏡S−4200(日立製作所社製)を用いた場合、加速電圧としては、2kv〜6kv程度が好適であるが、これは、装置や感光体の材料などによって適宜調整する必要がある。
こうして得られた、表面のSEM画像を画像解析ソフトに取り込み、観察範囲でカウントされた個々のフッ素樹脂微粒子の平均直径、面積比を算出して、所望の感光体表面のフッ素樹脂微粒子の状態を観測することができる。
また、フッ素樹脂微粒子の分散を促進する分散剤として、フッ素系界面活性剤をさらに添加することが好ましい。このような界面活性剤として結着樹脂と相溶するセグメントと、フッ素セグメントとのブロックコポリマーなどの界面活性剤を挙げることができる(たとえば日本油脂製、商品名モディパーFなど)。該界面活性剤を添加することで、フッ素樹脂微粒子の再凝集を抑制し、より微粒子化された感光層形成用塗工液を得ることができる。こうして得られた感光層は、フッ素樹脂とバインダー樹脂との親和性が高まり、フッ素樹脂のバインダー樹脂からの脱離が防止されるため、フッ素樹脂微粒子の分散性が向上するのみならず、より耐摩耗性の向上効果も得られるものと考えられる。
また、保護層に耐摩耗性を向上する目的でフィラーを添加してもよい。フィラーとしては有機性フィラーと無機性フィラーがあるが、フィラーの硬度の点から無機性フィラーを用いることが耐摩耗性の向上に対し有利である。このような無機性フィラ−材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末;シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをド−プした酸化錫、錫をド−プした酸化インジウム等の金属酸化物;フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物;チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。
フィラーの分散性が低下すると、残留電位の上昇、塗膜の透明性の低下、塗膜欠陥の発生、更に耐摩耗性の低下も引き起こすため、フィラーの分散性を向上させるために、表面処理剤で表面処理されたフィラーを用いることがフィラーの分散性の面から好ましい。
このような表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤を使用することができるが、好ましくはフィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤を用いることが好ましい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、或いはこれらとシランカップリング剤との併用処理や、Al23、TiO2、ZrO2、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、或いはそれらの混合処理がフィラーの分散性及び画像ボケの点からより好ましい。シランカップリング剤による処理は、画像ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことにより、その影響を抑制できる場合がある。表面処理剤量については、用いるフィラーの平均一次粒径によって異なるが、3〜30重量%が適しており、5〜20重量%がより好ましい。表面処理剤の量が3重量%よりも少ないとフィラーの分散効果が得られず、また30重量%よりも多いと残留電位の著しい上昇を引き起こす。
溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロルメタン、モノクロルベンゼン、ジクロルエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなど、電荷輸送層37で使用される全ての溶剤を用いることができる。但し、分散時には粘度が高い溶剤が好ましいが、塗工時には揮発性が高い溶剤が好ましい。これらの条件を満たす溶剤がない場合には、各々の物性を有する溶剤を2種以上混合させて使用することが可能であり、フッ素樹脂微粒子の分散性に対して大きな効果を有する場合がある。
また、保護層に電荷輸送層37で挙げた低分子電荷輸送物質或いは高分子電荷輸送物質を添加することは、残留電位の低減及び画質向上に対して有効かつ有用である。
フッ素樹脂微粒子は、少なくとも有機溶剤と共に、アトライター、サンドミル、振動ミル、超音波などの従来方法を用いて分散することができる。中でも外界からの不純物の混入が少ないボールミル又は振動ミルを用いる分散方法を採用することが分散性の点からより好ましい。分散メディア(分散媒体)としては、従来使用されているジルコニア、アルミナ、メノウ等の種々のメディアを使用することができるが、フッ素樹脂微粒子の分散性への効果の点から分散メディアとして、特にジルコニアが好ましい。場合によっては、これらの分散方法を組み合わせることで更に分散性が高まることがある。また、フッ素樹脂微粒子の分散性を制御する目的で分散剤を樹脂に添加してもよい。このような分散剤としては、フッ素系の界面活性剤、グラフトポリマー、ブロックポリマー及びカップリング剤等が使用できる。
保護層の形成法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の従来方法を用いることができるが、特に塗膜の均一性の面からスプレーコートがより好ましい。更に、保護層の必要膜厚を一度で塗工して保護層を形成することも可能であるが、2回以上重ねて塗工する重ね塗りの方法(重ね塗り法)を採用するほうがよく、このような重ね塗り法によって保護層を多層にする方が膜中におけるフッ素樹脂微粒子の均一性の面からより好ましい。保護層の厚さは自由に設定可能であるが、保護層膜厚が著しく増加すると、画質が若干劣化する傾向が認められるため、必要最小限度の膜厚に設定することが好ましく、0.1〜10μm程度が適当である。
<その他の層>
本発明の感光体は、導電性支持体31と感光層の間に下引き層を設けることができる。下引き層は樹脂を主成分としている。この層に使用できる樹脂としてはその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、この下引き層には、モアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。また本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもでき、Al23を陽極酸化により設けたもの、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法により設けたものも良好に使用できる。更に、この他に公知の下引き層に用いられるものも挙げることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
本発明の感光体においては、感光層と保護層の間に中間層を設けることも可能である。中間層は、結着樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述した塗工法が挙げられる。中間層を設ける場合、その中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
<電子写真方法及び電子写真装置>
次に図面を用いて本発明の電子写真方法及び電子写真装置等について説明する。
図4は、本発明の電子写真プロセス及び電子写真装置を説明するための概略図である。
図4において、感光体1には少なくとも感光層が設けられ、最表面層として本発明の感光体に使用される最表面層を有している。感光体1はドラム状の形状をしているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電チャージャー3、転写前チャージャー7、転写チャージャー10、分離チャージャー11、クリーニング前チャージャー13には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラ等の公知の帯電手段が使用可能であり、これらの帯電手段を用いて帯電工程等が行われる。
転写手段には、上記した帯電器が使用できるが、図に示される転写チャージャーと分離チャージャーを併用したものが効果的である。
また、画像露光部5、除電ランプ2等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
図4において、一様に帯電された感光体1面上に、画像露光部5(LD或いはLEDを有する)によって感光体上に静電潜像を形成する潜像形成工程が行われる。
図4に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、或いは前露光などの工程により、感光体に光が照射される。
現像ユニット6により感光体1上の現像トナーは転写紙9に転写される。ただし、全部のトナーが転写されるわけではなく、感光体1上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、ファーブラシ14及びクリーニングブラシ15により感光体から除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシなどの公知のものが用いられる。
電子写真感光体に一様に正(または負)帯電を施した後に画像露光を行って、感光体表面上に正(負)の静電潜像が形成される。これを負(または正)極性(逆極性)のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られ、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
この現像の際に用いる現像手段は、公知の現像手段が適用され、また、除電手段にも公知の除電手段が用いられる。
本発明の電子写真方法では、画像形成に用いられるトナーの形状は、限定されないが、特に円形度の高い球状であることが好ましい。
このような球状のトナーは、その平均円形度は0.930〜0.995であり、トナーは、特定の形状を有している。
円形度0.930〜0.995である球状トナーとしては、従来公知の重合法により製造される重合トナーを使用することができる。また本発明において、高解像性や転写性の良好な小粒径の球形トナーとして重合法であってもよいが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば従来の機械的な粉砕分級法で作成したものであってもよく、またこれを熱的もしくは機械的な後処理を施して丸くしたトナーを用いてもよい。更に本発明ではトナーは二成分現像のトナーであってもよく、磁性トナーであってもよい。
トナー形状(円形度)の計測方法としては、粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当である。
この手法では粒子の投影面積が得られるが、円形度は、この投影面積と面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である。この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−2000(シスメックス(株)製)により平均円形度として計測した値である。
具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及びトナーの形状分布を測定することができる。
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体に接触して摺擦する当接部材を具備させることができる。このような当接部材として、フッ素樹脂微粒子の露出部分の摺擦を目的とした接触部材が挙げられる。また、帯電ローラなどの接触帯電部材、クリーニングブレード、クリーニングブラシなどのクリーニング部材、転写ベルト、中間転写ベルトなどの転写部材など一般的な画像形成装置に用いられる部材の加圧に用いられる加圧機構を接触部材として設けることもできる。ここでは、接触部材として、クリーニングブラシ15によって感光体表面を摺擦する場合を例に挙げて説明する。クリーニングブレードは、感光体表面を略均等な圧力で感光体表面を押しながらほぼ感光体全面を摺擦し、フッ素樹脂微粒子を均等に表面に付着させるという効果が大きいので好ましい。このような当接部材を用い、前記したように帯電、画像露光、現像および転写および清掃を加えた工程を繰り返し行って、帯電、画像露光、現像および転写および清掃工程の少なくとも1つの工程の際に、本発明の感光体に摺擦を目的として当接させて感光体表面の略全面を前記したようにして摺擦し、フッ素樹脂粒子を均等あるいは略均等に当該表面に付着させることもできる。
クリーニングブレードによってフッ素樹脂を被覆させる場合、クリーニングブレードの各種条件として、ブレード当接角を10〜30度、当接圧力0.3〜4g/mm、ブレードとして用いるウレタンゴムのゴム硬度(JIS-A硬度)で60〜70度、反発弾性率(JIS K-6301による)30〜70%、ヤング率30〜60kgf/cm2、厚さ1.5〜3.0mm、自由長7〜12mmおよびブレードエッジの感光体への食い込み量0.2〜2mmの範囲が好適である。
図5は、本発明の電子写真プロセスおよび装置の別の例を示す。感光体21は少なくとも感光層を有する前記した本発明の感光体を用いている。この感光体は前記した特定の体積分率のフッ素樹脂粒子と特定の化合物とを有する最表面層を採用している。このような本発明の電子写真方法および装置は、駆動ローラ22a、22bにより駆動され、帯電器23による帯電(帯電工程)、光源24による像露光(潜像形成工程)、現像(現像工程:図示せず)、転写チャージャ25を用いる転写(転写工程)、光源26によるクリーニング前露光、クリーニングブラシ27によるクリーニング(清掃工程)、光源28による除電(初期化工程)が繰返し行なわれる。図5において、感光体21(図5に示すような場合には、支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニング前露光光源により、クリーニング前露光のための光照射が行なわれる。
図示した電子写真プロセスは、本発明の電子写真プロセスおよび装置の1例であり、他の形態であっても可能であることは言うまでもない。例えば、図5においては、支持体側よりクリーニング前露光を行っている例を示しているが、これを感光層側から行ってもよい。また、像露光、除電光の照射を支持体側から行ってもよい。
図5では、光照射は、像露光、クリーニング前露光、除電露光の各露光手段による各工程を図示している。他に、転写前露光、像露光のプレ露光、及びその他公知の光照射手段を設け、感光体にこれら露光手段を用いて各光照射工程を行うこともできる。
上記に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンターなどの装置内に固定して組み込んでもよく、また、プロセスカートリッジの形態でそれらの複写装置などに組み込んでもよい。このような本発明のプロセスカートリッジは、少なくとも本発明の感光体を内蔵していればよく、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多種多様であり、何ら限定されないが、その1例として、図6に示すものが挙げられる。上記感光体16は、本発明の感光体であり、この感光体16は導電性支持体上に少なくとも感光層を有し、かつ最表面層に特定のフィラーと、前記した一般式(A)または(B)の少なくとも1つで示される化合物を含有している。
次に、本発明を適用したフルカラー画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)を例にして、説明する。
図7は、本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。図7において、潜像担持体である感光体56は、図中反時計回りに回転駆動されながら、その表面がコロトロンやスコロトロンなどを用いる帯電チャージャー53によって一様帯電させられた後(帯電工程)、図示しないレーザー光学装置から発せられるレーザー光Lにより走査されて静電潜像が担持される(画像露光工程(潜像形成工程))。この走査はフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した画像情報に基づいてなされるため、感光体ドラム56上にイエロー、マゼンタ、シアン又はブラック用の静電潜像が形成される。感光体ドラム56の図中左側には、リボルバ現像ユニット50が配設されている。これは、回転するドラム状の筺体の中にイエロー現像器、マゼンタ現像器、シアン現像器、ブラック現像器を有しており、回転によって各現像器を感光体ドラム56に対向する現像位置に順次移動させる。なお、イエロー現像器、マゼンタ現像器、シアン現像器、ブラック現像器は、それぞれイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーを付着せしめて静電潜像を現像するものである。感光体ドラム56上には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用の静電潜像が順次形成され、これらはリボルバ現像ユニット50の各現像器によって順次現像されてイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像となる(現像工程)。
上記現像位置よりも感光体ドラム56の回転下流側には中間転写ユニットが配設されている。これは、張架ローラ59a、転写手段である中間転写バイアスローラ57、2次転写バックアップローラ59b、ベルト駆動ローラ59cによって張架している中間転写ベルト58を、ベルト駆動ローラ59cの回転駆動によって図中時計回りに無端移動させる。感光体ドラム56上で現像されたイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像は、感光体ドラム56と中間転写ベルト58とが接触する中間転写ニップに進入する。そして中間転写バイアスローラ57からのバイアスの影響を受けながら、中間転写ベルト58上に重ね合わせて中間転写され全4色のトナー像が重ね合わされた重合トナー像となる(転写工程)。
回転に伴って中間転写ニップを通過した感光体ドラム56表面は、ドラムクリーニングユニット55によって転写残トナーがクリーニングされる(清掃工程)。ドラムクリーニングユニット55は、クリーニングバイアスが印加されるクリーニングローラによって転写残トナーをクリーニングするものである。このドラムクリーニングユニット55はファーブラシ、マグファーブラシ等からなるクリーニングブラシや、クリーニングブレードなどを用いるものであってもよい。
転写残トナーがクリーニングされた感光体ドラム56表面は、除電ランプ54によって除電される。除電ランプ54は、蛍光灯など、前記した光源を用いることができる。また、レーザ光学装置の光源にはLEDあるいは半導体レーザLDが用いられる。これらの発光光に、前記したシャープカットフィルターなどの各種フィルターを用いて、所望の波長域だけを用いるようにしてもよい。
一方、図示しない給紙カセットから送られてきた転写紙60を2つのローラ間に挟み込んでいるレジストローラ対61は、中間転写ベルト58上の前記重合トナー像に重ね合わせるタイミングで、上記2次転写ニップに向けて転写紙60を送り込む。中間転写ベルト58上の重合トナー像は、2次転写ニップ内で紙転写バイアスローラ63からの2次転写バイアスの影響を受けて転写紙60上に一括して2次転写される。この2次転写により転写紙60上にフルカラー画像が形成される(転写工程)。フルカラー画像が形成された転写紙60は転写ベルト62によって搬送ベルト64に送られ、搬送ベルト64によりこの転写紙60が定着ユニット65に送り込まれる。定着ユニット65は、送り込まれた転写紙60を加熱ローラとバックアップローラとの当接によって形成された定着ニップに挟み込んで搬送する。転写紙60上のフルカラー画像は、加熱ローラからの加熱と定着ニップによる加圧により転写紙60上に定着せしめられる(定着工程)。なお転写ベルト62や搬送ベルト64には、転写紙60を吸着させるためのバイアスが印加され、また、転写紙60を除電する紙除電チャージャや、各ベルト(中間転写ベルト58、転写ベルト62、搬送ベルト64)を除電する3つのベルト除電チャージャが配設されている点は、図を省略した。また、中間転写ユニットは、ドラムクリーニングユニット55と同様の構成のベルトクリーニングユニットも備えていることも図を省いた。このベルトクリーニングユニットによって中間転写ベルト58上の転写残トナーがクリーニングされる。
図8は、本実施形態に係る画像形成装置の変形例(他の例)を示す。この画像形成装置は、中間転写ベルト87を有するタンデム方式の画像形成装置であり、感光体ドラム80を各色で共有させるのではなく、各色用の感光体ドラム80Y、80M、80C、80Bkを別々に備えている。また、ドラムクリーニングユニット85、除電ランプ83、ドラムを一様帯電せしめる帯電ローラ84も、各色毎に備えている。なお、図7に示したプリンタではドラム一様帯電手段として帯電チャージャ53を設けていたが、この装置では帯電ローラ84を設けている。
図8に示すようなタンデム方式では、各色の潜像形成や現像を並行して行うことができるため、図7に示すようなリボルバ式よりも画像形成速度を遙かに高速化させることができる。なおタンデム方式でも感光体80は除電ランプにより初期化された感光体80の表面は帯電ローラ84により一様帯電され(帯電工程)、露光光源(LEDあるいはLDを含む)81により光走査されて潜像が形成され(画像露光工程(潜像形成工程))、現像ユニット82により現像された(現像工程)各色のトナー像は中間転写ベルト87に転写され各色のトナー画像が合成されて像担持体である紙89に転写されて(転写工程)、定着ユニット93により、加熱加圧されて像が紙に定着される(定着工程)こととなる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により制約を受けるものではない。なお、「部」はすべて重量部である。
参考例1]
アルミニウムシリンダー上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、及び電荷輸送層塗工液を、浸漬塗工によって順次塗布したのち乾燥し、膜厚3.5μmの下引き層、膜厚0.2μmの電荷発生層、膜厚22μmの電荷輸送層を形成した。
下引き層塗工液
・二酸化チタン粉末:400部
・メラミン樹脂:65部
・アルキッド樹脂:120部
・2−ブタノン:400部
電荷発生層塗工液
・下記〔化19〕のビスアゾ顔料:12部
・ポリビニルブチラール:5部
・2−ブタノン:200部
・シクロヘキサノン:400部
電荷輸送層塗工液
・ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製):8部
・下記〔化20〕の電荷輸送物質:10部
・テトラヒドロフラン:100部
更に、電荷輸送層上に、下記組成の保護層塗工液を高速液衝突分散装置(装置名:アルティマイザーHJP−25005、スギノマシン社製)を用いて、100MPa圧力下、30分間循環し、その後、超音波を10分間照射して調製し、スプレー塗工[スプレーガン:ピースコンPC308、オリンポス社製、エア圧:2kgf/cm]を行い、130℃60分間乾燥して約5μmの保護層を形成
し、電子写真感光体1を作製した。
保護層塗工液
・パーフロロアルコキシ樹脂粒子(MPE−056、三井フロロケミカル製)
:5.5部
・分散助剤(モディパーF210、日本油脂製) :1.0部
・例示化合物2−2 :0.4部
・ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製) : 4部
・テトラヒドロフラン :200部
・シクロヘキサノン : 60部
参考例2]
保護層塗工液を下記組成に変更した点以外は、参考例1と同様にして電子写真感光体2を作製した。
保護層塗工液
・パーフロロアルコキシ樹脂粒子(MPE−056、三井フロロケミカル製)
:3.3部
・分散助剤(モディパーF210、日本油脂製) :1.0部
・例示化合物2−2 :0.4部
・ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製) :6.4部
・テトラヒドロフラン :200部
・シクロヘキサノン : 60部
参考例3]
保護層塗工液を下記組成に変更した点以外は、参考例1と同様にして電子写真感光体3を作製した。
保護層塗工液
・パーフロロアルコキシ樹脂粒子(MPE−056、三井フロロケミカル製)
:7.4部
・分散助剤(モディパーF210、日本油脂製) :1.0部
・例示化合物2−2 :0.4部
・ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製) :2.3部
・テトラヒドロフラン :200部
・シクロヘキサノン : 60部
[比較例1]
保護層塗工液を下記組成に変更した点以外は、参考例1と同様にして比較用電子写真感光体1を作製した。
保護層塗工液
・パーフロロアルコキシ樹脂粒子(MPE−056、三井フロロケミカル製)
:3.0部
・分散助剤(モディパーF210、日本油脂製) :1.0部
・例示化合物2−2 :0.4部
・ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製) :6.7部
・テトラヒドロフラン :200部
・シクロヘキサノン : 60部
[比較例2]
保護層塗工液を下記組成に変更した点以外は、参考例1と同様にして比較用電子写真感光体2を作製した。比較例1および2は、保護層に一般式(A)または(B)で表される化合物を含んでおり、かつ、フッ素樹脂微粒子も含んだものである。ただし、フッ素樹脂微粒子の体積分率を本発明の範囲から外れた場合を示す例である。その他の比較例は、フッ素樹脂粒子の体積分率をいろいろと変化させた例であるが、一般式(A)および(B)の化合物は含んでいない例を示した。
保護層塗工液
・パーフロロアルコキシ樹脂粒子(MPE−056、三井フロロケミカル製)
:7.8部
・分散助剤(モディパーF210、日本油脂製) :1.0部
・例示化合物2−2 :0.4部
・ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製) :1.9部
・テトラヒドロフラン :200部
・シクロヘキサノン : 60部
[比較例3]
保護層塗工液を下記組成に変更した点以外は、参考例1と同様にして比較用電子写真感光体3を作製した。
保護層塗工液
・パーフロロアルコキシ樹脂粒子(MPE−056、三井フロロケミカル製)
:5.5部
・分散助剤(モディパーF210、日本油脂製) :1.0部
・ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製) :4.2部
・テトラヒドロフラン :200部
・シクロヘキサノン : 60部
参考例4]
保護層塗工液中のパーフロロアルコキシ樹脂粒子をテトラフロロエチレン樹脂粒子(ルブロンL−2、ダイキン製)に変更した点以外は、参考例1と同様にして、電子写真感光体4を作製した。
[参考例5〜9、実施例10〜16]
保護層塗工液中の例示化合物2−2を表11に示した化合物に変更した点以外は、参考例1と同様にして、電子写真感光体5〜16を作製した。
[比較例4]
保護層塗工液中の例示化合物2−2を下記(比較化合物1)の化合物に変更した点以外は、参考例1と同様にして、比較用電子写真感光体4を作製した。
[比較例5]
保護層塗工液中の例示化合物2−2を下記(比較化合物2)の化合物に変更した点以外は、参考例1と同様にして、比較用電子写真感光体5を作製した。
[比較例6]
保護層塗工液中の例示化合物2−2を下記(比較化合物3)に変更した点以外は、参考例1と同様にして、比較用電子写真感光体6を作製した。比較化合物3は、一般式(B)において、m〜mが同時に0である場合の化合物である。
<トナー製造例1>
(1)単量体組成物の作製
・スチレンモノマー 70部
・n−ブチルメタクリレート 30部
・ポリスチレン 5部
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸亜鉛塩 2部
・カーボンブラック 6部
上記の重合性単量体混合物をボールミルで24時間分散混合して単量体組成物を調製した。
(2)造粒、重合
攪拌機、温度計、不活性ガス導入管、及び細孔径110,000Å、細孔容積0.42cc/g、10φ×50mmの多孔質ガラス管を備えたフラスコに、2%ポリビニルアルコール水溶液400mlをとり、窒素ガスを送りながら室温で攪拌を行い、反応容器中の酸素を窒素置換した。
次いで、(1)の単量体組成物113gにアゾビスイソブチロニトリル1.56gを加えて攪拌溶解した後、ポンプを用いて多孔質ガラス管を通過させてポリビニルアルコール水溶液中に加え、次いで、このポリビニルアルコールと前記した単量体組成物の混合物を、前記ポンプと多孔質ガラス管を用いて約120ml/minの割合で2時間循環させた後、内温を70℃とし8時間重合させた。
その後、室温まで冷却し、一晩静置した後、上澄液を除き水を加えて1時間攪拌し、次いで濾過、乾燥してトナーを得た。このトナーの粒子径をコールターカウンターで測定したところ、平均粒子径8.5μmで0〜5μm径の範囲にある粒子が全体の95%であり極めて狭い粒度分布であった。
<評価例1>
トナー製造例1で得られたトナー粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である平均円形度を評価した。この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−2000により平均円形度として計測することができ、具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加え、試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。これまでの検討の結果、0.960以上のトナーが適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成するのに有効であることが分っており、より好ましくは平均円形度が0.980〜1.000である。トナー製造例1で作製したトナーの円形度は0.98であった。
<評価例2>(二次粒子径、被覆面積比)
得られた電子写真感光体1〜16及び比較用電子写真感光体1〜6の表面の任意の観察点10点について、FE−SEM(S−4200形走査型電子顕微鏡、日立製作所社製)を用い、加速電圧2kVにおいて4000倍の表面を撮影し、得られたSEM写真を画像処理ソフト(Image−Pro Plus)を用いて、フッ素微粒子(一次粒子及び凝集した二次粒子)の個数、各粒子の平均直径、面積、面積比を解析し、平均直径0.3〜1.5μmの粒子の被覆面積比を算出した。
<評価例3>(表面摩擦係数)
得られた電子写真感光体1〜16及び比較用電子写真感光体1〜6について、特開平9−166919号公報等に開示されているオイラー・ベルト方式を用い表面摩擦係数を評価した。ここでいうベルトとは、中厚の上質紙で、紙すきが長手方向になるようにしたもの(通常はコピー用紙)である。表面摩擦係数は図9に示すように、感光体(図9中にサンプルと表記)の円周1/4にこのベルトを張架し、ベルトの一方にW=100gの荷重を掛け、他方にフォースゲージ(バネ秤)を設置した。フォースゲージを徐々に引っ張りながらベルトの移動を観察し、移動を開始した時点での荷重を読み取って下記の式により計算する。なお、図9では、荷重:100g分銅と、ベルト(Type6200/T目方向/A4用紙/30mm幅(すき目方向にカット):T目方向のA4用紙(Type6200)を用い、30mm幅にすき目方向にカットしたもの)と、ダブルクリップ2個が使用される。また、式におけるμは摩擦係数を、Fは引っ張り力を、Wは荷重を表す。
μ=2/π×ln(F/W) (式中、W=100g)
<評価例4>(耐久寿命A)
得られた電子写真感光体1〜16及び比較用電子写真感光体1〜6を、リコー製imagio Color 5100改造機(imagio ColorカラートナーS[円形度0.91]、画像露光光源を655nmの半導体レーザーに交換し潤滑剤塗布手段を除去したもの)に搭載し、連続してトータル10万枚の印刷を行い、その際、初期画像及び10万枚印刷後の画像について評価を行った。また、初期及び10万枚印刷後の明部電位を測定した。更に、初期及び10万枚印刷後での膜厚差より摩耗量の評価を行った。
<評価例5>(耐久寿命B)
得られた電子写真感光体1〜16及び比較用電子写真感光体1〜6を、リコー製imagio Color 5100改造機(トナーを製造例1で作成したものに変更し画像露光光源を655nmの半導体レーザーに交換、更に潤滑剤塗布手段を除去したもの)に搭載し、連続してトータル10万枚の印刷を行い、その際、初期画像及び10万枚印刷後の画像について評価を行った。また、初期及び10万枚印刷後の明部電位を測定した。更に、初期及び10万枚印刷後での膜厚差より摩耗量の評価を行った。
<評価例6>(耐久寿命C)
得られた電子写真感光体1〜16及び比較用電子写真感光体1〜6を、リコー製imagio Color 8100改造機(トナーを製造例1で作成したものに変更)に搭載し、連続してトータル5万枚の印刷を行い、その際、初期画像及び5万枚印刷後の画像について評価を行った。また、初期及び5万枚印刷後の明部電位を測定した。更に、初期及び5万枚印刷後での膜厚差より摩耗量の評価を行った。
上記耐久寿命A〜Cの評価結果を表11〜表13に示す。
表11、表12の評価結果から判るように、感光体の最表面層に体積分率で20〜60%のフッ素樹脂微粒子を含有させることにより、高安定な低表面摩擦係数の持続性を維持することが可能となった。また、摩耗量についても抑制されており、耐摩耗性が大幅に向上していることが確認された。更に、10万枚印刷後においても明部電位上昇は少なく、例示化合物を添加した感光体では残像の発生も見られず高画質画像が安定に得られることが確認された。一方、体積分率で20〜60%のフッ素樹脂微粒子を含有させていない感光体(比較例1、2)、例示化合物が無添加である感光体(比較例3)、本発明で指定する化合物以外の化合物を用いた感光体(比較例4、5、6)は、クリーニング不良や残像の発生を引き起こした。
表12〜表13の評価結果から判るように、球形トナーを用いた場合においても、表11、表12の場合と同様の傾向であった。
本発明の電子感光体の層構成例を示す図である。 本発明の電子感光体の他の層構成例を示す図である。 本発明の電子感光体の他の層構成例を示す図である。 本発明の電子写真装置の構成例を示す図である。 本発明の電子写真装置の他の構成例を示す図である。 本発明のプロセスカートリッジの構成例を示す図である。 本発明の電子写真装置の他の構成例を示す図である。 本発明の電子写真装置の他の構成例を示す図である。 オイラー・ベルト方式の表面摩擦係数測定装置による摩擦係数を測定するのを説明するための図である。
符号の説明
31 導電性支持体
33 感光層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 保護層

Claims (10)

  1. フッ素樹脂微粒子を含有する保護層を最表面層に形成した電子写真感光体において、
    前記保護層は体積分率で20〜60%のフッ素樹脂微粒子と、下記一般式(A)で表される化合物とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    [前記一般式(A)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、同一でも異なっていてもよい。但し、R1〜R4のいずれか1つは下記一般式(Y)
    で示す基である。n〜nはそれぞれ独立に、0または1の整数を表す。m〜mはそれぞれ独立に、0〜3の整数を表す(ただし2または3の複数の場合、2または3あるその基は、同一でも、異なっていてもよい。)。但し、m〜mは同時に0となることはない。Ar〜Ar10は置換もしくは無置換の芳香環基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、互いに隣り合うAr〜Arはそれぞれ共同で環を形成してもよい。a〜bはそれぞれ独立に、0または1の整数を表す(前記一般式(Y)中、R5、R6は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基であるか、またはR5とR6とで互いに結合し窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基である。)。]
  2. 請求項1に記載の電子写真感光体を用い、該電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行うことを特徴とする電子写真方法。
  3. 前記電子写真方法は、前記工程にさらに清掃工程を加えた工程を繰り返し行う電子写真方法であり、前記帯電工程、前記画像露光工程、現像工程、転写工程および清掃工程の少なくとも1つの工程の際に前記感光体に部材を当接させて前記感光体表面を摺擦してフッ素樹脂粒子を当該表面に付着させることを特徴とする請求項2に記載の電子写真方法。
  4. 前記画像露光の際にLD或いはLEDによって感光体上に静電潜像を形成することを特徴とする請求項2または3に記載のデジタル方式の電子写真方法。
  5. 前記現像における画像形成に使用されるトナーが略球状のトナーであることを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の電子写真方法。
  6. 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段及び請求項1に記載の電子写真感光体を具備することを特徴とする電子写真装置。
  7. 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および請求項1に記載の電子写真感光体を具備し、画像露光手段としてLD或いはLEDを使用することにより感光体上に静電潜像の書き込みが行われることを特徴とするデジタル方式の電子写真装置。
  8. 電子写真感光体、帯電手段、現像手段の複数組と、転写手段とを有するタンデム型であることを特徴とする請求項6または7に記載の電子写真装置。
  9. 電子写真感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写したのち、前記中間転写体上の前記トナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有し、複数色のトナー画像を前記中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、前記カラー画像を前記記録材上に一括して二次転写することを特徴とする請求項6または7に記載の電子写真装置。
  10. 帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段、転写手段の少なくとも一つの手段と、請求項1に記載の電子写真感光体とを具備する電子写真装置用プロセスカートリッジ。
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