JP5048463B2 - 高分子化合物の製造方法および発光材料の製造方法 - Google Patents

高分子化合物の製造方法および発光材料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、所望の分子量および分子量分布を有する高分子化合物の製造方法に関する。その1つはブロードな分子量分布を有する特定の高分子化合物をゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により、所望の分子量範囲に分画して分子量分布の狭い高分子化合物を採取する方法であり、もう1つは、ビスシクロオクタジエニルニッケルとジハロゲン化化合物を反応させる高分子化合物合成法において反応試剤の仕込みモル比または反応溶媒種の調整を行う方法である。さらに詳しくは、導電性高分子化合物、特にエレクトロルミネッセンス(EL)素子の発光材料、電荷注入材料、電荷輸送材料などとして期待される分子量の制御された高分子化合物、特にπ共役高分子化合物の提供を目的とする。
従来、エレクトロルミネッセンス(EL)素子の発光材料向けのπ共役高分子化合物は、そのなかに分子量数千程度(2千以下)の低分子成分が含まれていると、該材料の発光特性に悪影響を与えるため、上記低分子成分の除去により発光特性が改善されることが知られている。例えば、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)に関しては、下記の非特許文献1に記載の方法が挙げられる。しかし、上記方法では、単にGPCにより低分子成分を除去しているだけである。またそれがELの発光材料として効果的であることは知られているが、どのくらいの分子量および分子量分布の高分子化合物がより優れているかなどの分子量による高分子化合物の特性に関する検討の具体的な結果はこれまで例がなかった。従って、その検討のための特定の分子量範囲および分子量分布の高分子化合物を製造することが困難であった。
Appl.Phys.Lett.76,2502(2000)「Highly efficient pure blue electroluminescence from polyfluorene:Influence of the molecular weight distribution on the aggregation tendency」
本発明の目的は、分子量および分子量分布の制御されたπ共役高分子化合物およびその製造方法を提供することである。特に、発光特性に優れた高分子化合物とその製造方法を提供することである。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、π共役高分子化合物を、ゲル浸透クロマトグラフィの使用により所定範囲の分子量に分画することを特徴とする高分子化合物の製造方法および該方法によって得られた高分子化合物を提供する。なお、π共役高分子化合物とは、分子面に垂直方向に広がったπ電子の雲が分子全体に広がった(共役した)高分子化合物である。
本発明においては、前記π共役高分子化合物が、下記一般式(1)で表される高分子化合物であることが好適である。
Figure 0005048463
(上式一般式(1)中のR1およびR2は、水素原子、またはヘテロ原子を含んでもよいC1〜22の炭化水素基を表す。Xは、芳香族基または脂肪族基を表わす。一般式(1)においてnは、mが0である時に2以上の正数であり、mが0でない場合には1以上の正数である。n+mは、2以上の正数から一般式(1)の高分子化合物の数平均分子量(Mn)が10,000,000になるまでの範囲の正数である。)
上記一般式(1)においては、前記Xが、フルオレン環、9,9−ジアリールフルオレン環および9,9−ジアルキルフルオレン環から選ばれる少なくとも1種、またはその置換誘導体であること、およびR1およびR2がオクチル基であることが好ましい。
また、前記一般式(1)で表わされ、かつ数平均分子量(Mn)が、100,000以上であることを特徴とする高分子化合物を提供する。好ましくは500,000以上である。前記化合物がこのように数平均分子量を大にすることにより優れた発光特性が得られる。さらには100,000以上であるポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)であることが発光材料として特に好ましい。
また、上記高分子化合物は、[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]である分子量分布が2以下であることが好ましく、さらには上記分子量分布が1.5以下、特には1.25以下であること;および数平均分子量が、300,000以上、かつ[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]である分子量分布が2以下であることが好ましい。このように分子量分布を小さくすることにより、さらに発光特性が良好となる。
また、本発明は、ビスシクロオクタジエニルニッケルとジハロゲン化化合物を反応させる高分子化合物の製造方法において、前記ビスシクロオクタジエニルニッケルと前記ジハロゲン化化合物のモル比および/または反応溶媒種を調整することを特徴とする高分子化合物の製造方法および該方法によって得られた高分子化合物を提供する。この方法では前記ジハロゲン化化合物が、少なくとも2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチルフルオレンまたは2,7−ジブロモ−9,9−ジ(3−メチル−4−メトキシフェニル)フルオレンを含むことが好ましい。また、得られる高分子化合物が、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)またはポリ(9,9−ジ(3−メチル−4−メトキシフェニル)フルオレン−2,7−ジイル)であることが好ましい。
さらに、上記の高分子化合物からなることを特徴とする発光材料を提供する。
以上の本発明で得られる特定範囲の分子量および分子量分布を有する高分子化合物は、例えば、EL素子の発光材料として有用であり、また、導電性高分子化合物としても有用である。
本発明によれば、得られるπ共役高分子化合物は、その収率は分画の程度により増減するが、任意の分子量および分子量分布を持つπ共役高分子化合物、特に前記一般式(1)で表わされる高分子化合物が得られる。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。π共役高分子化合物のゲル浸透クロマトグラフィ(以下「GPC」という)の使用による特定分子量範囲の高分子化合物の分画は次の如き方法によって行うことができる。高分子化合物を溶解する溶媒(有機または無機化合物)に溶かし、多孔質ゲルが充填されたカラムを通し、分子量の違いによる高分子化合物の溶出時間の違いを利用する方法である。
適用されるπ共役高分子化合物は、一般的なπ共役高分子化合物であるが、ポリフルオレン類、特に好ましい高分子化合物としては前記一般式(1)で表わされる高分子化合物が挙げられる。
前記一般式(1)中のR1およびR2で表される基は、水素原子、または炭素数1〜22の炭化水素基である。炭化水素基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、イソブチル基、2−エチルヘキシル基、メチル基などのアルキル基やメトキシ基などのアルコキシル基を有するフェニル基などのアリール基などを挙げることができる。また、R1およびR2で表される基は、窒素、酸素、硫黄、燐などのヘテロ原子を一つ以上含む炭化水素基であってもよい。この炭化水素基の例としては、アルキル基、アリール基あるいは不飽和結合を含むアルキル基やアリール基などを挙げることができる。特に好ましいR1およびR2はオクチル基である。オクチル基は、溶媒への溶解性が優れるため、GPCによる分画を良好に行うことができるからである。
前記一般式(1)中のXで表される基は、芳香族基もしくは脂肪族基である。特にこれらの基はπ共役高分子化合物とするために共役基であることがより好ましい。好ましい具体例としては、例えば、芳香族基としては、ビフェニル環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環、ターフェニル環、カルバゾール環、トリフェニレン環、クリセン環、ベンズアントラセン環、ビピリジン環、ターピリジン環、ビチオフェン環、ターチオフェン環、ペンタセン環、ベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ベンズイミダゾール環、インデン環、キノリン環、フェナントロリン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチオフェン環、フルオレン環、9,9−ジアリールフルオレン環および9,9−ジアルキルフルオレン環などが挙げられる。脂肪族基としては、エチレン、ブタジエン、ヘキサトリエンなどのポリアセチレン構造を持つ基が好ましい。特にフルオレン環、9,9−ジアリールフルオレン環および9,9−ジアルキルフルオレン環などの如くフルオレン環およびその置換誘導体が好ましい。これらの基はジハロゲン化化合物の脱ハロゲン残基またはヘテロ原子を1個以上含んでもよい炭化水素基であることが好ましい。以上の化合物は好ましい化合物の例示であり、本発明は上記例示の基に限定されるものではない。
上記高分子化合物のGPCによる分子量分画に用いる溶媒としては、例えば、クロロホルム、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロベンゼン、ヘキサフルオロイソプロパノールなどの有機溶媒や、水などの無機溶媒が使用可能である。使用するゲルおよびカラムは、カラムメーカーが製造している充填済みカラムでもよいし、カラムに適切な量、適切な性状のゲルを充填したものでもよい。高分子化合物は、その分子量により溶出してくる時間が異なる原理を利用し、必要とする分子量成分が溶出する時間の時に溶出液を回収し、それを濃縮および乾燥することにより目的とする分子量範囲の高分子化合物が得られる。高分子化合物の収量および収率にこだわらなければ、処理前の高分子化合物に含まれるあらゆる分子量および分子量分布の成分を取り出すことが可能である。上記分画には、汎用の自動GPC装置を用いる方が簡便であり、さらに、フラクションコレクターなどを使用すれば作業効率が良い。
本発明の、ビスシクロオクタジエニルニッケルとジハロゲン化化合物とを反応させる高分子化合物の製造方法(山本法)においての分子量制御は次の如き方法によって行うことができる。第1の方法は、ビスシクロオクタジエニルニッケル(以下ニッケル錯体ともいう)とジハロゲン化化合物(以下モノマーともいう)との仕込みモル比を変更する方法である。詳しくは、不活性ガス雰囲気下でジハロゲン化化合物(1モル)とビスシクロオクタジエニルニッケル0.1〜10モル、好ましくは0.5〜5モルを溶媒中で反応させる方法である。ビスシクロオクタジエニルニッケルのモル比が少ない場合は得られる高分子化合物の分子量は減少し、多い場合は得られる高分子化合物の分子量が増加する。
第2の方法は、反応溶媒種を調整する方法である。詳しくは、一定のモル比のニッケル錯体/ジハロゲン化化合物を使用する場合に、溶媒種を変更することで、得られる高分子化合物の分子量の調整が可能である。溶媒としては、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランなどの一般的な溶媒を単独で用いることも可能であるし、2種類以上の溶媒を混合して使用することで得られる高分子化合物の分子量の制御が可能である。この他の方法としては、溶媒濃度を変更して分子量を調整したり、生成した高分子化合物を再沈殿などで洗浄して低分子成分を低減し、平均分子量を上げ、分子量分布を小さくする方法が挙げられる。
本発明で得られる高分子化合物の数平均分子量(以下「Mn」と表示する)および重量平均分子量(以下「Mw」と表示する)は、使用する原料種、分子量、分画条件によって異なるが、Mnは約5,000から10,000,000である(GPC、ポリスチレン換算)。
以上のような本発明の方法によって分子量の制御された高分子化合物は、特に、エレクトロルミネッセンス(EL)素子の発光材料として好適である。また、電荷注入材料、電荷輸送材料などとして、あるいは導電性高分子化合物として有用である。
次に実施例、比較例および使用例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)の分画(1)
山本法により合成したMn=34,900、Mw=120,000、分子量分布;Mw/Mn(以下Mw/Mnともいう)=3.44のポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)をクロロホルムに溶解し、島津製作所製GPC(LC−VP応用システム)、SHODEXカラム(K−804および805)、溶離液1ml/min(クロロホルム)、打ち込み量1mg/回で分画を行った。フラクション1は打ち込み後24分から26分、フラクション2は26分から28分、フラクション3は28分から30分、フラクション4は30分から32分、フラクション5は32分から34分、フラクション6は34分から36分、フラクション7は36分から37分に溶出する成分とした。回収した各溶液を濃縮後乾燥し、各フラクションの高分子化合物を得た。
得られた高分子化合物は、フラクション1(収率2%、Mn=431,000、Mw=730,000、Mw/Mn=1.70)、フラクション2(収率14%、Mn=263,000、Mw=324,000、Mw/Mn=1.23)、フラクション3(収率26%、Mn=117,000、Mw=147,000、Mw/Mn=1.26)、フラクション4(収率22%、Mn=51,700、Mw=61,600、Mw/Mn=1.19)、フラクション5(収率8%、Mn=18,700、Mw=21,400、Mw/Mn=1.14)、フラクション6(収率4%、Mn=7,500、Mw=8,500、Mw/Mn=1.13)、フラクション7(収率1%、Mn=4,400、Mw=4,900、Mw/Mn=1.11)であり、分画により分子量が、様々でかつ分子量分布の狭い高分子化合物を得ることができた(図1に上記各フラクションのGPCチャートを示す)。
得られた各フラクションの高分子化合物のクロロホルム溶液でのUVスペクトル(図2、図3)および蛍光スペクトル(図4)、クロロベンゼンからのキャスト法で作成した薄膜の蛍光スペクトルを測定した(図5)。クロロホルム溶液中での蛍光量子収率は、分画前高分子化合物:70%に対し、フラクション1:74%、フラクション2:76%、フラクション3:67%、フラクション4:97%、フラクション5:100%、フラクション6:100%、フラクション7:92%であった。薄膜の蛍光スペクトルでは、フラクション5および6の方が、分画前の高分子化合物と比較して450nmより長波長領域の発光の割合が少なく、青色純度が高いということが確認された。
<実施例2>
ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)の分画(2)
山本法により合成したMn=159,000、Mw=586,000、Mw/Mn=3.69のポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)をクロロホルムに溶解し、島津製作所製GPC(LC−VP応用システム)、SHODEXカラム(K−2004および2005)、溶離液2ml/min(クロロホルム)、打ち込み量1.5mg/回で分画を行った。フラクション1は29分から32分、フラクション2は32分から35分、フラクション3は35分から38分、フラクション4は38分から40分とした。回収した溶液を濃縮後乾燥し各フラクションの高分子化合物を得た。
得られた高分子化合物は、フラクション1(収率8%、Mn=857,000、Mw=1,291,000、Mw/Mn=1.51)、フラクション2(収率20%、Mn=588,000、Mw=795,000、Mw/Mn=1.35)、フラクション3(収率21%、Mn=300,000、Mw=512,000、Mw/Mn=1.71)、フラクション4(収率9%、Mn=180,000、Mw=322,000、Mw/Mn=1.79)であった(図6に各フラクションのGPCチャートを示す)。
得られた各フラクションの高分子化合物のクロロベンゼンからのキャスト法で作成した薄膜の蛍光スペクトルおよび分画前の高分子化合物のクロロホルム溶液での蛍光スペクトルを測定した(図7、図8)。図8に示すように、分子量の上昇(フラクション3→2→1)につれ、450nmより長波長領域の発光の割合が減少し、青色純度が高い発光が得られることを確認した。
前記とほぼ同様な分画条件により、フラクション1(Mn=955,000、Mw=1,268,000、Mw/Mn=1.33)、フラクション2(Mn=532,000、Mw=722,000、Mw/Mn=1.36)、フラクション3(Mn=300,000、Mw=450,000、Mw/Mn=1.50)、フラクション4(Mn=186,000、Mw=294,000、Mw/Mn=1.58)の高分子化合物を得た。
<実施例3>
ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)の分画(3)
山本法により合成したMn=97,100、Mw=1,200,000、Mw/Mn=12.36のポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)をクロロホルムに溶解し、実施例2と同じ条件で分画を行った。Mnが約120万で分子量分布1.5、Mnが約200万で分子量分布1.9の高分子化合物を得ることができた。
<実施例4>
ポリ(9,9−ジ(3−メチル−4−メトキシフェニル)フルオレン−2,7−ジイル−co−9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)の分画
Suzuki couplingにより合成したMn=9,800、Mw=30,600、Mw/Mn=3.12のポリ(9,9−ジ(3−メチル−4−メトキシフェニル)フルオレン−2,7−ジイル−co−9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)(下記式)をクロロホルムに溶解し、実施例1と同じ条件で分画を行った。Mnが約2万、5万および8万であり、分子量分布がそれぞれ1.2〜1.3、1.3〜1.4、1.5である高分子化合物を得ることができた。
Figure 0005048463
<実施例5>
ポリ(9,9−ジ(3−メチル−4−メトキシフェニル)フルオレン−2,7−ジイル)の分画
山本法により合成したMn=13,000、Mw=113,000、Mw/Mn=8.69のポリ(9,9−ジ(3−メチル−4−メトキシフェニル)フルオレン−2,7−ジイル)(下記式)をクロロホルムに溶解し、実施例1と同じ条件で分画を行った。Mnが2万、6万、13万および18万であり、分子量分布がそれぞれ1.2〜1.3、1.3〜1.5、1.5である高分子化合物を得ることができた。
Figure 0005048463
<実施例6>
ポリ[(ジメチルシラニレン)9,9−ジオクチル−2,7−フルオレニレン]の分画
Mn=4,700、Mw=8,400、Mw/Mn=1.79のポリ[(ジメチルシラニレン)9,9−ジオクチル−2,7−フルオレニレン](下記式)をクロロホルムに溶解し、実施例2と同じ条件で分画を行った。Mnが8千、1.5万および2.4万であり、分子量分布がそれぞれ1.1、1.1、1.15である高分子化合物を得ることができた。
Figure 0005048463
<実施例7>
ニッケル錯体/モノマーモル比の調整によるポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)の分子量制御
ニッケル錯体/モノマー=2.0(モル比)
不活性ガスで置換した500ミリリットルのシュレンクに、ビスシクロオクタジエニルニッケル(0価)3.09g(11.2ミリモル)、脱水トルエン103ミリリットル、1,5−シクロオクタジエン1.40g(12.9ミリモル)、2,2’−ビピリジル1.76g(11.3ミリモル)を入れ、室温で50分撹拌後、2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチルフルオレン3.01g(5.49ミリモル)を入れ、得られた混合物を60℃で24時間撹拌および反応した。反応後、反応溶液をメタノール−濃塩酸混合物(9:1)に入れ重合を停止した。ろ過により生成物を回収し、酸洗浄、アルカリ洗浄、再沈殿などの通常の高分子化合物精製操作を行った後、乾燥させ、1.85g(収率87%、Mn=34,900、Mw=120,000、Mw/Mn=3.4)の薄い黄色の粉末を得た。
ニッケル錯体/モノマー=3.0(モル比)
ビスシクロオクタジエニルニッケル(0価)と2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチルフルオレンのモル比を3.0に変更し前記と同様に高分子化合物を合成し、回収した(収率91%、Mn=159,000、Mw=586,000、Mw/Mn=3.69)。
ニッケル錯体/モノマー=4.1(モル比)
ビスシクロオクタジエニルニッケル(0価)と2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチルフルオレンのモル比を4.1に変更し前記と同様に高分子化合物を合成し、回収した(収率85%、Mn=97,100、Mw=1,200,000、Mw/Mn=12.36)。図9に、得られた上記3種類の高分子化合物のGPCチャートを示すように、ニッケル錯体の割合を増やすと、分子量分布曲線のピークトップが高分子量側にシフトしていることがわかる。
<実施例8>
反応溶媒種の変更によるポリ(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)の分子量制御
トルエン(反応溶媒種)
不活性ガスで置換した50ミリリットルのシュレンクに、ビスシクロオクタジエニルニッケル(0価)0.825g(3.0ミリモル)、脱水トルエン20ミリリットル、1,5−シクロオクタジエン0.325g(3.0ミリモル)、2,2’−ビピリジル0.469g(3.0ミリモル)を入れ、室温で30分撹拌後、2,7−ジブロモ−9,9−ジヘキシルフルオレン0.492g(1.0ミリモル)を入れ、得られた混合物を60℃で24時間撹拌および反応した。反応後、反応溶液をメタノール−濃塩酸混合物(9:1)に入れ重合を停止した。ろ過により生成物を回収し、洗浄、再沈殿などの通常の高分子化合物精製操作を行った後、乾燥させ、0.33g(収率99%、Mn=188,000、Mw=374,000、Mw/Mn=1.99)の薄い黄色の粉末を得た。
N,N−ジメチルホルムアミド(反応溶媒種)
反応溶媒種をトルエンからN,N−ジメチルホルムアミドに変更し上記と同様に高分子化合物を合成し、回収した(収率70%、Mn=2,700、Mw=5,000、Mw/Mn=1.85)。
図10のGPCチャートに示すように、溶媒種を変更すると明らかに分子量が変化していることがわかる。また、収率にも影響が現れている。
<実施例9>
反応溶媒種の変更によるポリ[9,9−ジ(3−メチル−4−メトキシフェニル)フルオレン−2,7−ジイル]の分子量制御
トルエン(反応溶媒種)
不活性ガスで置換した50ミリリットルのシュレンクに、ビスシクロオクタジエニルニッケル(0価)0.726g(2.64ミリモル)、脱水トルエン20ミリリットル、1,5−シクロオクタジエン0.33g(3.1ミリモル)、2,2’−ビピリジル0.412g(2.64ミリモル)を入れ、室温で1時間撹拌後、2,7−ジブロモ−9,9−ジ(3−メチル−4−メトキシフェニル)フルオレン0.500g(0.886ミリモル)を入れ、得られた混合物を60℃で2日間撹拌および反応した。反応後、反応溶液をメタノール−濃塩酸混合物(10:1)に入れ重合を停止した。ろ過により生成物を回収し、酸洗浄、アルカリ洗浄、再沈殿などの通常の高分子化合物精製操作を行った後、乾燥させ、0.332g(収率93%、Mn=13,000、Mw=113,000、Mw/Mn=8.69)の薄い黄色の粉末を得た。
N,N−ジメチルホルムアミド(反応溶媒種)
反応溶媒種をトルエンからN,N−ジメチルホルムアミドに変更し上記と同様に高分子化合物を合成し、回収した(収率74%、Mn=7,500、Mw=23,700、Mw/Mn=3.16)。
溶媒種を変更すると明らかに分子量および収率が変化していることがわかる。
<比較例1>
山本法により合成した分子量分布の広い(Mn=13,600、Mw=240,000、Mw/Mn=17.65)ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)を少量のクロロホルムに溶解し、大量のメタノールに落として再沈殿を行い、低分子成分を除去することで、Mn=20,800、Mw=267,000、Mw/Mn=12.84の高分子化合物を得ることができた。さらに、アセトンで再沈殿を繰り返すと、Mn=35,500、Mw=276,000、Mw/Mn=7.77の高分子化合物を回収できた。このように、洗浄溶媒種、洗浄回数の選択により低分子成分の低減が達成されるが、その分子量分布は前記本発明のGPC分画方法に比較して著しく広いことが明らかである。
<使用例>
実施例1で得られた各高分子化合物をクロロホルムに濃度30mg/mlになるように溶解し、スピンコーティング法により、インジウム/錫オキサイドで被覆されたガラス基板(陽極)に塗布および乾燥し、均一な層を形成した。この層の表面にMg/Ag(80/20)を蒸気蒸着させて陰極とし、EL素子とした。上記の電極の間に電圧を印加すると青色の蛍光発光が認められた。PEDOT−PSSなどの正孔輸送材料や、陰極にCa、LiFなどを用いた場合も同様であった。また、実施例2から6の各高分子化合物についても同様の良好な結果であり、本発明の高分子化合物が優れた発光特性を有することが認められた。
以上説明したように、本発明によれば、分子量が制御されたπ共役高分子化合物を製造することができ、特にEL素子の発光層に用いた場合に発光特性および安定性に優れた発光材料を提供することができる。また、本発明で得られた高分子化合物は、EL素子の電荷注入材料や電荷輸送材料、導電性高分子化合物としても有用である。
実施例1の各高分子化合物のGPCチャート。 実施例1の各高分子化合物のクロロホルム溶液でのUVスペクトル。 実施例1の各高分子化合物のクロロホルム溶液でのUVスペクトル。 実施例1の各高分子化合物のクロロホルム溶液での蛍光スペクトル。 実施例1の各高分子化合物の薄膜での蛍光スペクトル。 実施例2の各高分子化合物のGPCチャート。 実施例2の各高分子化合物の薄膜および分画前の高分子化合物のクロロホルム溶液での蛍光スペクトル。 実施例2の各高分子化合物の薄膜の蛍光スペクトルの比較。 実施例7の各高分子化合物のGPCチャート。 実施例8の各高分子化合物のGPCチャート。

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  1. ビスシクロオクタジエニルニッケルと2,7−ジブロモ−9,9−ジ(3−メチル−4−メトキシフェニル)フルオレンを含むジハロゲン化化合物を反応させる高分子化合物の製造方法において、前記ビスシクロオクタジエニルニッケルと前記ジハロゲン化化合物のモル比および/または反応溶媒種を変更して、得られる高分子化合物の分子量および分子量分布を調整することを特徴とする高分子化合物の製造方法。
  2. 前記ジハロゲン化化合物が、2,7−ジブロモ−9,9−ジ(3−メチル−4−メトキシフェニル)フルオレンである請求項1に記載の高分子化合物の製造方法。
  3. 得られる高分子化合物が、ポリ(9,9−ジ(3−メチル−4−メトキシフェニル)フルオレン−2,7−ジイル)である請求項2に記載の高分子化合物の製造方法。
  4. ビスシクロオクタジエニルニッケルと2,7−ジブロモ−9,9−ジ(3−メチル−4−メトキシフェニル)フルオレンを含むジハロゲン化化合物を反応させる発光材料の製造方法において、前記ビスシクロオクタジエニルニッケルと前記ジハロゲン化化合物のモル比および/または反応溶媒種を変更して反応させて高分子化合物を得、該高分子化合物をゲル浸透クロマトグラフィの使用により分画して、数平均分子量が100,000以上であり、[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]である分子量分布が2以下である高分子化合物からなる発光材料を得ることを特徴とする発光材料の製造方法。
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