JP5046865B2 - 吸収性物品及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品及びその製造方法に関する。
使い捨ておむつ等の吸収性物品は、一般的に、図8に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3及びこれら両シート2,3間に介在配置された液保持性の吸収体4を備えている。吸収体4は、一般的に、液保持性の吸収性コア5が液透過性の被覆シート6で被覆されて構成されている。吸収性コア5は、一般的に、パルプ繊維等の積繊物に吸収性ポリマーが混在されて形成されている。吸収性コア5を被覆シート6で被覆する主な理由は、吸収性コア5の形状保持と吸収性ポリマーの脱落防止である。通常、被覆シート6は筒状に形成され、その長手方向端縁部6Aの開口部がシールされて封止される。
上述の如き構成の吸収体を具備する吸収性物品に関し、特許文献1には、吸液性コアと、該コアの両面を被覆し該コアの両端縁及び両側縁から延出する透液性表面シート及び不透液性裏面シートとからなる積層体を具備し、該積層体の前後側域のうち少なくとも前側域における該コアが、その前端縁を含むその近傍において該前端縁に向かって少なくとも10mmの範囲にわたる前端域の厚みが減少する形状に形成されているパンツ型体液吸収性着用物品が記載されている。特許文献1に記載のパンツ型体液吸収性着用物品によれば、吸液性コアの端縁の近傍における厚みがその端縁に向かって漸減しているので、そうしていない場合と比較して身体との間に生じる段差が小さく着用時の体裁が良好であるとされている。
しかしながら、特許文献1に記載の如き従来の吸収性物品においては、被覆シート6の長手方向端縁部6Aの口開きを防止するために、被覆シート6の長手方向端縁部6Aに十分な幅を有するシール部6Bを形成している(図8参照)。そのため、吸収性コア5の長手方向端縁部5Aは、図8に示すように、被覆シート6の長手方向端縁部6Aから後退した位置に位置している。その結果、吸収体4の長手方向端縁部4Aには、吸収性コア5が設けられていない領域、即ち液保持性にほとんど寄与していない領域が存在し、これにより、斯かる構成の従来の吸収性物品は、その長手方向端縁部から漏れが生じ易いという問題があった。
また、特許文献1に記載のパンツ型体液吸収性着用物品は、前記吸液性コアの厚みが減少している前端域が、該前端域の下面側(裏面シート側)に配されている弾性部材の一部によって押圧されている構成を採用しているため、該吸液性コアが液を吸収している状態では、該吸液性コアに吸収された液が表面シート側に戻る、いわゆる液戻りが生じるおそれがあり、着用者の肌のかぶれを引き起こすおそれがある。
特許第3566709号公報
従って本発明の目的は、吸収性ポリマーの脱落が起こり難く、着用者の肌に対するフィット性に優れ且つ漏れを生じ難い吸収性物品及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、表面シート、裏面シート及びこれら両シート間に配置された吸収体を具備し、背側部、腹側部及びこれらの間に位置する股下部を長手方向に有する吸収性物品であって、前記吸収体は、パルプ繊維及び吸収性ポリマーを含む縦長の吸収性コアと、該吸収性コアを被覆する被覆シートとを含んで構成されており、該吸収体の長手方向両端縁部が該吸収体の他の部分に比して厚みが薄くなっており、且つ該吸収性コアの平面視における4隅が内方に向かって括れており、前記吸収性コアの長手方向両端縁部は、前記被覆シートの長手方向両端縁部と一致しており、且つ該吸収性コアの長手方向端縁部と該被覆シートの長手方向端縁部とが、密接している吸収性物品を提供することにより、前記目的を達成したものである。
また本発明は、上述した本発明の吸収性物品体の製造方法であって、パルプ繊維及び吸収性ポリマーを含む吸収体材料を飛散させて、該吸収体材料を、底部及び周壁部を有する凹部が周面に形成されている回転ドラムの該底部上に堆積させ、複数の前記吸収性コアの前駆体が該前駆体の長手方向に一列に連接されてなる、コア連続体を得る連続体形成工程と、前記コア連続体を長尺の前記被覆シートで被覆する被覆工程と、前記被覆シートで被覆された前記コア連続体を、該被覆シートと共に前記前駆体の一単位毎に切断する切断工程とを有し、前記凹部内の前記底部上における隣り合う前記前駆体間の境界に対応する位置に、所定の厚みを有するリブが設けられ、前記コア連続体の該リブに対応する部分が、該コア連続体の他の部分に比して厚みが薄くなるようになされており、前記切断工程において、前記コア連続体の前記リブに対応する部分を切断する吸収性物品の製造方法を提供することにより、前記目的を達成したものである。
本発明によれば、吸収性ポリマーの脱落が起こり難く、着用者の肌に対するフィット性に優れ且つ漏れを生じ難い吸収性物品を提供することができる。
以下、本発明の吸収性物品について、その好ましい一実施形態である使い捨ておむつに基づき図面を参照しながら説明する。
本実施形態の使い捨ておむつ10は、図1及び図2に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性ないし撥水性(以下、これらを総称して液不透過性という)の裏面シート3及びこれら両シート2,3間に配置された吸収体1を有し、実質的に縦長に形成されている展開型のものである。
吸収体1は、実質的に縦長で、全体として長手方向中央部が内方に括れた砂時計状の形状となっており、その長手方向をおむつ10の長手方向に一致させて該おむつ10の幅方向中央部に配されている。吸収体1と表面シート2との間、及び吸収体1と裏面シート3との間は、何れもホットメルト粘着剤等の接合手段により接合されている。
尚、以下の説明において、「長手方向」及び「幅方向」というときは、それぞれ「吸収性物品の長手方向」及び「吸収性物品の幅方向」を意味する。「上面」及び「下面」というときは、それぞれ「肌当接面(側の面)」及び「非肌当接面(側の面)」を意味する。
本実施形態のおむつ10は、図1に示すように、背側部A、腹側部B及びこれらA,Bの間に位置する股下部Cを長手方向に有している。背側部Aはおむつの着用者の背側に位置する部位、腹側部Bは着用者の腹側に位置する部位、股下部Cは着用者の股下に位置する部位である。股下部Cは、おむつ10の長手方向中央部に位置している。
おむつ10は、股下部Cの両側縁が内向きの円弧状に湾曲しており、全体として長手方向中央部が内方に括れた砂時計状の形状となっている。表面シート2は、吸収体1よりも外形寸法の大きい略矩形状の平面視形状を有しており、裏面シート3の幅方向中央部に配されている。裏面シート3は、おむつの外形形状に一致する砂時計状の外形を有している。表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ吸収体1の長手方向両端縁部1a,1a及び幅方向両側縁部(図示せず)から外方に延出しており、それらの延出部において直接的に又は他の部材を介在させて互いに接合されている。
背側部Aの左右両側縁部には一対のファスニングテープ12,12が設けられている。より具体的には、背側部Aの両側部それぞれには、吸収体1の幅方向側縁部から幅方向外方に延出するサイドフラップ11,11が形成されており、各サイドフラップ11に、ファスニングテープ12が幅方向外方に延出して取り付けられている。ファスニングテープ12には、メカニカルファスナーのフック部材(図示せず)が取り付けられている。このフック部材としては当該技術分野において公知のものを特に制限なく用いることができる。尚、腹側部Bの両側部にも、それぞれ幅方向外方に延出するサイドフラップ11,11が形成されている。
また、腹側部Bの外表面(非肌当接面)上には、ファスニングテープ12止着用のランディングテープ13が貼付されている。ランディングテープ13は、矩形形状の基材シート及び該基材シートに貼り合わされたループ材料から構成されている。該ループ材料は、ファスニングテープ12に取り付けられた前記フック部材と係合する係合部材として用いられる。
おむつ10における長手方向両側部それぞれには、1本又は複数本の立体ギャザー形成用弾性部材6(本実施形態では3本、図2参照)を有する立体ギャザー形成用シート60が、表面シート2の両側部を覆うように配されている。これによって一対の立体ギャザーが形成されている。
更に、おむつ10における長手方向の両側部それぞれには、1本又は複数本のレッグ弾性部材7(本実施形態では2本)が略直線状に配されている。レッグ弾性部材7は、立体ギャザー形成用弾性部材6よりも幅方向外方において、立体ギャザー形成用シート60と裏面シート3との間に挟持固定されている。これによってレッグギャザーが形成されている。立体ギャザー形成用弾性部材6及びレッグ弾性部材7は、何れも、糸状の形態を有し、おむつ10の長手方向に沿って配設されており、また、背側部Aと腹側部Bとの間に亘って配設されている。
背側部A及び腹側部Bにおけるウエスト部Dには、ウエスト弾性部材81が配設されてウエストギャザーが形成されている。ウエスト弾性部材81は、帯状の形態を有し、おむつ10の幅方向に沿って略全幅に亘って、表面シート2と裏面シート3との間に挟持固定されている。ウエスト部Dは、背側部Aにおけるおむつ10の長手方向端縁10a、又は腹側部Bにおけるおむつ10の長手方向端縁10bから、おむつ10の長手方向に沿って該おむつ10の内方に該おむつ10の長手方向の全長のおよそ5%の長さの領域である。
背側部Aにおける胴回り部Eの両側部には、それぞれ複数本の胴回りギャザー形成用弾性部材82が配設されて左右一対の胴回りギャザーが形成されている。胴回りギャザー形成用弾性部材82は、幅方向に沿って略直線状に配され、表面シート2と裏面シート3との間に挟持固定されている。尚、胴回りギャザー形成用弾性部材82は、複数本が、該弾性部材82とは別体のシート状物でまとめて被覆された状態で所定位置に配設しても良い。
背側部Aにおける胴回り部Eは、図1に示すようにおむつ10を、その各部の弾性部材を伸張させて平面状に拡げた状態(展開状態)とし、背側部A側を上側、腹側部B側を下側と考えた場合に、ウエスト部Dよりも下方に位置し且つ股下部Cよりも上方に位置する領域である。胴回りギャザーの長手方向に沿った長さL1は、おむつ10の長手方向の全長に対して、好ましくは5〜15%である。
吸収体1は、図3に示すように、パルプ繊維及び吸収性ポリマーを含む液保持性の縦長の吸収性コア4と、該吸収性コア4を被覆する液透過性の被覆シート5とを含んで構成されている。被覆シート5は、図3及び図4に示すように、吸収性コア4の上面(肌当接面側)、下面(非肌当接面側)及び両側縁部を被覆しているが、吸収性コア4の長手方向両端縁部4a,4それぞれの端面については全く又はほとんど被覆していない。
本実施形態においては、被覆シート5は、幅方向の寸法が異なる2枚のシートから構成されている。1枚は、吸収体1の長手方向及び幅方向の長さ(ここでいう吸収体1の長手方向及び幅方向の長さは、それぞれの方向の最大長さを意味する)と同一寸法の上部被覆シート51であり、他の1枚は、該上部被覆シート51より幅広の下部被覆シート52である。上部被覆シート51と下部被覆シート52とは、長手方向の長さは同じである。上部被覆シート51は、吸収性コア4の上面と対向して配されている。下部被覆シート52は、吸収性コア4の下面と対向して配され、且つ吸収性コア4の長手方向両側縁から延出した部分を有し、その延出部分が、該吸収性コア4の上面を被覆する上部被覆シート51上に巻き上げられている。上部被覆シート51と吸収性コア4の上面との間、及び下部被覆シート52と吸収性コア4の下面との間は、ホットメルト粘着剤等の接合手段により接合されている。
尚、被覆シート5は、吸収性コア4の上面、下面及び両側縁部を被覆することができれば、その構成に制限はない。例えば、上述した2枚の被覆シート51,52を用いた構成に替えて、被覆シート5として、吸収性コア4の幅の2倍以上3倍以下の幅を有する液透過性の1枚のシートを用い、該シートの幅方向中央部に吸収性コア4を載置し、該シートの幅方向両側部を吸収性コア4の上面側に折り返し、該シートの幅方向両側縁部同士を接合して筒状に形成して、吸収性コア4を被覆することもできる。
吸収体1は、図3及び4に示すように、その長手方向両端縁部1a,1b(図3中、斜線を付した部分)が該吸収体1の他の部分に比して厚みが薄くなっている。符号1aは、背側部A寄りの吸収体1の一方の長手方向端縁部であり、符号1bは、腹側部B寄りの吸収体1の他方の長手方向端縁部である。吸収体1の長手方向端縁部1a(1b)は、吸収体1の長手方向端縁1aa(1ba)を含むその近傍部分であり、具体的には、背側部A(腹側部B)における吸収体1の長手方向端縁1aa(1ba)から、吸収体1の長手方向に沿って該吸収体1の内方に該吸収体1の長手方向の全長の1〜4%の長さまでの領域である。
このように、吸収体1の長手方向両端縁部1a,1bが、それぞれ吸収体1の他の部分に比して厚みの薄い薄肉部となっていることにより、吸収体の長手方向両端縁部が薄肉部となっていない場合に比して、柔軟な該薄肉部がおむつ着用者の肌に追従するので、おむつと身体との間に生じる隙間が小さくなり、これにより良好なフィット性が得られる。このような、長手方向両端縁部が薄肉部となっている吸収体は、後述する本発明の吸収体の製造方法によって得ることができる。
吸収体1の長手方向両端縁部(薄肉部)1a,1bそれぞれの厚みT1は、好ましくは0.5〜3.5mm、更に好ましくは1.0〜2.5mmである。厚みT1が3.5mmを超えると、後述する、吸収性コア4の長手方向端縁部4a(4b)と被覆シート5の長手方向端縁部5a(5b)との間の擬似接合が得られにくくなる。他方、厚みT1が0.5mm未満であることは、液保持性の観点から好ましくない。
また、吸収体1の長手方向両端縁部(薄肉部)1a,1b以外の部分の厚みをT2とした場合、厚みT2に対する厚みT1の割合〔(T1/T2)×100〕(%)は、好ましくは25〜80%、更に好ましくは40〜65%である。この割合が25%未満であると、吸収体1の段差部分(前記薄肉部)と身体との間に隙間が生じやすくなり、また、この割合が80%を超えると、前記薄肉部の肌への追随性が損なわれるため、好ましくない。
吸収体の前記厚みT1,T2は、ミツトヨ社製の厚み測定器「ABSデジマチックインジケータ 575シリーズ」(商品名)を用いて計測される。尚、吸収体が吸収性物品に組み込まれている場合において該吸収体の前記厚みT1,T2を測定する場合には、吸収体と吸収性物品のその他の構成部材(表面シートや裏面シートなど)からなる積層体の厚みから、その他の構成部材の厚みを差し引くことによって、前記厚みT1,T2を求めることができる。この場合、前記「積層体」及び前記「その他の構成部材」それぞれの厚みは、前記厚み測定器を用いて測定することができる。
また、吸収体1は、図3に示すように、吸収性コア4の平面視における4隅1ab,2abが内方に向かって括れている。このように、吸収体を構成する吸収性コアの4隅を内方に向かって凸に括れさせることにより、上述したように吸収体の長手方向両端縁部の厚みを該吸収体の他の部分に比して薄くすることと相俟って、以下に説明するように、おむつ着用者の肌に優しく、装着感が良好なおむつが得られる。
即ち、おむつ10の装着時には、ファスニングテープ12がランディングテープ13に貼付されることにより、その周方向(ウエスト部D及び胴回り部E)に張力が生じるところ、吸収体1の長手方向両端縁部1a,1bは、この張力が伝わる周の内部に位置している。そのため、該長手方向端縁部1a,1bは着用者の肌へ押し付けられることになる。従って、吸収体1の長手方向端縁部1a,1bが厚い場合(吸収体の長手方向両端縁部の厚みが、該吸収体の他の部分の厚みと変わらない場合)は、該長手方向端縁部1a,1bにファスニングテープ12の貼付けに起因した力が集中し、これにより、着用者の肌への押し付けが過度となって肌を傷つけるおそれがある。
これに対し、本実施形態では、上述したように吸収体1の長手方向両端縁部1a,1bの厚みを該吸収体1の他の部分に比して薄くすることで、吸収体1の厚みが長手方向両端縁部1a,1bに向かって段階的に薄くなる構成とし、これにより、ファスニングテープ12の貼付に起因する長手方向端縁部1a,1bの着用者に対する押し付け力を分散させている。そして、更に、本実施形態では、特に押し付け力が集中しやすい吸収性コア4の平面視における4隅1ab,2abを、それぞれ内方に向かって括れた形状にすることで、これら4隅の着用者に対する押し付け力を分散しており、これらの作用により、より肌に優しいおむつ構成を実現している。
吸収体1は、図4に示すように、長手方向両端縁部(薄肉部)1a,1bの存在により、裏面シート側(下部被覆シート52側)に段差が生じているものの、表面シート側(上部被覆シート51側)には厚み差に起因する段差が無く、平滑である。このように、吸収体1の表面シート側が平滑であると、図4に示す形態とは逆に、表面シート側に段差があって平滑でない場合に比して、吸収体の身体への密着性が良好となるという効果が奏される。
吸収体1は、上述した構成に加えて更に、図3及び図4に示すように、吸収性コア4の長手方向両端縁部4a,4bが、被覆シート5(上部被覆シート51及び下部被覆シート52)の長手方向両端縁部5a,5bと一致しており、且つ吸収性コア4の長手方向端縁部4a(4b)と被覆シート5の長手方向端縁部5a(5b)とが、密接している。
ここで、「吸収性コアの長手方向両端縁部が、被覆シートの長手方向端両縁部と一致している」とは、吸収性コア4の長手方向両端縁部4a,4bそれぞれにおいて、その長手方向端縁4aa(4ba)と被覆シート5の長手方向端縁5aa(5ba)との間の位置ズレが、5mm以内、好ましくは3mm以内、最も好ましくは1mm以内であることを意味する。
また、「吸収性コアの長手方向端縁部と被覆シートの長手方向端縁部とが、密接している」とは、吸収性コア4の長手方向端縁部4a(4b)と被覆シート5の長手方向端縁部5a(5b)との間が、相互作用によって接合していることを意味する。本明細書においては、この相互作用による接合を「擬似接合」とも呼ぶ。
このように、吸収性コア4とこれを被覆する被覆シート5とが擬似接合している吸収体は、後述する本発明の吸収性物品の製造方法によって得ることができる。即ち、本発明の吸収性物品の製造方法は、複数の吸収性コア4の前駆体40がその長手方向に一列に連接されてなり且つその外面が長尺の被覆シート70,71で被覆されてなる、コア連続体41を、該被覆シート70,71と共に該前駆体40の一単位毎に切断する切断工程を有しており、上述した、「吸収性コア4の長手方向端縁部4a(4b)と被覆シート5の長手方向端縁部5a(5b)とが密接している部分」は、この切断工程によって生じた切断端部である。
擬似接合の発生メカニズムは定かではないが、本発明者らの知見によれば、擬似接合は、吸収体の製造工程において、吸収性コア4の素材を被覆シート5の素材で被覆してなる吸収体前駆体を圧力をかけながら切断したときに、その切断部において発生し、また、擬似接合の接合力は、吸収性コア4及び被覆シート5の構成成分に起因する両者の親和性によって大きく異なる。例えば、吸収性コア4及び被覆シート5が何れもパルプ繊維を主体として構成されている場合、これらの切断部において両者のパルプ繊維間の化学的作用(例えば、パルプ繊維を構成するセルロース間の水素結合)により、充分な接合力を持った擬似接合が発生する。
上述したように、吸収性コア4の長手方向両端縁部4a,4bが、被覆シート5の長手方向端両縁部5a,5bと一致していることにより、吸収体1の長手方向において、液保持性の吸収性コア4が設けられていない領域、即ち液保持性にほとんど寄与していない領域が存在しなくなるため、おむつ10の長手方向前後端部からの漏れを防止することができる。
また、吸収性コア4の長手方向端縁部4a,4bが、被覆シート5の長手方向端縁部5a,5bに一致している状態で、該端縁部4a(4b)と該端縁部5a(5b)とが密接(擬似接合)していることにより、吸収体1の長手方向両端縁部における被覆シート5のめくれや剥がれ(いわゆる口開き)を防止することができ、これにより、おむつの製造過程やおむつの使用時に、吸収性コア4の内部に存在している吸収性ポリマーの脱落を防止することができる。
吸収性コア4を構成するパルプ繊維としては、当該技術分野において通常用いられているものを適宜用いることができる。例えば、木材パルプや植物パルプ等の天然繊維等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
吸収性コア4を構成するパルプ繊維の平均繊維長に特に制限は無いが、一般的な範囲として、1〜5mmであることが好ましい。
吸収性コア4におけるパルプ繊維の含有量は、吸収性コア4の重量に対して、好ましくは25〜75重量%、更に好ましくは40〜60重量%である。
吸収性コア4を構成する吸収性ポリマーとしては、当該技術分野において通常用いられているものを適宜用いることができる。例えば、ポリアクリル酸ソーダ、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ソーダ架橋体、(デンプン−アクリル酸)グラフト重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアクリル酸カリウム、並びにポリアクリル酸セシウム等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
吸収性コア4を構成する吸収性ポリマーとしては、通常は球状等の粒子状のものが用いられるが、繊維状のものでもよい。粒子状の吸収性ポリマーには、その形状の違いから、不定形タイプ、塊状タイプ、俵状タイプ、球粒凝集タイプ、球状タイプ等があるが、何れのタイプも用いることができる。吸収性コア4における吸収性ポリマーの分布量は、好ましくは100〜350g/m2である。
被覆シート5(上部被覆シート51、下部被覆シート52)としては、例えば紙のような、パルプ繊維を含んで構成されているシートが好ましく用いられる。パルプ繊維を含んでいる被覆シート5を用いることで、同じくパルプ繊維を含んでいる吸収性コア4との間に上述した擬似接合が発生し易くなり、吸収性ポリマーの脱落をより一層効果的に防止することが可能となる。被覆シート5の構成成分としてのパルプ繊維としては、上述した吸収性コア4に用いられるものと同様のものを用いることができる。
被覆シート5には、前記パルプ繊維と共に、合成繊維を含有させることができる。合成繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維やPETなどのポリエステル系繊維等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
被覆シート5における合成繊維の含有量は、前記パルプ繊維の重量に対して、好ましくは50重量%以下、更に好ましくは25重量%以下である。被覆シート5における合成繊維の含有量が50重量%を超えると、その分、パルプ繊維の含有量が減ることになり、その結果、被覆シート5と吸収性コア4との間の擬似接合の接合力が弱まったり、あるいは擬似接合が発生しなくなったりするおそれがある。
また、被覆シート5の坪量(上部被覆シート51、下部被覆シート52それぞれの坪量)は、好ましくは5〜305g/m2、更に好ましくは10〜20g/m2である。
本実施形態のおむつ10においては、図1に示すように、吸収体1の一方の長手方向端縁部1b(腹側部B寄りの長手方向端縁部、前記薄肉部)が、ランディングテープ13における腹側部Bの長手方向端縁10b寄りの端縁部13bと一致している。
ここで、「吸収体1の長手方向端縁部1bが、ランディングテープ13の端縁部13bと一致している」とは、長手方向端縁部1bの長手方向端縁1baと端縁部13bの長手方向端縁13baとの間の位置ズレが、10mm以内、好ましくは8mm以内、最も好ましくは5mm以内であることを意味する。
このように、吸収体1の一方の長手方向端縁部1bが、ランディングテープ13における、おむつ10の長手方向端縁に最も近接する端縁部13bと一致していることにより、吸収体1の長手方向において、液保持性の吸収性コア4が設けられていない領域による段差が存在しなくなるため、ランディングテープ13上に段差や吸収体1の段差に対応する位置に発生する皺が発生するのを抑制することができる。これにより、ファスニングテープ12をランディングテープ13に止着する際により確実な係合がされうるという効果が奏される。
また、本実施形態においては、図1に示すように、複数本の胴回りギャザー形成用弾性部材82が配設されてなる一対の前記胴回りギャザーの間に、吸収体1の他方の長手方向端縁部1a(背側部A寄りの長手方向端縁部、前記薄肉部)が位置している。このような、吸収体1の長手方向両端縁部1aを、前記胴回りギャザーの間に配する構成により、柔軟な該薄肉部がおむつ着用者の肌に追従するので、おむつと身体との間に生じる隙間が小さくなり、これにより良好なフィット性が得られるという効果が奏される。
一対の前記胴回りギャザー間の間隔をW1、吸収体1の他方の長手方向端縁部1aの幅方向の長さ(端縁部1aの最大幅)をW2とした場合、間隔W1に対する長さW2の比(W2/W1)は、好ましくは0.5〜1.5、更に好ましくは0.8〜1.2である。
おむつ10における各部の形成材料について説明すると、表面シート2、裏面シート3としては、従来の使い捨ておむつにおいて、それぞれ材料として用いられている各種公知の材料等を、特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては、不織布や開孔フィルム等の各種液透過性のシート材を用いることができる。裏面シート3としては、透湿性を有しない樹脂フィルムや、微細孔を有し、透湿性を有する樹脂フィルム、撥水不織布等の不織布、これらと他のシートとのラミネート体等を用いることができる。また、立体ギャザー形成用のシート材60としては、裏面シート3と同様のものを用いることができる。
本実施形態の使い捨ておむつ10によれば、上述したように、吸収体1の長手方向両端縁部1a,1bが他の部分に比して厚みの薄い薄肉部となっているため、該薄肉部がおむつ着用者の肌、特に着用者の胴回りにしっかりと追従でき、良好なフィット性が得られる。また、吸収性コア4の長手方向両端縁部4a,4bが被覆シート5の長手方向両端縁部5a,5bと一致し、且つ該端縁部4a(4b)と該端縁部5a(5b)とが密接しているため、おむつの製造過程やおむつの使用時に吸収体1からの吸収性ポリマーの脱落が起こり難く、液吸収性に優れており、漏れを生じ難い。
また、本実施形態の使い捨ておむつ10は、従来の使い捨ておむつとの比較において、次のような特長を有する。
即ち、本実施形態の使い捨ておむつ10においては、吸収体1は、上述したように長手方向両端縁部1a,1bが何れも該吸収体1の他の部分に比して厚みの薄い薄肉部となっていることに加えて、更に、図3及び図4に示すように吸収性コア4の長手方向両端縁部4a,4bが、被覆シート5(上部被覆シート51及び下部被覆シート52)の長手方向両端縁部5a,5bと一致した構成となっている。
他方、従来の使い捨ておむつにおいては、図8に示すように、被覆シート6の長手方向端縁部6Aの口開きを防止するために、被覆シート6の長手方向端縁部6Aに十分な幅を有するシール部6Bを形成しているため、液保持性に関与する吸収性コア5を被覆シート6の長手方向端縁部6Aから後退した位置に配設しなければならず、その結果、その長手方向端縁部6Aから漏れが生じ易くなってしまう。また、そのような液保持性の問題を解決すべく、吸収体4を長手方向端縁部6A寄りに配置すると、表面シート2と裏面シート3とを接着する領域を十分に確保できないためにその領域の接着が弱くなってしまい、これにより、おむつ使用時において、尿を吸収して膨潤した吸収性ポリマーやパルプ等の吸収性コア5の構成部材が、おむつ着用者の体圧や動作などにより、おむつの長手方向端部から押し出されてしまうという問題があった。
これに対し、本実施形態の使い捨ておむつ10においては、図4に示すように、被覆シート5の長手方向端部5a,5bまで吸収性コア4が配されているため、おむつの長手方向端部からの尿の漏れが生じにくく、且つ、吸収性コア4の長手方向端縁部4a(4b)と被覆シート5の長手方向端縁部5a(5b)との間が相互作用によって接合(擬似接合)しているため、従来の使い捨ておむつのように被覆シート6の長手方向端縁部6Aに所定の幅を有するシール部6B(図8参照)を必要としないことから、おむつの長手方向の端部に表面シート2と裏面シート3とを接着する領域を該長手方向に十分に確保できる。これらに加えて、本実施形態の使い捨ておむつ10においては、吸収体1の長手方向両端縁部1a,1b(図3中、斜線を付した部分)を該吸収体1の他の部分に比して厚みの薄い薄肉部としているため、後述するように、おむつの長手方向端部の表面シート2と裏面シート3がおむつ製造工程におけるプレスロールによって十分に圧着されるため、おむつ使用時におむつに対して、着用者の体圧や動作などにより膨潤した吸収性ポリマーやパルプ等の部材が押し出される方向に力が加わっても、それらをおむつの内部に確実に封印できる。
また、一般に、おむつの製造工程は、表面シートの長手方向連続ウエブ(表面シート連続体)と裏面シートの長手方向連続ウエブ(裏面シート連続体)、更にこれら連続体の間に該連続体の長手方向に間欠配置された吸収体からなる積層体(これらをおむつ前駆体と称す)を各層の間に塗布したホットメルト接着剤によって接着させるべく、プレスロールによる圧着工程を有する。このプレスロールによって圧着されるおむつ前駆体には、表面シート連続体と裏面シート連続体との間に吸収体が間欠配置されることに起因して、該おむつ前駆体の長手方向に沿った切断面の断面視において、厚みが均一ではなく、部分的に差がある。即ち、おむつ前駆体においては、吸収体が配されている部分は厚く、吸収体が配されておらずに表面シート連続体及び裏面シート連続体のみの部分は薄い。この厚みの差に対応するように、該プレスロールは、一方の軸が可動で、その軸を他方の軸に圧縮エア等により押さえつける構造によっておむつ前駆体の連続ウエブを搬送しながらプレスする。おむつを製造する上で、おむつ前駆体の長手方向において吸収体が配されていない長手方向端部の領域、即ち、おむつ前駆体における表面シート連続体及び裏面シート連続体のみの部分を確実に接着することは、吸収体の長手方向両端縁部からの吸収性ポリマーの脱落を防止する観点から重要であり、特に重要なのは、吸収体の長手方向両端縁部近傍においての表面シートと裏面シートとの接着である。この部分の接着が弱いおむつは、おむつ使用時において、着用者の動作などによって該部分が容易に剥がれてしまい、その剥離部分を介して、吸収体の長手方向両端縁部から脱落した吸収性ポリマーが漏れ出してしまう。更に、表面シートが繊維間が疎なエアスルー不織布等で構成されている場合には、吸収性ポリマーが表面シートを突き抜けておむつ外部に露出し、着用者の肌に付着してしまうといった問題を引き起こす。このような吸収性ポリマーの漏れ出しは、吸収性ポリマーが膨潤していない状態で生じやすい。
前記のプレスロールによるおむつ前駆体の圧着工程において、吸収体端部の厚みと表面シート及び裏面シートのみの部分の厚みとの差が大きい場合には、その厚みの差に対して、プレスロールの可動軸の変位が慣性のために追随しにくくなり、これにより、おむつ前駆体の搬送方向において、吸収体の下流側端縁部近傍での表面シートと裏面シートの圧着が不十分となってしまう。
これに対し、本実施形態の使い捨ておむつ10は、吸収体1の長手方向両端縁部1a,1b(図3中、斜線を付した部分)を該吸収体1の他の部分に比して厚みの薄い薄肉部としているため、吸収体の長手方向端縁部にそのような薄肉部を有しないおむつに比べて、プレスロールの可動軸の変位追随性がより良好となり、表面シートと裏面シートとを吸収体のおむつ前駆体の搬送方向下流側端縁部のより近傍まで圧着することができるから、吸収性ポリマーが着用者の肌に付着してしまうといった問題が生じにくい。
次に、本発明の吸収性物品の製造方法(以下、製造方法ともいう)について、上述した使い捨ておむつ10の製造方法を例にとり、図面を参照しながら説明する。
尚、後述する本発明の製造方法の説明においては、上述した実施形態と同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、上述した実施形態の説明が適宜適用される。
本実施形態の製造方法は、吸収体1の製造工程に主たる特徴を有しており、図5〜図7に示すように、パルプ繊維30及び吸収性ポリマー31を含む吸収体材料を飛散させて、該吸収体材料を、底部61及び周壁部62を有する凹部63が周面に形成されている回転ドラム60の該底部61上に堆積させ、複数の吸収性コア4の前駆体40が該前駆体40の長手方向に一列に連接されてなる、コア連続体41を得る連続体形成工程と、コア連続体41を長尺の被覆シート70,71で被覆する被覆工程と、該被覆シート70,71で被覆されたコア連続体41を、該被覆シート70,71と共に前駆体40の一単位毎に切断する切断工程とを有している。
本実施形態においては、前記吸収体材料の回転ドラム60への供給手段として、図5に示すように、パルプ原紙(図示せず)を細かく粉砕してパルプ繊維30を得る粉砕機61と、吸収性ポリマー31を供給するポリマーフィーダー62と、パルプ繊維30及び吸収性ポリマー31を回転ドラム60に向けて吹き付けるフード63を有した投入機構(図示せず)を用いている。
粉砕機61は、連続して送られてくる帯状のパルプ原紙(図示せず)を細かく粉砕するもので、複数の粉砕用の刃を有したロールからなっている。粉砕機61は、周方向に回転することによって、そのロール周面に設けられた複数の刃によってパルプ原紙を細かく砕くようになっている。ポリマーフィーダー62は、粉砕機61の前方に設けられており、吸収性ポリマー31を回転ドラム60の周面に供給するようになっている。
前記投入機構は、パルプ繊維30及び吸収性ポリマー31からなる吸収体材料を、真空の作用により高速で投入するようになっている。投入機構としては、例えばスクリューフィーダーとその回転駆動装置により構成されたものが挙げられる。パルプ繊維30及び吸収性ポリマー31は、この投入機構によってフード63内において飛散せしめられて混合し、回転ドラム60の凹部63内に堆積するようになされている。
回転ドラム60は、図5中矢標で示す周方向に回転するようになされており、その周面に、底部61及び周壁部62を有する凹部63を有している。凹部63は、回転ドラム60の周方向の全長に亘って連続的に形成されており、凹部63のドラム周方向に沿った長さは、回転ドラム60の周長に等しい。凹部63には、前記吸収体材料が堆積するようになっている。回転ドラム60の内部には、凹部63に堆積した吸収体材料(コア連続体41)を、該凹部63に保持する吸引手段(図示せず)が設けられている。該吸引手段としては、例えばドラムに接続したブロア等が用いられる。
図6に示すように、凹部63内の底部61上における隣り合う前駆体40,40間の境界40Lに対応する位置には、所定の厚みを有するリブ64が設けられている。より具体的には、回転ドラム60の周面は、図6(b)に示すように、複数の開孔が形成された通気性部材71(例えばパンチングメタル)からなる底部61と、該底部61の外面上に順次積層配置された第1パターンリング72及び第2パターンリング73からなる周壁部62とを有している。第1パターンリング72及び第2パターンリング73は、通気性部材71のドラム周方向に沿った左右両側部を被覆するように、該通気性部材71上に配置されている。リブ64は、底部61と第2パターンリング73との間に配置された第1パターンリング72の一部である。(第1パターンリング72(リブ64)及び第2パターンリング73の形成材料としては、ステンレス鋼板等が挙げられる。
また、本実施形態においては、図6に示すように、凹部63内の周壁部62に、リブ64に連接された突出部65が設けられ、これにより、図7に示すように、コア連続体41の該リブ64に対応する部分42(後述する薄肉部)が、該コア連続体41の平面視において内方に括れるようになされている。より具体的には、周壁部62には、相対向する突出部65,65が、回転ドラムの周方向に沿って所定間隔を置いて複数対設けられており、相対向する突出部65,65の対それぞれの間に、リブ64が、突出部65と連接されて配置されている。突出部65は、凹部63の内方に向けて突出している。突出部63によってコア連続体41に作られる括れ部(図7参照)は、後述するコア連続体41の切断工程において、適切な切断位置を示す良い指標となる。
前記投入機構から供給された前記吸収体材料は、凹部63に入り込み、底部61の外面における周壁部62,62に挟まれた領域上に堆積して、コア連続体41となる(連続体形成工程)。凹部63における吸収体材料の堆積量は、リブ64の厚みを超えるように調整され、リブ64は最終的には吸収体材料によって完全に埋もれる。
こうして形成されたコア連続体41においては、リブ64に対応する部分42は、該部分42以外の他の部分に比して、リブ64の厚みに相当する分だけ吸収体材料が少ないため、厚みの薄い肉薄部42となる。
リブ64の厚み及び幅(コア連続体41の長手方向に沿った長さ)は、それぞれ、吸収性コア4の長手方向両端縁部(薄肉部)1a,1bについての厚みT1及び長手方向の長さに対応して、任意に設計される。
尚、リブ64が通気性のない材料から構成される場合、周壁部62からリブ64までの深さ(周壁部62の外面からリブ64の外面までの深さ)に対して、リブ64の幅(コア連続体41の長手方向に沿った長さ)が長すぎると、リブ64上に吸収体材料が堆積にくくなる。このような観点から、リブ64の幅をW、周壁部62からリブ64までの深さをDとした場合、幅Wに対する深さDの割合〔(W/D)×100〕(%)は、好ましくは300%以下、更に好ましくは250%以下である。
また、リブ64の幅(コア連続体41の長手方向に沿った長さ)は、5mm以上であることが好ましい。リブ64の幅が5mm未満では、後工程にプレスロールなどによる圧縮工程がある場合には吸収性コアの薄肉部が不明瞭になったり、後のコア連続体41を薄肉部において切断する工程でカット位相の制御が難しくなる。
また、リブ64は、底部61上における、コア連続体41の隣り合う前駆体40,40間の境界40Lに対応する位置に、該境界40Lをドラム周方向に跨ぐように設けられることが好ましい。
凹部63に堆積した吸収体材料により形成されたコア連続体41は、図5に示すように、回転ドラム60内に設けられた吸引手段(図示せず)によって凹部63内に保持された状態で、別途供給される長尺の第1被覆シート70上に重ね合わされ、該第1被覆シート70上に転写される(被覆工程)。このコア連続体41の転写は、常法通り、回転ドラム60の吸引手段による吸引力を調整することで行なうことができる。該転写をスムーズに行なうために、回転ドラム60の下方に、第1被覆シート70を挟んで該回転ドラム60と反対側に、コア連続体41を該第1被覆シート70上に吸引保持するバキューム手段(図示せず)を設けても良い。
第1被覆シート70におけるコア連続体41との重合面には、ホットメルト供給手段67によって、コア連続体41が重ね合わされる前にホットメルト接着剤が塗布される。
更に、第1被覆シート70上に転写されたコア連続体41の上面には、別途供給される長尺の第2被覆シート71が重ね合わされる(被覆工程)。第2被覆シート71におけるコア連続体41との重合面には、ホットメルト供給手段68によって、コア連続体41が重ね合わされる前にホットメルト接着剤が塗布される。
こうして被覆シート70及び71によって上面、下面及び両側縁部が被覆されたコア連続体41は、必要に応じ常法通り、被覆シート70及び/又は71がコア連続体41の外形に沿って折り曲げられた後、ロータリーカッター69により、被覆シート70及び71と共に、前駆体40の一単位毎に切断される(切断工程)。この切断によってできた端縁部が、上述した吸収体1の長手方向端縁部1a,1bである。
この切断工程においては、コア連続体41のリブ64に対応する部分42、即ち、薄肉部42を切断する。通常、コア連続体41の隣り合う前駆体40,40間の境界40Lにて、該コア連続体41を切断する。
切断工程において切断されるコア連続体41の薄肉部42は、上述した回転ドラム60の凹部63内に設けられた突出部63,63により、図7に示すように、平面視において内方に括れた括れ部となっているので、切断位置が分かり易く、切断箇所を間違える等のミスを誘発し難い。こうして、吸収体1が製造される。
以上の工程を経て得られた吸収体1は、コア連続体41の薄肉部42(リブ64に対応する部分42)にて切断されて形成されているため、その切断部において切断時の剪断応力により、吸収性コアと被覆シートとの間に上述した擬似接合が発生し、この結果、吸収性コア4の長手方向端縁部4a(4b)と被覆シート5の長手方向端縁部5a(5b)とが、接着剤無しで接合する。
また、前記切断工程で切断されるコア連続体41の切断部の厚みが薄いため、該切断部の厚みが厚い場合に比して、切断時の剪断応力による切断端部の硬化が少なく、結果として、柔軟な切断端部(長手方向端縁部1a,1b)が得られる。吸収体1の長手方向端縁部1a,1bが柔軟であると、おむつ着用者に対するフィット性が高まる。
また吸収体1は、複数の吸収性コア4の前駆体40が該前駆体40の長手方向に一列に連接されてなる、コア連続体41を経て製造されているため、このような吸収体の連続体を作らずに最初から一単位毎に吸収体を製造する場合、即ち、前記吸収体材料を回転ドラム60の周面に不連続に堆積させる場合に比して、吸収性ポリマーの分布を均一にすることができ、この結果、良好な液吸収性が得られる。
本実施形態の製造方法においては、上述した吸収体1の製造工程以外の工程は、この種の使い捨ておむつと同様にすることができる。具体的には、例えば、上述した工程を経て得られた複数の吸収体1を、長尺の表面シート2(表面シート連続体)と長尺の裏面シート(裏面シート連続体)との間に、該吸収体1の長手方向がこれらシート2,3の長手方向と一致するように間欠配置して、表面シート連続体、吸収体1及び裏面シート連続体が順次積層されてなる、おむつ前駆体を得、該おむつ前駆体をプレスロール等による圧着する圧着工程を経た後、該おむつ前駆体をおむつの一単位毎に切断する。以上の工程を経ることにより、本実施形態の使い捨ておむつ10が得られる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。
例えば、前記実施形態では、本発明の吸収性物品の適用例の一つとしていわゆる展開型の使い捨ておむつを挙げたが、予めパンツ型に成形されたパンツ型の使い捨ておむつの他、生理用ナプキン、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド等にも適用することができる。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態である展開型の使い捨ておむつの展開状態の表面シート側を示す平面図である。 図2は、図1のI−I線断面を模式的に示す断面図である。 図3は、図1に示す使い捨ておむつの吸収体の平面図である。 図4は、図3のII−II線断面を模式的に示す縦断面図である。 図5は、本発明の吸収性物品の製造方法に用いられる製造装置を示す模式図である。 図6(a)は、図5に示す製造装置の外周面の一部を拡大して示す斜視図、図6(b)は、図6(a)に示す部分の分解斜視図である。 図7は、本発明の吸収性物品の製造方法で得られる中間体(コア連続体)の一部の平面図である。 図8は、従来の吸収性物品の長手方向に沿う縦断面を模式的に示す断面図である。
符号の説明
10 使い捨ておむつ(吸収性物品)
1 吸収体
1a,1b 吸収体の長手方向端縁部
4 吸収性コア
4a,4b 吸収性コアの長手方向端縁部
5 被覆シート
51 上部被覆シート
52 下部被覆シート
5a,5b 被覆シートの長手方向端縁部
2 表面シート
3 裏面シート
12 ファスニングテープ
13 ランディングテープ
A 背側部
B 腹側部
C 股下部
D ウエスト部
E 胴回り部
60 回転ドラム
40 吸収性コアの前駆体
40L コア連続体における隣り合う前駆体間の境界
41 コア連続体
42 コア連続体のリブに対応する部分(薄肉部)
61 底部
62 周壁部
63 凹部
64 リブ
65 突出部
70,71 長尺の被覆シート

Claims (4)

  1. 表面シート、裏面シート及びこれら両シート間に配置された吸収体を具備し、背側部、腹側部及びこれらの間に位置する股下部を長手方向に有する吸収性物品であって、
    前記吸収体は、パルプ繊維及び吸収性ポリマーを含む縦長の吸収性コアと、該吸収性コアを被覆する被覆シートとを含んで構成されており、該吸収体の長手方向両端縁部が該吸収体の他の部分に比して厚みの薄い薄肉部となっており、且つ該吸収性コアの平面視における4隅が内方に向かって括れており、
    前記吸収性コアの長手方向両端縁部は、前記被覆シートの長手方向両端縁部と一致しており、且つ該吸収性コアの長手方向端縁部と該被覆シートの長手方向端縁部とが、密接しており、
    前記被覆シートは、前記吸収性コアの長手方向両端縁部それぞれの端面については全く又はほとんど被覆しておらず、
    前記吸収体の前記裏面シート側には、前記薄肉部の存在により、段差が生じているものの、該吸収体の前記表面シート側には該吸収体の厚み差に起因する段差が無く、該表面シート側は平滑である
    前記背側部における胴回り部の左右両側部それぞれに、複数本の弾性部材が配設されて左右一対の胴回りギャザーが形成されており、一対の該胴回りギャザーの間に、前記吸収体の他方の長手方向端縁部が位置している吸収性物品。
  2. 前記背側部の左右両側縁部に一対のファスニングテープが設けられ、前記腹側部の非肌当接面上に該ファスニングテープ止着用のランディングテープが貼付されており、
    前記吸収体の一方の長手方向端縁部が、前記ランディングテープにおける前記腹側部の長手方向端縁寄りの端縁部と一致している請求項1記載の吸収性物品。
  3. 請求項1又は2に記載の吸収性物品の製造方法であって、
    パルプ繊維及び吸収性ポリマーを含む吸収体材料を飛散させて、該吸収体材料を、底部及び周壁部を有する凹部が周面に形成されている回転ドラムの該底部上に堆積させ、複数の前記吸収性コアの前駆体が該前駆体の長手方向に一列に連接されてなる、コア連続体を得る連続体形成工程と、
    前記コア連続体を長尺の前記被覆シートで被覆する被覆工程と、
    前記被覆シートで被覆された前記コア連続体を、該被覆シートと共に前記前駆体の一単位毎に切断する切断工程とを有し、
    前記凹部内の前記底部上における隣り合う前記前駆体間の境界に対応する位置に、所定の厚みを有するリブが設けられ、前記コア連続体の該リブに対応する部分が、該コア連続体の他の部分に比して厚みが薄くなるようになされており、
    前記切断工程において、前記コア連続体の前記リブに対応する部分を切断する吸収性物品の製造方法。
  4. 前記凹部内の前記周壁部に、前記リブに連接された突出部が設けられ、前記コア連続体の該リブに対応する部分が、該コア連続体の平面視において内方に括れるようになされている請求項記載の吸収性物品の製造方法。
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