JP5046286B2 - ストレス評価装置、ストレス評価システムおよびストレス評価プログラム - Google Patents

ストレス評価装置、ストレス評価システムおよびストレス評価プログラム Download PDF

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Description

本発明は、ユーザの心拍に伴う波動である脈波についてカオス解析を行うことにより、ユーザの心身の状態を診断するストレス評価装置、ストレス評価システムおよびストレス評価プログラムに関する。
従来より、製品やシステム等に対するユーザの使い心地、例えば、使い易さや分かり易さ等を定量化して評価することが行われている。製品等に対するユーザの使い心地を定量化する方法としては、例えば、アンケート等による自己申告を解析する方法が知られている。しかしながら、アンケート等による自己申告では、質問内容や、ユーザの恣意的な感情や、製品使用後にアンケート等に回答することによる記憶の整理等が影響して正確な情報を獲得することが困難であるという問題があった。また、例えば、製品等の連続使用による慣れについて評価する場合、アンケート等による自己申告では、定量化するための正確な情報を獲得すること自体が困難であるという問題があった。
また、ユーザの使い心地を定量化する方法としては、製品等の使用時におけるユーザの生体情報、例えば、製品等の使用時におけるユーザの心理状態やストレス等を解析する方法が知られている。なお、ユーザの生体情報は、アンケート等による自己申告に比べ、リアルタイムにモニタリングでき、ユーザの感情や記憶等にも左右されないため、正確な情報を獲得し易いという特徴がある。
ユーザの生体情報を獲得する方法としては、例えば、Functional MRI(Magnetic Resonance Imaging)による脳神経活動の画像解析、ユーザの顔の温度を測定する方法、心拍数に伴う指尖の血液の容積変動である指尖容積脈波、いわゆる脈波を測定する方法等がある。特に、脈波を測定する方法は、例示した他の方法に比べて、大がかりな装置を使用しなくても実現でき、コストを低減できるため、生体の健康状態や心理状態を解析する方法として広く用いられている。
前記脈波を測定することにより、ユーザの心理状態やストレス等を解析する技術として、例えば、以下の従来技術(J01),(J02)が公知である。
(J01)特許文献1(特開2004−223258号公報)記載の技術
特許文献1には、発光部の光源から人体の特定部位(指尖、耳たぶ等)に特定波長の光を照射した後、照射部位を透過した光の光量信号であるPPG(PhotoPlethysmoGraphy)信号のピーク間隔(Peak to Peak Interval)の変位に基づいて、被験者のストレス程度、すなわち、安定度を評価する安定度評価装置についての技術が記載されている。
(J02)非特許文献1記載の技術
非特許文献1には、脈波についてカオス解析を行うことにより、動脈硬化を正確に把握したり、ストレスや疲労など心身の状態を鋭敏にとらえたりする脈波カオス健康度評価システムについて記載されている。
(カオス解析について)
ここで、カオスとは、あるシステム(系)が所定の規則に従って変化することで、複雑で不規則かつ不安定に振る舞う事象をいう。また、カオス解析とは、自然界の事象からカオス性を抽出し、その変動を生み出す規則を解析するものである。前記カオス解析は、複雑な現象をシンプルな規則で表現できる場合も多いため、状態の把握や予測等に利用され、物理学、工学、経済学、社会学、生命科学等のさまざまな分野で応用されている。
ここで、初期状態が与えられればその後の状態が予測できるという決定論的な規則を有するシステム、例えば、力学系のシステムについては、その構造を、全ての状態変数を軸とする座標空間、いわゆる、状態空間(相空間)の関数として表現でき、その運動を、前記関数による前記状態空間上の軌道(トラジェクトリ)が描く幾何学的構造、いわゆる、アトラクタとして表現できる。よって、前記アトラクタを解析する等により、前記システムのカオス解析を行うことができる。
(アトラクタの構成について)
しかしながら、実際にカオス解析をする段階では、解析対象となるシステムの構造が不明な場合や、前記状態変数の個数が不明な場合もあるため、全ての状態変数により表現された前記アトラクタを構成することは困難である。よって、この場合、1個の状態変数から複数個の状態変数を復元するターケンスの埋め込み定理に基づいて、アトラクタが構成される。具体的には、まず、解析対象のシステムにおける時間経過による位置等の状態変化の情報、いわゆる、時系列データを測定する。次に、時間をt,τとし、時間tでサンプリングされた前記時系列データをx(t)とした場合、前記時系列データx(t)から時間τずつ遅れたタイミングで開始されるn組の時系列データを作製する。すなわち、n組の時系列データx(t),x(t−τ),x(t−2τ),…,x(t−(n−1)τ)を作製する。そして、前記n組の時系列データx(t),x(t−τ),x(t−2τ),…,x(t−(n−1)τ)を状態変数とするn次元状態空間に、各時系列データの値をプロットすることにより前記アトラクタが構成される。
すなわち、x(t),x(t−τ),x(t−2τ),…,x(t−(n−1)τ)を各軸とするn次元状態空間について、t=0,1,2,…の場合のx(t),x(t−τ),x(t−2τ),…,x(t−(n−1)τ)の各値の集合を、それぞれ点X(0),X(1),X(2),…として描画する処理を繰り返す。まず、t=0の場合の点X(0)=(x(0),x(0−τ),x(0−2τ),…,x(0−(n−1)τ))を描画する。次に、t=1の場合の点X(1)=(x(1),x(1−τ),x(1−2τ),…,x(1−(n−1)τ))を描画し、描画された2点X(0),X(1)を結ぶ線を描画する。そして、t=2以降の場合についても同様の処理を繰り返す。このとき、前記各点X(0),X(1),X(2),…がデータベクトル、前記各点X(0),X(1),X(2),…を結んでいった線が軌道(トラジェクトリ)、前記軌道の幾何学的構造が構成されたアトラクタ、τが埋め込み遅れ時間、nが埋め込み次数としてそれぞれ定義されている。
なお、前記ターケンスの埋め込み定理については、例えば、特許文献2(特開2002−73587号公報)、非特許文献2等に記載されており、公知である。
(アトラクタの解析方法について)
さらに、前記ターケンスの埋め込み定理により構成されたアトラクタを解析する技術として、例えば、以下の従来技術(J03)が公知である。
(J03)特許文献3(特許第3785703号明細書)記載の技術
特許文献3には、対象となるシステムによって予め設定された次元(埋め込み次数n)と遅れ(埋め込み遅れ時間τ)とに基づいて、前記システムで測定された時系列データをn次元状態空間に埋め込む処理、すなわち、アトラクタを構成する処理を実行する埋め込み処理部(22)が記載されている。また、特許文献3では、埋め込まれた時系列データのデータベクトル(Xi)がランダムに選択されるデータベクトル選択部(23)と、選択された前記データベクトル(Xi)近傍の空間内で前記データベクトル(Xi)とは異なる軌道上、すなわち、前記近傍空間内では異なる線分上に存在する近傍ベクトル(Xj)を検出する近傍ベクトル検出部(24)とが記載されている。
また、特許文献3には、前記各データベクトル(Xi,Xj)を通過する各軌道の接線方向(Ti,Tj)を演算する接線方向演算部(25)と、前記接線方向(Ti,Tj)の平行度を演算する(評価する)平行度評価部(26)とが記載されている。なお、特許文献3では、前記平行度は、前記接線方向(Ti,Tj)が平行に近いほど0に近い値となる。また、特許文献3では、あるデータベクトルの平行度の評価がされた後、別のデータベクトルに対して平行度の評価を行う処理をN回繰り返している。そして、前記標本数分(N個分)の平行度の平均値を算出し、前記平均値に基づいて決定論的な規則を有するシステムであるか否かを判定する技術が記載されている。
(従来の脈波のカオス解析について)
なお、前記従来技術(J02)には、脈波におけるカオス解析について具体的に開示されていないが、前記従来技術(J03)と同様の技術、いわゆる、軌道平行測度法(TPM:Trajectory Parallel Measure)が利用されていると考えられる。前記軌道平行測度法を利用した脈波のカオス解析については、例えば、以下の従来技術(J04)が公知である。
(J04)非特許文献3,4記載の技術
非特許文献3,4には、前記脈波の変曲点をより明確にするために、測定された前記脈波の2次微分波、いわゆる、加速度脈波を計測する技術が記載されている。また、非特許文献3,4には、前記加速度脈波を時系列データとしてアトラクタを構成し、前記アトラクタにおける前記データベクトルの平行度の平均値等を算出すると共に、従来公知のリカレンスプロット法(非特許文献3等参照)により、前記加速度脈波の定常性の評価値を算出し、前記平均値と、前記評価値とに基づいて、ユーザの健康状態(血流年齢、疾患等)を診断する技術が記載されている。
特開2004−223258号公報(「0001」〜「0008」) 特開2002−73587号公報(「0021」,「0022」) 特許第3785703号明細書(「0011」〜「0015」、図1〜図7) "指先からストレス計測 大屋町の医師らが製品化"、「online」、2003年3月8日、神戸新聞、「2007年5月30日検索」、インターネット<URL:http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sougou/030308ke99580.html> "株式会社CCI カオス複雑系事業部 アトラクタ構成"、「online」、2005年、株式会社CCI、「2007年6月14日検索」、インターネット<URL:http://chaos.cci-web.co.jp/chaos/attractors.html> 馬庭芳朗、天田実志、他3名、「医療におけるカオスと複雑系」、日本知能情報ファジィ学会誌「知能と情報」、2003年12月、第15巻、第6号、p.635−642 天田実志、馬庭芳朗、他3名、"Salus APG −健康とカオスの新しいアイテム−"、「online」、2003年1月、「2007年5月30日検索」、インターネット<URL:http://www7.ocn.ne.jp/~maniwa/apg.pdf>
(従来技術の問題点)
前記従来技術(J04)では、前記加速度脈波を時系列データとする前記アトラクタにおけるデータベクトルの平行度の平均値と、リカレンスプロット法における評価値とを算出し、血流年齢や疾患等の健康状態を診断している。しかしながら、前記従来技術(J04)では、同じ脈波で前記平均値を算出しても、選択されるデータベクトルの位置(座標位置)や数(標本数N)によって得られる値が大きく異なる場合があった。
例えば、ストレス状態でない健常者について、前記脈波を測定して複数の平行度を算出した場合、前記複数の平行度の平均値は限りなく0に近い値が算出されることが期待されている。しかし、算出された複数の平行度の中に極端に大きな値が存在する場合、前記平均値は一部の大きな値に影響され易いため、選択されるデータベクトルの位置(座標位置)や数(標本数N)によっては、0から大きく離れた値が算出される場合がある。この結果、同じ脈波であっても算出される平均値に大きなバラツキが発生する可能性があった。
したがって、前記従来技術(J04)では、前記軌道平行測度法により算出された前記平均値に基づいて、ユーザにおける疾患等の健康状態やストレス等の心理状態を精度良く診断することができないという問題があった。
また、平常時のアトラクタは隣り合う軌跡の間隔が小さく、ストレス時のアトラクタは隣り合う軌跡の間隔が大きいという特徴を有する。しかし、前記従来技術(J04)によるリカレンスプロット法における数値化の方法では、この特徴に対する数値化を示していないという問題があった。
したがって、前記従来技術(J04)では、前記軌道平行測度法により算出された前記平均値と前記リカレンスプロット法により算出された前記評価値に基づいて、ユーザにおける疾患等の健康状態やストレス等の心理状態を精度良く診断することができないという問題があった。
本発明は、前述の事情に鑑み、次の記載内容(O01)を技術的課題とする。
(O01)ユーザの心身の状態を精度良く診断すること。
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明のストレス評価装置は、
ユーザの心拍に伴う波動である脈波を測定する脈波測定手段と、
前記脈波に基づいて、予め設定された遅れ時間および次数に基づいて構成される状態空間の関数を演算することにより、前記状態空間上に描かれた前記関数の軌道の幾何学的構造であるアトラクタを構成するアトラクタ構成手段と、
前記軌道上の点であるデータベクトルについて、複数の前記データベクトルのうちの1つの選択ベクトルを選択するデータベクトル選択手段と、
前記状態空間の部分空間である前記選択ベクトルの近傍空間内において、前記選択ベクトルの近傍の点であり且つ前記選択ベクトルとは異なる軌道上の点である近傍ベクトルを検出する近傍ベクトル検出手段と、
前記選択ベクトルを通過する軌道の接線のベクトルと、前記近傍ベクトルを通過する軌道の接線のベクトルとを演算する接線ベクトル演算手段と、
前記各接線のベクトルどうしの平行度を演算する平行度演算手段と、
前記選択ベクトルと、前記近傍ベクトルとの差分ベクトルの長さである距離を演算する距離演算手段と、
複数の前記選択ベクトルにおいて演算された複数の前記平行度と、複数の前記距離とに基づいて、ストレスを評価するためのストレス評価値を演算するストレス評価値演算手段と、
前記ストレス評価値と、予め記憶された基準となるストレス評価値である基準ストレス評価値とを比較することにより、ユーザの心身の状態を診断する診断手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の前記ストレス評価装置において、
前記脈波の2次微分波である加速度脈波を演算する加速度脈波演算手段と、
前記加速度脈波に基づいて、前記状態空間の関数を演算することにより、前記アトラクタを構成する前記アトラクタ構成手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の前記ストレス評価装置において、
前記複数の選択ベクトルに対応する前記複数の平行度から、予め設定された閾値よりも平行に近い平行度の累積度数を計数し、計数された前記平行度の累積度数が、前記複数の平行度の総数に占める割合である平行度累積度数率を演算する平行度累積度数率演算手段と、
前記アトラクタのサイズとして構成された全ての前記データベクトル間の差分ベクトルの長さのうちの最長の長さである最長距離に対する、前記複数の選択ベクトルに対応する前記複数の距離の平均値の割合である距離率を演算する距離率演算手段と、
前記平行度累積度数率と前記距離率とに基づいて、前記ストレス評価値を演算する前記ストレス評価値演算手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項4記載の発明のストレス評価システムは、
ユーザの心拍に伴う波動である脈波を測定する脈波測定手段と、
前記脈波に基づいて、予め設定された遅れ時間および次数に基づいて構成される状態空間の関数を演算することにより、前記状態空間上に描かれた前記関数の軌道の幾何学的構造であるアトラクタを構成するアトラクタ構成手段と、
前記軌道上の点であるデータベクトルについて、複数の前記データベクトルのうちの1つの選択ベクトルを選択するデータベクトル選択手段と、
前記状態空間の部分空間である前記選択ベクトルの近傍空間内において、前記選択ベクトルの近傍の点であり且つ前記選択ベクトルとは異なる軌道上の点である近傍ベクトルを検出する近傍ベクトル検出手段と、
前記選択ベクトルを通過する軌道の接線のベクトルと、前記近傍ベクトルを通過する軌道の接線のベクトルとを演算する接線ベクトル演算手段と、
前記各接線のベクトルどうしの平行度を演算する平行度演算手段と、
前記選択ベクトルと、前記近傍ベクトルとの差分ベクトルの長さである距離を演算する距離演算手段と、
複数の前記選択ベクトルにおいて演算された複数の前記平行度と、複数の前記距離とに基づいて、ストレスを評価するためのストレス評価値を演算するストレス評価値演算手段と、
前記ストレス評価値と、予め記憶された基準となるストレス評価値である基準ストレス評価値とを比較することにより、ユーザの心身の状態を診断する診断手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項5記載の発明のストレス評価プログラムは、
コンピュータを、
ユーザの心拍に伴う波動である脈波を測定する脈波測定手段、
前記脈波に基づいて、予め設定された遅れ時間および次数に基づいて構成される状態空間の関数を演算することにより、前記状態空間上に描かれた前記関数の軌道の幾何学的構造であるアトラクタを構成するアトラクタ構成手段、
前記軌道上の点であるデータベクトルについて、複数の前記データベクトルのうちの1つの選択ベクトルを選択するデータベクトル選択手段、
前記状態空間の部分空間である前記選択ベクトル近傍の近傍空間内において、前記選択ベクトルの近傍の点であり且つ前記選択ベクトルとは異なる軌道上の点である近傍ベクトルを検出する近傍ベクトル検出手段、
前記選択ベクトルを通過する軌道の接線のベクトルと、前記近傍ベクトルを通過する軌道の接線のベクトルとを演算する接線ベクトル演算手段、
前記各接線のベクトルどうしの平行度を演算する平行度演算手段、
前記選択ベクトルと、前記近傍ベクトルとの差分ベクトルの長さである距離を演算する距離演算手段、
複数の前記選択ベクトルにおいて演算された複数の前記平行度と、複数の前記距離とに基づいて、ストレスを評価するためのストレス評価値を演算するストレス評価値演算手段、
前記ストレス評価値と、予め記憶された基準となるストレス評価値である基準ストレス評価値とを比較することにより、ユーザの心身の状態を診断する診断手段、
として機能させる。
請求項1に記載の発明によれば、前記複数の平行度と前記複数の距離とに基づいて演算された前記ストレス評価値と、前記基準ストレス評価値とが比較されることにより、ユーザの心身の状態が診断されるため、複数の平行度の中に極端に大きな値が存在する場合でも、その一部の大きな値に影響されることなく診断できる。この結果、一部の大きな値に影響され易い平均値に基づいて診断される従来の場合に比べ、ユーザの心身の状態を精度良く診断することができる。
請求項2の記載の発明によれば、前記脈波に比べて、ユーザの心身の状態に応じて変化し易い前記加速度脈波に基づいて前記アトラクタを構成することができるため、ユーザの心身の状態を精度良く診断することができる。
請求項3の記載の発明によれば、前記平行度累積度数率と前記距離率とに基づいて演算された前記ストレス評価値によって、ユーザの心身の状態を診断することができ、本発明の構成を有していない場合に比べ、ユーザの心身の状態を精度良く診断することができる。
請求項4の記載の発明によれば、前記複数の平行度と前記複数の距離とに基づいて演算された前記ストレス評価値と、前記基準ストレス評価値とが比較されることにより、ユーザの心身の状態が診断されるため、複数の平行度の中に極端に大きな値が存在する場合でも、その一部の大きな値に影響されることなく診断できる。この結果、一部の大きな値に影響され易い平均値に基づいて診断される従来の場合に比べ、ユーザの心身の状態を精度良く診断することができる。
請求項5の記載の発明によれば、前記複数の平行度と前記複数の距離とに基づいて演算された前記ストレス評価値と、前記基準ストレス評価値とが比較されることにより、ユーザの心身の状態が診断されるため、複数の平行度の中に極端に大きな値が存在する場合でも、その一部の大きな値に影響されることなく診断できる。この結果、一部の大きな値に影響され易い平均値に基づいて診断される従来の場合に比べ、ユーザの心身の状態を精度良く診断することができる。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
図1は本発明の実施例1のストレス評価装置の全体説明図である。
図1において、実施例1のストレス評価装置Uは、ユーザの脈波、例えば、指尖の血管の容積変化である指尖容積脈波を測定するための脈波センサSN1と、前記脈波センサSN1に接続されたユーザが操作可能な端末としてのクライアントパソコン(パーソナルコンピュータ)PCとを有する。
前記クライアントパソコンPCは、コンピュータ装置により構成されており、コンピュータ本体H1と、ディスプレイH2と、キーボードH3やマウスH4等の入力装置、図示しないHDドライブ(ハードディスクドライブ)、CDドライブ(コンパクトディスクドライブ)等により構成されている。
なお、実施例1の前記脈波センサSN1は、指尖容積脈波を測定する従来公知の光電子式の脈波計(例えば、特許文献1参照)によって構成されているが、これに限定されず、例えば、血管内の圧力変化である圧脈波を測定する従来公知の圧電式の脈波計(例えば、特開2004−321254号公報等参照)により構成することも可能である。
(実施例1のクライアントパソコンPCの制御部の説明)
図2は本発明の実施例1のクライアントパソコンの制御部が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図2において、クライアントパソコンPCのコンピュータ本体H1は、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、ハードディスクやROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有している。
前記構成のクライアントパソコンPCは、前記ハードディスクやROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
前記クライアントパソコンPCの前記ハードディスクドライブには、クライアントパソコンの基本動作を制御する基本ソフト(オペレーティングシステム)OSや、アプリケーションプログラムとしてのストレス評価プログラムAP1、その他の図示しないソフトウェア(文書作成ソフトウェアや製図ソフトウェア等)が記憶されている。
(ストレス評価プログラムAP1)
ストレス評価プログラムAP1は、下記の機能手段(プログラムモジュール)を有する。
図3は実施例1のストレス診断プログラムが表示する解析条件パラメタ入力画像の説明図である。
C1:カオス解析条件入力画像表示手段
カオス解析条件入力画像表示手段C1は、脈波についてカオス解析を行うための条件であるカオス解析条件をユーザが入力するためのカオス解析条件入力画像1を前記ディスプレイH2に表示する。
図3において、実施例1の前記カオス解析条件入力画像1は、脈波を測定する時間である脈波測定時間tを入力するための脈波測定時間入力欄2と、埋め込み遅れ時間τを入力するための埋め込み遅れ時間入力欄3と、埋め込み次数nを入力するための埋め込み次数入力欄4と、標本数Nを入力するための標本数入力欄6とを有する。また、前記カオス解析条件入力画像1は、入力したカオス解析条件t,τ,n,Nに基づいて、脈波についてのカオス解析を行うことにより、疾患等の健康状態やストレス等の心理状態を診断するストレス診断処理を開始するための診断開始画像7(「診断開始」アイコン参照)を有する。
実施例1では、前記ストレス評価プログラムAP1の起動時に前記カオス解析条件入力画像1を表示する。
C2:カオス解析条件記憶手段
カオス解析条件記憶手段C2は、カオス解析条件t,τ,n,Nを記憶する。実施例1のカオス解析条件記憶手段C2は、前記カオス解析条件入力画像1の前記脈波測定時間入力欄2に入力された前記脈波測定時間tと、前記埋め込み遅れ時間入力欄3に入力された前記埋め込み遅れ時間τと、前記埋め込み次数入力欄4に入力された前記埋め込み次数nと、前記標本数入力欄6に入力された前記標本数Nとを記憶する。
図4は本発明の実施例1のストレス評価装置で計測される脈波の拡大説明図であり、図4Aは脈波の説明図、図4Bは速度脈波の説明図、図4Cは加速度脈波の説明図である。
C3:脈波測定制御手段
脈波測定制御手段C3は、前記脈波測定時間tを計時するタイマTMを有し、前記脈波センサSN1から出力される脈波W0(図4A参照)の測定を制御する。実施例1の前記脈波測定制御手段C3は、前記脈波センサSN1から出力される信号を所定の時間間隔でサンプリングすることにより前記脈波W0を測定する。また、前記脈波測定制御手段C3は、前記カオス解析条件入力画像1の各入力欄2〜6に適切なカオス解析条件が入力されて診断開始画像7が選択された場合、前記脈波W0の測定を開始し、前記タイマTMが前記脈波測定時間tを計時した場合、前記脈波W0の測定を終了するよう制御する。
C4:加速度脈波演算手段
加速度脈波演算手段C4は、測定された前記脈波W0の2次微分波である加速度脈波W2(図4C参照)を演算する。実施例1の前記加速度脈波演算手段C4は、まず、測定された前記脈波W0から、脈波W0の微分波である速度脈波W1(図4B参照)を演算し、演算された前記速度脈波W1から、速度脈波W1の微分波である前記加速度脈波W2を演算する。
図5は図4Cの加速度脈波により構成されたアトラクタの説明図であり、図5Aはアトラクタの全体説明図、図5Bは図5Aのアトラクタから選択されたデータベクトルとその近傍ベクトルの拡大説明図である。
C5:アトラクタ構成手段
アトラクタ構成手段C5は、前記カオス解析条件記憶手段C2に記憶された前記埋め込み遅れ時間τおよび前記埋め込み次数nに基づいて、前記加速度脈波W2を時系列データとするアトラクタA(図5A参照)を構成する。
C6:ストレス評価値演算手段
ストレス評価値演算手段C6は、データベクトル選択手段C6Aと、近傍ベクトル検出手段C6Bと、接線ベクトル演算手段C6Cと、ベクトル選択数計数手段C6Dと、平行度累積度数率演算手段C6Eと、近傍空間距離平均率演算手段C6Fとを有し、前記アトラクタAに基づいて、ストレスの評価値であるストレス評価値(E)を演算する。
C6A:データベクトル選択手段
データベクトル選択手段C6Aは、前記アトラクタAから任意のデータベクトル(選択ベクトル)X(図5A、図5B参照)を選択する。
C6B:近傍ベクトル検出手段
近傍ベクトル検出手段C6Bは、選択されたデータベクトルXの近傍空間K(図5Bの1点破線参照)内において、前記データベクトルXの軌道Rとは異なる軌道(R,R)上で、前記データベクトルXの近傍にある近傍ベクトルX,X(図5B参照)を検出する。すなわち、加速度脈波W2を時系列データとするn次元状態空間における点Xの近傍の点X,Xを検出する。
C6C:接線ベクトル演算手段
接線ベクトル演算手段C6Cは、前記各データベクトルX,X,Xを通過する各軌道R,R,Rの接線ベクトルT,T,T(図5B参照)を演算する。なお、実施例1の前記接線ベクトル演算手段C6Cでは、前記接線ベクトルT,T,Tが、長さ1の単位ベクトルとして演算される。
C6D:ベクトル選択数計数手段
ベクトル選択数計数手段C6Dは、前記データベクトルXを演算した回数であるベクトル選択数i(i=1,2,…,N)を計数する。
C6E:平行度累積度数率演算手段
平行度累積度数率演算手段C6Eは、平行度演算手段C6E1を有し、前記アトラクタAにおける前記標本数N個の全てのデータベクトルX(i=1,2,…,N)について、平行度tpm(i=1,2,…,N)をそれぞれ演算し、予め設定された平行度の閾値(f)より小さい値の前記平行度tpmの累積度数が前記標本数Nに対して占める割合である平行度累積度数率hを演算する平行度累積度数率演算処理を実行する。なお、実施例1の前記平行度tpmは、前記データベクトルXの接線ベクトルTと、前記各近傍ベクトル(X,X)の各接線ベクトル(T,T)との各平行度の平均であり、以下の数1の式(1)により示される。
…(1)
なお、Ci,jは選択されたデータベクトルXの近傍ベクトル(X,X)の番号(j,k)であり、mは前記近傍ベクトル(X,X)の個数である。よって、例えば、図5Bで示す近傍空間Kの場合には、Ci,j=j,kで示され、m=2で示される。
また、実施例1の前記平行度累積度数率hは、以下の式(2)により示される。
={count(tpm<f|i:1〜N)}/N …(2)
なお、fは予め設定された平行度の閾値であり、count(tpm<f|i:1〜N)は、tpm<fを満たすtpm(i=1,2,…,N)の個数(累積度数)である(count(tpm<f|i:1〜N)=1〜N)。なお、実施例1の前記閾値fは0.01に予め設定されている(f=0.01)。
すなわち、実施例1の前記平行度累積度数率演算手段C6Eは、前記式(1),(2)に基づいて、前記平行度累積度数率hを演算する前記平行度累積度数率演算処理を実行する。
C6E1:平行度演算手段
平行度演算手段C6E1は、前記式(1)に基づいて、選択された前記データベクトルXの前記平行度tpmを演算する(i=1,2,…,N)。なお、実施例1の前記平行度tpmは、前記接線ベクトルT,Tが、同方向で平行に近い程0に近い値(tpm≒0)となり、直交に近い程0.5に近い値となり(tpm≒0.5)、逆方向で平行に近い程1に近い値(tpm≒1)となるように予め設定されている(式(1)参照)。
C6F:近傍空間距離率演算手段(距離率演算手段)
近傍空間距離率演算手段C6Fは、近傍空間距離演算手段C6F1を有し、前記アトラクタAにおける前記標本数N個の全てのデータベクトルX(i=1,2,…,N)について、前記データベクトルXとその近傍ベクトル(X,X)との差分ベクトル(X−X,X−X)の長さである距離(|X−X|,|X−X|)の平均距離d(i=1,2,…,N)をそれぞれ演算し、図5Aに示す前記アトラクタAのサイズとしての全データベクトル(X)間の最長距離Dmaxに対する、全平均距離d(i=1,2,…,N)の平均値の割合である近傍空間距離率dを演算する近傍空間距離率演算処理を実行する。なお、実施例1の前記平均距離dは、以下の数2の式(3)により示される。
…(3)
また、実施例1の前記近傍空間距離率dは、以下の数3の式(4)により示される。
…(4)
なお、実施例1の前記最長距離Dmaxは、全データベクトル(X)間の各距離をDi,jとし、前記各距離Di,jの最大値をmax(Di,j)とした場合、Dmax=max(Di,j)で示される。
すなわち、実施例1の前記近傍空間平均距離率演算手段C6Fは、式(3),(4)に基づいて、前記近傍空間距離率dを演算する前記近傍空間距離率演算処理を実行する。
C6F1:近傍空間距離演算手段(距離演算手段)
近傍空間距離演算手段C6F1は、前記式(3)に基づいて、選択された前記データベクトルXと、その近傍ベクトル(X,X)との平均距離d(i=1,2,…,N)を演算する(i=1,2,…,N)。
なお、実施例1の前記ストレス評価値制御手段C6では、前記ストレス評価値をEとした場合、前記ストレス評価値Eは、前記平行度累積度数率hと、前記近傍空間距離率dとを用いた以下の式(5)によって示される。
=d/h …(5)
したがって、実施例1の前記ストレス評価値制御手段C6は、前記式(1)〜(5)に基づいて、前記ストレス評価値Eを演算する。
C7:ストレス評価値記憶手段
ストレス評価値記憶手段C7は、前記ストレス評価値制御手段C6で演算された前記ストレス評価値Eを記憶する。
C8:ストレス診断手段(診断手段)
ストレス診断手段C8は、診断用サンプル記憶手段C8Aと、診断結果表示手段C8Bとを有し、前記ストレス評価値記憶手段C7に記憶された前記ストレス評価値Eと、予め記憶された評価用のストレス評価値である診断用サンプルとを比較し、最も近い値の診断用サンプルを検出することにより、ユーザの健康状態・心理状態を診断する。
C8A:診断用サンプル記憶手段
診断用サンプル記憶手段C8Aは、予め測定され、疾患(動脈硬化、脱水症状など)等の健康状態やストレスの有無等の心理状態の組み合わせで分類された複数の前記診断用サンプルを記憶する。
C9B:診断結果表示手段
診断結果表示手段C9Bは、前記ストレス評価値記憶手段C7に記憶された前記ストレス評価値Eと、前記診断用サンプル記憶手段C8Aに記憶された複数の前記診断用サンプルのうち前記ストレス評価値Eに最も近い値の診断用サンプルと、その分類(健康状態や心理状態の組み合わせ)とを表示することにより、前記ストレス診断処理の診断結果を表示する。
(実施例1のフローチャートの説明)
次に、実施例1のクライアントパソコンPCのストレス評価プログラムAP1の処理の流れをフローチャートを使用して説明する。
(実施例1のストレス診断処理のフローチャートの説明)
図6は本発明の実施例1のストレス診断プログラムのストレス診断処理のフローチャートである。
図6のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記クライアントパソコンPCのROM等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は前記クライアントパソコンPCの他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図6に示すフローチャートは前記ストレス評価プログラムAP1の起動により開始される。
図6のST1において、次の(1)〜(3)の処理を実行し、ST2に移る。
(1)カオス解析条件t,τ,n,Nをそれぞれ0にセットする(t=τ=n=N=0)。
(2)ストレス評価値E、平行度累積度数率h、近傍空間距離率dをそれぞれ0にセットする(E=h=d=0)。
(3)ベクトル選択数iを1にセットする(i=1)。
ST2において、カオス解析条件入力画像1(図3参照)を表示する。そして、ST3に移る。
ST3において、前記カオス解析条件入力画像1の各入力欄2〜6に適切なカオス解析条件t,τ,n,Nが入力されて診断開始画像7が選択されたか否かを判別することにより、疾患等の健康状態やストレス等の心理状態を診断するストレス診断処理を開始するか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST4に移り、ノー(N)の場合はST3を繰り返す。
ST4において、次の(1),(2)の処理を実行し、ST5に移る。
(1)各入力欄2〜6に入力された値でカオス解析条件t,τ,n,Nをそれぞれセットする。
(2)タイマTMの計時を開始する。
ST5において、脈波センサSN1により脈波W0を測定する。そして、ST6に移る。
ST6において、タイマTMが脈波測定時間tを計時したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST7に移り、ノー(N)の場合はST5に戻る。
ST7において、測定された前記脈波W0から、脈波W0の微分波である速度脈波W1(図4B参照)を演算し、演算された前記速度脈波W1から、速度脈波W1の微分波である前記加速度脈波W2を演算する。そして、ST8に移る。
ST8において、前記カオス解析条件記憶手段C2に記憶された前記埋め込み遅れ時間τおよび前記埋め込み次数nに基づいて、前記加速度脈波W2を時系列データとするアトラクタA(図5A参照)を構成する。そして、ST9に移る。
ST9において、前記アトラクタAから任意のデータベクトルX(図5B参照)を選択する。そして、ST10に移る。
ST10において、選択されたデータベクトルXの近傍空間K(図5Bの1点破線参照)内において、前記データベクトルXの軌道Rとは異なる軌道R,R上で、前記データベクトルXの近傍にある近傍ベクトルX,X(図5B参照)を検出する。そして、ST11に移る。
ST11において、前記各データベクトルX,X,Xを通過する各軌道R,R,Rの接線ベクトルT,T,T(図5B参照)を演算する。そして、ST12に移る。
ST12において、式(1)に基づいて、選択されたデータベクトルXi(i=1,2,…,N)の平行度tpm(0から0.5までの値)を演算して一時記憶する。そして、ST13に移る。
ST13において、式(3)に基づいて、選択されたデータベクトルX(i=1,2,…,N)とその近傍ベクトル(X,X)との平均距離dを演算して一時記憶する。そして、ST14に移る。
ST14において、ベクトル選択数iが標本数Nまで計数されたか否かを判別する。ノー(N)の場合はST15に移り、イエス(Y)の場合はST16に移る。
ST15において、ベクトル選択数iに+1を加算する(i=i+1)。そして、ST9に戻る。
ST16において、式(2)に基づいて、平行度累積度数率hを演算して一時記憶する。そして、ST17に移る。
ST17において、式(4)に基づいて、近傍空間距離率dを演算して一時記憶する。そして、ST18に移る。
ST18において、式(5)に基づいて、ストレス評価値Eを演算して記憶する。そして、ST19に移る。
ST19において、記憶されたストレス評価値Eと、予め記憶された複数の診断用サンプルとを比較して、最も近い値の診断用サンプルを検出する。そして、ST20に移る。
ST20において、記憶されたストレス評価値Eと、検出された診断用サンプルと、その分類(健康状態や心理状態の組み合わせ)とを表示することにより、診断結果を表示する。そして、ST1に戻る。
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のストレス評価装置Uでは、前記脈波センサSN1により出力された前記脈波W0(図4A参照)の2次微分波である加速度脈波W2(図4C参照)が演算され、前記加速度脈波W2を時系列データとするアトラクタA(図5A参照)が構成される(図6のST1〜ST8参照)。また、前記アトラクタAからデータベクトルX(i=1,2,…,N)(図5B参照)が選択され、選択されたデータベクトルXの近傍の近傍ベクトルX,X(図5B参照)が検出される(図6のST9、ST10参照)。また、前記各データベクトルX,X,Xから前記接線ベクトルT,T,T(図5B参照)が演算され、演算された前記接線ベクトルT,T,Tに基づく前記データベクトルXの平行度tpmが演算される(図6のST11、式(1)参照)。そして、あるデータベクトルXの平行度tpmが演算された後、別のデータベクトルXi+1に対しても同様に平行度tpmi+1が演算される処理がN回繰り返される。すなわち、標本数N個の全てのデータベクトルXに対して前記平行度tpm(i=1,2,…,N)が演算される(図6のST9〜ST12,ST14,ST15参照)。
また、実施例1のストレス評価装置Uでは、前記平行度tpm(i=1,2,…,N)に基づいて、前記平行度累積度数率hが演算される(図6のST16、式(2)参照)。さらに、前記データベクトルXの近傍空間K(図5B参照)において、前記データベクトルX(i=1,2,…,N)とその近傍ベクトル(X,X)との平均距離dを演算し(図6のST13、式(3)参照)、全てのデータベクトルXの平均距離dに基づいて、前記アトラクタAのサイズとして前記最長距離Dmaxで正規化された前記近傍空間距離率dが演算される(図6のST17、式(4)参照)。そして、前記平行度累積度数率hと、前記近傍空間距離率dとに基づいて、前記ストレス評価値Eが演算される(図6のST18、式(5)参照)。
したがって、実施例1のストレス評価装置Uでは、前記ストレス評価値Eと、予め記憶された複数の評価用サンプルとが比較され、最も近い値の評価用サンプルが検出されることにより、ユーザの健康状態や心理状態を診断することができる(図6のST19、ST20参照)。
(実験例)
ここで、実施例1の前記ストレス評価装置Uが、前記ストレス評価値Eに基づいてユーザの健康状態や心理状態を診断することにより、ストレス診断処理の精度が向上するか否かを調べるために、次の実験例1を準備した。
図7は実験例1で演算された10名の被験者の平常状態の加速度脈波の一覧であり、横軸に時間(Time)をとり縦軸に値(Value)をとったグラフの一覧である。
図8は実験例1で演算された10名の被験者のストレス状態の加速度脈波の一覧であり、横軸に時間(Time)をとり縦軸に値(Value)をとったグラフの一覧である。
図9は図7の加速度脈波から構成された10名の被験者の平常状態のアトラクタの一覧である。
図10は図8の加速度脈波から構成された10名の被験者のストレス状態のアトラクタの一覧である。
(実験例1)
実験例1では、まず、実施例1の前記ストレス評価装置Uにより、ストレス状態ではない平常状態の10名の被験者(Normal_1〜Normal_10)と、ストレス状態の10名の被験者(Stress_1〜Stress_10)とについて、各脈波W0を測定し、各加速度脈波W2(図7、図8参照)を演算して各アトラクタA(図9、図10参照)を構成した。そして、実験例1では、図9、図10に示す前記各アトラクタAに基づいて、各平行度tpmの累積度数を演算し、各平行度累積度数率h、各近傍空間距離率dおよび各ストレス評価値Eをそれぞれ演算した。
(実験結果)
図11は図9および図10の実験例1のアトラクタから演算された平行度の累積度数の遷移についての説明図であり、縦軸に平行度の値(0.00〜1.00)をとり横軸に累積度数の標本数に対して占める割合(%)をとったグラフの説明図であり、図11Aは図9のアトラクタから演算された平常状態の平行度の累積度数についてのグラフであり、図11Bは図10のアトラクタから演算されたストレス状態の平行度の累積度数についてのグラフである。
図11A、図11Bに示すように、実験例1では、平常状態の被験者(Normal_1〜Normal_10)の各アトラクタAは、ストレス状態の被験者(Stress_1〜Stress_10)の各アトラクタAに比べ、軌跡が乱れていないため、前記平行度tpmが0に近い値の累積度数が大きくなっていることがわかる。
なお、実験例1では、実施例1の前記ストレス評価装置Uで実験を行っているため、前記平行度累積度数率hをカウントするための平行度の閾値fが0.01で予め設定されている(図6のST16、式(2)参照)。したがって、実験例1では、平常状態の被験者(Normal_1〜Normal_10)の各平行度累積度数率hは、ストレス状態の被験者(Stress_1〜Stress_10)の各平行度累積度数率hに比べ、大きくなることがわかる。
すなわち、実施例1の前記ストレス評価装置Uは、前記閾値fが0に近い適切な値(0.01)が設定されることにより、前記平行度tmpの大きな値に影響を受けない前記平行度累積度数率hが演算でき、前記平行度累積度数率hに基づくストレス評価値Eが演算できることがわかる。これに対し、前記平行度(例えば、tmp(i=1,2,…,N))の平均値(例えば、{tmp+tmp+…+tmp}/N)に基づいて診断する従来公知のストレス評価装置では、前記平均値が閾値fより大きな平行度(tmp)に影響されるため、前記平均値自体がストレスを診断するための評価値として精度が悪く、ストレス診断の精度が悪くなることもわかる。
図12は図9および図10のアトラクタから演算された平行度累積度数率および近傍空間距離率の一覧表であり、図12Aは図9のアトラクタから演算された10名の被験者の平常状態の平行度累積度数率の一覧表であり、図12Bは図10のアトラクタから演算された10名の被験者のストレス状態の平行度累積度数率の一覧表である。
図13は横軸に平行度累積度数率(%)をとり縦軸に近傍空間距離率(%)をとって、図12の一覧表における各被験者の各平行度累積度数率および各近傍空間距離率の値をプロットしたグラフである。
図12A、図12Bに示すように、実験例1では、平常状態の被験者(Normal_1〜Normal_10)の各平行度累積度数率hは、ストレス状態の被験者(Stress_1〜Stress_10)の各平行度累積度数率hに比べ、実際に大きくなっていることがわかる。また、平常状態の被験者(Normal_1〜Normal_10)の各近傍空間距離率dは、ストレス状態の被験者(Stress_1〜Stress_10)の各近傍空間距離率dに比べ、各アトラクタAの軌跡が乱れていないため、実際に小さくなることがわかる。
さらに、図13に示すように、実験例1では、前記平行度累積度数率hと前記近傍空間距離率dとの関係を示すグラフにおいて、平常状態の10名の被験者と、ストレス状態の10名の被験者との領域が明確に分割できることがわかる。この結果、前記平行度累積度数率hと前記近傍空間距離率dとに基づいて、前記ストレス評価値E(E=d/h、式(5)参照)を演算することにより、ストレスであるか否かを評価するための明確な値が得られることがわかる。
図14は図12の平行度累積度数率および近傍空間距離率から演算されたストレス評価値の一覧表であり、図14Aは図12Aの平行度累積度数率および近傍空間距離率から演算された10名の被験者の平常状態のストレス評価値の一覧表であり、図14Bは図12Bの平行度累積度数率および近傍空間距離率から演算された10名の被験者のストレス状態のストレス評価値の一覧表である。
図14A、図14Bに示すように、実験例1では、平常状態の被験者(Normal_1〜Normal_10)の各ストレス評価値Eは、ストレス状態の被験者(Stress_1〜Stress_10)の各ストレス評価値Eに比べ、明らかに小さくなっていることがわかる。
この結果、実施例1のストレス評価装置Uは、前記ストレス評価値Eに基づいてユーザの健康状態や心理状態を診断することにより、従来公知のストレス評価装置に比べ、ユーザの脈波から健康状態や心理状態を精度良く診断することができる。
図15は本発明の実施例2のストレス評価システムの全体説明図である。
次に本発明の実施例2のストレス評価システムSの説明を行うが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図15において、本発明の実施例2のストレス評価システムSは、ストレス評価試験の対象物としての自動車Vを有する。前記自動車Vの車内には、運転席の運転手の脈波を測定するための運転席用脈波センサSNaと、助手席の搭乗者の脈波を測定するための助手席用脈波センサSNbと、後部座席左側の搭乗者の脈波を測定するための左側後部座席用脈波センサSNcと、後部座席中央の搭乗者の脈波を測定するための中央後部座席用脈波センサSNdと、後部座席右側の搭乗者の脈波を測定するための右側後部座席用脈波センサSNeとがそれぞれ配置されている。
なお、実施例2の前記各脈波センサSNa〜SNeは、それぞれ実施例1の脈波センサSN1と同様に構成されており、前記各脈波センサSNa〜SNeは、それぞれ前記自動車V内に配置された実施例1と同様のクライアントパソコンPCに接続されている。
前記各脈波センサSNa〜SNeと、前記クライアントパソコンPCとにより実施例2のストレス評価装置Uが構成されている。
(実施例2のクライアントパソコンPCの制御部およびフローチャートの説明)
実施例2の前記クライアントパソコンPCでは、接続された前記各脈波センサSNa〜SNeから出力される運転手および各搭乗者の各脈波について、実施例1と同様のストレス診断処理(図6のST1〜ST20参照)が、他の処理と並行して、それぞれマルチタスクで実行されるだけであるため、ブロック図およびフローチャートによる詳細な説明を省略する。
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2のストレス評価システムSでは、前記自動車V内の運転席、助手席、各後部座席に配置された前記各脈波センサSNa〜SNeにより、運転手および各搭乗者の各脈波が前記クライアントパソコンPCに出力され、運転手および各搭乗者のストレスの有無等がそれぞれ診断される(図6のST1〜ST20参照)。したがって、実施例2のストレス評価システムSでは、前記ストレス評価装置Uにより、前記自動車Vの操縦安定性や乗り心地等を評価する前記ストレス評価試験を行うことができる。
例えば、運転手や各搭乗者のストレスの有無等を評価することにより、サスペンション(suspension、懸架装置)やタイヤの設定による車内の振動を評価したり、スピーカーの設置位置による車内の音響等を評価したりすることができる。また、長時間運転時の運転手や各搭乗者のストレスの有無等の心理状態の変遷を評価したりすることもできる。
その他、実施例2のストレス評価システムSは、実施例1と同様の作用効果を奏する。
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H03)を下記に例示する。
(H01)本発明の実施例2では、自動車Vを対象物とするストレス評価試験について前記ストレス評価装置Uを適用したが、これに限定されず、その他の対象物についてのストレス評価試験にも適用可能である。例えば、クライアントパソコンPCのオペレーティングシステムOSやアプリケーションプログラムについてのストレス評価試験にも適用可能である。また、テレビ等のメディアについてのストレス評価試験、例えば、テレビ画面の点滅画像表示が子供に及ぼす悪影響についての試験等にも適用可能である。
(H02)本発明の実施例では、前記閾値fが0.01で予め設定されているが、これに限定されず、0.01以外の適切な値を設定することが可能である。また、例えば、前記カオス解析条件入力画像1(図3参照)に、前記閾値fを設定する欄を新たに設けることにより、前記ストレス診断処理(図6のST1〜ST20参照)開始時にユーザが任意の閾値を設定できるようにすることも可能である。
(H03)本発明の実施例では、前記カオス解析条件入力画像1(図3参照)により、前記カオス解析条件t,τ,n,Nが設定されるが、これに限定されず、前記各入力欄2〜6を増減して、設定できるパラメタを変更することも可能である。また、前記カオス解析条件入力画像1を省略し、予め設定された前記カオス解析条件t,τ,n,Nに基づいて、ストレス診断処理(図6のST1〜ST20参照)を実行することも可能である。
図1は本発明の実施例1のストレス評価装置の全体説明図である。 図2は本発明の実施例1のクライアントパソコンの制御部が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。 図3は実施例1のストレス診断プログラムが表示する解析条件パラメタ入力画像の説明図である。 図4は本発明の実施例1のストレス評価装置で計測される脈波の拡大説明図であり、図4Aは脈波の説明図、図4Bは速度脈波の説明図、図4Cは加速度脈波の説明図である。 図5は図4Cの加速度脈波により構成されたアトラクタの説明図であり、図5Aはアトラクタの全体説明図、図5Bは図5Aのアトラクタから選択されたデータベクトルとその近傍ベクトルの拡大説明図である。 図6は本発明の実施例1のストレス診断プログラムのストレス診断処理のフローチャートである。 図7は実験例1で演算された10名の被験者の平常状態の加速度脈波の一覧であり、横軸に時間(Time)をとり縦軸に値(Value)をとったグラフの一覧である。 図8は実験例1で演算された10名の被験者のストレス状態の加速度脈波の一覧であり、横軸に時間(Time)をとり縦軸に値(Value)をとったグラフの一覧である。 図9は図7の加速度脈波から構成された10名の被験者の平常状態のアトラクタの一覧である。 図10は図8の加速度脈波から構成された10名の被験者のストレス状態のアトラクタの一覧である。 図11は図9および図10の実験例1のアトラクタから演算された平行度の累積度数の遷移についての説明図であり、縦軸に平行度の値(0.00〜1.00)をとり横軸に累積度数の標本数に対して占める割合(%)をとったグラフの説明図であり、図11Aは図9のアトラクタから演算された平常状態の平行度の累積度数についてのグラフであり、図11Bは図10のアトラクタから演算されたストレス状態の平行度の累積度数についてのグラフである。 図12は図9および図10のアトラクタから演算された平行度累積度数率および近傍空間距離率の一覧表であり、図12Aは図9のアトラクタから演算された10名の被験者の平常状態の平行度累積度数率の一覧表であり、図12Bは図10のアトラクタから演算された10名の被験者のストレス状態の平行度累積度数率の一覧表である。 図13は横軸に平行度累積度数率(%)をとり縦軸に近傍空間距離率(%)をとって、図12の一覧表における各被験者の各平行度累積度数率および各近傍空間距離率の値をプロットしたグラフである。 図14は図12の平行度累積度数率および近傍空間距離率から演算されたストレス評価値の一覧表であり、図14Aは図12Aの平行度累積度数率および近傍空間距離率から演算された10名の被験者の平常状態のストレス評価値の一覧表であり、図14Bは図12Bの平行度累積度数率および近傍空間距離率から演算された10名の被験者のストレス状態のストレス評価値の一覧表である。 図15は本発明の実施例2のストレス評価システムの全体説明図である。
符号の説明
τ…遅れ時間、
A…アトラクタ、
AP1…ストレス評価プログラム、
C3…脈波測定手段、
C4…加速度脈波演算手段、
C5…アトラクタ構成手段、
C6…ストレス評価値演算手段、
C6A…データベクトル選択手段、
C6B…近傍ベクトル検出手段、
C6C…接線ベクトル演算手段、
C6E…平行度累積度数率演算手段、
C6E1…平行度演算手段、
C6F…距離率演算手段、
C6F1…距離演算手段、
C8…診断手段、
max…最長距離、
…距離、
…距離率、
…ストレス評価値、
f…閾値、
…平行度累積度数率、
K…近傍空間、
N…複数の平行度の総数、
n…次数、
,R,R…軌道、
S…ストレス評価システム、
,T,T…接線のベクトル、
tpm…平行度、
U…ストレス評価装置、
W0…脈波、
W2…加速度脈波、
,Xi+1,X,X〜X…データベクトル、
,Xi+1,X〜X…選択ベクトル、
,X…近傍ベクトル。

Claims (5)

  1. ユーザの心拍に伴う波動である脈波を測定する脈波測定手段と、
    前記脈波に基づいて、予め設定された遅れ時間および次数に基づいて構成される状態空間の関数を演算することにより、前記状態空間上に描かれた前記関数の軌道の幾何学的構造であるアトラクタを構成するアトラクタ構成手段と、
    前記軌道上の点であるデータベクトルについて、複数の前記データベクトルのうちの1つの選択ベクトルを選択するデータベクトル選択手段と、
    前記状態空間の部分空間である前記選択ベクトルの近傍空間内において、前記選択ベクトルの近傍の点であり且つ前記選択ベクトルとは異なる軌道上の点である近傍ベクトルを検出する近傍ベクトル検出手段と、
    前記選択ベクトルを通過する軌道の接線のベクトルと、前記近傍ベクトルを通過する軌道の接線のベクトルとを演算する接線ベクトル演算手段と、
    前記各接線のベクトルどうしの平行度を演算する平行度演算手段と、
    前記選択ベクトルと、前記近傍ベクトルとの差分ベクトルの長さである距離を演算する距離演算手段と、
    複数の前記選択ベクトルにおいて演算された複数の前記平行度と、複数の前記距離とに基づいて、ストレスを評価するためのストレス評価値を演算するストレス評価値演算手段と、
    前記ストレス評価値と、予め記憶された基準となるストレス評価値である基準ストレス評価値とを比較することにより、ユーザの心身の状態を診断する診断手段と、
    を備えたことを特徴とするストレス評価装置。
  2. 前記脈波の2次微分波である加速度脈波を演算する加速度脈波演算手段と、
    前記加速度脈波に基づいて、前記状態空間の関数を演算することにより、前記アトラクタを構成する前記アトラクタ構成手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の前記ストレス評価装置。
  3. 前記複数の選択ベクトルに対応する前記複数の平行度から、予め設定された閾値よりも平行に近い平行度の累積度数を計数し、計数された前記平行度の累積度数が、前記複数の平行度の総数に占める割合である平行度累積度数率を演算する平行度累積度数率演算手段と、
    前記アトラクタのサイズとして構成された全ての前記データベクトル間の差分ベクトルの長さのうちの最長の長さである最長距離に対する、前記複数の選択ベクトルに対応する前記複数の距離の平均値の割合である距離率を演算する距離率演算手段と、
    前記平行度累積度数率と前記距離率とに基づいて、前記ストレス評価値を演算する前記ストレス評価値演算手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の前記ストレス評価装置。
  4. ユーザの心拍に伴う波動である脈波を測定する脈波測定手段と、
    前記脈波に基づいて、予め設定された遅れ時間および次数に基づいて構成される状態空間の関数を演算することにより、前記状態空間上に描かれた前記関数の軌道の幾何学的構造であるアトラクタを構成するアトラクタ構成手段と、
    前記軌道上の点であるデータベクトルについて、複数の前記データベクトルのうちの1つの選択ベクトルを選択するデータベクトル選択手段と、
    前記状態空間の部分空間である前記選択ベクトルの近傍空間内において、前記選択ベクトルの近傍の点であり且つ前記選択ベクトルとは異なる軌道上の点である近傍ベクトルを検出する近傍ベクトル検出手段と、
    前記選択ベクトルを通過する軌道の接線のベクトルと、前記近傍ベクトルを通過する軌道の接線のベクトルとを演算する接線ベクトル演算手段と、
    前記選択ベクトルと、前記近傍ベクトルとの差分ベクトルの長さである距離を演算する距離演算手段と、
    複数の前記選択ベクトルにおいて演算された複数の前記平行度と、複数の前記距離とに基づいて、ストレスを評価するためのストレス評価値を演算するストレス評価値演算手段と、
    前記ストレス評価値と、予め記憶された基準となるストレス評価値である基準ストレス評価値とを比較することにより、ユーザの心身の状態を診断する診断手段と、
    を備えたことを特徴とするストレス評価システム。
  5. コンピュータを、
    ユーザの心拍に伴う波動である脈波を測定する脈波測定手段、
    前記脈波に基づいて、予め設定された遅れ時間および次数に基づいて構成される状態空間の関数を演算することにより、前記状態空間上に描かれた前記関数の軌道の幾何学的構造であるアトラクタを構成するアトラクタ構成手段、
    前記軌道上の点であるデータベクトルについて、複数の前記データベクトルのうちの1つの選択ベクトルを選択するデータベクトル選択手段、
    前記状態空間の部分空間である前記選択ベクトル近傍の近傍空間内において、前記選択ベクトルの近傍の点であり且つ前記選択ベクトルとは異なる軌道上の点である近傍ベクトルを検出する近傍ベクトル検出手段、
    前記選択ベクトルを通過する軌道の接線のベクトルと、前記近傍ベクトルを通過する軌道の接線のベクトルとを演算する接線ベクトル演算手段、
    前記各接線のベクトルどうしの平行度を演算する平行度演算手段、
    前記選択ベクトルと、前記近傍ベクトルとの差分ベクトルの長さである距離を演算する距離演算手段、
    複数の前記選択ベクトルにおいて演算された複数の前記平行度と、複数の前記距離とに基づいて、ストレスを評価するためのストレス評価値を演算するストレス評価値演算手段、
    前記ストレス評価値と、予め記憶された基準となるストレス評価値である基準ストレス評価値とを比較することにより、ユーザの心身の状態を診断する診断手段、
    として機能させるためのストレス評価プログラム。
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