JP2004310500A - 時系列連続データの将来予測方法、装置、コンピュータプログラム及び記録媒体 - Google Patents
時系列連続データの将来予測方法、装置、コンピュータプログラム及び記録媒体 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】時系列の連続データ将来値を高精度で予測できるようにするとともに、上記予測結果の品質評価を行なうことができるようにする。
【解決手段】時系列信号値を基にして遅延ベクトルを生成する遅延ベクトル生成処理と、上記遅延ベクトル生成処理によって生成した遅延ベクトルが描く再構成アトラクタ上で、現在時刻の近傍点の挙動から将来値を予測する将来値予測処理と、上記将来値予測処理によって予測した将来値の信頼性を、上記近傍点の軌道の平行度合いに基づいて評価する信頼性評価処理とを行なうようにすることにより、時系列データの法則性の存在程度に基づいて将来値を高精度に予測できるようにするとともに、上記予測した将来値の品質評価を高精度に行なうことができるようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】時系列信号値を基にして遅延ベクトルを生成する遅延ベクトル生成処理と、上記遅延ベクトル生成処理によって生成した遅延ベクトルが描く再構成アトラクタ上で、現在時刻の近傍点の挙動から将来値を予測する将来値予測処理と、上記将来値予測処理によって予測した将来値の信頼性を、上記近傍点の軌道の平行度合いに基づいて評価する信頼性評価処理とを行なうようにすることにより、時系列データの法則性の存在程度に基づいて将来値を高精度に予測できるようにするとともに、上記予測した将来値の品質評価を高精度に行なうことができるようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は時系列連続データの将来予測方法、装置、コンピュータプログラム及び記録媒体に関し、特に、時系列の連続データの測定時点における実測値に基づいて上記連続データの将来の将来値を高精度に予測するために用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、時系列連続データを使用して将来の値を予測する方法が種々提案されている。例えば、エネルギー需給の将来予測を行なう分野においては、地域冷暖房の集中管理システムの日最大冷水負荷量を解析対象とし、1年前の日最大冷水負荷量の時系列データを教師データとし、翌年の日最大冷水負荷量の予測を行なうようにしている。
【0003】
従来、このような予測を行なう方法として、例えば、過去に測定された時系列データの実測値の推移をいくつものパターンに分類しておき、これらのパターンを参照することによって予測する方法や、過去に測定されたデータの実測値から最小二乗法を用いて予測する方法が用いられていた。また、統計的解析による因果関係を用いた方法、すなわち時間のずれを取り入れた多重回帰分析による予測方法も知られている。
【0004】
しかしながら、上述したようなパターン化による予測方法では、パターン化に必然的な限界があり、また、最小二乗法を用いる予測方法や多重回帰分析による予測方法にも予測精度に限界があった。そのため、従来の予測方法においては人間が経験や勘によって予測を補助することも多く見受けられる現状があった。
【0005】
このような不都合を型決するために、例えば、特許文献1や特許文献2において、数学的な手法を用いて、過去の時系列データから将来の時系列データを予測する方法が提案された。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−288931号公報
【特許文献2】
特開平11−85213号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1によれば、いわゆる「アトラクタ」と呼ばれる軌道を構築して予測計算を行なっている。また、上記特許文献2においては、時系列の連続データの測定時点及び上記測定時点における実測値に基づいて未来の時点のデータを予測している。したがって、これらの予測方法によれば、従来と比較して高精度な予測を行なうことが可能となる。
【0008】
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載されている予測方法を用いた場合も、予測誤差が発生することは避けられない。また、これらの文献1及び2に記載されている予測方法の場合、予測結果に対する精度がどれほどのものであるのか不明である問題があった。
【0009】
本発明は、上述のような問題を解決するために成されたものであり、時系列の連続データ将来値を高精度で予測できるようにするとともに、上記予測結果の品質評価を行なうことができるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の時系列連続データの将来予測方法は、時系列信号値を基にして遅延ベクトルを生成する遅延ベクトル生成処理と、上記遅延ベクトル生成処理によって生成した遅延ベクトルが描く再構成アトラクタ上で、現在時刻の近傍点の挙動から将来値を予測する将来値予測処理と、上記将来値予測処理によって予測した将来値の信頼性を、上記近傍点の軌道の平行度合いに基づいて評価する信頼性評価処理とを行なうことを特徴としている。
また、本発明の他の特徴とするところは、上記将来値予測処理においては、上記再構成アトラクタ上の近傍ベクトルの位置から内挿問題に相当する解に基づいて将来値を予測することを特徴としている。
また、本発明のその他の特徴とするところは、上記信頼性評価処理においては、再構成されたアトラクタ軌道が周囲の近傍点の軌道に対して平行に走る度合いを定常性評価指標として定義するとともに、上記定常性評価指標に基づいて上記将来値予測処理によって予測した将来値の信頼性を評価するようにしたことを特徴としている。
また、本発明のその他の特徴とするところは、過去の時系列データを正規化する時系列データ正規化処理と、上記時系列データ正規化処理によって正規化された過去の時系列データに基づいて遅延ベクトルを生成する遅延ベクトル生成処理と、上記遅延ベクトル生成処理によって生成された遅延ベクトルを多次元の位相空間に埋め込んで再構成アトラクタを生成する再構成アトラクタ生成処理と、上記再構成アトラクタ生成処理によって生成された再構成アトラクタ上で現在時刻における複数の近傍点を探索する近傍点探索処理と、上記近傍点探索処理によって探索された複数の近傍点の挙動に基づいて将来値を予測する将来値予測処理と、上記将来値予測処理によって予測された将来値の信頼性を上記近傍点の軌道平行度合いに基づいて評価する信頼性評価処理とを有することを特徴としている。
また、本発明のその他の特徴とするところは、上記時系列データは地域冷暖房システムにおける日最大冷水負荷量であり、エネルギー需給の将来予測を行なうことを特徴としている。
【0011】
本発明の時系列連続データの将来予測装置は、時系列信号値を基にして遅延ベクトルを生成する遅延ベクトル生成手段と、上記遅延ベクトル生成手段によって生成した遅延ベクトルが描く再構成アトラクタ上で、現在時刻の近傍点の挙動から将来値を予測する将来値予測手段と、上記将来値予測手段によって予測した将来値の信頼性を、上記近傍点の軌道の平行度合いに基づいて評価する信頼性評価手段とを行なうことを特徴としている。
また、本発明の他の特徴とするところは、上記将来値予測手段においては、上記再構成アトラクタ上の近傍ベクトルの位置から内挿問題に相当する解に基づいて将来値を予測することを特徴としている。
また、本発明のその他の特徴とするところは、上記信頼性評価手段においては、再構成されたアトラクタ軌道が周囲の近傍点の軌道に対して平行に走る度合いを定常性評価指標として定義するとともに、上記定常性評価指標に基づいて上記将来値予測手段によって予測した将来値の信頼性を評価するようにしたことを特徴としている。
また、本発明のその他の特徴とするところは、過去の時系列データを正規化する時系列データ正規化手段と、上記時系列データ正規化手段によって正規化された過去の時系列データに基づいて遅延ベクトルを生成する遅延ベクトル生成手段と、上記遅延ベクトル生成手段によって生成された遅延ベクトルを多次元の位相空間に埋め込んで再構成アトラクタを生成する再構成アトラクタ生成手段と、上記再構成アトラクタ生成手段によって生成された再構成アトラクタ上で現在時刻における複数の近傍点を探索する近傍点探索手段と、上記近傍点探索手段によって探索された複数の近傍点の挙動に基づいて将来値を予測する将来値予測手段と、上記将来値予測手段によって予測された将来値の信頼性を上記近傍点の軌道平行度合いに基づいて評価する再構成アトラクタ生成手段とを有することを特徴としている。
また、本発明のその他の特徴とするところは、上記時系列データは地域冷暖房システムにおける日最大冷水負荷量であり、エネルギー需給の将来予測を行なうことを特徴としている。
【0012】
本発明のコンピュータプログラムは、時系列信号値を基にして遅延ベクトルを生成する遅延ベクトル生成処理と、上記遅延ベクトル生成処理によって生成した遅延ベクトルが描く再構成アトラクタ上で、現在時刻の近傍点の挙動から将来値を予測する将来値予測処理と、上記将来値予測処理によって予測した将来値の信頼性を、上記近傍点の軌道の平行度合いに基づいて評価する信頼性評価処理とをコンピュータに実行させることを特徴としている。
また、本発明の他の特徴とするところは、過去の時系列データを正規化する時系列データ正規化処理と、上記時系列データ正規化処理によって正規化された過去の時系列データに基づいて遅延ベクトルを生成する遅延ベクトル生成処理と、上記遅延ベクトル生成処理によって生成された遅延ベクトルを多次元の位相空間に埋め込んで再構成アトラクタを生成する再構成アトラクタ生成処理と、上記再構成アトラクタ生成処理によって生成された再構成アトラクタ上で現在時刻における複数の近傍点を探索する近傍点探索処理と、上記近傍点探索処理によって探索された複数の近傍点の挙動に基づいて将来値を予測する将来値予測処理と、上記将来値予測処理によって予測された将来値の信頼性を上記近傍点の軌道平行度合いに基づいて評価する再構成アトラクタ生成処理とをコンピュータに実行させることを特徴としている。
【0013】
本発明の記録媒体は、上記に記載のコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録したことを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照しながら本発明の時系列連続データの将来予測方法、装置、コンピュータプログラム及び記録媒体の実施の形態について説明する。
【0015】
先ず、最初に本発明の時系列連続データの将来予測方法を説明する。
予測方法の概念を図1に示し、解析の手順に従って予測方法の概要を以下に説明する。
(イ)時系列データx(t)を使って遅延ベクトルv(t)を作成し、上記遅延ベクトルv(t)による再構成アトラクタを構成する。
【0016】
【数1】
【0017】
ここで、mは埋め込み次元、τは遅れ時間を表している。
現在時刻をt0とし、再構成アトラクタ上で、v(t0)のN個の近傍ベクトルvi NN(t0)を探索決定する。上記添字iは、i番目の大きさを持つ近傍ベクトルを示し、i=1,2…、Nである。上記近傍ベクトルvi NN(t0)の探索には、以下に示すユークリッドノルムLiを採用した。
【0018】
【数2】
【0019】
(ロ)上で決定した近傍ベクトルの再構成アトラクタ上におけるr時刻後の位置vi NN(t0)より、ベクトルv(t0)のr時刻後の位置を推定し、x(t0+r)を決定する。
(ハ)ベクトルv(t0)のr時刻後の位置を推定するため、動径基底関数(Radial Basis Function、以下RBF)を使い、以下のように定式化する。
近傍ベクトルvi NN(t0)を以下の(3)式で定義する。
【0020】
【数3】
【0021】
近傍ベクトルvi NN(t0)及びx(t0+r)の値を(4)式に代入して構成したN元連立方程式を解き、重み係数γk及びバイアスβを決定する。
【0022】
【数4】
【0023】
ここで、動径基底関数(RBF)φは、(5)式に示すガウス関数により定義する。bは動径基底関数の影響範囲の指標となる係数である。
【0024】
【数5】
【0025】
上記(4)式より決定した重み係数γk及びバイアスβを使い、x(t0+r)の推定値x´(t0+r)を下記の(6)式より計算する。
【0026】
【数6】
【0027】
次に、予測結果の品質評価の考え方にについて説明する。
本実施の形態の予測結果の品質評価法は、上述したように、動径基底関数を使って定式化した近傍ベクトルの動きに基づき将来予測を行なうもので、近傍点の動きに或る法則性が存在することを前提にしていることから決定論的予測手法と呼ばれる。
【0028】
そして、再構成アトラクタ上の近傍ベクトルvi NN(t0+r)の位置から推定値v(t0+r)の位置を推定し、推定値x´(t0+r)を決定する、いわゆる内挿問題となっている。近傍点のvi NN(t0)から近傍ベクトルvi NN(t0+r)への動きに強い法則性が存在すれば、v(t0)もそれと同伴して動く確率が高くなり、推定値x´(t0+r)を高い精度で予測することができる。
【0029】
一方、当手法と対極の位置にある確率論的予測手法では、時系列x(t)を確率変数として扱い、ARモデルの例を(7)式に示すように、現在時刻t0までの時系列データx(t0−1)、x(t0−2)、…、x(t0−n)を使った回帰式に基づく時間外挿により将来値x´(t0+r)を予測する外挿問題となっている。
【0030】
【数7】
【0031】
ここで、cは定数、φiは回帰係数、et0は誤差項を表す。
近傍点vi NN(t0)からvi NN(t0+r)への動きに強い法則性が存在すれば、予測点x´(t0+r)の周囲に近傍点vi NN(t0+r)が適切に配置されるので、外挿問題である確率論的予測手法より内挿問題である当手法の方が、精度の高い推定が可能となる。
【0032】
したがって、近傍点vi NN(t0)の動きの法則性を使って、予測結果の信頼性を評価することができる。そして、近傍点vi NN(t0)の動きに基づく法則性の定量記述に、前章で定義した定常性評価指標を使用する。定常性評価指標の定義を以下に再記述する。
【0033】
すなわち、状態の挙動を「r」の時間スケールで観測したときに、時間発展の様子が決定論的、すなわち、或る法則性に支配されて推移するように見えるということは、図2に示すように、再構成された軌道群の近接した部分が「r」時刻後に近接した部分に移されることを意味する。これは、アトラクタ軌道が周囲の近傍点の軌道に対して平行に走ることを意味している。
【0034】
この考えに基づき、状態が或る法則下で安定した定常状態を維持する度合いを表す定常性評価指標(Steady State Index)を次式で定義する。
定常性評価指標(SS1)=(r時刻後に生き残った近傍点数)/(時刻t0における近傍点数)・・・(8)
【0035】
この指標は、時系列変化の法則性依存度を示し、法則性依存度が大きく定常状態に近いほど「1」に近づき、完全なランダム状態である白色ノイズでは「0」となる。法則性依存度が大きいということは、状態が或る法則下で安定した状態を維持することを表し、同数値指標が状態の安定性の評価指標にもなっている。
【0036】
<予測結果の実施例>
図3(a)は、1年前の日最大冷水負荷量を1年間の同データの分散値で除算することにより正規化したものを示し、本解析の教師データとなるものである。また、図3(b)は、図3(a)の翌年の最大冷水負荷量を示し、本解析の予測対象となるものであり、図3(a)と同様に、1年間の同データの分散値で除算して正規化している。
【0037】
図3(b)の時系列データの再構成アトラクタ上にある各時刻における近傍点を、図3(a)の時系列データの再構成アトラクタ上の点から決定し、上述した方法に基づいて、翌日の最大冷水負荷量を推定した。推定結果を、図3(b)に示す。
図3(c)には、図3(b)の実績値と予測値との誤差を示した。誤差の計算は、下記(9)式を使用した。
〔予測誤差〕=〔予測値〕−〔実績値〕 ・・・(9)
【0038】
また、図3(c)に、定常性評価指標を併せて表示した。図3(c)より、定常性評価指標と予測誤差との間に対応関係があり、定常性評価指標が低下すると予測誤差が大きくなる傾向にあるのが判る。
【0039】
図4は、図3(c)の各時刻における予測誤差と定常性評価指標の関係をプロットした図である。ここでの予測誤差は、絶対値表示をしている。
図4より、定常性評価指標が「0.7」以上のときは、予測誤差の絶対値が0〜0.4の範囲内に安定的に分布しているのが判る。
【0040】
一方、定常性評価指標が「0.7」未満になると、定常性評価指標値の低下に伴い、「0.5」以上の大きな予測誤差が発生する確率が大きくなっていることが判る。したがって、このケースの場合、定常性評価指標が「0.7」以上のときは、本手法による予測結果に対し品質保証が可能であるが、同指標が「0.7」未満になる領域は、大きな予測誤差が発生する確率が大きくなるため、予測結果に対し他の手法との併用等を行なうようにするケアが必要であるという情報を顧客に提示することが可能となる。
【0041】
上述したように、本実施の形態の時系列連続データの将来予測方法によれば、カオス時系列解析手法をエネルギー需給予測に適用して、時系列データの法則性の存在程度を定常性評価指標で表現し、同指標の値が高位にあるときは高精度の予測結果が得られるとともに、同指標により予測精度の品質評価を行なうことができることを示した。
【0042】
図5は、本発明の時系列連続データの将来予測方法の処理手順の一例を説明するフローチャートである。
図5に示したように、処理が開始されると、最初のステップS51において時系列データの正規化処理が行われる。これは、過去の時系列データを正規化する処理であり、上記実施例の場合には1年前の日最大冷水負荷量を1年間の同データの分散値で除算する処理であり、本解析の教師データを得る処理である。
【0043】
次に、ステップS52に進み、遅延ベクトル生成処理を行なう。これは、上記ステップS51における時系列データ正規化処理によって正規化された過去の時系列データx(t)を使って遅延ベクトルv(t)を生成する処理である。
【0044】
次に、ステップS53に進み、再構成アトラクタを生成する処理を行なう。これは、上記ステップS52における遅延ベクトル生成処理によって生成された遅延ベクトルを多次元の位相空間に埋め込む処理、すなわち、多次元の位相空間上で軌道を構築する処理である。
【0045】
次に、ステップS54に進み、近傍点探索処理を行なう。これは、上記再構成アトラクタ生成処理によって生成された再構成アトラクタ上で現在時刻における複数の近傍点を探索する処理である。
【0046】
次に、ステップS55に進み、将来値予測処理を行なう。この処理は、上記近ステップS54における傍点探索処理によって探索された複数の近傍点の挙動に基づいて将来値を予測する処理である。
【0047】
次に、ステップS56に進み、信頼性評価処理を行なう。これは、上記将来値予測処理によって予測された将来値の信頼性を上記近傍点の軌道平行度合いに基づいて評価する処理である。詳述しないが、上述したように信頼性が低い場合には大きな予測誤差が発生する確率が大きくなるため、予測結果に対して他の手法との併用等を行なうことを顧客に提示する。
【0048】
次に、上述した各処理を実行可能なコンピュータシステムの一例を図6に示す。
図6において、600はコンピュータPCである。PC600は、CPU601を備え、ROM602またはハードディスク(HD)611に記憶された、あるいはフレキシブルディスクドライブ(FD)612より供給されるデバイス制御ソフトウェアを実行し、システムバス604に接続される各デバイスを総括的に制御する。
【0049】
前記PC600のCPU601,ROM602またはハードディスク(HD)611に記憶されたプログラムにより、本実施形態の各機能手段が構成される。
【0050】
603はRAMで、CPU601の主メモリ、ワークエリア等として機能する。605はキーボードコントローラ(KBC)であり、キーボード(KB)609から入力される信号をシステム本体内に入力する制御を行なう。606は表示コントローラ(CRTC)であり、表示装置(CRT)610上の表示制御を行なう。607はディスクコントローラ(DKC)で、ブートプログラム(起動プログラム:パソコンのハードやソフトの実行(動作)を開始するプログラム)、複数のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイルそしてネットワーク管理プログラム等を記憶するハードディスク(HD)611、及びフレキシブルディスク(FD)612とのアクセスを制御する。
【0051】
608はネットワークインタフェースカード(NIC)で、LAN620を介して、ネットワークプリンタ、他のネットワーク機器、あるいは他のPCと双方向のデータのやり取りを行なう。
【0052】
また、上記コンピュータシステムにより、本発明の時系列連続データの将来予測装置がプログラム構成される。
図7に、時系列連続データの将来予測装置700の一例を示す。この時系列連続データの将来予測装置700は、記憶手段701、読み出し手段702、時系列データ正規化手段703、遅延ベクトル生成手段704、再構成アトラクタ生成手段705、近傍点探索手段706、将来値予測手段707、信頼性評価手段708等を有していて、外部から供給される過去の時系列信号値70は記憶手段701に記憶される。
【0053】
そして、上記記憶手段701に記憶された過去の時系列データ70は読み出し手段702によって読み出され、時系列データ正規化手段703に与えられる。上記時系列データ正規化手段703は、過去の時系列データを正規化する手段であり、与えられた過去の時系列データ70から教師データを生成する処理を行なう。
【0054】
上記遅延ベクトル生成手段704は、遅延ベクトルを生成する手段であり、上記時系列データ正規化手段703によって正規化された過去の時系列データx(t)を使って遅延ベクトルv(t)を生成する。
【0055】
上記再構成アトラクタ生成手段705は、上記遅延ベクトル生成手段704によって生成された遅延ベクトルを多次元の位相空間に埋め込む処理、すなわち、多次元の位相空間上で軌道を構築する処理を行なう。
【0056】
上記近傍点探索手段706は、上記再構成アトラクタ生成手段705によって生成された再構成アトラクタ上で、現在時刻における複数の近傍点を探索する。また、上記将来値予測手段707は、上記近傍点探索手段706によって探索された複数の近傍点の挙動に基づいて将来値を予測する。上記信頼性評価手段708は、上記将来値予測手段707によって予測された将来値の信頼性を上記近傍点の軌道の平行度合いに基づいて評価する。
【0057】
(本発明の他の実施の形態)
本発明は複数の機器から構成されるシステムに適用しても1つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0058】
また、前述した実施の形態の機能を実現するように各種のデバイスを動作させるように、前記各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに対し、記録媒体から、またはインターネット等の伝送媒体を介して前記実施の形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムに従って前記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
【0059】
また、この場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0060】
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、前述の実施の形態で説明した機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して前述の実施の形態で示した機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施の形態に含まれることは言うまでもない。
【0061】
さらに、供給されたプログラムコードがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、時系列信号値を基にして遅延ベクトルを生成し、上記生成した遅延ベクトルが描く再構成アトラクタ上で、現在時刻の近傍点の挙動から将来値を予測するとともに、上記予測した将来値の信頼性を、上記近傍点の軌道の平行度合いに基づいて評価するようにしたので、時系列連続データの将来値を高精度に予測することができる。また、将来値において大きな誤差が発生する確率が大きいと予測される場合には、予測結果に対して他の手法との併用等を行なうことが必要であるという情報をユーザーに提示することができる。
【0063】
また、本発明のその他の特徴によれば、上記時系列データの法則性の存在程度を定常性評価指標で表現し、上記定常性評価指標に基づいて上記予測された将来値の信頼性を評価するようにしたので、予測精度の品質評価を高精度に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示し、予測方法の概念を示す図である。
【図2】定常性評価指標の概念を説明する図である。
【図3】本発明の実施例を示し、地域冷暖房システムの日最大冷水負荷量の予測結果例を示す図である。
【図4】予測誤差と定常性評価指標との関係を示す図である。
【図5】時系列連続データの将来予測方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】時系列連続データの将来予測方法を実行可能なコンピュータシステムの一例を示すブロック図である。
【図7】コンピュータシステムにより構成される時系列連続データの将来予測装置の一例を示す機能構成図である。
【符号の説明】
700 時系列連続データの将来予測装置
701 記憶手段
702 読み出し手段
703 時系列データ正規化手段
704 遅延ベクトル生成手段
705 再構成アトラクタ生成手段
706 近傍点探索手段
707 将来値予測手段
708 信頼性評価手段
【発明の属する技術分野】
本発明は時系列連続データの将来予測方法、装置、コンピュータプログラム及び記録媒体に関し、特に、時系列の連続データの測定時点における実測値に基づいて上記連続データの将来の将来値を高精度に予測するために用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、時系列連続データを使用して将来の値を予測する方法が種々提案されている。例えば、エネルギー需給の将来予測を行なう分野においては、地域冷暖房の集中管理システムの日最大冷水負荷量を解析対象とし、1年前の日最大冷水負荷量の時系列データを教師データとし、翌年の日最大冷水負荷量の予測を行なうようにしている。
【0003】
従来、このような予測を行なう方法として、例えば、過去に測定された時系列データの実測値の推移をいくつものパターンに分類しておき、これらのパターンを参照することによって予測する方法や、過去に測定されたデータの実測値から最小二乗法を用いて予測する方法が用いられていた。また、統計的解析による因果関係を用いた方法、すなわち時間のずれを取り入れた多重回帰分析による予測方法も知られている。
【0004】
しかしながら、上述したようなパターン化による予測方法では、パターン化に必然的な限界があり、また、最小二乗法を用いる予測方法や多重回帰分析による予測方法にも予測精度に限界があった。そのため、従来の予測方法においては人間が経験や勘によって予測を補助することも多く見受けられる現状があった。
【0005】
このような不都合を型決するために、例えば、特許文献1や特許文献2において、数学的な手法を用いて、過去の時系列データから将来の時系列データを予測する方法が提案された。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−288931号公報
【特許文献2】
特開平11−85213号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1によれば、いわゆる「アトラクタ」と呼ばれる軌道を構築して予測計算を行なっている。また、上記特許文献2においては、時系列の連続データの測定時点及び上記測定時点における実測値に基づいて未来の時点のデータを予測している。したがって、これらの予測方法によれば、従来と比較して高精度な予測を行なうことが可能となる。
【0008】
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載されている予測方法を用いた場合も、予測誤差が発生することは避けられない。また、これらの文献1及び2に記載されている予測方法の場合、予測結果に対する精度がどれほどのものであるのか不明である問題があった。
【0009】
本発明は、上述のような問題を解決するために成されたものであり、時系列の連続データ将来値を高精度で予測できるようにするとともに、上記予測結果の品質評価を行なうことができるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の時系列連続データの将来予測方法は、時系列信号値を基にして遅延ベクトルを生成する遅延ベクトル生成処理と、上記遅延ベクトル生成処理によって生成した遅延ベクトルが描く再構成アトラクタ上で、現在時刻の近傍点の挙動から将来値を予測する将来値予測処理と、上記将来値予測処理によって予測した将来値の信頼性を、上記近傍点の軌道の平行度合いに基づいて評価する信頼性評価処理とを行なうことを特徴としている。
また、本発明の他の特徴とするところは、上記将来値予測処理においては、上記再構成アトラクタ上の近傍ベクトルの位置から内挿問題に相当する解に基づいて将来値を予測することを特徴としている。
また、本発明のその他の特徴とするところは、上記信頼性評価処理においては、再構成されたアトラクタ軌道が周囲の近傍点の軌道に対して平行に走る度合いを定常性評価指標として定義するとともに、上記定常性評価指標に基づいて上記将来値予測処理によって予測した将来値の信頼性を評価するようにしたことを特徴としている。
また、本発明のその他の特徴とするところは、過去の時系列データを正規化する時系列データ正規化処理と、上記時系列データ正規化処理によって正規化された過去の時系列データに基づいて遅延ベクトルを生成する遅延ベクトル生成処理と、上記遅延ベクトル生成処理によって生成された遅延ベクトルを多次元の位相空間に埋め込んで再構成アトラクタを生成する再構成アトラクタ生成処理と、上記再構成アトラクタ生成処理によって生成された再構成アトラクタ上で現在時刻における複数の近傍点を探索する近傍点探索処理と、上記近傍点探索処理によって探索された複数の近傍点の挙動に基づいて将来値を予測する将来値予測処理と、上記将来値予測処理によって予測された将来値の信頼性を上記近傍点の軌道平行度合いに基づいて評価する信頼性評価処理とを有することを特徴としている。
また、本発明のその他の特徴とするところは、上記時系列データは地域冷暖房システムにおける日最大冷水負荷量であり、エネルギー需給の将来予測を行なうことを特徴としている。
【0011】
本発明の時系列連続データの将来予測装置は、時系列信号値を基にして遅延ベクトルを生成する遅延ベクトル生成手段と、上記遅延ベクトル生成手段によって生成した遅延ベクトルが描く再構成アトラクタ上で、現在時刻の近傍点の挙動から将来値を予測する将来値予測手段と、上記将来値予測手段によって予測した将来値の信頼性を、上記近傍点の軌道の平行度合いに基づいて評価する信頼性評価手段とを行なうことを特徴としている。
また、本発明の他の特徴とするところは、上記将来値予測手段においては、上記再構成アトラクタ上の近傍ベクトルの位置から内挿問題に相当する解に基づいて将来値を予測することを特徴としている。
また、本発明のその他の特徴とするところは、上記信頼性評価手段においては、再構成されたアトラクタ軌道が周囲の近傍点の軌道に対して平行に走る度合いを定常性評価指標として定義するとともに、上記定常性評価指標に基づいて上記将来値予測手段によって予測した将来値の信頼性を評価するようにしたことを特徴としている。
また、本発明のその他の特徴とするところは、過去の時系列データを正規化する時系列データ正規化手段と、上記時系列データ正規化手段によって正規化された過去の時系列データに基づいて遅延ベクトルを生成する遅延ベクトル生成手段と、上記遅延ベクトル生成手段によって生成された遅延ベクトルを多次元の位相空間に埋め込んで再構成アトラクタを生成する再構成アトラクタ生成手段と、上記再構成アトラクタ生成手段によって生成された再構成アトラクタ上で現在時刻における複数の近傍点を探索する近傍点探索手段と、上記近傍点探索手段によって探索された複数の近傍点の挙動に基づいて将来値を予測する将来値予測手段と、上記将来値予測手段によって予測された将来値の信頼性を上記近傍点の軌道平行度合いに基づいて評価する再構成アトラクタ生成手段とを有することを特徴としている。
また、本発明のその他の特徴とするところは、上記時系列データは地域冷暖房システムにおける日最大冷水負荷量であり、エネルギー需給の将来予測を行なうことを特徴としている。
【0012】
本発明のコンピュータプログラムは、時系列信号値を基にして遅延ベクトルを生成する遅延ベクトル生成処理と、上記遅延ベクトル生成処理によって生成した遅延ベクトルが描く再構成アトラクタ上で、現在時刻の近傍点の挙動から将来値を予測する将来値予測処理と、上記将来値予測処理によって予測した将来値の信頼性を、上記近傍点の軌道の平行度合いに基づいて評価する信頼性評価処理とをコンピュータに実行させることを特徴としている。
また、本発明の他の特徴とするところは、過去の時系列データを正規化する時系列データ正規化処理と、上記時系列データ正規化処理によって正規化された過去の時系列データに基づいて遅延ベクトルを生成する遅延ベクトル生成処理と、上記遅延ベクトル生成処理によって生成された遅延ベクトルを多次元の位相空間に埋め込んで再構成アトラクタを生成する再構成アトラクタ生成処理と、上記再構成アトラクタ生成処理によって生成された再構成アトラクタ上で現在時刻における複数の近傍点を探索する近傍点探索処理と、上記近傍点探索処理によって探索された複数の近傍点の挙動に基づいて将来値を予測する将来値予測処理と、上記将来値予測処理によって予測された将来値の信頼性を上記近傍点の軌道平行度合いに基づいて評価する再構成アトラクタ生成処理とをコンピュータに実行させることを特徴としている。
【0013】
本発明の記録媒体は、上記に記載のコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録したことを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照しながら本発明の時系列連続データの将来予測方法、装置、コンピュータプログラム及び記録媒体の実施の形態について説明する。
【0015】
先ず、最初に本発明の時系列連続データの将来予測方法を説明する。
予測方法の概念を図1に示し、解析の手順に従って予測方法の概要を以下に説明する。
(イ)時系列データx(t)を使って遅延ベクトルv(t)を作成し、上記遅延ベクトルv(t)による再構成アトラクタを構成する。
【0016】
【数1】
【0017】
ここで、mは埋め込み次元、τは遅れ時間を表している。
現在時刻をt0とし、再構成アトラクタ上で、v(t0)のN個の近傍ベクトルvi NN(t0)を探索決定する。上記添字iは、i番目の大きさを持つ近傍ベクトルを示し、i=1,2…、Nである。上記近傍ベクトルvi NN(t0)の探索には、以下に示すユークリッドノルムLiを採用した。
【0018】
【数2】
【0019】
(ロ)上で決定した近傍ベクトルの再構成アトラクタ上におけるr時刻後の位置vi NN(t0)より、ベクトルv(t0)のr時刻後の位置を推定し、x(t0+r)を決定する。
(ハ)ベクトルv(t0)のr時刻後の位置を推定するため、動径基底関数(Radial Basis Function、以下RBF)を使い、以下のように定式化する。
近傍ベクトルvi NN(t0)を以下の(3)式で定義する。
【0020】
【数3】
【0021】
近傍ベクトルvi NN(t0)及びx(t0+r)の値を(4)式に代入して構成したN元連立方程式を解き、重み係数γk及びバイアスβを決定する。
【0022】
【数4】
【0023】
ここで、動径基底関数(RBF)φは、(5)式に示すガウス関数により定義する。bは動径基底関数の影響範囲の指標となる係数である。
【0024】
【数5】
【0025】
上記(4)式より決定した重み係数γk及びバイアスβを使い、x(t0+r)の推定値x´(t0+r)を下記の(6)式より計算する。
【0026】
【数6】
【0027】
次に、予測結果の品質評価の考え方にについて説明する。
本実施の形態の予測結果の品質評価法は、上述したように、動径基底関数を使って定式化した近傍ベクトルの動きに基づき将来予測を行なうもので、近傍点の動きに或る法則性が存在することを前提にしていることから決定論的予測手法と呼ばれる。
【0028】
そして、再構成アトラクタ上の近傍ベクトルvi NN(t0+r)の位置から推定値v(t0+r)の位置を推定し、推定値x´(t0+r)を決定する、いわゆる内挿問題となっている。近傍点のvi NN(t0)から近傍ベクトルvi NN(t0+r)への動きに強い法則性が存在すれば、v(t0)もそれと同伴して動く確率が高くなり、推定値x´(t0+r)を高い精度で予測することができる。
【0029】
一方、当手法と対極の位置にある確率論的予測手法では、時系列x(t)を確率変数として扱い、ARモデルの例を(7)式に示すように、現在時刻t0までの時系列データx(t0−1)、x(t0−2)、…、x(t0−n)を使った回帰式に基づく時間外挿により将来値x´(t0+r)を予測する外挿問題となっている。
【0030】
【数7】
【0031】
ここで、cは定数、φiは回帰係数、et0は誤差項を表す。
近傍点vi NN(t0)からvi NN(t0+r)への動きに強い法則性が存在すれば、予測点x´(t0+r)の周囲に近傍点vi NN(t0+r)が適切に配置されるので、外挿問題である確率論的予測手法より内挿問題である当手法の方が、精度の高い推定が可能となる。
【0032】
したがって、近傍点vi NN(t0)の動きの法則性を使って、予測結果の信頼性を評価することができる。そして、近傍点vi NN(t0)の動きに基づく法則性の定量記述に、前章で定義した定常性評価指標を使用する。定常性評価指標の定義を以下に再記述する。
【0033】
すなわち、状態の挙動を「r」の時間スケールで観測したときに、時間発展の様子が決定論的、すなわち、或る法則性に支配されて推移するように見えるということは、図2に示すように、再構成された軌道群の近接した部分が「r」時刻後に近接した部分に移されることを意味する。これは、アトラクタ軌道が周囲の近傍点の軌道に対して平行に走ることを意味している。
【0034】
この考えに基づき、状態が或る法則下で安定した定常状態を維持する度合いを表す定常性評価指標(Steady State Index)を次式で定義する。
定常性評価指標(SS1)=(r時刻後に生き残った近傍点数)/(時刻t0における近傍点数)・・・(8)
【0035】
この指標は、時系列変化の法則性依存度を示し、法則性依存度が大きく定常状態に近いほど「1」に近づき、完全なランダム状態である白色ノイズでは「0」となる。法則性依存度が大きいということは、状態が或る法則下で安定した状態を維持することを表し、同数値指標が状態の安定性の評価指標にもなっている。
【0036】
<予測結果の実施例>
図3(a)は、1年前の日最大冷水負荷量を1年間の同データの分散値で除算することにより正規化したものを示し、本解析の教師データとなるものである。また、図3(b)は、図3(a)の翌年の最大冷水負荷量を示し、本解析の予測対象となるものであり、図3(a)と同様に、1年間の同データの分散値で除算して正規化している。
【0037】
図3(b)の時系列データの再構成アトラクタ上にある各時刻における近傍点を、図3(a)の時系列データの再構成アトラクタ上の点から決定し、上述した方法に基づいて、翌日の最大冷水負荷量を推定した。推定結果を、図3(b)に示す。
図3(c)には、図3(b)の実績値と予測値との誤差を示した。誤差の計算は、下記(9)式を使用した。
〔予測誤差〕=〔予測値〕−〔実績値〕 ・・・(9)
【0038】
また、図3(c)に、定常性評価指標を併せて表示した。図3(c)より、定常性評価指標と予測誤差との間に対応関係があり、定常性評価指標が低下すると予測誤差が大きくなる傾向にあるのが判る。
【0039】
図4は、図3(c)の各時刻における予測誤差と定常性評価指標の関係をプロットした図である。ここでの予測誤差は、絶対値表示をしている。
図4より、定常性評価指標が「0.7」以上のときは、予測誤差の絶対値が0〜0.4の範囲内に安定的に分布しているのが判る。
【0040】
一方、定常性評価指標が「0.7」未満になると、定常性評価指標値の低下に伴い、「0.5」以上の大きな予測誤差が発生する確率が大きくなっていることが判る。したがって、このケースの場合、定常性評価指標が「0.7」以上のときは、本手法による予測結果に対し品質保証が可能であるが、同指標が「0.7」未満になる領域は、大きな予測誤差が発生する確率が大きくなるため、予測結果に対し他の手法との併用等を行なうようにするケアが必要であるという情報を顧客に提示することが可能となる。
【0041】
上述したように、本実施の形態の時系列連続データの将来予測方法によれば、カオス時系列解析手法をエネルギー需給予測に適用して、時系列データの法則性の存在程度を定常性評価指標で表現し、同指標の値が高位にあるときは高精度の予測結果が得られるとともに、同指標により予測精度の品質評価を行なうことができることを示した。
【0042】
図5は、本発明の時系列連続データの将来予測方法の処理手順の一例を説明するフローチャートである。
図5に示したように、処理が開始されると、最初のステップS51において時系列データの正規化処理が行われる。これは、過去の時系列データを正規化する処理であり、上記実施例の場合には1年前の日最大冷水負荷量を1年間の同データの分散値で除算する処理であり、本解析の教師データを得る処理である。
【0043】
次に、ステップS52に進み、遅延ベクトル生成処理を行なう。これは、上記ステップS51における時系列データ正規化処理によって正規化された過去の時系列データx(t)を使って遅延ベクトルv(t)を生成する処理である。
【0044】
次に、ステップS53に進み、再構成アトラクタを生成する処理を行なう。これは、上記ステップS52における遅延ベクトル生成処理によって生成された遅延ベクトルを多次元の位相空間に埋め込む処理、すなわち、多次元の位相空間上で軌道を構築する処理である。
【0045】
次に、ステップS54に進み、近傍点探索処理を行なう。これは、上記再構成アトラクタ生成処理によって生成された再構成アトラクタ上で現在時刻における複数の近傍点を探索する処理である。
【0046】
次に、ステップS55に進み、将来値予測処理を行なう。この処理は、上記近ステップS54における傍点探索処理によって探索された複数の近傍点の挙動に基づいて将来値を予測する処理である。
【0047】
次に、ステップS56に進み、信頼性評価処理を行なう。これは、上記将来値予測処理によって予測された将来値の信頼性を上記近傍点の軌道平行度合いに基づいて評価する処理である。詳述しないが、上述したように信頼性が低い場合には大きな予測誤差が発生する確率が大きくなるため、予測結果に対して他の手法との併用等を行なうことを顧客に提示する。
【0048】
次に、上述した各処理を実行可能なコンピュータシステムの一例を図6に示す。
図6において、600はコンピュータPCである。PC600は、CPU601を備え、ROM602またはハードディスク(HD)611に記憶された、あるいはフレキシブルディスクドライブ(FD)612より供給されるデバイス制御ソフトウェアを実行し、システムバス604に接続される各デバイスを総括的に制御する。
【0049】
前記PC600のCPU601,ROM602またはハードディスク(HD)611に記憶されたプログラムにより、本実施形態の各機能手段が構成される。
【0050】
603はRAMで、CPU601の主メモリ、ワークエリア等として機能する。605はキーボードコントローラ(KBC)であり、キーボード(KB)609から入力される信号をシステム本体内に入力する制御を行なう。606は表示コントローラ(CRTC)であり、表示装置(CRT)610上の表示制御を行なう。607はディスクコントローラ(DKC)で、ブートプログラム(起動プログラム:パソコンのハードやソフトの実行(動作)を開始するプログラム)、複数のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイルそしてネットワーク管理プログラム等を記憶するハードディスク(HD)611、及びフレキシブルディスク(FD)612とのアクセスを制御する。
【0051】
608はネットワークインタフェースカード(NIC)で、LAN620を介して、ネットワークプリンタ、他のネットワーク機器、あるいは他のPCと双方向のデータのやり取りを行なう。
【0052】
また、上記コンピュータシステムにより、本発明の時系列連続データの将来予測装置がプログラム構成される。
図7に、時系列連続データの将来予測装置700の一例を示す。この時系列連続データの将来予測装置700は、記憶手段701、読み出し手段702、時系列データ正規化手段703、遅延ベクトル生成手段704、再構成アトラクタ生成手段705、近傍点探索手段706、将来値予測手段707、信頼性評価手段708等を有していて、外部から供給される過去の時系列信号値70は記憶手段701に記憶される。
【0053】
そして、上記記憶手段701に記憶された過去の時系列データ70は読み出し手段702によって読み出され、時系列データ正規化手段703に与えられる。上記時系列データ正規化手段703は、過去の時系列データを正規化する手段であり、与えられた過去の時系列データ70から教師データを生成する処理を行なう。
【0054】
上記遅延ベクトル生成手段704は、遅延ベクトルを生成する手段であり、上記時系列データ正規化手段703によって正規化された過去の時系列データx(t)を使って遅延ベクトルv(t)を生成する。
【0055】
上記再構成アトラクタ生成手段705は、上記遅延ベクトル生成手段704によって生成された遅延ベクトルを多次元の位相空間に埋め込む処理、すなわち、多次元の位相空間上で軌道を構築する処理を行なう。
【0056】
上記近傍点探索手段706は、上記再構成アトラクタ生成手段705によって生成された再構成アトラクタ上で、現在時刻における複数の近傍点を探索する。また、上記将来値予測手段707は、上記近傍点探索手段706によって探索された複数の近傍点の挙動に基づいて将来値を予測する。上記信頼性評価手段708は、上記将来値予測手段707によって予測された将来値の信頼性を上記近傍点の軌道の平行度合いに基づいて評価する。
【0057】
(本発明の他の実施の形態)
本発明は複数の機器から構成されるシステムに適用しても1つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0058】
また、前述した実施の形態の機能を実現するように各種のデバイスを動作させるように、前記各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに対し、記録媒体から、またはインターネット等の伝送媒体を介して前記実施の形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムに従って前記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
【0059】
また、この場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0060】
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、前述の実施の形態で説明した機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して前述の実施の形態で示した機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施の形態に含まれることは言うまでもない。
【0061】
さらに、供給されたプログラムコードがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、時系列信号値を基にして遅延ベクトルを生成し、上記生成した遅延ベクトルが描く再構成アトラクタ上で、現在時刻の近傍点の挙動から将来値を予測するとともに、上記予測した将来値の信頼性を、上記近傍点の軌道の平行度合いに基づいて評価するようにしたので、時系列連続データの将来値を高精度に予測することができる。また、将来値において大きな誤差が発生する確率が大きいと予測される場合には、予測結果に対して他の手法との併用等を行なうことが必要であるという情報をユーザーに提示することができる。
【0063】
また、本発明のその他の特徴によれば、上記時系列データの法則性の存在程度を定常性評価指標で表現し、上記定常性評価指標に基づいて上記予測された将来値の信頼性を評価するようにしたので、予測精度の品質評価を高精度に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示し、予測方法の概念を示す図である。
【図2】定常性評価指標の概念を説明する図である。
【図3】本発明の実施例を示し、地域冷暖房システムの日最大冷水負荷量の予測結果例を示す図である。
【図4】予測誤差と定常性評価指標との関係を示す図である。
【図5】時系列連続データの将来予測方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】時系列連続データの将来予測方法を実行可能なコンピュータシステムの一例を示すブロック図である。
【図7】コンピュータシステムにより構成される時系列連続データの将来予測装置の一例を示す機能構成図である。
【符号の説明】
700 時系列連続データの将来予測装置
701 記憶手段
702 読み出し手段
703 時系列データ正規化手段
704 遅延ベクトル生成手段
705 再構成アトラクタ生成手段
706 近傍点探索手段
707 将来値予測手段
708 信頼性評価手段
Claims (13)
- 時系列信号値を基にして遅延ベクトルを生成する遅延ベクトル生成処理と、
上記遅延ベクトル生成処理によって生成した遅延ベクトルが描く再構成アトラクタ上で、現在時刻の近傍点の挙動から将来値を予測する将来値予測処理と、
上記将来値予測処理によって予測した将来値の信頼性を、上記近傍点の軌道の平行度合いに基づいて評価する信頼性評価処理とを行なうことを特徴とする時系列連続データの将来予測方法。 - 上記将来値予測処理においては、上記再構成アトラクタ上の近傍ベクトルの位置から内挿問題に相当する解に基づいて将来値を予測することを特徴とする請求項1に記載の時系列連続データの将来予測方法。
- 上記信頼性評価処理においては、再構成されたアトラクタ軌道が周囲の近傍点の軌道に対して平行に走る度合いを定常性評価指標として定義するとともに、上記定常性評価指標に基づいて上記将来値予測処理によって予測した将来値の信頼性を評価するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の時系列連続データの将来予測方法。
- 過去の時系列データを正規化する時系列データ正規化処理と、
上記時系列データ正規化処理によって正規化された過去の時系列データに基づいて遅延ベクトルを生成する遅延ベクトル生成処理と、
上記遅延ベクトル生成処理によって生成された遅延ベクトルを多次元の位相空間に埋め込んで再構成アトラクタを生成する再構成アトラクタ生成処理と、
上記再構成アトラクタ生成処理によって生成された再構成アトラクタ上で現在時刻における複数の近傍点を探索する近傍点探索処理と、
上記近傍点探索処理によって探索された複数の近傍点の挙動に基づいて将来値を予測する将来値予測処理と、
上記将来値予測処理によって予測された将来値の信頼性を上記近傍点の軌道平行度合いに基づいて評価する信頼性評価処理とを有することを特徴とする時系列連続データの将来予測方法。 - 上記時系列データは地域冷暖房システムにおける日最大冷水負荷量であり、エネルギー需給の将来予測を行なうことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の時系列連続データの将来予測方法。
- 時系列信号値を基にして遅延ベクトルを生成する遅延ベクトル生成手段と、
上記遅延ベクトル生成手段によって生成した遅延ベクトルが描く再構成アトラクタ上で、現在時刻の近傍点の挙動から将来値を予測する将来値予測手段と、
上記将来値予測手段によって予測した将来値の信頼性を、上記近傍点の軌道の平行度合いに基づいて評価する信頼性評価手段とを行なうことを特徴とする時系列連続データの将来予測装置。 - 上記将来値予測手段においては、上記再構成アトラクタ上の近傍ベクトルの位置から内挿問題に相当する解に基づいて将来値を予測することを特徴とする請求項6に記載の時系列連続データの将来予測装置。
- 上記信頼性評価手段においては、再構成されたアトラクタ軌道が周囲の近傍点の軌道に対して平行に走る度合いを定常性評価指標として定義するとともに、上記定常性評価指標に基づいて上記将来値予測手段によって予測した将来値の信頼性を評価するようにしたことを特徴とする請求項6または7に記載の時系列連続データの将来予測装置。
- 過去の時系列データを正規化する時系列データ正規化手段と、
上記時系列データ正規化手段によって正規化された過去の時系列データに基づいて遅延ベクトルを生成する遅延ベクトル生成手段と、
上記遅延ベクトル生成手段によって生成された遅延ベクトルを多次元の位相空間に埋め込んで再構成アトラクタを生成する再構成アトラクタ生成手段と、
上記再構成アトラクタ生成手段によって生成された再構成アトラクタ上で現在時刻における複数の近傍点を探索する近傍点探索手段と、
上記近傍点探索手段によって探索された複数の近傍点の挙動に基づいて将来値を予測する将来値予測手段と、
上記将来値予測手段によって予測された将来値の信頼性を上記近傍点の軌道平行度合いに基づいて評価する再構成アトラクタ生成手段とを有することを特徴とする時系列連続データの将来予測装置。 - 上記時系列データは地域冷暖房システムにおける日最大冷水負荷量であり、エネルギー需給の将来予測を行なうことを特徴とする請求項6〜9の何れか1項に記載の時系列連続データの将来予測装置。
- 時系列信号値を基にして遅延ベクトルを生成する遅延ベクトル生成処理と、
上記遅延ベクトル生成処理によって生成した遅延ベクトルが描く再構成アトラクタ上で、現在時刻の近傍点の挙動から将来値を予測する将来値予測処理と、
上記将来値予測処理によって予測した将来値の信頼性を、上記近傍点の軌道の平行度合いに基づいて評価する信頼性評価処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。 - 過去の時系列データを正規化する時系列データ正規化処理と、
上記時系列データ正規化処理によって正規化された過去の時系列データに基づいて遅延ベクトルを生成する遅延ベクトル生成処理と、
上記遅延ベクトル生成処理によって生成された遅延ベクトルを多次元の位相空間に埋め込んで再構成アトラクタを生成する再構成アトラクタ生成処理と、
上記再構成アトラクタ生成処理によって生成された再構成アトラクタ上で現在時刻における複数の近傍点を探索する近傍点探索処理と、
上記近傍点探索処理によって探索された複数の近傍点の挙動に基づいて将来値を予測する将来値予測処理と、
上記将来値予測処理によって予測された将来値の信頼性を上記近傍点の軌道平行度合いに基づいて評価する再構成アトラクタ生成処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。 - 上記請求項11または12に記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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