JPH10240715A - 予測・推定装置及び予測・推定方法 - Google Patents

予測・推定装置及び予測・推定方法

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JPH10240715A
JPH10240715A JP4817997A JP4817997A JPH10240715A JP H10240715 A JPH10240715 A JP H10240715A JP 4817997 A JP4817997 A JP 4817997A JP 4817997 A JP4817997 A JP 4817997A JP H10240715 A JPH10240715 A JP H10240715A
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estimated
prediction
distribution
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JP4817997A
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English (en)
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Masakazu Hattori
雅一 服部
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 精度の高い予測・推定結果を得ることができ
る予測・推定装置及び予測・推定方法を提供する。 【解決手段】 入力された問題に対して、類似事例検索
部4にて事例ベース1からすべての事例を検索し、事例
と入力問題との間で類似度を計算しながら近傍事例集合
を選択し、選択された近傍事例集合の各事例を、分布推
定演算部5にて推定テーブルの推定式を用いて入力問題
に適合させて、推定分布グラフを作成し、分布合成演算
部6にて各推定分布グラフを各事例の類似度をもとにス
ケーリングし、これらの推定分布グラフを合成し、合成
された推定分布グラフの重心値を求め、推定分布グラフ
とその重心値を推定値出力部7にて出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、定量的な属性から
構成される事例が格納された事例ベースをもとに、新た
な問題の予測・推定を行う予測・推定装置及び予測・推
定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、定量的な属性から構成される
事例を格納した事例ベースをもとに、新たな問題につい
て予測・推定処理を行う予測・推定装置に関する技術
が、いくつか提案されている。例えば、特開平7−17
5786号においては、過去の販売実績数量などの定量
的なデータから、販売製品の販売量を予測する販売量予
測装置が提案されている。この提案では、過去の販売実
績数量などの定量的なデータに、過去の販売実績の大き
さと複数の販売量変動度合いの関係を表すファジープロ
ダクションルールとメンバーシップ関数を適用すること
により、将来の販売予測を行っている。
【0003】また、特開平5−88714号において
は、エネルギー資源などの需要予測において、エネルギ
ー需要のある複数の対象を、需要の特徴を有する小集合
に分類し、各小集合ごとにその需要予測を演算して、総
需要を求める方法が提案されている。
【0004】さらに、特開平6−68065号において
は、過去に販売した商品の販売履歴情報をもとに、類似
商品の需要を予測する需要予測装置が提案されている。
また、特開平5−204991号においては、金融証券
分野における時系列データを検索する方法が提案されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の予測・推定装置には、以下に述べるよう
な問題点があった。すなわち、従来の予測・推定装置に
おいては、複数の事例の中から、予測・推定対象に最も
類似した1つの事例、あるいは時間的に近い1つの時系
列パターンを選択し、それを用いて予測・推定を行って
いる。しかし、その予測・推定のもととなった事例が、
特殊で例外的な事例であったり、誤差を含んでいる事例
であった場合には、その予測・推定結果は不適切なもの
となる。
【0006】一方、特開平5−35484号において
は、機器の故障診断の分野を対象に、各事例についての
故障原因の頻度分布を用いて、故障原因を推定する方法
が提案されている。すなわち、この方法は、分類された
事例クラス集合から類似したクラスの頻度分布を合成
し、その結果だけを出力するというものである。しか
し、予測・推定を行う分野においては、定量的な属性か
ら構成される事例を現在の問題に適合させる演算(事例
ベース推論の枠組では、事例修正に相当する)が必要で
あるため、機器の故障診断の分野を対象に、過去の事例
の検索と分析のみを行う上記特開平5−35484号に
示された技術では対応できない。
【0007】このように、従来の予測・推定装置では、
定量的な属性から構成される事例を格納した事例ベース
をもとに、新たな問題の予測・推定を行う場合、高い予
測・推定精度を得ることは困難であった。
【0008】本発明は、上述したような従来技術の問題
点を解消するために提案されたもので、その目的は、複
数の事例に基づいて、総合的に予測・推定することによ
り、精度の高い予測・推定結果を得ることができる予測
・推定装置及び予測・推定方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の予測・推定装置は、事例と予測
・推定対象となる問題との間の類似度に基づいて、事例
集合の中から近傍事例を選択する検索手段と、検索され
た近傍事例集合の各事例に対し、予測・推定対象領域に
依存する推定式を用いて分布推定を行う第1の演算手段
と、前記第1の演算手段による各事例の分布推定結果を
合成する第2の演算手段と、予測・推定値を出力する出
力手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】より具体的には、複数の事例を格納する第
1の記憶手段と、予測・推定対象領域に依存する推定式
を格納する第2の記憶手段と、予測・推定対象となる問
題を入力する入力手段と、前記第1の記憶手段に格納さ
れた事例を検索し、各事例と前記問題との間の類似度に
基づいて、近傍事例を選択する検索手段と、検索された
近傍事例集合の各事例に対し、前記推定式を用いて分布
推定を行う第1の演算手段と、前記第1の演算手段によ
る各事例の分布推定結果を合成する第2の演算手段と、
予測・推定値を出力する出力手段とを備えたことを特徴
とするものである。
【0011】また、請求項5に記載の発明は、上記請求
項1に記載の発明を方法の観点から捉えたものであっ
て、予測・推定対象となる問題に対して、予め記憶され
ている事例の中からその問題に類似する近傍事例集合を
選択し、選択された近傍事例集合の各事例を、所定の推
定式を用いてその問題に適合させて推定分布グラフを作
成し、各推定分布グラフを各事例の類似度をもとにスケ
ーリングした後、これらの推定分布グラフを合成し、合
成された推定分布グラフに基づいて予測・推定値を求め
ることを特徴とするものである。
【0012】上記のような構成を有する請求項1に記載
の予測・推定装置及び請求項5に記載の予測・推定方法
によれば、予め記憶されている事例の中から、予測・推
定対象となる問題に類似する事例を複数個選択し、これ
ら複数の事例に基づいて、予測・推定対象となる問題を
予測・推定することができるので、精度の高い予測・推
定が可能となる。
【0013】請求項2に記載の予測・推定装置は、各事
例について、その事例固有の推定式を生成する生成手段
と、事例と予測・推定対象となる問題との間の類似度に
基づいて、事例集合の中から近傍事例を選択する検索手
段と、検索された近傍事例集合の各事例に対し、前記生
成手段によって生成されたその事例固有の推定式を用い
て分布推定を行う第1の演算手段と、前記第1の演算手
段による各事例の分布推定結果を合成する第2の演算手
段と、予測・推定値を出力する出力手段とを備えたこと
を特徴とするものである。
【0014】より具体的には、複数の事例を格納する第
1の記憶手段と、前記各事例について、その事例固有の
推定式を生成する生成手段と、前記生成手段によって生
成されたその事例固有の推定式を格納する第2の記憶手
段と、予測・推定対象となる問題を入力する入力手段
と、前記第1の記憶手段に格納された事例を検索し、各
事例と前記問題との間の類似度に基づいて、近傍事例を
選択する検索手段と、前記検索手段によって検索された
近傍事例集合の各事例に対し、前記生成手段によって生
成されたその事例固有の推定式を用いて分布推定を行う
第1の演算手段と、前記第1の演算手段による各事例の
分布推定結果を合成する第2の演算手段と、予測・推定
値を出力する出力手段とを備えたことを特徴とするもの
である。
【0015】また、請求項6に記載の発明は、上記請求
項2に記載の発明を方法の観点から捉えたものであっ
て、予測・推定対象となる問題に対して、予め記憶され
ている事例の中からその問題に類似する近傍事例集合を
選択し、前記近傍事例集合の各事例に対し、その事例固
有の推定式を生成し、この推定式を用いて、選択された
近傍事例集合の各事例をその問題に適合させて推定分布
グラフを作成し、各推定分布グラフを各事例の類似度を
もとにスケーリングした後、これらの推定分布グラフを
合成し、合成された推定分布グラフに基づいて予測・推
定値を求めることを特徴とするものである。
【0016】上記のような構成を有する請求項2に記載
の予測・推定装置及び請求項6に記載の予測・推定方法
によれば、予め予測・推定対象領域に依存する推定式を
作製しなくても、各事例固有の推定式が生成されるの
で、ユーザによる推定式生成の負荷を軽減することがで
きる。また、より精度の高い予測・推定値を得ることが
できる。
【0017】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の予測・推定装置において、前記第2の
演算手段が、近傍事例に基づく分布推定演算結果を、各
事例の類似度によってスケーリングし、その分布推定結
果を合成することにより、予測・推定値を導き出すこと
を特徴とするものである。上記のような構成を有する請
求項3に記載の予測・推定装置によれば、近傍事例に基
づく分布推定演算結果を、各事例の類似度によってスケ
ーリングすることにより、より精度の高い予測・推定値
を得ることができる。
【0018】請求項4に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の予測・推定装置において、前記出力手
段が、予測・推定値と共にその推定分布をも表示するこ
とを特徴とするものである。上記のような構成を有する
請求項4に記載の予測・推定装置によれば、ユーザは、
予測・推定情報を直観的に把握することができる。
【0019】なお、本発明に係る予測・推定方法におけ
る処理は、コンピュータプログラムがコンピュータを制
御することによって実現され、このプログラムは記録媒
体に記録されて提供される。例えば、予測・推定方法を
実行させるためのプログラムを記録した媒体としては、
前記プログラムが、予測・推定対象となる問題に対し
て、予め記憶されている事例の中からその問題に類似す
る近傍事例集合を選択するステップと、選択された近傍
事例集合の各事例を、所定の推定式を用いてその問題に
適合させて推定分布グラフを作成するステップと、各推
定分布グラフを各事例の類似度をもとにスケーリングし
た後、これらの推定分布グラフを合成するステップと、
合成された推定分布グラフに基づいて予測・推定値を求
めるステップとを含むことを特徴とするものがある。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は、本
発明による予測・推定装置を、材料設計における品質特
性の予測問題に適用した例について述べたものである。
【0021】また、前記「品質特性の予測問題」とは、
ある製品を製造する前に、その製品に関して定量的な複
数の設計属性を設定し、その複数の設計属性に基づい
て、その製品の品質特性を予測し、その結果を利用し
て、最適な製品を製造することができるようにするため
に提示される問題をいう。例えば、ケーブル用合成ゴム
製品の品質特性予測問題では、老化防止剤使用量、加硫
剤量、ワックス使用量、加硫時間、促進剤使用量、充填
剤使用量などの定量的な設計属性から、引っ張り強さ、
伸び、熱変化率などの品質属性を予測し、これらの品質
属性を総合して、製品の品質特性を予測しようとするも
のである。
【0022】[1.第1実施形態] [1−1.第1実施形態の構成]図1は、本実施形態の
予測・推定装置の構成を示すブロック図である。すなわ
ち、本実施形態の予測・推定装置は、定量的な設計属性
と品質属性から構成される事例を格納した事例ベース1
(第1の記憶装置に対応)と、予測・推定対象領域の推
定式を格納した推定式テーブル2(第2の記憶装置に対
応)と、予測・推定すべき問題を入力する問題入力部3
(入力手段に対応)と、前記事例ベース1を検索し、各
事例と入力された問題との間の類似度を計算しながら、
入力された問題と類似する近傍事例を選択する類似事例
検索部4(検索手段に対応)と、検索された近傍事例集
合の各事例に対し、分布推定を行う分布推定演算部5
(第1の演算手段に対応)と、各事例の類似度を考慮し
ながら、各事例の推定分布を合成する分布合成演算部6
(第2の演算手段に対応)と、合成された結果より、各
品質属性の推定値を出力する推定値出力部7(出力手段
に対応)とを備えている。
【0023】[1−2.第1実施形態の作用]このよう
な構成を有する本実施形態の予測・推定装置は、以下に
述べるように作用する。すなわち、図2のフローチャー
トに示したように、本実施形態の予測・推定装置におい
ては、まず、問題入力部3を介して、問題が入力される
(ステップ21)。続いて、入力された問題に対して、
類似事例検索部4において、事例ベース1から複数の事
例が検索され、各事例と入力問題との間で類似度が計算
され、近傍事例集合が選択される(ステップ22)。
【0024】次に、分布推定演算部5において、推定式
テーブル2に格納された推定式を用いて、前記近傍事例
集合に含まれる各事例を入力問題に適合させるべく、後
述する所定の修正が加えられ、その結果に基づいて推定
分布グラフが作成される(ステップ23)。
【0025】続いて、分布合成演算部6において、ステ
ップ23で得られた各推定分布グラフが各事例の類似度
に基づいてスケーリングされ、さらに、各推定分布グラ
フが重ね合わせ規則により合成され、合成された推定分
布グラフの重心値が求められる(ステップ24)。
【0026】そして、分布合成演算部6で得られた合成
された推定分布グラフとその重心値が、推定値出力部7
を介して出力される(ステップ25)。
【0027】以下、上記の各ステップにおける処理につ
いて、図面を参照して詳細に説明する。
【0028】[1−2−1.事例データ]図3は、材料
設計における品質特性の予測問題に対して用いられる、
過去の製品事例あるいは試験事例のデータの一例を示し
たものである。すなわち、設計属性は“設計属性1”、
“設計属性2”及び“設計属性3”の3属性から構成さ
れ、また、品質属性は“品質属性1”及び“品質属性
2”の2属性から構成されている。
【0029】そして、これらの品質属性の集合によっ
て、その製品の品質特性が決定される。したがって、品
質属性が一致していれば、得られる品質特性も同一のも
のとなる。例えば、ケーブル用合成ゴム製品の品質特性
予測問題では、老化防止剤使用量、加硫剤量、ワックス
使用量、加硫時間、促進剤使用量、充填剤使用量、など
の定量的な設計属性が、“設計属性1”、“設計属性
2”及び“設計属性3”の3属性に相当し、引っ張り強
さ、伸び、熱変化率などの品質属性が、“品質属性1”
及び“品質属性2”の2属性に相当している。
【0030】図3においては、事例の各列に対して、こ
れらの属性値が各行に埋め込まれている。例えば、事例
No.4は、「設計属性1=502、設計属性2=5.
4、設計属性3=309という設計を行った結果、品質
属性1=14.8、品質属性2=0.22の品質特性を
持つ製品が得られた」ことを示している。なお、図3の
左欄の“No.”は、事例ナンバーを表している。
【0031】[1−2−2.事例ベースにおける事例構
造と推定式テーブルの例]図4(A)(B)は、それぞ
れ前記事例ベース1における事例構造と、推定式テーブ
ル2の例を示したものである。すなわち、図3に示した
事例集合は、図4(A)に示すような事例構造に変換さ
れる。この時、事例データそのものはレコード形式に内
部変換されるが、この場合、先の属性に対応するレコー
ド属性だけでなく、“推定式1”、“推定式2”などの
レコード属性も追加される。
【0032】一方、図4(B)に示したように、推定式
テーブル2には、現時点では以下に示す1つの推定式が
登録されている。なお、推定式とは、予測・推定対象領
域の定量的な設計属性と品質属性との関係(一般的な因
果関係)を表す式であり、その領域に依存する領域知識
である。
【0033】
【数1】 ここで、X1,X2,X3は、それぞれ“設計属性1”
“設計属性2”“設計属性3”に相当し、式Fの値は
“品質属性1”の予測・推定値に相当する。
【0034】なお、上述したように、式Fの値は“品質
属性1”の予測・推定値に相当するので、この式に、予
測・推定対象となる新たな問題についての設計属性値
(X1,X2,X3)を直接代入すれば、過去の事例を
用いなくても、新たな問題の品質特性を予測、推定する
ことは可能である。しかし、式(1)は、予測・推定対
象領域の一般則であるため、その領域内に存在するすべ
ての問題に適合するわけではない。そのため、大きな誤
差が発生することは避けられない。そこで、この推定式
を、過去の事例と新たな問題(予測・推定対象問題)と
の補間則として用い、両者の差を補間して、過去の事例
を修正することにより、新たな問題の品質特性を高精度
で予測・推定することができるとの観点から、本発明を
達成するに至ったものである。
【0035】[1−2−3.新たな問題の入力処理]ユ
ーザは、前記問題入力部3を介して、定量的な設計属性
から構成される新たな問題を入力する。なお、この処理
は、図2のフローチャートのステップ21に対応するも
のである。また、図5は、新たな問題の入力処理の一例
を示す図である。すなわち、この図では、表示ウインド
ウに「設計属性値を入力して下さい」という入力支援が
表示されている。そして、この入力支援に対して、ユー
ザは、キーボードなどを操作して、“設計属性1”、
“設計属性2”、“設計属性3”の各項目に対して、そ
れぞれ“355”、“9.9”、“280”という属性
値を入力しており、この内容が表示されている。続い
て、ユーザにより[実行]ボタンが押下されると、新た
な問題についての品質特性の予測・推定処理が開始され
る。
【0036】[1−2−4.類似事例検索処理]前記類
似事例検索部4は、前記事例ベース1を検索し、以下に
述べる手順で類似度を計算しながら、入力された新たな
問題に類似した事例の集合(以下、近傍事例集合とい
う)を検索する。なお、この処理は、図2のフローチャ
ートのステップ22に対応するものである。
【0037】なお、上述したように、事例ベース1は、
定量的な設計属性と品質属性から構成される事例を格納
しており、ファイル管理システム、あるいは汎用データ
ベース管理システムによって実装される。また、事例デ
ータそのものは、レコード形式に内部変換される。
【0038】ここで、図6は、類似事例検索部4におけ
る近傍事例集合の選択の一例を示したものである。すな
わち、図6は、入力された新たな問題(以下、入力問題
と称する)に対して、類似事例検索部4が事例ベース1
からすべての事例を検索し、各事例と入力問題との間で
類似度を計算しながら入力問題に類似した事例(近傍事
例)を選択した結果、選ばれた近傍事例が、「事例N
o.2」、「事例No.53」及び「事例No.69」
の3事例であることを示している。
【0039】なお、この近傍事例集合は、
【数2】 なる類似度関数で高い類似度を示した事例の集合であ
る。
【0040】また、上記類似度関数は、入力問題と事例
との間の「似ている度合」を表すものであり、予測・推
定対象領域に特有なものである。したがって、上記類似
度関数は、予測・推定対象領域の特性を考慮しながら、
入力問題と事例との間の「似ている度合」を表現するよ
うに組み込まれなければならない。
【0041】なお、上記類似度関数Simの3引数{X
1、X2、X3}は、それぞれ入力問題の“設計属性
1”、“設計属性2”、“設計属性3”の属性値に相当
する。また、3引数{Dx1、Dx2、Dx3}は、そ
れぞれ入力問題と事例との“設計属性1”、“設計属性
2”、“設計属性3”の属性値の差分に相当する。例え
ば、入力問題と事例2を対象にすれば、X1=355、
X2=9.9、X3=280であり、Dx1=|355
−342|、Dx2=|9.9−9.5|、Dx3=|
280−321|となる(なお、|X|はXの絶対
値)。
【0042】また、上記類似度関数Simは、入力問題
と事例との「似ている度合」が大きければ大きな値を示
し、逆に、入力問題と事例との「似ている度合」が小さ
ければ小さな値を示すように設計されている(ただし、
全属性値の差分が同じであれば、類似度関数SimはM
axSimなる巨大値をとる)。
【0043】そして、類似事例検索部4における処理と
して、事例ベース1に格納された全事例を対象に、入力
問題と各事例の間で類似度計算を行い、高い類似度を示
した近傍事例が事例No.2、事例No.53、事例N
o.69の3事例である。すなわち、図6では、入力問
題と事例No.2との類似度関数値は、
【数3】 となる。同様に、入力問題と事例No.53との類似度
関数値は0.51、入力問題と事例No.69との類似
度関数は1.08という結果となっている。
【0044】[1−2−5.分布推定演算処理]前記分
布推定演算部5は、近傍事例集合の各事例に対して、推
定式テーブル2に格納された推定式を適用する。これ
は、事例を与えられた問題に適合させる処理に相当し、
事例ベース推論の枠組では事例修正に相当する。なお、
この処理は、図2のフローチャートのステップ23に対
応するものである。
【0045】このように、近傍事例集合の各事例に対し
て推定式を適用して得られた結果は、各事例を入力問題
に適合させたものであり、不確実性を伴うものである。
そこで、本実施形態においては、適合結果を推定分布グ
ラフと呼ばれる分布関数に変換している。
【0046】ここで、図7は、分布推定演算部5におけ
る分布推定演算の処理過程の一例を示す図である。すな
わち、図7は、検索された近傍事例集合の各事例に対し
て、推定式テーブル2に格納された推定式を適用し、そ
の結果を推定分布グラフと呼ばれる分布関数に変換して
出力している状態を示したものである。
【0047】次に、この分布推定演算部5における分布
推定演算処理について、より詳しく説明する。すなわ
ち、分布推定演算部5では、(1)推定式の取得、
(2)推定式の適用、(3)推定分布グラフへの変換の
順に処理がなされる。まず、近傍事例集合の各事例に対
して、推定式テーブル2に格納された推定式を取得する
(推定式の取得)。続いて、近傍事例集合の各事例に対
して、推定式を適用し、その結果を出力する(推定式の
適用)。
【0048】なお、図7で用いられる推定式は、
【数4】 である。
【0049】なお、式Fは、予測・推定対象領域の定量
的な設計属性と品質属性との関係を表す回帰式であり、
その領域依存の領域知識である。また、上述したよう
に、この回帰式Fに、予測・推定対象となる入力問題に
ついての設計属性値(X1,X2,X3)を直接代入す
れば、過去の事例を用いなくても、新たな問題の品質特
性を予測、推定することは可能である。しかし、式
(1)は、予測・推定対象領域の一般則であるため、そ
の領域内に存在するすべての問題に適合するわけではな
く、大きな誤差が発生することは避けられない。
【0050】例えば、事例2に回帰式Fを適用すれば、
【数5】 となり、現実の値“31.4”と大きく相違する。
【0051】そこで、本実施形態においては、この回帰
式Fを各事例と入力問題との補間則として用い、事例を
修正することにより、入力問題の品質特性を予測・推定
している。すなわち、この回帰式Fを各事例と入力問題
との補間則として用いる式は、上記の回帰式Fの差分式
である次式により与えられる。
【0052】
【数6】 なお、この差分式Dfの3引数{Dx1、Dx2、Dx
3}は、それぞれ入力問題と事例との“設計属性1”、
“設計属性2”、“設計属性3”の属性値の差分に相当
する。
【0053】また、この差分式Dfをもとにした、各事
例と入力問題との補間則としての推定式は、次式により
与えられる。
【0054】
【数7】 なお、Dfは上記の差分式で、Z′は入力問題の予測・
推定値を、Zは各事例の実績値を示している。
【0055】また、図7において、事例2、事例53、
事例69に対応する位置に示された“32.6”、“3
3.5”、“29.7”の値は、それぞれ事例2、事例
53、事例69に上記推定式Z′を適用して得られた結
果であり、これらの各値が各事例から得られた入力問題
の“品質属性1”についての予測・推定結果である。
【0056】なお、本実施形態においては、回帰式から
差分式を求め、これを間接的に事例と問題との補間則と
して用いて事例を修正したが、補間則をプロダクション
ルール、あるいはファジープロダクションルールなどで
表現することもできる。
【0057】このようにして、各事例から入力問題の
“品質属性1”についての予測・推定値が得られた後、
その結果を推定分布グラフと呼ばれる分布関数に変換す
る(推定分布グラフへの変換)。これが、図7の下部に
示したグラフE1、E2、E3である。例えば、事例2
では、推定式Z′を適用した結果である“32.6”を
中心として、幅4.0、高さ1.0を持つ二等辺三角形
の形状を持つグラフE1に変換している。その結果、直
観的に「[32.6−2.0、32.6+2.0]の間
で、32.6を最大に推定値の分布の可能性が高い」と
いうことが分かる。また、事例53、事例69について
も、同様にして推定分布グラフE2、E3に変換されて
いる。
【0058】なお、各事例について、その推定分布グラ
フを二等辺三角形に統一しているのは、平均値を求めた
り、視覚的に分かりやすくするためであり、必ずしもこ
の形状に限られず、正規分布でも良い。
【0059】[1−2−6.分布合成演算処理]分布合
成演算部6は、前記分布推定演算処理によって得られた
各事例の推定分布グラフに対して、その事例と入力問題
との類似度に基づくスケーリングを施し、それらの推定
分布グラフを重ね合わせ規則により合成し、合成された
推定分布グラフの重心値を求める。この重心値が、予測
・推定対象となっている製品の品質特性の予測・推定値
に相当する。なお、この処理は、図2のフローチャート
のステップ24に対応するものである。
【0060】ここで、図8は、分布合成演算部6におけ
る分布合成演算の処理過程の一例を示す図である。すな
わち、図8の上部に示したように、事例2、事例53、
事例69から求められた推定分布グラフE1、E2、E
3(図7参照)が、分布合成演算部6へ入力される。
【0061】この分布合成演算部6では、(1)類似度
によるスケーリング、(2)推定分布グラフの合成、
(3)重心値の算出の順で処理がなされる。すなわち、
まず、各事例から求められた推定分布グラフを、それぞ
れその事例と入力問題との類似度によりスケーリングす
る(類似度によるスケーリング)。なお、このスケーリ
ングは、各事例と入力問題との類似度に応じてスケーリ
ング比率を計算し、その値に基づいて推定分布グラフを
変化させることにより行われる。
【0062】本例においては、入力問題と事例2、事例
53、事例69との類似度は、それぞれ“1.33”、
“0.51”、“1.08”であるので、これを総和が
1.0になるように正規化し、比率を求める。
【0063】
【数8】 そして、各比率をもとに、推定分布グラフE1、E2、
E3の高さを変化させる。その結果得られたグラフが、
図8のグラフE1′、E2′、E3′である。図から明
らかなように、それぞれ、高さが0.46(=Y1)、
0.17(=Y2)、0.37(=Y3)になってい
る。
【0064】次に、スケーリングされた推定分布グラフ
を合成する(推定分布グラフの合成)。図8の合成例で
は、E1′+E2′+E3′の結果を示している。
【0065】続いて、合成された推定分布グラフE1′
+E2′+E3′の重心値を求める(重心値の算出)。
なお、合成前の各推定分布グラフは、左右対称形になっ
ているので、重心値は容易に算出できる。すなわち、合
成前の各推定分布グラフEi′の面積をSiとすれば、
重心値(CG)は、次式により求められる。
【0066】
【数9】 なお、Yiは各推定分布グラフEi′の高さ、Ziは各
推定分布グラフEi′の重心値を表している。
【0067】したがって、本例においては、合成された
推定分布グラフの重心値は、
【数10】 となる。
【0068】[1−2−7.推定値出力処理]推定値出
力部7は、前記分布合成演算部6で得られた合成された
推定分布グラフとその重心値を出力する。なお、この処
理は、図2のフローチャートのステップ25に対応する
ものである。
【0069】ここで、図9(A)は、推定値出力部7に
よる品質特性の予測・推定値の出力の一例を示す図であ
る。この図では、表示ウインドウに「入力された設計属
性に対する予測・推定値は以下のように計算されまし
た」という文と共に、“品質属性1”については“3
1.7”、“品質属性2”については“2.39”なる
予測・推定値が表示されている。
【0070】また、各予測・推定値の表示欄の右側には
[分布]ボタンがあり、ユーザによりこれが押下される
と、システムは推定分布表示を行う。例えば、図9
(B)に示したように、“品質属性1”の推定分布表示
ウインドウでは、前記分布合成演算部6によって得られ
た“品質属性1”の推定分布(図8参照)が表示されて
いる。この表示により、ユーザは「もっともらしい予測
・推定値がどの範囲に分布しているのか」という予測・
推定情報を直観的に把握することができる。この例で
は、30〜33の区間にほぼ台形状に分布しており、
「30〜33の区間にほぼ等確率で存在しているのでは
ないか」と直観的に把握することができる。
【0071】同様に、図9(C)に示したように、“品
質属性2”の推定分布表示ウインドウでは、“品質属性
2”の推定分布が表示されている。この例では、2.0
〜2.7の区間に鋭角三角形状に分布しており、「2.
4の前後に高い確率で存在している」と直観的に把握す
ることができる。
【0072】なお、図10は、上記説明の中で用いてき
た事例ベース1の類似性に関する空間イメージ図であ
る。すなわち、予測・推定対象である問題Xの近傍に、
事例2、事例53、事例69が存在している。また、本
例においては、問題Xの“品質属性1”の予測・推定値
“31.7”は、近傍事例集合{事例2、事例53、事
例69}から得られている。
【0073】さらに、合成された推定分布グラフは、
「最も類似度の高い事例2からの予測・推定値32.6
を高い分布確率で予測・推定しながらも、その次に高い
事例69からの29.7をも考慮した」グラフとなって
いる。したがって、この合成された推定分布グラフを、
図9(B)(C)に示した推定分布表示ウインドウ上に
表示させることで、ユーザは「30〜33」に高い確率
で予測・推定値が存在することを直観的に把握すること
ができる。
【0074】これに対して、従来の予測・推定装置で
は、問題の“品質属性1”の予測・推定値は、最も類似
度の高い単一の事例2のみより得られ、“32.6”と
いう予測・推定値となる。この場合、予測・推定のもと
となった事例(ここでは、事例2)が特殊で、例外的な
事例であったり、誤差を含んでいる事例である場合に
は、この予測・推定結果は不適切なものになる。
【0075】その点、本実施形態の予測・推定装置にお
いては、複数の事例から総合的に予測・推定しているた
め、予測精度の高い予測・推定結果を得ることができ
る。
【0076】[1−3.第1実施形態の効果]以上述べ
たように、本実施形態の予測・推定装置によれば、複数
の事例に基づいて、予測・推定対象となる製品の品質特
性を予測・推定することができるので、精度の高い予測
・推定が可能となる。また、図9に示したように、本実
施形態の予測・推定装置によれば、予測・推定値だけで
なく、推定分布グラフも表示されるので、ユーザは「も
っとも精度の高い予測・推定値がどの範囲に分布してい
るのか」という予測・推定情報を直観的に把握すること
ができる。
【0077】[2.第2実施形態]第2実施形態は、上
記第1実施形態の予測・推定装置に、さらに推定式生成
部を設けることにより、より精度の高い予測・推定を可
能としたものである。
【0078】[2−1.第2実施形態の構成]図11
は、第2実施形態の予測・推定装置の構成を示すブロッ
ク図である。すなわち、本実施形態の予測・推定装置
は、上記第1実施形態の予測・推定装置の構成要素に加
えて、前記類似事例検索部4によって検索された近傍事
例集合の各事例に対し、その事例固有の推定式を自動的
に生成し、その推定式と事例とを対応づける推定式生成
部10(生成手段に対応)を備えている。
【0079】[2−2.第2実施形態の作用]このよう
な構成を有する本実施形態の予測・推定装置は、以下に
述べるように作用する。すなわち、本実施形態の予測・
推定装置においては、前記図2に示したフローチャート
のステップ23において用いられる推定式として、各事
例固有の推定式が用いられる。なお、この各事例固有の
推定式は、予め生成し記憶しておいても良いし、入力問
題についての予測・推定処理の際に、別途生成しても良
い。
【0080】[2−2−1.各事例固有の推定式の生成
処理]以下、前記推定式生成部10による各事例固有の
推定式の生成処理を図12に示したフローチャートにし
たがって説明する。すなわち、事例ベース1に格納され
ている各事例に対して、類似事例検索部4において、事
例ベース1からすべての事例が検索され、対象となる事
例(その事例固有の推定式を生成する対象となる事例)
と他の事例との間で類似度が計算され、対象となる事例
について近傍事例集合が選択される(ステップ12
1)。
【0081】続いて、推定式生成部10において、対象
となる事例についての近傍事例集合をデータと見なし
て、その事例固有の推定式が生成される(ステップ12
2)。次に、対象となる事例と、生成されたその事例固
有の推定式をリンクさせるために、対象となる事例の推
定式スロットに、生成された推定式が埋め込まれる(ス
テップ123)。
【0082】そして、図12のフローチャートに示した
処理が、事例ベース1に格納されている各事例に対して
繰り返し行われ、各事例ごとに生成された固有の推定式
が、推定式テーブルに格納され、また、事例ベース1中
の各事例データの属性値として格納される(図13参
照)。
【0083】図13は、各事例と生成されたその事例固
有の推定式をリンクさせる処理(ステップ123)の結
果を示したものである。すなわち、事例1の“品質属性
1”に対する“推定式”の属性値として、推定式の関数
名“F1”がセットされ、また、事例2の“品質属性
1”に対する“推定式”の属性値として、推定式の関数
名“F2”がセットされている。一方、推定式テーブル
には、事例1固有の推定式である“F1”及び事例2固
有の推定式である“F2”が、第1実施形態で示した一
般的な推定式“F”と共に格納されている。
【0084】また、図14は、図12に示したフローチ
ャートのステップ121において、近傍事例集合を選択
する処理を事例2に適用した場合の、近傍事例集合を含
む事例ベース1の類似性に関する空間イメージ図であ
る。すなわち、事例2に対して、近傍事例集合{事例5
3、事例69、事例167、事例45}が得られてい
る。
【0085】さらに、図15は、図12に示したフロー
チャートのステップ122において、推定式を生成する
処理を事例2に適用した場合の、線形回帰分析式のイメ
ージ図である。なお、本実施形態においては、データ
(ここでは、近傍事例集合)より推定式を生成する方法
として「線形回帰分析」を用いている。
【0086】ここで、回帰分析式とは、「内部変数と外
的基準量との因果関係を分析して、外的基準量を予測す
る式」である。また、類似性の高い近傍事例集合をデー
タとして選択することにより、高い近似率(寄与率)で
線形回帰式を得ることができる。
【0087】すなわち、事例2に対しては、近傍事例集
合{事例53、事例69、事例167、事例45}をデ
ータと見なして線形回帰分析し、
【数11】 なる推定式が得られている。
【0088】なお、本実施形態においては、データより
推定式を生成する技法として「線形回帰分析」を用いた
が、その他、帰納学習やニューラルネットワークなどの
学習的手法を利用することもできる。
【0089】[2−3.第2実施形態の効果]以上述べ
たように、本実施形態の予測・推定装置によれば、複数
の事例に基づいて、予測・推定対象となる製品の品質特
性を予測・推定する際に、各事例固有の推定式を用いる
ことにより、より精度の高い予測・推定が可能となる。
また、各事例固有の推定式を生成し、その推定式と各事
例とを対応付けることにより、予め推定式テーブルを作
成しなくても済むため、複雑な推定式テーブルの作成や
事例修正知識の獲得作業を軽減することができる。
【0090】[3.他の実施形態]本発明は上述した実
施形態に限定されるものではなく、例えば、売上予測問
題、電力需要予測問題などの多種多様な予測・推定問題
に適用することができることは言うまでもない。また、
上記実施形態における各手順の各ステップは、その性質
に反しない限り、実行順序を変更し、あるいは複数同時
に実施し、また、実行ごとに異なった順序で実行しても
良い。
【0091】さらに、上記の実施形態においては、事例
ベース1内に格納される事例は、定量的な属性から構成
されるものとしたが、一部非定量的な属性をも追加する
ことができる。なお、その場合、近傍事例集合を検索す
るときに、一部非定量的な属性を検索条件にして事例検
索することが必要である。
【0092】また、上記の実施形態においては、推定分
布グラフは固定的な二等辺三角形の形状を持つグラフと
したが、正規分布曲線を用いても良い。さらに、推定式
生成部10において、対象事例に対して事例ベース1の
各事例に基づいて予測・推定を行わせ、その予測・推定
値の分布範囲と実際値を比較して、二等辺三角形の形状
を変形させることもできる。
【0093】なお、本実施形態においては、回帰式から
差分式を求め、これを間接的に事例と問題との補間則と
して用いて事例を修正したが、補間則をプロダクション
ルール、あるいはファジープロダクションルールなどで
表現することもできる。また、上記実施形態に示した各
処理は、コンピュータプログラムがコンピュータを制御
することによって実現される。
【0094】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、複
数の事例に基づいて、総合的に予測・推定することによ
り、精度の高い予測・推定結果を得ることができる予測
・推定装置及び予測・推定方法を提供することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の予測・推定装置の第1実施形態の構成
を示すブロック図
【図2】本発明の予測・推定装置の第1実施形態の動作
を示すフローチャート
【図3】品質特性の予測問題における過去の製品事例、
あるいは試験事例のデータの一例を示す図
【図4】(A)は事例ベースにおける事例構造の一例を
示す図、(B)は推定式テーブルの一例を示す図
【図5】問題入力部による問題の入力処理の一例を示す
【図6】類似事例検索部における近傍事例集合選択の一
例を示す図
【図7】分布推定演算部における分布推定演算の処理過
程の一例を示す図
【図8】分布合成演算部における分布合成処理過程の一
例を示す図
【図9】(A)は品質特性の予測・推定値の出力の一例
を示す図、(B)は“品質属性1”の推定分布表示ウイ
ンドウの一例を示す図、(C)は“品質属性2”の推定
分布表示ウインドウの一例を示す図
【図10】事例ベースの類似性に関する空間イメージ図
【図11】本発明の予測・推定装置の第2実施形態の構
成を示すブロック図
【図12】本発明の予測・推定装置の第2実施形態にお
ける推定式生成処理を示すフローチャート
【図13】各事例と生成された推定式をリンクさせる処
理の結果を示す図であり、(A)は事例ベースにおける
事例構造の一例を示す図、(B)は推定式テーブルの一
例を示す図
【図14】事例ベースの類似性に関する空間イメージ図
【図15】推定式を生成するステップでの回帰分析式の
イメージ図
【符号の説明】
1…事例ベース 2…推定式テーブル 3…問題入力部 4…類似事例検索部 5…分布推定演算部 6…分布合成演算部 7…推定値出力部 10…推定式生成部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 事例と予測・推定対象となる問題との間
    の類似度に基づいて、事例集合の中から近傍事例を選択
    する検索手段と、 検索された近傍事例集合の各事例に対し、予測・推定対
    象領域に依存する推定式を用いて分布推定を行う第1の
    演算手段と、 前記第1の演算手段による各事例の分布推定結果を合成
    する第2の演算手段と、 予測・推定値を出力する出力手段と、を備えたことを特
    徴とする予測・推定装置。
  2. 【請求項2】 各事例について、その事例固有の推定式
    を生成する生成手段と、 事例と予測・推定対象となる問題との間の類似度に基づ
    いて、事例集合の中から近傍事例を選択する検索手段
    と、 検索された近傍事例集合の各事例に対し、前記生成手段
    によって生成されたその事例固有の推定式を用いて分布
    推定を行う第1の演算手段と、 前記第1の演算手段による各事例の分布推定結果を合成
    する第2の演算手段と、 予測・推定値を出力する出力手段と、を備えたことを特
    徴とする予測・推定装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の演算手段は、近傍事例に基づ
    く分布推定演算結果を、各事例の類似度によってスケー
    リングし、その分布推定結果を合成することにより、予
    測・推定値を導き出すことを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の予測・推定装置。
  4. 【請求項4】 前記出力手段は、予測・推定値と共に、
    その推定分布をも表示することを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載の予測・推定装置。
  5. 【請求項5】 予測・推定対象となる問題に対して、予
    め記憶されている事例の中からその問題に類似する近傍
    事例集合を選択し、 選択された近傍事例集合の各事例を、所定の推定式を用
    いてその問題に適合させて推定分布グラフを作成し、 各推定分布グラフを各事例の類似度をもとにスケーリン
    グした後、これらの推定分布グラフを合成し、 合成された推定分布グラフに基づいて予測・推定値を求
    めることを特徴とする予測・推定方法。
  6. 【請求項6】 予測・推定対象となる問題に対して、予
    め記憶されている事例の中からその問題に類似する近傍
    事例集合を選択し、 前記近傍事例集合の各事例に対し、その事例固有の推定
    式を生成し、 この推定式を用いて、選択された近傍事例集合の各事例
    をその問題に適合させて推定分布グラフを作成し、 各推定分布グラフを各事例の類似度をもとにスケーリン
    グした後、これらの推定分布グラフを合成し、 合成された推定分布グラフに基づいて予測・推定値を求
    めることを特徴とする予測・推定方法。
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