JP5045198B2 - 画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、中間転写体に付着した付着物をクリーニングするクリーニング装置、および、このクリーニング装置を備えた画像形成装置に関する。
従来より、トナー像を保持する像保持体を有し、この像保持体の表面にトナー像を形成し、形成したトナー像を記録媒体上に転写および定着することにより記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置が知られている。この様な画像形成装置のなかには、トナー像を記録媒体上に転写した後の像保持体の表面に残留した残留物をクリーニングするためのクリーニングブレードを備えているものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、像保持体の表面に形成したトナー像を、一旦、中間転写体上に転写した後、この中間転写体上から記録媒体に転写して定着することにより該記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置も知られており、この様な画像形成装置には、中間転写体の表面に残留する残留トナーを、中間転写体の表面に当接させたブレードでクリーニングするクリーニング装置を備えるものがある。
ブレードによる中間転写体表面のクリーニングは、ブレードにスティックスリップと呼ばれる現象が引き起こされることでなされる。このスティックスリップとは、ブレードに、スティック状態とスリップ状態とが交互に繰り返し発生する現象をいい、より具体的には、ブレードは、所定方向に移動する中間転写体表面と接触しているため、中間転写体から摩擦力を受けて変形し、ブレードには応力が生じる。その応力が所定より小さい場合には、ブレードは中間転写体に張り付いて滑りを生じない「スティック状態」にあるものの、中間転写体の更なる回転に伴ってブレードの応力が大きくなり、限界に達すると、ブレードと中間転写体との間に滑りが生じて「スリップ状態」となるものをいう。
ところで、近年、画像形成装置において使用されるトナーについては、画質の向上を目的に小粒径化が進んでいる。トナー小粒径化が進むと、ブレードと中間転写体との間を小粒径化されたトナーがすり抜けてクリーニング性が損なわれる事態が起こりやすくなる。そこで、この様な事態を避けるために、中間転写体に対するクリーニングブレードの食い込み量が多く設定される傾向にある。
特開2005−164617号公報
しかしながら、近年では、小粒径化に加え、低温定着化に対応するための低融点のトナーが使用されており、この様なトナーを用いる画像形成装置で、上述のように、中間転写体に対するクリーニングブレードの食い込み量が多くなると、これに伴って発生する摩擦熱によるトナー溶融が激化してフィルミングが発生し、これによりクリーニング不良が引き起こされて画質が低下するおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑み、低融点トナーに対するクリーニング性の向上が図られたクリーニング装置、および、画質の低下が抑制された画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明のクリーニング装置は、
表面にトナー像が転写され、そのトナー像を記録媒体に転写する中間転写体の表面に残留する残留トナーをクリーニングするクリーニング装置において、
上記トナー像が、45℃における貯蔵弾性率が5×10Pa以上6×10Pa以下のトナーからなるものであって、
上記中間転写体に当接する当接層と、この当接層を支持する、この当接層の硬度よりも低い硬度を有する支持層とを有するクリーニングブレードを備えたものであることを特徴とする。
本発明のクリーニング装置では、クリーニングブレードを高硬度のものとすることでスティックスリップが発生するニップ幅を小さくしており、これにより、このニップ部分に発生する摩擦熱を抑え、トナーの溶融の激化を抑制している。また、クリーニングブレードを単に高硬度のゴムからなるものとしてしまうと、クリーニングブレードに発生する応力による変形によって中間転写体に対する接触圧の低下が著しくなり長期クリーニング性に問題が生じるが、本発明のクリーニング装置では、高硬度の当接層と、この当接層を支持する、この当接層の硬度よりも低い硬度の支持層とからなる2層構造とすることで、応力による変形を抑制している。したがって、本発明のクリーニング装置によれば、長期クリーニング性を確保しつつ、低融点トナーの溶融の激化によるフィルミングに起因するクリーニング不良を抑制することができる。
ここで、上記中間転写体が、所定方向に移動しながら、上記トナー像の転写を受け、このトナー像を記録媒体に転写するものであり、
本発明のクリーニング装置の上記接触層が、JIS−A硬度が79度以上のものであり、
本発明のクリーニング装置の上記クリーニングブレードが、上記中間転写体に当接する当接位置からこの中間転写体の移動方向下流側へ延びる、この中間転写体に対して20°以下の当接角で当接するものであることが好ましい。
この様にすると、当接層の摩耗や欠けの発生を抑えることができることから、長期クリーニング性を向上させることができる。
また、本発明のクリーニング装置の上記クリーニングブレードは、上記当接層が上記中間転写体に当接するときの食い込み量が0.5mm以上1.5mm以下のものであることが好ましい態様である。
この様に、食い込み量を0.5mm以上1.5mm以下とすることで、安定したクリーニング性を確保しながら、中間転写体に対する当接負荷に起因する画像ズレの発生を抑制することができる。
上記目的を達成するための本発明の画像形成装置は、
トナー像を形成しこのトナー像を最終的に記録媒体上に転写および定着することによりこの記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
所定方向に移動しながら、45℃における貯蔵弾性率が5×10Pa以上6×10Pa以下のトナーからなるトナー像の転写を受け、転写されたこのトナー像を記録媒体上に転写する中間転写体、および
上記中間転写体に当接する当接層と、この当接層を支持する、この当接層の硬度よりも低い硬度を有する支持層とを有し、この中間転写体上に残留する残留トナーをクリーニングするクリーニングブレードを備えたことを特徴とする。
本発明の画像形成装置によれば、低融点トナーの溶融激化によるフィルミングによる画質低下を長期的に抑制することができる。
本発明によれば、低融点トナーに対するクリーニング性の向上が図られたクリーニング装置、および、画質の低下が抑制された画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明のクリーニング装置の一実施形態を備えた、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。
図1に示すプリンタ1は、中間転写ベルト100を備えたフルカラー対応のものであり、この中間転写ベルト100は、駆動ロール2、バックアップロール3、4、およびアイドルロール5、6、7により張設されている。中間転写ベルト100は、駆動ロール2によって、矢印P方向に循環移動する。
また、このプリンタ1は、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応した4つの画像形成ユニット8、9、10、11を備えている。これら4つの画像形成ユニット8、9、10、11は、中間転写ベルト100の移動経路上の、駆動ロール2よりも下流側かつアイドルロール5よりも上流側に並べられて配置されている。
各画像形成ユニット8、9、10、11は、表面にトナー像が形成される、矢印D方向に回転する感光体ドラム8a、9a、10a、11aを備えている。各感光体ドラム8a、9a、10a、11aの表面に形成されたトナー像は、一次転写位置T1において中間転写ベルト100に転写される。
ここで、各画像形成ユニット8、9、10、11の各感光体ドラム8a、9a、10a、11aの周囲には、各感光体ドラムの表面に所定量の電荷を付与する帯電器8c、9c、10c、11cと、所定量の電荷が付与された各感光体ドラム8a、9a、10a、11aの表面を、入力された画像データに応じた露光光で露光して靜電潜像を形成する露光器8b、9b、10b、11bと、露光器8b、9b、10b、11bにより各感光体ドラム8a、9a、10a、11aの表面に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像器8d、9d、10d、11dと、各感光体ドラム8a、9a、10a、11a上に形成されたトナー像を中間転写ベルト100に転写する一次転写ロール8e、9e、10e、11eと、中間転写ベルト100へのトナー像の転写を終えた各感光体ドラム8a、9a、10a、11a上に残留した残留トナーを除去するクリーナ8f、9f、10f、11fとが配備されている。
現像器8d、9d、10d、11dは、小粒径、かつ45℃の貯蔵弾性率が1.0×10Paの低融点トナーを含んだ現像剤を収容しており、この低融点トナーを用いて、各感光体ドラム8a、9a、10a、11a上に形成された静電潜像を現像する。
また、このプリンタ1は、中間転写ベルト100の移動経路上の、アイドルロール7の下流側、かつ駆動ロール2の上流側に、中間転写ベルト100の表面に残留した残留トナーを除去するベルトクリーナ20を備えている。
以下、画像形成動作の流れを簡単に説明しながら、このプリンタ1に備えられている他の部位について説明する。
このプリンタ1では、不図示の操作パネルにおいてプリント動作の開始が指示されると、中間転写ベルト100上に、Y、M、C、K各色用の画像形成ユニット8、9、10、11それぞれで形成された各色のトナー像が、Y色、M色、C色、およびK色の順で転写される。その後、各色トナー像が積み重ねられてなる多色トナー像が二次転写位置T2にさしかかるタイミングで、この二次転写位置T2には、給紙カセット140から引き出され複数のロール対16により破線Qで示す経路を辿って搬送されてきた記録用紙14が到達し、中間転写ベルト100上の多色トナー像は、この二次転写位置T2に配備されている二次転写ロール17によって、記録用紙14上に二次転写される。
多色トナー像が転写された記録用紙14は、搬送装置18により定着器19に搬送される。
定着器19は、記録用紙14に転写された多色トナー像を溶融し、記録用紙14上に圧着することでトナー像を定着させた後、プリンタ1の外部に排出する。
一方、中間転写ベルト100は、所定の循環経路を循環し、循環経路の途中に配備されているベルトクリーナ20を通過する際に、表面に残留した残留トナーが除去される。
図2は、ベルトクリーナの設計概念図である。
図2に示すベルトクリーナ20は、クリーニングブレード22と、このクリーニングブレード22で除去された除去物を回収するハウジング21とを構成要素としている。
また、クリーニングブレード22は、中間転写ベルト100に当接する当接ゴム層221と、当接ゴム層221を支持する支持ゴム層222とで構成されている。尚、図2では、中間転写ベルト100と、当接ゴム層221とが交差しているが、これは、中間転写ベルト100に対する当接ゴム層221の食い込み量Wおよび当接角Θを示すためであり、実際には、当接ゴム層221によって中間転写ベルト100は押し込まれ、当接ゴム層221も多少変形する。
本実施形態のプリンタ1では、前述したように、小粒径かつ45℃の貯蔵弾性率が1.0×10Paの低融点トナーを使用しているため、何らの対策も無ければ、トナー溶融の激化により発生したフィルミングに起因するクリーニング不良が起こり得る。そこで、本実施形態のプリンタ1では、クリーニングブレード22を、中間転写ベルト100に当接する、JIS−A硬度79の当接ゴム層221と、この当接ゴム層221を支持する、JIS−A硬度75の支持ゴム層222とからなる2層構造のものとしている。これは、中間転写体ベルト100に当接する当接ゴム層221を高硬度のものとすることで、スティックスリップが発生するニップ幅を小さくして摩擦熱の発生を抑えるとともに、クリーニングブレード22を高硬度のゴム層だけの構成とした場合にこのクリーニングブレード22に発生する応力による変形によって中間転写ベルト100に対する接触圧が低下して長期クリーニング性に問題が出るのを抑制するためである。これにより、本実施形態のプリンタ1によれば、長期クリーニング性を確保しつつ、低融点トナーの溶融の激化によるフィルミングに起因するクリーニング不良を抑制することができる。
また、このプリンタ1では、中間転写ベルト100に対する当接ゴム層221の食い込み量Wを1.2mm、当接角Θを18°としている。食い込み量Wを1.2mmとすることで、安定したクリーニング性を確保しつつ、中間転写ベルト100に対する接触負荷による画像ズレの発生を抑制することができ、当接角Θを18°とすることで、当接層221の摩耗や欠けの発生を抑え、長期クリーニング性を向上させることができる。
ここで、本実施形態のプリンタ1で使用する、45℃における貯蔵弾性率が1.0×10Paのトナーの製法について説明する。
このトナーは、結晶性樹脂の酸価が5〜50mgKOH/g、非結晶性樹脂の酸価が10〜50mgKOH/gで結晶性樹脂のASTM D3418−8による融点が50〜100℃にあり、且つ重量平均分子量(Mw)が8,000〜35,000、ASTM D3418−8に準拠して求めた非結晶性樹脂のガラス転移温度(Tg)が50〜65℃、且つ重量平均分子量(Mw)が20,000〜50,000、前記結晶性樹脂と非結晶性樹脂の重量に於ける比率が5/95〜40/60であるのが好ましい。
−結晶性樹脂−
ここで、「結晶性ポリエステル樹脂」とは、示差走査結量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。なお、ここで、静電荷現像用トナーに用いられる『結晶性』とは、示差走査熱量測定(DSC)において、DSC曲線が明確な吸熱ピークを有することを指し、具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークが発生し、その後前記DSC曲線のベースラインに戻ることを意味する。
結晶性樹脂としては、具体的には、適度な融点を有し炭素数6以上のアルキル基を有する脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。炭素数6以上のアルキル基を有するポリエステル樹脂は、多価カルボン酸または多価アルコールに炭素数6以上のアルキル基を有する重合性単量体を用いることで得ることができ、例えば、ドデセニルコハク酸などを用いることができるが、これに限るものではない。
このトナーに用いる樹脂の製造に用いる多価カルボン酸類としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタルレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸等の芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸等の芳香族オキシカルボン酸、コハク酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ダイマー酸、トリマー酸、水添ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和脂肪族及び脂環族ジカルボン酸等を、また多価カルボン酸としては他にトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の三価以上の多価カルボン酸等を用いることができる。
樹脂の製造に用いる多価アルコール類としては脂肪族多価アルコール類、脂環族多価アルコール類、芳香族多価アルコール類等を例示できる。脂肪族多価アルコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジメチロールヘプタン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ε−カプロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られるラクトン系ポリエステルポリオール等の脂肪族ジオール類、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエルスリトール等のトリオール及びテトラオール類等を例示できる。
脂環族多価アルコール類としては1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物及びプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカンジオール、トリシクロデカンジメタノール、ダイマージオール、水添ダイマージオール等を例示できる。
芳香族多価アルコール類としてはパラキシレングリコール、メタキシレングリコール、オルトキシレングリコール、1,4−フェニレングリコール、1,4−フェニレングリコールのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物及びプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
樹脂末端の極性基を封鎖し、トナー帯電特性の環境安定性を改善する目的において単官能単量体がポリエステル樹脂に導入される場合がある。単官能単量体としては、安息香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安息香酸モノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカルボニル安息香酸、n−ドデシルアミノカルボニル安息香酸、ターシャルブチル安息香酸、ナフタレンカルボン酸、4−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、サリチル酸、チオサリチル酸、フェニル酢酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、オクタンカルボン酸、ラウリル酸、ステアリル酸、及びこれらの低級アルキルエステル、等のモノカルボン酸類、あるいは脂肪族アルコール、芳香族アルコール、脂環族アルコール等のモノアルコールを用いることができる。
結晶性樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、モノマーの種類によって使い分けて製造する。
結晶性樹脂の製造は、重合温度180〜230℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させても良い。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させると良い。
結晶性樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、及びアミン化合物等が挙げられ、具体的には、以下の化合物が挙げられる。
例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。このような触媒の添加量は、原材料の総量に対して0.01〜1.00重量%とすることが好ましい。
結晶性樹脂の融点としては、好ましくは50〜100℃であり、より好ましくは60〜100℃である。前記融点が50℃より低いとトナーの保存性や、定着後のトナー画像の保存性が問題となる場合がある一方、100℃より高いと従来のトナーに比べて十分な低温定着が得られない場合がある。
また、結晶性の樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、ここでは、最大のピークをもって融点とする。
更に、樹脂融点の測定には、例えばパーキンエルマー社製のDSC−7を用いることができる。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融点を用い樹脂のガラス転移点の測定も同様に測定することができる。
トナーに使用される結晶性樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による分子量測定で、重量平均分子量(Mw)が8,000〜35,000であり、好ましくが10,000〜25,000である。重量平均分子量が8,000未満では、非結晶性樹脂や離型剤との相溶が進行し、可塑を発生させる場合がある。また、35,000を超えるとトナー溶融時の粘度が上昇し、定着性や画像光沢性を損なうことがある。ここで、樹脂の分子量は、THF可溶物を、東ソー製GPC・HLC−9120、東ソー製カラム「TSKgel SuperHM−M」(15cm)を使用し、THF溶媒で測定し、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して分子量を算出したものである。後述する非結晶性ポリエステル樹脂の測定でも同様に測定した。
トナーは、結晶性樹脂のASTM D3418−8に準拠して測定される融点(mp)が50〜100℃が好ましく用いられる。融点が50℃未満では、トナーの熱保安性が低下し、100℃を超えるとトナー定着時の画像光沢度が低下する。
結晶性樹脂の酸価(樹脂1gを中和するに必要なKOHのmg数)を5〜50mgKOH/gに制御する。該酸価が5mgKOH/g未満では、結晶性樹脂粒子同士が凝集体を形成し、離型剤との構造体の形成が困難となるばかりでなく、結晶性樹脂粒子がトナー中に独立に存在、或いは大きく成長しトナー表面に露出することがあり、トナーの流動性、帯電性の観点から好ましくない。また、該酸価が50mgKOH/gを超えるとトナー中への内包が困難となる場合がある。
−非結晶ポリエステル樹脂−
非晶性ポリエステル樹脂としては、上記触媒を用い主として上述した多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮重合により得られるものである。
非結晶性樹脂は、上記多価アルコールと多価カルボン酸を常法に従って縮合反応させることによって製造することができる。例えば、上記多価アルコールと多価カルボン酸、必要に応じて触媒を入れ、温度計、撹拌器、流下式コンデンサを備えた反応容器に配合し、不活性ガス(窒素ガス等)の存在下、150〜250℃で加熱し、副生する低分子化合物を連続的に反応系外に除去し、所定の酸価に達した時点で反応を停止させ、冷却し、目的とする反応物を取得することによって製造することができる。
このトナーに用いられる非結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、ASTM D3418−8に準拠して求めた場合に50℃以上であることが必須であり、さらには55℃以上、またさらには60℃以上、65℃未満であることが好ましい。ガラス転移温度が50℃未満の場合には、取扱い中あるいは保存中に凝集する傾向がみられ、保存安定性に問題を生ずる場合がある。また、65℃以上の場合は、定着性を低下させる場合があり、好ましくない。
また、このトナーに用いられる非結晶性樹脂の軟化点は、60〜90℃の範囲であることが好ましい。樹脂の軟化温度を60℃未満に抑えたトナーにおいては、取扱い中あるいは保存中に凝集する傾向がみられ、特に長時間の保存において、流動性が大きく悪化する場合がある。軟化点が90℃を超える場合には定着性に支障をきたす場合がある。また定着ロールを高温に加熱する必要が生じるために、定着ロールの材質、ならびに複写される基材の材質が制限される。
このトナーに使用される非晶性ポリエステル樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による分子量測定で、重量平均分子量(Mw)が20,000〜50,000であり、好ましくは25,000〜50,000である。重量平均分子量が25,000未満では、トナーの熱保管性が低下するばかりでなく、定着された画像の強度が低下する。また、50,000を超えると定着性が悪化し、画像光沢も低下する。
非結晶性ポリエステル樹脂の酸価を10〜50mgKOH/gが好ましい。該酸価が10mgKOH/g未満では、トナー製造時の凝集体の粒度成長が早くなるため、出来上がるトナーの粒度分布が拡大するという不具合が生じる場合がある。また、該酸価が50mgKOH/gを超えると、結晶性樹脂、離型剤との酸価の差が大きくなるため、結晶性樹脂、離型剤との凝集だけが進む場合があり、定着性がトナー粒子間で変化してしまうという不具合がある。非結晶性ポリエステル樹脂の酸価は、原料の多価カルボン酸と多価アルコールの配合比と反応率により、ポリエステルの末端のカルボキシル基を制御することによって調整することができる。あるいは多価カルボン酸成分として無水トリメリット酸を使用することによってポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を有するものが得られる。
このトナーは、結晶性樹脂と非結晶性樹脂の重量比率が5/95〜40/60であり、非晶性樹脂の割合が60%未満では、良好な定着特性は得られるものの、定着像中の相分離構造が不均一となり、定着画像の強度、特に引っかき強度が低下し、傷がつきやすくなるといった問題を呈することがある。一方、95%を超える場合では、結晶性樹脂由来のシャープメルト性が得られず、可塑が発生することがあり、良好な低温定着性を確保しつつ、耐トナーブロッキング性、画像保存性を保つことができなくなる場合がある。
結晶性樹脂及び非結晶性の樹脂粒子分散液の作成については、樹脂の酸価の調整やイオン性界面活性剤などを用いて乳化分散することにより、調製することが可能である。
また、その他の方法で作製した樹脂の場合は油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば樹脂をそれらの溶剤に解かして水中にイオン性の界面活性剤や高分子電解質と共にホモジナイザーなどの分散機により水中に粒子分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液を作製することができる。また、樹脂に界面活性剤を加え、ホモジナイザーなどの分散機により水中にて乳化分散する方法や転相乳化法などにより、樹脂粒子分散液を調製してもよい。
このようにして得られた樹脂粒子分散液の粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700堀場製作所製)で測定することができる。
−離型剤−
このトナーで用いられる離型剤としての離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油ワックス、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の高脂肪酸と高級アルコールとのエステルワックス類;ステアリン酸ブチル、オレイン酸プロピル、モノステアリン酸グリセリド、ジステアリン酸グリセリド、ペンタエリスリトールテトラベヘネート等の高級脂肪酸と単価又は多価低級アルコールとのエステルワックス類;ジエチレングリコールモノステアレート、ジプロピレングリコールジステアレート、ジステアリン酸ジグリセリド、テトラステアリン酸トリグリセリド等の高級脂肪酸と多価アルコール多量体とからなるエステルワックス類;ソルビタンモノステアレート等のソルビタン高級脂肪酸エステルワックス類;コレステリルステアレート等のコレステロール高級脂肪酸エステルワックス類などを挙げることができる。ここでは、これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらの中で融点が40℃〜120℃の物が用いられるが、最近の省エネルギー対応としての低温定着性の要求に対応する為には、特に50℃〜100℃の物が好ましく、より好ましくは50〜80℃の物が用いられる。
これらの離型剤の添加量としては、トナー全量に対して、0.5〜30重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜20重量%の範囲、さらに好ましくは5〜15重量%の範囲である。添加量が0.5重量%未満であると離型剤添加の効果がなく、30重量%を超えると、帯電性に影響が現れやすくなったり、現像器内部においてトナーが破壊されやすくなり、離型剤のキャリアへのスペント化が生じ、帯電が低下しやすくなる等の影響が現れる場合がある。
離型剤分散液中のワックス粒子の体積平均粒径は、0.1〜0.5μmの範囲が好ましいが、特に0.1〜0.3μmが好ましい。体積平均粒径が0.5μmを超えると、トナー表面へ露出しやすくなりトナーの粉体流動性を悪化させたり感光体や現像部材へのフィルミングがしやすくなったりする。また凝集工程で内包されない、合一工程で離型剤粒子が脱落してしまう問題が生じる。特にカラートナーを得る場合においては、離型剤粒子が大きいと乱反射によりOHP透過性が下がり、色再現性も低下する。なお、前記体積平均粒径は、例えば、上述したレーザー回折式粒度分布測定機などを用いて測定することができる。体積平均粒径が0.1μm以下では、トナーに充分な離型性を付与することが出来なくなり好ましくない。
離型剤分散に於ける分散媒体は、水系が好ましく、水、純水、イオン交換水が用いられる。分散剤としては界面活性剤が用いられる。このトナーに用いられるワックス分散液の作製は、例えばボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、ナノマイザー、マイクロフルイダイザー、アルティマイザー、ゴーリン等の高圧型分散機、などの公知の分散方法を用いて、記述したような粒径、含有量を満たすことができるのであれば、いかなる方法・条件により作製されるものであってもよい。
−着色剤−
着色剤は、通常トナー中に効果的な量、例えばトナーの約1〜約15重量%、望ましくは約3〜約10重量%存在する。ここで使用する、着色剤としては特に限定されず、公知の着色剤を使用することができ、目的に応じて適宜選択することができる。顔料を1種単独で用いてもよいし、同系統の顔料を2種以上混合して用いてもよい。また異系統の顔料を2種以上混合して用いてもよい。前記着色剤としては、具体的には、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;ベンガラ、アニリンブラック、紺青、酸化チタン、磁性粉等の無機顔料;ファストイエロー、モノアゾイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン(3B、6B等)、パラブラウン等のアゾ顔料;銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料;フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料;等が挙げられる。
また、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、デュポンオイルレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート、パラブラウンなどの種々の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジゴ系、チオインジゴ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料;などが挙げられる。これらの着色剤に透明度を低下させない程度にカーボンブラック等の黒色顔料、染料を混合してもよい。また、分散染料、油溶性染料等も挙げられる。
着色剤分散に於ける分散媒体は、水系が好ましく、水、純水、イオン交換水が用いられる。分散剤としては界面活性剤が用いられる。このトナーに用いられる着色剤分散液の作製は、例えばボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、ナノマイザー、マイクロフルイダイザー、アルティマイザー、ゴーリン等の高圧型分散機、などの公知の分散方法を用いて、記述したような粒径、含有量を満たすことができるのであれば、いかなる方法・条件により作製されるものであってもよい。
<その他の成分>
このトナーに用いられ得るその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、無機粒子、有機粒子、帯電制御剤、離型剤等の公知の各種添加剤等が挙げられる。
上記無機粒子は、一般にトナーの流動性を向上させる目的で使用される。該無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の粒子が挙げられる。これらの中でも、シリカ粒子が好ましく、疎水化処理されたシリカ粒子が特に好ましい。
無機粒子の平均1次粒子径(数平均粒子径)としては、1〜1000nmの範囲が好ましく、その添加量(外添)としては、トナー100重量部に対して、0.01〜20重量部の範囲が好ましい。
有機粒子は、一般にクリーニング性や転写性、時には帯電性を向上させる目的で使用される。前記有機粒子としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリスチレン−アクリル共重合体等の粒子が挙げられる。
帯電制御剤は、一般に帯電性を向上させる目的で使用される。帯電制御剤としては、例えば、サリチル酸金属塩、含金属アゾ化合物、ニグロシンや4級アンモニウム塩等が挙げられる。
<トナーの特性>
このトナーの体積平均粒子径は、3〜10μmが好ましく、4〜9μmがより好ましく、5〜8μmがより好ましい。粒子径が小さすぎると製造性が不安定になり、帯電性が不十分になり、現像性が低下することがあり、大きすぎると画像の解像性が低下する。
また、このトナーは、体積平均粒度分布指標GSDvが1.30以下であることが好ましい。また、体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpとの比(GSDv/GSDp)が、0.95以上であることが好ましい。体積分布指標GSDvが1.30を超えた場合には、画像の解像性が低下する場合があり、また、体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpの比(GSDv/GSDp)が0.95未満の場合、トナーの帯電性低下やトナーの飛散、カブリ等のが発生し画像欠陥を招く場合がある。
なお、ここでは、トナーの粒径や、上記した体積平均粒度分布指標GSDv、数平均粒度分布指標GSDpの値は、次のようにして測定し算出した。まず、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)測定機を用いて測定されたトナーの粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、個々のトナー粒子の体積及び数について小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を、体積平均粒子径D16v、及び、数平均粒子径D16pと定義し、累積50%となる粒径を、体積平均粒子径D50v、及び、数平均粒子径D50pと定義する。同様に、累積84%となる粒径を、体積平均粒子径D84v、及び、数平均粒子径D84pと定義する。この際、体積平均粒度分布指標(GSDv)は、D84v/D16vとして定義され、数平均粒度指標(GSDp)は、D84p/D16pとして定義され、るこれらの関係式を用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)及び数平均粒度指標(GSDp)を算出できる。
このトナーの帯電量は絶対値で、15〜60μC/gが好ましく、20〜50μC/gがより好ましい。前記帯電量が15μC/g未満であると背景汚れ(カブリ)が発生しやすくなり、60μC/gを超えると画像濃度が低下し易くなる。また、このトナーの夏場(高温多湿)に於ける帯電量と冬場(低温低湿)に於ける帯電量の比率としては、0.5〜1.5が好ましく、0.7〜1.3がより好ましい。前記比率がこれらの範囲外にあると帯電性の環境依存性が強く、帯電の安定性に欠け実用上好ましくない。
[現像剤]
次に、このトナーを含む現像剤(以下「現像剤」ともいう)について説明する。
現像剤は、上述のトナーと磁性キャリアとが含まれており、磁性キャリアの具体例としては、以下の樹脂被覆キャリアが挙げられる。樹脂被覆キャリアの核体粒子としては、通常の鉄粉、フェライト、マグネタイト造型物などが挙げられ、その体積平均粒径は、30〜200μm程度の範囲である。
また、樹脂被覆キャリアの被覆樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸類;ジメチルアミノエチルメタクリレート等の含窒素アクリル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロぺニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;弗化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン等のビニル系フッ素含有モノマー;などの単独重合体、又は2種類以上のモノマーからなる共重合体、さらに、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等を含むシリコーン樹脂類、ビスフェノール、グリコール等を含有するポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上併用してもよい。被覆樹脂の被覆量としては、前記核体粒子100重量部に対して0.1〜10重量部程度の範囲が好ましく、0.5〜3.0重量部の範囲がより好ましい。
キャリアの製造には、加熱型ニーダー、加熱型ヘンシェルミキサー、UMミキサーなどを使用することができ、前記被覆樹脂の量によっては、加熱型流動転動床、加熱型キルンなどを使用することができる。
また、この現像剤においては、トナーとキャリアとの混合比としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

以上が、本実施形態のプリンタ1で使用されるトナーについての説明である。
尚、以上に説明した実施形態では、45℃における貯蔵弾性率が1.0×10Paのトナーを使用した例を挙げて説明したが、45℃における貯蔵弾性率が5×10Pa以上6×10Pa以下であれば、トナーの45℃における貯蔵弾性率が1.0×10Paに限るものではない。
また、以上に説明した実施形態では、当接ゴム層221の硬度をJIS−A硬度79、支持ゴム層222の硬度をJIS−A硬度75とした例を挙げて説明したが、当接ゴム層221の硬度がJIS−A硬度79を下回っていても、支持ゴム層222の硬度を上回ってさえいれば、本発明の基本的効果は減却されない。
また、以上に説明した実施形態では、中間転写ベルト100に対する当接ゴム層221の当接角を18°とした例を挙げて説明したが、この当接角は、20°以下であることが長期クリーニング性の向上のために好ましいものの、この当接角が、例え20°以上であっても、本発明の基本的効果は減却されない。
また、以上に説明した実施形態では、中間転写ベルト100に対する当接ゴム層221の食い込み量Wを1.2mmとした例を挙げて説明したが、この食い込み量Wは、0.5mm以上1.5mm以下であることが、安定したクリーニング性を確保し、中間転写体に対する接触負荷による画像ズレの発生を防止する上で好ましいものの、この食い込み量Wがこの範囲外であっても、本発明の基本的効果は減却されない。
次に、本発明の実施例と本発明に対する比較例について説明する。
実施例1から実施例30および比較例1から比較例6は、富士ゼロックス社製のDocuCetre Color f450の中間転写ベルト用のクリーニング装置を、中間転写ベルトに対するクリーニングブレードの当接角および食い込み量の変更が可能なクリーニング装置に交換した上で、高温高湿(28℃、85%RH)環境下で、当接角、食い込み量、クリーニングブレードであるゴムブレードの種類(硬度、層構造)、および使用トナーを異ならせてそれぞれ計5万枚の画像形成を行い、‘クリーニングレベル’、‘フィルミングの発生’、‘画像ズレの発生’、これらの総合的‘評価’について調査したものである。尚、これら実施例及び比較例では、クリーニングブレードが、中間転写ベルトに当接する当接ゴム層と、この当接ゴム層を支持する支持ゴム層との2層構造の場合には、支持ゴム層には、硬度75のものを統一的に使用している。
実施例1から実施例7までは、クリーニングブレードを2層構造とし、当接ゴム層の硬度を79度、食い込み量を1.2mm、当接角度を18°とした上で、トナーの45℃における貯蔵弾性率(Pa)を、順に5.0×10、8.0×10、1.0×10、2.0×10、3.5×10、4.5×10、6.0×10と変化させた場合である。
比較例1から比較例3までは、クリーニングブレードを硬度79度の当接ゴム層のみの単層とし、食い込み量を1.2mm、当接角度を18°とした上で、トナーの45℃における貯蔵弾性率(Pa)を、順に8.0×10、1.0×10、6.0×10と変化させた場合である。
比較例4および比較例5は、クリーニングブレードを2層構造とし、当接ゴム層の硬度を79度、食い込み量を1.2mm、当接角度を18°とした上で、トナーの45℃における貯蔵弾性率(Pa)を、それぞれ4.0×10および7.5×10とした場合である。
実施例8から実施例13までは、クリーニングブレードを2層構造とし、当接ゴム層の食い込み量を1.2mm、当接角度を18°とし、さらにトナーの45℃における貯蔵弾性率(Pa)も1.0×10とした上で、当接ゴム層の硬度を80、81、83、86、78、76と変化させた場合である。
比較例6は、実施例8から実施例13と同様に、クリーニングブレードを2層構造とし、当接ゴム層の食い込み量を1.2mm、当接角度を18°とし、さらにトナーの45℃における貯蔵弾性率(Pa)も1.0×10とした上で、当接ゴム層の硬度を、支持ゴム層の硬度75を下回る硬度74とした場合である。
実施例14から実施例22までは、クリーニングブレードを2層構造とし、当接ゴム層の硬度を79、食い込み量を1.2mmとし、さらにトナーの45℃における貯蔵弾性率(Pa)も1.0×10とした上で、当接ゴム層の当接角度を、順に6°、8°、10°、12°、14°、16°、20°、21°、23°と変化させた場合である。
実施例23から実施例30までは、クリーニングブレードを2層構造とし、当接ゴム層の硬度を79度、当接角度を18°とし、さらにトナーの45℃における貯蔵弾性率(Pa)も1.0×10とした上で、当接ゴム層の食い込み量を、順に、0.5mm、0.8mm、1.0mm、1.5mm、0.4mm、0.2mm、1.6mm、1.8mmと変化させた場合である。
(貯蔵弾性率の測定方法)
本発明における貯蔵弾性率の測定方法は角周波数が6.28rad/sec、歪量0.1%、40℃で測定したものである。
貯蔵弾性率は、正弦波振動法により測定した動的粘弾性から求めており、動的粘弾性の測
定にはレオメトリックサイエンティフィック社製ARES測定装置を用いた。動的粘弾性
の測定は、錠剤に成形したトナーを、8mm径のパラレルプレートにセットし、ノーマル
フォースを0とした後に6.28rad/secの振動周波数で正弦波振動を与えて実施
した。測定は30℃から開始し、50℃まで継続した。測定時間インターバルは30秒
、昇温は1℃/minとし、歪量を0.1%にし求めた。
実施例および比較例において使用するトナーの具体的な作製方法について説明する。
(結晶性樹脂の作製)
まず、三口フラスコに、セバシン酸ジメチル100質量部と、ヘキサンジオール67.8質量部と、ジブチルすずオキサイド0.10質量部とを窒素雰囲気下で、反応中に生成された水は系外へ除去しながら、180℃で6時間反応させた後、徐々に減圧しながら210℃まで温度をあげて、6時間反応させた後、冷却して得た、重量平均分子量が32500の結晶性樹脂を用意した。
(非結晶性樹脂の作製)
また、三口フラスコに、テレフタル酸ジメチル49質量部、フマル酸ジメチル72質量部、ドデセニルコハク酸無水物55質量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物157質量部と、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物171質量部と、ジブチルすずオキサイド0.25質量部とを窒素雰囲気下で、反応により生成された水は系外へ除去しながら、180℃で3時間反応させた後、徐々に減圧しながら240℃まで温度をあげて、2時間反応させた後、冷却して得た、重量平均分子量が18200の非結晶性樹脂を用意した。
(シアン着色分散液の作製)
更に、シアン顔料(銅フタロシアニンB15:3、大日精化社製)50質量部と、非イオン性界面活性剤ノニポール400(花王社製)5質量部と、イオン交換水200質量部とを混合し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて約1時間分散し、水分量を調整して得られたシアン着色分散液を用意した。
(離型剤分散液の作製)
パラフィンワックス(日本精蝋(株)製:HNP9,融点77℃)60質量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)4質量部と、イオン交換水200質量部とを混合した溶液を120℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社)で120℃、350kg/cm、1時間の条件にて分散処理して得られた、体積平均粒径が250nmの離型剤が分散した、分散液中の離型剤濃度が20質量%となるように水分量が調整された離型剤分散液を用意した。
(結晶性/非結晶性混合樹脂分散液の作製)
結晶性樹脂9.0質量部と、非結晶性樹脂91.0質量部と、メチルエチルケトン50質量部と、イソプロピルアルコール15質量部とを三口フラスコに収容し、攪拌しながら60℃に加熱して樹脂を溶解させた後、10%アンモニア水溶液25質量部を加え、さらにイオン交換水400質量部を徐々に加えて転相乳化を行い、その後減圧し、脱溶媒することで結晶性/非結晶性混合樹脂粒子が分散された、固形分濃度が25%の結晶性/非結晶性混合樹脂分散液を作製した。
トナー1(実施例3、8〜30、比較例2、6用)の作製
この結晶性/非結晶性混合樹脂分散液720質量部と、着色剤分散液50質量部と、離型剤分散液70質量部と、カチオン界面活性剤(花王(株)製:サニゾールB50)1.5質量部とを丸型ステンレス製フラスコに収容し、0.1規定の硫酸を添加してpHを3.9に調整した後、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの濃度が10重量%の硝酸水溶液30質量部を添加し、その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて25℃において8分間、5000rpmで分散した。加熱用オイルバス中で1℃/分で40℃まで加熱し、40℃で30分間保持した後、この分散液中に、非結晶性樹脂分散液を緩やかに160質量部追加して、さらに1時間保持した。その後、0.1規定の水酸化ナトリウムを添加してpHを7.0に調整した後、攪拌を継続しながら1℃/分で95℃まで加熱して5時間保持した後、20℃/minの速度で20℃まで冷却し、これをろ過し、40℃のイオン交換水、トナー100に対して500の割合で3回洗浄した後、真空乾燥機を用いて12時間乾燥させた。45℃における貯蔵弾性率は1.0×10Paであった。
トナー2(実施例1用)の作製
結晶性/非結晶性混合樹脂分散液の作製における結晶性樹脂を20.5質量部と、非結晶性樹脂79.5質量部にした以外はトナー1と同じ方法でトナー2を作製した。45℃における貯蔵弾性率は5.0×10Paであった。
トナー3(実施例2用、比較例1用)の作製
結晶性/非結晶性混合樹脂分散液の作製における結晶性樹脂を19.6質量部と、非結晶性樹脂80.4質量部にした以外はトナー1と同じ方法でトナー3を作製した。45℃における貯蔵弾性率は8.0×10Paであった。
トナー4(実施例4用)の作製
結晶性/非結晶性混合樹脂分散液の作製における結晶性樹脂を8.4質量部と、非結晶性樹脂91.6質量部にした以外はトナー1と同じ方法でトナー4を作製した。45℃における貯蔵弾性率は2.0×10Paであった。
トナー5(実施例5用)の作製
結晶性/非結晶性混合樹脂分散液の作製における結晶性樹脂を7.5質量部と、非結晶性樹脂92.5質量部にした以外はトナー1と同じ方法でトナー5を作製した。45℃における貯蔵弾性率は3.5×10Paであった。
トナー6(実施例6用)の作製
結晶性/非結晶性混合樹脂分散液の作製における結晶性樹脂を6.2質量部と、非結晶性樹脂93.2質量部にした以外はトナー1と同じ方法でトナー6を作製した。45℃における貯蔵弾性率は4.5×10Paであった。
トナー7(実施例7、比較例3用)の作製
結晶性/非結晶性混合樹脂分散液の作製における結晶性樹脂を4.2質量部と、非結晶性樹脂95.8質量部にした以外はトナー1と同じ方法でトナー7を作製した。45℃における貯蔵弾性率は6.0×10Paであった。
トナー8(比較例4用)の作製
結晶性/非結晶性混合樹脂分散液の作製における結晶性樹脂を22.0質量部と、非結晶性樹脂78.0質量部にした以外はトナー1と同じ方法でトナー8を作製した。45℃における貯蔵弾性率は4.0×10Paであった。
トナー9(比較例5用)の作製
実施例1における95℃まで加熱して5時間保持するところを95℃4時間にした以外はトナー1と同じ方法でトナー9を作製した。45℃における貯蔵弾性率は7.5×10Paであった。
また、‘クリーニングレベル’、‘フィルミングの発生’、‘画像ズレの発生’、‘評価’の内容については、
・クリーニングレベル
◎:画像上に筋状の画質欠陥および色筋の発生が無い
○:画質上に筋は発生していないが、2次転写ロールに僅かに筋の発生有り
△:画質上に筋は発生していないが、2次転写ロールに多少の筋の発生有り
×:画質上に筋状、および色筋の発生有
・フィルミングの発生
◎:中間転写ベルト上にフィルミング性の固着物がなく、画質上の問題も無い
○:中間転写ベルト上にフィルミング性の固着物が僅かに発生しているが、画質上の問題は無い
△:中間転写体ベルト上にフィルミング性の固着物が多少発生しているが、画質上は許容範囲内である
×:中間転写体ベルト上にフィルミング性の固着物が多く発生しており、画質上の問題有り
画像ズレの発生
◎:画質上における画像ズレの発生は無い
○:画質上における画像ズレ僅かに発生しているが、画質上の問題は無い
△:画質上に許容レベルの画像ズレが発生している
×:画質上にNGレベルの画像ズレが発生している
評価
◎:フィルミングによる画質低下の他、クリーニングレベルの低下および画像ズレによる画質低下が見られない。
○:フィルミングによる画質低下が抑制されている他、クリーニングレベルの低下あるいは画像ズレによる画質低下が抑制されている。
△:フィルミングによる画質低下が抑制されている。
×:フィルミングによる画質低下が見られる。
Figure 0005045198
表1には、‘貯蔵弾性率’、‘食い込み量’、‘層構造’、‘当接層硬度’、‘当接角度’を組み合わせて行った、実施例1から実施例30までと比較例1から比較例6までとのそれぞれについての‘クリーニングレベル’、‘フィルミイングの発生’、‘画像ズレの発生’、および‘評価’が示されている。
実施例1は、45℃における貯蔵弾性率が5.0×10Paのトナーと、2層構造のクリーニングブレードとを使用し、クリーニングブレードの当接ゴム層の硬度が、支持ゴム層の硬度75度を上回る79度、食い込み量を1.2mm、当接角度を18°としていることで、‘クリーニングレベル’および‘フィルミングの発生’は共に‘○’、‘画像ズレの発生’は‘◎’であることから、‘評価’は‘○’になっている。
実施例2および実施例3では、実施例1に対しトナーの貯蔵弾性率を、それぞれ8.0×10および1.0×10に変更しているものの、‘クリーニングレベル’、‘フィルミングの発生’、‘画像ズレの発生’、および‘評価’はそれぞれ実施例1と同じ結果になっている。
実施例4および実施例5では、実施例1に対しトナーの貯蔵弾性率を、それぞれ2.0×10および3.5×10に変更したことで、‘クリーニングレベル’、‘フィルミングの発生’、および‘画像ズレの発生’は全て‘◎’となり、‘評価’も‘◎’になっている。
実施例6および実施例7では、実施例1に対しトナーの貯蔵弾性率を、それぞれ4.5×10および6.0×10に変更したことで、‘クリーニングレベル’は‘○’、‘フィルミングの発生’および‘画像ズレの発生’は‘◎’となり、‘評価’は‘○’になっている。
比較例1では、実施例2と比べて、クリーニングブレードの構造が‘単層’に変更したことで、フィルミングが発生してクリーニングレベルが低下したため、‘クリーニングレベル’および‘フィルミングの発生’は共に‘×’となり、‘画像ズレの発生’は‘◎’であるものの‘評価’は‘×’になっている。
比較例2では、実施例3と比べて、クリーニングブレードの構造が‘単層’に変更したことで、フィルミングが発生してクリーニングレベルが低下したため、‘クリーニングレベル’および‘フィルミングの発生’は共に‘×’となり、‘画像ズレの発生’は‘◎’であるものの‘評価’は‘×’になっている。
比較例3では、実施例7と比べて、クリーニングブレードの構造を‘単層’に変更したことで、フィルミングが発生してクリーニングレベルが低下したため、‘クリーニングレベル’および‘フィルミングの発生’は共に‘×’となり、‘画像ズレの発生’は‘◎’であるものの‘評価’は‘×’になっている。
比較例4では、実施例1と比べて、45℃における貯蔵弾性率が4.0×10Paの、低融点トナーのなかでもより軟質のトナーに変更したことで、フィルミングが発生してクリーニングレベルが低下したため、‘クリーニングレベル’および‘フィルミングの発生’は共に‘×’となり、‘画像ズレの発生’は‘◎’であるものの‘評価’は‘×’になっている。
比較例5では、実施例1と比べて、45℃における貯蔵弾性率が7.5×10Paの、低融点トナーのなかでもより硬質のトナーに変更したことで、フィルミングが発生している。しかし、トナーが硬質であることからクリーニングレベルは‘△’と比較例1〜4に比べよく、‘画像ズレの発生’は‘◎’であるものの、‘フィルミングの発生’は‘×’であることから‘評価’は‘×’になっている。
実施例8および実施例9では、実施例3に対し当接ゴム層の硬度をそれぞれ80度および81度に変更したものの、‘クリーニングレベル’、‘フィルミングの発生’、‘画像ズレの発生’、および‘評価’はそれぞれ実施例1と同じになっている。
実施例10および実施例11では、実施例3に対し当接ゴム層の硬度をそれぞれ83度および86度に変更したことで、‘クリーニングレベル’、‘フィルミングの発生’、‘画像ズレの発生’、および‘評価’は全て‘◎’になっている。
実施例12および実施例13では、実施例3に対し当接ゴム層の硬度をそれぞれ78度および76度に変更したことで、‘クリーニングレベル’および‘フィルミングの発生’は‘△’、‘画像ズレの発生’は‘◎’となり、‘評価’は‘○’になっている。
比較例6では、実施例3に対し当接ゴム層の硬度を、支持ゴム層の硬度75よりも低い74としたことで、フィルミングが発生してクリーニングレベルが低下し、‘クリーニングレベル’および‘フィルミングの発生’は共に‘×’、‘画像ズレの発生’は‘◎’となっているものの‘評価’は‘×’になっている。
実施例1〜13および比較例1〜6からは、クリーニングブレードが2層構造、かつ、当接ゴム層の硬度が支持ゴム層の硬度を上回っていなければ、フィルミングの発生が抑制できないことが確認され、また、当接ゴム層の硬度が79以上であれば、フィルミングの発生の発生をより一層抑制できることが確認された。
さらに、実施例1〜13および比較例1〜6からは、トナーの、45℃における貯蔵弾性率が5.0×10以上6.0×10でなければ、フィルミングの発生が抑制できないことが確認された。
実施例14および実施例15では、実施例3に対し当接角度を6°および8°に変更したことで、‘クリーニングレベル’は‘△’、‘フィルミングの発生’は‘○’、‘画像ズレの発生’は‘◎’となり、‘評価’は‘○’になっている。
実施例16から実施例19まででは、実施例3に対し当接角度を10°、12°、14°、16°に変更したことで、‘クリーニングレベル’および‘フィルミングの発生’は‘○’、‘画像ズレの発生’は‘◎’となり、‘評価’は‘○’になっている。
実施例20では、実施例3に対し当接角度を20°に変更したことで、‘クリーニングレベル’、‘フィルミングの発生’、‘画像ズレの発生’、および‘評価’は全て‘◎’になっている。
実施例21および実施例22では、実施例3に対し当接角度を21°および23°に変更したことで、‘クリーニングレベル’および‘フィルミングの発生’は‘△’、‘画像ズレの発生’は‘◎’となり、‘評価’は‘○’になっている。
実施例23から実施例26まででは、実施例3に対し食い込み量をそれぞれ0.5mm、0.8mm、1.0mm、1.5mmに変更したことで、‘クリーニングレベル’および‘フィルミングの発生’は‘○’、‘画像ズレの発生’は‘◎’となり、‘評価’は‘○’になっている。
実施例27および実施例28では、実施例3に対し食い込み量をそれぞれ0.4mmおよび0.2mmに変更したことで、‘クリーニングレベル’は‘△’、‘フィルミングの発生’は‘○’、‘画像ズレの発生’は‘◎’となり、‘評価’は‘○’になっている。
実施例29および実施例30では、実施例3に対し食い込み量をそれぞれ1.6mmおよび1.8mmに変更したことで、‘クリーニングレベル’、‘フィルミングの発生’、‘画像ズレの発生’、および‘評価’は全て‘△’になっている。
実施例14〜30からは、当接角度が20°以下であれば、フィルミングの発生がより一層抑制されると共に画像ズレの発生も抑制されることが確認できる。また、食い込み量が1.5mm以下であれば、フィルミングの発生がより一層抑制されるとともに、画像ズレの発生も抑制されることが確認でき、食い込み量が0.5mm以上1.5mm以下であれば、さらにクリーニングレベルの低下が抑制されることが確認できる。
本発明のクリーニング装置の一実施形態を適用した、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。 ベルトクリーナの設計概念図である。
符号の説明
1 プリンタ
100 中間転写ベルト
8、9、10、11 画像形成ユニット
20 ベルトクリーナ
21 ハウジング
22 クリーニングブレード
221 当接ゴム層
222 支持ゴム層

Claims (4)

  1. トナー像を形成し該トナー像を最終的に記録媒体上に転写および定着することにより該記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成方法において、
    45℃における貯蔵弾性率が5×10 Pa以上6×10 Pa以下の結晶性樹脂を含有するトナーを用いて静電潜像を現像することでトナー像を形成するトナー像形成過程と、
    所定方向に移動する中間転写体に、前記現像装置によって形成されたトナー像を転写し、その転写されたトナー像を記録媒体上にさらに転写する転写過程と、
    前記中間転写体に当接する当接層と、該当接層を支持する、該当接層の硬度よりも低い硬度を有する支持層とを有するクリーニングブレードにより、前記記録媒体への転写の後に前記中間転写体の表面に残留する残留トナーをクリーニングするクリーニング過程とを有することを特徴とする画像形成方法
  2. 記接触層が、JIS−A硬度が79度以上のものであり、
    前記クリーニングブレードが、前記中間転写体に当接する当接位置から該中間転写体の移動方向下流側へ延びる、該中間転写体に対して20°以下の当接角で当接するものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法
  3. 前記クリーニングブレードは、前記当接層が前記中間転写体に当接するときの食い込み量が0.5mm以上1.5mm以下のものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法
  4. トナー像を形成し該トナー像を最終的に記録媒体上に転写および定着することにより該記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
    45℃における貯蔵弾性率が5×10 Pa以上6×10 Pa以下の結晶性樹脂を含有するトナーを有し、該トナーを用いて静電潜像を現像することでトナー像を形成するトナー像形成部と、
    所定方向に移動しながら、前記トナー像形成部によって形成されたトナー像の転写を受け、転写された該トナー像を記録媒体上に転写する中間転写体と、
    前記中間転写体に当接する当接層と、該当接層を支持する、該当接層の硬度よりも低い硬度を有する支持層とを有し、前記記録媒体への転写の後に前記中間転写体の表面に残留する残留トナーをクリーニングするクリーニングブレードとを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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