JP2010224039A - 画像形成装置 - Google Patents

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正博 内田
Manabu Furuki
学 古木
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Abstract

【課題】現像剤中の劣化トナーを減らすことができるとともに、劣化トナーが存在していても帯電量分布の悪化を抑制することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 感光体10の、現像ロール133と対向する部分である画像形成部101で画像形成が行われ、被転写体にトナー像が転写された後の感光体10上の残留トナーがクリーニング部材で回収され、トナーが補給される直前に、感光体10の、搬送ロール134と対向する部分である画像非形成部102にある劣化トナーがクリーニング部材で取り除かれて回収される。この回収された残留トナーを回収トナーとして未使用トナーとともに現像器13に供給してトナー補給当初のトナーの帯電量分布を適正範囲内に揃える。このときには制御部1Aが、回収トナーと未使用トナーの供給量を調節して双方合わせて現像に必要な量にする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
従来、トナーとキャリアとの2成分の現像剤を用いる画像形成装置において、現像により消費されるトナーを現像器に補給する一方、劣化したキャリアを排出し排出した分のキャリアを補給してトナーの帯電量分布を適正範囲内に揃える技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平09−204105号公報
本発明は、現像剤中の劣化トナーを減らすことができるとともに、劣化トナーが存在していても帯電量分布の悪化を抑制することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る画像形成装置は、
表面に像が形成されてその像を保持する像保持体と、
上記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成部と、
上記像保持体表面に形成された潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する、そのトナーを含んだ現像剤を内部に収容した現像器と、
上記像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写器と、
上記現像器に未使用のトナーを補給するトナー補給部とを備え、
上記現像器が、
上記像保持体に隣り合った、その像保持体とは電位差を有する、表面に上記現像剤を保持して回転することでその現像剤を、上記像保持体に面した現像領域へと搬送する現像ロールであって、その現像領域のうち、その像保持体上の予め決められた端部を除く他の部分に面した主現像領域へとその現像剤を搬送する、その像保持体とは第1の電位差を有する主現像部と、その現像領域のうち、その端部に面した副現像領域へとその現像剤を搬送する、その像保持体とは、その第1の電位差とは異なる第2の電位差を有する副現像部とを有する現像ロールと、
上記現像ロールに隣り合いその現像ロールの回転軸に沿って延びた、内部に上記現像剤を収容してその現像剤をその現像ロールに供給する、収容した現像剤を撹拌しつつ、上記主現像部側から上記副現像部側へと向かう第1方向に搬送する第1収容部と、
上記第1収容部に隣接しその第1収容部に並んで延びた、両端に、その第1収容部との間で現像剤が移動する移動口が設けられた、内部に上記現像剤を収容している、上記トナー補給部からトナーが補給されてその現像剤とそのトナーを撹拌して混合しつつ上記第1方向とは逆の第2方向に搬送する第2収容部とを備えたものであり、上記像保持体の少なくとも上記端部の表面からトナーを取り除いて回収する清掃器と、上記清掃器によって回収されたトナーを上記現像器の上記第2収容部に、その現像器におけるトナーの消費が多いほど多量に供給する回収トナー供給部とを備えたものであることを特徴とする。
請求項2に係る画像形成装置は、
上記副現像部が、上記像保持体との間に前記第2の電位差として、上記主現像部とその像保持体との間の電界の向きと同じ向きの電界を生じさせる電位差であって、上記第1の電位差よりも大きい電位差を有するものであることを特徴とする。
請求項3に係る画像形成装置は、
上記潜像形成部によって上記像保持体上に形成される潜像の像密度を知得する像密度知得部を備え、
上記回収トナー供給部が、上記像密度知得部で知得された像密度が高いほど多量にトナーを供給するものであることを特徴とする。
請求項4に係る画像形成装置は、
上記回収トナー供給部が、上記現像器におけるトナーの現在の消費が多いほど多量に、かつ、以前の消費が少ないほど多量に、トナーを供給するものであることを特徴とする。
請求項1に係る画像形成装置によれば、現像剤中の劣化トナーを減らすことができるとともに、劣化トナーが存在していても帯電量分布の悪化を抑制することができる。
請求項2に係る画像形成装置によれば、劣化トナーのうちの過帯電トナーが減少する。
請求項3の画像形成装置によれば、回収トナーの供給量を適切な量に制御することができる。
請求項4の画像形成装置によれば、回収トナーの供給量をより適切な量に制御することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、プリンタの概略構成図である。
図1に示すプリンタ1は、感光体10と、この感光体10の表面に電荷を付与する帯電ロール11と、外部から送信されてきた画像データに基づいた露光光(レーザー光)を生成する露光器12と、トナーを含む現像剤を収容する現像器13と、記録用紙を収容する用紙カセット16と、用紙カセット16から記録用紙を引き出して搬送する用紙搬送装置17と、感光体10の表面に保持されたトナー像を、矢印B方向に搬送されてきた記録用紙上に転写する転写器14と、記録用紙上のトナー像を加熱および加圧することでその記録用紙上にトナー像を定着させる定着器15と、感光体10の表面をクリーニングするクリーニング装置20とを有している。現像器13は、感光体10に対向して回転しながら、現像剤を感光体10との間の領域に搬送する現像ロール133を有している。また、クリーニング装置20は、クリーニング部材21を感光体10に接触させて感光体10の表面をクリーニングし、クリーニングして回収したトナーをトナー回収室22に回収する。詳細は後述するが、トナー回収室22は、図1の手前から奥側に向かって延びていて手前から奥側に向かう途中で2つの室に仕切られており、奥側の室内には転写器14で転写された後の感光体10上の残留トナーが回収され、手前側の室内には、感光体上の、転写器14が設けられていない後述する領域から劣化トナーが回収される。この回収された劣化トナーが現像器13に戻され再利用される。以降においては、このような再利用のために回収された劣化トナーのことを回収トナーと称する。
尚、現像器13に収容されている現像剤には、トナーの他に、このトナーとの摩擦によりトナーを摩擦帯電させる電荷付与粒子であり磁性粒子でもある磁性キャリアが含まれている。このプリンタ1は、本発明の画像形成装置の第1実施形態である。また、感光体10が、表面に像が形成されてその像を保持する、本発明にいう像保持体の一例に相当する。さらにクリーニング装置20は、本発明にいう清掃器の一例に相当する。
ここで、このプリンタ1における画像形成の動作の流れを簡単に説明する。
図1に示すプリンタ1では、矢印A方向に回転する感光体10の表面に、帯電ロール11により電荷が付与され、電荷が付与された感光体10の表面に、外部から送信されてきた画像データに基づいた露光光(レーザー光)が露光器12により照射されることでこの表面には静電潜像が形成される。この帯電ロール11および露光器12が、感光体の表面に潜像を形成する、本発明にいう潜像形成部の一例を構成している。
この外部から送信されてきた画像データは制御部1Aにも供給され、この制御部1Aによりその画像データに基づいて像密度が算出される。詳細は後述するが、制御部1Aで算出された像密度に応じてトナー収容部135からの現像器13への未使用トナーのトナー補給量と、トナー回収室22からの回収トナーのトナー補給量が各々調節される。
また、メカニズムについては後述するが、現像器13に収容されている現像剤は、現像ロール133の表面に供給されて現像ロール133と感光体10との間の現像領域に運ばれ、運ばれた現像剤中のトナーにより、感光体10の表面の静電潜像は現像される。この現像により得られたトナー像が、矢印B方向に搬送されてきた記録用紙上に転写器14により転写される。その後、トナー像を加熱および加圧する定着器15により記録用紙上のトナー像が溶融されて記録用紙上に定着される。本実施形態では、定着器15による発熱を抑えるため、低温での定着が可能な低温定着トナーが採用されている。感光体10の、トナー像の転写を終えた部分に残留する残留トナーは、矢印Aの向きの回転おける転写器14よりも下流側で帯電ロール11よりも上流側、かつ感光体10の回転中心に沿った全幅にわたって先端が接触したクリーニング部材21により除去され、除去された残留トナーはトナー回収室22に回収される。また上述した回収トナーもこのトナー回収室22に回収される。
詳細は後述するが、本実施形態では制御部1Aで算出された像密度に応じてトナー回収室22内の回収トナーが、トナー収容室135からの未使用のトナーとともに現像器13内に補給されて現像用のトナーとして活用される。こうして回収トナーが現像用のトナーとして活用されるとトナーの無駄を減らすことができる。
尚、このプリンタ1は、モノクロ画像専用機であるが、本発明は、カラー画像機に適用されてもよい。またこの実施形態では記録用紙が本発明にいう被転写体の一例に相当するが、本発明にいう被転写体は転写ベルト等であっても良い。
図2は、図1に示す現像器13を露光器12側から見た透視図である。
図2には、現像ロール133と、現像剤を収容する現像剤収容槽132と、現像材収容槽132の内部で現像剤を撹拌搬送する撹拌搬送部材131とを備えた現像器13が示されている。
現像剤収容槽132は、内部が、現像ロール133に並行して延びた壁1321によって、現像ロール133と隣り合った第1収容部132aとこの第1収容部132aと隣り合った第2収容部132bとに分けられている。
これら第1収容部132aおよび第2収容部132bそれぞれには、撹拌搬送部材131が1つずつ配備されており、これら撹拌搬送部材131は、具体的には、螺旋状のフィンが棒の周囲に備えられた構造を有している。第1収容部132aおよび第2収容部132bそれぞれに配備された撹拌搬送部材131が互いに逆向きに回転することで、現像剤収容槽132に収容されている現像剤は撹拌されながら壁1321の周囲を、両端の移動口1322,1323を経由して反時計回りに循環する。現像剤収容槽132の内部では、撹拌搬送部材131によってトナーと磁性キャリアとが撹拌されることでトナーがマイナス帯電し、磁性キャリアはプラス帯電する。このため、マイナス帯電したトナーは磁性キャリアに静電的に付着する。これにより、現像剤収容槽132の内部では、トナーと磁性キャリアが渾然一体となっている。
また、図2に示されるように、現像剤収容槽132には、トナー収容室135からの未使用のトナーと上記トナー回収室22からの回収トナーとの双方を第2収容部132bに供給するためのトナー供給口132cが設けられている。
図2は、図1に示す現像器の露光器側からの透視図である。
図2には、現像ロール133と、現像剤を収容する現像剤収容槽132と、現像剤収容槽132の内部で現像剤を撹拌搬送する撹拌搬送部材131とを備えた現像器13が示されている。
現像剤収容槽132は、内部が、現像ロール133に並行して延びた壁1321によって、現像ロール133と隣り合った第1収容部132aとこの第1収容部132aと隣り合った第2収容部132bとに分けられている。
これら第1収容部132aおよび第2収容部132bそれぞれには、撹拌搬送部材131が1つずつ配備されており、これら撹拌搬送部材131は、具体的には、螺旋状のフィンが棒の周囲に備えられた構造を有している。第1収容部132aおよび第2収容部132bそれぞれに配備された撹拌搬送部材131が互いに逆向きに回転することで、現像剤収容槽132に収容されている現像剤は撹拌されながら壁1321の周囲を反時計回りに循環する。現像剤収容槽132の内部では、撹拌搬送部材131によってトナーと磁性キャリアとが撹拌されることでトナーがマイナス帯電し、磁性キャリアはプラス帯電する。
このため、マイナス帯電したトナーは磁性キャリアに静電的に付着する。これにより、現像剤収容槽132の内部では、トナーと磁性キャリアが渾然一体となっている。
また、図2に示されるように、現像剤収容槽132には、新しいトナーと回収トナーとを供給するためのトナー供給口132cが設けられている。
さらに、図2には、帯電ロール11および感光体10の長さと比べ、現像ロール133の長さが短く、現像ロール133の長さが足りない部分に、現像ロール133と同軸の搬送ロール134が配備されている様子が示されている。
搬送ロール134は、詳しくは後述するが、現像ロール133と同じ構造を有し、現像ロール133の回転と同期して回転するが、印加されている電圧が現像ロール133とは異なっている。このプリンタ1では、感光体10の、この現像ロール133と対向する部分である画像形成部101では画像形成が行われるものの、感光体10の、搬送ロール134と対向する部分である画像非形成部102では、画像形成ではなく、搬送ロール134が表面に保持する現像剤中の劣化トナーが吸着される。画像非形成部102には、露光は行われず、また、用紙も搬送されてこない。以下、劣化トナーの吸着メカニズムについて説明する。
図3は、現像器等の断面図である。
図3のパート(a)には、図2に示す現像器等のA−A断面を矢印に見た場合が示されており、図3のパート(b)には、図2に示す現像器等のB−B断面を矢印に見た場合が示されている。
図3に示す現像ロール133は、矢印C方向に回転する円筒部材1331と、この円筒部材1331の内部に、この円筒部材1331とは独立に固定された永久磁石ロール1332とを有している。この永久磁石ロール1332は、円筒部材1331の周回方向に複数の磁極が配列されたもので、現像剤の吸着および解放を規定する磁力分布を有している。
円筒部材1331の周面は、一部が現像剤収容槽132の内部に入り込み、その他は現像剤収容槽132の外に存在している。したがって円筒部材1331が回転すると、円筒部材1331の周面各部は予め決められた回転速度で現像剤収容槽132の内部を通過する。そして、円筒部材1331の内部に蓄えられた磁石ロール1332の磁力分布により、現像剤収容槽132の内部を通過中の周面部分に現像剤が供給される。円筒部材1331は、この供給された現像剤を、感光体10との間に形成された第1領域1301aへ搬送する。
図3のパート(a)に示される感光体10は、帯電ロール11により表面全体が−720Vに一旦帯電され、露光器12により露光され静電的な潜像が形成された部分は約−300Vとなる。一方、現像器13の現像ロール133は−600Vに帯電される。現像ロール133に保持された磁性キャリアに電気的に付着し、感光体10と現像ロールとの間の第1領域1301aに搬送されたトナーは、現像剤収容槽132内でマイナス極性に帯電されていることから、感光体10の静電的な潜像部分から現像ロール133へ向かう向きの電界(電位差は300V)により、磁性キャリアとの間の静電引力に打ち勝って静電的な潜像側に飛翔しトナー像が形成される。このとき磁性キャリアは、現像ロール133の円筒部材1331の表面に磁力により吸着された状態で現像ロール133上に残り、現像剤収容槽132へと回収される。この第1領域1301aが、本発明にいう主現像領域の一例に相当し、この現像ロール133が、本発明にいう現像ロールの主現像部に相当する。
ここで、プリンタ1では、画像密度の低い画像形成が長く続き、新たなトナーの供給があまり行われない状況においては、既存のトナーと磁性キャリアとの度重なる摩擦により、トナー表面に塗されている、トナーの帯電性を制御するための帯電制御剤がトナー表面に埋没してトナーの帯電性が劣化し、本来であれば狭い、トナーの帯電量分布が広くなる。この様な劣化は、上述した低温定着トナーの場合には特に顕著である。また、この様な低画像密度の画像形成が連続して行われた後に高画像密度の画像形成が行われると、新たなトナーがトナー供給口132cを通じて大量に現像剤収容槽132の第2収容部132bに供給される。こうなると、現像剤収容槽132の内部の帯電性の劣化したトナーが有する電荷は、新たに供給されてきたトナーに急速に奪い取られ、現像剤収容槽132の内部では、新たに供給されてきたトナーに電荷を取られた上に、劣化のために磁性キャリアとの摩擦によっても帯電量の上昇が鈍い低帯電トナーや電荷を取られたことで逆極化した逆極トナーと、帯電が充分な新たなトナーとが混在することとなる。このような低帯電トナーおよび逆極トナーが現像ロール133上に供給されて現像に用いられると、帯電量が不足しているために磁性キャリアとの静電的な結びつきが弱くなった低帯電トナーは、磁性キャリアから離れても静電的な潜像に付着せずクラウドとなってしまい、逆極性に転じた逆極トナーは、感光体10の表面に形成された静電的な潜像が形成された部分以外の部分である背景領域に飛翔してしまう。
そこで、本実施形態のプリンタ1では、感光体10の、搬送ロール134と対向する画像非形成部102で劣化トナーを以下に説明するようにして吸着することで現像剤収容槽132から劣化トナーを抜き取る。そしてクリーニング装置20でその劣化トナーを回収する。
上述したように、トナーの入れ替わりが無く、同じトナーが繰り返し磁性キャリアと撹拌され劣化してくると、劣化前は狭い範囲に収まっているトナーの帯電量分布が次第に広範囲に拡がることとなり、この様な状況で、未帯電の新たなトナーが供給されると、広範囲に拡がった帯電量分布のうちの過帯電側のトナーの電荷が新たなトナーによって急速に奪われる。そこで、このプリンタ1では、現像剤収容槽132の内部を撹拌搬送される現像剤の流れにおいて新たなトナーが供給されるトナー供給口132cの手前で、劣化トナーのうち、過帯電トナーが回収される。これにより、新たなトナーへの急激な電荷の移動が妨げられ低帯電トナーや逆極トナーの発生が抑制される。
図3のパート(b)には、トナー供給口132cを有する現像剤収容槽132と、搬送ロール134とが示されており、この搬送ロール134は、現像ロール133と同じく、回転する円筒部材1331と、内部の永久磁石ロール1332とを備えている。搬送ロール134の、回転する円筒部材1331は、内部の永久磁石ロール1332の磁力分布により、現像剤収容槽内を通過中に現像剤が供給され、この供給された現像剤を、感光体10との間に形成された第2領域1302aへ搬送する。この第2領域1302aが、本発明にいう副現像領域の一例に相当し、搬送ロール134が、本発明にいう現像ロールの副現像部の一例に相当する。
また、図3のパート(b)には、感光体10の周囲に転写器14が備えられていない様子が示されている。
感光体10の、搬送ロール134と対向する画像非形成部102には、帯電ロール11による帯電により表面電位は−720Vに帯電されるが、露光器12による露光は行われない。このため、この領域の表面電位は−720Vのまま推移する。一方、搬送ロール134は−1050Vに帯電されている。
図4は、搬送ロールおよび現像ロールへの電圧印加の様子を示す図である。
図4には、搬送ロール134に−1050Vのマイナス電源137が接続され、現像ロール133に−600Vのマイナス電源136が接続されている様子が示されている。感光体10の画像形成部101の静電的な潜像(−300V)と現像ロール133(−600V)との間の電界(電位差は300V)よりも、感光体10の画像非形成部102の表面(−720V)と搬送ロール134(−1050V)との間の電界(電位差は330V)の方が強く、現像剤収容槽132に収容されている現像剤中の過帯電トナーは、磁性キャリアとの間の静電引力に打ち勝って感光体10の画像非形成部102に飛翔する。その後、画像非形成部102に飛翔した過帯電トナーは、画像非形成部102に対向する転写器14は配備されていないことで転写は行われないまま、クリーニング装置20のクリーニング部材21によって感光体10から取り除かれてトナー回収室22に上述の回収トナーとして回収される。
ここで、本実施形態のプリンタ1には、クリーニング装置20で回収した回収トナー(過帯電トナー)を現像器13に戻して再利用する機構が設けられおり、さらにはその現像器13に回収トナーを供給するときの供給量を後述の様に制御して、トナー収容室135からの未使用のトナーの補給量を減らすことで現像器13内のトナーの帯電量分布を適正範囲内に揃えるという工夫が施されている。
図5は、図1のC−C´線で切断し切断した面を図1の上方から見た状態を模式的に示した図である。
図5には、図3のパート(b)に示したトナー供給口132cに、トナー回収室22とトナー収容室135とのそれぞれから回収トナーと未使用のトナーとを供給する機構が示されている。前述した様に、トナー回収室22は、2つの室に仕切られており、一方の室22Mには劣化トナー(過帯電トナー)が回収トナーとして回収され、他方の室22Nには、転写器14で被転写体にトナー像が転写された後の感光体10上の残留トナーが回収される。劣化トナーおよび残留トナーが回収されるこれら2つの室22M、22Nのうち劣化トナーが回収される室22Mの回収トナーが再利用される。
図5に示す様に、トナー回収室22の室22Mから供給口132cへと供給管22aが延びていてこの供給管22a内には回収トナーを供給口132cに向かって搬送する搬送部材220aが配備されている。また、トナー収容室135からも供給口132cへと供給管135aが延びていて、この供給管135a内には、未使用のトナーを搬送する搬送部材1350aが配備されている。これらの搬送部材220a,1350aによって現像器13の現像剤収容槽132内の第2収容部132bにトナーが供給される。これらの搬送部材220a,1350aは、具体的には、螺旋状のフィンが棒の周囲に備えられた構造を有している。これらの搬送部材220a,1350aは各々モータ220,1350で駆動されておりそれらのモータ220,1350の回転速度が制御部1Aによって制御され、回収トナーを補給する側の搬送部材220aの動作速度と未使用のトナーを補給する側の搬送部材1350aの動作速度の比(以降動作比率という)が調整される。こうして各モータ220,1350の動作比率が調整されると、回収トナーと未使用のトナーそれぞれの供給量が調整される。また、詳細な説明は省略するが、制御部1Aは、現像器13内でのトナー濃度を一定濃度に保つ様にトナーの供給頻度を制御している。
こうして制御部1Aの制御の下に回収トナーと未使用のトナーの各々の供給量が調整されて供給口132cから現像器13の現像剤収容槽132の第2収容部132bにトナーが供給される。
図6は、制御部1Aが実行するトナーの供給処理の手順を示す図である。
制御部1Aは、まず露光器12(図1参照)に外部から供給されてくる画像データに基づいて像密度を算出する(ステップS601)。次に、算出した像密度が10%以上あるかどうかを判定する(ステップS602)。像密度が10%未満である場合(ステップS602:No)には現像器13でのトナー消費が少なく、従ってトナーの供給頻度も少ないので、上述した低帯電トナーや逆極トナーは生じ難いと考えられる。このため、制御部1Aは、回収トナーを搬送する搬送部材220aと未使用のトナーを搬送する搬送部材1350aとの動作比率を1:9にして未使用のトナーを主に使用させて現像器13にトナーを供給させる(ステップS603)。
一方、像密度が10%以上である場合(ステップS602:Yes)には、現像器でのトナー消費は多く、従ってステップS604に進んで、直前500枚の平均出力像密度が3%以上であるかどうかを判定する。平均出力像密度が3%以上である場合(ステップS604:No)は、直前500枚でのトナー消費が充分に多くて現像器内のトナーは劣化していないため、トナーの供給量が多くても、上述した低帯電トナーや逆極トナーは生じ難いと考えられる。そこで、ステップS603に進んで未使用のトナーを主に使用させて現像器13にトナーを供給させる。
上記ステップS604で平均出力像密度が3%未満である場合には、直前500枚でのトナー消費が少なくて現像器内のトナーが劣化していると考えられる。そこで、回収トナーを搬送する搬送部材220aと未使用のトナーを搬送する搬送部材1350aとの動作比率を9:1にして回収トナーを主に使用させて現像器13にトナーを供給させる(ステップS605)。この回収トナーは、未使用のトナーよりも劣化が進んだトナーであるので、多量に現像器13に供給されても低帯電トナーや逆極トナーが生じ難い。つまり、回収トナーを補給して未使用のトナーの補給量を減らすことで低帯電トナーや逆極トナーの発生が抑制される。回収トナーのこのような補給と、上述した過帯電トナーの回収はどちらも低帯電トナーや逆極トナーの発生抑制に寄与し、相乗効果を発揮する。このため、実施形態のように劣化し易い低温定着トナーが採用された場合であっても、低帯電トナーや逆極トナーの発生が充分に抑制される。
尚、以上の実施形態では、本発明の画像形成装置の一例としてプリンタを例に挙げて説明したが、これが複写機であってもよく、またファクシミリ等でもあっても良い。
また、本実施形態では、本発明にいう画像形成装置として、搬送されてきた記録用紙に、転写ロールを用いて感光体上のトナー像を直接転写する直接転写方式プリンタを例に挙げて説明したが、本発明にいう画像形成装置は、転写ベルトを介してトナー像を記録用紙に転写する間接転写方式の画像形成装置であっても良い。
上記実施形態では、像密度をトナー消費量の目安として供給量を制御する例を示したが、本発明にいう回収トナー供給部は、現像器内でのトナー濃度変化を用いてトナー消費量を導いて供給量を制御するものであっても良い。
また、上記実施形態では、像密度を画像データから算出する例を示したが、本発明にいう像密度知得部は、外部から像密度を教えてもらうのではなく、あるいは像保持体上で像密度を測定するものでも良い。
さらに、本発明にいう帯電器は接触式の帯電ロール以外にもスコロトロンやコロトロンなどの放電式であっても良い。
次に、本発明の画像形成装置の第2実施形態について説明する。
第1実施形態のプリンタ1と第2実施形態のプリンタとの間の相違点は、第1実施形態のプリンタ1では、感光体10を全領域に渡って一様に帯電(−720V)させた上で、感光体10の画像形成部101に対しては画像形成用の露光が行われるものの、搬送ロール134と対向する画像非形成部102に対しては露光は行われないのに対し、第2実施形態のプリンタでは、感光体10を全領域に渡って一様に帯電(−720V)させた上で、感光体10の画像形成部101に対しては画像形成用の露光(潜像の電位は−300V)が行われ、感光体10の画像非形成部102に対しては、画像形成部101に照射される露光光よりも高エネルギの露光光(潜像の電位は−100V)が全面に照射される点であり、また、搬送ロール134に接続されている電源が異なっている点である。以下では、これら相違点について説明する。
図7は、第2実施形態のプリンタに備えられている搬送ロールと現像ロールへの電圧印加の様子を示す図である。
図7には、第1実施形態で使用されているのと同じ搬送ロール134に−500Vから−700Vの範囲で印加電圧が可変の可変電源235が接続され、第1実施形態で使用されているのと同じ現像ロール133に−600Vの電圧を印加する電源136が接続されている様子が示されている。
以上の構成により、感光体10の画像形成部101の静電的な潜像(−300V)と現像ロール133(−600V)との間の電界(電位差は300V)よりも、感光体10の画像非形成部102の全面に形成された静電的な潜像(−100V)と搬送ロール134(−500V〜−700V)との間の電界(電位差は400V〜600V)の方が強く、搬送ロール134の表面に保持された現像剤中の過帯電トナーは、磁性キャリアとの間の静電引力に打ち勝って感光体10の画像非形成部102に飛翔し、転写器14が無いために転写は行われないまま、クリーニング装置20のクリーニング部材21によって感光体10から刮ぎ落とされてトナー回収室22に回収される。
第2実施形態のプリンタでは、搬送ロール134に電圧を印加する電源が可変であることで、感光体10の画像非形成部102の全面に形成された静電的な潜像との間の電界強さが、低画像密度の画像形成が連続した後の画像形成の画像密度に応じて調節されている。例えば、低画像密度の画像形成が連続した後の画像形成の画像密度が相対的に高い場合には、新たに現像剤収容槽132に供給されるトナー量も多くなることから、トナー供給口132cの手前で過帯電トナーをなるべく除去するために、搬送ロール134への印加電圧は感光体10の画像非形成部102の全面に形成された静電的な潜像との間の電界強さが最大となるように−700Vにされる。また、低画像密度の画像形成が連続した後の画像形成の画像密度が相対的に低い場合には、新たに現像剤収容槽132に供給されるトナー量もさほど多くないことから、搬送ロール134への印加電圧は感光体10の画像非形成部102の全面に形成された静電的な潜像との間の電界強さが最小となるように−500Vにされる。この図7の構成でも第1実施形態と同じ効果が得られる。
次に、本発明の画像形成装置の第3実施形態について説明する。
図8は、第3実施形態のプリンタの現像器の上方からの透視図である。
第1実施形態のプリンタ1では、感光体10は全領域に渡って一様に帯電(−720V)された上で、感光体10の画像形成部101に対しては画像形成用の露光が行われるものの、搬送ロールと対向する領域に対しては露光は行われず、搬送ロール134および現像ロール133にはそれぞれ異なる電圧が印加されるのに対し、第3実施形態のプリンタでは、感光体10が全領域に渡って一様に帯電(−720V)された上で、感光体10の画像形成部101に対しては画像形成用の露光(潜像の電位は−300V)が行われ、感光体10の画像非形成部102に対しては、画像形成部101に照射される露光光よりも高エネルギの露光光(潜像の電位は−100V)が全面に照射される点と、感光体10と同じ長さの1本のロール(電位は−600V)である現像ロール133が使用されている点で第1実施形態とは異なっている。
以上の構成により、感光体10の画像形成部101の静電潜像(−300V)と、現像ロール133の、画像形成部101と対向する部分(−600V)との間の電界(電位差は300V)よりも、感光体10の画像非形成部102の全面に形成された静電的な潜像(−100V)と、現像ロール133の、画像非形成部102と対向する部分(−600V)との間の電界(電位差は500V)の方が強く、現像ロール133の画像非形成部102と対向する部分の表面に保持された現像剤中の過帯電トナーは、磁性キャリアとの間の静電引力に打ち勝って感光体10の画像非形成部102に飛翔し、転写器14が無いために転写は行われないまま、クリーニング装置20のクリーニング部材21によって感光体10から取り除かれてトナー回収室22に収容される。
この図8の構成でも、第1実施形態と第2実施形態と同じ効果が得られる。
ここで、上述した低温定着トナーの製造方法について説明する。
以下では、図1のプリンタ1で採用されているトナーの製造方法、およびそのトナーを有する二成分現像剤の製造方法について説明する。ここでは、一例として40℃における損失弾性率が約4×10[Pa]、トナー中の結晶性ポリエステル樹脂の比率が5%、トナーの形状係数が約115のトナーの製造方法について説明する。
−結晶性ポリエステル樹脂−
ここで、「結晶性ポリエステル樹脂」とは、示差走査結量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。なお、ここで、静電荷現像用トナーに用いられる『結晶性』とは、示差走査熱量測定(DSC)において、DSC曲線が明確な吸熱ピークを有することを指し、具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークが発生し、その後前記DSC曲線のベースラインに戻ることを意味する。
結晶性ポリエステル樹脂としては、具体的には、適度な融解温度を有し炭素数6以上のアルキル基を有する脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。炭素数6以上のアルキル基を有する結晶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸または多価アルコールに炭素数6以上のアルキル基を有する重合性単量体を用いることで得ることができ、例えば、ドデセニルコハク酸などを用いることができるが、これに限るものではない。
樹脂の製造に用いる多価カルボン酸類としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタルレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸等の芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸等の芳香族オキシカルボン酸、コハク酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ダイマー酸、トリマー酸、水添ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和脂肪族及び脂環族ジカルボン酸等を、また多価カルボン酸としては他にトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の三価以上の多価カルボン酸等を用いることができる。
樹脂の製造に用いる多価アルコール類としては脂肪族多価アルコール類、脂環族多価アルコール類、芳香族多価アルコール類等を例示できる。脂肪族多価アルコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジメチロールヘプタン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ε−カプロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られるラクトン系ポリエステルポリオール等の脂肪族ジオール類、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエルスリトール等のトリオール及びテトラオール類等を例示できる。
脂環族多価アルコール類としては1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物及びプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカンジオール、トリシクロデカンジメタノール、ダイマージオール、水添ダイマージオール等を例示できる。
芳香族多価アルコール類としてはパラキシレングリコール、メタキシレングリコール、オルトキシレングリコール、1,4−フェニレングリコール、1,4−フェニレングリコールのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物及びプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
樹脂末端の極性基を封鎖し、トナー帯電特性の環境安定性を改善する目的において単官能単量体がポリエステル樹脂に導入される場合がある。単官能単量体としては、安息香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安息香酸モノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカルボニル安息香酸、n−ドデシルアミノカルボニル安息香酸、ターシャルブチル安息香酸、ナフタレンカルボン酸、4−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、サリチル酸、チオサリチル酸、フェニル酢酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、オクタンカルボン酸、ラウリル酸、ステアリル酸、及びこれらの低級アルキルエステル、等のモノカルボン酸類、あるいは脂肪族アルコール、芳香族アルコール、脂環族アルコール等のモノアルコールを用いることができる。
結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、モノマーの種類によって使い分けて製造する。
結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180〜230℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させても良い。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させると良い。
結晶性ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、及びアミン化合物等が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂の融解温度としては、好ましくは50〜100℃であり、より好ましくは60〜100℃である。前記融解温度が50℃より低いとトナーの保存性や、定着後のトナー画像の保存性が問題となる場合がある一方、100℃より高いと従来のトナーに比べて十分な低温定着が得られない場合がある。
また、結晶性ポリエステル樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、ここでは、最大のピークをもって融解温度とする。
更に、樹脂融解温度の測定には、例えばパーキンエルマー社製のDSC−7を用いることができる。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融解温度を用い樹脂のガラス転移温度の測定も同様に測定することができる。
このトナーに使用される結晶性ポリエステル樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による分子量測定で、重量平均分子量(Mw)が8,000〜35,000であり、好ましくが10,000〜25,000である。重量平均分子量が8,000未満では、非結晶性樹脂や離型剤との相溶が進行し、可塑を発生させる場合がある。また、35,000を超えるとトナー溶融時の粘度が上昇し、定着性や画像光沢性を損なうことがある。ここで、樹脂の分子量は、THF可溶物を、東ソー製GPC・HLC−9120、東ソー製カラム「TSKgel SuperHM−M」(15cm)を使用し、THF溶媒で測定し、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して分子量を算出したものである。後述する非結晶性ポリエステル樹脂の測定でも同様に測定した。
このトナーは、結晶性ポリエステル樹脂のASTM D3418−8に準拠して測定される融解温度(mp)が50〜100℃が好ましく用いられる。融解温度が50℃未満では、トナーの熱保安性が低下し、100℃を超えるとトナー定着時の画像光沢度が低下する。
結晶性ポリエステル樹脂の酸価(樹脂1gを中和するに必要なKOHのmg数)を5〜50mgKOH/gに制御する。該酸価が5mgKOH/g未満では、結晶性ポリエステル樹脂粒子同士が凝集体を形成し、離型剤との構造体の形成が困難となるばかりでなく、結晶性ポリエステル樹脂粒子がトナー中に独立に存在、或いは大きく成長しトナー表面に露出することがあり、トナーの流動性、帯電性の観点から好ましくない。また、該酸価が50mgKOH/gを超えるとトナー中への内包が困難となる場合がある。
−非晶性ポリエステル樹脂−
非晶性ポリエステル樹脂としては、上記触媒を用い主として上述した多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮重合により得られるものである。
非晶性ポリエステル樹脂は、上記多価アルコールと多価カルボン酸を常法に従って縮合反応させることによって製造することができる。例えば、上記多価アルコールと多価カルボン酸、必要に応じて触媒を入れ、温度計、撹拌器、流下式コンデンサを備えた反応容器に配合し、不活性ガス(窒素ガス等)の存在下、150〜250℃で加熱し、副生する低分子化合物を連続的に反応系外に除去し、所定の酸価に達した時点で反応を停止させ、冷却し、目的とする反応物を取得することによって製造することができる。
このトナーに用いられる非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、ASTM
D3418−8に準拠して求めた場合に50℃以上であることが好ましく、さらには55℃以上、またさらには60℃以上、65℃未満であることが好ましい。ガラス転移温度が50℃未満の場合には、取扱い中あるいは保存中に凝集する傾向がみられ、保存安定性に問題を生ずる場合がある。また、65℃以上の場合は、定着性を低下させる場合があり、好ましくない。
また、このトナーに用いられる非晶性ポリエステル樹脂の軟化点は、60〜90℃の範囲であることが好ましい。樹脂の軟化温度を60℃未満に抑えたトナーにおいては、取扱い中あるいは保存中に凝集する傾向がみられ、特に長時間の保存において、流動性が大きく悪化する場合がある。軟化点が90℃を超える場合には定着性に支障をきたす場合がある。また定着ロールを高温に加熱する必要が生じるために、定着ロールの材質、ならびに複写される基材の材質が制限される。
このトナーに使用される非晶性ポリエステル樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)
可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による分子量測定で、重量平均分子量(Mw)が20,000〜50,000であり、好ましくは25,000〜50,000である。重量平均分子量が25,000未満では、トナーの熱保管性が低下するばかりでなく、定着された画像の強度が低下する。また、50,000を超えると定着性が悪化し、画像光沢も低下する。
非晶性ポリエステル樹脂の酸価を10〜50mgKOH/gが好ましい。該酸価が10mgKOH/g未満では、トナー製造時の凝集体の粒度成長が早くなるため、出来上がるトナーの粒度分布が拡大するという不具合が生じる場合がある。また、該酸価が50mgKOH/gを超えると、結晶性ポリエステル樹脂、離型剤との酸価の差が大きくなるため、結晶性ポリエステル樹脂、離型剤との凝集だけが進む場合があり、定着性がトナー粒子間で変化してしまうという不具合がある。非晶性ポリエステル樹脂の酸価は、原料の多価カルボン酸と多価アルコールの配合比と反応率により、ポリエステルの末端のカルボキシル基を制御することによって調整することができる。あるいは多価カルボン酸成分として無水トリメリット酸を使用することによってポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を有するものが得られる。
このトナーは、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂の重量比率が5/95〜40/60であり、非晶性ポリエステル樹脂の割合が60%未満では、良好な定着特性は得られるものの、定着像中の相分離構造が不均一となり、定着画像の強度、特に引っかき強度が低下し、傷がつきやすくなるといった問題を呈することがある。一方、95%を超える場合では、結晶性ポリエステル樹脂由来のシャープメルト性が得られず、可塑が発生することがあり、良好な低温定着性を確保しつつ、耐トナーブロッキング性、画像保存性を保つことができなくなる場合がある。
結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液の作成については、樹脂の酸価の調整やイオン性界面活性剤などを用いて乳化分散することにより、調製することが可能である。
また、その他の方法で作製した樹脂の場合は油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば樹脂をそれらの溶剤に解かして水中にイオン性の界面活性剤や高分子電解質と共にホモジナイザーなどの分散機により水中に粒子分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液を作製することができる。また、樹脂に界面活性剤を加え、ホモジナイザーなどの分散機により水中にて乳化分散する方法や転相乳化法などにより、樹脂粒子分散液を調製してもよい。
このようにして得られた樹脂粒子分散液の粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700堀場製作所製)で測定することができる。
−離型剤−
このトナーに用いられる離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油ワックス、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の高脂肪酸と高級アルコールとのエステルワックス類;ステアリン酸ブチル、オレイン酸プロピル、モノステアリン酸グリセリド、ジステアリン酸グリセリド、ペンタエリスリトールテトラベヘネート等の高級脂肪酸と単価又は多価低級アルコールとのエステルワックス類;ジエチレングリコールモノステアレート、ジプロピレングリコールジステアレート、ジステアリン酸ジグリセリド、テトラステアリン酸トリグリセリド等の高級脂肪酸と多価アルコール多量体とからなるエステルワックス類;ソルビタンモノステアレート等のソルビタン高級脂肪酸エステルワックス類;コレステリルステアレート等のコレステロール高級脂肪酸エステルワックス類などを挙げることができる。本実施の形態において、これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、本実施の形態においては、これらの中で融解温度が40℃〜120℃の物が用いられるが、最近の省エネルギー対応としての低温定着性の要求に対応する為には、特に50℃〜100℃の物が好ましく、より好ましくは50〜80℃の物が用いられる。
これらの離型剤の添加量としては、トナー全量に対して、0.5〜30重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜20重量%の範囲、さらに好ましくは5〜15重量%の範囲である。添加量が0.5重量%未満であると離型剤添加の効果がなく、30重量%を超えると、帯電性に影響が現れやすくなったり、現像器内部においてトナーが破壊されやすくなり、離型剤のキャリアへのスペント化が生じ、帯電が低下しやすくなる等の影響が現れる場合がある。
離型剤分散液中のワックス粒子の体積平均粒径は、0.1〜0.5μmの範囲が好ましいが、特に0.1〜0.3μmが好ましい。体積平均粒径が0.5μmを超えると、トナー表面へ露出しやすくなりトナーの粉体流動性を悪化させたり像保持体や現像部材へのフィルミングがしやすくなったりする。また凝集工程で内包されない、合一工程で離型剤粒子が脱落してしまう問題が生じる。特にカラートナーを得る場合においては、離型剤粒子が大きいと乱反射によりOHP透過性が下がり、色再現性も低下する。なお、前記体積平均粒径は、例えば、上述したレーザー回折式粒度分布測定機などを用いて測定することができる。体積平均粒径が0.1μm以下では、トナーに充分な離型性を付与することが出来なくなり好ましくない。
離型剤分散に於ける分散媒体は、水系が好ましく、水、純水、イオン交換水が用いられる。分散剤としては界面活性剤が用いられる。このトナーに用いられるワックス分散液の作製は、例えばボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、ナノマイザー、マイクロフルイダイザー、アルティマイザー、ゴーリン等の高圧型分散機、などの公知の分散方法を用いて、記述したような粒径、含有量を満たすことができるのであれば、いかなる方法・条件により作製されるものであってもよい。
−着色剤−
着色剤は、通常トナー中に効果的な量、例えばトナーの約1〜約15重量%、望ましくは約3〜約10重量%存在する。このトナーの製法で使用する、着色剤としては特に限定されず、公知の着色剤を使用することができ、目的に応じて適宜選択することができる。顔料を1種単独で用いてもよいし、同系統の顔料を2種以上混合して用いてもよい。また異系統の顔料を2種以上混合して用いてもよい。前記着色剤としては、具体的には、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;ベンガラ、アニリンブラック、紺青、酸化チタン、磁性粉等の無機顔料;ファストイエロー、モノアゾイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン(3B、6B等)、パラブラウン等のアゾ顔料;銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料;フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料;等が挙げられる。
また、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、デュポンオイルレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート、パラブラウンなどの種々の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジゴ系、チオインジゴ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料;などが挙げられる。これらの着色剤に透明度を低下させない程度にカーボンブラック等の黒色顔料、染料を混合してもよい。また、分散染料、油溶性染料等も挙げられる。
着色剤分散に於ける分散媒体は、水系が好ましく、水、純水、イオン交換水が用いられる。分散剤としては界面活性剤が用いられる。このトナーに用いられる着色剤分散液の作製は、例えばボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、ナノマイザー、マイクロフルイダイザー、アルティマイザー、ゴーリン等の高圧型分散機、などの公知の分散方法を用いて、記述したような粒径、含有量を満たすことができるのであれば、いかなる方法・条件により作製されるものであってもよい。
<その他の成分>
このトナーに用いられ得るその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、無機粒子、有機粒子、帯電制御剤、離型剤等の公知の各種添加剤等が挙げられる。
上記無機粒子は、一般にトナーの流動性を向上させる目的で使用される。該無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の粒子が挙げられる。これらの中でも、シリカ粒子が好ましく、疎水化処理されたシリカ粒子が特に好ましい。
無機粒子の平均1次粒子径(数平均粒子径)としては、1〜1000nmの範囲が好ましく、その添加量(外添)としては、トナー100重量部に対して、0.01〜20重量部の範囲が好ましい。
有機粒子は、一般にクリーニング性や転写性、時には帯電性を向上させる目的で使用される。前記有機粒子としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリスチレン−アクリル共重合体等の粒子が挙げられる。
帯電制御剤は、一般に帯電性を向上させる目的で使用される。帯電制御剤としては、例えば、サリチル酸金属塩、含金属アゾ化合物、ニグロシンや4級アンモニウム塩等が挙げられる。
<トナーの特性>
このトナーの体積平均粒子径は、1〜12μmが好ましく、3〜9μmがより好ましく、3〜8μmがより好ましい。また、本実施の形態のトナーの数平均粒子径は、1〜10μmが好ましく、2〜8μmがより好ましい。粒子径が小さすぎると製造性が不安定になり、帯電性が不十分になり、現像性が低下することがあり、大きすぎると画像の解像性が低下する。
[現像剤]
次に、静電潜像現像用現像剤(以下「現像剤」ともいう)について説明する。
現像剤は、上記のトナーを含有する以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。この現像剤は、前記トナーを、単独で用いると一成分系の現像剤となり、また、トナーとキャリアとを組み合わせて用いると二成分系の現像剤となる。
キャリアとしては、特に制限はなく、それ自体公知のキャリアが挙げられ、例えば、特開昭62−39879号公報、特開昭56−11461号公報等に記載された樹脂被覆キャリア等の公知のキャリアが挙げられる。
キャリアの具体例としては、以下の樹脂被覆キャリアが挙げられる。該キャリアの核体粒子としては、通常の鉄粉、フェライト、マグネタイト造型物などが挙げられ、その体積平均粒径は、30〜200μm程度の範囲である。
また、樹脂被覆キャリアの被覆樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸類;ジメチルアミノエチルメタクリレート等の含窒素アクリル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロぺニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;弗化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン等のビニル系フッ素含有モノマー;などの単独重合体、又は2種類以上のモノマーからなる共重合体、さらに、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等を含むシリコーン樹脂類、ビスフェノール、グリコール等を含有するポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上併用してもよい。被覆樹脂の被覆量としては、前記核体粒子100重量部に対して0.1〜10重量部程度の範囲が好ましく、0.5〜3.0重量部の範囲がより好ましい。
キャリアの製造には、加熱型ニーダー、加熱型ヘンシェルミキサー、UMミキサーなどを使用することができ、前記被覆樹脂の量によっては、加熱型流動転動床、加熱型キルンなどを使用することができる。
また、この現像剤においては、トナーとキャリアとの混合比としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
実施例
以下、実施例によりこのトナーをさらに具体的に説明する。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて「質量部」を意味する。
(損失弾性率の測定方法)
損失弾性率の測定方法は角周波数が6.28rad/sec、歪量0.1%、40℃で測定したものである。
損失弾性率は、正弦波振動法により測定した動的粘弾性から求めており、動的粘弾性の測定にはレオメトリックサイエンティフィック社製ARES測定装置を用いた。動的粘弾性の測定は、錠剤に成形したトナーを、8mm径のパラレルプレートにセットし、ノーマルフォースを0とした後に6.28rad/secの振動周波数で正弦波振動を与えて実施した。測定は30℃から開始し、50℃まで継続した。測定時間インターバルは30秒
、昇温は1℃/minとし、歪量を0.1%にし、複素弾性率及び正接損失を求めた。
(トナーの形状係数)
形状係数は以下の式により求めた。
形状係数=((最大径/2)×π)×100/投影面積
ここに、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。
また、投影面積とは、トナー粒子の平面上への投影像の面積をいう。
この形状係数は、走査型電子顕微鏡により2000倍にトナー粒子を拡大した写真を撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。
この際、100個のトナー粒子を使用してこのトナーの形状係数を上記算出式にて測定したものである。
(粒度および粒度分布測定方法)
このトナーの粒度および粒度分布測定について述べる。測定する粒子が2μm以上の場合、測定装置としてはコールターマルチサイザーII型(ベックマンーコールター社製)を用い、電解液はISOTON―II(ベックマンーコールター社製)を使用した。
測定法としては分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100〜150ml中に添加した。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA―II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求めた。測定する粒子数は50000であった。
またこのトナーの粒度は以下の方法により求めた。測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、粒度の小さいほうから体積累積分布を描き、累積50%となる体積平均粒径をD50と定義する。用いたトナーの体積平均粒径は該D50である。
なおキャリアの平均粒径は電子顕微鏡(FE―SEM)による写真を撮影し、100個の粒子について個々の最大径、最少径を測定し、その和を2で割ったものを個々の粒子の粒径とした。キャリアの平均粒径は個々の個々の粒子の粒径の平均である。なお樹脂被覆を行う前のコアについての平均粒径も同様の方法で測定した。
−結晶性ポリエステル樹脂の調整−
三口フラスコにデカン酸ジメチル100質量部、1,9−ノナンジオール75.0質量部、ジブチルすずオキサイド0.08質量部を窒素雰囲気下で、180℃、8時間反応させる。反応中、生成された水は系外へ除去した。その後、徐々に減圧しながら、230℃まで温度をあげて、7時間反応させた後、冷却し、結晶性ポリエステル樹脂を得た。この結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、17000であった。
−非晶性ポリエステル樹脂の作製−
三口フラスコにテレフタル酸ジメチル82質量部、イソフタル酸ジメチル82質量部、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物79質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物257質量部、ジブチルすずオキサイド0.23質量部を窒素雰囲気下で、180℃、3時間反応させる。反応中、生成された水は系外へ除去した。その後、徐々に減圧しながら、240℃まで温度をあげて、2時間反応させた後、冷却し、非晶性ポリエステル樹脂を得た。この非晶性ポリエステル樹脂の重量分子量は、16500であった。
−結晶性ポリエステル/非晶性ポリエステル混合樹脂分散液の作製−
三口フラスコに、上記の結晶性樹脂を5質量部、上記の非晶性樹脂を95質量部、メチルエチルケトン50質量部、イソプロピルアルコール15質量部を加えて攪拌させながら、60℃に加熱して、樹脂を溶解させた後、10%アンモニア水溶液25質量部を加える。さらにイオン交換水400質量部を徐々に加えて、転相乳化を行った後、脱溶媒した後、固形分濃度を25%に調整し、結晶性ポリエステル/非晶性ポリエステル混合樹脂分散液を得た。
−離型剤分散液の調製−
・パラフィンワックス(日本精蝋(株)性:HNP9,融解温度77℃):60質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):4質量部
・イオン交換水:200質量部
以上の成分を混合した溶液を120℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社)で分散処理し、体積平均粒径が250nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液を調製した。なお、この分散液の離型剤濃度が20質量%となるように水分量を調整した。
−着色剤分散液の調製−
・シアン顔料(銅フタロシアニンB15:3、大日精化社製):50質量部
・非イオン性界面活性剤ノニポール400(花王社製):5質量部
・イオン交換水:200質量部
以上の成分を混合溶解し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて約1時間分散し、水分量を調整して、着色剤粒子分散液(1)を得た。
−トナー母粒子の製造−
・上記の結晶性ポリエステル/非晶性ポリエステル混合樹脂分散液:720質量部
・上記の着色剤分散液:50質量部
・上記の離型剤分散液:70質量部
・カチオン界面活性剤・(花王(株)製:サニゾールB50):1.5質量部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容し、0.1規定の硫酸を添加してpHを3.8に調整した後、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの濃度が10重量%の硝酸水溶液30質量部を添加した。
その後にホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で40℃まで加熱した。得られたコア凝集粒子の体積平均粒径を測定すると、5.2μmであった。
この凝集粒子分散液を40℃で30分間保持した後、このコア凝集粒子が形成された分散液中に、非晶性ポリエステル樹脂分散液を緩やかに160質量部追加し1時間保持した。得られた付着樹脂凝集粒子の体積平均粒径は6.2μmであった。0.1規定の硝酸を添加してpHを7.0に調整した後、攪拌を継続しながら95℃まで加熱し、5時間保持した。
その後、20℃/minの速度で20℃まで冷却し、これをろ過し、イオン交換水で洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることによりトナー母粒子を得た。得られたトナー母粒子の体積平均粒径は6.1μmであった。
−キャリヤの製造−
・フェライト粒子(体積平均粒径:50μm):100質量部
・トルエン:14質量部
・スチレン−メチルメタクリレート共重合体(成分比:スチレン/メチルメタクリレート=90/10、重量平均分子量Mw=80000):2質量部
・カーボンブラック(R330:キャボット社製):0.2質量部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散した被覆液を調製し、次に、この被覆液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリヤを得た。
−現像剤の作製−
上記のトナー母粒子について、外添剤として市販のヒュームドシリカRX50(日本アエロジル製)をトナー母粒子100質量部に対して1.2質量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合して静電荷像現像用トナー1〜5を得た。ついで、このトナー8質量部と上記キャリア100質量部とを混合して二成分現像剤を調整した。
プリンタの概略構成図である。 図1に示す現像器の露光器側からの透視図である。 現像器の断面図である。 搬送ロールおよび現像ロールへの電圧印加の様子を示す図である。 図1のC−C´線で切断し切断した面を図1の上方から見た状態を模式的に示した図である。 制御部1Aが実行するトナーの供給処理の手順を示す図である。 第2実施形態のプリンタに備えられている搬送ロールと現像ロールへの電圧印加の様子を示す図である。 第3実施形態のプリンタの現像器の露光器側からの透視図である。
1 プリンタ
10 感光体
101 画像形成部
102 画像非形成部
11 帯電ロール
12 露光器
13 現像器
1301a 第1領域
1302a 第2領域
131 撹拌搬送部材
132 現像剤収容槽
133 現像ロール
1331 円筒部材
1332 永久磁石ロール
134 搬送ロール
135 トナー収容室
136、137 マイナス電源
14 転写器
15 定着器
16 用紙カセット
17 用紙搬送装置
20 クリーニング装置
21 クリーニング部材
22 トナー回収室
235 可変電源

Claims (4)

  1. 表面に像が形成されて該像を保持する像保持体と、
    前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成部と、
    前記像保持体表面に形成された潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する、該トナーを含んだ現像剤を内部に収容した現像器と、
    前記像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写器と、
    前記現像器に未使用のトナーを補給するトナー補給部とを備え、
    前記現像器が、
    前記像保持体に隣り合った、該像保持体とは電位差を有する、表面に前記現像剤を保持して回転することで該現像剤を、前記像保持体に面した現像領域へと搬送する現像ロールであって、該現像領域のうち、該像保持体上の予め決められた端部を除く他の部分に面した主現像領域へと該現像剤を搬送する、該像保持体とは第1の電位差を有する主現像部と、該現像領域のうち、該端部に面した副現像領域へと該現像剤を搬送する、該像保持体とは、該第1の電位差とは異なる第2の電位差を有する副現像部とを有する現像ロールと、
    前記現像ロールに隣り合い該現像ロールの回転軸に沿って延びた、内部に前記現像剤を収容して該現像剤を該現像ロールに供給する、収容した現像剤を撹拌しつつ、前記主現像部側から前記副現像部側へと向かう第1方向に搬送する第1収容部と、
    前記第1収容部に隣接し該第1収容部に並んで延びた、両端に、該第1収容部との間で現像剤が移動する移動口が設けられた、内部に前記現像剤を収容している、前記トナー補給部からトナーが補給されて該現像剤と該トナーを撹拌して混合しつつ前記第1方向とは逆の第2方向に搬送する第2収容部とを備えたものであり、
    前記像保持体の少なくとも前記端部の表面からトナーを取り除いて回収する清掃器と、
    前記清掃器によって回収されたトナーを前記現像器の前記第2収容部に、該現像器におけるトナーの消費が多いほど多量に供給する回収トナー供給部とを備えたものであることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記副現像部が、前記像保持体との間に前記第2の電位差として、前記主現像部と該像保持体との間の電界の向きと同じ向きの電界を生じさせる電位差であって、前記第1の電位差よりも大きい電位差を有するものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記潜像形成部によって前記像保持体上に形成される潜像の像密度を知得する像密度知得部を備え、
    前記回収トナー供給部が、前記像密度知得部で知得された像密度が高いほど多量にトナーを供給するものであることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 前記回収トナー供給部が、前記現像器におけるトナーの現在の消費が多いほど多量に、かつ、以前の消費が少ないほど多量に、トナーを供給するものであることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載の画像形成装置。
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