JP2011008024A - 画像形成装置 - Google Patents

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JP2011008024A JP2009151383A JP2009151383A JP2011008024A JP 2011008024 A JP2011008024 A JP 2011008024A JP 2009151383 A JP2009151383 A JP 2009151383A JP 2009151383 A JP2009151383 A JP 2009151383A JP 2011008024 A JP2011008024 A JP 2011008024A
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正博 内田
Manabu Furuki
学 古木
Masafumi Ikeda
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Abstract

【課題】 現像剤中の低帯電トナーや逆極トナーの発生が抑制される画像形成装置を提供する。
【解決手段】 像保持体と並んだ、表面電位が像保持体の表面電位とは独立な独立部材;像保持体および独立部材の双方に隣り合った、現像剤を像保持体に面した現像領域および独立部材に面した対向領域へと搬送する現像ロールと、現像ロールに隣り合い、現像剤を第1方向に搬送する第1収容部と、第1収容部に隣接し、両端に、第1収容部との間で現像剤が移動する、現像剤を第1方向とは逆の第2方向に搬送する第2収容部と、第2収容部にトナーを供給するトナー供給部と、トナー供給部が第2収容部へトナーを供給する供給位置の変更を指示されて、供給位置を第2方向に沿う方向に変更する供給位置変更機構とを有する現像装置;および第2収容部へのトナーの供給量に応じた位置への供給位置の変更を供給位置変更機構に指示する変更指示部;を備えた。
【選択図】 図2

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
画像形成装置に組み込まれる現像装置には、収容槽内を現像ロールに隣接した第1収容室と、この第1収容室に隣接した第2収容室とに仕切って、これら第1収容室および第2収容室の相互間で現像剤を撹拌しながら移動させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−204105号公報 (第5図)
本発明は、現像剤中の低帯電トナーや逆極トナーの発生が抑制される画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る画像形成装置は、
表面に像が形成されてこの像を保持する像保持体;
上記像保持体の表面に静電的な潜像を形成する潜像形成部;
トナーを内部に収容したトナー収容部;
上記潜像形成部によって潜像が形成される面の広がる方向に上記像保持体と並んだ、この表面の電位がこの像保持体の表面電位とは独立な独立部材;
上記像保持体表面に形成された潜像に帯電トナーを付着させてトナー像を形成する、この帯電トナーを含んだ現像剤を内部に収容したものであって、
上記像保持体および上記独立部材の双方に隣り合った、この像保持体およびこの独立部材とは電位差を有する、表面に上記現像剤を保持して回転することでこの現像剤を、この像保持体に面した現像領域およびこの独立部材に面した対向領域へと搬送する現像ロールと、この現像ロールに隣り合いこの現像ロールの回転軸に沿って延びた、内部に上記現像剤を収容してこの現像剤をこの現像ロールに供給する、収容した現像剤を攪拌しつつこの回転軸に沿って、上記独立部材から遠い方からこの独立部材に近づく方へと向かう第1方向に搬送する第1収容部と、この第1収容部に隣接しこの第1収容部に並んで延びた、両端に、この第1収容部との間で現像剤が移動する移動口が設けられた、内部に上記現像剤を収容しトナーが供給されてこの現像剤とこのトナーを攪拌して混合しつつ上記第1方向とは逆の第2方向に搬送する第2収容部と、上記トナー収容部からこの第2収容部にこのトナーを供給するトナー供給部と、このトナー供給部がこの第2収容部へトナーを供給する供給位置の変更を指示されて、この供給位置をこの第2方向に沿う方向に変更する供給位置変更機構とを有する現像装置;および
上記第2収容部への上記トナーの供給量に応じた位置への上記供給位置の変更を上記供給位置変更機構に指示する変更指示部;
を備えたことを特徴とする。
請求項2に係る画像形成装置は、
上記独立部材に電位を付与することで、この独立部材と上記現像ロールとの間に、この現像ロールと上記像担持体との間の電位差よりも大きい電位差と、この現像ロールとこの像担持体との間の電界の向きと同じ向きの電界とを生じさせる第1電位付与部を備えたことを特徴とする。
請求項3に係る画像形成装置は、
上記独立部材に電位を付与することで、この独立部材と上記現像ロールとの間に、この現像ロールと上記像担持体との間の電界の向きとは逆向きの電界を生じさせる第2電位付与部を備えたことを特徴とする。
請求項4に係る画像形成装置は、
上記独立部材に第1の電位を付与することで、この独立部材と上記現像ロールとの間に、この現像ロールと上記像担持体との間の電位差よりも大きい電位差と、この現像ロールとこの像担持体との間の電界の向きと同じ向きの電界とを生じさせる第1電位付与部と、この独立部材に第2の電位を付与することで、この独立部材とこの現像ロールとの間に、この現像ロールとこの像担持体との間の電界の向きとは逆向きの電界を生じさせる第2電位付与部とを兼ねた、上記第1の電位と上記第2の電位との切換が自在な電位付与部を備えたことを特徴とする。
請求項5に係る画像形成装置は、
上記独立部材が、ロール状の外形を有し、回転しながら周面に、上記対向領域に搬送されてきた現像剤から上記帯電トナーを吸着するものであることを特徴とする。
請求項6に係る画像形成装置は、
上記変更指示部は、上記潜像形成部によって形成される潜像の像密度に応じて、この像密度が高いほど上記第2方向における上流側への上記供給位置の変更を指示するものであることを特徴とする。
請求項7に係る画像形成装置は、
上記変更指示部は、上記トナー供給部から上記第2収容部への上記トナーの供給の頻度に応じて、この頻度が高いほど上記第2方向における上流側への上記供給位置の変更を上記供給位置変更機構に指示するものであることを特徴とする。
請求項8に係る画像形成装置は、
上記変更指示部は、予め決められた時間当たりの、上記トナー供給部が上記トナーを供給する供給時間に応じて、この供給時間が長いほど上記第2方向における上流側への上記供給位置の変更を上記供給位置変更機構に指示するものであることを特徴とする。
請求項9に係る画像形成装置は、
上記トナー供給部が、上記第2収容部中の、上記第2方向に沿った複数の箇所それぞれに達する複数の供給路を有し、この複数の供給路それぞれでこの複数の箇所それぞれにこのトナーを供給するものであり、
上記供給位置変更機構が、上記複数の供給路それぞれを開閉する複数の開閉器を有し、指示に応じた開閉器を開閉するものであり、
上記変更指示部が、上記供給位置の変更の指示として、上記供給位置変更機構に、上記複数の開閉器のうち、上記第2収容部への上記トナーの供給量に応じた開閉器を指示するものであることを特徴とする。
請求項10に係る画像形成装置は、
上記トナー供給部が、上記第2収容部中の、上記第2方向に沿った複数の箇所それぞれに達する複数の供給路と、この複数の供給路それぞれの内部に設けられて上記トナーをこの供給路に沿ってこの複数の箇所それぞれに搬送する複数の搬送機構とを有するものであり、
上記供給位置変更機構が、上記複数の搬送機構のうち指示に応じた搬送機構を駆動するものであり、
上記変更指示部が、上記供給位置の変更の指示として、上記供給位置変更機構に、この複数の搬送機構のうち、上記第2収容部への上記トナーの供給量に応じた搬送機構を指示するものであることを特徴とする。
請求項1に係る画像形成装置によれば、現像剤中の低帯電トナーや逆極トナーの発生を抑制できる。
請求項2に係る画像形成装置によれば、現像剤中の低帯電トナーや逆極トナーの発生原因である過帯電トナーを減らすことができる。
請求項3に係る画像形成装置によれば、現像剤中に発生した逆極トナーを減らすことができる。
請求項4に係る画像形成装置によれば、現像剤中の過帯電トナーと逆極トナーとを選択的に減らすことができる。
請求項5に係る画像形成装置によれば、本構成を有しない場合と比べて、独立部材による劣化トナーの吸着を安定的に行うことができる。
請求項6、請求項7、および請求項8に係る画像形成装置によれば、現像剤中の低帯電トナーや逆極トナーの発生をより確実に抑制できる。
請求項9、10に係る画像形成装置によれば、変更指示部による新たなトナーの供給位置の変更を簡易な構成で実現できる。
プリンタの概略構成図である。 図1に示す現像器のレーザー露光器側からの透視図である。 図2に示す現像器の断面図である。 トナー供給装置の詳細を示す図である。 吸着ロールへの電圧印加の様子を示す図である。 第2実施形態のプリンタに備えられているトナー供給装置の詳細を示す図である。 第2実施形態のプリンタの現像器の上方からの透視図である。 第3施形態のプリンタに備えられているトナー供給装置の詳細を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、プリンタの概略構成図である。
図1に示すプリンタ1は、感光体10と、この感光体10の表面に電荷を付与する帯電器11と、外部から送信されてきた画像データに基づいたレーザー光を生成するレーザー露光器12と、トナーを含む現像剤を収容する現像器13と、記録用紙を収容する用紙カセット16と、用紙カセット16から記録用紙を引き出して搬送する用紙搬送装置17と、トナー像を、矢印B方向に搬送されてきた記録用紙上に転写する転写ロール14と、記録用紙上のトナー像を加熱および加圧することでその記録用紙上にトナー像を定着させる定着器15と、これら各部の動作を制御する中央制御部100と、感光体ロール10の表面をクリーニングするクリーニング装置50とを有している。現像器13は、感光体10に対向して回転しながら、現像剤を感光体10との間の領域に搬送する現像ロール133を有している。感光体ロール10の、トナー像の転写を終えた部分に付着した付着物は、矢印Aの向きの回転おける転写ロール14よりも下流側で帯電器11よりも上流側、かつ感光体10の回転中心に沿った全幅にわたって先端が接触したクリーニングブレード51の掻き取りにより除去される。除去された付着物は付着物収容箱52に収容される。尚、現像器13に収容されている現像剤には、トナーの他に、このトナーとの摩擦によりトナーを摩擦帯電させる電荷付与粒子であり磁性粒子でもある磁性キャリアと、トナーの帯電性を制御する帯電制御剤等の外添剤が含まれている。
このプリンタ1は、本発明の画像形成装置の第1実施形態である。また、感光体10が、本発明にいう像保持体の一例であり、帯電器11とレーザー露光器12との組合せが、本発明にいう潜像形成部の一例である。
ここで、このプリンタ1における画像形成の動作の流れを簡単に説明する。
図1に示すプリンタ1では、矢印A方向に回転する感光体10の表面に、帯電器11により電荷が付与され、電荷が付与された感光体10の表面に、外部から送信されてきた画像データに基づいたレーザー光がレーザー露光器12により照射されることで感光体10の表面には静電的な潜像が形成される。メカニズムについては後述するが、現像器13に収容されている現像剤は現像ロール133の表面に供給され、現像ロール133と感光体10との間の領域に運ばれ、運ばれた現像剤中のトナーが潜像上に付着することにより、感光体10の表面の静電的な潜像は現像される。この現像により得られたトナー像が、矢印B方向に搬送されてきた記録用紙上に転写ロール14により転写され、トナー像を加熱および加圧する定着器15により記録用紙上のトナー像が溶融されて記録用紙上に定着される。尚、このプリンタ1は、モノクロ画像専用機であるが、本発明は、カラー画像機に適用されてもよい。
本実施形態のプリンタ1では、定着器15での発熱を抑えるため、低温での定着が可能な低温定着トナーが採用されている。この低温定着トナーの詳細については後述する。また、本実施形態のプリンタ1には、現像器13に新たなトナーを供給するトナー供給装置2が備えられているが、これについての詳細は後述する。
図2は、図1に示す現像器のレーザー露光器側からの透視図である。
図2には、現像ロール133と、現像剤を収容する現像剤収容槽132と、現像剤収容槽132の内部で現像剤を撹拌搬送する撹拌搬送部材131とを備えた現像器13が示されている。
現像剤収容槽132は、内部が、現像ロール133に並行して延びた壁1321によって、現像ロール133と隣り合った第1収容室132aとこの第1収容室132aと隣り合った第2収容室132bとに分けられている。
これら第1収容室132aおよび第2収容室132bそれぞれには、撹拌搬送部材131が1つずつ配備されており、これら撹拌搬送部材131は、具体的には、螺旋状のフィンが棒の周囲に備えられた構造を有している。第1収容室132aおよび第2収容室132bそれぞれに配備された撹拌搬送部材131が互いに逆向きに回転することで、現像剤収容槽132に収容されている現像剤は撹拌されながら壁1321の周囲を反時計回りに循環する。現像剤収容槽132の内部では、撹拌搬送部材131によってトナーと磁性キャリアとが撹拌されることでトナーがマイナス帯電し、磁性キャリアはプラス帯電する。このため、マイナス帯電したトナーは磁性キャリアに静電的に付着する。これにより、現像剤収容槽132の内部では、トナーと磁性キャリアが渾然一体となっている。
また、図2には、感光体10と同軸に設けられた吸着ロール40と、現像ロール133と同軸に設けられた搬送ロール134とが配備されている様子が示されている。
搬送ロール134は、現像ロール133とは外観上別体となっている。但し、ここに示す例では、搬送ロール134は、現像ロール133と同径、同材料、および同構造のものであり、搬送ロール134に付与される電位も現像ロール133と同じである。
吸着ロール40は、感光体10と同径であるものの、材料は感光体10とは異なるアルミの円筒状の部材であり、印加される電圧も感光体10とは異なっている。
このプリンタ1では、現像ロール133と、この現像ロール133と対向する感光体10との間で画像形成が行われるものの、吸着ロール40と、この吸着ロール40と対向する搬送ロール134との間では、画像形成ではなく、搬送ロール134が表面に保持する現像剤中の劣化トナーの吸着ロール40による吸着が行われる。尚、吸着ロール40に対しては露光は行われず、また、用紙も搬送されてこない。これら現像ロール133および搬送ロール134が本発明にいう現像ロールの一例であり、この吸着ロール40が本発明にいう独立部材の一例である。以下、劣化トナーの吸着メカニズムについて説明する。
図3は、図2に示す現像器の断面図である。
図3のパート(a)には、図2に示す現像器等のA−A断面を矢印方向に見た状態が示されており、図3のパート(b)には、図2に示す現像器等のB−B断面を矢印方向に見た状態が示されている。
図3のパート(a)に示される現像ロール133は、矢印C方向に回転する円筒部材1331と、この円筒部材1331の内部に、この円筒部材1331とは独立に固定された永久磁石ロール1332とを有している。この永久磁石ロール1332は、円筒部材1331の周回方向に複数の磁極が配列されたもので、現像剤の吸着および解放を規定する磁力分布を有している。
円筒部材1331の周面は、一部が現像剤収容槽内に存在し、他の一部は現像剤収容槽外に存在している。したがって、円筒部材1331が回転すると、円筒部材1331の周面は現像剤収容槽内を通過する。そして、円筒部材1331の内部に備えられた永久磁石ロール1332の磁力分布により、現像剤収容槽内を通過中の周面に現像剤が供給される。円筒部材1331は、この供給された現像剤を、感光体10との間に形成された現像領域1301aへ搬送する。
図3のパート(a)に示される感光体10は、帯電器11により表面全体が−720Vに一旦帯電され、その後、レーザー露光器12による露光によって、静電的な潜像が形成された部分の電位は、露光の強度に応じて約−200Vから−400Vまでの値となる。一方、現像器13の現像ロール133は電位が−600Vとなるように電圧が印加される。現像ロール133に保持された磁性キャリアに電気的に付着したトナーは、感光体10と現像ロール133との間に形成された現像領域1301aに搬送される。この搬送されたトナーは、現像剤収容槽132内でマイナス極性に帯電されていることから、感光体10の静電的な潜像部分から現像ロール133へ向かう向きの電界(電位差は200V〜400V)により、磁性キャリアとの間の静電引力に打ち勝って静電的な潜像側に付着し、感光体10にはトナー像が形成される。このとき磁性キャリアは、現像ロール133の円筒部材1331の表面に磁力により吸着された状態で現像ロール133上に残り、現像剤収容槽132へと回収される。この第1領域1301aが、本発明にいう現像領域の一例に相当する。
ここで、プリンタ1では、画像密度の低い画像形成が長く続き、新たなトナーの供給があまり行われない状況においては、既存のトナーと磁性キャリアとの度重なる攪拌により、トナー表面の外添剤がトナー表面に対して埋没あるいは離脱する傾向があるため、現像器内部のトナーの帯電性能の劣化が早まる。このような劣化を放置すると、本来であれば狭いトナーの帯電量分布が広くなってしまう。特に、上述した低温定着トナーの場合にはその劣化が顕著である。このような帯電量分布が生じた後に例えば高画像密度の画像形成が行われると、大量のトナーを必要とするために新たなトナーが大量に現像剤収容槽132の第2収容室132bに供給される。この場合、現像剤収容槽132に収容されている劣化したトナーのうちの過帯電側のトナーが有する電荷は、新たに供給されてきたトナーに急速に奪い取られ、現像剤収容槽132には、新たに供給されてきたトナーに電荷を奪われた上に、劣化のために磁性キャリアとの摩擦によっても帯電量の上昇が鈍い低帯電トナーと、電荷を奪われたことで逆極化した逆極トナーと、帯電が充分な新たなトナーとが混在した状態が生じる。この混在した現像剤が現像ロール133上に保持されて現像に用いられると、帯電量が不足しているために磁性キャリアとの静電的な結びつきが弱い低帯電トナーは、磁性キャリアから離れても潜像に付着せずクラウドが発生し、また、逆極性に転じた逆極トナーは、感光体10の表面に形成された潜像以外の部分である背景領域に付着してカブリが発生する。
そこで、本実施形態のプリンタ1では、これら問題の発生を抑える対策の1つとして、現像剤収容槽132への新たなトナーの供給量に応じて、現像剤収容槽132におけるトナーと磁性キャリアとの摩擦機会を調節することでトナーの帯電性能の劣化を抑制している。具体的には、以下に説明するように、現像剤収容槽132の第2収容室132bへの新たなトナーの供給位置がトナー供給装置2により可変となっている。
まず、トナー供給位置の構造について説明する。尚、図3のパート(b)の説明は後に譲る。
図4は、トナー供給装置の詳細を示す図である。
図4に示されるトナー供給装置2は、トナーが収容されているトナーカートリッジ21、トナーカートリッジ21が着脱される垂直主供給管22、端部が垂直主供給管22に繋がった、現像剤収容槽132の壁1321に沿って延びた水平主供給管23、水平主供給管23の各箇所から第2収容室132bの各所にそれぞれ延びた、図4における左側から順に第1副供給管24と第2副供給管25と第3副供給管26と第4副供給管27、および、このトナー供給装置2の全体を制御する制御部20を有している。
垂直主供給管22には、トナーカートリッジ21に収容されているトナーを、水平主供給管23に送る、螺旋状のフィンが棒の周囲に備えられた構造を有する第1主搬送部材221が内蔵されていると共に、この第1主搬送部材221を回転させる第1主モータ222が取り付けられている。また、第1主モータ222の回転軸にはウオームギア2221が取り付けられており、第1主搬送部材221の棒端に備えられたギア2211と噛み合っている。また、第1主モータ222は、制御部20によって駆動が制御されている。このため、第1主モータ222が制御部20からの回転指示によって回転すると、第1主搬送部材221も回転し、トナーカートリッジ21に収容されているトナーは水平主供給管23に供給される。
水平主供給管23にも、螺旋状のフィンが棒の周囲に備えられた構造の第2主搬送部材231が内蔵されていると共に、この第2主搬送部材231を回転させる第2主モータ232が取り付けられている。また、第2主モータ232の回転軸と第2主搬送部材231の棒端は連結されている。このため、第1主モータ222と同様に制御部20によって駆動が制御されている第2主モータ232が制御部20からの回転指示によって回転すると、第2主搬送部材231も回転し、トナーカートリッジ21から垂直主供給管22を通じて供給されたトナーは水平主供給管23の内部を搬送される。
第1副供給管24、第2副供給管25、第3副供給管26、および第4副供給管27は、図4に示されるように水平主供給管23の4箇所から第2収容室132bにおける現像剤の搬送方向における上流側から下流側にかけての4箇所にそれぞれ延びている。以下では、これら第1副供給管24、第2副供給管25、第3副供給管26、および第4副供給管27が配置された範囲を供給可能範囲Rと称す。供給可能範囲Rのうち、第1副供給管24が配置された位置は、第2収容室132b内の現像剤の搬送方向における最上流の位置P1であり、第4副供給管27が配置された位置は最下流の位置P2である。
これら第1副供給管24、第2副供給管25、第3副供給管26、および第4副供給管27それぞれには、内部に、弁体2411を有する第1電磁弁241、弁体2511を有する第2電磁弁251、弁体2611を有する第3電磁弁261、および、弁体2711を有する第4電磁弁271がそれぞれ備えられている。これら電磁弁241、251、261、271は、トナー供給装置2の制御部20によって動作が制御されており、制御部20から送信される指示に従って弁体2411、2511、2611、2711を駆動させて第1副供給管24、第2副供給管25、第3副供給管26、および第4副供給管27それぞれを開放状態又は閉鎖状態にする。尚、図4には、第2副供給管25の第2電磁弁251の弁体2511が第2副供給管25の内部から退避することで第2副供給管25が開放状態にされ、他の電磁弁241、261、271の弁体2411、2611、2711が各副供給管の内部に進出することで第1副供給管24、第3副供給管26、および第4副供給管27が閉鎖状態にされている様子が示されている。尚、トナーカートリッジ21、垂直主供給管22、水平主供給管23、および副供給管24〜27が本発明にいうトナー供給部の一例に相当し、副供給管24〜27が本発明にいう供給路の一例に相当する。また、制御部20が、本発明にいう変更指示部の一例に相当する。また、電磁弁241,251,261,271のそれぞれが本発明にいう開閉器の一例に相当し、電磁弁241,251,261,271の組合せが、本発明にいう供給位置変更機構の一例に相当する。また、現像器13とトナー供給装置2とを併せたもののうちトナーカートリッジ21および制御部20を除いた部分が、本発明の現像装置の第1実施形態である。
このプリンタ1では、現像剤収容槽内でのトナー濃度を一定に保つように中央制御部100によって現像剤収容槽132の第2収容室132bへの新たなトナーの供給が制御されており、図1に示される中央制御部100からトナー供給装置2の制御部20に対して、トナー供給開始指示とトナー供給停止指示との2種類の指示信号が送信される。
制御部20では、中央制御部100からトナー供給開始指示を受けると、第1主モータ222および第2主モータ232を回転させて第1主搬送部材221および第2主搬送部材231を駆動させ、中央制御部100からトナー供給停止指示を受けると、第1主モータ222および第2主モータ232を停止させて第1主搬送部材221および第2主搬送部材231を停止させる。中央制御部100は、トナー供給開始指示を出してから一定時間後に必ずトナー供給停止指示を出す。つまり、1回の供給時間および供給量は常に一定である。また、中央制御部100は、プリンタ1において高密度な画像形成が連続する場合には低密度な画像形成が連続する場合と比べて、直前のトナー供給停止指示から次のトナー供給開始指示までの時間間隔を狭めてトナーの供給頻度を高める。
制御部20では、中央制御部100からの先のトナー供給停止指示から、その後のトナー供給開始指示までの時間間隔を逐次計測しており、計測された時間間隔は、直近の計測分から遡った5回分が不図示のメモリに保持される。
また、制御部20では、中央制御部100からのトナー供給開始指示を受ける毎に、メモリに保持している5回分の時間間隔の平均値を算出する。さらに、制御部20では、3つの境界値で区切られた4つの数値範囲(A、B、C、D)のうちのいずれの範囲にその平均値が属するかを判定する。
5つの時間間隔の平均値が、これら4つの数値範囲A、B、C、Dのうちの最も数値が小さい方の数値範囲Aに属すると判定された場合には、トナーの供給頻度が高く、密度の高い画像形成が行われていることになる。従って、トナーの消費量が多いので、現像剤収容槽132に供給された新たなトナーは、現像剤収容槽132内での撹拌と搬送をあまり経ずに画像形成に用いられると考えられる。したがって、この様な場合には、磁性キャリアとの摩擦機会が多すぎてトナーが劣化する心配は無い。このため、新たなトナーは、現像剤収容槽132の第2収容室132bを搬送される現像剤の搬送方向における供給可能範囲Rのうちの最上流位置P1に供給される。この様な供給は、制御部20が、第1副供給管24のみを開放状態にし、その他の副供給管を閉鎖状態にすることで実現され、この様に最上流位置P1にトナーが供給されることで、摩擦機会が少なすぎることによる帯電量不足が回避される。
一方、5つの時間間隔の平均値が、上記の4つの数値範囲のうちの最も数値が大きい方の数値範囲Dに属すると判定された場合には、トナーの供給頻度が低く、密度の低い画像形成が行われていることになる。従って、トナーの消費量が少ないので、現像剤収容槽132に新たなトナーが供給されてから画像形成に用いられるまでに時間を要すると考えられる。したがって、この様な場合には、磁性キャリアとの摩擦機会が多すぎることによるトナーの劣化を回避するため、新たなトナーは、現像剤収容槽132の第2収容室132bを搬送される現像剤の搬送方向における供給可能範囲Rの最下流位置P2に供給される。この様な供給は、制御部20が第4副供給管27のみを開放状態にし、その他の副供給管を閉鎖状態にすることで実現され、この様に最下流位置P2にトナーが供給されても供給から使用までに時間を要するので摩擦機会が少なすぎることによる帯電量不足は回避される。
また、5つの時間間隔の平均値が、上記の4つの数値範囲のうちの数値範囲Bに属すると判定された場合には、制御部20は第2副供給管25のみを開放し、5つの時間間隔の平均値が、上記の4つの数値範囲のうちの数値範囲Cに属すると判定された場合には、制御部20は第3副供給管26のみを開放する。この様な副供給管の開放態様によりトナーの供給頻度に応じた供給位置への供給が実現する。
中央制御部100からのトナー供給停止指示からその後のトナー供給開始指示までの時間間隔の、直近から遡った5回分の時間間隔の平均値が大きい、すなわち低密度の画像形成が行われている場合には、トナーの消費量が少なく画像形成に用いられるまでには時間の猶予があるために充分な帯電量を得ることができる反面、長期間の磁性キャリアとの摩擦によりトナーの帯電性能が劣化するおそれがあるので、このプリンタ1では、直近から遡った5回分の時間間隔の平均値が大きい場合には、現像剤収容槽132の第2収容室132bにおける現像剤の搬送方向における供給可能範囲Rの下流側に新たなトナーを供給することで、上流側に供給した場合に比べて磁性キャリアとの摩擦機会がその距離分だけ抑制され、これにより、トナーの劣化が抑制される。
一方、直近から遡った5回分の時間間隔の平均値が小さい、すなわち高密度の画像形成が行われている場合にはトナーの消費量は多く、画像形成に用いられるまでには時間がかからないために磁性キャリアとの摩擦によるトナーの帯電性能の劣化は少ない反面、画像形成に用いられるまでには時間の猶予がないために、新たなトナーが現像剤収容槽132の第2収容室132bにおける供給可能範囲Rの下流側に供給されると、磁性キャリアとの摩擦機会が足りずに画像形成に用いられるまでに充分な帯電量を確保できないおそれが出てくる。そこで、本実施形態のプリンタ1では、直近から遡った5回分の時間間隔の平均値が小さい場合には、第2収容室132bでの現像剤の搬送方向における供給可能範囲Rの上流側に新たなトナーを供給し、下流側に供給した場合に比べて磁性キャリアとの摩擦機会をその距離分だけ確保することで帯電量が確保される。つまり、このプリンタ1では、トナーに必要な帯電量を確保しながら、トナーと磁性キャリアとの徒な摩擦によるトナーの劣化を防止して帯電量分布の拡大を防止する。これにより、画質に悪影響を及ぼすことなく低帯電トナーや逆極トナーの発生原因となる過帯電トナーの発生が抑制される。
次に、劣化トナーである低帯電トナーや逆極トナーにより引き起こされるクラウドやカブリの発生を抑えるもう1つの対策として、本実施形態のプリンタ1では、これら低帯電トナーや逆極トナーが生じる原因となる劣化トナーを現像剤から除去している。
具体的には、本実施形態のプリンタ1では、搬送ロール134と対向する独立部材40で過帯電トナーを以下に説明するようにして吸着しクリーニング装置50で回収することにより、現像剤収容槽132から過帯電トナーを除去している。
これは、低密度な画像形成が連続し磁性キャリアとの摩擦によりトナーが劣化してくると劣化前は狭い範囲に収まっているトナーの帯電量分布が次第に広い範囲に拡がり、この様な状況で未帯電の新たなトナーが供給されると、広範囲に拡がった帯電量分布のうちの過帯電側のトナーの電荷が新たなトナーに急速に奪われて、低帯電トナーや逆極トナーが発生するからである。このプリンタ1では、現像剤収容槽132の内部を撹拌搬送される現像剤の流れにおける、新たなトナーが供給される供給可能範囲Rのうちの最上流の位置P1の手前で、劣化トナーのうち過帯電側のトナーの除去が行える。これにより、新たなトナーへの急激な電荷の移動が妨げられ、これら低帯電トナーや逆極トナーが発生が抑えられる。また、このプリンタ1では、現像剤収容槽132の内部を撹拌搬送される現像剤の流れにおける、新たなトナーが供給される供給可能範囲Rのうちの最上流の位置P1の手前で、劣化トナーのうち既に発生してしまっている逆極トナーの除去も行える。ここで、図3のパート(b)に戻って説明を続ける。
図3のパート(b)には、現像剤収容槽132と、搬送ロール134とが示されており、この搬送ロール134は、現像ロール133と同じく、回転する円筒部材1331と、内部の永久磁石ロール1332とを備えている。搬送ロール134の、回転する円筒部材1331は、内部の永久磁石ロール1332の磁力分布により、現像剤収容槽内を通過中に現像剤が供給され、この供給された現像剤を、吸着ロール40との間に形成された第2領域1302aへ搬送する。この第2領域1302aが、本発明にいう対向領域の一例に相当する。
図5は、吸着ロールへの電圧印加の様子を示す図である。
図5には、吸着ロール40に−100Vの電位を付与するための電圧を印加する第1電源31、吸着ロール40に−800Vの電位を付与するための電圧を印加する第2電源32、および、第1電源31と第2電源32のいずれか一方と吸着ロール40を切替自在に接続するスイッチ30が示されている。
ここで、図5に示されるように、吸着ロール40に第1電源31が接続され、吸着ロール40に−100Vの電位が付与されている場合、感光体10の静電的な潜像(−200V〜−400V)と現像ロール133(−600V)との間の電界(電位差は200V〜400V)よりも、これら吸着ロール(−100V)と搬送ロール134(−600V)との間の電界(電位差は500V)の方が強く、搬送ロール134の表面に保持された現像剤中の過帯電トナーは、磁性キャリアとの間の静電引力に打ち勝って吸着ロール40に飛翔し、転写器14が無いために転写は行われないままクリーニング装置50のクリーニング部材51によって感光体10から除去されて残留物収容箱52に収容される。
一方、吸着ロール40に第2電源32が接続され、吸着ロール40に−800Vの電位が付与されている場合、感光体10の静電的な潜像(−200V〜−400V)と現像ロール133(−600V)との間の電界(電位差は200V〜400V)と比べ、これら吸着ロール(−800V)と搬送ロール134(−600V)との間の電界は逆向きとなり、搬送ロール134の表面に保持された現像剤中の逆極トナーは、吸着ロール40に飛翔し、転写器14が無いために転写は行われないままクリーニング装置50のクリーニング部材51によって吸着ロール40から除去されて残留物収容箱52に収容される。
この様に、このプリンタ1では、吸着ロール40に付与する電位を切り替えることで、現像剤から劣化トナーである過帯電トナーおよび逆極トナーが除去される。
本実施形態のプリンタ1では、吸着ロール40に付与する電位を切り替えることで、現像剤収容槽132の第2収容室132bにおける最上流の位置P1の手前で劣化トナーである過帯電トナーおよび逆極トナーが現像剤から除去される。この様に、劣化トナーのうちの過帯電トナーが除去されることで、低帯電トナーや逆極トナーの発生が抑制される。また、この過帯電トナーの除去が、現像剤収容槽132の第1収容室132aにおける現像剤の搬送方向の最下流という、新たなトナーが供給される位置の直前で行われているので、低帯電トナーや逆極トナーの発生が効果的に抑制される。また、発生してしまった逆極トナーも除去される。
以上説明したように、このプリンタ1では、新たなトナーの供給位置の制御と劣化トナーの除去との相乗効果によって、低帯電トナーや逆極トナーの発生が抑制されている。また、本実施形態のように劣化し易い低温定着トナーが採用された場合であっても、低帯電トナーや逆極トナーの発生は十分に抑制される。第1電源31が本発明にいう第1電位付与部の一例に相当し、第2電源32が本発明にいう第2電位付与部の一例に相当する。また、スイッチ30が、本発明にいう電位付与部の一例に相当する。
次に、本発明の画像形成装置の第2実施形態について説明する。
第1実施形態のプリンタ1と第2実施形態のプリンタとの間の相違点は、第1実施形態のプリンタ1では、現像ロール133と搬送ロール134が構造的にも電気的にも同じではあるものの別体で設けられているのに対し、第2実施形態のプリンタでは一体とされている点と、トナー供給装置の構造とにある。以下、この相違点について説明する。
図6は、第2実施形態のプリンタに備えられているトナー供給装置の詳細を示す図である。
図6には、第1実施形態のプリンタ1に備えられているトナー供給装置2に対応する、第2実施形態のプリンタに備えられているトナー供給装置3の詳細が示されている。尚、図6に示される部材で、図4に示される部材と同じ種類の部材には、図4に付されている符号と同じ符号が付されている。
図6に示されるトナー供給装置3には、内部に第1主搬送部材221が備えられた垂直主供給管22および内部に第2主搬送部材が備えられた水平主供給管23と、水平主供給管23の各所から第2収容室132bの4箇所にそれぞれ延びる第1副供給管24、第2副供給管25、第3副供給管26、および第4副供給管27と、図1に示される中央制御部100から、トナー供給指示の他、図1に示される帯電器11における放電開始と放電停止のタイミング情報を受信する制御部30とが備えられている。
第1副供給管24には、トナーカートリッジ21に収容されているトナーを第2収容室132bに供給するための、螺旋状のフィンが棒の周囲に備えられた構造の第1副搬送部材341が内蔵されていると共に、この第1副搬送部材341を回転させる第1副モータ342が取り付けられている。また、第1副モータ342の回転軸にはウオームギア3421が取り付けられており、第1副搬送部材341の棒端に備えられたギア3411と噛み合っている。また、第1副モータ342は、制御部30によって駆動が制御されている。このため、第1副モータ342が制御部30からの回転指示によって回転すると、第1副搬送部材341も回転し、トナーカートリッジ21に収容されているトナーは第1副供給管24経由で第2収容室132bに供給される。
第2副供給管25、第3副供給管26、および第4副供給管27それぞれにも、内部に、第2副搬送部材351、第3副搬送部材361、および第4副搬送部材371がそれぞれ内蔵され、これら第2副供給管25、第3副供給管26、および第4副供給管27それぞれには、第2副モータ352、第3副モータ362、および第4副モータ372が取り付けられている。また、第2副搬送部材351、第3副搬送部材361、および第4副搬送部材371それぞれの棒端3511、3611、3711と、第2副モータ352、第3副モータ362、および第4副モータ372の回転軸にそれぞれ取り付けられているウオームギア3521、3621、3721とがそれぞれ噛み合っている。また、第2副モータ352、第3副モータ362、および第4副モータ372も制御部30によって駆動が制御されている。このため、これら第2副モータ352、第3副モータ362、および第4副モータ372が制御部30からの回転指示によって回転すると、第2副搬送部材351、第3副搬送部材361、および第4副搬送部材371もそれぞれ回転し、トナーカートリッジ21に収容されているトナーは、第2副供給管25、第3副供給管26、および第4副供給管27経由で第2収容室132bに供給される。ここで、副搬送部材341,351,361,341が、本発明にいう搬送機構の一例に相当する。
ここで、第2実施形態のプリンタでは、第1実施形態のプリンタ1とは異なり、中央制御部100からトナー供給装置3の制御部30に送信されるトナー供給開始指示からトナー供給停止指示までの時間間隔は一定ではなく、この時間間隔は、形成画像の画像密度に応じて変化する。
制御部30では、中央制御部100からのトナー供給開始指示からトナー供給停止指示までの時間間隔と、図1に示される帯電器11における放電開始から放電停止までの時間間隔とをそれぞれ計測し、それぞれ直近から遡って5回分を不図示のメモリにそれぞれ記録する。
この制御部30では、中央制御部100からのトナー供給開始指示を受信する毎に、トナー供給開始指示からトナー供給停止指示までの時間間隔の5回分、および、放電開始から放電停止までの時間間隔の5回分とをメモリから読み出すと共にそれぞれを合計する。次に、この制御部30では、トナー供給開始指示からトナー供給停止指示までの時間間隔の5回分の合計を放電開始から放電停止までの時間間隔の5回分の合計で除することにより、画像形成時における単位時間当たりのトナー供給時間を算出する。この様に、制御部30において、放電開始から放電停止までの時間間隔の計測を行っているのは、この時間間隔が、画像が形成されている実際の時間を表していると考えられるからである。算出された、単位時間当たりのトナー供給時間は、形成される画像の画像密度が上昇するほどトナーが必要となるために長くなり、形成される画像の画像密度が低下するほどトナーがそれほど必要とされないために短くなる。
さらに、この制御部30では、3つの境界値で区切られた4つの数値範囲(E、F、G、H)のうちのいずれの範囲に単位時間当たりの供給時間が属するかを判定する。
単位時間当たりのトナー供給時間が、これら4つの数値範囲のうちの最も数値が大きい方の数値範囲Eに属すると判定された場合には、単位時間当たりのトナーの供給時間が長く、密度の高い画像形成が行われていることになる。従って、トナーの消費量が多いため、現像剤収容槽132に供給された新たなトナーは、現像剤収容槽132内での撹拌と搬送をあまり経ずに画像形成に用いられると考えられる。したがって、この様な場合には、磁性キャリアとの摩擦機会が多すぎてトナーが劣化する心配は無い。このため、新たなトナーは、現像剤収容槽132の第2収容室132bを搬送される現像剤の搬送方向における最上流位置に供給される。この様な供給は、制御部30が、中央制御部100からのトナー供給開始指示を受けた後、第1主モータ222および第2主モータ232を回転させて第1主搬送部材221および第2主搬送部材231を駆動させると共に、第1副供給管24の第1副搬送部材341を駆動する第1副モータ342を回転させることで実現される。この様に最上流位置にトナーが供給されることで、摩擦機会が少なすぎることによる帯電量不足が回避されている。
一方、単位時間当たりのトナー供給時間が、上記の4つの数値範囲のうちの最も数値が小さい方の数値範囲Hに属すると判定された場合には、単位時間当たりのトナーの供給時間が短く、密度の低い画像形成が行われていることになる。従って、トナーの消費量が少ないので、現像剤収容槽132に新たなトナーが供給されてから画像形成に用いられるまでに時間を要すると考えられる。したがって、この様な場合には、磁性キャリアとの摩擦機会が多すぎることによるトナーの劣化を回避するため、新たなトナーは、現像剤収容槽132の第2収容室132bを搬送される現像剤の搬送方向における最下流位置に供給される。この様な供給は、制御部30が、第1主モータ222および第2主モータ232を回転させると共に、第4副供給管27の第4副搬送部材371を駆動する第4副モータ372を回転させることで実現される。この様に最下流位置にトナーが供給されても供給から使用までに時間を要するので摩擦機会が少なすぎることによる帯電量不足は回避されている。
また、単位時間当たりのトナー供給時間が、上記の4つの数値範囲のうちの数値範囲Fに属すると判定された場合には、制御部30は、第1主モータ222および第2主モータ232と、第2副供給管25の第2副搬送部材351を駆動する第2副モータ352とを回転させ、また、単位時間当たりのトナー供給時間が、上記の4つの数値範囲のうちの数値範囲Gに属すると判定された場合には、第1主モータ222および第2主モータ232と、第3副供給管26の第3副搬送部材361を駆動する第3副モータ362とを回転させる。この様なモータの駆動制御により、時間当たりのトナーの供給時間に応じた供給位置への供給が実現する。
以上に説明したように、第2実施形態のプリンタでは、単位時間当たりのトナー供給時間が短いほど、すなわち画像密度が低いほど、磁性キャリアとの過度の摩擦を回避するために、第2収容室132bでの現像剤の搬送方向における下流側にトナーが供給される。一方、単位時間当たりのトナー供給時間が長いほど、すなわち画像密度が高いほど、磁性キャリアとの摩擦機会の不足を解消するために、第2収容室132bでの現像剤の搬送方向における上流側にトナーが供給される。
図7は、第2実施形態のプリンタの現像器の上方からの透視図である。
図7には、第1実施形態のプリンタ1についての図2に対応する内容が示されている。
第2実施形態のプリンタでも、第1実施形態のプリンタにおける電源構成と同じ電源構成により吸着ロール40に付与する電位を切り替えることで、現像剤から過帯電トナーと逆極トナーとの2種類の劣化トナーが除去される。したがって、このプリンタでも、新たなトナーの供給位置の制御と劣化トナーの除去との相乗効果によって、低帯電トナーや逆極トナーの発生が抑制されている。
最後に、本発明の画像形成装置の第3実施形態について説明する。
第3実施形態のプリンタと第1実施形態のプリンタ1との相違点は、トナー供給装置の構造にあり、以下、この相違点について説明する。
図8は、第3施形態のプリンタに備えられているトナー供給装置の詳細を示す図である。
図8には、第1実施形態のプリンタ1に備えられているトナー供給装置2に対応する、第3施形態のプリンタに備えられているトナー供給装置4の詳細が示されている。尚、図8に示される部材で、図4に示される部材と同じ種類の部材には、図4に付されている符号と同じ符号が付されている。
図8に示されるトナー供給装置4には、トナーカートリッジ21が着脱される主供給管42と、この主供給管42から、第2収容室132bの各所にそれぞれ延びる第1副供給管43、第2副供給管44、第3副供給管45、および第4副供給管46と、図1に示される中央制御部100から、トナー供給指示の他、露光器12によって感光体10の表面に形成される潜像の像密度情報を受信する制御部40とが備えられている。
第1副供給管43、第2副供給管44、第3副供給管45、および第4副供給管46には、それぞれの内部に、螺旋状のフィンが棒の周囲に備えられた構造の第1副搬送部材431、第2副搬送部材441、第3副搬送部材451、および第4副搬送部材461が内蔵されている。また、これら第1副供給管43、第2副供給管44、第3副供給管45、および第4副供給管46には、それぞれ第1副モータ432、第2副モータ442、第3副モータ452、および第4副モータ462が取り付けられている。第1副搬送部材431の棒端4311と第1副モータ432の回転軸に取り付けられているウオームギア4321が噛み合っている他、第2副搬送部材441、第3副搬送部材451、および第4副搬送部材461それぞれの棒端と、第2副モータ442、第3副モータ452、および第4副モータ462の回転軸がそれぞれ連結されている。ここで、副搬送部材431,441,451,461が、本発明にいう搬送機構の一例に相当する。
トナー供給装置4の制御部40では、中央制御部100から受信した、直近から遡った5画像分の像密度を不図示のメモリに記録する。また、この制御部40では、中央制御部100からのトナー供給開始指示を受けると、これら5画像分の像密度の平均値を算出し、その平均像密度が、3つの境界値で区切られた4つの数値範囲(I、J、K、L)のうちのいずれの範囲に属するかを判定する。
平均像密度が、これら4つの数値範囲のうちの最も数値の大きい方の数値範囲Iに属すると判定された場合には、密度の高い画像形成が行われていることになる。従って、トナーの消費量が多いので、現像剤収容槽132に供給された新たなトナーは、現像剤収容槽132内での撹拌と搬送をあまり経ずに画像形成に用いられると考えられる。したがって、この様な場合には、磁性キャリアとの摩擦機会が多すぎてトナーが劣化する心配は無い。このため、新たなトナーは、現像剤収容槽132の第2収容室132bを搬送される現像剤の搬送方向における最上流位置に供給される。この様な供給は、制御部40が、中央制御部100からのトナー供給開始指示を受けた後、第1副供給管43の第1副搬送部材431を駆動するために第1副モータ432を回転させることで実現される。この様に最上流位置にトナーが供給されることで、摩擦機会が少なすぎることによる帯電量不足が回避されている。
一方、平均像密度が、上記の4つの数値範囲のうちの最も数値が小さい方の数値範囲Lに属すると判定された場合には、密度の低い画像形成が行われることになる。従って、トナーの消費量が少ないので、現像剤収容槽132に新たなトナーが供給されてから画像形成に用いられるまでに時間を要すると考えられる。したがって、この様な場合には、磁性キャリアとの摩擦機会が多すぎることによるトナーの劣化を回避するため、新たなトナーは、現像剤収容槽132の第2収容室132bを搬送される現像剤の搬送方向における最下流位置に供給される。この様な供給は、制御部40が、第4副供給管46の第4副搬送部材461を駆動させるために第4副モータ462を回転させることで実現される。この様に最下流位置にトナーが供給されても供給から使用までに時間を要するので摩擦機会が少なすぎることによる帯電量不足の心配は減少する。
また、平均像密度が、上記の4つの数値範囲のうちの数値範囲Jに属すると判定された場合には、制御部40は第2副供給管44の第2副搬送部材441を駆動する第2副モータ442を回転させ、平均像密度が、上記の4つの数値範囲のうちの数値範囲Kに属すると判定された場合には、制御部40は第3副供給管45の第3副搬送部材451を駆動する第3副モータ452を回転させる。この様なモータの制御によりトナーの供給頻度に応じた供給位置への供給が実現する。
第3実施形態のプリンタでは、直近から遡った5画像分の像密度の平均が低いほど、すなわち画像密度が低いほど、磁性キャリアとの過度の摩擦を回避するために、第2収容室132bでの現像剤の搬送方向における下流側にトナーが供給される。一方、直近から遡った5画像分の像密度の平均が高いほど、すなわち画像密度が高いほど、磁性キャリアとの摩擦機会を確保するために、第2収容室132bでの現像剤の搬送方向における上流側にトナーが供給される。以上説明したように、このプリンタでも、新たなトナーの供給位置の制御と過帯電トナーの除去との相乗効果によって、低帯電トナーや逆極トナーの発生が抑制されている。
尚、以上では、画像形成装置の実施形態としてプリンタの例を示したが、本発明にいう画像形成装置はプリンタに限られず、例えば、複写機やファクシミリであってもよい。
また、以上の実施形態では、本発明にいう像保持体としてロール状の感光体の例を示したが、本発明にいう像保持体はこれに限られず、例えばベルト状の部材であってもよい。
また、以上の実施形態では、本発明にいう潜像形成部が非接触タイプの帯電器とレーザー露光器とで構成された例を示したが、本発明にいう潜像形成部はこれに限られず、例えば、帯電ロールの様な接触タイプのものであってもよく、レーザー露光器に替えて複数の発光ダイオードからなるアレイを有するものであってもよい。
また、以上の実施形態では、現像剤から過帯電トナーおよび逆極トナーを除去する例を挙げて説明したが、本発明は、現像ロールと像保持体との間の電界の向きと同じ向きの電界を生じさせる電位差であってこれら現像ロールと像保持体との間の電位差よりも小さい電位差を現像ロールと独立部材との間に生じさせることで劣化トナーである低帯電トナーを現像剤から除去するものであってもよい。
また、以上の実施形態では、本発明にいう供給位置変更機構の一例として、トナー供給部から第2収容部の供給可能範囲R内に延びた複数の供給管を有する例を挙げて説明したが、本発明にいう供給位置変更機構は、1本の供給管が第2収容部の各箇所に移動するものであってもよい。
また、上述した実施形態では、本発明にいう像保持体の表面の潜像に付着させるトナーの例として低温定着トナーを示したが、本発明にいうトナーは低温定着トナーに限られず、従来公知のトナーであってもよい。
ここで、上述した低温定着トナーの製造方法について説明する。
以下では、図1のプリンタ1で採用されているトナーの製造方法、およびそのトナーを有する二成分現像剤の製造方法について説明する。ここでは、一例として40℃における損失弾性率が約4×10[Pa]、トナー中の結晶性ポリエステル樹脂の比率が5%、トナーの形状係数が約115のトナーの製造方法について説明する。
−結晶性ポリエステル樹脂−
ここで、「結晶性ポリエステル樹脂」とは、示差走査結量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。なお、ここで、静電荷現像用トナーに用いられる『結晶性』とは、示差走査熱量測定(DSC)において、DSC曲線が明確な吸熱ピークを有することを指し、具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークが発生し、その後前記DSC曲線のベースラインに戻ることを意味する。
結晶性ポリエステル樹脂としては、具体的には、適度な融解温度を有し炭素数6以上のアルキル基を有する脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。炭素数6以上のアルキル基を有する結晶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸または多価アルコールに炭素数6以上のアルキル基を有する重合性単量体を用いることで得ることができ、例えば、ドデセニルコハク酸などを用いることができるが、これに限るものではない。
樹脂の製造に用いる多価カルボン酸類としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタルレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸等の芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸等の芳香族オキシカルボン酸、コハク酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ダイマー酸、トリマー酸、水添ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和脂肪族及び脂環族ジカルボン酸等を、また多価カルボン酸としては他にトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の三価以上の多価カルボン酸等を用いることができる。
樹脂の製造に用いる多価アルコール類としては脂肪族多価アルコール類、脂環族多価アルコール類、芳香族多価アルコール類等を例示できる。脂肪族多価アルコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジメチロールヘプタン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ε−カプロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られるラクトン系ポリエステルポリオール等の脂肪族ジオール類、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエルスリトール等のトリオール及びテトラオール類等を例示できる。
脂環族多価アルコール類としては1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物及びプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカンジオール、トリシクロデカンジメタノール、ダイマージオール、水添ダイマージオール等を例示できる。
芳香族多価アルコール類としてはパラキシレングリコール、メタキシレングリコール、オルトキシレングリコール、1,4−フェニレングリコール、1,4−フェニレングリコールのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物及びプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
樹脂末端の極性基を封鎖し、トナー帯電特性の環境安定性を改善する目的において単官能単量体がポリエステル樹脂に導入される場合がある。単官能単量体としては、安息香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安息香酸モノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカルボニル安息香酸、n−ドデシルアミノカルボニル安息香酸、ターシャルブチル安息香酸、ナフタレンカルボン酸、4−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、サリチル酸、チオサリチル酸、フェニル酢酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、オクタンカルボン酸、ラウリル酸、ステアリル酸、及びこれらの低級アルキルエステル、等のモノカルボン酸類、あるいは脂肪族アルコール、芳香族アルコール、脂環族アルコール等のモノアルコールを用いることができる。
結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、モノマーの種類によって使い分けて製造する。
結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180〜230℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させても良い。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させると良い。
結晶性ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、及びアミン化合物等が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂の融解温度としては、好ましくは50〜100℃であり、より好ましくは60〜100℃である。前記融解温度が50℃より低いとトナーの保存性や、定着後のトナー画像の保存性が問題となる場合がある一方、100℃より高いと従来のトナーに比べて十分な低温定着が得られない場合がある。
また、結晶性ポリエステル樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、ここでは、最大のピークをもって融解温度とする。
更に、樹脂融解温度の測定には、例えばパーキンエルマー社製のDSC−7を用いることができる。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融解温度を用い樹脂のガラス転移温度の測定も同様に測定することができる。
このトナーに使用される結晶性ポリエステル樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による分子量測定で、重量平均分子量(Mw)が8,000〜35,000であり、好ましくが10,000〜25,000である。重量平均分子量が8,000未満では、非晶性樹脂や離型剤との相溶が進行し、可塑を発生させる場合がある。また、35,000を超えるとトナー溶融時の粘度が上昇し、定着性や画像光沢性を損なうことがある。ここで、樹脂の分子量は、THF可溶物を、東ソー製GPC・HLC−9120、東ソー製カラム「TSKgel SuperHM−M」(15cm)を使用し、THF溶媒で測定し、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して分子量を算出したものである。後述する非晶性ポリエステル樹脂の測定でも同様に測定した。
このトナーは、結晶性ポリエステル樹脂のASTM D3418−8に準拠して測定される融解温度(mp)が50〜100℃が好ましく用いられる。融解温度が50℃未満では、トナーの熱保安性が低下し、100℃を超えるとトナー定着時の画像光沢度が低下する。
結晶性ポリエステル樹脂の酸価(樹脂1gを中和するに必要なKOHのmg数)を5〜50mgKOH/gに制御する。該酸価が5mgKOH/g未満では、結晶性ポリエステル樹脂粒子同士が凝集体を形成し、離型剤との構造体の形成が困難となるばかりでなく、結晶性ポリエステル樹脂粒子がトナー中に独立に存在、或いは大きく成長しトナー表面に露出することがあり、トナーの流動性、帯電性の観点から好ましくない。また、該酸価が50mgKOH/gを超えるとトナー中への内包が困難となる場合がある。
−非晶性ポリエステル樹脂−
非晶性ポリエステル樹脂としては、上記触媒を用い主として上述した多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮重合により得られるものである。
非晶性ポリエステル樹脂は、上記多価アルコールと多価カルボン酸を常法に従って縮合反応させることによって製造することができる。例えば、上記多価アルコールと多価カルボン酸、必要に応じて触媒を入れ、温度計、撹拌器、流下式コンデンサを備えた反応容器に配合し、不活性ガス(窒素ガス等)の存在下、150〜250℃で加熱し、副生する低分子化合物を連続的に反応系外に除去し、所定の酸価に達した時点で反応を停止させ、冷却し、目的とする反応物を取得することによって製造することができる。
このトナーに用いられる非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、ASTM
D3418−8に準拠して求めた場合に50℃以上であることが好ましく、さらには55℃以上、またさらには60℃以上、65℃未満であることが好ましい。ガラス転移温度が50℃未満の場合には、取扱い中あるいは保存中に凝集する傾向がみられ、保存安定性に問題を生ずる場合がある。また、65℃以上の場合は、定着性を低下させる場合があり、好ましくない。
また、このトナーに用いられる非晶性ポリエステル樹脂の軟化点は、60〜90℃の範囲であることが好ましい。樹脂の軟化温度を60℃未満に抑えたトナーにおいては、取扱い中あるいは保存中に凝集する傾向がみられ、特に長時間の保存において、流動性が大きく悪化する場合がある。軟化点が90℃を超える場合には定着性に支障をきたす場合がある。また定着ロールを高温に加熱する必要が生じるために、定着ロールの材質、ならびに複写される基材の材質が制限される。
このトナーに使用される非晶性ポリエステル樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)
可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による分子量測定で、重量平均分子量(Mw)が20,000〜50,000であり、好ましくは25,000〜50,000である。重量平均分子量が25,000未満では、トナーの熱保管性が低下するばかりでなく、定着された画像の強度が低下する。また、50,000を超えると定着性が悪化し、画像光沢も低下する。
非晶性ポリエステル樹脂の酸価を10〜50mgKOH/gが好ましい。該酸価が10mgKOH/g未満では、トナー製造時の凝集体の粒度成長が早くなるため、出来上がるトナーの粒度分布が拡大するという不具合が生じる場合がある。また、該酸価が50mgKOH/gを超えると、結晶性ポリエステル樹脂、離型剤との酸価の差が大きくなるため、結晶性ポリエステル樹脂、離型剤との凝集だけが進む場合があり、定着性がトナー粒子間で変化してしまうという不具合がある。非晶性ポリエステル樹脂の酸価は、原料の多価カルボン酸と多価アルコールの配合比と反応率により、ポリエステルの末端のカルボキシル基を制御することによって調整することができる。あるいは多価カルボン酸成分として無水トリメリット酸を使用することによってポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を有するものが得られる。
このトナーは、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂の重量比率が5/95〜40/60であり、非晶性ポリエステル樹脂の割合が60%未満では、良好な定着特性は得られるものの、定着像中の相分離構造が不均一となり、定着画像の強度、特に引っかき強度が低下し、傷がつきやすくなるといった問題を呈することがある。一方、95%を超える場合では、結晶性ポリエステル樹脂由来のシャープメルト性が得られず、可塑が発生することがあり、良好な低温定着性を確保しつつ、耐トナーブロッキング性、画像保存性を保つことができなくなる場合がある。
結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液の作成については、樹脂の酸価の調整やイオン性界面活性剤などを用いて乳化分散することにより、調製することが可能である。
また、その他の方法で作製した樹脂の場合は油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば樹脂をそれらの溶剤に解かして水中にイオン性の界面活性剤や高分子電解質と共にホモジナイザーなどの分散機により水中に粒子分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液を作製することができる。また、樹脂に界面活性剤を加え、ホモジナイザーなどの分散機により水中にて乳化分散する方法や転相乳化法などにより、樹脂粒子分散液を調製してもよい。
このようにして得られた樹脂粒子分散液の粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700堀場製作所製)で測定することができる。
−離型剤−
このトナーに用いられる離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油ワックス、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の高脂肪酸と高級アルコールとのエステルワックス類;ステアリン酸ブチル、オレイン酸プロピル、モノステアリン酸グリセリド、ジステアリン酸グリセリド、ペンタエリスリトールテトラベヘネート等の高級脂肪酸と単価又は多価低級アルコールとのエステルワックス類;ジエチレングリコールモノステアレート、ジプロピレングリコールジステアレート、ジステアリン酸ジグリセリド、テトラステアリン酸トリグリセリド等の高級脂肪酸と多価アルコール多量体とからなるエステルワックス類;ソルビタンモノステアレート等のソルビタン高級脂肪酸エステルワックス類;コレステリルステアレート等のコレステロール高級脂肪酸エステルワックス類などを挙げることができる。本実施の形態において、これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、本実施の形態においては、これらの中で融解温度が40℃〜120℃の物が用いられるが、最近の省エネルギー対応としての低温定着性の要求に対応する為には、特に50℃〜100℃の物が好ましく、より好ましくは50〜80℃の物が用いられる。
これらの離型剤の添加量としては、トナー全量に対して、0.5〜30重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜20重量%の範囲、さらに好ましくは5〜15重量%の範囲である。添加量が0.5重量%未満であると離型剤添加の効果がなく、30重量%を超えると、帯電性に影響が現れやすくなったり、現像器内部においてトナーが破壊されやすくなり、離型剤のキャリアへのスペント化が生じ、帯電が低下しやすくなる等の影響が現れる場合がある。
離型剤分散液中のワックス粒子の体積平均粒径は、0.1〜0.5μmの範囲が好ましいが、特に0.1〜0.3μmが好ましい。体積平均粒径が0.5μmを超えると、トナー表面へ露出しやすくなりトナーの粉体流動性を悪化させたり像保持体や現像部材へのフィルミングがしやすくなったりする。また凝集工程で内包されない、合一工程で離型剤粒子が脱落してしまう問題が生じる。特にカラートナーを得る場合においては、離型剤粒子が大きいと乱反射によりOHP透過性が下がり、色再現性も低下する。なお、前記体積平均粒径は、例えば、上述したレーザー回折式粒度分布測定機などを用いて測定することができる。体積平均粒径が0.1μm以下では、トナーに充分な離型性を付与することが出来なくなり好ましくない。
離型剤分散に於ける分散媒体は、水系が好ましく、水、純水、イオン交換水が用いられる。分散剤としては界面活性剤が用いられる。このトナーに用いられるワックス分散液の作製は、例えばボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、ナノマイザー、マイクロフルイダイザー、アルティマイザー、ゴーリン等の高圧型分散機、などの公知の分散方法を用いて、記述したような粒径、含有量を満たすことができるのであれば、いかなる方法・条件により作製されるものであってもよい。
−着色剤−
着色剤は、通常トナー中に効果的な量、例えばトナーの約1〜約15重量%、望ましくは約3〜約10重量%存在する。このトナーの製法で使用する、着色剤としては特に限定されず、公知の着色剤を使用することができ、目的に応じて適宜選択することができる。顔料を1種単独で用いてもよいし、同系統の顔料を2種以上混合して用いてもよい。また異系統の顔料を2種以上混合して用いてもよい。前記着色剤としては、具体的には、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;ベンガラ、アニリンブラック、紺青、酸化チタン、磁性粉等の無機顔料;ファストイエロー、モノアゾイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン(3B、6B等)、パラブラウン等のアゾ顔料;銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料;フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料;等が挙げられる。
また、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、デュポンオイルレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート、パラブラウンなどの種々の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジゴ系、チオインジゴ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料;などが挙げられる。これらの着色剤に透明度を低下させない程度にカーボンブラック等の黒色顔料、染料を混合してもよい。また、分散染料、油溶性染料等も挙げられる。
着色剤分散に於ける分散媒体は、水系が好ましく、水、純水、イオン交換水が用いられる。分散剤としては界面活性剤が用いられる。このトナーに用いられる着色剤分散液の作製は、例えばボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、ナノマイザー、マイクロフルイダイザー、アルティマイザー、ゴーリン等の高圧型分散機、などの公知の分散方法を用いて、記述したような粒径、含有量を満たすことができるのであれば、いかなる方法・条件により作製されるものであってもよい。
<その他の成分>
このトナーに用いられ得るその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、無機粒子、有機粒子、帯電制御剤、離型剤等の公知の各種添加剤等が挙げられる。
上記無機粒子は、一般にトナーの流動性を向上させる目的で使用される。該無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の粒子が挙げられる。これらの中でも、シリカ粒子が好ましく、疎水化処理されたシリカ粒子が特に好ましい。
無機粒子の平均1次粒子径(数平均粒子径)としては、1〜1000nmの範囲が好ましく、その添加量(外添)としては、トナー100重量部に対して、0.01〜20重量部の範囲が好ましい。
有機粒子は、一般にクリーニング性や転写性、時には帯電性を向上させる目的で使用される。前記有機粒子としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリスチレン−アクリル共重合体等の粒子が挙げられる。
帯電制御剤は、一般に帯電性を向上させる目的で使用される。帯電制御剤としては、例えば、サリチル酸金属塩、含金属アゾ化合物、ニグロシンや4級アンモニウム塩等が挙げられる。
<トナーの特性>
このトナーの体積平均粒子径は、1〜12μmが好ましく、3〜9μmがより好ましく、3〜8μmがより好ましい。また、本実施の形態のトナーの数平均粒子径は、1〜10μmが好ましく、2〜8μmがより好ましい。粒子径が小さすぎると製造性が不安定になり、帯電性が不十分になり、現像性が低下することがあり、大きすぎると画像の解像性が低下する。
[現像剤]
次に、静電潜像現像用現像剤(以下「現像剤」ともいう)について説明する。
現像剤は、上記のトナーを含有する以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。この現像剤は、前記トナーを、単独で用いると一成分系の現像剤となり、また、トナーとキャリアとを組み合わせて用いると二成分系の現像剤となる。
キャリアとしては、特に制限はなく、それ自体公知のキャリアが挙げられ、例えば、特開昭62−39879号公報、特開昭56−11461号公報等に記載された樹脂被覆キャリア等の公知のキャリアが挙げられる。
キャリアの具体例としては、樹脂被覆キャリアが挙げられる。該キャリアの核体粒子としては、通常の鉄粉、フェライト、マグネタイト造型物などが挙げられ、その体積平均粒径は、30〜200μm程度の範囲である。
キャリアの製造には、加熱型ニーダー、加熱型ヘンシェルミキサー、UMミキサーなどを使用することができ、前記被覆樹脂の量によっては、加熱型流動転動床、加熱型キルンなどを使用することができる。
また、この現像剤においては、トナーとキャリアとの混合比としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
実施例
以下、実施例によりこのトナーをさらに具体的に説明する。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて「質量部」を意味する。
(損失弾性率の測定方法)
損失弾性率の測定方法は角周波数が6.28rad/sec、歪量0.1%、40℃で測定したものである。
損失弾性率は、正弦波振動法により測定した動的粘弾性から求めており、動的粘弾性の測定にはレオメトリックサイエンティフィック社製ARES測定装置を用いた。動的粘弾性の測定は、錠剤に成形したトナーを、8mm径のパラレルプレートにセットし、ノーマルフォースを0とした後に6.28rad/secの振動周波数で正弦波振動を与えて実施した。測定は30℃から開始し、50℃まで継続した。測定時間インターバルは30秒
、昇温は1℃/minとし、歪量を0.1%にし、複素弾性率及び正接損失を求めた。
(トナーの形状係数)
形状係数は以下の式により求めた。
形状係数=((最大径/2)×π)×100/投影面積
ここに、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。
また、投影面積とは、トナー粒子の平面上への投影像の面積をいう。
この形状係数は、走査型電子顕微鏡により2000倍にトナー粒子を拡大した写真を撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。
この際、100個のトナー粒子を使用してこのトナーの形状係数を上記算出式にて測定したものである。
(粒度および粒度分布測定方法)
このトナーの粒度および粒度分布測定について述べる。測定する粒子が2μm以上の場合、測定装置としてはコールターマルチサイザーII型(ベックマンーコールター社製)を用い、電解液はISOTON―II(ベックマンーコールター社製)を使用した。
測定法としては分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100〜150ml中に添加した。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記マルチサイザーII型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求めた。測定する粒子数は50000であった。
またこのトナーの粒度は以下の方法により求めた。測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、粒度の小さいほうから体積累積分布を描き、累積50%となる体積平均粒径をD50と定義する。用いたトナーの体積平均粒径は該D50である。
なおキャリアの平均粒径は電子顕微鏡(FE―SEM)による写真を撮影し、100個の粒子について個々の最大径、最少径を測定し、その和を2で割ったものを個々の粒子の粒径とした。キャリアの平均粒径は個々の個々の粒子の粒径の平均である。なお樹脂被覆を行う前のコアについての平均粒径も同様の方法で測定した。
−結晶性ポリエステル樹脂の調整−
三口フラスコにデカン酸ジメチル100質量部、1,9−ノナンジオール75.0質量部、ジブチルすずオキサイド0.08質量部を窒素雰囲気下で、180℃、8時間反応させる。反応中、生成された水は系外へ除去した。その後、徐々に減圧しながら、230℃まで温度をあげて、7時間反応させた後、冷却し、結晶性ポリエステル樹脂を得た。この結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、17000であった。
−非晶性ポリエステル樹脂の作製−
三口フラスコにテレフタル酸ジメチル82質量部、イソフタル酸ジメチル82質量部、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物79質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物257質量部、ジブチルすずオキサイド0.23質量部を窒素雰囲気下で、180℃、3時間反応させる。反応中、生成された水は系外へ除去した。その後、徐々に減圧しながら、240℃まで温度をあげて、2時間反応させた後、冷却し、非晶性ポリエステル樹脂を得た。この非晶性ポリエステル樹脂の重量分子量は、16500であった。
−結晶性ポリエステル/非晶性ポリエステル混合樹脂分散液の作製−
三口フラスコに、上記の結晶性樹脂を5質量部、上記の非晶性樹脂を95質量部、メチルエチルケトン50質量部、イソプロピルアルコール15質量部を加えて攪拌させながら、60℃に加熱して、樹脂を溶解させた後、10%アンモニア水溶液25質量部を加える。さらにイオン交換水400質量部を徐々に加えて、転相乳化を行った後、脱溶媒した後、固形分濃度を25%に調整し、結晶性ポリエステル/非晶性ポリエステル混合樹脂分散液を得た。
−離型剤分散液の調製−
・パラフィンワックス(日本精蝋(株)性:HNP9,融解温度77℃):60質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):4質量部
・イオン交換水:200質量部
以上の成分を混合した溶液を120℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社)で分散処理し、体積平均粒径が250nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液を調製した。なお、この分散液の離型剤濃度が20質量%となるように水分量を調整した。
−着色剤分散液の調製−
・シアン顔料(銅フタロシアニンB15:3、大日精化社製):50質量部
・非イオン性界面活性剤ノニポール400(花王社製):5質量部
・イオン交換水:200質量部
以上の成分を混合溶解し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて約1時間分散し、水分量を調整して、着色剤粒子分散液(1)を得た。
−トナー母粒子の製造−
・上記の結晶性ポリエステル/非晶性ポリエステル混合樹脂分散液:720質量部
・上記の着色剤分散液:50質量部
・上記の離型剤分散液:70質量部
・カチオン界面活性剤・(花王(株)製:サニゾールB50):1.5質量部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容し、0.1規定の硫酸を添加してpHを3.8に調整した後、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの濃度が10重量%の硝酸水溶液30質量部を添加した。
その後にホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で40℃まで加熱した。得られたコア凝集粒子の体積平均粒径を測定すると、5.2μmであった。
この凝集粒子分散液を40℃で30分間保持した後、このコア凝集粒子が形成された分散液中に、非晶性ポリエステル樹脂分散液を緩やかに160質量部追加し1時間保持した。得られた付着樹脂凝集粒子の体積平均粒径は6.2μmであった。0.1規定の硝酸を添加してpHを7.0に調整した後、攪拌を継続しながら95℃まで加熱し、5時間保持した。
その後、20℃/minの速度で20℃まで冷却し、これをろ過し、イオン交換水で洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることによりトナー母粒子を得た。得られたトナー母粒子の体積平均粒径は6.1μmであった。
−キャリヤの製造−
・フェライト粒子(体積平均粒径:50μm):100質量部
・トルエン:14質量部
・スチレン−メチルメタクリレート共重合体(成分比:スチレン/メチルメタクリレート=90/10、重量平均分子量Mw=80000):2質量部
・カーボンブラック(R330:キャボット社製):0.2質量部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散した被覆液を調製し、次に、この被覆液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリヤを得た。
−現像剤の作製−
上記のトナー母粒子について、外添剤として市販のヒュームドシリカRX50(日本アエロジル製)をトナー母粒子100質量部に対して1.2質量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合して静電荷像現像用トナーを得た。ついで、このトナー8質量部と上記キャリア100質量部とを混合して二成分現像剤を調整した。
1 プリンタ
2、3、4 トナー供給装置
10 感光体
11 帯電器
12 レーザー露光器
13 現像器
100 中央制御部
131 撹拌搬送部材
132 現像剤収容槽
133 現像ロール
134 搬送ロール
14 転写ロール
15 定着器
16 用紙カセット
17 用紙搬送装置
20、30、40 制御部
21 トナーカートリッジ
22 垂直主供給管
221 第1主搬送部材
222 第1主モータ
23 水平主供給管
231 第2主搬送部材
232 第2主モータ
24、43 第1副供給管
241 第1開閉弁
25、44 第2副供給管
251 第2開閉弁
26、45 第3副供給管
261 第3開閉弁
27、46 第4副供給管
271 第4開閉弁
341、431 第1副搬送部材
342、432 第1副モータ
351、441 第2副搬送部材
352、442 第2副モータ
361、451 第3副搬送部材
362、452 第3副モータ
371、461 第4副搬送部材
372、462 第4副モータ

Claims (10)

  1. 表面に像が形成されて該像を保持する像保持体;
    前記像保持体の表面に静電的な潜像を形成する潜像形成部;
    トナーを内部に収容したトナー収容部;
    前記潜像形成部によって潜像が形成される面の広がる方向に前記像保持体と並んだ、該表面の電位が該像保持体の表面電位とは独立な独立部材;
    前記像保持体表面に形成された潜像に帯電トナーを付着させてトナー像を形成する、該帯電トナーを含んだ現像剤を内部に収容したものであって、
    前記像保持体および前記独立部材の双方に隣り合った、該像保持体および該独立部材とは電位差を有する、表面に前記現像剤を保持して回転することで該現像剤を、該像保持体に面した現像領域および該独立部材に面した対向領域へと搬送する現像ロールと、該現像ロールに隣り合い該現像ロールの回転軸に沿って延びた、内部に前記現像剤を収容して該現像剤を該現像ロールに供給する、収容した現像剤を攪拌しつつ該回転軸に沿って、前記独立部材から遠い方から該独立部材に近づく方へと向かう第1方向に搬送する第1収容部と、該第1収容部に隣接し該第1収容部に並んで延びた、両端に、該第1収容部との間で現像剤が移動する移動口が設けられた、内部に前記現像剤を収容しトナーが供給されて該現像剤と該トナーを攪拌して混合しつつ前記第1方向とは逆の第2方向に搬送する第2収容部と、前記トナー収容部から該第2収容部に該トナーを供給するトナー供給部と、該トナー供給部が該第2収容部へトナーを供給する供給位置の変更を指示されて、該供給位置を該第2方向に沿う方向に変更する供給位置変更機構とを有する現像装置;および
    前記第2収容部への前記トナーの供給量に応じた位置への前記供給位置の変更を前記供給位置変更機構に指示する変更指示部;
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記独立部材に電位を付与することで、該独立部材と前記現像ロールとの間に、該現像ロールと前記像担持体との間の電位差よりも大きい電位差と、該現像ロールと該像担持体との間の電界の向きと同じ向きの電界とを生じさせる第1電位付与部を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記独立部材に電位を付与することで、該独立部材と前記現像ロールとの間に、該現像ロールと前記像担持体との間の電界の向きとは逆向きの電界を生じさせる第2電位付与部を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 前記独立部材に第1の電位を付与することで、該独立部材と前記現像ロールとの間に、該現像ロールと前記像担持体との間の電位差よりも大きい電位差と、該現像ロールと該像担持体との間の電界の向きと同じ向きの電界とを生じさせる第1電位付与部と、該独立部材に第2の電位を付与することで、該独立部材と該現像ロールとの間に、該現像ロールと該像担持体との間の電界の向きとは逆向きの電界を生じさせる第2電位付与部とを兼ねた、前記第1の電位と前記第2の電位との切換が自在な電位付与部を備えたことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載の画像形成装置。
  5. 前記独立部材が、ロール状の外形を有し、回転しながら周面に、前記対向領域に搬送されてきた現像剤から前記帯電トナーを吸着するものであることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項記載の画像形成装置。
  6. 前記変更指示部は、前記潜像形成部によって形成される潜像の像密度に応じて、該像密度が高いほど前記第2方向における上流側への前記供給位置の変更を指示するものであることを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか1項記載の画像形成装置。
  7. 前記変更指示部は、前記トナー供給部から前記第2収容部への前記トナーの供給の頻度に応じて、該頻度が高いほど前記第2方向における上流側への前記供給位置の変更を前記供給位置変更機構に指示するものであることを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか1項記載の画像形成装置。
  8. 前記変更指示部は、予め決められた時間当たりの、前記トナー供給部が前記トナーを供給する供給時間に応じて、該供給時間が長いほど前記第2方向における上流側への前記供給位置の変更を前記供給位置変更機構に指示するものであることを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか1項記載の画像形成装置。
  9. 前記トナー供給部が、前記第2収容部中の、前記第2方向に沿った複数の箇所それぞれに達する複数の供給路を有し、該複数の供給路それぞれで該複数の箇所それぞれに該トナーを供給するものであり、
    前記供給位置変更機構が、前記複数の供給路それぞれを開閉する複数の開閉器を有し、指示に応じた開閉器を開閉するものであり、
    前記変更指示部が、前記供給位置の変更の指示として、前記供給位置変更機構に、前記複数の開閉器のうち、前記第2収容部への前記トナーの供給量に応じた開閉器を指示するものであることを特徴とする請求項1から8のうちのいずれか1項記載の画像形成装置。
  10. 前記トナー供給部が、前記第2収容部中の、前記第2方向に沿った複数の箇所それぞれに達する複数の供給路と、該複数の供給路それぞれの内部に設けられて前記トナーを該供給路に沿って該複数の箇所それぞれに搬送する複数の搬送機構とを有するものであり、
    前記供給位置変更機構が、前記複数の搬送機構のうち指示に応じた搬送機構を駆動するものであり、
    前記変更指示部が、前記供給位置の変更の指示として、前記供給位置変更機構に、該複数の搬送機構のうち、前記第2収容部への前記トナーの供給量に応じた搬送機構を指示するものであることを特徴とする請求項1から8のうちのいずれか1項記載の画像形成装置。
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